JP2004030809A - Substrate for magnetic recording medium and magnetic recording medium - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温高湿下で長時間保管してもトラックずれが少なく、走行耐久性、寸法安定性に優れ、良好な電磁変換性を示す磁性層を有する磁気記録媒体と、厚み均質性、幅方向物性均一性、寸法安定性、剛性等に優れ、磁気テープなどの磁気記録媒体に用いられる支持体に関する。
【0002】
【従来の技術】
二軸延伸ポリエステルフィルムはその優れた熱特性、寸法安定性、機械特性および表面形態の制御のし易さから各種用途に使用されており、特に磁気記録媒体用などの支持体としての有用性は周知である。近年、磁気テープは機材の軽量化、小型化、長時間記録化のため高密度化が要求されている。高密度記録化のためには、記録波長を短くし、記録信号を小型化することが有用である。しかしながら、記録信号を小型化すると、磁気テープの走行時における熱やテープ保存時の熱変形により、記録トラックのずれが起こりやすくなるという問題点がある。したがって、テープ使用環境での熱寸法安定性および保存安定性といった特性の改善に対する要求がますます強まっている。また、記録信号を小型化するためには、磁性層の一層の薄膜化が必要となるが、これに伴い、機械的強度が不充分となるため、フィルムの腰が弱くなったり伸びやすくなり、例えば、テープダメージを受けやすくなったり、ヘッドタッチが悪化し電磁変換特性が低下するといった問題が生じやすくなる。
【0003】
そこで、薄膜化されたテープとする場合には、上記寸法安定性の要求に応え、従来の厚いテープとの互換性(ヘッドの当たりや走行性など)を得ることが望まれ、この観点から、支持体には、強度、寸法安定性の点から剛性の高い芳香族ポリアミドが用いられている。しかしながら、この芳香族ポリアミドフィルムは現在市販されている量が従来のポリエステルフィルムと比べて格段に少なく、芳香族ポリアミドフィルムによる金属薄膜型磁気記録媒体の量的拡大には制約が多い。
【0004】
一方、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETという)やポリエチレンナフタレート(以下、PENという)は、そのままでは剛性が低いため、二軸延伸ポリエステルフィルムの高強度化のための技術として、縦、横二方向に延伸したフィルムを再度縦方向に延伸して、縦方向に高強度化する方法(例えば、特公昭42−9270号公報、特公昭43−3040号公報、特公昭46−1119号公報、特公昭46−1120号公報、特開昭50−133276号公報、特開昭55−22915号公報等)が知られている。しかしながら、使用時にテープが切断する、幅方向の剛性不足によりエッジダメージが発生する、応力伸び変形あるいは環境条件によって寸法変化し、記録トラックにずれが生じ記録再生時にエラーが発生する、強度が不充分で薄膜対応が困難となり所望の電磁変換特性が得られない等の問題が生じ易かった。
【0005】
さらに、フィルム表面に金属系の強化膜を形成することで二軸延伸ポリエステルフィルムを高強度化させるという方法(特開2000−11376号公報、特開平11−33925号公報等)が知られているが、高密度記録化のための厳しい要求の全てを満たすことは未だ困難である。
【0006】
また、高い生産性を有する二軸配向ポリエステルフィルムの寸法安定性を改善する技術としては、ポリエチレンテレフタレートとポリエーテルイミドからなる二軸配向ポリエステルフィルム(例えば、特開2000−141475号公報)が知られている。しかしながら、磁気記録媒体用の支持体の寸法安定性が優れていても、厚みむらが大きかったり、幅方向物性が不均一性であると、結果として支持体の寸法安定性、強度等の特性にもむらが生じるため、磁気記録媒体への加工工程において磁性層の塗布むらが生じたり、磁気記録媒体としての使用環境下における寸法安定性も充分ではなく、高密度記録媒体として好ましい表面形態に精密に記録することに課題も多い。
【0007】
上述したように、従来の支持体の場合、厚み均質性、幅方向物性均一性、寸法安定性、剛性といった磁気記録媒体として重要な特性を満足したものは得られておらず、大容量の高密度記録媒体への適用に際して、多くの課題が残されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の問題を解決し、特に走行耐久性、寸法安定性に優れ、良好な電磁変換性を示す高密磁気記録媒体と、厚み均質性、幅方向物性均一性、寸法安定性、剛性に優れた磁気記録媒体用支持体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の磁気記録媒体は、二軸配向ポリエステルフィルムからなる支持体の少なくとも片面に磁性層を設けてなり、かつ、23℃、65%RHの条件下において、長手方向に10MPa荷重負荷した際の幅寸法(A1)と長手方向に20MPa荷重負荷した際の幅寸法(B1)とから下式により求められる幅寸法変化率aが0.01〜0.06%であることを特徴とするものである。
幅寸法変化率a(%)={(A1−B1)/A1}×100
【0010】
また、本発明の磁気記録媒体用支持体は、二軸配向ポリエステルフィルムからなる磁気記録媒体用支持体であって、23℃、65%RHの条件下において、長手方向に10MPa荷重負荷した際の幅寸法(A3)と長手方向に20MPa荷重負荷した際の幅寸法(B3)により求められる幅寸法変化率cが0.01〜0.075%であり、フィルム長手方向の厚みむらが1〜5%であり、かつ、フィルム幅方向における配向角の最大値と最小値の差x(゜)のフィルム幅L(m)に対する比x/Lが0〜15゜/m以下であることを特徴とするものである。
幅寸法変化率c(%)={(A3−B3)/A3}×100
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるポリエステルは、芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸とジオールを主たる構成成分とするポリエステルである。芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸等を用いることができ、なかでも好ましくは、テレフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸を用いることができる。脂環族ジカルボン酸としては例えば、シクロヘキサンジカルボン酸などを用いることができる。脂肪族ジカルボン酸としては例えば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等を用いることができる。これらの酸成分は一種のみ用いてもよく、二種以上併用してもよく、さらには、ヒドロキシエトキシ安息香酸などのオキシ酸等を一部共重合してもよい。
【0012】
また、ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2’−ビス(4’−βーヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等を用いることができ、なかでも好ましくは、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール等、特に好ましくは、エチレングリコールを用いることができる。これらのジオール成分は一種のみ用いてもよく、二種以上併用してもよい。なかでも、エチレンテレフタレート単位を主たる構成成分とするポリエチレンテレフタレートが好ましい。
【0013】
また、このポリエステルには、トリメリット酸、ピロメリット酸、グリセロール、ペンタエリスリトール、2,4−ジオキシ安息香酸、ラウリルアルコール、イソシアン酸フェニル等の多官能化合物等の他の化合物を、ポリマーが実質的に線状である範囲内で共重合させてもよい。
【0014】
本発明のポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、またはこれの共重合体、及び変性体が好ましい。
【0015】
また、本発明に用いられるポリエステルには、ポリエーテルイミドを5〜30重量%の範囲で含有させてもよい。用いられるポリエーテルイミドとしては、脂肪族、脂環族または芳香族系のエーテル単位と環状イミド基を繰り返し単位として含有するポリマーであり、溶融成形性を有するポリマーであれば、特に限定されない。例えば、米国特許第4141927号、特許第2622678号、特許第2606912号、特許第2606914号、特許第2596565号、特許第2596566号、特許第2598478号のポリエーテルイミド、特許第2598536号、特許第2599171号、特開平9−48852号公報、特許第2565556号、特許第2564636号、特許第2564637号、特許第2563548号、特許第2563547号、特許第2558341号、特許第2558339号、特許第2834580号に記載のポリマーである。本発明の効果を阻害しない範囲であれば、ポリエーテルイミドの主鎖に環状イミド、エーテル単位以外の構造単位、例えば、芳香族、脂肪族、脂環族エステル単位、オキシカルボニル単位等が含有されていても良い。本発明では、ガラス転移温度が350℃以下、より好ましくは250℃以下のポリエーテルイミドが好ましく、2,2−ビス[4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物とm−フェニレンジアミンまたはp−フェニレンジアミンとの縮合物が、ポリエステルとの相溶性、コスト、溶融成型性等の観点から最も好ましい。このポリエーテルイミドは、「Ultem」(登録商標)の商標名で、General Electric社より入手可能である。
【0016】
本発明における二軸配向ポリエステルフィルムは、不活性粒子を含有することが好ましい。不活性粒子としては、例えば、クレー、マイカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、湿式または乾式シリカ、コロイド状シリカ、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ酸アルミニウム、アルミナおよびジルコニア等の無機粒子、アクリル酸、スチレン等を構成成分とする有機粒子、ポリエステル重合反応時に添加する触媒等によって析出する、いわゆる内部粒子等を挙げることができる。この中でも、高分子架橋粒子、アルミナ、球状シリカ、ケイ酸アルミニウムが特に好ましい。
【0017】
本発明における二軸配向ポリエステルフィルムは、本発明の効果を阻害しない範囲内で、その他の各種添加剤、例えば熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料、染料、脂肪酸エステル、ワックスなどの有機滑剤などを添加することもできる。
【0018】
本発明の磁気記録媒体は、二軸配向ポリエステルフィルムからなる支持体の少なくとも片面に、磁性層が設けられてなり、かつ、23℃、65%RHの条件下において、長手方向に10MPa荷重負荷した際の幅寸法(A1)と長手方向に20MPa荷重負荷した際の幅寸法(B1)とから下式により求められる幅寸法変化率aが0.01〜0.06%であり、好ましくは、0.01〜0.05%であり、さらに好ましくは0.01〜0.04である。
幅寸法変化率a(%)={(A1−B1)/A1}×100
【0019】
幅寸法変化率aが0.06%を超えると、テープドライブ内での長手方向への張力によって長手方向に伸びた際に、この伸び変形により幅方向に収縮して、記録トラックがずれるという問題が発生し易い。さらにドロップアウトの多発により、データの保存安定性が悪化したり、電磁変換特性が悪化する。また、幅寸法変化率aが0.01%未満は、支持体としてポリエステルを用いた磁気記録媒体では到達困難な領域である。ここで、幅寸法変化率aは、後述する測定方法により求められる値である。
【0020】
また、本発明の磁気記録媒体は、49℃、90%RHの条件下、長手方向に32MPaの荷重を掛けた状態で72時間処理する前の幅寸法(A2)と該処理後の幅寸法(B2)とから下式により求められる寸法変化率b(%)が0〜0.4%の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは0〜0.35%であり、より好ましくは0〜0.3%である。
幅寸法変化率b(%)={(A2−B2)/A2}×100
寸法変化率bが0〜0.4%の範囲を外れると、テープの走行耐久性が悪化したり、ドロップアウトの多発や高温多湿下でのデータの保存安定性が悪化し易くなる。
【0021】
また、本発明の磁気記録媒体用支持体は、二軸配向ポリエステルフィルムからなる磁気記録媒体用支持体であって、23℃、65%RHの条件下において、長手方向に10MPa荷重負荷した際の幅寸法(A3)と長手方向に20MPa荷重負荷した際の幅寸法(B3)とから下式により求められる幅寸法変化率cが0.01〜0.075%であり、長手方向及び幅方向の厚みむらが1〜5%であり、かつ、フィルム幅方向における配向角の最大値と最小値の差x(゜)のフィルム幅L(m)に対する比x/Lが0〜15゜/mである。
幅寸法変化率c(%)={(A3−B3)/A3}×100
ここで、幅寸法変化率c、配向角の最大値と最小値の差xは、後述する測定方法により求められる値である。
【0022】
幅寸法変化率cは好ましくは0.01〜0.06%であり、さらに好ましくは0.01〜0.05%である。また、厚みむらは、好ましくは1〜4%であり、さらに好ましくは1〜3%であり、x/Lは、好ましくは0〜10゜/mであり、さらに好ましくは0〜5゜/mである。幅寸法変化率cが0.075%を超えると、テープへの加工時に幅寸法の収縮が起こり易く、寸法安定性が悪化する。さらに、磁気記録媒体として使用の際に、テープの走行性などが悪化したり、ドロップアウトが多発するなどの、データの保存性も悪化する。一方、幅寸法安定性cが0.01%未満は、支持体としてポリエステルを用いた場合では到達困難な領域である。また、厚みむらが上記範囲を超えると、磁性層の塗布むらが生じやすくなるため、特にリニアテープのマルチヘッドでは端のヘッドでの当たりが弱くなりPESノイズの原因ともなる。さらに、厚みむら、x/Lが上記範囲を超えると、これらの物性むらにより、寸法変化率にもむらが生じ、結果的に幅寸法変化率cが上記範囲を外れてたものとなったり、製品化できない箇所が増えて収率悪化を招く原因となる。一方、磁気記録媒体用支持体の幅寸法変化率c、厚みむら、及びx/Lが、いずれも上記範囲内であると、磁気記録媒体の幅寸法変化率aを容易に上述した範囲とすることができ、寸法安定性に優れた磁気記録媒体を得る上で有効である。
【0023】
また、本発明の支持体は、49℃、90%RHの条件下、長手方向に32MPaの荷重を掛けた状態で72時間処理する前の幅寸法(A4)と該処理後の幅寸法(B4)から下式により求められる幅寸法変化率dが0〜0.3%の範囲であることが好ましい。より好ましくは0〜0.25%、最も好ましくは、0〜0.2%の範囲である。
幅寸法変化率d(%)={(A4−B4)/A4}×100
この幅寸法変化率dが上記範囲を超えるとテープ加工時に皺が発生し易いため好ましくない。また、上記範囲未満であると、テープ加工時に幅方向の収縮が起こり易く、寸法安定性が悪化したり、テープの走行耐久性の悪化、ドロップアウトの多発などデータの保存性が悪化し易くなる。
【0024】
また、本発明の支持体の長手方向の弾性率は6〜15GPa、かつ、長手方向と幅方向の弾性率の和が10〜30GPaであることが好ましい。より好ましくは長手方向の弾性率は7〜14.5GPa、最も好ましくは8〜14GPaの範囲であり、長手方向と幅方向の弾性率の和は11〜27GPaがより好ましく、さらに好ましくは12〜24GPaである。長手方向の弾性率が上記範囲未満であると、テープドライブ内での長手方向への張力によって長手方向に伸び易く、この伸び変形により幅方向に収縮して、記録トラックがずれるという問題が発生し易い。さらにドロップアウトの多発により、データの保存安定性が悪化したり、電磁変換特性が悪化し易い。一方、長手方向の弾性率が上記範囲を超えると、テープ破断が起きやすくなったり、幅方向のヤング率が不足し、エッジダメージの原因となる。また、長手方向と幅方向の弾性率の和が上記範囲であることは、走行耐久性、保存性、オフラックの観点から好ましい。
【0025】
本発明の支持体は、全厚みが2〜8μmであることが好ましく、より好ましくは3.5〜6μmである。
【0026】
本発明の支持体の表面Aの表面粗さRaは1.5〜20nmが好ましく、より好ましくは2〜15nm、さらに好ましくは3〜8nmである。ここで、表面Aとは磁気テープとする際に磁性層を塗布する側の面のことを示す。表面AのRaが上記範囲未満であると、フィルム表面A上に形成される磁性層が平滑すぎて、デジタルリニアテープ(DLT)、リニアテープオープン(LTO)、クオーターインチカセット(QIC)、デジタルビデオカセット(DVC)等のデータ記録装置での磁気記録・再生時に磁気ヘッドにより磁性層が摩耗してしまう。また、表面AのRaが上記範囲を超えると、該磁性層が粗面すぎて、磁気テープの電磁変換特性が低下してしまう。つまり、表面AのRaを上記範囲内とすることで、磁性層の記録・再生時の磁気ヘッドによる摩耗を極力少なくし、及び磁気記録テープの電磁変換特性を良好に保つことが可能となる。
