【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車等の車両の懸架装置に装着される油圧緩衝器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、自動車等の車両の懸架装置において、懸架ばねの縮み側(バウンド側)のばね定数に対して伸び側(リバウンド側)のばね定数を大きくすることにより、乗り心地を損なうことなく、旋回時のローリング、加減速時のピッチング等の車体の姿勢変化を抑制して、走行安定性を向上させることができることが知られている。特に、RV(レクリエーショナルビークル)等の車高が高い車両においては、、重心位置が高いため、車体の姿勢変化が大きくなる傾向があるので、走行安定性の見地から車体の姿勢変化を抑制することが重要である。
【0003】
そこで、従来、油圧緩衝器のシリンダ内壁とピストンロッドとの間の環状空間にリバウンドスプリング(圧縮コイルばね)を挿入して、ピストンロッドが伸び側にストロークしたとき、リバウンドスプリングが圧縮されて、懸架ばねのばね力を補助することにより、伸び側のばね定数を大きくするようにしたリバウンドスプリング付の油圧緩衝器が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のリバウンドスプリング付の油圧緩衝器では、次のような問題がある。シリンダ内壁とピストンロッドとの間の限られた空間内にリバウンドスプリングを配置しているため、そのコイル直径および線材直径が制限され、大きなばね力を発生させることが困難である。特に、サスペンションストラットとして使用される油圧緩衝器では、曲げ剛性を高めるため、ピストンロッドの直径が大きくなっているので、スペース上の制約が大きい。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、スペース上の制約を解消して、大きなリバウンドスプリングを設けることができる油圧緩衝器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、油液が封入されたシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に嵌装されたピストンと、一端が前記ピストンに連結され他端が前記シリンダの外部へ延出されたピストンロッドと、前記シリンダ内の前記ピストンの移動によって生じる油液の流れを制御して減衰力を発生させる減衰力発生機構とを備えた油圧緩衝器において、
前記シリンダの端部を拡径部を形成し、該拡径部内に、前記ピストンロッドのストロークに対してばね力を付与するばね手段を配置したことを特徴とする。
このように構成したことにより、シリンダに拡径部を設けたことによって、拡径部内に大きなばね手段を配置することができ、ピストンロッドのストロークに対して大きなばね力を付与することができる。
請求項2の発明に係る油圧緩衝器は、上記請求項1の構成において、前記ばね手段は、前記ピストンロッドが伸び側にストロークしたとき、該ピストンロッドに対してばね力を付与することを特徴とする。
このように構成したことにより、ピストンロッドの伸び側へのストロークに対して、大きなばね力を付与することができる。
また、請求項3の発明に係る油圧緩衝器は、上記請求項1または2の構成において、前記ばね手段は、圧縮コイルばねであることを特徴とする。
このように構成したことにより、圧縮コイルばねの圧縮によって、ピストンロッドのストロークに対してばね力を付与することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、第1実施形態に係る油圧緩衝器1は、複筒式油圧緩衝器であって、シリンダ2の外周に外筒3が設けられ、シリンダ2と外筒3との間にリザーバ4が形成された二重筒構造をなしている。シリンダ2内には、ピストン5が摺動可能に嵌装され、このピストン5によってシリンダ2内がシリンダ上室2Aとシリンダ下室2Bとの2室に画成されている。ピストン5には、ピストンロッド6の一端がナット7によって連結されており、ピストンロッド6の他端側は、シリンダ2および外筒3の上端部に装着されたロッドガイド8およびオイルシール9に挿通されて外部へ延出されている。シリンダ2の下端部には、シリンダ下室2Bとリザーバ4とを区画するベースバルブ10が設けられている。そして、シリンダ上下室2A,2B内には、油液が封入され、リザーバ4内には、油液およびガスが封入されている。
【0008】
