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JP2004155940A - Aqueous coating material for preventing plasticizer migration - Google Patents

Aqueous coating material for preventing plasticizer migration Download PDF

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JP2004155940A
JP2004155940A JP2002323889A JP2002323889A JP2004155940A JP 2004155940 A JP2004155940 A JP 2004155940A JP 2002323889 A JP2002323889 A JP 2002323889A JP 2002323889 A JP2002323889 A JP 2002323889A JP 2004155940 A JP2004155940 A JP 2004155940A
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JP
Japan
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plasticizer
mass
coating material
emulsion
meth
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP2002323889A
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Japanese (ja)
Inventor
Tatsushi Fukuzumi
達志 福住
Takeshi Funaki
剛 舟木
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a coating material for preventing migration of a plasticizer that can prevent the plasticizer from migrating to other materials when applied on the surface of a plasticizer-containing resin, has excellent anti-blocking properties, and can be stored stably as a one-component liquid. <P>SOLUTION: This aqueous coating material for preventing migration of a plasticizer comprises a copolymer (X) obtained by emulsion polymerization of a w/o type emulsion (A) of a polyorganosiloxane, and a monomer mixture (B) containing a hydroxy group-containing ethylenically unsaturated monomer and another copolymerizable ethylenically unsaturated monomer, wherein the calculated solubility parameter of the monomer mixture (B) is ≥9.4. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリ塩化ビニルゾルやアクリルゾル等の可塑剤含有樹脂に塗布することにより、可塑剤のブリードアウトを抑制し、可塑剤含有樹脂を折り畳んだり、可塑剤含有樹脂同士を積み重ねたりする際の耐ブロッキング性を付与することができる可塑剤移行防止用水性被覆材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリ塩化ビニルゾルやアクリルゾル等の可塑剤含有樹脂は、現在、幅広い用途で使用されている。しかしながら、この可塑剤含有樹脂は、経時的に可塑剤が樹脂内部から表面に移行してブリードアウトするため、その成形品は、長期間経過すると、表面のべたつき、それによる塵埃の付着、又はそれを置いた場所が汚染されたりする問題や、成形された可塑剤含有樹脂を積み重ねたり折り畳んだりした後に可塑剤含有樹脂同士が剥がれにくくなる、いわゆるブロッキングが発生し、商品としての価値を損なうといった問題が発生することがあった。
【0003】
これらの問題を解決するために、現在、汎用的に使用されている可塑剤含有ポリ塩化ビニル樹脂に対しては、各種の可塑剤移行防止用組成物が提案されている。例えば、メタクリル酸メチルとカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体よりなる共重合体と、アルキレンイミンを反応させることを特徴とする可塑剤含有ポリ塩化ビニル樹脂用可塑剤移行防止剤(例えば、特許文献1参照。)や、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルを含有するアクリル系樹脂に架橋性化合物、有機系酸触媒を配合した可塑剤移行防止剤を塗布した可塑剤含有ポリ塩化ビニル系樹脂成形体が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
しかしながら、これらの可塑剤移行防止剤は全て溶剤に樹脂が溶解している溶液型の可塑剤移行防止剤であるため、取り扱いに注意する必要があり、さらに、揮発性の溶剤が大量に含まれているためVOC対策の面でも好ましくなかった。
【0005】
また、カルボキシル基含有共重合体水性エマルションに、オキサゾリン基含有水溶性樹脂を架橋剤として配合し、アンモニア等のアミン類を反応抑制剤として配合した可塑剤移行防止用水性塗料(例えば、特許文献3参照。)や、第3級アミン塩基及びまたは第4級アミン塩基を有し、共重合体のガラス転移温度が、−5〜50℃である可塑剤移行防止用水性塗料(例えば、特許文献4参照。)や、ポリオルガノシロキサンの水中油滴型エマルションと特定の単量体混合物を乳化重合して得られるフロアポリッシュ用エマルションが提案されている(例えば、特許文献5参照)。
【0006】
【特許文献1】
特公平8−19250号公報
【特許文献2】
特開平8−48009号公報
【特許文献3】
特開2000−169788号公報
【特許文献4】
特開2001−106943号公報
【特許文献5】
特許第2698447号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のいずれの方法においても、可塑剤移行防止性能、耐ブロッキング性、貯蔵安定性等の面を全て満足できるものではなかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、可塑剤含有樹脂の表面に被覆して可塑剤が他のものに移行することを抑制し、更には優れた耐ブロッキング性をも有しながら、一液で安定に貯蔵することができる可塑剤移行防止用水性被覆材を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の可塑剤移行防止用水性被覆材は、ポリオルガノシロキサンの水中油滴型エマルション(A)と、ヒドロキシル基含有エチレン性不飽和単量体、及びその他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体を含む単量体混合物(B)とを乳化重合させた共重合体(X)を含有し、前記単量体混合物(B)の計算溶解性パラメーターが9.4以上であることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる共重合体(X)は、その構成成分として、ポリオルガノシロキサンの水中油滴型エマルション(A)と、ヒドロキシル基含有エチレン性不飽和単量体を含む単量体混合物(B)を用いることにより、ポリオルガノシロキサン部位とヒドロキシル基が導入されているものである。
【0010】
上記ポリオルガノシロキサンの水中油滴型エマルション(A)としては、特に限定されるものではなく公知のものが使用できるが、オルガノシロキサンとグラフト交叉剤とを共縮合して得られるポリオルガノシロキサンであることが好ましい。
オルガノシロキサンは、例えば、一般式R SiO(4− (式中、Rは置換、又は非置換の1価の炭化水素基であり、mは0〜3の整数を表す)で表される構造単位を有するものであり、直鎖状、分岐状もしくは環状構造を有するものである。このオルガノシロキサンが有する置換、又は非置換の1価の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ビニル基、フェニル基、及びそれらの水素原子をハロゲン原子又はシアノ基で置換した置換炭化水素基等を挙げることができる。
【0011】
このようなオルガノシロキサンの具体例としては、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサン等の環状化合物の他に、直鎖状あるいは分岐状のオルガノシロキサンを挙げることができる。
【0012】
オルガノシロキサンは、予め重合されたポリオルガノシロキサンであってもよい。この場合、その分子鎖末端は、水酸基、アルコキシ基、トリメチルシリル基、ジメチルビニルシリル基、メチルフェニルビニルシリル基、メチルジフェニルシリル基等で封鎖されていてもよい。
【0013】
上記グラフト交叉剤としては、例えば、分子内に1個以上の加水分解性シリル基と、1個以上のエチレン性不飽和基又はメルカプト基とを含有するものを挙げることができる。加水分解性シリル基としては、重合反応性、取り扱いの容易さ等の点からアルコキシシリル基が好ましい。
グラフト交叉剤の具体例としては、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルシラン類;3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等の(メタ)アクリロキシアルキルシラン類;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等のメルカプトアルキルシラン類等が挙げられる。これらの成分は必要に応じて単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
【0014】
グラフト交叉剤の使用割合は特に制約を受けるものではないが、オルガノシロキサンとグラフト交叉剤との合計を100質量%とした際に、0.1〜30質量%であることが好ましく、0.5〜20質量%であることがより好ましい。0.1質量%以上のグラフト交叉剤を使用することにより、高分子量のポリオルガノシロキサンとエチレン性不飽和単量体を含有する単量体混合物とのグラフト重合が効率良く行われ、塗膜の可塑剤移行防止性能を向上させることができる。また、30質量%以下のグラフト交叉剤を使用することにより、ポリオルガノシロキサンの分子量を下げることなくグラフト率を向上させ、塗膜の可塑剤移行防止性能を向上させることができる。
【0015】
ポリオルガノシロキサンの水中油滴型エマルション(A)は、オルガノシロキサンとグラフト交叉剤とをホモミキサーや圧力型ホモジナイザー等で水中に強制的に乳化分散させたものに、重合開始剤としてアルキルベンゼンスルホン酸等の酸成分を加えて重縮合させることにより製造することができる。この重縮合の後で、この酸成分をアルカリ成分で中和することにより乳化剤として使用することもできる。
重合開始剤の使用量は特に規定されるものではなく、目的とするポリオルガノシロキサンの分子量、固形分量、及び重合温度等により任意に設定できるものであるが、重合を速やかに進行させるためには、オルガノシロキサンとグラフト交叉剤との合計を100質量部としたときに0.5質量部以上の量を使用するのが望ましい。
【0016】
このようにして得られるポリオルガノシロキサンの平均分子量は10,000以上であり、好ましくは50,000以上であるのがよい。このような比較的高分子量のポリオルガノシロキサンを使用することにより、可塑剤移行防止性能を低下させることなく耐ブロッキング性を向上させることが可能となる。
【0017】
