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JP2004018544A - インクジェット捺染用インクとそれを用いたインクジェット捺染方法 - Google Patents

インクジェット捺染用インクとそれを用いたインクジェット捺染方法 Download PDF

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JP2004018544A
JP2004018544A JP2002171348A JP2002171348A JP2004018544A JP 2004018544 A JP2004018544 A JP 2004018544A JP 2002171348 A JP2002171348 A JP 2002171348A JP 2002171348 A JP2002171348 A JP 2002171348A JP 2004018544 A JP2004018544 A JP 2004018544A
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JP
Japan
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ink
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Application number
JP2002171348A
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Tomomi Yoshizawa
吉沢 友海
Kei Kudo
工藤 圭
Hitoshi Morimoto
森本 仁士
Naoko Nakahigashi
中東 尚子
Tsutomu Iwamoto
岩本 勉
Naoki Sato
佐藤 直樹
Toshiya Takagi
高木 利也
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
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Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

【課題】本発明の目的は、インクジェットノズルでの目詰まり耐性(吐出安定性)に優れ、かつ布帛にプリントした際の滲みが低減されたインクジェット捺染用インクとそれを用いたインクジェット捺染方法を提供することにある。
【解決手段】少なくとも染料を含有し、かつラテックスを固形分量で6質量%以上含有することを特徴とするインクジェット捺染用インク。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット捺染用インクとそれを用いたインクジェット捺染方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、布帛の捺染は、スクリーン捺染やローラ捺染等で行われている。これらは、染色に先立って、捺染用の版銅やスクリーン版を作製する必要がある。版の製作は、時間と人手が掛かり、非常に高価であるため、一定量以上の生産を行わないと、コスト的に引き合わない為、小規模生産や見本作り等の目的に最近では無製版の電子捺染システムが要望されている。
【0003】
例えば、現行の捺染法では、注文を受けてから、最初の生産サンプルを作るまで、6〜16週間も掛かる。しかし、最近の小売店はシーズンの初め、品物の極一部だけを注文し、その後リアルタイムのポイント オブ セールス データを活用して、実際に売れているスタイルや色やサイズの再注文を望んでいる。この為、注文サイズの範囲が著しく小さくなる等、製造業者は小ロット注文でタイムリーに供給できる能力を要求される様になった。現在、染色業界やアパレル業界では、顧客の要望に迅速に対応できるクイックレスポンスが重視され、これに対応したインクジェット捺染、熱転写捺染、電子写真捺染、静電捺染、磁気捺染等、多くの無版染色技術が提案されている。中でも、インクジェット捺染が最も期待されている。その理由は、中間トナーやインクの転写を必要とせず、染料を布に直接印字して所望の図柄が短期間で供給できる為である。
【0004】
この様に、インクジェット捺染の特徴は、
1.高価な彫刻ロールやスクリーン型が不要になり、型製作に要する時間が不要
2.CADシステムと連動させる事ができるので、デザインの保管が容易
3.図柄に制限が無く、自由に再現できる
4.図柄や配色の変更が容易で、ユーザーの要望に即対応可能
5.従来の染色で使用されている、実績の有る染料を使用できる
6.受注後直ちに印捺作業にとりかかれるため短期間での生産が可能
等の利点がある。
【0005】
また、インクジェット方式により布帛に図柄を形成するとき、色の濃度を出すため、あるいは滲みを防止する目的で、印字前に布帛を撥水剤や捺染糊等による前処理を行い、布帛表面にインクを止める方法が用いられる。しかしながら、この前処理は、インクジェット印字工程とは別の工程が必要となり、処理時間の延長、あるいは新たな工程を設けることによるコスト増の要因となっている。
【0006】
上記課題の1つである印字の際の滲みを解決する方法として、例えば、インク中に捺染糊等を添加することが知られているが、この様な形態からなるインクは、インクジェットノズルの目詰まりを起こしやすいという欠点を有している。
【0007】
一方、インクジェット方式としては、主に、ヒーターを急速に過熱して、インクを発泡させて吐出するサーマル方式と、ピエゾ素子を振動させてインクを吐出するピエゾ方式が知られている。
【0008】
サーマル方式は、ヘッドに可動部がなく、半導体技術で製造できるので、ヘッドを高密度に配置できる利点が有る。しかし、ヘッドとインクを高温に過熱する為、ヘッドの寿命が短く、インクの熱安定性に対する制約が大きい欠点がある。
【0009】
