【0001】
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、カーボンナノチューブネットワークに関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、担体を必要とせずに、2次元あるいは3次元構造体としての利用が可能な新しいカーボンナノチューブネットワークに関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】
この出願の発明者らにより発見されたカーボンナノチューブは、グラフェンシートが円筒状に丸まった形状を有する炭素のみからなる物質であって、一つの円筒状シートからなる単層カーボンナノチューブと、複数の円筒状シートが入れ子となった多層カーボンナノチューブとに分類されている。この単層カーボンナノチューブの直径は0.4〜2nm程度、多層カーボンナノチューブの内径はおよそ0.4〜10nm、外径はおよそ10nm程度で、長さはともに数μm程度である。
【0003】
このカーボンナノチューブは、アーク法、レーザーアブレーション法、化学蒸着(CVD)法等の製造方法により、一般には、複数のカーボンナノチューブがファンデルワールス力で凝集したスス状体として得られており、精製されて、溶液中に分散させるなどして単離されてから、様々な用途に利用されている。このようなカーボンナノチューブは、その特徴的な形状と特性が大きな注目を得ていることから、1次元の高強度素材や1次元ミクロ構造物、微小電子素子の導線、電極など、1次元構造体としての応用が検討されている。
【0004】
しかしながら、カーボンナノチューブそのものを、2次元あるいは3次元構造体として応用することについては、ほとんど考慮されていない。また、カーボンナノチューブを2次元あるいは3次元構造体として応用するためには、カーボンナノチューブを何らかの材料に担持させる必要があり、その担体の存在によりカーボンナノチューブの特性を十分に利用できないという問題がある。
【0005】
そこで、この出願の発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点を解消し、担体を必要とせずに、2次元あるいは3次元構造体としての利用が可能な新しいカーボンナノチューブネットワークを提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、以下の通りの発明を提供する。
【0007】
すなわち、まず第1には、この出願の発明は、2つ以上のカーボンナノチューブの少なくとも一部が化学的に結合されて2次元あるいは3次元形状体とされていることを特徴とするカーボンナノチューブネットワークを提供する。
【0008】
そしてこの出願の発明は、上記の発明について、第2には、カーボンナノチューブが、単層カーボンナノチューブあるいは多層カーボンナノチューブ、またはこれらの混合物であることを特徴とするカーボンナノチューブネットワークを、第3には、カーボンナノチューブが、カーボンナノホーン集合体あるいはカーボンナノチューブとカーボンナノホーン集合体との混合物であることを特徴とするカーボンナノチューブネットワークを、第4には、カーボンナノチューブを構成する炭素の再構成により化学的に結合されていることを特徴とするカーボンナノチューブネットワークを、第5には、カーボンナノチューブを構成する炭素以外の物質を介して化学的に結合されていることを特徴とするカーボンナノチューブネットワークを、第6には、カーボンナノチューブを構成する炭素以外の物質が、外部から加えられた炭素あるいは800℃以上の温度でカーボンナノチューブを構成する炭素と反応結合する金属であることを特徴とするカーボンナノチューブネットワークを提供する。
【0009】
またこの出願の発明は、第7には、上記いずれかのカーボンナノチューブネットワークを用いた物品であって、エアロジェル、スポンジ、シート、ショックアブソーバー、細孔体、フィルター、ガス吸着体、または触媒担持体であることを特徴とするカーボンナノチューブネットワークを用いた物品等も提供する。
【0010】
加えてこの出願の発明は、第8には、2つ以上のカーボンナノチューブを、真空あるいは不活性ガス雰囲気中で800℃以上の温度での加熱処理を施すことで、カーボンナノチューブの少なくとも一部を化学的に結合させて2次元あるいは3次元形状体とすることを特徴とするカーボンナノチューブネットワークの製造方法を提供する。
【0011】
さらにこの出願の発明は、上記発明の方法において、第9には、カーボンナノチューブが、単層カーボンナノチューブあるいは多層カーボンナノチューブ、またはこれらの混合物であることを特徴とするカーボンナノチューブネットワークの製造方法を、第10には、カーボンナノチューブが、カーボンナノホーン集合体あるいはカーボンナノチューブとカーボンナノホーン集合体との混合物であることを特徴とするカーボンナノチューブネットワークの製造方法を、第11には、2つ以上のカーボンナノチューブを任意の2次元あるいは3次元形状に成形してから加熱処理することを特徴とするカーボンナノチューブネットワークの製造方法を、第12には、カーボンナノチューブの表面に、800℃以上の温度でカーボンナノチューブを構成する炭素と反応する物質を配設してから加熱処理することを特徴とするカーボンナノチューブネットワークの製造方法を、第13には、800℃以上の温度でカーボンナノチューブを構成する炭素と反応する物質が、炭素あるいは金属であることを特徴とするカーボンナノチューブネットワークの製造方法を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