ピストン5には、シリンダ上下室2A,2B間を連通させる伸び側および縮み側油路11,12が設けられている。伸び側および縮み側油路11,12には、それぞれその油液の流動を制御して減衰力を発生させるオリフィスおよびディスクバルブからなる伸び側および縮み側減衰力発生機構13,14(減衰力発生機構)が設けられている。また、ベースバルブ10には、シリンダ下室2Bとリザーバ4とを連通させる伸び側および縮み側油路15,16が設けられている。伸び側油路15には、リザーバ4側からシリンダ下室2B側への油液の流通のみを許容する逆止弁17が設けられ、縮み側油路16には、シリンダ下室2B側からリザーバ4側への油液の流通に抵抗を付与するオリフィスおよびディスクバルブからなる縮み側減衰力発生機構18(減衰力発生機構)が設けられている。
【0009】
シリンダ2の上端部側が拡径されて、拡径部19が形成されている。拡径部19は、例えば、円筒状のシリンダ2をハイドロフォーミング成形することによって形成することができる。シリンダ2の拡径部19とピストンロッド6との間の環状空間には、ばね手段としてリバウンドスプリング20(圧縮コイルばね)が挿入されている。リバウンドスプリング20の上端部は、ロッドガイド8に形成されたばね受け凸部21に嵌合されて、ロッドガイド8に固定されている。リバウンドスプリング20の下端部は、自由端であり、拡径部19の下端部付近まで延ばされ、その先端部には、ピストンロッド6に沿って摺動可能に、かつ、ピストンロッド6に対して回転可能に案内されたばね受け22が取付けられている。
【0010】
シリンダ2内において、ピストンロッド6には、ばね受け22に対向するリバウンドストッパ23が固定されている。リバウンドストッパ23は、図1に示す所定の通常状態において、ばね受け22との間に所定の間隔が設けられており、ピストンロッド6が伸び側にストロークしたとき、ばね受け22に当接するように配置されている。なお、これらの当接時の衝撃および打音の発生を抑制するために、ばね受け22またはリバウンドストッパ23の互いの当接面には、ゴム等の緩衝材を装着することことが望ましい。
【0011】
また、図2に示すように、ピストンロッド6の伸び側のストローク端は、リバウンドスプリング20の線材が互いに密着して、リバウンドストッパ23の移動を阻止することによって規定しており、この状態において、ピストン5がシリンダ2の拡径部19に達しないようになっている。なお、このようにリバウンドスプリング20の線材が互いに密着する場合においても、衝撃および打音の発生を抑制するために、例えば、リバウンドスプリングの線材の表面をゴム等の緩衝材で被覆またはコーティングすることが望ましい。
【0012】
以上のように構成した第1実施形態の作用について次に説明する。
ピストンロッド6の伸び行程時には、シリンダ2内のピストン5の摺動にともない、シリンダ上室2Aの油液がピストン5の伸び側油路11を通ってシリンダ下室2Bへ流れ、伸び側減衰力発生機構13によって減衰力が発生する。このとき、ピストンロッド6がシリンダ2から退出した分の油液がリザーバ4からベースバルブ10の逆止弁17を開いてシリンダ下室2Bへ流れ、リザーバ4内のガスが膨張することによって、シリンダ2内の容積変化を補償する。
【0013】
縮み行程時には、シリンダ2内のピストン5の摺動にともない、シリンダ下室2Bの油液がピストン5の縮み側油路12を通ってシリンダ上室2Aへ流れ、ピストン5の縮み側減衰力発生機構14によって減衰力が発生し、また、ピストンロッド6がシリンダ2内へ侵入することによって、シリンダ下室2Bの油液がベースバルブ10の縮み側油路16を通ってリザーバ4へ流れ、減衰力発生機構18によって減衰力が発生し、これらの減衰力の合計が縮み行程時の減衰力となる。このとき、ピストンロッド6がシリンダ2内に侵入した分だけリザーバ4内のガスが圧縮されることによって、シリンダ2内の容積変化を補償する。
【0014】
通常、車両の直進時には、ピストンロッド6は、振幅が小さく、ストッパ23がばね受け22に当接しない範囲でストロークするので、リバウンドスプリング20のばね力が作用せず、懸架ばねによって、路面の凹凸による振動を充分に吸収することができ、良好な乗り心地を得ることができる。また、ピストンロッド6の縮み側のストロークに対しては、リバウンドスプリング20のばね力は作用しないので、路面の突起を乗越える際には、懸架ばねによって衝撃を充分に吸収することができる。
【0015】
一方、車両の旋回時、加減速時には、旋回内側、加速時の前輪側および減速時の後輪側に装着された油圧緩衝器1のピストンロッド6の伸び側へのストロークが大きくなり、リバウンドストッパ23がばね受け22に当接して、リバウンドスプリング20が圧縮され、そのばね力によって懸架ばねを補助することにより、車体の姿勢変化を抑制することができ、車両の走行安定性を高めることができる。
【0016】
