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JP2004143073A - メラノサイトのデンドライト伸長抑制剤及びそれを含有する皮膚外用剤 - Google Patents

メラノサイトのデンドライト伸長抑制剤及びそれを含有する皮膚外用剤 Download PDF

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JP2004143073A
JP2004143073A JP2002309245A JP2002309245A JP2004143073A JP 2004143073 A JP2004143073 A JP 2004143073A JP 2002309245 A JP2002309245 A JP 2002309245A JP 2002309245 A JP2002309245 A JP 2002309245A JP 2004143073 A JP2004143073 A JP 2004143073A
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多田 明弘
Akiko Kanamaru
金丸 晶子
Yuko Saeki
佐伯 夕子
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Abstract

【課題】メラノサイトのデンドライトの伸長を抑制し、かかる作用により、通常のチロシナーゼ阻害作用に起因するメラニン産生抑制剤が有効ではない、或いは、あまり効果を奏さない色素異常症の改善に有用な成分を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)に表される化合物及び/又はその塩からなるメラノサイトのデンドライト伸長抑制剤を皮膚外用剤に含有させる。一般式(1)に表される化合物としては、メチルオフィオポゴナノンA(methylophiopogonanone A;化合物1)、オピオポゴナノンA(opiopogonanone A;化合物2)、オピオポゴノンA(opiopogonone A;化合物3)又はメチルオフィオポゴノン(methylophiopogonone A;化合物4)が好ましい。
【化1】
Figure 2004143073