【0027】
本発明の支持体の表面Aとは反対側の表面Bの表面粗さRaは5〜50nmが好ましく、より好ましくは6〜30nm、さらに好ましくは7〜10nmである。ここで、表面Bとは磁気テープの走行面側となる面である。表面BのRaを上記範囲内とすることにより、フィルムを製膜した後、フィルムを所定の幅にスリットする際、巻姿の良い製品を採取しやすく、支持体のフィルム表面A上に磁性層を設けた後にロール状に巻き取った状態において、支持体のフィルム表面Bの粗さが表面A側に転写され磁性層にうねり状の変形が起きるのを最小限とすることが可能となる。
【0028】
本発明に用いられる二軸延伸ポリエステルフィルムに含有される不活性粒子の平均粒径は0.001〜2μmが好ましく、より好ましくは0.005〜1μm、さらに好ましくは0.01〜0.5μmである。不活性粒子の平均粒径が上記範囲未満であると、フィルム表面突起としての役割を果たさないため好ましくない。また、上記範囲を超えると、粗大突起となって脱落しやすくなるため好ましくない。
【0029】
また、本発明に用いられる二軸延伸ポリエステルフィルムに含有される不活性粒子の含有量は、0.01〜3重量%が好ましく、より好ましくは0.02〜1重量%、さらに好ましくは0.05〜0.5重量%である。不活性粒子の含有量が上記範囲未満であると、フィルムの走行特性等に有効でないので好ましくない。また、上記範囲を超えると凝集して粗大突起となり脱落しやすくなるため好ましくない。
【0030】
また、本発明では、フィルムの基層部の片側にフィルムの走行性やハンドリング性を良化させる役割を担うフィルム層を薄膜積層した2層構造をとるものが特に好ましい。なお、基層部とは、層厚みにおいて、最も厚みの厚い層のことであり、それ以外が積層部である。磁気材料用途で重要とされる弾性率や寸法安定性等の物性は、主に基層部の物性によって決定される。また、この2層構造のフィルムにおける積層部は、不活性粒子の平均粒径d(nm)と積層厚さt(nm)との関係が、0.2d≦t≦10dである場合、均一な高さの突起が得られるため好ましい。
【0031】
また、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムからなる支持体は、特に限定されないが、温度50℃、荷重28MPaの条件下で30分経時後のクリープコンプライアンスが、0.11〜0.4GPa−1であることが好ましい。クリープコンプライアンスが上記範囲を超えると、磁気テープの走行時あるいは保存時の張力によって起こる磁気テープの伸び変形抑制や、記録再生時のトラックずれ抑制の観点から好ましくない。また、上記範囲未満であると、磁気テープ破断抑制の観点から好ましくない。クリープコンプライアンスは、さらに好ましくは0.13〜0.35GPa−1、最も好ましくは0.15〜0.30GPa−1の範囲である。
【0032】
本発明の磁気記録媒体用支持体の表面A側に磁性層を設けることにより、磁気記録媒体を作製することができる。
【0033】
磁性層としては、強磁性金属薄膜や強磁性金属微粉末を結合剤中に分散してなる磁性層などが好適な例として挙げられる。強磁性金属薄膜としては、鉄、コバルト、ニッケルやその他の合金等が好ましい。また、強磁性金属微粉末としては、強磁性六方晶フェライト微粉末や、鉄、コバルト、ニッケルやその他の合金等が好ましい。結合剤としては、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物が使用される。熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリルニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビニルアセタール、ビニルエーテル等を単量単体として含む重合体または共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂がある。また、熱可塑性樹脂または反応型樹脂としてはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、ポリウレタンとポリイソシアネートの混合物等が挙げられる。これらの樹脂については朝倉書店発行の「プラスチックハンドブック」に詳細に記載されている。また、公知の電子線硬化型樹脂を使用することも可能である。
【0034】
磁性層の形成法は、磁性粉を、熱可塑性、熱硬化性あるいは放射線硬化性などの高分子(結合剤)と混練し、塗布、乾燥、カレンダリングを行う塗布法、金属または合金を、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレコーティング法などにより、基材フィルム上に磁性金属薄膜層を直接形成する乾式法のいずれの方式も採用できる。
【0035】
本発明の磁気記録媒体においては、強磁性金属膜上に保護膜が設けられていてもよい。この保護膜によって、さらに走行耐久性、耐食性を改善することができる。保護膜としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化コバルト、酸化ニッケルなどの酸化物保護膜、窒化チタン、窒化ケイ素、窒化ホウ素などの窒化物保護膜、炭化ケイ素、炭化クロム、炭化ホウ素等の炭化物保護膜、グラファイト、無定型カーボン等の炭素からなる炭素保護膜があげられる。前記炭素保護膜は、プラズマCVD法、スパッタリング法等で作製したアモルファス構造、グラファイト構造、ダイヤモンド構造、もしくはこれらの混合物からなるカーボン膜であり、特に好ましくは一般にダイヤモンドライクカーボンと呼ばれる硬質カーボン膜である。また、この硬質炭素保護膜上に付与する潤滑剤との密着性をさらに向上させる目的で、硬質炭素保護膜表面を酸化性もしくは不活性気体のプラズマによって表面処理してもよい。
【0036】
さらに、支持体に磁性層を塗布した後、2段階キュア処理を施すことは寸法変化率aを上述した範囲とする上で効果的であり好ましいことである。この際、キュア処理条件は(Tg−20℃)〜Tgで12〜24時間の第1キュア処理を施した後、Tg〜(Tg+10℃)で12〜24時間の第2キュア処理を施し、第1キュア処理温度<第2キュア処理温度とするのがより好ましい。
【0037】
本発明では、磁気記録媒体の走行耐久性および耐食性を改善するため、上記磁性膜もしくは保護膜上に、潤滑剤や防錆剤を付与することが好ましい。
【0038】
次に本発明の支持体の製造法について具体的に説明するが、かかる例に限定されるものではない。
【0039】
本発明の支持体で用いるポリエステルフィルムは、ポリエステル樹脂を溶融成形したシートを、長手方向と幅方向に逐次二軸延伸および/または同時二軸延伸することにより延伸配向させたフィルムであり、二軸延伸を多段階の温度で順次延伸を重ねて、高度に配向させることにより得られる。
【0040】
以下では、好ましい製造方法として、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなるフィルムを逐次二軸延伸法により製造する例について説明する。
【0041】
まず、本発明で使用する高分子量ポリエチレンテレフタレートは通常の方法により、即ち、次のいずれかのプロセスで製造される。すなわち、(1)テレフタル酸とエチレングリコールを原料とし、直接エステル化反応によって低分子量のポリエチレンテレフタレートまたはオリゴマーを得、さらにその後の三酸化アンチモンやチタン化合物を触媒に用いた重縮合反応によって高分子量ポリマを得るプロセス、(2)ジメチルテレフタレートとエチレングリコールを原料とし、エステル交換反応によって低分子量体を得、さらにその後の三酸化アンチモンやチタン化合物を触媒に用いた重縮合反応によって高分子量ポリマーを得るプロセス(DMT法)である。ここで、エステル化は無触媒でも反応は進行するが、エステル交換反応においては、通常、マンガン、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、リチウム、チタン等の化合物を触媒に用いて進行させ、またエステル交換反応が実質的に完結した後に、該反応に用いた触媒を不活性化する目的で、リン化合物を添加する場合もある。
【0042】
上記方法により得られたPETのペレットを180℃で3時間以上、真空乾燥した後、該ポリマーの融点以上に加熱後、定量的にTダイ口金から吐出させ、高電圧を印可させながら冷却ドラムに密着させて冷却し未延伸フィルムを得る。ここで、本発明においては、最終的に得られる二軸配向ポリエステルフィルムの厚みむらを0.3〜5%とするために、例えば、該口金のドラフト比(=口金リップ間隙/押し出されたシート厚み)を1〜15とすることが好ましく、更に好ましくは2〜10、より好ましくは2〜8である。さらに、静電印加法では、通常直径0.15mmワイヤー電極を用いられるが、厚みむら低減の観点から、好ましくは直径0.10mmワイヤー電極、さらに好ましくは断面が矩形で、長手方向に一様な形態を持つテープ状の電極を用いると良い。
【0043】
続いて、該未延伸フィルムを、Tg(ポリエステルのガラス転移温度)〜(Tg+55℃)の範囲の加熱ロール群で加熱し、長手方向に1段もしくは多段で3〜8倍に延伸し、20〜50℃の冷却ロール群で冷却する。この際、本発明のヤング率を満足させるには、長手方向の延伸速度は50000〜200000%/分で行い、一段目の延伸条件を(Tg+10℃)〜(Tg+40℃)の温度範囲で1.5〜3倍とし、引き続いて、(一段目の延伸温度−40℃)〜(一段目の延伸温度−10℃)の温度範囲で1.5〜4.5倍多段階に延伸することが好ましい。続いて、横方向の延伸を行う。幅方向の延伸方法としては、例えばステンターを用いる方法が一般的である。幅方向の延伸温度はTg〜(Tm(ポリエステルの融点)−40℃)の範囲で、倍率は3〜8倍(再縦延伸を行う場合は1段目の延伸は3〜4.5倍)、延伸速度は2000〜10000%/分の範囲で行うのが好ましい。さらに必要に応じて再縦延伸および/または再横延伸を行う。この場合の再縦延伸条件としては、長手方向の延伸は温度Tg〜(Tg+70℃)の加熱ロール群で、延伸倍率は1.2〜2.2倍の範囲で延伸を行うことが好ましい。再横延伸の方法としては、テンターを用いる方法が好ましく、温度゜は(Tm−140℃)〜(Tm−40℃)、延伸倍率は1.2〜2.0倍の範囲で行うのが好ましい。続いて、この延伸フィルムを緊張下または幅方向に弛緩処理しながら熱処理する。この場合の熱処理温度は(Tm−50℃)〜(Tm−20℃)で、好ましくは(Tm−40℃)〜(Tm−10℃)で、処理時間0.2〜10秒の範囲で行うのが好ましい。この際、得られる支持体のx/Lを0〜15゜/mとするためには、フィルムを二軸延伸後、一旦、フィルムをガラス転移温度以下まで冷却し、または、フィルムの端部が中央部より高温となるように温度勾配をつけ、かつ中央部の温度を90℃以下に保って予熱処理した後、熱処理する方法、また、フィルムを二軸延伸後、フィルムの端部の温度が中央部の温度より10℃以上高くなるように熱処理する方法などを用いるのが好ましい。
【0044】
上述したような方法により、寸法安定性、厚み均一性、幅方向の物性均一性、剛性に優れた磁気記録媒体用支持体が得られ、また、磁気記録媒体製造時に発生する問題等を解決できる。
【0045】
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法]
特性値の測定方法ならびに効果の評価方法は次の通りである。なお、磁気記録媒体用支持体について測定する際の長手方向(MD)、幅方向(TD)は、支持体を構成するフィルムの長手方向、幅方向と同じとする。また、磁気テープ以外の磁気記録媒体について測定する際の長手方向(MD)、幅方向(TD)は、記録媒体中の支持体を構成するフィルムの長手方向、幅方向と同じとする。
【0046】
磁気テープサンプル、テープ状にサンプリングされた磁気記録媒体サンプル、及び、テープ状にサンプリングされた磁気記録媒体用支持体サンプルについて、幅寸法を測定する際は、図1に示すアヤハエンジニアニング製シート幅測定器と(株)キーエンス製レーザー寸法測定器(LS−5000)とを用いて次の手法で行う。
【0047】
図1において、サンプル(試料)4は、一端側が固定クリップ1によって固定され、他端側に重り(分銅)7が吊り下げられ、その中間部分は回転ロール6とガラス板5の上に掛け渡される。固定クリップ1には、ロードセルとして(株)キーエンス製ロードインジケーター(JC−500)が接続されている。ガラス板上に掛け渡されたサンプル部分において幅寸法が測定される。符号2が長手方向測定用のレーザーセンサーを、符号3が幅方向測定用のレーザーセンサーを、また、符号9が上記レーザー寸法測定器の本体部分を示す。
【0048】
この図1に示すシート幅測定器にテープ状のサンプル4をセットし、所定重量の重り(分銅)7を吊り下げた状態とする。この際の雰囲気は、23℃、65%RHの雰とする。出来るだけ正確に荷重を負荷するために、固定クリップ1に接続したロードセルに表示された荷重が所定の荷重値になるようにサンプルの張り具合を微調整し、サンプルの幅方向の寸法を読み取る。
【0049】
(1)磁気テープ等の磁気記録媒体の幅寸法変化率a
磁気記録媒体の長手方向を試料長とし、試料長:250mm、試料幅:1/2インチのテープ状にスリットしたサンプルを用いる。なお、テープ幅が1/2インチ未満の磁気テープの場合は、そのテープ幅で、試料長:250mmのサンプルを用いる。
【0050】
上記した図1に示すシート幅測定器を用いて、23℃、65%RHの雰囲気下で24時間調湿調温した後のサンプルについて、荷重負荷が10MPaとなるような重り(分銅)7を吊り下げた状態で、サンプル幅寸法を測定する。さらに、荷重負荷が20MPaとなるような重り(分銅)7を吊り下げた状態で、サンプル幅寸法を測定する。下記式により幅寸法変化率aを求める。
幅寸法変化率a(%)={(A1−B1)/A1}×100
ここで、A1:荷重10MPa負荷した際の幅寸法(mm)、B1:荷重20MPa負荷した際の幅寸法(mm)である。なお、長手方向の10m区間内において、ランダムに5点測定を行い、該5点における最大値を採用した。
【0051】
(2)磁気テープ等の磁気記録媒体の幅寸法変化率b
磁気記録媒体の長手方向を試料長とし、試料長:250mm、試料幅:1/2インチのテープ状にスリットしたサンプルを用いる。なお、テープ幅が1/2インチ未満の磁気テープの場合は、そのテープ幅で、試料長:250mmのサンプルを用いる。
【0052】
上記した図1に示すシート幅測定器を用いて、23℃、65%RHの雰囲気下で24時間調湿調温した後のサンプルについて、荷重を10MPa負荷した際のサンプル幅寸法(A2mm)を測定する。その後、サンプルを、49℃、90%RHの雰囲気中に、長手方向に32MPaの荷重をかけた状態で、72時間放置する。72時間放置後、荷重を解放し、23℃、65%RHの条件下にて24時間調湿調温後、再び、荷重を10MPa負荷した際のサンプル幅寸法(B2mm)を測定する。下記式により幅寸法変化率bを求める。なお、該測定は5回行い、5回の平均値を採用した。
幅寸法変化率b(%)={(A2−B2)/A2}×100
【0053】
(3)磁気記録媒体用支持体の幅寸法変化率c
長手方向を試料長とし、試料長:250mm、試料幅:30mmのテープ状のサンプルを用い、レーザーで寸法が読み取れる位置に、予め油性ペンで20×20mmの格子を描いておく。前記(1)磁気テープ等の磁気記録媒体の幅寸法変化率の測定と同じ装置、方法により、23℃、65%RHの雰囲気下で24時間調湿調温した後のサンプルについて、10MPa荷重負荷時のサンプル幅寸法と、20MPa荷重負荷時のサンプル幅寸法を測定し、下記式により幅寸法変化率cを求める。
幅寸法変化率c(%)={(A3−B3)/A3}×100
ここで、A3:荷重10MPa負荷した際の幅寸法(mm)、B3:荷重20MPa負荷した際の幅寸法(mm)である。なお、長手方向の10m区間において、ランダムに5点測定を行い、該5点における最大値を採用した。
【0054】
(4)磁気記録媒体用支持体の幅寸法変化率d
23℃、65%RHの雰囲気下において、試料長(フィルム長手方向):143mm、幅:31mmの支持体サンプルを、24時間調湿調温した後、大日本印刷(株)製クロムマスク上の中央に、サンプルを貼り付け、光学顕微鏡を用いて、幅方向の寸法(A4mm)を測定する。その後、サンプルを、49℃、90%RHの雰囲気中に、長手方向に32MPaの荷重をかけた状態で、72時間放置する。72時間放置後、荷重を解放し、23℃、65%RHの条件下にて24時間調湿調温後、サンプル幅方向の寸法(B4mm)を測定する。幅方向の寸法変化率は下記式により求める。なお、該測定は5回行い、5回の平均値を採用した。
幅寸法変化率d(%)={(A4−B4)/A4×100}
【0055】
(5)磁気記録媒体用支持体の厚みむら
アンリツ(株)製フィルムシックネステスタ「KG601A」及び電子マイクロメーター「K306C」を用いて、長手方向に、30mm幅、10m長でサンプリングした支持体サンプルについて、厚みを搬送速度3m/分で連続的に測定する。この測定結果から、10m長における厚みの最大値をTmax、最小値をTmin、厚み平均値をTaveとし、R=Tmax−Tminを求め、RとTaveから下記式により厚みむら(%)を求めた。
