JP2004031123A - 並列接続された組電池の容量演算方法および装置 - Google Patents
並列接続された組電池の容量演算方法および装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】並列に接続された単電池の状態を考慮して電池の容量を正しく演算するようにした組電池の容量演算方法を得る。
【解決手段】CPU102(図1)は、組電池の初期特性Wh(P)を温度補正係数αで温度補正して曲線Wh(P/α)を得る。温度補正後の特性曲線を内部抵抗劣化補正係数γでさらに補正して曲線Wh(P/αγ)を得る。内部抵抗劣化補正後の特性曲線を容量劣化補正係数βでさらに補正して曲線β・Wh(P/αγ)を得る。容量劣化補正後の特性曲線を並列内部抵抗劣化補正係数Γでさらに補正して曲線β・Wh(P/αγΓ)を得る。並列内部抵抗劣化補正後の特性曲線を並列容量劣化補正係数Βでさらに補正して曲線β・Β・Wh(P/αγΓ)を得る。
【選択図】図2
【解決手段】CPU102(図1)は、組電池の初期特性Wh(P)を温度補正係数αで温度補正して曲線Wh(P/α)を得る。温度補正後の特性曲線を内部抵抗劣化補正係数γでさらに補正して曲線Wh(P/αγ)を得る。内部抵抗劣化補正後の特性曲線を容量劣化補正係数βでさらに補正して曲線β・Wh(P/αγ)を得る。容量劣化補正後の特性曲線を並列内部抵抗劣化補正係数Γでさらに補正して曲線β・Wh(P/αγΓ)を得る。並列内部抵抗劣化補正後の特性曲線を並列容量劣化補正係数Βでさらに補正して曲線β・Β・Wh(P/αγΓ)を得る。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、並列に接続された電池の容量演算方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
充電可能な二次電池の特性の一つとしてパワー対放電電力特性が知られている。一般に、電池の容量の算出は、基本となる初期特性Whを温度補正係数α、電池容量劣化補正係数β、および内部抵抗劣化補正係数γでそれぞれ補正した基準特性を用いて行われる。温度補正係数αは、電池の内部抵抗が電池の温度によって変化する変化率から導かれる。容量劣化補正係数βおよび内部抵抗劣化補正係数γの算出方法は、特開2000−261901号公報に一例が記載されている。上記公報に記載の方法では、補正係数を算出する際に二次電池の開放電圧を次のいずれかの方法で求める。
1.無負荷時に端子電圧を実測して得る。
2.充放電時に測定した複数の電流値および電圧値から得たIV特性により推定する。
3.充放電時に測定した電流値および総電圧値に基づいて推定する。
このように、いずれの方法でも電池の電圧測定が不可欠である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
複数の二次単電池を並列に接続した電池について、電池容量を算出したいという要求がある。電池を並列に接続すると、電圧が高い側の電池から電圧が低い側の電池へ電流が流れる。この電流は調整電流と呼ばれ、電池間の端子電圧を合わせるように流れる。したがって、単電池を並列に接続した並列電池の端子電圧を測定しても単電池ごとの実際の開放電圧がわからないため、個々の単電池の状態を考慮して電池容量を算出することが困難である。
【0004】
本発明の目的は、並列に接続された単電池の状態を考慮して電池の容量を正しく演算するようにした組電池の容量演算方法および装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数の二次単電池を並列に接続した並列電池を直列に複数接続した組電池の放電容量を演算する方法に関し、組電池の放電時の並列電池ごとの電圧値、および放電時の組電池の電流値による特性から並列電池ごとに内部抵抗をそれぞれ算出し、算出した内部抵抗の最大値、および最大値に対応する並列電池以外の並列電池の内部抵抗値を用いて上記内部抵抗が最大値を有する並列電池を構成する単電池の内部抵抗の最大値を推定する。そして、内部抵抗が最大値を有する並列電池以外の並列電池の内部抵抗の平均値を用いて並列電池を構成する単電池の内部抵抗の平均値を算出し、単電池の内部抵抗の平均値および最大値の比によって並列電池の放電容量を補正するようにしたものである。
【0006】
また、本発明は並列接続された組電池の容量演算装置に関し、複数の二次単電池を並列に接続し、前記並列電池を直列に複数接続した組電池の放電時に、前記並列電池ごとの電圧を検出するとともに、組電池の放電時に、組電池を流れる電流を検出し、この検出された電圧および電流に基づいて、前記並列電池ごとの内部抵抗を算出し、この内部抵抗が最大の並列電池を抽出し、この抽出された並列電池の内部抵抗と、前記抽出された並列電池以外の並列電池の内部抵抗とを用いて、抽出された並列電池を構成する単電池の内部抵抗の最大値を推定し、抽出された並列電池以外の並列電池の内部抵抗の平均値を用いて、前記並列電池を構成する単電池の内部抵抗の平均値を算出し、単電池の内部抵抗の平均値および単電池の内部抵抗の最大値の比を用いて、並列内部抵抗劣化補正係数を算出し、この算出された並列内部抵抗劣化補正係数で、前記並列電池の放電容量を補正するようにしたものである。
【0007】
【発明の効果】
本発明によれば、並列に接続された単電池の状態を考慮して容量演算を行うので、並列接続された組電池の容量を正しく演算することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明による方法で組電池の容量を演算する制御ユニットを搭載した車両の全体構成図である。以下の実施の形態では、組電池を電気自動車の電源として適用した例を説明する。図1において、車両の制御システムは、車両システムと電池制御ユニットとで構成される。図中の太い実線は強電ライン(強電系の配線)を表し、通常の実線は弱電ライン(弱電系の配線)を示す。破線は各ブロック間で送受される信号ラインを示す。
【0009】
車両システムは、電流センサ201と、電圧センサ202と、温度センサ203と、駆動用モータ301と、補機システム302と、メインリレー303A,303Bとを有する。組電池は、二次単電池(セル)C1〜C8によって構成される。単電池C1およびC2、単電池C3およびC4、単電池C5およびC6、ならびに単電池C7およびC8は、それぞれ並列に接続されている。組電池は、これら4組の並列電池(C1,C2)、並列電池(C3,C4)、並列電池(C5,C6)、並列電池(C7,C8)が直列に接続されている。電池制御ユニットは、セル電圧検出部101と、CPU102と、メモリ103とを有する。
【0010】
駆動用モータ301は、組電池から供給される電力によって車両の駆動力を発生する一方、組電池に対する回生電力を発生する。補機システム302は、組電池から供給される電力によって車両に搭載される不図示のエアコンディショナ(A/C)などを駆動する。メインリレー303A,303Bは、CPU102の指令により開閉制御され、駆動モータ301および補機システム302への電力供給をオン/オフする。
【0011】
