JP2004140012A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】パーシャルトレンチの底部下のSOI層の厚さを容易に制御できる半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る半導体装置の製造方法は、シリコンウエハ1にトレンチを形成する工程と、前記トレンチ内に素子分離用絶縁膜2,3を埋め込む工程と、前記素子分離用絶縁膜2,3及びシリコンウエハ1の上に不純物をドープした所定厚さのポリシリコン膜4を形成する工程と、支持基板5を準備する工程と、前記支持基板の表面を熱酸化することにより、該支持基板上に酸化膜6を形成する工程と、前記酸化膜6と前記ポリシリコン膜4を張り合わせる工程と、シリコンウエハ1の裏面側を前記素子分離用絶縁膜2,3が露出するまで研削する工程と、を具備する。
【選択図】 図2
【解決手段】本発明に係る半導体装置の製造方法は、シリコンウエハ1にトレンチを形成する工程と、前記トレンチ内に素子分離用絶縁膜2,3を埋め込む工程と、前記素子分離用絶縁膜2,3及びシリコンウエハ1の上に不純物をドープした所定厚さのポリシリコン膜4を形成する工程と、支持基板5を準備する工程と、前記支持基板の表面を熱酸化することにより、該支持基板上に酸化膜6を形成する工程と、前記酸化膜6と前記ポリシリコン膜4を張り合わせる工程と、シリコンウエハ1の裏面側を前記素子分離用絶縁膜2,3が露出するまで研削する工程と、を具備する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、SOI基板の単結晶Si層にパーシャルトレンチ素子分離膜を有する半導体装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、従来の半導体装置の製造方法を説明する断面図である。この半導体装置は、パーシャルトレンチ素子分離膜を有している。
まず、SOI(silicon on insulator)基板104を準備する。SOI基板104は、単結晶シリコンからなる支持基板101と、この支持基板101上に形成された埋め込み酸化膜(BOX層)102と、この埋め込み酸化膜102上に形成された単結晶Si層(SOI層)103と、から構成されている。
【0003】
次いで、単結晶Si層103の表面上に熱酸化法によりシリコン酸化膜(図示せず)を形成し、このシリコン酸化膜の上にCVD(Chemical Vapor Deposition)法により図示せぬシリコン窒化膜(SiN膜)を堆積する。このシリコン窒化膜は後述するCMP(Chemical Mechanical Polishing)時の研磨ストッパーとして作用するものである。次いで、シリコン窒化膜の上にフォトレジスト膜(図示せず)を塗布し、このフォトレジスト膜を露光、現像することにより、シリコン窒化膜上にはパーシャルトレンチ形成領域上が開口されたレジストパターンが形成される。
【0004】
次に、このレジストパターンをマスクとしてシリコン窒化膜及びシリコン酸化膜を選択的にエッチングする。これにより、シリコン窒化膜及びシリコン酸化膜には開口部が形成され、この開口部下の単結晶Si層103の表面が露出する。次いで、レジストパターンを剥離する。この後、シリコン窒化膜をマスクとして単結晶Si層103を選択的に所定の時間だけエッチングすることにより、単結晶Si層103にはパーシャルトレンチ103a,103bが形成される。ここでの所定時間とは、パーシャルトレンチの底部下の単結晶Si層の厚さがdだけ残るようなエッチング時間である。なお、厚さdは数十nmオーダーである。
【0005】
この後、パーシャルトレンチ103a,103b内及びシリコン窒化膜上にプラズマCVD法により素子分離用のシリコン酸化膜を堆積する。次いで、シリコン窒化膜を研磨ストッパーとしてシリコン酸化膜をCMP技術により研磨する。次いで、残っているシリコン窒化膜を選択的に除去し、その後、シリコン酸化膜を選択的にエッチング除去する。このようにしてパーシャルトレンチ103a,103b内にシリコン酸化膜が埋め込まれ、単結晶Si層103にはパーシャルトレンチ素子分離膜108が形成される。
【0006】
次いで、単結晶Si層103におけるパーシャルトレンチ素子分離膜108で囲まれた領域にP型不純物を導入し、熱処理を施すことにより、該単結晶Si層103にはPウエル106が形成される。次いで、単結晶Si層の表面にゲート酸化膜105を熱酸化法により形成する。次いで、このゲート酸化膜上にゲート電極107を形成する。次いで、このゲート電極107をマスクとして単結晶Si層103にN型不純物を導入し、熱処理を施すことにより、単結晶Si層のLDD(Lightly Doped Drain)領域には低濃度不純物拡散層109が形成される。
【0007】
次いで、ゲート電極107の側壁にサイドウオール110を形成する。次いで、このサイドウオール110及びゲート電極107をマスクとして単結晶Si層103にN+型不純物を導入し、熱処理を施すこれとより、該単結晶Si層103にはソース拡散層111及びドレイン拡散層112が形成される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の半導体装置の製造方法では、厚さが100nm程度の薄いSOI層103をエッチング時間の制御により均一な深さのパーシャルトレンチ103a,103bを形成することが困難である。特に、数十nmオーダーの厚さdをSOI層に残すようにエッチング時間を制御してパーシャルトレンチを形成することは困難である。その理由は、SOI層のエッチングスピードが速いため、エッチング時間の制御によってエッチング深さをコントロールすることが非常に難しいからである。
【0009】
本発明は上記のような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、パーシャルトレンチの底部下のSOI層の厚さを容易に制御できる半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板にトレンチを形成する工程と、
前記トレンチ内に素子分離用絶縁膜を埋め込む工程と、
前記素子分離用絶縁膜及び前記半導体基板の上に不純物をドープした所定厚さのポリシリコン膜を形成する工程と、
支持基板を準備する工程と、
前記支持基板の表面を熱酸化することにより、該支持基板上に酸化膜を形成する工程と、
