JP2004000434A - Backrest structure for chair - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、椅子の背もたれ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、着座者の体重の掛け方に応じて背板を屈曲させる椅子の背もたれ構造が知られている(EP0591933A1)。かかる背もたれ構造を、図41に示す。背フレーム101には、弾性変形可能な背板102がシャフト103によって軸支されている。背フレーム101には長孔104が設けられており、背板102の下端に取り付けられたピン105を長孔104に挿入することで、背板102の下端を背フレーム101に変位可能に連結している。また、背フレーム101と背板102の間にはスプリング106が設けられている。
【0003】
背フレーム101は座板107に傾動可能に取り付けられており、図示しないスプリング機構によって常に起立する方向に付勢されている。スプリング機構の付勢力に抗して背フレーム101を傾動させるので、着座者が背板102に軽く寄り掛かる場合には背フレーム101は小さくリクライニングする。一方、着座者が背板102に強く寄り掛かった場合には、背フレーム101は大きくリクライニングする。
【0004】
着座者が背板102に寄り掛かると、背板102の上部と下部とでは上部の方がより強く押されるので、背板102は上部を後方に倒すように傾動する(二点鎖線)。このとき、背板102の下端はピン105によって背フレーム101に連結されているので、前方には移動することができず、長孔104内を上方に移動する。このため、背板102の中央下寄り部分は前方に突出し、背板102全体として屈曲する。
【0005】
着座者が背板102に軽く寄り掛かると背板102は小さく屈曲し、強く寄り掛かると背板102は大きく屈曲する。即ち、着座者が背板102に寄り掛かる強さに応じて背板102の屈曲角度が変化する。
【特許文献1】
EP0591933A1
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の背もたれ構造では、着座者が寄り掛かる強さに応じて背板102の屈曲角度が変化するため、着座者が強く寄り掛かって背フレーム101を大きくリクライニングさせると、背板102が大きく屈曲してしまう。このため、背板102を小さく屈曲させた状態で背フレーム101を大きくリクライニングさせることができなかった。
【0007】
また、着座者が軽く寄り掛かっており、背フレーム101のリクライニングの角度が小さな場合には、背板102を大きく屈曲させることができない。このため、背板102を大きく屈曲させた状態で背フレーム101を小さくリクライニングさせることができなかった。
【0008】
つまり、背板102の屈曲角度を好みの角度に設定した状態で椅子を使用することができなかった。
【0009】
本発明は、背板の屈曲角度を好みの角度に設定した状態で椅子を使用できる椅子の背もたれ構造を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために請求項1記載の椅子の背もたれ構造は、背フレームと、背フレームに上部又は下部が固定され、下部又は上部が前後方向に屈曲可能な背板と、背板の屈曲角度を変化させ且つ屈曲角度を固定する屈曲角度調整機構を備えるものである。
【0011】
したがって、屈曲角度調整機構を操作して背板の屈曲角度を好みの角度に調整することができる。背板の屈曲角度を好みの角度に調整した後、屈曲角度調整機構を操作して屈曲角度を固定、即ち屈曲角度が変化しないようにする。着座者が背板に強く寄り掛かっても、屈曲角度調整機構によって背板の屈曲角度が維持される。
【0012】
また、請求項2記載の背もたれ構造は、背板の下部を背フレームに固定すると共に、背板の上部を前後方向に屈曲可能にし、屈曲角度調整機構を、下端が背フレームに連結されて当該連結点を中心に上端が前後方向に傾動可能な制御リンクと、制御リンクの上端を前記背板の上部にこれらの相対変位を吸収しながら連結する連結手段と、背フレームと制御リンクの間の連結点から離れた位置に設けられて背フレームと制御リンクとの間の距離を変化させる変位手段を備えて構成したものである。
【0013】
したがって、変位手段を操作して背フレームと制御リンクの距離を変化させると、背フレームに対して制御リンクが傾動する。制御リンクの上端は背板の上部に連結されているので、制御リンクの傾動によって背板の屈曲角度が変化する。このとき、制御リンクの上端の移動量と背板の制御リンク連結部分の移動量が相違するため、制御リンクの上端と背板の制御リンク連結部分との間に相対変位が生じるが、この相対変位を連結部分が吸収し、制御リンクの傾動と背板の屈曲をスムーズにする。
【0014】
また、請求項3記載の椅子の背もたれ構造は、連結手段は、制御リンクの上端に設けられた円周部と、円周部に相対回転自在且つ軸方向に摺動自在な連結部と、連結部を背板に上下方向に回転自在に取りつける軸支手段を備え、連結部は円周部から脱落しない程度の長さを有しているものである。
【0015】
したがって、円周部に対して連結部例えばキャップが軸方向に摺動することで、制御リンクの軸方向の相対変位を吸収する。また、背板に対して連結部が上下方向に回転(角度変化)することで、制御リンクと背板の上下方向の角度変化を吸収する。さらに、円周部に対して連結部が回転することで、制御リンクと背板の水平方向の角度変化を吸収する。
【0016】
さらに、請求項4記載の椅子の背もたれ構造は、変位手段は、背フレームと制御リンクのいずれか一方に設けられたアジャストスクリュウと、いずれか他方に設けられアジャストスクリュウが挿入されるねじ孔と、アジャストスクリュウとねじ孔のうち少なくとも一方の角度を上下方向に変化させる角度変化手段を備えたものである。
【0017】
したがって、アジャストスクリュウを回転操作させると、ねじ孔へのねじ込み量が変化する。このため、背フレームと制御リンクの連結点から離れた位置における背フレームと制御リンクの間の距離が変化し、制御リンクの傾動角度が変化して背板の屈曲角度が変化する。制御リンクの傾動角度と背板の屈曲角度の変化に伴い、変位手段のアジャストスクリュウとねじ孔の対向角度も変化するが、この変化を角度変化手段が吸収する。
【0018】
また、請求項5記載の椅子の背もたれ構造は、背板にスリットを形成することで下部又は上部を前後方向に屈曲可能にしたものである。したがって、背板の剛性はスリットとその延長線上で減少し、背板の下部又は上部を前後方向に屈曲しやすくなる。
【0019】
また、請求項6記載の椅子の背もたれ構造は、連結手段が、制御リンクの上端に設けられて軸方向に伸びる凸部と、背板の背面に設けられ且つ凸部が下方から挿入される挿入口が形成された凸部受部と、凸部受部の上方に設けられ、凸部の先端の動きを許容する空間を備えている。
【0020】
