JP2004142636A - ハイブリッド車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】モーターモードからエンジンモードに移行する際、シンプル且つ安価な構成で、運転者によるスイッチ操作が必要無く、住宅地内から住宅地外に脱した時という適切なタイミングでエンジンの始動制御を行う。
【解決手段】車両の駆動力を発生させるためのモーター及びエンジンと、手動変速機とを備え、エンジンを停止させてモーターのみで走行するモーターモードと、エンジンを運転させてモーター及びエンジンの一方又は両方により走行するエンジンモードとを備えるハイブリッド車両において、モーターモードのときの変速機の変速過程で変速機がニュートラルになったときエンジンの始動制御を行う。通常住宅地内から住宅地外に抜け出るときシフトアップが行われるので、このシフトアップと同時にエンジンを始動でき、適切なタイミングでエンジンを始動できる。
【選択図】 図1
【解決手段】車両の駆動力を発生させるためのモーター及びエンジンと、手動変速機とを備え、エンジンを停止させてモーターのみで走行するモーターモードと、エンジンを運転させてモーター及びエンジンの一方又は両方により走行するエンジンモードとを備えるハイブリッド車両において、モーターモードのときの変速機の変速過程で変速機がニュートラルになったときエンジンの始動制御を行う。通常住宅地内から住宅地外に抜け出るときシフトアップが行われるので、このシフトアップと同時にエンジンを始動でき、適切なタイミングでエンジンを始動できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行用駆動源としてエンジンとモーターとの二つを備えるパラレルハイブリッド車としてのハイブリッド車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
モーターを使用した低公害車には電気自動車とハイブリッド車があり、さらにハイブリッド車にはシリーズハイブリッド車とパラレルハイブリッド車がある。シリーズハイブリッド車は、電気自動車の走行距離を伸ばすため電気自動車に発電用エンジンを組み合わせたものだが、走行駆動力の全てをモータに頼るため最高速度が低いなどの問題がありそれほど普及していない。一方、パラレルハイブリッド車は、走行用のエンジンとモーターとの二つの駆動源を有するものであり、現在広く普及に至っている。
【0003】
一般的にパラレルハイブリッド車では、エンジンを停止させてモーターのみで走行するモーターモードと、エンジンを運転させてモーター及びエンジンの両方、又はエンジンのみで走行するエンジンモードとを備えている。省エネ、低騒音等の観点から、バッテリ充電量が十分なときにはできるだけモータモードで走行を行い、駆動力が不足していたりバッテリ充電量が不足しているときにはエンジンモードで走行が行われる。
【0004】
ところで、モーターモードで走行するかエンジンモードで走行するかは運転者の意図とは関係なく、車両のシステムで自動的に決定されるものである。よって、例えば夜間の住宅地など、騒音が気になる環境下で運転者がモーターモードで走行したいと思っても、エンジンモードが選択されてしまう場合があり、これが問題であった。特に、配送用ハイブリッドトラックで都市内の小口配送(例えばコンビニ配送等)を行う場合にこのような問題が生じやすい。この場合には店舗が住宅地にあるケースが数多く存在し、配達先の付近だけでもゼロエミッション(排ガスゼロ)、無騒音で走行したいという要求がある。
【0005】
このような配送の一例を図3を用いて説明する。この例は、幹線道路から住宅地に入って住宅地にある店舗で荷積み・荷降しを行い、車両を再度発進させ、住宅地を走行し、幹線道路に抜け出るという例である。まず幹線道路から住宅地に入るときにはエンジンを停止し、走行モードをモーターモードとする。これによって住宅地においてゼロエミッション、無騒音を達成することができる。そして荷積み・荷降し中や再発進後の住宅地走行中もモーターモードを維持する。そして住宅地から幹線道路に抜け出たとき、駆動力やバッテリ電力等を確保すべく、エンジンを始動してエンジンモードとする。
【0006】
なお、勿論、住宅地でも駆動力やバッテリ電力等の不足が生じたらエンジンモードとするのはやむを得ないし、住宅地以外でもできるだけモーターモードとするのがよい。本願ではこのような例外的な場合は考えず、専ら上記のような例を扱う。
【0007】
ところで、住宅地から幹線道路に抜け出る際、即ちモーターモードからエンジンモードに切り換える際、エンジンを始動する必要があるが、このときの始動方法として従来以下のようなものがある。
【0008】
第一の従来例は、GPS等で検知される現在の車両位置と道路情報とを比較し、現在の車両位置が、住宅地などのモーターモード走行区間から幹線道路などのエンジンモード走行区間に移行したときにエンジンを始動制御する方法である(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
