JP2004145370A - 赤外線レーザ用感光性画像形成材料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 支持体上に、(A)アルカリ水溶液可溶性高分子化合物を50重量%以上含有する層を形成した後、(B)フェノール性水酸基を有するアルカリ水溶液可溶性樹脂を50重量%以上含有する層を塗布し、該(B)層を高圧エアーの吹きつけ、又は、加熱ロールにより乾燥することにより製造されることを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
特に、近年におけるレーザの発展は目ざましく、特に近赤外から赤外に発光領域を持つ固体レーザ・半導体レーザは高出力かつ小型の物が容易に入手できる様になり、これらはディジタルデータから直接製版する際の露光光源として、非常に有用である。
このような画像形成材料では、オニウム塩、キノンジアジド化合物類等が、可視領域に光吸収域(350〜500nm)を有するため、取扱い場所は黄色燈下に制限されるという不便があった。
さらに、オニウム塩、キノンジアジド化合物類等が、アルカリ水溶液可溶性高分子化合物や光を吸収し熱を発生する物質と必ずしも相溶性が良好ではなく、均一の塗布液を調製するのが困難であり、均一で安定した画像形成材料を得難いという問題があった。
さらに、(B)フェノール性水酸基を有するアルカリ水溶液可溶性樹脂を50重量%以上含有する層には光を吸収して発熱する化合物を含有するため、ノボラック樹脂に代表されるアルカリ水溶液可溶性樹脂は光を吸収して発熱する化合物との相互作用が強く、露光による画像形成の際の感度が高く、また、未露光部の現像抑制効果が高いので広い現像ラチチュードが実現できる。
本発明において(A)層の形成に使用されるアルカリ水溶液可溶性高分子化合物は、(a−1)スルホンアミド基を有するモノマー、(a−2)活性イミノ基を有するモノマー、(a−3)フェノール性水酸基を有するモノマーのいずれかの少なくとも一つを共重合成分として10モル%以上含む共重合体(以下、「特定の共重合体」という。)を50重量%以上含有するものである。
その中でも、アクリロイル基、アリル基、またはビニロキシ基と、置換あるいはモノ置換アミノスルホニル基または置換スルホニルイミノ基とを有する低分子化合物が好ましい。
このような化合物としては、例えば、下記一般式(I)〜(V)で示される化合物が挙げられる。
このような化合物としては、具体的には、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、o−ヒドロキシフェニルアクリレート、m−ヒドロキシフェニルアクリレート、p−ヒドロキシフェニルアクリレート、o−ヒドロキシフェニルメタクリレート、m−ヒドロキシフェニルメタクリレート、p−ヒドロキシフェニルメタクリレート、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン等を好適に使用することができる。
(1)例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレートまたは2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類、およびメタクリル酸エステル類。
(2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、N−ジメチルアミノエチルアクリレート等のアルキルアクリレート。
(3)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルメタクリレート、N−ジメチルアミノエチルメタクリレート等のアルキルメタクリレート。
(4)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド等のアクリルアミドもしくはメタクリルアミド。
(5)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類。
(7)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン類。
(8)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類。
(9)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類。
(10)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
(11)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニルメタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタクリルアミド等の不飽和イミド。
(12)アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸。
。