したがって、凸部受部に対して凸部が軸方向に移動することで、制御リンクの軸方向の相対変位を吸収する。また、挿入口に対して凸部がみそすり運動をすることで、制御リンクと背板の上下方向の角度変化及び左右方向の角度変化を吸収する。さらに、凸部受部に対して凸部が回転することで、制御リンクと背板の水平方向の角度変化を吸収する。
【0021】
さらに、請求項7記載の椅子の背もたれ構造は、背板の上端にサポート部材を回転可能に取り付けると共に、サポート部材と背フレームをリンクによって連結し、背板の屈曲に連動してサポート部材を回転させるものである。
したがって、着座者が背板に寄り掛かりながら頭部等を起こす姿勢をとっても、頭部等をサポート部材でサポートすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
【0023】
図1〜図12に、本発明を適用した椅子の背もたれ構造の実施形態の一例を示す。椅子の背もたれ構造(以下、単に背もたれ構造という)は、背フレーム1と、背フレーム1に上部2a又は下部2bが固定され、下部2b又は上部2aが前後方向に屈曲可能な背板2と、背板2の屈曲角度を変化させ且つ屈曲角度を固定する屈曲角度調整機構3を備えている。本実施形態では、背板2の下部2bを背フレーム1に固定すると共に、背板2の上部2aを前後方向に屈曲可能にしている。また、屈曲角度調整機構3を、下端が背フレーム1に連結されて当該連結点4を中心に上端が前後方向に傾動可能な制御リンク5と、制御リンク5の上端を背板2の上部2aにこれらの相対変位を吸収しながら連結する連結手段6と、背フレーム1と制御リンク5の間の連結点4から離れた位置に設けられて背フレーム1と制御リンク5との間の距離を変化させる変位手段7を備えて構成している。
【0024】
背フレーム1は、座受け部材8に傾動可能に取り付けられている。背フレーム1には背板2の下部2bが固定されている。
【0025】
背板2は、例えば可とう性の材料で構成されている。本実施形態では、例えばポリプロピレン、ナイロン等の樹脂によって背板2を成形している。ただし、背板2の材料となる樹脂はこれらに限るものではなく、また、樹脂以外の材料によって背板2を成形しても良い。背板2の両側部は前方に向けて湾曲しているが、背板2にスリット10を形成することで、下部2bに対して上部2aを前後方向に屈曲しやすくしている。本実施形態では、スリット10をU字形状にしているが、スリット10の形状はこれに限るものではなく、例えば上下が逆のU字形状や、H字形状や、スペードのマークの外周の様でスペードのマークの下端はつながっている形状にしても良く、その他の形状でも良い。なお、背板2のスリット10の上側部分は、舌片部2cとなっている。
【0026】
また、スリット10の形状を直線形状にしても良い。この場合、例えば図34に示すように2本のスリット10を設けても良く、または、図35に示すように1本のスリット10を設けても良く、さらには、3本以上のスリット10を設けても良い。
【0027】
なお、スリット10の形状をU字形状にして舌片部2cを形成した場合には、背板2を屈曲させたときに舌片部2cを突出させることができ、突出させた舌片部2cで着座者の腰部等をサポートすることができる。また、舌片部2cを突出させる必要がない場合や舌片部2cを突出させることが好ましくない場合には、スリット10の形状を直線形状にする。即ち、スリット10の形状を直線形状にすることで、背板2を屈曲させても背板2の一部が突出することを防止することができる。
【0028】
制御リンク5は、例えば横断面形状が円形のパイプである。制御リンク5は、例えば2本設けられており、左右の制御リンク5は2つのブラケット11,12によって連結されている。下側のブラケット12の下端には、背フレーム1を両側から挟むように配置される一対の突片12aが固着されている。各突片12aと背フレーム1に、連結点4となるシャフト(以下、シャフト4という)を貫通させることで、ブラケット12即ち制御リンク5の下端は背フレーム1に対してシャフト4を中心に回転自在に連結され、上端を前後方向に揺動させることができる。2本の制御リンク5は下から上に向かう途中で離間する方向に湾曲し、上端を背板2の角部近傍に連結手段6によって連結させている。
【0029】
連結手段6は、例えば図5に示すように、制御リンク5の上端に設けられた円周部13と、円周部13に相対回転自在且つ軸方向に摺動自在な連結部14と、連結部14を背板2に上下方向に回転自在に取りつける軸支手段15を備えている。本実施形態では、制御リンク5は横断面形状が円形のパイプであるので、制御リンク5の上端部が円周部13となっている。また、連結部14は、例えば円周部13に相対回転自在且つ軸方向に摺動自在嵌め込まれたキャップ(以下、キャップ14という)である。ただし、連結部14としてはキャップに限るものではなく、例えばリング等であっても良い。
【0030】
軸支手段15は、キャップ14に固着された突片14aと、この突片14aを挟むように配置され、背板2に固着されている一対の突片2dと、これらの突片2d、14aを貫通する支軸16より構成されている。
【0031】
キャップ14は円周部13に上から嵌め込まれている。キャップ14の内径を円周部13の外径よりも僅かに大きくすることで、円周部13に対して回転自在且つ軸方向に摺動自在になっている。キャップ14は円周部13から脱落しない程度の長さを有している。即ち、制御リンク5の傾動と背板2の屈曲によってキャップ14が円周部13に対して摺動しても、キャップ14が円周部13から外れることはない。
【0032】
変位手段7は、背フレーム1と制御リンク5のいずれか一方に設けられたアジャストスクリュウ17と、いずれか他方に設けられアジャストスクリュウ17が挿入されるねじ孔18と、アジャストスクリュウ17とねじ孔18のうち少なくとも一方の角度を上下方向に変化させる角度変化手段19を備えている。本実施形態では、制御リンク5を連結するブラケット12にアジャストスクリュウ17を取り付け、背フレーム1に角度変化手段19を介してねじ孔18を設けている。
【0033】
より詳細に説明すると、アジャストスクリュウ17はスラストベアリング20を介してブラケット12に回転自在に且つ脱落不能に取り付けられている。また、角度変化手段19は、背フレーム1の側板1d,1dの間に渡された円筒体21と、この円筒体21の両端を背フレーム1の側板1d,1dに回転自在に取り付けるねじ22,22より構成されている。ねじ22は、背フレーム1の側板1dに形成されたねじ孔1eにねじ込まれている。
【0034】
ねじ孔18は、円筒体21の中央を貫通している。ねじ孔18にねじ込まれたアジャストスクリュウ17の先端には止め円板23が取り付けられており、アジャストスクリュウ17がねじ孔18から抜けないようになっている。
【0035】
この背もたれ構造では、以下の通り、背板2の屈曲角度を好みの角度に調整することができる。
【0036】
いま、図1及び図6に示す状態から、アジャストスクリュウ17をねじ孔18から抜く方向に回転させて伸ばすと、この部分における背フレーム1と制御リンク5との間隔が広がるので、制御リンク5はシャフト4を中心に後方に向けて倒れる(後方に傾動する)。このため、制御リンク5の上端が背板2の上部2aを後方に引っ張り、背板2を弾性変形させて屈曲させる(図2,図7)。
