JP2004027383A - 成形用吸音マット及び車両用吸音材 - Google Patents
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Abstract
【課題】インシュレータダッシュ等の車両用吸音材及びその素材である成形用吸音マットにおいて、マットや吸音材の吸音性能を良好に維持しつつ、コストダウンを図るとともに、軽量化を達成する。
【解決手段】成形用吸音マット10は、ジーンズ製造工程で発生するジーンズ布端材、あるいはジーンズ古着を解繊した綿100%で細径繊維からなるジーンズ反毛と、バインダ繊維とからなるジーンズ反毛フエルト層20の単一素材で構成するか、あるいはジーンズ反毛フエルト層20の片面、あるいは両面に不織布30、又はフィルム40等を積層することで、安価で、しかも吸音性能がPET繊維に匹敵するマットを提供でき、反毛繊維等に比べ大幅な軽量化を促進できる。
【選択図】 図2
【解決手段】成形用吸音マット10は、ジーンズ製造工程で発生するジーンズ布端材、あるいはジーンズ古着を解繊した綿100%で細径繊維からなるジーンズ反毛と、バインダ繊維とからなるジーンズ反毛フエルト層20の単一素材で構成するか、あるいはジーンズ反毛フエルト層20の片面、あるいは両面に不織布30、又はフィルム40等を積層することで、安価で、しかも吸音性能がPET繊維に匹敵するマットを提供でき、反毛繊維等に比べ大幅な軽量化を促進できる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ジーンズ反毛を主繊維としたジーンズ反毛フエルト層を有する成形用吸音マット及び車両用吸音材に関するもので、高い吸音性能を維持しつつ、大幅なコストダウンが可能となり、しかも製品の軽量化を実現できる成形用吸音マット及び車両用吸音材に関する。
【0002】
【従来の技術】
図13に示すように、車両には各種吸音材が設けられている。例えば、エンジンルームEと車室Rとを区画するダッシュパネル1aの車室内側には、インシュレータダッシュ2が装着され、このダッシュパネル1aと連接するフロアパネル1bの室内側にフロアカーペット3が敷設されている。
【0003】
また、エンジンルームE内には、ダッシュパネル1aのエンジンルーム側面にダッシュフロントインシュレータ4及びフードパネル1cのエンジンルーム内面にはフードインシュレータ5が添装され、ルーフパネル1dの室内側にはルーフトリム6が取り付けられている。
【0004】
そして、インシュレータダッシュ2、ダッシュフロントインシュレータ4、フードインシュレータ5の各吸音材は、エンジンルームEからの騒音が車室R内に侵入するのを防ぐ機能を備え、フロアカーペット3は、エンジンの騒音やロードノイズが車室R内に侵入するのを防ぐ機能を備えている。
【0005】
また、ルーフトリム6は、車室R内に侵入してしまった騒音を吸音し、車室R内の騒音レベルを低下させるとともに、ルーフパネル1dの騒音(雨音、風切り音)が車室R内に侵入するのを防止している。
【0006】
このように、インシュレータダッシュ2等の車両用吸音材は、エンジンルームEや車外から車室R内に騒音が伝播するのを防止するか、あるいは車室内の騒音レベルを低下させる機能をもつことが知られている。
【0007】
図14,図15はインシュレータダッシュ2の構成が示されており、インシュレータダッシュ2は、図14に示すように、ダッシュパネル1aの車室R側の側面を占有する外形状を備えており、図15に示すように、遮音層2aと吸音層2bとの積層体から構成されている。
【0008】
そして、遮音層2aの素材としては、再生塩ビシート、再生ゴムシート等、比較的面密度の高い可撓性を備えたシート材料を使用し、吸音層2bとしては、以下に記載する成形用吸音マット(a)〜(d)をコールドプレス成形、あるいはホットプレス成形により成形している。
【0009】
(a)6dPET/2dPET/2dPETバインダ
(d:デニール、PET:ポリエステルテレフタレート)
(b)反毛/4dPETバインダ
そして、(a),(b)は、原反マットを加熱軟化処理し、コールドプレス成形により吸音層2bが成形される。
【0010】
(c)6dPET/2dPET/熱硬化性樹脂
(d)反毛/熱硬化性樹脂
上記(c)と(d)は、原反マットを高温の型でプレス硬化させて吸音層2bを形成する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の車両用吸音材の素材としての成形用吸音マットは、(a),(b)コールドプレス成形用吸音マットと、(c),(d)ホットプレス成形用吸音マットがあり、双方ともPET繊維を主繊維とする場合と反毛繊維を主繊維とする場合とに大別できる。
【0012】
そして、PET繊維を主繊維とする場合には、PET繊維が高価であるため、吸音マットの材料費が嵩み、ひいては車両用吸音材の製品コストが高騰化するという欠点が指摘されている。
【0013】
一方、反毛繊維を主繊維とする場合には、反毛繊維が太繊維であるため、重量アップが避けられないとともに、吸音・遮音性能に劣り、車両用吸音材に適用した場合、所望の吸音性能を期待することができないという欠点が指摘されている。
【0014】
このように、吸音材の厚みを厚く、繊維を細く、面密度を上げることは吸音性能の向上に必要となるが、そうした場合、必ずコスト増大に直結し、従来では、安価で吸音性の高い吸音材は実現不可能であった。
【0015】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、成形用吸音マット及びこれを成形して得られる車両用吸音材に係り、軽量で低コスト、かつ吸音性能に優れた成形用吸音マット及び車両用吸音材を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願発明は、ジーンズ製造端材及び/又はジーンズ古着を解繊したジーンズ反毛と、バインダ繊維とを混綿して、ジーンズ反毛フエルト層を形成し、熱風による加熱軟化及び加圧処理を施し、密度0.005〜0.6g/cm3 の範囲としたことを特徴とする。
【0017】
ここで、ジーンズ反毛とは、ジーンズを製造する工程で発生した布端材を解繊したもの、あるいはジーンズ製品、例えば回収されたジーンズ古着を解繊したもので、綿100%の細径繊維である。
【0018】
更に、ジーンズ反毛に混綿されるバインダ繊維は、繊維径が1〜6d、繊維長さが25〜74mmのものが最適であり、ジーンズ反毛とバインダ繊維との質量比はジーンズ反毛/バインダ繊維=20〜80%:80〜20%の範囲が良い。
【0019】
そして、上記バインダ繊維は、融点が90〜170℃の範囲であるPET、ポリプロピレン(以下、PPという)、ポリエチレン(以下、PEという)、ポリアミド(以下、PAという)から選択される1種類、あるいは複数組み合わせたものが使用できる。
【0020】
また、バインダ繊維として、芯部が融点150℃以上であるPP又はPET、鞘部が融点100〜170℃の範囲にあるPE又はPP、あるいはPETである芯鞘構造のバインダ繊維を使用することもできる。
【0021】
