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JP2004001225A - 超音波振動切断用ツールおよびその製造方法 - Google Patents

超音波振動切断用ツールおよびその製造方法 Download PDF

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JP2004001225A JP2003202532A JP2003202532A JP2004001225A JP 2004001225 A JP2004001225 A JP 2004001225A JP 2003202532 A JP2003202532 A JP 2003202532A JP 2003202532 A JP2003202532 A JP 2003202532A JP 2004001225 A JP2004001225 A JP 2004001225A
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佐藤 茂
Ryoichi Ishii
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Abstract

【課題】各種の物性を有する切断対象部品の切断適切化を図る。
【解決手段】ホーン110が円板状の振動伝達方向変換部112を振動子から伝達される振動波形W3の最小振動振幅点f12に位置して同軸状に設けられ、この振動伝達方向変換部112の外周面には振動波形W3から振動伝達方向を90度変換された振動波形W4の最大振動振幅点f15が存在し、その外周面にはダイヤモンドよりなる切断刃111が振動伝達方向変換部112の外周面より突出した環状突起113を種として成長結合され、その後、環状突起113が切断刃111および振動伝達方向変換部112から除去され、これによって、切断刃111が振動伝達方向変換部112の外周面より径方向外側に環状に突出している。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は超音波振動により切断対象部品を切断するために用いられる超音波振動切断用ツールおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造において、IC等の組込まれた半導体ウエハを複数のベアチップと呼ばれるさいころ状の半導体チップに切断する場合、超音波振動により切断することが試みられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記超音波振動により半導体ウエハをさいころ状の半導体チップに切断することは、成功していないのが現状である。又、金、銀、アルミニウム、半田、銅等の粘りの有る柔らかいもの、セラミックス、シリコン、フェライト等の硬くて脆いもの、合成樹脂と金属とより成る積層構造となっているもの、無機質と金属と合成樹脂とより成る積層構造となっているもの等も、超音波振動により切断することは成功例が無い。
【0004】
そこで、本発明は上記のような物性を有する各種の切断対象部品を適切に切断できる超音波振動切断用ツールおよびその製造方法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る超音波振動切断用ツールにあっては、超音波振動により切断対象部品を切断するために用いられる超音波振動切断用ツールであって、ホーンに設けられた振動伝達方向変換部の外周面にダイヤモンドよりなる切断刃を成長結合したことによって、別体形式のような材質の最適化と一体形式のような超音波振動の伝達効率の良さとの両立が図れるとともに、各種の物性を有する切断対象部品を適切に切断できる超音波振動切断用ツールを提供することができる。また、本発明に係る超音波振動切断用ツールの製造方法にあっては、超音波振動により切断対象部品を切断するために用いられる超音波振動切断用ツールの製造方法であって、ホーンの振動伝達方向変換部の外周面に設けられた環状突起を種としてダイヤモンドよりなる切断刃を振動伝達方向変換部の外周面に成長させた後、この切断刃および振動伝達方向変換部より環状突起を除去することによって、別体形式のような材質の最適化と一体形式のような超音波振動の伝達効率の良さとの両立が図れる超音波振動切断用ツールを容易に製造することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態であって、ホーン110と切断刃111とを一体構成したものである。図1のa図に示すように、ホーン110の初期形状を作る。この初期形状は、チタン、アルミニウム、焼き入れされた鉄等の何れかの音響特性の良い材料より成り、図2の振動子24より伝達された超音波振動に共振する1/2波長の長さを有し、両端部に矢印X2で示す軸方向に振動する振動波形W3の最大振動振幅点f11;f13を有し、振動波形W3の最小振動振幅点f12に振動伝達方向変換部112を有し、振動伝達方向変換部112の外周面に環状突起113を有する。環状突起113は最小振動振幅点f12より軸方向一側に位置がずれている。
【0007】
次に、図1のb図に示すように、ダイヤモンドの切断刃111が環状突起113を種として振動伝達方向変換部112の外周面に成長させる。成長した切断刃111は最小振動振幅点f12に位置し、その厚さtは例えば数ミクロン〜200ミクロンである。
【0008】
そして、図1のc図に示すように、切断刃111の成長完了後、環状突起113を除去することにより、切断刃111の一体化されたホーン110が得られる。この実施形態において、振動伝達方向変換部112はホーン110より大きな直径と最小振動振幅点f12を中心として両端側に等分に振分けられた幅とを有し、ホーン110と同軸状の円形を呈し、振動の伝達方向を軸方向より径方向に変換する。この変換された振動波形W4における最大振動振幅点f14;f15は振動伝達方向変換部112の周縁部に存在する。切断刃111は最小振動振幅点f12に位置し、振動伝達方向変換部112より大きな直径を有し、切断刃111の刃先は矢印Y2で示す径方向に振動する。
【0009】
