【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多価チオール化合物及び多価エン化合物からなる活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物及び粘着シートに関するものであり、本発明の組成物は、組成物の保存安定性に優れ、生産性が高く、保持力等の優れた粘着性を有するものであり、粘着剤及び粘着シートを製造・使用する技術分野において賞用され得るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、粘着剤組成物、特にアクリル系溶剤型粘着剤は、保持力を向上させるために、主成分であるアクリル系高分子の分子間を架橋させて用いることが多かった。その分子間の架橋には、常温ですみやかに反応するポリイソシアネート等を用いることが多い。
しかしながら、ポリイソシアネートを使用した粘着剤は、常温ですみやかに反応するために、組成物の保存安定性が不十分であり、二液タイプにして使用することが多く、可使時間に制限があったり、場合によっては使用前に一部架橋が進行し、塗工性を損なうことがあった。又、製造後に、ポリイソシアネートが完全に硬化して目的の物性が発現するまで、1日から1週間程度の養生工程を要するため、すぐに出荷ができず、その結果、生産性が不十分となってしまう問題がある。
又、近年においては、粘着剤が適用される基材として、多種多様なものが使用されるようになり、従来の粘着剤では十分な粘着性能が得られなくなってきている。
一方、近年において、無溶剤型で使用可能な、アクリレートを含むラジカル重合型の紫外線硬化タイプの粘着剤組成物の検討が進められている。しかしながら、当該粘着剤組成物は、空気に触れる表面側は酸素による重合阻害により硬化が不十分になることがあり、生産性が不十分であったり、未硬化の成分がブリードしてきて粘着剤の物性を低下させたり、原料である低分子のアクリレートの皮膚刺激性が問題になることがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、活性エネルギー線照射による硬化性に優れ、得られた硬化膜が粘着力及び保持力等の粘着力に優れ、さらに組成物の保存安定性に優れる粘着剤組成物、及び粘着シートを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
ところで、エン化合物及びチオール化合物を含むラジカル付加型の紫外線硬化タイプの組成物は、接着剤及び封止材等で使用されている。
本発明者らは、当該組成物を粘着剤として使用すれば、空気中の酸素による重合阻害をあまり受けないため、硬化性が速く生産性を上げることができるのではないかとの着想の基、鋭意検討を行った結果、硬化性に優れるうえ、さらに粘着剤としての粘着性能に優れること、及びさらに保存安定性が要求される場合には、リン化合物又は/及びN−ニトロソ化合物を含有する組成物が、その保存安定性に優れたものとなることを見出し、本発明を完成した。
以下、本発明を詳細に説明する。
尚、本明細書においては、アリル基又はメタリル基を(メタ)アリル基と表し、アクリロイル基又は(メタ)アクリロイル基を(メタ)アクリロイル基と表し、アクリレート又はメタクリレートを(メタ)アクリレートと表す。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明は、多価チオール化合物(A)及び多価エン化合物(B)を含有する活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物に関するものである。
以下、各成分について説明する。
【0006】
1.多価チオール化合物 (A)
(A)成分の多価チオール化合物としては、チオール基を2個以上有する化合物であれば種々の化合物が使用できる。具体的には、単純なチオールの他に、チオグリコール酸誘導体及びメルカプトプロピオン酸誘導体等が挙げられる。
単純なチオールとしては、o−,m−又はp−キシレンジチオール等が挙げられる。チオグリコール酸誘導体としては、エチレングリコールビスチオグリコレート、ブタンジオールビスチオグリコレート、ヘキサンジオールビスチオグリコレート等が挙げられる。
メルカプトプロピオン酸誘導体としては、エチレングリコールビスチオプロピオネート、ブタンジオールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート及びトリヒドロキシエチルトリイソシアヌール酸トリスチオプロピオネート等が挙げられる。
【0007】
(A)成分は、2種以上を併用することができる。
(A)成分としては、チオール基を2個有する化合物が、接着力、粘着力及び保持力に優れるため好ましい。
【0008】
2.多価エン化合物 (B)
多価エン化合物としては、エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物であれば種々の化合物が使用できる。例えば、(メタ)アリル基を2個以上有する化合物〔以下(メタ)アリル化合物という〕、(メタ)アクリロイル基を2個以上有する化合物〔以下(メタ)アクリロイル化合物という〕、(メタ)アリル化合物及び(メタ)アクリロイル化合物以外のエチレン性不飽和基を有する化合物〔以下単にビニル化合物という〕、並びにマレイミド化合物等が挙げられる。
【0009】
(メタ)アリル化合物としては、o−,m−又はp−ジ(メタ)アリルフタレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アリルエーテル、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アリルエーテル、トリ(メタ)アリルイソシアヌレート、ジ(メタ)アリルビスフェノールA及びジ(メタ)アリルビスフェノール等が挙げられる。
【0010】
(メタ)アクリロイル化合物としては、(メタ)アクリロイル基を有するモノマー又はオリゴマーを挙げることができる。オリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート及びエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0011】
モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びトリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のグリコールジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリヒドロキシエチルイソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のポリオールのポリ(メタ)アクリレート、並びにこれらポリオールのアルキレンオキサイド付加物のポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0012】
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、ポリオールと有機ポリイソシアネート反応物に対して、さらにヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートを反応させた反応物等が挙げられる。ここで、ポリオールとしては、低分子量ポリオール、ポリエチレングリコール及びポリエステルポリオール等がある。低分子量ポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール及び3−メチル−1,5−ペンタンジオール等が挙げられ、ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール等が挙げられ、ポリエステルポリオールとしては、これら低分子量ポリオール又は/及びポリエーテルポリオールと、アジピン酸、コハク酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びテレフタル酸等の二塩基酸又はその無水物等の酸成分との反応物が挙げられる。有機ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネート等が挙げられる。ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0013】
ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、ポリエステルポリオールと(メタ)アクリル酸との脱水縮合物が挙げられる。ポリエステルポリオールとしては、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール及びトリメチロールプロパン等の低分子量ポリオール、並びにこれらのアルキレンオキシド付加物等のポリオールと、アジピン酸、コハク酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びテレフタル酸等の二塩基酸又はその無水物等の酸成分とからの反応物等が挙げられる。
【0014】
エポキシ(メタ)アクリレートは、エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を付加反応させたもので、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、フェノール又はクレゾールノボラック型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート及びポリエーテルのジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付物等が挙げられる。
【0015】
ビニル化合物としては、トリエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル及びシクロヘキサンジオールジビニルエーテル等のビニルエーテル、並びにジビニルベンゼン等が挙げられる。
【0016】
マレイミド化合物としては、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン、マレイミド基含有アクリル系ポリマー等が挙げられる。
【0017】
以上以外にも、上記多価エン化合物のシクロペンタジエンやフランのディールスアルダー反応生成物が挙げられる。
【0018】
(B)成分は、2種以上を併用することができる。
(B)成分としては、エチレン性不飽和基を2個有する化合物が、接着力、粘着力及び保持力に優れるため好ましい。
【0019】
3.活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物
本発明の組成物は、前記(A)成分及び(B)成分を必須とするものである。
組成物における(A)成分及び(B)成分の割合としては、(A)成分及び(B)成分中のそれぞれチオール基とエチレン性不飽和基のモル換算として、(A)成分中のチオール基1モルに対し、(B)成分中のエチレン性不飽和基が0.2〜20モルであることが好ましい。(B)成分のエチレン性不飽和基が0.2モルに満たない場合、活性エネルギー線照射時の硬化性が不十分となる場合があり、20モルを超える場合、硬化性が不十分となったり、粘着強度が低下する場合がある。
【0020】
本発明の組成物には、活性エネルギー線による硬化を効率よく行うため、又は硬化物の粘着性能を高めるために、光重合開始剤又は/及び光増感剤を添加してもよい。
光重合開始剤としては、ベンゾインとそのアルキルエーテル類、アセトフェノン類、アントラキノン類、チオキサントン類、ケタール類、ベンゾフェノン類及びキサントン類等が挙げられる。光増感剤としては、安息香酸系及びアミン系等の光増感剤が挙げられる。これらは、組み合わせて用いることもできる。
光重合開始剤又は/及び光増感剤の配合割合としては、組成物100質量部に対して0.01〜10質量部が好ましい。
【0021】
本発明の組成物には、そのガラス転移温度を低下させたり、その硬化物の粘着性能を高めるために、粘着付与剤を含有させることもできる。粘着付与剤としては種々のものが使用でき、例えば、ロジン系樹脂やテルペン系樹脂等の天然樹脂及びその誘導体、並びに石油樹脂等の合成樹脂を挙げることができる。
又、本発明の組成物には、用途に応じて消泡剤、増粘剤、潤滑剤、成膜助剤、繊維助剤、洗浄剤、帯電防止剤、均染剤、湿潤剤及びレベリング改良剤等の一般的な添加剤を併用することができる。
本発明の組成物には、後記する無機又は有機リン化合物(C)及びN−ニトロソ化合物(D)を配合することが好ましい。以下それぞれの成分について説明する。
【0022】
3−1 .無機又は有機リン化合物 (C)
本発明の組成物には、組成物の保存安定性を向上させることができるため、(C)成分の無機又は有機リン化合物を配合することが好ましい。
【0023】
無機リン化合物としては、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、リン酸塩、亜リン酸塩及びジ亜リン酸塩等が挙げられる。
【0024】
有機リン化合物としては、ホスフィン化合物、ダイホスフィン化合物、リン酸エステル、ホスフィンオキシド化合物及びホスホニウム塩等が挙げられる。
【0025】
ホスフィン化合物としては、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン及びジフェニルホスフィナスクロリド等が挙げられる。
【0026】
ダイホスフィン化合物としては、1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン及び1,5−4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン等が挙げられる。
【0027】
リン酸エステルとしては、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキシド、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレシル、リン酸トリヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、リン酸ジヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びリン酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
リン酸エステルとしては、組成物の保存安定性が特に優れたものとなるため、下記式(1)又は(2)で表される化合物が好ましい。
【0028】
【化3】
【0029】
但し、式(1)において、R1及びR2は、それぞれ同一であっても異なっていても良い、脂肪族、脂環族若しくは芳香族の炭化水素基であるか、又は一つとなって環状リン酸エステルを形成する脂肪族、脂環族若しくは芳香族の炭化水素基を表す。式(2)において、R3及びR4は、R1及びR2と同様の基を表す。
これら炭化水素基としては、ヘテロ元素を有するものであっても良い。
脂肪族炭化水素基としては、炭素数が20以下のものが好ましく、エチル基、ブチル基及び2−エチルへキシル基等が挙げられる。脂環族炭化水素基としては、シクロヘキシル基、ノルボルニル基及びイソボルニル基等が挙げられる。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基及びトリル基等が挙げられる。
一つとなって環状リン酸エステルを形成する炭化水素基としては、ビフェニル基、トリメチレン基及びテトラメチレン基等が挙げられる。
式(1)の化合物としては、エチルフェニルホスファイト、ブチルフェニルホスファイト及び9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキシド等が挙げられ、特に9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキシドが好ましい。
式(2)の化合物としては、ジエチルホスファイト、ジブチルホスファイト及びジフェニルホスファイトが挙げられる。
【0030】
ホスフィンオキシド化合物としては、トリフェニルホスフィンオキシド、トリブチルホスフィンオキシド、トリシクロヘキシルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド及びビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキシド等が挙げられる。
【0031】
ホスフィンオキシド化合物としては、組成物の保存安定性が特に優れたものとなるため、下記式(3)又は(4)で表される化合物が好ましい。
【0032】
【化4】
【0033】
但し、式(3)において、R5〜R7は、それぞれ同一であっても異なっていても良い、脂肪族、脂環族又は芳香族の炭化水素基を表す。式(4)において、R8〜R10は、R5〜R7と同様の基を表す。