電流センサ201は、強電ラインに流れる電流を検出し、検出信号をCPU102へ送出する。電圧センサ202は、組電池の電圧(総電圧)を検出し、検出信号をCPU102へ送出する。温度センサ203は、組電池の温度を検出し、温度検出信号をCPU102へ送出する。
【0012】
セル電圧検出部101は、並列電池(C1,C2)の端子電圧と、並列電池(C3,C4)の端子電圧と、並列電池(C5,C6)の端子電圧と、並列電池(C7,C8)の端子電圧とをそれぞれ検出し、4組の電圧情報をCPU102へ送出する。CPU102は、4組の並列電池の電圧情報を用いて充電(回生)時の最大充電電力および放電時の最大放電電力を演算する。最大充放電電力の演算は、車両走行時(IGNスイッチオン時)、組電池の充電時に行う。最大充放電電力の演算結果は、CPU102から車両システムCPU304へ送信される。CPU102はさらに、組電池の温度が異常の場合に車両システムCPU304へ温度異常を報知する。
【0013】
メモリ103は、CPU102に入力された4組の並列電池の電圧情報や強電ラインの電流の情報などを記憶する。
【0014】
車両システムCPU304は、駆動用モータ301および補機システム302へ出力される電力がCPU102から受信した最大放電電力以下になるように、組電池から出力される電力を制限して車両システムを制御する。また、車両システムCPU304は、駆動モータ301から回生される電力がCPU102から受信した最大充電電力以下になるように、組電池を充電する電力を制限して車両システムを制御する。車両警告灯305は、車両システムCPU304の指令により点灯し、車両システムの異常発生を運転者に報知する。補助電池401は、CPU102および車両システムCPU304へ電力を供給する。スイッチSWは、運転者によるイグニション(IGN)スイッチ402のオン/オフに連動し、補助電池401からの電力供給をオン/オフする。
【0015】
図2は、本発明による方法で算出した上記組電池のパワー対放電電力(容量)特性を説明する図である。パワー対放電電力特性は、二次電池の電池状態を表す特性の一つである。図2において、横軸は電池の出力可能なパワーPを表し、縦軸は放電電力量Whを表す。一般に、電池の初期特性を示す曲線Wh(P)は、出力可能パワーPのn次式で近似することができる。近似式については後述する。放電容量を示す曲線Wh(P)は、以下の補正係数でそれぞれ補正される。
▲1▼温度補正係数α
▲2▼内部抵抗劣化補正係数γ
▲3▼容量劣化補正係数β
▲4▼組電池の並列内部抵抗劣化補正係数Γ
▲5▼組電池の並列容量劣化補正係数Β
【0016】
図2の曲線Wh(P/α)は、初期特性Wh(P)を温度補正係数αで温度補正したものである。曲線Wh(P/αγ)は、温度補正後の特性曲線を内部抵抗劣化補正係数γでさらに補正したものである。曲線β・Wh(P/αγ)は、内部抵抗劣化補正後の特性曲線を容量劣化補正係数βでさらに補正したものである。
【0017】
曲線β・Wh(P/αγΓ)は、容量劣化補正後の特性曲線を並列内部抵抗劣化補正係数Γでさらに補正したものである。曲線β・Β・Wh(P/αγΓ)は、並列内部抵抗劣化補正後の特性曲線を並列容量劣化補正係数Βでさらに補正したものである。このようにして得られるパワー対放電電力特性β・Β・Wh(P/αγΓ)が、上記組電池の放電容量を示す基準特性として用いられる。
【0018】
本発明は、上記放電容量の演算に際し、とくに、上記▲4▼並列内部抵抗劣化補正係数Γ、および▲5▼並列容量劣化補正係数Βで補正する点に特徴を有する。
【0019】
上記▲1▼〜▲3▼の温度補正係数α、内部抵抗劣化補正係数γ、および容量劣化補正係数βは、組電池を構成する4組の並列電池C(P1)(単電池C1およびC2で構成)、並列電池C(P2)(単電池C3およびC4で構成)、並列電池C(P3)(単電池C5およびC6で構成)、および並列電池C(P4)(単電池C7およびC8で構成)において、並列電池の平均の放電容量を補正する係数として算出される。
【0020】
リチウムイオン電池の場合を例にとれば、曲線Wh(P)は次式(1)で近似できる。
【数1】
Wh(P)=aP3+bP2+cP+d (1)
ただし、係数a,b,c,dは初期電池の特性から決定される。
【0021】
温度補正係数をαで上式(1)に対する温度補正を行うと、温度補正後の曲線Wh(P/α)式は次式(2)で表される。
【数2】
Wh(P/α)=a(P/α)3+b(P/α)2+c(P/α)+d (2)
【0022】
温度補正係数αは、温度に依存した電池の内部抵抗の変化を示すパラメータである。一般に、電池の内部抵抗は電池温度の上昇とともに減少する。そこで、あらかじめ温度−内部抵抗の関係を実測してテーブル化し、温度に応じたテーブル参照値の形で温度補正係数αを与える。テーブル参照値は、メモリ103に記憶させておく。
【0023】
内部抵抗劣化補正係数γおよび容量劣化補正係数βで上式(2)に対する劣化補正を行うと、劣化補正後の曲線Wh(P/αγ)×βは次式(3)で表される。
【数3】
Wh(P/αγ)×β
=β{a(P/αγ)3+b(P/αγ)2+c(P/αγ)+d} (3)
【0024】
図1のCPU102は、上記γおよびβを以下の手順で算出する。
1.並列電池ごとに端子電圧および電流を測定する。
2.各並列電池の電圧の平均を算出する。
3.内部抵抗劣化補正係数γを算出する。
4.容量劣化補正係数βを算出する。
【0025】
1.並列電池ごとの端子電圧および電流の測定
CPU102は、セル電圧検出部10から4組の並列電池C(P1)、C(P2)、C(P3)、およびC(P4)の端子電圧を示す情報をそれぞれ入力するとともに、電流センサ201から強電ラインの電流を示す情報を入力する。強電ラインに流れる電流値は、各並列電池の電流値に等しい。
【0026】
2.並列電池の電圧平均の算出
CPU102は、入力された電圧情報が示す各並列電池の電圧値V(P1)〜V(P4)の平均値V(Pave)を算出する。
【0027】
3.内部抵抗劣化補正係数γの算出
CPU102は、放電中の複数回の測定によって得た並列電池の電圧平均値V(Pave)および電流値を用いて並列電池のIV特性を直線回帰演算する。図3は、回帰直線を説明する図であり、放電中の並列電池の電流I,電圧Vを測定し、その測定データから得たものである。リチウムイオン電池やニッケル水素電池などは、放電時のIV特性の直線性がよいので測定したデータをもとに回帰直線を延長することができる。図中の×印は測定データを表している。この場合の回帰直線は、次式(4)で表わすことができる。
【数4】
V(Pave)=E0(Pave)−I×R(Pave) (4)
ただし、V(Pave)は並列電池の端子電圧平均値、V軸切片E0(Pave)は並列電池の開放電圧平均値、回帰直線の傾きR(Pave)は並列電池の内部抵抗平均である。
【0028】
CPU102は、内部抵抗平均R(Pave)の上昇率の逆数を内部抵抗劣化補正係数γとする。具体的には、電池の初期状態で得られる内部抵抗平均R0(Pave)と、電池が劣化した状態で得られる内部抵抗平均R1(Pave)との比をとり、次式(5)により内部抵抗劣化補正係数γを算出する。
【数5】
γ=R0(Pave)/R1(Pave) (5)
【0029】
4.容量劣化補正係数βの算出
