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JP2004144130A - トランスミッション制御装置 - Google Patents

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JP2004144130A
JP2004144130A JP2002307192A JP2002307192A JP2004144130A JP 2004144130 A JP2004144130 A JP 2004144130A JP 2002307192 A JP2002307192 A JP 2002307192A JP 2002307192 A JP2002307192 A JP 2002307192A JP 2004144130 A JP2004144130 A JP 2004144130A
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Japan
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gear
speed
shift
control device
clutch
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Pending
Application number
JP2002307192A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuyuki Nishimura
西村 伸之
Tatsuya Yamada
山田 達也
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Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
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Publication date
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Abstract

【課題】定速走行制御中の一時加速時に加速フィーリングを損なうことなく円滑に走行できるトランスミッション制御装置を提供する。
【解決手段】定速走行制御機能を有するトランスミッション制御装置9において、定速走行制御中に所定のアクセル開度以上で一時加速を行う際に、現在ギヤ段Aで発生するトルクよりも大きいトルクを発生するギヤ段までシフトダウンを行うシフトダウン制御機能を備えた。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両の定速走行制御機能(所謂オートクルーズシステム)を構成するトランスミッション制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近ではドライバの負担を軽減するため、トラクタや大型トラック等の比較的大型の車両においても自動クラッチや自動変速機を採用する例が多く見られる。また、この自動変速機において、アクセル操作無しに一定速での走行を実現するため、定速走行制御機能(オートクルーズ機能)を備えた例も多く見られる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
実公平7−8290号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の定速走行制御機能を有するトランスミッション制御装置において、定速走行中では、高ギヤ段でエンジン回転数を低くして燃料の消費を少なくしている。そのため、追い越し等、一時加速を行う場合で、定速走行の設定速度と現在車速との乖離が少ないときには、エンジン回転数が低回転のときからその時点のギヤ段を保持しながら加速を始める場面が多いため、加速フィーリングが悪く、滑らかな走行を阻害してしまうといった問題があった。
【0005】