オニウム塩としてはジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等を挙げる事ができる。
本発明において、ジアゾニウム塩が特に好ましい。また、特に好適なジアゾニウム塩としては特開平5−158230号公報記載のものがあげられる。
本発明に用いられるo−キノンジアジド化合物は、少なくとも1個のo−キノンジアジド基を有する化合物で、熱分解によりアルカリ可溶性を増すものであり、種々の構造の化合物を用いることができる。つまり、o−キノンジアジドは熱分解により結着剤の溶解抑制能を失うことと、o−キノンジアジド自身がアルカリ可溶性の物質に変化することの両方の効果により感材系の溶解性を助ける。本発明に用いられるo−キノンジアジド化合物としては、例えば、J.コーサー著「ライト−センシティブ・システムズ」(John Wiley & Sons. Inc.)第339〜352頁に記載の化合物が使用できるが、特に種々の芳香族ポリヒドロキシ化合物あるいは芳香族アミノ化合物と反応させたo−キノンジアジドのスルホン酸エステルまたはスルホン酸アミドが好適である。また、特公昭43−28403 号公報に記載されているようなベンゾキノン(1,2)−ジアジドスルホン酸クロライドまたはナフトキノン−(1,2)−ジアジド−5−スルホン酸クロライドとピロガロール−アセトン樹脂とのエステル、米国特許第3,046,120 号および同第3,188,210 号に記載されているベンゾキノン−(1,2)−ジアジドスルホン酸クロライドまたはナフトキノン−(1,2)−ジアジド−5−スルホン酸クロライドとフェノール−ホルムアルデヒド樹脂とのエステルも好適に使用される。
上記の環状酸無水物、フェノール類および有機酸類の(A)層構成材料中に占める割合は、0.05〜20重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜15重量%、特に好ましくは0.1〜10重量%である。
用いうる化合物の具体例を挙げると、脂肪酸としては、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、エライジン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸等が挙げられる。脂肪酸エステルとしては、これらの脂肪酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、ドデシルエステル、フェニルエステル、ナフチルエステルが挙げられる。チオ脂肪酸エステルとしては、これらの脂肪酸のメチルチオエステル、エチルチオエステル、プロピルチオエステル、ブチルチオエステル、ベンジルチオエステルが挙げられる。脂肪酸アミドとしては、これらの脂肪酸のアミド、メチルアミド、エチルアミド等が挙げられる。
非イオン界面活性剤の具体例としては、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。
両面活性剤の具体例としては、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインやN−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば、商品名「アモーゲンK」:第一工業(株)製)等が挙げられる。上記非イオン界面活性剤および両性界面活性剤の(A)層構成材料中に占める割合は、0.05〜15重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量%である。
焼き出し剤としては、露光による加熱によって酸を放出する化合物(光酸放出剤)と塩を形成し得る有機染料の組合せを代表として挙げることができる。具体的には、特開昭50−36209 号、同53−8128号の各公報に記載されているo−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸ハロゲニドと塩形成性有機染料の組合せや、特開昭53−36223 号、同54−74728 号、同60−3626号、同61−143748号、同61−151644号および同63−58440 号の各公報に記載されているトリハロメチル化合物と塩形成性有機染料の組合せを挙げることができる。かかるトリハロメチル化合物としては、オキサゾール系化合物とトリアジン系化合物とがあり、どちらも経時安定性に優れ、明瞭な焼き出し画像を与える。
さらに、膜強度向上のため、長鎖脂肪酸エステル、長鎖脂肪酸アミド等を添加してもよい。
本発明の感光層において好適に用いられる酸により架橋する物質としては、(a)分子内に2個以上のヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基、エポキシ基またはビニルエーテル基を有し、これらの基がベンゼン環に結合している化合物、(b)N−ヒドロキシメチル基、N−アルコキシメチル基若しくはN−アシルオキシメチル基を有する化合物、(c)エポキシ系化合物等が挙げられる。