厚みむら(%)=R/Tave×100
【0056】
(6)磁気記録媒体用支持体のx/L
白色光を光源として偏光顕微鏡を用い、その消光値から配向主軸とフィルム幅方向との狭角を求め、これを配向角(°)とする。この配向角をフィルム幅方向の全幅について測定し、フィルム幅方向における配向角の最大値と最小値の差x(°)を求める。この配向角の差x(°)のフィルム幅L(m)に対する比の値x/L(°/m)を求める。なお、配向主軸は幅方向を0°、幅方向と垂直な方向(長手方向)を90°とした。
【0057】
(7)磁気記録媒体用支持体の弾性率
ASTM−D882に規定された方法に従って、オリエンテック(株)製フイルム強伸度自動測定装置“テンシロンAMF/RTA−100”を用いて、幅10mm、試長100mmのサンプルを、温度23℃、湿度65%RH、引張り速度10mm/分の条件で、5回測定を行い、その平均値をとった。
【0058】
(8)支持体の全厚み、及び積層厚み
透過型電子顕微鏡(日立(株)製H−600型)を用いて、加速電圧100kVで、支持体の断面を、超薄切片(RuO4染色)で観察する。その界面の観察結果から、全厚み、及び積層厚みを求める。倍率は判定したい支持体の全厚み、積層厚みによって適宜倍率に設定すればよいが、一般的には全厚み測定には1千倍、積層厚み測定には1万〜10万倍が適当である。
【0059】
また、2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて積層厚みを測定することもできる。表層から深さ3000nmの範囲のフィルム中の不活性粒子の内もっとも高濃度の粒子に起因する元素(M+)と、ポリエステルの炭素元素との濃度比(M+/C+)を、表面から深さ3000nmまで厚さ方向にSIMSで分析する。表層では不活性粒子に起因する元素濃度は低く、表面から遠ざかるにつれて不活性粒子に起因する元素濃度は高くなる。本発明のフィルムの場合は、一旦極大値となった不活性粒子に起因する元素濃度がまた減少し始める。この濃度分布曲線において、不活性粒子に起因する元素濃度が極大値の1/2まで減少した深さを積層厚みとする。測定条件は次の通りである。
【0060】
1)測定装置
2次元イオン質量分析装置(SIMS)
西独、ATOMIKA社製 A−DIDA3000
2)測定条件
1次イオン種 :O2 +
1次イオン加速電圧:12KV
1次イオン電流 :200nA
ラスター領域 :400μm□
分析領域 :ゲート30%
測定真空度 :5.0×10−9Torr
E−GUN :0.5KV−3.0A
【0061】
なお、表層から深さ3000nmの範囲に最も多く含有する不活性粒子が有機高分子粒子の場合はSIMSでは測定し難いので、表面からエッチングしながらXPS(X線光電子分光法)、IR(赤外分光法)などで上記同様のデプスプロファイルを測定し積層厚みを求めることもできる。
【0062】
(9)支持体の表面粗さRa
小坂研究所製の高精度薄膜段差測定器ET−10を用いて、触針先端半径0.5m、触針荷重5mg、測定長1mm、カットオフ値0.08mmでの中心線平均粗さRaを、フィルム幅方向に走査して、20回測定を行ない、その平均値をとる。
【0063】
(10)ポリマの熱特性(ガラス転移温度、融点)
示差走査熱量計として、セイコー電子工業(株)社製のロボットDSC「RDC220」を用いて、データ解析装置として、同社製ディスクステーション「SSC/5200」を用いて、下記条件で比熱測定を行い、JIS K7121に従って融点(Tm)等を決定した。
【0064】
測定条件
加熱温度:270〜540K(RCS冷却法)
温度校正:高純度インジウム及びスズの融点
温度変調振幅:±1K
温度変調周期:60秒
平均昇温速度:約10mg
試料重量:アルミニウム製開放型容器(33mg)
なお、ガラス転移温度(Tg)は、次式により算出した。
ガラス転移温度=(補外ガラス転移開始温度+補外ガラス転移終了温度)/2
【0065】
(11)支持体のクリープコンプライアンス
支持体を、幅4mm、試長15mmにサンプリングし、真空理工(株)製TMA TM−3000および加熱制御部TA−1500にセットし、50℃、65%RHの条件下に調湿調温し、その時の試料フィルムの長さをL0(μm)とした。その後28MPaの荷重を試料フィルムにかけて、30分間保持した後の試料フィルムの長さをL1(μm)とした。このときの試料フィルムの伸縮量から、次式より、クリープコンプライアンスを算出した。
クリープコンプライアンス(GPa−1)={(L1−L0)/L0}/0.028なお、測定は5回行い、5回の平均値を採用した。また、ここでいうクリープとは一定応力のもとで歪みが時間と共に増大する現象のことであり、クリープコンプライアンスとはこの歪みと一定応力の比であり、「高分子化学序論(第2版)」((株)化学同人発行)p150に記載されたものである。
【0066】
(12)磁気テープの走行耐久性および保存安定性
磁気記録媒体を1/2インチ幅にスリットし、磁気テープとして、長さ670m分を、カセットに組み込んでカセットテープとした。該カセットテープを、Quantum社製DLT(IV) Driveを用い、150時間走行させ、次の基準でテープの走行耐久性を評価した。
◎:テープ端面の伸び、折れ曲がりがなく、削れ跡が見られないもの。
○:テープ端面の伸び、折れ曲がりがないが、若干削れ跡がもられるもの。
△:テープ端面の伸びはないが、一部折れ曲がり、削れ跡が見られるもの。
×:テープ端面の一部が伸び、ワカメ状の変形が見られ、削れ跡が見られるもの。
【0067】
また、上記作製したカセットテープをQuantum社製DLT(IV) Driveを用い、データを読み込んだ後、カセットテープを60℃、80%RHの雰囲気中に100時間保存した後、データを再生して次の基準で、テープの保存安定性を評価した。
◎:テープ幅の変化が2μm以下であり、トラックずれがなく、正常に再生したもの。
○:テープ幅の変化が2μmを超え、4μm以下であり、トラックずれが無く、正常に再生したもの。
△:テープ幅の変化が4μmを超え、6μm以下であり、トラックずれが無く、正常に再生したもの。
×:テープ幅の変化が4μmを超え、読みとり不可が見られるもの。
【0068】
(13)磁気テープの電磁変換特性(C/N)
磁気記録媒体を8mm幅にスリットし、パンケーキを作製した。次いで、このパンケーキから長さ200m分の磁気テープをカセットに組み込んで、カセットテープとした。
【0069】
該磁気テープを市販のHi8用VTR(SONY社製EV−BS3000)を用いて、7MHz±1MHzのC/Nの測定を行った。このC/Nを市販されているHi8用MPビデオテープと比較して、次の通りランク付けした。
○:+3dB以上のもの
△:+1dB以上、+3dB未満のもの
×:+1dB未満のもの
【0070】
【実施例】
実施例1
DMT法による重合を行った。即ち、テレフタル酸ジメチル194重量部とエチレングリコール124重量部に、酢酸マグネシウム4水塩0.1重量部を加え、140〜230℃でメタノールを留出しつつエステル交換反応を行った。次いで、リン酸トリメチル0.05重量部のエチレングリコール溶液、および三酸化アンチモン0.05重量部を加えて5分間撹拌した後、生成した低重合体を30rpmで攪拌しながら、反応系を230℃から290℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を0.1kPaまで下げた。最終温度、最終圧力到達までの時間はともに60分とした。3時間重合反応させ所定の攪拌トルクとなった時点で反応系を窒素パージし常圧に戻して重縮合反応を停止し、重合生成物を冷水中にストランド状に吐出し、直ちにカッティングして固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレートのペレットとした。
【0071】
上記方法により得られた固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレート(PET)について、DSCを用いて熱特性を測定したところ、Tg:82℃、Tm:256℃であった。
【0072】
このPETを用い、押出機2台(A、B)を用いて、次の方法で製膜を行った。
285℃に加熱された押出機Aには、実質的に不活性粒子を含有しないPETに平均粒径0.07μmのシリカを0.1重量%含有させた原料(A1)を、180℃で3時間真空乾燥した後に供給した。また、285℃に加熱した押出機Bには、実質的に不活性粒子を含有しない固有粘度0.65のPETに平均粒径0.3μmの架橋ポリスチレンを0.5重量%含有させた原料(B1)を、180℃で3時間真空乾燥した後に供給した。
【0073】
続いて、原料(A1)をサンドフィルター、1.2μmカットの繊維焼結ステンレス金属フィルターおよび0.8μmカットの繊維焼結ステンレス金属フィルターの順に3段階に濾過し、また、原料(B1)をサンドフィルター、3μmカットの繊維焼結ステンレス金属フィルターの順に2段階で濾過した後、ポリマーの温度が285℃となるようにしてTダイで合流させ口金からシート状に押出した。この時、ドラフト比(=口金リップ間隙/押し出されたシート厚み)は5、LD間(口金リップと冷却ドラムとの距離)は20mmとした。さらに、このシート状押出ポリマを表面温度25℃のキャストドラム上に、テープ状(厚み0.04mm、幅7.2mm)の電極を用いた静電印加法により密着させて冷却固化させ、2層積層した未延伸フィルム(積層厚み比A1/B1=5/1)を作製した。
【0074】
この得られた未延伸フィルムをロール式延伸機にて、まず、ロールの周速差を利用して長手方向に115℃、3.5倍に延伸し、続いて、ステンターにより幅方向に95℃、3.3倍に延伸し、さらにロール縦延伸機を用いて140℃、1.7倍に再縦延伸を行った後、テンターにおいて190℃で1.3倍に再横延伸を行った。その後、フィルムの中央部が210℃でフィルム端部は中央部より10℃高くなるように温度勾配をつけて熱処理を行った後、150℃の冷却ゾーンで幅方向に5%の弛緩率で弛緩処理を行い、さらに100℃のゾーンで幅方向に1%の弛緩率で弛緩処理を行い、フィルムを室温まで徐冷して巻き取り、厚み4μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを作製し、これを磁気記録媒体用支持体とした。なお、フィルム厚みは、押出量の調節により所望水準とした。
【0075】
得られた支持体の表面A(原料(A1)の層の表面)側に、下記組成の磁性塗料と非磁性下層塗料とをエクストルージョンコーターにより重層塗布(上層は磁性塗料で塗布厚0.1μm、非磁性下層の厚みは適宜変化させた。)し、磁気配向させ、乾燥させる。次いで反対面(表面B側)に、下記組成のバックコート層を形成した後、小型テストカレンダー装置(スチール/ナイロンロール、5段)で、温度85℃、線圧200kg/cmでカレンダー処理した後、60℃で24時間の第1キュアリングした後、80℃で24時間の第2キュアリングをし、磁気記録媒体とした。この磁気記録媒体を1/2インチ幅、又は8mm幅にスリットした磁気テープでもって特性を評価した。
【0076】
(磁性塗料の組成)
・強磁性金属粉末 :100重量部
・変成塩化ビニル共重合体 : 10重量部
・変成ポリウレタン : 10重量部
・ポリイソシアネート : 5重量部
・ステアリン酸 : 1.5重量部
・オレイン酸 : 1重量部
・カーボンブラック : 1重量部
・アルミナ : 10重量部
・メチルエチルケトン : 75重量部
・シクロヘキサノン : 75重量部
・トルエン : 75重量部
(バックコートの組成)
・カーボンブラック(平均粒径20nm) : 95重量部
・カーボンブラック(平均粒径280nm): 10重量部
・αアルミナ : 0.1重量部
・変成ポリウレタン : 20重量部
・変成塩化ビニル共重合体 : 30重量部
・シクロヘキサノン :200重量部
・メチルエチルケトン :300重量部
・トルエン :100重量部
【0077】
表1に得られた支持体の物性を示す。また、表2に、この支持体から得られた磁気記録媒体の特性として、磁気テープの走行耐久性、保存安定性、磁気変換特性を示す。
表1、2に示したとおり、得られた支持体は寸法安定性に優れており、走行耐久性、保存安定性等に優れた磁気テープとすることができた。
【0078】
実施例2
実施例1と同様にして2層積層した未延伸フィルム(積層厚み比A1/B1=5/1)を作製した後、該未延伸フィルムをロール式延伸機にて、まず、ロールの周速差を利用して長手方向に115℃で3.1倍の延伸を行い、続いてテンターにより100℃で3.52倍の延伸を行い、さらにロール延伸機を用いて150℃、1.53倍の再縦延伸を行った後、テンターにおいて150℃で1.53倍に再横延伸を行った。その後、フィルムの中央部が205℃でフィルム端部は中央部より10℃高くなるように温度勾配をつけて熱処理を行った後、150℃の冷却ゾーンで幅方向に5%の弛緩率で弛緩処理を行い、さらに100℃のゾーンで幅方向に1%の弛緩率で弛緩処理を行い、フィルムを室温まで徐冷して巻き取り、厚み4μmの二軸延伸ポリエステルフィルムの磁気記録媒体用支持体とした。なお、フィルム厚みは、押出量の調節により所望水準とした。
【0079】
得られた支持体を用いて、実施例1と同様の方法で磁気記録媒体を作製した。表1、2が示すように、得られた支持体の寸法安定性は比較的良く、保存安定性、電磁変換特性に優れた磁気テープとすることができた。
【0080】
実施例3
実施例2と同様にして厚み4μmのフィルムの支持体を作製した後、支持体への磁性層塗布後のキュア処理条件を、60℃で48時間に変更した以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
表1、2が示すように、得られた支持体の寸法安定性は比較的優れており、走行耐久性、保存安定性に優れ、電磁変換特性も比較的優れた磁気テープとすることができた。
【0081】
比較例1
実施例1での原料(A1)と原料(B1)を口金から押出す際のドラフト比を20に変更し、静電印加法で冷却ドラムにシートを密着させる際のテープ状の電極を、ワイヤー電極(直径:0.15mmφ)に変更した以外は実施例1と同様にして2層積層した未延伸フィルムを作成した後、実施例2と同様にして厚み4μmのフィルムの支持体を作製し、得られた支持体を用いて、実施例1と同様の方法で磁気記録媒体を作製した。
表1、2が示すように、得られた支持体は寸法安定性が悪く、走行耐久性、電磁変換特性が劣った磁気テープとなった。
【0082】
比較例2
実施例2でのフィルムを再横延伸した後の熱処理を、フィルムの端部から中央部にかけて温度勾配をかけずに、210℃で熱処理することにした以外は実施例2と同様にして厚み4μmのフィルムの支持体を作成し、得られた支持体を用いて、実施例1と同様の方法で磁気記録媒体を作製した。
表1、2が示すように、得られた支持体は寸法安定性が悪く、保存安定性が劣った磁気テープとなった。
【0083】
実施例4
実施例1と同様な方法で固有粘度0.85のポリエチレンテレフタレート(PET)のペレット(Tg80℃)を製造した。このPETのペレット50重量%と、General Electric(GE)社製の固有粘度0.68のポリエーテルイミド(PEI)”ウルテム”1010(Tg216℃)50重量%とを、290℃に加熱された同方向回転タイプのベント式2軸混練押出機に供給して、PEIを50重量%含有したブレンドチップ(I)を作製した。このブレンドチップ(I)について、DSCを用いて熱特性を測定したところ、Tg :89℃、Tm :254℃であった。
【0084】
次いで、押出機2台(A、B)を用いて、次の方法で製膜を行った。
295℃に加熱された押出機Aには、実質的に不活性粒子を含有しない固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレート(PET)に平均粒径0.09μmのシリカを0.05重量%含有させたペレット(II)と、PEIを含有したブレンドチップ(I)とを8:2の比でドライブレンドした混合原料(A1)を、180℃で3時間真空乾燥した後に供給した。また、295℃に加熱した押出機Bには、実質的に不活性粒子を含有しない固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレート(PET)に平均粒径0.3μmの炭酸カルシウムを0.5重量%含有させたペレット(III)と、PEIを含有したブレンドチップ(I)とを8:2の比でドライブレンドした混合原料(B1)を、180℃で3時間真空乾燥した後に供給した。
【0085】
続いて、混合原料(A1)をサンドフィルター、1.2μmカットの繊維焼結ステンレス金属フィルターおよび0.8μmカットの繊維焼結ステンレス金属フィルターの順に3段階に濾過し、また、混合原料(B1)をサンドフィルター、3μmカットの繊維焼結ステンレス金属フィルターの順に2段階で濾過した後、ポリマーの温度が295℃となるようにしてTダイで合流させ口金からシート状に押出した。この時、ドラフト比(=口金リップ間隙/押し出されたシート厚み)は5、LD間(口金リップと冷却ドラムとの距離)は20mmとした。さらに、このシート状押出ポリマを表面温度25℃のキャストドラム上に、テープ状(厚み0.04mm、幅7.2mm)の電極を用いた静電印加法により密着させて冷却固化させ、2層積層した未延伸フィルム(積層厚み比A1/B1=5/1)を作製した。