ピエゾ方式は、吐出力が強く、インク液滴の制御が容易で、画像が優れる利点があるが、ヘッドに可動部が有る為、構造が複雑となり、ノズルを高密度に配置できない等の欠点がある。しかしながら、サーマル方式に比べると、ヘッド寿命が長く、インクに対する制約が少ない、という大きな利点も有している。
【0010】
上記いずれの方式も、細いノズルからインクを噴射させる為、ノズルの目詰まりが、最大の課題になる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、インクジェットノズルでの目詰まり耐性(吐出安定性)に優れ、かつ布帛にプリントした際の滲みが低減されたインクジェット捺染用インクとそれを用いたインクジェット捺染方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、以下の構成により達成された。
【0013】
1.少なくとも染料を含有し、かつラテックスを固形分量で6質量%以上含有することを特徴とするインクジェット捺染用インク。
【0014】
2.前記ラテックスがソープフリーラテックスであることを特徴とする前記1項に記載のインクジェット捺染用インク。
【0015】
3.有機溶剤含有量が25〜50質量%であることを特徴とする前記1又は2項に記載のインクジェット捺染用インク。
【0016】
4.前記ラテックスの平均粒径が、100nm以下であることを特徴とする前記1〜3項のいずれか1項に記載のインクジェット捺染用インク。
【0017】
5.前記染料が、分散染料であることを特徴とする前記1〜4項のいずれか1項に記載のインクジェット捺染用インク。
【0018】
6.前記1〜5項のいずれか1項に記載のインクジェット捺染用インクを、記録ヘッドより微小液滴として吐出して、前処理を施していない布帛にプリントした後、発色水洗工程を経て定着されることを特徴とするインクジェット捺染方法。
【0019】
本発明者らは、インクジェット捺染用インクを用いたインクジェット捺染方法の上記課題に関し鋭意検討を進めた結果、少なくとも染料を含有するインクジェット捺染用インクに、ラテックスを固形分量で6質量%以上含有せしめることにより、吐出安定性に優れ、かつ前処理を施していない布帛に対してプリントを行っても、滲みが生じないことを見いだし、本発明に至った次第である。更に、本発明の上記効果は、ラテックスとしてソープフリーラテックスを用いること、有機溶剤含有量を特定の範囲に規定することにより、一層発揮されることを見いだした。
【0020】
以下、本発明の詳細について説明する。
請求項1に係る発明では、少なくとも染料を含有するインクジェット捺染用インクが、ラテックスを固形分量で6質量%以上含有していることが特徴である。
【0021】
本発明のインクジェット捺染用インク(以下、単に本発明のインクともいう)は、主に、染料、ラテックス、有機溶剤、水及び添加物より構成され、染料が粒子状に分散されている分散染料インクであることが好ましい。また、プリントする布帛としては、ポリエステル、レーヨン、綿、絹、羊毛のように天然繊維、合成繊維を素材とする織物、編物、不織布等、捺染用インクジェット装置で使用可能なものであればどのような形態を使用してもかまわない。本発明においては、インクジェット捺染用インクとして分散染料インクを用い、主な布帛としてポリエステル布の捺染に使用されることが好ましい。
【0022】
ポリエステル布は疎水性の為、疎水性の分散染料を水中に微粒子状に分散して捺印を行なう。インクジェット技術によるポリエステル布の捺染は、分散染料を微粒子状に分散させたインクをノズルから、ニジミ防止処理を施した布上に、吐出して画像を形成する。更に、この布を、ポリエステルのガラス転移温度以上に加熱(例えば150〜220℃)して、染料を、繊維内部に浸透させて、染着する。染着された布には、未染着の分散染料の他、分散剤、活性剤、高沸点溶剤、前処理剤等が多量に含まれており、これらが布に残留すると、耐洗濯性が低下したり、べとついたり、ごわごわした感触を与える為、水洗して除去する。
【0023】
この様に、分散染料を微粒子状に分散させた、捺染用インクジェットインクに要求される事は、分散粒子径が小さい事、粒子径の分布範囲が狭い事、分散の安定性が良く、凝集物が発生しない事、ノズルやフィルター等を閉塞しない事である。この為、分散染料を、粒子径をできるだけ細かく、粒子径の分布範囲をできるだけ狭く成る様に分散し、この状態を長期間保つ必要がある。
【0024】
分散染料は、媒体の水に対する溶解性が、分散粒子の保存性と安定性に極めて大きな影響を与える。分散染料は、水に難溶であるが、幾分か水溶性を持っている。特に、粒子径が小さくなると、溶解度が大きくなる。粒子径分布が広いと、保存中に、小粒子が溶解して大粒子上に析出する、いわゆるオストワルド熟成が起こり、粒子径がしだいに大きくなり、沈降や凝集を起こす。
【0025】
本発明者らは、分散染料インク中にラテックスを共存させることにより、オストワルド熟成が抑えられていることを見出した。さらに、ラテックスとして、ソープフリーラテックスを用いることで、分散染料インクは、十分な吐出安定性を達成できることを見出したものである。
【0026】
はじめに、本発明に係るラテックスについて説明する。
本発明において、ラテックスとは媒質中に分散状態にあるポリマー粒子を指す。用いられるポリマーとしては、例えば、スチレン・ブタジエン共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン、シリコン・アクリル共重合体およびアクリル変性フッ素樹脂等が挙げられるが、なかでも、アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタンおよびシリコン・アクリル共重合体が好ましい。
【0027】
本発明に使用するラテックスは、乳化剤を用いてポリマー粒子を分散させたものであっても、また、乳化剤を用いないで分散させたものであってもよい。乳化剤としては界面活性剤が多く用いられるが、スルホン酸基、カルボン酸基等の水に可溶な基を有するポリマー(例えば、可溶化基がグラフト結合しているポリマー、可溶化基を持つ単量体と不溶性の部分を持つ単量体とから得られるポリマー)を用いることも好ましい。