第二の従来例は、運転室に手動モード切換スイッチを備え、車両がモーターモード走行区間からエンジンモード走行区間に移行したときに運転者が自らスイッチを操作し、エンジンを始動制御する方法である(例えば、特許文献2参照)。第三の従来例は、モーターモード走行中に車速がエンジン始動速度(例えば10Km/h)に達したらエンジンを始動制御する方法である(例えば、特許文献3参照)。
【0010】
第四の従来例は、モーターモード走行中にモータトルクが所定トルクに達したらエンジンを始動制御する方法である(例えば、特許文献4参照)。
【0011】
【特許文献1】
特開平7−107617号公報(請求項1)
【特許文献2】
特開2001−69610号公報(段落0038,0123,0124及び図5)
【特許文献3】
特開平10−325435号公報(要約)
【特許文献4】
特開平11−173174号公報(要約)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、第一の従来例では、所謂ナビゲーション装置が不可欠でシステム全体として大掛かりなものとなり、高価となる欠点がある。
【0013】
第二の従来例では、エンジン始動の際に運転者が自らスイッチを操作しなければならず煩わしいという欠点がある。
【0014】
第三及び第四の従来例では、住宅地内でエンジンが始動されてしまう可能性があるという欠点がある。なぜなら車速又はモータトルクが所定値に達したか否かは住宅地を抜け出たか否かに必ずしも関係しないからである。
【0015】
そこで、上記課題に鑑みて本発明は創案され、その目的は、シンプル且つ安価な構成で、運転者によるスイッチ操作が必要無く、住宅地内から住宅地外に脱した時という適切なタイミングでエンジンの始動制御が行えるハイブリッド車両を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、車両の駆動力を発生させるためのモーター及びエンジンと、これらモーター及びエンジンと駆動輪との間に設けられた手動変速機とを備え、上記エンジンを停止させて上記モーターから発生する駆動力のみで走行を行うモーターモードと、上記エンジンを運転させて上記モーター及びエンジンの両方又は上記エンジンのみの一方から発生する駆動力により走行を行うエンジンモードとを備えるハイブリッド車両において、上記モーターモードによる走行中に上記手動変速機が変速され、この変速過程で上記手動変速機がニュートラルになったことを検出したとき上記エンジンの始動制御を行うエンジン始動制御手段を備えたことを特徴とするハイブリッド車両が提供される。
【0017】
本発明の好適な態様によれば、上記モーター及び上記エンジンが自動断接可能なクラッチを介して連結され、上記エンジン始動制御手段が、上記エンジンの始動制御を行うとき、上記手動変速機のニュートラルを検出後に上記クラッチを自動接続し、上記モーターにより上記エンジンを始動させる。
【0018】
また本発明の好適な態様によれば、エンジンが停止中か否かを検出する手段と、車速を検出する手段と、変速機のニュートラルを検出する手段とが備えられ、上記エンジン始動制御手段が、エンジン停止中、車速>0、且つ変速機がニュートラルであるという条件が成立したとき上記エンジンの始動制御を行う。
【0019】
本発明によれば、例えばモーターモードで走行中にシフトアップが行われると、そのシフトアップの過程で手動変速機がニュートラルになったとき、エンジンの始動制御が実行される。従って主に手動変速機のニュートラルを検知すればよいのであり、ナビゲーション装置等の大掛かりな装置は不要であり、エンジン始動の際に運転者が自らスイッチを操作しなくてもよい。また、通常住宅地内から住宅地外に抜け出たときシフトアップが行われるので、このシフトアップと同時にエンジンを始動でき、適切なタイミングでエンジンを始動できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0021】
本実施形態に係るハイブリッド車両は例えば配送用トラックであり、その動力部の構成が図2に示される。ハイブリッド車両は走行用駆動源として二つの駆動源即ちエンジンEとモーターMとを備える。エンジンEは燃料を燃焼させて駆動力を発生する内燃機関で、ここではディーゼルエンジンである。モーターMは、本実施形態では発電も可能なモータージェネレータであり、バッテリから電力供給されて駆動力を発生すると共に、外部から逆駆動されたときは発電を行ってバッテリに充電する。
【0022】
エンジンEの出力軸(クランクシャフト)2にはフライホイール(ダンパ装置を含む)3が取り付けられると共に、その出力軸2は第一クラッチC1を介してモーターMに連結される。さらにモーターMは第二クラッチC2を介して手動変速機T/Mの入力軸に連結される。このように、駆動力伝達方向に沿ってエンジンE、第一クラッチC1、モーターM、第二クラッチC2、手動変速機T/Mという順番でそれぞれが直列に設けられる。手動変速機T/Mの出力軸4はプロペラシャフトやディファレンシャル装置等を介して駆動輪(図示せず)に連結される。
【0023】
上記第一クラッチC1が本発明のクラッチをなす。また本発明にいう手動変速機とは、通常のMT車に用いられる変速機のように、少なくとも前進側に複数のギヤ段を有しており、変速の際に1回ニュートラルに入れられるものをいう。変速操作を運転者により手動(マニュアル)で行うか、アクチュエータを用いて自動(オート)で行うかは問題とならない。本実施形態の手動変速機T/Mは手動である。