シリンダ2に拡径部19を設けたことにより、シリンダ2の内壁とピストンロッド6との間の環状空間が大きくなるので、リバウンドスプリング20の設計の自由度が高まり、コイル直径および線材直径を大きくすることができ、ばね力を大きくして、車体の姿勢変化を効果的に抑制することができる。これにより、サスペンションストラットとして使用される油圧緩衝器においても、充分大きなリバウンドスプリングを設けることができる。また、リバウンドスプリング20の選択の自由度が高まることから、非線形スプリング等を使用することによって、容易にばね特性を調整して車体への荷重を制御することができ、車体のストレスを低減することが可能となる。
【0017】
なお、上記第1実施形態では、リバウンドスプリング20の下端部を自由端としているが、これを自由端とせず、ばね受け22を拡径部19の下端のテーパ部24に当接させて、リバウンドスプリング20に適当なセット加重を設定するようにしてもよい。これにより、リバウンドスプリング20の自由長にばらつきがある場合でも、ばね受け22を正確に位置決めすることができ、リバウンドスプリング20が作用するピストンロッド6のストローク位置を正確に決定することができる。この場合、ばね受け22のテーパ部24との当接部に、合成樹脂等の緩衝材を設けて、テーパ部24の摩耗を防止するとよい。
【0018】
次に、本発明の第2実施形態について、図3を参照して説明する。なお、以下の説明において、上記第1実施形態に対して、同様の部分には同一の符号を付して、異なる部分についてのみ詳細に説明する。
【0019】
図3に示すように、第2実施形態に係る油圧緩衝器30では、上記第1実施形態に対して、シリンダが分割構造とされ、ピストン5が嵌装されたシリンダ2aに、接続部材31を介して、シリンダ2aより大径のシリンダ2bが接続されており、シリンダ2bによってシリンダの端部に拡径部が形成されている。シリンダ2a、接続部材31およびシリンダ2bは、Oリング等のシール部材(図示せず)を介して互いに液密的に接続されている。また、リバウンドスプリング33の線材の表面には、ゴム等の緩衝材33Aがコーティングされている。
【0020】
このような構成とした本発明の第2実施形態によれば、上記第1実施形態の作用、効果に加えて、次のような作用、効果を奏する。
【0021】
▲1▼汎用の管材を組合わせて簡単に拡径部を構成することができるので、ハイドロフォーミング成形等の複雑な工程を省略することができ、製造コストを低減することができる。▲2▼ばね受け22と接続部材31とを平坦部で面接触させることにより、接触時の摩耗粉等の発生を防止することができるので、摩耗粉が油液中に混入するのを防止することができる。また、▲3▼ばね受け22とのストッパ23との間に介装された緩衝材32およびリバウンドスプリング33にコーティングされた緩衝材33Aをよって、衝撃および打音の発生を確実に抑制することができる。
【0022】
なお、上記第1および第2実施形態では、リバウンドスプリング20,33によって、ピストンロッド6の伸び側のストローク端を規定しているが、ばね受け22のロッドガイド8側への移動を規制するストッパを別途設けることによって規定することもできる。
【0023】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1の発明に係る油圧緩衝器によれば、シリンダに拡径部を設けたことにより、拡径部内に大きなばね手段を配置することができ、ピストンロッドのストロークに対して大きなばね力を付与することができる。その結果、車体の姿勢変化を効果的に抑制することができ、車両の走行安定性を向上させることができる。
請求項2の発明に係る油圧緩衝器によれば、さらに、ピストンロッドの伸び側へのストロークに対して、大きなばね力を付与することができ、車体の姿勢変化を効果的に抑制することができる。
また、請求項3の発明に係る油圧緩衝器によれば、さらに、圧縮コイルばねの圧縮によって、ピストンロッドのストロークに対してばね力を付与することができ、車体の姿勢変化を効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る油圧緩衝器の縦断面図である。
【図2】図1に示す油圧緩衝器において、ピストンロッドが伸び側のストローク端まで伸長した状態を示す図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る油圧緩衝器の縦断面図である。
【符号の説明】
1 油圧緩衝器
2 シリンダ
2b シリンダ(拡径部)
5 ピストン
6 ピストンロッド
13 伸び側減衰力発生機構(減衰力発生機構)
14,18 縮み側減衰力発生機構(減衰力発生機構)
19 拡径部
2,33 リバウンドスプリング(ばね手段、圧縮コイルばね)[0001]
[Industrial applications]
The present invention relates to a hydraulic shock absorber mounted on a suspension system of a vehicle such as an automobile.