図4は、並列電池の初期状態で実測した放電容量(Ah)と開放電圧との関係を表す図である。図4によるマップデータは、あらかじめ実測したデータがメモリ103に記憶されている。CPU102は、放電中に実測した電気量とマップデータによる容量とを対比する。具体的には、放電中の所定時間における電流値を積算して放電電気量Ahdを算出するとともに、上記電流値の積算開始時の開放電圧平均値E1(Pave)と、上記電流値の積算終了時の開放電圧平均値E2(Pave)とを上記回帰演算によって得る。CPU102は、図4においてE1およびE2の差に対応する容量差ΔAh(Pave)を求め、次式(6)により容量劣化補正係数βを算出する。
【数6】
β=Ahd/ΔAh(Pave) (6)
以上により、温度補正係数α、組電池を構成する並列電池の平均の内部抵抗劣化補正係数γ、および並列電池の平均の容量劣化補正係数βが得られる。
【0030】
組電池全体の並列内部抵抗劣化補正係数Γおよび並列容量劣化補正係数Βで上式(3)に対する劣化補正を行うと、劣化補正後の曲線Wh(P/αγΓ)×β×Βは次式(7)で表される。
【数7】
Wh(P/αγ)×β×Β
=β・Β{a(P/αγΓ)3+b(P/αγΓ)2+c(P/αγΓ)+d} (7)
【0031】
CPU102は、並列内部抵抗劣化補正係数Γを以下の手順で算出する。
1.並列電池ごとに端子電圧および電流を測定する。
2.並列電池ごとに最大放電電力を算出する。
3.最大放電電力が最小のものを抽出する。
4.抽出した並列電池を構成する単電池の中で最も大きい内部抵抗RCmaxを推定する。
5.内部抵抗RCmaxと、他の単電池の内部抵抗RCaveとの比を算出し、並列内部抵抗劣化補正係数Γとする。
【0032】
1.並列電池ごとの端子電圧および電流の測定
上記内部抵抗劣化補正係数γ、および容量劣化補正係数βの算出において説明した測定と同様なので説明を省略する。なお、γおよびβの算出時に測定したデータをそのまま使用してもよいし、新たに測定したデータを用いてもよい。
【0033】
2.並列電池ごとの最大放電電力の算出
CPU102は、入力された電圧情報が示す電圧値および電流情報が示す電流値を用いて各並列電池ごとのIV特性を直線回帰演算する。この場合の回帰直線は、次式(8)で表わすことができる。
【数8】
V(P)=E0(P)−I×R(P) (8)
ただし、V(P)は並列電池の端子電圧、V軸切片E0(P)は並列電池の開放電圧、回帰直線の傾きR(P)は並列電池の内部抵抗である。
【0034】
図5は、上式(8)の回帰直線を説明する図であり、放電中の並列電池の電流Iおよび電圧Vの測定データから得たものである。リチウムイオン電池やニッケル水素電池などは、充電時と放電時とで電池の内部抵抗がほぼ一致し、さらに充放電時のIV特性の直線性がよいので、放電側で測定したデータをもとに回帰直線を充電側に延長することができる。図中の×印は測定データを表している。
【0035】
図5において、回帰直線と放電時の放電停止電圧Vmin(P)との交点Bの電流Imax(P)は、並列電池の最大放電電流を与える。並列電池の最大放電電力Pmax(P)は、上式(8)により次式(9)で算出される。
【数9】
Pmax(P)=Vmin(P)×Imax(P)
=Vmin(P)×(E0(P)−Vmin(P))/R(P) (9)
【0036】
3.最大放電電力が最小の並列電池を抽出
CPU102は、上述したように算出した4組の並列電池C(P1)〜C(P4)の最大放電電力Pmax(P1)、Pmax(P2)、Pmax(P3)、Pmax(P4)の中で、最小値のものを抽出する。以後、抽出した最小値をPmax(Pmin)と記す。また、Pmax(Pmin)に対応する並列電池をC(Pmin)、この並列電池C(Pmin)の内部抵抗をR(Pmin)と記す。
【0037】
4.並列電池C(Pmin)を構成する単電池の中で最も大きい内部抵抗RCmaxを推定CPU102は、抽出した並列電池C(Pmin)を構成する単電池のうち、1つの単電池のみが他の単電池に比べて内部抵抗が大きくなったと仮定する。つまり、単電池C1〜C8の8つの単電池で組電池を構成する場合を例にとれば、1つの単電池が劣化してその内部抵抗RCmaxが上昇し、他の7つの単電池の内部抵抗は同一の正常値をとる場合を想定する。並列電池C(Pmin)の内部抵抗R(Pmin)は、次式(10)で与えられる。
【数10】
R(Pmin)=(RCmax×RCave(n−1))/(RCmax+(n−1)×RCave) (10)
ただし、RCaveは正常な単電池の内部抵抗の平均値である。nは並列電池を構成する単電池の数である。図1の例ではn=2である。
【0038】
各単電池の内部抵抗の平均値RCaveは、次式(11)で与えられる。
【数11】
R(P)ave=RCaven/(n×RCave) (11)
ただし、R(P)aveは、並列電池C(Pmin)以外の並列電池C(P)の内部抵抗R(P)の平均値である。nは並列電池を構成する単電池の数である。
【0039】
CPU102は、並列電池C(Pmin)以外の並列電池C(P)の内部抵抗R(P)をそれぞれ求め、これら内部抵抗R(P)の平均値を算出して上式(11)の左辺に代入し、単電池の内部抵抗の平均値RCaveを算出する。算出した平均値RCaveをさらに上式(10)へ代入し、内部抵抗RCmaxを算出する。
【0040】
5.内部抵抗RCmaxと他の単電池の内部抵抗RCaveとの比の算出
CPU102は、RCmax/RCaveを算出する。RCmax/RCaveを内部抵抗最大セル比(R(Pmin)ratio)と呼び、この逆数RCave/RCmaxを組電池の並列内部抵抗劣化補正係数Γとする(式12)。
【数12】
Γ=RCave/RCmax (12)
【0041】
CPU102は、並列容量劣化補正係数Βを以下のように算出する。CPU102は、上記マップデータから得た並列電池ごとの容量と、放電中に実測した電気量とを対比する。上述した容量劣化補正係数βの算出の際は実測した電気量と並列電池の平均の放電容量とを対比したが、ここでは並列電池の平均の容量の代わりに、実測した電気量と並列電池ごとの放電容量とを対比する。具体的には、放電中の所定時間における電流値を積算して放電電気量capAhを算出するとともに、上記電流値の積算開始時の開放電圧値E1(P)と、上記電流値の積算終了時の開放電圧値E2(P)とを上記回帰演算によって並列電池ごとに得る。CPU102は、図4において並列電池ごとのE1およびE2の差に対応する容量差ΔAh(P)を求め、容量劣化係数(Ahratio)を次式(13)により算出する。
【数13】
Ahratio=capAh/ΔAh(P) (13)
【0042】
CPU102は、各並列電池の容量劣化係数(Ahratio)の中で最小値をAhratiominとする。CPU102はさらに、各並列電池の容量劣化係数(Ahratio)の平均値Ahratioaveを算出し、組電池全体の並列電池容量劣化補正係数Βを次式(14)を用いて算出する。
【数14】
Β=(Ahratioave−(Ahratioave−Ahratiomin)×n)/Ahratioave (14)
ただし、nは並列電池を構成する単電池の数である。
【0043】
以上説明した実施の形態についてまとめる。