更に、前記フエルト層として、ジーンズ反毛とバインダ繊維に添加繊維を混入しても良い。この添加繊維としては、繊維径1〜10d、繊維長さ25〜74mm、融点150℃以上であるPP、PET、PA、ビニロンから選択される1種類、あるいは複数種類の添加繊維を使用でき、その際の質量比は、ジーンズ反毛/添加繊維/バインダ繊維=20〜80%:10〜50%:20〜70%の範囲であることが望ましい。
【0022】
更に、前記フエルト層の片面、あるいは両面に不織布を積層した成形用吸音マットを形成しても良く、その場合は、ジーンズ反毛とバインダ繊維、所望ならば添加繊維を混綿したフエルト層の片面、あるいは両面に不織布を積層した後、熱風による加熱軟化及び加圧処理を施し、全体の平均面密度が500〜3000g/m2 、厚み10〜50mmの範囲となるようにマット状に形成する。この場合、不織布の面密度は、15〜300g/m2 が好ましい。
【0023】
また、不織布としては、PET等の主繊維の繊維径を13〜30d、かつバインダ繊維の繊維径を2〜6d、質量比を主繊維/バインダ繊維=60〜90%:10〜40%の範囲とする。
【0024】
積層する不織布の別態様としては、PET等の主繊維の繊維径を2〜10d、かつバインダ繊維の繊維径を1〜6d、両者の質量比を主繊維/バインダ繊維=80〜90%:5〜20%の範囲とする。
【0025】
更に、ジーンズ反毛とバインダ繊維を混綿したフエルト層の片面、あるいは両面に上記不織布に替えて、フィルム、又はフィルム付き不織布を積層しても良い。
【0026】
以上の構成から明らかなように、本願発明に係る成形用吸音マットは、ジーンズ製造端材及び/又はジーンズ古着を解繊して得たジーンズ反毛と、バインダ繊維を素材とした吸音フエルト層の単一層から構成するか、あるいは、この吸音フエルト層の片面、あるいは両面に積層不織布、又はフィルム、あるいはフィルム付き不織布をラミネートするという構成であり、ベースとしては、従来のPET繊維や反毛繊維の代わりにジーンズ反毛を使用する。
【0027】
従って、ジーンズ反毛は、安価で入手が容易であるとともに、極細PETに匹敵する細径繊維であり、表面積も大きいので、優れた吸音性能を維持しつつ、大幅なコストダウンが可能となる。
【0028】
更に、高い吸音性能を確保する場合、単位面密度あたりの吸音性能は、反毛フエルトよりもジーンズ反毛フエルトのほうが圧倒的に高いため、主繊維を反毛からジーンズ反毛に代替すれば、目標吸音性能を達成するために必要な面密度を小さく設定でき、成形用吸音マットの軽量化が可能となる。
【0029】
また、ジーンズ反毛とバインダ繊維に加えて、適宜合成繊維を添加すれば、剛性アップ等の種々の性状を改良することができるとともに、フエルト層の片面、あるいは両面に不織布、フィルム、あるいはフィルム付き不織布をラミネートした積層構造を採用すれば、吸音フエルト層の表面から繊維屑、ホコリが落ちるのを防止することができる。
【0030】
更に、不織布の配合をチューニングすることで遮音性を高めることができるとともに、例えば、難燃アクリル繊維、難燃ポリエステル繊維等の難燃繊維を積層不織布の配合時に添加することで、マット全体に難燃性を付与できる。
【0031】
次いで、本発明に係る車両用吸音材は、上述した成形用吸音マットを熱風で加熱軟化処理した後、70℃以下に保った成形型により、車体パネルの面形状に沿う形状に成形されたことを特徴とする。
【0032】
そして、この車両用吸音材の室内側となる面に、厚み30〜200μmであるPE、PP、変性ポリオレフィン、PET、PA、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)の中から選択される少なくとも1種類以上からなる合成樹脂フィルム、あるいは金属フィルムを積層した積層体を車両用吸音材として採用できる。
【0033】
また、吸音材の室内側となる面に、面密度1〜10kg/m2 、PE、PP、PET、PA、塩化ビニルのいずれかから選択される少なくとも1種類以上からなる合成樹脂シート、あるいはゴムシートを積層した積層体から車両用吸音材を構成しても良い。
【0034】
更に、吸音材の片面又は両面に発泡倍率5〜50倍、厚み0.5〜5mm、見かけ密度0.02〜0.6g/cm2 であり、PE、PP、ポリウレタン(PU)から選択される少なくとも1種類以上の合成樹脂からなる独立気泡体、あるいは連立気泡体の発泡シートを積層した積層構造体を採用することもできる。
【0035】
以上の構成から明らかなように、ジーンズ反毛を使用したフエルト層をベースとした成形用吸音マットを車体パネル形状に沿うように成形するという構成であり、素材が安価でかつ軽量であるため、車両用吸音材の製作コストを引き下げることができ、かつ軽量な車両用吸音材を提供でき、車両の燃費効率並びに車体への取付作業性を高めることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る成形用吸音マット及びそれから成形される車両用吸音材の好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0037】
図1は本発明に係る成形用吸音マットの一実施形態の構成を示す概略断面図、図2,図3は図1に示す成形用吸音マットの製造工程を示す各チャート図、図4は本発明に係る成形用吸音マットの別の実施形態の概略構成を示す断面図、図5は図4に示す成形用吸音マットの製造工程を示すチャート図、図6,図7は本発明に係る成形用吸音マットの更に別の実施形態を示す各概略断面図、図8,図9は本発明に係る車両用吸音材の一実施形態であるインシュレータダッシュを示す正面図並びに断面図、図10乃至図12は同インシュレータダッシュの製造工程を示す各チャート図である。
【0038】
図1において、成形用吸音マット10は、ジーンズ反毛フエルト層20の単一層から構成され、ジーンズ反毛フエルト層20の素材は、従来のPET繊維や反毛繊維を使用する代わりにジーンズ反毛を使用する。
【0039】
このジーンズ反毛は、ジーンズを製造する工程で発生した布端材を解繊したものや、ジーンズ製品、例えば回収されたジーンズ古着を解繊したものが使用でき、ジーンズは綿100%の繊維であり、また、古着の中から容易に見分けられるので、選別が容易である。従来のいわゆる反毛は選別を行なわないまま解繊するため、太繊維が混入するのに比べ、ジーンズ反毛は細径繊維のみが使用される。
【0040】
そして、ジーンズ反毛に混綿されるのは、図2に示すように、バインダ繊維及び所望ならば添加繊維である。上記バインダ繊維は、PE、PP、PET等のポリエステル、PAなどからなる合成繊維が使用でき、融点は90〜170℃の範囲である。また、単一素材からなるバインダ繊維に限らず、芯鞘構造、例えば芯部がPP、鞘部がPEとなる構造や、芯部がPP、鞘部がPETとなる芯鞘構造のバインダ繊維を使用しても良い。更に、繊維径は、1〜6dが良く、更に好ましくは2〜4dの範囲が推奨される。繊維長さは、25〜74mm、更に好ましくは51〜74mmの範囲が推奨される。
【0041】
一方、添加繊維は、PP、PET等のポリエステル、PA、ビニロンなどの合成繊維が使用でき、繊維径は、1〜10dが良く、好ましくは2〜6dの範囲が推奨される。更に、繊維長さは、25〜74mm、更に好ましくは51〜74mmの範囲が推奨される。