[0002]
[Prior art]
In general, in a suspension system of a vehicle such as an automobile, by increasing the spring constant on the extension side (rebound side) relative to the spring constant on the compression side (bound side) of the suspension spring, the ride comfort is not impaired. It is known that running stability can be improved by suppressing changes in the posture of the vehicle body such as rolling during turning and pitching during acceleration / deceleration. In particular, in a vehicle having a high vehicle height such as an RV (recreational vehicle), the position of the center of gravity is high, and the posture change of the vehicle body tends to be large. is important.
[0003]
Therefore, conventionally, a rebound spring (compression coil spring) is inserted into an annular space between a cylinder inner wall of a hydraulic shock absorber and a piston rod, and when the piston rod strokes toward the extension side, the rebound spring is compressed and the suspension is suspended. There has been proposed a hydraulic shock absorber with a rebound spring in which the spring force of the spring is assisted to increase the extension-side spring constant.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, the conventional hydraulic shock absorber with a rebound spring has the following problems. Since the rebound spring is arranged in a limited space between the inner wall of the cylinder and the piston rod, its coil diameter and wire diameter are limited, and it is difficult to generate a large spring force. In particular, in the case of a hydraulic shock absorber used as a suspension strut, the diameter of the piston rod is increased in order to increase the bending rigidity.
[0005]
The present invention has been made in view of the above points, and an object of the present invention is to provide a hydraulic shock absorber which can solve a space restriction and can provide a large rebound spring.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problem, the invention according to claim 1 includes a cylinder filled with an oil liquid, a piston slidably fitted in the cylinder, and one end connected to the piston and the other end connected to the piston. In a hydraulic shock absorber comprising a piston rod extended to the outside of the cylinder, and a damping force generating mechanism that generates a damping force by controlling a flow of an oil liquid generated by movement of the piston in the cylinder.
An enlarged diameter portion is formed at an end of the cylinder, and spring means for applying a spring force to a stroke of the piston rod is disposed in the enlarged diameter portion.
With this configuration, by providing the enlarged diameter portion in the cylinder, a large spring means can be arranged in the enlarged diameter portion, and a large spring force can be applied to the stroke of the piston rod.
According to a second aspect of the present invention, in the hydraulic shock absorber according to the first aspect, the spring means applies a spring force to the piston rod when the piston rod strokes toward the extension side. And
With such a configuration, a large spring force can be applied to the stroke of the piston rod toward the extension side.
The hydraulic shock absorber according to the third aspect of the present invention is characterized in that, in the configuration of the first or second aspect, the spring means is a compression coil spring.
With this configuration, a spring force can be applied to the stroke of the piston rod by the compression of the compression coil spring.
[0007]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
As shown in FIG. 1, a hydraulic shock absorber 1 according to the first embodiment is a double-cylinder hydraulic shock absorber, in which an outer cylinder 3 is provided on an outer periphery of a cylinder 2, Has a double cylinder structure in which a reservoir 4 is formed. A piston 5 is slidably fitted in the cylinder 2, and the piston 5 defines the inside of the cylinder 2 into two chambers, an upper cylinder chamber 2A and a lower cylinder chamber 2B. One end of a piston rod 6 is connected to the piston 5 by a nut 7, and the other end of the piston rod 6 is inserted into a rod guide 8 and an oil seal 9 mounted on upper ends of the cylinder 2 and the outer cylinder 3. Has been extended outside. At the lower end of the cylinder 2, a base valve 10 that partitions the lower cylinder chamber 2B and the reservoir 4 is provided. An oil liquid is sealed in the cylinder upper and lower chambers 2A and 2B, and an oil liquid and a gas are sealed in the reservoir 4.
[0008]
The piston 5 is provided with extension-side and contraction-side oil passages 11 and 12 that communicate between the cylinder upper and lower chambers 2A and 2B. The expansion-side and compression-side oil passages 11, 12 respectively include expansion-side and compression-side damping-force generating mechanisms 13, 14 (or damping-force generating mechanisms) each comprising an orifice and a disc valve for controlling the flow of the oil liquid to generate a damping force. Mechanism) is provided. Further, the base valve 10 is provided with extension-side and contraction-side oil passages 15 and 16 for communicating the cylinder lower chamber 2 </ b> B and the reservoir 4. The expansion-side oil passage 15 is provided with a check valve 17 that allows only the flow of the oil liquid from the reservoir 4 side to the cylinder lower chamber 2B side, and the contraction-side oil passage 16 is provided with a reservoir valve from the cylinder lower chamber 2B side. A contraction-side damping force generating mechanism 18 (damping force generating mechanism) including an orifice and a disc valve for providing resistance to the flow of the oil liquid to the fourth side is provided.