(1)単電池C1およびC2を並列に接続した並列電池C(P1)と、単電池C3およびC4を並列に接続した並列電池C(P2)と、単電池C5およびC6を並列に接続した並列電池C(P3)と、単電池C7およびC8を並列に接続した並列電池C(P4)とをそれぞれ直列に接続して組電池を構成する。CPU102は、あらかじめ温度−内部抵抗の関係を実測してテーブル化し、テーブルデータを参照して温度補正係数αとする。
(2)上記組電池に流れる電流を電流センサ201で検出し、上記組電池を構成するそれぞれの並列電池の端子電圧をセル電圧検出部101で検出する。CPU102は、放電中の複数回の測定によって得た並列電池の電圧平均値V(Pave)および電流値を用いて並列電池のIV特性を直線回帰演算し、並列電池の内部抵抗平均R(Pave)の上昇率の逆数をとり、内部抵抗劣化補正係数γとする。
(3)CPU102は、放電中の所定時間における電流値を積算して放電電気量Ahdを算出するとともに、上記電流値の積算開始時の開放電圧平均値E1(Pave)と、上記電流値の積算終了時の開放電圧平均値E2(Pave)とを回帰演算によって得る。CPU102は、E1およびE2の差に対応する容量差ΔAh(Pave)を図4のマップデータから求め、AhdおよびΔAh(Pave)の比をとって容量劣化補正係数βとする。
【0044】
(4)CPU102は、並列電池C(Pmin)の内部抵抗R(P)が最大値を有する並列電池C(Pmin)に着目し、当該並列電池を構成する単電池のうち1つの単電池の内部抵抗が他の単電池の内部抵抗に比べて上昇して最大値RCmaxを有し、他の単電池の内部抵抗が同一の正常値をとると仮定して内部抵抗最大セル比RCmax/RCaveを算出する。CPU102は、内部抵抗最大セル比の逆数RCave/RCmaxを組電池の並列内部抵抗劣化補正係数Γとするようにした。RCaveは、並列電池C(Pmin)以外の並列電池の内部抵抗R(P)から算出した他の単電池の内部抵抗である。内部抵抗最大セル比を用いて並列内部抵抗劣化補正係数Γを算出するので、並列電池を構成する単電池の容量が低い方の電池に応じた補正係数を得ることができる。さらに、並列電池C(Pmin)を構成する単電池のうち1つの単電池の内部抵抗が上昇して最大値RCmaxをとる仮定をしたので、内部抵抗の最悪値を想定して補正係数を算出できる。この結果、組電池を構成するいずれの単電池でも使用電池電圧が上下限値から外れないように適切な領域で電池を使用することができ、電池の劣化を防止できる。
【0045】
上記(4)について補足説明する。図6は、2つの単電池V1およびV2が並列に接続された並列電池を示す図である。この並列電池に負荷を接続すると、並列電池は電流Iを負荷へ流す。セル電圧検出部101は、負荷時の端子電圧Vを検出する。単電池V1のSOC(充電状態)が単電池V2のSOCより高く、単電池V1から単電池V2側へ容量調整電流が流れる状態では、単電池V1の電流I1の一部が単電池V2側へ流れる。並列電池の中で単電池の電圧のばらつきに起因して電圧が高い側の電池から電圧が低い側の電池へ調整電流が流れる場合、2つの単電池の開放電圧は異なる値をとる。図7は、時間の経過とともにセル電圧検出部101で検出される端子電圧、および各単電池の開放電圧を示す図である。図7において、横軸は時間を表し、縦軸は電圧を表す。曲線Vは並列電池の端子電圧を、曲線E01は単電池V1の開放電圧を、曲線E02は単電池V2の開放電圧をそれぞれ示す。図7は、並列電池の端子電圧Vが電池使用時の電圧下限値を下回らない状態でも、単電池V2の開放電圧が電圧下限値より低くなる場合があることを示している。本発明による演算方法は、並列電池のうち電池電圧が低い方の単電池の電池電圧が下限値を下回らないように組電池の放電容量を演算するものである。
【0046】
(5)組電池としての並列容量劣化補正係数Βを算出するとき、容量劣化係数(Ahratio)が最小値をとる並列電池を抽出し、この並列電池の容量劣化係数と、並列電池の容量劣化係数の平均値とを用いて算出するようにしたので、全ての並列電池の使用電池電圧が上下限値を外れないように適切な領域で電池を使用することが可能になり、電池の劣化を防止することができる。なお、容量劣化係数(Ahratio)は並列電池ごとの容量を示す係数であり、容量劣化係数が最小となる並列電池は、他の並列電池に比べて容量劣化が進行した並列電池とみなせる。
【0047】
上記の説明で用いた並列電池を構成する単電池の数n、および直列接続した並列電池の数mは、上述した例に限らず適宜設定してよい。
【0048】
以上の説明では、並列電池の開放電圧を回帰直線によって推定するようにした。この理由は、充放電IV特性の直線性がよい電池は推定開放電圧と実際の開放電圧とがよく一致するためである。
【0049】
並列電池の開放電圧を得る方法として、上記推定の代わりに無負荷時の電圧を測定して開放電圧を得てもよい。
【0050】
特許請求の範囲における各構成要素と、発明の実施の形態における各構成要素との対応について説明する。組電池は、たとえば、単電池C1〜C8によって構成される。並列接続電池は、たとえば、単電池C1およびC2を並列に接続した並列電池C(P1)、単電池C3およびC4を並列に接続した並列電池C(P2)、単電池C5およびC6を並列に接続した並列電池C(P3)、および単電池C7およびC8を並列に接続した並列電池C(P4)によって構成される。また、電圧センサ202が電圧検出手段を、電流センサ201が電流検出手段を、CPU102が内部抵抗算出手段、抽出手段、推定手段、平均値算出手段、補正係数算出手段、および放電容量補正手段を、それぞれ構成する。なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、各構成要素は上記構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による方法で組電池の放電容量を演算する制御ユニットを搭載した車両の全体構成図である。
【図2】組電池のパワー対放電電力特性を説明する図である。
【図3】回帰直線を説明する図である。
【図4】並列電池の初期状態で実測した放電容量と開放電圧との関係を表す図である。
【図5】回帰直線を説明する図である。
【図6】2つの単電池が並列に接続された並列電池を示す図である。
【図7】並列電池の端子電圧および各単電池の開放電圧を示す図である。
【符号の説明】
101…セル電圧検出部、 102…CPU、
103…メモリ、 201…電流センサ、
304…車両システムCPU、 C1〜C8…単電池
【発明の属する技術分野】
本発明は、並列に接続された電池の容量演算方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
充電可能な二次電池の特性の一つとしてパワー対放電電力特性が知られている。一般に、電池の容量の算出は、基本となる初期特性Whを温度補正係数α、電池容量劣化補正係数β、および内部抵抗劣化補正係数γでそれぞれ補正した基準特性を用いて行われる。温度補正係数αは、電池の内部抵抗が電池の温度によって変化する変化率から導かれる。容量劣化補正係数βおよび内部抵抗劣化補正係数γの算出方法は、特開2000−261901号公報に一例が記載されている。上記公報に記載の方法では、補正係数を算出する際に二次電池の開放電圧を次のいずれかの方法で求める。
1.無負荷時に端子電圧を実測して得る。
