【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、電子部品や半導体(LSI、IC)の実装やパッケージ材料、あるいは、液晶ディスプレイ(LCD)、半導体や半導体パッケージの配線材料や検査基板に用いることができる、配線間ピッチが30μm以下、更には配線ピッチが30μm以下であるプリント配線板に用いることができる材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線板の用途の拡大はとどまることを知らず、従来の単なる電子部品の接続用配線とそれらの支持体としての機能のみではなく、ICをマザーボードに実装するためのCSP(Chip Size Package)やBGA(Ball Grid Array)等の半導体パッケージ用途としてICの配線の一部として用いる半導体基板用途にも用いられるようになり、配線ルールの微細化が進行している。
【0003】
さらには、フレキシブル配線板材料では、LCDの高精細化や小型化に対応する為の配線材料としてや、また、新たな用途としてLCDや半導体の検査用プローブに使用されるに至り、配線ピッチ50μm以下が実用的に用いられ、配線ピッチ30μm以下の配線加工についても実用化検討が進められている。
【0004】
従来、フレキシブルプリント配線板用途としては銅箔上にポリイミド前駆体を塗工した後にイミド化を行うことにより作製されるいわゆるキャスト材やポリイミド基材にエポキシ系の接着剤を介して銅箔を貼り付けた材料が広く用いられてきた。しかしながら、従来のキャスト材等では銅箔の最小厚みが12μmと厚いため、配線ピッチが50μm以下の微細配線加工には困難が生ずるという問題が発生していた。
【0005】
近年、9μm厚の銅箔とこれを工程上で扱う装置の改善が進み、9μm厚の銅箔が実用的に用いられるようになり、微細配線加工の実現においては一定の成功を治めている。それとても、30μmピッチ以下の配線加工は困難であり、30μmピッチ以下の配線加工に必要とされる、5μm以下の銅箔は未だに開発段階にあり、微細配線加工の実現の障壁となっている。
【0006】
このような背景から、従来、価格上の制約や耐熱性の面から敬遠されてきたスパッタ法等によりポリイミド基材上に1μm以下の銅薄膜を形成した、あるいはこのスパッタ形成された銅薄膜上にさらに電解銅メッキを施すことにより10μm以下の銅厚に加工した、いわゆる、スパッタ積層体の材が注目を集めている。
【0007】
とりわけ、スパッタ法等によりポリイミド基材上に1μm以下の銅薄膜を形成したものは、アディティブ工法により50μmピッチ以下、さらには、30μmピッチ以下の微細配線加工が可能な材料として注目を集めている。
【0008】
すなわち、例えば、銅薄膜上にドライフィルムレジストや液状パターンレジストを積層した後に当該レジストを露光、現像し、パターンレジストを形成し、さらに、銅薄膜を給電層として用いてニッケルや銅などの金属を電解メッキし、その後に、レジストを剥離してソフトエッチングを行い、銅薄膜を除去することにより、電気回路パターンや部品を作製する方法に用いる材料として、注目を集めている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
配線の微細化に伴い、従来は問題とならなかった微細な欠陥が問題となることが明らかとなって来た。すなわち、従来は大きな問題とならなかった径10μm以下のピンホールによる回路加工後における断線の発生や配線加工後の銅膜に微細な凹凸があることで光学式自動外観検査装置(AOI)での回路加工状態の検査が困難となる、などの問題点が顕著となってきた。
【0010】
径10μm以下のピンホール発生原因を鋭意検討したところ、ポリイミドフィルム表面に突出したポリイミドフィルム中に存在する充填材(フィラー)の凝集物や、ポリイミドフィルム表面に付着している異物であることが確認された。これら凹凸部の上に製膜された銅は、充填材と一緒に欠落したり、突出している部分で基材と擦れた際に剥がれたりする等の理由から、ピンホールが発生することが明らかになってきた。
【0011】
これらの充填材凝集物によるピンホールや配線の凹凸の発生を防止する手法としては、充填材を用いないポリイミド基材を用いることや充填材の凝集物の発生を抑制することが考えられる。
【0012】
しかしながら、後者の充填材凝集物の発生を抑制する事は技術的な困難性が高く、前者でも充填材入りのポリイミド基材と充填材無しのポリイミド基材を同一の装置で製造しているポリイミドメーカーの現状を鑑みると、完全な充填材無しポリイミド基材の製造は事実上困難である。
【0013】
このように、1μm以下の銅薄膜をポリマー基材表面に形成したのみのプリント配線板材料を、微細配線パターンや微細な部品を作製する材料として用いる際には、様々な技術的障壁が存在していた。
【0014】
本発明は、ポリマー基材上に形成した金属層の厚さが1μm以下であっても、当該金属層へのφ10μm以下の微細なピンホールの発生を防止することで、回路形成の配線加工時の歩留まり低下を抑制し、優れた生産性でプリント配線板の製造を可能とする、プリント配線板材料を提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、ポリマー基材の少なくとも片面側に1〜1000nmの厚みの金属層が形成された積層体を成形するに当たって、ポリマー基材の表面を予め酸処理することによって、達成される。
【0016】
すなわち、本発明は、ポリマー基材の少なくとも片面側に1〜1000nmの厚みの金属層が形成された積層体であって、金属層が予め酸処理されたポリマー基材の面上に形成されていることを特徴とするプリント基板用積層体である。
【0017】
その酸処理がクエン酸、塩酸、硝酸から選ばれる少なくとも1種によるものである。
【0018】
また、その酸処理が、ポリマー基材表面上のリン酸カルシウムおよびまたはリン酸水素カルシウムを除去するものである。
【0019】
金属層が銅あるいは銅を主体とする金属薄膜である。
【0020】
その金属層がスパッタリング法により作製されたものである。
【0021】
ポリマー基材がポリイミドからなるものである。
【0022】
金属層が更に第2の金属層を有する。
【0023】
さらに、ポリマー基材の少なくとも片面を酸により処理した後、厚み1〜1000nmの金属層を形成されるプリント基板用積層体の製造方法である。
【0024】
その金属層の上にさらに第2の金属層を積層する製造方法である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0026】
図1は、酸処理を施したポリマー基材100の一方の面に金属層101が形成された例を示す断面図である。図2は、酸処理を施したポリマー基材100の一方の面に金属層101が形成され、更に金属層101の上に第2の金属層102が形成された例を示す断面図である。
【0027】
[ポリマー基材]
前記ポリマー基材の材料としては特に限定されるものではなく、プリント配線板やフレキシブルプリント配線板として用いることが可能なものならば好適に用いることができる。
【0028】
例えば、ポリイミド、エポキシ樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンサルファー、ポリアミド、芳香族ポリアミド、液晶ポリマー等を用いることができる。なお、充填材(フィラー)が含まれていることが好ましい。
