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JP2004158536A - 半導体装置及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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JP2004158536A
JP2004158536A JP2002320960A JP2002320960A JP2004158536A JP 2004158536 A JP2004158536 A JP 2004158536A JP 2002320960 A JP2002320960 A JP 2002320960A JP 2002320960 A JP2002320960 A JP 2002320960A JP 2004158536 A JP2004158536 A JP 2004158536A
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chips
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隆明 井戸
Takayoshi Nakamura
孝好 中村
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太郎 児玉
Tomoaki Kojo
智章 古城
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Fujitsu Ltd
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Abstract

【課題】チップサイズに依らずに複数のチップを積層可能とし、パッケージ内における配線効率を向上することのできる半導体装置を提供すること。
【解決手段】上チップ13は下チップ14における各パッド15の形成領域を確保するように平面位置をずらして積層され、下チップ14の縁辺から突出される上チップ13の下には、該上チップ13における各パッド18の形成領域に対応してスペーサ19が配置される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体装置及び半導体装置の製造方法に関するものである。
近年、半導体装置は高集積化及び多機能化が要求され、一つのパッケージ内に複数のチップを積層して搭載するスタック型マルチチップパッケージ(スタックMCP)技術が開発されている。
【0002】
【従来の技術】
従来、スタックMCPとして、サイズの異なる複数のチップをそれらの外形寸法の大きさにしたがって下層から上層にかけて順次ピラミッド状に積層し、各チップの端子電極(パッド)をワイヤボンディングによって基板上の端子と接続する構成がある(例えば特許文献1,特許文献2参照)。
【0003】
また、他のスタックMCPとして、サイズの如何にかかわらず複数のチップを積層することのできるパッケージ構造が提案されている(例えば特許文献3参照)。同文献に開示されたスタックMCPでは、上層のチップを下層のチップに対して平面位置をずらして積層することによって、チップサイズに影響されずに同一パッケージ内に複数のチップを積層することが可能となっている。
【0004】
【特許文献1】
実開昭62−158840号公報
【特許文献2】
特開平6−37250号公報
【特許文献3】
特開2001−196526号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した従来技術のスタックMCPでは、以下の問題があった。
特許文献1,2に開示されたパッケージ構造では、上層にあるチップが下層にあるチップよりもサイズが小さくなければならず、同一サイズのチップは積層することができない。すなわち、下層のチップにおいてパッドが形成されている領域は、その上層のチップに対して必ず露出されている必要があり、積層する順位によってチップ形状が制約されるため、設計自由度が極めて小さいという問題があった。
【0006】
特許文献3に開示されたパッケージ構造では、チップをずらして積層することにより、同一サイズのチップであっても実装することは可能である。しかしながら、この従来構造では、上層のチップに設けられるパッドは、上下のチップが互いに重なる領域となる縁辺に配置される(同文献3、図1参照)。このため、各チップの同一辺に配線が集中し、パッケージ内における配線を効率的に行うことができないという問題があった。また、このような構造を用いた3段以上のチップの積層は技術的にも困難であった。
【0007】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的はチップサイズに依らずに複数のチップを積層可能とし、パッケージ内における配線効率を向上することのできる半導体装置及び半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明によれば、複数のチップを積層して実装した半導体装置において、上層のチップは下層のチップに対して平面位置をずらして積層され、各チップには、それぞれのチップ同士の互いに重なり合わない領域となる辺に沿ってパッドが形成されている。そして、パッドの形成領域に対応する前記上層のチップの下には、前記下層のチップと略同厚のスペーサが配置される。