【0037】
アジャストスクリュウ17の回転操作を止めると、背フレーム1と制御リンク5の間隔は変化しなくなるので、制御リンク5の傾動角度は一定に維持され、したがって、背板2の屈曲角度を一定に維持することができ、この状態で椅子を使用することができる。
【0038】
また、アジャストスクリュウ17を上述の操作と反対側に回転させると、アジャストスクリュウ17がねじ孔18にねじ込まれて短くなり、この部分における背フレーム1と制御リンク5との間隔が狭くなる。このため、制御リンク5はシャフト4を中心に前方に向けて回転して起きあがる(前方に傾動する)。これにより、制御リンク5による背板2の方向への引っ張り力が減少するので、背板2の屈曲角度が減少する。即ち、図1及び図6に示すように、背板2の屈曲角度を元に戻すことができる。
【0039】
本発明の背もたれ構造では、着座者が背板2に寄り掛かり、背板2を座受け部材8に対して傾動させた場合でも、換言すると、背もたれ全体をリクライニングさせた場合でも、アジャストスクリュウ17を回転させるような力は発生しないので、使用中に背板2の屈曲角度が変化してしまうことはない。
【0040】
つまり、着座者はアジャストスクリュウ17の操作によって背板2の屈曲角度を好みの角度に調整することができ、背板2を好みの角度に屈曲させた状態で椅子を使用することができる。この結果、椅子の使い勝手を良くすることができる。また、アジャストスクリュウ17を回転させることは容易であり、調整作業も簡単である。このことからも、椅子の使い勝手を良くすることができる。
【0041】
背板2の屈曲角度を大きくした状態で椅子を使用することで、例えば背フレーム1を傾動させて背もたれ全体をリクライニングさせた際、背筋をより伸ばすことができ、背のストレッチ効果をより得ることができる。
【0042】
なお、座受け部材8の後端と背フレーム1の途中を連結するガススプリング24を伸縮させることで、背フレーム1を座受け部材8に対して傾動させてリクライニングすることが可能になる。即ち、ガススプリング24は座受け部材8及び背フレーム1とともに三角形状のリンク機構を構成しており、ガススプリング24の長さ変化が可能な場合には背フレーム1は傾動可能であるが、ガススプリング24の長さを固定した場合には背フレーム1を傾動させることができなくなる。ガススプリング24の長さ固定やその解除は、レバー25の操作によって行われる。このレバー25は背板2の側縁の下方空間に配置されており、着座者が前方にかがむことがなく、背中を背板2に着けたままの状態で手を下ろすだけで掴むことができ、そのまま操作することができる。このため、レバー操作を行いやすく、しかもレバー25を操作しながら背中で背板2を押す動作を行いやすくなる。また、ガススプリング24のバルブ操作部から椅子の左右方向にリンク26を伸ばせば当該リンク26に直接レバー25を取り付けることができ、合理的な配置を採用することができる。即ち、ガススプリング24やリンク26やレバー25等を予め組み付けてユニット化した状態で、椅子に組み付けることが可能になり、椅子の組み付け作業を容易にすることができる。
【0043】
アジャストスクリュウ17を操作して制御リンク5の傾動角度を変化させると、アジャストスクリュウ17とねじ孔18の高さ関係が変化するので、これらの対向角度が変化する。本発明では、アジャストスクリュウ17とねじ孔18の高さ関係の変化に応じて角度変化手段19の円筒体21が回転し、アジャストスクリュウ17とねじ孔18を常に一直線上に配置することができる。即ち、角度変化手段19がアジャストスクリュウ17とねじ孔18の対向角度の変化を吸収するので、アジャストスクリュウ17を常にスムーズに回転させることができる。このため、アジャストスクリュウ17を軽い力で操作することができ、使い勝手に優れている。
【0044】
制御リンク5を傾動させて背板2の屈曲角度を調整する際、制御リンク5の上端の移動量と背板2の制御リンク5を連結している部分(リンク連結部分)の移動量が相違するため、制御リンク5の上端と背板2のリンク連結部分との間に相対変位が生じるが、この相対変位を連結手段6が吸収する。即ち、制御リンク5の軸方向の相対変位は、円周部13に対してキャップ14が軸方向に摺動することで吸収することができる。また、制御リンク5と背板2の上下方向の角度変化は、軸支手段15の支軸16を中心に背板2とキャップ14の相対角度を変化させることで吸収することができる。さらに、制御リンク5と背板2の水平方向の角度変化は、円周部13に対してキャップ14が回転することで吸収することができる。
【0045】
このように、制御リンク5の上端と背板2のリンク連結部分との間に発生する相対変位を連結手段6によって吸収することができるので、制御リンク5を傾動させて背板2を屈曲させる機構を成立させることができる。また、制御リンク5と背板2の連結部分に無理な力が作用することもないので、スムーズに動かすことができ、軽い力で背板2を屈曲させることができ、使い勝手や使い心地が良くなる。さらに、制御リンク5と背板2の連結部分に無理な力が作用するのを防止できるので、応力集中による部材、部品の破損や摩耗を防いで、製品寿命を長くすることができる。また、各部材・部品の材料の選択の自由度や、摺動・接触する部材・部品間での材料の組合せの自由度を向上させることができる。
【0046】
また、連結手段6は、円周部13に対してキャップ14を回転させることで、制御リンク5と背板2の水平方向の角度変化を吸収するようにしているので、背板2の平面視において、背板2の中央を後方に突出させるように背板2を湾曲させることが容易になる。即ち、着座者が背板2に寄り掛かると、背中の形状にあわせて背板2を湾曲させやすくなる。このため、座り心地を更に良くすることができる。
【0047】
なお、図1〜図3,図6,図7には図示を省略しているが、背板2の前面にはクッション材27が取り付けられている。クッション材27は袋状のカバー28内に収納されている。カバー28の裏面の上端縁にはポケット状の折返し部28aが、また、カバー28の裏面の背板2のスリット10に対向する位置には、上方に開口するポケット部28bが設けられている。また、ポケット部28bの形状は、スリット10及び舌片部2cの形状に対応する様な形状となっている。折返し部28a内には、弾性変形可能な中敷きプレート29が入れられており、カバー28の上端縁の形状を整えると共に、折返し部28aがしわになったり折れ曲がるのを防止して折返し部28aをめくりやすくしている。
【0048】
クッション材27を背板2に取り付けるには、まず最初にカバー28のポケット部28bを背板2のスリット10に通して背板2の舌片部2cに下から被せた後、折返し部28aをめくりながら背板2の上端縁に被せれば良い。背板2の上端縁は上に向いており、背板2の舌片部2cは下に向いているので、カバー28を上下に広げるようにして背板2に取り付けることができる。また、カバー28の折返し部28aを背板2の上端縁に被せ、ポケット部28bを舌片部2cに被せているので、カバー28が背板2に対して左右方向にずれることもない。