【0086】
この得られた未延伸フィルムをロール式延伸機にて、まず、ロールの周速差を利用して長手方向に110℃、3.1倍に延伸し、続いて、ステンターにより幅方向に100℃、3.3倍に延伸し、さらにロール縦延伸機を用いて150℃、1.7倍に再縦延伸を行った後、テンターにおいて200℃で1.3倍に再横延伸を行った。その後、フィルムの中央部が205℃でフィルム端部は中央部より10℃高くなるように温度勾配をつけて熱処理を行った後、150℃の冷却ゾーンで幅方向に5%の弛緩率で弛緩処理を行い、さらに100℃のゾーンで幅方向に1%の弛緩率で弛緩処理を行い、フィルムを室温まで徐冷して巻き取り、厚み4μmの二軸延伸フィルムを作製し、これを磁気記録媒体用支持体とした。なお、フィルム厚みは、押出量の調節により所望水準とした。
【0087】
得られた支持体の表面A(混合原料(A1)の層の表面)側に、実施例1と同様の磁性塗料と非磁性下層塗料とをエクストルージョンコーターにより重層塗布(上層は磁性塗料で、塗布厚0.1μm、非磁性下層の厚みは適宜変化させた。)し、磁気配向させ、乾燥させる。次いで反対面(表面B側)に、実施例1と同様のバックコート層を形成した後、小型テストカレンダー装置(スチール/ナイロンロール、5段)で、温度85℃、線圧200kg/cmでカレンダー処理した後、60℃で24時間の第1キュアリングした後、80℃で24時間の第2キュアリングをし、磁気記録媒体とした。この磁気記録媒体をスリットした磁気テープで特性を評価した。
【0088】
表1、2が示すように、得られた支持体は寸法安定性に優れており、走行耐久性、保存安定性、電磁変換特性に優れた磁気テープとすることができた。
【0089】
実施例5
実施例1でのポリエチレンテレフタレートをポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)に変更し、押出機2台(A、B)を用いて、次の方法で製膜を行った。なお、PENの熱特性をDSCを用いて測定したところ、Tg:119℃、Tm:261℃であった。
【0090】
300℃に加熱された押出機Aには、実質的に不活性粒子を含有しないPENに平均粒径0.09μmのシリカを0.05重量%含有させた原料(A1)を、180℃で3時間真空乾燥した後に供給した。また、300℃に加熱した押出機Bには、実質的に不活性粒子を含有しない固有粘度0.65のPENに平均粒径0.3μmの炭酸カルシウムを0.5重量%含有させた原料(B1)を、180℃で3時間真空乾燥した後に供給した。
【0091】
続いて、原料(A1)をサンドフィルター、1.2μmカットの繊維焼結ステンレス金属フィルターおよび0.8μmカットの繊維焼結ステンレス金属フィルターの順に3段階に濾過し、また、原料(B1)をサンドフィルター、3μmカットの繊維焼結ステンレス金属フィルターの順に2段階で濾過した後、ポリマーの温度が255℃となるようにしてTダイで合流させ口金からシート状に押出した。この時、ドラフト比(=口金リップ間隙/押し出されたシート厚み)は5、LD間(口金リップと冷却ドラムとの距離)は20mmとした。さらに、このシート状押出ポリマを表面温度25℃のキャストドラム上に、テープ状(厚み0.04mm、幅7.2mm)の電極を用いた静電印加法により密着させて冷却固化させ、2層積層した未延伸フィルム(積層厚み比A1/B1=5/1)を作製した。
【0092】
この得られた未延伸フィルムをロール式延伸機にて、まず、ロールの周速差を利用して長手方向に100℃、3.5倍に延伸し、続いて、ステンターにより幅方向に100℃、3.5倍に延伸し、さらにロール縦延伸機を用いて145℃、1.4倍に再縦延伸を行った後、テンターにおいて145℃で1.4倍に再横延伸を行った。その後、フィルムの中央部が210℃でフィルム端部は中央部より10℃高くなるように温度勾配をつけて熱処理を行った後、150℃の冷却ゾーンで幅方向に5%の弛緩率で弛緩処理を行い、さらに100℃のゾーンで幅方向に1%の弛緩率で弛緩処理を行い、フィルムを室温まで徐冷して巻き取り、厚み4μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを作製し、これを磁気記録媒体用支持体とした。なお、フィルム厚みは、押出量の調節により所望水準とした。
【0093】
得られた支持体の表面A(原料(A1)の層の表面)側に、実施例1と同様の磁性塗料と非磁性下層塗料とをエクストルージョンコーターにより重層塗布(上層は磁性塗料で、塗布厚0.1μm、非磁性下層の厚みは適宜変化させた。)し、磁気配向させ、乾燥させる。次いで反対面(表面B側)に、実施例1と同様のバックコート層を形成した後、小型テストカレンダー装置(スチール/ナイロンロール、5段)で、温度85℃、線圧200kg/cmでカレンダー処理した後、60℃で24時間の第1キュアリングした後、80℃で24時間の第2キュアリングをし、磁気記録媒体とした。この磁気記録媒体をスリットした磁気テープで特性を評価した。
【0094】
表1、2が示すように、得られた支持体の寸法安定性は比較的良く、電磁変換特性に優れた磁気テープとすることができた。
【0095】
比較例3
実施例5での原料(A1)と原料(B1)を口金から押出す際のドラフト比を20に変更し、静電印加法で冷却ドラムにシートを密着させる際のテープ状の電極を、ワイヤー電極(直径:0.15mmφ)に変更した以外は実施例5と同様にして厚み4μmの二軸延伸ポリエステルフィルム、及び磁気記録媒体を作製した。
表1、2が示すように、得られた支持体は寸法安定性が悪く、走行耐久性、保存安定性、電磁変換特性が劣った磁気テープとなった。
【0096】
実施例6
実施例1での原料(B1)中に配合した粒子を、平均粒径0.04μmのシリカを0.05重量%含有と変更した以外は実施例1と同様にして、厚み4μmの二軸延伸ポリエステルフィルム、及び磁気記録媒体を作製した。
表1、2が示すように、得られた支持体は寸法安定性に優れており、保存安定性に優れた磁気テープとすることができた。
【0097】
実施例7
実施例1での原料(A1)中に配合した粒子を、平均粒径0.03μmのシリカを0.3重量%含有と変更した以外は実施例1と同様にして、厚み4μmの二軸延伸ポリエステルフィルム、及び磁気記録媒体を作製した。
表1、2が示すように、得られた支持体は寸法安定性に優れており保存安定性に優れた磁気テープとすることができた。
【0098】
実施例8
実施例1での原料(A1)中に配合した粒子を、粒子径0.03μmのアルミナを0.3重量%と粒子径0.4μmの架橋ポリスチレンを0.5重量%とを含有と変更した以外は実施例1と同様にして、厚み4μmの二軸延伸ポリエステルフィルム、及び磁気記録媒体を作製した。
表1、2が示すように、得られた支持体は寸法安定性に優れており、保存安定性に優れた磁気テープとすることができた。
【0099】
実施例9
実施例1での原料(B1)中に配合した粒子を、平均粒径1.2μmの炭酸カルシウムを0.5重量%含有と変更した以外は実施例1と同様にして、厚み4μmの二軸延伸ポリエステルフィルム、及び磁気記録媒体を作製した。
表1、2が示すように、得られた支持体は寸法安定性に優れており、保存安定性に優れた磁気テープとすることができた。
【0100】
【表1】
【0101】
【表2】
【0102】
【発明の効果】
本発明による磁気記録媒体は、高温高湿下で長時間保管してもトラックずれが少なく、走行耐久性、寸法安定性に優れ、良好な電磁変換性を示すことができるものであり、高密度磁気記録媒体として好適なものである。また、本発明による磁気記録媒体用支持体は、厚み均質性、幅方向物性均一性、寸法安定性、剛性に優れた支持体であり、特に磁気記録媒体用に好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】アヤハエンジニアリング製シート幅測定器等を用いて支持体サンプル等の幅を測定する場合の概略をモデル的に示す図である。
【符号の説明】
1:固定クリップ
2:レーザーセンサー(長手方向測定用)
3:レーザーセンサー(幅方向測定用)
4:試料
5:ガラス板
6:回転ロール
7:重り(分銅)
8:ロードインジケーター(JC−500)
9:レーザー寸法測定器(LS−5000)[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention is a magnetic recording medium having a magnetic layer having a magnetic layer exhibiting good trackability, excellent track durability and excellent dimensional stability even when stored for a long time under high temperature and high humidity, and having uniform thickness, The present invention relates to a support excellent in uniformity of physical properties in the width direction, dimensional stability, rigidity and the like and used for a magnetic recording medium such as a magnetic tape.
[0002]
[Prior art]
Biaxially stretched polyester films are used for various applications because of their excellent thermal properties, dimensional stability, mechanical properties, and ease of control of surface morphology, and their usefulness as a support for magnetic recording media is particularly important. It is well known. In recent years, magnetic tapes have been required to have higher densities in order to reduce the weight, size, and long-term recording of equipment. For high-density recording, it is useful to shorten the recording wavelength and downsize the recording signal. However, when the size of the recording signal is reduced, there is a problem that the recording track is likely to be displaced due to heat during the running of the magnetic tape and thermal deformation during storage of the tape. Accordingly, there is an increasing demand for improvements in properties such as thermal dimensional stability and storage stability in a tape usage environment. Further, in order to reduce the size of the recording signal, it is necessary to further reduce the thickness of the magnetic layer, but with this, the mechanical strength becomes insufficient, so that the film becomes weak and easily stretched, For example, problems such as susceptibility to tape damage and deterioration of head contact due to deterioration of electromagnetic conversion characteristics are likely to occur.
[0003]
Therefore, in the case of a thinned tape, it is desired to meet the above-mentioned requirement of dimensional stability and obtain compatibility (such as head contact and running property) with a conventional thick tape. An aromatic polyamide having high rigidity is used for the support in view of strength and dimensional stability. However, the amount of this aromatic polyamide film on the market at present is significantly smaller than that of a conventional polyester film, and there are many restrictions on the quantitative expansion of a metal thin film type magnetic recording medium using an aromatic polyamide film.
[0004]
On the other hand, polyethylene terephthalate (hereinafter, referred to as PET) and polyethylene naphthalate (hereinafter, referred to as PEN) have low rigidity as they are, and as a technique for increasing the strength of a biaxially stretched polyester film, there are two techniques, vertical and horizontal. A method in which the stretched film is stretched again in the machine direction to increase the strength in the machine direction (for example, JP-B-42-9270, JP-B-43-3040, JP-B-46-1119, JP-B-46-119). -1120, JP-A-50-133276, JP-A-55-22915, etc.) are known. However, the tape breaks during use, edge damage occurs due to insufficient rigidity in the width direction, dimensional changes due to stress elongation deformation or environmental conditions, the recording track shifts, errors occur during recording and reproduction, insufficient strength Therefore, problems such as difficulty in handling a thin film and obtaining desired electromagnetic conversion characteristics are likely to occur.
[0005]
Further, there is known a method of increasing the strength of a biaxially stretched polyester film by forming a metal-based reinforcing film on the film surface (JP-A-2000-11376, JP-A-11-33925, etc.). However, it is still difficult to satisfy all the strict requirements for high-density recording.