これら炭化水素基としては、ヘテロ元素を有するものであっても良い。
脂肪族炭化水素基としては、炭素数が20以下のものが好ましく、ブチル基、2−エチルへキシル基及び2,4,4−トリメチル−ペンチル基等が挙げられる。脂環族炭化水素基としては、シクロヘキシル基等が挙げられる。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、トリル基及びトリメチルフェニル基、メトキシフェニル基及びジメトキシフェニル基等が挙げられる。
式(3)の化合物としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシドが特に好ましく、式(4)の化合物としては、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキシドが特に好ましい。
【0034】
ホスホニウム塩としては、テトラ−n−ブチルホスフォニウムブロマイド、テトラフェニルホスフォニウムブロマイド、ベンジルトリフェニルホスフォニウムブロマイド、テトラフェニルホスフォニウムテトラフェニルボレート等が挙げられる。
【0035】
(C)成分の好ましい配合割合としては、組成物100質量部に対して0.01〜10質量部が好ましい。この割合が0.01質量部に満たない場合は、保存安定性改善効果が不十分となることがあり、一方10質量部を超える場合、硬化後の粘着剤の耐熱性が劣る場合がある。
(C)成分は、2種以上を併用することもできる。
【0036】
3−2 .N−ニトロソ化合物 (D)
本発明の組成物には、組成物の保存中の安定性を向上させることを目的として、(D)成分のN−ニトロソ化合物を配合することが好ましい。
N−ニトロソ化合物としては、アルミニウムN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン及びN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン等が挙げられる。
(D)成分の好ましい割合としては、組成物100質量部に対して0.0001〜1質量部が好ましい。この割合が0.0001質量部に満たない場合、保存安定性改善効果が不十分となることがあり、一方1質量部を超える場合、組成物の硬化性が低下したり、硬化した粘着剤の耐候性が悪くなる場合がある。
(D)成分は、2種以上を併用することもできる。
【0037】
4.組成物の使用方法
本発明の組成物の使用方法は、従来活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物で行われている方法に従えばよい。
例えば、従来公知のロールコーティング、ダイコーティング又はナイフコーティング等の方法により、本発明の組成物を基材の表面に塗布した後、活性エネルギー線を照射して硬化させる方法が挙げられる。
基材としては、紙、プラスチックフィルム及び金属箔等を挙げることができる。
本発明の組成物の塗工量も、使用する用途に応じて適宜選択すればよいが、好ましい塗工量としては5〜200g/m2であり、より好ましくは10〜100g/m2である。
活性エネルギー線としては、紫外線、X線及び電子線等が挙げられる。紫外線により硬化させる場合に使用できる光源としては、様々なものを使用することができ、例えば高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、無電極放電ランプ又はカーボンアーク灯などが挙げられる。本発明では、安価な装置を使用できることから、紫外線を使用することが好ましい。
【0038】
5.組成物の用途
本発明の組成物の用途としては、優れた保持力を有するため、偏向板、液晶ディスプレイ、光学部品、時計部品、複合材、貼り合せガラス及び複層ガラス等の粘接着用途が挙げられる。
更に、同じ理由から、粘着シートの製造に好適に用いることができる。この基材の材質としては、セロハン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、フッ素樹脂、ポリスチレン、ポリイミド、ポリアセテート、ポリ塩化ビニル、ガラス、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、液晶ポリマー、ポリエーテルサルホン、エチレンビニルアルコール樹脂及びユリア・メラミン樹脂等が挙げられる。
粘着シートの用途としては、粘着ラベル、粘着テープ及び特殊粘着フィルム等が挙げられる。
粘着ラベルの具体例としては、商標ラベル、品質表示ラベル、内容表示ラベル、リターナブルラベル、ネームプレート等の商品表示用、計量ラベル、ハンドラベル、値札・正札等の価格表示用、取扱説明ラベル、検査証ラベル、保証ラベル、改ざん防止用ラベル、配電図ラベル、目盛板ラベル、PL法警告ラベル等の説明・保証用、ステッカー(ウインドー用、車輌用、店頭用等)、マーク・装飾用ラベル、スタンプ、シール、ワッペン、ポスター、多層ラベル等の宣伝・販促用、帳票ラベル、電算機用ラベル、POS用ラベル、工程・在庫管理ラベル等の管理用、両面・片面荷札ラベル、宛名ラベル、宅配用伝票ラベル等の荷札・宛名用、封緘用シール、キャップシール等の封緘用、案内標識ラベル、交通標識ラベル、施設標識ラベル等の案内・標識用、トイレタリー関連ラベル、家電用ラベル、OA機器用ラベル等のリサイクル用、その他インデックスラベル(文具用、ビデオカセット用、フレキシブルディスク用等)用、カラーサンプルラベル用、玩具(シール)用、教材用、結露の可能性のある製品にラベルを貼る用途等等が挙げられる。
粘着テープの具体例としては、ネームプレートテープ、金属建材用テープ、自動車用テープ等の表面保護用、半導体製造工程用テープ、電子部品の搬送用テープ、保護・マスキング用テープ、固定・接着用テープ、電気絶縁用テープ、結束・補修用テープ、導電性テープ等の電気・電子機器用、EPS(発泡ポリスチレンビーズ融着製品)ケース類への表示・封緘用、塗装マスキングテープ、養生マスキングテープ等の一般マスキング用、段ボール包装テープ等の封緘・包装用、事務用、その他自動車装飾用テープ、写真製版用テープ、スプライシングテープ等の用途、両面テープ、セロハンテープ・OPPテープ等の一般的な結束・固定用途等が挙げられる。
特殊粘着フィルムの具体例としては、屋外広告フィルム、自動車用ストライプ、マーキングフィルム等の屋外耐久用、ポスター、インテリアフィルム、内装材等の一般壁装用、エレベーター内装フィルム、カウンター装飾フィルム、家具装飾フィルム、車輌内装フィルム、自販機装飾フィルム、キャッシュコーナー装飾フィルム、テーブル装飾フィルム等の内装化粧用、ウインドディスプレイフィルム、ステッカー、マーキングフィルム等の短期装飾用、屋外耐久性フィルム等の内照看板用、建物用日射遮蔽及び飛散防止フィルム用、保安用反射フィルム(自動車用、靴用、ヘルメット用等)用及び自動車用等に水又は石鹸水で濡らしながら貼るウィンドウフィルムとしての用途、並びにその他、プリズム、ホログラムフィルム、畜光フィルム及び発光フィルム等が挙げられる。
【0039】
【実施例】
以下、本発明の一実施形態としての実施例、及び比較例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。尚、以下において「部」とは質量部を、「%」とは質量%を意味する。
【0040】
○実施例1〜5
下記表1に示す成分を、常法に従い室温で攪拌し、完全に溶解させ、活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物を製造した。
得られた組成物を使用して、以下に示す方法に従い、保存安定性試験を行った。又、得られた組成物を使用して、以下に示す方法に従い、粘着力、保持力及びタックを評価した。それらの結果を表2に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
表1における略号は、以下の意味を示す。
・p−DAP:p−ジアリルフタレート〔ダイソー(株)製〕
・o−DAP:o−ジアリルフタレート〔ダイソー(株)製〕
・T−20:トリメチロールプロパンジアリレート〔ダイソー(株)製〕
・TAIC:トリアリルトリイソシアヌレート〔日本化成(株)製商品名TAIC〕
・BDTP:ブタンジオールビスチオプロピオネート〔淀化学(株)製〕
・THEIC−BMPA:トリヒドロキシイエチルイソシアヌレートトリスチオプロピオネート〔淀化学(株)製〕