【0024】
ただし本実施形態の場合、第一クラッチC1及び第二クラッチC2のいずれも自動断接可能である。これらクラッチC1,C2には湿式多板クラッチが用いられる。
【0025】
この車両のハイブリッドシステム全体を制御するコントローラ5が設けられる。コントローラ5には、エンジン回転速度を検出するためのエンジン回転速度センサ6と、車速を検出するための車速センサ7と、手動変速機T/Mのニュートラルを検出するためのニュートラルスイッチ(又はセンサ)8と、手動変速機T/Mのシフト方向及びセレクト方向のストロークを検出するためのシフトセンサ9及びセレクトセンサ10とがそれぞれ接続される。コントローラ5は、クラッチ断接指示信号を出力してそれぞれのクラッチC1,C2を断接制御する。
【0026】
変速機T/Mは運転者により手動で変速されるようになっており、より具体的には運転室内に配置されたシフトレバー11がリンクやワイヤ等の機械的連結手段12を介して変速機T/Mの操作部13に機械的に連結され、変速機T/Mがシフトレバー11の動作に応じて変速される。ここで、シフトレバー11の先端に取り付けられたシフトノブ14がシフトレバー11に対し僅かに揺動可能となっており、シフトノブ14内にその揺動時にONとなるノブスイッチ15が設けられる。ノブスイッチ15は運転者の変速意思を検出するためのもので、コントローラ5に接続される。運転者が変速する際は、まずギヤ抜き前にシフトノブ14がシフトレバー11の動作に先立って揺動され、これによりノブスイッチ15がONとなり、ON信号がコントローラ5に入力される。これによりコントローラ5は変速意思ありとみなし、第二クラッチC2を断制御する。継続するシフトレバー11の動作によりギヤ抜き、セレクト、ギヤインが実行され、ギヤイン後いずれかのギヤ段に入ったことがシフトセンサ9及びセレクトセンサ10により検出されるとコントローラ5は第二クラッチC2を接制御する。
【0027】
さらに、車両の走行モードをモーターモード又はエンジンモードに切り換えるための運転室内に設けられたモード切換スイッチ16がコントローラ5に接続される。
【0028】
このハイブリッド車両も走行モードとして前述したようなモーターモードとエンジンモードとを備える。そして通常のハイブリッド車両同様、エンジンモードのとき要求駆動力に応じてモーターMとエンジンEとの発生駆動力が適宜分配されるように制御され、車両減速時に回生制動によるバッテリの充電も実行される。さらにモーターモードのときであっても、バッテリ充電量が所定値以下になったら強制的に走行モードがエンジンモードに切り換えられる。
【0029】
次に、このハイブリッド車両におけるエンジンの始動制御方法を説明する。
【0030】
図1はかかる始動制御のフローチャートを示し、このフローはコントローラ5により所定の制御周期(数10msecのオーダー)で繰り返し実行される。
【0031】
ステップ101では、エンジン回転速度センサ6の出力に基づきエンジン停止中(エンジン回転速度=0)か否かが判断される。即ちここではモーターモードか否かが実質的に判断されている。ノー(No)の場合は本フローを終了し、イエス(Yes)の場合(つまりモーターモードである場合)はステップ102に進む。
【0032】
ステップ102では、車速センサ7の出力に基づき車速が0を越えているか否か、即ち車両が走行中か否かが判断される。ノーの場合は本フローを終了し、イエスの場合(つまり車両走行中である場合)はステップ103に進む。
【0033】
ステップ103では、ニュートラルスイッチ8の出力に基づき現在の変速機T/Mのギヤポジションがニュートラル(N)か否かが判断される。ノーの場合は本フローを終了し、イエスの場合はステップ104に進む。
【0034】
ステップ104では、後述するようなエンジンの始動制御を実行する。このようにエンジン始動制御の開始条件(トリガ条件)はエンジン停止、車速>0、且つギヤポジションがニュートラルであることである。
【0035】
この制御を図3に示した実際の運転状況に当てはめてみる。車両(トラック)がモーターモードで幹線道路から住宅地に入り、店舗での荷積み・荷降しを終え、モーターモードのまま車両が再発進されたとする。典型的にはトラックでは2速発進であり、住宅地内は2速をホールドして(つまり変速操作無しで)アクセル操作とブレーキ操作のみで加減速及び停止を行いながら走行していく。ここでモーターMはそれ自体停止しても再加速可能なので、モーターモードで走行しているときはギヤが入ったまま車両を停止可能である。よって交差点などで停止した際もギヤは入ったまま停止される。また、もしこのときにギヤがニュートラルに入れられた場合であっても、車速がゼロのためエンジンの始動制御は行われない。
【0036】
そして、やがて車両が住宅地を抜けて幹線道路に入る。このとき運転者は車両をさらに加速するため、2速から3速にシフトアップ動作を行う。
【0037】