そこで、本願発明は上記課題を解決すべく案出されたものであって、その目的は、定速走行制御中の一時加速時に加速フィーリングを損なうことなく円滑に走行できるトランスミッション制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、定速走行制御機能を有するトランスミッション制御装置において、定速走行制御中に所定のアクセル開度以上で一時加速を行う際に、現在ギヤ段で発生するトルクよりも大きいトルクを発生するギヤ段までシフトダウンを行うシフトダウン制御機能を備えたものである。
【0007】
上記構成によれば、一時加速すべくアクセルを所定開度以上で踏んだときに現在ギヤ段で発生するトルクよりも大きいトルクを発生するギヤ段までシフトダウンを行うシフトダウン制御機能を備えているので、一時加速時におけるトルクが大きくなり加速をスムーズに行うことができ、アクセル操作に応じた加速フィーリングを得られ、円滑に走行することができる。
【0008】
そして、上記シフトダウン制御が、エンジン回転数を最大トルク発生回転数付近まで上昇させるギヤ段までシフトダウンを行うものが好ましい。
【0009】
また、上記シフトダウン制御が、現在走行速度における現在ギヤ段よりも下段側のギア段に対応するエンジン回転数を順次算出すると共に、そのエンジン回転数と最大トルク発生回転数とを順次比較し、上記エンジン回転数が最大トルク発生回転数を上回るギア段の一段上のギア段までシフトダウンを行うものが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0011】
図1は本発明に係るトランスミッション制御装置のシフトダウン制御の実施フローを示したフローチャート、図2は本発明に係るトランスミッション制御装置の目標ギヤ段の決定フローを示したフローチャート、図3は現在走行速度における各ギヤ段数とエンジン回転数との関係を示したグラフ、図4は自動変速機を示した全体構成図、図5は自動変速機を示したスケルトン図、図6は自動クラッチ装置を示した構成図、図7はエンジンコントロールユニットと各種スイッチを示した構成図である。
【0012】
まず、図4から図7によって、自動変速機の全体構成を説明する。ここでは車両がトレーラを牽引するトラクタであり、エンジン1が電子ガバナ1dを備えたディーゼルエンジンとなっている。図示するように、エンジン1にクラッチ2を介して変速機3が取り付けられ、変速機3の出力軸4(図5参照)がプロペラシャフト(図示せず)等を介して駆動輪である後輪(図示せず)に連結される。エンジン1はエンジンコントロールユニット(ECU)6によって電子制御される。即ち、ECU6は、主にエンジン回転センサ7とアクセル開度センサ8とによって検知されるエンジン回転数とアクセル開度との値に基づいて目標燃料噴射量を算出し、この目標燃料噴射量と等しい量の燃料噴射が実際に行われるように、燃料噴射ポンプ1aの電子ガバナ1dを制御する。
【0013】
図5に示すように、エンジンのクランク軸にフライホイール1bが取り付けられ、フライホイール1bの外周にリングギヤ1cが形成され、リングギヤ1cの歯が通過する度にエンジン回転センサ7がパルスを出力し、ECU6が単位時間当たりのパルス数をカウントしてエンジン回転数を算出する。
【0014】
図4に示すように、クラッチ2と変速機3は、トランスミッション制御装置(コントロールユニット:TMCU)9の制御信号に基づいて自動制御される。ECU6とTMCU9とは互いにバスケーブル等を介して接続され、相互に連絡可能である。
【0015】
図4、図5及び図6に示すように、クラッチ2は機械式摩擦クラッチであり、入力側をなすフライホイール1b、出力側をなすドリブンプレート2a、及びドリブンプレート2aをフライホイール1aに押圧接触又は離反させるプレッシャプレート2bから構成される。そしてクラッチ2は、クラッチブースタ10によりプレッシャプレート2bを軸方向に操作され、基本的には自動断接され、ドライバの負担を軽減し得るものとなっている。一方、微低速バックに際しての微妙なクラッチワークや、非常時のクラッチ急断を可能とするため、クラッチペダル11によるマニュアル断接も可能となっている。所謂セレクティブオートクラッチの構成である。クラッチ2自体のストローク(即ちプレッシャプレート2bの位置)を検知するクラッチストロークセンサ14と、クラッチペダル11の踏込みストロークを検知するクラッチペダルストロークセンサ16とが設けられ、それぞれTMCU9に接続されている。