(a)分子内に2個以上のヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基、エポキシ基またはビニルエーテル基を有し、これらの基がベンゼン環に結合している化合物としては具体的には、メチロールメラミン、レゾール樹脂、エポキシ化されたノボラック樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。さらに、「架橋剤ハンドブック」(山下晋三、金子東助著、大成社(株))に記載されている化合物も好ましい。特に、分子内に2個以上のヒドロキシメチル基またはアルコキシメチル基を有するフェノール誘導体は、画像形成した際の画像部の強度が良好であり好ましい。具体的には、レゾール樹脂を挙げることができる。
さらに好ましい例としては、例えば、少なくとも2個の遊離N−ヒドロキシメチル基、N−アルコキシメチル基若しくはN−アシルオキシメチル基を有するメラミン−ホルムアルデヒド誘導体が挙げられ、中でもN−アルコキシメチル誘導体が特に好ましい。
これらの酸により架橋する架橋剤は単独で使用しても良く、また2種類以上を組み合わせて使用しても良い。
となり、いずれも好ましくない。
更に、米国特許第4123279号明細書に記載されているように、t−ブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂、オクチルフェノールホルムアルデヒド樹脂のような、炭素数3〜8のアルキル基を置換基として有するフェノールとホルムアルデヒドとの縮合物を併用してもよい。かかるフェノール性水酸基を有する樹脂は、1種類あるいは2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
顔料としては、市販の顔料およびカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。
顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、超音波分散器、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、ディスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載がある。
本発明において、これらの顔料、もしくは染料のうち赤外光、もしくは近赤外光を吸収するものが、赤外光もしくは近赤外光を発光するレーザでの利用に適する点で特に好ましい。
これらの顔料もしくは染料は、(B)層構成材料全固形分に対し0.01〜50重量%、好ましくは0.1〜10重量%、染料の場合特に好ましくは0.5〜10重量%、顔料の場合特に好ましくは3.1〜10重量%の割合で添加することができる。顔料もしくは染料の添加量が0.01重量%未満であると感度が低くなり、また50重量%を越えると感光層の均一性が失われ、記録層の耐久性が悪くなる。
これらの染料もしくは顔料は(B)層に添加されるのは必須であるが、その他の層、例えば先に説明した(A)層に添加してもよい。
R5〜R10は、それぞれ独立に置換基を有しても良い炭素数1〜12のアルキル基を表し、ここで、R5〜R10としては、具体的には、メチル基、エチル基、フェニル基、ドデシル基、ナフチル基、ビニル基、アリル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。また、これらの基が置換基を有する場合、その置換基としては、ハロゲン原子、カルボニル基、ニトロ基、ニトリル基、スルホニル基、カルボキシル基、カルボン酸エステル、スルホン酸エステル等が挙げられる。
R14〜R15は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良い炭素数1〜8のアルキル基を表し、R14はR15と結合して環構造を形成していてもよく、m>2の場合は、複数のR14同士が結合して環構造を形成していてもよい。R14〜R15しては、具体的には、塩素原子、シクロヘキシル基、R14同士が結合してなるシクロペンチル環、シクロヘキシル環等が挙げられる。また、これらの基が置換基を有する場合、その置換基としては、ハロゲン原子、カルボニル基、ニトロ基、ニトリル基、スルホニル基、カルボキシル基、カルボン酸エステル、スルホン酸エステル等が挙げられる。また、mは1〜8の整数を表し、好ましくは1〜3である。
第一層(A)塗布乾燥して層形成した後、第二層(B)を形成する際に用いられる連続塗布乾燥を実施する装置の一構成例を図1に示す。図1の装置は、例えば支持体として粗面化されたアルミニウムウェブを用い、この支持体上に予め第一層を塗設した第一層塗設物に対し、第二層設層するものである。
例えば、メチルエチルケトンや1−メトキシ−2−プロパノ−ル等のアルカリ水溶液可溶性樹脂を溶解する溶剤に不溶な(A)層成分を構成する特定モノマーを共重合成分として含む共重合体を選択し、該(A)層成分を構成する共重合体を溶解する溶剤系を用いて該共重合体主体とする(A)層を塗布・乾燥し、その後、アルカリ水溶液可溶性樹脂を主体とする(B)層をメチルエチルケトンや1−メトキシ−2−プロパノ−ル等(A)層成分を溶解しない溶剤を用いて塗布することにより二層化が可能になる。