すると、その変速操作の過程で変速機が2速からニュートラルに入れられた(つまりギヤ抜きされた)瞬間、図1に示した3条件(エンジン停止、車速>0、且つギヤポジションがニュートラル)が成立し、エンジンの始動制御が実行される。これにより走行モードはモーターモードからエンジンモードへと移行され、十分な走行駆動力が得られると共に、住宅地におけるモーターモードにおいて消費したバッテリ充電量を補填することができる。
【0038】
始動制御は以下のように実行される。図2を参照して、モーターモードでは第一クラッチC1が断、第二クラッチC2が接されており、エンジンEの駆動力が断たれモーターMの駆動力のみが変速機T/Mに入力される。この状態で変速操作が入りノブスイッチ15がONされると、第二クラッチC2が断され、変速機T/Mへの入力が断たれる。さらなる変速操作により変速機T/Mがニュートラルに入れられると、第一クラッチC1が瞬時的に接され、モーターMの回転或いは駆動力がエンジンEに伝達され、エンジンEが始動される。この後変速機T/Mが3速に入れられると、第二クラッチC2が接され、変速終了となると同時に、エンジンE及びモーターMの駆動力が変速機T/Mへに入力される。
【0039】
なお、本実施形態では走行駆動用モーターMによりエンジンEを始動するようにしたが、別途セルモーターを設けてこれによりエンジンEを始動しても構わない。
【0040】
このように、本装置はモーターモードにおける車両の発進後に変速機T/Mがニュートラルになったことを検知してエンジンEを始動するものである。従って、変速機T/Mのニュートラルを検知するセンサ(本実施形態ではニュートラルスイッチ8)によりエンジン始動の要否を判断でき、所謂ナビゲーション装置のような大掛かり且つ高価なシステムは不要であり、シンプル且つ安価に構成できる。特に本実施形態ではクラッチを自動制御するため元々ニュートラルスイッチ8が設けられており、これを利用してエンジン始動制御を行えるためコスト的に大変有利である。
【0041】
また、本装置ではエンジン始動の際に運転者が自らモード切換スイッチ16を操作する必要が無く、煩わしさが防止される。ここでモード切換スイッチ16は運転者が意図的に走行モードを切換えられるよう設けられ、例えば図3の例において、幹線道路から住宅地に入る際エンジンモードからモーターモードに切り換えるときや、或いは、住宅地において冷凍機等の補機を駆動するのにバッテリ充電量が十分でないとき、バッテリを充電すべくエンジンモードに切り換えるとき、使用されることができる。しかしながら、車両が店舗から再発進した後、住宅地から幹線道路に入るときのモード切換えの際には必ずしもモード切換スイッチ16を操作する必要はない。このように運転者にとっては便利なものである。
【0042】
さらに、本装置では上述したように、住宅地から幹線道路に入る際におそらくシフトアップされるであろうという通常の運転操作を予測して変速機T/Mがニュートラルに入ったときにエンジン始動制御を実行するので、実用上適切なタイミングでエンジンを始動でき、使い勝手がよい。
【0043】
ところで、図3を参照して、上記のようなエンジン始動制御の場合、車両が店舗から2速発進し、住宅地内で1速にシフトダウンされた場合にもエンジン始動制御が実行される。しかしながら、このような場合はさらに高い駆動力を要する場合であり、エンジンモードへの移行はやむを得ない。また、車両が店舗の敷地内で後退し、方向転換して前進するときなども、後退段から前進段への変速の際にエンジン始動制御が実行される場合がある。なぜなら後退段から前進段への変速が、車両が完全に停止しておらず微低速で後退している状態で行われる可能性があり、車速センサ7により検出される車速は前進後進に拘わらずその絶対値だからである。このような事態は本来好ましくないので、これを防止するためには、車速が0より大きいという条件に代えて、車速が微低速の所定値(例えば5km/h)より大きいという条件を採用するのが良い。
【0044】
本発明の実施の形態は他にも種々考えられる。例えば、本実施形態では変速をマニュアルで行いクラッチを自動断接するシステム(所謂クラッチフリーシステム)を採用したが、変速を自動で実行するもの、或いはクラッチをマニュアルで断接するものなども採用可能である。またエンジンはガソリンエンジン等であってもよいし、車両もFR車、FF車、4WD車等のあらゆるエンジンレイアウト、駆動方式のものが可能である。
【0045】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、シンプル且つ安価な構成で、運転者によるスイッチ操作が必要無く、住宅地内から住宅地外に脱した時という適切なタイミングでエンジンの始動制御を実行できるという、優れた効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るエンジン始動制御のフローチャートである。
【図2】本発明の実施形態に係るハイブリッド車両の構成図である。
【図3】ハイブリッドトラックによる店舗への配送例を示す図である。
【符号の説明】
5 コントローラ
6 エンジン回転速度センサ
7 車速センサ
8 ニュートラルスイッチ
C1 第一クラッチ
E エンジン
M モーター
T/M 手動変速機