【0028】
また、本発明では、ソープフリーラテックスを用いることが特に好ましい。本発明でいうソープフリーラテックスとは、乳化剤を使用していないラテックス、及びスルホン酸基、カルボン酸基等の水に可溶な基を有するポリマー(例えば、可溶化基がグラフト結合しているポリマー、可溶化基を持つ単量体と不溶性の部分を持つ単量体とから得られるポリマー)を乳化剤として用いたラテックスのことを指す。
【0029】
近年、ラテックスのポリマー粒子として、粒子全体が均一であるポリマー粒子を分散したラテックス以外に、粒子の中心部と外縁部で組成を異にしたコア/シェルタイプのポリマー粒子を分散したラテックスも存在するが、本発明においては、このタイプのラテックスも好ましく用いることができる。
【0030】
本発明において、ラテックス中のポリマー粒子の平均粒径は100nm以下であることが好ましく、10nm以上、100nm以下であることがより好ましく、10nm以上、50nm以下であることが特に好ましい。ラテックスの平均粒径が100nmを越えると、画像の光沢感の劣化が起こり、10nm未満であると耐水性、耐擦過性が不十分となる。ラテックス中のポリマー粒子の平均粒子径は光散乱法、電気泳動法、レーザードップラー法を用いた市販の粒径測定機器により求めることができる。
【0031】
本発明において、ラテックスは固形分添加量として、インク全質量に対して、6質量%以上となるように添加されるが、ラテックスの固形分添加量を8質量%以上、18質量%以下とすることが特に好ましい。ラテックスの固形分添加量が8質量%未満では、耐水性に関して十分な効果を発揮させることが難しく、また、18質量%を越えると、経時でインク粘度の上昇が起こったり、染料分散粒径の増大が起こりやすくなるなどインク保存性の点で問題が生じることが多い。
【0032】
本発明のインクは、染料、有機溶剤、水、添加物よりなる。
ここでいう染料とは、布帛に染着可能であるものをさす。たとえば公知の、分散染料、顔料染料、反応性染料、酸性染料、直接染料、カチオン染料、媒染染料、建染染料、硫化染料、アゾイック染料等である。
【0033】
本発明においては、従来公知の分散染料はいずれも使用することができる。
本発明に好ましい分散染料は、
C.I.Disperse Yellow;3、4、5、7、9、13、23、24、30、33、34、42、44、49、50、51、54、56,58,60、63、64、66、68、71、74、76、79、82、83、85、86、88、90、91、93、98、99、100、104、108、114、116、118、119、122、124、126、135、140、141、149、160、162、163、164、165、179、180、182、183、184、186、192、198、199、202、204、210、211、215、216、218、224、227、231、232
C.I.Disperse Orange;1、3、5、7、11、13、17、20、21、25、29、30、31、32、33、37、38、42、43、44、45、47、48、49、50、53、54、55、56、57、58、59、61、66、71、73、76、78、80、89、90、91、93、96、97、119、127、130、139、142、
C.I.Disperse Red;1、4、5、7、11、12、13、15、17、27、43、44、50、52、53、54、55、56、58、59、60、65、72、73、74、75、76、78、81、82、86、88、90、91、92、93、96、103、105、106、107、108、110、111、113、117、118、121、122、126、127、128、131、132、134、135、137、143、145、146、151、152、153、154、157、159、164、167、169、177、179、181、183、184、185、188、189、190、191、192、200、201、202、203、205、206、207、210、221、224、225、227、229、239、240、257、258、277、278、279、281、288、298、302、303、310、311、312、320、324、328、
C.I.Disperse Violet;1、4、8、23、26、27、28、31、33、35、36、38、40、43、46、48、50、51、52、56、57、59、61、63、69、77、
C.I.Disperse Green;9、
C.I.Disperse Brown;1、2、4、9、13、19
C.I.Disperse Blue;3、7、9、14、16、19、20、26、27、35、43、44、54、55、56、58、60、62、64、710、72、73、75、79、81、82、83、87、91、93、94、95、96、102、106、108、112、113、115、118、120、122、125、128、130、139、141、142、143、146、148、149、153、154、158、165、167、171、173、174、176、181、183、185、186、187、189、197、198、200、201、205、207、211、214、224、225、257、259、267、268、270、284、285、287、288、291、293、295、297、301、315、330、333、C.I.Disperse Black;1、3、10、24等が挙げられる。
【0034】
本発明においては、従来公知の顔料染料はいずれも使用することができる。
本発明に好ましい顔料染料は、カーボンブラックや、
C.I.Pigment Yellow;1、3、12、13、14、16、17、43、55、74、81、83、109、110、128
C.I.Pigment Orange;13、16、34、43