前記酸化膜と前記ポリシリコン膜を張り合わせる工程と、
前記半導体基板の裏面側を前記素子分離用絶縁膜が露出するまで研削する工程と、
を具備することを特徴とする。
【0011】
上記半導体装置の製造方法によれば、半導体基板上に形成するポリシリコン膜の厚さを制御することによってパーシャルトレンチの底部下のSOI層の厚さを制御している。このため、従来技術のエッチング時間を制御する方法に比べてポリシリコン膜の厚さを制御する方が制御性を良くすることができる。したがって、パーシャルトレンチの底部下のSOI層の厚さを容易に制御でき、該厚さの精度を向上させることができる。
【0012】
また、本発明に係る半導体装置の製造方法においては、前記研削する工程の後に、前記半導体基板における前記素子分離用絶縁膜に囲まれた領域に不純物を導入することにより、該領域にウエルを形成する工程と、前記半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、前記ウエル内にソース拡散層及びドレイン拡散層を形成する工程と、をさらに具備することも可能である。
【0013】
また、本発明に係る半導体装置の製造方法においては、前記トレンチを形成する工程は、半導体基板上にシリコン酸化膜を形成し、該シリコン酸化膜上にシリコン窒化膜を形成し、該シリコン窒化膜及び該シリコン酸化膜をエッチングし、該シリコン窒化膜をマスクとして半導体基板をエッチングすることによりトレンチを形成する工程であることが好ましい。
【0014】
また、本発明に係る半導体装置の製造方法においては、前記素子分離用絶縁膜を埋め込む工程は、前記トレンチ内及び前記半導体基板上に素子分離用絶縁膜を形成し、該素子分離用絶縁膜をCMP研磨する工程であることが好ましい。
【0015】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、支持基板と、該支持基板上に形成された絶縁膜と、該絶縁膜上に形成された単結晶Si層と、を有するSOI基板を準備する工程と、
前記単結晶Si層にトレンチを形成する工程と、
前記トレンチ内の単結晶Si層を熱酸化することにより、前記トレンチ内に第1の素子分離用絶縁膜を形成する工程と、
前記トレンチ内に第2の素子分離用絶縁膜を埋め込むことにより、前記第1及び第2の素子分離用絶縁膜からなるパーシャルトレンチ素子分離膜を形成する工程と、
を具備することを特徴とする。
【0016】
上記半導体装置の製造方法によれば、パーシャルトレンチ素子分離膜の底部下の単結晶Si層の厚さを第1の素子分離用絶縁膜を形成する熱酸化工程により制御している。即ち、トレンチ内に熱酸化法により形成した第1の素子分離用絶縁膜の厚さを制御することによってパーシャルトレンチの底部下の単結晶Si層の厚さを制御している。熱酸化法による酸化膜の成長スピードは従来技術の時間制御によるエッチングスピードに比べて遅いため、従来技術に比べてパーシャルトレンチの底部下の単結晶Si層の厚さを容易に制御でき、該厚さの精度を向上させることができる。
【0017】
また、本発明に係る半導体装置の製造方法において、前記第1の素子分離用絶縁膜を形成する工程は、単結晶Si層上にマスク膜を形成し、このマスク膜をマスクとして該単結晶Si層を熱酸化する工程であることも可能である。
【0018】
本発明に係る半導体装置は、支持基板上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜上に形成され、該絶縁膜に張り合わされ、不純物をドープしたポリシリコン膜と、
前記ポリシリコン膜上に形成された単結晶Si層と、
前記単結晶Si層に形成されたパーシャルトレンチ素子分離膜と、
を具備することを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る半導体装置においては、前記単結晶Si層における前記パーシャルトレンチ素子分離膜に囲まれた領域に形成されたウエルと、前記単結晶Si層上に形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、前記ウエル内に形成されたソース拡散層及びドレイン拡散層と、をさらに具備することも可能である。
【0020】
本発明に係る半導体装置は、支持基板と、該支持基板上に形成された絶縁膜と、該絶縁膜上に形成された単結晶Si層と、を有するSOI基板と、
前記単結晶Si層に形成されたトレンチと、
前記トレンチ内に熱酸化により形成された第1の素子分離用絶縁膜と、
前記トレンチ内に埋め込まれた第2の素子分離用絶縁膜と、
を具備し、
前記第1及び第2の素子分離用絶縁膜によってパーシャルトレンチ素子分離膜を構成することを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1及び図2は、本発明に係る第1の実施の形態による半導体装置の製造方法を示す断面図である。この半導体装置の製造方法は、パーシャルトレンチ素子分離膜を形成する工程を有するものである。
【0022】
まず、図1(A)に示すように、半導体基板として例えばリコンウエハ1を準備し、このシリコンウエハ1にトレンチ1a,1bを形成する。このトレンチの形成方法を以下に説明する。
シリコンウエハ1の表面上に熱酸化法により厚さ10〜30nm程度のシリコン酸化膜(図示せず)を形成する。このシリコン酸化膜はシリコンウエハ1上の応力を緩和するための膜である。
【0023】
次いで、このシリコン酸化膜の上にCVD法により厚さ100〜200nm程度の図示せぬシリコン窒化膜(SiN膜)を堆積する。このシリコン窒化膜は後述するCMP時の研磨ストッパーとして作用するものである。次いで、シリコン窒化膜の上にフォトレジスト膜(図示せず)を塗布し、このフォトレジスト膜を露光、現像することにより、シリコン窒化膜上にはトレンチ形成領域の上方が開口されたレジストパターンが形成される。
【0024】
次いで、このレジストパターンをマスクとしてシリコン窒化膜を選択的にエッチング除去した後、シリコン酸化膜を選択的にエッチング除去する。これにより、シリコン窒化膜及びシリコン酸化膜には開口部が形成され、この開口部下のシリコンウエハ1の表面が露出する。その後、レジストパターンを剥離する。
【0025】
次に、シリコン窒化膜をマスクとしてシリコンウエハ1を選択的にエッチングすることにより、シリコンウエハ1には所定の深さのトレンチ1a,1bが形成される。この際のエッチング条件は、Cl2とO2を用いたICP方式の異方性エッチングである。
