JP2004020027A - 蓄熱器 - Google Patents
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Abstract
【課題】蓄熱器の保温性能の低下を最小化しつつ、内容器の振れを拘束することで容器下部の溶接部に発生する応力を緩和し、耐久性を向上した蓄熱器を提供する。
【解決手段】金属製の内容器1と外容器2との二重構造であって、両者の開口側である下端の接合部8で両者が溶接されており、両者の空隙部が真空断熱されている蓄熱器において、内容器の上部に凹部11が形成されていて、該凹部と外容器との間にリング状スペーサ7が嵌め込まれている。凹部11は、例えば内容器上部の周面に環状に形成され、この環状凹部11内に、凹部と外容器間の間隙を略直径とするリングで形成されたスペーサ7を複数個嵌め込む。
【選択図】 図1
【解決手段】金属製の内容器1と外容器2との二重構造であって、両者の開口側である下端の接合部8で両者が溶接されており、両者の空隙部が真空断熱されている蓄熱器において、内容器の上部に凹部11が形成されていて、該凹部と外容器との間にリング状スペーサ7が嵌め込まれている。凹部11は、例えば内容器上部の周面に環状に形成され、この環状凹部11内に、凹部と外容器間の間隙を略直径とするリングで形成されたスペーサ7を複数個嵌め込む。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空断熱層を備えた蓄熱器に関し、特に車両に搭載され、エンジン冷却水を保温貯蔵するのに好適な蓄熱器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、水冷式内燃機関(エンジン)の暖機促進を図る冷却系装置として、エンジンから流出する冷却水を保温貯蔵する蓄熱器を冷却水回路に配設し、蓄熱器内に貯蔵された高温の冷却水をエンジンに導入してエンジンの暖機促進を図るものが提案されている。
【0003】
このような蓄熱器として、従来より図6に示された構造の蓄熱器がある。この蓄熱器は、図6(b)に示すように内容器1と外容器2及びこの外容器2の下部に接合されたブラケット3から構成されている。内容器1と外容器2とは、通常ステンレスから作られており、両容器1,2間の空隙部は真空に保たれ、断熱層を形成していると共に、図6(c)に接合部であるA部を拡大して示すように、容器下部(容器の開口部)で両者1,2は円周上に溶接接合されている。
【0004】
蓄熱器の車両搭載には、図6(a)に示すように、蓄熱器はブラケット3でボルト6によってエンジン冷却水通路を形成する樹脂ハウジング4に固定され組み付けられる。また、蓄熱器と樹脂ハウジング4とはOリング5によってシールされる。
エンジン冷却水は、車両走行時に高温となり樹脂ハウジング4の入口側パイプ41から蓄熱器内に取り込まれ、その一部は出口側パイプ42より排出される。蓄熱器内に取り込まれた高温のエンジン冷却水は車両が停車している間、蓄熱器内に保温貯蔵される。そして、次回のエンジン始動時に、蓄熱器内の高温のエンジン冷却水がエンジンや車室内暖房用ヒータコアに送り込まれ、エンジンの早期暖機や早期暖房に使用される。
【0005】
しかしながら、上記従来の蓄熱器は保温性能を向上させるために、内容器1と外容器2の接合部8を下側に配置している。これは内容器1内の冷却水の温度が上部は高温、下部は低温となることから、蓄熱器が外部へとつながる、樹脂ハウジング4との接続部分である接合部8を低温側とすることで、伝熱による冷却水の熱損失を低減するためである。しかし、内容器1と外容器2の接合部8は下部の円周溶接部8のみであることから、車両走行時の振動によって、エンジン冷却水で満たされた内容器1が振動し、この円周溶接部に応力が集中し、耐久性が劣る(疲労破壊する)という問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、その目的は、蓄熱器の保温性能の低下を最小化しつつ、内容器の振れを拘束することで容器下部の円周溶接部に発生する応力を緩和し、耐久性を向上した蓄熱器を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するための手段として、特許請求の範囲の各請求項に記載の蓄熱器を提供する。