【0049】
このように、カバー28の折返し部28aを上から被せ、ポケット部28bをスリット10に通して下から被せるだけで、クッション材27を背板2に取り付けることができるので、取付作業が大変簡単である。しかも、上下方向にも左右方向にも正確な位置にクッション材27を取り付けることができる。
【0050】
即ち、従来の方法では、クッション材27を収納するカバー28を背板2に取り付ける場合、カバー28を背板2にピンによって止めていたり、面ファスナ(所謂マジックテープ)によって止めていた。また、カバー28の上端縁に折返し部28aを設けて背板2の上端縁に被せる例はあったが、この場合でもカバー28の下部2bはピンや面ファスナを使用して背板2に止めていた。したがって、従来の方法では、クッション材27を収納したカバー28を背板2に取り付けるのに手間が掛かっており、作業性に劣っていた。これらに対し、本発明では、ピンや面ファスナを使用して止めるという煩わしい作業をする必要がなく、また、ピンや面ファスナを位置決めしたり、カバー28自体を背板に位置決めするような作業を行う必要もないので、作業性に大変優れており、製造コストを下げることができる。
【0051】
また、椅子の後方からカバー28の折返し部28aとポケット部28bが見えるので、背板2の色とカバー28の色を相違させておくことで、折返し部28aとポケット部28bがデザイン上のワンポイントとなり、従来にないデザインにすることができ、他の種類の椅子との差別化を図ることができる。
【0052】
また、カバー28を背板2に取りつけた状態で、ポケット部28bを携帯電話等の小物類を入れておくことのできるポケットとして使用することもできる。
【0053】
なお、上述のようなクッション材27の取り付け構造は、図1に示す構造の椅子に限るものではなく、スリット10を設けて舌片部2cを形成している背板2であれば適用可能である。
【0054】
また、上述のポケット部28bは上方に開口していたが、ポケット部28bを下方に開口するようにしても良い。この場合には、スリット10を上下が逆のU字形状にする。
【0055】
また、ポケット部28bの代わりに、舌片部2cに係止できる手段、例えばバンド部等を設けても良いことは勿論である。ポケット部28bの代わりに例えばバンド部を設けた場合には、スリット10がU字形状である場合は勿論のこと、スリット10を上下が逆のU字形状にしてもバンド部を舌片部2cに係止してカバー28を背板2に取り付けることができる。また、図33に示すように、バンド部28cが舌片部2cから抜けるのを防止するために、スリット10に段部10aを設けても良い。
【0056】
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
【0057】
例えば、上述の説明では、連結手段6として円周部13と、キャップ14と、軸支手段15を備えていたが、必ずしもこの構成でなくても良い。例えば、図13に示す連結手段6のように、制御リンク5の上端にリンク側突片30を固着して制御リンク5の軸方向に細長い長孔31を設けると共に、背板2に背板側突片32を固着してこの背板側突片32に長孔31内を貫通するピン33を取り付けるようにしても良い。ピン33が長孔31内を移動することで、制御リンク5の軸方向の相対変位を吸収することができる。また、長孔31内でピン33が回転することで、制御リンク5と背板2の上下方向の角度変化を吸収することができる。なお、図13の例では、制御リンク5側に長孔31を、背板2側にピン33を設けているが、制御リンク5側にピン33を、背板2側に長孔31を設けても良い。
【0058】
また、連結手段6は、例えば図34〜36に示すように、制御リンク5の上端に設けられて軸方向に伸びる凸部51と、背板2の背面に設けられ且つ凸部51が下方から挿入される挿入口52が形成された凸部受部53と、凸部受部53の上方に設けられ、凸部51の先端の動きを許容する空間54を備えたものとしても良い。図36の例では、背板2の背面に箱部55を形成し、箱部55の底壁を凸部受部53、箱部55の内部空間を空間54としている。ただし、凸部受部53と空間54を形成するためのものとしては、箱部55に限るものではないことは勿論である。
【0059】
挿入口52の概念を図37に示す。挿入口52の開口は凸部受部53の両面について広がっている。このため、挿入口52に挿入された凸部51が凸部受部53に対してみそすり運動を行うのが容易であり、背板2と制御リンク5との間の相対的な動きの自由度が向上する。
【0060】
制御リンク5を傾動させて背板2の屈曲角度を調整する際、制御リンク5の上端の移動量と背板2の制御リンク5を連結している部分(リンク連結部分)の移動量が相違するため、制御リンク5の上端と背板2のリンク連結部分との間に相対変位が生じるが、この相対変位を連結手段6が吸収する。即ち、制御リンク5の軸方向の相対変位は、凸部受部53に対して凸部51が軸方向に移動することで吸収することができる。また、制御リンク5と背板2の相対的な角度変化は、凸部受部53に対して凸部51がみそすり運動を行うことで吸収することができる。さらに、制御リンク5と背板2の水平方向の角度変化は、凸部受部53に対し凸部51が回転することで吸収することができる。
【0061】
かかるタイプの連結手段6では、図5に示す連結手段6で必要であった軸支手段15を省略することができる。このため、構造が簡単になり、部品点数を少なくすることができると共に、製造工程を少なくすることができ、動きの自由度が向上するにもかかわらず製造コストを下げることができる。
【0062】
また、図38に示すように、連結手段6の箱部55を背板2にピン56によって連結し、箱部55を背板2に対して上下方向に回転自在にしても良い。
【0063】
また、変位手段7を凹凸長孔構造にしても良い。図14及び図15に、変位手段7を凹凸長孔構造にした例を示す。この変位手段7では、制御リンク5又はブラケット12に、凹凸を有する長孔34が形成されているプレート35を取り付けると共に、背フレーム1にピン36を取り付け、ピン36を凹凸を有する長孔34に通す構成にしても良い。また、この構成では、プレート35の下端近傍に長孔37を設けておき、この長孔37にシャフト4を貫通させるようにしている。
【0064】
制御リンク5の傾動角度を変える場合には、制御リンク5を持ち上げて凹凸を有する長孔34の凹部34aからピン36を外し、制御リンク5の傾動角度を変えてピン36を隣の凹部34aに対向させ、この状態で制御リンク5を降ろすようにする。即ち、凹凸を有する長孔34に対するピン36の位置を換えることで、背板2の屈曲角度を調整することができる。制御リンク5等の重さによってピン36が凹部34aから外れるのを防止することができるので、制御リンク5の傾動角度を固定することができ、使用中に背板2の屈曲角度を固定することができる。
【0065】
なお、図14,図15の例では、凹凸を有する長孔34の2箇所に凹部34aを設けて制御リンク5の傾動角度を2段階調整可能にしていたが、凹部34aの数は2箇所に限るものではないことは勿論である。凹部34aの数を増やすことで、選択できる制御リンク5の傾動角度の数が増え、背板2の屈曲角度を多段階調整することができる。