【0029】
前記ポリマー基材はこれらの樹脂の混合物、あるいは、積層体であっても構わないものであり、本積層体の使用目的に合わせて適宜選択して使用することができる。
【0030】
ここで充填材とはポリマー基材に、剛性、強度、硬度、耐熱性、寸法精度、熱伝導性、難燃性、対摩耗性など様々な特性を付加するものである。充填材としては、例えば、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム等が挙げられ、本発明においては酸で溶解する充填材が好ましい。なお、使用量としては、ポリマー基材中5〜50質量%とするのが適当である。
【0031】
前記ポリマー基材の中でも特に好ましくは、本プリント配線材料の加工中あるいは加工後の使用環境においては耐熱性が要求項目の一つであることが多いという観点から、ポリイミド、あるいは充填材入りのポリイミドである。市販品として、例えば、「カプトンスーパーV」、「カプトンV」、「カプトンE」、「カプトンEN」、「カプトンH」、(以上、東レデュポン株式会社製)、「アピカルAH」、「アピカルNPI」、「アピカルHP」(以上、鐘淵化学工業株式会社製)等があり、これらはいずれも本発明に好適に利用可能である。
【0032】
さらに、酸無水物とアミンとを直接イミド化して形成されるポリイミドも効果的に用いることができる。
【0033】
このような酸無水物としては、例えば、ピロメリット酸無水物、ジフタル酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、オキシジフタル酸無水物、ハイドロフランジフタル酸無水物等が挙げられる。
【0034】
一方、アミンとしては、2以上アミノ基を有するものを用いることができ、例えば、ジアミノメタン、ジアミノエタン、ジアミノプロパン、ジアミノブタンなどのジアミノアルキル類、o−ジアミノベンゼン、m−ジアミノベンゼン、p−ジアミノベンゼン、メトキシジアミノベンゼンなどのジアミノベンゼン類、ビス(アミノフェニル)メタン、1,1−ビス(アミノフェニル)エタン、1,2−ビス(アミノフェニル)エタン、1,1−ビス(アミノフェニル)プロパン、1,3−ビス(アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(アミノフェニル)プロパンなどのビス(アミノフェニル)アルキル類、1,1−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパンなどのビス(アミノフェニル)パーフルオロアルキル類、4,4’−オキシジアニリン、3,4’−オキシジアニリン、3,3’−オキシジアニリンなどのオキシジアニリン類、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノンなどのジアミノベンゾフェノン類、1,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンなどのビス(アミノフェノキシ)ベンゼン類、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニルなどのビス(アミノフェノキシ)ビフェニル類、4,4’−ビス〔(アミノフェノキシ)フェニル〕ベンゼン、3,3’−ビス〔(アミノフェノキシ)フェニル〕ベンゼンなどのビス〔(アミノフェノキシ)フェニル〕ベンゼン類、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホンなどのビス〔(アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン類、ビス(4−アミノフェノキシ)スルホン、ビス(3−アミノフェノキシ)スルホンなどのビス(アミノフェノキシ)スルホン類、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕チオエーテル、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕チオエーテル、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕チオエーテル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕チオエーテルなどのビス〔(アミノフェノキシ)フェニル〕チオエーテル類、1,4−ビス[〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メチル]ベンゼン、1,3−ビス[〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メチル]ベンゼンなどのビス[〔(アミノフェノキシ)フェニル〕メチル]ベンゼン類、1,4−ビス[1−〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エチル]ベンゼンなどのビス[〔(アミノフェノキシ)フェニル〕エチル]ベンゼン類、1,3−[3−〔(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロピル]ベンゼン、1,4−[3−〔(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロピル]ベンゼンなどの[〔(アミノフェノキシ)フェニル〕プロピル]ベンゼン類、1,3−ジ(3−ピリジンアミノ)ベンゼン、1,2−ジ(3−ピリジンアミノ)ベンゼンなどのジ(ピリジンアミノ)ベンゼン類等が挙げられる。
【0035】
ポリマー基材の厚みは特に限定するものではなく、プリント配線板の使用目的に応じて適宜選択可能である。例えば、フレキシブルプリント配線板用途に用いることの多いポリイミドフィルム基材では、6〜150μmの厚みのものが好ましく、さらには12.5〜100μmのものが好ましく、特には12.5〜75μmの厚みのものが好ましく、市場において容易に入手可能である。
【0036】
[酸処理]
本発明における酸処理とは、ポリマー基材表面にあるピンホール形成物を酸により洗浄して、除去する作業をいい、充填材(フィラー)を含有するポリマー基材では表面に付着した充填材を溶解あるいは酸による洗浄除去を意味する。
【0037】
酸処理は、酸処理後の基材に異物が付着することを抑制するためにクリーンルーム内で行うことが好ましい。クリーンルームのクリーン度は、クラス1万以下、好ましくは1千以下である。クラス100以下のクリーン度のクリーンルームを用いることは技術的に好ましいが、同時にコストの上昇を招くため、必要に応じて適宜選択して使用する。
【0038】
本酸処理に用いる酸は、処理温度ではポリマーを溶解や分解しないものならばいずれでもよいが、充填材を含むポリマー基材表面処理には、充填材を効果的に溶解しうる酸が好ましい。なお、ポリマーを溶解や分解する酸であっても、ポリマー基材を溶解や分解する速度が充填材を溶解する速度の100分の1以下であれば使用可能である。
【0039】