C.I.Pigment Red;2、5、8、12、17、22、23、41、112、114、122、123、146、148、150、166、170、220、238、245、258、
C.I.Pigment Violet;19、23、
C.I.Pigment Blue;15、15:1、15:3、15:5、29、
C.I.Pigment Green;7、8、
C.I.Pigment Brown;22、
C.I.Pigment Black;1、7、
C.I.Pigment White;6、
本発明においては、従来公知の反応性染料はいずれも使用することができる。
【0035】
本発明に好ましい反応性染料は、
C.I.Reactive Yellow;2、3、7、15、17、18、22、23、24、25、27、37、39、42、57、69、76、81、84、85、86、87、92、95、102、105、111、125、135、136、137、142、143、145、151、160、161、165、167、168、175、176、
C.I.Reactive Orange;1、4、5、7、11、12、13、15、16、20、30、35、56、64、67、69、70、72、74、82、84、86、87、91、92、93、95、107、
C.I.Reactive Red;2、3、3:1、5、8、11、21、22、23、24、28、29、31、33、35、43、45、49、55、56、58、65、66、78、83、84、106、111、112、113、114、116、120、123、124、128、130、136、141、147、158、159、171、174、180、183、184、187、190、193、194、195、198、218、220、222、223、228、235、
C.I.Reactive Violet;1、2、4、5、6、22、23、33、36、38、
C.I.Reactive Blue;2、3、4、7、13、14、15、19、21、25、27、28、29、38、39、41、49、50、52、63、69、71、72、77、79、89、104、109、112、113、114、116、119、120、122、137、140、143、147、160、161、162、163、168、171、176、182、184、191、194、195、198、203、204、207、209、211、214、220、221、222、231、235、236、
C.I.Reactive Green;8、12、15、19、21、
C.I.Reactive Brown;2、7、9、10、11、17、18、19、21、23、31、37、43、46、
C.I.Reactive Black;5、8、13、14、31、34、39等が挙げられる。
【0036】
本発明においては、従来公知の酸性染料はいずれも使用することができる。
本発明に好ましい酸性染料は、
C.I.Acid Yellow;1、3、11、17、18、19、23、25、36、38、40、40:1、42、44、49、59、59:1、61、65、67、72、73、79、99、104、159、169、176、184、193、200、204、207、215、219219:1、220、230、232、235、241、242、246、
C.I.Acid Orange;3、7、8、10、19、24、51、51S、56、67、74、80、86、87、88、89、94、95、107、108、116、122、127、140、142、144、149、152、156、162、166、168
C.I.Acid Red;1、6、8、9、13、18、27、35、37、52、54、57、73、82、88、97、97:1、106、111、114、118、119、127、131、138、143、145、151、183、195、198、211、215、217、225、226、249、251、254、256、257、260、261、265、266、274、276、277、289、296、299、315、318、336、337、357、359、361、362、364、366、399、407、415、
C.I.Acid Vioret;17、19、21、42、43、47、48、49、54、66、78、90、97、102、109、126、
C.I.Acid Blue 1、7、9、15、23、25、40、61:1、62、72、74、80、83、90、92、103、104、112、113、114、120、127、127:1、128、129、138、140、142、156、158、171、182、185、193、199、201、203、204、205、207、209、220、221、224、225、229、230、239、258、260、264、277:1、278、279、280、284、290、296、298、300、317、324、333、335、338、342、350、
C.I.Acid Green;9、12、16、19、20、25、27、28、40、43、56、73、81、84、104、108、109
C.I.Acid Brown;2、4、13、14、19、28、44、123、224、226、227、248、282、283、289、294、297、298、301、355、357、413
C.I.Acid Black;1、2、3、24、24:1、26、31、50、52、52:1、58、60、63、63S、107、109、112、119、132、140、155、172、187、188、194、207、222、
本発明においては、従来公知の直接染料はいずれも使用することができる。
【0037】
本発明の好ましい直接染料は、
C.I.Direct Yellow;8、9、10、11、12、22、27、28、39、44、50、58、86、87、98、105、106、130、137、142、147、153、
C.I.Direct Orange;6、26、27、34、39、40、46、102、105、107、118、