【0026】
このようにしてトレンチ1a,1bが形成された後、トレンチ1a,1b内にフッ酸処理を施す。このフッ酸処理は、効果的にラウンド酸化工程を行うための処理であり、その条件は、熱酸化膜の膜厚換算で5〜50nmの量を除去する条件の処理であることが望ましい。次いで、トレンチ1a,1bの角部に丸みを形成するためのラウンド酸化工程を行う。即ち、トレンチ1a,1b内に熱酸化法によりシリコン酸化膜(図示せず)を形成する。この際の条件は、900℃〜1200℃、より好ましくは950℃〜1050℃の温度で酸化量が10〜50nmであることが好ましい。また、雰囲気はドライ又はウエットのどちらでも同様な効果が得られる。
【0027】
この後、トレンチ1a,1b内及びシリコン窒化膜上に高密度プラズマCVD法により素子分離用絶縁膜としてのシリコン酸化膜を堆積する。なお、高密度プラズマCVD法とは、例えばSiH4(シラン)とO2(酸素)をベースとした原料ガスをプラズマ密度1011/cm3以上のプラズマで反応させてシリコン酸化膜を堆積させるCVD法である。高密度プラズマCVD法を用いているのは、トレンチ内の底部にカバレージ良くシリコン酸化膜を埋め込むためであるが、高密度プラズマCVD法に限定されるものではなく、カバレージ良く埋め込むことができれば他の方法を用いることも可能である。例えば、TEOS(tetraethylorthosilicate)を用いた減圧CVD法やオゾンとTEOSを用いた常圧CVD法でも良い。
【0028】
この後、前記シリコン窒化膜を研磨ストッパーとして素子分離用のシリコン酸化膜をCMP技術により研磨する。これにより、トレンチ1a,1b内にはトレンチ素子分離膜2,3が形成される。この際、前記シリコン窒化膜は僅かに残される。また、このときのCMP研磨条件は、テーブル回転数が75rpm、トップリング回転数が50rpm、加圧が20kPaであり、研磨クロスは発泡ポリウレタン系を用い、スラリーにはシリカ系を用いることが好ましい。次に、前記シリコン窒化膜を選択的にエッチング除去し、その後、前記シリコン酸化膜を選択的にエッチング除去する。
【0029】
この後、図1(B)に示すように、トレンチ素子分離膜2,3及びシリコンウエハ1の上に、P+型不純物がドープされた所定厚さのポリシリコン膜4をCVD法により堆積させる。なお、所定厚さは、数十nm程度の厚さであることが好ましい。
【0030】
次に、図1(C)に示すように、支持基板用シリコンウエハ5を準備し、この支持基板用シリコンウエハ5の表面を熱酸化することにより、該支持基板用シリコンウエハ5上には絶縁膜(BOX層)としてのシリコン酸化膜6が形成される。次いで、このシリコン酸化膜6と前記ポリシリコン膜4を張り合わせる。この張り合わせの方法は、シリコン酸化膜6とポリシリコン膜4を張り合わせた状態で、加圧しながら加熱することにより、シリコン酸化膜6とポリシリコン膜4を強固に張り合わせる。
【0031】
この後、図2(D)に示すように、裏面研削装置を用いてシリコンウエハ1の裏面をトレンチ素子分離膜2,3が露出するまで研削する。これにより、SOI層(シリコンウエハ)1にはパーシャルトレンチ素子分離膜2,3が形成され、パーシャルトレンチ素子分離膜2,3とシリコン酸化膜6との間には所定厚さのポリシリコン膜4が配置される。
【0032】
次に、図2(E)に示すように、SOI層1におけるパーシャルトレンチ素子分離膜2,3で囲まれた領域にP−型不純物を導入し、熱処理を施すことにより、該SOI層1にはPウエル7が形成される。次いで、SOI層の表面にゲート絶縁膜としてのゲート酸化膜8を熱酸化法により形成する。次いで、このゲート酸化膜上にゲート電極9を形成する。次いで、このゲート電極9をマスクとしてSOI層1にN型不純物を導入し、熱処理を施すことにより、SOI層のLDD領域には低濃度不純物拡散層10が形成される。
【0033】
次いで、ゲート電極9の側壁にサイドウオール11を形成する。次いで、このサイドウオール11及びゲート電極9をマスクとしてSOI層1にN+型不純物を導入し、熱処理を施すこれとより、該SOI層1にはソース拡散層12及びドレイン拡散層13が形成される。
【0034】
上記第1の実施の形態によれば、シリコンウエハ1上に形成したポリシリコン膜4をパーシャルトレンチ素子分離膜の底部のSOI層としている。即ち、シリコンウエハ1上に成膜するポリシリコン膜4の厚さを制御することによってパーシャルトレンチの底部下のSOI層の厚さを制御している。このため、従来技術のエッチング時間を制御する方法に比べてポリシリコン膜4の厚さを制御する方が制御性を良くすることができる。したがって、パーシャルトレンチの底部下のSOI層の厚さを容易に制御でき、該厚さの精度を向上させることができる。
【0035】
また、本実施の形態では、パーシャルトレンチの底部下のSOI層として用いるポリシリコン膜4の抵抗率を成膜時の不純物のドーピング量で制御しているため、所望の抵抗値に設定することも容易である。
【0036】
図3乃至図5は、本発明に係る第2の実施の形態による半導体装置の製造方法を示す断面図である。この半導体装置の製造方法は、パーシャルトレンチ素子分離膜を形成する工程を有するものである。
まず、図3(A)に示すように、SOI基板24を準備する。SOI基板24は、単結晶シリコンからなる支持基板21と、この支持基板21上に形成された埋め込み酸化膜(BOX層)22と、この埋め込み酸化膜22上に形成された厚さ100nmの単結晶Si層(SOI層)23と、から構成されている。
【0037】
次いで、単結晶Si層23の表面上に熱酸化法によりシリコン酸化膜(図示せず)を形成し、このシリコン酸化膜の上にCVD法により図示せぬシリコン窒化膜(SiN膜)を堆積する。次いで、シリコン窒化膜の上にフォトレジスト膜(図示せず)を塗布し、このフォトレジスト膜を露光、現像することにより、シリコン窒化膜上にはパーシャルトレンチ形成領域上が開口されたレジストパターンが形成される。
【0038】
