JP2004009879A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】1+18構造のスチールコードを使用したカーカス層を有する空気入りラジアルタイヤにおいて、カーカス層の耐久性を向上する。
【解決手段】カーカス層4のスチールコード8を、中心に配置した1本のコア素線xと、その外周側に配置した6本の第1シース素線aと、その外周側に配置した6本の第2シース素線bと、第2シース素線b間に配置した6本の第3シース素線cとからなる1+18構造にした空気入りラジアルタイヤにおいて、コア素線xの素線径dx と第1〜3シース素線a,b,cの素線径da,db,dc との関係をdx ≧da ≧db >dc にし、かつ素線径dx,da,db,dc を0.15〜0.25mmの範囲で少なくとも3種類の異なる太さを有するようにする。
【選択図】図2
【解決手段】カーカス層4のスチールコード8を、中心に配置した1本のコア素線xと、その外周側に配置した6本の第1シース素線aと、その外周側に配置した6本の第2シース素線bと、第2シース素線b間に配置した6本の第3シース素線cとからなる1+18構造にした空気入りラジアルタイヤにおいて、コア素線xの素線径dx と第1〜3シース素線a,b,cの素線径da,db,dc との関係をdx ≧da ≧db >dc にし、かつ素線径dx,da,db,dc を0.15〜0.25mmの範囲で少なくとも3種類の異なる太さを有するようにする。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、1+18構造のスチールコードを使用したカーカス層を備えた空気入りラジアルタイヤに関し、さらに詳しくは、カーカス層の耐久性を改善するようにした空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、バスやトラックなどの重荷重車両に使用される空気入りラジアルタイヤでは、カーカス層に3+9+15+1構造のスチールコードが広く使用されていた。
【0003】
しかし、3+9+15+1構造のスチールコードは、素線相互が点接触する部分が多いため、素線相互が擦れ合って磨滅を起こし易い。特に走行距離の増加に伴って磨滅量が増大し、それによってスチールコードの耐疲労性が大きく低下するという問題があった。
また、かかる構造ではスチールコードの撚り工程において、撚線工数が4回必要となり、それがカーカス層(タイヤ)の製造コストを高める一因になっていた。
【0004】
そこで、近年、上記対策として、1+18構造のスチールコードをカーカス層に使用することが提案されている。この1+18構造のスチールコードは、中心に配置した1本のコア素線の周囲にコア素線の素線径より若干細い同一の素線径を有する18本のシース素線を配して撚り合わせた断面6角状になっており、このような構造の採用により、素線相互を線接触化させ、かつ撚線工数を1回で済むようにしている。
【0005】
本発明者は、上記優れた効果を有する1+18構造のスチールコードを用いたカーカス層の製造コストを更に低減するため、スチールコードのコード断面積を大きくし、それによりカーカス層に使用するスチールコードの本数を削減することを試みたが、このようにコード断面積を増大させると、カーカス層の耐久性が低下するという問題が発生した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、1+18構造のスチールコードを使用したカーカス層を有する空気入りラジアルタイヤにおいて、カーカス層の耐久性を向上することが可能な空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、左右のビード部間に、タイヤ幅方向に延在するスチールコードをタイヤ周方向に所定の間隔で配列したカーカス層を装架し、前記スチールコードを、中心に配置した1本のコア素線と、該コア素線の外周側に配置した6本の第1シース素線と、該第1シース素線の外周側に配置した6本の第2シース素線と、該第2シース素線間に配置した6本の第3シース素線とからなる1+18構造にした空気入りラジアルタイヤにおいて、前記コア素線の素線径dx と前記第1〜3シース素線の素線径da,db,dc との関係をdx ≧da ≧db >dc にし、かつ前記素線径dx,da,db,dc を0.15〜0.25mmの範囲で少なくとも3種類の異なる太さを有するようにしたことを特徴とする。
【0008】
このようにスチールコードのコア素線と第1〜3シース素線の素線径を上記のように特定することで、カーカス層が応力を受けた際にスチールコードとゴムに生じる歪みを低減することができるので、カーカス層の耐久性を改善することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の空気入りラジアルタイヤの一例を示し、1はトレッド部、2はサイドウォール部、3はビード部、CLはタイヤセンターラインである。
【0010】