【0009】
この構成では、各チップのパッドが同一辺に集中してパッケージ配線の効率が低下することが抑止される。また、前記スペーサが配置されることにより、前記上層のチップのワイヤボンディング時に、該上層のチップはスペーサによって支持される。このため、ワイヤボンディング時の押圧力により、上層のチップが損傷を受けるのを防止することができる。従って、パッケージ内の配線効率を向上させながら、3層以上の複数段のチップを積層可能である。
【0010】
請求項2,5に記載の発明によれば、前記スペーサは、該スペーサの上面及び下面のうち少なくとも何れか一方の面に、その面に対向するチップのパッドと接触して電気的に接続される配線パターンが形成されてなる配線フィルムとした。
【0011】
これによれば、配線パターンを形成した配線フィルムを前記スペーサとして用いることにより、各チップを積層すると同時に、それらのパッケージ配線を並行して行うことができる。これにより、アセンブリ工程の工程数を削減してコストダウンを図ることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、3層以上の複数段のチップを積層する際において、前記上層のチップに形成されたパッドは、そのチップを挟む上層又は下層のチップと同層の位置に配置される前記配線フィルムに形成した配線パターンと接続される。
【0013】
この構成では、各層のチップのパッドはその上層又は下層に配置された配線フィルムの配線パターンと接続される。その際、配線パターンを両面に形成した配線フィルムを用いることによって、該配線フィルムを設ける数を減らすことができるため、コストダウンを図ることができる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、3層以上の複数段のチップを積層する際において、それぞれ上層のチップは、下層のチップに対して対称的に平面位置を交互にずらして積層される。その際、各チップのパッドは、前記それぞれのチップ同士の互いに重なり合わない領域となる辺に形成されることから、各層のチップにおいてパッド数が制限されることはない。
【0015】
【発明の実施の形態】
(第一実施形態)
以下、本発明を具体化した第一実施形態を図1に従って説明する。
【0016】
図1は、本実施形態のスタックMCPの構造を示す概略斜視図である。
このスタックMCP11は、基板12上に2つのチップ13,14が上下に積層して実装された半導体装置である。下層のチップ(以下、下チップ)14は基板12と接着剤により接合され、上層のチップ(以下、上チップ)13は下チップ14と接着剤により接合されている。
【0017】
上チップ13と下チップ14は、本実施形態では同一サイズであり、上チップ13は下チップ14に対して平面位置を対角線方向(図において右上45°)にずらして積層されている。尚、上チップ13と下チップ14は異なるサイズであっても構わない。
【0018】
詳述すると、下チップ14には、互いに隣り合ういずれかの2辺(図において左側及び下側の辺)に沿って複数のパッド15が形成されており、各パッド15は、基板12上に設けられた端子16とワイヤ17を介して配線されている。従って、上チップ13は、前記下チップ14における各パッド15の形成領域が確保(露出)されるように平面位置をずらして積層される。
【0019】
尚、上記のように、各パッド15が下チップ14の互いに隣り合ういずれかの2辺に形成される場合においては、上チップ13は対角線方向にずらして積層されるが、勿論、各パッド15は下チップ14のいずれか1辺のみに形成されていてもよい。この場合、上チップ13は下チップ14に対して横方向もしくは縦方向にずらして積層される。
【0020】
反対に、上チップ13には、前記下チップ14にて各パッド15が形成される辺と対向する辺(図において右側及び上側の辺)に沿って複数のパッド18が形成されており、各パッド18は、前記と同様、基板12上に設けられた端子16とワイヤ17を介して配線されている。すなわち、上チップ13の各パッド18は、上下のチップ13,14同士が互いに重なり合わない領域となる辺に配置されている。
【0021】
そして、前記各パッド18が形成される領域に対応する該上チップ13の直下には、スペーサ19が配置されている。
詳述すると、このスペーサ19は、例えばポリイミド等の材質よりなるプラスチックフィルムで構成され、前記下チップ14のチップ厚と略同じ厚さで形成されている。また、スペーサ19は、本実施形態では、チップ13をずらすことにより該上チップ13が下チップ14の縁辺から突出される領域に対応する幅で形成されている。
【0022】