また、共重合体(X)に含まれるポリオルガノシロキサンの量は特に制約を受けるものではないが、耐ブロッキング性と可塑剤移行防止性能の観点から共重合体(X)全体を100質量%としたときに5質量%〜40質量%となるようにすることが好ましく、10質量%〜30質量%であることがより好ましい。
【0018】
上記ポリオルガノシロキサンの水中油滴型エマルション(A)に乳化重合させる単量体混合物(B)には、ヒドロキシル基含有エチレン性不飽和単量体、及びその他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体が含有される。
ヒドロキシル基含有エチレン性不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール等の(メタ)アクリル酸ポリオキシアルキレングリコールエステルや、カプロラクトン変性(メタ)アクリル酸エステル等を挙げることができる。これらは、単独または2種類以上を組み合わせて用いられる。
このように、共重合体(X)がポリオルガノシロキサン部位とヒドロキシル基を有することによって、本発明の可塑剤防止用水性被覆材から形成される塗膜の可塑剤移行防止性能、耐ブロッキング性、及び耐アルカリ基材性が良好になるものである。
【0019】
上記単量体混合物(B)中に含有される、その他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体としては、炭素数1〜2のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体を使用するのが好ましい。炭素数1〜2のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチルや(メタ)アクリル酸エチルを挙げることができるが、中でもメタクリル酸メチルが好ましい。
このように、(メタ)アクリル酸エステル単量体を用いることによって、可塑剤移行防止性能等が向上する傾向にある。
【0020】
また、上記以外のエチレン性不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、シトラコン酸、マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノブチル、ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル−シュウ酸付加体、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル−テトラヒドロフタル酸無水物付加体等のカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の炭素数3〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル等の(メタ)アクリル酸アルコシキアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ブチレングリコール等のジ(メタ)アクリル酸グリコールエステル、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン等のトリ(メタ)アクリル酸エステル、アクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル等の(メタ)アクリル酸フルオロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド等の化合物を挙げることができる。
【0021】
さらに、単量体混合物(B)を構成するその他のエチレン性不飽和単量体として、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド等のカルボニル基含有エチレン性不飽和単量体を使用し、可塑剤移行防止用水性被覆材中に、2個以上のヒドラジル残基を有する有機ヒドラジド化合物を添加しておくことで、塗膜形成時に、共重合体(X)が有するカルボニル基とヒドラジル残基との間で架橋反応を起こさせることができ、可塑剤移行防止性能をさらに向上させることができる。この場合、2個以上のヒドラジル残基を有する有機ヒドラジン化合物としては、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等の2塩基酸ジヒドラジド、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン(商品名「アミキュアVDH」、味の素ファインテクノ(株))等の有機ヒドラジン化合物を挙げることができる。
【0022】
単量体混合物(B)を構成する、その他のエチレン性不飽和単量体は、必要に応じて適宜選択して使用することができるが、中でも20℃における単量体の水への溶解度が1g/100ml(水)以上である単量体を使用することが可塑剤移行防止性能の面から好ましい。
【0023】
20℃における単量体の水への溶解度が1g/100ml(水)以上であるエチレン性不飽和単量体としては、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル−シュウ酸付加体、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル−テトラヒドロフタル酸無水物付加体等のカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体、(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
【0024】
本発明において、共重合体(X)を得るために使用される単量体混合物(B)の計算溶解性パラメーター(Sp値)は9.4以上であることが必要で、より好ましくは9.45以上であり、更に好ましくは9.5以上である。
これは、計算溶解性パラメーター(Sp値)が9.4以上であれば、共重合体(X)の可塑剤に対する溶解性が低下し、本発明の可塑剤移行防止用水性被覆材から形成される塗膜の可塑剤移行防止性能が良好となるためである。
【0025】
以下、溶解性パラメーター(Sp値)及び、その算出方法を説明する。
溶解性パラメーター(Sp値)は、凝集エネルギー密度、すなわち1分子の単位体積当たりの蒸発エネルギーを1/2乗したもので、単位体積当たりの極性の大きさを示す数値である。
また、その算出方法は、単量体混合物(B)を構成する単量体のsmallの式による溶解性パラメーター(Sp値)から算出することができる。ここで、smallの式による溶解性パラメーター(Sp値)とは、溶剤ハンドブック(第1版)(講談社刊)p91〜p97に記載されているように、単量体の化学構造毎に決められた値の合計に密度を掛けたものを、当該単量体の分子量で割ることで得られるものであり、物質の化学構造と密度に基づいて算出されるものである。なお、単量体混合物(B)の計算溶解性パラメーター(Sp値)は、上記のようにして求めた各単量体の計算溶解性パラメーター(Sp値)を用いて、以下の計算式により算出されるものである。
単量体混合物(B)のSp値=ΣSp(i)×W(i)
(ただし、Sp(i)は単量体混合物(B)に含有される単量体iの計算溶解性パラメーター(Sp値)、W(i)は単量体iの質量分率を示す。)
【0026】
また、単量体混合物(B)は、その理論水酸基価が10〜80mgKOH/gの範囲となるようにヒドロキシル基を有するのが好ましく、更に好ましくは、20〜70mgである。これは、水酸基価を10mgKOH/g以上とすることによって、充分な可塑剤移行防止性能や耐アルカリ基材性が得られる傾向にあるためである。また、80mgKOH/g以下とすることによって、塗膜の耐水性が良好となる傾向にあるためである。
【0027】
さらに、単量体混合物(B)は、Foxの式より算出される計算ガラス転移温度(Tg)が15〜70℃の範囲にあることが好ましく、20〜65℃の範囲にあることがより好ましい。なお、Foxの式とは、単量体混合物(B)のTgについての下記の関係式である。
1/(Tg+273)=Σ{W(i)/(Tg(i)+273)}
(ただし、W(i)は単量体混合物(B)に含有される単量体iの質量分率、Tg(i)は単量体iのホモポリマーのTgを示す。)
なお、共重合体(X)を得る際に、単量体混合物(B)を2つ以上に分割していわゆる多段重合を行った場合は、単量体混合物(B)を構成する全単量体量を100質量%として各層を構成する単量体の質量分率を算出し、Foxの式を用いて算出したものを単量体混合物(B)のTgとする。
【0028】
共重合体(X)は乳化重合法によって得ることができる。また、適用される乳化重合法は特に制約されるものではなく、例えば、乳化剤の存在下、単量体混合物(B)を重合系内に供給し、水溶性開始剤により重合を行わせる方法や、有機過酸化物とチオ硫酸ナトリウム等の還元剤を組み合わせたレドックス系開始剤により重合を行わせる等の方法によって、共重合体(X)を得ることができる。
【0029】
また、単量体の重合系中への供給方法は従来公知の手法を用いることができる。さらに、各種重合法を用いて共重合体(X)を重合する際に、分子量の調整が必要な場合には、分子量調整剤として、n−ドデシルメルカプタン、α−スチレンダイマー等の連鎖移動剤を用いることで調整が可能である。
【0030】
本発明の可塑剤移行防止用水性被覆材は、上記のようにして乳化重合法で得られた共重合体(X)をそのままの状態で、又は水性媒体中に溶解、分散させたりして使用することができる。この際使用する乳化剤や分散剤は特に制限されるものではなく、アニオン系乳化剤、ノニオン系乳化剤、カチオン系乳化剤を適宜選択して使用することができるのみならず、乳化剤分子中にエチレン性不飽和単量体と共重合可能な二重結合を有する、いわゆる反応性乳化剤も使用することができる。
【0031】
共重合体(X)を主成分とする、本発明の可塑剤移行防止用水性被覆材は、その性能をさらに向上させるために、必要に応じて、各種水分散型樹脂、各種水溶性樹脂、酸化防止剤、中和剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、顔料、染料、防カビ剤、防藻剤、発泡剤、滑剤等を配合することもできる。
【0032】
このようにして得られる可塑剤移行防止用水性被覆材は、ドクターブレードコート法、グラビアロールコート法、エアナイフコート法、ディップコート法、スプレーコート法、カーテンロール法、ロッド法等の公知の方法により、可塑剤含有樹脂に塗装することができる。
上記方法により可塑剤移行防止用水性被覆材を塗装した場合は、分散媒である水を揮発させるために、公知の自然乾燥法、熱風乾燥法、赤外線乾燥法、遠赤外線乾燥法等の各種の乾燥方法により、塗膜を乾燥させて、可塑剤含有樹脂に可塑剤移行防止用水性被覆材を被覆することができる。
【0033】
また、可塑剤移行防止用水性被覆材を被覆する方法として、予め可塑剤移行防止用水性被覆材よりなる塗膜を形成した後、これを可塑剤含有樹脂に被覆することもでき、この場合には、共押出しラミネート法、押出しコーティング法、押出しラミネート法、ラミネート法等を適宜選択して行うことができる。
【0034】
以上、説明したように、本発明の可塑剤移行防止用水性被覆材によれば、可塑剤含有樹脂の表面に被覆して、長期間経過しても、可塑剤がブリードアウトして他のものに移行することを防止することができる上に、耐ブロッキング性、耐アルカリ基材性にも優れ、更に貯蔵安定性にも非常に優れている。
【0035】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
(可塑剤含有アクリル樹脂(1)の製造)
乳化重合法により、下記に示す単量体組成のコア/シェル型アクリル系エマルションを製造した。そして、これを入り口温度220℃、出口温度95℃、アトマイザー回転数25000rpmの条件で、スプレードライを行い、アクリル樹脂粉体を製造した。
(エマルション単量体組成)
コア部:メタクリル酸メチル40質量%、アクリル酸n−ブチル60質量%
シェル部:メタクリル酸メチル100質量%
コア/シェル比:50/50(質量比)
次いで、上記アクリル樹脂粉体100gと、可塑剤としてフタル酸ジイソノニル120gとをホモディスパーで攪拌混合し、アクリル樹脂粉体が均一に分散されたゾルを作製した。
このゾルを減圧脱泡したものを乾燥後の膜厚が約2mmになるように、ガラス板に塗装し、150℃で10分間加熱乾燥して、評価用の可塑剤含有アクリル樹脂(1)からなる被膜を形成した。
【0036】
(可塑剤含有アクリル樹脂(2)の製造)
可塑剤含有アクリル樹脂(1)の製造にて用いたアクリル樹脂粉体100gと、炭酸カルシウム100gと、可塑剤としてフタル酸ジオクチル120gとをホモディスパーで攪拌混合し、アクリル樹脂粉体が均一に分散されたゾルを作製した。