この出願の発明は、上記の通りの特徴を持つものであるが、以下にその実施の形態について説明する。
【0013】
まず、この出願の発明が提供するカーボンナノチューブネットワークは、2つ以上のカーボンナノチューブの少なくとも一部が化学的に結合されて2次元あるいは3次元形状体とされていることを特徴としている。すなわち、一般に、カーボンナノチューブは、そのファンデルワールス力により、物理的に凝集して絡み合っていたり、バンドル(束)を形成していたりするが、この出願の発明のカーボンナノチューブネットワークは、カーボンナノチューブの少なくとも一部が化学的に結合しており、さらにその結合により2つ以上のカーボンナノチューブのネットワークが形成され、カーボンナノチューブの2次元あるいは3次元形状体が実現されているものである。
【0014】
この化学的な結合は、カーボンナノチューブを構成する炭素の炭素結合の再構成により実現されていてもよいし、カーボンナノチューブを構成する炭素以外の物質を介して実現されていてもよい。そして前者の場合、たとえば2つ以上のカーボンナノチューブを800℃以上で熱処理するなどしてカーボンナノチューブを構成するグラフェンシートの炭素−炭素結合を切断し、カーボンナノチューブにおける炭素の未結合手同士で結合させて炭素結合を再構成するようにしてもよい。後者の場合には、まずカーボンナノチューブを構成する炭素以外の物質として、たとえば、外部から加えられた炭素や、カーボンナノチューブを構成する炭素と反応する各種の金属等を考慮することができる。そして、具体的には、たとえば2つ以上のカーボンナノチューブの表面に炭素微粒子等を配設した状態で熱処理して上記と同様に炭素−炭素結合を再構成させることや、2つ以上のカーボンナノチューブの表面に金属、金属化合物あるいは金属塩等をを配設した状態で熱処理することで異なるカーボンナノチューブをその金属を介して結合させること等により、カーボンナノチューブを構成する炭素以外の物質を介してカーボンナノチューブを結合させるようにしてもよい。
【0015】
このカーボンナノチューブネットワークにおいて、カーボンナノチューブとしては、たとえば、アーク法、レーザーアブレーション法、CVD法等の方法により製造された、各種の単層カーボンナノチューブあるいは多層カーボンナノチューブ、またはそれらの混合物を用いることができる。これらは、精製されているものであっても、精製されていないものであってもよい。
【0016】
また、この出願の発明においては、カーボンナノチューブの1つとしてカーボンナノホーン集合体を考慮することができ、カーボンナノホーン集合体を単独で、あるいはカーボンナノチューブと混合で用いることもできる。このカーボンナノホーン集合体としては、単層カーボンナノチューブの先端が尖った形状のカーボンナノホーンが、その角状の先端部を外にして直径80〜100nm程度の球状に集合したダリヤ状カーボンナノホーン集合体や、その表面に角状の突起が見られず、滑らかな表面を有するつぼみ状カーボンナノホーン集合体等を考慮することができる。
【0017】
そして、この出願の発明のカーボンナノチューブネットワークは、シート状、ブロック状、球状などの任意の2次元あるいは3次元形状を有する構造体として実現することができる。すなわち、2つ以上のカーボンナノチューブを任意の2次元あるいは3次元形状に成形したのち、上記の化学的な結合を形成させるようにして、2次元あるいは3次元形状体とすることができる。
【0018】
この成形については、この出願の発明のカーボンナノチューブネットワークに二次的な特性を付与するものとして重要である。たとえば、2次元形状のカーボンナノチューブネットワークについては、カーボンナノチューブの配置や密度を調整することで、フィルターあるいはシートとすることができ、またその強度、曲げ、吸着等の特性についても様々に変化することができる。
【0019】
そして3次元形状のカーボンナノチューブネットワークについては、たとえば、カーボンナノチューブネットワークを数100nm〜数μm程度の大きさの粒子状にして適切な分散媒に分散させることで、カーボンナノチューブネットワークのエアロジェルを実現することができる。また、たとえば、カーボンナノチューブの配置や密度を調整して任意の3次元形状とすることで、スポンジ、ショックアブソーバー、細孔体、ガス吸着体、触媒担持体等としてのカーボンナノチューブネットワークを実現することができる。
【0020】
これによって、担体を必要としないためにカーボンナノチューブの特性を損なうことなく、2次元あるいは3次元構造体としてのカーボンナノチューブネットワークが実現される。
【0021】
以上のこの出願の発明のカーボンナノホーンネットワークは、たとえば、以下のこの出願の発明の方法により製造することができる。すなわち、この出願の発明が提供するカーボンナノチューブネットワークの製造方法は、2つ以上のカーボンナノチューブを、真空あるいは不活性ガス雰囲気中で800℃以上の加熱処理することで、カーボンナノチューブの少なくとも一部を化学的に結合させて、2次元あるいは3次元形状体とすることを特徴としている。
【0022】
この出願の発明において、カーボンナノチューブとしては、上記のとおり、各種の方法で製造された単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、あるいはこれらの混合物を用いることができる。そしてまた、この出願の発明においては、カーボンナノチューブとして、カーボンナノホーン集合体あるいはカーボンナノチューブとカーボンナノホーン集合体との混合物を用いること等も可能とされる。