【0042】
図1に示す成形用吸音マット10の製造工程は、その一例を図2を基に説明すると、ジーンズ反毛、バインダ繊維及び添加繊維から構成され、ジーンズ反毛は回収した古着類からジーンズ古着のみを選別し、これを解繊した綿100%のジーンズ反毛が使用される。また、この他に、ジーンズを製造する工程で発生したジーンズ端材を解繊したものも使用できる。
【0043】
そして、ジーンズ反毛、バインダ繊維、及び添加繊維を各計量して混綿し、エアレイによりマット状に押し出し、熱風加熱しながらベルトで加圧し、厚みを調整した後冷却し、定寸カット処理すれば、図1に示す成形用吸音マット10を製造できる。
【0044】
また、図3に示すように、ジーンズ古着の解繊構造でバインダ繊維を混合しても良い。すなわち、ジーンズ古着類を解繊する工程でバインダ繊維等を混ぜ合わせてから解繊・反毛化することで、ジーンズ繊維とバインダ繊維の混綿度が高まり、最終的に成形される製品の強度や耐熱性が向上するという有利さがある。
【0045】
このように、図2,図3のチャート図で示す製造方法により形成された成形用吸音マット10は、従来の高価なPET繊維や繊維径の太い反毛に替えて、細径で綿100%のジーンズ反毛を使用するものであるから、PET繊維に匹敵する吸音性能を確保しながら原料としてジーンズ古着やジーンズ布端材を使用するため、安価に供給でき、原料費を大幅に低減させることができ、かつ反毛繊維に比べ、所望の吸音性能を確保するために、面密度が小さくて済むため、成形用吸音マット10の大幅な軽量化が可能となる。従って、軽量であるため、プレス成形工程での取り扱いが簡単に行なえるという有利さがある。
【0046】
次いで、図4は、本発明に係る成形用吸音マット10の別実施形態を示す概略構成図で、図5は、図4に示す成形用吸音マット10の製造工程を示すチャート図である。
【0047】
このものは、ジーンズ反毛フエルト層20の片面に不織布30が積層されている。ジーンズ反毛フエルト層20は、図1に示す単一層の構成と同一であるため、ここでは説明は省略する。
【0048】
そして、このジーンズ反毛フエルト層20の片面に積層される不織布30は、面密度が15〜300g/m2 であり、ジーンズ反毛フエルト層20からの繊維屑、ホコリが外部に飛散するのを防止する機能を備えるため、製品の露出する面側のジーンズ反毛フエルト層20の一面に不織布30を積層する。
【0049】
この積層方法は、熱融着、低融点パウダー、ホットメルト、ニードルパンチなどで積層一体化することもできるが、接着せずに重ね合わせ、あるいは仮止めのみとし、吸音材成形時の高温で両者を熱融着するようにしても良い。
【0050】
更に、この不織布30の配合をチューニング(配合例▲1▼,▲2▼)することで遮音性を高めることができる。例えば、配合例▲1▼としては、主繊維の繊維径を13〜30d、かつバインダ繊維の繊維径を2〜6d、双方の質量比を主繊維/バインダ繊維=60〜90%:10〜40%の範囲に設定する。また、配合例▲2▼としては、主繊維の繊維径を2〜10d、かつバインダ繊維の繊維径を1〜6d。双方の質量比を主繊維/バインダ繊維=80〜95%:5〜20%の範囲に設定する。
【0051】
更に、不織布30の配合をチューニング(配合例▲3▼,▲4▼)することで、成形用吸音マット10の難燃性を高めることもできる。配合例▲3▼としては、主繊維の繊維径を6d以下、かつバインダ繊維の配合比率を25%以上とする。配合例▲4▼としては、主繊維として難燃アクリル繊維、又は難燃ポリエステル繊維を使用する。
【0052】
次いで、図5において、図4に示すジーンズ反毛フエルト層20の一面に不織布30を積層した構成の成形用吸音マット10の製造工程の概要をチャート図にて示す。
【0053】
図5のチャート図から明らかなように、ジーンズ反毛フエルト層20の素材として、ジーンズ反毛、バインダ繊維、添加繊維をそれぞれ混綿工程、エアレイによりマット状に形成し、これに積層する不織布30の素材として、主繊維とバインダ繊維を計量した後、混綿し、エアレイ又はカードによりマット状に積層して、マット状のジーンズ反毛フエルト層20の一面側に重ね合わせ、熱風処理、厚み調整を行なえば、熱風処理時の高温により複数の層が融着して一体化され、冷却工程を経た後、図4に示す成形用吸音マット10が形成される。
【0054】
また、所望ならば、図4ではジーンズ反毛フエルト層20の片面に不織布30を積層一体化した形態であるが、ジーンズ反毛フエルト層20の両面に不織布30をラミネート一体化しても良い。
【0055】
そして、図4に示す成形用吸音マット10の好ましい実施態様としては、総厚みが10〜50mmで、面密度がジーンズ反毛フエルト層20と不織布30、合わせて500〜3000g/m2 でジーンズ反毛フエルト層20の密度は、0.005〜0.6g/cm3 の範囲のものが良い。
【0056】
また、この不織布30に替えて、図6に示すように、ジーンズ反毛フエルト層20の片面、あるいは両面にフィルム40を積層しても良い。フィルム40を積層一体化した製品は、成形時に部品を接着する部品や通気性があると困る部品に適用するのに有利である。フィルム40の接着方法は、熱融着、パウダー、ホットメルト接着が可能であり、また、接着せずに重ね合わせ、あるいは仮止めのみとし、成形時の高温で融着するようにしても良い。
【0057】
更に、図7に示すように、ジーンズ反毛フエルト層20の片面、あるいは両面に不織布30とフィルム40の積層体を一体化しても良い。この場合、成形時の加熱条件幅が狭くなりすぎたり、成形品が成形型に貼り付いて脱型が困難になるなどの製造上の問題がある場合に、不織布30を積層してカバーする。不織布30の面密度は15〜300g/m2 、フィルム40との接着方法は、熱融着、パウダー、ホットメルト接着、あるいは接着せずに重ね合わせ、あるいは仮止めのみとし、成形時の高温で融着するようにしても良い。
【0058】
また、本発明に係る成形用吸音マット10は、ジーンズ反毛フエルト層20をベースとして、この単一層でも良いが、ジーンズ反毛フエルト層20の片面毎に異なる処理を施すこともできる。例えば、ジーンズ反毛フエルト層20の一方面に不織布30のみをラミネートし、他方面にはフィルム付き不織布をラミネートすることもできる。
【0059】
次に、本発明に係る成形用吸音マット10の具体的な実施例を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
実施例(1)は、ジーンズ反毛フエルト層20の片面に不織布30を積層した図4に示す構成であり、良好な吸音性能を維持しつつ、コストを引き下げ、軽量化を達成できる効果がある。実施例(2)は、ジーンズ反毛フエルト層20にPP繊維を添加して、更にジーンズ反毛フエルト層20の両面に不織布30を積層一体化した構成で、マットの剛性向上の効果がある。実施例(3)は、ジーンズ反毛フエルト層20の両面に難燃アクリル繊維を主繊維とした不織布を積層することで、マットの難燃性を高めている。更に、実施例(4)〜(6)は、それぞれ低バネ定数下で遮音性を向上させるという効果を備えている。