このゾルを減圧脱泡したものを乾燥後の膜厚が約2mmになるように、ガラス板に塗装し、150℃で10分間加熱乾燥して、評価用の可塑剤含有アクリル樹脂(2)からなる被膜を形成した。
【0037】
(可塑剤含有ポリ塩化ビニル樹脂の製造)
ポリ塩化樹脂粉体(「ゼオン121」、日本ゼオン(株)製)100gに、炭酸カルシウム100gと、可塑剤としてフタル酸ジオクチル120gとをホモディスパーで攪拌混合し、ポリ塩化ビニル樹脂粉体が均一に分散されたゾルを作製した。
このゾルを減圧脱泡したものを乾燥後の膜厚が約2mmとなるように、ガラス板に塗装し、150℃で10分間加熱乾燥して、評価用の可塑剤含有ポリ塩化ビニル樹脂からなる被膜を形成した。
【0038】
(ポリオルガノシロキサンの水中油滴型エマルション(1)の製造)
環状ジメチルシロキサンオリゴマー3〜7量体混合物98部と、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン2部と、水310部と、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.67部とをホモミキサーで予備混合した後、圧力式ホモジナイザーによる200kg/cmの圧力で強制乳化してシリコーン原料エマルションを得た。
次いで、水90部及びドデシルベンゼンスルホン酸10部を攪拌機、コンデンサー、加熱ジャケット及び滴下ポンプを備えたフラスコに仕込み、攪拌下に、フラスコ内の温度を85℃に保ちながら4時間かけて上記のシリコーン原料エマルションを滴下した。滴下終了後、さらに1時間重合を進行させた後、冷却してドデシルベンゼンスルホン酸と当モル量の水酸化ナトリウムを加えて固形分18%のポリオルガノシロキサンの水中油滴型エマルション(1)を得た。得られたポリオルガノシロキサンのポリスチレン換算質量平均分子量は168,000であった。
【0039】
(ポリオルガノシロキサンの水中油滴型エマルション(2)の製造)
環状ジメチルシロキサンオリゴマー3〜7量体混合物98部と、γ−メタクリロキシプロピルメチルトリメトキシシラン2部と、水200部と、ドデシルベンゼンスルホン酸0.67部と、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.67部とをホモミキサーで予備混合した後、圧力式ホモジナイザーにより200kg/cmの圧力で強制乳化してシリコーン原料エマルションを得た。
このシリコーン原料エマルションを攪拌機、コンデンサー、加熱ジャケット及び滴下ポンプを備えたフラスコに一括で仕込み、80℃に昇温し、攪拌下で6時間反応させた後、冷却してドデシルベンゼンスルホン酸と当モル量の水酸化ナトリウムを加え、さらに水を加えて固形分18%のポリオルガノシロキサンの水中油滴型エマルション(2)を得た。得られた重合体のポリスチレン換算重量平均分子量は323,000であった。
【0040】
(可塑剤移行防止用水性被覆材の調製)
(実施例1)
攪拌機、冷却器、温度計を備えた重合容器に、ポリオリガノシロキサン重合体の水中油滴型エマルション(1)27.8質量部と、脱イオン水36.7質量部とを仕込み、内温を60℃に昇温した。
表1に示される組成の単量体混合物95質量部、界面活性剤、及び脱イオン水35質量部を十分に混合し、均一な乳化状態のプレエマルション(以下「PE液」と略す)を作製した。この作製したPE液5質量部を上記重合容器内へ入れ、重合容器の内温を80℃まで昇温し、内温が安定した段階で過硫酸ナトリウム0.1質量部を脱イオン水5質量部に溶解したものを添加し1時間放置した。1時間経過後からPE液の残りと、過硫酸ナトリウム0.2質量部を脱イオン水10質量部に溶解したものを重合容器の内温を80℃に維持しながら3時間かけて重合容器中に滴下し、滴下完了後、内温を80℃に2時間維持して反応を完結した。
反応完結後、冷却を行い、シリコンアクリル系エマルションのpHが7.5〜10の間になるように、28質量%アンモニア水溶液を添加し、加熱残分が40%となるように脱イオン水を加えた。
なお、得られたシリコンアクリル系エマルションの固形分(加熱残分)、粘度、pHは、表1の通りであった。
【0041】
【表1】

Figure 2004155940
以下、表中の略語を説明する。
MMAはメタクリル酸メチル、EMAはメタクリル酸エチル、MAはアクリル酸メチル、EAはアクリル酸エチル、2HEAはアクリル酸2−ヒドロキシエチル、2HEMAはメタクリル酸2−ヒドロキシエチル、2HPMAはメタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、FM2はプラクセルFM2(ダイセル化学工業(株)製)、Stはスチレン、n−BMAはメタクリル酸n−ブチル、2−MTAはアクリル酸2−メトキシエチル、DAAmはダイアセトンアクリルアミド、MAAはメタクリル酸、AE−HHはアクリエステルHH(三菱レイヨン(株)製)、AAmはアクリルアミド、NP−203はアニオン系乳化剤(「サンノールNP−2030」、ライオン(株)製)、TD−313はアニオン系乳化剤(「サンノールTD−3130」、ライオン(株)製)、SE−10Nはアニオン系反応性乳化剤(「アデカリアソープSE−10N」、旭電化(株)製)、TD−120はノニオン系乳化剤(「レオコールTD−120」、ライオン(株)製)、TD−700はノニオン系乳化剤(「レオコールTD−700」、ライオン(株)製)、APDHはアジピン酸ジヒドラジド、VDHは1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン(「アミキュアVDH」、味の素ファインテクノ(株)製)を示す。
【0042】
上記エマルション100gに対し、20℃で造膜できるように、表2に従って造膜助剤を添加して十分に攪拌した後、増粘剤としてアデカノール(「UH−420」、旭電化(株)製)を1.5g、消泡剤としてサーフィノール(「DF−58」、日信化学工業(株))を0.2g添加して、再度十分に攪拌したものを100メッシュナイロン紗でろ過し、評価用の可塑剤移行防止用水性被覆材とした。
この可塑剤移行防止用水性被覆材を上述した可塑剤含有アクリル樹脂(1)、(2)、及び可塑剤含有ポリ塩化ビニル樹脂からなる被膜上に、乾燥後の膜厚が10μmになるように、アプリケーターを用いて塗装した。それを15分間室温で放置してから、90℃の乾燥機中で60分乾燥させ、可塑剤移行防止用水性被覆材を被覆した試験片を作製した。
【0043】
【表2】
Figure 2004155940
【0044】
(実施例2)
実施例1と同様の方法で、表1に示されるポリオルガノシロキサン、単量体混合物、乳化剤を使用して乳化重合を行い、シリコンアクリル系エマルションを製造した。得られたシリコンアクリル系エマルションの固形分(加熱残分)、粘度、pHは、表1の通りであった。
次いで、このエマルションを用い、実施例1と同様の方法で、可塑剤移行防止用水性被覆材を製造し、それを上述した可塑剤含有アクリル樹脂(1)、(2)、及び可塑剤含有ポリ塩化ビニル樹脂からなる被膜上に被覆して試験片を作製した。
なお、乳化剤として使用したVDH(「アミキュアVDH」、味の素ファインテクノ(株)製)は、同量の脱イオン水に溶解して添加した。
【0045】
(実施例3)
本実施例は、2段滴下法を用いてシリコンアクリル系エマルションを重合した。
まず、実施例1と同様な重合容器内に、ポリオルガノシロキサンの水中油滴型エマルション(1)111.1質量部を仕込み、60℃に昇温した。そして、1段目として、表1に示される組成の単量体混合物のうち、メタクリル酸メチル38質量部と、アクリル酸エチル2質量部と、アニオン系反応性乳化剤(「アデカリアソープSE−10N」、旭電化(株)製)1.5質量部と、脱イオン水15質量部とを十分に混合し、均一な乳化状態のPE液(1)を作製した。
作製したPE液(1)5質量部を重合容器内へ入れ、重合容器の内温を80℃まで昇温し、内温が安定した段階で、過硫酸ナトリウム0.1質量部を脱イオン水5質量部に溶解したものを添加し1時間放置した。1時間経過後からPE液(1)の残りと、過硫酸ナトリウム0.1質量部を脱イオン水5質量部に溶解したものを重合容器の内温を80℃に維持しながら1.5時間かけて重合容器中に滴下し、滴下完了後、内温を80℃に3時間維持した。
次いで2段目として、残りのメタクリル酸メチル9.6質量部と、アクリル酸エチル19.4質量部と、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル5質量部と、ダイアセトンアクリルアミド6質量部と、アニオン系反応性乳化剤(「アデカリアソープSE−10N」、旭電化(株)製)1.5質量部と、脱イオン水15質量部とを十分に混合し、均一な乳化状態のPE液(2)を作製し、PE液(2)と、過硫酸ナトリウム0.1質量部を脱イオン水5質量部に溶解したものを重合容器の内温を80℃に維持しながら1.5時間かけて重合容器中に滴下し、滴下完了後、内温を80℃に2時間維持して反応を完結した。
反応完結後、冷却を行い、エマルションのpHが7.5〜10の間になるように28質量%アンモニア水溶液を添加し、アジピン酸ジヒドラジド3.8質量部を添加した後に、ノニオン系乳化剤(「レオコールTD−700」、ライオン(株)製)の50%水溶液6質量部を添加し、加熱残分が40%となるように脱イオン水を加えた。
なお、得られたシリコンアクリル系エマルションの固形分(加熱残分)、粘度、pH、は表1の通りであった。
上記エマルション100gに対し、20℃で造膜できるように、表2に従って造膜助剤を添加して十分に攪拌した後、増粘剤としてアデカノール(「UH−420」、旭電化(株)製)を1.5g、消泡剤としてサーフィノール(「DF−58」、日信化学工業(株))を0.2g添加して、再度十分に攪拌したものを100メッシュナイロン紗でろ過したものを、評価用の可塑剤移行防止用水性被覆材とした。
この可塑剤移行防止用水性被覆材を上述した可塑剤含有アクリル樹脂(1)、(2)、及び可塑剤含有ポリ塩化ビニル樹脂からなる被膜上に、乾燥後の膜厚が10μmになるように、アプリケーターを用いて塗装した。それを15分間室温で放置してから、90℃の乾燥機中で60分乾燥させ、可塑剤移行防止用水性被覆材を被覆した試験片を作製した。
【0046】
(実施例4)
実施例3と同様の方法で、表1に示されるポリオルガノシロキサン、単量体混合物、乳化剤を使用して乳化重合を行い、シリコンアクリル系エマルションを製造した。なお、1段目と2段目の単量体組成は、以下の通りである。
1段目:メタクリル酸メチル38質量部、アクリル酸エチル2質量部
2段目:メタクリル酸メチル8質量部、アクリル酸エチル20質量部、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル3質量部、ダイアセトンアクリルアミド9質量部得られたシリコンアクリル系エマルションの固形分(加熱残分)、粘度、pH、は表1の通りであった。
【0047】
上記エマルション100gに対し、20℃で造膜できるように、表2に従って造膜助剤を添加して十分に攪拌した後、増粘剤としてアデカノール(「UH−420」、旭電化(株)製)を1.5g、消泡剤としてサーフィノール(「DF−58」、日信化学工業(株))を0.2g添加して、再度十分に攪拌したものを100メッシュナイロン紗でろ過し、評価用の可塑剤移行防止用水性被覆材とした。
この可塑剤移行防止用水性被覆材を上述した可塑剤含有アクリル樹脂(1)、(2)、及び可塑剤含有ポリ塩化ビニル樹脂からなる被膜上に、乾燥後の膜厚が10μmになるように、アプリケーターを用いて塗装した。それを15分間室温で放置してから、90℃の乾燥機中で60分乾燥させ、可塑剤移行防止用水性被覆材を被覆した試験片を作製した。
【0048】
(実施例5)
実施例1と同様の方法で、表1に示されるポリオルガノシロキサン、単量体混合物、乳化剤を使用して乳化重合を行い、シリコンアクリル系エマルションを製造した。得られたシリコンアクリル系エマルションの固形分(加熱残分)、粘度、pHは、表1の通りであった。
次いで、このエマルションを用い、実施例1と同様の方法で、可塑剤移行防止用水性被覆材を製造し、それを上述した可塑剤含有アクリル樹脂(1)、(2)、及び可塑剤含有ポリ塩化ビニル樹脂からなる被膜上に被覆して試験片を作製した。
【0049】
(実施例6)
実施例3と同様の方法で、表1に示されるポリオルガノシロキサン、単量体混合物、乳化剤を使用して乳化重合を行い、シリコンアクリル系エマルションを製造した。なお、1段目と2段目の単量体組成は、以下の通りである。
1段目:メタクリル酸メチル22.8質量部、スチレン7.2質量部