ポリイミド基材では、用いられている充填材として、リン酸カルシウムやリン酸水素カルシウムなどがあり、これらリン酸カルシウムやリン酸水素カルシウムを効果的に溶解しうる酸として、例えば、クエン酸、塩酸、硝酸などが挙げられる。これらの酸は、単一での使用または組み合わせての使用を適宜選択することができる。
【0040】
酸処理方法は特に限定されるものではなく、ポリマー基材を酸溶液中へ浸漬する、ポリマー基材に酸溶液を吹き付ける、ポリマー基材を酸溶液中に浸漬し更に酸処理浴の攪拌もしくは超音波処理をすることなどが挙げられる。これらの処理方法は単一、もしくはこれらの組み合わせなどを適宜選択して使用できる。
【0041】
酸溶液の温度は、特に限定されるものではなく、酸の種類、酸の濃度、ポリマー基材の種類、ポリマー基材の酸浴中での送り速度、ポリマー基材の酸浴中での滞留時間、などの種々の条件に応じて、20〜100℃の間で適宜選択することができる。
【0042】
酸溶液の酸の濃度は、前記温度設定と同様に種々の条件に応じて適宜選択することができる。
【0043】
ここで純水とは、イオン交換脱塩処理により精製されたもので、その比抵抗率が1MΩ・cmのものが好ましく、更には10MΩ・cmのものが好ましい。
【0044】
このような方法及び条件で酸処理をしたポリマー基材に残留している酸を除去し、またポリマー基材に付着している異物を除去する為にも、酸処理後にさらにポリマー基材を洗浄することが好ましい。
【0045】
酸処理後のさらなる洗浄方法として、処理済ポリマー基材を純水中へ浸漬する、処理済ポリマー基材に純水を吹き付ける、処理済ポリマー基材を純水中に浸漬し更に洗浄水浴の攪拌もしくは超音波処理することなどが挙げられる。これらの処理方法は単一、もしくはこれらの組み合わせなどを適宜選択して使用できる。
【0046】
この際に用いる洗浄水は酸処理済み基材へのゴミや異物の付着を避けるため、純水を用いることが好ましい。
【0047】
またポリマー基材からの水分除去の為に、酸処理後に加熱処理による乾燥を行うが、その方法は特に限定されるものではなく、熱風炉による加熱、赤外線や遠赤外線ヒーターによる加熱など、当業者が容易に達成可能な加熱方法を適宜用いることができる。加熱処理方法は単一の方法で実施しても組み合わせて実施しても本発明を妨げるものではない。
【0048】
乾燥時の加熱温度は、ポリマー基材に含まれる水分が蒸発可能な温度以上かつ、ポリマー基材に用いられる樹脂の分解温度以下であることが好ましい。具体的には、加熱最高温度が、好ましくは70℃〜150℃、更に好ましくは80℃〜120℃の範囲である。
【0049】
加熱を行う雰囲気については大気雰囲気や、アルゴン、ヘリウムなどの希ガスや窒素などの不活性ガス雰囲気、あるいは大気圧以下の減圧雰囲気を含む真空中など、適宜選択可能である。
【0050】
これら乾燥方法は単一の方法で実施しても組み合わせて実施しても本発明を妨げるものでなく、むしろ効果的である。例えば、大気雰囲気下で熱風炉による加熱処理した後に真空中で遠赤外線ヒーターによる加熱処理を行うことは、樹脂中の水分除去には、効果的な方法である。
【0051】
[金属層]
前記金属層とは、厚さが1〜1000nmの単体の金属、あるいは合金の膜である。
【0052】
金属層に用いる金属の種類は特に限定されるものではないが、当該金属膜には、プリント配線板の配線やアディティブ工法における電解メッキ時の給電層(導電体層)として用いられるので導電性に優れること、塩化第二銅、塩化第二鉄等の酸性のエッチング液、アンモニア系等のアルカリ性のエッチング液、あるいはその他のエッチング液や過硫酸アンモニウムなどのソフトエッチング液に容易に溶解可能であること等が求められる。
【0053】
このような金属としては例えば、銅、アルミニウム、モリブデン、コバルト、ニッケル等の単体の金属、および、これらの群からなる金属を少なくとも1種類以上を含む合金が好ましい。なかでも、銅や銅を主体とする金属は導電性に優れると共に展延性に富むため、特に好ましい金属である。ここで、本発明において、銅を主体とする金属とは、銅を50重量%以上含有する金属、すなわち、銅合金または銅である。
【0054】
金属層の形成方法は特に限定されるものではなく、湿式プロセスである無電解メッキ法、電解メッキ法、乾式プロセスである蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタ法、化学気相輸送法(CVD法)など、また、これらの組み合わせなどを適宜選択して使用できる。
【0055】
これらの中でも金属層とポリマー基材との接着性や成膜の容易性を考慮すると、スパッタリング法が好ましい。また、スパッタリング法にも、DCスパッタ、RFスパッタ、DCマグネトロンスパッタ、RFマグネトロンスパッタ、ECRスパッタ、レーザービームスパッタ等各種の手法が有るが、特に限定されるものではなく、必要に応じて適宜用いることができる。とりわけ、DCマグネトロンスパッタ法は、低コストであり、かつ金属層を容易に形成できるため好ましい。
【0056】
この場合、マグネトロンスパッタによる金属層の成膜条件は、スパッタガスをアルゴンガスとして、圧力は10−2〜1Pa、好ましくは7×10−2〜7×10−1Pa、さらに好ましくは10−1〜4×10−1Paであり、スパッタ電力密度は、1〜100Wcm−2、好ましくは1〜50Wcm−2、さらに好ましくは1〜20Wcm−2である。
【0057】
金属層の製膜に用いるスパッタリングターゲットの金属の純度は、単体の金属で金属層を形成する場合は金属層全体に対する単体の金属が占める割合として、合金で金属層を形成する場合は金属層全体に対する合金が占める割合として99%以上、好ましくは99.9%以上、さらに好ましくは99.99%以上であり、この範囲であれば充分に電気伝導性を確保することができる。マグネトロンスパッタにより金属層を成膜する際の膜厚の制御は、予め成膜速度を求めておくことにより成膜時間の管理により行うことができる。
【0058】
このような方法により形成した金属層の厚さは、1nm以上、好ましくは50nm以上、好ましくは100nm以上、さらに好ましくは200nm以上である。
【0059】
金属層は、アディティブ工法で微細パターンを形成するときの、電解メッキを行うための給電層や無電解メッキ時の下地層として用いるので、このような範囲内であれば電気伝導性を確保することができる。
【0060】
一方で、プリント配線板上に微細パターンを形成するためには、金属層はある程度薄いことが必要であり、また、好ましく用いられるスパッタ法により金属層を形成する場合のコスト上の制約も考慮すると、金属層の厚さは1000nm以下、好ましくは500nm以下であることが望ましい。
【0061】
さらに、ポリマー基材と金属層の接着強度を向上させる目的で、ポリマー基材と金属層の間に接着層を設けることや、ポリマー基材表面をコロナ放電、プラズマや紫外線に曝したり、アルカリ性のエッチング液に浸漬して表面改質したりすることや、シランカップリング材や別種のポリマーを用いてポリマー基材表面を修飾すること等の公知の技術を用いることができ好ましい。
【0062】
上記表面改質方法として、ポリマー基材表面をプラズマに晒すことは、簡便に実施可能であり、かつ、効果的である。
【0063】
プラズマを発生させることは、プラズマ発生用電極に、直流または交流の電圧を印加することにより可能である。
【0064】