2.充放電時に測定した複数の電流値および電圧値から得たIV特性により推定する。
3.充放電時に測定した電流値および総電圧値に基づいて推定する。
このように、いずれの方法でも電池の電圧測定が不可欠である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
複数の二次単電池を並列に接続した電池について、電池容量を算出したいという要求がある。電池を並列に接続すると、電圧が高い側の電池から電圧が低い側の電池へ電流が流れる。この電流は調整電流と呼ばれ、電池間の端子電圧を合わせるように流れる。したがって、単電池を並列に接続した並列電池の端子電圧を測定しても単電池ごとの実際の開放電圧がわからないため、個々の単電池の状態を考慮して電池容量を算出することが困難である。
【0004】
本発明の目的は、並列に接続された単電池の状態を考慮して電池の容量を正しく演算するようにした組電池の容量演算方法および装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数の二次単電池を並列に接続した並列電池を直列に複数接続した組電池の放電容量を演算する方法に関し、組電池の放電時の並列電池ごとの電圧値、および放電時の組電池の電流値による特性から並列電池ごとに内部抵抗をそれぞれ算出し、算出した内部抵抗の最大値、および最大値に対応する並列電池以外の並列電池の内部抵抗値を用いて上記内部抵抗が最大値を有する並列電池を構成する単電池の内部抵抗の最大値を推定する。そして、内部抵抗が最大値を有する並列電池以外の並列電池の内部抵抗の平均値を用いて並列電池を構成する単電池の内部抵抗の平均値を算出し、単電池の内部抵抗の平均値および最大値の比によって並列電池の放電容量を補正するようにしたものである。
【0006】
また、本発明は並列接続された組電池の容量演算装置に関し、複数の二次単電池を並列に接続し、前記並列電池を直列に複数接続した組電池の放電時に、前記並列電池ごとの電圧を検出するとともに、組電池の放電時に、組電池を流れる電流を検出し、この検出された電圧および電流に基づいて、前記並列電池ごとの内部抵抗を算出し、この内部抵抗が最大の並列電池を抽出し、この抽出された並列電池の内部抵抗と、前記抽出された並列電池以外の並列電池の内部抵抗とを用いて、抽出された並列電池を構成する単電池の内部抵抗の最大値を推定し、抽出された並列電池以外の並列電池の内部抵抗の平均値を用いて、前記並列電池を構成する単電池の内部抵抗の平均値を算出し、単電池の内部抵抗の平均値および単電池の内部抵抗の最大値の比を用いて、並列内部抵抗劣化補正係数を算出し、この算出された並列内部抵抗劣化補正係数で、前記並列電池の放電容量を補正するようにしたものである。
【0007】
【発明の効果】
本発明によれば、並列に接続された単電池の状態を考慮して容量演算を行うので、並列接続された組電池の容量を正しく演算することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明による方法で組電池の容量を演算する制御ユニットを搭載した車両の全体構成図である。以下の実施の形態では、組電池を電気自動車の電源として適用した例を説明する。図1において、車両の制御システムは、車両システムと電池制御ユニットとで構成される。図中の太い実線は強電ライン(強電系の配線)を表し、通常の実線は弱電ライン(弱電系の配線)を示す。破線は各ブロック間で送受される信号ラインを示す。
【0009】
車両システムは、電流センサ201と、電圧センサ202と、温度センサ203と、駆動用モータ301と、補機システム302と、メインリレー303A,303Bとを有する。組電池は、二次単電池(セル)C1〜C8によって構成される。単電池C1およびC2、単電池C3およびC4、単電池C5およびC6、ならびに単電池C7およびC8は、それぞれ並列に接続されている。組電池は、これら4組の並列電池(C1,C2)、並列電池(C3,C4)、並列電池(C5,C6)、並列電池(C7,C8)が直列に接続されている。電池制御ユニットは、セル電圧検出部101と、CPU102と、メモリ103とを有する。
【0010】
駆動用モータ301は、組電池から供給される電力によって車両の駆動力を発生する一方、組電池に対する回生電力を発生する。補機システム302は、組電池から供給される電力によって車両に搭載される不図示のエアコンディショナ(A/C)などを駆動する。メインリレー303A,303Bは、CPU102の指令により開閉制御され、駆動モータ301および補機システム302への電力供給をオン/オフする。
【0011】
電流センサ201は、強電ラインに流れる電流を検出し、検出信号をCPU102へ送出する。電圧センサ202は、組電池の電圧(総電圧)を検出し、検出信号をCPU102へ送出する。温度センサ203は、組電池の温度を検出し、温度検出信号をCPU102へ送出する。
【0012】
セル電圧検出部101は、並列電池(C1,C2)の端子電圧と、並列電池(C3,C4)の端子電圧と、並列電池(C5,C6)の端子電圧と、並列電池(C7,C8)の端子電圧とをそれぞれ検出し、4組の電圧情報をCPU102へ送出する。CPU102は、4組の並列電池の電圧情報を用いて充電(回生)時の最大充電電力および放電時の最大放電電力を演算する。最大充放電電力の演算は、車両走行時(IGNスイッチオン時)、組電池の充電時に行う。最大充放電電力の演算結果は、CPU102から車両システムCPU304へ送信される。CPU102はさらに、組電池の温度が異常の場合に車両システムCPU304へ温度異常を報知する。
【0013】
メモリ103は、CPU102に入力された4組の並列電池の電圧情報や強電ラインの電流の情報などを記憶する。
【0014】
車両システムCPU304は、駆動用モータ301および補機システム302へ出力される電力がCPU102から受信した最大放電電力以下になるように、組電池から出力される電力を制限して車両システムを制御する。また、車両システムCPU304は、駆動モータ301から回生される電力がCPU102から受信した最大充電電力以下になるように、組電池を充電する電力を制限して車両システムを制御する。車両警告灯305は、車両システムCPU304の指令により点灯し、車両システムの異常発生を運転者に報知する。補助電池401は、CPU102および車両システムCPU304へ電力を供給する。スイッチSWは、運転者によるイグニション(IGN)スイッチ402のオン/オフに連動し、補助電池401からの電力供給をオン/オフする。
【0015】
図2は、本発明による方法で算出した上記組電池のパワー対放電電力(容量)特性を説明する図である。パワー対放電電力特性は、二次電池の電池状態を表す特性の一つである。図2において、横軸は電池の出力可能なパワーPを表し、縦軸は放電電力量Whを表す。一般に、電池の初期特性を示す曲線Wh(P)は、出力可能パワーPのn次式で近似することができる。近似式については後述する。放電容量を示す曲線Wh(P)は、以下の補正係数でそれぞれ補正される。
▲1▼温度補正係数α
▲2▼内部抵抗劣化補正係数γ
▲3▼容量劣化補正係数β
▲4▼組電池の並列内部抵抗劣化補正係数Γ
▲5▼組電池の並列容量劣化補正係数Β
【0016】