左右のビード部3間に、タイヤ幅方向に延在するスチールコードをタイヤ周方向に所定の間隔で配列したカーカス層4が装架され、その両端部4aがビード部3に埋設されたビ−ドコア5の周りにビードフィラー6を挟み込むようにしてタイヤ内側から外側に折り返されている。トレッド部1のカーカス層4外周側には、複数のベルト層7が配置されている。
【0011】
図2に示すように、カーカス層4のスチールコード8は、中心に配置した1本のコア素線xと、そのコア素線xの外周側に配置した6本の第1シース素線aと、その第1シース素線aの外周側で、第1シース素線a間となる位置に配置した6本の第2シース素線bと、各第2シース素線b間に配置した6本の第3シース素線cとからなる1+18構造の撚りコードになっている。
【0012】
コア素線xの素線径dx と第1〜3シース素線a,b,cの素線径da,db,dc との関係は、dx ≧da ≧db >dc であり、かつ素線径dx,da,db,dc が0.15〜0.25mmの範囲で少なくとも3種類の異なる太さを有するようになっている。
【0013】
その異ならせ方は、dx =da >db >dc 、dx >da =db >dc にすることができ、更にdx >da >db >dc となるように全て異ならせるようにしてもよい。
【0014】
このようにスチールコード8を構成する素線x,a,b,cの素線径dx,da,db,dc を上記のように少なくとも3種類の異なる太さを有するように異ならせることで、スチールコード8の断面形状は、正6角形から円形に近くなる。
【0015】
本発明者によれば、1+18構造のスチールコードのコード断面積を従来より大きくした際にカーカス層の耐久性が低下する点について鋭意検討したところ、以下のことが判った。
【0016】
即ち、断面が正6角形状になっている1+18構造のスチールコードは、6角形の頂点に位置する第3シース素線間の対角線距離と第2シース素線間の対角線距離が相違するため、第2シース素線径と第3シース素線径が同じ場合は、第3シース素線の方が大きな歪みを受け易い。また、素線径が太い程、受ける歪みは大きくなる。
【0017】
一方、断面が正6角形状になっている1+18構造では、頂点方向と辺方向で曲げ剛性に異方性があり、スチールコードがカーカス層内で局部的な歪応力を受けると、スチールコードは曲げ剛性が小さい方向に向けて回転しようとする。その回転により、被覆するカーカス層のゴムにも歪応力が加わり、カーカス層の耐久性を低下させていた。
【0018】
そこで、本発明では、スチールコード8を構成する素線x,a,b,cの素線径dx,da,db,dc を上記のように少なくとも3種類の異なる太さを有するようにして、スチールコード8の断面形状を正6角形から円形に近くし、それにより6角形の頂点に位置する第3シース素線c間の対角線距離と第2シース素線b間の対角線距離の差を縮小し、第3シース素線の歪み低減と曲げ剛性における異方度を小さくしたのである。
【0019】
これにより、カーカス層が歪応力を受けた際の、スチールコードとゴムに生じる歪みを低減することができ、従って、カーカス層の耐久性向上が可能になる。また、スチールコードのコード断面積を従来より大きくしても、カーカス層の耐久性を改善することができる。
【0020】
上記素線径の範囲が0.15mm未満では、コード打込間隔が極端に狭くなるために安定製造出来ず、逆に0.25mm超では、スチールコードの耐久性を改善出来ない。
【0021】
本発明において、スチールコード8のコード断面積を従来より大きくして、カーカス層4に使用するスチールコード8の本数を減らすことで製造コストを削減する場合には、コア素線xと第1〜3シース素線a,b,cの合計の断面積で定義されるスチールコード8のコード断面積を0.5mm2以上にするのがよい。その上限値としては、スチールコードの耐久性の観点から0.8mm2以下にすることが好ましい。
【0022】
コア素線xと第1〜3シース素線a,b,cの素線径dx,da,db,dc は、耐久性をより効果的に改善する点から、全て異ならせるのがよい。
【0023】
本発明は、特にバスやトラックなどの重荷重車両に使用される重荷重用の空気入りラジアルタイヤに好ましく用いることができるが、それに限定されず、乗用車用など他の空気入りラジアルタイヤにも好適に使用することができる。
【0024】
【実施例】
タイヤサイズを275/70R22.5で共通にし、カ−カス層に使用した1+18構造のスチ−ルコ−ドの素線径と断面積を表1のようにした図1に示す構成の本発明タイヤ1〜3(実施例1〜3)と従来タイヤ1,2(従来例1,2)をそれぞれ作製した。各試験タイヤにおけるカ−カス層のスチールコ−ドの総重量は同一である。
【0025】
これら各試験タイヤを以下に示す測定条件により、耐久性の評価試験を行ったところ、表1に示す結果を得た。
耐久性
1.走行距離評価試験