このようなスペーサ19は、前記上チップ13が下チップ14の縁辺から突出される領域をあらかじめ見越して、各パッド18の形成位置に対応するように下チップ14と同層の位置に配置される。尚、スペーサ19としては、時間経過とともに硬化する充填材でもよい。
【0023】
上記のように構成されたスタックMCP11では、基板12に実装した下チップ14に対して、それと同一サイズの上チップ13を実装することができる。
また、このスタックMCP11では、上チップ13の各パッド18と基板12の端子16とをワイヤ17を介して配線する際、上チップ13はスペーサ19によって支持される。これにより、ワイヤボンディング時に上チップ13が受ける押圧力による衝撃を緩和して、上チップ13を保護することができる。
【0024】
尚、本実施形態では、2つのチップ13,14を上下に積層する2層構造のスタックMCP11を例として説明したが、勿論、3層以上であっても積層することは可能である。
【0025】
例えば、3層構造の場合は、最上位の3層目のチップを、2層目のチップ(図1における上チップ13)に対して、1層目のチップ(図1における下チップ14)と同じ位置になるように対称的にずらして配置する。また、4層構造の場合は、最上位の4層目のチップを、上記3層目のチップに対して2層目のチップと同じ位置になるように対称的にずらして配置する。
【0026】
以下同様にして、上層のチップを下層のチップに対して上記のように対称的に交互にずらしながら積層することにより複数段での実装が可能である。尚、このように3層以上でチップを積層する場合、2層目以上に配置するスペーサとしては、上記したような充填材を用いる。
【0027】
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)上チップ13は、下チップ14における各パッド15の形成領域が確保されるように平面位置をずらして積層され、それによって下チップ14の縁辺から突出される上チップ13の直下には、該上チップ13における各パッド18の形成領域に対応してスペーサ19が配置される。このスタックMCP11では、上チップ13がワイヤボンディング時に受ける衝撃をスペーサ19により緩和することができる。換言すれば、上チップ13の各パッド18を、下チップ14にて各パッド15が形成される辺と対向する辺に形成することができる。これにより、各チップ13,14の同一辺に配線が集中することが抑止され、パッケージ内における配線効率を向上させることができる。
【0028】
(2)本実施形態では、上層のチップ13の各パッド18は、それぞれのチップ13,14同士が互いに重なり合わない領域となる辺に沿って配置され、上層のチップ13は、下層のチップ14とスペーサ19とによりほぼチップ全体にわたって支持される。その結果、チップサイズの如何にかかわらず、3層以上の複数段のチップを積層可能とするスタックMCPを実現できるとともに、また、その際に各チップにおけるパッケージ配線を各辺に分散させることができるため、配線効率を向上させることができる。
【0029】
(3)本実施形態では、3層以上の複数段のチップを積層する場合であっても各チップにそれぞれ同数のパッドを形成することが可能である。このため、上層のチップにおいてパッド数が制限されることもない。
【0030】
(第二実施形態)
以下、本発明を具体化した第二実施形態を図2に従って説明する。
図2は、第二実施形態のスタックMCPの構造を示す概略斜視図である。
【0031】
このスタックMCP21は、基板22上に2つのチップ23,24が上下に積層して実装された半導体装置である。上層のチップ(以下、上チップ)23及び下層のチップ(以下、下チップ)24は、本実施形態ではそれぞれ素子形成面を下にして基板22に対して裏向き(フリップ)に実装されている。
【0032】
上チップ23と下チップ24は、本実施形態では同一サイズであり、上チップ23は下チップ24に対して平面位置を対角線方向(図において右上45°)にずらして積層されている。尚、上チップ23と下チップ24は異なるサイズであっても構わない。
【0033】
詳述すると、下チップ24の素子形成面(図において裏面)には、互いに隣り合ういずれかの2辺(図において左側及び下側の辺)に沿って複数のパッド25が形成されており、各パッド25は、基板22上に例えば銅箔にて形成される外部接続用の配線パターン26と接触して電気的に接続されている。
【0034】
反対に、上チップ23の素子形成面(図において裏面)には、前記下チップ24にて各パッド25が形成される辺と対向する辺(図において右側及び上側の辺)に沿って複数のパッド27が形成されている。
【0035】
すなわち、上チップ23の各パッド27は、上チップ23をずらすことにより該上チップ23が下チップ24の縁辺から突出する領域、換言すれば、上下のチップ23,24同士が互いに重なり合わない領域となる辺に沿って配置されている。従って、上チップ23は、各パッド27の形成領域が確保(露出)されるように平面位置をずらして積層される。
【0036】
尚、第一実施形態と同様、下チップ24の各パッド25は、該下チップ24のいずれか1辺のみに形成されていてもよい。この場合、上チップ23は下チップ24に対して横方向もしくは縦方向にずらして積層される。