図2の曲線Wh(P/α)は、初期特性Wh(P)を温度補正係数αで温度補正したものである。曲線Wh(P/αγ)は、温度補正後の特性曲線を内部抵抗劣化補正係数γでさらに補正したものである。曲線β・Wh(P/αγ)は、内部抵抗劣化補正後の特性曲線を容量劣化補正係数βでさらに補正したものである。
【0017】
曲線β・Wh(P/αγΓ)は、容量劣化補正後の特性曲線を並列内部抵抗劣化補正係数Γでさらに補正したものである。曲線β・Β・Wh(P/αγΓ)は、並列内部抵抗劣化補正後の特性曲線を並列容量劣化補正係数Βでさらに補正したものである。このようにして得られるパワー対放電電力特性β・Β・Wh(P/αγΓ)が、上記組電池の放電容量を示す基準特性として用いられる。
【0018】
本発明は、上記放電容量の演算に際し、とくに、上記▲4▼並列内部抵抗劣化補正係数Γ、および▲5▼並列容量劣化補正係数Βで補正する点に特徴を有する。
【0019】
上記▲1▼〜▲3▼の温度補正係数α、内部抵抗劣化補正係数γ、および容量劣化補正係数βは、組電池を構成する4組の並列電池C(P1)(単電池C1およびC2で構成)、並列電池C(P2)(単電池C3およびC4で構成)、並列電池C(P3)(単電池C5およびC6で構成)、および並列電池C(P4)(単電池C7およびC8で構成)において、並列電池の平均の放電容量を補正する係数として算出される。
【0020】
リチウムイオン電池の場合を例にとれば、曲線Wh(P)は次式(1)で近似できる。
【数1】
Wh(P)=aP3+bP2+cP+d (1)
ただし、係数a,b,c,dは初期電池の特性から決定される。
【0021】
温度補正係数をαで上式(1)に対する温度補正を行うと、温度補正後の曲線Wh(P/α)式は次式(2)で表される。
【数2】
Wh(P/α)=a(P/α)3+b(P/α)2+c(P/α)+d (2)
【0022】
温度補正係数αは、温度に依存した電池の内部抵抗の変化を示すパラメータである。一般に、電池の内部抵抗は電池温度の上昇とともに減少する。そこで、あらかじめ温度−内部抵抗の関係を実測してテーブル化し、温度に応じたテーブル参照値の形で温度補正係数αを与える。テーブル参照値は、メモリ103に記憶させておく。
【0023】
内部抵抗劣化補正係数γおよび容量劣化補正係数βで上式(2)に対する劣化補正を行うと、劣化補正後の曲線Wh(P/αγ)×βは次式(3)で表される。
【数3】
Wh(P/αγ)×β
=β{a(P/αγ)3+b(P/αγ)2+c(P/αγ)+d} (3)
【0024】
図1のCPU102は、上記γおよびβを以下の手順で算出する。
1.並列電池ごとに端子電圧および電流を測定する。
2.各並列電池の電圧の平均を算出する。
3.内部抵抗劣化補正係数γを算出する。
4.容量劣化補正係数βを算出する。
【0025】
1.並列電池ごとの端子電圧および電流の測定
CPU102は、セル電圧検出部10から4組の並列電池C(P1)、C(P2)、C(P3)、およびC(P4)の端子電圧を示す情報をそれぞれ入力するとともに、電流センサ201から強電ラインの電流を示す情報を入力する。強電ラインに流れる電流値は、各並列電池の電流値に等しい。
【0026】
2.並列電池の電圧平均の算出
CPU102は、入力された電圧情報が示す各並列電池の電圧値V(P1)〜V(P4)の平均値V(Pave)を算出する。
【0027】
3.内部抵抗劣化補正係数γの算出
CPU102は、放電中の複数回の測定によって得た並列電池の電圧平均値V(Pave)および電流値を用いて並列電池のIV特性を直線回帰演算する。図3は、回帰直線を説明する図であり、放電中の並列電池の電流I,電圧Vを測定し、その測定データから得たものである。リチウムイオン電池やニッケル水素電池などは、放電時のIV特性の直線性がよいので測定したデータをもとに回帰直線を延長することができる。図中の×印は測定データを表している。この場合の回帰直線は、次式(4)で表わすことができる。
【数4】
V(Pave)=E0(Pave)−I×R(Pave) (4)
ただし、V(Pave)は並列電池の端子電圧平均値、V軸切片E0(Pave)は並列電池の開放電圧平均値、回帰直線の傾きR(Pave)は並列電池の内部抵抗平均である。
【0028】
CPU102は、内部抵抗平均R(Pave)の上昇率の逆数を内部抵抗劣化補正係数γとする。具体的には、電池の初期状態で得られる内部抵抗平均R0(Pave)と、電池が劣化した状態で得られる内部抵抗平均R1(Pave)との比をとり、次式(5)により内部抵抗劣化補正係数γを算出する。
【数5】
γ=R0(Pave)/R1(Pave) (5)
【0029】
4.容量劣化補正係数βの算出
図4は、並列電池の初期状態で実測した放電容量(Ah)と開放電圧との関係を表す図である。図4によるマップデータは、あらかじめ実測したデータがメモリ103に記憶されている。CPU102は、放電中に実測した電気量とマップデータによる容量とを対比する。具体的には、放電中の所定時間における電流値を積算して放電電気量Ahdを算出するとともに、上記電流値の積算開始時の開放電圧平均値E1(Pave)と、上記電流値の積算終了時の開放電圧平均値E2(Pave)とを上記回帰演算によって得る。CPU102は、図4においてE1およびE2の差に対応する容量差ΔAh(Pave)を求め、次式(6)により容量劣化補正係数βを算出する。
【数6】
β=Ahd/ΔAh(Pave) (6)
以上により、温度補正係数α、組電池を構成する並列電池の平均の内部抵抗劣化補正係数γ、および並列電池の平均の容量劣化補正係数βが得られる。
【0030】
組電池全体の並列内部抵抗劣化補正係数Γおよび並列容量劣化補正係数Βで上式(3)に対する劣化補正を行うと、劣化補正後の曲線Wh(P/αγΓ)×β×Βは次式(7)で表される。
【数7】
Wh(P/αγ)×β×Β
=β・Β{a(P/αγΓ)3+b(P/αγΓ)2+c(P/αγΓ)+d} (7)
【0031】
CPU102は、並列内部抵抗劣化補正係数Γを以下の手順で算出する。
1.並列電池ごとに端子電圧および電流を測定する。
2.並列電池ごとに最大放電電力を算出する。
3.最大放電電力が最小のものを抽出する。
4.抽出した並列電池を構成する単電池の中で最も大きい内部抵抗RCmaxを推定する。
5.内部抵抗RCmaxと、他の単電池の内部抵抗RCaveとの比を算出し、並列内部抵抗劣化補正係数Γとする。
【0032】
1.並列電池ごとの端子電圧および電流の測定
上記内部抵抗劣化補正係数γ、および容量劣化補正係数βの算出において説明した測定と同様なので説明を省略する。なお、γおよびβの算出時に測定したデータをそのまま使用してもよいし、新たに測定したデータを用いてもよい。
【0033】
2.並列電池ごとの最大放電電力の算出
CPU102は、入力された電圧情報が示す電圧値および電流情報が示す電流値を用いて各並列電池ごとのIV特性を直線回帰演算する。この場合の回帰直線は、次式(8)で表わすことができる。
【数8】
V(P)=E0(P)−I×R(P) (8)
ただし、V(P)は並列電池の端子電圧、V軸切片E0(P)は並列電池の開放電圧、回帰直線の傾きR(P)は並列電池の内部抵抗である。
【0034】