各試験タイヤをリムサイズ22.5×8.25のリムに装着し、空気圧を900kPaにしてドラム試験機に取り付け、直径1707mmの回転ドラム上を荷重40kNの条件下で時速40km/hで走行させ、タイヤ故障が発生するまでの走行距離を測定し、その結果を従来タイヤ1を100とした指数で評価した。この値が大きいほど、走行耐久性が優れている。
2.コ−ド疲労性評価試験
各試験タイヤを上記走行距離評価試験と同じ条件で10000km走行させた後、カ−カス層のスチールコ−ドを採取し、回転曲げ疲労試験により採取した各スチールコ−ドの疲労限応力保持率を測定し、その結果を従来タイヤ1を100とした指数で評価した。この値が大きいほどコ−ドの耐疲労性が優れている。
【0026】
【表1】
表1から、本発明タイヤは、コード断面積を大きくしても耐久性を改善できることがわかる。また、コア素線と第1〜3シース素線の素線径を全て異ならせることにより、コードの耐疲労性も改善され、耐久性を一層改善できることがわかる。
【0027】
【発明の効果】
上述したように本発明は、1+18構造のスチールコードを使用したカーカス層を有する空気入りラジアルタイヤにおいて、スチールコードのコア素線と第1〜3シース素線の素線径を上記のように規定することにより、カーカス層の耐久性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気入りラジアルタイヤの一例を示すタイヤ子午線半断面図である。
【図2】図1のカーカス層に使用されるスチールコードの拡大断面図である。
【符号の説明】
1 トレッド部 2 サイドウォール部
3 ビ−ド部 4 カ−カス層
5 ビードコア 6 ビードフィラー
7 ベルト層 8 スチ−ルコ−ド
CL タイヤセンターライン a 第1シース素線
b 第2シース素線 c 第3シース素線
da,db,dc,dx 素線径 x コア素線
【発明の属する技術分野】
本発明は、1+18構造のスチールコードを使用したカーカス層を備えた空気入りラジアルタイヤに関し、さらに詳しくは、カーカス層の耐久性を改善するようにした空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、バスやトラックなどの重荷重車両に使用される空気入りラジアルタイヤでは、カーカス層に3+9+15+1構造のスチールコードが広く使用されていた。
【0003】
しかし、3+9+15+1構造のスチールコードは、素線相互が点接触する部分が多いため、素線相互が擦れ合って磨滅を起こし易い。特に走行距離の増加に伴って磨滅量が増大し、それによってスチールコードの耐疲労性が大きく低下するという問題があった。
また、かかる構造ではスチールコードの撚り工程において、撚線工数が4回必要となり、それがカーカス層(タイヤ)の製造コストを高める一因になっていた。
【0004】
そこで、近年、上記対策として、1+18構造のスチールコードをカーカス層に使用することが提案されている。この1+18構造のスチールコードは、中心に配置した1本のコア素線の周囲にコア素線の素線径より若干細い同一の素線径を有する18本のシース素線を配して撚り合わせた断面6角状になっており、このような構造の採用により、素線相互を線接触化させ、かつ撚線工数を1回で済むようにしている。
【0005】
本発明者は、上記優れた効果を有する1+18構造のスチールコードを用いたカーカス層の製造コストを更に低減するため、スチールコードのコード断面積を大きくし、それによりカーカス層に使用するスチールコードの本数を削減することを試みたが、このようにコード断面積を増大させると、カーカス層の耐久性が低下するという問題が発生した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、1+18構造のスチールコードを使用したカーカス層を有する空気入りラジアルタイヤにおいて、カーカス層の耐久性を向上することが可能な空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、左右のビード部間に、タイヤ幅方向に延在するスチールコードをタイヤ周方向に所定の間隔で配列したカーカス層を装架し、前記スチールコードを、中心に配置した1本のコア素線と、該コア素線の外周側に配置した6本の第1シース素線と、該第1シース素線の外周側に配置した6本の第2シース素線と、該第2シース素線間に配置した6本の第3シース素線とからなる1+18構造にした空気入りラジアルタイヤにおいて、前記コア素線の素線径dx と前記第1〜3シース素線の素線径da,db,dc との関係をdx ≧da ≧db >dc にし、かつ前記素線径dx,da,db,dc を0.15〜0.25mmの範囲で少なくとも3種類の異なる太さを有するようにしたことを特徴とする。
【0008】
このようにスチールコードのコア素線と第1〜3シース素線の素線径を上記のように特定することで、カーカス層が応力を受けた際にスチールコードとゴムに生じる歪みを低減することができるので、カーカス層の耐久性を改善することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の空気入りラジアルタイヤの一例を示し、1はトレッド部、2はサイドウォール部、3はビード部、CLはタイヤセンターラインである。
