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JP2004002142A - HBrをほとんど含まないHClガス及びHBrをほとんど含まないHCl水溶液の製造方法 - Google Patents

HBrをほとんど含まないHClガス及びHBrをほとんど含まないHCl水溶液の製造方法 Download PDF

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JP2004002142A JP2002357747A JP2002357747A JP2004002142A JP 2004002142 A JP2004002142 A JP 2004002142A JP 2002357747 A JP2002357747 A JP 2002357747A JP 2002357747 A JP2002357747 A JP 2002357747A JP 2004002142 A JP2004002142 A JP 2004002142A
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Abstract

【課題】HClガスおよびHCl水溶液の分離・精製。
【解決手段】下記の工程:a)HBr含有HClガスを用意する工程;b)HBr含有HClガスをHClで飽和されたHCl水溶液に通過させる工程;c)HClで飽和されたHBr含有HCl水溶液を分離する工程;d)必要により、工程b)で得られたHBrをほとんど含まないHClガスを水に通過させてHBrをほとんど含まないHCl水溶液を得る工程;を含み、工程d)で製造されたHBrをほとんど含まないHCl水溶液を、必要により工程b)に再循環させることを特徴とするHBrをほとんど含まないHClガス又はHBrをほとんど含まないHCl水溶液を製造する方法およびその実施装置に関する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
本発明は、HBrをほとんど含まないHClガス及びHBrをほとんど含まないHCl水溶液の製造方法及びこの方法を実施するための装置に関する。
【0002】
半導体工業で使用されているHCl水溶液(塩酸水溶液)は、HBr及び他の不純物(例、塩素及び金属塩化物)の含有量が極少量でなければならない。これは、電子部品の製造では、不要な異種原子の部品への混入により特有な問題が起こるためである。
【0003】
WO01/25144において、上記問題が、21質量%を超えるHCl含有量を有するHCl水溶液から加熱によりHClガスを発生させ、得られたHClガスを滞留塔及びエアゾール沈殿槽(共にフッ素化又は過フッ素化ポリオレフィン製である)に通し、次いで吸収塔において、高純度の水にこのHClを溶解することにより達成されている。この方法で得られた塩酸は、1ppm未満のHBr含有量を有する。しかしながら、この方法は、蒸留工程を用いるため極めてエネルギー集中的である。さらに、大量の希塩酸が得られる。
【0004】
US5846387にも、同様のエネルギー集中的方法が記載されている。この方法では、HClガスを、無水HClガスを含む貯蔵槽から取り出すか、又は塩酸水溶液から発生させ、そしてそのHClガスを低pHの水(好ましくは塩酸水溶液)に、向流で充填塔に流入させる。遷移金属及び第I、II及びIII主族の金属の酸化物、炭酸塩、水素化物及びハロゲン化物、及びリン(III)/砒素/アンチモンのハロゲン化物及び水素化物等の不純物は、この洗浄処理で除去することができる。このように精製されたHClガスの一部を、次いで、純粋な、好ましくは脱イオン化した水に移し、半導体工業における使用に好適な塩酸を得る。蒸留工程は、これらの個々の工程の間で用いても良い。HBrの除去については述べられていない。
【0005】
本発明の目的は、前記の従来技術における不利を解消し、簡単で、費用がかからない、HBrをほとんど含まないHClガス及びHBrをほとんど含まないHCl水溶液の製造方法を提供することである。
【0006】
本発明者等は、上記目的が、下記の工程:
a)HBr含有HClガスを供給する(用意する)工程;
b)HBr含有HClガスをHClで飽和されたHCl水溶液に通過させる工程;
c)HBrを含有するHCl飽和HCl水溶液を分離する工程;
d)必要により、工程b)で得られたHBrをほとんど含まないHClガスを水に通過させてHBrをほとんど含まないHCl水溶液を得る工程;
を含み、工程d)で製造されたHBrをほとんど含まないHCl水溶液を、必要により工程b)に再循環させることを特徴とするHBrをほとんど含まないHClガス又はHBrをほとんど含まないHCl水溶液を製造する方法により達成されることを見出した。
【0007】