図5は、上式(8)の回帰直線を説明する図であり、放電中の並列電池の電流Iおよび電圧Vの測定データから得たものである。リチウムイオン電池やニッケル水素電池などは、充電時と放電時とで電池の内部抵抗がほぼ一致し、さらに充放電時のIV特性の直線性がよいので、放電側で測定したデータをもとに回帰直線を充電側に延長することができる。図中の×印は測定データを表している。
【0035】
図5において、回帰直線と放電時の放電停止電圧Vmin(P)との交点Bの電流Imax(P)は、並列電池の最大放電電流を与える。並列電池の最大放電電力Pmax(P)は、上式(8)により次式(9)で算出される。
【数9】
Pmax(P)=Vmin(P)×Imax(P)
=Vmin(P)×(E0(P)−Vmin(P))/R(P) (9)
【0036】
3.最大放電電力が最小の並列電池を抽出
CPU102は、上述したように算出した4組の並列電池C(P1)〜C(P4)の最大放電電力Pmax(P1)、Pmax(P2)、Pmax(P3)、Pmax(P4)の中で、最小値のものを抽出する。以後、抽出した最小値をPmax(Pmin)と記す。また、Pmax(Pmin)に対応する並列電池をC(Pmin)、この並列電池C(Pmin)の内部抵抗をR(Pmin)と記す。
【0037】
4.並列電池C(Pmin)を構成する単電池の中で最も大きい内部抵抗RCmaxを推定CPU102は、抽出した並列電池C(Pmin)を構成する単電池のうち、1つの単電池のみが他の単電池に比べて内部抵抗が大きくなったと仮定する。つまり、単電池C1〜C8の8つの単電池で組電池を構成する場合を例にとれば、1つの単電池が劣化してその内部抵抗RCmaxが上昇し、他の7つの単電池の内部抵抗は同一の正常値をとる場合を想定する。並列電池C(Pmin)の内部抵抗R(Pmin)は、次式(10)で与えられる。
【数10】
R(Pmin)=(RCmax×RCave(n−1))/(RCmax+(n−1)×RCave) (10)
ただし、RCaveは正常な単電池の内部抵抗の平均値である。nは並列電池を構成する単電池の数である。図1の例ではn=2である。
【0038】
各単電池の内部抵抗の平均値RCaveは、次式(11)で与えられる。
【数11】
R(P)ave=RCaven/(n×RCave) (11)
ただし、R(P)aveは、並列電池C(Pmin)以外の並列電池C(P)の内部抵抗R(P)の平均値である。nは並列電池を構成する単電池の数である。
【0039】
CPU102は、並列電池C(Pmin)以外の並列電池C(P)の内部抵抗R(P)をそれぞれ求め、これら内部抵抗R(P)の平均値を算出して上式(11)の左辺に代入し、単電池の内部抵抗の平均値RCaveを算出する。算出した平均値RCaveをさらに上式(10)へ代入し、内部抵抗RCmaxを算出する。
【0040】
5.内部抵抗RCmaxと他の単電池の内部抵抗RCaveとの比の算出
CPU102は、RCmax/RCaveを算出する。RCmax/RCaveを内部抵抗最大セル比(R(Pmin)ratio)と呼び、この逆数RCave/RCmaxを組電池の並列内部抵抗劣化補正係数Γとする(式12)。
【数12】
Γ=RCave/RCmax (12)
【0041】
CPU102は、並列容量劣化補正係数Βを以下のように算出する。CPU102は、上記マップデータから得た並列電池ごとの容量と、放電中に実測した電気量とを対比する。上述した容量劣化補正係数βの算出の際は実測した電気量と並列電池の平均の放電容量とを対比したが、ここでは並列電池の平均の容量の代わりに、実測した電気量と並列電池ごとの放電容量とを対比する。具体的には、放電中の所定時間における電流値を積算して放電電気量capAhを算出するとともに、上記電流値の積算開始時の開放電圧値E1(P)と、上記電流値の積算終了時の開放電圧値E2(P)とを上記回帰演算によって並列電池ごとに得る。CPU102は、図4において並列電池ごとのE1およびE2の差に対応する容量差ΔAh(P)を求め、容量劣化係数(Ahratio)を次式(13)により算出する。
【数13】
Ahratio=capAh/ΔAh(P) (13)
【0042】
CPU102は、各並列電池の容量劣化係数(Ahratio)の中で最小値をAhratiominとする。CPU102はさらに、各並列電池の容量劣化係数(Ahratio)の平均値Ahratioaveを算出し、組電池全体の並列電池容量劣化補正係数Βを次式(14)を用いて算出する。
【数14】
Β=(Ahratioave−(Ahratioave−Ahratiomin)×n)/Ahratioave (14)
ただし、nは並列電池を構成する単電池の数である。
【0043】
以上説明した実施の形態についてまとめる。
(1)単電池C1およびC2を並列に接続した並列電池C(P1)と、単電池C3およびC4を並列に接続した並列電池C(P2)と、単電池C5およびC6を並列に接続した並列電池C(P3)と、単電池C7およびC8を並列に接続した並列電池C(P4)とをそれぞれ直列に接続して組電池を構成する。CPU102は、あらかじめ温度−内部抵抗の関係を実測してテーブル化し、テーブルデータを参照して温度補正係数αとする。
(2)上記組電池に流れる電流を電流センサ201で検出し、上記組電池を構成するそれぞれの並列電池の端子電圧をセル電圧検出部101で検出する。CPU102は、放電中の複数回の測定によって得た並列電池の電圧平均値V(Pave)および電流値を用いて並列電池のIV特性を直線回帰演算し、並列電池の内部抵抗平均R(Pave)の上昇率の逆数をとり、内部抵抗劣化補正係数γとする。
(3)CPU102は、放電中の所定時間における電流値を積算して放電電気量Ahdを算出するとともに、上記電流値の積算開始時の開放電圧平均値E1(Pave)と、上記電流値の積算終了時の開放電圧平均値E2(Pave)とを回帰演算によって得る。CPU102は、E1およびE2の差に対応する容量差ΔAh(Pave)を図4のマップデータから求め、AhdおよびΔAh(Pave)の比をとって容量劣化補正係数βとする。
【0044】
(4)CPU102は、並列電池C(Pmin)の内部抵抗R(P)が最大値を有する並列電池C(Pmin)に着目し、当該並列電池を構成する単電池のうち1つの単電池の内部抵抗が他の単電池の内部抵抗に比べて上昇して最大値RCmaxを有し、他の単電池の内部抵抗が同一の正常値をとると仮定して内部抵抗最大セル比RCmax/RCaveを算出する。CPU102は、内部抵抗最大セル比の逆数RCave/RCmaxを組電池の並列内部抵抗劣化補正係数Γとするようにした。RCaveは、並列電池C(Pmin)以外の並列電池の内部抵抗R(P)から算出した他の単電池の内部抵抗である。内部抵抗最大セル比を用いて並列内部抵抗劣化補正係数Γを算出するので、並列電池を構成する単電池の容量が低い方の電池に応じた補正係数を得ることができる。さらに、並列電池C(Pmin)を構成する単電池のうち1つの単電池の内部抵抗が上昇して最大値RCmaxをとる仮定をしたので、内部抵抗の最悪値を想定して補正係数を算出できる。この結果、組電池を構成するいずれの単電池でも使用電池電圧が上下限値から外れないように適切な領域で電池を使用することができ、電池の劣化を防止できる。
【0045】