[0006]
As a technique for improving the dimensional stability of a biaxially oriented polyester film having high productivity, a biaxially oriented polyester film composed of polyethylene terephthalate and polyetherimide (for example, JP-A-2000-141475) is known. ing. However, even if the support for the magnetic recording medium has excellent dimensional stability, if the thickness unevenness is large or the physical properties in the width direction are non-uniform, as a result, the properties such as the dimensional stability and strength of the support are reduced. Since unevenness occurs, uneven application of the magnetic layer occurs during the processing step of the magnetic recording medium, and the dimensional stability in the environment of use as the magnetic recording medium is not sufficient. There are many issues to record in
[0007]
As described above, in the case of the conventional support, those satisfying important characteristics as a magnetic recording medium such as thickness uniformity, uniformity of physical properties in the width direction, dimensional stability, and rigidity have not been obtained. Many problems remain when applied to a density recording medium.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to solve the above-mentioned problems, and in particular to a high-density magnetic recording medium having excellent running durability and dimensional stability and exhibiting good electromagnetic conversion properties, uniform thickness, uniform physical properties in the width direction, and dimensional stability. Another object of the present invention is to provide a magnetic recording medium support having excellent rigidity.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The magnetic recording medium of the present invention is obtained by providing a magnetic layer on at least one surface of a support made of a biaxially oriented polyester film and applying a load of 10 MPa in the longitudinal direction at 23 ° C. and 65% RH. Width (A1) And the width when a load of 20 MPa is applied in the longitudinal direction (B1), The width dimension change rate a determined by the following equation is 0.01 to 0.06%.
Width change rate a (%) = {(A1-B1) / A1} × 100
[0010]
Further, the support for a magnetic recording medium of the present invention is a support for a magnetic recording medium made of a biaxially oriented polyester film, and has a load of 10 MPa in the longitudinal direction at 23 ° C. and 65% RH. Width (A3) And the width when a load of 20 MPa is applied in the longitudinal direction (B3) Is 0.01 to 0.075%, the thickness unevenness in the longitudinal direction of the film is 1 to 5%, and the maximum value and the minimum value of the orientation angle in the film width direction are determined. The ratio x / L of the difference x (゜) to the film width L (m) is 0 to 15 ゜ / m or less.
Width change rate c (%) =) (A3-B3) / A3} × 100
[0011]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The polyester used in the present invention is a polyester containing an aromatic dicarboxylic acid, an alicyclic dicarboxylic acid, or an aliphatic dicarboxylic acid and a diol as main components. Examples of the aromatic dicarboxylic acid include terephthalic acid, isophthalic acid, phthalic acid, 1,4-naphthalenedicarboxylic acid, 1,5-naphthalenedicarboxylic acid, 2,6-naphthalenedicarboxylic acid, and 4,4′-diphenyldicarboxylic acid , 4,4'-diphenyletherdicarboxylic acid, 4,4'-diphenylsulfonedicarboxylic acid, etc., of which terephthalic acid, phthalic acid, and 2,6-naphthalenedicarboxylic acid can be preferably used. As the alicyclic dicarboxylic acid, for example, cyclohexanedicarboxylic acid or the like can be used. As the aliphatic dicarboxylic acid, for example, adipic acid, suberic acid, sebacic acid, dodecandioic acid and the like can be used. These acid components may be used alone or in combination of two or more. Further, an oxyacid such as hydroxyethoxybenzoic acid may be partially copolymerized.
[0012]
Examples of the diol component include ethylene glycol, 1,2-propanediol, 1,3-propanediol, neopentyl glycol, 1,3-butanediol, 1,4-butanediol, and 1,5-pentanediol. , 1,6-hexanediol, 1,2-cyclohexanedimethanol, 1,3-cyclohexanedimethanol, 1,4-cyclohexanedimethanol, diethylene glycol, triethylene glycol, polyalkylene glycol, 2,2'-bis (4 '-Β-hydroxyethoxyphenyl) propane and the like can be used. Among them, ethylene glycol, 1,4-butanediol, 1,4-cyclohexanedimethanol, diethylene glycol and the like are particularly preferable, and ethylene glycol is particularly preferable. thing It can be. These diol components may be used alone or in combination of two or more. Among them, polyethylene terephthalate containing an ethylene terephthalate unit as a main component is preferable.
[0013]
In addition, other compounds such as polyfunctional compounds such as trimellitic acid, pyromellitic acid, glycerol, pentaerythritol, 2,4-dioxybenzoic acid, lauryl alcohol, and phenyl isocyanate may be used as the polyester. You may copolymerize within the range which is linear.
[0014]
As the polyester of the present invention, polyethylene terephthalate, polyethylene-2,6-naphthalate, a copolymer thereof, and a modified product thereof are preferable.
[0015]
The polyester used in the present invention may contain polyetherimide in a range of 5 to 30% by weight. The polyetherimide used is a polymer containing an aliphatic, alicyclic or aromatic ether unit and a cyclic imide group as a repeating unit, and is not particularly limited as long as it is a polymer having melt moldability. For example, US Pat. Nos. 4,141,927, 2,622,678, 2,606,912, 2,606,914, 2,596,565, 2,596,566, 2,598,478, polyetherimides, 2,598,536, and 2,599,171. Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-48852, Japanese Patent No. 2565556, Japanese Patent No. 2564636, Japanese Patent No. 25664637, Japanese Patent No. 25656348, Japanese Patent No. 25663547, Japanese Patent No. 2558341, Japanese Patent No. 2558339, and Japanese Patent No. 2834580. It is a polymer of description. As long as the effects of the present invention are not impaired, the main chain of the polyetherimide contains cyclic imides, structural units other than ether units, for example, aromatic, aliphatic, alicyclic ester units, oxycarbonyl units and the like. May be. In the present invention, polyetherimide having a glass transition temperature of 350 ° C. or lower, more preferably 250 ° C. or lower is preferable, and 2,2-bis [4- (2,3-dicarboxyphenoxy) phenyl] propane dianhydride and m -Condensates with phenylenediamine or p-phenylenediamine are most preferred from the viewpoint of compatibility with polyester, cost, melt moldability and the like. This polyetherimide is available from General @ Electric under the trade name "Ultem" (registered trademark).
[0016]
The biaxially oriented polyester film in the present invention preferably contains inert particles. Examples of the inert particles include clay, mica, titanium oxide, calcium carbonate, kaolin, talc, wet or dry silica, colloidal silica, inorganic particles such as calcium phosphate, barium sulfate, aluminum silicate, alumina and zirconia, and acrylic acid. And organic particles containing styrene or the like as a component, and so-called internal particles that are precipitated by a catalyst or the like added during the polyester polymerization reaction. Among these, crosslinked polymer particles, alumina, spherical silica, and aluminum silicate are particularly preferred.
[0017]
The biaxially oriented polyester film in the present invention is within a range that does not impair the effects of the present invention, and various other additives such as a heat stabilizer, an antioxidant, an ultraviolet absorber, an antistatic agent, a flame retardant, a pigment, and a dye. And organic lubricants such as fatty acid esters and waxes.
[0018]
The magnetic recording medium of the present invention is provided with a magnetic layer on at least one surface of a support made of a biaxially oriented polyester film, and is subjected to a load of 10 MPa in the longitudinal direction at 23 ° C. and 65% RH. Width dimension (A1) And the width when a load of 20 MPa is applied in the longitudinal direction (B1) Is 0.01 to 0.06%, preferably 0.01 to 0.05%, and more preferably 0.01 to 0.04. is there.
Width change rate a (%) = {(A1-B1) / A1} × 100
[0019]
If the width dimensional change rate a exceeds 0.06%, when the recording medium is expanded in the longitudinal direction by the tension in the tape drive in the longitudinal direction, it contracts in the width direction due to the elongation deformation, and the recording track shifts. Is easy to occur. Furthermore, due to frequent occurrence of dropouts, storage stability of data is deteriorated, and electromagnetic conversion characteristics are deteriorated. Further, when the width dimension change rate a is less than 0.01%, it is a region that is difficult to reach with a magnetic recording medium using polyester as a support. Here, the width dimension change rate a is a value obtained by a measuring method described later.
[0020]
Further, the magnetic recording medium of the present invention has a width (A) before processing for 72 hours under a condition of 49 ° C. and 90% RH with a load of 32 MPa applied in the longitudinal direction.2) And the width dimension after the treatment (B2), The dimensional change b (%) determined by the following equation is preferably in the range of 0 to 0.4%, more preferably 0 to 0.35%, and still more preferably 0 to 0.3%. %.
Width change rate b (%) = {(A2-B2) / A2} × 100
When the dimensional change rate b is out of the range of 0 to 0.4%, the running durability of the tape deteriorates, the dropout frequently occurs, and the storage stability of data under high temperature and high humidity tends to deteriorate.
[0021]
Further, the support for a magnetic recording medium of the present invention is a support for a magnetic recording medium made of a biaxially oriented polyester film, and has a load of 10 MPa in the longitudinal direction at 23 ° C. and 65% RH. Width (A3) And the width when a load of 20 MPa is applied in the longitudinal direction (B3), The width dimensional change c obtained by the following equation is 0.01 to 0.075%, the thickness unevenness in the longitudinal direction and the width direction is 1 to 5%, and the orientation angle in the film width direction is The ratio x / L of the difference x (゜) between the maximum value and the minimum value to the film width L (m) is 0 to 15 ゜ / m.
Width change rate c (%) =) (A3-B3) / A3} × 100
Here, the width dimension change rate c and the difference x between the maximum value and the minimum value of the orientation angle are values obtained by a measurement method described later.
[0022]
The width dimension change rate c is preferably 0.01 to 0.06%, and more preferably 0.01 to 0.05%. The thickness unevenness is preferably 1 to 4%, more preferably 1 to 3%, and x / L is preferably 0 to 10 ° / m, and more preferably 0 to 5 ° / m. It is. When the width dimension change rate c exceeds 0.075%, the width dimension tends to shrink during processing into a tape, and the dimensional stability is deteriorated. In addition, when used as a magnetic recording medium, data storability also deteriorates, such as deterioration of tape running properties and frequent occurrence of dropouts. On the other hand, the width dimensional stability c of less than 0.01% is a region that is difficult to reach when polyester is used as the support. On the other hand, if the thickness unevenness exceeds the above range, uneven coating of the magnetic layer is liable to occur. In particular, in the case of a multi-head of a linear tape, the contact at the end head is weakened, which causes PES noise. Further, when the thickness unevenness and x / L exceed the above range, the unevenness of the physical properties causes unevenness in the dimensional change rate, and as a result, the width dimensional change rate c is out of the above range, The number of parts that cannot be commercialized increases, which causes a deterioration in yield. On the other hand, when the width dimensional change rate c, thickness unevenness, and x / L of the magnetic recording medium support are all within the above ranges, the width dimensional change rate a of the magnetic recording medium is easily set to the above range. This is effective in obtaining a magnetic recording medium having excellent dimensional stability.
[0023]
In addition, the support of the present invention had a width (A) before being treated for 72 hours under a condition of 49 ° C. and 90% RH with a load of 32 MPa applied in the longitudinal direction.4) And the width dimension after the treatment (B4) Is preferably in the range of 0 to 0.3%. It is more preferably in the range of 0 to 0.25%, most preferably in the range of 0 to 0.2%.
Width change rate d (%) =) (A4-B4) / A4} × 100
When the width dimension change rate d exceeds the above range, wrinkles easily occur during tape processing, which is not preferable. Further, when the thickness is less than the above range, shrinkage in the width direction is apt to occur during tape processing, dimensional stability is deteriorated, running durability of the tape is deteriorated, data storage property such as frequent occurrence of dropout is liable to deteriorate. .
[0024]
Further, it is preferable that the elastic modulus in the longitudinal direction of the support of the present invention is 6 to 15 GPa, and the sum of the elastic modulus in the longitudinal direction and the elastic modulus in the width direction is 10 to 30 GPa. More preferably, the elastic modulus in the longitudinal direction is in the range of 7 to 14.5 GPa, most preferably in the range of 8 to 14 GPa, and the sum of the elastic moduli in the longitudinal direction and the width direction is more preferably 11 to 27 GPa, still more preferably 12 to 24 GPa. It is. When the elastic modulus in the longitudinal direction is less than the above range, the tape is easily extended in the longitudinal direction due to the tension in the longitudinal direction in the tape drive. easy. Furthermore, due to frequent dropouts, storage stability of data is deteriorated, and electromagnetic conversion characteristics are liable to deteriorate. On the other hand, if the elastic modulus in the longitudinal direction exceeds the above range, the tape is likely to break, or the Young's modulus in the width direction is insufficient, causing edge damage. Further, it is preferable that the sum of the elastic modulus in the longitudinal direction and the elastic modulus in the width direction is within the above range from the viewpoint of running durability, storage stability, and off-rack.
[0025]
The support of the present invention preferably has a total thickness of 2 to 8 μm, more preferably 3.5 to 6 μm.
[0026]
The surface roughness Ra of the surface A of the support of the present invention is preferably 1.5 to 20 nm, more preferably 2 to 15 nm, and still more preferably 3 to 8 nm. Here, the surface A indicates a surface on a side on which a magnetic layer is applied when a magnetic tape is formed. If the Ra of the surface A is less than the above range, the magnetic layer formed on the film surface A is too smooth, and digital linear tape (DLT), linear tape open (LTO), quarter inch cassette (QIC), digital video The magnetic layer is worn by the magnetic head during magnetic recording / reproducing with a data recording device such as a cassette (DVC). On the other hand, if the Ra of the surface A exceeds the above range, the magnetic layer becomes too rough, and the electromagnetic conversion characteristics of the magnetic tape deteriorate. In other words, by setting the Ra of the surface A within the above range, it is possible to minimize the wear of the magnetic layer by the magnetic head during recording / reproducing and to keep the electromagnetic conversion characteristics of the magnetic recording tape favorable.
[0027]
The surface roughness Ra of the surface B opposite to the surface A of the support of the present invention is preferably from 5 to 50 nm, more preferably from 6 to 30 nm, and even more preferably from 7 to 10 nm. Here, the surface B is a surface on the running surface side of the magnetic tape. By setting the Ra of the surface B within the above range, when the film is formed and then slit into a predetermined width, it is easy to collect a product having a good winding shape, and the magnetic layer is formed on the film surface A of the support. In the state where the film is wound up in a roll shape after the formation of the support, the roughness of the film surface B of the support is transferred to the surface A side, thereby making it possible to minimize the occurrence of undulating deformation in the magnetic layer.
[0028]
The average particle size of the inert particles contained in the biaxially stretched polyester film used in the present invention is preferably 0.001 to 2 μm, more preferably 0.005 to 1 μm, and still more preferably 0.01 to 0.5 μm. is there. If the average particle size of the inert particles is less than the above range, it does not play a role as a film surface projection, which is not preferable. On the other hand, if it exceeds the above range, it becomes unfavorable because it becomes coarse projections and easily falls off.
[0029]
Further, the content of the inert particles contained in the biaxially stretched polyester film used in the present invention is preferably 0.01 to 3% by weight, more preferably 0.02 to 1% by weight, and further preferably 0.1 to 1% by weight. 0.5 to 0.5% by weight. If the content of the inert particles is less than the above range, it is not preferable because the running characteristics of the film are not effective. On the other hand, if it exceeds the above range, it is not preferable because it aggregates and becomes coarse projections and easily falls off.