【0023】
このようなカーボンナノチューブに対する加熱処理は、真空あるいは不活性ガス雰囲気中で、800℃以上の温度で行なうことができる。不活性ガスとしては、He、Ar、Kr等の希ガスや、N2等を用いることができる。この加熱処理の温度については、カーボンナノチューブを構成するグラフェンシートの炭素−炭素結合を切断し、カーボンナノチューブにおける炭素の未結合手同士が結合して炭素結合が再構成される下限の温度として800℃の温度が提示されるものである。実際的な加熱処理においては、好ましくは1200℃以上であり、さらには1600℃以上とすることが好適な例として示される。
【0024】
これによって、カーボンナノチューブの少なくとも一部を化学的に結合させることができ、この出願の発明のカーボンナノチューブネットワークを得ることができる。
【0025】
一方のこの出願の発明においては、このような加熱処理に先立って、2つ以上のカーボンナノチューブを任意の2次元あるいは3次元形状に成形してから加熱処理することなども考慮することができる。これによって、所望の2次元あるいは3次元形状を有するカーボンナノチューブネットワークや、所望の二次特性を有するカーボンナノチューブネットワークを製造することができる。
【0026】
また、この出願の発明においては、カーボンナノチューブの表面に、800℃以上でカーボンナノチューブを構成する炭素と反応する各種の物質を配設してから、その反応温度以上の温度で加熱処理すること等も考慮することができる。この800℃以上でカーボンナノチューブを構成する炭素と反応する物質としては、炭素を含む物質をはじめ、各種の金属、金属化合物あるいは金属塩等を考慮することができる。
【0027】
カーボンナノチューブの表面に、この各種の物質の微粒子を配設する方法としては、たとえは金属、金属化合物、金属塩等をコーティングしたり、金属あるいはその化合物を真空蒸着することなどが例示される。またこの場合の加熱処理の温度としては、これらの配設した物質が蒸発して除去されてしまうような高温は好ましくないため注意する必要がある。これによって、異なるカーボンナノチューブにおける炭素の未結合手同士で結合させて炭素結合を再構成したり、カーボンナノチューブを構成する炭素以外の物質を介して異なるカーボンナノチューブを結合させることができ、この出願の発明のカーボンナノチューブネットワークを得ることができる。
【0028】
また、カーボンナノホーン凝集体はカーボンナノチューブに比べて反応性が高く化学修飾しやすいという特徴から、この出願の発明のカーボンナノチューブネットワークにおいてカーボンナノホーン凝集体を含むようにして適宜化学修飾を施すことで、たとえばこのカーボンナノチューブネットワークに親水性を付与すること等が可能とされ、用途や使用環境を拡大することができる。また、カーボンナノホーン凝集体を含むカーボンナノチューブネットワークは流体の透過性が増すため、たとえばセンサー等の応用により適したものとなる。
【0029】
以下、添付した図面に沿って実施例を示し、この発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
【0030】
【実施例】
(実施例1)
直径1nm以下の単層カーボンナノチューブ凝集体をエタノールに入れ、超音波を照射することで分散させた後ろ過して、紙状の(a)カーボンナノチューブ成形体を得た。また、これを2000℃の真空雰囲気中で5時間保持して、この出願の発明の(b)カーボンナノチューブネットワークを得た。
【0031】
これらの(a)カーボンナノチューブ成形体と(b)カーボンナノチューブネットワークをエタノール溶液中に入れてスターラーで30分間攪拌したところ、図1に示したように、(b)カーボンナノチューブネットワークについては形状変化がなかったものの、(a)カーボンナノチューブ成形体は攪拌によりほぐれてしまった。
【0032】
(b)カーボンナノチューブネットワークを電子顕微鏡観察した結果を図2に示した。図2より、この(b)カーボンナノチューブネットワークにおいて、複数のカーボンナノチューブは、物理的に接触して集合ないし凝集しているのではなく、化学的に結合していることが確認された。
【0033】
このように、この出願の発明のカーボンナノチューブネットワークは互いに結合しているため、攪拌してもほぐれないことがわかった。
(実施例2)
カーボンナノチューブをエタノールに入れ、超音波を照射することで分散させた。ここにカーボンナノホーン集合体を加えて攪拌した後、ろ過して、カーボンナノチューブとカーボンナノホーン集合体の混合物を紙状に成形した(a)成形体を得た。これを1650℃の真空雰囲気中で5時間保持し、この出願の発明の(b)カーボンナノチューブネットワークを得た。
【0034】
これらの(a)成形体と(b)カーボンナノチューブネットワークをエタノール溶液中に入れてスターラーで30分間攪拌したところ、図3に示したように、(b)カーボンナノチューブネットワークについては、スターラーの接触した部分がわずかに破損したものの原形状を保持していたが、(a)成形体については攪拌によりほぐれてしまった。
【0035】
この出願の発明のカーボンナノチューブネットワークは互いに結合していることが確認された。
【0036】