上記(4)について補足説明する。図6は、2つの単電池V1およびV2が並列に接続された並列電池を示す図である。この並列電池に負荷を接続すると、並列電池は電流Iを負荷へ流す。セル電圧検出部101は、負荷時の端子電圧Vを検出する。単電池V1のSOC(充電状態)が単電池V2のSOCより高く、単電池V1から単電池V2側へ容量調整電流が流れる状態では、単電池V1の電流I1の一部が単電池V2側へ流れる。並列電池の中で単電池の電圧のばらつきに起因して電圧が高い側の電池から電圧が低い側の電池へ調整電流が流れる場合、2つの単電池の開放電圧は異なる値をとる。図7は、時間の経過とともにセル電圧検出部101で検出される端子電圧、および各単電池の開放電圧を示す図である。図7において、横軸は時間を表し、縦軸は電圧を表す。曲線Vは並列電池の端子電圧を、曲線E01は単電池V1の開放電圧を、曲線E02は単電池V2の開放電圧をそれぞれ示す。図7は、並列電池の端子電圧Vが電池使用時の電圧下限値を下回らない状態でも、単電池V2の開放電圧が電圧下限値より低くなる場合があることを示している。本発明による演算方法は、並列電池のうち電池電圧が低い方の単電池の電池電圧が下限値を下回らないように組電池の放電容量を演算するものである。
【0046】
(5)組電池としての並列容量劣化補正係数Βを算出するとき、容量劣化係数(Ahratio)が最小値をとる並列電池を抽出し、この並列電池の容量劣化係数と、並列電池の容量劣化係数の平均値とを用いて算出するようにしたので、全ての並列電池の使用電池電圧が上下限値を外れないように適切な領域で電池を使用することが可能になり、電池の劣化を防止することができる。なお、容量劣化係数(Ahratio)は並列電池ごとの容量を示す係数であり、容量劣化係数が最小となる並列電池は、他の並列電池に比べて容量劣化が進行した並列電池とみなせる。
【0047】
上記の説明で用いた並列電池を構成する単電池の数n、および直列接続した並列電池の数mは、上述した例に限らず適宜設定してよい。
【0048】
以上の説明では、並列電池の開放電圧を回帰直線によって推定するようにした。この理由は、充放電IV特性の直線性がよい電池は推定開放電圧と実際の開放電圧とがよく一致するためである。
【0049】
並列電池の開放電圧を得る方法として、上記推定の代わりに無負荷時の電圧を測定して開放電圧を得てもよい。
【0050】
特許請求の範囲における各構成要素と、発明の実施の形態における各構成要素との対応について説明する。組電池は、たとえば、単電池C1〜C8によって構成される。並列接続電池は、たとえば、単電池C1およびC2を並列に接続した並列電池C(P1)、単電池C3およびC4を並列に接続した並列電池C(P2)、単電池C5およびC6を並列に接続した並列電池C(P3)、および単電池C7およびC8を並列に接続した並列電池C(P4)によって構成される。また、電圧センサ202が電圧検出手段を、電流センサ201が電流検出手段を、CPU102が内部抵抗算出手段、抽出手段、推定手段、平均値算出手段、補正係数算出手段、および放電容量補正手段を、それぞれ構成する。なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、各構成要素は上記構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による方法で組電池の放電容量を演算する制御ユニットを搭載した車両の全体構成図である。
【図2】組電池のパワー対放電電力特性を説明する図である。
【図3】回帰直線を説明する図である。
【図4】並列電池の初期状態で実測した放電容量と開放電圧との関係を表す図である。
【図5】回帰直線を説明する図である。
【図6】2つの単電池が並列に接続された並列電池を示す図である。
【図7】並列電池の端子電圧および各単電池の開放電圧を示す図である。
【符号の説明】
101…セル電圧検出部、 102…CPU、
103…メモリ、 201…電流センサ、
304…車両システムCPU、 C1〜C8…単電池
Claims (4)
- 複数の二次単電池を並列に接続し、前記並列電池を直列に複数接続した組電池の放電容量を演算する方法において、
前記組電池の放電時に前記並列電池ごとの電圧をそれぞれ検出し、
前記放電時に前記組電池を流れる電流を検出し、
前記検出した電流値および電圧値による特性から前記並列電池ごとに内部抵抗をそれぞれ算出し、
前記算出した内部抵抗が最大値を有する並列電池を抽出し、
前記抽出した並列電池の内部抵抗値、および前記抽出した並列電池以外の並列電池の内部抵抗の平均値を用いて前記抽出した並列電池を構成する単電池の内部抵抗の最大値を推定し、
前記抽出した並列電池以外の並列電池の内部抵抗の平均値を用いて前記並列電池を構成する単電池の内部抵抗の平均値を算出し、
前記単電池の内部抵抗の平均値および前記単電池の内部抵抗の最大値の比を用いて並列内部抵抗劣化補正係数を算出し、
前記並列内部抵抗劣化補正係数で前記並列電池の放電容量を補正することを特徴とする並列接続された組電池の容量演算方法。 - 請求項1に記載の並列接続された組電池の容量演算方法において、
前記検出した電流値、前記検出した電圧値、および前記並列電池の初期特性から前記並列電池ごとの容量を示す係数をそれぞれ算出し、
前記容量を示す係数の最小値および平均値を用いて並列容量劣化補正係数を算出し、
前記並列容量劣化補正係数で前記並列電池の放電容量をさらに補正することを特徴とする並列接続された組電池の容量演算方法。 - 請求項1または2に記載の並列接続された組電池の容量演算方法において、
前記並列電池の平均の放電容量を補正する、(1)温度補正係数、(2)内部抵抗劣化補正係数、および(3)容量劣化補正係数をそれぞれ算出し、
前記並列電池の放電容量を前記(1)温度補正係数、(2)内部抵抗劣化補正係数、および(3)容量劣化補正係数でさらに補正することを特徴とする並列接続された組電池の容量演算方法。 - 複数の二次単電池を並列に接続し、前記並列電池を直列に複数接続した組電池と、
前記組電池の放電時に、前記並列電池ごとの電圧を検出する電圧検出手段と、
前記組電池の放電時に、前記組電池を流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記電圧検出手段および前記電流検出手段により検出された電圧および電流に基づいて、前記並列電池ごとの内部抵抗を算出する内部抵抗算出手段と、
前記内部抵抗算出手段により算出された内部抵抗が最大の並列電池を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された並列電池の内部抵抗と、前記抽出された並列電池以外の並列電池の内部抵抗とを用いて、前記抽出された並列電池を構成する単電池の内部抵抗の最大値を推定する推定手段と、
前記抽出手段で抽出された並列電池以外の並列電池の内部抵抗の平均値を用いて、前記並列電池を構成する単電池の内部抵抗の平均値を算出する平均値算出手段と、
前記平均値算出手段によって算出された単電池の内部抵抗の平均値および前記推定手段で推定された単電池の内部抵抗の最大値の比を用いて、並列内部抵抗劣化補正係数を算出する補正係数算出手段と、
前記補正係数算出手段によって算出された並列内部抵抗劣化補正係数で、前記並列電池の放電容量を補正する放電容量補正手段と、
を備えることを特徴とする並列接続された組電池の容量演算装置。
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