次に、このレジストパターンをマスクとしてシリコン窒化膜及びシリコン酸化膜を選択的にエッチングする。これにより、シリコン窒化膜及びシリコン酸化膜には開口部が形成され、この開口部下の単結晶Si層23の表面が露出する。次いで、レジストパターンを剥離する。この後、シリコン窒化膜をマスクとして単結晶Si層23を選択的に所定の時間だけエッチングすることにより、単結晶Si層23には深さ50nmのトレンチ23a,23bが形成される。ここでのトレンチの深さ及び幅は、後述する熱酸化によって形成されるパーシャルトレンチ素子分離膜の底部下の単結晶Si層23の厚さがdだけ残るような深さ及び幅とする。なお、厚さdは数十nmオーダーである。次いで、シリコン窒化膜を除去し、シリコン酸化膜を除去する。
【0039】
この後、図3(B)に示すように、単結晶Si層23上にシリコン窒化膜などのマスク膜35を形成する。次いで、このマスク膜35をマスクとしてSOI基板24を900℃〜1100℃の炉内で熱酸化する。これにより、トレンチ23a,23b内に第1の素子分離用絶縁膜としてのシリコン酸化膜25が形成され、単結晶Si層23の下から厚さeのシリコン酸化膜が成長する。その結果、トレンチ素子分離膜の底部下の単結晶Si層23の厚さがdだけ残される。言い換えると、前記SOI基板24の熱酸化条件(熱酸化時間等)は、トレンチ素子分離膜の底部下の単結晶Si層23の厚さがdだけ残るような条件とする。
【0040】
次に、図4(C)に示すように、トレンチ23a,23b内及びマスク膜35上にプラズマCVD法により第2の素子分離用絶縁膜としてのシリコン酸化膜26を堆積する。
【0041】
この後、図4(D)に示すように、マスク膜35を研磨ストッパーとしてシリコン酸化膜26をCMP技術により研磨する。次いで、残っているマスク膜35を選択的に除去する。このようにしてトレンチ内にシリコン酸化膜が埋め込まれ、単結晶Si層23にはパーシャルトレンチ素子分離膜28が形成される。
【0042】
次に、図5に示すように、単結晶Si層23におけるパーシャルトレンチ素子分離膜28で囲まれた領域にP型不純物を導入し、熱処理を施すことにより、該単結晶Si層23にはPウエル27が形成される。次いで、単結晶Si層の表面にゲート酸化膜29を熱酸化法により形成する。次いで、このゲート酸化膜上にゲート電極30を形成する。次いで、このゲート電極30をマスクとして単結晶Si層23にN型不純物を導入し、熱処理を施すことにより、単結晶Si層のLDD領域には低濃度不純物拡散層31が形成される。
【0043】
次いで、ゲート電極30の側壁にサイドウオール32を形成する。次いで、このサイドウオール32及びゲート電極30をマスクとして単結晶Si層23にN+型不純物を導入し、熱処理を施すこれとより、該単結晶Si層23にはソース拡散層33及びドレイン拡散層34が形成される。
【0044】
上記第2の実施の形態によれば、パーシャルトレンチ素子分離膜28の底部下のSOI層23の厚さを図3(B)に示す熱酸化工程により制御している。即ち、トレンチ内に熱酸化法により形成したシリコン酸化膜の厚さを制御することによってパーシャルトレンチの底部下のSOI層の厚さdを制御している。熱酸化法による酸化膜の成長スピードは従来技術の時間制御によるエッチングスピードに比べて遅いため、従来技術に比べてパーシャルトレンチの底部下のSOI層の厚さdを容易に制御でき、該厚さdの精度を向上させることができる。
【0045】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態による半導体装置の製造方法を示す断面図。
【図2】第1の実施の形態による半導体装置の製造方法を示す断面図。
【図3】第2の実施の形態による半導体装置の製造方法を示す断面図。
【図4】第2の実施の形態による半導体装置の製造方法を示す断面図。
【図5】第2の実施の形態による半導体装置の製造方法を示す断面図。
【図6】従来の半導体装置の製造方法を説明する断面図。
【符号の説明】
1…シリコンウエハ、 1a,1b…トレンチ、 2,3…トレンチ素子分離膜、 4…ポリシリコン膜、 5…支持基板、 6…シリコン酸化膜(BOX層)、 7…Pウエル、 8…ゲート酸化膜、 9…ゲート電極、 10…低濃度不純物拡散層、 11…サイドウオール、 12…ソース拡散層、 13…ドレイン拡散層、 21,101…支持基板、 22,102…埋め込み酸化膜(BOX層)、 23,103…単結晶Si層(SOI層)、 23a,23b…トレンチ、 24,104…SOI基板、 25,26…シリコン酸化膜、 27,106…Pウエル、 28,108…パーシャルトレンチ素子分離膜、 29,105…ゲート酸化膜、 30,107…ゲート電極、 31,109…低濃度不純物拡散層、 32,110…サイドウオール、 33,111…ソース拡散層、 34,112…ドレイン拡散層、 35…マスク膜、 103a,103b…パーシャルトレンチ
【発明の属する技術分野】
本発明は、SOI基板の単結晶Si層にパーシャルトレンチ素子分離膜を有する半導体装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、従来の半導体装置の製造方法を説明する断面図である。この半導体装置は、パーシャルトレンチ素子分離膜を有している。
まず、SOI(silicon on insulator)基板104を準備する。SOI基板104は、単結晶シリコンからなる支持基板101と、この支持基板101上に形成された埋め込み酸化膜(BOX層)102と、この埋め込み酸化膜102上に形成された単結晶Si層(SOI層)103と、から構成されている。
【0003】
次いで、単結晶Si層103の表面上に熱酸化法によりシリコン酸化膜(図示せず)を形成し、このシリコン酸化膜の上にCVD(Chemical Vapor Deposition)法により図示せぬシリコン窒化膜(SiN膜)を堆積する。このシリコン窒化膜は後述するCMP(Chemical Mechanical Polishing)時の研磨ストッパーとして作用するものである。次いで、シリコン窒化膜の上にフォトレジスト膜(図示せず)を塗布し、このフォトレジスト膜を露光、現像することにより、シリコン窒化膜上にはパーシャルトレンチ形成領域上が開口されたレジストパターンが形成される。
【0004】
次に、このレジストパターンをマスクとしてシリコン窒化膜及びシリコン酸化膜を選択的にエッチングする。これにより、シリコン窒化膜及びシリコン酸化膜には開口部が形成され、この開口部下の単結晶Si層103の表面が露出する。次いで、レジストパターンを剥離する。この後、シリコン窒化膜をマスクとして単結晶Si層103を選択的に所定の時間だけエッチングすることにより、単結晶Si層103にはパーシャルトレンチ103a,103bが形成される。ここでの所定時間とは、パーシャルトレンチの底部下の単結晶Si層の厚さがdだけ残るようなエッチング時間である。なお、厚さdは数十nmオーダーである。