また、第一層の塗布・乾燥も第二層用と同様の装置を第二層の塗布・乾燥用の装置の上流に設けて行い、さらに、支持体の粗面化も第一層の塗布・乾燥用の装置の塗布ヘッドの上流に粗面化手段を設けるなどして行い、支持体を連続走向させて連続的に行うことが生産性を向上させる上で好ましい。
本発明の支持体としては、ポリエステルフィルム又はアルミニウム板が好ましく、その中でも寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板は特に好ましい。好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板およびアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板であり、更にアルミニウムがラミネートもしくは蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどがある。合金中の異元素の含有量は高々10重量%以下である。本発明において特に好適なアルミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。本発明で用いられるアルミニウム板の厚みはおよそ0.1mm〜0.6mm程度、好ましくは0.15mm〜0.4mm、特に好ましくは0.2mm〜0.3mmである。
アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法および化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸または硝酸電解液中で交流または直流により行う方法がある。また、特開昭54−63902号公報に開示されているように両者を組み合わせた方法も利用することができる。
この様に粗面化されたアルミニウム板は、必要に応じてアルカリエッチング処理および中和処理された後、所望により表面の保水性や耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電解質の使用が可能で、一般的には硫酸、リン酸、蓚酸、クロム酸あるいはそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
陽極酸化皮膜の量は1.0g/m2より少ないと耐刷性が不十分であったり、画像形成材料の非画像部に傷が付き易くなって、印刷時に傷の部分にインキが付着するいわゆる「傷汚れ」が生じ易くなる。
陽極酸化処理を施された後、アルミニウム表面は必要により親水化処理が施される。本発明に使用される親水化処理としては、米国特許第2,714,066 号、同第3,181,461 号、第3,280,734 号および第3,902,734 号に開示されているようなアルカリ金属シリケート(例えばケイ酸ナトリウム水溶液)法がある。この方法においては、支持体がケイ酸ナトリウム水溶液で浸漬処理されるかまたは電解処理される。他に特公昭36−22063 号公報に開示されているフッ化ジルコン酸カリウムおよび米国特許第3,276,868 号、同第4,153,461 号、同第4,689,272 号に開示されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法などが用いられる。
下塗層成分としては種々の有機化合物が用いられ、例えば、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、アラビアガム、2−アミノエチルホスホン酸などのアミノ基を有するホスホン酸類、置換基を有してもよいフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン酸、グリセロホスホン酸、メチレンジホスホン酸およびエチレンジホスホン酸などの有機ホスホン酸、置換基を有してもよいフェニルリン酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸およびグリセロリン酸などの有機リン酸、置換基を有してもよいフェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキルホスフィン酸およびグリセロホスフィン酸などの有機ホスフィン酸、グリシンやβ−アラニンなどのアミノ酸類、およびトリエタノールアミンの塩酸塩などのヒドロキシ基を有するアミンの塩酸塩等から選ばれるが、2種以上混合して用いてもよい。
有機下塗層の被覆量は、2〜200mg/m2が適当であり、好ましくは5〜100mg/m2である。上記の被覆量が2mg/m2よりも少ないと十分な耐刷性能が得られない。また、200mg/m2より大きくても同様である。
本発明の画像形成材料には、必要に応じて感光層の上に保護層を設けてもよい。保護層成分としては、ポリビニルアルコールや通常の感光性画像形成材料に用いられるマット材料等が挙げられる。