本発明の方法により、半導体工業で使用するための高純度の要求に合ったHCl水溶液の製造が可能となる。本発明の方法により得られるHClガス又はHCl水溶液のHBr含有量は、一般に10ppm未満、好ましくは2ppm未満、特に好ましくは1ppm未満である。同様に、精製工程b)においてもカチオン及び塩素が除去され、これにより本発明に従って得られるHBrをほとんど含まないHCl水溶液のカチオン含有量が、一般に10ppm未満、好ましくは1ppm未満であり、そして本発明により得られるHBrをほとんど含まないHCl水溶液のCl含有量が、一般に5ppm未満、好ましくは0.5ppm未満である。本発明の方法の個々の工程を次に詳細に記載する。
【0008】
工程a)
HBr含有HClガスは、従来技術の公知の方法で製造することができる。出発材料中に臭素の痕跡が存在するものであれば、例えば、水素単体及び塩素単体からの合成により、金属塩化物(特に塩化ナトリウム)と硫酸又は硫酸水素塩との反応により、炭化水素の塩素化の副生物として、水和された重金属塩化物の熱分解により、又はCl含有有機廃棄物の焼却によりHClガスを得ることができる。
【0009】
水素単体及び塩素単体から製造されたHClガスを使用することが好ましい。この塩素は、特に、アマルガム法、隔壁法又は隔膜法によるクロロアルカリ電気分解により発生するものが好ましい。また、特に、塩素と20モル%過剰の水素との反応で製造されたHClガスを使用することが好ましい。
【0010】
出発材料により、HClガスのHBr含有量は、30〜2000ppmの範囲であり得る。
【0011】
工程b)
HClの水溶液の飽和は温度に依存する。例えば、40%の飽和、即ち水溶液が40質量%のHClを有するもの、は室温で達成することができる。本発明の目的のために、HClで飽和されたHCl水溶液(飽和塩酸水溶液)は、20〜30℃において、35〜40質量%のHClを含む水溶液である。
【0012】
工程b)で使用されるHClで飽和されたHCl水溶液は、一般に、すでにHBrを少し含んでいるが、HBrの飽和限界には未だ達していない。HBr含有量が10ppm未満の、HCl飽和HCl水溶液を使用することが好ましい。特に、工程d)で得られるHClで飽和されたHCl水溶液を用いることが好ましい。
【0013】
HBr含有HClガスは、一般に室温、即ち10〜30℃で存在し、一方給送されるHCl飽和HCl水溶液は一般に30〜35℃であり、これは精製が30〜40℃で行われることを意味する。
【0014】
一般に、HBr含有HClガスは、80〜100ミリバールの小さいゲージ圧で、工程b)で使用される反応容器に移される。
【0015】
HBr含有HClガスは、HClで飽和されたHCl水溶液に、並流又は向流で通過させることができる。しかしながら、HBr含有HClガスは、HClで飽和されたHCl水溶液に向流で通過させることが好ましい。
【0016】
本発明の方法の工程b)は、特に、棚段塔で行うことができる。棚段塔の中で、特に多孔板塔が好ましく、中でも、多孔板、実質的にポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフルオロアルコキシ重合体、これらの共重合体及びこれらの混合物等の重合体から構成された多孔板塔が好ましい。これらの重合体の中で、ポリフッ化ビニリデン及びポリフルオロアルコキシ重合体が好ましい。
【0017】
上記重合体から実質的に構成される、低圧液滴(low−pressure−drop)の規則又は不規則配列の充填剤(ラシヒリング(Raschig rings), ポールリング(Pall rings), Melapak、Sulzer in Winterthur/Switzerland社製)を含む塔を使用する場合、この規則又は不規則配列の充填剤の表面を完全に濡らさなくても良い。しかしながら、これはかなり有効性を低下させるであろうので、供給されるHCl飽和HCl水溶液の量を増加することにより相殺しなければならない。
【0018】
一方、ポリマーを基礎とする棚段を有する多孔板塔を使用することにより、有効な洗浄(スクラビング)が低い液体処理量でさえ起こることが保証される。このため、多孔板塔は、同じ効果を達成するために、不規則又は規則充填剤を含有する対応する塔と同じ高さにする必要はない。このため、多孔板塔は、資金の点から更に有利である。
【0019】
HCl飽和HCl水溶液の消費を最小にするために、塔は一般に、接触面積(m)及び時間当たり2m未満のHCl飽和HCl水溶液処理量、好ましくは1.5m/m・h未満のHCl飽和HCl水溶液処理量、特に好ましくは1m/m・h以下のHCl飽和HCl水溶液処理量で操作される。
【0020】