C.I.Direct Red;2、4、9、23、24、31、54、62、69、79、80、81、83、84、89、95、212、224、225、226、227、239、242、243、254
C.I.Direct Violet;9、35、51、66、94、95
C.I.Direct Blue;1、15、71、76、77、78、80、86、87、90、98、106、108、160、168、189、192、193、199、200、201、202、203、218、225、229、237、244、248、251、270、273、274、290、291
C.I.Direct Green;26、28、59、80、85、
C.I.Direct Brown;44、44:1、106、115、195、209、210、212:1、222、223、
C.I.Direct Black;17、19、22、32、51、62、108、112、113、117、118、132、146、154、159、169、
上記に列挙した染料は、「染色ノート 第21版」(出版;色染社)等に記載されている。本発明はこれらに限定されるものではない。
【0038】
布帛の裏まで染料を浸透させ色を出すために必要なインク中の染料の量は、0.1〜20質量%が好ましい。0.1質量%未満であると濃度が低すぎて色の識別が出来なくなる。20質量%を越えると、ヘッドの目詰まりが問題となるし、布帛を洗浄すると染着に関与しなかった染料は洗い流されるため濃度としては飽和してしまう。
【0039】
インク中の水として液体染料を使用する場合は、染料持ち込みの水分を含む。好ましい水はイオン交換水または純水である。水道水や地下水では塩素や生活排水等が混入している場合が多く、インクの成分として好ましくない成分が含まれ、その量も一定しているとは言えない。染着に不都合である。
【0040】
その点、純水やイオン交換水は管理されており、品質も安定しているので好ましい。
【0041】
添加物としては公知の、無機塩、界面活性剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、粘度調整剤、ヒドロトロープ剤、分散剤、均染剤、濃染剤等を必要に応じて添加すればよい。また、インクの粘度や染料を安定に保つため発色をよくするために、インク中に無機塩を添加してもかまわない。無機塩としてはたとえば塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化マグネシウム、硫化マグネシウム等が挙げられる。本発明を実施する場合、これらに限定されるものではない。
【0042】
界面活性剤として、陽イオン性、陰イオン性、両性、非イオン性のいずれも用いることが出来る。陽イオン性界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。陰イオン性界面活性剤としては、脂肪酸石鹸、N−アシル−N−メチルグリシン塩、N−アシル−N−メチル−β−アラニン塩、N−アシルグルタミン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン、硫酸化油、高級アルコール硫酸エステル塩、第2級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、第2級高級アルコールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェート、脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等が挙げられる。両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(例えば、エマルゲン911)、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(例えば、ニューポールPE−62)、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキサイド、アセチレングリコール、アセチレンアルコール等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではない。
【0043】
これらの界面活性剤を使用する場合、単独又は2種類以上を混合して用いることが出来、インク全量に対して、0.001〜1.0質量%の範囲で添加することにより、インクの表面張力を任意に調整することができ好ましい。
【0044】
インクの長期保存安定性を保つため、防腐剤、防黴剤をインク中に添加してもかまわない。防腐剤、防黴剤としては、芳香族ハロゲン化合物(例えば、Preventol CMK)、メチレンジチオシアナート、含ハロゲン窒素硫黄化合物、1、2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(例えば、PROXEL GXL)などが挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではない。
【0045】
インク中の染料を安定に保つために、インク中にpH調整剤を添加してもかまわない。pH調整剤としては、塩酸や酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を水など薄めたり、そのまま使用することができる。本発明はこれらに限定されるものではない。
【0046】
出射安定性を保つためにインク中に粘度調整剤を添加し、粘度調整を行ってかまわない。粘度調整剤としては、ポリマー等がある。たとえばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、スチレン、ポリエチレングリコール(#200〜#600)等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではない。また、有機溶剤もまた粘度調整剤の役割を果たす。
【0047】
また、ノズル近傍のインクが乾かぬよう、ヒドロトロープ剤をインク中に添加してもかまわない。ヒドロトロープ剤としては、尿素、尿素誘導体が好ましい。ヒドロトロープとは、可溶化の事であり、ノズルの出口に析出した染料を溶解させ、再びインクに戻す働きを持つ。