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行用駆動源としてエンジンとモーターとの二つを備えるパラレルハイブリッド車としてのハイブリッド車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
モーターを使用した低公害車には電気自動車とハイブリッド車があり、さらにハイブリッド車にはシリーズハイブリッド車とパラレルハイブリッド車がある。シリーズハイブリッド車は、電気自動車の走行距離を伸ばすため電気自動車に発電用エンジンを組み合わせたものだが、走行駆動力の全てをモータに頼るため最高速度が低いなどの問題がありそれほど普及していない。一方、パラレルハイブリッド車は、走行用のエンジンとモーターとの二つの駆動源を有するものであり、現在広く普及に至っている。
【0003】
一般的にパラレルハイブリッド車では、エンジンを停止させてモーターのみで走行するモーターモードと、エンジンを運転させてモーター及びエンジンの両方、又はエンジンのみで走行するエンジンモードとを備えている。省エネ、低騒音等の観点から、バッテリ充電量が十分なときにはできるだけモータモードで走行を行い、駆動力が不足していたりバッテリ充電量が不足しているときにはエンジンモードで走行が行われる。
【0004】
ところで、モーターモードで走行するかエンジンモードで走行するかは運転者の意図とは関係なく、車両のシステムで自動的に決定されるものである。よって、例えば夜間の住宅地など、騒音が気になる環境下で運転者がモーターモードで走行したいと思っても、エンジンモードが選択されてしまう場合があり、これが問題であった。特に、配送用ハイブリッドトラックで都市内の小口配送(例えばコンビニ配送等)を行う場合にこのような問題が生じやすい。この場合には店舗が住宅地にあるケースが数多く存在し、配達先の付近だけでもゼロエミッション(排ガスゼロ)、無騒音で走行したいという要求がある。
【0005】
このような配送の一例を図3を用いて説明する。この例は、幹線道路から住宅地に入って住宅地にある店舗で荷積み・荷降しを行い、車両を再度発進させ、住宅地を走行し、幹線道路に抜け出るという例である。まず幹線道路から住宅地に入るときにはエンジンを停止し、走行モードをモーターモードとする。これによって住宅地においてゼロエミッション、無騒音を達成することができる。そして荷積み・荷降し中や再発進後の住宅地走行中もモーターモードを維持する。そして住宅地から幹線道路に抜け出たとき、駆動力やバッテリ電力等を確保すべく、エンジンを始動してエンジンモードとする。
【0006】
なお、勿論、住宅地でも駆動力やバッテリ電力等の不足が生じたらエンジンモードとするのはやむを得ないし、住宅地以外でもできるだけモーターモードとするのがよい。本願ではこのような例外的な場合は考えず、専ら上記のような例を扱う。
【0007】
ところで、住宅地から幹線道路に抜け出る際、即ちモーターモードからエンジンモードに切り換える際、エンジンを始動する必要があるが、このときの始動方法として従来以下のようなものがある。
【0008】
第一の従来例は、GPS等で検知される現在の車両位置と道路情報とを比較し、現在の車両位置が、住宅地などのモーターモード走行区間から幹線道路などのエンジンモード走行区間に移行したときにエンジンを始動制御する方法である(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
第二の従来例は、運転室に手動モード切換スイッチを備え、車両がモーターモード走行区間からエンジンモード走行区間に移行したときに運転者が自らスイッチを操作し、エンジンを始動制御する方法である(例えば、特許文献2参照)。第三の従来例は、モーターモード走行中に車速がエンジン始動速度(例えば10Km/h)に達したらエンジンを始動制御する方法である(例えば、特許文献3参照)。
【0010】
第四の従来例は、モーターモード走行中にモータトルクが所定トルクに達したらエンジンを始動制御する方法である(例えば、特許文献4参照)。
【0011】
【特許文献1】
特開平7−107617号公報(請求項1)
【特許文献2】
特開2001−69610号公報(段落0038,0123,0124及び図5)
【特許文献3】
特開平10−325435号公報(要約)
【特許文献4】
特開平11−173174号公報(要約)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、第一の従来例では、所謂ナビゲーション装置が不可欠でシステム全体として大掛かりなものとなり、高価となる欠点がある。
【0013】
第二の従来例では、エンジン始動の際に運転者が自らスイッチを操作しなければならず煩わしいという欠点がある。
【0014】
第三及び第四の従来例では、住宅地内でエンジンが始動されてしまう可能性があるという欠点がある。なぜなら車速又はモータトルクが所定値に達したか否かは住宅地を抜け出たか否かに必ずしも関係しないからである。
【0015】
