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JP2004003996A - 管体の超音波探傷検査方法および装置 - Google Patents

管体の超音波探傷検査方法および装置 Download PDF

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JP2004003996A JP2003076259A JP2003076259A JP2004003996A JP 2004003996 A JP2004003996 A JP 2004003996A JP 2003076259 A JP2003076259 A JP 2003076259A JP 2003076259 A JP2003076259 A JP 2003076259A JP 2004003996 A JP2004003996 A JP 2004003996A
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Abstract

【課題】簡易な手段によって隠蔽部の探傷検査にも適用することができ、管体の周方向に探触子を走査させることなく容易に全周検査することのできる管体の超音波探傷検査方法を提供する。
【解決手段】超音波であるSH波を発振することのできる超音波探触子11を管体12の外周面13に接触させてSH波15を管体12に入射し、管体12に存在する欠陥16からの反射波を超音波探触子11によって検出する。探傷検査に用いられるSH波15は、管体12への入射位置14から探触子距離L1がおおよそ600mm以上では管体12の全周にほぼ均一な音圧分布で伝播されるので、超音波探触子11を管体12の周方向に走査させることなく管体12の全周を探傷検査することができる。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波を用いて管体の減肉を診断する管体の超音波探傷検査方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
管体の1種である鋼管は、気密性および液密性と強度とに優れるので、気体または液体の搬送管路として多用されている。鋼管の長さは有限であるので、鋼管は溶接接合または管継手などによって接続されて配管され、管路を形成する。配管施工時において、管継手であれば接続部の漏洩検査が行われ、溶接接合であれば接続部の探傷検査が行われる。このように配管施工途中であり、探傷検査部位が露出している場合、たとえば溶接部に発生する欠陥については、表面欠陥であれば浸透探傷検査、内部欠陥であれば放射線探傷検査などによって検査することができ、検査によってその健全性を確保することが可能である。
【0003】
しかしながら、配管施工後、特に隠蔽されてしまう部位に発生する欠陥、たとえば腐食欠陥などについては、その探傷検査を行うことは容易ではない。図23は、河川に対する架管の1例を示す図である。河川1を跨いで配管されるとき、管体2は橋台3によって支持されて架管部を構成し、橋台3に関して架管部と反対側の管体2は、たとえば堤を構成する土中4に埋設される。土中4に埋設される管体2のうち、特に屈曲部を形成するエルボ5が溶接接合された接続部6(溶接線)を含む管体部分などは、さや管7と呼ばれる保護管に挿通された後、埋設されることが多い。
【0004】
さや管7の開口部9付近においてさや管7と管体2との間に形成される隙間には、シール部材8が設けられ、シール部材8によって前記隙間に対する異物の侵入を防止している。このように設けられるシール部材8と管体2の外周とによって形成されるわずかな隙間に大気中の水分や雨水が侵入することによって、いわゆる気水状態が形成されて隙間腐食などの欠陥10が発生することがある。また溶接接合された接続部6には、溶接後わずかに残留したスラグなどと管体2外周面をなす溶接金属部とによって形成されるわずかの隙間に空気中の微量水分が侵入し、隙間腐食や孔食などの欠陥10の発生することがある。
【0005】
隙間腐食のような欠陥10は、配管施工直後に発生するのではなく、ある程度時間が経過した後に発生し、その発生個所は、往々にして橋台3を形成するコンクリートを貫通する部分や土中といった隠蔽部であることが多い。したがって、腐食欠陥10を前述のような浸透探傷検査や放射線探傷検査によって検出しようとすれば、コンクリートをはつりまたは埋設部の土を除去して検査対象部位を露出させなければならず、多大な労力と費用とを要する。さらに露出させた検査対象部位と腐食欠陥10の位置とが、一致するとは限らないという問題がある。
【0006】
また管体は、前述のように気体または液体の搬送管路として用いられるので、たとえば腐食欠陥などが管体の厚みを貫通し、管体内部の気体または液体の漏洩することを厳に防止しなければならない。したがって、管体の探傷検査では、欠陥の検出にとどまらず、その欠陥深さをも検出し、管体の厚み減少いわゆる減肉の程度を診断することが、配管施工された管体の保守管理上における重要な課題となっている。しかしながら、管体の探傷検査では、前述のように隠蔽部に存在する欠陥の検出そのものが難しく、さらなる減肉の診断に対して有効に適用し得る探傷検査方法は確立されていないのが実情である。
【0007】
このような問題に対応する従来技術に、たとえばガイド波(円筒波)と呼ばれる超音波を用いて管体を探傷検査することのできる装置がある。この装置は、管体の管軸方向に比較的長い距離離隔して存在し、また隠蔽部に存在する欠陥の探傷検査をすることができるけれども、装置の容積が大きいので、一般的な配管の探傷検査が行われるような狭い作業容積では装置を収容することができず適用不能であり、また配管に存在する欠陥の断面欠損率が3%以上でないと検出することができないという特性を有するので、たとえば腐食発生初期のような微細欠陥の検出が不能であるという問題がある。
【0008】
また1次元的に長い距離を探傷することのできる従来技術の探傷検査方法として板波探傷検査方法が知られている。板波探傷検査方法では、超音波の1種である板波(ラム波)が用いられる。このラム波は、予め定められる音波の放射方向に直交する横方向には音波のエネルギがほとんど散らないで、前記予め定められる方向に音波のエネルギがほぼ集中して伝播する特性を有する種類の超音波である。ラム波は、板に沿って予め定められるほぼ1方向に伝播するので、たとえば被検査体が長手方向に走行する薄鋼帯であれば、走行方向に直交する薄鋼帯幅方向の一端部から板波を入射することによって、薄鋼帯の幅方向全断面と、走行する長手方向の全長とを容易に探傷検査することができる。
【0009】
前述のような利点を有するラム波であるけれども、ラム波を管体の探傷検査に用いるには以下のような問題がある。ラム波は、薄板の表裏面において反射を繰返しながら伝播する際、反射によって縦波(P波)と横波(S波)の1種であるせん断垂直(SV:Shear Vertical)波との混合モードになって伝播する。したがって、無作為にラム波を薄板に入射させると、P波とSV波とが干渉し合って減衰してしまうので、板波探傷検査の実施に際しては、ラム波が減衰しにくいような特定の入射角度が選択される。なお、P波とは、音波の進行方向と振幅方向とが一致する波であり、S波とは、音波の進行方向と振幅方向とが直交する波である。SV波とは、S波の1種であり、音波の振幅方向が被検査体の探傷表面と垂直になる波である。
【0010】
薄鋼帯のような単純な形状であり単に表裏面における反射を繰返すのみで進行させることができる被検査体の場合には、特定の入射角度を選択することによってラム波のエネルギの減衰を抑制することができるけれども、管体のように表裏面が湾曲している場合には、ラム波の表裏面における反射が薄鋼帯に比べて複雑になるので、P波とSV波とが干渉し合いエネルギの減衰が生じて長い距離の探傷検査ができなくなるという問題がある。またラム波は1方向に集中して伝播するので、探傷検査できるのは伝播する1方向のみである。したがって、管体の全周を探傷検査するためには、探触子を管体の周方向に全周走査させなければならないので、探傷検査時の走査が複雑になり検査者の技能によって検査結果が左右されるという問題もある。
【0011】
前述のような問題を有するガイド波やラム波に代わり、隠蔽部に存在する欠陥を探傷検査する従来技術の一つに、横波の1種であって被検査体の表面層のみを伝播する表面SH(Shear Horizontal:せん断水平)波を用いて、鋼板面上に鉄筋をフレア溶接した溶接部における不溶着部を検出し、溶接部の溶込量を測定するというものがある(特許文献1参照)。SH波とは、S波の1種であり、音波の振幅方向が被検査体の探傷表面と平行になる波である。
【0012】
しかしながら、特許文献1に開示される技術は、鋼板面上に鉄筋をフレア溶接した溶接部における不溶着部、すなわち鋼板表面の非溶融部を検出するという極めて検出の容易な欠陥を対象とした超音波探傷検査方法であり、管体の保守管理にとって最も重要な減肉診断に係る技術を開示するものではなく、また示唆もしていない。
【0013】
【特許文献1】
特開平9−80031号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、簡易な手段によって管体の隠蔽部の探傷検査に適用することができ、特に路程の長い場合には管体の周方向に探触子を走査させることなく全周検査することのできる管体の超音波探傷検査方法を提供することである。