・Q−1301:アルミニウムN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン〔和光純薬(株)製〕
・DC1173:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン〔チバスペシャルティーケミカルズ社製〕
・Irg651:2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン〔チバスペシャルティーケミカルズ社製〕
【0043】
○評価方法
1)試験用粘着フィルムの作成
厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に、粘着剤層の厚さが20μmになるように組成物を塗布した。
つづいて、80W/cm集光型高圧水銀灯(1灯、高さ10cm)下を8m/minのコンベアスピードで1パス通過することにより、組成物を塗工した側から紫外線を照射し、粘着フィルム(以下試験フィルムという)を作成した。(365nmの波長で測定したUV照射量は、100mJ/cm2であった)
以下の項目の評価には、本方法で作成した試験フィルムを使用した。
【0044】
2)粘着力
上記試験フィルム及び被着体としてステンレス板を用い、23℃、65%RHの条件において、JIS Z−0237に準じて180度剥離強度を測定し、粘着力とした。
【0045】
3)保持力
上記試験フィルムを、ステンレス板に接着面積が25mm×25mmとなるように貼付け、40℃にて1kgの荷重をかけて剥がれ落ちるまでの時間を測定し、その保持時間を保持力とした。
【0046】
4)タック
上記試験フィルムを用い、JIS Z−0237の球転法に準じて23℃、65%RHの雰囲気下で測定した。
【0047】
5)保存安定性
以下の温度条件において、得られた組成物を24時間暗所にて保存した後の状態を目視観察し、評価した。
◎:70℃で変化無し
○:50℃で変化無しだが、70℃では増粘又はゲル化
△:室温(20〜25℃)で変化無しだが、70℃では増粘又はゲル化
×:室温(20−25℃)で増粘あるいはゲル化
【0048】
【表2】
【0049】
○実施例6〜9
下記表3に示す成分を使用した以外は、実施例1〜5と同様の方法で活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物を製造した。
得られた組成物を使用して、実施例1〜5と同様の方法で評価を行った。それらの結果を表4に示す。
【0050】
【表3】
【0051】
表2における略号は、以下以外は表1と同様の意味を示す。
・EGTP:エチレングリコールビスチオプロピオネート〔淀化学(株)製〕
・TPP:トリフェニルホスフィン〔東京化成(株)製〕
・HCA:9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキシド〔三光化学(株)製〕
・Irg819:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド〔チバスペシャルティーケミカルズ社製〕
【0052】
【表4】
【0053】
○比較例1〜3
下記表5に示す成分を使用した以外は、実施例1〜5と同様の方法で活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物を製造した。
得られた組成物を使用して、実施例1〜5と同様の方法で評価を行った。それらの結果を表6に示す。
【0054】
【表5】
【0055】
表5における略号は、以下以外は表1及び表2と同様の意味を示す。
・M1310:アクリロイル基を2個有するウレタンアクリレート〔東亞合成(株)製アロニックスM1310〕
・M113:ノニルフェノールエチレンキシド4モル変性アクリレート〔東亞合成(株)製アロニックスM113〕
・M120:2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート〔東亞合成(株)製アロニックスM120〕
・V−190:エトキシエトキシエチルアクリレート〔大阪有機化学工業(株)製〕
【0056】
【表6】
【0057】
【発明の効果】
本発明の粘着剤組成物は、少ない活性エネルギー線照射で硬化するため生産性が高く、優れた粘着力及び保持力を有し、組成物の保存安定性に優れた粘着剤を与える。したがって本発明の組成物は、特に高い生産性が求められる粘着シート等の製造の用途に極めて好適である。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an active energy ray-curable pressure-sensitive adhesive composition and a pressure-sensitive adhesive sheet comprising a polyvalent thiol compound and a polyvalent ene compound, and the composition of the present invention is excellent in storage stability of the composition and productivity. And has excellent tackiness such as holding power, and can be awarded in the technical field of producing and using pressure-sensitive adhesives and pressure-sensitive adhesive sheets.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, pressure-sensitive adhesive compositions, particularly acrylic solvent-based pressure-sensitive adhesives, have often been used by cross-linking between molecules of an acrylic polymer as a main component in order to improve holding power. For the crosslinking between the molecules, a polyisocyanate or the like which reacts promptly at room temperature is often used.
However, pressure-sensitive adhesives using polyisocyanates react promptly at room temperature, so that the storage stability of the composition is insufficient, and they are often used in a two-pack type, and the pot life is limited. In some cases, cross-linking partially progressed before use, possibly impairing coatability. Also, after the production, a curing process of about 1 day to 1 week is required until the polyisocyanate is completely cured and the desired physical properties are developed, so that it cannot be shipped immediately, resulting in insufficient productivity. There is a problem.
In recent years, a variety of substrates have been used as a substrate to which the pressure-sensitive adhesive is applied, and a sufficient pressure-sensitive adhesive performance cannot be obtained with a conventional pressure-sensitive adhesive.