とりわけ、酸素を含有するプラズマに晒すことは非常に効果的であることは、当業者が理解するところである。前記酸素を含有するプラズマを発生させるのに用いるガスとしては、酸素あるいは、亜酸化窒素、一酸化炭素、二酸化炭素等の酸素を分子内に含有するガス、空気に代表される酸素との混合ガス、三弗化窒素や四弗化炭素などのエッチング用ガスと酸素の混合ガス、例えば、窒素、アンモニアなどの窒素を含有するガスと酸素の混合ガスなど、適宜選択可能である。これらの混合ガスにおいて酸素に添加する酸素以外のガスの割合は特に限定されるものでは無いが、好ましくは0〜70%の範囲である。また、混合に用いるガスは、単独であっても2つ以上の混合ガスであってもかまわない。
【0065】
ポリマー基材と金属層の接着層として使用できる物質としては、具体的には、例えば、チタン、バナジウム、コバルト、ニッケル、亜鉛、タングステン、モリブデン、ジルコニウム、タンタル、錫、インジウム等の金属、あるいはこれらの群から選ばれる一つ以上の金属を含む合金、モネル、ニクロム、インコネル等の耐熱性の合金が挙げられる。さらには、前記金属の酸化物、窒化物、炭化物、燐化合物、さらにはインジウム錫酸化物(ITO)、ジンククロメート等の前記金属の複合酸化物等も接着層として用いることができる。
【0066】
これら、接着層として使用できる物質の積層も、金属層と同様にスパッタリング法により容易に可能である。
【0067】
このような接着層の厚さは5〜50nm、好ましくは5〜20nmであることが望ましく、この範囲であれば、ポリマー基材と金属層との接着強度を改善させる効果がある。
【0068】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0069】
実施例1
ポリマー基材として厚み38μmポリイミドフィルム、「カプトン150EN」(東レ・デュポン株式会社製、モノマー構成:ピロメリット酸二無水物、p−オキシジアニリン、充填材:リン酸カルシウム)を用い、該ポリイミドフィルムの両面を、塩酸溶液を用いて酸処理し、更にスパッタリング法により、金属薄膜として250nmの厚みの銅を積層した。
【0070】
ポリマー基材への酸処理は、クラス1千のクリーンルーム内で行った。
酸溶液として、pH3、40℃の塩酸を用いた。10cm四方に切り出したポリマー基材を塩酸溶液中に浸漬し、超音波処理を15分間行った。
次に、塩酸溶液から取り出したポリマー基材を純水中に浸漬し、超音波洗浄を10分間行った。
酸処理後洗浄したポリマー基材を乾燥させるために、100℃の熱風炉中に30分間放置した。
【0071】
ポリマー基材への金属層の形成には、直径125cm、厚さ5mmのスパッタターゲットを2個以上取り付け可能なマグネトロンスパッタ装置(徳田社製)を用いた。
酸処理を施した10cm四方のポリマー基材を、スパッタ装置の基板ホルダーに設置し、10−3Pa以下の圧力まで真空引きを行った。
酸素流量100SCCM、圧力 1.3Pa、RF電力100W、処理時間3分の条件でポリマー基材表面のプラズマ処理(RFグロー放電処理)を行った。モネルターゲット(純度99.9%)を用いて、アルゴン流量15SCCM、圧力0.13Pa、DC160Wの条件で40秒間製膜を行い、10nmの厚みのモネル層をポリマー基材の上に製膜を行った。
ここで、ポリマー基材表面へのプラズマ処理およびモネル層の適用は、ポリマー基材であるポリイミドと金属層である銅との密着性を向上させる目的で行った。
さらに、銅ターゲット(純度99.99%)を用いて、アルゴン流量15SCCM、圧力0.13Pa、DC180Wの条件で18分製膜を行い、金属層として銅250nm厚の積層体を得た。
【0072】
実施例2
実施例1において、pH3の塩酸に代えてpH1の塩酸を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、積層体を作製した。
【0073】
実施例3
実施例2において、厚み38μmのポリイミドフィルムに代えて厚み25μmのポリイミドフィルム「カプトン100EN」(東レ・デュポン株式会社製)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、積層体を作製した。
【0074】
実施例4
実施例1において、pH3の塩酸に代えてpH1のクエン酸水溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、積層体を作製した。
【0075】
実施例5
実施例2において、ポリイミドフィルムに「カプトン150EN」(東レ・デュポン社製)に代えて25μmのポリイミドフィルム「アピカルNPI」(鐘淵化学社製)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、積層体を作製した。
【0076】
比較例1
実施例1において、酸処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、積層体を作製した。
【0077】
比較例2
実施例3において、酸処理を行わなかった以外は、比較例1と同様にして、積層体を作製した。
【0078】
比較例3
実施例1において、酸処理に代えてpH10の水酸化ナトリウムによるアルカリ処理を行ったこと以外は、実施例1と同様にして、積層体を作製した。
【0079】
[ピンホール発生数の測定]
暗所にてライトビュワー(ハクバ写真産業社製)上に試料を置き、目視観察し、輝点の数を数え、ピンホール数とした。なお、本測定方法では、肉眼での観察では不可能であったサブミクロンから5μmのピンホールが観察可能である。
【0080】
表1に実施例及び比較例で作成した試料の評価結果を示す。
【0081】
【表1】
【0082】
【発明の効果】
本発明によれば、少なくとも、従来量産化が難しいとされた10μmピッチ以下の微細パターンの作製ができ、優れた生産性でプリント配線板を生産することが可能となり、電子機器の高密度化・高集積化の飛躍的進歩が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のプリント配線板材料の一例を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明のプリント配線板材料の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
100 ポリマー基材
101 金属層
102 第2の金属層[0001]
[Industrial applications]
The present invention can be used for packaging and packaging materials for electronic components and semiconductors (LSIs and ICs), or for wiring materials and inspection boards for liquid crystal displays (LCDs), semiconductors and semiconductor packages. Further, the present invention relates to a material that can be used for a printed wiring board having a wiring pitch of 30 μm or less.
