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JP2004004756A - 光スイッチモジュール及び光スイッチモジュールを製造する方法 - Google Patents

光スイッチモジュール及び光スイッチモジュールを製造する方法 Download PDF

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JP2004004756A
JP2004004756A JP2003109563A JP2003109563A JP2004004756A JP 2004004756 A JP2004004756 A JP 2004004756A JP 2003109563 A JP2003109563 A JP 2003109563A JP 2003109563 A JP2003109563 A JP 2003109563A JP 2004004756 A JP2004004756 A JP 2004004756A
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optical
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optical switch
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Alexei Glebov
アレクセイ グレボフ
Shinya Sasaki
佐々木 伸也
Michael Lee
マイケル リー
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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  • Mechanical Light Control Or Optical Switches (AREA)
  • Optical Integrated Circuits (AREA)
  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

【課題】ファイバと光スイッチ導波路との接続構造を提供する。
【解決手段】第1の厚さを有する第1コア層と514と、第1コア層より薄い第2コア層511と、第1コア層及び第2コア層の間に設けられたテーパの付されたコア層507とを有する光スイッチモジュール。
【選択図】  図13B

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願は、2001年8月17日に出願された出願番号09/932,526の出願の一部継続出願に関連する。共通事項に関しては、先の出願日の利益が享受される。
【0002】
本発明は、音声およびデータ通信用の光ネットワークに使用される光スイッチング装置に関する。特に、本願実施例は、光ファイバに対する断熱的な接続を行う光スイッチング装置、及び断熱的な接続構造を有する光スイッチング装置を製造する方法に関連する。
【0003】
【従来の技術】
音声およびデータ通信に関する光ネットワークの進展によって、高速データ情報転送能力に対する多大な要請が生じている。そのような転送能力を可能にするため、高密度波長分割多重化(DWDM: dense wavelength division multiplexing)技術が開発され、同一のファイバを通じた複数波長の伝送を可能にし、40−100Gb/sに至るデータ伝送レートを導出する。高速スイッチングおよび配信装置は、光学ネットワークのコア・エレメントより成り、光ネットワーク上のデータ伝送を動的に制御することを可能にする。更に、高速データ伝送は、スイッチング装置の機能に条件を強いる。
【0004】
光ビームの光−電気(OE)偏向(deflection)に基づく光学的交差接続空間分割スイッチ(Optical cross−connect space division switch)は、高速光ネットワークにおける将来的実現性に多大な潜在性を有している。重要な関心事の1つは、信頼性およびコスト的な事項に加えて、スイッチング時間と、大量の入力および出力チャネルを取り扱う能力であり、これは例えば2003年までに4000×4000に到達する。光から電気へおよび逆に光への信号変換を利用するところの既存の光スイッチング装置は、そのような要請を満足しない。スイッチング・マトリクスを非常に遅いスイッチング時間にすることは、非常に多数の入力および出力(I/O)ポートを接続することを設計可能にする。そのようなスイッチは単なるディジタル光スイッチのアセンブリにより構築可能であり、各々は1つの入力を2つの可能な出力ポートに方向付けることが可能である。しかしながら、光交差接続スイッチング要素は、大規模な用途に、いっそう有利である。これらの装置は、スイッチング機能を実行するために、大規模なモノリシック・スイッチ・アレイを必要とする。光ビーム偏向に基づく光学的交差接続スイッチングの主要な原理はよく知られているが、この種のスイッチング装置に関し、ロバスト(robust)であり、信頼性があり、低価格であり、拡張性のある製造プロセスは得られていない。
【0005】
現在のところ、市場における主な光学的スイッチング製品は(例えば、ルーセント(Lucent)のラムダ・ルータ)、MEONIS技術に基づいており、光を偏向させるために回転するマイクロミラーを利用する。しかしながら、これらの光学的スイッチング装置は、多数の可動部分に起因して信頼性の高いものではなく、また、ミラーの機構によってスイッチング時間が制限される。光学的スイッチング装置の多数の可動部分の信頼性を向上させること、およびマイクロミラーの機構に起因するこれらの装置におけるスイッチング時間の制約を克服することが望まれている。
【0006】
様々な技術的および経済的困難性に起因して、市場に未だ登場していないいくつかの他の光学的スイッチング技術が存在する。そのような光学的スイッチング技術には、単なる例示に過ぎないが:アジレント・テクノロジ・インク(Agilent Technologies Inc.)からのバブル・スイッチ、熱−光および電気−光学(EO)効果および液晶に基づくスイッチ等が含まれる。これらの装置の多くは依然として研究開発段階にある。EOスイッチを包含するこれらの技術のいくつかは、高速、低コスト、高信頼性および高I/Oポート数の製品に適用可能である。
【0007】
特に、薄膜電気光学(EO)装置は、バルク材料のものに比べて多くの利点を与える。光信号伝送用の高品質なEO装置を製造するために充足しなければならない多くの条件が存在する。第1に、1つのコア層と2つのクラッド層を有するウェーブガイドは、光ビームを低損失で伝送し得るように形成されるべきである。第2に、アクティブ材料は、適切な機能性のための高いEO係数を有するべきである。第3に、多くのデバイス形式に関し、EO材料の厚さが非常に狭い範囲(5−10μm)にあるべきであり、これは、材料の屈折率(RI:refractive index)のEO変化に必要な印加電圧を小さくするため、及び反それと同時に光ファイバ外から到来する光ビームと光スイッチング装置との間で低損失結合を可能にするためである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、必要とされるもの及び案出されるものは、改善された光スイッチング装置及び該改善された光スイッチング装置を製造する方法である。更に必要とされるもの及び案出されるものは、光ファイバ及び光スイッチング装置の接続構造におけるテーパの付された構造、並びに光ファイバ及び光スイッチング装置の接続構造におけるテーパの付された構造の製造方法である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本願実施例は、広く、光学装置を光ファイバに接続するための接続構造を与える。光学装置は、光ファイバのコア層から発する光ビームを案内するコア層を含む。光ファイバ及び光学装置の寸法は、適切な任意の寸法であり得る。光学装置のコア層の厚さが光ファイバのコア層の厚さより薄い場合には、光ファイバ及び光学装置間のインターフェースにて光ビームの電力損失が生じる。本願実施例は、光ビームの電力損失を回避し、光学装置及び光ファイバ管で断熱接続(adiabatic coupling)を確立する手法を与える。
【0010】
本発明の一態様は、光ファイバを光学装置に光学的に接続する接続構造を具体的に与える。この接続構造は、第1の厚さを有する第1コア層と、前記第1コア層の前記第1の厚さより薄い第2の厚さを有する第2コア層と、前記第1コア層及び前記第2コア層の間に設けられたテーパの付されたコア層を規定する構造を有するコアアセンブリより成る。前記テーパの付されたコア層は、前記第1コア層から前記第2コア層に下降して伸びるテーパ表面を有する。光学装置は、好ましくは、光ファイバ及び第2コア層の間に設けられた平面的なマイクロレンズを包含する。
【0011】
本発明の更なる態様は、光ファイバから発する光線を入力として受信するコア層を有するウェーブガイドと、前記ウェーブガイドに入力された光線を平行化するレンズコア層を有するレンズとを有する。この光学装置は、平行化された光線が伝搬するコア層を有する別のウェーブガイドと、平行化された光線を偏向させる光偏向器と、伝搬する光のコア層がPLZT又はPZT薄膜であることを可能にする接続手段を有する。
【0012】
本発明は、更に、基板に第1クラッド層を堆積する工程と、前記第1クラッド層にコア層を堆積する工程と、前記コア層に、断熱的な構造を有するコア層を設けるために傾斜した表面を形成する工程と、前記コア層上に第2クラッド層を堆積する工程より成る、断熱接続構造を有する光スイッチング装置を製造する方法を与える。
【0013】
以下の説明により当業者に明らかになるところの様々な補助的事項及び特徴と共にこれらの事項は、本発明による光学装置および方法並びに単なる例としての添付図面を参照しながら示される好適実施例により達成される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に提示される詳細な説明に加えて図面を詳細に参照するに、多数のI/Oチャネル(例えば、少なくとも4000に達する)を利用する妨害しない光交差接続スイッチング・マトリクスの形成を可能にするところの集積プロセスが図示および説明される。本装置の機能原理は、入射光学ビームまたは光信号のEO誘発偏向(EO induced deflection)に基づくものであり、それは入射光信号を入力ポートから出力ポートへ再配信可能である。圧電材料におけるEO誘発光ビーム偏向の物理的な原理は周知であり、例えば次の文献に記載されている:”Low Voltage Drive Electro−Optic Pb(Zr, Ti)O Waveguide Devices Fabricated by Solid−Phase Epitaxy”to Nashimoto et al of the Corporate Research Laboratories of Fuji Xerox Co, Ltd., Japan.
本発明の実施例は、シリコン基板に堆積されたOE偏向素子を包含するハイブリッド集積プロセスを提供し、(2×2)相互接続スイッチング装置の形成を可能にする。(2×2)相互接続スイッチング装置は説明のためにのみ使用され、集積プロセスの実施例は、4000×4000入力/出力ポートのような非常に多数のI/Oポートを有するスイッチング・システムを製造することに容易に拡張され得る。プロセスを例示するためにシリコン基板が使用される。したがって、そのシリコン基板は、設計要請に従って選択され得るガラス板、プリント回路基板等のような任意の他の基板に置換され得る。スイッチング素子に2つの例があり、1つは例えばPZT又はPLZTのような薄膜EO材用より成るものであり、もう1つは遷移金属(例えばTi)内部拡散ウェーブガイドを利用する及びプリズム形状の上部下部電極を利用するLiNbO(リチウムナイオベート、以下「LN」として言及する。)より成る。LN又はPZTは、強い電気−光学係数を有する任意の材料に置換され得る点に留意を要する。材料はバルクまたは薄膜材料とすることが可能であり、電極はプリズム、格子、様々な組み合わせ、プリズムと格子の配列等のような様々な形状で形成され得る。したがって、LNはリチウム・ナイオベートを意味するだけでなく、ウェファとして形成され得る他の適切な電気−光学材料をも意味する。本発明を具現化する光学スイッチング装置および偏向子の全体構造については、2001年2月16日に出願された日本国特許出願番号 特願2001040006および2001年2月28日に出願された日本国特許出願番号 特願2001−56009に記載されている。ウェーブガイド回路および/または光学信号配信およびスイッチングについては、次の米国特許に説明されており、本発明の参考に供せられ、それらは次のとおりである:U.S. Patent No. 6,141,465 to Bischel et al.; U.S. Patent No. 5,572,540 to Cheng; U.S. Patent No. 5,103,494 to Mozer; U.S. Patent No. 5,894,538 to Presby; U.S. Patent No. 5,854,868 to Yoshimura et al.; U.S. Patent No. 5,465,860 to Fujimoto et al.; U.S. Patent No. 5,835,646 to Yoshimura et al.; U.S. Patent No. 5,540,346 to Fujimoto et al.; U.S. Patent No. 5,220,582 to Kaharu et al.; U.S. Patent No. 5,218,654 to Sauter; U.S. Patent No. 5,093,890 to Bregman et al.; U.S. Patent No. 5,822,475 to Hirota et al.; U.S. Patent No. 5,204,866 to Block et al.; U.S. Patent No.5,010,505 to Falk et al.; U.S. Patent No. 4,850,044 to Block et al.; U.S. Patent No. 5,375,184 to Sullivan; U.S. Patent No. 5,757,989 to Yoshimura et al.; U.S. Patent No. 5,757,989 to Yoshimura et al.; U.S. Patent No. 5,541,039 to McFarland et al.; U.S. Patent No. 5,054,872 to Fan et al.; U.S. Patent No. 5,978,524 to Bischel et al.; U.S. Patent No. 5,732,177 to Deacon et al.; U.S. Patent No. 5,987,524 to Bischel et al.; U.S. Patent No. 5,732,177 to Deacon et al.; U.S. Patent No. 5,488,735 to Tanabeet al.; and U.S. Patent No. 5,408,568 to Hamilton et al.