多孔板塔を用いる場合、HBr含有HClガスは一般に塔の下側1/3の所に導入され、一方HClで飽和されたHCl水溶液は、塔の上側1/3の所に導入される。HBr含有HClガスは最低の多孔板棚段の下で且つ底部排出口の上に供給し、及び/又はHClで飽和されたHCl水溶液は最高の多孔板棚段の上に導入することが好ましい。
【0021】
少なくとも8棚段を有する多孔板塔を使用することがとりわけ好ましい。
【0022】
このような塔を、工程b)を行うために初めて稼働する場合、HClで飽和されたHCl水溶液の代わりに水を塔内に供給することにより、その場でまずHClで飽和されたHCl水溶液を発生させる。その後、HClガスは、HClで飽和されたHCl水溶液が得られるまで、水に溶解する。HClで飽和されたHCl水溶液が塔内に存在する時点から、HClガスは、実質的に吸収されること無しにその溶液を通過するであろう。HClで飽和されたHCl水溶液に代えて水を使用する場合、さらに冷却素子が塔で使用される。
【0023】
小滴沈殿槽(droplet precipitator)が、反応器、特に工程b)で使用される多孔板塔、の下流に設置される。これは、分離要素として設計されるか、或いは多孔板塔の塔頂に一体化することができる。小滴沈殿槽は、通常多孔板棚段で使用される材料と同じものから作製される。即ち、基本的に、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフルオロアルコキシ重合体、これらの共重合体及びこれらの混合物等の重合体から作製される。
【0024】
工程c)
HBrはHClで飽和されたHCl水溶液に極めて容易に溶解するが、一方HClガスは、実質的に更に吸収されること無しにHClで飽和されたHCl水溶液を通過する。HClで飽和されたHBr含有HCl水溶液は、塔の底部で集められ、そしてそこから連続的に或いは順次除去される。連続除去が好ましい。HBrを含有するHClで飽和されたHCl水溶液を、非連続的に除去する場合、これはHBrを含有するHClで飽和されたHCl水溶液がHBrで飽和される最後に行われなければならない。HBrを含有するHClで飽和されたHCl水溶液は、工業銘柄の溶液が必要な用途にはなお使用することができる。
【0025】
工程b)及びc)において、HBr含有量が10ppm(HCl水溶液1kg当たりのHBrのmg)未満、好ましくは2ppm未満、特に好ましくは1ppm未満のHClガスが得られる。本発明の方法はまた、HClガスからHBrを、0.2ppm未満の分析検出(イオン・クロマトグラフィ)未満のHBr含有量の程度まで除去することを可能にしている。このHClガス又はこのHCl水溶液は、このような純度が要求される用途、特に半導体工業の用途に使用することができる。
【0026】
工程d)
HBrをほとんど含まないHClガスは、工程b)及びc)で使用される塔の塔頂で取り出され、その後反応容器内の水の中に移し、HBrがほとんどないHCl水溶液を得る。ここで、HBr含有HClガスは、一般に30〜70ミリバールの小さいゲージ圧下にある。
【0027】
工程d)は、吸収塔、特に不規則又は規則充填剤含有塔を用いて行うことが好ましい。この塔の内部構造は、実質的にポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフルオロアルコキシ重合体、これらの共重合体及びこれらの混合物等の重合体から構成されることが好ましい。特に好ましい変形例では、ポリフッ化ビニリデンで作製されたポールリング(Pall ring)が充填された塔が使用される。しかしながら、当該技術者に公知の他の低圧液滴(low−pressure−drop)形状を充填剤として使用することもできる。このようにして、低圧液滴と共に液体を良好に分布させるための極めて大きな表面積を達成することができる。
【0028】
また、工程d)において、HClガスを水に対して向流で導入することが好ましい。HClガスを、吸収塔の下側1/3の位置に導入し、一方水を吸収塔の上側1/3の位置に導入することが特に好ましい。
【0029】
半導体工業で使用されるHCl水溶液を本発明の方法により製造する場合、HBrをほとんどを含まないHClガスを、工程d)にて高純度の水に移す。本発明の目的のための高純度の水は、特別に精製された、特にイオン交換ユニットで実質的に脱イオン化された水である。
【0030】
いかなる濃度のHBrをほとんどを含まないHCl水溶液も、本発明の方法により製造することができる。
【0031】