【0015】
また本発明のもう一つの目的は、管体の減肉量、たとえば腐食深さの推定を可能にする管体の超音波探傷検査方法および装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、超音波を用いて管体の減肉を診断する管体の超音波探傷検査方法であって、
超音波であるせん断水平波を発振することのできる超音波探触子を準備し、
超音波探触子と管体との接触部からせん断水平波を管体に入射し、
管体の外周面に存在する欠陥からの反射波を超音波探触子によって検出して探傷検査することを特徴とする管体の超音波探傷検査方法である。
【0017】
本発明に従えば、せん断水平波を発振する超音波探触子を管体の外周面に接触させてせん断水平波を管体に入射し、欠陥からの反射波を超音波探触子で検出することによって、管体を探傷検査することができる。超音波探傷検査に用いられるせん断水平波は、光が鏡によって反射するように、何度反射を繰返してもせん断水平波がせん断水平波として反射し、P波が発生することがない。したがって、せん断水平波は、異なる種類の音波が干渉し合ってエネルギ減衰を生じることがないので、長い管体の探傷検査に好適に用いることができる。
【0018】
せん断水平波を用いる超音波探傷は、せん断水平波を発振することのできる超音波探触子を準備することによって、垂直探傷や斜角探傷と同様のコンパクトで簡易な構成で探傷検査をすることができ、ガイド波を用いる探傷検査のような大掛かりな装置を必要としない。また超音波であるせん断水平波を、管体へ入射させ、隠蔽部に対しても容易に送達させることができる。入射されたせん断水平波は、ラム波に比べると管体中における減衰が小さいので、隠蔽部に存在するたとえば腐食欠陥からの反射波を、充分な音圧で検出することが可能になる。
【0019】
また本発明は、超音波を用いて管体の減肉を診断する管体の超音波探傷検査方法であって、
超音波であるせん断水平波を発振することのできる超音波探触子を準備し、
超音波探触子と管体との接触部からせん断水平波を管体に入射し、
管体の外周面に存在する欠陥からの反射波を超音波探触子によって検出し、
超音波探触子を管体の周方向に走査させることなく管体の全周を探傷検査することを特徴とする管体の超音波探傷検査方法である。
【0020】
本発明に従えば、せん断水平波を発振する超音波探触子を管体の外周面に接触させてせん断水平波を管体に入射し、欠陥からの反射波を超音波探触子で検出することによって、超音波探触子を管体の周方向に走査させることなく管体の全周を検査することができる。せん断水平波は、ラム波などと同様に被検査体の表面付近を伝播し易い音波であるので、1方向にのみエネルギが集中して伝播すると考えられていたけれども、このせん断水平波を筒状である管体の探傷検査に適用するとき、管体への入射位置からある程度の距離を離隔した位置では、管体の全周にほぼ均一なエネルギ分布で伝播させることができる。したがって、せん断水平波を発振することのできる超音波探触子を用いるという簡易な手段によって、超音波探触子を管体の周方向に走査させることなく1方向に長い管体の全周を検査することが可能になる。
【0021】
また本発明は、前記超音波探触子に備わる振動子の発振周波数が0.5〜5MHzであり、寸法が5×5〜20×20mmであり、前記超音波探触子から前記管体へのせん断水平波の入射角度が、60〜90度であることを特徴とする。
【0022】
本発明に従えば、超音波探触子の振動子の発振周波数が好適な範囲に選択されるので、精度および感度よく欠陥の検出をすることができる。また振動子の寸法が好適な範囲に選択されるので、被検査体が管体のように外周面に曲率を有するものであっても、効率よくせん断水平波を入射させることができる。またせん断水平波は、入射角度が60〜90度で管体に入射される。このことによって、60度未満の小さい角度で入射されるよりも、管体の内外周面における反射によるエネルギの減衰を小さく抑制することができるので、せん断水平波の入射位置から長い距離を離隔した位置にある欠陥も感度よく検出することができる。
【0023】
また本発明は、前記管体の外周面に物理的拘束が無いとき、または前記管体の外周面にゴム、布、ジュート、ヤーン、木材、樹脂、ウレタンおよび発泡スチロールからなる群より選ばれる1または2以上による物理的拘束が有るとき、
前記超音波探触子に備わる振動子の発振周波数が0.5〜1MHzであり、寸法が10×10〜20×20mmであり、前記超音波探触子から前記管体へのせん断水平波の入射角度が、80〜90度であることを特徴とする。
【0024】
本発明に従えば、管体の外周面に物理的拘束が無いとき、または管体の外周面に密度ρ、音速c、音響インピーダンスz(=ρc)の小さいゴム、布、ジュート、ヤーン、木材、樹脂、ウレタンおよび発泡スチロールからなる群より選ばれる1または2以上による物理的拘束が有るとき、超音波探触子に備わる振動子の発振周波数が0.5〜1MHz、寸法が10×10〜20×20mm、超音波探触子から管体へのせん断水平波の入射角度が80〜90度になるように設定される。
【0025】
前述のように管体の外周面に物理的拘束が無いか、または管体の外周面に物理的拘束が有るけれどもその材質の密度ρ、音速c、音響インピーダンスzが小さいと、管体の外周面と物理的拘束部材との界面、または管体の外周面とその外方空間との界面におけるせん断水平波の反射率が高い状態である。このような状態で、管体の外周面に欠陥が存在するとき、管体の外周面におけるせん断水平波の欠陥識別性に対して、物理的拘束部材の存在がほとんど影響を及ぼすことがないので、せん断水平波の管体に対する入射角度を、管体の外周面近傍の表層部のみを伝播し、ほぼ表面波となる角度80〜90度にしても欠陥の検出精度を高くすることができる。せん断水平波をほぼ表面波としても欠陥の検出精度を高く保持できるので、せん断水平波の周波数を減衰しにくい0.5〜1MHzの範囲にし、発振音圧を大きくすることができるように振動子の寸法を10×10〜20×20mmの大きめにして、欠陥の検出感度も高くすることができる。
【0026】
また本発明は、前記管体の外周面にモルタル、コンクリートおよび樹脂モルタルからなる群より選ばれる1または2以上による物理的拘束が有るとき、
前記超音波探触子に備わる振動子の発振周波数が1〜5MHzであり、寸法が5×5〜10×10mmであり、前記超音波探触子から前記管体へのせん断水平波の入射角度が、60〜80度であることを特徴とする。
【0027】
本発明に従えば、管体の外周面に密度ρ、音速c、音響インピーダンスzの大きいモルタル、コンクリートおよび樹脂モルタルからなる群より選ばれる1または2以上による物理的拘束が有るとき、超音波探触子に備わる振動子の発振周波数が1〜5MHz、寸法が5×5〜10×10mm、超音波探触子から管体へのせん断水平波の入射角度が、60〜80度に設定される。前述のように管体の外周面に物理的拘束が有り、その材質の密度ρ、音速c、音響インピーダンスzが大きいと、管体の外周面と物理的拘束部材との界面におけるせん断水平波の反射率が低い状態である。
【0028】
このような状態で、せん断水平波を表面波として管体に入射すると、管体の外周面において、物理的拘束部材を設けた部位と、設けていない部位との界面反射率の差違が大きくなるので、前述の両部位の境界からの反射波を検出し、管体の外周面に存在する欠陥の識別性、すなわち検出精度が低下する。したがって、せん断水平波の管体に対する入射角度を、管体の外周面に存在する欠陥の検出精度に優れる角度60〜80度にし、せん断水平波の周波数を検出精度の高い1〜5MHzの範囲にすることによって、検出精度を向上する。振動子寸法は、操作性を向上して検出精度を高める観点から5×5〜10×10mmと小さめであることが好ましい。
【0029】
また本発明は、前記超音波探触子から前記管体へせん断水平波が入射される位置と、前記管体の探傷検査されるべき位置との距離が、600mm以上設けられることを特徴とする。
【0030】
本発明に従えば、管体へせん断水平波が入射される位置と、管体の探傷検査されるべき位置との距離が、600mm以上設けられる。前記距離が600mm以上設けられる位置では、管体に入射されたせん断水平波が管体の全周にほぼ均一なエネルギ分布で伝播するので、超音波探触子を管体の周方向に走査することなく、管体全周の探傷検査をすることができる。
【0031】
また本発明は、前記管体の外径が170mm以下であるとき、
前記超音波探触子は、前記管体の外周面との接触面が、前記管体の外径と等しい曲率を有する曲面に加工されることを特徴とする。
【0032】
本発明に従えば、管体の外径が170mm以下であるとき、超音波探触子は、管体の外周面との接触面が、管体の外径と等しい曲率を有する曲面に加工される。このことによって、管体の外径が小さい場合、超音波探触子のせん断水平波を発振して管体に入射させる面と、管体の外周面との接触面積を充分に広く確保して、大きな音圧のせん断水平波を管体に入射させることができるので、高い感度で探傷検査することが可能になる。
【0033】
また本発明は、せん断水平波を発振するべく前記超音波探触子に備わる振動子に印加される電圧波形は、スパイク波または矩形波であることを特徴とする。
【0034】
本発明に従えば、超音波探触子に備わる振動子に印加される電圧波形には、スパイク波または矩形波が用いられる。このことによって、せん断水平波による探傷検査の感度を高くすることができる。なお、電圧波形には、矩形波がより好適に用いられる。