【0005】
この後、パーシャルトレンチ103a,103b内及びシリコン窒化膜上にプラズマCVD法により素子分離用のシリコン酸化膜を堆積する。次いで、シリコン窒化膜を研磨ストッパーとしてシリコン酸化膜をCMP技術により研磨する。次いで、残っているシリコン窒化膜を選択的に除去し、その後、シリコン酸化膜を選択的にエッチング除去する。このようにしてパーシャルトレンチ103a,103b内にシリコン酸化膜が埋め込まれ、単結晶Si層103にはパーシャルトレンチ素子分離膜108が形成される。
【0006】
次いで、単結晶Si層103におけるパーシャルトレンチ素子分離膜108で囲まれた領域にP型不純物を導入し、熱処理を施すことにより、該単結晶Si層103にはPウエル106が形成される。次いで、単結晶Si層の表面にゲート酸化膜105を熱酸化法により形成する。次いで、このゲート酸化膜上にゲート電極107を形成する。次いで、このゲート電極107をマスクとして単結晶Si層103にN型不純物を導入し、熱処理を施すことにより、単結晶Si層のLDD(Lightly Doped Drain)領域には低濃度不純物拡散層109が形成される。
【0007】
次いで、ゲート電極107の側壁にサイドウオール110を形成する。次いで、このサイドウオール110及びゲート電極107をマスクとして単結晶Si層103にN+型不純物を導入し、熱処理を施すこれとより、該単結晶Si層103にはソース拡散層111及びドレイン拡散層112が形成される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の半導体装置の製造方法では、厚さが100nm程度の薄いSOI層103をエッチング時間の制御により均一な深さのパーシャルトレンチ103a,103bを形成することが困難である。特に、数十nmオーダーの厚さdをSOI層に残すようにエッチング時間を制御してパーシャルトレンチを形成することは困難である。その理由は、SOI層のエッチングスピードが速いため、エッチング時間の制御によってエッチング深さをコントロールすることが非常に難しいからである。
【0009】
本発明は上記のような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、パーシャルトレンチの底部下のSOI層の厚さを容易に制御できる半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板にトレンチを形成する工程と、
前記トレンチ内に素子分離用絶縁膜を埋め込む工程と、
前記素子分離用絶縁膜及び前記半導体基板の上に不純物をドープした所定厚さのポリシリコン膜を形成する工程と、
支持基板を準備する工程と、
前記支持基板の表面を熱酸化することにより、該支持基板上に酸化膜を形成する工程と、
前記酸化膜と前記ポリシリコン膜を張り合わせる工程と、
前記半導体基板の裏面側を前記素子分離用絶縁膜が露出するまで研削する工程と、
を具備することを特徴とする。
【0011】
上記半導体装置の製造方法によれば、半導体基板上に形成するポリシリコン膜の厚さを制御することによってパーシャルトレンチの底部下のSOI層の厚さを制御している。このため、従来技術のエッチング時間を制御する方法に比べてポリシリコン膜の厚さを制御する方が制御性を良くすることができる。したがって、パーシャルトレンチの底部下のSOI層の厚さを容易に制御でき、該厚さの精度を向上させることができる。
【0012】
また、本発明に係る半導体装置の製造方法においては、前記研削する工程の後に、前記半導体基板における前記素子分離用絶縁膜に囲まれた領域に不純物を導入することにより、該領域にウエルを形成する工程と、前記半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、前記ウエル内にソース拡散層及びドレイン拡散層を形成する工程と、をさらに具備することも可能である。
【0013】
また、本発明に係る半導体装置の製造方法においては、前記トレンチを形成する工程は、半導体基板上にシリコン酸化膜を形成し、該シリコン酸化膜上にシリコン窒化膜を形成し、該シリコン窒化膜及び該シリコン酸化膜をエッチングし、該シリコン窒化膜をマスクとして半導体基板をエッチングすることによりトレンチを形成する工程であることが好ましい。
【0014】
また、本発明に係る半導体装置の製造方法においては、前記素子分離用絶縁膜を埋め込む工程は、前記トレンチ内及び前記半導体基板上に素子分離用絶縁膜を形成し、該素子分離用絶縁膜をCMP研磨する工程であることが好ましい。
【0015】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、支持基板と、該支持基板上に形成された絶縁膜と、該絶縁膜上に形成された単結晶Si層と、を有するSOI基板を準備する工程と、
前記単結晶Si層にトレンチを形成する工程と、
前記トレンチ内の単結晶Si層を熱酸化することにより、前記トレンチ内に第1の素子分離用絶縁膜を形成する工程と、
前記トレンチ内に第2の素子分離用絶縁膜を埋め込むことにより、前記第1及び第2の素子分離用絶縁膜からなるパーシャルトレンチ素子分離膜を形成する工程と、
を具備することを特徴とする。
【0016】
上記半導体装置の製造方法によれば、パーシャルトレンチ素子分離膜の底部下の単結晶Si層の厚さを第1の素子分離用絶縁膜を形成する熱酸化工程により制御している。即ち、トレンチ内に熱酸化法により形成した第1の素子分離用絶縁膜の厚さを制御することによってパーシャルトレンチの底部下の単結晶Si層の厚さを制御している。熱酸化法による酸化膜の成長スピードは従来技術の時間制御によるエッチングスピードに比べて遅いため、従来技術に比べてパーシャルトレンチの底部下の単結晶Si層の厚さを容易に制御でき、該厚さの精度を向上させることができる。
【0017】
また、本発明に係る半導体装置の製造方法において、前記第1の素子分離用絶縁膜を形成する工程は、単結晶Si層上にマスク膜を形成し、このマスク膜をマスクとして該単結晶Si層を熱酸化する工程であることも可能である。
【0018】
本発明に係る半導体装置は、支持基板上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜上に形成され、該絶縁膜に張り合わされ、不純物をドープしたポリシリコン膜と、