HCl水溶液の沸点は、その溶液のHCl含有量に依存している;沸点はHClの増加と共に低下する。濃度が30質量%以上のHBrをほとんどを含まないHCl水溶液を製造する場合、吸収塔の中間領域又は下側半分で液体を取り出し、取り出した液体を冷却し、そしてその冷却液体を吸収塔の下より低い位置に戻すことが、発熱溶液法のため、有利である。吸収塔を製造するために重合体材料を使用した場合、冷却器を吸収塔に一体化した通常の装置の使用は不可能である。冷却は外部の高価でない冷却器により行われる。液体を吸収塔から取り出すために、2つの分配器棚を吸収塔の中間領域又は下側半分に設置することが好ましい。その後、熱い液体が2つの分配器棚の最上部を介して取り出され、一方冷却された液体は、2つの分配器棚の最下部から吸収塔に戻される。この処理により、吸収塔の上側領域の費用のかかる冷却素子を不要にすることができ、結果として本発明の方法で実施されるプラントの主要コストを低減させることができる。
【0032】
所望の生成物、即ちHBrをほとんどを含まないHCl水溶液を、所望の濃度に達した後、吸収塔の底部から取り出す。吸収塔の塔頂から排ガスを取り出し、排出し(有利には冷却後)、そして下流の第2吸収塔を通過する。
【0033】
HClで飽和されたHCl水溶液を工程d)で製造する場合、この溶液の一部は工程b)で使用することが有利である。ここではHClで飽和されたHCl水溶液は冷却され、好ましくは30℃未満に冷却される。
【0034】
吸収塔の温度は、通常30〜110℃、好ましくは60〜108℃である。
【0035】
本発明は、同様に本発明の方法を実施するための装置を提供する。この装置は、下記の構成要素:
i)HClガスを、HCl飽和HCl水溶液で洗浄するための棚段塔;
ii)小滴沈殿槽
iii)高純度の水を製造するための精製設備
iv)棚段塔i)で精製されたHClガスを、精製設備iii)で得られる高純度水中に溶解、HBrをほとんど含まないHCl水溶液を得るための吸収塔
を含み、更に個々の構成要素間の配管を含むものである。
【0036】
構成要素i)、ii)及びiv)は、工程b)における棚段塔及び小滴沈殿槽、及び工程d)の吸収塔において、前述した。
【0037】
高純度の水を得るための精製設備はイオン交換ユニットである。
【0038】
個々の構成要素の間の配管は、棚段塔及び吸収塔の材料と同じもので一般に作製され、即ち、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフルオロアルコキシ重合体、これらの共重合体及びこれらの混合物等の耐酸性重合体から作製される。
【0039】
添付図面において、図1は、本発明のHBrをほとんど含まないHCl水溶液の製造方法を好ましく行うためのプラントの概略を示す。
【0040】
最初の塔6(8棚段を有する多孔板塔)において、10〜30℃(環境温度)及び50〜100ミリバールの条件下のHBr含有HClガスを、配管1を介して底部から導入し、30〜35℃のHClで飽和されたHCl水溶液を、配管4を介して塔頂から塔に導入し、そして上昇ガスに向流で滴り落ちる。
【0041】
HBrは、HClで飽和されたHCl水溶液に特に容易に溶解するので、このHBrで汚染されたHCl飽和HCl水溶液は塔の底部で集められ、そこで配管2を介して連続的に排出することができる。このようにしてHBrで汚染されたHCl飽和HCl水溶液でも、なお工業銘柄の塩酸を使用する用途には好適である。
【0042】
HClで飽和されたHCl水溶液で洗浄することによりもたらされ、そして通常環境温度より5℃高く、30〜70ミリバールのゲージ圧にある、HBrをほとんど含まないHClガスは、配管3を介して塔6の塔頂から取り出され、第2塔7(吸収塔)に底部から供給される。
【0043】
20〜30℃の高純度の水を配管12を介して塔頂から塔に導入し、HClガスと向流で流す。塔7の温度は一般に30〜110℃の範囲にある。
【0044】
30質量%以上のHCl含有量を有するHCl水溶液を製造する場合、液体を側部取り出し口(side offtake)9を介して塔7から連続的に取り出し、熱交換機8で冷却し、そして側部入口(好ましくは取り出し口の幾分下に位置する)を介して塔7に戻す。
【0045】
所望の生成物、即ちHBrをほとんど含まないHCl水溶液は、配管11を介して塔7の底部から取り出され、必要により冷却される。取り出され、必要により冷却されたHCl水溶液の一部は、それがHClで飽和されている場合、HBr含有HClガスを洗浄するため、配管4を介して分岐される。
【0046】
排ガスは、塔の頂部より取り出され、熱交換機で濃縮され、部分的に吸収塔に再循環され、配管5を介して別の吸収塔に移され、そこからこれらは、水洗浄で新しくされた後、環境に排出される。
【0047】
以下に実施例により本発明を説明する。
【0048】
【実施例】
[実施例]