【0035】
また本発明は、超音波であるせん断水平波を発振することのできる超音波探触子を準備し、超音波探触子と管体との接触部からせん断水平波を管体に入射し、管体の外周面に存在する欠陥からの反射波を超音波探触子によって検出して管体の減肉を診断する管体の超音波探傷検査方法において、
前記欠陥からの反射波の強さを、前記管体中のせん断水平波の減衰率と前記欠陥からの反射波の現れる路程とを用いて補正することによって、反射波の相対強さを求め、
該反射波の相対強さから、予め作成した反射波の相対強さと管体外周面における欠陥深さとの関係に基づいて、管体の減肉値である欠陥深さを推定することを特徴とする管体の超音波探傷検査方法である。
【0036】
本発明に従えば、管体に存在する欠陥からの反射波の強さを、管体中のせん断水平波の減衰率と、欠陥からの反射波の現れる路程とを用いて補正することによって、反射波の相対強さを求め、反射波の相対強さから、予め作成した反射波の相対強さと管体外周面における欠陥深さとの関係に基づいて、管体の減肉値である欠陥深さを推定する。このことによって、管体のたとえば腐食寿命を精度良く把握することができるので、管体の補修または交換時期をタイムリーに策定し、無駄のない保守管理を実現することができる。さらに、管体の補修または交換をタイムリーに行なうことによって、漏洩事故を未然に防止することが可能になる。
【0037】
また本発明は、前記反射波の相対強さから、予め作成した反射波の相対強さと管体外周面における欠陥深さとの関係に基づいて推定される欠陥深さを、
前記超音波探触子を前記管体の周方向に走査させることによって得られる欠陥の周方向長さを用いてさらに補正することを特徴とする。
【0038】
本発明に従えば、反射波の相対強さから、予め作成した反射波の相対強さと管体外周面における欠陥深さとの関係に基づいて推定される欠陥深さを、超音波探触子を管体の周方向に走査させることによって得られる欠陥の周方向長さを用いてさらに補正するので、一層精度よく管体の減肉値を求めることができる。
【0039】
また本発明は、前記超音波探触子から前記管体へせん断水平波が入射される位置と、前記管体の欠陥深さの推定されるべき位置との距離が、600mm以下であることを特徴とする。
【0040】
本発明に従えば、欠陥深さを推定するに際し、超音波探触子から管体へせん断水平波が入射される位置と、管体の欠陥深さの推定されるべき位置との距離が、600mm以下になるようにして探傷検査される。前記距離が600mmを超えても欠陥深さの推定値を得ることができるけれども、前記距離が600mm以下になるようにして探傷検査することによって、極めて精度の高い欠陥深さ推定値を得ることが可能になる。
【0041】
また本発明は、超音波を用いて管体の減肉を診断する管体の超音波探傷検査装置であって、
超音波であるせん断水平波を発振し、管体との接触部から該せん断水平波を管体に入射し、管体の外周面に存在する欠陥からの反射波を検出することのできる超音波探触子と、
超音波探触子で検出される欠陥からの反射波の強さを、管体中のせん断水平波の減衰率と欠陥からの反射波の現れる路程とを用いて補正することによって反射波の相対強さを演算する演算手段と、
予め作成される反射波の相対強さと管体外周面における欠陥深さとの関係をストアする記憶手段と、
演算手段によって演算される反射波の相対強さと、記憶手段から読出される反射波の相対強さと管体外周面における欠陥深さとの関係とに基づいて欠陥深さの推定値を求めて出力する欠陥深さ推定手段と、
欠陥深さ推定手段による出力に応じて欠陥深さの推定値を表示する表示手段とを含むことを特徴とする管体の超音波探傷検査装置である。
【0042】
また本発明は、前記欠陥深さ推定手段は、
前記反射波の相対強さから、予め作成した反射波の相対強さと管体外周面における欠陥深さとの関係に基づいて求められる欠陥深さの推定値を、前記超音波探触子を前記管体の周方向に走査させることによって得られる欠陥の周方向長さを用いてさらに補正し、補正後の値を欠陥深さ推定値として出力することを特徴とする。
【0043】
本発明に従えば、せん断水平波を発振することのできる超音波探触子を備えるという簡単な構成で、隠蔽部を有する管体の探傷検査を可能にし、また管体表面に存在する欠陥からの反射波の相対強さを求め、予め作成される反射波の相対強さと管体外周面における欠陥深さとの関係とに基づいて欠陥深さ推定値を求めることのできる、または該欠陥深さの推定値を欠陥の周方向長さを用いてさらに補正した精度の高い欠陥深さ推定値を得ることのできる超音波探傷検査装置が実現される。
【0044】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一態様である管体の超音波探傷検査方法の概略を示す図である。本実施の態様の管体の超音波探傷検査方法(以後、単に超音波探傷検査方法と略称する)は、超音波であるせん断水平波(以後、SH波と呼ぶ)を発振することのできる超音波探触子11(以後、探触子と略称する)を準備し、探触子11を被検査体である管体12の外周面13に接触し、探触子11と管体12との接触によって形成される入射位置14からSH波15を管体12に入射し、管体12に存在する欠陥16からの反射波を探触子11によって検出して管体12を検査する。
【0045】
本実施の態様における管体12には、鋼管が供せられる。探触子11は、前述のようにSH波を発振することができる。探触子11に備わる振動子の発振周波数は、0.5〜5MHzであり、振動子の寸法は、5×5〜20×20mmである。また探触子11から発振されるSH波の管体12への入射角度が、60〜90度の範囲に設定された探触子11を用いることが好ましい。
【0046】
管体12である鋼管に生じる欠陥16には、たとえば腐食や溶接継手における溶込み不足、気孔などが代表的なものであるけれども、ここでは管体12を配管施工した後、隠蔽部等に発生する腐食欠陥を主たる探傷検査の対象とする。したがって、本明細書中では、欠陥16を腐食と表記することがある。
【0047】
探触子11は、超音波探傷装置本体17に接続されて、超音波探傷装置本体17から与えられる信号によってSH波を発振し、管体12との接触部からSH波を管体12に入射し、管体12の外周面に存在する欠陥16からの反射波を受けて超音波探傷装置本体17に伝える。超音波探傷装置本体17は、少なくとも電源スイッチ18と、時間軸調整部19と、ゲイン調整部20と、たとえば陰極線管からなる表示手段である表示部21とを含む。表示部21には、送信エコー22、前述の探触子11によって受信される欠陥エコー23、後述する欠陥深さ推定値などが表示される。この超音波探傷装置本体17と探触子11とによって、超音波探傷装置24が構成される。なお、超音波探傷装置24には、探傷結果を画像出力して記録することのできるプリンタなどが設けられてもよい。
【0048】
以下に探触子11の発振周波数範囲、振動子寸法範囲および入射角度範囲の限定理由について説明する。
【0049】
探触子11による発振周波数が0.5MHz未満では、SH波が管体中を伝播する際の減衰を生じにくくなるので管体の探傷検査距離を大きくすることができるけれども、欠陥の検出限界が大きくなり、たとえば腐食初期のような小さな欠陥を検出することができなくなる。発振周波数が5MHzを超えると、SH波が管体中を伝播する際の減衰が大きくなるので、長さの長い管体の探傷検査をするとき、SH波の管体への入射位置から遠方にある欠陥16から反射される音波の強度が低下して欠陥16の検出感度が悪くなる。したがって、発振周波数の範囲を、0.5〜5MHzとした。
【0050】
探触子11に備わる振動子の寸法が、5×5mm未満では、探触子11から管体12へ入射されるSH波のエネルギが、振動子寸法に制約されることによって小さくなるので、欠陥16の検出感度が悪くなる。振動子の寸法が、20×20mmを超えると、被検査体である管体12が周方向に曲率を有するので、振動子寸法を増加させても、寸法増加に対応して管体12の外周面13と探触子11との有効接触面積を増加させることができない。したがって、振動子寸法を、5×5〜20×20mmとした。なお、探触子11と管体12との接触には、接触媒質を用いる方が、効率よくSH波を管体12に入射できる。接触媒質には、たとえばソニコートSHN−B25(日合アセチレン社製)などが好適に用いられる。
【0051】
また管体12の外径が170mm以下であるときには、探触子11の管体外周面との接触面を、管体12の外径と等しい曲率を有する曲面に加工することが好ましい。探触子寸法が一定であるとき、管体12の外径が小さくなるのに伴って、探触子11と管体12との実効接触面積が減少するけれども、探触子11の管体外周面との接触面を、前述のように加工することによって、探触子11のSH波を発振して管体12に入射させる面である前記接触面と、管体外周面との接触面積を充分に広く確保して、大きな音圧のSH波を管体12に入射させることができるので、高い感度で探傷検査することが可能になる。
【0052】
SH波の管体12への入射角度を、60〜90度になるように設定するのは、以下の理由による。入射角度が、60度未満であると、単位ビーム路程あたりにおける管体12の内外周面における反射回数すなわちスキップ数が増大し、管体12中を伝播するSH波の反射に起因する減衰が大きくなり検出感度が低下する。また入射角度を大きくすることによって、管体12中を伝播するSH波の反射に起因する減衰を小さく抑制できるけれども、管体12の探傷検査では、90度が設定可能な最大角度である。したがって、入射角度を60〜90度とした。