【0048】
本発明の有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまたはケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン;エチレングリコール メチル(またはエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(またはエチル)エーテル、トリエチレングリコールメチル(またはエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。上記有機溶剤は、単独でも2種類以上混合して使用しても良い。
【0049】
上記の有機溶剤の中で好ましいものは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−メチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−エチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−イソプロピルエーテルである。これらの有機溶剤のうち1種類を用いてもまた2種類以上を併用しても良い。布種や用途に合わせて組み合わせれば良い。
【0050】
本発明においては、インク中の有機溶剤含有量は25〜50質量%であることが好ましい。
【0051】
前記以外の有機溶剤を用いた場合、インクは布帛の裏まで浸透せずに途中で止まってしまったり布帛表面で浸透することなく乾いてしまう。
【0052】
好ましいのは、インク中の有機溶剤総質量のエチレングリコールの質量が50質量%以上である。この場合、布帛への浸透が深くなるばかりでなく、布帛の乾燥が比較的早いうえ、インク出射時のインクの乾燥を抑えより安定に連続印字が可能となる。
【0053】
本発明のインクジェット捺染用インクとしては、分散染料であることが好ましいが、水不溶性の染料は、分散剤、湿潤剤、媒体および任意の添加剤を混合し分散機を用いることによって分散することができる。分散機としては従来公知のボールミル、サンドミル、ラインミル、高圧ホモジナイザー等が使用できる。
【0054】
本発明に好ましく用いられる分散剤は、例えば、クレオソート油スルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物(たとえばデモールC)、クレゾールスルホン酸ナトリウムと2−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、クレゾールスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、フェノールスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、β−ナフトールスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、β−ナフタリンスルホン酸ナトリウム(たとえばデモールN)とβ−ナフトールスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、リグニンスルホン酸塩(たとえばバニレックスRN)等が挙げられる。
【0055】
分散剤の使用量は、分散染料に対して、20〜200質量%が好ましい。分散剤が少ないと微粒子化や分散安定性が劣り、分散剤が多いと、微粒子化や分散安定性が劣り、粘度が高くなり好ましくない。
【0056】
これらの分散剤は単独で使用してもよいが、併用しても良い。
本発明の分散に好ましい湿潤剤とは、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、2−エチルへキシルスルホ琥珀酸ソーダ、アルキルナフタレンスルホン酸ソーダ、フェノールの酸化エチレン付加物、アセチレンジオールの酸化エチレン付加物等である。
【0057】
使用する分散染料の構造により、分散中に、発泡したり、ゲル化したり、流動性が悪くなる事が有るので、分散剤や湿潤剤は、湿潤能力や微粒子化能力や分散安定性の他、分散時の発泡、分散液のゲル化、分散液の流動性等を考慮して選定する必要がある。
【0058】
上記の要求を全て満たす分散剤は無いので、分散する染料に合わせて、最適な分散剤を選定して、必要に応じて、消泡剤等を添加する必要がある。
【0059】
本発明のインクジェット捺染方法においては、本発明のインクジェット捺染用インクを、記録ヘッドより微小液滴として吐出して、前処理を施していない布帛にプリントした後、発色水洗工程を経て定着されることが特徴である。
【0060】
インクジェット方式により布帛に図柄を形成するとき、色の濃度を出すため、あるいは滲みを防止するため、布帛に糊剤、撥水剤やカチオン性樹脂などを含む前処理を行い、布帛表面にインクを止める方法が用いられる。しかしながら、これらの前処理工程は、通常のインクジェット工程とは別工程が必要となるため、コスト高の要因となっていた。この対策として、インク中に糊等を添加する方法が知られてはいるが、印字の際のノズルの目詰まり等を引き起こしやすいという問題点を有している。
【0061】
本発明においては、前述の構成からなる本発明のインクジェット捺染用インクを用いることにより、前処理工程がなくても、滲みの発生がないインクジェット捺染方法を実現できたものである。
【0062】
布帛に印字を行うインクジェット捺染方法は、前処理を施していない布帛にインク出射して印字した後、布帛を巻き取り、加熱により発色し、布帛を洗浄、乾燥させることが望ましい。インクジェット捺染において、インクを布帛に印字しただ放置しておくだけではうまく染着しない。また長尺の布帛に長時間印字し続ける場合などは、布帛が延々と出てくるため床などに、印字した布帛が重なっていき場所をとるしそれは不安全でありまた予期せず汚れてしまう場合がある。そのために印字後、巻き取る操作が必要となる。この操作時に布帛と布帛の間に紙や布、ビニール等の印字に関わらない媒体を挟んでもかまわない。ただし途中で切断する場合や短い布帛に対しては必ずしも巻き取る必要はない。