塩素と20モル%過剰の水素との反応により得られた350kg/hのHBr含有HClガスを、直径400mm、高さ6000mmを有し、第1棚(トレイ)の下の位置にポリフッ化ビニリデン製の8つの棚を備えた多孔板塔に導入する。HClガスのHBr含有量は、HClガス1kgに対するHBr量(kg)として、約215mgの臭素である(215ppm)。第5棚の上に、1ppm未満のHBr含有量を有する36質量%のHCl水溶液を141kg/hの量で多孔板塔に導入する。多孔板塔の底部から取り出された汚染されたHCl水溶液は、40.6質量%のHCl含有量及び473ppmの臭素含有量(HBr)を有する。塔の頂部から排出されたHClガスは1ppm未満のHBr含有量であり、下から直径400mm、高さ8000mmの吸収塔に移される。高純度の水を、1時間当たり600リットルの量で塔頂より吸収塔に供給される。吸収塔の下側1/3において、74〜78℃の液体を吸収塔から連続的に取り出す。この液体を5〜6℃に冷却した後、取り出し口の位置より幾分下に位置する吸収塔に戻される。吸収塔の底部では、所望の生成物、即ち36質量%のHCl含有量及び1ppm未満のHBr含有量を有するHCl水溶液が取り出される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のHBrをほとんど含まないHCl水溶液の製造方法を好ましく行うためのプラントの概略を示す
【符号の説明】
1 (HBr含有HClガスを導入する)配管
2 (HBrが多いHCl飽和HCl水溶液を排出する)配管
3 (HBrをほとんど含まないHClガスを取り出す)配管
4 (HCl飽和HCl水溶液を再循環する)配管
5  排ガス
6  塔1(棚段塔)
7  塔2(吸収塔)
8  熱交換機/冷却設備
9  熱HCl水溶液の取り出し
10 冷却されたHCl水溶液の導入
11 (HBrをほとんど含まないHCl水溶液の排出口を含む)配管
12 (高純度の水の供給口を含む)配管

Claims (10)

  1. 下記の工程:
    a)HBr含有HClガスを供給する工程;
    b)HBr含有HClガスをHClで飽和されたHCl水溶液に通過させる工程;
    c)HBrを含有するHClで飽和されたHCl水溶液を分離する工程;
    d)必要により、工程b)で得られたHBrをほとんど含まないHClガスを水に通過させてHBrをほとんど含まないHCl水溶液を得る工程;
    を含み、工程d)で製造されたHBrをほとんど含まないHCl水溶液を、必要により工程b)に再循環させることを特徴とするHBrをほとんど含まないHClガス又はHBrをほとんど含まないHCl水溶液を製造する方法。
  2. 工程b)を棚段塔で行い、及び/又は工程d)を吸収塔で行う請求項1に記載の方法。
  3. 工程b)で使用される棚段塔を、2m/m・h未満の液体処理量で操作する請求項2に記載の方法。
  4. 工程b)を多孔板塔で行い、該多孔板が、実質的に、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフルオロアルコキシ重合体、これらの共重合体及びこれらの混合物から選択される材料から構成されている請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 工程d)で得られたHCl水溶液の一部を、工程d)で用いられる吸収塔から取り出し、冷却し、そしてこの吸収塔に戻す請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 10ppm(HCl水溶液1kgに対するHBrのmg)未満のHBr含有量を有するHBrをほとんど含まないHCl水溶液を製造する請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 30質量%以上のHCl濃度を有するHBrをほとんど含まないHCl水溶液を製造する請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 工程b)において、HBr含有HClガスを、HClで飽和されたHCl水溶液に向流で通過させる請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 下記の構成要素:
    i)HClガスを、HCl飽和HCl水溶液で洗浄するための棚段塔;
    ii)小滴沈殿槽;
    iii)高純度の水を製造するための精製設備;
    iv)棚段塔i)及び小滴沈殿槽ii)で精製されたHClガスを、精製設備iii)で得られる高純度水の中に移し、HBrをほとんど含まないHCl水溶液を得るための吸収塔;
    を含み、更に個々の構成要素間の配管を含む請求項1〜8のいずれかに記載の方法を実施するための装置。
  10. 棚段塔の棚段及び/又は吸収塔の内部構造体が、実質的に、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフルオロアルコキシ重合体、これらの共重合体及びこれらの混合物から選択される材料から構成されている請求項9に記載の装置。
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