【0016】
図6に示すように、クラッチブースタ10は実線で示す二系統の空圧通路a,bを通じてエアタンク5に接続され、エアタンク5から供給される空圧で作動する。一方の空気通路aがクラッチ自動断接用、他方の空気通路bがクラッチマニュアル断接用である。一方の空気通路aは二股状に分岐され、そのうちの一方に自動断接用の電磁弁MVC1,MVC2が直列に設けられ、他方に非常用の電磁弁MVCEが設けられる。分岐合流部にダブルチェックバルブDCV1が設けられる。他方の空気通路bに、クラッチブースタ10に付設される油圧作動弁12が設けられる。両空気通路a,bの合流部にもダブルチェックバルブDCV2が設けられる。ダブルチェックバルブDCV1,DCV2は差圧作動型の三方弁である。
【0017】
上記電磁弁MVC1,MVC2,MVCEはTMCU9によりON/OFF制御され、ONのとき上流側を下流側に連通し、OFF のとき上流側を遮断して下流側を大気開放する。まず自動側を説明すると、電磁弁MVC1は単にイグニッションキーのON/OFFに合わせてON/OFFされるだけである。イグニッションキーOFF 、つまり停車中はOFF となり、エアタンク5からの空圧を遮断する。電磁弁MVC2は比例制御弁で、供給又は排出エア量を自由にコントロールできる。これはクラッチ2の断接速度制御を行うためである。電磁弁MVC1,MVC2がともにONだとエアタンク5の空圧がダブルチェックバルブDCV1,DCV2をそれぞれ切り換えてクラッチブースタ10に供給される。これによりクラッチ2が分断される。クラッチ2を接続するときはMVC2のみがOFF され、これによりクラッチブースタ10の空圧がMVC2から排出されてクラッチ2が接続される。
【0018】
ところで、もし仮にクラッチ分断中に電磁弁MVC1又はMVC2に異常が生じ、いずれかがOFF となると、ドライバの意思に反してクラッチ2が急接されてしまう。そこでこのような異常がTMCU9の異常診断回路(図示せず)で検知されたら、即座に電磁弁MVCEをONする。すると電磁弁MVCEを通過した空圧がダブルチェックバルブDCV1を逆に切り換えてクラッチブースタ10に供給され、クラッチ分断状態が維持され、クラッチ急接が防止される。
【0019】
次にマニュアル側を説明する。クラッチペダル11の踏込み・戻し操作に応じてマスタシリンダ13から油圧が給排され、この油圧が破線で示す油圧通路13aを介して油圧作動弁12に供給される。これによって油圧作動弁12が開閉され、クラッチブースタ10への空圧の給排が行われ、クラッチ2のマニュアル断接が実行される。油圧作動弁12が開くと、これを通過した空圧がダブルチェックバルブDCV2を切り換えてクラッチブースタ10に至る。なお、クラッチ2の自動断接とマニュアル断接とが干渉した場合はマニュアル断接を優先させるようになっている。
【0020】
図5に詳細に示すように、変速機3は基本的に常時噛み合い式のいわゆる多段変速機となっており、前進16段、後進2段に変速可能である。また変速機3自体は手動変速機と同様の構成をなす。変速機3は入力側と出力側とにそれぞれ副変速機としてのスプリッタ17及びレンジギヤ19を備え、これらの間にメインギヤ段18を備えている。そして、入力軸15に伝達されてきたエンジン動力をスプリッタ17、メインギヤ段18、レンジギヤ19へと順に送って出力軸4に出力する。
【0021】
変速機3を自動変速すべくギヤシフトユニットGSUが設けられ、これはスプリッタ17、メインギヤ段18、レンジギヤ19それぞれの変速を担当するスプリッタアクチュエータ20、メインアクチュエータ21及びレンジアクチュエータ22から構成される。これらアクチュエータ20,21,22もクラッチブースタ10同様空圧で作動され、TMCU9によって制御される。変速機3の現ギヤ段はギヤポジションスイッチ23(図4参照)によって検知される。カウンタシャフト32の回転速度がカウンタシャフト回転センサ26で検知され、出力軸4の回転速度が出力軸回転センサ28で検知される。これら検知信号はTMCU9に送られる。