【0053】
前述のように設定される探触子11に備わる振動子に印加される電圧波形は、スパイク波または矩形波であることが好ましい。図2は探触子11にスパイク波または矩形波を印加して管体12に存在する欠陥16からの反射波の音圧を測定する方法の概略を示す図であり、図3は図2に示す測定方法で検出された欠陥16からの反射波の音圧を示す図である。
【0054】
図2では、管体12(裸管)の外周面に欠陥16を形成し、管体12にSH波を入射させるべくその外周面に接して探触子11を走査し、前記欠陥16すなわち探傷検査されるべき位置と探触子11との離隔距離(以後、探触子距離と呼ぶ)を200〜2000mmに変化させて、欠陥16からの反射波の強度(以後、SH波の強度を便宜上音圧と呼ぶことがある)を測定した。この音圧測定に際し、探触子11に印加する電圧の波形にスパイク波および矩形波を用いた。図3では、横軸に探触子距離、縦軸に必要ゲインをとって、音圧の測定結果を示す。ここで必要ゲインとは、探触子11によって受信され、表示部21に表示されるエコーの高さを、超音波探傷装置本体17の表示部21に装着される目盛板の予め定めた目盛位置の高さにするために与えられる増幅度のことである。必要ゲイン(dB)が大きい程、受信されている音圧が小さいことを示す。
【0055】
図3中におけるライン35が、電圧波形に矩形波を用いた場合の欠陥16からの反射波の音圧を示し、ライン36が、電圧波形にスパイク波を用いた場合の欠陥16からの反射波の音圧を示す。矩形波を用いた場合には、探触子距離が2000mmでも必要ゲインが70dB以下と良好な感度を示す。またスパイク波を用いた場合、矩形波には若干劣るけれども、探触子距離が800mm以下では必要ゲインが90dB以下と実用上全く問題のない感度を得ることができる。このように、振動子に印加する電圧波形にスパイク波または矩形波を用いることによって、SH波による探傷検査の感度を高くすることができる。なお、より好ましくは、電圧波形に矩形波を用いるのがよい。
【0056】
次に、管体12の探傷検査にSH波を用い、探触子11から管体12に対するSH波の入射位置14と、管体12の探傷検査されるべき位置との距離L1(探触子距離に相当)を、600mm以上設けることによって、探触子11を管体12の周方向に走査させることなく、管体12の全周を探傷検査することが可能になる理由について説明する。
【0057】
図4は、管体12の周方向における音圧測定方法の概略を示す図である。図4において、送信用探触子11から管体12に入射されるSH波を、管体12の軸線に沿って距離L1離隔した位置において、受信用探触子AおよびB25,26を管体12の外周面13に接触させてそれぞれ受信する。このとき、管体12の軸線に垂直な断面において、送信用探触子11と受信用探触子A25とは、管体12の周方向の同じ位置に配置され、送信用探触子11と受信用探触子B26とは、互いに管体12の周方向に180度の位置に配置される。前述のように配置される受信用探触子AおよびB25,26によって受信されるSH波の強度(音圧)を比較した。音圧測定に用いた管体12および探触子11,25,26等については、表1に合わせて示す。なお図2では、各探触子11,25,26にそれぞれ接続される超音波探傷装置本体の図は省略した。
【0058】
【表1】
Figure 2004003996
【0059】
ここで表1中に示す探触子の表記について説明する。たとえば表1中の「0.5Z10×10A90SH」について例示する。冒頭の数字は、発振周波数を単位[MHz]で示す値であり、「0.5」は0.5MHzのことを示す。次のアルファベットは、振動子の材質を示し、たとえば「Z」は、ジルコン・チタン酸鉛系であることを示す。続く「10×10」は、振動子の寸法を[mm]単位で表す値である。振動子寸法に続くアルファベットは、探触子の形式を表し、たとえば「A」は、斜角用探触子であることを示す。続く数字は、管体12への超音波の入射角度を示し、「90」は90度であることを示す。最後のアルファベットは探触子から発振される超音波の種類を表し、「SH」はSH波であることを示す。なお、この探触子の表記方法は、本明細書中において共通に用いられる。
【0060】
図5は、受信用探触子AおよびB25,26による音圧測定結果を示す図である。図5では、横軸に前記距離L1(=探触子距離)をとり、縦軸に必要ゲイン(dB)をとり、音圧測定結果を示す。
【0061】
図5中のライン27が、受信用探触子A25による音圧測定結果であり、ライン28が、受信用探触子B26による音圧測定結果である。ライン27に示されるように、受信用探触子A25では、探触子距離L1の増加に伴って必要ゲインが増加し、探触子距離L1が約600mmにおいて必要ゲインが60dBに達した後、ほぼ一定の必要ゲインになる。一方、ライン28に示されるように、受信用探触子B26では、探触子距離L1の増加に伴って必要ゲインが減少し、探触子距離L1が約600mmにおいて必要ゲインが60dB強に達した後、ほぼ一定の必要ゲインになる。
【0062】
このことから、受信用探触子A25と受信用探触子B26とは、管体12の円周方向で180度の位置に配置されているにも関らず、送信用探触子11から探触子距離L1が600mm以上離隔した位置では、到達しているSH波の音圧がほぼ同一であることが判る。すなわち、送信用探触子11による管体12へのSH波の入射位置14から600mm以上離隔した位置では、管体12の円周方向の位置に関らずほぼ同じ音圧分布である。換言すれば、SH波が、管体12に入射されるとき、入射位置14から600mm以上離隔した位置では、管体12の円周方向に均一な音圧分布を有して伝播することが判る。
【0063】
したがって、管体12の超音波探傷検査にSH波を用いるとき、探触子11から管体12へSH波を入射する位置14と、管体12の探傷検査されるべき位置との距離である探触子距離L1を、600mm以上設けることによって、送信用探触子11を管体12の周方向に走査させることなく、同一感度で管体12の全周を探傷検査することが可能になる。
【0064】
探触子距離L1が600mm以下の位置においては、送信用探触子11を管体12の周方向に走査させることによって、全周検査をすることが可能である。また図5に示すように、探触子距離L1が600mm以下の領域においては、必要ゲインは小さく音圧が大きいので、感度に優れた探傷検査を行うことができる。特に図5中のライン27に示されるように、探触子11と欠陥16とが、管体12の周方向において同位置に存在するとき、探触子距離L1が600mm以下であって探触子距離L1の増減に伴って測定される音圧もほぼ線形関係を有して増減する領域内では、基準欠陥距離における必要ゲインと欠陥の大きさとの関係を表す検量線を予め作成しておくことによって、欠陥から得られる音圧に基づいてその深さを求めることができる。以下に検量線の作成方法について簡単に説明する。
【0065】
前述の表1に示す超音波探傷装置本体17と、探触子11と、接触媒質とを用い、管体12には日本工業規格(JIS)G 3452に規定されるSGP200Aを用いて検量線を作成した。管体12には、直径:10mmで、深さ:1mm,3mmおよび5.8mmからなる3種類の腐食欠陥を模したすり鉢状の孔をそれぞれ形成した。なお深さ:5.8mmの孔は、管体12の管壁を貫通している孔である。3種類の模擬腐食欠陥に対して、探触子距離L1を100mm,200mmおよび300mmの3種類に設定し、探傷検査を行い、欠陥エコー高さを表示部21における目盛板の80%目盛高さにするために必要なゲイン(以後、ゲインH80で表す)を求めた。
【0066】
図6は、探触子距離L1とゲインH80との関係を示す図である。図6中で、ライン29,30,31は、深さが1mm,3mm,5.8mmの欠陥についての結果をそれぞれ示す。ライン29,30,31から、探触子距離L1の単位距離あたりの必要ゲインを求める。この単位が[dB/mm]で表される探触子距離L1の単位距離あたりの必要ゲインを、以後減衰率と呼ぶ。この減衰率を用いて、欠陥の存在位置が、仮に基準欠陥距離:200mmにあるとした場合において、欠陥エコー高さを目盛板80%の高さにする必要ゲインへの換算値であるゲインH80stを求める。
【0067】
図7は、ゲインH80stと欠陥深さとの関係である検量線を示す図である。欠陥深さと得られたゲインH80stとの関係を、最小2乗法を用いて直線近似することによって、検量線が求められる。図7中のライン32が前述のようにして得られた検量線32であり、欠陥深さとゲインH80stとの間には、高い相関のあることが認められる。なお、直線近似による欠陥深さは、次式(1)によって与えられる。
y=−0.9791・x+68.16           …(1)
ここで、x:ゲインH80st[dB]
y:欠陥深さ[mm]
【0068】
このように、探傷検査によって検出された欠陥のゲインH80と減衰率とを用いてゲインH80stを求め、さらに式(1)に基づいて欠陥深さを知ることができる。
【0069】