要するに、本実施形態は、切断刃111の一体化されたホーン110を開示したものであって、振動波形W3はホーン110の一端に図外の無頭ねじで同軸状に結合される図2の振動子24からの超音波振動に共振する超音波振動の瞬間的な変位(振動振幅)を表わす。振動波形W4は振動伝達方向変換部112で振動の伝達方向を軸方向より径方向に変換された超音波振動の瞬間的な変位(振動振幅)を表わす。金属を種としてダイヤモンドを成長される方法は公知である。
【0010】
図2を参照し、超音波振動切断加工に供される超音波振動切断用ツールの形態について説明する。ホーン110の一端にはブースタ25が図外の無頭ねじにより結合され、ブースタ25の一端には振動子24が図外の無頭ねじにより結合される。ブースタ25は、チタン、アルミニウム、焼き入れされた鉄等の何れかの音響特性の良い材料より成り、振動子24より伝達された超音波振動に共振する1波長の長さを有する。ブースタ25の両端部には、振動波形W3の最大振動振幅点f7;f11が存在する。
【0011】
ブースタ25の前側支持部42と後側支持部43とには最小振動振幅点f10;f8が存在する。前側支持部42は、振動波形W3の最小振動振幅点f10より径方向外側に突出する環状の付根部42aと、付根部42aの周縁よりホーン110の側に延設した筒状の肉薄部42bと、肉薄部42bの先端より径方向外側に突出する環状の肉厚部42cとを有する。
【0012】
後側支持部43は、振動波形W3の最小振動振幅点f8より径方向外側に突出する環状の付根部43aと、付根部43aの周縁より振動子24の側に延設した筒状の肉薄部43bと、肉薄部43bの先端より径方向外側に突出する環状の肉厚部43cとを有する。肉厚部42c;43cが超音波振動回転機構12に支持されることにより、ブースタ25の超音波振動回転機構12に対する前後方向の支持間隔(スパン)が長くなり、切削加工時の撓み防止がより良くなる。付根部42a;43aの厚さ>肉薄部42b;43b、肉厚部42c;43c>肉薄部42b;43bに形成されている。
【0013】
又、ブースタ25の前側・後側支持部42;43を避けた外周面、及び、ホーン110の振動伝達方向変換部112を避けた外周面のそれぞれには、ブースタ25と振動子24との結合や解除、ブースタ25とホーン110との結合や解除それぞれに際し工具を挿入する工具用凹部72;73;74;75を個別に有する。
【0014】
図3を参照し、超音波振動切断用ツールを用いた切断加工について説明する。切断対象部品としてのIC等の組込まれた半導体ウエハを複数のベアチップと呼ばれるさいころ状の半導体チップに切断するような切断加工を例として説明する。
【0015】
図2のブースタ25及び振動子24が超音波振動切断装置の超音波振動回転機構12の内部に同軸状に組込まれ、ブースタ25の前後の図2の支持部42;43が超音波振動回転機構12に取付けられ、超音波振動切断用ツールの図2の振動伝達方向変換部112や切断刃111が超音波振動回転機構12の外側に配置される。
【0016】
又、超音波振動切断装置の搭載台4に切断対象部品としてICの組込まれた半導体ウエハが固定される。そして、作業者が超音波振動切断装置の図外の操作盤を操作し、切断開始が制御部100に指示されると、制御部100が超音波振動切断装置のCCDカメラ99に撮影開始を指示する。
【0017】
そして、CCDカメラ99が搭載台4上の半導体ウエハの画像信号を制御部100に出力し、制御部100が画像信号と基準画像情報とに基づく演算結果である位置ずれを搭載台4に出力して搭載台4の調整機能を働かせて超音波振動回転機構12に対する半導体ウエハの位置合せを終了する。
【0018】
この後、制御部100が3軸駆動機構5と超音波振動回転機構12と冷却系統13とを制御することにより、超音波振動回転機構12の図2に示す切断刃111が一方向に回転すると共に超音波振動に共振し、ノズル部15が冷媒を噴射し、3軸駆動機構5のホルダ11がX方向移動とZ方向移動とにより四角形の軌跡を描く。その四角形の1回の軌跡において、超音波振動回転機構12における図1の切断刃111が半導体ウエハに対する一方向の1回の切断が実行される。
【0019】
その1回の切断が終了すると、3軸駆動機構5のホルダ11がY方向に移動した後、再び、四角形の軌跡を描くことにより、超音波振動回転機構12の切断刃111が半導体ウエハに対する一方向の次の1回の切断が行われる。その切断終了後、3軸駆動機構5のホルダ11がY方向に再び移動することを繰返すことにより、半導体ウエハが複数の帯状に切断される。
【0020】
この帯状の切断が完了すると、制御部100が搭載台4に90度回転を指示し、搭載台4の回転角θの調整機能が働き、超音波振動回転機構12に対する半導体ウエハの向きが90度変化する。その状態において、制御部100が3軸駆動機構5の制御を再開し、図1の切断刃111が帯状の半導体ウエハを複数のさいころ状に切断することにより、1つの半導体ウエハに対する超音波振動回転による切断作業が終了する。
【0021】
前記実施形態では切断対象部品として半導体ウエハを用いたが、切断対象部品としては金、銀、アルミニウム、半田、銅等の粘りのある柔らかいもの、セラミックス、シリコン、フェライト等の硬くて脆いもの、合成樹脂と金属とより成る積層構造となっているもの、無機質と金属と合成樹脂とより成る積層構造となっているもの等でも良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態を示すホーンの製作工程図。
【図2】同実施形態のホーンと振動子との結合構造の側面図。
【図3】同実施形態の超音波振動切断装置を示す正面図。
【符号の説明】
110 ホーン
111 切断刃
112 振動伝達方向変換部
113 環状突起

Claims (2)

  1. 超音波振動により切断対象部品を切断するために用いられる超音波振動切断用ツールであって、ホーンに設けられた振動伝達方向変換部の外周面にダイヤモンドよりなる切断刃を成長結合したことを特徴とする超音波振動切断用ツール。
  2. 超音波振動により切断対象部品を切断するために用いられる超音波振動切断用ツールの製造方法であって、ホーンの振動伝達方向変換部の外周面に設けられた環状突起を種としてダイヤモンドよりなる切断刃を振動伝達方向変換部の外周面に成長させた後、この切断刃および振動伝達方向変換部より環状突起を除去することを特徴とする超音波振動切断用ツールの製造方法。
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