前記ポリシリコン膜上に形成された単結晶Si層と、
前記単結晶Si層に形成されたパーシャルトレンチ素子分離膜と、
を具備することを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る半導体装置においては、前記単結晶Si層における前記パーシャルトレンチ素子分離膜に囲まれた領域に形成されたウエルと、前記単結晶Si層上に形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、前記ウエル内に形成されたソース拡散層及びドレイン拡散層と、をさらに具備することも可能である。
【0020】
本発明に係る半導体装置は、支持基板と、該支持基板上に形成された絶縁膜と、該絶縁膜上に形成された単結晶Si層と、を有するSOI基板と、
前記単結晶Si層に形成されたトレンチと、
前記トレンチ内に熱酸化により形成された第1の素子分離用絶縁膜と、
前記トレンチ内に埋め込まれた第2の素子分離用絶縁膜と、
を具備し、
前記第1及び第2の素子分離用絶縁膜によってパーシャルトレンチ素子分離膜を構成することを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1及び図2は、本発明に係る第1の実施の形態による半導体装置の製造方法を示す断面図である。この半導体装置の製造方法は、パーシャルトレンチ素子分離膜を形成する工程を有するものである。
【0022】
まず、図1(A)に示すように、半導体基板として例えばリコンウエハ1を準備し、このシリコンウエハ1にトレンチ1a,1bを形成する。このトレンチの形成方法を以下に説明する。
シリコンウエハ1の表面上に熱酸化法により厚さ10〜30nm程度のシリコン酸化膜(図示せず)を形成する。このシリコン酸化膜はシリコンウエハ1上の応力を緩和するための膜である。
【0023】
次いで、このシリコン酸化膜の上にCVD法により厚さ100〜200nm程度の図示せぬシリコン窒化膜(SiN膜)を堆積する。このシリコン窒化膜は後述するCMP時の研磨ストッパーとして作用するものである。次いで、シリコン窒化膜の上にフォトレジスト膜(図示せず)を塗布し、このフォトレジスト膜を露光、現像することにより、シリコン窒化膜上にはトレンチ形成領域の上方が開口されたレジストパターンが形成される。
【0024】
次いで、このレジストパターンをマスクとしてシリコン窒化膜を選択的にエッチング除去した後、シリコン酸化膜を選択的にエッチング除去する。これにより、シリコン窒化膜及びシリコン酸化膜には開口部が形成され、この開口部下のシリコンウエハ1の表面が露出する。その後、レジストパターンを剥離する。
【0025】
次に、シリコン窒化膜をマスクとしてシリコンウエハ1を選択的にエッチングすることにより、シリコンウエハ1には所定の深さのトレンチ1a,1bが形成される。この際のエッチング条件は、Cl2とO2を用いたICP方式の異方性エッチングである。
【0026】
このようにしてトレンチ1a,1bが形成された後、トレンチ1a,1b内にフッ酸処理を施す。このフッ酸処理は、効果的にラウンド酸化工程を行うための処理であり、その条件は、熱酸化膜の膜厚換算で5〜50nmの量を除去する条件の処理であることが望ましい。次いで、トレンチ1a,1bの角部に丸みを形成するためのラウンド酸化工程を行う。即ち、トレンチ1a,1b内に熱酸化法によりシリコン酸化膜(図示せず)を形成する。この際の条件は、900℃〜1200℃、より好ましくは950℃〜1050℃の温度で酸化量が10〜50nmであることが好ましい。また、雰囲気はドライ又はウエットのどちらでも同様な効果が得られる。
【0027】
この後、トレンチ1a,1b内及びシリコン窒化膜上に高密度プラズマCVD法により素子分離用絶縁膜としてのシリコン酸化膜を堆積する。なお、高密度プラズマCVD法とは、例えばSiH4(シラン)とO2(酸素)をベースとした原料ガスをプラズマ密度1011/cm3以上のプラズマで反応させてシリコン酸化膜を堆積させるCVD法である。高密度プラズマCVD法を用いているのは、トレンチ内の底部にカバレージ良くシリコン酸化膜を埋め込むためであるが、高密度プラズマCVD法に限定されるものではなく、カバレージ良く埋め込むことができれば他の方法を用いることも可能である。例えば、TEOS(tetraethylorthosilicate)を用いた減圧CVD法やオゾンとTEOSを用いた常圧CVD法でも良い。
【0028】
この後、前記シリコン窒化膜を研磨ストッパーとして素子分離用のシリコン酸化膜をCMP技術により研磨する。これにより、トレンチ1a,1b内にはトレンチ素子分離膜2,3が形成される。この際、前記シリコン窒化膜は僅かに残される。また、このときのCMP研磨条件は、テーブル回転数が75rpm、トップリング回転数が50rpm、加圧が20kPaであり、研磨クロスは発泡ポリウレタン系を用い、スラリーにはシリカ系を用いることが好ましい。次に、前記シリコン窒化膜を選択的にエッチング除去し、その後、前記シリコン酸化膜を選択的にエッチング除去する。
【0029】
この後、図1(B)に示すように、トレンチ素子分離膜2,3及びシリコンウエハ1の上に、P+型不純物がドープされた所定厚さのポリシリコン膜4をCVD法により堆積させる。なお、所定厚さは、数十nm程度の厚さであることが好ましい。
【0030】
次に、図1(C)に示すように、支持基板用シリコンウエハ5を準備し、この支持基板用シリコンウエハ5の表面を熱酸化することにより、該支持基板用シリコンウエハ5上には絶縁膜(BOX層)としてのシリコン酸化膜6が形成される。次いで、このシリコン酸化膜6と前記ポリシリコン膜4を張り合わせる。この張り合わせの方法は、シリコン酸化膜6とポリシリコン膜4を張り合わせた状態で、加圧しながら加熱することにより、シリコン酸化膜6とポリシリコン膜4を強固に張り合わせる。
【0031】
この後、図2(D)に示すように、裏面研削装置を用いてシリコンウエハ1の裏面をトレンチ素子分離膜2,3が露出するまで研削する。これにより、SOI層(シリコンウエハ)1にはパーシャルトレンチ素子分離膜2,3が形成され、パーシャルトレンチ素子分離膜2,3とシリコン酸化膜6との間には所定厚さのポリシリコン膜4が配置される。
【0032】