請求項1に記載の蓄熱器は、内容器の上部に凹部を形成し、この凹部と外容器との間にリング状スペーサを嵌め込むことで、内容器の振動を拘束するようにしたものである。これにより、内容器と外容器との唯一の結合個所である下部の溶接部に発生する応力が緩和され、蓄熱器の耐久性を向上させることができる。また、スペーサをリング状とすることで、スペーサの組付性を向上できる。
【0008】
請求項2の蓄熱器は、スペーサと内・外容器との接触が線接触となるようにしたものであり、これにより、両者間の伝熱面積を最小化することができ、保温性の低下も最小化できる。
請求項3の蓄熱器は、内容器上部の凹部を、内容器上部周面に環状に形成したものである。この場合、内容器上部を絞り込むことによって容易に凹部を形成することができる。
【0009】
請求項4の蓄熱器は、内容器上部の凹部をその周面に所定の間隔をあけて、上面視で略V字状に複数形成したものである。この場合においては、凹部内に嵌め込まれたリング状スペーサが、凹部内を移動するのが防止できる。また、凹部を内容器上部の周面に所定の間隔で設けているので、内容器上部の全周面に環状に凹部を設けた場合に比べて、内容器の容量を増大することができ、エンジン始動時に利用できる熱量を増大できる。
請求項5の蓄熱器は、スペーサを複数設けたものであり、これにより、内容器の振動を効果的に抑制できる。
【0010】
請求項6の蓄熱器は、スペーサを、1つのリング本体と、このリング本体から径方向に延びて、内容器の外周面又は外容器の内周面に当接する複数の支持部とから構成したものである。この場合においては、1個のスペーサですむために、スペーサの組付け工数が低減できると共に、スペーサが凹部内を移動する恐れもない。
請求項7の蓄熱器は、リング本体から径方向の内方に延びる支持部と径方向の外方に延びる支持部とが、リング本体の周方向の同一位置に形成されている。
【0011】
請求項8の蓄熱器は、リング本体から径方向の内方に延びる支持部と径方向の外方に延びる支持部とを、リング本体の周方向に交互に間隔をあけて形成したものであり、この場合においては、リング本体の周方向の同一位置から径方向の内外に延在する支持部に比べて、径方向の内外の支持部が周方向に間隔をあけて存在しているので、内容器から外容器までの伝熱経路が長くなり、保温性が向上する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に従って本発明の実施の形態の蓄熱器について説明する。図1は、本発明の第1実施形態の蓄熱器の縦断面図と、I−I線における横断面の半分を示している。なお、本発明においては、上部とは、図面において上部側である蓄熱器の底部側を意味しており、下部とは、図面において下部側である蓄熱器の開口側を意味している。
【0013】
本発明の第1実施形態の蓄熱器は、内容器1、外容器2、外容器2の下部(肩部)に接合されたブラケット3及び内容器1と外容器2との間に嵌め込まれる複数のリング状スペーサ7とから構成される。内容器1と外容器2とは、下部の円周溶接部8でのみ接合されている。第1実施形態では、内容器1と外容器2との間に複数のリング状スペーサ7を嵌め込むための空間を形成するために、内容器1の上部には、環状の凹部11が形成されている。この外容器2と内容器1の環状の凹部11とで形成される環状の空間内に、その周方向に適宜の間隔をあけて、複数のリング状スペーサ7が嵌め込まれ、その位置が固定される。なお、図1では、周方向に略90°の間隙をあけて4つのリング状スペーサ7が設けられているが、このスペーサ7の数は、適宜選択可能であるが、スペーサ7の数を多くするとそれだけ伝熱による熱損失が多くなること、及び4方向からの振動に耐えられることから、4つのスペーサ数が好適である。この場合、図1に示されるように内容器1の外周とリング状スペーサ7の外周とは線接触し、外容器2の内周とリング状スペーサ7の外周とも線接触することになる。
【0014】
スペーサ7は、熱伝導の低い材料から作られることが好ましいが、真空中でガスを発生するものは適さない。また、蓄熱器は内容器1と外容器2との間の空隙部を真空にするために高温で真空引きをしており、そのためスペーサ7はその高温にも耐える材質でなければならず、セラミックや伝熱面ではセラミックより劣るが、加工性から内容器及び外容器と同一材であるステンレス等が好ましい。
【0015】
このように、本発明の実施形態の蓄熱器では、スペーサ7が蓄熱器上部の内容器1と外容器2との間に形成される空間に嵌め込まれることによって、内容器の振動が拘束され、これによって、蓄熱器下部の円周上溶接部8に発生する応力が緩和される。また、リング状スペーサ7に加わる応力は、内容器1の上部の外周上に配置された複数個のスペーサ7に分散されるため、スペーサ7が破損する恐れはない。