[0002]
[Prior art]
It is not known that the use of printed wiring boards will continue to expand, and not only conventional wiring for connecting electronic components and their function as supports, but also CSP (Chip Size Package) and BGA for mounting ICs on motherboards. (Ball Grid Array) and the like are also used for semiconductor substrates used as part of IC wiring as semiconductor package applications, and wiring rules are becoming finer.
[0003]
In addition, flexible wiring board materials have been used as a wiring material to cope with high definition and miniaturization of LCDs, and as a new application, they have been used as probes for testing LCDs and semiconductors. The following are practically used, and the practical application of wiring processing with a wiring pitch of 30 μm or less is being studied.
[0004]
Conventionally, as a flexible printed wiring board application, a copper precursor is applied to a so-called cast material or polyimide base material that is produced by applying imidation after coating a polyimide precursor on copper foil via an epoxy-based adhesive. Attached materials have been widely used. However, in conventional cast materials and the like, since the minimum thickness of the copper foil is as large as 12 μm, there has been a problem in that fine wiring processing with a wiring pitch of 50 μm or less is difficult.
[0005]
In recent years, the improvement of copper foil of 9 μm thickness and a device for handling the copper foil in the process have been advanced, and the copper foil of 9 μm thickness has been practically used, and has achieved a certain success in realizing fine wiring processing. It is very difficult to process wiring with a pitch of 30 μm or less, and copper foil of 5 μm or less, which is required for wiring with a pitch of 30 μm or less, is still in the development stage and is a barrier to the realization of fine wiring processing.
[0006]
From such a background, a copper thin film of 1 μm or less is conventionally formed on a polyimide base material by a sputtering method or the like, which has been avoided because of price restrictions and heat resistance. Further, a material of a so-called sputtered laminate, which has been processed to a copper thickness of 10 μm or less by applying electrolytic copper plating, has attracted attention.
[0007]
In particular, those in which a copper thin film of 1 μm or less is formed on a polyimide substrate by a sputtering method or the like have attracted attention as a material capable of processing fine wiring of 50 μm or less and further 30 μm or less by an additive method.
[0008]
That is, for example, after laminating a dry film resist or a liquid pattern resist on a copper thin film, exposing and developing the resist to form a pattern resist, and further using a copper thin film as a power supply layer to form a metal such as nickel or copper. Attention has been paid to a material used for a method for producing an electric circuit pattern or a component by performing electrolytic plating, then removing a resist, performing soft etching, and removing a copper thin film.
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
With the miniaturization of wiring, it has become clear that fine defects, which have not been a problem in the past, become problems. In other words, the occurrence of disconnection after circuit processing due to a pinhole having a diameter of 10 μm or less, which has not been a major problem in the past, and the presence of minute irregularities in the copper film after wiring processing have led to the use of an optical automatic appearance inspection device (AOI). Problems such as difficulty in inspecting the state of circuit processing have become remarkable.
[0010]
When the cause of the pinholes with a diameter of 10 μm or less was carefully investigated, it was confirmed that the agglomerates of the fillers existing in the polyimide film protruding from the polyimide film surface and foreign substances adhering to the polyimide film surface were found. Was done. It is clear that pinholes are generated because the copper formed on these irregularities is missing together with the filler and peels off when rubbing with the base material at the protruding part It has become.
[0011]
As a method of preventing the occurrence of pinholes and wiring irregularities due to these filler aggregates, it is conceivable to use a polyimide base material that does not use a filler or to suppress the generation of filler aggregates.
[0012]
However, it is technically difficult to suppress the generation of filler agglomerates in the latter, and even in the former polyimide, a polyimide substrate with filler and a polyimide substrate without filler are manufactured by the same equipment. In view of the current state of the manufacturer, it is practically difficult to produce a completely filled polyimide substrate.
[0013]
As described above, there are various technical barriers when using a printed wiring board material in which a copper thin film of 1 μm or less is only formed on the surface of a polymer substrate as a material for producing a fine wiring pattern or a fine component. I was
[0014]
According to the present invention, even when the thickness of a metal layer formed on a polymer substrate is 1 μm or less, the generation of fine pinholes having a diameter of 10 μm or less in the metal layer is prevented. It is an object of the present invention to provide a printed wiring board material which suppresses a decrease in the yield of the printed wiring board and makes it possible to manufacture the printed wiring board with excellent productivity.
[0015]
[Means for Solving the Problems]
The above object is achieved by performing an acid treatment on the surface of the polymer substrate in advance in forming a laminate in which a metal layer having a thickness of 1 to 1000 nm is formed on at least one side of the polymer substrate.
[0016]
That is, the present invention is a laminate in which a metal layer having a thickness of 1 to 1000 nm is formed on at least one side of a polymer substrate, wherein the metal layer is formed on a surface of the polymer substrate which has been previously subjected to an acid treatment. A laminate for a printed circuit board.
[0017]
The acid treatment is based on at least one selected from citric acid, hydrochloric acid and nitric acid.
[0018]
The acid treatment removes calcium phosphate and / or calcium hydrogen phosphate on the surface of the polymer substrate.
[0019]
The metal layer is copper or a metal thin film mainly composed of copper.
[0020]
The metal layer was formed by a sputtering method.
[0021]
The polymer substrate is made of polyimide.
[0022]
The metal layer further has a second metal layer.
[0023]
Further, the present invention relates to a method for producing a laminate for printed circuit boards, wherein a metal layer having a thickness of 1 to 1000 nm is formed after treating at least one surface of a polymer substrate with an acid.
[0024]
This is a manufacturing method in which a second metal layer is further laminated on the metal layer.
[0025]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the invention will be described in detail.
[0026]
FIG. 1 is a cross-sectional view illustrating an example in which a metal layer 101 is formed on one surface of a polymer substrate 100 that has been subjected to an acid treatment. FIG. 2 is a cross-sectional view illustrating an example in which a metal layer 101 is formed on one surface of a polymer substrate 100 that has been subjected to an acid treatment, and a second metal layer 102 is further formed on the metal layer 101.
[0027]
[Polymer substrate]
The material of the polymer substrate is not particularly limited, and any material that can be used as a printed wiring board or a flexible printed wiring board can be suitably used.