図1を参照するに、全体的に100として示される光学スイッチ・モジュールの概略が示されている。光学スイッチ・モジュール100は、入力側光学ウェーブガイド部101,入力側コリメータ部102,入力側偏向部103,共通光学ウェーブガイド部104,出力側偏向部105,照準部106,および外部光学ウェーブガイド部107により構成される。入力側光学ウェーブガイド部101,入力側コリメータ部102,入力側偏向部103,共通光学ウェーブガイド部104,出力側偏向部105,照準部106,および外部光学ウェーブガイド部107は、総て基板98上に一体的に形成されている。入力側光学ウェーブガイド部101は、コアと呼ばれる複数の光学ウェーブガイド101a−101aと、被覆するクラッド層101bより成り、これは複数の光学ウェーブガイド101a−101aの間に選択的に配置され、ウェーブガイド101aおよびクラッド層101b間の様々な屈折率を利用することによって光学信号または各々の光学ウェーブガイド101a−101a内に光学ビーム波長を維持する。ウェーブガイド107の出力側は、ウェーブガイド部101の入力側の構造に類似しており、コアと呼ばれる複数の光学ウェーブガイド107a−107aおよび被覆するクラッド層より成り、これは複数の光学ウェーブガイド107a−107aの間に選択的に配置され、各ウェーブガイド107aおよび各クラッド層107bの間で様々な屈折率を利用して各光学ウェーブガイド107a−107a内に光ビーム、光学信号または光波長を維持する。
【0015】
図1に示されるように、光学ウェーブガイド101の入力側の光学ウェーブガイド101aの数は、光学ウェーブガイド107の出力側の光学ウェーブガイド107aの数に等しい。以下、光学ウェーブガイド101aの数および光学ウェーブガイド107aの数は、「n」と言及する。ここで、「n」は2以上の値をとる整数である。本発明の他の実施例では、単なる例として、光学ウェーブガイド101の入力側の光学ウェーブガイド101aの数は、光学ウェーブガイド107の出力側の光学ウェーブガイド107aの数と相違するようにすることも可能である。
【0016】
コリメータ部102は、「n」個のマイクロレンズまたはコリメータ・レンズ102aより成る。コリメータ・レンズ102aの各々は、各光学ウェーブガイド101aの端部から僅かにずれた位置に配置される。光学ウェーブガイド101aからの光学出力は、最初に急激に(radical)広がりまたは散乱されるが、コリメータ・レンズ102aにおいて平行に拘束されまたは定められた(registered)光になる。
【0017】
入力側偏向部103では、「n」個の光偏向素子103aが用意される。光偏向素子103aの各々は、各コリメータ・レンズ102aの光軸において僅かにずれた位置に配置される。光偏向素子103aは、ポッケルス・セル効果すなわち電気光学効果を利用して、光信号の伝播方向を偏向または変化させる。
【0018】
共通光学ウェーブガイド部104は、平板型(slab type)のウェーブガイドにより形成される。共通光学ウェーブガイド部104は、入力側偏向部103を通じて出力側光偏向部105に伝播する光を送信する。共通光学ウェーブガイド部104内では、複数の光学信号が同時に通過する。これらの光学信号は共通光学ウェーブガイド部104内で所定の方向に直線的に進行するので、複数の光学信号は互いに干渉または歪ませることなしに、伝送される。言い換えれば、何らの光学信号の交差もない。
【0019】
出力側光検出素子部105では、「n」個の光検出素子105a−105aが用意される。光検出素子105a−105aは、共通光学ウェーブガイド104を通過した後に光偏向素子105aが受信するところの光学ビーム、光学信号または光波長を、偏向させ、変化させ、切り替える。光偏向素子105aは、それぞれ、各光ビームの方向を、各光学ウェーブガイド107aに対応する光学軸方向に平行な方向に変化させる。好ましくは、光偏向素子103aおよび105a両者は概して同一構造である。
【0020】
照準部106は、「n」個の照準レンズ106a−106aより成る。これらの照準レンズ106a−106aは、光信号を絞り込む(focusing)ことによって、各々の光偏向素子105aを通過する光信号を、光学ウェーブガイド107aに案内する機能を有する。
【0021】
ウェーブガイドまたはコアは任意の適切な材料より製造され得る。例えば、ウェーブガイドは、フッ素処理の施されたポリイミド、水晶、他のガラスまたはポリマ材料のような、高度に透明な高度に耐熱性のあるポリマを利用して形成され得る。クラッディング層を形成するために同種類の材料を利用することが可能であり、または有機および/または非有機ハイブリッドが使用され得る。これらのポリマ系の薄膜形成方法は、スピン・コート、ディップ・コート、スプレイ・コートまたはエバポレーション重合化またはCVDのような蒸気相成長プロセスであり得る。ガラス系では、スパッタリング、エバポレーション、CVD、イオン注入等が使用可能であり、ゾル・ゲル法を利用する場合は、スピン・コート、ディップ・コートまたはスプレイ・コートが使用可能である。
【0022】
図2および3を参照するに、光学スイッチ・モジュール100の部分詳細構造が示される。光学スイッチ・モジュールにおけるコリメータ・レンズ102,入力側光偏向素子部103,出力側光偏向素子部105および照準化部106は、図2および3を参照しながら説明される。
【0023】
コリメータ・レンズ102a−102aは、図2および3に示されるように、コリメータ部102として同一材料より成り、2つの部分102cおよび102dより成る2次元レンズより成り、各々の部分が異なる屈折度または屈折率を有することが好ましい。高い屈折率(凸レンズ部)を有する部分102cは、コアと呼ばれる光学ウェーブガイド部101aおよび107aを形成するために使用したのと同一の材料により形成されることが好ましい。低い屈折率を有する部分106dおよび102dは、コア(例えば、部分102cおよび106c)の屈折率より低い屈折率を有するところの隙間(opening)、空気その他の適切なインデックス合致材料(index matching material)(例えばゲル)であることが好ましい。
【0024】
照準化部106の照準レンズ106a−106aは、コリメータ・レンズ102aに類似するものである。各照準化レンズ106aは、高屈折率を有する部分(凸レンズ部)106cと、低屈折率を有する部分106dとを含む。好ましくは、照準レンズ106a−106aの屈折方向は、コリメータ・レンズ102a−102aの屈折方向と反対である。
【0025】
入力側光偏向部103の一部として構成される光偏向素子103a−103aは、1つ又はそれ以上のプリズム対103p−103pより成る。図3に示されるような1つのプリズム対は、電気−光学効果を有する材料より成る平板ウェーブガイド部103を有する。図3に更に良好に示されるように、第1及び第2上部電極103cおよび103dは、平板型(slab type)ウェーブガイド103bの上側に形成され、第1及び第2下側電極103eおよび103fは、平板型ウェーブガイド103bの下側に形成される。第1及び第2上部電極103cおよび103d並びに第1及び第2下側電極103eおよび103fは、それぞれ3角の形状(くさび形)に形成される。
【0026】
第1の上部電極103cおよび第1の下部電極103eは互いに対向して直面し、それらの間に平板型ウェーブガイド103bを保持する。第1の上部電極103cおよび第2の上部電極103dは離間され、上側電極103c、103dの各々に関連する斜面に沿って互いに直面するようにする。第2の上側電極103dおよび第2の下側電極103eも対向して互いに直面し、それらの間に平板型ウェーブガイド103bを保持する。したがって、平板型ウェーブガイド103bは各プリズム対103pに関して共通である。このようなプリズム対の103pの各々を利用することによって、各プリズム対のサイズを小型化することが可能である。
【0027】
図2を参照するに、出力側光偏向部105の光偏向素子105a−105aは、入力側光偏向素子103a−103aと同様であり、電気−光学効果の特性を有し1つ又はそれ以上のプリズム対105p−105pを有する材料より成る平板型ウェーブガイド105bを含む。プリズム対105pの各々は、プリズム対103pの各々に等しく、より具体的には、第1上部電極103cおよび第1下部電極103eのそれぞれに対応しおよび本質的に同一であるところの第1電極の対を包含し(図示せず)、第2上部電極103dおよび第2下部電極103fのそれぞれに対応しおよび本質的に同一であるところの第2電極の対を包含する(図示せず)。これらはプリズム対103pに関する電極に一致するので、プリズム対105pに関する第1及び第2上部電極および第1及び第2下部電極は、それぞれ3角形状(くさび形)に形成される。
【0028】
図4Aおよび4Bを参照するに、プリズム対103p(すなわち、電極103cおよび103e並びに電極103dおよび103f)の光の偏向が示されている。図4において、矢線Aは平板型ウェーブガイド103bの結晶軸の方向を示し、矢線Eはプリズム対103pに印加される電場の方向を示す。
【0029】
図4A,4B,4Cに示されるように、第1下部電極103eは接地ライン(G)に接続される(例えば、図4A)。この状態において、制御電圧(+V)が第1の上部電極103cに印加される場合に、第1の上部電極103cおよび第1の下部電極103eの間の平板型ウェーブガイド103bの屈折率は、nからn+Δnに変化する。したがって、光信号の伝送方向Aは、光信号の進む方向に対して右手側の方向に角度θで偏向する。一方、第2の上部電極103dは図4Bに示されるように接地ライン(G)に接続され、制御電圧(+V)が第2の下部電極103fに印加されると、上部電極103dおよび下部電極103fの間に位置する平板型ウェーブガイド103bの屈折率がnからn−Δnに変化する。したがって、光信号の伝送方向Aは、光信号の伝送方向に対して更に右側に角度θで偏向する。以下、制御電圧の印加されるこれらの電極は、制御電極とも呼ばれ、これらは第1の上部電極103cおよび第2の下部電極103fに対応する。
【0030】
したがって、光信号は1つのプリズム対に関して角度2θで偏向され得る。明らかに、「m」個のプリズム対103pが各チャネルの各々において縦列に位置づけられ、「m」は2以上の整数である場合に、光信号の送信方向からの偏向方向は、2θ×mである。電極間で電気−光学効果を有する材料より成る平板型ウェーブガイドを挟む電極は、平板型ウェーブガイド(コア層)に直接的に接して形成することも可能である、又は上部及び下部クラッド層が縦型スタックにおける電極間に設けられることも可能である:下部電極、下部クラッド層、コア層、上部クラッド層及び上部電極、である。後者の場合は、電極間に挿入されるクラッド層は、電極メタル吸収により誘発される光損失を顕著に減少させるであろう。