[0009]
The upper end side of the cylinder 2 is enlarged in diameter to form an enlarged diameter portion 19. The enlarged diameter portion 19 can be formed, for example, by hydroforming the cylindrical cylinder 2. In an annular space between the enlarged diameter portion 19 of the cylinder 2 and the piston rod 6, a rebound spring 20 (compression coil spring) is inserted as a spring means. The upper end of the rebound spring 20 is fitted to a spring receiving projection 21 formed on the rod guide 8 and is fixed to the rod guide 8. The lower end of the rebound spring 20 is a free end, extends to near the lower end of the enlarged diameter portion 19, and has a front end slidably along the piston rod 6 and with respect to the piston rod 6. A spring receiver 22, which is rotatably guided, is mounted.
[0010]
In the cylinder 2, a rebound stopper 23 facing the spring receiver 22 is fixed to the piston rod 6. The rebound stopper 23 is provided with a predetermined interval between the rebound stopper 23 and the spring receiver 22 in a predetermined normal state shown in FIG. 1 so that the rebound stopper 23 comes into contact with the spring receiver 22 when the piston rod 6 strokes toward the extension side. Are located. Note that, in order to suppress the generation of the impact and the hitting sound at the time of the contact, it is desirable to attach a cushioning material such as rubber to the contact surfaces of the spring receiver 22 or the rebound stopper 23 with each other.
[0011]
As shown in FIG. 2, the stroke end on the extension side of the piston rod 6 is defined by the wires of the rebound spring 20 being in close contact with each other and preventing the movement of the rebound stopper 23. In this state, The piston 5 does not reach the enlarged diameter portion 19 of the cylinder 2. In addition, even in the case where the wires of the rebound spring 20 are in close contact with each other, in order to suppress the occurrence of impact and hitting sound, for example, the surface of the wire of the rebound spring may be covered or coated with a cushioning material such as rubber. Is desirable.
[0012]
The operation of the first embodiment configured as described above will now be described.
During the extension stroke of the piston rod 6, the oil in the cylinder upper chamber 2A flows through the extension-side oil passage 11 of the piston 5 to the cylinder lower chamber 2B with the sliding of the piston 5 in the cylinder 2, and the extension-side damping force. The generating mechanism 13 generates a damping force. At this time, the amount of oil that the piston rod 6 has withdrawn from the cylinder 2 flows from the reservoir 4 to the cylinder lower chamber 2B by opening the check valve 17 of the base valve 10, and the gas in the reservoir 4 expands. 2 to compensate for volume changes.
[0013]
During the contraction stroke, the oil liquid in the cylinder lower chamber 2B flows through the contraction-side oil passage 12 of the piston 5 to the cylinder upper chamber 2A as the piston 5 in the cylinder 2 slides, and the compression-side damping force of the piston 5 is generated. When a damping force is generated by the mechanism 14 and the piston rod 6 enters the cylinder 2, the oil liquid in the cylinder lower chamber 2 </ b> B flows through the compression-side oil passage 16 of the base valve 10 to the reservoir 4, and the damping force is reduced. A damping force is generated by the force generating mechanism 18, and the sum of these damping forces becomes the damping force during the contraction stroke. At this time, the gas in the reservoir 4 is compressed by the amount of the piston rod 6 having entered the cylinder 2, thereby compensating for the volume change in the cylinder 2.
[0014]
Normally, when the vehicle is traveling straight, the piston rod 6 has a small amplitude and strokes in a range in which the stopper 23 does not abut the spring receiver 22, so that the spring force of the rebound spring 20 does not act. Vibration can be sufficiently absorbed, and a good ride quality can be obtained. Further, since the spring force of the rebound spring 20 does not act on the stroke of the piston rod 6 on the contraction side, the impact can be sufficiently absorbed by the suspension spring when going over the protrusion on the road surface.
[0015]
On the other hand, when the vehicle is turning or accelerating or decelerating, the stroke of the hydraulic shock absorber 1 mounted on the inside of the turn, on the front wheel side during acceleration, and on the rear wheel side during deceleration increases to the extension side of the piston rod 6, and the rebound stopper increases. 23 abuts against the spring receiver 22 to compress the rebound spring 20 and assist the suspension spring with its spring force, thereby suppressing a change in the posture of the vehicle body and increasing the running stability of the vehicle. .