前述の式(1)に基づく検量線によって推定される欠陥深さと、実測の欠陥深さとでは、若干の差違が存在する。その理由は、以下のようである。すり鉢状欠陥は、その深さが異なるとき、SH波の伝播方向に直交する仮想平面に投影される欠陥面積の大きさも異なる。欠陥からの反射波の音圧は、この欠陥面積の大きさの影響を受けるので、前記検量線に基づく欠陥深さの推定精度が若干低下する。そこで本発明の他の態様では、欠陥16の反射波についての実測音圧である必要ゲインと、該欠陥16が検出されたビーム路程(以後、単に路程と略称する)とを用いて補正し、精度良く欠陥深さを推定する方法を提案する。本実施態様では、主として腐食を想定する欠陥16からの反射波の強さHaを、管体12中のSH波の減衰率αと欠陥16からの反射波の現れる路程Lbとを用いて補正することによって、反射波の相対強さHrを求め、この反射波の相対強さHrから、予め作成した反射波の相対強さHrと管体外周面における欠陥深さとの関係に基づいて、管体12の減肉値である欠陥深さCdを推定する。
【0070】
図8は、本発明の他の態様に用いられる超音波探傷装置24の電気的構成を簡略化して示すブロック図である。超音波探傷装置24は、先の図1に示す装置と同一であり、図1では、超音波探傷装置24の外部構成について説明したけれども、図8では、欠陥深さCdの推定動作を行う超音波探傷装置24の電気的構成について説明する。
【0071】
超音波探傷装置24は、前述の探触子11と、探触子11で検出される欠陥16からの実測必要ゲインである反射波の強さHaを、管体12中のSH波の減衰率αと欠陥16からの反射波の現れる路程Lbとを用いて補正することによって反射波の相対強さHrを演算する演算手段81と、予め作成される反射波の相対強さHrと管体外周面における欠陥深さとの関係をストアする記憶手段82と、演算手段81によって演算される反射波の相対強さHrと、記憶手段82から読出される反射波の相対強さHrと管体外周面における欠陥深さとの関係とに基づいて欠陥深さの推定値Cdを求めて出力する欠陥深さ推定手段83と、欠陥深さ推定手段83による出力に応じて欠陥深さの推定値を表示する表示手段である前記表示部21とを含む構成である。演算手段81、記憶手段82および欠陥深さ推定手段83は、処理回路84であるたとえばマイクロコンピュータに一体的に搭載される。
【0072】
演算手段81は、演算回路であり、前記反射波の強さHaと路程Lbとから、式(2)に示す演算を実行して反射波の相対強さHrを算出する。
Hr=Ha+α×(LF−Lb)             …(2)
ここで、LF:予め定める補正距離定数
【0073】
記憶手段82は、たとえばRandom Access Memory(略称RAM)などによって実現されるメモリである。記憶手段82に予めストアされる反射波の相対強さHrと管体外周面における欠陥深さとの関係は、本実施の態様では、反射波の相対強さHrを欠陥深さCdに補正する補正式(3)である。
Cd=a1×Hr+b1                 …(3)
ここで、a1:補正係数
b1:定数
【0074】
欠陥深さ推定手段83は、本実施の態様ではもう一つの演算手段として動作する。演算手段81によって反射波の相対強さHrが算出されると、欠陥深さ推定手段83は、メモリ82から補正式(3)を読出して演算を実行し、欠陥深さCdを求める。算出結果である欠陥深さCdを欠陥深さ推定値Cdとして出力し、表示部21に表示する。
【0075】
前述のように、欠陥深さの推定値は前記欠陥面積の影響を受けるので、欠陥16が、管体12の周方向に細長く延びる形状を有するとき、すなわち欠陥深さの推定に対して欠陥面積がより強く影響を及ぼす場合、欠陥深さ推定値Cdに対してさらなる補正をすることが望ましい。したがって、欠陥深さ推定手段83は、探触子11を管体12の周方向に走査させることによって得られる欠陥の周方向長さLcを用いて、補正式(3)によって得られる欠陥深さ推定値Cdをさらに補正し、補正後の値Cdiを新たな欠陥深さ推定値Cdiとして出力することができるように構成されてもよい。
【0076】
このとき、欠陥深さ推定値Cdを新たな欠陥深さ推定値Cdiとするための両者の関係は、下記補正式(4)として先のメモリ82にストアされる。欠陥深さ推定手段83は、ユーザーである検査者の選択指示に応じて、メモリ82から式(4)を読出して演算を実行し、欠陥深さ推定値Cdiを求める。欠陥16が、管体12の周方向に細長い欠陥であるとき、欠陥深さ推定値Cdをさらに補正して得られる新たな欠陥深さを欠陥深さ推定値Cdiとすることによって、一層精度高く欠陥深さを求めることができる。
Cdi=Cd/(a2×Lc+b2)           …(4)
ここで、a2:補正係数
b2:定数
【0077】
被検査体である管体12は、配管施工された場合、橋台や架台などに固設されるけれども、橋台や架台に対する固設には物理的拘束部材の用いられることが多い。超音波の一種であるSH波の界面における反射率は、管体12および管体12の外周面13に接して存在する物質の密度ρ、音速c、音響インピーダンスz(=ρc)の影響を受けるとされる。管体12の外周面13に接して存在する物質が、たとえば大気のようにρ、c、zが小さい物質である場合と、たとえばコンクリートのようにρ、c、zが大きい物質である場合とでは、管体12と大気またはコンクリートとの界面におけるSH波の反射の状態は大きく異なる。したがって、管体12の外周面13であって、物理的拘束部材との界面に存在する欠陥を、精度良く充分な感度で識別検出するためには、探傷検査条件、主として探触子11の設定を適切なものにしなければならない。
【0078】
本発明の他の実施の態様では、管体12の外周面13に物理的拘束が無いとき、または管体12の外周面13にρ、c、zの小さいゴム、布、ジュート、ヤーン、木材、樹脂、ウレタンおよび発泡スチロールからなる群より選ばれる1または2以上による物理的拘束が有るとき、探触子11に備わる振動子の発振周波数が0.5〜1MHz、寸法が10×10〜20×20mm、探触子11から管体12へのSH波の入射角度が、80〜90度に設定される。
【0079】
図9は、管体12にρ、c、zの小さい材質の物理的拘束部材85が設けられた場合の音圧測定方法および結果を示す図である。図9(a)では、管体12の外周面13に欠陥16を形成し、欠陥16の形成された部位の管体12外周面上にゴムを充填して物理的拘束部材85とし、欠陥16からの反射波の音圧を測定する方法の概略を示す。探触子11の発振周波数0.5MHz、振動子寸法20×20mm、管体12への入射角度90度に設定し、探触子距離を200〜2000mmに変化させて欠陥16からの反射波をエコー高さ80%とする必要ゲインを求めた結果を、図9(b)のライン86に示す。図9(b)には、管体12に全く物理的拘束部材を設けない以外は、前述と同様に設定にして欠陥16からの反射波をエコー高さ80%とする必要ゲインを求めた結果も合わせてライン87に示す。
【0080】
図9(b)に示すように、物理的拘束部材85の設けられる場合のライン86と、物理的拘束部材の全く設けられない裸管の場合のライン87とは、ほぼ同一の音圧を示す。しかも必要ゲインは、探触子距離の長い2000mmにおいても70dB以下であり、良好な感度で欠陥16を検出することができる。すなわち、物理的拘束部材のρ、c、zが小さいとき、物理的拘束部材85の存在は、欠陥16の検出精度に影響を及ぼさない。
【0081】
したがって、SH波の管体12に対する入射角度を、管体12の外周面近傍の表層部のみを伝播し、ほぼ表面波となる角度80〜90度にしても欠陥16の検出精度を高く維持することができる。SH波をほぼ表面波としても欠陥16の検出精度を高く維持できるので、SH波の周波数を減衰しにくい0.5〜1MHzの範囲にし、発振音圧を大きくすることができるように振動子の寸法を10×10〜20×20mmの大きめにして、欠陥16の検出感度も高くすることができる。
【0082】
本発明のさらに他の実施の態様では、管体12の外周面13にρ、c、zの大きいモルタル、コンクリートおよび樹脂モルタルからなる群より選ばれる1または2以上による物理的拘束が有るとき、探触子11に備わる振動子の発振周波数が1〜5MHz、寸法が5×5〜10×10mm、探触子11から管体12へのSH波の入射角度が、60〜80度に設定される。
【0083】
図10は、管体12にρ、c、zの大きい材質の物理的拘束部材88が設けられた場合の探傷検査方法および結果を示す図である。図10(a)では、管体12の外周面13に欠陥16を形成し、欠陥16の形成された部位の管体12外周面上に樹脂モルタルを充填して物理的拘束部材88とし、欠陥16を探傷検査する方法の概略を示す。発振周波数0.5MHzおよび振動子寸法20×20mmの探触子11については、管体12への入射角度90度に設定し、発振周波数2MHzおよび振動子寸法5×5mmの探触子11については、管体12への入射角度が45度、70度、90度のものを準備し、探触子距離を200mm一定にして欠陥16からの反射波のエコー高さを求めた。各探触子11について、入射角度90度における管体12の探傷検査結果を図10(b)に示す。
【0084】
図10(b)のライン89に示すように、探触子11が周波数2MHz、寸法5×5mmであるとき、探触子距離200mm付近において、欠陥16(図10(a)中のB部)からの反射エコーが明瞭に観測される。しかしながら、図10(b)のライン90に示すように、探触子11が周波数0.5MHz、寸法20×20mmであるとき、欠陥16からの反射エコーのみならず、管体12の外周面13に物理的拘束部材88が設けられた部位と、設けられていない部位との境界(図10(a)中のA部およびC部)からの反射エコーも観測されている。このように、周波数0.5MHz、寸法20×20mmの探触子11を用いて入射角度90度で探傷検査すると、欠陥16の識別性能、すなわち検出精度が低くなる。