本発明においては、像露光に用いられる活性光線の光源としては、近赤外から赤外領域において、700nm以上の発光波長を持つ光源が好ましく、固体レーザ、半導体レーザが特に好ましい。
これらのアルカリ剤は単独もしくは2種以上を組み合わせて用いられる。
これらのアルカリ剤の中で特に好ましい現像液は、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等のケイ酸塩水溶液である。その理由はケイ酸塩の成分である酸化珪素 SiO2とアルカリ金属酸化物M2Oの比率と濃度によって現像性の調節が可能となるためであり、例えば、特開昭54−62004 号公報、特公昭57−7427号に記載されているようなアルカリ金属ケイ酸塩が有効に用いられる。
更に現像液および補充液には必要に応じて、ハイドロキノン、レゾルシン、亜硫酸、亜硫酸水素酸などの無機酸のナトリウム塩、カリウム塩等の還元剤、更に有機カルボン酸、消泡剤、硬水軟化剤を加えることもできる。
上記現像液および補充液を用いて現像処理された印刷版は水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムや澱粉誘導体を含む不感脂化液で後処理される。本発明の画像形成材料を印刷版として使用する場合の後処理としては、これらの処理を種々組み合わせて用いることができる。
また、実質的に未使用の処理液で処理するいわゆる使い捨て処理方式も適用できる。
平版印刷版をバーニングする場合には、バーニング前に特公昭61−2518号、同55−28062 号、特開昭62−31859 号、同61−159655号の各公報に記載されているような整面液で処理することが好ましい。
その方法としては、該整面液を浸み込ませたスポンジや脱脂綿にて、平版印刷版上に塗布するか、整面液を満たしたバット中に印刷版を浸漬して塗布する方法や、自動コーターによる塗布などが適用される。また、塗布した後でスキージ、あるいは、スキージローラーで、その塗布量を均一にすることは、より好ましい結果を与える。
整面液が塗布された平版印刷版は必要であれば乾燥された後、バーニングプロセッサー(たとえば富士写真フイルム(株)より販売されているバーニングプロセッサー:「BP−1300」)などで高温に加熱される。この場合の加熱温度及び時間は、画像を形成している成分の種類にもよるが、180〜300℃の範囲で1〜20分の範囲が好ましい。
この様な処理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機等にかけられ、多数枚の印刷に用いられる。
合成例1(共重合体1)
攪拌機、冷却管及び滴下ロートを備えた500ml三ツ口フラスコにメタクリル酸31.0g(0.36モル)、クロロギ酸エチル39.1g(0.36モル)及びアセトニトリル200mlを入れ、氷水浴で冷却しながら混合物を攪拌した。この混合物にトリエチルアミン36.4g(0.36モル)を約1時間かけて滴下ロートにより滴下した。滴下終了後、氷水浴をとり去り、室温下で30分間混合物を攪拌した。
合成例1の重合反応において、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド5.04g(0.0210モル)をN−(p−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド3.72g(0.0210モル)に変えた以外は、合成例1と同様に重合反応を行い、重量平均分子量(ポリスチレン標準)47,000の共重合体2を得た。
厚み0.3mmのアルミニウム板(材質1050)をトリクロロエチレンで洗浄して脱脂した後、ナイロンブラシと400メッシュのパミス−水懸濁液を用いこの表面を砂目立てし、水でよく洗浄した。この板を45℃の25%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗後、さらに20%硝酸に20秒間浸漬し、水洗した。この時の砂目立て表面のエッチング量は約3g/m2であった。次にこの板を7%硫酸を電解液として電流密度15A/dm2で3g/m2の直流陽極酸化被膜を設けた後、水洗し、乾燥し、さらに、下記下塗り液を塗布し、塗膜を90℃で1分乾燥した。乾燥後の塗膜の塗布量は10mg/m2であった。
β−アラニン 0.5g
メタノール 95g
水 5g
得られた基板に以下の感光液A1を塗布し、100℃で2分間乾燥して、(A)層を形成した。乾燥後の塗布量は1.4g/m2であった。
その後、以下の感光液B1を塗布し、100℃で2分間乾燥して、(B)層を形成し、平版印刷版を得た。乾燥後の感光液の合計塗布量は2.0g/m2であった。
共重合体1 0.75g
シアニン染料A 0.04g
p−トルエンスルホン酸 0.002g
テトラヒドロ無水フタル酸 0.05g
ビクトリアピュアブルー(BOHの対アニオンを1−ナフタレン
スルホン酸アニオンにした染料) 0.015g
フッ素系界面活性剤(メガファックF−177、
大日本インキ化学工業(株)製) 0.02g