[0028]
For example, polyimide, epoxy resin, polyethylene terephthalate, polyetherimide, polyethylene naphthalate, polyethylene sulfur, polyamide, aromatic polyamide, liquid crystal polymer, or the like can be used. Note that a filler is preferably included.
[0029]
The polymer substrate may be a mixture of these resins or a laminate, and can be appropriately selected and used according to the intended use of the present laminate.
[0030]
Here, the filler is one that adds various properties such as rigidity, strength, hardness, heat resistance, dimensional accuracy, heat conductivity, flame retardancy, and abrasion resistance to the polymer base material. Examples of the filler include calcium phosphate and calcium hydrogen phosphate. In the present invention, a filler soluble in an acid is preferable. It is appropriate that the amount used is 5 to 50% by mass in the polymer substrate.
[0031]
Among the polymer base materials, particularly preferably, in the use environment during or after processing of the present printed wiring material, from the viewpoint that heat resistance is often one of the required items, polyimide, or polyimide with a filler It is. As commercially available products, for example, “Kapton Super V”, “Kapton V”, “Kapton E”, “Kapton EN”, “Kapton H”, (all manufactured by Toray Dupont Co., Ltd.), “Apical AH”, “Apical NPI” "And" Apical HP "(all manufactured by Kanegabuchi Chemical Industry Co., Ltd.), all of which can be suitably used in the present invention.
[0032]
Further, a polyimide formed by directly imidizing an acid anhydride and an amine can also be used effectively.
[0033]
Examples of such acid anhydrides include pyromellitic anhydride, diphthalic anhydride, benzophenonetetracarboxylic anhydride, oxydiphthalic anhydride, hydrofurandiphthalic anhydride and the like.
[0034]
On the other hand, amines having two or more amino groups can be used, for example, diaminoalkyls such as diaminomethane, diaminoethane, diaminopropane, diaminobutane, o-diaminobenzene, m-diaminobenzene, p- Diaminobenzenes such as diaminobenzene and methoxydiaminobenzene, bis (aminophenyl) methane, 1,1-bis (aminophenyl) ethane, 1,2-bis (aminophenyl) ethane, 1,1-bis (aminophenyl) Bis (aminophenyl) alkyls such as propane, 1,3-bis (aminophenyl) propane and 2,2-bis (aminophenyl) propane; 1,1-bis (4-aminophenyl) hexafluoropropane; 2-bis (4-aminophenyl) hexafluoropropane, 1, Bis (aminophenyl) perfluoroalkyls such as -bis (4-aminophenyl) hexafluoropropane, 4,4'-oxydianiline, 3,4'-oxydianiline, 3,3'-oxydianiline and the like Diaminobenzophenones such as oxydianilines, 3,3′-diaminobenzophenone, 3,4′-diaminobenzophenone, and 4,4′-diaminobenzophenone, 1,3′-bis (4-aminophenoxy) benzene, Bis (aminophenoxy) benzenes such as 4,4'-bis (4-aminophenoxy) benzene, 4,4'-bis (4-aminophenoxy) biphenyl, 3,3'-bis (3-aminophenoxy) biphenyl and the like Bis (aminophenoxy) biphenyls, 4,4′-bis [(aminophenoxy) phenyl] benzene, 3, Bis [(aminophenoxy) phenyl] benzenes such as 3'-bis [(aminophenoxy) phenyl] benzene, bis [4- (4-aminophenoxy) phenyl] sulfone, bis [3- (3-aminophenoxy) phenyl Bis [(aminophenoxy) phenyl] sulfones such as bis (4-aminophenoxy) sulfone and bis (3-aminophenoxy) sulfone such as bis (4-aminophenoxy) sulfone; Bis such as phenoxy) phenyl] thioether, bis [3- (3-aminophenoxy) phenyl] thioether, bis [3- (4-aminophenoxy) phenyl] thioether, bis [4- (4-aminophenoxy) phenyl] thioether [(Aminophenoxy) phenyl] thioethers, Bis [[(aminophenoxy) such as 1,4-bis [[3- (3-aminophenoxy) phenyl] methyl] benzene and 1,3-bis [[3- (3-aminophenoxy) phenyl] methyl] benzene Phenyl] methyl] benzenes, bis [[(aminophenoxy) phenyl] ethyl] benzenes such as 1,4-bis [1- [3- (3-aminophenoxy) phenyl] ethyl] benzene, 1,3- [ [[(Aminophenoxy) phenyl] propyl] benzenes such as 3-[(3-aminophenoxy) phenyl] propyl] benzene and 1,4- [3-[(3-aminophenoxy) phenyl] propyl] benzene; Di (pyridineamino) benzenes such as 1,3-di (3-pyridineamino) benzene and 1,2-di (3-pyridineamino) benzene; It is below.
[0035]
The thickness of the polymer substrate is not particularly limited and can be appropriately selected according to the purpose of use of the printed wiring board. For example, a polyimide film substrate often used for flexible printed wiring board applications preferably has a thickness of 6 to 150 μm, more preferably 12.5 to 100 μm, and particularly preferably 12.5 to 75 μm. Are preferred and are readily available on the market.
[0036]
[Acid treatment]
The acid treatment in the present invention refers to an operation of removing a pinhole-forming substance on the surface of a polymer base material by washing with an acid, and removing the filler adhering to the surface of the polymer base material containing the filler. It means dissolution or washing and removal by acid.
[0037]
The acid treatment is preferably performed in a clean room in order to prevent foreign substances from adhering to the substrate after the acid treatment. The cleanness of the clean room is less than 10,000, preferably less than 1,000. Although it is technically preferable to use a clean room with a clean degree of class 100 or less, the cost is increased at the same time.
[0038]
The acid used in the present acid treatment may be any acid as long as it does not dissolve or decompose the polymer at the treatment temperature. However, for the surface treatment of the polymer base material including the filler, an acid capable of effectively dissolving the filler is preferable. In addition, an acid that dissolves or decomposes a polymer can be used as long as the rate of dissolving or decomposing the polymer base material is 1/100 or less of the rate of dissolving the filler.
[0039]
In the polyimide base material, as a filler used, there are calcium phosphate and calcium hydrogen phosphate, and as an acid capable of effectively dissolving these calcium phosphate and calcium hydrogen phosphate, for example, citric acid, hydrochloric acid, nitric acid, and the like. No. These acids can be appropriately used alone or in combination.