【0066】
また、変位手段7をカム構造にしても良い。図16及び図17に、変位手段7をカム構造にした一例を示す。この変位手段7では、ブラケット12にカムプレート38を回転自在に取りつけている。カムプレート38には長孔38aが形成されており、長孔38aに固定ピン39を貫通させることでカムプレート38の回転できる角度を一定の範囲に制限している。図示しない操作レバーを回転操作することで、カムプレート38を回転させて制御リンク5と背板2の間隔を変化させることができる。カムプレート38を操作して制御リンク5と背板2の間隔を狭めた場合、即ち、図17の状態から図16の状態にカムプレート38を操作した場合には、背板2は自身の弾性力によって元の形状に戻ろうとして屈曲角度を減少させようとするので、カムプレート38から背板2が離れることはない。即ち、カムプレート38による押し広げ力が解除されると、背板2は自身の弾性力によって屈曲角度を減少させる。
【0067】
カム構造を利用した変位手段7では、カムプレート38の回転角度を任意角度に固定できるようにすることで、背板2の屈曲角度を無段階調整することができる。また、カムプレート38のカム部分の形状を多角形にすることで、制御リンク5の傾動角度を段階的に変化させることができるようになり、背板2の屈曲角度を多段階調整することができる。
【0068】
また、変位手段7をリンク構造にしても良い。図18及び図19に、変位手段7をリンク構造にした一例を示す。この変位手段7では、制御リンク5に固着されたブラケット12と背板2を2本のリンク40,41によって連結すると共に、ブラケット12と背板2の間にリターンスプリング42を圧縮した状態で取りつけている。図19の状態では、リターンスプリング42の付勢力によって2本のリンク40,41を伸ばしながら制御リンク5が後方に倒され、背板2の屈曲角度を増加させている。また、リターンスプリング42の付勢力に抗して2本のリンク40,41を縮める(屈曲させる)と、制御リンク5が起立して背板2の屈曲角度が減少する(図18)。図示しない操作手段によって2本のリンク40,41の屈曲角度を変化させてその角度に固定することで、背板2の屈曲角度を調整することができる。
【0069】
リンク構造を利用した変位手段7では、2本のリンク40,41を任意の屈曲角度に固定できるようにすることで、背板2の屈曲角度を無段階調整することができる。
【0070】
また、上述の説明では制御リンク5の上端を後方に倒すことで背板2の屈曲角度を増加させ、例えばリクライニングの際、着座者の背筋をより伸ばすことができるようにして背のストレッチ効果をより得ることができるようにしていたが、必ずしもこの構成でなくても良い。
【0071】
例えば、背板2の下部2bによって着座者の臀部をサポートするようにしても良い。図20〜図23に、背板2の下部2bを臀部サポートにする一例を示す。この例では、背フレーム1を上方に延出させ、背フレーム1に背板2の上部2aを固定している。また、背板2の下部2bは前傾可能になっている。制御リンク5の上端は背フレーム1に回転自在に取りつけられている。また、制御リンク5の下端は、背板2の下部2bに連結されている。変位手段7の操作によって制御リンク5を前後に傾動させることで、背板2の屈曲角度を変化させて下部2bを前後傾動させることができる。例えば、背板2の下部2bを前方に向けて傾動させることで下部2bが着座者の臀部を支える臀部サポートとなり、着座時のサポート感を得ることができる。
【0072】
なお、図24及び図25に示すように、制御リンク5を省略し、背フレーム1と背板2の間に変位手段7を設けても良い。この場合にも、変位手段7の操作によって背板2の屈曲角度を変化させて下部(臀部サポート)2bを前後傾動させることができる。
【0073】
また、背板2を高さ調整できるようにしても良い。図26に、背板2を高さ調整可能にした一例を示す。背フレーム1を下側フレーム1aと上側フレーム1bに分割すると共に、下側フレーム1aの先端に設けた円筒部1cに上側フレーム1bを挿入し、円筒部1cに対して上側フレーム1bをスライドさせることで、背板2の高さを調整する。図示しない係止手段によって上側フレーム1bを円筒部1cに係止することで、背板2を調整後の高さに固定することができる。背板2の高さ調整を行うことで、背板2の屈曲部分の高さを変えることができる。図27及び図28に示すように、着座者の体格に応じて背板2の高さ調整を行うことで、座り心地が向上する。なお、図27は子供が座っている様子を、図28は大人が座っている様子を示している。
【0074】
また、図1の例ではサポート部材を設けていなかったが、サポート部材を設けても良い。即ち、背板2の上端にサポート部材を回転可能に取り付けると共に、サポート部材と背フレーム1をリンク45によって連結し、背板2の屈曲に連動してサポート部材を移動(回転)させるようにしても良い。図29〜図32に、サポート部材として例えばヘッドレスト44を設けた一例を示す。ヘッドレスト44の下端を背板2の上端に回転可能に取り付け、リンク45によってヘッドレスト44の上端を背フレーム1に連結している。リンク45はヘッドレスト44及び背フレーム1に対して回転自在に連結されている。図29及び図31に示すように、背板2の高さをあまり屈曲させていない状態ではヘッドレスト44は後方に移動しており、着座者の邪魔にならない。この状態から背板2を屈曲させると、図30及び図32に示すようにヘッドレスト44が前方に移動し、着座者の頭を支えることができる。
【0075】
なお、リンク45によって背板2の屈曲に連動して移動するサポート部材としては、着座者の頭部をサポートするヘッドレスト44に限るものではない。例えば、図39及び図40に示すように、着座者の肩甲骨の部分から頭部までをサポートするサポート体57であっても良い。このサポート体57は、背板2の上端に回転自在に取り付けられている。例えば、パソコンを操作しながら背板2に寄り掛かると、着座者はモニタを見るために背中の上部を若干起き上がらせるような姿勢になる。このような場合にも、サポート体57によって着座者の上半身をサポートすることができる。
【0076】
なお、リンク45を設けて背板2の屈曲に連動してサポート部材を移動させるようにしていたが、サポート部材の動きを背板2の屈曲に連動させなくても良い。また、サポート部材を背板2に固定しても良い。さらには、背板2の屈曲から独立してサポート部材を操作する操作手段を設け、この操作手段によってサポート部材を移動操作するようにしても良い。
【0077】
さらに、上述の説明では、背板2を可とう性の材料で構成することで屈曲可能にしていたが、背板2の上部2aと下部2bを別部材にし、ヒンジ等によって上部2aと下部2bを接続することで背板2を屈曲可能にしても良い。なお、ヒンジとしては、例えば、背板2の上部2aや下部2bと一体成形され、且つ上部2aや下部2bの材料となる樹脂よりも柔軟性がある樹脂を使用して形成した樹脂ヒンジの適用が可能であり、また、背板2の上部2aや下部2bと一体成形され、上部2aや下部2bよりも肉厚を薄くすることで柔軟性を持たせたヒンジの適用が可能であり、さらに、背板2の上部2aや下部2bを分割し、これらを連結する蝶番の使用が可能である。