[0030]
Further, in the present invention, it is particularly preferable to adopt a two-layer structure in which a film layer having a role of improving the running property and the handling property of the film is laminated on one side of the base layer portion of the film. Note that the base layer portion is a layer having the largest thickness in the layer thickness, and the other portion is a laminated portion. Physical properties such as elastic modulus and dimensional stability, which are important for magnetic material applications, are determined mainly by the physical properties of the base layer. When the relationship between the average particle size d (nm) of the inactive particles and the thickness t (nm) of the two-layer structure film is 0.2d ≦ t ≦ 10d, the laminated portion is uniform. This is preferable because a projection having a height can be obtained.
[0031]
The support made of the biaxially oriented polyester film of the present invention is not particularly limited, but has a creep compliance after a lapse of 30 minutes at a temperature of 50 ° C. and a load of 28 MPa of 0.11 to 0.4 GPa.-1It is preferable that If the creep compliance exceeds the above range, it is not preferable from the viewpoints of suppressing elongation deformation of the magnetic tape caused by tension during running or storage of the magnetic tape, and suppressing track deviation during recording / reproducing. On the other hand, if it is less than the above range, it is not preferable from the viewpoint of suppressing magnetic tape breakage. The creep compliance is more preferably 0.13 to 0.35 GPa.-1, Most preferably 0.15 to 0.30 GPa-1Range.
[0032]
By providing a magnetic layer on the surface A side of the magnetic recording medium support of the present invention, a magnetic recording medium can be manufactured.
[0033]
Preferable examples of the magnetic layer include a magnetic layer in which a ferromagnetic metal thin film or a ferromagnetic metal fine powder is dispersed in a binder. As the ferromagnetic metal thin film, iron, cobalt, nickel and other alloys are preferable. Further, as the ferromagnetic metal fine powder, ferromagnetic hexagonal ferrite fine powder, iron, cobalt, nickel and other alloys are preferable. As the binder, conventionally known thermoplastic resins, thermosetting resins, reactive resins, and mixtures thereof are used. Examples of the thermoplastic resin include vinyl chloride, vinyl acetate, vinyl alcohol, maleic acid, acrylic acid ester, vinylidene chloride, acrylonitrile, methacrylic acid, methacrylic acid ester, styrene, butadiene, ethylene, vinyl butyral, vinyl acetal, and vinyl ether. There are a polymer or a copolymer, a polyurethane resin, and various rubber-based resins which are contained as a simple substance. Further, as a thermoplastic resin or a reactive resin, phenolic resin, epoxy resin, polyurethane curable resin, urea resin, melamine resin, alkyd resin, acrylic-based reactive resin, formaldehyde resin, silicone resin, epoxy-polyamide resin, polyester resin and A mixture of an isocyanate prepolymer, a mixture of a polyurethane and a polyisocyanate, and the like can be given. These resins are described in detail in "Plastic Handbook" published by Asakura Shoten. It is also possible to use a known electron beam-curable resin.
[0034]
The magnetic layer is formed by kneading the magnetic powder with a polymer (binder) such as thermoplastic, thermosetting, or radiation curable, applying, drying, and calendering, and depositing a metal or alloy. Any of dry methods in which a magnetic metal thin film layer is directly formed on a substrate film by a method, a sputtering method, an ion pre-coating method, or the like can be adopted.
[0035]
In the magnetic recording medium of the present invention, a protective film may be provided on the ferromagnetic metal film. With this protective film, running durability and corrosion resistance can be further improved. Examples of the protective film include oxide protective films such as silica, alumina, titania, zirconia, cobalt oxide, and nickel oxide; nitride protective films such as titanium nitride, silicon nitride, and boron nitride; silicon carbide, chromium carbide, and boron carbide. Examples of the protective film include a carbon protective film made of carbon such as a carbide protective film, graphite, and amorphous carbon. The carbon protective film is a carbon film made of an amorphous structure, a graphite structure, a diamond structure, or a mixture thereof formed by a plasma CVD method, a sputtering method, or the like, and is particularly preferably a hard carbon film generally called diamond-like carbon. . Further, the surface of the hard carbon protective film may be subjected to a surface treatment with an oxidizing or inert gas plasma for the purpose of further improving the adhesion with the lubricant provided on the hard carbon protective film.
[0036]
Further, after applying the magnetic layer to the support, it is effective and preferable to carry out a two-step curing treatment in order to keep the dimensional change rate a within the above-mentioned range. At this time, the first curing treatment is performed at (Tg-20 ° C.) to Tg for 12 to 24 hours, and then the second curing treatment is performed at Tg to (Tg + 10 ° C.) for 12 to 24 hours. It is more preferable that 1 cure processing temperature <2nd cure processing temperature.
[0037]
In the present invention, in order to improve the running durability and corrosion resistance of the magnetic recording medium, it is preferable to add a lubricant or a rust inhibitor to the magnetic film or the protective film.
[0038]
Next, the method for producing the support of the present invention will be specifically described, but the present invention is not limited to such an example.
[0039]
The polyester film used in the support of the present invention is a film obtained by subjecting a sheet obtained by melt-molding a polyester resin to sequential biaxial stretching and / or simultaneous biaxial stretching in the longitudinal direction and / or the width direction to stretch and orient the film. It can be obtained by successively stretching the film at a multi-step temperature and highly orienting the film.
[0040]
Hereinafter, an example in which a film made of polyethylene terephthalate (PET) is manufactured by a sequential biaxial stretching method will be described as a preferable manufacturing method.
[0041]
First, the high molecular weight polyethylene terephthalate used in the present invention is produced by a usual method, that is, any one of the following processes. That is, (1) a low molecular weight polyethylene terephthalate or oligomer is obtained by a direct esterification reaction using terephthalic acid and ethylene glycol as raw materials, and a high molecular weight polymer is obtained by a subsequent polycondensation reaction using antimony trioxide or a titanium compound as a catalyst. (2) Process of obtaining low molecular weight product by transesterification using dimethyl terephthalate and ethylene glycol as raw materials, and obtaining high molecular weight polymer by subsequent polycondensation reaction using antimony trioxide or titanium compound as catalyst (DMT method). Here, the esterification proceeds without a catalyst, but the transesterification reaction usually proceeds using a compound such as manganese, calcium, magnesium, zinc, lithium, or titanium as a catalyst. After substantial completion, a phosphorus compound may be added for the purpose of inactivating the catalyst used in the reaction.
[0042]
The PET pellets obtained by the above method are vacuum-dried at 180 ° C. for 3 hours or more, then heated to a temperature higher than the melting point of the polymer, then discharged quantitatively from a T-die die, and applied to a cooling drum while applying a high voltage. It is closely contacted and cooled to obtain an unstretched film. Here, in the present invention, in order to make the thickness unevenness of the finally obtained biaxially oriented polyester film 0.3 to 5%, for example, the draft ratio of the die (= lip lip gap / extruded sheet) Thickness) is preferably 1 to 15, more preferably 2 to 10, and more preferably 2 to 8. Furthermore, in the electrostatic application method, although a 0.15 mm diameter wire electrode is usually used, from the viewpoint of reducing thickness unevenness, a 0.10 mm diameter wire electrode is preferable, and a cross section is more preferably rectangular and uniform in the longitudinal direction. It is preferable to use a tape-shaped electrode having a form.
[0043]
Subsequently, the unstretched film is heated by a group of heating rolls in the range of Tg (glass transition temperature of polyester) to (Tg + 55 ° C.) and stretched 3 to 8 times in one step or multiple steps in the longitudinal direction, and 20 to 20 times. It cools with a 50 degreeC cooling roll group. At this time, in order to satisfy the Young's modulus of the present invention, the stretching speed in the longitudinal direction is set to 50,000 to 200,000% / min, and the first-stage stretching condition is set to 1. (Tg + 10 ° C.) to (Tg + 40 ° C.). 5 to 3 times, and subsequently, it is preferable to stretch 1.5 to 4.5 times in multiple stages in a temperature range of (first stage stretching temperature −40 ° C.) to (first stage stretching temperature −10 ° C.). . Subsequently, stretching in the lateral direction is performed. As a stretching method in the width direction, for example, a method using a stenter is generally used. The stretching temperature in the width direction is in the range of Tg to (Tm (melting point of polyester) -40 ° C.), and the magnification is 3 to 8 times (when performing vertical stretching again, the first stage stretching is 3 to 4.5 times). The stretching speed is preferably in the range of 2000 to 10000% / min. Further, re-longitudinal stretching and / or re-lateral stretching are performed as necessary. In this case, it is preferable that the stretching in the longitudinal direction is performed by a group of heating rolls at a temperature of Tg to (Tg + 70 ° C.) and the stretching ratio is 1.2 to 2.2 times. As a method of re-transverse stretching, a method using a tenter is preferable, and the temperature ゜ is preferably in a range of (Tm-140 ° C.) to (Tm-40 ° C.), and the stretching ratio is preferably in a range of 1.2 to 2.0 times. . Subsequently, the stretched film is heat-treated while being relaxed under tension or in the width direction. The heat treatment temperature in this case is (Tm-50 ° C) to (Tm-20 ° C), preferably (Tm-40 ° C) to (Tm-10 ° C), and the treatment time is in the range of 0.2 to 10 seconds. Is preferred. At this time, in order to make x / L of the obtained support 0 to 15 ° / m, after biaxially stretching the film, the film is once cooled to a glass transition temperature or lower, or the end of the film is A method in which a temperature gradient is set so as to be higher than the central portion, and a pre-heat treatment is performed while maintaining the temperature of the central portion at 90 ° C. or lower, and then a heat treatment is performed. It is preferable to use a method of performing a heat treatment so as to be higher than the temperature of the central portion by 10 ° C. or more.
[0044]
According to the method as described above, a support for a magnetic recording medium having excellent dimensional stability, thickness uniformity, uniformity of physical properties in the width direction, and rigidity can be obtained, and a problem or the like that occurs during manufacturing of the magnetic recording medium can be solved. .
[0045]
[Method of measuring physical properties and method of evaluating effects]
The method for measuring characteristic values and the method for evaluating effects are as follows. The longitudinal direction (MD) and the width direction (TD) when measuring the support for the magnetic recording medium are the same as the longitudinal direction and the width direction of the film constituting the support. The longitudinal direction (MD) and the width direction (TD) when measuring a magnetic recording medium other than a magnetic tape are the same as the longitudinal direction and the width direction of a film constituting a support in the recording medium.
[0046]
When measuring the width of the magnetic tape sample, the magnetic recording medium sample sampled in the tape shape, and the magnetic recording medium support sample sampled in the tape shape, the sheet width manufactured by Ayaha Engineering shown in FIG. The measurement is performed by the following method using a measuring device and a laser size measuring device (LS-5000) manufactured by Keyence Corporation.
[0047]
In FIG. 1, a sample (sample) 4 is fixed at one end by a fixing clip 1, a weight (weight) 7 is hung at the other end, and an intermediate portion thereof is hung over a rotating roll 6 and a glass plate 5. It is. A load indicator (JC-500) manufactured by KEYENCE CORPORATION is connected to the fixed clip 1 as a load cell. The width dimension is measured at the sample portion placed on the glass plate.
[0048]
The tape-shaped sample 4 is set on the sheet width measuring device shown in FIG. 1, and a weight (weight) 7 having a predetermined weight is suspended. The atmosphere at this time is an atmosphere of 23 ° C. and 65% RH. In order to apply the load as accurately as possible, the tension of the sample is finely adjusted so that the load displayed on the load cell connected to the fixing clip 1 becomes a predetermined load value, and the dimension in the width direction of the sample is read.
[0049]
(1) Width change rate a of a magnetic recording medium such as a magnetic tape
The length of the magnetic recording medium is defined as a sample length, and a sample slit in a tape shape having a sample length of 250 mm and a sample width of 1/2 inch is used. In the case of a magnetic tape having a tape width of less than 1/2 inch, a sample having a tape length and a sample length of 250 mm is used.
[0050]
Using the sheet width measuring device shown in FIG. 1, a weight (weight) 7 having a load of 10 MPa was applied to the sample after the humidity and temperature were controlled in an atmosphere of 23 ° C. and 65% RH for 24 hours. While suspended, measure the sample width dimension. Further, the sample width dimension is measured with the weight (weight) 7 suspended such that the load becomes 20 MPa. The width dimension change rate a is obtained by the following equation.
Width change rate a (%) = {(A1-B1) / A1} × 100
Where A1: Width (mm) when a load of 10 MPa is applied, B1: Width (mm) when a load of 20 MPa is applied. In addition, five points were measured at random within a 10 m section in the longitudinal direction, and the maximum value at the five points was adopted.
[0051]
(2) Width change rate b of a magnetic recording medium such as a magnetic tape
The length of the magnetic recording medium is defined as a sample length, and a sample slit in a tape shape having a sample length of 250 mm and a sample width of 1/2 inch is used. In the case of a magnetic tape having a tape width of less than 1/2 inch, a sample having a tape length and a sample length of 250 mm is used.
[0052]
Using the sheet width measuring device shown in FIG. 1 described above, the sample was subjected to a humidity control at a temperature of 23 ° C. and an atmosphere of 65% RH for 24 hours.2mm). Thereafter, the sample is left for 72 hours in a 49 ° C., 90% RH atmosphere with a load of 32 MPa applied in the longitudinal direction. After standing for 72 hours, the load was released, and the temperature and humidity were controlled at 23 ° C. and 65% RH for 24 hours.2mm). The width dimension change rate b is determined by the following equation. The measurement was performed five times, and an average value of the five measurements was adopted.
Width change rate b (%) = {(A2-B2) / A2} × 100
[0053]
(3) Width change rate c of magnetic recording medium support
Using a tape-shaped sample having a sample length of 250 mm and a sample width of 30 mm in the longitudinal direction, a grid of 20 × 20 mm is drawn in advance with an oil-based pen at a position where the dimensions can be read by a laser. The sample subjected to humidity control at 23 ° C. and 65% RH for 24 hours by the same apparatus and method as in the measurement of the width dimension change rate of the magnetic recording medium such as the magnetic tape is loaded with 10 MPa load. The sample width dimension at the time and the sample width dimension under the load of 20 MPa are measured, and the width dimension change rate c is obtained by the following equation.
Width change rate c (%) =) (A3-B3) / A3} × 100
Where A3: Width (mm) when a load of 10 MPa is applied, B3: Width (mm) when a load of 20 MPa is applied. In addition, five points were randomly measured in a 10 m section in the longitudinal direction, and the maximum value at the five points was adopted.
[0054]
(4) Width change rate d of support for magnetic recording medium
In an atmosphere of 23 ° C. and 65% RH, a support sample having a sample length (film longitudinal direction) of 143 mm and a width of 31 mm was humidified and conditioned for 24 hours, and then placed on a chrome mask manufactured by Dai Nippon Printing Co., Ltd. At the center, a sample was stuck, and the width (A) was measured using an optical microscope.4mm). Thereafter, the sample is left for 72 hours in a 49 ° C., 90% RH atmosphere with a load of 32 MPa applied in the longitudinal direction. After standing for 72 hours, the load was released, and the temperature and humidity were controlled at 23 ° C. and 65% RH for 24 hours.4mm). The dimensional change rate in the width direction is obtained by the following equation. The measurement was performed five times, and an average value of the five measurements was adopted.