【0031】
図5を参照するに、2×2チャネル光学スイッチ・モジュール100aが示されている。光学スイッチ・モジュール100aは、出力ポート1または出力ポート2に対して、第1の光信号入力を第1入力ポートに送信する。第1入力ポート2への第2光信号入力は、出力ポート1または出力ポート2であるところの、第1光信号を受信しない残余の出力ポートに伝送される。出力ポート2が入力ポート1から第1光信号を受信するならば、出力ポート1は入力ポート2からn第2光信号を受信する。第1入力ポートへの光信号が出力ポート1に伝送されるように、何らの交差も生じない場合には、第2入力ポート2への光信号入力は出力ポート2に伝送され、制御電圧は、光偏向素子113a,113b,115a,115bの何れにも印加されず、光偏向素子113a,113b,115a,115bにおいて何らの偏向もなされない。したがって、印加される制御電圧に起因する光学的交差をすることなしに、チャネル・ウェーブガイド111aへの入力信号は光ウェーブガイド117aに伝達され、チャネル・ウェーブガイド111bへの入力信号は光ウェーブガイド117bに伝達される。
【0032】
第1入力ポート1への光信号が出力ポート2に伝送され、第2入力ポート2への光信号が出力ポート1に伝送される場合には、正の制御電圧+Vが光偏向素子113a,115bの制御電極に印加され、負の制御電圧−Vが光偏向素子113b,115aの制御電極に印加される。したがって、入力ポート1への光信号入力は、光偏向素子113aにおいて光信号の伝送方向に関して右方向に光偏向素子115bに向かって偏向され、そして光偏向素子115bに到達し、偏向された光信号は光偏向素子115bにおける光学ウェーブガイド117bの縦軸に平行な方向に再び偏向させられ、照準レンズ116bにより光学ウェーブガイド117b内に絞り込まれ、そして、出力ポート2に伝送される。同様に、入力ポート2への光信号入力は、光偏向素子113bにおいて光信号の伝送方向に関して左方向に光偏向素子115aに向かって偏向され、光偏向素子115aに到達し、偏向された光信号は光偏向素子115aにおける光学ウェーブガイド117aの縦軸に平行な方向に再び偏向させられ、照準レンズ116aおよび光学ウェーブガイド117aを通じて出力ポート1に伝送される。
【0033】
図6を参照するに、上述したような光学スイッチ・モジュール100を利用する光信号スイッチ装置150が示されている。図7は、図6に示す光信号スイッチ装置の概略図を示す。光信号スイッチ装置150は、64個のWDM信号を有し、40Gb/sの64波長について光信号を多重化する。多重化された光信号の送信方向は、光信号スイッチ装置150内で切り替えられ又は変更される。
【0034】
光信号スイッチ装置150は、図6の縦方向に沿って配置される64個のAWG光ディバイダ(分割器)131、3段構造の光スイッチ・モジュール130、64個の光素子133、64個の光増幅器(EDFA:エルビウム・ドープ・ファイバ増幅器)134を有する。3段構造の光スイッチ・モジュール130の各段階において、光学スイッチ・モジュール100のような複数の光スイッチ・モジュールが存在する。より具体的には、3段構造の光スイッチ・モジュール130の各段階には、複数の光スイッチ・モジュール132a,132b,132cが包含されている。複数の光スイッチ・モジュール132a,132b,132cの各々は、各々が64×64チャネルを有する64個の光スイッチ・モジュールより成る。更に具体的には、64個の光スイッチ・モジュールの各々は、64個の光入力ポートおよび64個の光学出力ポートを包含する。64この光スイッチ・モジュールの各々は、多数の入力ポートおよび多数の出力ポートに起因して、2チャネル毎に2つを有する図8のスイッチ・モジュール100aとは異なる。第1段において、64個のスイッチ・モジュール132a1−132a64は、光スイッチ・モジュール132aの基板に関して並べられる。第1段と同様に、各々の第2段および各々の第3段では、各光スイッチ・モジュール132b、132cの基板に関し、64個のスイッチ・モジュールが適切な所定の方向に並べられる。3段構造の光スイッチ・モジュール130の第2段において、64個の光スイッチ・モジュール132b1−132b64はある状態または位置に配置され、第1段の64個の光スイッチ・モジュール132aおよび第3段の64個の光スイッチ・モジュール132cに対して90度回転して配置される。第3段における64個の光スイッチ・モジュール132cは、光スイッチ・モジュール100aのチャネルの1つに沿って伸びる軸の周囲に設けられる。
【0035】
第1段における光ディバイダ131の各々および光スイッチ・モジュール132aの各々は、光コネクタ135aにより結合される。同様に、第1段における光スイッチ・モジュール132aの各々および第2段における光スイッチ・モジュール132bの各々は、光コネクタ136aにより結合される。同様に、光スイッチ・モジュール132bの各々および光スイッチ・モジュール132cの各々は光コネクタ136bにより結合され、光スイッチ・モジュール132cの各々および光スイッチ・モジュール133の各々は光コネクタ135bにより結合される。
【0036】
図8Aおよび8Bは、光コネクタ136の構造を示す。図8Aは光コネクタ136の平面図を示し、図8Bは図8AのB−B線に沿った縦断面図を示す。図8Aおよび8Bに示されるように、光コネクタ136は、多数の小レンズ141を有する基板より成り、それを通じて光信号が基板140の厚さ方向(すなわち、縦方向)に伝播する。光コネクタ136に関し、レンズ141は2次元方向に配列される。しかし、光コネクタ135に関しては、レンズ141は単一次元方向にのみ配列される。レンズ141の配列ピッチは、光スイッチ・モジュール132a,132b,132cの入力ポートおよび/または出力ポートの間隔ピッチに等しく設定される。これら光コネクタ135,136のレンズ141は、先行する光学装置からの光学出力を絞り込み、同じものを以後の中間的光学装置に伝送し;したがって、これらは伝送損失を低減させるのに有利である。光学スイッチング装置のこの実施例では、マイクロプロセッサ・コントローラが存在し、各光スイッチ・モジュール132a,132b,132cにおける光偏向素子の各制御電極への印加電圧をオンおよびオフにする。マイクロプロセッサ(図示せず)は、電気信号を伝送する導電性ワイヤを通じて光偏向素子の各電極に結合され、これらはマイクロプロセッサにより制御される。
【0037】
図9Dのパネル側面図におけるスイッチング装置8の実施例に関する図9D及び9Eを参照するに、入力及び出力ファイバ202,204が描かれている。入力ファイバ202からの入力信号は、入力マイクロレンズ(ML)210のチャネルウェーブガイド206のコア層208に伝送される。ファイバ202のコア層202aは、ML210のコア層208に整合している。入力MLのコア層208、平板型ウェーブガイド214及び出力ML218は、縦向きに整合している。下側のクラッド207、ML210のコア208及び上側のクラッド層209、平板型ウェーブガイド214及び出力ML218は、同一材料から形成することが可能であり、従って同一プロセスで形成され得る。各膜は、基板220に順に堆積され、最初に下部クラッド層207、次にコア層208そして次に上部クラッド層209である。その後に、フォトレジストパターニング及びエッチングを利用して、又は薄膜材料が感光性である場合には直接的に光パターニングすることで、パターニングされる。ML218及び平板型ウェーブガイド214層に対して、広範な様々な材料が利用され得る。しかしながら、フォトエポキシ又はポリイミドのような異なるポリマ材料を利用することも可能であり、それらは低ストレス、基板の低変形性(bow)及び低い処理温度等の利点をもたらすが、利点はそれらに限定されない。感光性ポリマは直接的なパターニングに使用され得る。ML210,218及び平板型ウェーブガイド214のコア層208は、同一の堆積工程にて製造され、それらは等しい高さに揃えられる。別個のML及び平板型ウェーブガイド堆積を行う場合は、コア層208が等しい高さ(レベル)になるように下側のクラッド層207の厚みが調整されるべきある。
【0038】
PZT,PLZT等のような電気−光学(EO)膜238は、基板又はブロック240に堆積される。例えば、SrTiOが基板材料として使用され得る。EO膜238は、下部クラッド244、コア246及び上部クラッド248の3層を有する。薄膜238は、当業者に知られた任意の手法で堆積され得る。例えば、ゾル−ゲル堆積、パルスレーザ堆積、又はMOCVDである。成膜手法の選択については、最終的な膜の質、実効的な薄膜領域、膜厚等を含む複数の要因によって決定される。通常には、膜厚は、薄膜のエピタキシャル性によって制限され、所定値を超えることは困難である。例えば、目下利用可能な低損失PLZT又はPZT膜は、3−5μmの膜厚に制限される。上部及び下部クラッド層244,248はこの膜厚の範疇にあるので、EO膜238のコア層246は1−3μmに制限され得る。EO膜238の成膜後に、基板220は所要の寸法に裁断され、ブロック240の側壁が光学グレード(optical grade)に対して研磨される。ML及び平板型ウェーブガイド214の間に非常に高精度にブロック240が設けられるべきであるので、研磨の間のブロック240の寸法制御は、非常に重要である。
【0039】
EO膜238を有するブロック240は、図9Dの側面図に示されるように、ML及び平板型ウェーブガイドを有する基板220にて上下逆に組み込まれる。EO膜の上部表面は、先の図に示されているようなプリズム形状を有する金属電極でパターニングされている。配線コンタクトパッドを利用する接続は、基板220上に形成され得る。EO膜ブロック240は基板220に取り付けられ、EO膜表面のプリズム電極は、基板に形成される配線ラインに接する。接続部に加えてプリズムから配線ラインへの電気接触は、はんだバンプを利用するフリップチップ接続により実現され得る。この技術は、半導体及び光学の業界で充分に確立されている。はんだバンプ(基板220及びEOブロック240の間の丸印270)は、図9Dに概念的に示されている。はんだバンプ270に加えて、EOブロック240は、この装置構造に適切な他の任意の手法によって基板220に取り付けられ得る。
【0040】