【0078】
また、図示していないが着座者が容易に操作できる位置に操作レバー等を設け、アジャストスクリュウ17、カムプレート38、リンク40,41等の変位手段7を前記操作レバー等を用いて操作することも可能である。
【0079】
また、アジャストスクリュウ17、カムプレート38、リンク40,41を回転させる電動モータを設け、スイッチ操作によって電動モータを始動・停止させて電動で変位手段7を操作するようにしても良い。
【0080】
また、変位手段7として流体によって膨張、収縮する袋を設けると共に、この袋を制御リンク5及び背板2に接続し、袋に対して空気等の流体を注入又は吸引することで袋を膨張又は収縮させて制御リンク5を傾動、即ち背板2を屈曲角度を変化させるようにしても良い。
【0081】
さらに、背板に代えて、座板の屈曲角度を調整するようにしても良い。即ち、座フレームと、座フレームに前部又は後部が固定され、後部又は前部が上下方向に屈曲可能な座板と、座板の屈曲角度を変化させ且つ屈曲角度を固定する屈曲角度調整機構を備える椅子の座構造であっても良い。
【0082】
また、座フレームに前部が固定され、後部が上下方向に屈曲可能な座板と、座板の屈曲角度を変化させ且つ屈曲角度を固定する屈曲角度調整機構を備える椅子の座構造であって、座板の後部に背板2の下部を固定し、座板の後部を下方に屈曲させると、これに追従して背板2が後方に傾動するようにしても良い。
【0083】
さらに、上述の説明では、パイプによって制御リンク5を形成し、制御リンク5とブラケット12とを別部材にしているが、これらを一体成形しても良い。即ち、制御リンク5と、ブラケット12と、突片12aを例えばアルミダイキャスト等の金属ダイキャスト等によって一体成形しても良い。つまり、上端に円周部13を形成し、ブラケット12の位置にアジャストスクリュウ17を貫通させる孔と突片12aを形成した金属ダイキャストの一体成形品であっても良い。また、金属ダイキャストによる一体成形品に限らず、樹脂製の一体成形品や金属製プレスによる一体成形品としても良い。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の椅子の背もたれ構造では、背フレームと、背フレームに上部又は下部が固定され、下部又は上部が前後方向に屈曲可能な背板と、背板の屈曲角度を変化させ且つ屈曲角度を固定する屈曲角度調整機構を備えているので、背板の屈曲角度を好みの角度に調整した状態で使用することができる。このため、椅子の座り心地や使い勝手を向上させることができる。
【0085】
また、請求項2記載の背もたれ構造では、背板の下部を背フレームに固定すると共に、背板の上部を前後方向に屈曲可能にし、屈曲角度調整機構を、下端が背フレームに連結されて当該連結点を中心に上端が前後方向に傾動可能な制御リンクと、制御リンクの上端を前記背板の上部にこれらの相対変位を吸収しながら連結する連結手段と、背フレームと制御リンクの間の連結点から離れた位置に設けられて背フレームと制御リンクとの間の距離を変化させる変位手段を備えて構成しているので、変位手段の操作によって背板の屈曲角度を調整することができ、簡単な調整操作で背板の屈曲角度を好みの角度に調整することができる。また、制御リンクの上端と背板の制御リンク連結部分との間に生じる相対変位を連結手段によって吸収することができるので、機構を成立させることができると共に、制御リンクの傾動と背板の屈曲をスムーズにすることができる。
【0086】
また、請求項3記載の椅子の背もたれ構造では、連結手段は、制御リンクの上端に設けられた円周部と、円周部に相対回転自在且つ軸方向に摺動自在な連結部と、連結部を背板に上下方向に回転自在に取りつける軸支手段を備え、連結部は円周部から脱落しない程度の長さを有しているので、制御リンクの軸方向の相対変位、制御リンクと背板の上下方向の角度変化、制御リンクと背板の水平方向の角度変化をそれぞれ良好に吸収することができる。
【0087】
さらに、請求項4記載の椅子の背もたれ構造では、変位手段は、背フレームと制御リンクのいずれか一方に設けられたアジャストスクリュウと、いずれか他方に設けられアジャストスクリュウが挿入されるねじ孔と、アジャストスクリュウとねじ孔のうち少なくとも一方の角度を上下方向に変化させる角度変化手段を備えているので、アジャストスクリュウの回転操作によって背板の屈曲角度を調整することができる。また、背板の屈曲角度の変化に伴い、変位手段のアジャストスクリュウとねじ孔の対向角度も変化するが、この変化を角度変化手段が吸収することができるので、変位手段に無理な力が発生することがなく、軽い力で操作することができる。
【0088】
また、請求項5記載の椅子の背もたれ構造では、背板にスリットを形成することで下部又は上部を前後方向に屈曲可能にしているので、簡単な構成で背板を前後方向に屈曲させることができる。この場合、スリットの形状をU字形状にすれば背板の一部を突出させてサポート部を形成することができる。また、スリットの形状を直線形状にすることで、背板の一部が突出するのを防止することができる。
【0089】
また、請求項6記載の椅子の背もたれ構造では、連結手段が、制御リンクの上端に設けられて軸方向に伸びる凸部と、背板の背面に設けられ且つ凸部が下方から挿入される挿入口が形成された凸部受部と、凸部受部の上方に設けられ、凸部の先端の動きを許容する空間を備えているので、制御リンクと背板の連結部分の動きの自由度を向上させることができる。また、構成部品の点数が減少し、これに伴い製造工程も減少するので、製造コストを下げることができる。
【0090】
さらに、請求項7記載の椅子の背もたれ構造では、背板の上端にサポート部材を回転可能に取り付けると共に、サポート部材と背フレームをリンクによって連結し、背板の屈曲に連動してサポート部材を回転させるようにしているので、椅子の使い勝手を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した椅子の背もたれ構造の実施形態の一例を示し、構成部材の位置関係を示す図である。
【図2】同椅子の背もたれ構造を示し、背板を大きく屈曲させた状態の構成部材の位置関係を示す図である。
【図3】同椅子の背もたれ構造の背板を示す背面図である。
【図4】同椅子の背もたれ構造の連結手段を示し、その上方からみた断面図である。
【図5】同連結手段を示し、その側方からみた断面図である。
【図6】同椅子の背もたれ構造の変位手段の第1の例を示し、構成部材の位置関係を示す図である。
【図7】同変位手段を示し、背板を大きく屈曲させた状態の構成部材の位置関係を示す図である。
【図8】同変位手段の角度変化手段を示す斜視図である。
【図9】同椅子の背もたれ構造を適用した椅子に取りつけられているガススプリングを示す平面図である。
【図10】同ガススプリングを示す側面図である。
【図11】同椅子の背もたれ構造のカバーを示す背面図である。