【0022】
この自動変速機ではマニュアルモードが設定され、ドライバのシフトチェンジ操作に基づくマニュアル変速も可能となっている。この場合、図4に示すように、クラッチ2の断接制御及び変速機3の変速制御は運転席に設けられたシフトレバー装置29からの信号を合図に行われる。即ち、シフトレバー装置29には、シフトレバー29aのマニュアル操作に応じて信号を出力するシフトスイッチ(図示せず)が内蔵されており、ドライバがシフトレバー29aをシフト操作すると、信号がTMCU9に送られ、これを基にTMCU9はクラッチブースタ10、スプリッタアクチュエータ20、メインアクチュエータ21及びレンジアクチュエータ22を適宜作動させ、一連の変速操作を実行する。なおTMCU9は現ギヤ段をモニター31に表示する。このようにマニュアルモードに限って言えば、変速機3は、シフトスイッチの出力信号に基づいてTMCU9により変速制御される遠隔操作型の手動変速機となっている。つまりシフトケーブル等機械的連結手段を介すことなく、アクチュエータ20,21,22により、ドライバの指示段に手動変速機を自動変速するものとなっている。
【0023】
図4に示すシフトレバー装置29において、Rはリバース、Nはニュートラル、Dはドライブ、UPはシフトアップ、DOWNはシフトダウンをそれぞれ意味し、各ポジションにシフトレバー29aが操作されると、それらポジションに応じた信号が出力される。また運転席に、変速モードを自動とマニュアルに切り換えるモードスイッチ24と、変速を1段ずつ行うか1段飛ばしで行うかを切り換えるスキップスイッチ25とが設けられる。
【0024】
自動変速モードのとき、シフトレバー29aをDレンジに入れておけば車速等に応じて自動的に変速が行われる。またこの自動変速モードでも、ドライバがシフトレバー29aをUP又はDOWNに操作すれば、マニュアルでのシフトアップ又はシフトダウンが可能である。この自動変速モードにおいて、スキップスイッチ25がOFF (通常モード)なら変速は1段ずつ行われる。これはトレーラ牽引時等、積載荷重が比較的大きいときに有効である。またスキップスイッチ25がON(スキップモード)なら変速は1段飛ばしで行われる。これはトレーラを牽引してないときや荷が軽いときなどに有効である。
【0025】
一方、マニュアル変速モードのときは、変速は完全にドライバの意思に従う。シフトレバー29aがDレンジのときは変速は行われず、現在ギヤが保持され、ドライバの積極的な意思でシフトレバー29aをUP又はDOWNに操作したときのみ、シフトアップ又はシフトダウンがなされる。このときも前記同様、スキップスイッチ25がOFF なら変速は1段ずつ行われ、スキップスイッチ25がONなら変速は1段飛ばしで行われる。
【0026】
なお、運転席に非常用変速スイッチ51が設けられ、GSUの電磁弁等が故障したときは非常用変速スイッチ51の手動切換により変速できるようになっている。
【0027】
図5に示すように、変速機3にあっては、入力軸15、メインシャフト33及び出力軸4が同軸上に配置され、カウンタシャフト32がそれらの下方に平行配置される。入力軸15がクラッチ2のドリブンプレート2aに接続され、入力軸15とメインシャフト33とが相対回転可能に支持される。
【0028】
まずスプリッタ17とメインギヤ段18の構成を説明する。入力軸15にスプリットハイギヤSHが回転可能に取り付けられる。またメインシャフト33にも前方(入力軸15側)から順にメインギヤM4,M3,M2,M1,MRが回転可能に取り付けられる。MRを除くギヤSH,M4,M3,M2,M1は、それぞれカウンタシャフト32に固設されたカウンタギヤCH,C4,C3,C2,C1に常時噛合される。ギヤMRはアイドルリバースギヤIRに常時噛合され、アイドルリバースギヤIRはカウンタシャフト32に固設されたカウンタギヤCRに常時噛合される。
【0029】