次に、図2(E)に示すように、SOI層1におけるパーシャルトレンチ素子分離膜2,3で囲まれた領域にP−型不純物を導入し、熱処理を施すことにより、該SOI層1にはPウエル7が形成される。次いで、SOI層の表面にゲート絶縁膜としてのゲート酸化膜8を熱酸化法により形成する。次いで、このゲート酸化膜上にゲート電極9を形成する。次いで、このゲート電極9をマスクとしてSOI層1にN型不純物を導入し、熱処理を施すことにより、SOI層のLDD領域には低濃度不純物拡散層10が形成される。
【0033】
次いで、ゲート電極9の側壁にサイドウオール11を形成する。次いで、このサイドウオール11及びゲート電極9をマスクとしてSOI層1にN+型不純物を導入し、熱処理を施すこれとより、該SOI層1にはソース拡散層12及びドレイン拡散層13が形成される。
【0034】
上記第1の実施の形態によれば、シリコンウエハ1上に形成したポリシリコン膜4をパーシャルトレンチ素子分離膜の底部のSOI層としている。即ち、シリコンウエハ1上に成膜するポリシリコン膜4の厚さを制御することによってパーシャルトレンチの底部下のSOI層の厚さを制御している。このため、従来技術のエッチング時間を制御する方法に比べてポリシリコン膜4の厚さを制御する方が制御性を良くすることができる。したがって、パーシャルトレンチの底部下のSOI層の厚さを容易に制御でき、該厚さの精度を向上させることができる。
【0035】
また、本実施の形態では、パーシャルトレンチの底部下のSOI層として用いるポリシリコン膜4の抵抗率を成膜時の不純物のドーピング量で制御しているため、所望の抵抗値に設定することも容易である。
【0036】
図3乃至図5は、本発明に係る第2の実施の形態による半導体装置の製造方法を示す断面図である。この半導体装置の製造方法は、パーシャルトレンチ素子分離膜を形成する工程を有するものである。
まず、図3(A)に示すように、SOI基板24を準備する。SOI基板24は、単結晶シリコンからなる支持基板21と、この支持基板21上に形成された埋め込み酸化膜(BOX層)22と、この埋め込み酸化膜22上に形成された厚さ100nmの単結晶Si層(SOI層)23と、から構成されている。
【0037】
次いで、単結晶Si層23の表面上に熱酸化法によりシリコン酸化膜(図示せず)を形成し、このシリコン酸化膜の上にCVD法により図示せぬシリコン窒化膜(SiN膜)を堆積する。次いで、シリコン窒化膜の上にフォトレジスト膜(図示せず)を塗布し、このフォトレジスト膜を露光、現像することにより、シリコン窒化膜上にはパーシャルトレンチ形成領域上が開口されたレジストパターンが形成される。
【0038】
次に、このレジストパターンをマスクとしてシリコン窒化膜及びシリコン酸化膜を選択的にエッチングする。これにより、シリコン窒化膜及びシリコン酸化膜には開口部が形成され、この開口部下の単結晶Si層23の表面が露出する。次いで、レジストパターンを剥離する。この後、シリコン窒化膜をマスクとして単結晶Si層23を選択的に所定の時間だけエッチングすることにより、単結晶Si層23には深さ50nmのトレンチ23a,23bが形成される。ここでのトレンチの深さ及び幅は、後述する熱酸化によって形成されるパーシャルトレンチ素子分離膜の底部下の単結晶Si層23の厚さがdだけ残るような深さ及び幅とする。なお、厚さdは数十nmオーダーである。次いで、シリコン窒化膜を除去し、シリコン酸化膜を除去する。
【0039】
この後、図3(B)に示すように、単結晶Si層23上にシリコン窒化膜などのマスク膜35を形成する。次いで、このマスク膜35をマスクとしてSOI基板24を900℃〜1100℃の炉内で熱酸化する。これにより、トレンチ23a,23b内に第1の素子分離用絶縁膜としてのシリコン酸化膜25が形成され、単結晶Si層23の下から厚さeのシリコン酸化膜が成長する。その結果、トレンチ素子分離膜の底部下の単結晶Si層23の厚さがdだけ残される。言い換えると、前記SOI基板24の熱酸化条件(熱酸化時間等)は、トレンチ素子分離膜の底部下の単結晶Si層23の厚さがdだけ残るような条件とする。
【0040】
次に、図4(C)に示すように、トレンチ23a,23b内及びマスク膜35上にプラズマCVD法により第2の素子分離用絶縁膜としてのシリコン酸化膜26を堆積する。
【0041】
この後、図4(D)に示すように、マスク膜35を研磨ストッパーとしてシリコン酸化膜26をCMP技術により研磨する。次いで、残っているマスク膜35を選択的に除去する。このようにしてトレンチ内にシリコン酸化膜が埋め込まれ、単結晶Si層23にはパーシャルトレンチ素子分離膜28が形成される。
【0042】
次に、図5に示すように、単結晶Si層23におけるパーシャルトレンチ素子分離膜28で囲まれた領域にP型不純物を導入し、熱処理を施すことにより、該単結晶Si層23にはPウエル27が形成される。次いで、単結晶Si層の表面にゲート酸化膜29を熱酸化法により形成する。次いで、このゲート酸化膜上にゲート電極30を形成する。次いで、このゲート電極30をマスクとして単結晶Si層23にN型不純物を導入し、熱処理を施すことにより、単結晶Si層のLDD領域には低濃度不純物拡散層31が形成される。
【0043】
次いで、ゲート電極30の側壁にサイドウオール32を形成する。次いで、このサイドウオール32及びゲート電極30をマスクとして単結晶Si層23にN+型不純物を導入し、熱処理を施すこれとより、該単結晶Si層23にはソース拡散層33及びドレイン拡散層34が形成される。
【0044】
上記第2の実施の形態によれば、パーシャルトレンチ素子分離膜28の底部下のSOI層23の厚さを図3(B)に示す熱酸化工程により制御している。即ち、トレンチ内に熱酸化法により形成したシリコン酸化膜の厚さを制御することによってパーシャルトレンチの底部下のSOI層の厚さdを制御している。熱酸化法による酸化膜の成長スピードは従来技術の時間制御によるエッチングスピードに比べて遅いため、従来技術に比べてパーシャルトレンチの底部下のSOI層の厚さdを容易に制御でき、該厚さdの精度を向上させることができる。
【0045】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態による半導体装置の製造方法を示す断面図。
【図2】第1の実施の形態による半導体装置の製造方法を示す断面図。
【図3】第2の実施の形態による半導体装置の製造方法を示す断面図。
【図4】第2の実施の形態による半導体装置の製造方法を示す断面図。
【図5】第2の実施の形態による半導体装置の製造方法を示す断面図。