【0037】
前記各パッド27が形成される領域に対応する上チップ23の下には、配線フィルム28が配置されている。
詳述すると、この配線フィルム28は、第一実施形態と同様、例えばポリイミド等の材質よりなるプラスチックフィルムで構成され、前記下チップ24のチップ厚と同じ厚さあるいはそれよりも若干薄い厚さで形成されている。また、この配線フィルム28の上面には、例えば銅箔にてなる外部接続用の配線パターン29が形成されており、この配線パターン29に前記上チップ23の各パッド27が接触して電気的に接続されている。
【0038】
このような配線フィルム28は、上チップ23をずらすことにより該上チップ23が下チップ24の縁辺から突出される領域を見越して、各パッド27の形成位置に対応するように下チップ24と同層の位置に配置される。
【0039】
上記のように構成されたスタックMCP21では、第一実施形態と同様、基板22に実装した下チップ24に対して、それと同一サイズの上チップ23を実装することができる。
【0040】
また、このスタックMCP21では、上チップ23の各パッド27と接続される配線パターン29を有した配線フィルム28が、あらかじめ下チップ24と同層の位置に配置される。これにより、上チップ23を下チップ24に対して積層する際には、それと並行して上チップ23のパッケージ配線をも同時に行うことができる。
【0041】
尚、本実施形態では、2つのチップ23,24を上下に積層する2層構造のスタックMCP21を例として説明したが、勿論、3層以上であっても実装することは可能である。すなわち、3層以上の場合には、2層目以上のチップと同層の位置に、前記と同様の配線フィルム28をそれぞれ配置し、上層のチップを下層のチップに対して、第一実施形態と同様に対称的に交互にずらしながら積層することによって実装する。
【0042】
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)上チップ23は、各パッド27の形成領域が確保されるように下チップ24に対して平面位置をずらして裏向き(フリップ)に積層され、下チップ24の縁辺から突出される上チップ23の下には、前記各パッド27と接続される配線パターン29を有した配線フィルム28が配置される。これにより、上チップ23を積層する際に、それと並行して上チップ23のパッケージ配線を同時に行うことができるため、工程数を減らすことができる。その結果、アセンブリ工程におけるコストダウンを図ることができる。
【0043】
(2)本実施形態では、上層のチップ23の各パッド27は、それぞれのチップ23,24同士が互いに重なり合わない領域となる辺に沿って配置されるため、パッケージ配線が同一辺に集中することもない。また、第一実施形態と同様、3層以上の複数段のチップを積層する場合であっても、各チップにそれぞれ同数のパッドを形成することが可能である。
【0044】
(3)本実施形態では、下層のチップ24に対して積層される上層のチップ23は、下層のチップ24とそれと同層に配置される配線フィルム28とによりほぼチップ全体にわたって支持される。これによって、チップサイズの如何にかかわらず3層以上の複数段のチップであっても積層可能なスタックMCPを実現することができる。また、その際には、3層目以上のチップに対するパッケージ配線を、前記と同様にして各々のチップを積層するのと同時に行うことができるため、パッケージ配線の効率化を図ることができる。
【0045】
(第三実施形態)
以下、本発明を具体化した第三実施形態を図3及び図4に従って説明する。
図3は、第三実施形態のスタックMCPの構造を示す概略斜視図である。尚、本実施形態は、第二実施形態の配線フィルム28の構成を一部変更したものを使用し、3層以上の複数段のチップを実装する場合について説明するものである。
【0046】
このスタックMCP31は、基板32上に3つのチップ33〜35が積層して実装された半導体装置である。以下では、便宜上、基板32に対してチップ33〜35を積層する順にしたがって第1層〜第3層チップ33〜35と記す。
【0047】
第1層チップ33は、素子形成面を上にして基板32に実装され、第2層チップ34及び第3層チップ35は、それぞれ素子形成面を下にして裏向き(フリップ)に実装される。
【0048】
各チップ33〜35は、本実施形態ではそれぞれ同一サイズであり、第2層チップ34は、第1層チップ33に対して平面位置を対角線方向(図において右上45°)にずらして積層されている。そして、第3層チップ35は、その第2層チップ34に対して平面位置を逆の対角線方向(図において第2層チップ34の積層位置から左下45°)に対称的にずらして積層されている。つまり、第3層チップ35は、第1層チップ33と同じ位置になるように第2層チップ34に積層されている。尚、各チップ33〜35はそれぞれ異なるサイズであっても構わない。
【0049】