更に内容器1と外容器2とは下部の円周上溶接部8で接合されているだけであり、その隙間のバラツキは少なくないが、剛性の低い(肉厚の薄い)スペーサ7を用いることで、その変形を利用できるので組み付けは容易となる。
また、蓄熱器上部にスペーサ7を嵌め込むことで、スペーサ7を介した熱伝導による保温性低下を招くが、内容器1とスペーサ7及び外容器2とスペーサ7との接触を線接触とすることで、伝熱面積を最小化し、保温性の低下も最小化できる。
【0016】
図2は、本発明の第2実施形態の蓄熱器の縦断面図と、II−II線における横断面の半分を示している。図1の第1実施形態では、内容器1の上部を全周に渡って環状の凹部11を形成しているが、図2の第2実施形態では、内容器1の上部のリング状スペーサ7を嵌め込む位置にのみ、上部に凹部11を形成している。即ち、第2実施形態では、内容器1の上部の周面に沿って所定の間隔をあけて、上面視で略V形状を形成するように複数の凹部11が形成されている。図2では、この凹部11は、内容器1上部の全周に4個所形成されているが、この数に限定されるものではない。他の部分の構成は、第1実施形態と同様である。
【0017】
この第2実施形態では、第1実施形態のように内容器1上部の全周に渡って凹部11を形成するのではなく、リング7を嵌め込む位置にのみ周面に断続的に凹部11を形成しているので、内容器1の容量を増やすことができ、エンジン始動時に利用できる熱量を増大できる。また、第1実施形態では、リング状スペーサ7が環状の凹部11内を移動し、内容器1の振動を規制する能力が低下する恐れがあるが、第2の実施形態では、略V形状の凹部11内にリング状スペーサ7を収めることができるので、スペーサ7の移動が防止でき、内容器1の振動を規制する能力が低下することはない。
【0018】
図3は、本発明の第3実施形態の蓄熱器の縦断面図と、 III−III 線における横断面の半分を示している。図1,2に示す第1、第2実施形態のスペーサ7の形状では、内容器1上部の凹部11と外容器2とで形成される空間を概略直径とするリング状としているが、図3に示す第3実施形態のスペーサ7は、内容器1上部の環状の凹部11と外容器2とで形成される環状の空間内の略中間部に環状に位置するようなリング状に形成されている。
【0019】
この第3形態のスペーサ7は、図3に示すようにリング本体71とこのリング本体71から径方向に突出する複数の支持部72とからなる。リング本体71は、内容器1上部の環状凹部11が形成されている部分の直径と外容器2の直径との略中間の直径を有している。リング本体71の内外周面には、所定の間隔をあけて周方向の同一位置から径方向の内方及び外方に向けて延びる支持部72が複数個所、例えば図3では4個所で、形成されている。これらの支持部72の先端73は、内容器1の外周面又は外容器2の内周面と線接触するように、円弧状に形成されている。他の構造は、第1実施形態と同様である。
【0020】
第3実施形態のスペーサ7は、第1、第2実施形態に比べてスペーサ7自体は1個ですむのでスペーサの組み付け工数が低減できる。また、1個のスペーサ7が、環状空間の略中央部に環状に配置されているので、第1、第2実施形態のようにスペーサ7が移動(回転)する恐れがない。
【0021】
図4は、本発明の第4実施形態の蓄熱器の縦断面図と、IV−IV線における横断面の半分を示している。第3実施形態のスペーサ7では、支持部72が、リング本体71の円周上の同一位置から径方向の内方及び外方に向けて延びているが、本第4実施形態のスペーサ7では、リング本体71の円周上で径方向の内方に向けて延びる内支持部72aと径方向の外方に向けて延びる外支持部72bとが、周方向に所定の間隔をあけて交互にリング本体71に設けられている。内・外支持部72a,72bの先端73は、第3実施形態と同様に内容器1の外周面又は外容器2の内周面に線接触するように、円弧状に形成されている。他の構造は、第3実施形態と同様である。
【0022】
この第4実施形態のスペーサ7では、内・外支持部72a,72bがリング本体の円周上を交互に形成されているので、第3実施形態のスペーサ7に比べて内容器1から外容器2までの伝熱経路が長くなり、保温性の向上を図れる。
【0023】