図9Aおよび9Bは、集積された(2×2)スイッチ装置8の概略構造に関する平面図および側面図を示す。装置10のスイッチング部分はLNブロック12を包含する。LNブロック12は、以下に詳述する手法により、単結晶LNウェファから得られる。2次元遷移金属拡散(例えば、Ti−拡散)ウェーブガイド(WG)14は、送信光モードの縦の閉じ込め(vertical confinement)のために、LNブロック12において形成される。LNブロック12の厚さは10ないし500μmで変化し得る。図1Aおよび1Bにおいて、LNブロック12は、ポリマ・ウェーブガイド40をLN平板ウェーブガイド・コア14に調整するために、シリコン基板10に直面するTi拡散ウェーブガイド14と共に配置され、これは2次元Ti拡散ウェーブガイドである。ウェーブガイド14は、先に説明した共通ウェーブガイドとして機能する。
【0041】
非常に薄いLN膜の場合には、図9Cに示される構造例が可能であり、そこでは下部層(すなわち、下部クラッド・ポリマ層32)がエッチングされて総て基板30まで下降し、LNブロック12が凹部に位置付けられ、ウェーブガイド14(2次元Ti拡散ウェーブガイド14)がウェーブガイドコア層(以下に「38c」および「40」として識別される)に概ね整合し、2次元Ti拡散ウェーブガイド14の底部表面が、下部クラッド・ポリマ層38a,42aの上部表面に等しく、僅かに高く又は低く位置するようにする。この構造では、LNブロック12の厚さが、2次元Ti拡散ウェーブガイド14の厚さを含まずに、ポリマ底部クラッディング層38a,42aの厚さに等しい又は同様である。
【0042】
したがって、要するに、LNブロック12は、基板30に直面するTi拡散ウェーブガイドと共に配置され、ポリマ・ウェーブガイド・コア38c、40をLN平板ウェーブガイドコアの高さに調整する(すなわち、Ti拡散ウェーブガイド14)(図9A,図9B)。非常に薄いLN膜の場合に(図9C)、ポリマ・ウェーブガイド・コアの底部層はエッチングされ、シリコン基板30まで下降し、LNブロック12はウェーブガイド領域と共に上昇して配置されるが、この場合において、LNの厚さはポリマ底部クラッディングおよびコアの厚さと同程度であることを想定している。この場合に、図9Cに示されるように、LNOブロック12は基板12に隣接し、Ti拡散ウェーブガイド14はコア38c、40に整合する。
【0043】
図9Aおよび9Bには図示されていない光信号を伝送する光学ファイバは、装置8の右側にて、当業者に周知の、光学ポリマ材料より成るチャネル・ウェーブガイドに結合される。各光ファイバは、各光ファイバの出力端が、各入力チャネルウェーブガイド101の各コア101aの入力端に直面するように配置される。シリコン基板30に光ファイバを設けるために使用される一般的な手法が存在する。出力チャネルウェーブガイド107の場合には、各出力ファイバの入力端は、各出力チャネルウェーブガイド107のコア各々107aの出力端に直面する。シリコン基板30にファイバを設けるのに使用され得る一般的な技術が存在する。例えば、光ファイバはシリコン基板30に形成されるV字溝を利用して、または当業者に知られた他の任意の手法を利用して取り付けられ得る。シリコン基板以外の基板の場合には、ファイバの位置付けは、当業者に周知の他の手法により実行され得る。
【0044】
チャネル・ウェーブガイド101aは、図1の左側に示される。マイクロレンズ102a1および102a2に加えて、ウェーブガイド101a1および101a2は、光学ポリマ・コア層40に使用されるのと同一の材料から形成される。マイクロレンズ101a1および102a2は、ウェーブガイド101a1および101a2から到来する発散する光ビームを、装置8を通じて伝播するところの同一平面内の平行ビームに絞り込む。伝播する光モードは、ポリマレンズ102a1(または102a2)およびLN平板ウェーブガイド14の両者内で縦に閉じこめられるので、ビームの縦の絞り込みは不要である。レンズの曲率半径を変更すると、マイクロレンズ101a1および102a2の焦点距離が変更可能になる。マイクロレンズ101a1および102a2の焦点距離は、チャネル・ウェーブガイドの部分から到来する光ビームの発散を補償するよう調整する必要がある。
【0045】
チャネル・ウェーブガイドは、3層の光学ポリマ材料より成ることが好ましい。チャネルウェーブガイドおよびマイクロレンズの第1層は、図9Bに示されるように、低い屈折率を有する下部クラッド層38aである。
【0046】
ウェーブガイドおよびマイクロレンズの組み合わせの第2層は、下部クラッド層38aのものより高い屈折率を有するウェーブガイド・コアである。ウェーブガイドおよびマイクロレンズの組み合わせの第2層38cは、ウェーブガイド101a1および101a2、およびコリメータ・レンズとしてマイクロレンズ101a1および102a2を含む。更に、第2層38cは、図2に示すような、クラッド層101bと、高屈折率を有する凸レンズ部102cと、低屈折率を有する部分102dを有する。
【0047】
ウェーブガイドおよびマイクロレンズの組み合わせの第3層は、第2層38cのものよりも低い屈折率を有する上部クラッド層38bであり、これはコア層と呼ばれ、第1層38aと同一または類似するものであり得る。図9Bに示す構造では、第3層38bは第2層38c上に設けられる。低部および上部クラッド層38aおよび38bは、同一の屈折率を有する同一のポリマ材料より形成され得る。しかしながら、屈折率が異なっていても良い。
【0048】
ウェーブガイドおよびマイクロレンズの組み合わせと同様に、出力ウェーブガイドの第1層は下部クラッド・ポリマ層42aであり、その第2層はポリマ・クラッド層40であり、その第3層は上部クラッド・ポリマ層42bである。底部および上部クラッド層42aおよび42bは、コア層40のものより低い同一の屈折率を有する同一のポリマ材料より成る。出力ウェーブガイドの第2層は、それぞれ凸レンズ部106cより成る照準レンズ106a,106a、低屈折率部106d、光学ウェーブガイド107a,107a、およびクラッド層107b(総て図5に示される)。
【0049】
底部クラッド層38a,32,42aは、好ましくはポリイミド層であり、シリコン基板に直接的に配置される。LN偏向ブロック12は、LNブロック12の底部において、平板ウェーブガイド14を有する下部クラッド・ポリマ層32上に設けられる。この場合、LN平板ウェーブガイド14は、マイクロレンズ101a1および102a2のコアに関して、すなわち第2層38cおよびコア層40に関して、自己整合される。
【0050】
底部電極34a1,34a2,36b1,36b2用の配線に対応して、偏向子103a1,103a2,105a1,105a2のための底部電極34a1,34a2,36b1,36b2は、当該技術分野で周知の手法によって、第1ポリマ層32上に形成および配置される。底部電極34a1,34a2,36b1,36b2は、薄い保護層36で被覆されることが好ましい。薄い保護層36は好ましくはSiOのスパッタ層であり、または適切な手段により堆積される同様な誘電体材料である。底部電極34a1,34a2,36b1,36b2の各々は、底部コンタクト・パッド84a1,84a2,84b1,84b2に接続される。底部電極34a1,34a2,36b1,36b2の各々は、プリズム対103pおよび105pの第1及び第2底部電極として機能し、このため、底部電極34a1,34a2,36b1,36b2の形状は、それぞれ図2,6に示されるような3角形(くさび形)であることが好ましい。図9−11では、4つの底部電極が示され付番されているが、上部電極数に対応して多数の底部電極を適合させることが可能である。
【0051】
底部電極34a1,34a2,36b1,36b2は、LNブロック12の2次元Ti拡散ウェーブガイド14の下に直接堆積され得る。この代替的構造の実施例では、底部電極34a1,34a2,36b1,36b2は、例えばはんだバンプを利用して、底部ポリマ層32に形成された底部電極34a1,34a2,36b1,36b2用の配線に接続される。
【0052】
上部電極18a1,18a2,18b1,18b2および上部電極18a1,18a2,18b1,18b2に結合されるコンタクト・パッド16a1,16a2,16b1,16b2は、当該技術分野で周知の手法によりLNブロック12に堆積される。コンタクト・パッド16a1,16a2,16b1,16b2は、偏向素子103a1,103a2,105a1,105a2の偏向子電極18a1,18a2,18b1,18b2に結合される。図9−11において、コンタクト・パッド16a1,16a2,16b1,16b2は、各偏向素子103a1,103a2,105a1,105a2内の1つの偏向子の上部電極にそれぞれ結合される。より具体的には、光学スイッチ装置が2つのチャネルのみを有する、すなわち2つの入力/出力ポートのみを有するので、コンタクト・パッド16a1,16a2,16b1,16b2は、実際のスイッチング装置における各偏向素子103a1,103a2,105a1,105a2内の偏向子の上部電極総てにそれぞれ電気的に伝導的に結合される。したがって、コンタクト・パッド数はチャネル数の増加に依存して増加する;すなわち、入力/出力ポート数の増加に比例して増加する。この場合において、コンタクト・パッドが互いに電気的に導通しないように、コンタクト・パッドが別々に形成される。
【0053】
底部電極と同様に、上部電極18a1,18a2,18b1,18b2の各々は、プリズム対103p,105pの第1及び第2上部電極として機能する。上部電極18a1,18a2,18b1,18b2の形状は、図2,3に示されるような3角形(くさび形)であることが好ましい。図9において、プリズム対の3対が各偏向素子に用意されている。したがって、上部電極数は、偏向素子の各々について6つである。上部電極数を考慮すると、各偏向素子の底部電極数も6とすべきである。
【0054】
コンタクト・パッド16a1,16a2,16b1,16b2は、スイッチングを制御するマイクロプロセッサに結合され、これは光学スイッチ・モジュールも配置されるハウジング内に搭載される。マイクロプロセッサから伸びる制御信号線は、チャネル数の増加に比例して増加する;すなわち、光学スイッチ・モジュールを有する光学スイッチ装置の入力/出力ポート数に比例して増加する。
【0055】
底部コンタクト・パッド84a1,84a2,84b1,84b2の全体は、図9−11には図示されていない共通接地ライン(G)に接続される。図9の各偏向素子103a1,103a2,105a1,105a2で使用される偏向子の総ては、図2−4に示されるような同一構造の偏向素子を有する。
【0056】