そこで、上記課題に鑑みて本発明は創案され、その目的は、シンプル且つ安価な構成で、運転者によるスイッチ操作が必要無く、住宅地内から住宅地外に脱した時という適切なタイミングでエンジンの始動制御が行えるハイブリッド車両を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、車両の駆動力を発生させるためのモーター及びエンジンと、これらモーター及びエンジンと駆動輪との間に設けられた手動変速機とを備え、上記エンジンを停止させて上記モーターから発生する駆動力のみで走行を行うモーターモードと、上記エンジンを運転させて上記モーター及びエンジンの両方又は上記エンジンのみの一方から発生する駆動力により走行を行うエンジンモードとを備えるハイブリッド車両において、上記モーターモードによる走行中に上記手動変速機が変速され、この変速過程で上記手動変速機がニュートラルになったことを検出したとき上記エンジンの始動制御を行うエンジン始動制御手段を備えたことを特徴とするハイブリッド車両が提供される。
【0017】
本発明の好適な態様によれば、上記モーター及び上記エンジンが自動断接可能なクラッチを介して連結され、上記エンジン始動制御手段が、上記エンジンの始動制御を行うとき、上記手動変速機のニュートラルを検出後に上記クラッチを自動接続し、上記モーターにより上記エンジンを始動させる。
【0018】
また本発明の好適な態様によれば、エンジンが停止中か否かを検出する手段と、車速を検出する手段と、変速機のニュートラルを検出する手段とが備えられ、上記エンジン始動制御手段が、エンジン停止中、車速>0、且つ変速機がニュートラルであるという条件が成立したとき上記エンジンの始動制御を行う。
【0019】
本発明によれば、例えばモーターモードで走行中にシフトアップが行われると、そのシフトアップの過程で手動変速機がニュートラルになったとき、エンジンの始動制御が実行される。従って主に手動変速機のニュートラルを検知すればよいのであり、ナビゲーション装置等の大掛かりな装置は不要であり、エンジン始動の際に運転者が自らスイッチを操作しなくてもよい。また、通常住宅地内から住宅地外に抜け出たときシフトアップが行われるので、このシフトアップと同時にエンジンを始動でき、適切なタイミングでエンジンを始動できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0021】
本実施形態に係るハイブリッド車両は例えば配送用トラックであり、その動力部の構成が図2に示される。ハイブリッド車両は走行用駆動源として二つの駆動源即ちエンジンEとモーターMとを備える。エンジンEは燃料を燃焼させて駆動力を発生する内燃機関で、ここではディーゼルエンジンである。モーターMは、本実施形態では発電も可能なモータージェネレータであり、バッテリから電力供給されて駆動力を発生すると共に、外部から逆駆動されたときは発電を行ってバッテリに充電する。
【0022】
エンジンEの出力軸(クランクシャフト)2にはフライホイール(ダンパ装置を含む)3が取り付けられると共に、その出力軸2は第一クラッチC1を介してモーターMに連結される。さらにモーターMは第二クラッチC2を介して手動変速機T/Mの入力軸に連結される。このように、駆動力伝達方向に沿ってエンジンE、第一クラッチC1、モーターM、第二クラッチC2、手動変速機T/Mという順番でそれぞれが直列に設けられる。手動変速機T/Mの出力軸4はプロペラシャフトやディファレンシャル装置等を介して駆動輪(図示せず)に連結される。
【0023】
上記第一クラッチC1が本発明のクラッチをなす。また本発明にいう手動変速機とは、通常のMT車に用いられる変速機のように、少なくとも前進側に複数のギヤ段を有しており、変速の際に1回ニュートラルに入れられるものをいう。変速操作を運転者により手動(マニュアル)で行うか、アクチュエータを用いて自動(オート)で行うかは問題とならない。本実施形態の手動変速機T/Mは手動である。
【0024】
ただし本実施形態の場合、第一クラッチC1及び第二クラッチC2のいずれも自動断接可能である。これらクラッチC1,C2には湿式多板クラッチが用いられる。
【0025】
この車両のハイブリッドシステム全体を制御するコントローラ5が設けられる。コントローラ5には、エンジン回転速度を検出するためのエンジン回転速度センサ6と、車速を検出するための車速センサ7と、手動変速機T/Mのニュートラルを検出するためのニュートラルスイッチ(又はセンサ)8と、手動変速機T/Mのシフト方向及びセレクト方向のストロークを検出するためのシフトセンサ9及びセレクトセンサ10とがそれぞれ接続される。コントローラ5は、クラッチ断接指示信号を出力してそれぞれのクラッチC1,C2を断接制御する。
【0026】
変速機T/Mは運転者により手動で変速されるようになっており、より具体的には運転室内に配置されたシフトレバー11がリンクやワイヤ等の機械的連結手段12を介して変速機T/Mの操作部13に機械的に連結され、変速機T/Mがシフトレバー11の動作に応じて変速される。ここで、シフトレバー11の先端に取り付けられたシフトノブ14がシフトレバー11に対し僅かに揺動可能となっており、シフトノブ14内にその揺動時にONとなるノブスイッチ15が設けられる。ノブスイッチ15は運転者の変速意思を検出するためのもので、コントローラ5に接続される。運転者が変速する際は、まずギヤ抜き前にシフトノブ14がシフトレバー11の動作に先立って揺動され、これによりノブスイッチ15がONとなり、ON信号がコントローラ5に入力される。これによりコントローラ5は変速意思ありとみなし、第二クラッチC2を断制御する。継続するシフトレバー11の動作によりギヤ抜き、セレクト、ギヤインが実行され、ギヤイン後いずれかのギヤ段に入ったことがシフトセンサ9及びセレクトセンサ10により検出されるとコントローラ5は第二クラッチC2を接制御する。