[0040]
The acid treatment method is not particularly limited, and the polymer substrate is immersed in the acid solution, the acid solution is sprayed on the polymer substrate, the polymer substrate is immersed in the acid solution, and then the acid treatment bath is stirred or superheated. Sonication and the like. These processing methods may be used singly or in a combination thereof.
[0041]
The temperature of the acid solution is not particularly limited, and the type of the acid, the concentration of the acid, the type of the polymer base, the feed rate of the polymer base in the acid bath, and the residence of the polymer base in the acid bath Depending on various conditions such as time, the temperature can be appropriately selected from 20 to 100 ° C.
[0042]
The concentration of the acid in the acid solution can be appropriately selected according to various conditions as in the temperature setting.
[0043]
Here, the pure water is purified by ion-exchange desalting treatment, and preferably has a specific resistivity of 1 MΩ · cm, more preferably 10 MΩ · cm.
[0044]
In order to remove the acid remaining on the polymer substrate that has been subjected to the acid treatment under these methods and conditions, and to remove foreign substances adhering to the polymer substrate, the polymer substrate is further washed after the acid treatment. Is preferred.
[0045]
As a further washing method after the acid treatment, the treated polymer substrate is immersed in pure water, the treated polymer substrate is sprayed with pure water, the treated polymer substrate is immersed in pure water, and the washing water bath is stirred. Alternatively, ultrasonic treatment may be used. These processing methods may be used singly or in a combination thereof.
[0046]
The washing water used at this time is preferably pure water in order to avoid adhesion of dust and foreign matter to the acid-treated substrate.
[0047]
In order to remove moisture from the polymer substrate, drying by heat treatment is performed after acid treatment, but the method is not particularly limited, and heating by a hot blast stove, heating by an infrared or far-infrared heater, etc. Can be used as appropriate. The heat treatment method does not hinder the present invention even if it is carried out by a single method or in combination.
[0048]
The heating temperature during drying is preferably equal to or higher than a temperature at which water contained in the polymer base can evaporate and equal to or lower than the decomposition temperature of the resin used for the polymer base. Specifically, the maximum heating temperature is preferably in the range of 70C to 150C, and more preferably in the range of 80C to 120C.
[0049]
The atmosphere for the heating can be appropriately selected from an air atmosphere, an atmosphere of a rare gas such as argon or helium, an atmosphere of an inert gas such as nitrogen, or a vacuum including a reduced-pressure atmosphere at or below atmospheric pressure.
[0050]
These drying methods, whether carried out by a single method or in combination, do not hinder the present invention and are rather effective. For example, performing a heat treatment with a far-infrared heater in a vacuum after performing a heat treatment with a hot blast stove in an air atmosphere is an effective method for removing moisture from the resin.
[0051]
[Metal layer]
The metal layer is a single metal or alloy film having a thickness of 1 to 1000 nm.
[0052]
The type of metal used for the metal layer is not particularly limited. However, the metal film is used as a power supply layer (conductor layer) at the time of electrolytic plating in an additive method or wiring of a printed wiring board, so that the metal film has conductivity. Excellent, easily soluble in acidic etching solutions such as cupric chloride and ferric chloride, alkaline etching solutions such as ammonia, and other etching solutions and soft etching solutions such as ammonium persulfate. Is required.
[0053]
As such a metal, for example, a simple metal such as copper, aluminum, molybdenum, cobalt, nickel, and the like, and an alloy containing at least one or more metals from these groups are preferable. Among them, copper and a metal mainly composed of copper are particularly preferable metals because they have excellent conductivity and are rich in extensibility. Here, in the present invention, the metal mainly composed of copper is a metal containing 50% by weight or more of copper, that is, a copper alloy or copper.
[0054]
The method for forming the metal layer is not particularly limited, and the electroless plating method, which is a wet process, the electrolytic plating method, the vapor deposition method, which is a dry process, the ion plating method, the sputtering method, the chemical vapor transport method (CVD method) ), Or a combination of these can be appropriately selected and used.
[0055]
Among these, the sputtering method is preferable in consideration of the adhesion between the metal layer and the polymer substrate and the ease of film formation. In addition, the sputtering method includes various methods such as DC sputtering, RF sputtering, DC magnetron sputtering, RF magnetron sputtering, ECR sputtering, and laser beam sputtering, but is not particularly limited, and may be appropriately used as necessary. Can be. In particular, the DC magnetron sputtering method is preferable because it is low in cost and can easily form a metal layer.
[0056]
In this case, the conditions for forming the metal layer by magnetron sputtering are as follows: the sputtering gas is argon gas, and the pressure is 10 μm. -2 ~ 1 Pa, preferably 7 × 10 -2 ~ 7 × 10 -1 Pa, more preferably 10 -1 ~ 4 × 10 -1 Pa, and the sputtering power density is 1 to 100 Wcm. -2 , Preferably 1 to 50 Wcm -2 , More preferably 1 to 20 Wcm -2 It is.
[0057]
The purity of the metal of the sputtering target used for forming the metal layer is the ratio of the single metal to the entire metal layer when the metal layer is formed by a single metal, and the entire metal layer when the metal layer is formed by an alloy. The alloy accounts for 99% or more, preferably 99.9% or more, more preferably 99.99% or more of the alloy, and within this range, sufficient electrical conductivity can be ensured. The control of the film thickness when forming the metal layer by magnetron sputtering can be performed by controlling the film forming time by obtaining the film forming speed in advance.
[0058]
The thickness of the metal layer formed by such a method is 1 nm or more, preferably 50 nm or more, preferably 100 nm or more, and more preferably 200 nm or more.
[0059]
The metal layer is used as a power supply layer for performing electrolytic plating and a base layer during electroless plating when forming a fine pattern by the additive method, so ensuring electrical conductivity within such a range. Can be.
[0060]
On the other hand, in order to form a fine pattern on a printed wiring board, the metal layer needs to be thin to some extent, and in consideration of cost restrictions when forming the metal layer by a preferably used sputtering method. The thickness of the metal layer is desirably 1000 nm or less, preferably 500 nm or less.
[0061]
Furthermore, for the purpose of improving the adhesive strength between the polymer substrate and the metal layer, an adhesive layer is provided between the polymer substrate and the metal layer, or the surface of the polymer substrate is exposed to corona discharge, plasma, ultraviolet light, Known techniques such as immersion in an etchant to modify the surface, and modification of the polymer substrate surface with a silane coupling material or another type of polymer can be used, which are preferable.