入力軸15及びメインシャフト33に取り付けられた各ギヤSH,M4,M3,M2,M1,MRに、当該ギヤを選択し得るようスプライン36が一体的に設けられ、これらスプライン36に隣接して入力軸15及びメインシャフト33に第1〜第4スプライン37〜40が固設される。第1〜第4スプライン37〜40に常時係合して第1〜第4スリーブ42〜45が前後(シフト方向)にスライド可能に設けられる。第1〜第4スリーブ42〜45を適宜選択してスライド移動させ、ギヤ側スプライン36と係合・離脱させることによりギヤ入れ・ギヤ抜きを行える。第1スリーブ42の移動をスプリッタアクチュエータ20で行い、第2〜第4スリーブ43〜45の移動をメインアクチュエータ21で行う。
【0030】
このように、スプリッタ17とメインギヤ段18とは各アクチュエータ20,21によって自動変速され得る常時噛み合い式の構成とされる。特に、スプリッタ17のスプライン部には通常の機械的なシンクロ機構が存在するものの、メインギヤ段18のスプライン部にはシンクロ機構が存在しない。このため、メインギヤ段18の変速を行うときにはシンクロ制御を行ってエンジン回転とギヤ速度とを調速し、シンクロ機構なしで同期できるようになっている。ここではメインギヤ段18以外にスプリッタ17にもニュートラルポジションが設けられ、所謂ガラ音対策がなされている(特開2001−140997 号公報参照)。
【0031】
次にレンジギヤ19の構成を説明する。レンジギヤ19は遊星歯車機構34を採用しており、ハイ・ローいずれかのポジションに切り替えることができる。遊星歯車機構34は、メインシャフト33の最後端に固設されたサンギヤ65と、その外周に噛合される複数のプラネタリギヤ66と、各プラネタリギヤ66の外周に噛合される内歯を有したリングギヤ67とからなる。各プラネタリギヤ66は共通のキャリア68に回転可能に支持され、キャリア68は出力軸4に連結される。リングギヤ67は管部69を一体的に有し、管部69は出力軸4の外周に相対回転可能に嵌め込まれて出力軸4とともに二重軸を構成する。
【0032】
第5スプライン41が管部69に一体的に設けられる。また第5スプライン41の後方に隣接して、出力軸スプライン70が出力軸4に一体的に設けられる。第5スプライン41の前方に隣接して、ミッションケース側に固定された固定スプライン71が設けられる。第5スプライン41に常時係合して第5スリーブ46が前後スライド可能に設けられる。第5スリーブ46はレンジアクチュエータ22で移動される。レンジギヤ19の各スプライン部にはシンクロ機構が存在する。
【0033】
第5スリーブ46が前方に移動するとこれが固定スプライン71に係合し、第5スプライン41と固定スプライン71とが連結される。これによりリングギヤ67がミッションケース側に固定され、出力軸4が1より大きい減速比で回転駆動されるようになる。これがローのポジションである。
【0034】
一方、第5スリーブ46が後方に移動するとこれが出力軸スプライン70に係合し、第5スプライン41と出力軸スプライン70とが連結される。これによりリングギヤ67とキャリア68とが互いに固定され、出力軸4が1の減速比で直結駆動されるようになる。これがハイのポジションである。
【0035】
このように、この変速機3では、前進側において、スプリッタ17でハイ・ローの2段、メインギヤ段18で4段、レンジギヤ19でハイ・ローの2段に変速可能であり、計2×4×2=16段に変速することができる。また後進側では、スプリッタ17のみでハイ・ローを切り替えて2段に変速することができる。
【0036】
次に、各アクチュエータ20,21,22について説明する。アクチュエータ20,21,22はエアタンク5の空圧で作動する空圧シリンダと、空圧シリンダへの空圧の給排を切り替える電磁弁とで構成される。そしてこれら電磁弁がTMCU9で選択的に切り替えられ、空圧シリンダを選択的に作動させるようになっている。
【0037】
スプリッタアクチュエータ20は、ダブルピストンを有した空圧シリンダ47と三つの電磁弁MVH,MVF,MVGとで構成される。スプリッタ17をニュートラルにするときはMVH/ON,MVF/OFF,MVG/ONとされる。スプリッタ17をハイにするときはMVH/OFF,MVF/OFF,MVG/ONとされる。スプリッタ17をローにするときはMVH/OFF,MVF/ON,MVG/OFFとされる。
【0038】