図5は、本発明のスペーサ7を蓄熱器に組み付ける場合の1つの例を説明する図である。この例においては、外容器2が上蓋部分22と容器部分21とからなり、内容器1を外容器2の容器部分21に組み込んで、下部の接合部8で溶接接合した後、内容器1と外容器2の容器部分21とで形成されるスペーサ7の嵌め込み位置にスペーサ7を嵌め込む。その後、外容器2の上蓋部分22を容器部分21に被せ、両者の接合部分を溶接によって結合する。このようにして、スペーサ7を組み込んだ蓄熱器が得られる。
【0024】
なお、上記説明においては、本発明の蓄熱器を専ら車両用として説明しているが、車両用以外にも適宜利用できるものであることは当然である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の蓄熱器の縦断面図と、I−I線による横断面の半分を示す図である。
【図2】本発明の第2実施形態の蓄熱器の縦断面図と、II−II線による横断面の半分を示す図である。
【図3】本発明の第3実施形態の蓄熱器の縦断面図と、 III−III 線による横断面の半分を示す図である。
【図4】本発明の第4実施形態の蓄熱器の縦断面図と、IV−IV線による横断面の半分を示す図である。
【図5】本発明におけるスペーサの蓄熱器への組付け手順を説明する図である。
【図6】従来の蓄熱器を、(a)車両搭載時の断面図、(b)蓄熱器の縦断面図、(c)接合部であるA部の拡大図、で示している。
【符号の説明】
1…内容器
11…凹部
2…外容器
3…ブラケット
4…樹脂ハウジング
7…スペーサ
71…リング本体
72…支持部
73…先端
8…接合部(溶接部)
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空断熱層を備えた蓄熱器に関し、特に車両に搭載され、エンジン冷却水を保温貯蔵するのに好適な蓄熱器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、水冷式内燃機関(エンジン)の暖機促進を図る冷却系装置として、エンジンから流出する冷却水を保温貯蔵する蓄熱器を冷却水回路に配設し、蓄熱器内に貯蔵された高温の冷却水をエンジンに導入してエンジンの暖機促進を図るものが提案されている。
【0003】
このような蓄熱器として、従来より図6に示された構造の蓄熱器がある。この蓄熱器は、図6(b)に示すように内容器1と外容器2及びこの外容器2の下部に接合されたブラケット3から構成されている。内容器1と外容器2とは、通常ステンレスから作られており、両容器1,2間の空隙部は真空に保たれ、断熱層を形成していると共に、図6(c)に接合部であるA部を拡大して示すように、容器下部(容器の開口部)で両者1,2は円周上に溶接接合されている。
【0004】
蓄熱器の車両搭載には、図6(a)に示すように、蓄熱器はブラケット3でボルト6によってエンジン冷却水通路を形成する樹脂ハウジング4に固定され組み付けられる。また、蓄熱器と樹脂ハウジング4とはOリング5によってシールされる。
エンジン冷却水は、車両走行時に高温となり樹脂ハウジング4の入口側パイプ41から蓄熱器内に取り込まれ、その一部は出口側パイプ42より排出される。蓄熱器内に取り込まれた高温のエンジン冷却水は車両が停車している間、蓄熱器内に保温貯蔵される。そして、次回のエンジン始動時に、蓄熱器内の高温のエンジン冷却水がエンジンや車室内暖房用ヒータコアに送り込まれ、エンジンの早期暖機や早期暖房に使用される。
【0005】
しかしながら、上記従来の蓄熱器は保温性能を向上させるために、内容器1と外容器2の接合部8を下側に配置している。これは内容器1内の冷却水の温度が上部は高温、下部は低温となることから、蓄熱器が外部へとつながる、樹脂ハウジング4との接続部分である接合部8を低温側とすることで、伝熱による冷却水の熱損失を低減するためである。しかし、内容器1と外容器2の接合部8は下部の円周溶接部8のみであることから、車両走行時の振動によって、エンジン冷却水で満たされた内容器1が振動し、この円周溶接部に応力が集中し、耐久性が劣る(疲労破壊する)という問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、その目的は、蓄熱器の保温性能の低下を最小化しつつ、内容器の振れを拘束することで容器下部の円周溶接部に発生する応力を緩和し、耐久性を向上した蓄熱器を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するための手段として、特許請求の範囲の各請求項に記載の蓄熱器を提供する。