前記各チップ33〜35の素子形成面には、上記各実施形態と同様にして、各チップ33〜35同士が互いに重なり合わない領域となる辺に沿ってそれぞれ複数のパッド36〜38(図4参照)が形成されている。尚、図3では、第3層チップ35に形成される各パッド38のみを示している。
【0050】
第1層チップ33と同層の位置には、該第1層チップ33と略同厚であり、第一実施形態と同様な形状の配線フィルム41が配置される。図4に示すように、この配線フィルム41の上面には、第2層チップ34に形成された各パッド37と接触して電気的に接続される配線パターン42が形成されている。
【0051】
すなわち、第2層チップ34の各パッド37は、該第2層チップ34が第1層チップ33の縁辺から突出される領域に形成されており、前記第1層チップ33に積層するのと同時に配線フィルム41上の配線パターン42と接続される。
【0052】
第2層チップ34と同層の位置には、上記各実施形態と同様、例えばポリイミド等のプラスチックフィルムよりなる第2層チップ34と略同厚の配線フィルム43が配置される。図4に示すように、この配線フィルム43には、その両面に例えば銅箔にてなる配線パターン44,45が形成されている。
【0053】
詳述すると、配線フィルム43の下面に形成された配線パターン44は、第1層チップ33に形成された各パッド36と接触して電気的に接続される。すなわち、第1層チップ33の各パッド36は、第2層チップ34をずらすことによってチップ表面が確保(露出)される領域に形成されており、その形成領域に対応するように配線フィルム43を配置することにより該配線フィルム43の下面の配線パターン44と接続される。
【0054】
反対に、配線フィルム43の上面に形成された配線パターン45は、第3層チップ35に形成された各パッド38と接触して電気的に接続される。すなわち、第3層チップ35の各パッド38は、該第3層チップ35が第2層チップ34の縁辺から突出される領域に形成されており、前記第2層チップ34に積層するのと同時に配線フィルム43の上面の配線パターン45と接続される。
【0055】
尚、上記各実施形態と同様、第1層〜第3層チップ33〜35の各パッド36〜38は、それぞれのチップ33〜35の互いに重なり合わない領域において、いずれか1辺のみに形成されていてもよい。この場合、上層のチップはそれぞれ下層のチップに対して横方向もしくは縦方向にずらして積層される。
【0056】
上記のように構成されたスタックMCP31では、上記各実施形態と同様、基板32に実装した第1層チップ33に対して、それと同一サイズの第2層チップ34と第3層チップ35を実装することができる。
【0057】
また、このスタックMCP31では、両面に配線パターン44,45を有した配線フィルム43が第2層チップ34と同層の位置に配置される。これにより、第2層チップ34に対して第3層チップ35を積層する際には、それと並行して該第3層チップ35のパッケージ配線をも同時に行うことができる。
【0058】
また、このように両面に配線パターン44,45を形成することにより、第1層チップ33と第3層チップ35におけるパッケージ配線を、1枚の配線フィルム43によって行うことが可能である。
【0059】
尚、本実施形態では、3つのチップ33〜35を積層する3層構造のスタックMCP31を例として説明したが、勿論、4層以上であっても同様にして実装することは可能である。この場合、上記のような両面に配線パターンを有する配線フィルムを用いることによって、配線フィルムの数を減らすことができる。
【0060】
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)両面に配線パターン44,45が形成された配線フィルム43を用いることによって、第1層チップ33と第3層チップ35におけるパッケージ配線を行うことができる。すなわち、1枚の配線フィルム43によって2チップ分のパッケージ配線を行うことが可能となる。このため、3層以上の複数段のチップを積層する場合において、第二実施形態に比べて配線フィルムの数を減らすことができるとともに、工程数をさらに減らすことができる。その結果、アセンブリ工程におけるコストダウンをさらに図ることができる。
【0061】
尚、上記各実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・上記各実施形態では、各チップ間を接続するようにしてもよい。
・第二及び第三実施形態において、裏向き(フリップ)に実装されているチップを、それぞれ配線パターンの形成面を考慮して配線フィルムの配置を適宜変更することによって上向きに実装してもよい。
【0062】
・第三実施形態において、両面に配線パターンを形成した配線フィルムを用いることにより該配線フィルムが不要となる層には、第一実施形態で用いたスペーサを併用しながら複数のチップの積層を行うようにしてもよい。
【0063】
・上記各実施形態では、パッケージ基板を用いてパッケージを構成する代わりに装置のプリント基板に直付けする、いわゆるマルチベアチップ実装体に適用してもよい。
【0064】
上記各実施形態の特徴をまとめると以下のようになる。
(付記1) 複数のチップを積層して実装した半導体装置であって、