一般式(1)
(但し、式中波線の結合はあってもなくても良く、R1、R2はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基乃至は水素原子を表す。)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メラノサイトのデンドライト伸長抑制剤及びをそれを有効成分とする皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
肌を白く美しく保つことは、女性であれば誰しも願うことであり、この為多くの美白化粧料が開発されている。例えば、アスコルビン酸やその誘導体、コウジ酸やその誘導体、トラネキサム酸やその誘導体、ハイドロキノン配糖体などを含有する化粧料が例示できる。しかしながら、これらの多くはチロシナーゼを阻害し、メラニンの生合成を阻害する作用を機序とするものであり、自ずとその効果には限度があると言わざるを得なかった。即ち、これらの成分を有効成分とする美白化粧料においては、メラニンの産生の異常昂進に起因するシミ、そばかす、色黒などの症状に対しては有効であっても、メラニン産生量があまり寄与しない色素異常に対しては今ひとつの効果と言わざるを得ない面があった。言い換えれば、チロシナーゼ阻害剤では有効ではない、或いは、有効性の低い色素異常症が存在し、その様な色素異常症を改善するような手段の開発が求められていた。
【0003】
一方、メラニン産生量があまり寄与しない、色素異常としては、例えば、メラノサイトのデンドライトからのメラニン顆粒の移動昂進に起因するものが挙げられる。この様な、色素異常に関しては、メラノサイトがメラニン顆粒を移動させる時に伸長させるデンドライトの伸長を抑制することが考えられるが、この様なメカニズムを機序とする美白剤は、そう多くは知られていない。即ち、この様なメカニズムを機序とする、美白剤の開発が望まれているといえる。
【0004】
一方、ユリ科バクモンドウ(麦門冬)は漢方生薬で津液改善の目的で広く使用されている。(特開2000−103718)又、化粧料などの皮膚外用剤の分野でも、保湿性のある有効成分として(特開平11−29968)、メラニン産生抑制剤として(特開平08−133949)、脂質分解剤として(特開2000−103718)含有させることが既に知られているが、かかるバクモンドウに含まれる成分である、メチルオフィオポゴナノンA(methylophiopogonanone A;化合物1)、オピオポゴナノンA(opiopogonanone A;化合物2)、オピオポゴノンA(opiopogonone A;化合物3)又はメチルオフィオポゴノンA(methylophiopogonone A;化合物4)等の下記一般式(1)に表される化合物及び/又はその塩がメラノサイトのデンドライトの伸長を抑制することも、かかる作用により、通常のチロシナーゼ阻害作用に起因するメラニン産生抑制剤が有効ではない、或いは、あまり効果を奏さない色素異常症の改善に有用であることも全く知られていなかった。又、一般式(1)に表される化合物及び/又はその塩は何れも既知化合物であり、バクモンドウなどに含有されていることが知られており、(Asano Takayuki et. al. ,Chemical & Pharmaceutical Bulltin, (1993), 41(2), 391−393 )その分離方法も既に知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この様な状況下為されたものであり、メラノサイトのデンドライトの伸長を抑制し、かかる作用により、通常のチロシナーゼ阻害作用に起因するメラニン産生抑制剤が有効ではない、或いは、あまり効果を奏さない色素異常症の改善に有用な成分を提供することを課題とする。
【0006】
【課題の解決手段】
本発明者らは、この様な状況に鑑みて、メラノサイトのデンドライトの伸長を抑制し、かかる作用により、通常のチロシナーゼ阻害作用に起因するメラニン産生抑制剤が有効ではない、或いは、あまり効果を奏さない色素異常症の改善に有用な成分を求めて鋭意研究努力を重ねた結果、ユリ科バクモンドウの塊状根に含まれる一般式(1)に表される化合物及び/又はその塩がかかる作用を有していることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下に示す技術に関するものである。
(1)下記一般式(1)に表される化合物及び/又はその塩からなるメラノサイトのデンドライト伸長抑制剤。
【0007】
【化6】
Figure 2004143073
一般式(1)
(但し、式中破線の結合はあってもなくても良く、R1、R2はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基乃至は水素原子を表す。)
【0008】
(2)一般式(1)に表される化合物が、メチルオフィオポゴナノンA(methylophiopogonanone A;化合物1)、オピオポゴナノンA(opiopogonanone A;化合物2)、オピオポゴノンA(opiopogonone A;化合物3)又はメチルオフィオポゴノン(methylophiopogonone A;化合物4)であることを特徴とする、(1)に記載のメラノサイトのデンドライト伸長抑制剤。
【0009】
【化7】
Figure 2004143073
メチルオフィオポゴナノンA(methylophiopogonanone A;化合物1)
【0010】
【化8】
Figure 2004143073
オピオポゴナノンA(opiopogonanone A;化合物2)
【0011】
【化9】
Figure 2004143073
オピオポゴノンA(opiopogonone A;化合物3)
【0012】
【化10】
Figure 2004143073
メチルオフィオポゴノンA(methylophiopogonone A;化合物4)