【0027】
さらに、車両の走行モードをモーターモード又はエンジンモードに切り換えるための運転室内に設けられたモード切換スイッチ16がコントローラ5に接続される。
【0028】
このハイブリッド車両も走行モードとして前述したようなモーターモードとエンジンモードとを備える。そして通常のハイブリッド車両同様、エンジンモードのとき要求駆動力に応じてモーターMとエンジンEとの発生駆動力が適宜分配されるように制御され、車両減速時に回生制動によるバッテリの充電も実行される。さらにモーターモードのときであっても、バッテリ充電量が所定値以下になったら強制的に走行モードがエンジンモードに切り換えられる。
【0029】
次に、このハイブリッド車両におけるエンジンの始動制御方法を説明する。
【0030】
図1はかかる始動制御のフローチャートを示し、このフローはコントローラ5により所定の制御周期(数10msecのオーダー)で繰り返し実行される。
【0031】
ステップ101では、エンジン回転速度センサ6の出力に基づきエンジン停止中(エンジン回転速度=0)か否かが判断される。即ちここではモーターモードか否かが実質的に判断されている。ノー(No)の場合は本フローを終了し、イエス(Yes)の場合(つまりモーターモードである場合)はステップ102に進む。
【0032】
ステップ102では、車速センサ7の出力に基づき車速が0を越えているか否か、即ち車両が走行中か否かが判断される。ノーの場合は本フローを終了し、イエスの場合(つまり車両走行中である場合)はステップ103に進む。
【0033】
ステップ103では、ニュートラルスイッチ8の出力に基づき現在の変速機T/Mのギヤポジションがニュートラル(N)か否かが判断される。ノーの場合は本フローを終了し、イエスの場合はステップ104に進む。
【0034】
ステップ104では、後述するようなエンジンの始動制御を実行する。このようにエンジン始動制御の開始条件(トリガ条件)はエンジン停止、車速>0、且つギヤポジションがニュートラルであることである。
【0035】
この制御を図3に示した実際の運転状況に当てはめてみる。車両(トラック)がモーターモードで幹線道路から住宅地に入り、店舗での荷積み・荷降しを終え、モーターモードのまま車両が再発進されたとする。典型的にはトラックでは2速発進であり、住宅地内は2速をホールドして(つまり変速操作無しで)アクセル操作とブレーキ操作のみで加減速及び停止を行いながら走行していく。ここでモーターMはそれ自体停止しても再加速可能なので、モーターモードで走行しているときはギヤが入ったまま車両を停止可能である。よって交差点などで停止した際もギヤは入ったまま停止される。また、もしこのときにギヤがニュートラルに入れられた場合であっても、車速がゼロのためエンジンの始動制御は行われない。
【0036】
そして、やがて車両が住宅地を抜けて幹線道路に入る。このとき運転者は車両をさらに加速するため、2速から3速にシフトアップ動作を行う。
【0037】
すると、その変速操作の過程で変速機が2速からニュートラルに入れられた(つまりギヤ抜きされた)瞬間、図1に示した3条件(エンジン停止、車速>0、且つギヤポジションがニュートラル)が成立し、エンジンの始動制御が実行される。これにより走行モードはモーターモードからエンジンモードへと移行され、十分な走行駆動力が得られると共に、住宅地におけるモーターモードにおいて消費したバッテリ充電量を補填することができる。
【0038】
始動制御は以下のように実行される。図2を参照して、モーターモードでは第一クラッチC1が断、第二クラッチC2が接されており、エンジンEの駆動力が断たれモーターMの駆動力のみが変速機T/Mに入力される。この状態で変速操作が入りノブスイッチ15がONされると、第二クラッチC2が断され、変速機T/Mへの入力が断たれる。さらなる変速操作により変速機T/Mがニュートラルに入れられると、第一クラッチC1が瞬時的に接され、モーターMの回転或いは駆動力がエンジンEに伝達され、エンジンEが始動される。この後変速機T/Mが3速に入れられると、第二クラッチC2が接され、変速終了となると同時に、エンジンE及びモーターMの駆動力が変速機T/Mへに入力される。
【0039】
なお、本実施形態では走行駆動用モーターMによりエンジンEを始動するようにしたが、別途セルモーターを設けてこれによりエンジンEを始動しても構わない。
【0040】
このように、本装置はモーターモードにおける車両の発進後に変速機T/Mがニュートラルになったことを検知してエンジンEを始動するものである。従って、変速機T/Mのニュートラルを検知するセンサ(本実施形態ではニュートラルスイッチ8)によりエンジン始動の要否を判断でき、所謂ナビゲーション装置のような大掛かり且つ高価なシステムは不要であり、シンプル且つ安価に構成できる。特に本実施形態ではクラッチを自動制御するため元々ニュートラルスイッチ8が設けられており、これを利用してエンジン始動制御を行えるためコスト的に大変有利である。