【0010】
左右のビード部3間に、タイヤ幅方向に延在するスチールコードをタイヤ周方向に所定の間隔で配列したカーカス層4が装架され、その両端部4aがビード部3に埋設されたビ−ドコア5の周りにビードフィラー6を挟み込むようにしてタイヤ内側から外側に折り返されている。トレッド部1のカーカス層4外周側には、複数のベルト層7が配置されている。
【0011】
図2に示すように、カーカス層4のスチールコード8は、中心に配置した1本のコア素線xと、そのコア素線xの外周側に配置した6本の第1シース素線aと、その第1シース素線aの外周側で、第1シース素線a間となる位置に配置した6本の第2シース素線bと、各第2シース素線b間に配置した6本の第3シース素線cとからなる1+18構造の撚りコードになっている。
【0012】
コア素線xの素線径dx と第1〜3シース素線a,b,cの素線径da,db,dc との関係は、dx ≧da ≧db >dc であり、かつ素線径dx,da,db,dc が0.15〜0.25mmの範囲で少なくとも3種類の異なる太さを有するようになっている。
【0013】
その異ならせ方は、dx =da >db >dc 、dx >da =db >dc にすることができ、更にdx >da >db >dc となるように全て異ならせるようにしてもよい。
【0014】
このようにスチールコード8を構成する素線x,a,b,cの素線径dx,da,db,dc を上記のように少なくとも3種類の異なる太さを有するように異ならせることで、スチールコード8の断面形状は、正6角形から円形に近くなる。
【0015】
本発明者によれば、1+18構造のスチールコードのコード断面積を従来より大きくした際にカーカス層の耐久性が低下する点について鋭意検討したところ、以下のことが判った。
【0016】
即ち、断面が正6角形状になっている1+18構造のスチールコードは、6角形の頂点に位置する第3シース素線間の対角線距離と第2シース素線間の対角線距離が相違するため、第2シース素線径と第3シース素線径が同じ場合は、第3シース素線の方が大きな歪みを受け易い。また、素線径が太い程、受ける歪みは大きくなる。
【0017】
一方、断面が正6角形状になっている1+18構造では、頂点方向と辺方向で曲げ剛性に異方性があり、スチールコードがカーカス層内で局部的な歪応力を受けると、スチールコードは曲げ剛性が小さい方向に向けて回転しようとする。その回転により、被覆するカーカス層のゴムにも歪応力が加わり、カーカス層の耐久性を低下させていた。
【0018】
そこで、本発明では、スチールコード8を構成する素線x,a,b,cの素線径dx,da,db,dc を上記のように少なくとも3種類の異なる太さを有するようにして、スチールコード8の断面形状を正6角形から円形に近くし、それにより6角形の頂点に位置する第3シース素線c間の対角線距離と第2シース素線b間の対角線距離の差を縮小し、第3シース素線の歪み低減と曲げ剛性における異方度を小さくしたのである。
【0019】
これにより、カーカス層が歪応力を受けた際の、スチールコードとゴムに生じる歪みを低減することができ、従って、カーカス層の耐久性向上が可能になる。また、スチールコードのコード断面積を従来より大きくしても、カーカス層の耐久性を改善することができる。
【0020】
上記素線径の範囲が0.15mm未満では、コード打込間隔が極端に狭くなるために安定製造出来ず、逆に0.25mm超では、スチールコードの耐久性を改善出来ない。
【0021】
本発明において、スチールコード8のコード断面積を従来より大きくして、カーカス層4に使用するスチールコード8の本数を減らすことで製造コストを削減する場合には、コア素線xと第1〜3シース素線a,b,cの合計の断面積で定義されるスチールコード8のコード断面積を0.5mm2以上にするのがよい。その上限値としては、スチールコードの耐久性の観点から0.8mm2以下にすることが好ましい。
【0022】
コア素線xと第1〜3シース素線a,b,cの素線径dx,da,db,dc は、耐久性をより効果的に改善する点から、全て異ならせるのがよい。
【0023】
本発明は、特にバスやトラックなどの重荷重車両に使用される重荷重用の空気入りラジアルタイヤに好ましく用いることができるが、それに限定されず、乗用車用など他の空気入りラジアルタイヤにも好適に使用することができる。
【0024】
【実施例】
タイヤサイズを275/70R22.5で共通にし、カ−カス層に使用した1+18構造のスチ−ルコ−ドの素線径と断面積を表1のようにした図1に示す構成の本発明タイヤ1〜3(実施例1〜3)と従来タイヤ1,2(従来例1,2)をそれぞれ作製した。各試験タイヤにおけるカ−カス層のスチールコ−ドの総重量は同一である。
【0025】
これら各試験タイヤを以下に示す測定条件により、耐久性の評価試験を行ったところ、表1に示す結果を得た。