メインアクチュエータ21は、ダブルピストンを有しセレクト側の動作を担当する空圧シリンダ48と、シングルピストンを有しシフト側の動作を担当する空圧シリンダ49とを備える。各空圧シリンダ48,49に対し三つずつ電磁弁MVC,MVD,MVE及びMVB,MVAが設けられる。
【0039】
セレクト側空圧シリンダ48は、MVC/OFF,MVD/ON,MVE/OFFのとき伸張(図の下方に移動)し、メインギヤの3rd、4th又はN3を選択可能とし、MVC/ON,MVD/OFF,MVE/ONのとき図示の如き中立となり、メインギヤの1st、2nd又はN2を選択可能とし、MVC/ON,MVD/OFF,MVE/OFFのとき縮退(図の上方に移動)し、メインギヤのRev又はN1を選択可能とする。
【0040】
シフト側空圧シリンダ49は、MVA/ON,MVB/ONのとき中立となり、メインギヤのN1、N2又はN3を選択可能とし、MVA/ON,MVB/OFFのとき伸張(図の左側に移動)し、メインギヤの2nd,4th又はRevを選択可能とし、MVA/OFF,MVB/ONのとき縮退(図の右側に移動)し、メインギヤの1st又は3rdを選択可能とする。
【0041】
レンジアクチュエータ22は、シングルピストンを有した空圧シリンダ50と二つの電磁弁MVI,MVJとで構成される。空圧シリンダ50は、MVI/ON,MVJ/OFFのとき縮退(図の右側に移動)し、レンジギヤをハイとし、MVI/OFF,MVJ/ONのとき図の左側に移動し、レンジギヤ19をローとする。
【0042】
ところで、上記シンクロ制御に際してカウンタシャフト32を制動するため、カウンタシャフト32にはカウンタシャフトブレーキ27が設けられる。カウンタシャフトブレーキ27は湿式多板ブレーキであって、エアタンク5の空圧で作動する。この空圧の給排を切り替えるため電磁弁MV BRKが設けられる。電磁弁MV BRKがONのときカウンタシャフトブレーキ27に空圧が供給され、カウンタシャフトブレーキ27が作動状態となる。電磁弁MV BRKがOFFのときにはカウンタシャフトブレーキ27から空圧が排出され、カウンタシャフトブレーキ27が非作動となる。
【0043】
次に、自動変速制御の内容を説明する。TMCU9にはシフトアップ時又はシフトダウン時の各ギヤ段におけるアクセル開度(%)と出力軸(アウトプットシャフト)回転数(rpm )との関係(シフトアップマップ、シフトダウンマップ)が予め記録されている。TMCU9は、自動変速モードの場合、これらの関係に従って自動変速するようになっている。このとき、スキップモードであっても通常モードであっても、シフトダウン・アップは1段ずつ行われる。
【0044】
一方、マニュアルモードの場合、TMCU9はこれらマップと無関係にドライバのシフトアップ・ダウン操作に従って変速を実行する。通常モードなら1回のシフトチェンジ操作で1段変速し、スキップモードなら1回のシフトチェンジ操作で2段変速する。
【0045】
現在のアクセル開度はアクセル開度センサ8により検知され、現在の出力軸回転数は出力軸回転センサ28により検知される。TMCU9は、現在の出力軸回転数の値から現在の車速を換算し、これをスピードメータに表示する。つまり車速が出力軸回転数から間接的に検知され、出力軸回転数と車速とは相互に対応している。
【0046】
また、TMCU9はECU6のクルーズコントローラ6aと連携し、車両の定速走行を実現する定速走行制御をも行うようになっている。
【0047】
クルーズコントローラ6aは、基本的な定速走行制御を行うものであり、ドライバにより設定されたクルーズ設定車速に実車速を一致させるようにエンジンの燃料噴射量を制御するようになっている。
【0048】
図7に示すように、ECU6(クルーズコントローラ6a)には、各スイッチ81〜85及び各ランプ81a,82aが接続されている。
【0049】