もちろん、この発明は以上の例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることは言うまでもない。
【0037】
【発明の効果】
以上詳しく説明した通り、この発明によって、担体を必要とせずに、2次元あるいは3次元構造体としての利用が可能な新しいカーボンナノチューブネットワークと、その製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例において(a)カーボンナノチューブ成形体と(b)カーボンナノチューブネットワークをエタノール溶液中で攪拌した様子を例示した図である。
【図2】カーボンナノチューブネットワークにおけるカーボンナノチューブの結合部の電子顕微鏡像を例示した図である。
【図3】実施例において(a)成形体と(b)カーボンナノチューブネットワークをエタノール溶液中で攪拌した様子を例示した図である。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The invention of this application relates to a carbon nanotube network. More specifically, the invention of this application relates to a new carbon nanotube network that can be used as a two-dimensional or three-dimensional structure without requiring a carrier.
[0002]
[Prior art and its problems]
The carbon nanotubes discovered by the inventors of the present application are a substance made of only carbon in which a graphene sheet has a cylindrical shape, and a single-walled carbon nanotube composed of one cylindrical sheet, and a plurality of cylinders. Sheets are categorized into multi-walled carbon nanotubes with nested sheets. The diameter of the single-walled carbon nanotube is about 0.4 to 2 nm, the inner diameter of the multi-walled carbon nanotube is about 0.4 to 10 nm, the outer diameter is about 10 nm, and the length is about several μm.
[0003]
This carbon nanotube is generally obtained as a soot-like body in which a plurality of carbon nanotubes are aggregated by van der Waals force by a manufacturing method such as an arc method, a laser ablation method, a chemical vapor deposition (CVD) method, and purified. It has been used for various applications after being isolated by dispersing it in a solution. Such carbon nanotubes have received a great deal of attention because of their characteristic shapes and characteristics. One-dimensional structures such as one-dimensional high-strength materials, one-dimensional microstructures, wires and electrodes of microelectronic elements, etc. The application as is considered.
[0004]
However, application of the carbon nanotube itself as a two-dimensional or three-dimensional structure is hardly considered. Further, in order to apply the carbon nanotube as a two-dimensional or three-dimensional structure, it is necessary to support the carbon nanotube on some kind of material, and there is a problem that the properties of the carbon nanotube cannot be sufficiently utilized due to the presence of the carrier.