On the other hand, in recent years, studies have been made on a radical polymerization type ultraviolet curable pressure-sensitive adhesive composition containing acrylate, which can be used in a solventless type. However, the pressure-sensitive adhesive composition may be insufficiently cured due to polymerization inhibition by oxygen on the surface side that comes into contact with air, or the productivity may be insufficient, or the uncured component may bleed and the pressure-sensitive adhesive may be damaged. In some cases, physical properties are reduced, and skin irritation of low-molecular-weight acrylate as a raw material becomes a problem.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention provides an adhesive composition having excellent curability by irradiation with active energy rays, an obtained cured film having excellent adhesive strength such as adhesive strength and holding power, and further having excellent storage stability of the composition, and an adhesive sheet. The purpose is to provide.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
Incidentally, a radical addition type ultraviolet curable composition containing an ene compound and a thiol compound is used for an adhesive, a sealing material, and the like.
The present inventors, based on the idea that if the composition is used as a pressure-sensitive adhesive, the polymerization is not significantly affected by oxygen in the air, so that the curability can be increased and the productivity can be increased. As a result of intensive studies, it has been found that the composition contains not only excellent curability, but also excellent adhesive performance as an adhesive, and further contains a phosphorus compound or / and an N-nitroso compound when storage stability is required. The product was found to have excellent storage stability, and the present invention was completed.
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
In this specification, an allyl group or a methallyl group is represented as a (meth) allyl group, an acryloyl group or a (meth) acryloyl group is represented as a (meth) acryloyl group, and an acrylate or methacrylate is represented as a (meth) acrylate.
[0005]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The present invention relates to an active energy ray-curable pressure-sensitive adhesive composition containing a polyvalent thiol compound (A) and a polyvalent ene compound (B).
Hereinafter, each component will be described.
[0006]
1. Polyvalent thiol compound (A)
As the polyvalent thiol compound of the component (A), various compounds can be used as long as they have two or more thiol groups. Specific examples include thioglycolic acid derivatives and mercaptopropionic acid derivatives in addition to simple thiols.
Simple thiols include o-, m- or p-xylenedithiol. Examples of the thioglycolic acid derivative include ethylene glycol bisthioglycolate, butanediol bisthioglycolate, and hexanediol bisthioglycolate.
Mercaptopropionic acid derivatives include ethylene glycol bisthiopropionate, butanediol bisthiopropionate, trimethylolpropane tristhiopropionate, pentaerythritol tetrakisthiopropionate and trihydroxyethyltriisocyanurate tristhiopronate. Pionate and the like.
[0007]
As the component (A), two or more types can be used in combination.
As the component (A), a compound having two thiol groups is preferable because it has excellent adhesive strength, adhesive strength, and holding power.
[0008]
2. Polyvalent ene compound (B)
As the polyvalent ene compound, various compounds can be used as long as they have two or more ethylenically unsaturated groups. For example, a compound having two or more (meth) allyl groups (hereinafter referred to as a (meth) allyl compound), a compound having two or more (meth) acryloyl groups [hereinafter referred to as a (meth) acryloyl compound], a (meth) allyl compound, Compounds having an ethylenically unsaturated group other than (meth) acryloyl compounds (hereinafter, simply referred to as vinyl compounds), maleimide compounds and the like can be mentioned.
[0009]
As the (meth) allyl compound, o-, m- or p-di (meth) allyl phthalate, trimethylolpropanedi (meth) allyl ether, pentaerythritol tri (meth) allyl ether, tri (meth) allyl isocyanurate, Di (meth) allylbisphenol A and di (meth) allylbisphenol are exemplified.
[0010]
Examples of the (meth) acryloyl compound include a monomer or oligomer having a (meth) acryloyl group. Examples of the oligomer include urethane (meth) acrylate, polyester (meth) acrylate, and epoxy (meth) acrylate.
[0011]
Monomers include glycol di (meth) acrylates such as ethylene glycol di (meth) acrylate, tetraethylene glycol di (meth) acrylate and tripropylene glycol di (meth) acrylate; trimethylolpropane tri (meth) acrylate, trihydroxyethyl Poly (meth) acrylates of polyols such as isocyanurate tri (meth) acrylate, pentaerythritol tri (meth) acrylate, pentaerythritol tetra (meth) acrylate and dipentaerythritol hexaacrylate, and poly (alkylene oxide adducts of these polyols) (Meth) acrylate and the like.
[0012]
Examples of the urethane (meth) acrylate oligomer include a reaction product obtained by further reacting a hydroxyl group-containing (meth) acrylate with a polyol and an organic polyisocyanate reaction product. Here, examples of the polyol include a low molecular weight polyol, polyethylene glycol, and polyester polyol. Examples of the low molecular weight polyol include ethylene glycol, propylene glycol, cyclohexane dimethanol, and 3-methyl-1,5-pentanediol. Examples of the polyether polyol include polyethylene glycol and polypropylene glycol. Is a reaction product of these low molecular weight polyols and / or polyether polyols with an acid component such as dibasic acid such as adipic acid, succinic acid, phthalic acid, hexahydrophthalic acid and terephthalic acid or anhydride thereof. . Examples of the organic polyisocyanate include tolylene diisocyanate, 4,4'-diphenylmethane diisocyanate, 4,4'-dicyclohexylmethane diisocyanate, hexamethylene diisocyanate, and isophorone diisocyanate. Examples of the hydroxyl group-containing (meth) acrylate include hydroxyalkyl (meth) acrylates such as 2-hydroxyethyl (meth) acrylate and 2-hydroxypropyl (meth) acrylate.
[0013]
Examples of the polyester (meth) acrylate oligomer include a dehydration condensate of a polyester polyol and (meth) acrylic acid. Examples of the polyester polyol include low molecular weight polyols such as ethylene glycol, polyethylene glycol, cyclohexanedimethanol, 3-methyl-1,5-pentanediol, propylene glycol, polypropylene glycol, 1,6-hexanediol, and trimethylolpropane; And a reaction product of a polyol such as an alkylene oxide adduct with a dibasic acid such as adipic acid, succinic acid, phthalic acid, hexahydrophthalic acid and terephthalic acid or an acid component such as an anhydride thereof.