【0063】
印字された布帛は直ちに加熱処理しても、しばらくおいてから加熱処理しても用途に合わせて乾燥・発色処理すればよい。加熱処理法としては、オーブン、ヒートロール、スチーム等、用途にあった方法を選択すればよい。
【0064】
加熱処理後は洗浄が必要である。なぜなら染着に関与しなかった染料が残留することで、色の安定性が悪くなり堅牢度が低下するからである。また、布帛に施した前処理物を除去することも必要である。そのままにしておくと堅牢性の低下ばかりでなく布帛が変色する。そのため除去対象物や目的に応じた洗浄が必須である。
【0065】
洗浄後は乾燥が必要である。洗浄した布帛を絞ったり脱水した後、干したりあるいは乾燥機、ヒートロール、アイロン等を使用して乾燥させる。
【0066】
この一連の作用によりインクジェット捺染用のインクとしての特徴が生かされ、美しい図柄が印字された布帛が出来上がる。
【0067】
本発明のインクジェット捺染用インクは、インクジェットのヘッドの駆動周波数を大きくしても出射安定性が維持されることから高速で印字を行うことができる。本発明においては、ヘッドの駆動周波数を10kHz以上で印字することが好ましく、これにより、さらに高速印字を行うことができる。ヘッドの駆動周波数は20kHz以上であることが好ましく、更に好ましくは30kHz以上である。
【0068】
本発明のインクジェット捺染方法で用いることができるインクジェットプリンタのインクジェットヘッドはピエゾ型ヘッドが好ましい。
【0069】
図1、2に示すピエゾ型ヘッドについて説明する。図1はヘッドの一部破断面を有する概略斜視図であり、図2はヘッドのインク室部分の一例を示す概略断面図である。
【0070】
圧電材であるチタン酸ジルコン酸鉛による下部基板1bと上部基板1cを接着剤6により接着して形成する。下部基板1bと上部基板1cは逆方向に分極している。上部基板と下部基板にまたがって複数の細長い溝2を形成する。これにより複数の平行な隔壁4と溝2が形成される。
【0071】
複数溝の内面には蒸着により電極膜3を設ける。溝2に電極膜3を取りつけてから基板1の上面の一部を段加工して段部35を形成する。接着剤6により隔壁4の上面に蓋8を接着し、隔壁4の端面に接着剤により封溝片25を取りつける。複数溝の内面に形成された電極膜3の表面にパリレン等の絶縁膜17をコーティングし、絶縁膜17の表面を酸素プラズマ処理により親水化処理する。この親水化処理により炭酸ガスによる気泡がヘッド内に残存しにくくなり吐出安定性が向上する。溝2の開口する端面にノズル孔11を有するノズル板10を同じ接着剤6により接着して溝2の1つおきにインク室9を形成する。ノズル孔は各インク室に対応して設けられ、すなわち溝2に対応して1つおきに設けられている。蓋8の上部には共通溝5が彫られ、各インク室に連通するための孔12が設けられる。溝2は1つおきにノズル孔11と連通孔12をともに有する。蓋8の上部にはインク供給孔15を有する上板14が共通溝5の上部を覆うように接着剤6により接着される。
【0072】
電極膜はそれぞれ蓋8の段部35に露出している引出し配線7につながっている。
【0073】
インク供給孔15よりインクを供給し、図1、2の並列する溝2の1つおきに形成されたインク室9にインクを満たす。両隣のダミー溝9′にはインクは供給されない。
【0074】
引き出し線7に電気信号を送り、インク室2aの電極膜とその両側のダミー溝の電極膜の間にインク室の電極膜の電位が高電位となるように駆動電圧をかけるとインク室2aの両側の隔壁が内側に向けて変形し、インク室が収縮してインクが小滴となって吐出する。続いてインク室電極膜を接地すると、変形がなくなりインクがインク室に吸い込まれる。
【0075】
【実施例】
以下、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0076】
《分散染料インクの調製》
(分散染料インク1の調製:比較例)
〈分散液1の調製〉
分散染料原体(C.I.Disperse Yellow 160)24.0質量%
ジエチレングリコール                 30.6質量%
スチレン−無水マレイン酸共重合体(分散剤)      12.0質量%
水                          33.4質量%
上記混合物を、直径0.5mmのセラミックビーズを使用して、アイメックス社(旧名、五十嵐製作所)製サンドグラインダーで回転数2500rpmで5時間分散した。この分散液を、染料濃度が5%になる様に、水/ジエチレングリコール=1:4で希釈して分散液1を調製した。
【0077】
〈インクの調製〉
上記分散液1に、各組成物を添加、攪拌して、分散染料インク1を調製した。
【0078】
分散液1                       20.0質量%
エチレングリコール                  10.0質量%
グリセリン                       8.0質量%
エマルゲン911(花王(株)製)           0.05質量%
イオン交換水を添加して、100質量%に仕上げた。
【0079】
(分散染料インク2の調製:比較例)
上記分散液1に、各組成物を添加、攪拌して、分散染料インク2を調製した。
【0080】
分散液1                       20.0質量%
エチレングリコール                  22.6質量%
グリセリン                      18.4質量%
エマルゲン911                   0.05質量%
ラテックス1(スーパーフレックスE4000 第一工業製薬(株)製
平均粒径280nm)              固形分量として4質量%
イオン交換水を添加して、100質量%に仕上げた。
【0081】
(分散染料インク3の調製:比較例)