請求項1に記載の蓄熱器は、内容器の上部に凹部を形成し、この凹部と外容器との間にリング状スペーサを嵌め込むことで、内容器の振動を拘束するようにしたものである。これにより、内容器と外容器との唯一の結合個所である下部の溶接部に発生する応力が緩和され、蓄熱器の耐久性を向上させることができる。また、スペーサをリング状とすることで、スペーサの組付性を向上できる。
【0008】
請求項2の蓄熱器は、スペーサと内・外容器との接触が線接触となるようにしたものであり、これにより、両者間の伝熱面積を最小化することができ、保温性の低下も最小化できる。
請求項3の蓄熱器は、内容器上部の凹部を、内容器上部周面に環状に形成したものである。この場合、内容器上部を絞り込むことによって容易に凹部を形成することができる。
【0009】
請求項4の蓄熱器は、内容器上部の凹部をその周面に所定の間隔をあけて、上面視で略V字状に複数形成したものである。この場合においては、凹部内に嵌め込まれたリング状スペーサが、凹部内を移動するのが防止できる。また、凹部を内容器上部の周面に所定の間隔で設けているので、内容器上部の全周面に環状に凹部を設けた場合に比べて、内容器の容量を増大することができ、エンジン始動時に利用できる熱量を増大できる。
請求項5の蓄熱器は、スペーサを複数設けたものであり、これにより、内容器の振動を効果的に抑制できる。
【0010】
請求項6の蓄熱器は、スペーサを、1つのリング本体と、このリング本体から径方向に延びて、内容器の外周面又は外容器の内周面に当接する複数の支持部とから構成したものである。この場合においては、1個のスペーサですむために、スペーサの組付け工数が低減できると共に、スペーサが凹部内を移動する恐れもない。
請求項7の蓄熱器は、リング本体から径方向の内方に延びる支持部と径方向の外方に延びる支持部とが、リング本体の周方向の同一位置に形成されている。
【0011】
請求項8の蓄熱器は、リング本体から径方向の内方に延びる支持部と径方向の外方に延びる支持部とを、リング本体の周方向に交互に間隔をあけて形成したものであり、この場合においては、リング本体の周方向の同一位置から径方向の内外に延在する支持部に比べて、径方向の内外の支持部が周方向に間隔をあけて存在しているので、内容器から外容器までの伝熱経路が長くなり、保温性が向上する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に従って本発明の実施の形態の蓄熱器について説明する。図1は、本発明の第1実施形態の蓄熱器の縦断面図と、I−I線における横断面の半分を示している。なお、本発明においては、上部とは、図面において上部側である蓄熱器の底部側を意味しており、下部とは、図面において下部側である蓄熱器の開口側を意味している。
【0013】
本発明の第1実施形態の蓄熱器は、内容器1、外容器2、外容器2の下部(肩部)に接合されたブラケット3及び内容器1と外容器2との間に嵌め込まれる複数のリング状スペーサ7とから構成される。内容器1と外容器2とは、下部の円周溶接部8でのみ接合されている。第1実施形態では、内容器1と外容器2との間に複数のリング状スペーサ7を嵌め込むための空間を形成するために、内容器1の上部には、環状の凹部11が形成されている。この外容器2と内容器1の環状の凹部11とで形成される環状の空間内に、その周方向に適宜の間隔をあけて、複数のリング状スペーサ7が嵌め込まれ、その位置が固定される。なお、図1では、周方向に略90°の間隙をあけて4つのリング状スペーサ7が設けられているが、このスペーサ7の数は、適宜選択可能であるが、スペーサ7の数を多くするとそれだけ伝熱による熱損失が多くなること、及び4方向からの振動に耐えられることから、4つのスペーサ数が好適である。この場合、図1に示されるように内容器1の外周とリング状スペーサ7の外周とは線接触し、外容器2の内周とリング状スペーサ7の外周とも線接触することになる。
【0014】
スペーサ7は、熱伝導の低い材料から作られることが好ましいが、真空中でガスを発生するものは適さない。また、蓄熱器は内容器1と外容器2との間の空隙部を真空にするために高温で真空引きをしており、そのためスペーサ7はその高温にも耐える材質でなければならず、セラミックや伝熱面ではセラミックより劣るが、加工性から内容器及び外容器と同一材であるステンレス等が好ましい。
【0015】
このように、本発明の実施形態の蓄熱器では、スペーサ7が蓄熱器上部の内容器1と外容器2との間に形成される空間に嵌め込まれることによって、内容器の振動が拘束され、これによって、蓄熱器下部の円周上溶接部8に発生する応力が緩和される。また、リング状スペーサ7に加わる応力は、内容器1の上部の外周上に配置された複数個のスペーサ7に分散されるため、スペーサ7が破損する恐れはない。