上層のチップを下層のチップに対して平面位置をずらして積層し、各チップには、それぞれのチップ同士の互いに重なり合わない領域となる辺に沿ってパッドが形成され、該パッドの形成領域に対応する前記上層のチップの下には、前記下層のチップと略同厚のスペーサが配置されることを特徴とする半導体装置。
(付記2) 前記スペーサは、該スペーサの上面及び下面のうち少なくとも何れか一方の面に、その面に対向するチップのパッドと接触して電気的に接続される配線パターンが形成されてなる配線フィルムであることを特徴とする付記1記載の半導体装置。
(付記3) 前記複数のチップは3層以上のチップであって、
前記上層のチップに形成されたパッドは、そのチップを挟む上層又は下層のチップと同層の位置に配置される前記配線フィルムに形成した配線パターンと接続されることを特徴とする付記2記載の半導体装置。
(付記4) 前記複数のチップは3層以上のチップであって、
それぞれ上層のチップは、下層のチップに対して対称的に平面位置を交互にずらして積層されることを特徴とする付記1乃至3の何れか一記載の半導体装置。
(付記5) 前記上層のチップに形成されるパッドは、前記下層のチップにてパッドが形成される辺と対向する辺に配置されてなることを特徴とする付記1乃至4の何れか一記載の半導体装置。
(付記6) 前記スペーサは、ポリイミドよりなるプラスティックフィルムにて構成されることを特徴とする付記1乃至5の何れか一記載の半導体装置。
(付記7) 複数のチップを積層して実装する半導体装置の製造方法であって、上層のチップを下層のチップに対してそれぞれのチップの縁辺に形成されたパッドの形成領域を確保するように平面位置をずらして積層し、前記パッドが形成された面と対向する位置には該パッドに接触して電気的に接続される配線パターンを有した配線フィルムを配置するようにしたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0065】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、チップサイズに依らずに複数のチップを積層可能とし、パッケージ内における配線効率を向上することのできる半導体装置及び半導体装置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態のスタックMCPの構造を示す概略斜視図である。
【図2】第二実施形態のスタックMCPの構造を示す概略斜視図である。
【図3】第三実施形態のスタックMCPの構造を示す概略斜視図である。
【図4】配線フィルムの構造を示す一部断面図である。
【符号の説明】
13,14 複数のチップとしての上チップ及び下チップ
23,24 複数のチップとしての上チップ及び下チップ
33〜35 複数のチップとしての第1層〜第3層チップ
19 スペーサ
28,41,43 配線フィルム
29,42,44,45 配線パターン

Claims (5)

  1. 複数のチップを積層して実装した半導体装置であって、
    上層のチップを下層のチップに対して平面位置をずらして積層し、各チップには、それぞれのチップ同士の互いに重なり合わない領域となる辺に沿ってパッドが形成され、該パッドの形成領域に対応する前記上層のチップの下には、前記下層のチップと略同厚のスペーサが配置されることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記スペーサは、該スペーサの上面及び下面のうち少なくとも何れか一方の面に、その面に対向するチップのパッドと接触して電気的に接続される配線パターンが形成されてなる配線フィルムであることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記複数のチップは3層以上のチップであって、
    前記上層のチップに形成されたパッドは、そのチップを挟む上層又は下層のチップと同層の位置に配置される前記配線フィルムに形成した配線パターンと接続されることを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
  4. 前記複数のチップは3層以上のチップであって、
    それぞれ上層のチップは、下層のチップに対して対称的に平面位置を交互にずらして積層されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項記載の半導体装置。
  5. 複数のチップを積層して実装する半導体装置の製造方法であって、
    上層のチップを下層のチップに対してそれぞれのチップの縁辺に形成されたパッドの形成領域を確保するように平面位置をずらして積層し、前記パッドが形成された面と対向する位置に該パッドに接触して電気的に接続される配線パターンを有した配線フィルムを配置するようにしたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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