2段目:メタクリル酸メチル16.2質量部、メタクリル酸n−ブチル1.8質量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル10.8質量部、プラクセルFM2 1.2質量部
得られたシリコンアクリル系エマルションの固形分(加熱残分)、粘度、pH、は表1の通りであった。
【0050】
上記エマルション100gに対し、20℃で造膜できるように、表2に従って造膜助剤を添加して十分に攪拌した後、増粘剤としてアデカノール(「UH−420」、旭電化(株)製)を1.5g、消泡剤としてサーフィノール(「DF−58」、日信化学工業(株))を0.2g添加して、再度十分に攪拌したものを100メッシュナイロン紗でろ過し、評価用の可塑剤移行防止用水性被覆材とした。
この可塑剤移行防止用水性被覆材を上述した可塑剤含有アクリル樹脂(1)、(2)、及び可塑剤含有ポリ塩化ビニル樹脂からなる被膜上に、乾燥後の膜厚が10μmになるように、アプリケーターを用いて塗装した。それを15分間室温で放置してから、90℃の乾燥機中で60分乾燥させ、可塑剤移行防止用水性被覆材を被覆した試験片を作製した。
【0051】
(比較例1〜4)
実施例1と同様の方法で、表3に示される単量体混合物、乳化剤を使用して乳化重合を行い、シリコンアクリル系エマルションを製造した。得られた各々のアクリル系エマルションの固形分(加熱残分)、粘度、pH、は表3の通りであった。
次いで、このエマルションを用い、実施例1と同様の方法で、可塑剤移行防止用水性被覆材を製造し、それを上述した可塑剤含有アクリル樹脂(1)、(2)、及び可塑剤含有ポリ塩化ビニル樹脂からなる被膜上に被覆して試験片を作製した。なお、比較例1及び比較例4のアジピン酸ジヒドラジドは同量の脱イオン水に分散して添加した。
【0052】
【表3】
Figure 2004155940
以下、表中の略語を説明する。
MMAはメタクリル酸メチル、EAはアクリル酸エチル、2HEMAはメタクリル酸2−ヒドロキシエチル、2HPMAはメタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、Stはスチレン、n−BMAはメタクリル酸n−ブチル、2−EHAはアクリル酸2−エチルヘキシル、2−MTAはアクリル酸2−メトキシエチル、DAAmはダイアセトンアクリルアミド、MAAはメタクリル酸、AE−HHはアクリエステルHH(三菱レイヨン(株)製)、NP−203はアニオン系乳化剤(「サンノールNP−2030」、ライオン(株)製)、TD−313はアニオン系乳化剤(「サンノールTD−3130」、ライオン(株)製)、SE−10Nはアニオン系反応性乳化剤(「アデカリアソープSE−10N」、旭電化(株)製)、TD−120はノニオン系乳化剤(「レオコールTD−120」、ライオン(株)製)、TD−700はノニオン系乳化剤(「レオコールTD−700」、ライオン(株)製)、APDHはアジピン酸ジヒドラジドを示す。
【0053】
(比較例5)
ポリオルガノシロキサンの水中油滴型エマルション(2)を可塑剤移行防止材として使用し、実施例1と同様の方法で、可塑剤移行防止用水性被覆材を製造し、それを上述した可塑剤含有アクリル樹脂(1)、(2)、及び可塑剤含有ポリ塩化ビニル樹脂からなる被膜上に被覆して試験片を作製した。
【0054】
各実施例、比較例で得られた試験片について、可塑剤移行防止性能、及び耐アルカリ基材性、耐ブロッキング性の評価を行った。以下、評価方法を述べる。
【0055】
(可塑剤移行量評価方法)
試験片の可塑剤移行防止用水性被覆材で被覆された面に、あらかじめ重量(W−1(単位g))を測定しておいた5cm×5cmの塩化ビニル樹脂シートを載せ、その上にガラス板を置き、さらにガラス板の上に500g/cmとなるように重りを置いて、80℃の乾燥機中に入れ、24時間経過後乾燥機より取り出し、室温まで自然冷却した。
冷却後、塩化ビニル樹脂シートを評価用可塑剤含有アクリル樹脂より剥離し、その重量(W−2(単位g))を測定した。
この結果をもとに、下記の式により塩化ビニル樹脂シートの単位重量当たりの可塑剤移行量を算出した。この結果を表4、表5に示す。
可塑剤移行量(g/g)=((W−2)−(W−1))/(W−1)
なお、この可塑剤移行量(g/g)の値が小さいほど被覆した可塑剤移行防止用水性被覆材の可塑剤移行防止性能が優れていることを示す。
【0056】
【表4】
Figure 2004155940
【0057】
【表5】
Figure 2004155940
【0058】
また、算出した可塑剤移行量をもとに可塑剤移行性を以下の基準で評価した。この結果を表4、表5に示す。
◎ :可塑剤移行量が未被覆の場合の10%未満に減少。
○ :可塑剤移行量が未被覆の場合の10%以上20%未満に減少。
△ :可塑剤移行量が未被覆の場合の20%以上30%以下に減少。
×:可塑剤移行量が未被覆の場合の30%より多い。
【0059】
(耐アルカリ基材試験)
試験片の可塑剤移行防止用水性被覆材を被覆した面の上に、縦×横×高が各々70mm×70mm×20mmのJIS A 6910に準拠したモルタル板を載せ、脱イオン水で満たしたビーカーに浸漬し、ビーカーごと50℃の恒温水槽に入れた。1週間経過後、試験片を取り出し、可塑剤移行防止用水性被覆材を被覆した面の変化(ブリスターの有無等)を目視で確認し、以下の基準で判断した。この結果を表4、表5に示す。
◎ :外観の変化全く見られない。
○ :若干白化が見られるが、ブリスター等は見られない。
△ :ブリスターがわずかに見られる。
×:ブリスターが著しい、または塗膜が溶出している。
【0060】
(耐ブロッキング性試験)
試験片の可塑剤移行防止用水性被覆材を被覆した面同士を重ねあわせ、その上に500g/cmとなるように重りを置いて、80℃の乾燥機中に入れ、24時間経過後乾燥機より取り出し、室温まで自然冷却した。
冷却後、手で試験片を剥離するときの剥離のしやすさを以下の基準で判断した。この結果を表4、表5に示す。
◎ :力をかけることなく簡単に剥離できる。
○ :◎より劣るが簡単に剥離可能。
△:一部付着して剥離する際に力が要るが、可塑剤移行防止剤塗布面を損傷することなく剥離可能。
×:剥離不可能
【0061】
表4から明らかなように、実施例1〜6で得られた可塑剤移行防止用水性被覆材で被覆された可塑剤含有樹脂はいずれも、可塑剤移行防止性能、耐アルカリ基材性及び耐ブロッキング性に非常に優れていた。
一方、表5から明らかなように、比較例1では、可塑剤移行防止用水性被覆材の製造にポリオルガノシロキサンが使用されておらず、さらに単量体混合物の計算溶解性パラメーター(Sp値)が9.4未満であるため、可塑剤移行防止性能、耐ブロッキング性が劣っている。
また、比較例2では、可塑剤移行防止用水性被覆材の製造にポリオルガノシロキサンが使用されておらず、さらに共重合体中にヒドロキシル基が導入されていないため、可塑剤移行防止性能、耐アルカリ基材性、耐ブロッキング性が劣っている。
また、比較例3では、可塑剤移行防止用水性被覆材の製造にポリオルガノシロキサンが使用されておらず、さらに単量体混合物の計算溶解性パラメーター(Sp値)が9.4未満であるため、実施例に比べて、可塑剤移行防止性能が劣っている。
また、比較例4では、可塑剤移行防止用水性被覆材の製造にポリオルガノシロキサンが使用されておらず、さらに共重合体中に、ヒドロキシル基が導入されておらず、単量体混合物の計算溶解性パラメーター(Sp値)も9.4未満であるため、可塑剤移行防止性能、及び耐アルカリ基材性、耐ブロッキング性に劣っている。
比較例5では、製造例(2)のポリオルガノシロキサンの水中油滴型エマルション単体を塗布したが、乾燥後も塗膜としての性能が不十分であり、各種性能評価を行うことができなかった。
【0062】
【発明の効果】
本発明の可塑剤移行防止用水性被覆材によれば、可塑剤含有樹脂の表面に被覆して、長期間経過しても、可塑剤が他のものに移行することを防止し、さらに可塑剤含有樹脂を折り畳んだり、積み重ねたりする際のブロッキングを防止することができる。また、貯蔵安定性にも非常に優れており、工業上極めて有用である。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention is applied to a plasticizer-containing resin such as a polyvinyl chloride sol or an acrylic sol, thereby suppressing bleed-out of the plasticizer, folding the plasticizer-containing resin, or stacking the plasticizer-containing resins together. The present invention relates to an aqueous coating material for preventing migration of a plasticizer, which can impart blocking resistance.
[0002]
[Prior art]
Plasticizer-containing resins such as polyvinyl chloride sol and acrylic sol are currently used in a wide variety of applications. However, in this plasticizer-containing resin, the plasticizer migrates from the inside of the resin to the surface over time and bleeds out. The problem is that the plasticizer-containing resin becomes difficult to peel off after stacking or folding the molded plasticizer-containing resin, so-called blocking occurs, and the value as a product is impaired. May occur.
[0003]
In order to solve these problems, various types of compositions for preventing plasticizer migration have been proposed for plasticizer-containing polyvinyl chloride resins that are currently used widely. For example, a plasticizer-containing polyvinyl chloride resin plasticizer transfer inhibitor characterized by reacting a copolymer of methyl methacrylate and a carboxyl group-containing ethylenically unsaturated monomer with an alkylene imine (for example, Reference 1) and a plasticizer-containing polyvinyl chloride resin molded article obtained by applying a plasticizer migration inhibitor containing a crosslinkable compound and an organic acid catalyst to an acrylic resin containing hydroxyalkyl (meth) acrylate Has been proposed (for example, see Patent Document 2).
[0004]
However, these plasticizer migration inhibitors are all solution-type plasticizer migration inhibitors in which the resin is dissolved in the solvent, so care must be taken in handling, and furthermore, a large amount of volatile solvents are contained. Therefore, it was not preferable in terms of VOC measures.