[0005]
Therefore, the invention of this application has been made in view of the above circumstances, and solves the problems of the prior art, and can be used as a two-dimensional or three-dimensional structure without the need for a carrier. It is an object to provide a novel new carbon nanotube network.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
Therefore, the invention of this application provides the following inventions to solve the above problems.
[0007]
That is, first, the invention of this application is characterized in that at least a part of two or more carbon nanotubes is chemically bonded to form a two-dimensional or three-dimensional shape. I will provide a.
[0008]
The invention of this application relates to the above invention, in the second aspect, a carbon nanotube network characterized in that the carbon nanotube is a single-walled carbon nanotube, a multi-walled carbon nanotube, or a mixture thereof. Fourth, the carbon nanotube network is characterized in that the carbon nanotube is a carbon nanohorn aggregate or a mixture of the carbon nanotube and the carbon nanohorn aggregate. Fourth, the carbon nanotube network is chemically formed by reconstitution of carbon constituting the carbon nanotube. Fifth, a carbon nanotube network characterized in that the carbon nanotube network is characterized in that the carbon nanotube network is chemically bonded via a substance other than carbon constituting the carbon nanotube. Provides a carbon nanotube network characterized in that a substance other than carbon constituting carbon nanotubes is carbon added from outside or a metal which reacts and bonds with carbon constituting carbon nanotubes at a temperature of 800 ° C. or more. .
[0009]
Seventh, the invention of this application is directed to an article using any one of the above-described carbon nanotube networks, comprising an airgel, a sponge, a sheet, a shock absorber, a porous body, a filter, a gas adsorbent, or a catalyst-supported article. Articles using a carbon nanotube network characterized by being a body are also provided.
[0010]
Eighth, the invention of this application eighthly heat-treats two or more carbon nanotubes at a temperature of 800 ° C. or more in a vacuum or an inert gas atmosphere to thereby reduce at least a part of the carbon nanotubes. Provided is a method for producing a carbon nanotube network, which is characterized by being chemically bonded into a two-dimensional or three-dimensional shape.
[0011]
The invention of this application further provides a method for producing a carbon nanotube network according to the method of the invention, wherein the carbon nanotube is a single-walled carbon nanotube or a multi-walled carbon nanotube, or a mixture thereof. Tenth, a method for producing a carbon nanotube network, characterized in that the carbon nanotube is a carbon nanohorn aggregate or a mixture of carbon nanotube and carbon nanohorn aggregate, and eleventh, two or more carbon nanotubes Is formed into an arbitrary two-dimensional or three-dimensional shape and then heat-treated. A twelfth method is to form the carbon nanotube on the surface of the carbon nanotube at a temperature of 800 ° C. or more. A method for producing a carbon nanotube network, comprising disposing a substance that reacts with carbon to be formed and then performing heat treatment. Is a method for producing a carbon nanotube network, wherein the method is carbon or metal.
[0012]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The invention of this application has the features as described above, and embodiments thereof will be described below.
[0013]
First, the carbon nanotube network provided by the invention of this application is characterized in that at least a part of two or more carbon nanotubes is chemically bonded to form a two-dimensional or three-dimensional shape. That is, in general, carbon nanotubes are physically aggregated and entangled or form a bundle (bundle) due to the van der Waals force, but the carbon nanotube network of the invention of this application is based on the carbon nanotube. At least a part thereof is chemically bonded, and the bonding forms a network of two or more carbon nanotubes, thereby realizing a two-dimensional or three-dimensional shape of the carbon nanotube.
[0014]
This chemical bond may be realized by reconstitution of the carbon bond of carbon constituting the carbon nanotube, or may be realized through a substance other than carbon constituting the carbon nanotube. In the former case, for example, two or more carbon nanotubes are heat-treated at 800 ° C. or more to cut the carbon-carbon bonds of the graphene sheet constituting the carbon nanotubes, and bond the carbon dangling bonds in the carbon nanotubes together. To reconstitute the carbon bond. In the latter case, first, as a substance other than carbon constituting carbon nanotubes, for example, carbon added from the outside, various metals reacting with carbon constituting carbon nanotubes, and the like can be considered. Specifically, for example, heat treatment is performed in a state where carbon fine particles or the like are provided on the surface of two or more carbon nanotubes to reconstruct carbon-carbon bonds in the same manner as described above, or two or more carbon nanotubes can be used. Heat treatment with a metal, metal compound, metal salt, etc. disposed on the surface of the carbon nanotubes to bond different carbon nanotubes via the metal, etc. Nanotubes may be bonded.