【図12】同カバーを背板に取り付けた様子を示す背面図である。
【図13】本発明を適用した椅子の背もたれ構造を構成する連結手段の他の実施形態を示す側面図である。
【図14】同椅子の背もたれ構造の変位手段の第2の例を示し、構成部材の位置関係を示す図である。
【図15】同変位手段の第2の例を示し、背板を大きく屈曲させた状態の構成部材の位置関係を示す図である。
【図16】同椅子の背もたれ構造の変位手段の第3の例を示し、構成部材の位置関係を示す図である。
【図17】同変位手段の第3の例を示し、背板を大きく屈曲させた状態の構成部材の位置関係を示す図である。
【図18】同椅子の背もたれ構造の変位手段の第4の例を示し、構成部材の位置関係を示す図である。
【図19】同変位手段の第4の例を示し、背板を大きく屈曲させた状態の構成部材の位置関係を示す図である。
【図20】本発明を適用した椅子の背もたれ構造の第1の変形例を示す概略構成図である。
【図21】本発明を適用した椅子の背もたれ構造の第1の変形例を示し、背板の下部を前方に傾動させた様子を示す概略構成図である。
【図22】図20の背もたれ構造を適用した椅子の使用状態を示す概略構成図である。
【図23】同背もたれ構造を適用した椅子の使用状態を示し、背板の下部を前方に傾動させた様子を示す概略構成図である。
【図24】本発明を適用した椅子の背もたれ構造の第2の変形例を示す概略構成図である。
【図25】本発明を適用した椅子の背もたれ構造の第2の変形例を示し、背板の下部を前方に傾動させた様子を示す概略構成図である。
【図26】本発明を適用した椅子の背もたれ構造の第3の変形例を示す概略構成図である。
【図27】図26の背もたれ構造を適用した椅子の使用状態を示し、子供が使用する様子を示す概略構成図である。
【図28】図26の背もたれ構造を適用した椅子の使用状態を示し、大人が使用する様子を示す概略構成図である。
【図29】本発明を適用した椅子の背もたれ構造の第4の変形例を示し、ヘッドレストを後方に移動させている状態の構成部材の位置関係を示す図である。
【図30】同椅子の背もたれ構造の第4の変形例を示し、ヘッドレストを前方に移動させている状態の構成部材の位置関係を示す図である。
【図31】図29の背もたれ構造を適用した椅子の使用状態を示し、ヘッドレストを後方に移動させている状態の概略構成図である。
【図32】同背もたれ構造を適用した椅子の使用状態を示し、ヘッドレストを前方に移動させ、背もたれ全体をリクライニングさせている状態の概略構成図である。
【図33】背板のスリットに段部を設けた様子を示す背面図である。
【図34】背板に2本のスリットを設けた様子を示す背面図である。
【図35】背板に1本のスリットを設けた様子を示す背面図である。
【図36】本発明を適用した椅子の背もたれ構造を構成する連結手段の別の実施形態を示す側面図である。
【図37】挿入口の形状と凸部の動きを説明するための概念図である。
【図38】本発明を適用した椅子の背もたれ構造を構成する連結手段の更に別の実施形態を示す側面図である。
【図39】本発明を適用した椅子の背もたれ構造の第5の変形例を示し、サポート部材として着座者の肩甲骨の部分から頭部までをサポートするサポート体を備え、このサポート体を後方に移動させている状態の概略構成図である。
【図40】同椅子の背もたれ構造の第5の変形例を示し、サポート体を前方に移動させ、背もたれ全体をリクライニングさせている状態の概略構成図である。
【図41】従来の椅子の背もたれ構造を示す側面図である。
【符号の説明】
1 背フレーム
2 背板
2a 背板の上部
2b 背板の下部
3 屈曲角度調整機構
4 シャフト(連結点)
5 制御リンク
6 連結手段
7 変位手段
13 円周部
14 キャップ(連結部)
15 軸支手段
17 アジャストスクリュウ
18 ねじ孔
19 角度変化手段
44 ヘッドレスト(サポート部材)
45 リンク
51 凸部
52 挿入口
53 凸部受部
54 空間
57 サポート体(サポート部材)[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a chair back structure.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, a backrest structure of a chair in which a backboard is bent in accordance with a method of applying a weight of a seated person is known (EP05919933A1). Such a backrest structure is shown in FIG. An elastically
[0003]
The
[0004]
When the occupant leans on the
[0005]
When the occupant leans lightly on the
[Patent Document 1]
EP0591933A1
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the above-described backrest structure, since the bending angle of the
[0007]
When the seated person leans lightly and the angle of reclining of the
[0008]
That is, the chair cannot be used in a state where the bending angle of the
[0009]
SUMMARY OF THE INVENTION It is an object of the present invention to provide a backrest structure of a chair in which a chair can be used in a state where a bending angle of a backboard is set to a desired angle.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a chair backrest structure according to claim 1 comprises a back frame, an upper or lower portion fixed to the back frame, and a lower or upper portion capable of bending in the front-rear direction, and a bending of the back plate. A bending angle adjusting mechanism for changing the angle and fixing the bending angle is provided.