【0062】
次いで、図8乃至図12は、上述した成形用吸音マット10を使用して、車両用吸音材の代表的な製品であるインシュレータダッシュ50に応用した具体例を示す。図8はインシュレータダッシュ50を室内側からみた正面図であり、図9は同インシュレータダッシュ50をダッシュパネル60に取り付けた状態を示す断面図である。図8,図9において、インシュレータダッシュ50は、遮音機能を有する表皮層51と、この表皮層51の裏面に積層一体化され、エンジンルームEと車室Rとを区画するダッシュパネル60面にフィットする吸音層52との二層構造体から構成されている。
【0063】
そして、この実施形態においては、表皮層51として、高密度不織布を素材とし、また、吸音層52の素材としては、上述した成形用吸音マット10が使用されている。従って、コスト的に廉価な成形用吸音マット10を使用することで、インシュレータダッシュ50の製品コストを大幅に引き下げることができ、かつインシュレータダッシュ50の軽量化にも貢献できることから、ダッシュパネル60への取付作業性が円滑に行なえるとともに、車両の燃費効率を向上させることができる。
【0064】
このインシュレータダッシュ50の製造工程は、本実施形態のように通気性を有する高密度不織布を素材とした表皮層51とした場合には、図10に示すように、ジーンズ反毛、バインダ繊維、添加繊維をそれぞれ解繊、混綿して、基材を製造した後、表皮層51の高密度不織布をその一面(室内側となる面)に重ね合わせ、熱風加熱処理を施した後、コールドプレス成形により、ダッシュパネル60の面形状に即して成形し、トリム加工及びピアス加工を施すことにより、インシュレータダッシュ50の成形が完了する。
【0065】
また、図11に示すように、ジーンズ反毛、バインダ繊維、添加繊維を解繊、混綿した後、表皮層51の材料である高密度不織布を重ね合わせ、基材を製造した後、この基材を熱風加熱処理して、コールドプレス成形することにより、インシュレータダッシュ50の成形を行ない、トリム、ピアス加工処理を経て、インシュレータダッシュ50を製造しても良い。
【0066】
また、インシュレータダッシュ50の変形例として、表皮層51に非通気性材料、例えば、再生ゴムシート、再生塩ビシート等を使用する場合には、図12に示すように、ジーンズ反毛、バインダ繊維、添加繊維等を解繊、混綿して、基材を製造し、この基材を熱風加熱処理を施した状態で表皮層51を赤外加熱により加熱軟化処理して両者を重ね合わせ、コールドプレス成形後、トリム、ピアス加工によりインシュレータダッシュ50を成形することもできる。
【0067】
この他に、本発明に係る成形用吸音マット10を使用することで、上述したインシュレータダッシュ50の他に、ダッシュフロントインシュレータ、フードインシュレータ、フロアカーペット、ルーフトリム、トランクトリム、ラゲージトリム等、各種車両用吸音材に適用することができ、廉価で高い吸音性能をもち、かつ軽量であることから、パネルへの取付作業性及び燃費効率を高める等の有利さがある。
【0068】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明に係る成形用吸音マット及び車両用吸音材は、従来のPET繊維、あるいは反毛に替えて、ジーンズ古着を解繊するか、あるいはジーンズを製造する工程で発生したジーンズ布端材を解繊したジーンズ反毛を主繊維とすることで、PETの細径繊維に匹敵する優れた吸音性能を備えるにも拘わらず材料費が非常に安く、成形用吸音マット及び車両用吸音材のコストダウンに大きく寄与できるという効果を有する。
【0069】
更に、反毛等に比べ、ジーンズ反毛フエルトを使用すれば、ジーンズ反毛が綿100%の細径繊維であるため、軽量で所望の面密度が確保できるため、成形用吸音マットの軽量化及び車両用吸音材の軽量化に大きく貢献でき、車両用吸音材成形時における基材の取扱性に優れるとともに、燃費効率を高め、かつパネルへの取付作業性に優れるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る成形用吸音マットの一実施形態の構成を示す概要図である。
【図2】図1に示す成形用吸音マットの製造工程を示すチャート図である。
【図3】図1に示す成形用吸音マットの製造工程の別態様を示すチャート図である。
【図4】本発明に係る成形用吸音マットの別の実施形態を示す概要図である。
【図5】図4に示す成形用吸音マットの製造工程を示すチャート図である。
【図6】本発明に係る成形用吸音マットの更に別の実施形態を示す断面図である。
【図7】本発明に係る成形用吸音マットの更に別の実施形態を示す断面図である。
【図8】本発明に係る車両用吸音材の一実施形態であるインシュレータダッシュを示す正面図である。
【図9】図8に示すインシュレータダッシュをダッシュパネルに取り付けた状態を示す断面図である。
【図10】図8に示すインシュレータダッシュの製造工程を示すチャート図である。
【図11】図8に示すインシュレータダッシュの製造工程を示すチャート図の変形例を示す説明図である。
【図12】図8に示すインシュレータダッシュの製造工程を示すチャート図の変形例を示す説明図である。
【図13】車両用吸音材の設置箇所を示す説明図である。
【図14】従来のインシュレータダッシュの正面図である。
【図15】従来のインシュレータダッシュの取付構造を示す説明図である。
【符号の説明】
10 成形用吸音マット
20 ジーンズ反毛フエルト層
30 不織布
40 フィルム
50 インシュレータダッシュ
51 表皮層
52 吸音層
60 ダッシュパネル
E エンジンルーム
R 車室
【発明の属する技術分野】
この発明は、ジーンズ反毛を主繊維としたジーンズ反毛フエルト層を有する成形用吸音マット及び車両用吸音材に関するもので、高い吸音性能を維持しつつ、大幅なコストダウンが可能となり、しかも製品の軽量化を実現できる成形用吸音マット及び車両用吸音材に関する。
【0002】
【従来の技術】
図13に示すように、車両には各種吸音材が設けられている。例えば、エンジンルームEと車室Rとを区画するダッシュパネル1aの車室内側には、インシュレータダッシュ2が装着され、このダッシュパネル1aと連接するフロアパネル1bの室内側にフロアカーペット3が敷設されている。
【0003】
また、エンジンルームE内には、ダッシュパネル1aのエンジンルーム側面にダッシュフロントインシュレータ4及びフードパネル1cのエンジンルーム内面にはフードインシュレータ5が添装され、ルーフパネル1dの室内側にはルーフトリム6が取り付けられている。
【0004】
そして、インシュレータダッシュ2、ダッシュフロントインシュレータ4、フードインシュレータ5の各吸音材は、エンジンルームEからの騒音が車室R内に侵入するのを防ぐ機能を備え、フロアカーペット3は、エンジンの騒音やロードノイズが車室R内に侵入するのを防ぐ機能を備えている。
【0005】
また、ルーフトリム6は、車室R内に侵入してしまった騒音を吸音し、車室R内の騒音レベルを低下させるとともに、ルーフパネル1dの騒音(雨音、風切り音)が車室R内に侵入するのを防止している。
【0006】