Width change rate d (%) =) (A4-B4) / A4× 100}
[0055]
(5) Uneven thickness of support for magnetic recording medium
Using a film thickness nest tester “KG601A” manufactured by Anritsu Corporation and an electronic micrometer “K306C”, the thickness of a support sample sampled at a length of 30 mm and a length of 10 m continuously in the longitudinal direction at a transport speed of 3 m / min. Measure. From this measurement result, the maximum value of the thickness at a length of 10 m was Tmax, the minimum value was Tmin, the average value of the thickness was Tave, R = Tmax−Tmin was determined, and the thickness unevenness (%) was determined from R and Tave by the following equation. .
Uneven thickness (%) = R / Tave × 100
[0056]
(6) x / L of support for magnetic recording medium
Using a polarizing microscope with white light as a light source, the narrow angle between the main alignment axis and the film width direction is determined from the extinction value, and this is defined as the alignment angle (°). This orientation angle is measured for the entire width in the film width direction, and the difference x (°) between the maximum value and the minimum value of the orientation angle in the film width direction is determined. The value x / L (° / m) of the ratio of the orientation angle difference x (°) to the film width L (m) is determined. The main orientation axis was 0 ° in the width direction and 90 ° in the direction (longitudinal direction) perpendicular to the width direction.
[0057]
(7) Elastic modulus of support for magnetic recording medium
According to the method specified in ASTM-D882, a sample having a width of 10 mm and a test length of 100 mm was sampled at a temperature of 23 ° C. and a humidity using an automatic film strength and elongation measuring device “Tensilon AMF / RTA-100” manufactured by Orientec Co., Ltd. The measurement was performed five times under the conditions of 65% RH and a tensile speed of 10 mm / min, and the average value was taken.
[0058]
(8) Total thickness of support and laminated thickness
Using a transmission electron microscope (H-600 manufactured by Hitachi, Ltd.), the cross section of the support was ultrathin section (RuO) at an acceleration voltage of 100 kV.4(Staining). From the observation result of the interface, the total thickness and the lamination thickness are obtained. The magnification may be appropriately set according to the total thickness of the support to be determined and the lamination thickness, but generally, 1,000 times for the total thickness measurement and 10,000 to 100,000 times for the lamination thickness measurement are appropriate. .
[0059]
Further, the thickness of the laminate can be measured using a secondary ion mass spectrometer (SIMS). An element (M) originating from the highest concentration of particles among the inert particles in the film having a depth of 3000 nm from the surface layer.+) And the concentration ratio of the carbon element of the polyester (M+/ C+) Is analyzed by SIMS in the thickness direction from the surface to a depth of 3000 nm. In the surface layer, the element concentration due to the inert particles is low, and the element concentration due to the inert particles increases as the distance from the surface increases. In the case of the film of the present invention, the element concentration caused by the inert particles that have once reached a maximum value starts to decrease again. In this concentration distribution curve, the depth at which the element concentration caused by the inert particles is reduced to half of the maximum value is defined as the lamination thickness. The measurement conditions are as follows.
[0060]
1) Measuring device
Two-dimensional ion mass spectrometer (SIMS)
A-DIDA3000 manufactured by Atomika, West Germany
2) Measurement conditions
Primary ion species II: O2 +
Primary ion acceleration voltage: 12 KV
Primary ion current: 200 nA
Raster area: 400 μm □
Analysis area I: Gate 30%
Measurement vacuum degree: 5.0 × 10-9Torr
E-GUN: 0.5KV-3.0A
[0061]
In the case where the inactive particles most contained in the range from the surface layer to the depth of 3000 nm are organic polymer particles, it is difficult to measure by SIMS. Therefore, XPS (X-ray photoelectron spectroscopy), IR (infrared A depth profile similar to the above can be measured by, for example, spectroscopy to determine the layer thickness.
[0062]
(9) Surface roughness Ra of the support
The center line average roughness Ra at a stylus tip radius of 0.5 m, a stylus load of 5 mg, a measurement length of 1 mm, and a cutoff value of 0.08 mm was measured using a high-precision thin film step measuring device ET-10 manufactured by Kosaka Laboratory. The measurement is performed 20 times by scanning in the film width direction, and the average value is taken.
[0063]
(10) Thermal properties of polymer (glass transition temperature, melting point)
Specific heat measurement was performed under the following conditions using a differential scanning calorimeter using a robot DSC “RDC220” manufactured by Seiko Denshi Kogyo KK and a data analysis device using a disk station “SSC / 5200” manufactured by the company. The melting point (Tm) and the like were determined according to JIS K7121.
[0064]
Measurement condition
Heating temperature: 270-540K (RCS cooling method)
Temperature calibration: melting point of high purity indium and tin
Temperature modulation amplitude: ± 1K
Temperature modulation cycle: 60 seconds
Average heating rate: about 10mg
Sample weight: open aluminum container (33mg)
The glass transition temperature (Tg) was calculated by the following equation.
Glass transition temperature = (extrapolated glass transition start temperature + extrapolated glass transition end temperature) / 2
[0065]
(11) Support creep compliance
The support was sampled with a width of 4 mm and a test length of 15 mm, and was set on a TMA @ TM-3000 manufactured by Vacuum Riko Co., Ltd. and a heating control unit TA-1500, and the humidity and temperature were adjusted under the conditions of 50 ° C. and 65% RH. , The length of the sample film at that time is L0(Μm). Thereafter, a load of 28 MPa is applied to the sample film, and the length of the sample film after holding for 30 minutes is L1(Μm). From the amount of expansion and contraction of the sample film at this time, creep compliance was calculated from the following equation.
Creep compliance (GPa-1) = {(L1-L0) / L0} /0.028 The measurement was performed five times, and the average value of the five measurements was adopted. In addition, creep here is a phenomenon in which strain increases with time under a constant stress, and creep compliance is a ratio of this strain to a constant stress, and is described in "Introduction to Polymer Chemistry (Second Edition)". (Issued by Kagaku Doujin Co., Ltd.) p150.
[0066]
(12) Running durability and storage stability of magnetic tape
The magnetic recording medium was slit to a width of 1/2 inch, and a length of 670 m as a magnetic tape was assembled into a cassette to form a cassette tape. The cassette tape was run for 150 hours using Quantum DLT (IV) @Drive, and the running durability of the tape was evaluated according to the following criteria.
:: No tape end surface elongation, no bend, and no trace of scraping.
:: No tape end surface elongation or bending, but slight scraping marks.
Δ: The tape end face was not stretched, but was partially bent and scraping marks were observed.
×: A part of the tape end face is elongated, wakame-like deformation is observed, and scraping marks are observed.
[0067]
Also, after reading the data of the cassette tape prepared above using Dquant (IV) @Drive manufactured by Quantum, the cassette tape was stored in an atmosphere of 60 ° C. and 80% RH for 100 hours. The storage stability of the tape was evaluated according to the following criteria.
A: The tape was reproduced normally without a change in the tape width of 2 μm or less, without track deviation.
:: The tape width was changed more than 2 μm and was 4 μm or less, there was no track shift and the tape was reproduced normally.
Δ: The change in the tape width was more than 4 μm and 6 μm or less, there was no track deviation, and the tape was reproduced normally.
X: The change in the tape width exceeds 4 μm, and reading is impossible.
[0068]
(13) Electromagnetic conversion characteristics of magnetic tape (C / N)
The magnetic recording medium was slit into a width of 8 mm to prepare a pancake. Next, a 200 m-long magnetic tape was assembled from the pancake into a cassette to form a cassette tape.
[0069]
The magnetic tape was measured for C / N at 7 MHz ± 1 MHz using a commercially available VTR for Hi8 (EV-BS3000 manufactured by Sony Corporation). This C / N was compared with a commercially available MP video tape for Hi8 and ranked as follows.
:: +3 dB or more
Δ: +1 dB or more and less than +3 dB
×: less than +1 dB
[0070]
【Example】
Example 1
Polymerization by the DMT method was performed. That is, 0.1 part by weight of magnesium acetate tetrahydrate was added to 194 parts by weight of dimethyl terephthalate and 124 parts by weight of ethylene glycol, and a transesterification reaction was performed at 140 to 230 ° C. while distilling off methanol. Next, an ethylene glycol solution of 0.05 parts by weight of trimethyl phosphate and 0.05 parts by weight of antimony trioxide were added, and the mixture was stirred for 5 minutes. The resulting low polymer was stirred at 30 rpm, and the reaction system was heated to 230 ° C. The temperature was gradually raised to 290 ° C., and the pressure was lowered to 0.1 kPa. The time required to reach the final temperature and the final pressure was 60 minutes. When the polymerization reaction was carried out for 3 hours and the specified stirring torque was reached, the reaction system was purged with nitrogen and returned to normal pressure to stop the polycondensation reaction, and the polymerization product was discharged into cold water in the form of a strand, and immediately cut to produce a unique product. A pellet of polyethylene terephthalate having a viscosity of 0.65 was obtained.
[0071]
The thermal characteristics of the polyethylene terephthalate (PET) having an intrinsic viscosity of 0.65 obtained by the above method were measured by DSC, and were found to be Tg: 82 ° C and Tm: 256 ° C.
[0072]
Using this PET, a film was formed by the following method using two extruders (A, B).
The extruder A heated to 285 ° C. was charged with a raw material (A1) containing 0.1% by weight of silica having an average particle size of 0.07 μm in PET substantially containing no inert particles at 180 ° C. Supplied after vacuum drying for hours. The extruder B heated to 285 ° C. contains a raw material in which 0.5 wt% of crosslinked polystyrene having an average particle size of 0.3 μm is contained in PET having an intrinsic viscosity of 0.65 and substantially no inert particles. B1) was supplied after vacuum drying at 180 ° C. for 3 hours.
[0073]
Subsequently, the raw material (A1) was filtered in three stages in the order of a sand filter, a 1.2 μm cut fiber-sintered stainless steel metal filter, and a 0.8 μm cut fiber-sintered stainless steel metal filter. After filtering in two steps in the order of a filter and a fiber-sintered stainless steel metal filter cut at 3 μm, the polymer was joined with a T-die so that the temperature of the polymer became 285 ° C., and extruded from a die into a sheet. At this time, the draft ratio (= base lip gap / extruded sheet thickness) was 5, and the distance between the LDs (the distance between the base lip and the cooling drum) was 20 mm. Further, the sheet-shaped extruded polymer is adhered to a cast drum having a surface temperature of 25 ° C. by an electrostatic application method using a tape-shaped (0.04 mm in thickness, 7.2 mm in width) electrode, and cooled and solidified to form two layers. A laminated unstretched film (lamination thickness ratio A1 / B1 = 5/1) was produced.
[0074]
The obtained unstretched film is stretched at 115 ° C. in the longitudinal direction by 3.5 times using a roll peripheral speed difference by a roll-type stretching machine, and then stretched to 95 ° C. in the width direction by a stenter. The film was stretched 3.3 times, and further subjected to re-longitudinal stretching at 140 ° C. and 1.7 times using a roll longitudinal stretching machine, and then re-transversely stretched 1.3 times at 190 ° C. in a tenter. Thereafter, the film is heat-treated with a temperature gradient such that the center of the film is 210 ° C. and the end of the film is 10 ° C. higher than the center, and then relaxed at a cooling rate of 150 ° C. at a relaxation rate of 5% in the width direction. The film is further subjected to a relaxation treatment at a relaxation rate of 1% in the width direction in a zone of 100 ° C., and the film is gradually cooled to room temperature and wound up to produce a biaxially stretched polyester film having a thickness of 4 μm. A support for a recording medium was used. In addition, the film thickness was set to a desired level by adjusting the extrusion amount.
[0075]
On the surface A (surface of the layer of the raw material (A1)) of the obtained support, a magnetic paint and a non-magnetic lower layer paint having the following compositions are applied in multiple layers by an extrusion coater (the upper layer is made of a magnetic paint with a coating thickness of 0.1 μm). The thickness of the nonmagnetic lower layer was appropriately changed.), Magnetically oriented, and dried. Next, a back coat layer having the following composition was formed on the opposite surface (surface B side), and calendered at a temperature of 85 ° C. and a linear pressure of 200 kg / cm with a small test calender (steel / nylon roll, 5 steps). After a first cure at 60 ° C. for 24 hours, a second cure at 80 ° C. for 24 hours was performed to obtain a magnetic recording medium. The characteristics of the magnetic recording medium were evaluated using a magnetic tape slit to a width of 1/2 inch or 8 mm.
[0076]
(Composition of magnetic paint)
-Ferromagnetic metal powder: 100 parts by weight
-Modified vinyl chloride copolymer: 10 parts by weight
・ Modified polyurethane: 10 parts by weight
・ Polyisocyanate: 5 parts by weight
-Stearic acid: 1.5 parts by weight
・ Oleic acid: 1 part by weight
・ Carbon black: 1 part by weight
・ Alumina: 10 weight parts
・ Methyl ethyl ketone: 75 parts by weight
・ Cyclohexanone: 75 parts by weight
・ Toluene: 75 parts by weight
(Composition of back coat)
・ Carbon black (average particle size: 20 nm): 95 parts by weight
・ Carbon black (average particle size: 280 nm): $ 10 parts by weight
・ Α alumina: 0.1 parts by weight
-Modified polyurethane: 20 parts by weight
-Modified vinyl chloride copolymer: 30 parts by weight
・ Cyclohexanone: 200 parts by weight
・ Methyl ethyl ketone: 300 parts by weight
・ Toluene: 100 parts by weight
[0077]
Table 1 shows the physical properties of the obtained support. Table 2 shows the running durability, storage stability, and magnetic conversion characteristics of the magnetic tape as characteristics of the magnetic recording medium obtained from the support.
As shown in Tables 1 and 2, the obtained support was excellent in dimensional stability, and a magnetic tape excellent in running durability, storage stability and the like was obtained.
[0078]
Example 2
After preparing an unstretched film (lamination thickness ratio A1 / B1 = 5/1) in which two layers are laminated in the same manner as in Example 1, the unstretched film is firstly rolled by a roll-type stretching machine to obtain a difference in peripheral speed between rolls. The film is stretched 3.1 times at 115 ° C. in the longitudinal direction using a tenter, then stretched 3.52 times at 100 ° C. by a tenter, and further 150 ° C. and 1.53 times stretched using a roll stretching machine. After re-longitudinal stretching, the film was re-laterally stretched 1.53 times at 150 ° C. in a tenter. Thereafter, a heat treatment is performed with a temperature gradient such that the center of the film is 205 ° C. and the edge of the film is 10 ° C. higher than the center, and then relaxed in the cooling zone at 150 ° C. at a relaxation rate of 5% in the width direction. The film is further subjected to a relaxation treatment at a relaxation rate of 1% in the width direction in a zone at 100 ° C., and the film is gradually cooled to room temperature and wound up, and a 4 μm-thick biaxially stretched polyester film support for a magnetic recording medium is used. And In addition, the film thickness was set to a desired level by adjusting the extrusion amount.
[0079]
Using the obtained support, a magnetic recording medium was produced in the same manner as in Example 1. As shown in Tables 1 and 2, the dimensional stability of the obtained support was relatively good, and a magnetic tape having excellent storage stability and electromagnetic conversion characteristics could be obtained.
[0080]
Example 3
After preparing a 4 μm-thick film support in the same manner as in Example 2, the same procedure as in Example 1 was carried out except that the curing conditions after coating the magnetic layer on the support were changed to 60 ° C. for 48 hours. A magnetic recording medium was manufactured.