【0085】
図11は、管体12に異なる角度でSH波を入射させて探傷検査する方法を示す図である。前述のように、周波数2MHz、寸法5×5mmで入射角度が45度、70度、90度の探触子11をそれぞれ準備し、各入射角度で腐食を模して形成した欠陥16を探傷し、物理的拘束部材88である樹脂モルタルと管体12の外周面13との界面からの反射エコー(界面エコー)高さに対する欠陥16からの反射エコー(欠陥エコー)高さの比(欠陥エコー/界面エコー:便宜上強度比と呼ぶ)を比較した。結果を表2に示す。
【0086】
入射角度45度の場合、単位ビーム路程におけるスキップ数が増加するので、管体12の内外周面における反射損失が増大して強度比が低下する。入射角度90度の場合、先の図10(b)に示すように物理的拘束部材88が設けられた部位と設けられない部位との境界における反射損失が発生するので、強度比が低下する。入射角度が60〜80度の間にある70度の場合、単位ビーム路程あたりのスキップ数も少なく、前記境界での反射損失も発生しないので、0.8を超える強度比が得られ、良好な欠陥検出感度を実現することができる。
【0087】
【表2】
Figure 2004003996
【0088】
以下に本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
JIS G3452に規定される鋼管SGP200Aを被検査体である管体として準備し、管体には、深さ:1.0〜5.8mm、直径:5〜20mmの組合せからなる6種類の寸法を有する腐食を模した欠陥を形成した。発振周波数:0.5〜2MHz、振動子寸法:10×10〜20×20mmの組合せからなり、管体へのSH波の入射角度が90度になるように設定された5種類の探触子を用い、探触子距離L1を近距離から2000mmまで変化させて、管体に形成された前記腐食を模した欠陥を探傷検査した。前述の管体の種類、各欠陥寸法および探触子の種類とともに、超音波探傷装置本体と探触子接触媒質とを合わせて表3に示す。
【0089】
図12〜図17は、SH波による管体の探傷検査結果を示す図である。図12は寸法(深さ,直径)が(1.0,10)の欠陥に関する探傷検査結果を示し、図13は寸法が(3.0,10)の欠陥に関する探傷検査結果を示し、図14は寸法が(1.0,20)の欠陥に関する探傷検査結果を示し、図15は寸法が(3.0,20)の欠陥に関する探傷検査結果を示し、図16は寸法が(5.8,5)の欠陥に関する探傷検査結果を示し、図17は寸法が(5.8,10)の欠陥に関する探傷検査結果を示す。
【0090】
図12〜図17の探傷検査結果に見られるように、本発明範囲に含まれる発振周波数:0.5〜1MHzおよび振動子寸法:10×10〜20×20mmの範囲にある探触子を用いた場合、探触子距離L1が、600mm以上で少なくとも1500mmまでの範囲では、必要ゲインが90dB以下であり、超音波探傷検査に適用し得る充分な探傷感度にて欠陥検出が可能であった。特に、図12〜図17中において黒4角印および黒丸印にて示す発振周波数が0.5〜1MHzであって振動子寸法が10×10mmのものに限定すれば、探触子距離L1が2000mmにおいても、必要ゲインは90dB以下であり、超音波探傷検査に適用し得る充分な探傷感度にて欠陥検出が可能であった。なお発振周波数が0.5〜1MHzであって振動子寸法が10×10mmの探触子によれば、探触子距離L1:4000mmまでの探傷検査が可能であることを確認した。
【0091】
以上のように、探触子距離L1が600mm以上設けられる領域においては、充分に探傷可能な感度であり、ほぼ一様な必要ゲインの得られていることから、探触子を管体の円周方向に走査することなく、管体の全周を探傷検査できることが判る。
【0092】
【表3】
Figure 2004003996
【0093】
(実施例2)
JIS G3452に規定される鋼管SGP150Aを被検査体である管体として準備し、管体には、深さ:2.4〜5.0mmの4種類の寸法を有する腐食を模したすり鉢状単独欠陥を形成した。発振周波数:0.5MHz、振動子寸法:20×20mmからなり、管体へのSH波の入射角度が90度になるように設定された探触子を用い、探触子距離L1を200〜1000mmまで変化させて、管体に形成された前記腐食を模したすり鉢状単独欠陥を探傷検査し、欠陥深さ推定の精度を試験した。
【0094】
前述のように探触子距離L1が600mm以下では、必要ゲインと探触子距離L1との間にほぼ線形関係が成立つので、本実施例では、この線形関係成立範囲内において予め定める補正距離定数Lbを500mmに定め、前記式(2)に基づいて欠陥からの反射波の相対強さHrを求めた。なお、鋼管SGP150Aの減衰率αには、予め実験によって求めた0.033dB/mmを用いた。さらに、補正係数a1=−0.16および定数b1=14.7を用いて、前記式(3)に基づき、すり鉢状単独欠陥の欠陥深さCdを推定した。
【0095】
本実施例における補正係数a1=−0.16および定数b1=14.7は、前述の装置設定において、予めすり鉢状単独欠陥の深さ実測値と反射波の相対強さHrとの関係から経験則に基づいて定めたものである。したがって、補正係数a1および定数b1は、前記の値に限定されるものではなく、探傷検査対象となる管体の種類および装置設定に応じて適宜定められる。
【0096】
得られた欠陥深さ推定値Cdを表4および図18に示す。なお、図18中では、欠陥は腐食を模していることから、欠陥深さを腐食深さと表記した。図18は、腐食深さの実測値と推定値Cdとの関係を示す図である。表4では、すり鉢状欠陥の実際の深さ、ビーム路程Lbおよび反射波の強さHa(表4中では必要ゲインと表記)も合わせて示す。図18に示すように、腐食深さ推定値Cdは、腐食深さ実測値と高い相関を示し、実測値よりもわずかに大きめの推定結果であるけれども、精度よく欠陥深さを推定することができた。このようにして求められた欠陥深さ推定値Cdは、超音波探傷検査装置24に備わる表示部21に表示される。
【0097】
【表4】
Figure 2004003996
【0098】
(実施例3)
鋼管SGP150A、200Aおよび300Aを被検査体である管体として準備し、管体には、深さ:1.4〜6.9mmの3種類の寸法を有する腐食を模した周方向に広い欠陥を形成した。周方向に広い欠陥とは、管体の周方向に長径を有する楕円もしくは長孔状に形成される欠陥をいい、本実施例では周方向長さLcを80〜160mmに形成した。探傷検査するべき欠陥に前述のものを用い、探傷検査装置24に備わる欠陥深さ推定手段83に、欠陥の周方向長さLcを用いて前記欠陥深さ推定値Cdをさらに前記補正式(4)で補正する構成のものを用いた以外は、実施例2と同様にして探傷検査し、欠陥深さ推定値Cdiを求めて、欠陥深さの推定精度を試験した。
【0099】
本実施例では、補正係数a2=−0.019および定数b2=3.7を用いて、前記式(4)に基づき、周方向に広い欠陥の欠陥深さ推定値Cdiを求めた。本実施例における補正係数a2=−0.019および定数b2=3.7は、前述の実施例2と同様に、予め周方向に広い欠陥の深さ実測値と欠陥深さ推定値Cdとの関係から経験則に基づいて定めたものである。したがって、補正係数a2および定数b2は、前記の値に限定されるものではなく、探傷検査対象となる管体の種類、装置設定および欠陥形状に応じて適宜定められる。
【0100】
得られた欠陥深さ推定値Cdiを表5および図19に示す。なお、図19中でも、欠陥は腐食を模していることから、欠陥深さを腐食深さと表記した。図19は、腐食深さの実測値と推定値Cdiとの関係を示す図である。表5では、周方向に広い欠陥の実際の深さ、ビーム路程Lb、反射波の強さHa(表5中では必要ゲインと表記)および欠陥の周方向長さLcも合わせて示す。図19に示すように、腐食深さ推定値Cdiは、腐食深さ実測値と極めて高い相関を示し、一層高い精度で欠陥深さを推定することができた。
【0101】
【表5】
Figure 2004003996
【0102】
(実施例4)
図20〜図22は、本発明の超音波探傷検査方法を実際の配管施工された管体の探傷検査に適用した例を模式的に示す図である。
【0103】
図20には、河川41を跨ぐように配管施工された管体42の超音波探傷検査方法を模式的に示す。河川41を跨いで配管される管体42の橋台43によって支持される架管部44は露出し、橋台43に関して架管部44と反対側の管体42は、さや管45に挿入されて堤を構成する土中46に埋設される。したがって、図20に示すような場合、架管部44側にあり露出している管体42の外周面48に探触子47を接触させて、その接触部からSH波を管体42に入射して探傷検査した。このようにして架管部44側から土中の埋設部49側の管体42に発生する腐食欠陥、たとえばさや管45と管体42との隙間をシールするシール部材50と管体外周面48との隙間に発生した隙間腐食51や溶接線52に発生した孔食53などを検出することができた。
【0104】