[0005]
Further, an aqueous paint for preventing migration of a plasticizer is prepared by blending a water-soluble resin containing an oxazoline group as a crosslinking agent with an aqueous emulsion of a copolymer containing a carboxyl group and blending an amine such as ammonia as a reaction inhibitor (for example, Patent Document 3). ) Or a tertiary amine base and / or a quaternary amine base, and the glass transition temperature of the copolymer is -5 to 50 ° C. And an emulsion for floor polish obtained by emulsion polymerization of an oil-in-water emulsion of a polyorganosiloxane and a specific monomer mixture (for example, see Patent Document 5).
[0006]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Publication No. 8-19250
[Patent Document 2]
JP-A-8-48009
[Patent Document 3]
JP 2000-169788 A
[Patent Document 4]
JP 2001-106943 A
[Patent Document 5]
Japanese Patent No. 2698447
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, none of the above methods was able to satisfy all aspects such as plasticizer migration prevention performance, blocking resistance, and storage stability.
The present invention has been made in view of the above circumstances, to prevent the plasticizer from migrating to another by coating the surface of the plasticizer-containing resin, while also having excellent blocking resistance It is an object of the present invention to provide an aqueous coating material for preventing migration of a plasticizer, which can be stably stored in one liquid.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The aqueous coating material for preventing plasticizer migration according to the present invention comprises an oil-in-water emulsion (A) of a polyorganosiloxane, a hydroxyl group-containing ethylenically unsaturated monomer, and other copolymerizable ethylenically unsaturated monomers. A copolymer (X) obtained by emulsion polymerization of a monomer mixture (B) containing a monomer, and a calculated solubility parameter of the monomer mixture (B) is 9.4 or more. And
[0009]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The copolymer (X) used in the present invention comprises, as constituents thereof, an oil-in-water emulsion of polyorganosiloxane (A) and a monomer mixture (B) containing a hydroxyl group-containing ethylenically unsaturated monomer. ), A polyorganosiloxane site and a hydroxyl group are introduced.
[0010]
The oil-in-water emulsion (A) of the polyorganosiloxane is not particularly limited, and a known one can be used. The polyorganosiloxane is a polyorganosiloxane obtained by co-condensing an organosiloxane and a graft crosslinking agent. Is preferred.
The organosiloxane has, for example, the general formula R1 mSiO(4- m ) / 2(Where R1Is a substituted or unsubstituted monovalent hydrocarbon group, m represents an integer of 0 to 3), and has a linear, branched or cyclic structure It is. Examples of the substituted or unsubstituted monovalent hydrocarbon group possessed by the organosiloxane include a methyl group, an ethyl group, a propyl group, a vinyl group, a phenyl group, and a hydrogen atom substituted with a halogen atom or a cyano group. And the like.
[0011]
Specific examples of such an organosiloxane include cyclic compounds such as hexamethylcyclotrisiloxane, octamethylcyclotetrasiloxane, decamethylcyclopentasiloxane, dodecamethylcyclohexasiloxane, and trimethyltriphenylcyclotrisiloxane, as well as direct compounds. A chain or branched organosiloxane can be mentioned.
[0012]
The organosiloxane may be a pre-polymerized polyorganosiloxane. In this case, the terminal of the molecular chain may be blocked with a hydroxyl group, an alkoxy group, a trimethylsilyl group, a dimethylvinylsilyl group, a methylphenylvinylsilyl group, a methyldiphenylsilyl group, or the like.
[0013]
Examples of the graft crosslinking agent include those containing one or more hydrolyzable silyl groups and one or more ethylenically unsaturated groups or mercapto groups in the molecule. As the hydrolyzable silyl group, an alkoxysilyl group is preferable in terms of polymerization reactivity, ease of handling, and the like.
Specific examples of the graft crosslinking agent include vinylsilanes such as vinylmethyldimethoxysilane, vinyltrimethoxysilane, and vinyltriethoxysilane; 3- (meth) acryloxypropyltrimethoxysilane, and 3- (meth) acryloxypropylmethyldimethoxy. (Meth) acryloxyalkylsilanes such as silane and 3- (meth) acryloxypropyltriethoxysilane; 3-mercaptopropyltrimethoxysilane, 3-mercaptopropylmethyldimethoxysilane, 3-mercaptopropyltriethoxysilane, 3- And mercaptoalkylsilanes such as mercaptopropylmethyldiethoxysilane. These components may be used alone or in combination of two or more as necessary.
[0014]
Although the use ratio of the graft crossing agent is not particularly limited, it is preferably 0.1 to 30% by mass, when the total of the organosiloxane and the graft crossing agent is 100% by mass, and 0.5 to 30% by mass. It is more preferable that the content be 20 to 20% by mass. By using 0.1% by mass or more of the graft-linking agent, the graft polymerization of the high-molecular-weight polyorganosiloxane and the monomer mixture containing the ethylenically unsaturated monomer is efficiently performed, and The plasticizer transfer prevention performance can be improved. Further, by using a graft crosslinking agent of 30% by mass or less, the graft ratio can be improved without lowering the molecular weight of the polyorganosiloxane, and the plasticizer transfer prevention performance of the coating film can be improved.
[0015]
The oil-in-water emulsion of polyorganosiloxane (A) is obtained by forcibly emulsifying and dispersing an organosiloxane and a graft-linking agent in water with a homomixer, a pressure homogenizer, or the like. By subjecting it to polycondensation with the addition of an acid component of After the polycondensation, the acid component can be neutralized with an alkali component to be used as an emulsifier.
The amount of the polymerization initiator to be used is not particularly limited, and can be arbitrarily set according to the molecular weight of the target polyorganosiloxane, the solid content, the polymerization temperature, and the like. It is preferable to use an amount of 0.5 parts by mass or more when the total of the organosiloxane and the graft crosslinking agent is 100 parts by mass.
[0016]
The polyorganosiloxane thus obtained has an average molecular weight of 10,000 or more, preferably 50,000 or more. By using such a relatively high-molecular-weight polyorganosiloxane, it becomes possible to improve the blocking resistance without lowering the plasticizer transfer prevention performance.
[0017]
Although the amount of the polyorganosiloxane contained in the copolymer (X) is not particularly limited, the total amount of the copolymer (X) is 100% by mass from the viewpoints of blocking resistance and plasticizer migration prevention performance. It is preferable that the content be 5% by mass to 40% by mass, and more preferably 10% by mass to 30% by mass.
[0018]
The monomer mixture (B) to be emulsion-polymerized into the oil-in-water emulsion (A) of the polyorganosiloxane includes a hydroxyl group-containing ethylenically unsaturated monomer and another copolymerizable ethylenically unsaturated monomer. Monomer.
Examples of the hydroxyl group-containing ethylenically unsaturated monomer include, for example, hydroxyalkyl (meth) acrylates such as 2-hydroxyethyl (meth) acrylate and 2-hydroxypropyl (meth) acrylate, and polyethylene (meth) acrylate. Examples thereof include polyoxyalkylene glycol (meth) acrylates such as glycol and polypropylene glycol (meth) acrylate, and caprolactone-modified (meth) acrylates. These are used alone or in combination of two or more.
As described above, since the copolymer (X) has a polyorganosiloxane moiety and a hydroxyl group, the coating formed from the plasticizer-preventing aqueous coating material of the present invention has a plasticizer migration-preventing performance, blocking resistance, And the alkali base material resistance is improved.
[0019]
Other copolymerizable ethylenically unsaturated monomers contained in the monomer mixture (B) include (meth) acrylate monomers having an alkyl group having 1 to 2 carbon atoms. It is preferred to use. Specific examples of the (meth) acrylate monomer having an alkyl group having 1 to 2 carbon atoms include methyl (meth) acrylate and ethyl (meth) acrylate. Among them, methyl methacrylate is preferred. preferable.
As described above, the use of the (meth) acrylate monomer tends to improve the plasticizer transfer prevention performance and the like.
[0020]
Examples of the ethylenically unsaturated monomer other than the above include, for example, (meth) acrylic acid, itaconic acid, citraconic acid, maleic acid, monomethyl maleate, monobutyl maleate, monomethyl itaconate, monobutyl itaconate, vinyl benzoate Carboxyl group-containing ethylenically unsaturated monomers such as acid, 2-hydroxyethyl (meth) acrylate-oxalic acid adduct, 2-hydroxyethyl (meth) acrylate-tetrahydrophthalic anhydride adduct, (meth) N-butyl acrylate, i-butyl (meth) acrylate, t-butyl (meth) acrylate, cyclohexyl (meth) acrylate, 2-ethylhexyl (meth) acrylate, lauryl (meth) acrylate, (meth) C3-18 alkyl (meth) acrylates such as stearyl acrylate, Alkoxyalkyl (meth) acrylates such as 2-methoxyethyl (meth) acrylate and 2-ethoxyethyl (meth) acrylate, benzyl (meth) acrylate, isobornyl (meth) acrylate, di (meth) acrylic acid Glycol di (meth) acrylate such as ethylene glycol and butylene glycol di (meth) acrylate, tri (meth) acrylate such as trimethylolpropane tri (meth) acrylate, and 2,2,2-triacrylate Fluoroalkyl (meth) acrylates such as fluoroethyl, allyl (meth) acrylate, glycidyl (meth) acrylate, aromatic vinyl compounds such as styrene, α-methylstyrene, p-methylstyrene, vinyl acetate, propionic acid Vinyl, (meth) acrylonitrile, (meth) Compounds such as acrylamide and diacetone (meth) acrylamide can be given.
[0021]
Further, as another ethylenically unsaturated monomer constituting the monomer mixture (B), a carbonyl group-containing ethylenically unsaturated monomer such as diacetone (meth) acrylamide is used to prevent migration of a plasticizer. By adding an organic hydrazide compound having two or more hydrazyl residues to the aqueous coating material, a cross-link between the carbonyl group of the copolymer (X) and the hydrazyl residue is formed during coating film formation. A reaction can be caused, and the plasticizer transfer prevention performance can be further improved. In this case, examples of the organic hydrazine compound having two or more hydrazyl residues include dibasic dihydrazides such as adipic dihydrazide and sebacic dihydrazide, and 1,3-bis (hydrazinocarboethyl) -5-isopropylhydantoin (commercially available). Organic hydrazine compounds such as “Amicure VDH” and Ajinomoto Fine Techno Co., Ltd. can be mentioned.
[0022]
The other ethylenically unsaturated monomers constituting the monomer mixture (B) can be appropriately selected and used as needed. Among them, the solubility of the monomers in water at 20 ° C. is particularly high. It is preferable to use a monomer having a concentration of 1 g / 100 ml (water) or more from the viewpoint of plasticizer transfer prevention performance.