調整フレーム44a,44b,46a,46bは、チャネル・ウェーブガイドおよびマイクロレンズのパターニングに使用したのと同一のマスクを利用して、下部クラッディングおよびコア・ポリマ層38a,38c,42a,40内に形成される。調整フレーム44a,44b,46a,46bの目的は、基板30におけるLNブロック12の結合、位置付けおよび調整である。3つの光学ポリマ層42a,40,42bから形成される出力の2次元平板ウェーブガイドは、LNブロック12から放出する光ビームを、更なる信号伝送のための出力ファイバに結合する。
【0057】
低部および上部電極34a1,34a2,36b1,36b2,18a1,18a2,18b1,18b2は、図2−4に示されるような形態と同様に、互いの上部で相互に調整される。電極の形状は、所望の設計のアクティブ偏向素子を規定する。しかしながら、留意すべきことは、比較的薄い偏向子(約5−25μm)の場合に、すなわち導電性材料によるブロック上に堆積される偏向子ブロックまたはアクティブ偏向子膜の高さが小さい場合に、電極の1つ(すなわち、上部または底部)がブランケット(blanket)導電層により形成され得ることであり、その理由はフリンジング効果(fringing effect)が薄膜に関して最小になるからである。
【0058】
図2−4に関連して上述したように、上部電極18a1,18a2,18b1,18b2に制御電圧を印加するために、コンタクト・パッド16a1,16a2,16b1,16b2はLNブロック12の上部の外部表面に形成される。底部電極34a1,34a2,36b1,36b2を接地ライン(G)に接続するために、コンタクト・パッド84a1,84a2,84b1,84b2は、LNブロック12が配置されておらず、接地ライン(G)へ更にワイヤ接続するために開放されているところのシリコン基板30の上部表面領域に形成される。
【0059】
ある入力チャネルからある出力チャネルへのモード切替は、図2−4に関連して上述したように、対向する電極に電圧を印加することによって行われる。上部電極の何れにも電圧が印加されなければ、光信号は偏向することなしに2次元Ti拡散ウェーブガイド14内を直進する。印加される電圧は、上部および底部電極間のLN(または使用される任意の電気−光学材料)の相対屈折率を変更し、これは、当初の経路からの光ビームの偏向になる。偏向素子103a1の上部電極および偏向素子105a2の上部電極に正の電圧が印加されると、光信号は、第1チャネルの偏向素子103a1から第2チャネルの偏向素子105a2に偏向させられ、偏向素子105a2に到達する光信号は出力ウェーブガイドの第2出力ポートに偏向させられる。
【0060】
こうして、交差の動作が行われる。図9に示すスイッチング装置は、2つの入力チャネルおよび2つの出力チャネルのみを有するが、各入力ポートについて示される3つのプリズム偏向子が存在し、各出力ポートについて3つのプリズム偏向子が存在する。(2×2)形態に対して、2つのI/Oポート間で信号を切り替えるためには、入力側および出力側の各々のポートにつき1つの偏向子のみが必須である。図9では更なる偏向子が付加されており、集積されるスイッチング装置は任意の数のI/Oポートに容易に拡張され得る。
【0061】
図10−11を参照しながら、光学スイッチ装置の製造プロセスを説明する。図9に示されるスイッチング装置の製造プロセスは、以下の3つの段階より成り、それらは:(a)チャネル・ウェーブガイド、マイクロレンズ、底部電極および電気配線を有する基板の作成(段階1);(b)単結晶LNブロックまたは他のバルク若しくは薄膜電気−光学材料によるビーム偏向子の作成(段階2);および(c)基板上における偏向子ブロックの取り付け(段階3)である。
【0062】
段階1:チャネル ウェーブガイド、マイクロレンズ、底部電極および電気配線を有する基板の作成
 図10は、偏向装置が搭載される基板についてのプロセス・フローの概略を示す。図10Aに示されるように、基板として使用されるシリコン・ウェファ400が提供される。シリコン・ウェファ400は、基板表面の境界を定める二酸化シリコン薄膜を備えていても備えていなくてもよい。下部クラッディング層(PL1)410がシリコン・ウェファ400に堆積される。下部クラッディング層410を形成するために、下部クラッディング光学ポリマ材料がシリコン・ウェファ400上でスピン・コートされることが好ましい。下部クラッディング層410の厚さは、ウェーブガイドの設計に依存して1ないし30μmの範疇で変化し得る。一実施例にあっては下部クラッディング層410の好適な厚さは5ないし15μmの範疇にある。
【0063】
図10Bに示されるように、凹部形成プロセスが実行される。凹部420は、スピン・コートされた下部クラッディング層410の上部表面に形成される。このプロセスにおいて、シリコン・ウェファ400は先ずフォトレジスト(PR 図2には図示せず)で被覆され、フォトリソグラフィによりパターニングされる。Oプラズマ・エッチング・プロセスのようなエッチング・プロセスが行われ、マスク・フォトレジスト層内の開口を通じて凹部420が形成される。このステップは、ポリマ・ウェーブガイド・コア38c,40およびLN平板ウェーブガイド・コア14の縦型階層のためのものである。このステップは、選択的であり、ウェーブガイド/偏向子ブロック・インターフェースにおけるモジュール結合に関して、僅かな不整合が重要でないならば省略することも可能である。
【0064】
図10Cでは、図9では図示されない配線と共に、底部電極34a1,34a2,36b1,36b2およびコンタクト・パッド84a1,84a2,84b1,84bが、凹部420内の底部表面上に形成される。金属層が底部クラッディング表面410に堆積され、底部電極、コンタクト・パッドおよび配線が形成される。金属層の堆積は、スパッタリング、めっきその他の適切な手法により行われ得る。底部電極、コンタクト・パッドおよび配線として、任意の導電性材料が使用され得る。金属層として使用される材料に関する主な制約は、下地ポリマ層との両立性(compatibility)および材料エッチング能力である。更に、底部電極は、後述するように、集積の段階2においてLNブロック12の下部表面に直接堆積させることが可能である。このプロセスでは、下部クラッディング層410上にフォトレジストが適用され、フォトリソグラフィによってパターニングされる。金属層に対する金属パターンは、マスクを利用してウェットまたはドライ・エッチによって形成される。金属パターンを形成するために、当業者に周知のリフト・オフ・プロセスを利用することも可能である。
【0065】
図10Cに示されるように、底部電極(BE: bottom electrode)保護層18の堆積が行われる。これは任意的ステップであり、BEを保護する必要がなければ必須ではない。保護層18は、底部電極34a1,34a2,36b1,36b2が腐食することおよび高電圧動作中に短絡することから保護する。保護層18はスパッタリング法を利用して形成される。保護層18はSiOまたは他の適切な誘電体材料より成る。これは薄いSiO層であり;好ましくは約0.1ないし約5.0μmの範疇にある厚さを有する。
【0066】
BE保護層18は、LNブロック12の形状に適合してパターニングされる。保護層18を形成するプロセスは、他のプロセスと同様に、底部電極を被覆するために下部クラッディング層上にフォトレジスト層を堆積することおよびフォトリソグラフィを包含する。例えば、SiO保護層18は、CH/Hプラズマ中でのドライ・エッチングにより、または他の適切なウェット若しくはドライ・エッチング方法によって形成され得る。CHプラズマにおける作用剤(agent)Hを減少させて加えることは、下部クラッディング層410のシリカおよびポリマ間のエッチ選択性を増加させる。
【0067】
図10Dに示されるように、次のステップは、底部クラッディング層410のものよりも高い屈折率を有するコア・ポリマ層430のスピン・コート堆積である。コア・ポリマ層430の厚さは、デザイン・ルールに依存して、約1μmないし30μmの範疇で変化し得る。コア・ポリマ層の好適な厚さは約3−10μmである。
【0068】
図10Eに示されるように、コアおよび底部クラッディング層410,430は、例えばOプラズマ・エッチによる単一マスクを利用するフォトリソグラフィによってパターニングされる。マイクロレンズ102a1,102a2、調整フレーム44a,44b,46a,46bおよび出力ウェーブガイド・コア40を含むチャネル・ウェーブガイド・コア38cは、2つのポリマ層410,430内に形成される。
【0069】
低い屈折率の材料を有する上部クラッディング層38b,42bは、下部クラッディングおよびコア層と同一の手法で堆積およびパターニングされ、マイクロレンズおよび出力平板ウェーブガイドの前面を開口するようにする。ポリマ・ウェーブガイドおよびマイクロレンズの平面図は、図9Aの右側に示されるような出力ウェーブガイドの平面図に類似する。必要であれば、光学ファイバを配置する溝またはトレンチが、ポリマ・ウェーブガイドおよびマイクロレンズの左側に、およびファイバ配置に関する出力ウェーブガイドの右側に形成され得る。
【0070】
段階2:光偏向子用のLNブロックの作成
 図11は、偏向装置を製造するプロセス・フローを示す。上述したように、これは偏向子ブロック形成の例であり、LNに限定されない。OE特性を有する他の任意のバルクまたは薄膜材料が使用され得る。
【0071】
図11Aおよび11Bにおけるこの例のLN偏向子を作成するために、100または75mmのzカットLNウェファ500が用意される。ウェファ500の厚さは、ウェファ500の取扱いおよび研磨の都合に依存して約1または約0.5mmとすることが可能である。そのようなLNウェファ(LNOクリスタル)は、クリスタル・テクノロジ・インク(Crystal Technologies, Inc.)から入手可能である。
【0072】
基板へのスパッタリングではなくLNウェファ500を利用することは、コスト的に効果がある。光学スイッチ装置に必要な共通ウェーブガイド104および平板型ウェーブガイド103bの厚さは比較的大きい。2次元(2D)ウェーブガイド14は、チタニウム内部拡散(indiffusion)によってLNウェファ500の上面に形成される。Ti膜厚、アニール時間および温度のような処理条件は、使用される光の波長に依存するところの必要なウェーブガイド設計事項に従って調整され得る。好適実施例にあっては、図11Aに示されるように、700ÅのTi層510が、LNウェファ500のZ表面にスパッタリングにより形成される。Ti内部拡散は、図11Bに示されるように、8時間の間1050℃の温度でファーネス・アニールにより行われる。その結果のTi拡散ウェーブガイド520は、1.3−1.5μmの光に対して単独のモード伝播のみを支援することがシミュレーションされた。挿入損失は0.5dB/cmより小さく評価される。
【0073】