図21には、比較的広い床下空間55を有する建物の内部へ、建物外部の土中57から外壁54を貫通して配管施工された管体56の超音波探傷検査方法を模式的に示す。建物の外壁54を貫通して建物の床下空間55に配管される管体56は、比較的広い床下空間55において露出し、外壁54に関して床下と反対側の建物外部に配管されている管体56は、土中57に埋設される。したがって、図21に示すような場合、建物の比較的広い床下空間55内にあり露出している管体56の外周面59に探触子58を接触させて、その接触部からSH波を管体56に入射して探傷検査した。このようにして床下空間55側から土中57側にある管体56に発生する腐食欠陥、たとえば外壁54の貫通孔に接してその内方に設けられるスリーブ60とさらにそのスリーブ60を挿通する管体56とによって形成される隙間を充填する充填部材61と管体外周面59との隙間に発生した隙間腐食62、また管体56に施された塗覆装63と裸部との境界などに発生した孔食64などを検出することができた。
【0105】
図22には、狭い床下空間66を有する建物の内部へ、建物外部の土中68から外壁65を貫通して配管施工された管体67の超音波探傷検査方法を模式的に示す。建物の外壁65を貫通して建物の床下空間66に配管される管体67は、狭い床下空間66において露出し、外壁65に関して床下と反対側の建物外部に配管されている管体67は、土中68に埋設される。したがって、図22に示すような場合、狭い床下空間66においては管体67は露出しているけれども、作業空間を確保することができず探傷検査作業を行うことができないので、探触子69は、建物の床上において露出している管体67の外周面70aに接触させて、その接触部からSH波を管体67に入射して探傷検査するとともに、建物外壁65付近における建物外方の土壌を部分的に掘下げて管体67を露出させ、その外周面70bに接触させて、その接触部からSH波を管体67に入射して探傷検査した。このようにして狭い床下空間66側にある管体67に発生する前述同様の欠陥71a,71bを検出することができた。
【0106】
以上に述べたように、本実施の形態では、管体12は鋼管であるけれども、これに限定されることなく、管体は超音波を導波することができる材質のもの、たとえば銅管やアルミニウム管なども超音波探傷検査に供することができる。
【0107】
【発明の効果】
本発明によれば、SH波を発振する超音波探触子を管体の外周面に接触させてSH波を管体に入射し、欠陥からの反射波を超音波探触子で検出することによって、管体を探傷検査することができる。超音波探傷検査に用いられるSH波は、光が鏡によって反射するように、何度反射を繰返してもSH波がSH波として反射し、P波が発生することがない。したがって、SH波は、異なる種類の音波が干渉し合ってエネルギ減衰を生じることがないので、長い管体の探傷検査に好適に用いることができる。
【0108】
SH波を用いる超音波探傷は、SH波を発振することのできる超音波探触子を準備することによって、垂直探傷や斜角探傷と同様のコンパクトで簡易な構成で探傷検査をすることができ、ガイド波を用いる探傷検査のような大掛かりな装置を必要としない。また超音波であるSH波を、管体へ入射させ、隠蔽部に対しても容易に送達させることができる。入射されたSH波は、ラム波に比べると管体中における減衰が小さいので、隠蔽部に存在するたとえば腐食欠陥からの反射波を、充分な音圧で検出することが可能になる。
【0109】
また本発明によれば、SH波を発振する超音波探触子を管体の外周面に接触させてSH波を管体に入射し、欠陥からの反射波を超音波探触子で検出することによって、超音波探触子を管体の周方向に走査させることなく管体の全周を検査することができる。SH波は、ラム波などと同様に被検査体の表面付近を伝播し易い音波であるので、1方向にのみエネルギが集中して伝播すると考えられていたけれども、このSH波を筒状である管体の探傷検査に適用するとき、管体への入射位置からある程度の距離を離隔した位置では、管体の全周にほぼ均一なエネルギ分布で伝播させることができる。したがって、SH波を発振することのできる超音波探触子を用いるという簡易な手段によって、超音波探触子を管体の周方向に走査させることなく1方向に長い管体の全周を検査することが可能になる。
【0110】
また本発明によれば、超音波探触子の振動子の発振周波数が好適な範囲に選択されるので、精度および感度よく欠陥の検出をすることができる。また振動子の寸法が好適な範囲に選択されるので、被検査体が管体のように外周面に曲率を有するものであっても、効率よくSH波を入射させることができる。またSH波は、入射角度が60〜90度で管体に入射される。このことによって、60度未満の小さい角度で入射されるよりも、管体の内外周面における反射によるエネルギの減衰を小さく抑制することができるので、SH波の入射位置から長い距離を離隔した位置にある欠陥も感度よく検出することができる。
【0111】
また本発明によれば、管体の外周面に物理的拘束が無いとき、または管体の外周面にρ、c、zの小さいゴム、布、ジュート、ヤーン、木材、樹脂、ウレタンおよび発泡スチロールからなる群より選ばれる1または2以上による物理的拘束が有るとき、超音波探触子に備わる振動子の発振周波数が0.5〜1MHz、寸法が10×10〜20×20mm、超音波探触子から管体へのSH波の入射角度が80〜90度になるように設定される。
【0112】
前述のように管体の外周面に物理的拘束が無いか、または管体の外周面に物理的拘束が有るけれどもその材質のρ、c、zが小さいと、管体の外周面と物理的拘束部材との界面、または管体の外周面とその外方空間との界面におけるSH波の反射率が高い状態である。このような状態で、管体の外周面に欠陥が存在するとき、管体の外周面におけるSH波の欠陥識別性に対して、物理的拘束部材の存在がほとんど影響を及ぼすことがないので、SH波の管体に対する入射角度を、管体の外周面近傍の表層部のみを伝播し、ほぼ表面波となる角度80〜90度にしても欠陥の検出精度を高くすることができる。SH波をほぼ表面波としても欠陥の検出精度を高く保持できるので、SH波の周波数を減衰しにくい0.5〜1MHzの範囲にし、発振音圧を大きくすることができるように振動子の寸法を10×10〜20×20mmの大きめにして、欠陥の検出感度も高くすることができる。
【0113】
また本発明によれば、管体の外周面にρ、c、zの大きいモルタル、コンクリートおよび樹脂モルタルからなる群より選ばれる1または2以上による物理的拘束が有るとき、超音波探触子に備わる振動子の発振周波数が1〜5MHz、寸法が5×5〜10×10mm、超音波探触子から管体へのSH波の入射角度が、60〜80度に設定される。前述のように管体の外周面に物理的拘束が有り、その材質のρ、c、zが大きいと、管体の外周面と物理的拘束部材との界面におけるSH波の反射率が低い状態である。
【0114】
このような状態で、SH波を表面波として管体に入射すると、管体の外周面において、物理的拘束部材を設けた部位と、設けていない部位との界面反射率の差違が大きくなるので、前述の両部位の境界からの反射波を検出し、管体の外周面に存在する欠陥の識別性、すなわち検出精度が低下する。したがって、SH波の管体に対する入射角度を、管体の外周面に存在する欠陥の検出精度に優れる角度60〜80度にし、SH波の周波数を検出精度の高い1〜5MHzの範囲にすることによって、検出精度を向上する。振動子寸法は、操作性を向上して検出精度を高める観点から5×5〜10×10mmと小さめであることが好ましい。
【0115】
また本発明によれば、管体へSH波が入射される位置と、管体の探傷検査されるべき位置との距離が、600mm以上設けられる。前記距離が600mm以上設けられる位置では、管体に入射されたSH波が管体の全周にほぼ均一なエネルギ分布で伝播するので、超音波探触子を管体の周方向に走査することなく、管体全周の探傷検査をすることができる。
【0116】
また本発明によれば、管体の外径が170mm以下であるとき、超音波探触子は、管体の外周面との接触面が、管体の外径と等しい曲率を有する曲面に加工される。このことによって、管体の外径が小さい場合、超音波探触子のSH波を発振して管体に入射させる面と、管体の外周面との接触面積を充分に広く確保して、大きな音圧のSH波を管体に入射させることができるので、高い感度で探傷検査することが可能になる。
【0117】
また本発明によれば、超音波探触子に備わる振動子に印加される電圧波形には、スパイク波または矩形波が用いられる。このことによって、SH波による探傷検査の感度を高くすることができる。なお、電圧波形には、矩形波がより好適に用いられる。
【0118】
また本発明によれば、管体に存在する欠陥からの反射波の強さを、管体中のSH波の減衰率と、欠陥からの反射波の現れる路程とを用いて補正することによって、反射波の相対強さを求め、反射波の相対強さから、予め作成した反射波の相対強さと管体外周面における欠陥深さとの関係に基づいて、管体の減肉値である欠陥深さを推定する。このことによって、管体のたとえば腐食寿命を精度良く把握することができるので、管体の補修または交換時期をタイムリーに策定し、無駄のない保守管理を実現することができる。さらに、管体の補修または交換をタイムリーに行なうことによって、漏洩事故を未然に防止することが可能になる。
【0119】
また本発明によれば、反射波の相対強さから、予め作成した反射波の相対強さと管体外周面における欠陥深さとの関係に基づいて推定される欠陥深さを、超音波探触子を管体の周方向に走査させることによって得られる欠陥の周方向長さを用いてさらに補正するので、一層精度よく管体の減肉値を求めることができる。