耐久性
1.走行距離評価試験
各試験タイヤをリムサイズ22.5×8.25のリムに装着し、空気圧を900kPaにしてドラム試験機に取り付け、直径1707mmの回転ドラム上を荷重40kNの条件下で時速40km/hで走行させ、タイヤ故障が発生するまでの走行距離を測定し、その結果を従来タイヤ1を100とした指数で評価した。この値が大きいほど、走行耐久性が優れている。
2.コ−ド疲労性評価試験
各試験タイヤを上記走行距離評価試験と同じ条件で10000km走行させた後、カ−カス層のスチールコ−ドを採取し、回転曲げ疲労試験により採取した各スチールコ−ドの疲労限応力保持率を測定し、その結果を従来タイヤ1を100とした指数で評価した。この値が大きいほどコ−ドの耐疲労性が優れている。
【0026】
【表1】
表1から、本発明タイヤは、コード断面積を大きくしても耐久性を改善できることがわかる。また、コア素線と第1〜3シース素線の素線径を全て異ならせることにより、コードの耐疲労性も改善され、耐久性を一層改善できることがわかる。
【0027】
【発明の効果】
上述したように本発明は、1+18構造のスチールコードを使用したカーカス層を有する空気入りラジアルタイヤにおいて、スチールコードのコア素線と第1〜3シース素線の素線径を上記のように規定することにより、カーカス層の耐久性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気入りラジアルタイヤの一例を示すタイヤ子午線半断面図である。
【図2】図1のカーカス層に使用されるスチールコードの拡大断面図である。
【符号の説明】
1 トレッド部 2 サイドウォール部
3 ビ−ド部 4 カ−カス層
5 ビードコア 6 ビードフィラー
7 ベルト層 8 スチ−ルコ−ド
CL タイヤセンターライン a 第1シース素線
b 第2シース素線 c 第3シース素線
da,db,dc,dx 素線径 x コア素線
Claims (3)
- 左右のビード部間に、タイヤ幅方向に延在するスチールコードをタイヤ周方向に所定の間隔で配列したカーカス層を装架し、前記スチールコードを、中心に配置した1本のコア素線と、該コア素線の外周側に配置した6本の第1シース素線と、該第1シース素線の外周側に配置した6本の第2シース素線と、該第2シース素線間に配置した6本の第3シース素線とからなる1+18構造にした空気入りラジアルタイヤにおいて、
前記コア素線の素線径dx と前記第1〜3シース素線の素線径da,db,dc との関係をdx ≧da ≧db >dc にし、かつ前記素線径dx,da,db,dc を0.15〜0.25mmの範囲で少なくとも3種類の異なる太さを有するようにした空気入りラジアルタイヤ。 - 前記素線径dx,da,db,dc が全て異なる請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記コア素線と前記第1〜3シース素線の合計の断面積で定義される前記スチールコードのコード断面積が0.5mm2以上である請求項1または2に記載の空気入りラジアルタイヤ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002165839A JP2004009879A (ja) | 2002-06-06 | 2002-06-06 | 空気入りラジアルタイヤ |
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JP2002165839A JP2004009879A (ja) | 2002-06-06 | 2002-06-06 | 空気入りラジアルタイヤ |
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JP2004009879A true JP2004009879A (ja) | 2004-01-15 |
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ID=30433583
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JP (1) | JP2004009879A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008144318A (ja) * | 2006-12-12 | 2008-06-26 | Bridgestone Corp | スチールコード及びそれを有する空気入りタイヤ |
JP2015054538A (ja) * | 2013-09-10 | 2015-03-23 | 横浜ゴム株式会社 | 空気入りラジアルタイヤ |
-
2002
- 2002-06-06 JP JP2002165839A patent/JP2004009879A/ja active Pending
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