図11Cに示されるような次のステップでは、薄いSiO膜530がLNウェファ500の表面上に堆積される。SiO膜の厚さは0.1−1μmである。これは0.1μmより小さくすることも可能である。薄膜層530は、Ti拡散ウェーブガイド14のプリズム電極34a1,34a2,36b1,36b2からの絶縁物として、およびLN平板ウェーブガイド14用の上部クラッディング層としても機能する。
【0074】
図11Cに示されるように、LNウェファ500はその後にブロックに細断され、これらは偏向装置における実際の素子として使用される。細断または切断ステップにより、シリコン基板30は、所望のデバイス形状の多数の断片を提供する。細断または切断手順は、一般的な条件に依存して、より早い段階で行うことも可能である。明らかに、分離されたLNブロックの外部寸法は、製造許容度と共に調整ブロック44a,44b,46a,46bにより形成される隙間に合致する。
【0075】
図11Dに示されるように、提供されたLNブロック540の前面および背面の側壁は研磨され、入射および放出光モードの結合に関する光学品質を具備させる。
【0076】
図11Eに示される次のステップにおいて、LNブロック540は、背面ラッピングおよび研磨により薄く加工される。ブロック厚さは10−500μmの範疇にあり得る。LNは非常に壊れやすい材料なので、ブロック厚さの限界は、取扱いおよび処理の困難性により制限される。
【0077】
図11Fに示されるように、ブロックの薄膜化の後に、金属層550がLNブロック540の表面にスパッタリングされ、上部電極、コンタクト・パッドならびに上部電極およびコンタクト・パッドに関する配線を形成する。
【0078】
図11Fは、Tiの内部拡散された平板ウェーブガイド520および上部電極用の金属層550等を有するLNブロック540の最終的形状の側面を示す。LNブロック540の背面(図3Fにおける上面)におけるスパッタリングによって、金属層550を形成した後に、フォトレジスト層がLNブロック540の上面に形成される。リソグラフィが行われ、金属層がエッチングされ、LNブロック540における上部電極を形成する。
【0079】
段階3:基板上における偏向子ブロックの取り付け
 LNブロック540は、ポリマ層410,430内に形成された調整フレーム44a,44b,46a,46b内に挿入される。ブロック540の配置は、フリップ・チップ・ボンディング技術により行われ得る。LNブロック540は、接着剤を利用して、図10に示されるプロセスにより形成された基板に取り付けられ、ポリマおよびLNウェーブガイドを調整するために階層化され保持される。接着剤は例えばエポキシ材料である。これは、LNブロック540の下部表面に塗布され、好ましくはSiO薄膜530の表面に塗布される。
【0080】
本発明を利用することにより、スイッチング・マトリクスおよび2次元マイクロ光学要素を単一基板上に統合化することが可能になる。スイッチング・マトリクスは単独のブロック電気−光学材料より成り、これは入力チャネルに関する縦続的な光ビーム偏向素子、入力/出力偏向子間の信号の伝搬を妨害しない平板ウェーブガイド、および出力ウェーブガイドに再配信される信号を結合する出力偏向素子を有する。2次元マイクロ光学要素は、スイッチング・マトリクスの中におよび外に対して入力および出力ファイバを結合する光学ポリマ層より成る。本発明の原理は、電気−光学スイッチング原理に基づくものであり;このため、非常に高速のスイッチングを行う可能性がある(〜40Gb/s以上)。本発明の実施例により作成された2×2スイッチは、約50マイクロ秒より少ないスイッチング速度を有することが観測された。可動的なスイッチング部は存在せず;このため本発明は極めて高い耐久性および信頼性を有する。加熱する電極も存在しないので、熱を制御する問題も存在しない。本発明は、既存の半導体プロセス技術および装置と良好に両立することが可能であり、単一ブロックにおけるスイッチング・マトリクスは、多数のI/Oチャネルに関する偏向子を低コストで製造することを可能にする。複数のスイッチング装置が単一のウェファで製造され、低コストで高い歩留まりを得ることが可能である。
【0081】
光ファイバに対する断熱接続
 本発明の更なる実施例に関する図12A−15Dを参照するに、図12A−12Bには光ファイバを任意の適切な構造又は装置に接続する接続構造が描かれている。スイッチング装置に対する断熱接続の図12A−12Bの例は、例示的なものとして与えられる。徐々に幅が変化するテーパの付された(tapered)レンズ形状を有する接続構造は、コア直径7−9:mを有する標準的な光ファイバを、例えば1−5:mのコア膜厚を有するものより非常に薄いウェーブガイド膜を有する装置に接続することを要する任意の薄膜光学装置に応用可能である。スイッチングに加えて、それは、薄膜ウェーブガイドを介する平行光線の伝搬を含む任意の機能であり得る。それは、ビームの再配信、能動的な又は受動的なビーム分割、ビーム遮断、ビーム減衰、偏光機能等を包含するがこれらに限定されない。
【0082】
図12Aは、接続構造の平面図を示す。図12Bは、図12Aの接続構造の縦断面図を示す。図12A,12Bは、スイッチング装置全体の一部分のみ、より具体的には光スイッチング装置の1チャネルに関する一部分を示す。電極等のスイッチング機構の他の部分は、説明の便宜上、図12A,12B及び図12A,12B以降の図面にて省略されていることに留意を要する。
【0083】
図12A,12Bは、各々が共通コア層507を包含するチャネルウェーブガイド502及び平坦なマイクロレンズ503を示す。ウェーブガイド502は、光ファイバ500の開放端から発する光線に対する入力ポートとして使用される。ウェーブガイド502の開放端面は、クラッド層499により支持され光ファイバ500のクラッド層513により被覆されるコア層514の開放端面に直面する。マイクロレンズ503は、平行化(collimation)のために使用され、上述したように、ウェーブガイド502を介して、光ファイバ500のコア層514からの光線を、薄膜光学スイッチング装置504のコアに光学的に接続する。図12Aに示されるように、マイクロレンズ503により平行化され平行光線505に変換された光線は、装置504を通じて伝搬する。下部クラッド層506を包含するマイクロレンズ503及びウェーブガイド(WG)502は、共通基板512により直接的に支持される。下部クラッド層506は、適切な手段により共通基板512上に設けられる。コア層511、上部クラッド層510、及び基板509の階層を形成するために、コア層511呼び上部クラッド層510が基板509に形成される。形成された層構造はその後に180°回転させられ、コア層511が、図12Bに示されるように下部クラッド層506によって接して支持されるように設けられる。言い換えれば、コア層511及びクラッド層510が基板509に形成された後に、形成された構造が上下逆に動かされ又は回転させられ、コア層511を共通基板512上の下部クラッド層506に良好に接続する。コア層511の底面部は、図12Bに示されるように、マイクロレンズ503及びウェーブガイド502のコア層507の底面部の高さに揃えられる。コア層507は、上部クラッド層510aを支持する。
【0084】
図9−11に関して説明した製造プロセスは、図12A,12Bに示される構造に応用することが可能である。しかしながら、マイクロレンズ503及び平面ウェーブガイド502の共通コア層507の厚さは、コア層511の厚さより厚い。図9−11では、マイクロレンズのコア層の厚さと、共通ウェーブガイドのコア層の厚さとは実質的に等しい又は同一である。光ファイバ500及び光スイッチング装置の間の良好な効率的な接続を維持又は持続するために、ウェーブガイド502及びマイクロレンズ503のコア層507の厚さは、好ましくは、約2乃至約16μmの範疇にあり、より好ましくは約6乃至10μmの範疇にあり、これは、テレコミュニケーションに使用される標準的なシングルモード光ファイバ500のコア514の直径又は厚さが約9μmだからである。
【0085】
上述したように、LiNbO(LN)が光スイッチング装置のEO材料として使用される場合には、特にLN結晶のEO係数は比較的低いので、光学的用途に対してEO材料を効果的に機能又は動作させるために、上部及び下部電極間に例えば少なくとも200Vのような高い駆動電圧が必要とされる。従って、LiNbOがEO材料として使用される場合には、LiNbOの膜厚が可能な限り薄いことが望ましい。非常に薄いLNOが使用される場合には、Ti内部拡散コア層の高さが、2−5:mに低減され得る。この場合に、通常の9:mファイバを2−5:mのコアに接続することは、光学強度に対する非常に望まれない損失を招く虞がある。ここに開示されるテーパの付された接続構造は、接続効率を改善することが可能である。
【0086】
EO材料として、PLZT又はPZTのような更なる利用可能な材料が存在する。これらの材料は、LNのものより1桁大きく超えるEO係数と供に、優れたEO特性を示す。現在のところ、(例えば約3−4μmのような)約1乃至約5μmより厚い透明且つ結晶性のPLZTの成膜に適した技術はない。PLZT膜の透明性及び結晶性は、ウェーブガイド特性及びEO特性に好都合である。
【0087】
上述したように、テレコミュニケーションに使用される標準的なシングルモード光ファイバのコアの寸法は、約9μmの直径である。ウェーブガイド502及びマイクロレンズ503のコア層507の厚さは、光ファイバ500のコア層514のサイズに全体的に合わせるために、約6乃至約9μmの範疇であることが望ましい。従って、光ファイバ500からの光出力が、ウェーブガイド502及びマイクロレンズ503のコア層507内に及びそこを経由して伝搬し、コア層511の先端面に達する場合に、それは好ましくは薄いPLZT又はPZT膜より成り(例えば、約1乃至5μmの厚さであり、好ましくは約3μm乃至約4μmである)、コア層507及びコア層511の間の厚みの差(例えば1μm乃至10μm、好ましくは3μm乃至6μm)は、光の信号電力の大きな損失を招く。マイクロレンズ503のコア層507の端面と、コア層511の光の伝搬方向から見た先端面との間の差(ギャップ)は、レンズ−装置インターフェース(lens−device interface)として言及され得る。
【0088】
図13A,13Bを参照するに、光ファイバを適切な装置に接続するためにテーパのかけられた接続構造が示される。図13Aは、接続構造の平面図を示す。図13Bは、図13Aにおける13B−13B面に沿う矢線方向に関する、図13Aの接続構造の断面図を示す。図13A,13Bは、スイッチング装置全体の一部分のみを示し、光スイッチング装置の1チャネルに関する一部分のみを示す。説明の便宜上、電極のようなスイッチング機構の他の部分は図13A,13Bでは省略されている。図12A,12B及び図13A,13Bに使用される同一の参照番号は、同一の要素を示す。図13A,13Bに示される接続構造は、“ファイバ”−“チャネルWG”−“光学装置”の完全なシステムに関して低い光損失接続を可能にする。