γ−ブチロラクトン 8g
メチルエチルケトン 7g
1−メトキシ−2−プロパノール 7g
m,p−クレゾールノボラック(m/p比=6/4、
重量平均分子量4000) 0.25g
シアニン染料A 0.05g
ステアリン酸n−ドデシル 0.02g
フッ素系界面活性剤(メガファックF−177、
大日本インキ化学工業(株)製) 0.05g
メチルエチルケトン 7g
1−メトキシ−2−プロパノール 7g
得られた基板に以下の感光液A2を塗布し、100℃で2分間乾燥して、(A)層を形成した。乾燥後の塗布量は1.5g/m2であった。
その後、以下の感光液B2を塗布し、以下の方法で乾燥した。即ち、前記図1に示した乾燥ゾーンを用い、塗布後直ちにスリットノズル12より3000mmAqの高圧エアーの吹き付けと、ガイドロール14を加熱ロールに変更して130℃の加熱を併せて行って、(B)層を形成し、平版印刷版を得た。乾燥後の感光液の合計塗布量は2.0g/m2であった。
感光液A2
m,p−クレゾールノボラック(m/p比=6/4、
重量平均分子量4000) 0.75g
共重合体2 0.10g
シアニン染料B 0.3g
2,6−ビスヒドロキシメチル−p−クレゾール 0.02g
p−トルエンスルホン酸 0.005g
テトラヒドロ無水フタル酸 0.01g
ビクトリアピュアブルー(BOHの対アニオンを1−ナフタレン
スルホン酸アニオンにした染料) 0.015g
フッ素系界面活性剤(メガファックF−177、
大日本インキ化学工業(株)製) 0.02g
メチルエチルケトン 12g
1−メトキシ−2−プロパノール 10g
m,p−クレゾールノボラック(m/p比=6/4、
重量平均分子量4000) 0.25g
シアニン染料B 0.07g
ステアリン酸n−ドデシル 0.02g
フッ素系界面活性剤(メガファックF−177、
大日本インキ化学工業(株)製) 0.05g
メチルエチルケトン 7g
1−メトキシ−2−プロパノール 7g
得られた基板に、実施例1において用いた感光液A1のみを塗布し、100℃で2分間乾燥して、感光層を形成して、平版印刷版を得た。乾燥後の塗布量は1.4g/m2であった。
得られた基板に、実施例1で用いた感光液A1のうち、共重合体1をm,p−クレゾールノボラック(m/p比=6/4、重量平均分子量4000)に代えたほかは全く同様のものを塗布し、100℃で2分間乾燥して、感光層を形成して、平版印刷版を得た。乾燥後の塗布量は1.4g/m2であった。
前記のようにして作成した実施例1、2、比較例1、2の平版印刷版について、下記の基準により性能評価を行った。評価結果を表1に示す。
得られた平版印刷版を、出力500mW,波長830nm、ビーム径17μm(1/e2)の半導体レーザを用いて主走査速度5m/秒にて露光した後、富士写真フイルム(株)製現像液、DP−4、リンス液FR−3(1:7)を仕込んだ自動現像機(富士写真フイルム(株)製:「PSプロセッサー900VR」)を用いて現像した。その際、DP−4は1:8で希釈したもの及び1:6で希釈したものの二水準を使用し、それぞれの現像液にて得られた非画像部の線幅を測定し、その線幅に相当するレーザーの照射エネルギーを求めて、これを感度とした。そして、標準である1:8で希釈したものと、1:6で希釈したものとの差を記録した。その差が小さいほど現像ラチチュードが良好であり、20mJ/cm2以下であれば、実用可能なレベルである。
(耐刷性)
DP−4(1:8)を用いて現像した平版印刷版を用いて、ハイデルベルク社製のハイデルKOR−D機で上質紙に印刷した。5000枚印刷毎にクリーナー液(富士写真フイルム(株)製:「プレートクリーナーCL2」)で版面を拭きながら印刷した。それぞれの最終印刷枚数を表1に示す。ここで、最終印刷枚数とは、平版印刷版の感光層が膜減りを起こし部分的にインキがつかなくなる、いわゆる版飛びを起こすまでの枚数である。
2 塗布ヘッド
3 第1乾燥ゾーン
4 第2乾燥ゾーン
5 吸気口(第1乾燥ゾーン)
6 排気口(第1乾燥ゾーン)
7 吸気口(第2乾燥ゾーン)
8 排気口(第2乾燥ゾーン)
9 高圧風発生装置
10 熱交換器
11 圧力計
12 高圧風吹き出しノズル
13、14、15、16、17 ガイドロール
18、19 風量調節ダンパー
Claims (1)
- 支持体上に、(A)アルカリ水溶液可溶性高分子化合物を50重量%以上含有する層を形成した後、(B)フェノール性水酸基を有するアルカリ水溶液可溶性樹脂を50重量%以上含有する層を塗布し、該(B)層を高圧エアーの吹きつけ、又は、加熱ロールにより乾燥することにより製造される赤外線レーザ用感光性画像形成材料。
Priority Applications (1)
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- 2004-02-20 JP JP2004045309A patent/JP2004145370A/ja active Pending
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