【0013】
(3)(1)又は(2)に記載のメラノサイトのデンドライト伸長抑制剤を有効成分として含有する、メラノサイトのデンドライト伸長抑制用の皮膚外用剤。
(4)チロシナーゼ阻害剤の効果が充分ではない色素異常の改善用に用いることを特徴とする、(3)に記載のメラノサイトのデンドライト伸長抑制用の皮膚外用剤。
(5)化粧料であることを特徴とする、(3)又は(4)に記載の皮膚外用剤。
【0014】
【発明の実施の形態】
(1)本発明のメラノサイトのデンドライト伸長抑制剤
本発明のメラノサイトのデンドライト伸長抑制剤は、前記一般式(1)に表される化合物及び/又はその塩からなる。一般式(1)に表される化合物としては、メチルオフィオポゴナノンA(methylophiopogonanone A;化合物1)、オピオポゴナノンA(opiopogonanone A;化合物2)、オピオポゴノンA(opiopogononeA;化合物3)又はメチルオフィオポゴノン(methylophiopogonone A;化合物4)が好ましく例示できる。かかる化合物は、そのまま使用することも出来るし、アルカリとともに処理して、塩と為して使用することも出来る。塩としては、生理的に許容されるものであれば特段の限定は受けず適用でき、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩、トリエチルアミン塩等の有機アミン塩類、リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩等が好ましく例示できる。特に好ましいものは調整が容易なアルカリ金属塩である。かかる化合物はユリ科バクモンドウの塊状根の抽出物を精製分画することにより得ることが出来る。バクモンドウの抽出物としては、極性の高い溶剤によって抽出された抽出物が特に好ましく例示できる。極性の高い溶剤としては、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、蟻酸メチルなどのエステル類、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン類、アセトニトリルなどのニトリル類、1,3−ブタンジオール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、水などが好ましく例示できる。これらの内では、アルコールが特に好ましい。抽出は、植物体に対して1〜10重量倍の溶剤を加え、室温であれば数日間、沸点付近の温度であれば数時間浸漬すればよい。抽出後は、必要に応じて、減圧濃縮などして溶剤を除去することが好ましい。溶剤除去した抽出物は、酢酸エチルと水で液液抽出したり、クロロホルムーメタノールを溶出溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィー等で精製したりすることにより、前記の一般式(1)に表される化合物を単離することが出来る。本発明の皮膚外用剤に於ける、好ましい含有量は、皮膚外用剤全量に対して、0.001〜10重量%含有することが好ましく、更に好ましくは、0.005〜5重量%である。これは、少なすぎるとメラノサイトのデンドライト伸長抑制効果を発揮しない場合があり、多すぎても効果が頭打ちになり、いたずらに処方の自由度を阻害する場合があるからである。
【0015】
(製造例)
ユリ科バクモンドウの塊状根3Kgを細切し、エタノール10lを加えて、3時間加熱還流した。室温まで冷却した後、減圧濃縮し、これに1lの酢酸エチルと水を加え、液液抽出を行い、酢酸エチル相をとり、減圧濃縮した。残査をクロロホルムにとかし、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにチャージし、溶出溶媒クロロホルム:メタノール=100:1→70:30で精製し、化合物1を510mg、化合物2を14mg、化合物3を22mg、化合物4を34mg得た。これらの構造はX線解析により構造を決定した。
【0016】
(2)本発明の皮膚外用剤
本発明の皮膚外用剤は、上記本発明のメラノサイトのデンドライト伸長抑制剤を含有することを特徴とする。本発明に言う、皮膚外用剤とは、皮膚に外用で適用される組成物の総称を意味し、医薬部外品を含む化粧料、皮膚外用医薬、皮膚外用雑貨等が例示できる。これらの内、特に好ましいものは化粧料である。これは、前記本発明のメラノサイトのデンドライト伸長抑制剤が優れた安全性を有しているため、化粧料のように連日、習慣的に使用することができ、その様な使用形態で美白作用をより遺憾なく発揮するためである。化粧料の剤形としては、特に限定されないが、本発明のデンドライト伸長抑制剤が極性の極めて高い物性を有しているため、クリームや乳液などの乳化剤形のみならず化粧水やエッセンスなどの溶液剤形でも使用できる。本発明の皮膚外用剤には、前記メラノサイトのデンドライト伸長抑制剤以外に、通常皮膚外用剤で使用される任意成分を含有することができる。かかる任意成分としては、例えば、例示できる。勿論、本発明のデンドライト伸長抑制剤と異なる機序の美白剤、例えば、アスコルビン酸やその誘導体、コウジ酸やその誘導体、トラネキサム酸やその誘導体、ハイドロキノン配糖体などを含有する化粧料が例示できる。しかしながら、これらの多くはチロシナーゼを阻害し、メラニンの生合成を阻害する作用を機序とするものを含有することもでき、この様なものを含有した場合においては、少なくとも相加効果は得られるので好ましい。又、適用症としては、前記チロシナーゼ阻害剤であまり効果の得られない色素異常症も好適に例示できる。かかるデンドライト伸長抑制剤と異なる機序の美白剤の好ましい含有量は、総量で、皮膚外用剤全量に対して0.01〜5重量%である。