[0014]
Epoxy (meth) acrylate is obtained by adding (meth) acrylic acid to an epoxy resin and reacting (meth) acrylate of bisphenol A type epoxy resin, (meth) acrylate of phenol or cresol novolak type epoxy resin and polyether of (meth) acrylate. Examples include diglycidyl ether with (meth) acrylic acid.
[0015]
Examples of the vinyl compound include vinyl ethers such as triethylene glycol divinyl ether, cyclohexane dimethanol divinyl ether and cyclohexanediol divinyl ether, and divinylbenzene.
[0016]
Examples of the maleimide compound include bis (4-maleimidophenyl) methane, a maleimide group-containing acrylic polymer, and the like.
[0017]
In addition to the above, Diels-Alder reaction products of the above-mentioned polyvalent ene compounds such as cyclopentadiene and furan are exemplified.
[0018]
As the component (B), two or more types can be used in combination.
As the component (B), a compound having two ethylenically unsaturated groups is preferable because it has excellent adhesive strength, tackiness and holding power.
[0019]
3. Active energy ray-curable pressure-sensitive adhesive composition The composition of the present invention essentially comprises the components (A) and (B).
The proportions of the component (A) and the component (B) in the composition are as follows. The thiol group in the component (A) and the thiol group in the component (B) are converted into moles of the ethylenically unsaturated group. It is preferable that the amount of the ethylenically unsaturated group in the component (B) is 0.2 to 20 mol per 1 mol. When the amount of the ethylenically unsaturated group of the component (B) is less than 0.2 mol, the curability upon irradiation with active energy rays may be insufficient. When the amount exceeds 20 mol, the curability becomes insufficient. Or the adhesive strength may be reduced.
[0020]
A photopolymerization initiator and / or a photosensitizer may be added to the composition of the present invention in order to efficiently perform curing by active energy rays or to enhance the adhesive performance of the cured product.
Examples of the photopolymerization initiator include benzoin and its alkyl ethers, acetophenones, anthraquinones, thioxanthones, ketals, benzophenones, and xanthones. Examples of the photosensitizer include benzoic acid-based and amine-based photosensitizers. These can be used in combination.
The mixing ratio of the photopolymerization initiator and / or the photosensitizer is preferably 0.01 to 10 parts by mass with respect to 100 parts by mass of the composition.
[0021]
The composition of the present invention may contain a tackifier in order to lower its glass transition temperature or enhance the adhesive performance of the cured product. Various types of tackifiers can be used, and examples thereof include natural resins such as rosin resins and terpene resins and derivatives thereof, and synthetic resins such as petroleum resins.
Further, the composition of the present invention may contain an antifoaming agent, a thickening agent, a lubricant, a film-forming auxiliary, a fiber auxiliary, a cleaning agent, an antistatic agent, a leveling agent, a wetting agent and a leveling improvement depending on the use. Common additives such as agents can be used in combination.
The composition of the present invention preferably contains an inorganic or organic phosphorus compound (C) and an N-nitroso compound (D) described below. Hereinafter, each component will be described.
[0022]
3-1 . Inorganic or organic phosphorus compound (C)
Since the storage stability of the composition can be improved, the composition of the present invention preferably contains an inorganic or organic phosphorus compound as the component (C).
[0023]
Examples of the inorganic phosphorus compound include phosphoric acid, phosphorous acid, hypophosphorous acid, phosphate, phosphite, and diphosphite.
[0024]
Examples of the organic phosphorus compound include a phosphine compound, a diphosphine compound, a phosphoric ester, a phosphine oxide compound, and a phosphonium salt.
[0025]
Examples of the phosphine compound include triphenylphosphine, tributylphosphine, tricyclohexylphosphine, and diphenylphosphinas chloride.
[0026]
Examples of the diphosphine compound include 1,1-bis (diphenylphosphino) methane, 1,4-bis (diphenylphosphino) butane, and 1,5-4-bis (diphenylphosphino) pentane.
[0027]
Examples of the phosphate ester include 9,10-dihydro-9-oxa-10-phosphaphenanthrene-10-oxide, triphenyl phosphate, tricresyl phosphate, trihydroxyethyl phosphate (meth) acrylate, and dihydroxy phosphate. Ethyl (meth) acrylate and monohydroxyethyl phosphate (meth) acrylate are exemplified.
As the phosphoric acid ester, a compound represented by the following formula (1) or (2) is preferable since the storage stability of the composition becomes particularly excellent.
[0028]
Embedded image
[0029]
However, in the formula (1), R 1 and R 2 may be the same or different and each is an aliphatic, alicyclic or aromatic hydrocarbon group, or is a single cyclic group. It represents an aliphatic, alicyclic or aromatic hydrocarbon group forming a phosphate ester. In the formula (2), R 3 and R 4 represent the same groups as R 1 and R 2 .
These hydrocarbon groups may have a hetero element.
As the aliphatic hydrocarbon group, those having 20 or less carbon atoms are preferable, and examples thereof include an ethyl group, a butyl group, and a 2-ethylhexyl group. Examples of the alicyclic hydrocarbon group include a cyclohexyl group, a norbornyl group, and an isobornyl group. Examples of the aromatic hydrocarbon group include a phenyl group, a naphthyl group, a biphenyl group and a tolyl group.
Examples of the hydrocarbon group which together form a cyclic phosphate include a biphenyl group, a trimethylene group, and a tetramethylene group.
Examples of the compound of the formula (1) include ethylphenyl phosphite, butylphenyl phosphite, 9,10-dihydro-9-oxa-10-phosphaphenanthrene-10-oxide and the like, particularly 9,10- Dihydro-9-oxa-10-phosphaphenanthrene-10-oxide is preferred.
Compounds of formula (2) include diethyl phosphite, dibutyl phosphite and diphenyl phosphite.
[0030]
Examples of the phosphine oxide compound include triphenylphosphine oxide, tributylphosphine oxide, tricyclohexylphosphine oxide, 2,4,6-trimethylbenzoyldiphenylphosphine oxide, bis (2,4,6-trimethylbenzoyl) -phenylphosphine oxide and bis ( 2,6-dimethoxybenzoyl) -2,4,4-trimethyl-pentylphosphine oxide.