[0015]
In this carbon nanotube network, as the carbon nanotube, for example, various single-walled carbon nanotubes or multi-walled carbon nanotubes produced by a method such as an arc method, a laser ablation method, a CVD method, or a mixture thereof can be used. . These may be purified or unpurified.
[0016]
Further, in the invention of this application, a carbon nanohorn aggregate can be considered as one of the carbon nanotubes, and the carbon nanohorn aggregate can be used alone or in combination with the carbon nanotube. As this carbon nanohorn aggregate, a Darya-like carbon nanohorn aggregate in which a single-walled carbon nanotube having a sharp tip is collected into a spherical shape having a diameter of about 80 to 100 nm with its angular tip outside. In addition, a bud-like carbon nanohorn aggregate having a smooth surface with no horn-like protrusions on its surface can be considered.
[0017]
The carbon nanotube network of the invention of this application can be realized as a structure having an arbitrary two-dimensional or three-dimensional shape such as a sheet shape, a block shape, and a spherical shape. That is, after two or more carbon nanotubes are formed into an arbitrary two-dimensional or three-dimensional shape, a two-dimensional or three-dimensional shape can be obtained by forming the above-described chemical bond.
[0018]
This molding is important as imparting secondary characteristics to the carbon nanotube network of the invention of this application. For example, a two-dimensional carbon nanotube network can be made into a filter or a sheet by adjusting the arrangement and density of the carbon nanotubes, and its properties such as strength, bending, and adsorption vary in various ways. Can be.
[0019]
For the three-dimensional carbon nanotube network, for example, an airgel of the carbon nanotube network is realized by forming the carbon nanotube network into particles having a size of about several hundred nm to several μm and dispersing the particles in an appropriate dispersion medium. be able to. Also, for example, by adjusting the arrangement and density of carbon nanotubes to form an arbitrary three-dimensional shape, a carbon nanotube network as a sponge, a shock absorber, a porous body, a gas adsorbent, a catalyst carrier, or the like can be realized. Can be.
[0020]
As a result, a carbon nanotube network as a two-dimensional or three-dimensional structure can be realized without deteriorating the properties of the carbon nanotube because no carrier is required.
[0021]
The above-described carbon nanohorn network of the invention of this application can be manufactured, for example, by the following method of the invention of this application. That is, the method for producing a carbon nanotube network provided by the invention of the present application includes heating at least a portion of carbon nanotubes by heating at least 800 ° C. in a vacuum or an inert gas atmosphere. It is characterized by being chemically bonded into a two-dimensional or three-dimensional shape.
[0022]
In the invention of this application, as described above, single-walled carbon nanotubes, multi-walled carbon nanotubes produced by various methods, or a mixture thereof can be used as the carbon nanotubes. Further, in the invention of this application, it is also possible to use a carbon nanohorn aggregate or a mixture of a carbon nanotube and a carbon nanohorn aggregate as the carbon nanotube.
[0023]
Such a heat treatment for the carbon nanotubes can be performed at a temperature of 800 ° C. or more in a vacuum or an inert gas atmosphere. The inert gas may be He, Ar, or rare gas Kr, etc., the N 2 and the like. Regarding the temperature of this heat treatment, 800 ° C. is defined as the lower limit temperature at which the carbon-carbon bond of the graphene sheet constituting the carbon nanotube is cut, and dangling bonds of carbon in the carbon nanotube are combined to re-form the carbon bond. Are presented. In a practical heat treatment, the temperature is preferably 1200 ° C. or higher, and more preferably 1600 ° C. or higher.
[0024]
Thereby, at least a part of the carbon nanotubes can be chemically bonded, and the carbon nanotube network of the invention of this application can be obtained.
[0025]
On the other hand, in the invention of this application, prior to such heat treatment, it is also possible to consider heating two or more carbon nanotubes into an arbitrary two-dimensional or three-dimensional shape and then performing heat treatment. Thereby, a carbon nanotube network having a desired two-dimensional or three-dimensional shape or a carbon nanotube network having a desired secondary characteristic can be manufactured.