総量スクワラン、流動パラフィン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、マイクロクリスタリンワックス、固形パラフィンなどの炭化水素類、ジメチコン、フェメチコン、シクロメチコン、アモジメチコン、ポリエーテル変性シリコーンなどのシリコーン類、ホホバ油、カルナウバワックス、モクロウ、ミツロウ、ゲイロウ、オレイン酸オクチルドデシル、イソプロピルミリステート、ネオペンチルグリコールジイソステアレート、リンゴ酸ジイソステアレートなどのエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、イソパルミチン酸、ベヘン酸、オレイン酸などの脂肪酸類、ベヘニルアルコール、セタノール、オレイルアルコール、オクタデシルアルコールなどの高級アルコール類、ヒマシ油、椰子油、水添椰子油、椿油、小麦胚芽油、イソステアリン酸トリグリセライド、イソオクタン酸トリグリセライド、オリーブオイル等のトリグリセライド類、1,3−ブタンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキシレングリコール、イソプレングリコールなどの多価アルコール、ソルビタンセスキオレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリオレート、ソルビタンセスキステアレート、ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンオレート、ポリオキシエチレングリセリル脂肪酸エステル、ポリエキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の非イオン界面活性剤、ソジウムラウリルステアレート、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、スルホコハク酸エステル塩などのアニオン界面活性剤、4級アルキルアンモニウム塩等のカチオン界面活性剤類、アルキルベタイン等の両性界面活性剤類、結晶セルロースや架橋型メチルポリシロキサン、ポリエチレン粉末、アクリル樹脂粉体等の有機粉体類、タルク、マイカ、セリサイト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン、酸化鉄、紺青、群青、チタンマイカ、チタンセリサイト、シリカ等の表面処理されていても良い粉体類、アクリル酸・メタクリル酸アルキルコポリマー及び/又はその塩、カルボキシビニルポリマー及び/又はその塩、キサンタンガムやヒドロキシプロピルセルロースなどの増粘剤、レチノール、レチノイン酸、トコフェロール、リボフラビン、ピリドキシン、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステル塩などのビタミンやグリチルリチン酸塩、グリチルレチン、ウルソール酸、オレアノール酸などのテルペン類、エストラジオール、エチニルエストラジオール、エストリオールなどのステロイド類などの有効成分、フェノキシエタノール、パラベン類、ヒビテングルコネート、塩化ベンザルコニウム等の防腐剤、ジメチルアミノ安息香酸エステル類、桂皮酸エステル類、ベンゾフェノン類などの紫外線吸収剤などが好ましく例示できる。本発明の皮膚外用剤は、前記必須の成分と任意の成分を常法に従って処理することにより、製造することができる。
【0017】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明がかかる実施例にのみ限定を受けないことは言うまでもない。
【0018】
<実施例1>
以下に示す方法に従って、ヒトメラノサイトを用いて、伸長抑制作用を調べた。
(試薬類)
細胞・培地・増殖添加剤はクラボウより購入した
(細胞)正常ヒトメラノサイト
(培地)基礎培地:Medium 154S
(試薬)増殖添加剤:ウシ脳下垂体抽出液(BPE)(培地中の最終濃度 0.4% v/v)
ウシ胎児血清(FBS)(培地中の最終濃度 0.5% v/v)
ヒト組換え型塩基性繊維芽細胞増殖因子(rFGF−B)(培地中の最終濃度 3 ng/ml)
ハイドロコーチゾン(培地中の最終濃度 0.18 mg/ml)
インスリン(培地中の最終濃度 5 mg/ml)
トランスフェリン(培地中の最終濃度 5 mg/ml)
PMA(培地中の最終濃度 10 ng/ml)
ヘパリン(培地中の最終濃度 3 mg/ml)
PSA溶液(ペニシリン濃度50,000 Unit/ml、ストレプトマイシン濃度50 mg/ml、アンフォテリシンB濃度12.5 mg/mlの混合溶液。培地500 mlに対して1 ml添加。)
培地は、試薬を基礎培地に添加した増殖用培地を使用した。
【0019】
(方法)
・正常ヒトメラノサイトを48穴マイクロプレートに播種した。(3000cells/well,200μl)
・24時間後に希釈したサンプル溶液50μlを添加した。
・サンプル添加24時間後にデンドライト伸長抑制を観察した。
【0020】
(結果)
結果を、デンドライトの長さとして、表1に示す。コントロールでは増殖因子の添加効果によってデンドライト伸長しているが、化合物添加群では伸長が抑制されていることがわかる。
【0021】
【表1】
Figure 2004143073
【0022】
<実施例2>
下記に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤である化粧料を作成した。即ち、イ、ロ、ハの成分をそれぞれ70℃に加熱し、ロをハで中和し、攪拌しながらイを徐々に加えて乳化し、ホモジナイザーで均質化した後、攪拌冷却して乳液を得た。このものの化合物1をスクワランに置換した比較例1を作成し、通常のメラニン産生抑制用の化粧料では改善しない色黒に悩む人10人1群、計20名を用いて、朝晩2回、連日30日使用の使用テストで色黒の改善度を調べた。改善度は、30日使用後に、スコア5:著しい改善、スコア4:明らかな改善、スコア3:改善、スコア2:やや改善、スコア1:改善せずのスコアで評価してもらった。結果を表2に示す。これより、本発明の皮膚外用剤である化粧料は、優れた美白効果を有することがわかる。