更に内容器1と外容器2とは下部の円周上溶接部8で接合されているだけであり、その隙間のバラツキは少なくないが、剛性の低い(肉厚の薄い)スペーサ7を用いることで、その変形を利用できるので組み付けは容易となる。
また、蓄熱器上部にスペーサ7を嵌め込むことで、スペーサ7を介した熱伝導による保温性低下を招くが、内容器1とスペーサ7及び外容器2とスペーサ7との接触を線接触とすることで、伝熱面積を最小化し、保温性の低下も最小化できる。
【0016】
図2は、本発明の第2実施形態の蓄熱器の縦断面図と、II−II線における横断面の半分を示している。図1の第1実施形態では、内容器1の上部を全周に渡って環状の凹部11を形成しているが、図2の第2実施形態では、内容器1の上部のリング状スペーサ7を嵌め込む位置にのみ、上部に凹部11を形成している。即ち、第2実施形態では、内容器1の上部の周面に沿って所定の間隔をあけて、上面視で略V形状を形成するように複数の凹部11が形成されている。図2では、この凹部11は、内容器1上部の全周に4個所形成されているが、この数に限定されるものではない。他の部分の構成は、第1実施形態と同様である。
【0017】
この第2実施形態では、第1実施形態のように内容器1上部の全周に渡って凹部11を形成するのではなく、リング7を嵌め込む位置にのみ周面に断続的に凹部11を形成しているので、内容器1の容量を増やすことができ、エンジン始動時に利用できる熱量を増大できる。また、第1実施形態では、リング状スペーサ7が環状の凹部11内を移動し、内容器1の振動を規制する能力が低下する恐れがあるが、第2の実施形態では、略V形状の凹部11内にリング状スペーサ7を収めることができるので、スペーサ7の移動が防止でき、内容器1の振動を規制する能力が低下することはない。
【0018】
図3は、本発明の第3実施形態の蓄熱器の縦断面図と、 III−III 線における横断面の半分を示している。図1,2に示す第1、第2実施形態のスペーサ7の形状では、内容器1上部の凹部11と外容器2とで形成される空間を概略直径とするリング状としているが、図3に示す第3実施形態のスペーサ7は、内容器1上部の環状の凹部11と外容器2とで形成される環状の空間内の略中間部に環状に位置するようなリング状に形成されている。
【0019】
この第3形態のスペーサ7は、図3に示すようにリング本体71とこのリング本体71から径方向に突出する複数の支持部72とからなる。リング本体71は、内容器1上部の環状凹部11が形成されている部分の直径と外容器2の直径との略中間の直径を有している。リング本体71の内外周面には、所定の間隔をあけて周方向の同一位置から径方向の内方及び外方に向けて延びる支持部72が複数個所、例えば図3では4個所で、形成されている。これらの支持部72の先端73は、内容器1の外周面又は外容器2の内周面と線接触するように、円弧状に形成されている。他の構造は、第1実施形態と同様である。
【0020】
第3実施形態のスペーサ7は、第1、第2実施形態に比べてスペーサ7自体は1個ですむのでスペーサの組み付け工数が低減できる。また、1個のスペーサ7が、環状空間の略中央部に環状に配置されているので、第1、第2実施形態のようにスペーサ7が移動(回転)する恐れがない。
【0021】
図4は、本発明の第4実施形態の蓄熱器の縦断面図と、IV−IV線における横断面の半分を示している。第3実施形態のスペーサ7では、支持部72が、リング本体71の円周上の同一位置から径方向の内方及び外方に向けて延びているが、本第4実施形態のスペーサ7では、リング本体71の円周上で径方向の内方に向けて延びる内支持部72aと径方向の外方に向けて延びる外支持部72bとが、周方向に所定の間隔をあけて交互にリング本体71に設けられている。内・外支持部72a,72bの先端73は、第3実施形態と同様に内容器1の外周面又は外容器2の内周面に線接触するように、円弧状に形成されている。他の構造は、第3実施形態と同様である。
【0022】
この第4実施形態のスペーサ7では、内・外支持部72a,72bがリング本体の円周上を交互に形成されているので、第3実施形態のスペーサ7に比べて内容器1から外容器2までの伝熱経路が長くなり、保温性の向上を図れる。
【0023】