【0041】
また、本装置ではエンジン始動の際に運転者が自らモード切換スイッチ16を操作する必要が無く、煩わしさが防止される。ここでモード切換スイッチ16は運転者が意図的に走行モードを切換えられるよう設けられ、例えば図3の例において、幹線道路から住宅地に入る際エンジンモードからモーターモードに切り換えるときや、或いは、住宅地において冷凍機等の補機を駆動するのにバッテリ充電量が十分でないとき、バッテリを充電すべくエンジンモードに切り換えるとき、使用されることができる。しかしながら、車両が店舗から再発進した後、住宅地から幹線道路に入るときのモード切換えの際には必ずしもモード切換スイッチ16を操作する必要はない。このように運転者にとっては便利なものである。
【0042】
さらに、本装置では上述したように、住宅地から幹線道路に入る際におそらくシフトアップされるであろうという通常の運転操作を予測して変速機T/Mがニュートラルに入ったときにエンジン始動制御を実行するので、実用上適切なタイミングでエンジンを始動でき、使い勝手がよい。
【0043】
ところで、図3を参照して、上記のようなエンジン始動制御の場合、車両が店舗から2速発進し、住宅地内で1速にシフトダウンされた場合にもエンジン始動制御が実行される。しかしながら、このような場合はさらに高い駆動力を要する場合であり、エンジンモードへの移行はやむを得ない。また、車両が店舗の敷地内で後退し、方向転換して前進するときなども、後退段から前進段への変速の際にエンジン始動制御が実行される場合がある。なぜなら後退段から前進段への変速が、車両が完全に停止しておらず微低速で後退している状態で行われる可能性があり、車速センサ7により検出される車速は前進後進に拘わらずその絶対値だからである。このような事態は本来好ましくないので、これを防止するためには、車速が0より大きいという条件に代えて、車速が微低速の所定値(例えば5km/h)より大きいという条件を採用するのが良い。
【0044】
本発明の実施の形態は他にも種々考えられる。例えば、本実施形態では変速をマニュアルで行いクラッチを自動断接するシステム(所謂クラッチフリーシステム)を採用したが、変速を自動で実行するもの、或いはクラッチをマニュアルで断接するものなども採用可能である。またエンジンはガソリンエンジン等であってもよいし、車両もFR車、FF車、4WD車等のあらゆるエンジンレイアウト、駆動方式のものが可能である。
【0045】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、シンプル且つ安価な構成で、運転者によるスイッチ操作が必要無く、住宅地内から住宅地外に脱した時という適切なタイミングでエンジンの始動制御を実行できるという、優れた効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るエンジン始動制御のフローチャートである。
【図2】本発明の実施形態に係るハイブリッド車両の構成図である。
【図3】ハイブリッドトラックによる店舗への配送例を示す図である。
【符号の説明】
5 コントローラ
6 エンジン回転速度センサ
7 車速センサ
8 ニュートラルスイッチ
C1 第一クラッチ
E エンジン
M モーター
T/M 手動変速機
Claims (3)
- 車両の駆動力を発生させるためのモーター及びエンジンと、これらモーター及びエンジンと駆動輪との間に設けられた手動変速機とを備え、上記エンジンを停止させて上記モーターから発生する駆動力のみで走行を行うモーターモードと、上記エンジンを運転させて上記モーター及びエンジンの両方又は上記エンジンのみの一方から発生する駆動力により走行を行うエンジンモードとを備えるハイブリッド車両において、上記モーターモードによる走行中に上記手動変速機が変速され、この変速過程で上記手動変速機がニュートラルになったことを検出したとき上記エンジンの始動制御を行うエンジン始動制御手段を備えたことを特徴とするハイブリッド車両。
- 上記モーター及び上記エンジンが自動断接可能なクラッチを介して連結され、上記エンジン始動制御手段が、上記エンジンの始動制御を行うとき、上記手動変速機のニュートラルを検出後に上記クラッチを自動接続し、上記モーターにより上記エンジンを始動させる請求項1記載のハイブリッド車両。
- エンジンが停止中か否かを検出する手段と、車速を検出する手段と、変速機のニュートラルを検出する手段とを備え、上記エンジン始動制御手段が、エンジン停止中、車速>0、且つ変速機がニュートラルであるという条件が成立したとき上記エンジンの始動制御を行う請求項1又は2記載のハイブリッド車両。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2002-10-25 JP JP2002310631A patent/JP2004142636A/ja active Pending
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