[0023]
Examples of the ethylenically unsaturated monomer having a solubility of the monomer in water at 20 ° C. of 1 g / 100 ml (water) or more include 2-methoxyethyl (meth) acrylate and 2-ethoxyethyl (meth) acrylate. Carboxyl group-containing ethylenically unsaturated monomer such as, (meth) acrylic acid, (meth) acrylic acid 2-hydroxyethyl-oxalic acid adduct, (meth) acrylic acid 2-hydroxyethyl-tetrahydrophthalic anhydride adduct, etc. Body, (meth) acrylamide, diacetone (meth) acrylamide and the like.
[0024]
In the present invention, the calculated solubility parameter (Sp value) of the monomer mixture (B) used for obtaining the copolymer (X) needs to be 9.4 or more, more preferably 9. It is 45 or more, more preferably 9.5 or more.
This is because if the calculated solubility parameter (Sp value) is 9.4 or more, the solubility of the copolymer (X) in the plasticizer decreases, and the copolymer (X) is formed from the plasticizer transfer-preventing aqueous coating material of the present invention. This is because the coating film has good plasticizer transfer prevention performance.
[0025]
Hereinafter, the solubility parameter (Sp value) and its calculation method will be described.
The solubility parameter (Sp value) is a value obtained by multiplying the cohesive energy density, that is, the evaporation energy per unit volume of one molecule by a square, and indicating the magnitude of the polarity per unit volume.
Moreover, the calculation method can be calculated from the solubility parameter (Sp value) of the monomer constituting the monomer mixture (B) by the small formula. Here, the solubility parameter (Sp value) according to the small formula was determined for each chemical structure of the monomer, as described in Solvent Handbook (1st edition) (published by Kodansha) p91 to p97. This is obtained by dividing the sum of the values multiplied by the density by the molecular weight of the monomer, and is calculated based on the chemical structure and the density of the substance. The calculated solubility parameter (Sp value) of the monomer mixture (B) is calculated by the following formula using the calculated solubility parameter (Sp value) of each monomer obtained as described above. Is what is done.
Sp value of monomer mixture (B) = ΣSp (i) × W (i)
(However, Sp (i) indicates the calculated solubility parameter (Sp value) of the monomer i contained in the monomer mixture (B), and W (i) indicates the mass fraction of the monomer i.)
[0026]
Further, the monomer mixture (B) preferably has a hydroxyl group so that the theoretical hydroxyl value thereof is in the range of 10 to 80 mgKOH / g, and more preferably 20 to 70 mg. This is because by setting the hydroxyl value to 10 mgKOH / g or more, sufficient plasticizer transfer prevention performance and alkali-base material resistance tend to be obtained. Also, when the content is 80 mgKOH / g or less, the water resistance of the coating film tends to be improved.
[0027]
Further, the monomer mixture (B) preferably has a calculated glass transition temperature (Tg) calculated from the Fox equation in the range of 15 to 70 ° C, more preferably in the range of 20 to 65 ° C. . Note that the Fox equation is the following relational equation for the Tg of the monomer mixture (B).
1 / (Tg + 273) = {W (i) / (Tg (i) +273)}
(W (i) represents the mass fraction of monomer i contained in the monomer mixture (B), and Tg (i) represents the Tg of a homopolymer of the monomer i.)
When the copolymer (X) is obtained and the monomer mixture (B) is divided into two or more parts and a so-called multi-stage polymerization is performed, the total amount of monomers constituting the monomer mixture (B) may be reduced. The mass fraction of the monomer constituting each layer is calculated with the body weight taken as 100% by mass, and the value calculated using the Fox equation is defined as Tg of the monomer mixture (B).
[0028]
The copolymer (X) can be obtained by an emulsion polymerization method. The emulsion polymerization method to be applied is not particularly limited. For example, a method in which a monomer mixture (B) is supplied into a polymerization system in the presence of an emulsifier, and polymerization is performed with a water-soluble initiator, The copolymer (X) can be obtained by, for example, performing polymerization using a redox initiator obtained by combining an organic peroxide and a reducing agent such as sodium thiosulfate.
[0029]
Further, as a method of supplying the monomer into the polymerization system, a conventionally known method can be used. Further, when the molecular weight needs to be adjusted when polymerizing the copolymer (X) using various polymerization methods, a chain transfer agent such as n-dodecyl mercaptan or α-styrene dimer is used as a molecular weight adjuster. Adjustment is possible by using.
[0030]
The aqueous coating material for preventing migration of the plasticizer of the present invention is used as it is, by dissolving or dispersing the copolymer (X) obtained by the emulsion polymerization method as it is or in an aqueous medium. can do. The emulsifier or dispersant used at this time is not particularly limited, and not only can an anionic emulsifier, a nonionic emulsifier and a cationic emulsifier be appropriately selected and used, but also an ethylenically unsaturated emulsifier in the emulsifier molecule. So-called reactive emulsifiers having a double bond copolymerizable with the monomer can also be used.
[0031]
The aqueous coating material for preventing migration of the plasticizer of the present invention, which contains the copolymer (X) as a main component, may be various water-dispersible resins, various water-soluble resins, if necessary, in order to further improve its performance. An antioxidant, a neutralizing agent, an ultraviolet absorber, a light stabilizer, an antistatic agent, a pigment, a dye, a fungicide, an antialgal agent, a foaming agent, a lubricant and the like can also be blended.
[0032]
The aqueous coating material for preventing plasticizer migration obtained in this manner is prepared by a known method such as a doctor blade coating method, a gravure roll coating method, an air knife coating method, a dip coating method, a spray coating method, a curtain roll method, and a rod method. Can be applied to a plasticizer-containing resin.
When the aqueous coating material for preventing plasticizer migration is applied by the above method, in order to volatilize water as a dispersion medium, various known methods such as a natural drying method, a hot air drying method, an infrared drying method, and a far infrared drying method are used. By the drying method, the coating film can be dried, and the plasticizer-containing resin can be coated with the plasticizer transfer preventing aqueous coating material.
[0033]
Further, as a method of coating the plasticizer migration preventing aqueous coating material, after forming a coating film of the plasticizer migration prevention aqueous coating material in advance, it can be coated with a plasticizer-containing resin, in this case, Can be carried out by appropriately selecting a coextrusion lamination method, an extrusion coating method, an extrusion lamination method, a lamination method, or the like.
[0034]
As described above, according to the aqueous coating material for preventing migration of the plasticizer of the present invention, the plasticizer-containing resin is coated on the surface, and even after a long period of time, the plasticizer bleeds out and the other In addition to being able to prevent the transfer to, it has excellent blocking resistance, alkali-base resistance, and extremely excellent storage stability.
[0035]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in detail with reference to examples.
(Production of plasticizer-containing acrylic resin (1))
A core / shell type acrylic emulsion having the following monomer composition was produced by an emulsion polymerization method. This was spray-dried under the conditions of an inlet temperature of 220 ° C., an outlet temperature of 95 ° C., and an atomizer rotation speed of 25,000 rpm to produce an acrylic resin powder.
(Emulsion monomer composition)
Core: 40% by mass of methyl methacrylate, 60% by mass of n-butyl acrylate
Shell part: 100% by mass of methyl methacrylate
Core / shell ratio: 50/50 (mass ratio)
Next, 100 g of the above acrylic resin powder and 120 g of diisononyl phthalate as a plasticizer were stirred and mixed with a homodisper to prepare a sol in which the acrylic resin powder was uniformly dispersed.
This sol was defoamed under reduced pressure, coated on a glass plate so that the film thickness after drying was about 2 mm, and heated and dried at 150 ° C. for 10 minutes to obtain a plasticizer-containing acrylic resin (1) for evaluation. Was formed.
[0036]
(Production of plasticizer-containing acrylic resin (2))
100 g of the acrylic resin powder used in the production of the plasticizer-containing acrylic resin (1), 100 g of calcium carbonate, and 120 g of dioctyl phthalate as a plasticizer were stirred and mixed with a homodisper to uniformly disperse the acrylic resin powder. A sol was prepared.
This sol was defoamed under reduced pressure, coated on a glass plate so that the film thickness after drying was about 2 mm, and dried by heating at 150 ° C. for 10 minutes to obtain a plasticizer-containing acrylic resin (2) for evaluation. Was formed.
[0037]
(Production of polyvinyl chloride resin containing plasticizer)
To 100 g of polychlorinated resin powder ("Zeon 121", manufactured by Zeon Corporation), 100 g of calcium carbonate and 120 g of dioctyl phthalate as a plasticizer are mixed by stirring with a homodisper, and the polyvinyl chloride resin powder is uniformly mixed. A sol dispersed in was prepared.
This sol is degassed under reduced pressure, coated on a glass plate so as to have a thickness of about 2 mm after drying, heated and dried at 150 ° C. for 10 minutes, and is made of a plasticizer-containing polyvinyl chloride resin for evaluation. A coating was formed.
[0038]
(Production of oil-in-water emulsion of polyorganosiloxane (1))
After preliminarily mixing 98 parts of the cyclic dimethylsiloxane oligomer 3 to 7-mer mixture, 2 parts of γ-methacryloxypropylmethyldimethoxysilane, 310 parts of water, and 0.67 parts of sodium dodecylbenzenesulfonate with a homomixer, 200kg / cm by pressure type homogenizer2The emulsion was forcibly emulsified under the pressure described above to obtain a silicone raw material emulsion.
Next, 90 parts of water and 10 parts of dodecylbenzenesulfonic acid were charged into a flask equipped with a stirrer, a condenser, a heating jacket and a dropping pump, and the above silicone was stirred for 4 hours while maintaining the temperature in the flask at 85 ° C. The raw material emulsion was dropped. After the completion of the dropwise addition, the polymerization was further allowed to proceed for 1 hour. After cooling, dodecylbenzenesulfonic acid and an equimolar amount of sodium hydroxide were added to obtain an oil-in-water emulsion (1) of a polyorganosiloxane having a solid content of 18%. Obtained. The mass average molecular weight in terms of polystyrene of the obtained polyorganosiloxane was 168,000.
[0039]
(Production of oil-in-water emulsion (2) of polyorganosiloxane)
98 parts of a cyclic dimethylsiloxane oligomer tri- to 7-mer mixture, 2 parts of γ-methacryloxypropylmethyltrimethoxysilane, 200 parts of water, 0.67 parts of dodecylbenzenesulfonic acid, and 0.67 parts of sodium dodecylbenzenesulfonic acid Parts were premixed with a homomixer, and then 200 kg / cm by a pressure homogenizer.2The emulsion was forcibly emulsified under the pressure described above to obtain a silicone raw material emulsion.