このように、インシュレータダッシュ2等の車両用吸音材は、エンジンルームEや車外から車室R内に騒音が伝播するのを防止するか、あるいは車室内の騒音レベルを低下させる機能をもつことが知られている。
【0007】
図14,図15はインシュレータダッシュ2の構成が示されており、インシュレータダッシュ2は、図14に示すように、ダッシュパネル1aの車室R側の側面を占有する外形状を備えており、図15に示すように、遮音層2aと吸音層2bとの積層体から構成されている。
【0008】
そして、遮音層2aの素材としては、再生塩ビシート、再生ゴムシート等、比較的面密度の高い可撓性を備えたシート材料を使用し、吸音層2bとしては、以下に記載する成形用吸音マット(a)〜(d)をコールドプレス成形、あるいはホットプレス成形により成形している。
【0009】
(a)6dPET/2dPET/2dPETバインダ
(d:デニール、PET:ポリエステルテレフタレート)
(b)反毛/4dPETバインダ
そして、(a),(b)は、原反マットを加熱軟化処理し、コールドプレス成形により吸音層2bが成形される。
【0010】
(c)6dPET/2dPET/熱硬化性樹脂
(d)反毛/熱硬化性樹脂
上記(c)と(d)は、原反マットを高温の型でプレス硬化させて吸音層2bを形成する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の車両用吸音材の素材としての成形用吸音マットは、(a),(b)コールドプレス成形用吸音マットと、(c),(d)ホットプレス成形用吸音マットがあり、双方ともPET繊維を主繊維とする場合と反毛繊維を主繊維とする場合とに大別できる。
【0012】
そして、PET繊維を主繊維とする場合には、PET繊維が高価であるため、吸音マットの材料費が嵩み、ひいては車両用吸音材の製品コストが高騰化するという欠点が指摘されている。
【0013】
一方、反毛繊維を主繊維とする場合には、反毛繊維が太繊維であるため、重量アップが避けられないとともに、吸音・遮音性能に劣り、車両用吸音材に適用した場合、所望の吸音性能を期待することができないという欠点が指摘されている。
【0014】
このように、吸音材の厚みを厚く、繊維を細く、面密度を上げることは吸音性能の向上に必要となるが、そうした場合、必ずコスト増大に直結し、従来では、安価で吸音性の高い吸音材は実現不可能であった。
【0015】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、成形用吸音マット及びこれを成形して得られる車両用吸音材に係り、軽量で低コスト、かつ吸音性能に優れた成形用吸音マット及び車両用吸音材を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願発明は、ジーンズ製造端材及び/又はジーンズ古着を解繊したジーンズ反毛と、バインダ繊維とを混綿して、ジーンズ反毛フエルト層を形成し、熱風による加熱軟化及び加圧処理を施し、密度0.005〜0.6g/cm3 の範囲としたことを特徴とする。
【0017】
ここで、ジーンズ反毛とは、ジーンズを製造する工程で発生した布端材を解繊したもの、あるいはジーンズ製品、例えば回収されたジーンズ古着を解繊したもので、綿100%の細径繊維である。
【0018】
更に、ジーンズ反毛に混綿されるバインダ繊維は、繊維径が1〜6d、繊維長さが25〜74mmのものが最適であり、ジーンズ反毛とバインダ繊維との質量比はジーンズ反毛/バインダ繊維=20〜80%:80〜20%の範囲が良い。
【0019】
そして、上記バインダ繊維は、融点が90〜170℃の範囲であるPET、ポリプロピレン(以下、PPという)、ポリエチレン(以下、PEという)、ポリアミド(以下、PAという)から選択される1種類、あるいは複数組み合わせたものが使用できる。
【0020】
また、バインダ繊維として、芯部が融点150℃以上であるPP又はPET、鞘部が融点100〜170℃の範囲にあるPE又はPP、あるいはPETである芯鞘構造のバインダ繊維を使用することもできる。
【0021】
更に、前記フエルト層として、ジーンズ反毛とバインダ繊維に添加繊維を混入しても良い。この添加繊維としては、繊維径1〜10d、繊維長さ25〜74mm、融点150℃以上であるPP、PET、PA、ビニロンから選択される1種類、あるいは複数種類の添加繊維を使用でき、その際の質量比は、ジーンズ反毛/添加繊維/バインダ繊維=20〜80%:10〜50%:20〜70%の範囲であることが望ましい。
【0022】
更に、前記フエルト層の片面、あるいは両面に不織布を積層した成形用吸音マットを形成しても良く、その場合は、ジーンズ反毛とバインダ繊維、所望ならば添加繊維を混綿したフエルト層の片面、あるいは両面に不織布を積層した後、熱風による加熱軟化及び加圧処理を施し、全体の平均面密度が500〜3000g/m2 、厚み10〜50mmの範囲となるようにマット状に形成する。この場合、不織布の面密度は、15〜300g/m2 が好ましい。
【0023】
また、不織布としては、PET等の主繊維の繊維径を13〜30d、かつバインダ繊維の繊維径を2〜6d、質量比を主繊維/バインダ繊維=60〜90%:10〜40%の範囲とする。
【0024】
積層する不織布の別態様としては、PET等の主繊維の繊維径を2〜10d、かつバインダ繊維の繊維径を1〜6d、両者の質量比を主繊維/バインダ繊維=80〜90%:5〜20%の範囲とする。
【0025】
更に、ジーンズ反毛とバインダ繊維を混綿したフエルト層の片面、あるいは両面に上記不織布に替えて、フィルム、又はフィルム付き不織布を積層しても良い。
【0026】
以上の構成から明らかなように、本願発明に係る成形用吸音マットは、ジーンズ製造端材及び/又はジーンズ古着を解繊して得たジーンズ反毛と、バインダ繊維を素材とした吸音フエルト層の単一層から構成するか、あるいは、この吸音フエルト層の片面、あるいは両面に積層不織布、又はフィルム、あるいはフィルム付き不織布をラミネートするという構成であり、ベースとしては、従来のPET繊維や反毛繊維の代わりにジーンズ反毛を使用する。
【0027】
従って、ジーンズ反毛は、安価で入手が容易であるとともに、極細PETに匹敵する細径繊維であり、表面積も大きいので、優れた吸音性能を維持しつつ、大幅なコストダウンが可能となる。
【0028】
更に、高い吸音性能を確保する場合、単位面密度あたりの吸音性能は、反毛フエルトよりもジーンズ反毛フエルトのほうが圧倒的に高いため、主繊維を反毛からジーンズ反毛に代替すれば、目標吸音性能を達成するために必要な面密度を小さく設定でき、成形用吸音マットの軽量化が可能となる。
【0029】
また、ジーンズ反毛とバインダ繊維に加えて、適宜合成繊維を添加すれば、剛性アップ等の種々の性状を改良することができるとともに、フエルト層の片面、あるいは両面に不織布、フィルム、あるいはフィルム付き不織布をラミネートした積層構造を採用すれば、吸音フエルト層の表面から繊維屑、ホコリが落ちるのを防止することができる。
【0030】
更に、不織布の配合をチューニングすることで遮音性を高めることができるとともに、例えば、難燃アクリル繊維、難燃ポリエステル繊維等の難燃繊維を積層不織布の配合時に添加することで、マット全体に難燃性を付与できる。