[0026]
Further, in the invention of this application, various substances that react with carbon constituting carbon nanotubes at 800 ° C. or more are disposed on the surface of the carbon nanotubes, and then heat treatment is performed at a temperature equal to or higher than the reaction temperature. Can also be considered. As the substance that reacts with carbon constituting the carbon nanotube at 800 ° C. or more, various metals, metal compounds, metal salts, and the like can be considered, including substances containing carbon.
[0027]
Examples of a method for disposing fine particles of these various substances on the surface of the carbon nanotube include, for example, coating a metal, a metal compound, a metal salt, or the like, and vacuum-depositing the metal or its compound. In this case, it is necessary to pay attention to the temperature of the heat treatment, because a high temperature at which these substances are evaporated and removed is not preferable. As a result, unbonded carbon atoms in different carbon nanotubes can be bonded to each other to reconstruct a carbon bond, or different carbon nanotubes can be bonded via a substance other than carbon constituting the carbon nanotube. The carbon nanotube network of the invention can be obtained.
[0028]
In addition, since the carbon nanohorn aggregates are more reactive and more easily chemically modified than carbon nanotubes, by appropriately performing chemical modification so as to include the carbon nanohorn aggregates in the carbon nanotube network of the invention of this application, for example, Hydrophilicity can be imparted to the carbon nanotube network, and the use and use environment can be expanded. In addition, a carbon nanotube network containing carbon nanohorn aggregates is more suitable for applications such as sensors because the permeability of fluid is increased.
[0029]
Hereinafter, embodiments will be described with reference to the accompanying drawings, and embodiments of the present invention will be described in further detail.
[0030]
【Example】
(Example 1)
A single-walled carbon nanotube aggregate having a diameter of 1 nm or less was put in ethanol, dispersed by irradiating ultrasonic waves, and then filtered to obtain a paper-like (a) carbon nanotube molded article. This was kept for 5 hours in a vacuum atmosphere at 2000 ° C. to obtain a carbon nanotube network (b) of the present invention.
[0031]
When these (a) the carbon nanotube molded body and (b) the carbon nanotube network were put into an ethanol solution and stirred for 30 minutes with a stirrer, as shown in FIG. 1, the shape change of the (b) carbon nanotube network was observed. Although not found, (a) the molded carbon nanotube was loosened by stirring.
[0032]
(B) The result of observing the carbon nanotube network with an electron microscope is shown in FIG. From FIG. 2, it was confirmed that in the (b) carbon nanotube network, the plurality of carbon nanotubes are chemically aggregated, not aggregated or aggregated in physical contact.
[0033]
As described above, it was found that the carbon nanotube networks of the invention of this application are not loosened by stirring because they are bonded to each other.
(Example 2)
The carbon nanotubes were placed in ethanol and dispersed by irradiating ultrasonic waves. After the carbon nanohorn aggregate was added thereto and stirred, the mixture was filtered to obtain a molded article (a) in which a mixture of carbon nanotubes and carbon nanohorn aggregate was formed into a paper shape. This was kept in a vacuum atmosphere at 1650 ° C. for 5 hours to obtain a carbon nanotube network (b) of the invention of this application.
[0034]
When the (a) molded product and (b) the carbon nanotube network were put into an ethanol solution and stirred with a stirrer for 30 minutes, as shown in FIG. 3, the (b) carbon nanotube network was brought into contact with the stirrer. Although the part was slightly damaged, it retained its original shape, but the molded article (a) was loosened by stirring.
[0035]
It was confirmed that the carbon nanotube networks of the invention of this application were bonded to each other.
[0036]
Of course, the present invention is not limited to the above-described example, and it goes without saying that various aspects are possible in detail.
[0037]
【The invention's effect】
As described in detail above, the present invention provides a new carbon nanotube network that can be used as a two-dimensional or three-dimensional structure without requiring a carrier, and a method for producing the same.
[Brief description of the drawings]
BRIEF DESCRIPTION OF DRAWINGS FIG. 1 is a diagram illustrating a state in which (a) a carbon nanotube molded body and (b) a carbon nanotube network are stirred in an ethanol solution in Examples.
FIG. 2 is a diagram exemplifying an electron microscope image of a bonding portion of a carbon nanotube in a carbon nanotube network.
FIG. 3 is a diagram exemplifying a state where (a) a molded article and (b) a carbon nanotube network are stirred in an ethanol solution in Examples.