メインスイッチ81は、定速走行制御スタンバイ状態とするためのものであり、ドライバにONされることで運転室のメインランプ81aを点灯させる。スタンバイ状態の解除はメインスイッチ81のOFF又はキースイッチ(図示せず)のOFFにより行われ、解除と同時にメインランプ81aが消灯される。セットスイッチ82は、ドライバにONされると同時にクルーズ設定車速を設定し、定速走行制御を開始し、運転室のセットランプ82aを点灯する。キャンセルスイッチ83は、ドライバにONされると定速走行制御を解除する。定速走行制御解除と同時にセットランプ82aが消灯される。コーストスイッチ84は、ドライバにONされている間は車両を惰行状態とする。この状態からコーストスイッチ84がOFFされると、その時の実車速が新たなクルーズ設定車速として更新設定される。リジュームスイッチ85は、ドライバにONされると、クルーズ設定車速がセットスイッチ82をONしたときの最初の値に復帰される。
【0050】
なお、周知のように、定速走行制御の解除は、他にもメインスイッチ81のOFF、ブレーキペダル(図示せず)の踏み込み(ブレーキスイッチON)、又はクラッチペダル11の踏み込み(クラッチペダルストロークセンサ16の値が所定値以上)によって行われる。
【0051】
ところで、本発明は、定速走行制御機能を有する上述のTMCU9が、定速走行制御中に所定のアクセル開度以上で一時加速を行う際に、現在ギヤ段で発生するトルクよりも大きいトルクを発生するギヤ段までシフトダウンを行うシフトダウン制御機能を備えたことを特徴とする。
【0052】
そして、上記シフトダウン制御が、エンジン回転数を最大トルク発生回転数(トルク点)付近まで上昇させるギヤ段までシフトダウンを行うようになっており、さらに、そのシフトダウン制御が、現在走行速度における現在ギヤ段よりも下段側のギア段に対応するエンジン回転数を順次算出すると共に、そのエンジン回転数と最大トルク発生回転数とを順次比較し、上記エンジン回転数が最大トルク発生回転数を上回るギア段の一段上のギア段までシフトダウンを行うようになっている。
【0053】
ここで、図1によって、シフトダウン制御の具体的な実施フローを説明する。このフローはTMCU9により所定時間毎に実行される。
【0054】
まずTMCU9は、第1ステップ101において、クルーズ制御中であるか否かを判別する。クルーズ制御中である場合は第2ステップ102に進んで自動変速モードであるか否かを判別する。クルーズ制御中でないか、或いは自動変速モードでない場合、シフトダウン制御を解除して本フローを終える。
【0055】
クルーズ制御中で且つ自動変速モードである場合、第3ステップ103に進み、アクセル開度センサ8よりアクセル開度を取得し、その数値が所定値(90%)以上であるかを判別する。ここで、90%を所定値としたのは、アクセルを踏み込んで90%以上開いたことによって、追い越し等の一時加速を行うといったドライバーの意思があるのを判断し、これに応じた加速を行うためである。
【0056】
そして、アクセル開度が90%以上の場合には、第4ステップ104において、(後述する図2のフローに基づいて)下げる目標ギヤ段を決定する。
【0057】
その後、図示しない別のフローでギヤ段を目標ギヤ段まで下げて、エンジン回転数を最大トルク発生回転数付近まで上昇させることによって、スムーズな加速が行われるようにする。
【0058】
アクセル開度が90%未満の場合には、シフトダウン制御を解除して本フローを終える。
【0059】
次に目標ギヤ段の決定フローを、図2に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0060】
まず、現在ギヤ段Aからの下げ段数である仮係数Xを1として仮定し(第1ステップ111)、次に、現在の走行速度における現在のギヤ段AをX段(1段)下げた場合のエンジン回転数Y(Y1(図3参照))を算出する(第2ステップ112)。
【0061】
そして、そのエンジン回転数Y1と、当該エンジン1の最大トルク発生回転数(例えば、1800rpm)yとを比較して、上記エンジン回転数Y1が最大トルク発生回転数yを上回るかを判断する(第3ステップ113)。
【0062】
本実施の形態では、図3に示すように、エンジン回転数Y1は、最大トルク発生回転数yを超えていないので、第4ステップ114で、仮係数Xに1を加算(インクリメント)して、再度、第2ステップ112に戻り、ギヤ段Aをさらに1段下げた場合のエンジン回転数Y(Y2)を算出する。
【0063】
次に、このエンジン回転数Y2と最大トルク発生回転数yとを比較して、上記エンジン回転数Y2が最大トルク発生回転数yを上回るかを判断する(第3ステップ113)。