【0089】
図13A,13Bに示されるように、標準的な平面チャネルウェーブガイド502及び平面マイクロレンズ503は、一方の側の共通の基板512上に設けられる下部クラッド層506上に設けられる。積層されたコア層511、上部クラッド層512及び基板509は、共通基板512の他方の側に設けられる。積層プロセスに関し、より具体的な製造プロセス、図9−11に関して説明されたプロセスがこの構造の積層プロセスに応用することが可能である。
【0090】
光ファイバ500は、共通基板512の一方側に配置される。光ファイバ500は、音声及びデータ通信に使用される標準的なシングルモード光ファイバである。光ファイバのコア514の直径は、好ましくは約9μmである。ウェーブガイド502のコア層507の厚さ(高さ)及び幅は、好ましくは約6乃至10μmである。光ファイバ500のコア514の形状は、円筒及び円形の断面である。図12A及び図13Aにおける光ファイバ500のコア層514の幅は、図12B及び図13Bの光ファイバ500のコア層514の高さと異なる点に留意を要する。光ファイバ500のコア層514の端面は、ウェーブガイド502のコア層507の先端面に直面するよう設けられ、図13A,13Bに図示されていない周知の位置決め手段により、コア層514の端面全体を、コア層507の先端面の領域により実質的に網羅するようにする。
【0091】
図13A,13Bでは、第1平行化レンズとしてのマイクロレンズ503に加えて、第2平行化レンズ520が設けられている。図13A,13Bにおける平行化システムは、入力チャネルウェーブガイド502、第1平行化レンズ503及び第2平行化レンズ520の3つの部分より成る。コア層507のRIより僅かに低いRIを有する屈折率(RI)整合流体又はゲル522は、図示されているように設けられ、光線505が伝搬するインターフェースからの後方反射を低減させる。2つのレンズ503,520の組は、光線505の更なる効果的な平行化のための全体の曲率を増加させる。
【0092】
ウェーブガイド502、第1平行化レンズ503、第2平行化レンズ520の製造に使用される材料は、感光性の又は通常のポリイミド又はエポキシ若しくはシリカのような適切な任意の材料であり得る。使用される材料が光学的に規定可能である(photodefinable)ならば、これらの要素502,503,520の形状、外形又は輪郭は、フォトリソグラフィ及び現像工程により直接的に形成される。材料が光学的に規定可能でないならば、最初にフォトレジスト層がパターニングされ、その後にそのパターンをコア及びクラッド層を含むそれらの要素に写すためにエッチングプロセスが行われる。
【0093】
第2レンズ520のコア層507は、テーパの付された面520aを有する。テーパの付された面520aは第2レンズ520に設けられ、第2レンズ520のコア層507の上部表面が、コア層507の底面に向かって下側に傾斜する又はテーパがかけられるようにする。言い換えれば、コア層507は、光線505の伝搬方向に関して、第2平行化レンズ520の入力側から第2平行化レンズの出力側に向けて約10度(好ましくは、約1−5度)の角度で下降しながら傾斜する。第2平行化レンズ520にテーパの付された面520aを設けることで、コア層507aの厚さは、約1μm乃至約6μmの範疇にあり、より好ましくは約2μm乃至約5μmの範疇にあり、最も好ましくは約3μm乃至約4μmの範疇にある。従って、第2平行化レンズ520のコア層507は、第2平行化レンズ520の入力端にて約6−10μmの厚さから、約3μm乃至4μmの厚さのコア層507aに減少させられる。
【0094】
図13Aに示されるように、第2平行化レンズ520はテーパの付された表面520aが形成される場所では湾曲していないので、テーパの付された表面520aは、光スイッチング装置のチャネル方向に非常に一様に形成され得る。
【0095】
例えば10μmのような大きな厚さから約3−4μのような薄い厚さに第2平行化レンズ520のコア層507にテーパをかけることで、第2平行化レンズ520のコア層507を通じて伝搬させながら、光学モードフィールド直径を連続的に減少させることが可能になる。テーパの付された表面520aの形状は、具体的な事例毎に個々に合わせて設計されるべきであり、第2平行化レンズ520及びウェーブガイド502のコア層507の初期の及び最終の厚さを考慮すべきである。
【0096】
テーパの付されたウェーブガイドの形状に関する説明は上述の通りであるが、いくつかの文献にも開示されている(例えば、C.T.Lee et al.,Journal of Lightwave Technology 15(1997)403;H.S.Kim et al.,IEEE Journal of Quantum Electronics 29(1993)1158;Y.Shani et al.,IEEE Journal of Quantum Electronics 27(1991)556)。非常に急峻なテーパは、高い放射損失を招く虞があるので、所望の結果は得られないであろう。好適実施例では、コア層507のテーパは断熱的(adiabatic)であり、これは、システムの光学モードの占有度(occupation)が、ウェーブガイド構造が変化しても変化しないことを意味する。第2平行化レンズ520のコア層507のテーパ520aの形状に採用され得るいくつかのテーパ形状が存在する。1つの例は放物線状のテーパ形状である。これは、大きな直径から小さなものへのモードのほとんど断熱的な遷移を与え得る。線形な長い傾斜であっても、実質的な光放射なしにモード直径を減少させ得る。約9−10μm乃至約3−4μmのモードフィールドサイズ(目下の例における高さ)の断熱的な減少を可能にするテーパ表面520aの長さは、約30μm乃至140μmの範疇にあり、より好ましくは約50μm乃至約100μmの範疇にある。
【0097】
テーパ表面520aを形成することは、いくつかの技術により実現され得る。1つの技術は、光パターニング可能な材料及びグレイスケール(gray−scale)マスクを利用することである。グレイスケールマスクは、テーパの形状を光学的に規定することの可能な薄膜層に転写させ得る所与の光学密度特性を有し得る。マイクロレンズのコア層に関する材料が光学的に規定できない場合は、フォトレジスト層から材料へのパターン転写は、ドライエッチングを利用することによって実現され得る。この場合に、テーパのパターンが最初にフォトレジスト層に形成され、フォトレジスト及び下部材料層の間で充分に調整されたエッチ選択性を有するドライエッチがそれに続く。
【0098】
図14A−14Dは、テーパ構造の作成に関するプロセスフローを示し、より具体的にはコア層の光学的に規定可能な材料に関するプロセスを示す。図14Aに示されるように、クラッド層506が共通基板512に堆積された後に、チャネルウェーブガイド502のコア層のための光学的に規定可能な材料507b、第1平行化レンズ503及び第2平行化レンズ520がクラッド層506上に堆積される。クラッド層506は、具体的な要請に応じて、ポリマ材料又はシリカ材料等とすることが可能である。
【0099】
その後に、チャネルウェーブガイド502、第1平行化レンズ503及び第2平行化レンズ520に関するパターンを有するグレースケールマスク(図示せず)に光が露光される。そして、光学的に規定可能な材料507bがエッチングされ、チャネルウェーブガイド502、第1平行化レンズ503及び第2平行化レンズ520が図14Bに示されるように形成される。ここで、グレースケールマスクは、テーパ表面520aの形状に対応するグレイスケールパターンを包含する。グレイスケールパターンは、光スイッチング装置のチャネル内の光ファイバから到来する光の伝搬方向におけるパターン部分の位置変化に応じて、光学的透明性が徐々に変化するような特性を有するパターンである。グレイスケールパターンを利用することで、図14Bに示されるように、第2平行化レンズ520のコア層507と供にコア層507のテーパ表面520aが形成される。
【0100】
その後に、上部クラッド層510aの材料530は、図14Cに示されるようにして堆積され、テーパに関するグレイスケールを除いて、下部のウェーブガイド及びレンズと同一パターンを有する通常の2値マスクを利用してパターニングされる。材料530は光に露光される。最終的に、材料530はエッチングされ、上部クラッド層510aが図14Dに示されるようにコア層507に形成される。コア層507及び上部クラッド層510aの間でのマスク工程を回避するために、上部クラッドマスク及びコア層マスクは整合されていることが望ましい点に、留意すべきである。
【0101】
明らかに、図14A−14Bに関して説明したプロセスは、図9−11に関して説明した製造プロセスの一部に類似している。それらの間の差異は、コア層507に関するマスクにある。すなわち、テーパ構造を有する光スイッチング装置は、共通ウェーブガイドに対してより薄いコア層を利用する点を除いて、図1−12に説明及び図示された構造に容易に適用可能である。
【0102】
図15A−15Dは、テーパ構造520aを包含するテーパ構造を製造するための他のプロセスを示す。図15Aに示されるように、クラッド層506が共通基板506に堆積された後に、チャネルウェーブガイド502のコア層507に関する材料507b、第1平行化レンズ503及び第2平行化レンズ520がクラッド層506に堆積される。クラッド層506は個々の要請に応じてポリマ材料又はシリカ材料等より成る。テーパ表面520aに関するパターンを有するグレイスケールマスクにより、材料507bが露光される。そして、材料507bがエッチングされ、テーパ表面520aを包含する図15Bのテーパ構造が形成される。続いて、クラッド層510aに関する材料530がコア層507b上に堆積される。チャネルウェーブガイド502、第1平行化レンズ503及び第2平行化レンズ520の形状は、上部クラッド層508a及びコア層507bを通じたドライエッチングによって形成される。エッチングされる界面が円滑になるように、エッチングプロセスは最適化されるべき点に留意すべきである。
【0103】