【0031】
次いで、本発明に係る車両用吸音材は、上述した成形用吸音マットを熱風で加熱軟化処理した後、70℃以下に保った成形型により、車体パネルの面形状に沿う形状に成形されたことを特徴とする。
【0032】
そして、この車両用吸音材の室内側となる面に、厚み30〜200μmであるPE、PP、変性ポリオレフィン、PET、PA、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)の中から選択される少なくとも1種類以上からなる合成樹脂フィルム、あるいは金属フィルムを積層した積層体を車両用吸音材として採用できる。
【0033】
また、吸音材の室内側となる面に、面密度1〜10kg/m2 、PE、PP、PET、PA、塩化ビニルのいずれかから選択される少なくとも1種類以上からなる合成樹脂シート、あるいはゴムシートを積層した積層体から車両用吸音材を構成しても良い。
【0034】
更に、吸音材の片面又は両面に発泡倍率5〜50倍、厚み0.5〜5mm、見かけ密度0.02〜0.6g/cm2 であり、PE、PP、ポリウレタン(PU)から選択される少なくとも1種類以上の合成樹脂からなる独立気泡体、あるいは連立気泡体の発泡シートを積層した積層構造体を採用することもできる。
【0035】
以上の構成から明らかなように、ジーンズ反毛を使用したフエルト層をベースとした成形用吸音マットを車体パネル形状に沿うように成形するという構成であり、素材が安価でかつ軽量であるため、車両用吸音材の製作コストを引き下げることができ、かつ軽量な車両用吸音材を提供でき、車両の燃費効率並びに車体への取付作業性を高めることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る成形用吸音マット及びそれから成形される車両用吸音材の好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0037】
図1は本発明に係る成形用吸音マットの一実施形態の構成を示す概略断面図、図2,図3は図1に示す成形用吸音マットの製造工程を示す各チャート図、図4は本発明に係る成形用吸音マットの別の実施形態の概略構成を示す断面図、図5は図4に示す成形用吸音マットの製造工程を示すチャート図、図6,図7は本発明に係る成形用吸音マットの更に別の実施形態を示す各概略断面図、図8,図9は本発明に係る車両用吸音材の一実施形態であるインシュレータダッシュを示す正面図並びに断面図、図10乃至図12は同インシュレータダッシュの製造工程を示す各チャート図である。
【0038】
図1において、成形用吸音マット10は、ジーンズ反毛フエルト層20の単一層から構成され、ジーンズ反毛フエルト層20の素材は、従来のPET繊維や反毛繊維を使用する代わりにジーンズ反毛を使用する。
【0039】
このジーンズ反毛は、ジーンズを製造する工程で発生した布端材を解繊したものや、ジーンズ製品、例えば回収されたジーンズ古着を解繊したものが使用でき、ジーンズは綿100%の繊維であり、また、古着の中から容易に見分けられるので、選別が容易である。従来のいわゆる反毛は選別を行なわないまま解繊するため、太繊維が混入するのに比べ、ジーンズ反毛は細径繊維のみが使用される。
【0040】
そして、ジーンズ反毛に混綿されるのは、図2に示すように、バインダ繊維及び所望ならば添加繊維である。上記バインダ繊維は、PE、PP、PET等のポリエステル、PAなどからなる合成繊維が使用でき、融点は90〜170℃の範囲である。また、単一素材からなるバインダ繊維に限らず、芯鞘構造、例えば芯部がPP、鞘部がPEとなる構造や、芯部がPP、鞘部がPETとなる芯鞘構造のバインダ繊維を使用しても良い。更に、繊維径は、1〜6dが良く、更に好ましくは2〜4dの範囲が推奨される。繊維長さは、25〜74mm、更に好ましくは51〜74mmの範囲が推奨される。
【0041】
一方、添加繊維は、PP、PET等のポリエステル、PA、ビニロンなどの合成繊維が使用でき、繊維径は、1〜10dが良く、好ましくは2〜6dの範囲が推奨される。更に、繊維長さは、25〜74mm、更に好ましくは51〜74mmの範囲が推奨される。
【0042】
図1に示す成形用吸音マット10の製造工程は、その一例を図2を基に説明すると、ジーンズ反毛、バインダ繊維及び添加繊維から構成され、ジーンズ反毛は回収した古着類からジーンズ古着のみを選別し、これを解繊した綿100%のジーンズ反毛が使用される。また、この他に、ジーンズを製造する工程で発生したジーンズ端材を解繊したものも使用できる。
【0043】
そして、ジーンズ反毛、バインダ繊維、及び添加繊維を各計量して混綿し、エアレイによりマット状に押し出し、熱風加熱しながらベルトで加圧し、厚みを調整した後冷却し、定寸カット処理すれば、図1に示す成形用吸音マット10を製造できる。
【0044】
また、図3に示すように、ジーンズ古着の解繊構造でバインダ繊維を混合しても良い。すなわち、ジーンズ古着類を解繊する工程でバインダ繊維等を混ぜ合わせてから解繊・反毛化することで、ジーンズ繊維とバインダ繊維の混綿度が高まり、最終的に成形される製品の強度や耐熱性が向上するという有利さがある。
【0045】
このように、図2,図3のチャート図で示す製造方法により形成された成形用吸音マット10は、従来の高価なPET繊維や繊維径の太い反毛に替えて、細径で綿100%のジーンズ反毛を使用するものであるから、PET繊維に匹敵する吸音性能を確保しながら原料としてジーンズ古着やジーンズ布端材を使用するため、安価に供給でき、原料費を大幅に低減させることができ、かつ反毛繊維に比べ、所望の吸音性能を確保するために、面密度が小さくて済むため、成形用吸音マット10の大幅な軽量化が可能となる。従って、軽量であるため、プレス成形工程での取り扱いが簡単に行なえるという有利さがある。
【0046】
次いで、図4は、本発明に係る成形用吸音マット10の別実施形態を示す概略構成図で、図5は、図4に示す成形用吸音マット10の製造工程を示すチャート図である。
【0047】
このものは、ジーンズ反毛フエルト層20の片面に不織布30が積層されている。ジーンズ反毛フエルト層20は、図1に示す単一層の構成と同一であるため、ここでは説明は省略する。
【0048】
そして、このジーンズ反毛フエルト層20の片面に積層される不織布30は、面密度が15〜300g/m2 であり、ジーンズ反毛フエルト層20からの繊維屑、ホコリが外部に飛散するのを防止する機能を備えるため、製品の露出する面側のジーンズ反毛フエルト層20の一面に不織布30を積層する。
【0049】
この積層方法は、熱融着、低融点パウダー、ホットメルト、ニードルパンチなどで積層一体化することもできるが、接着せずに重ね合わせ、あるいは仮止めのみとし、吸音材成形時の高温で両者を熱融着するようにしても良い。
【0050】
更に、この不織布30の配合をチューニング(配合例▲1▼,▲2▼)することで遮音性を高めることができる。例えば、配合例▲1▼としては、主繊維の繊維径を13〜30d、かつバインダ繊維の繊維径を2〜6d、双方の質量比を主繊維/バインダ繊維=60〜90%:10〜40%の範囲に設定する。また、配合例▲2▼としては、主繊維の繊維径を2〜10d、かつバインダ繊維の繊維径を1〜6d。双方の質量比を主繊維/バインダ繊維=80〜95%:5〜20%の範囲に設定する。