[0062]
As the surface modification method, exposing the surface of the polymer substrate to plasma can be easily performed and is effective.
[0063]
Plasma can be generated by applying a DC or AC voltage to the plasma generating electrode.
[0064]
Among other things, those skilled in the art will appreciate that exposure to an oxygen-containing plasma is very effective. As the gas used to generate the oxygen-containing plasma, oxygen or nitrous oxide, carbon monoxide, a gas containing oxygen in the molecule such as carbon dioxide, a mixed gas with oxygen represented by air A mixed gas of an etching gas such as nitrogen trifluoride or carbon tetrafluoride and oxygen, for example, a mixed gas of a nitrogen-containing gas such as nitrogen or ammonia and an oxygen gas, or the like can be appropriately selected. The ratio of the gas other than oxygen added to oxygen in these mixed gases is not particularly limited, but is preferably in the range of 0 to 70%. Further, the gas used for mixing may be a single gas or a mixed gas of two or more gases.
[0065]
Specific examples of the substance that can be used as the adhesive layer between the polymer substrate and the metal layer include, for example, metals such as titanium, vanadium, cobalt, nickel, zinc, tungsten, molybdenum, zirconium, tantalum, tin, and indium. And heat-resistant alloys such as Monel, Nichrome, and Inconel. Furthermore, oxides, nitrides, carbides, phosphorus compounds of the above metals, and composite oxides of the above metals such as indium tin oxide (ITO) and zinc chromate can also be used as the adhesive layer.
[0066]
The lamination of these substances that can be used as an adhesive layer can be easily performed by a sputtering method similarly to the metal layer.
[0067]
The thickness of such an adhesive layer is desirably 5 to 50 nm, preferably 5 to 20 nm, and within this range, there is an effect of improving the adhesive strength between the polymer substrate and the metal layer.
[0068]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to Examples, but the present invention is not limited thereto.
[0069]
Example 1
38 μm-thick polyimide film as a polymer substrate, “Kapton 150EN” (manufactured by Toray DuPont, monomer composition: pyromellitic dianhydride, p-oxydianiline, filler: calcium phosphate) Was subjected to an acid treatment using a hydrochloric acid solution, and copper having a thickness of 250 nm was laminated as a metal thin film by a sputtering method.
[0070]
The acid treatment of the polymer substrate was performed in a class 1000 clean room.
Hydrochloric acid at pH 3 and 40 ° C. was used as the acid solution. The polymer substrate cut into a square of 10 cm was immersed in a hydrochloric acid solution and subjected to ultrasonic treatment for 15 minutes.
Next, the polymer substrate taken out from the hydrochloric acid solution was immersed in pure water, and subjected to ultrasonic cleaning for 10 minutes.
In order to dry the polymer substrate washed after the acid treatment, it was left in a hot air oven at 100 ° C. for 30 minutes.
[0071]
For the formation of the metal layer on the polymer substrate, a magnetron sputtering apparatus (manufactured by Tokuda Corporation) to which two or more sputter targets each having a diameter of 125 cm and a thickness of 5 mm can be attached was used.
A 10 cm square polymer substrate subjected to acid treatment is placed on a substrate holder of a sputtering apparatus, -3 The evacuation was performed to a pressure of Pa or less.
Plasma treatment (RF glow discharge treatment) of the polymer substrate surface was performed under the conditions of an oxygen flow rate of 100 SCCM, a pressure of 1.3 Pa, an RF power of 100 W, and a treatment time of 3 minutes. Using a Monel target (purity 99.9%), a film was formed for 40 seconds under the conditions of an argon flow rate of 15 SCCM, a pressure of 0.13 Pa, and a DC of 160 W, and a monel layer having a thickness of 10 nm was formed on a polymer substrate. Was.
Here, the plasma treatment and the application of the monel layer to the polymer substrate surface were performed for the purpose of improving the adhesion between polyimide as the polymer substrate and copper as the metal layer.
Further, using a copper target (purity: 99.99%), a film was formed for 18 minutes under the conditions of an argon flow rate of 15 SCCM, a pressure of 0.13 Pa, and a DC of 180 W to obtain a laminate having a copper thickness of 250 nm as a metal layer.
[0072]
Example 2
A laminate was produced in the same manner as in Example 1 except that hydrochloric acid of pH 1 was used instead of hydrochloric acid of pH 3.
[0073]
Example 3
In Example 2, a laminated body was produced in the same manner as in Example 2 except that a polyimide film having a thickness of 25 μm “Kapton 100EN” (manufactured by Du Pont-Toray Co., Ltd.) was used instead of the polyimide film having a thickness of 38 μm. .
[0074]
Example 4
A laminate was prepared in the same manner as in Example 1 except that a hydrochloric acid aqueous solution of pH 1 was used instead of hydrochloric acid of pH 3.
[0075]
Example 5
In the same manner as in Example 2, except that 25 μm polyimide film “Apical NPI” (manufactured by Kanegafuchi Chemical Co., Ltd.) was used in place of “Kapton 150EN” (manufactured by Toray DuPont) in the polyimide film. Thus, a laminate was produced.
[0076]
Comparative Example 1
A laminate was produced in the same manner as in Example 1 except that the acid treatment was not performed.
[0077]
Comparative Example 2
A laminate was produced in the same manner as in Comparative Example 1 except that the acid treatment was not performed in Example 3.
[0078]
Comparative Example 3
In Example 1, a laminated body was produced in the same manner as in Example 1, except that alkali treatment with sodium hydroxide at pH 10 was performed instead of the acid treatment.
[0079]
[Measurement of the number of pinholes generated]
The sample was placed on a light viewer (manufactured by Hakuba Photo Industry Co., Ltd.) in a dark place, visually observed, and the number of bright spots was counted to determine the number of pinholes. In this measurement method, a pinhole of submicron to 5 μm, which cannot be observed with the naked eye, can be observed.
[0080]
Table 1 shows the evaluation results of the samples prepared in Examples and Comparative Examples.
[0081]
[Table 1]
[0082]
【The invention's effect】
According to the present invention, at least a fine pattern having a pitch of 10 μm or less, which has conventionally been considered difficult to mass-produce, can be produced, and a printed wiring board can be produced with excellent productivity. Dramatic progress in high integration is expected.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a sectional view showing an example of a printed wiring board material of the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view showing one example of a printed wiring board material of the present invention.
[Explanation of symbols]
100 polymer substrate
101 metal layer
102 Second metal layer