或いは、光ファイバから薄膜光学装置への平行化光線の低損失接続を可能にするために、光ファイバに、3−4μmの直径を有するテーパの付された端部、及び3−4μmの厚さ及び3−4μmの幅を有するより短いチャネルウェーブガイド及びマイクロレンズが備えられる。更に、マイクロレンズのコア層から共通ウェーブガイドへの光電力を収集する手段のように、プリズム又は格子(grading)が、マイクロレンズのコア層及び共通ウェーブガイドのコア層の間に設けられ得る。光ファイバのテーパの付されたコア層、テーパの付された平行化レンズ、プリズム及び格子は、共通ウェーブガイドのコア層が、約3−4μmの膜厚であることを可能にする又は約3−4μmの膜厚のPLZT,PZTであることを可能にする手段として機能する。従って本発明の実施例によれば、PLZT又はPZTが光スイッチング装置のEO材料として使用され得る。
【0104】
本発明は、本明細書に記載された実施例および変形例に限定されない点に留意を要する。本発明の精神および範囲から逸脱することなしに、修正および変形が当業者によりなされ得る。さらに、本発明の範囲から逸脱することなしに、本発明の実施例に関する任意の1つ又はそれ以上の特徴を、本発明の他の実施例の任意の1つ又はそれ以上の特徴と結合させることも可能である。
【0105】
以下、本発明の教示する手段を列挙する。
【0106】
(付記1) 第1の厚さを有する第1コア層と、前記第1コア層の前記第1の厚さより薄い第2の厚さを有する第2コア層と、前記第1コア層及び前記第2コア層の間に設けられたテーパの付されたコア層とを有することを特徴とする光スイッチモジュール。
【0107】
(付記2) 前記テーパの付されたコア層のテーパ表面が、前記第1コア層の端部から前記第2コア層の端部に向けて伸びることを特徴とする付記1記載の光スイッチモジュール。
【0108】
(付記3) 前記第1コア層が、前記光ファイバのコア層であることを特徴とする付記1記載の光スイッチモジュール。
【0109】
(付記4) 前記テーパの付されたコア層が、前記第1コア層及び前記第2コア層に全体的に(integrally)隣接することを特徴とする付記1記載の光スイッチモジュール。
【0110】
(付記5) 更に、前記光ファイバ及び前記第2コア層の間に設けられた平面状のマイクロレンズを有する光スイッチより成ることを特徴とする付記1記載の光スイッチモジュール。
【0111】
(付記6) 第1の厚さを有する第1コア層と、前記第1コア層に接続され前記第1の厚さより薄い第2の厚さを有する第2コア層とを有することを特徴とする、光ファイバを光学装置に光学的に接続する光スイッチモジュールであって、コア層を有し、前記光ファイバ及び前記第2コア層の間に設けられた平面状のマイクロレンズを有することを特徴とする光スイッチモジュール。
【0112】
(付記7) 更に、前記第1コア層及び前記第2コア層の間に設けられたテーパの付されたコア層より成り、前記テーパの付されたコア層のテーパが、前記第1コア層から前記第2コア層に下降していることを特徴とする付記6記載の光スイッチモジュール。
【0113】
(付記8) 光ファイバから発する光線が入力される第1コア層を有するウェーブガイド;
前記ウェーブガイドに入力された光線を平行化する第2コア層を有するレンズ;
平行化された光線が伝搬する第3コア層を有するウェーブガイド;
平行化された光線を偏向させる光偏向器;及び
前記第3コア層がPLZT又はPZT薄膜であることを可能にする手段;
を有することを特徴とする光スイッチング装置。
【0114】
(付記9) 前記手段が、前記第1コア層及び前記第2コア層の間に設けられたテーパの付されたコア層より成り、前記テーパの付されたコア層のテーパが、前記第1コア層から前記第2コア層に下降していることを特徴とする付記8記載の光スイッチモジュール。
【0115】
(付記10) a) 基板に第1クラッド層を堆積する工程;
b) 前記第1クラッド層にコア層を堆積する工程;
c) 前記コア層に、断熱的な構造を有するコア層を設けるために傾斜した表面を形成する工程;及び
d) 前記コア層上に第2クラッド層を堆積する工程;
より成ることを特徴とする、断熱接続構造を有する光スイッチモジュールを製造する方法。
【0116】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、光スイッチモジュールを示す概略図である。
【図2】図2は、光スイッチモジュールの部分的な詳細図を示す。
【図3】図3は、光スイッチモジュールの部分的な詳細図を示す。
【図4A】図4Aは、プリズム対の光の偏向の様子を示す概略図である。
【図4B】図4Bは、プリズム対の光の偏向の様子を示す概略図である。
【図4C】図4Cは、プリズム対の光の偏向の様子を示す概略図である。
【図5】図5は、2対2チャネル光スイッチモジュールを示す図である。
【図6】図6は、光スイッチモジュールを利用する光信号スイッチング装置を示す図である。
【図7】図7は、図6に示される光信号スイッチング装置の概略図を示す。
【図8】図8A及び8Bは、光コネクタの構造を示す図である。
【図9A】図9Aは、一体化された(2×2)交差接続光スイッチの一実施例に関する平面図を示す。
【図9B】図9Bは、一体化された(2×2)交差接続光スイッチの一実施例に関する側面図を示す。
【図9C】図9Cは、図9A及び9Bの光スイッチの他の実施例に関する側面図を示す。
【図9D】図9Dは、交差接続光スイッチの他の実施例に関する側面図を示す。
【図9E】図9Eは、交差接続光スイッチの他の実施例に関する平面図を示す。
【図10】図10A−10Eは、偏向装置が搭載される基板のプロセスフローを示す図である。
【図11】図11A−11Fは、偏向装置を製造するプロセスフローを示す図である。
【図12A】図12Aは、光ファイバを光学装置に接続する構造の平面図を示す。
【図12B】図12Bは、図12Aの12B−12B線に沿う矢線方向に関する縦断面図を示す。
【図13A】図13Aは、光ファイバを光学装置に接続するテーパの付されたレンズに関する構造の平面図を示す。
【図13B】図13Bは、図13Aの13B−13B線に沿う矢線方向に関する縦断面図を示す。
【図14】図14A−14Dは、テーパの付された構造を製造するためのプロセスフローを示す図である。
【図15】図15A−15Dは、テーパの付された構造を製造するための他のプロセスフローを示す図である。
【符号の説明】
8 (2×2)スイッチング装置
10 装置のスイッチング部
12 LNブロック
14 ウェーブガイド
16a1,16a2,16b1,16b2 コンタクト・パッド
18a1,18a2,18b1,18b2 上部電極
30 基板
32 下部クラッド・ポリマ層
34a1,34a2,36b1,36b2 底部電極
38a 下部クラッディング層
38b 上部クラッディング層
38c ウェーブガイドの第2層
40 ポリマ・ウェーブガイド・コア
42a 下部クラッド・ポリマ層
42b 上部クラッド・ポリマ層
44a,44b,46a,46b 調整フレーム
84a1,84a2,84b1,84b 底部コンタクト・パッド
91 凹部
98 基板
100 光学的スイッチ・モジュール
101入力側光学ウェーブガイド部
101a1,101a2 ウェーブガイド
102 入力側コリメータ部
102a1,102a2 マイクロレンズ
103 偏向部
103a1,103a2,105a1,105a2 偏向素子
103p,105p プリズム対
104 共通光学ウェーブガイド部
105a 光偏向素子
106 照準部
106a 照準レンズ
107 外部光学ウェーブガイド部
107a 光学ウェーブガイド
107b クラッド層
113a,113b,115a,115b 光偏向素子
116a,116b 照準レンズ
117a,117b 光ウェーブガイド
130 光スイッチ・モジュール
131 AWG光ディバイダ
132a,132b,132c 光スイッチ・モジュール
133 光学素子
134 光学増幅器
135,136 光コネクタ
140 基板
141 レンズ
150 光信号スイッチング装置
400 シリコン・ウェファ
410 下部クラッディング層
420 凹部
430 コア・ポリマ層
500 LNウェファ
502 チャネルウェーブガイド
503 平面状のマイクロレンズ
504 スイッチング装置
510 上部クラッディング層
511 コア層
512 共通基板
514 コア層
520 平行化レンズ
522 屈折率適合化流体
530 SiO薄膜
540 LNブロック
550 金属層

Claims (8)

  1. 第1の厚さを有する第1コア層と、前記第1コア層の前記第1の厚さより薄い第2の厚さを有する第2コア層と、前記第1コア層及び前記第2コア層の間に設けられたテーパの付されたコア層とを有することを特徴とする光スイッチモジュール。
  2. 前記テーパの付されたコア層のテーパ表面が、前記第1コア層の端部から前記第2コア層の端部に向けて伸びることを特徴とする請求項1記載の光スイッチモジュール。
  3. 前記第1コア層が、前記光ファイバのコア層であることを特徴とする請求項1記載の光スイッチモジュール。
  4. 更に、前記光ファイバ及び前記第2コア層の間に設けられた平面状のマイクロレンズを有する光スイッチより成ることを特徴とする請求項1記載の光スイッチモジュール。
  5. 第1の厚さを有する第1コア層と、前記第1コア層に接続され前記第1の厚さより薄い第2の厚さを有する第2コア層とを有することを特徴とする、光ファイバを光学装置に光学的に接続する光スイッチモジュールであって、
    コア層を有し、前記光ファイバ及び前記第2コア層の間に設けられた平面状のマイクロレンズを有することを特徴とする光スイッチモジュール。
  6. 更に、前記第1コア層及び前記第2コア層の間に設けられたテーパの付されたコア層より成り、前記テーパの付されたコア層のテーパが、前記第1コア層から前記第2コア層に下降していることを特徴とする請求項5記載の光スイッチモジュール。
  7. 光ファイバから発する光線が入力される第1コア層を有するウェーブガイド;
    前記ウェーブガイドに入力された光線を平行化する第2コア層を有するレンズ;
    平行化された光線が伝搬する第3コア層を有するウェーブガイド;
    平行化された光線を偏向させる光偏向器;及び
    前記第3コア層がPLZT又はPZT薄膜であることを可能にする手段;
    を有することを特徴とする光スイッチモジュール。
  8. a) 基板に第1クラッド層を堆積する工程;
    b) 前記第1クラッド層にコア層を堆積する工程;
    c) 前記コア層に、断熱的な構造を有するコア層を設けるために傾斜した表面を形成する工程;及び
    d) 前記コア層上に第2クラッド層を堆積する工程;
    より成ることを特徴とする、断熱接続構造を有する光スイッチモジュールを製造する方法。
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