[0031]
As the phosphine oxide compound, a compound represented by the following formula (3) or (4) is preferable since the storage stability of the composition becomes particularly excellent.
[0032]
Embedded image
[0033]
However, in the formula (3), R 5 to R 7 each represent an aliphatic, alicyclic or aromatic hydrocarbon group which may be the same or different. In Formula (4), R 8 to R 10 represent the same groups as R 5 to R 7 .
These hydrocarbon groups may have a hetero element.
As the aliphatic hydrocarbon group, those having 20 or less carbon atoms are preferable, and examples thereof include a butyl group, a 2-ethylhexyl group, and a 2,4,4-trimethyl-pentyl group. Examples of the alicyclic hydrocarbon group include a cyclohexyl group. Examples of the aromatic hydrocarbon group include a phenyl group, a naphthyl group, a biphenyl group, a tolyl group and a trimethylphenyl group, a methoxyphenyl group and a dimethoxyphenyl group.
As the compound of the formula (3), 2,4,6-trimethylbenzoyldiphenylphosphine oxide and bis (2,4,6-trimethylbenzoyl) -phenylphosphine oxide are particularly preferred. (2,6-Dimethoxybenzoyl) -2,4,4-trimethyl-pentylphosphine oxide is particularly preferred.
[0034]
Examples of the phosphonium salt include tetra-n-butylphosphonium bromide, tetraphenylphosphonium bromide, benzyltriphenylphosphonium bromide, tetraphenylphosphonium tetraphenylborate and the like.
[0035]
(C) As a preferable compounding ratio of a component, 0.01-10 mass parts is preferable with respect to 100 mass parts of compositions. When this proportion is less than 0.01 part by mass, the storage stability improving effect may be insufficient, while when it exceeds 10 parts by mass, the heat resistance of the cured adhesive may be poor.
As the component (C), two or more types can be used in combination.
[0036]
3-2 . N-nitroso compound (D)
The composition of the present invention preferably contains an N-nitroso compound as the component (D) for the purpose of improving the stability of the composition during storage.
Examples of the N-nitroso compound include aluminum N-nitrosophenylhydroxylamine and N-nitrosophenylhydroxylamine.
The preferable ratio of the component (D) is preferably 0.0001 to 1 part by mass with respect to 100 parts by mass of the composition. If this proportion is less than 0.0001 parts by mass, the storage stability improving effect may be insufficient, while if it exceeds 1 part by mass, the curability of the composition may be reduced or The weather resistance may be deteriorated.
As the component (D), two or more types can be used in combination.
[0037]
4. Method for using the composition The method for using the composition of the present invention may be in accordance with a method conventionally used for an active energy ray-curable pressure-sensitive adhesive composition.
For example, a method of applying the composition of the present invention to the surface of a substrate by a conventionally known method such as roll coating, die coating or knife coating, and then irradiating with an active energy ray to cure the composition is used.
Examples of the substrate include paper, plastic film, and metal foil.
The coating amount of the composition of the present invention may be appropriately selected according to the intended use, but the preferable coating amount is 5 to 200 g / m 2 , and more preferably 10 to 100 g / m 2 . .
The active energy rays include ultraviolet rays, X-rays, and electron beams. Various light sources can be used as a light source that can be used for curing with ultraviolet light, and examples thereof include a high-pressure mercury lamp, a metal halide lamp, a xenon lamp, an electrodeless discharge lamp, and a carbon arc lamp. In the present invention, it is preferable to use ultraviolet rays because an inexpensive device can be used.
[0038]
5. Uses of the compositionAs the use of the composition of the present invention, it has excellent holding power, so that it can be used as a polarizing plate, a liquid crystal display, an optical component, a watch component, a composite material, a laminated glass, a double glazing, and the like. Adhesive applications.
Furthermore, for the same reason, it can be suitably used for the production of an adhesive sheet. As the material of the base material, cellophane, polypropylene, polyethylene, polyester, fluororesin, polystyrene, polyimide, polyacetate, polyvinyl chloride, glass, acrylic resin, methacrylic resin, polycarbonate, polyethylene terephthalate, polyethylene naphthalate, liquid crystal polymer, Polyether sulfone, ethylene vinyl alcohol resin, urea melamine resin and the like can be mentioned.
Applications of the pressure-sensitive adhesive sheet include a pressure-sensitive adhesive label, a pressure-sensitive adhesive tape, a special pressure-sensitive adhesive film, and the like.
Specific examples of adhesive labels include trademark labels, quality labels, content labels, returnable labels, product labels such as nameplates, weighing labels, hand labels, price labels such as price tags and regular tags, instruction labels, and inspections. Certificates, warranty labels, tampering prevention labels, power distribution diagram labels, scale plate labels, PL law warning labels, etc. for explanations and warranties, stickers (for windows, vehicles, stores, etc.), marks / decorative labels, stamps , Seals, patches, posters, multi-layer labels, etc. for advertising and sales promotion, form labels, computer labels, POS labels, process / inventory management labels, etc., double-sided / single-sided tag labels, address labels, delivery slips Labels for labels and addresses, seals for sealing, sealing for caps, etc., guide sign labels, traffic sign labels, facility sign labels, etc. For inside / signs, toiletry-related labels, home appliance labels, OA equipment labels, and other index labels (for stationery, video cassettes, flexible discs, etc.), color sample labels, and toys (stickers) , For teaching materials, and for labeling products with a possibility of condensation.
Specific examples of adhesive tapes include name plate tapes, tapes for metal building materials, tapes for automobiles, surface protection, semiconductor manufacturing process tapes, electronic component transport tapes, protection / masking tapes, fixing / adhesive tapes. , Electrical insulation tapes, bundling / repair tapes, conductive tapes, etc. for electrical and electronic equipment, display and sealing on EPS (foamed polystyrene bead fused products) cases, painting masking tape, curing masking tape, etc. General masking, sealing and packaging such as corrugated cardboard tape, office use, other automotive decoration tape, photoengraving tape, splicing tape, etc., general bundling and fixing of double-sided tape, cellophane tape, OPP tape, etc. Applications and the like.