As shown in Tables 1 and 2, the obtained support has relatively excellent dimensional stability, excellent running durability, excellent storage stability, and a magnetic tape having relatively excellent electromagnetic conversion characteristics. Was.
[0081]
Comparative Example 1
The draft ratio at the time of extruding the raw material (A1) and the raw material (B1) from the die in Example 1 was changed to 20, and the tape-shaped electrode when the sheet was brought into close contact with the cooling drum by the electrostatic application method was replaced with a wire. Except for changing to an electrode (diameter: 0.15 mmφ), a two-layer unstretched film was prepared in the same manner as in Example 1, and then a 4 μm-thick film support was produced in the same manner as in Example 2. Using the obtained support, a magnetic recording medium was produced in the same manner as in Example 1.
As shown in Tables 1 and 2, the obtained support was a magnetic tape having poor dimensional stability and poor running durability and electromagnetic conversion characteristics.
[0082]
Comparative Example 2
The thickness of the film was 4 μm in the same manner as in Example 2 except that the heat treatment after re-transversely stretching the film in Example 2 was performed at 210 ° C. without applying a temperature gradient from the edge to the center of the film. A film support was prepared, and a magnetic recording medium was prepared in the same manner as in Example 1 using the obtained support.
As shown in Tables 1 and 2, the resulting support was a magnetic tape having poor dimensional stability and poor storage stability.
[0083]
Example 4
In the same manner as in Example 1, pellets of polyethylene terephthalate (PET) having an intrinsic viscosity of 0.85 (Tg of 80 ° C.) were produced. 50% by weight of the PET pellets and 50% by weight of Polyetherimide (PEI) "Ultem" 1010 (Tg at 216 ° C) having an intrinsic viscosity of 0.68 manufactured by General Electric (GE) were heated to 290 ° C. The mixture was fed to a directional rotation type vent-type twin-screw kneading extruder to produce a blend chip (I) containing 50% by weight of PEI. The thermal characteristics of this blend chip (I) were measured using DSC, and it was found that Tg: 89 ° C. and Tm: 254 ° C.
[0084]
Next, using two extruders (A, B), a film was formed by the following method.
Extruder A heated to 295 ° C. contained 0.05% by weight of silica having an average particle size of 0.09 μm in polyethylene terephthalate (PET) having an intrinsic viscosity of 0.62 and containing substantially no inert particles. The mixed raw material (A1) obtained by dry-blending the pellet (II) and the blend chip (I) containing PEI at a ratio of 8: 2 was supplied after vacuum drying at 180 ° C. for 3 hours. The extruder B heated to 295 ° C. contains 0.5% by weight of calcium carbonate having an average particle diameter of 0.3 μm in polyethylene terephthalate (PET) having an intrinsic viscosity of 0.62 and containing substantially no inert particles. The mixed raw material (B1) obtained by dry-blending the blended pellet (III) and the blend chip (I) containing PEI at a ratio of 8: 2 was supplied after vacuum drying at 180 ° C. for 3 hours.
[0085]
Subsequently, the mixed raw material (A1) was filtered in three stages in the order of a sand filter, a 1.2 μm cut fiber-sintered stainless steel metal filter, and a 0.8 μm cut fiber-sintered stainless steel metal filter. Was filtered in two stages in the order of a sand filter and a fiber-sintered stainless steel metal filter having a cut of 3 μm, and then joined by a T-die so that the temperature of the polymer became 295 ° C., and extruded from a die into a sheet. At this time, the draft ratio (= base lip gap / extruded sheet thickness) was 5, and the distance between the LDs (the distance between the base lip and the cooling drum) was 20 mm. Further, the sheet-shaped extruded polymer is adhered to a cast drum having a surface temperature of 25 ° C. by an electrostatic application method using a tape-shaped (0.04 mm in thickness, 7.2 mm in width) electrode, and cooled and solidified to form two layers. A laminated unstretched film (lamination thickness ratio A1 / B1 = 5/1) was produced.
[0086]
The obtained unstretched film is stretched at 110 ° C. 3.1 times in the longitudinal direction using a peripheral speed difference of a roll by a roll-type stretching machine, and then stretched to 100 ° C. in the width direction by a stenter. The film was stretched 3.3 times, and further subjected to re-longitudinal stretching at 150 ° C. and 1.7 times using a roll longitudinal stretching machine, and then re-transversely stretched 1.3 times at 200 ° C. in a tenter. Thereafter, a heat treatment is performed with a temperature gradient such that the center of the film is 205 ° C. and the edge of the film is 10 ° C. higher than the center, and then relaxed in the cooling zone at 150 ° C. at a relaxation rate of 5% in the width direction. The film is further subjected to a relaxation treatment at a relaxation rate of 1% in the width direction in a zone at 100 ° C., and the film is gradually cooled to room temperature and wound up to produce a biaxially stretched film having a thickness of 4 μm, which is subjected to magnetic recording. The support was used as a medium. In addition, the film thickness was set to a desired level by adjusting the extrusion amount.
[0087]
On the surface A (surface of the layer of the mixed raw material (A1)) of the obtained support, the same magnetic paint and non-magnetic lower-layer paint as in Example 1 were applied in multiple layers by an extrusion coater (the upper layer was a magnetic paint, The coating thickness was 0.1 μm, and the thickness of the nonmagnetic lower layer was appropriately changed.), And the layer was magnetically oriented and dried. Next, a back coat layer similar to that of Example 1 was formed on the opposite surface (surface B side), and calendered at a temperature of 85 ° C. and a linear pressure of 200 kg / cm using a small test calender (steel / nylon roll, 5 steps). After the treatment, the first curing was performed at 60 ° C. for 24 hours, and the second curing was performed at 80 ° C. for 24 hours to obtain a magnetic recording medium. The characteristics were evaluated using a magnetic tape obtained by slitting this magnetic recording medium.
[0088]
As shown in Tables 1 and 2, the obtained support was excellent in dimensional stability, and a magnetic tape excellent in running durability, storage stability, and electromagnetic conversion characteristics could be obtained.
[0089]
Example 5
The polyethylene terephthalate in Example 1 was changed to polyethylene-2,6-naphthalenedicarboxylate (PEN), and a film was formed by the following method using two extruders (A, B). When the thermal characteristics of PEN were measured using DSC, it was Tg: 119 ° C and Tm: 261 ° C.
[0090]
The extruder A heated to 300 ° C. was charged with a raw material (A1) containing 0.05% by weight of silica having an average particle size of 0.09 μm in PEN containing substantially no inert particles at 180 ° C. Supplied after vacuum drying for hours. Further, the extruder B heated to 300 ° C. contains a raw material (PEN having an intrinsic viscosity of 0.65 containing substantially no inert particles and containing 0.5% by weight of calcium carbonate having an average particle size of 0.3 μm). B1) was supplied after vacuum drying at 180 ° C. for 3 hours.
[0091]
Subsequently, the raw material (A1) was filtered in three stages in the order of a sand filter, a 1.2 μm cut fiber-sintered stainless steel metal filter, and a 0.8 μm cut fiber-sintered stainless steel metal filter. After filtering at two stages in the order of a filter and a 3 μm-cut fiber sintered stainless metal filter, the polymers were joined by a T-die so that the temperature of the polymer became 255 ° C., and extruded from a die into a sheet. At this time, the draft ratio (= base lip gap / extruded sheet thickness) was 5, and the distance between the LDs (the distance between the base lip and the cooling drum) was 20 mm. Further, the sheet-shaped extruded polymer is adhered to a cast drum having a surface temperature of 25 ° C. by an electrostatic application method using a tape-shaped (0.04 mm in thickness, 7.2 mm in width) electrode, and cooled and solidified to form two layers. A laminated unstretched film (lamination thickness ratio A1 / B1 = 5/1) was produced.
[0092]
The obtained unstretched film is first stretched at 100 ° C. in the longitudinal direction by 3.5 times using a peripheral speed difference of the roll by a roll-type stretching machine, and then stretched at 100 ° C. in the width direction by a stenter. The film was stretched 3.5 times, further stretched again at 145 ° C. and 1.4 times using a roll longitudinal stretching machine, and then transversely stretched 1.4 times at 145 ° C. in a tenter. Thereafter, the film is heat-treated with a temperature gradient such that the center of the film is 210 ° C. and the end of the film is 10 ° C. higher than the center, and then relaxed at a cooling rate of 150 ° C. at a relaxation rate of 5% in the width direction. The film is further subjected to a relaxation treatment at a relaxation rate of 1% in the width direction in a zone of 100 ° C., and the film is gradually cooled to room temperature and wound up to produce a biaxially stretched polyester film having a thickness of 4 μm. A support for a recording medium was used. The film thickness was set to a desired level by adjusting the extrusion amount.
[0093]
On the surface A (the surface of the layer of the raw material (A1)) of the obtained support, the same magnetic paint and non-magnetic lower layer paint as in Example 1 were applied in multiple layers by an extrusion coater (the upper layer was coated with a magnetic paint. The thickness of the nonmagnetic lower layer was changed as appropriate, and the layer was magnetically oriented and dried. Next, a back coat layer similar to that of Example 1 was formed on the opposite surface (surface B side), and calendered at a temperature of 85 ° C. and a linear pressure of 200 kg / cm using a small test calender (steel / nylon roll, 5 steps). After the treatment, the first curing was performed at 60 ° C. for 24 hours, and the second curing was performed at 80 ° C. for 24 hours to obtain a magnetic recording medium. The characteristics were evaluated using a magnetic tape obtained by slitting this magnetic recording medium.
[0094]
As shown in Tables 1 and 2, the dimensional stability of the obtained support was relatively good, and a magnetic tape having excellent electromagnetic conversion characteristics could be obtained.
[0095]
Comparative Example 3
The draft ratio at the time of extruding the raw material (A1) and the raw material (B1) from the die in Example 5 was changed to 20, and the tape-shaped electrode when the sheet was brought into close contact with the cooling drum by the electrostatic application method was replaced with a wire. A biaxially stretched polyester film having a thickness of 4 μm and a magnetic recording medium were produced in the same manner as in Example 5 except that the electrode (diameter: 0.15 mmφ) was changed.
As shown in Tables 1 and 2, the obtained support had poor dimensional stability, and was a magnetic tape having inferior running durability, storage stability, and electromagnetic conversion characteristics.
[0096]
Example 6
Biaxial stretching with a thickness of 4 μm in the same manner as in Example 1 except that the particles blended in the raw material (B1) in Example 1 were changed to contain 0.05% by weight of silica having an average particle size of 0.04 μm. A polyester film and a magnetic recording medium were produced.
As shown in Tables 1 and 2, the obtained support was excellent in dimensional stability and could be a magnetic tape excellent in storage stability.
[0097]
Example 7
Biaxial stretching with a thickness of 4 μm was performed in the same manner as in Example 1 except that the particles blended in the raw material (A1) in Example 1 were changed to contain 0.3% by weight of silica having an average particle diameter of 0.03 μm. A polyester film and a magnetic recording medium were produced.
As shown in Tables 1 and 2, the obtained support was excellent in dimensional stability and could be used as a magnetic tape excellent in storage stability.
[0098]
Example 8
The particles blended in the raw material (A1) in Example 1 were changed to contain 0.3% by weight of alumina having a particle diameter of 0.03 μm and 0.5% by weight of crosslinked polystyrene having a particle diameter of 0.4 μm. A biaxially stretched polyester film having a thickness of 4 μm and a magnetic recording medium were produced in the same manner as in Example 1 except for the above.
As shown in Tables 1 and 2, the obtained support was excellent in dimensional stability and could be a magnetic tape excellent in storage stability.
[0099]
Example 9
Biaxial with a thickness of 4 μm in the same manner as in Example 1 except that the particles blended in the raw material (B1) in Example 1 were changed to contain 0.5% by weight of calcium carbonate having an average particle diameter of 1.2 μm. A stretched polyester film and a magnetic recording medium were produced.
As shown in Tables 1 and 2, the obtained support was excellent in dimensional stability and could be a magnetic tape excellent in storage stability.
[0100]
[Table 1]
[0101]
[Table 2]
[0102]
【The invention's effect】
The magnetic recording medium according to the present invention has a small track shift even when stored under a high temperature and a high humidity for a long time, has excellent running durability and dimensional stability, and can exhibit good electromagnetic conversion properties. It is suitable as a magnetic recording medium. The support for a magnetic recording medium according to the present invention is a support excellent in thickness uniformity, uniformity in physical properties in the width direction, dimensional stability, and rigidity, and is particularly suitable for a magnetic recording medium.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram schematically illustrating a case where a width of a support sample or the like is measured using a sheet width measuring device manufactured by Ayaha Engineering.
[Explanation of symbols]
1: Fixed clip
2: Laser sensor (for longitudinal measurement)
3: Laser sensor (for width measurement)
4: Sample
5: glass plate
6: rotating roll
7: Weight (weight)
8: Road indicator (JC-500)
9: Laser dimension measuring device (LS-5000)
Claims (8)
幅寸法変化率a(%)={(A1−B1)/A1}×100A magnetic layer is provided on at least one side of a support made of a biaxially oriented polyester film, and the width (A 1 ) and the length when a load of 10 MPa is applied in the longitudinal direction at 23 ° C. and 65% RH. A magnetic recording medium characterized in that a width dimension change rate a obtained from the width dimension (B 1 ) when a load of 20 MPa is applied in the direction is 0.01 to 0.06%.
Width change ratio a (%) = {(A 1 −B 1 ) / A 1 } × 100
幅寸法変化率b(%)={(A2−B2)/A2}×100It is obtained from the width dimension (A 2 ) before the treatment for 72 hours under a condition of 49 ° C. and 90% RH with a load of 32 MPa applied in the longitudinal direction under a load of 32 MPa and the width dimension (B 2 ) after the treatment by the following formula. 2. The magnetic recording medium according to claim 1, wherein the width change rate b is in the range of 0 to 0.4%.
Width change rate b (%) = {(A 2 −B 2 ) / A 2 } × 100
幅寸法変化率c(%)={(A3−B3)/A3}×100A support for a magnetic recording medium made of a biaxially oriented polyester film, the width (A 3 ) when a load of 10 MPa is applied in the longitudinal direction and a load of 20 MPa in the longitudinal direction at 23 ° C. and 65% RH. The width dimension change rate c obtained from the width dimension (B 3 ) obtained by the following equation is 0.01 to 0.075%, the thickness unevenness in the longitudinal direction of the film is 1 to 5%, and the film A support for a magnetic recording medium, wherein the ratio x / L of the difference x (゜) between the maximum value and the minimum value of the orientation angle in the width direction to the film width L (m) is 0 to 15 ° / m.
Width change rate c (%) = {(A 3 −B 3 ) / A 3 } × 100
幅寸法変化率d(%)={(A4−B4)/A4}×100It is calculated from the width (A 4 ) before the treatment for 72 hours under a load of 32 MPa in the longitudinal direction under the conditions of 49 ° C. and 90% RH under a load of 32 MPa and the width (B 4 ) after the treatment by the following formula. 4. The support for a magnetic recording medium according to claim 3, wherein the width change rate d is in the range of 0 to 0.3%.
Width change rate d (%) = {(A 4 −B 4 ) / A 4 } × 100
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