【0064】
ここでも、エンジン回転数Y2は、最大トルク発生回転数yを超えていない(図3参照)ので、再度、第4ステップ114を介して、第2ステップ112に戻り、ギヤ段Aをさらにもう1段下げた場合(X=3)のエンジン回転数Y(Y3)を算出する。
【0065】
このエンジン回転数Y3と最大トルク発生回転数yとを比較して、上記エンジン回転数Y3が最大トルク発生回転数yを上回るかを判断する(第3ステップ113)。
【0066】
本実施の形態では、ここで、エンジン回転数Y3が初めて最大トルク発生回転数yを上回る(図3参照)。そして、第5ステップ115に進み、最大トルク発生回転数yを超えたギヤ段下げ数X(本実施の形態では3段)から1を引いて、これをギヤ段下げ目標数(X−1)(本実施の形態では3−1=2段)とし、現在ギヤ段数Aから(X−1)段(本実施の形態ではA−2段)下げて目標ギヤ段とする。
【0067】
要するに、図2の決定フローによれば、現在走行速度における目標ギヤ段に応じたエンジン回転数Yを、最大トルク発生回転数yを超えない範囲で最も近い領域とすることができる。
【0068】
これによって、シフトダウン後の加速が、最大トルク発生回転数yの領域を利用して行われるので、スムーズになり、アクセル操作に応じた加速フィーリングを得られ、円滑に走行することができる。
【0069】
なお、本実施の形態では、シフトダウン制御は、エンジン回転数Yを最大トルク発生回転数y付近まで上昇させるべくシフトダウンを行うようになっているが、これに限られるものではなく、現在ギヤ段で発生するトルクよりも大きいトルクを発生するギヤ段までシフトダウンを行うシフトダウン制御であればよい。
【0070】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、定速走行制御中の一時加速時に加速フィーリングを損なうことなく円滑に走行できるといった優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトランスミッション制御装置のシフトダウン制御の実施フローを示したフローチャートである。
【図2】本発明に係るトランスミッション制御装置の目標ギヤ段の決定フローを示したフローチャートである。
【図3】現在走行速度における各ギヤ段数とエンジン回転数との関係を示したグラフである。
【図4】自動変速機を示した全体構成図である。
【図5】自動変速機を示したスケルトン図である。
【図6】自動クラッチ装置を示した構成図である。
【図7】エンジンコントロールユニットと各種スイッチを示した構成図である。
【符号の説明】
9 トランスミッション制御装置
A 現在ギヤ段
Y エンジン回転数
y 最大トルク発生回転数

Claims (3)

  1. 定速走行制御機能を有するトランスミッション制御装置において、定速走行制御中に所定のアクセル開度以上で一時加速を行う際に、現在ギヤ段で発生するトルクよりも大きいトルクを発生するギヤ段までシフトダウンを行うシフトダウン制御機能を備えたことを特徴とするトランスミッション制御装置。
  2. 上記シフトダウン制御が、エンジン回転数を最大トルク発生回転数付近まで上昇させるギヤ段までシフトダウンを行う請求項1記載のトランスミッション制御装置。
  3. 上記シフトダウン制御が、現在走行速度における現在ギヤ段よりも下段側のギア段に対応するエンジン回転数を順次算出すると共に、そのエンジン回転数と最大トルク発生回転数とを順次比較し、上記エンジン回転数が最大トルク発生回転数を上回るギア段の一段上のギア段までシフトダウンを行う請求項1または2いずれかに記載のトランスミッション制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008501089A (ja) * 2004-05-28 2008-01-17 ルノー・エス・アー・エス 自動車用の自動変速機の制御方法及び装置
JP7489280B2 (ja) 2020-09-28 2024-05-23 日立建機株式会社 作業車両

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