【図6】従来の半導体装置の製造方法を説明する断面図。
【符号の説明】
1…シリコンウエハ、 1a,1b…トレンチ、 2,3…トレンチ素子分離膜、 4…ポリシリコン膜、 5…支持基板、 6…シリコン酸化膜(BOX層)、 7…Pウエル、 8…ゲート酸化膜、 9…ゲート電極、 10…低濃度不純物拡散層、 11…サイドウオール、 12…ソース拡散層、 13…ドレイン拡散層、 21,101…支持基板、 22,102…埋め込み酸化膜(BOX層)、 23,103…単結晶Si層(SOI層)、 23a,23b…トレンチ、 24,104…SOI基板、 25,26…シリコン酸化膜、 27,106…Pウエル、 28,108…パーシャルトレンチ素子分離膜、 29,105…ゲート酸化膜、 30,107…ゲート電極、 31,109…低濃度不純物拡散層、 32,110…サイドウオール、 33,111…ソース拡散層、 34,112…ドレイン拡散層、 35…マスク膜、 103a,103b…パーシャルトレンチ
Claims (9)
- 半導体基板にトレンチを形成する工程と、
前記トレンチ内に素子分離用絶縁膜を埋め込む工程と、
前記素子分離用絶縁膜及び前記半導体基板の上に不純物をドープした所定厚さのポリシリコン膜を形成する工程と、
支持基板を準備する工程と、
前記支持基板の表面を熱酸化することにより、該支持基板上に酸化膜を形成する工程と、
前記酸化膜と前記ポリシリコン膜を張り合わせる工程と、
前記半導体基板の裏面側を前記素子分離用絶縁膜が露出するまで研削する工程と、
を具備することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記研削する工程の後に、前記半導体基板における前記素子分離用絶縁膜に囲まれた領域に不純物を導入することにより、該領域にウエルを形成する工程と、前記半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、前記ウエル内にソース拡散層及びドレイン拡散層を形成する工程と、をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記トレンチを形成する工程は、半導体基板上にシリコン酸化膜を形成し、該シリコン酸化膜上にシリコン窒化膜を形成し、該シリコン窒化膜及び該シリコン酸化膜をエッチングし、該シリコン窒化膜をマスクとして半導体基板をエッチングすることによりトレンチを形成する工程であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記素子分離用絶縁膜を埋め込む工程は、前記トレンチ内及び前記半導体基板上に素子分離用絶縁膜を形成し、該素子分離用絶縁膜をCMP研磨する工程であることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
- 支持基板と、該支持基板上に形成された絶縁膜と、該絶縁膜上に形成された単結晶Si層と、を有するSOI基板を準備する工程と、
前記単結晶Si層にトレンチを形成する工程と、
前記トレンチ内の単結晶Si層を熱酸化することにより、前記トレンチ内に第1の素子分離用絶縁膜を形成する工程と、
前記トレンチ内に第2の素子分離用絶縁膜を埋め込むことにより、前記第1及び第2の素子分離用絶縁膜からなるパーシャルトレンチ素子分離膜を形成する工程と、
を具備することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記第1の素子分離用絶縁膜を形成する工程は、単結晶Si層上にマスク膜を形成し、このマスク膜をマスクとして該単結晶Si層を熱酸化する工程であることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
- 支持基板上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜上に形成され、該絶縁膜に張り合わされ、不純物をドープしたポリシリコン膜と、
前記ポリシリコン膜上に形成された単結晶Si層と、
前記単結晶Si層に形成されたパーシャルトレンチ素子分離膜と、
を具備することを特徴とする半導体装置。 - 前記単結晶Si層における前記パーシャルトレンチ素子分離膜に囲まれた領域に形成されたウエルと、前記単結晶Si層上に形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、前記ウエル内に形成されたソース拡散層及びドレイン拡散層と、をさらに具備することを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
- 支持基板と、該支持基板上に形成された絶縁膜と、該絶縁膜上に形成された単結晶Si層と、を有するSOI基板と、
前記単結晶Si層に形成されたトレンチと、
前記トレンチ内に熱酸化により形成された第1の素子分離用絶縁膜と、
前記トレンチ内に埋め込まれた第2の素子分離用絶縁膜と、
を具備し、
前記第1及び第2の素子分離用絶縁膜によってパーシャルトレンチ素子分離膜を構成することを特徴とする半導体装置。
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JP2002300508A JP2004140012A (ja) | 2002-10-15 | 2002-10-15 | 半導体装置及びその製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2005340771A (ja) * | 2004-05-22 | 2005-12-08 | Samsung Sdi Co Ltd | 薄膜トランジスタ、該薄膜トランジスタの製造方法、該薄膜トランジスタを具備した平板表示装置、及び該平板表示装置の製造方法 |
JP2010040754A (ja) * | 2008-08-05 | 2010-02-18 | Toshiba Corp | 半導体装置およびその製造方法 |
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2002
- 2002-10-15 JP JP2002300508A patent/JP2004140012A/ja not_active Withdrawn
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