Specific examples of the special adhesive film include outdoor advertising films, automotive stripes, outdoor durables such as marking films, posters, interior films, general wall materials such as interior materials, elevator interior films, counter decoration films, furniture decoration films, and the like. For interior decoration such as vehicle interior film, vending machine decoration film, cash corner decoration film, table decoration film, etc., for short-term decoration such as wind display film, sticker, marking film, etc., for interior signage such as outdoor durable film, etc., solar shading for buildings For use as shatterproof films, reflective films for security (for automobiles, shoes, helmets, etc.), and as window films to be attached to automobiles while wetting with water or soapy water, as well as prisms, hologram films, and luminous lights fill And emission films.
[0039]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to Examples and Comparative Examples as one embodiment of the present invention. In the following, "parts" means parts by mass, and "%" means mass%.
[0040]
○ Examples 1 to 5
The components shown in Table 1 below were stirred at room temperature according to a conventional method and completely dissolved to produce an active energy ray-curable pressure-sensitive adhesive composition.
Using the obtained composition, a storage stability test was performed according to the method described below. Further, using the obtained composition, adhesive strength, holding power and tack were evaluated in accordance with the following methods. Table 2 shows the results.
[0041]
[Table 1]
[0042]
The abbreviations in Table 1 have the following meanings.
-P-DAP: p-diallyl phthalate [manufactured by Daiso Corporation]
O-DAP: o-diallyl phthalate [manufactured by Daiso Corporation]
・ T-20: Trimethylolpropane diallylate [Daiso Co., Ltd.]
TAIC: triallyl triisocyanurate [TAIC manufactured by Nippon Kasei Co., Ltd.]
-BDTP: butanediol bisthiopropionate [manufactured by Yodo Chemical Co., Ltd.]
-THEIC-BMPA: trihydroxyethyl isocyanurate tristhiopropionate [manufactured by Yodo Chemical Co., Ltd.]
* Q-1301: Aluminum N-nitrosophenylhydroxylamine [manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.]
DC 1173: 2-hydroxy-2-methyl-1-phenyl-propan-1-one [manufactured by Ciba Specialty Chemicals]
Irg651: 2,2-dimethoxy-1,2-diphenylethan-1-one [manufactured by Ciba Specialty Chemicals]
[0043]
Evaluation method 1) Preparation of test adhesive film A composition was applied to the surface of a 25 µm thick polyethylene terephthalate film so that the thickness of the adhesive layer was 20 µm.
Subsequently, by passing one pass under a condensing high-pressure mercury lamp of 80 W / cm (one lamp, height: 10 cm) at a conveyor speed of 8 m / min, the composition was irradiated with ultraviolet light from the side coated with the adhesive film. (Hereinafter referred to as a test film). (The UV dose measured at a wavelength of 365 nm was 100 mJ / cm 2 )
A test film prepared by this method was used for evaluation of the following items.
[0044]
2) Adhesive Strength A 180 ° peel strength was measured according to JIS Z-0237 under the conditions of 23 ° C. and 65% RH using a stainless steel plate as the test film and the adherend.
[0045]
3) Holding force The above test film was attached to a stainless steel plate so that the adhesion area was 25 mm × 25 mm, and the time until the film was peeled off under a load of 1 kg at 40 ° C. was measured. did.
[0046]
4) Tack Using the above test film, it was measured in an atmosphere of 23 ° C. and 65% RH according to the ball rolling method of JIS Z-0237.
[0047]
5) Storage stability Under the following temperature conditions, the state of the obtained composition after storage in a dark place for 24 hours was visually observed and evaluated.
◎: No change at 70 ° C. ○: No change at 50 ° C., but thickening or gelling at 70 ° C .: No change at room temperature (20 to 25 ° C.), but thickening or gelling at 70 ° C. X: Room temperature ( (20-25 ° C.) to thicken or gel.
[Table 2]
[0049]
○ Examples 6 to 9
An active energy ray-curable pressure-sensitive adhesive composition was produced in the same manner as in Examples 1 to 5, except that the components shown in Table 3 below were used.
Using the obtained composition, evaluation was performed in the same manner as in Examples 1 to 5. Table 4 shows the results.
[0050]
[Table 3]
[0051]
The abbreviations in Table 2 have the same meanings as in Table 1 except for the following.
EGTP: ethylene glycol bisthiopropionate [Yodo Chemical Co., Ltd.]
・ TPP: triphenylphosphine [Tokyo Kasei Co., Ltd.]
HCA: 9,10-dihydro-9-oxa-10-phosphaphenanthrene-10-oxide [manufactured by Sanko Chemical Co., Ltd.]
Irg819: bis (2,4,6-trimethylbenzoyl) -phenylphosphine oxide [manufactured by Ciba Specialty Chemicals]
[0052]
[Table 4]
[0053]
○ Comparative Examples 1-3
An active energy ray-curable pressure-sensitive adhesive composition was produced in the same manner as in Examples 1 to 5, except that the components shown in Table 5 below were used.
Using the obtained composition, evaluation was performed in the same manner as in Examples 1 to 5. Table 6 shows the results.
[0054]
[Table 5]
[0055]
The abbreviations in Table 5 have the same meanings as in Tables 1 and 2, except for the following.
M1310: Urethane acrylate having two acryloyl groups [Aronix M1310 manufactured by Toagosei Co., Ltd.]
-M113: Nonylphenol ethylene oxide 4 mol modified acrylate [Alonix M113 manufactured by Toagosei Co., Ltd.]
-M120: 2-ethylhexyl carbitol acrylate [Aronix M120 manufactured by Toagosei Co., Ltd.]
V-190: ethoxyethoxyethyl acrylate [manufactured by Osaka Organic Chemical Industry Co., Ltd.]
[0056]
[Table 6]
[0057]
【The invention's effect】
The pressure-sensitive adhesive composition of the present invention can be cured by irradiation with a small amount of active energy rays, has high productivity, has excellent adhesive strength and holding power, and provides a pressure-sensitive adhesive excellent in storage stability of the composition. Therefore, the composition of the present invention is extremely suitable for use in the production of pressure-sensitive adhesive sheets and the like that require particularly high productivity.