【0051】
更に、不織布30の配合をチューニング(配合例▲3▼,▲4▼)することで、成形用吸音マット10の難燃性を高めることもできる。配合例▲3▼としては、主繊維の繊維径を6d以下、かつバインダ繊維の配合比率を25%以上とする。配合例▲4▼としては、主繊維として難燃アクリル繊維、又は難燃ポリエステル繊維を使用する。
【0052】
次いで、図5において、図4に示すジーンズ反毛フエルト層20の一面に不織布30を積層した構成の成形用吸音マット10の製造工程の概要をチャート図にて示す。
【0053】
図5のチャート図から明らかなように、ジーンズ反毛フエルト層20の素材として、ジーンズ反毛、バインダ繊維、添加繊維をそれぞれ混綿工程、エアレイによりマット状に形成し、これに積層する不織布30の素材として、主繊維とバインダ繊維を計量した後、混綿し、エアレイ又はカードによりマット状に積層して、マット状のジーンズ反毛フエルト層20の一面側に重ね合わせ、熱風処理、厚み調整を行なえば、熱風処理時の高温により複数の層が融着して一体化され、冷却工程を経た後、図4に示す成形用吸音マット10が形成される。
【0054】
また、所望ならば、図4ではジーンズ反毛フエルト層20の片面に不織布30を積層一体化した形態であるが、ジーンズ反毛フエルト層20の両面に不織布30をラミネート一体化しても良い。
【0055】
そして、図4に示す成形用吸音マット10の好ましい実施態様としては、総厚みが10〜50mmで、面密度がジーンズ反毛フエルト層20と不織布30、合わせて500〜3000g/m2 でジーンズ反毛フエルト層20の密度は、0.005〜0.6g/cm3 の範囲のものが良い。
【0056】
また、この不織布30に替えて、図6に示すように、ジーンズ反毛フエルト層20の片面、あるいは両面にフィルム40を積層しても良い。フィルム40を積層一体化した製品は、成形時に部品を接着する部品や通気性があると困る部品に適用するのに有利である。フィルム40の接着方法は、熱融着、パウダー、ホットメルト接着が可能であり、また、接着せずに重ね合わせ、あるいは仮止めのみとし、成形時の高温で融着するようにしても良い。
【0057】
更に、図7に示すように、ジーンズ反毛フエルト層20の片面、あるいは両面に不織布30とフィルム40の積層体を一体化しても良い。この場合、成形時の加熱条件幅が狭くなりすぎたり、成形品が成形型に貼り付いて脱型が困難になるなどの製造上の問題がある場合に、不織布30を積層してカバーする。不織布30の面密度は15〜300g/m2 、フィルム40との接着方法は、熱融着、パウダー、ホットメルト接着、あるいは接着せずに重ね合わせ、あるいは仮止めのみとし、成形時の高温で融着するようにしても良い。
【0058】
また、本発明に係る成形用吸音マット10は、ジーンズ反毛フエルト層20をベースとして、この単一層でも良いが、ジーンズ反毛フエルト層20の片面毎に異なる処理を施すこともできる。例えば、ジーンズ反毛フエルト層20の一方面に不織布30のみをラミネートし、他方面にはフィルム付き不織布をラミネートすることもできる。
【0059】
次に、本発明に係る成形用吸音マット10の具体的な実施例を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
実施例(1)は、ジーンズ反毛フエルト層20の片面に不織布30を積層した図4に示す構成であり、良好な吸音性能を維持しつつ、コストを引き下げ、軽量化を達成できる効果がある。実施例(2)は、ジーンズ反毛フエルト層20にPP繊維を添加して、更にジーンズ反毛フエルト層20の両面に不織布30を積層一体化した構成で、マットの剛性向上の効果がある。実施例(3)は、ジーンズ反毛フエルト層20の両面に難燃アクリル繊維を主繊維とした不織布を積層することで、マットの難燃性を高めている。更に、実施例(4)〜(6)は、それぞれ低バネ定数下で遮音性を向上させるという効果を備えている。
【0062】
次いで、図8乃至図12は、上述した成形用吸音マット10を使用して、車両用吸音材の代表的な製品であるインシュレータダッシュ50に応用した具体例を示す。図8はインシュレータダッシュ50を室内側からみた正面図であり、図9は同インシュレータダッシュ50をダッシュパネル60に取り付けた状態を示す断面図である。図8,図9において、インシュレータダッシュ50は、遮音機能を有する表皮層51と、この表皮層51の裏面に積層一体化され、エンジンルームEと車室Rとを区画するダッシュパネル60面にフィットする吸音層52との二層構造体から構成されている。
【0063】
そして、この実施形態においては、表皮層51として、高密度不織布を素材とし、また、吸音層52の素材としては、上述した成形用吸音マット10が使用されている。従って、コスト的に廉価な成形用吸音マット10を使用することで、インシュレータダッシュ50の製品コストを大幅に引き下げることができ、かつインシュレータダッシュ50の軽量化にも貢献できることから、ダッシュパネル60への取付作業性が円滑に行なえるとともに、車両の燃費効率を向上させることができる。
【0064】
このインシュレータダッシュ50の製造工程は、本実施形態のように通気性を有する高密度不織布を素材とした表皮層51とした場合には、図10に示すように、ジーンズ反毛、バインダ繊維、添加繊維をそれぞれ解繊、混綿して、基材を製造した後、表皮層51の高密度不織布をその一面(室内側となる面)に重ね合わせ、熱風加熱処理を施した後、コールドプレス成形により、ダッシュパネル60の面形状に即して成形し、トリム加工及びピアス加工を施すことにより、インシュレータダッシュ50の成形が完了する。
【0065】
また、図11に示すように、ジーンズ反毛、バインダ繊維、添加繊維を解繊、混綿した後、表皮層51の材料である高密度不織布を重ね合わせ、基材を製造した後、この基材を熱風加熱処理して、コールドプレス成形することにより、インシュレータダッシュ50の成形を行ない、トリム、ピアス加工処理を経て、インシュレータダッシュ50を製造しても良い。
【0066】
また、インシュレータダッシュ50の変形例として、表皮層51に非通気性材料、例えば、再生ゴムシート、再生塩ビシート等を使用する場合には、図12に示すように、ジーンズ反毛、バインダ繊維、添加繊維等を解繊、混綿して、基材を製造し、この基材を熱風加熱処理を施した状態で表皮層51を赤外加熱により加熱軟化処理して両者を重ね合わせ、コールドプレス成形後、トリム、ピアス加工によりインシュレータダッシュ50を成形することもできる。
【0067】
この他に、本発明に係る成形用吸音マット10を使用することで、上述したインシュレータダッシュ50の他に、ダッシュフロントインシュレータ、フードインシュレータ、フロアカーペット、ルーフトリム、トランクトリム、ラゲージトリム等、各種車両用吸音材に適用することができ、廉価で高い吸音性能をもち、かつ軽量であることから、パネルへの取付作業性及び燃費効率を高める等の有利さがある。