[0016]
By providing the enlarged diameter portion 19 in the cylinder 2, the annular space between the inner wall of the cylinder 2 and the piston rod 6 is increased, so that the degree of freedom in designing the rebound spring 20 is increased, and the coil diameter and the wire diameter are increased. By increasing the spring force, it is possible to effectively suppress a change in the posture of the vehicle body. Thus, a sufficiently large rebound spring can be provided even in a hydraulic shock absorber used as a suspension strut. In addition, since the degree of freedom in selecting the rebound spring 20 is increased, by using a non-linear spring or the like, it is possible to easily adjust the spring characteristics and control the load on the vehicle body, thereby reducing the vehicle body stress. Becomes possible.
[0017]
In the first embodiment, the lower end of the rebound spring 20 is a free end. However, the lower end is not used as the free end, and the spring receiver 22 is brought into contact with the tapered portion 24 at the lower end of the enlarged diameter portion 19 to rebound. An appropriate set weight may be set for the spring 20. Accordingly, even when the free length of the rebound spring 20 varies, the spring receiver 22 can be accurately positioned, and the stroke position of the piston rod 6 on which the rebound spring 20 acts can be accurately determined. In this case, a buffer material such as a synthetic resin may be provided at a contact portion of the spring receiver 22 with the tapered portion 24 to prevent the tapered portion 24 from being worn.
[0018]
Next, a second embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. In the following description, the same parts as those in the first embodiment are denoted by the same reference numerals, and only different parts will be described in detail.
[0019]
As shown in FIG. 3, in the hydraulic shock absorber 30 according to the second embodiment, the connecting member 31 is attached to the cylinder 2a in which the cylinder is divided and the piston 5 is fitted, as compared with the first embodiment. A cylinder 2b having a diameter larger than that of the cylinder 2a is connected via the cylinder 2a, and an enlarged diameter portion is formed at the end of the cylinder by the cylinder 2b. The cylinder 2a, the connecting member 31, and the cylinder 2b are connected to each other in a liquid-tight manner via a sealing member (not shown) such as an O-ring. The surface of the wire of the rebound spring 33 is coated with a buffer material 33A such as rubber.
[0020]
According to the second embodiment of the present invention having such a configuration, the following operation and effect are exerted in addition to the operation and effect of the first embodiment.
[0021]
{Circle around (1)} Since the enlarged diameter portion can be easily formed by combining general-purpose pipe members, complicated steps such as hydroforming can be omitted, and the manufacturing cost can be reduced. {Circle over (2)} By bringing the spring receiver 22 and the connecting member 31 into surface contact with the flat portion, it is possible to prevent the generation of wear powder and the like at the time of contact, so that the wear powder is prevented from being mixed into the oil liquid. be able to. (3) By using the cushioning material 32 interposed between the spring receiver 22 and the stopper 23 and the cushioning material 33A coated on the rebound spring 33, it is possible to reliably suppress the generation of impact and impact sound. it can.
[0022]
In the first and second embodiments, the stroke end on the extension side of the piston rod 6 is defined by the rebound springs 20 and 33. However, the stopper for restricting the movement of the spring receiver 22 toward the rod guide 8 is described. Can be defined separately.
[0023]
【The invention's effect】
As described in detail above, according to the hydraulic shock absorber according to the first aspect of the present invention, by providing the cylinder with the enlarged diameter portion, the large spring means can be arranged in the enlarged diameter portion, and the stroke of the piston rod can be increased. , A large spring force can be applied. As a result, the change in the posture of the vehicle body can be effectively suppressed, and the running stability of the vehicle can be improved.
According to the hydraulic shock absorber according to the second aspect of the present invention, a large spring force can be applied to the stroke of the piston rod toward the extension side, so that the posture change of the vehicle body can be effectively suppressed. it can.
According to the hydraulic shock absorber according to the third aspect of the present invention, the spring force can be further applied to the stroke of the piston rod by the compression of the compression coil spring, and the posture change of the vehicle body is effectively suppressed. can do.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a longitudinal sectional view of a hydraulic shock absorber according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a diagram showing a state in which a piston rod extends to a stroke end on an extension side in the hydraulic shock absorber shown in FIG. 1;
FIG. 3 is a longitudinal sectional view of a hydraulic shock absorber according to a second embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
1 hydraulic shock absorber 2 cylinder 2b cylinder (expanded diameter part)
5 piston 6 piston rod 13 extension side damping force generation mechanism (damping force generation mechanism)
14, 18 Contraction side damping force generation mechanism (damping force generation mechanism)
19 Enlarged portion 2,33 Rebound spring (spring means, compression coil spring)