This silicone raw material emulsion was charged all at once into a flask equipped with a stirrer, a condenser, a heating jacket and a dropping pump, heated to 80 ° C., reacted for 6 hours with stirring, cooled, and equimolar to dodecylbenzenesulfonic acid. An amount of sodium hydroxide was added, and water was further added to obtain an oil-in-water emulsion (2) of a polyorganosiloxane having a solid content of 18%. The weight average molecular weight in terms of polystyrene of the obtained polymer was 323,000.
[0040]
(Preparation of aqueous coating material for preventing migration of plasticizer)
(Example 1)
A polymerization vessel equipped with a stirrer, a cooler, and a thermometer was charged with 27.8 parts by mass of an oil-in-water emulsion (1) of a polyorganosiloxane polymer and 36.7 parts by mass of deionized water. Was heated to 60 ° C.
95 parts by mass of the monomer mixture having the composition shown in Table 1, a surfactant, and 35 parts by mass of deionized water are sufficiently mixed to produce a pre-emulsion in a uniform emulsified state (hereinafter abbreviated as “PE solution”). did. 5 parts by weight of the prepared PE solution is put into the polymerization vessel, the internal temperature of the polymerization vessel is raised to 80 ° C., and when the internal temperature is stabilized, 0.1 parts by weight of sodium persulfate is added to 5 parts by weight of deionized water. What was dissolved in the part was added and left for 1 hour. After 1 hour, the remainder of the PE solution and a solution of 0.2 parts by mass of sodium persulfate dissolved in 10 parts by mass of deionized water are kept in the polymerization vessel over 3 hours while maintaining the internal temperature of the polymerization vessel at 80 ° C. After completion of the dropwise addition, the internal temperature was maintained at 80 ° C. for 2 hours to complete the reaction.
After the reaction is completed, the reaction mixture is cooled, a 28% by mass aqueous ammonia solution is added so that the pH of the silicone acrylic emulsion is between 7.5 and 10, and deionized water is added so that the heating residue becomes 40%. added.
The solid content (residue after heating), viscosity, and pH of the obtained silicone acrylic emulsion were as shown in Table 1.
[0041]
[Table 1]
Figure 2004155940
Hereinafter, abbreviations in the table will be described.
MMA is methyl methacrylate, EMA is ethyl methacrylate, MA is methyl acrylate, EA is ethyl acrylate, 2HEA is 2-hydroxyethyl acrylate, 2HEMA is 2-hydroxyethyl methacrylate, and 2HPMA is 2-hydroxypropyl methacrylate. , FM2 is Plaxel FM2 (manufactured by Daicel Chemical Industries, Ltd.), St is styrene, n-BMA is n-butyl methacrylate, 2-MTA is 2-methoxyethyl acrylate, DAAm is diacetone acrylamide, and MAA is methacrylic acid. , AE-HH is Acryester HH (manufactured by Mitsubishi Rayon Co., Ltd.), AAm is acrylamide, NP-203 is an anionic emulsifier (“SANNOL NP-2030”, manufactured by Lion Corporation), and TD-313 is an anionic emulsifier. ("SANNOL TD-313 , Lion Corporation), SE-10N is an anionic reactive emulsifier (“Adekaria Soap SE-10N”, manufactured by Asahi Denka Co., Ltd.), and TD-120 is a nonionic emulsifier (“Reocol TD-120”). , Lion Corporation), TD-700 is a nonionic emulsifier ("Leocol TD-700", Lion Corporation), APDH is adipic dihydrazide, VDH is 1,3-bis (hydrazinocarboethyl)- 5-isopropylhydantoin ("Amicure VDH", manufactured by Ajinomoto Fine Techno Co., Ltd.) is shown.
[0042]
To 100 g of the above emulsion, a film-forming aid was added according to Table 2 and sufficiently stirred so that a film could be formed at 20 ° C., and then adecanol (“UH-420”, manufactured by Asahi Denka Co., Ltd.) as a thickener ) Was added, and 0.2 g of Surfynol ("DF-58", Nissin Chemical Industry Co., Ltd.) was added as an antifoaming agent. An aqueous coating material for preventing migration of a plasticizer for evaluation was used.
This water-based coating material for preventing migration of the plasticizer is applied onto the coating composed of the above-mentioned plasticizer-containing acrylic resins (1) and (2) and the plasticizer-containing polyvinyl chloride resin so that the film thickness after drying becomes 10 μm. , Using an applicator. After leaving it at room temperature for 15 minutes, it was dried in a dryer at 90 ° C. for 60 minutes to produce a test piece coated with an aqueous coating material for preventing migration of plasticizer.
[0043]
[Table 2]
Figure 2004155940
[0044]
(Example 2)
Emulsion polymerization was carried out in the same manner as in Example 1 using the polyorganosiloxane, the monomer mixture, and the emulsifier shown in Table 1 to produce a silicone acrylic emulsion. The solid content (heating residue), viscosity and pH of the obtained silicone acrylic emulsion were as shown in Table 1.
Next, using this emulsion, an aqueous coating material for preventing plasticizer migration was produced in the same manner as in Example 1, and the above-mentioned plasticizer-containing acrylic resin (1), (2), and plasticizer-containing polyether were used. A test piece was prepared by coating on a coating made of a vinyl chloride resin.
VDH ("Amicure VDH", manufactured by Ajinomoto Fine Techno Co., Ltd.) used as an emulsifier was dissolved in the same amount of deionized water and added.
[0045]
(Example 3)
In this example, a silicone acrylic emulsion was polymerized using a two-stage dropping method.
First, 111.1 parts by mass of an oil-in-water emulsion of polyorganosiloxane (1) was charged into the same polymerization vessel as in Example 1, and the temperature was raised to 60 ° C. Then, as the first stage, of the monomer mixture having the composition shown in Table 1, 38 parts by mass of methyl methacrylate, 2 parts by mass of ethyl acrylate, and an anionic reactive emulsifier (“Adekaria Soap SE-10N”) , 1.5 parts by mass of Asahi Denka Co., Ltd.) and 15 parts by mass of deionized water were sufficiently mixed to prepare a uniformly emulsified PE liquid (1).
5 parts by weight of the prepared PE solution (1) are put into a polymerization vessel, and the internal temperature of the polymerization vessel is raised to 80 ° C., and when the internal temperature is stabilized, 0.1 parts by weight of sodium persulfate is deionized water. What was dissolved in 5 parts by mass was added and left for 1 hour. After 1 hour, the remaining PE solution (1) and a solution prepared by dissolving 0.1 part by mass of sodium persulfate in 5 parts by mass of deionized water are kept for 1.5 hours while maintaining the internal temperature of the polymerization vessel at 80 ° C. After the addition was completed, the internal temperature was maintained at 80 ° C. for 3 hours.
Next, as the second stage, the remaining 9.6 parts by mass of methyl methacrylate, 19.4 parts by mass of ethyl acrylate, 5 parts by mass of 2-hydroxypropyl methacrylate, 6 parts by mass of diacetone acrylamide, and an anionic reaction 1.5 parts by mass of a water-soluble emulsifier (“ADEKAREASORP SE-10N”, manufactured by Asahi Denka Co., Ltd.) and 15 parts by mass of deionized water are sufficiently mixed to obtain a homogeneously emulsified PE solution (2). The PE solution (2) was prepared, and a solution prepared by dissolving 0.1 part by mass of sodium persulfate in 5 parts by mass of deionized water was used for 1.5 hours while maintaining the internal temperature of the polymerization container at 80 ° C. After completion of the dropwise addition, the internal temperature was maintained at 80 ° C. for 2 hours to complete the reaction.
After completion of the reaction, the reaction mixture was cooled, a 28% by mass aqueous ammonia solution was added so that the pH of the emulsion was 7.5 to 10, 3.8 parts by mass of adipic dihydrazide was added, and then a nonionic emulsifier (" 6 parts by mass of a 50% aqueous solution of "Leocoal TD-700" (manufactured by Lion Corporation) was added, and deionized water was added so that the heating residue was 40%.
The solid content (heating residue), viscosity and pH of the obtained silicone acrylic emulsion were as shown in Table 1.
To 100 g of the above emulsion, a film-forming aid was added according to Table 2 and sufficiently stirred so that a film could be formed at 20 ° C., and then adecanol (“UH-420”, manufactured by Asahi Denka Co., Ltd.) as a thickener ) And 0.2 g of Surfynol ("DF-58", Nissin Chemical Industry Co., Ltd.) as an antifoaming agent, and the mixture was sufficiently stirred again and filtered with a 100 mesh nylon gauze. Was used as a plasticizer migration preventing aqueous coating material for evaluation.
This water-based coating material for preventing migration of the plasticizer is applied onto the coating composed of the above-mentioned plasticizer-containing acrylic resins (1) and (2) and the plasticizer-containing polyvinyl chloride resin so that the film thickness after drying becomes 10 μm. , Using an applicator. After leaving it at room temperature for 15 minutes, it was dried in a dryer at 90 ° C. for 60 minutes to produce a test piece coated with an aqueous coating material for preventing migration of plasticizer.
[0046]
(Example 4)
Emulsion polymerization was carried out in the same manner as in Example 3 using the polyorganosiloxane, the monomer mixture, and the emulsifier shown in Table 1 to produce a silicone acrylic emulsion. The first and second stage monomer compositions are as follows.
First stage: 38 parts by mass of methyl methacrylate, 2 parts by mass of ethyl acrylate
2nd stage: 8 parts by mass of methyl methacrylate, 20 parts by mass of ethyl acrylate, 3 parts by mass of 2-hydroxypropyl methacrylate, 9 parts by mass of diacetone acrylamide The solid content (heating residue) of the obtained silicone acrylic emulsion, The viscosity and pH were as shown in Table 1.
[0047]
To 100 g of the above emulsion, a film-forming aid was added according to Table 2 and sufficiently stirred so that a film could be formed at 20 ° C., and then adecanol (“UH-420”, manufactured by Asahi Denka Co., Ltd.) as a thickener ) Was added, and 0.2 g of Surfynol ("DF-58", Nissin Chemical Industry Co., Ltd.) was added as an antifoaming agent. An aqueous coating material for preventing migration of a plasticizer for evaluation was used.
This water-based coating material for preventing migration of the plasticizer is applied onto the coating composed of the above-mentioned plasticizer-containing acrylic resins (1) and (2) and the plasticizer-containing polyvinyl chloride resin so that the film thickness after drying becomes 10 μm. , Using an applicator. After leaving it at room temperature for 15 minutes, it was dried in a dryer at 90 ° C. for 60 minutes to produce a test piece coated with an aqueous coating material for preventing migration of plasticizer.