上記分散液1に、各組成物を添加、攪拌して、分散染料インク3を調製した。
【0082】
分散液1                       20.0質量%
エチレングリコール                  22.6質量%
グリセリン                      18.4質量%
エマルゲン911                   0.05質量%
ラテックス2(Nipol SX1503 ソープフリーラテックス 日本
ゼオン(株)製 平均粒径80nm)       固形分量として4質量%
イオン交換水を添加して、100質量%に仕上げた。
【0083】
(分散染料インク4の調製:本発明)
上記分散染料インク2の調製において、ラテックス1の固形分量を8質量%に変更した以外は同様にして、分散染料インク4を調製した。
【0084】
(分散染料インク5の調製:本発明)
上記分散染料インク3の調製において、ラテックス2の固形分量を8質量%に変更した以外は同様にして、分散染料インク5を調製した。
【0085】
(分散染料インク6の調製:本発明)
上記分散染料インク3の調製において、ラテックス2の固形分量を16質量%に変更した以外は同様にして、分散染料インク6を調製した。
【0086】
(分散染料インク7の調製:本発明)
上記分散染料インク6の調製において、エチレングリコールの添加量を12.0質量%、グリセリンの添加量を12.0質量%に変更した以外は同様にして、分散染料インク7を調製した。
【0087】
(分散染料インク8の調製:本発明)
上記分散染料インク6の調製において、エチレングリコールの添加量を6.0質量%、グリセリンの添加量を8.0質量%に変更した以外は同様にして、分散染料インク8を調製した。
【0088】
《分散染料インクの評価》
上記調製した分散染料インク1〜8を用いて、下記に示す方法に従って、吐出安定性及び滲み耐性の評価を行った。
【0089】
(分散染料インクの吐出安定性の評価)
分散染料インクを図1、2に示すノズル孔径40μm、駆動周波数20kHz、インク滴70pl、ノズル数64、ノズル密度60dpi(dpiは2.54cmあたりのドット数を示す)であるピエゾ型ヘッドを搭載し、最大記録密度360×360dpiのオンデマンド型のインクジェットプリンタにセットして連続印字を行った。連続印字を行った際に発生したドット抜けの回数をトータルし、総印字ライン数をドット抜けの回数で割って、平均印字ライン数を算出し、下記の基準に則り吐出安定性の評価を行った。
【0090】
◎:平均印字ライン数が、15万ライン以上
○:平均印字ライン数が、10万ライン以上15万ライン未満
△:平均印字ライン数が、5万ライン以上10万ライン未満
×:平均印字ライン数が、5万ライン未満
上記評価ランクで、◎、○であれば、実用上許容の範囲にあると判断した。
【0091】
(滲み耐性の評価)
上記オンデマンド型のインクジェットプリンタにより文字を印字し、その印字文字品質を目視観察し、下記の基準に則り滲み耐性の評価を行った。
【0092】
◎:印字した文字画像に、滲みが全く認められない
○:印字した文字画像に、若干の滲みが認められるが、文字ははっきり認識できる
△:印字した文字画像に、滲みが認めら、文字が明瞭に認識できない
×:印字した文字画像の滲みが激しく、文字を認識するのが困難である
上記評価ランクで、◎、○であれば、実用上許容の範囲にあると判断した。
【0093】
以上により得られた評価結果を、表1に示す。
【0094】
【表1】
Figure 2004018544
【0095】
表1より明らかなように、本発明のラテックスを固形分量で6質量%以上含有する分散染料インクは、比較例に対して、ドット抜けの発生が少なく吐出安定性に優れ、かつ滲み耐性が良好であることが分かる。更に、ラッテクスとしてソープフリーラテックスを用いること、あるいは有機溶剤含有量を25〜50質量%とすることにより、その効果がより一層発揮されていることが分かる。
【0096】
【発明の効果】
本発明により、インクジェットノズルでの目詰まり耐性(吐出安定性)に優れ、かつ布帛にプリントした際の滲みが低減されたインクジェット捺染用インクとそれを用いたインクジェット捺染方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いることができるヘッドの一部破断面を有する概略斜視図である。
【図2】本発明に用いることができるヘッドのインク室部分の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 溝
2a インク室
3 電極膜
6 接着剤
8 蓋
9 インク室
9′ ダミー溝
14 上板
15 インク供給孔

Claims (6)

  1. 少なくとも染料を含有し、かつラテックスを固形分量で6質量%以上含有することを特徴とするインクジェット捺染用インク。
  2. 前記ラテックスがソープフリーラテックスであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット捺染用インク。
  3. 有機溶剤含有量が25〜50質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット捺染用インク。
  4. 前記ラテックスの平均粒径が、100nm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット捺染用インク。
  5. 前記染料が、分散染料であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット捺染用インク。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット捺染用インクを、記録ヘッドより微小液滴として吐出して、前処理を施していない布帛にプリントした後、発色水洗工程を経て定着されることを特徴とするインクジェット捺染方法。
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