【0120】
また本発明によれば、欠陥深さを推定するに際し、超音波探触子から管体へSH波が入射される位置と、管体の欠陥深さの推定されるべき位置との距離が、600mm以下になるようにして探傷検査される。前記距離が600mmを超えても欠陥深さの推定値を得ることができるけれども、前記距離が600mm以下になるようにして探傷検査することによって、極めて精度の高い欠陥深さ推定値を得ることが可能になる。
【0121】
また本発明によれば、SH波を発振することのできる超音波探触子を備えるという簡単な構成で、隠蔽部を有する管体の探傷検査を可能にし、また管体表面に存在する欠陥からの反射波の相対強さを求め、予め作成される反射波の相対強さと管体外周面における欠陥深さとの関係とに基づいて欠陥深さ推定値を求めることのできる、または該欠陥深さの推定値を欠陥の周方向長さを用いてさらに補正した精度の高い欠陥深さ推定値を得ることのできる超音波探傷検査装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一態様である管体の超音波探傷検査方法の概略を示す図である。
【図2】探触子11にスパイク波または矩形波を印加して管体12に存在する欠陥16からの反射波の音圧を測定する方法の概略を示す図である。
【図3】図2に示す測定方法で検出された欠陥16からの反射波の音圧を示す図である。
【図4】管体12の周方向における音圧測定方法の概略を示す図である。
【図5】受信用探触子AおよびB25,26による音圧測定結果を示す図である。
【図6】探触子距離L1とゲインH80との関係を示す図である。
【図7】ゲインH80stと欠陥深さとの関係である検量線を示す図である。
【図8】本発明の他の態様に用いられる超音波探傷装置24の電気的構成を簡略化して示すブロック図である。
【図9】管体12にρ、c、zの小さい材質の物理的拘束部材85が設けられた場合の音圧測定方法および結果を示す図である。
【図10】管体12にρ、c、zの大きい材質の物理的拘束部材88が設けられた場合の探傷検査方法および結果を示す図である。
【図11】管体12に異なる角度でSH波を入射させて探傷検査する方法を示す図である。
【図12】SH波による管体の探傷検査結果を示す図である。
【図13】SH波による管体の探傷検査結果を示す図である。
【図14】SH波による管体の探傷検査結果を示す図である。
【図15】SH波による管体の探傷検査結果を示す図である。
【図16】SH波による管体の探傷検査結果を示す図である。
【図17】SH波による管体の探傷検査結果を示す図である。
【図18】腐食深さの実測値と推定値Cdとの関係を示す図である。
【図19】腐食深さの実測値と推定値Cdiとの関係を示す図である。
【図20】本発明の超音波探傷検査方法を実際の配管施工された管体の探傷検査に適用した例を模式的に示す図である。
【図21】本発明の超音波探傷検査方法を実際の配管施工された管体の探傷検査に適用した例を模式的に示す図である。
【図22】本発明の超音波探傷検査方法を実際の配管施工された管体の探傷検査に適用した例を模式的に示す図である。
【図23】河川に対する架管の1例を示す図である。
【符号の説明】
11 探触子
12 管体
15 SH波
16 欠陥
17 超音波探傷装置本体
21 表示手段
24 超音波探傷装置
81 演算手段
82 メモリ
83 欠陥深さ推定手段
84 処理回路
85,88 物理的拘束部材

Claims (13)

  1. 超音波を用いて管体の減肉を診断する管体の超音波探傷検査方法であって、
    超音波であるせん断水平波を発振することのできる超音波探触子を準備し、
    超音波探触子と管体との接触部からせん断水平波を管体に入射し、
    管体の外周面に存在する欠陥からの反射波を超音波探触子によって検出して探傷検査することを特徴とする管体の超音波探傷検査方法。
  2. 超音波を用いて管体の減肉を診断する管体の超音波探傷検査方法であって、
    超音波であるせん断水平波を発振することのできる超音波探触子を準備し、
    超音波探触子と管体との接触部からせん断水平波を管体に入射し、
    管体の外周面に存在する欠陥からの反射波を超音波探触子によって検出し、
    超音波探触子を管体の周方向に走査させることなく管体の全周を探傷検査することを特徴とする管体の超音波探傷検査方法。
  3. 前記超音波探触子に備わる振動子の発振周波数が0.5〜5MHzであり、寸法が5×5〜20×20mmであり、前記超音波探触子から前記管体へのせん断水平波の入射角度が、60〜90度であることを特徴とする請求項1または2記載の管体の超音波探傷検査方法。
  4. 前記管体の外周面に物理的拘束が無いとき、または前記管体の外周面にゴム、布、ジュート、ヤーン、木材、樹脂、ウレタンおよび発泡スチロールからなる群より選ばれる1または2以上による物理的拘束が有るとき、
    前記超音波探触子に備わる振動子の発振周波数が0.5〜1MHzであり、寸法が10×10〜20×20mmであり、前記超音波探触子から前記管体へのせん断水平波の入射角度が、80〜90度であることを特徴とする請求項1または2記載の管体の超音波探傷検査方法。
  5. 前記管体の外周面にモルタル、コンクリートおよび樹脂モルタルからなる群より選ばれる1または2以上による物理的拘束が有るとき、
    前記超音波探触子に備わる振動子の発振周波数が1〜5MHzであり、寸法が5×5〜10×10mmであり、前記超音波探触子から前記管体へのせん断水平波の入射角度が、60〜80度であることを特徴とする請求項1または2記載の管体の超音波探傷検査方法。
  6. 前記超音波探触子から前記管体へせん断水平波が入射される位置と、前記管体の検査されるべき位置との距離が、
    600mm以上設けられることを特徴とする請求項2記載の管体の超音波探傷検査方法。
  7. 前記管体の外径が170mm以下であるとき、
    前記超音波探触子は、
    前記管体の外周面との接触面が、前記管体の外径と等しい曲率を有する曲面に加工されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の管体の超音波探傷検査方法。
  8. せん断水平波を発振するべく前記超音波探触子に備わる振動子に印加される電圧波形は、
    スパイク波または矩形波であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の管体の超音波探傷検査方法。
  9. 超音波であるせん断水平波を発振することのできる超音波探触子を準備し、超音波探触子と管体との接触部からせん断水平波を管体に入射し、管体の外周面に存在する欠陥からの反射波を超音波探触子によって検出して管体の減肉を診断する管体の超音波探傷検査方法において、
    前記欠陥からの反射波の強さを、前記管体中のせん断水平波の減衰率と前記欠陥からの反射波の現れる路程とを用いて補正することによって、反射波の相対強さを求め、
    該反射波の相対強さから、予め作成した反射波の相対強さと管体外周面における欠陥深さとの関係に基づいて、管体の減肉値である欠陥深さを推定することを特徴とする管体の超音波探傷検査方法。
  10. 前記反射波の相対強さから、予め作成した反射波の相対強さと管体外周面における欠陥深さとの関係に基づいて推定される欠陥深さを、
    前記超音波探触子を前記管体の周方向に走査させることによって得られる欠陥の周方向長さを用いてさらに補正することを特徴とする請求項9記載の管体の超音波探傷方法。
  11. 前記超音波探触子から前記管体へせん断水平波が入射される位置と、前記管体の欠陥深さの推定されるべき位置との距離が、600mm以下であることを特徴とする請求項9または10記載の管体の超音波探傷検査方法。
  12. 超音波を用いて管体の減肉を診断する管体の超音波探傷検査装置であって、
    超音波であるせん断水平波を発振し、管体との接触部から該せん断水平波を管体に入射し、管体の外周面に存在する欠陥からの反射波を検出することのできる超音波探触子と、
    超音波探触子で検出される欠陥からの反射波の強さを、管体中のせん断水平波の減衰率と欠陥からの反射波の現れる路程とを用いて補正することによって反射波の相対強さを演算する演算手段と、
    予め作成される反射波の相対強さと管体外周面における欠陥深さとの関係をストアする記憶手段と、
    演算手段によって演算される反射波の相対強さと、記憶手段から読出される反射波の相対強さと管体外周面における欠陥深さとの関係とに基づいて欠陥深さの推定値を求めて出力する欠陥深さ推定手段と、
    欠陥深さ推定手段による出力に応じて欠陥深さの推定値を表示する表示手段とを含むことを特徴とする管体の超音波探傷検査装置。
  13. 前記欠陥深さ推定手段は、
    前記反射波の相対強さから、予め作成した反射波の相対強さと管体外周面における欠陥深さとの関係に基づいて求められる欠陥深さの推定値を、前記超音波探触子を前記管体の周方向に走査させることによって得られる欠陥の周方向長さを用いてさらに補正し、補正後の値を欠陥深さ推定値として出力することを特徴とする請求項12記載の管体の超音波探傷検査装置。
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