【0068】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明に係る成形用吸音マット及び車両用吸音材は、従来のPET繊維、あるいは反毛に替えて、ジーンズ古着を解繊するか、あるいはジーンズを製造する工程で発生したジーンズ布端材を解繊したジーンズ反毛を主繊維とすることで、PETの細径繊維に匹敵する優れた吸音性能を備えるにも拘わらず材料費が非常に安く、成形用吸音マット及び車両用吸音材のコストダウンに大きく寄与できるという効果を有する。
【0069】
更に、反毛等に比べ、ジーンズ反毛フエルトを使用すれば、ジーンズ反毛が綿100%の細径繊維であるため、軽量で所望の面密度が確保できるため、成形用吸音マットの軽量化及び車両用吸音材の軽量化に大きく貢献でき、車両用吸音材成形時における基材の取扱性に優れるとともに、燃費効率を高め、かつパネルへの取付作業性に優れるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る成形用吸音マットの一実施形態の構成を示す概要図である。
【図2】図1に示す成形用吸音マットの製造工程を示すチャート図である。
【図3】図1に示す成形用吸音マットの製造工程の別態様を示すチャート図である。
【図4】本発明に係る成形用吸音マットの別の実施形態を示す概要図である。
【図5】図4に示す成形用吸音マットの製造工程を示すチャート図である。
【図6】本発明に係る成形用吸音マットの更に別の実施形態を示す断面図である。
【図7】本発明に係る成形用吸音マットの更に別の実施形態を示す断面図である。
【図8】本発明に係る車両用吸音材の一実施形態であるインシュレータダッシュを示す正面図である。
【図9】図8に示すインシュレータダッシュをダッシュパネルに取り付けた状態を示す断面図である。
【図10】図8に示すインシュレータダッシュの製造工程を示すチャート図である。
【図11】図8に示すインシュレータダッシュの製造工程を示すチャート図の変形例を示す説明図である。
【図12】図8に示すインシュレータダッシュの製造工程を示すチャート図の変形例を示す説明図である。
【図13】車両用吸音材の設置箇所を示す説明図である。
【図14】従来のインシュレータダッシュの正面図である。
【図15】従来のインシュレータダッシュの取付構造を示す説明図である。
【符号の説明】
10 成形用吸音マット
20 ジーンズ反毛フエルト層
30 不織布
40 フィルム
50 インシュレータダッシュ
51 表皮層
52 吸音層
60 ダッシュパネル
E エンジンルーム
R 車室
Claims (14)
- ジーンズ製造端材及び/又はジーンズ古着を解繊したジーンズ反毛と、バインダ繊維とを混綿して、ジーンズ反毛フエルト層を形成し、熱風による加熱軟化及び加圧処理を施し、密度0.005〜0.6g/cm3 の範囲としたことを特徴とする成形用吸音マット。
- 前記ジーンズ反毛フエルト層の少なくとも片面に、面密度15〜300g/m2 の不織布を積層した後、熱風による加熱軟化及び加圧処理を施し、全体の平均面密度500〜3000g/m2 、厚み10〜50mmの範囲としたことを特徴とする請求項1に記載の成形用吸音マット。
- 前記ジーンズ反毛フエルト層に積層する不織布は、主繊維の繊維径を13〜30d、かつバインダ繊維の繊維径を2〜6d、双方の質量比を主繊維/バインダ繊維=60〜90%:10〜40%の範囲としたことを特徴とする請求項2に記載の成形用吸音マット。
- 前記ジーンズ反毛フエルト層に積層する不織布は、主繊維の繊維径を2〜10d、かつバインダ繊維の繊維径を1〜6d、双方の質量比を主繊維/バインダ繊維=80〜95%:5〜20%の範囲としたことを特徴とする請求項2に記載の成形用吸音マット。
- 前記ジーンズ反毛フエルト層の少なくとも片面にフィルムをラミネートしたことを特徴とする請求項1に記載の成形用吸音マット。
- 前記ジーンズ反毛フエルト層の少なくとも片面にフィルム付き不織布をラミネートしたことを特徴とする請求項1に記載の成形用吸音マット。
- 前記ジーンズ反毛フエルト層におけるバインダ繊維は、繊維径を1〜6d、繊維長さを25〜74mm、かつ双方の質量比をジーンズ反毛/バインダ繊維=20〜80%:20〜80%の範囲としたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の成形用吸音マット。
- 前記ジーンズ反毛フエルト層におけるバインダ繊維は、融点が90〜170℃の範囲である、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミドの中から選択される少なくとも1種類以上の合成繊維であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の成形用吸音マット。
- 前記ジーンズ反毛フエルト層におけるバインダ繊維は、芯部が融点150℃以上であるポリプロピレン又はポリエステル、鞘部の融点が100〜170℃の範囲にあるポリエチレン又はポリプロピレン、あるいはポリエステルである芯鞘構造バインダであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の成形用吸音マット。
- 前記ジーンズ反毛フエルト層に繊維径1〜10d、繊維長さ25〜74mm、融点150℃以上である、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ビニロンの中から選択される少なくとも1種類以上の添加繊維が混入されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の成形用吸音マット。
- 請求項1乃至10のいずれかに記載の成形用吸音マットを熱風で加熱軟化処理した後、70℃以下に保った成形型により、車体パネルの面形状に沿う形状に成形されたことを特徴とする車両用吸音材。
- 室内側となる面に、厚み30〜200μmであるポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、エチレン・酢酸ビニル共重合体の中から選択される少なくとも1種類以上からなる合成樹脂フィルム又は金属フィルムを積層したことを特徴とする請求項11に記載の車両用吸音材。
- 室内側となる面に、面密度1〜10kg/m2 であり、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、塩化ビニルの中から選択される少なくとも1種類以上からなる合成樹脂シート、あるいはゴムシートを積層したことを特徴とする請求項11に記載の車両用吸音材。
- 片面又は両面に、発泡倍率5〜50倍、厚み0.5〜5mm、見かけ密度0.02〜0.6g/cm2 であり、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタンの中から選択される少なくとも1種類以上の合成樹脂からなる独立気泡体、あるいは連立気泡体の発泡シートを積層したことを特徴とする請求項11に記載の車両用吸音材。
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