スクワラン                   10  重量部
ソルビタンセスキステアレート           2  重量部
化合物1                   0.005重量部
ブチルパラベン                  0.1重量部

1,3−ブタンジオール              5  重量部
キサンタンガム                  0.1重量部
アクリル酸・メタクリル酸アルキル(C10〜30) 0.4重量部
メチルパラベン                  0.1重量部
水                       50  重量部

水酸化カリウム                  0.2重量部
水                     32.095重量部
【0023】
【表2】
Figure 2004143073
【0024】
<実施例3>
実施例2と同様に化合物2を用いて皮膚外用剤(化粧料)を作成し、10名の同様のパネラーを用い、同様に評価した。化合物2においても同様な効果が認められた。

スクワラン                   10  重量部
ソルビタンセスキステアレート           2  重量部
化合物2                   0.005重量部
ブチルパラベン                  0.1重量部

1,3−ブタンジオール              5  重量部
キサンタンガム                  0.1重量部
アクリル酸・メタクリル酸アルキル(C10〜30) 0.4重量部
メチルパラベン                  0.1重量部
水                       50  重量部

水酸化カリウム                  0.2重量部
水                     32.095重量部
【0025】
【表3】
Figure 2004143073
【0026】
<実施例4>
下記に示す処方に従って、実施例2、3同様に皮膚外用剤(化粧料)を作成し、同様のパネラーを用いて、同様に評価を行った。比較例2として、化合物1をアルブチンに置換したものを作成し、同様に評価した。結果を表4に示す。これより、パネラーにおいてチロシナーゼ阻害剤の美白効果があまり認められないこと、その様なパネラーでも本発明のメラノサイトのデンドライト伸長抑制剤は有効に作用することが認められた。

スクワラン                   10  重量部
ソルビタンセスキステアレート           2  重量部
化合物1                     1  重量部
ブチルパラベン                  0.1重量部

1,3−ブタンジオール              5  重量部
キサンタンガム                  0.1重量部
アクリル酸・メタクリル酸アルキル(C10〜30) 0.4重量部
メチルパラベン                  0.1重量部
水                       50  重量部

水酸化カリウム                  0.2重量部
水                       31.1重量部
【0027】
<実施例5>
下記に示す処方に従って、実施例2、3同様に皮膚外用剤(化粧料)を作成した。このものは優れた美白作用を有していた。

スクワラン                   10  重量部
ソルビタンセスキステアレート           2  重量部
化合物3                     1  重量部
ブチルパラベン                  0.1重量部

1,3−ブタンジオール              5  重量部
キサンタンガム                  0.1重量部
アクリル酸・メタクリル酸アルキル(C10〜30) 0.4重量部
メチルパラベン                  0.1重量部
水                       50  重量部

水酸化カリウム                  0.2重量部
水                       31.1重量部
【0028】
<実施例6>
下記に示す処方に従って、実施例2、3同様に皮膚外用剤(化粧料)を作成した。このものは優れた美白作用を有していた。

スクワラン                   10  重量部
ソルビタンセスキステアレート           2  重量部
化合物4                     1  重量部
ブチルパラベン                  0.1重量部

1,3−ブタンジオール              5  重量部
キサンタンガム                  0.1重量部
アクリル酸・メタクリル酸アルキル(C10〜30) 0.4重量部
メチルパラベン                  0.1重量部
水                       50  重量部

水酸化カリウム                  0.2重量部
水                       31.1重量部
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、メラノサイトのデンドライトの伸長を抑制し、かかる作用により、通常のチロシナーゼ阻害作用に起因するメラニン産生抑制剤が有効ではない、或いは、あまり効果を奏さない色素異常症の改善に有用な成分を提供することができる。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)に表される化合物及び/又はその塩からなるメラノサイトのデンドライト伸長抑制剤。
    Figure 2004143073
    一般式(1)
    (但し、式中破線の結合はあってもなくても良く、R1、R2はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基乃至は水素原子を表す。)
  2. 一般式(1)に表される化合物が、メチルオフィオポゴナノンA(methylophiopogonanone A;化合物1)、オピオポゴナノンA(opiopogonanone A;化合物2)、オピオポゴノンA(opiopogonone A;化合物3)又はメチルオフィオポゴノンA(methylophiopogonone A;化合物4)であることを特徴とする、請求項1に記載のメラノサイトのデンドライト伸長抑制剤。
    Figure 2004143073
    メチルオフィオポゴナノンA(methylophiopogonanone A;化合物1)
    Figure 2004143073
    オピオポゴナノンA(opiopogonanone A;化合物2)
    Figure 2004143073
    オピオポゴノンA(opiopogonone A;化合物3)
    Figure 2004143073
    メチルオフィオポゴノンA(methylophiopogonone A;化合物4)
  3. 請求項1又は2に記載のメラノサイトのデンドライト伸長抑制剤を有効成分として含有する、メラノサイトのデンドライト伸長抑制用の皮膚外用剤。
  4. チロシナーゼ阻害剤の効果が充分ではない色素異常の改善用に用いることを特徴とする、請求項3に記載のメラノサイトのデンドライト伸長抑制用の皮膚外用剤。
  5. 化粧料であることを特徴とする、請求項3又は4に記載の皮膚外用剤。
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