図5は、本発明のスペーサ7を蓄熱器に組み付ける場合の1つの例を説明する図である。この例においては、外容器2が上蓋部分22と容器部分21とからなり、内容器1を外容器2の容器部分21に組み込んで、下部の接合部8で溶接接合した後、内容器1と外容器2の容器部分21とで形成されるスペーサ7の嵌め込み位置にスペーサ7を嵌め込む。その後、外容器2の上蓋部分22を容器部分21に被せ、両者の接合部分を溶接によって結合する。このようにして、スペーサ7を組み込んだ蓄熱器が得られる。
【0024】
なお、上記説明においては、本発明の蓄熱器を専ら車両用として説明しているが、車両用以外にも適宜利用できるものであることは当然である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の蓄熱器の縦断面図と、I−I線による横断面の半分を示す図である。
【図2】本発明の第2実施形態の蓄熱器の縦断面図と、II−II線による横断面の半分を示す図である。
【図3】本発明の第3実施形態の蓄熱器の縦断面図と、 III−III 線による横断面の半分を示す図である。
【図4】本発明の第4実施形態の蓄熱器の縦断面図と、IV−IV線による横断面の半分を示す図である。
【図5】本発明におけるスペーサの蓄熱器への組付け手順を説明する図である。
【図6】従来の蓄熱器を、(a)車両搭載時の断面図、(b)蓄熱器の縦断面図、(c)接合部であるA部の拡大図、で示している。
【符号の説明】
1…内容器
11…凹部
2…外容器
3…ブラケット
4…樹脂ハウジング
7…スペーサ
71…リング本体
72…支持部
73…先端
8…接合部(溶接部)
Claims (8)
- 金属製の内容器と外容器との二重構造であって、前記内容器と前記外容器の開口側である下部の両者の接合部でのみ、両者が溶接接合されており、両者の空隙部が真空断熱されている蓄熱器において、
前記内容器の上部に凹部を形成し、前記凹部と前記外容器との間にリング状スペーサを嵌め込むことで、前記内容器の振動を拘束することを特徴とする蓄熱器。 - 前記スペーサと前記内容器及び前記スペーサと前記外容器との接触を線接触とすることを特徴とする請求項1に記載の蓄熱器。
- 前記凹部が前記内容器上部の周面に環状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の蓄熱器。
- 前記凹部が前記内容器上部の周面に所定の間隔をあけて、上面視で略V字状に複数形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の蓄熱器。
- 前記スペーサが複数設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の蓄熱器。
- 前記スペーサが、1つのリング本体と、前記リング本体から径方向に延びて前記内容器の外周面又は前記外容器の内周面に当接する複数の支持部とからなることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の蓄熱器。
- 前記リング本体から径方向の内方に延びる支持部と径方向の外方に延びる支持部とが、前記リング本体の周方向の同一位置に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の蓄熱器。
- 前記リング本体から径方向の内方に延びる支持部と径方向の外方に延びる支持部とが、前記リング本体の周方向に交互に間隔をあけて形成されていることを特徴とする請求項6に記載の蓄熱器。
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WO2008062810A1 (fr) | 2006-11-21 | 2008-05-29 | Calsonic Kansei Corporation | Système de stockage thermique pour véhicule |
JP2015503049A (ja) * | 2011-11-17 | 2015-01-29 | ベール ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー | 蓄熱器 |
JP7133250B1 (ja) | 2021-12-07 | 2022-09-08 | 和幸 前田 | 管と容器の断熱装置と断熱方法 |
-
2002
- 2002-06-14 JP JP2002174441A patent/JP2004020027A/ja active Pending
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