[0048]
(Example 5)
Emulsion polymerization was carried out in the same manner as in Example 1 using the polyorganosiloxane, the monomer mixture, and the emulsifier shown in Table 1 to produce a silicone acrylic emulsion. The solid content (heating residue), viscosity and pH of the obtained silicone acrylic emulsion were as shown in Table 1.
Next, using this emulsion, an aqueous coating material for preventing plasticizer migration was produced in the same manner as in Example 1, and the above-mentioned plasticizer-containing acrylic resin (1), (2), and plasticizer-containing polyether were used. A test piece was prepared by coating on a coating made of a vinyl chloride resin.
[0049]
(Example 6)
Emulsion polymerization was carried out in the same manner as in Example 3 using the polyorganosiloxane, the monomer mixture, and the emulsifier shown in Table 1 to produce a silicone acrylic emulsion. The first and second stage monomer compositions are as follows.
First stage: 22.8 parts by mass of methyl methacrylate, 7.2 parts by mass of styrene
Second stage: 16.2 parts by mass of methyl methacrylate, 1.8 parts by mass of n-butyl methacrylate, 10.8 parts by mass of 2-hydroxyethyl acrylate, 1.2 parts by mass of Plaxel FM2
The solid content (residue after heating), viscosity, and pH of the obtained silicone acrylic emulsion were as shown in Table 1.
[0050]
To 100 g of the above emulsion, a film-forming aid was added according to Table 2 and sufficiently stirred so that a film could be formed at 20 ° C., and then adecanol (“UH-420”, manufactured by Asahi Denka Co., Ltd.) as a thickener ) Was added, and 0.2 g of Surfynol ("DF-58", Nissin Chemical Industry Co., Ltd.) was added as an antifoaming agent. An aqueous coating material for preventing migration of a plasticizer for evaluation was used.
This water-based coating material for preventing migration of the plasticizer is applied onto the coating composed of the above-mentioned plasticizer-containing acrylic resins (1) and (2) and the plasticizer-containing polyvinyl chloride resin so that the film thickness after drying becomes 10 μm. , Using an applicator. After leaving it at room temperature for 15 minutes, it was dried in a dryer at 90 ° C. for 60 minutes to produce a test piece coated with an aqueous coating material for preventing migration of plasticizer.
[0051]
(Comparative Examples 1-4)
Emulsion polymerization was carried out in the same manner as in Example 1 using the monomer mixture and the emulsifier shown in Table 3 to produce a silicone acrylic emulsion. Table 3 shows the solid content (residue after heating), viscosity, and pH of each of the obtained acrylic emulsions.
Next, using this emulsion, an aqueous coating material for preventing plasticizer migration was produced in the same manner as in Example 1, and the above-mentioned plasticizer-containing acrylic resin (1), (2), and plasticizer-containing polyether were used. A test piece was prepared by coating on a coating made of a vinyl chloride resin. The adipic dihydrazide of Comparative Example 1 and Comparative Example 4 was dispersed in the same amount of deionized water and added.
[0052]
[Table 3]
Figure 2004155940
Hereinafter, abbreviations in the table will be described.
MMA is methyl methacrylate, EA is ethyl acrylate, 2HEMA is 2-hydroxyethyl methacrylate, 2HPMA is 2-hydroxypropyl methacrylate, St is styrene, n-BMA is n-butyl methacrylate, and 2-EHA is acrylic acid. 2-ethylhexyl, 2-MTA is 2-methoxyethyl acrylate, DAAm is diacetone acrylamide, MAA is methacrylic acid, AE-HH is acrylester HH (manufactured by Mitsubishi Rayon Co., Ltd.), and NP-203 is an anionic emulsifier ( “SANNOL NP-2030”, manufactured by Lion Corporation), TD-313 is an anionic emulsifier (“SANNOL TD-3130”, manufactured by Lion Corporation), and SE-10N is an anionic reactive emulsifier (“Adecaria Soap”). SE-10N ", manufactured by Asahi Denka Co., Ltd.), and TD-120 Anions emulsifier ( "LEOCOL TD-120", manufactured by Lion (Ltd.)), TD-700 nonionic emulsifier ( "LEOCOL TD-700", manufactured by Lion (Ltd.)), APDH shows the adipic acid dihydrazide.
[0053]
(Comparative Example 5)
Using an oil-in-water emulsion (2) of a polyorganosiloxane as a plasticizer migration inhibitor, an aqueous coating material for preventing plasticizer migration was produced in the same manner as in Example 1 and containing the above-mentioned plasticizer-containing coating. Test pieces were prepared by coating on a coating composed of acrylic resins (1) and (2) and a polyvinyl chloride resin containing a plasticizer.
[0054]
The test pieces obtained in each of the examples and comparative examples were evaluated for the plasticizer transfer prevention performance, the alkali base material resistance, and the blocking resistance. Hereinafter, the evaluation method will be described.
[0055]
(Plasticizer transfer amount evaluation method)
A 5 cm × 5 cm vinyl chloride resin sheet whose weight (W-1 (unit: g)) was previously measured was placed on the surface of the test piece covered with the plasticizer migration preventing aqueous coating material, and glass was placed thereon. Place the plate, and then 500g / cm on the glass plate2And placed in a dryer at 80 ° C., taken out of the dryer after 24 hours, and cooled naturally to room temperature.
After cooling, the vinyl chloride resin sheet was peeled off from the evaluation plasticizer-containing acrylic resin, and its weight (W-2 (unit: g)) was measured.
Based on the result, the transfer amount of the plasticizer per unit weight of the vinyl chloride resin sheet was calculated by the following equation. The results are shown in Tables 4 and 5.
Plasticizer transfer amount (g / g) = ((W-2)-(W-1)) / (W-1)
The smaller the value of the plasticizer transfer amount (g / g), the better the plasticizer transfer preventing performance of the coated plasticizer transfer preventing aqueous coating material.
[0056]
[Table 4]
Figure 2004155940
[0057]
[Table 5]
Figure 2004155940
[0058]
In addition, the plasticizer transferability was evaluated based on the following criteria based on the calculated plasticizer transfer amount. The results are shown in Tables 4 and 5.
◎: The amount of transfer of the plasticizer was reduced to less than 10% of the case where no coating was performed
: The amount of transfer of the plasticizer was reduced to 10% or more and less than 20% in the case of not coating.
Δ: The transfer amount of the plasticizer was reduced to 20% or more and 30% or less in the case of not coating.
X: The amount of transfer of the plasticizer is more than 30% in the case of not coating.
[0059]
(Alkali-resistant substrate test)
A beaker in which a mortar plate conforming to JIS A 6910 having a length, width, and height of 70 mm x 70 mm x 20 mm was placed on the surface of the test piece coated with the plasticizer migration preventing aqueous coating material, and filled with deionized water. And placed in a constant temperature water bath at 50 ° C. with the beaker. After one week, the test piece was taken out, and the change in the surface coated with the aqueous coating material for preventing migration of the plasticizer (such as the presence or absence of blisters) was visually checked, and judged based on the following criteria. The results are shown in Tables 4 and 5.
A: No change in appearance is observed.
: Whitening is slightly observed, but no blister or the like is observed.
Δ: Blisters are slightly observed.
X: The blister is remarkable or the coating film is eluted.
[0060]
(Blocking resistance test)
The surfaces of the test pieces coated with the aqueous coating material for preventing migration of the plasticizer were overlapped with each other, and 500 g / cm2And placed in a dryer at 80 ° C., taken out of the dryer after 24 hours, and cooled naturally to room temperature.
After cooling, the ease of peeling when the test piece was peeled by hand was determined according to the following criteria. The results are shown in Tables 4 and 5.
A: Easy peeling without applying force.
:: Inferior to ◎ but easily peelable.
Δ: Partial adhesion and peeling force is required, but peeling is possible without damaging the plasticizer migration inhibitor applied surface.
×: Cannot be peeled
[0061]
As is clear from Table 4, all of the plasticizer-containing resins coated with the plasticizer migration preventing aqueous coating materials obtained in Examples 1 to 6 have plasticizer migration prevention performance, alkali-base material resistance and resistance to alkali. Very good blocking properties.
On the other hand, as is clear from Table 5, in Comparative Example 1, no polyorganosiloxane was used in the production of the aqueous coating material for preventing migration of the plasticizer, and the calculated solubility parameter (Sp value) of the monomer mixture was further increased. Is less than 9.4, the plasticizer migration prevention performance and the blocking resistance are inferior.
In Comparative Example 2, the polyorganosiloxane was not used in the production of the aqueous coating material for preventing the transfer of the plasticizer, and the hydroxyl group was not introduced into the copolymer. Poor alkali base properties and blocking resistance.
In Comparative Example 3, the polyorganosiloxane was not used in the production of the aqueous coating material for preventing migration of the plasticizer, and the calculated solubility parameter (Sp value) of the monomer mixture was less than 9.4. In addition, the plasticizer migration prevention performance is inferior to the examples.
In Comparative Example 4, no polyorganosiloxane was used in the production of the aqueous coating material for preventing migration of the plasticizer, and no hydroxyl group was introduced into the copolymer. Since the solubility parameter (Sp value) is also less than 9.4, it is inferior to the plasticizer transfer prevention performance, the alkali base material resistance, and the blocking resistance.
In Comparative Example 5, an oil-in-water emulsion of the polyorganosiloxane of Production Example (2) alone was applied. However, even after drying, the performance as a coating film was insufficient, and various performance evaluations could not be performed. .
[0062]
【The invention's effect】
According to the plasticizer migration preventing aqueous coating material of the present invention, the plasticizer-containing resin is coated on the surface, even after a long period of time, to prevent the plasticizer from migrating to other substances, and furthermore, the plasticizer Blocking when folding or stacking the contained resin can be prevented. In addition, it has very excellent storage stability and is extremely useful industrially.

Claims (1)

ポリオルガノシロキサンの水中油滴型エマルション(A)と、ヒドロキシル基含有エチレン性不飽和単量体、及びその他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体を含む単量体混合物(B)とを乳化重合させた共重合体(X)を含有し、
前記単量体混合物(B)の計算溶解性パラメーターが9.4以上であることを特徴とする可塑剤移行防止用水性被覆材。
An oil-in-water emulsion of a polyorganosiloxane (A) and a monomer mixture (B) containing a hydroxyl group-containing ethylenically unsaturated monomer and another copolymerizable ethylenically unsaturated monomer Containing an emulsion-polymerized copolymer (X),
An aqueous coating material for preventing migration of a plasticizer, wherein the monomer mixture (B) has a calculated solubility parameter of 9.4 or more.
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