[0011]
Therefore, the bending angle of the backboard can be adjusted to a desired angle by operating the bending angle adjusting mechanism. After adjusting the bending angle of the backboard to a desired angle, the bending angle adjusting mechanism is operated to fix the bending angle, that is, to prevent the bending angle from changing. Even if the seated person leans strongly against the backboard, the bending angle of the backboard is maintained by the bending angle adjustment mechanism.
[0012]
In addition, the backrest structure according to
[0013]
Therefore, when the distance between the back frame and the control link is changed by operating the displacement means, the control link tilts with respect to the back frame. Since the upper end of the control link is connected to the upper portion of the back plate, the tilt angle of the control link changes the bending angle of the back plate. At this time, since the amount of movement of the upper end of the control link is different from the amount of movement of the control link connecting portion of the back plate, a relative displacement occurs between the upper end of the control link and the control link connecting portion of the back plate. The displacement is absorbed by the connecting portion, and the tilting of the control link and the bending of the back plate are made smooth.
[0014]
According to a third aspect of the present invention, in the backrest structure of the chair, the connecting means includes a circumferential portion provided at an upper end of the control link, a connecting portion rotatable relative to the circumferential portion and slidable in the axial direction, and The connecting portion has a length that does not drop off from the circumferential portion.
[0015]
Therefore, the relative displacement of the control link in the axial direction is absorbed by sliding the connecting portion, for example, the cap in the axial direction with respect to the circumferential portion. In addition, when the connecting portion rotates vertically (changes in angle) with respect to the back plate, a change in the vertical angle between the control link and the back plate is absorbed. Furthermore, the rotation of the connecting portion with respect to the circumferential portion absorbs a change in the horizontal angle between the control link and the back plate.
[0016]
Further, the backrest structure of the chair according to
[0017]
Therefore, when the adjusting screw is rotated, the screwing amount into the screw hole changes. Therefore, the distance between the back frame and the control link at a position distant from the connection point between the back frame and the control link changes, and the tilt angle of the control link changes to change the bending angle of the back plate. As the tilt angle of the control link and the bending angle of the back plate change, the facing angle between the adjusting screw of the displacement means and the screw hole also changes, but this change is absorbed by the angle changing means.
[0018]
In the backrest structure of a chair according to a fifth aspect, a lower portion or an upper portion can be bent in the front-rear direction by forming a slit in the back plate. Therefore, the rigidity of the back plate decreases along the slit and its extension, and the lower or upper portion of the back plate is easily bent in the front-rear direction.
[0019]
Further, in the backrest structure of the chair according to the sixth aspect, the connecting means is provided on the upper end of the control link and extends in the axial direction, and the insertion means is provided on the back surface of the back plate and the convex portion is inserted from below. A projection receiving portion having a mouth formed therein and a space provided above the projection receiving portion to allow movement of the tip of the projection are provided.
[0020]
Therefore, the relative movement of the control link in the axial direction is absorbed by the axial movement of the projection relative to the projection receiving portion. In addition, since the convex portion makes a razor movement with respect to the insertion opening, a change in the vertical angle and a change in the horizontal direction of the control link and the back plate are absorbed. Further, the rotation of the projection relative to the projection receiving portion absorbs a change in the horizontal angle between the control link and the back plate.
[0021]
Furthermore, in the chair backrest structure according to
Therefore, even if the occupant takes a posture in which the head or the like is raised while leaning against the backboard, the head or the like can be supported by the support member.
[0022]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the configuration of the present invention will be described in detail based on the best mode shown in the drawings.
[0023]
1 to 12 show an example of an embodiment of a chair backrest structure to which the present invention is applied. The backrest structure of the chair (hereinafter simply referred to as a backrest structure) includes a back frame 1, a
[0024]
The back frame 1 is attached to the
[0025]
The
[0026]
Further, the shape of the
[0027]
When the shape of the
[0028]
The
[0029]
For example, as shown in FIG. 5, the connecting
[0030]
The shaft support means 15 includes a protruding
[0031]
The
[0032]
The displacement means 7 includes an adjusting
[0033]
More specifically, the adjusting
[0034]
The
[0035]
In this backrest structure, the bending angle of the
[0036]
Now, when the adjusting
[0037]
When the rotation operation of the adjusting
[0038]
When the adjusting
[0039]
In the backrest structure of the present invention, even when the occupant leans on the
[0040]
That is, the seated person can adjust the bending angle of the
[0041]
By using the chair with the bending angle of the
[0042]
By expanding and contracting the
[0043]
When the adjusting
[0044]
When adjusting the bending angle of the
[0045]
As described above, since the relative displacement generated between the upper end of the
[0046]
Further, since the connecting
[0047]
Although not shown in FIGS. 1 to 3, 6, and 7, a
[0048]
To attach the
[0049]
In this way, the cushioning
[0050]
That is, in the conventional method, when attaching the
[0051]
In addition, since the folded
[0052]
Further, with the
[0053]
The mounting structure of the
[0054]
Further, although the above-described
[0055]
Further, it is a matter of course that a means that can be engaged with the
[0056]
The above-described embodiment is an example of a preferred embodiment of the present invention, but is not limited thereto, and various modifications can be made without departing from the spirit of the present invention.
[0057]
For example, in the above description, the
[0058]
Further, as shown in FIGS. 34 to 36, for example, the connecting
[0059]
FIG. 37 shows the concept of the
[0060]
When adjusting the bending angle of the
[0061]
In this type of connecting
[0062]
Further, as shown in FIG. 38, the
[0063]
Further, the displacement means 7 may have an uneven long hole structure. 14 and 15 show an example in which the displacement means 7 has an uneven long hole structure. In this displacement means 7, a
[0064]
When changing the tilt angle of the
[0065]
In the examples of FIGS. 14 and 15, the
[0066]
Further, the displacement means 7 may have a cam structure. 16 and 17 show an example in which the displacement means 7 has a cam structure. In the displacement means 7, a
[0067]
In the displacement means 7 using the cam structure, the bending angle of the
[0068]
Further, the displacement means 7 may have a link structure. 18 and 19 show an example in which the displacement means 7 has a link structure. In this displacement means 7, the
[0069]
In the displacement means 7 using the link structure, the bending angle of the
[0070]
Further, in the above description, the bending angle of the
[0071]
For example, the buttocks of the seated person may be supported by the
[0072]
As shown in FIGS. 24 and 25, the
[0073]
Further, the height of the
[0074]
Although the support member is not provided in the example of FIG. 1, a support member may be provided. That is, the support member is rotatably attached to the upper end of the
[0075]
The support member that moves in conjunction with the bending of the
[0076]
Although the
[0077]
Further, in the above description, the
[0078]
Although not shown, an operation lever or the like is provided at a position where a seated person can easily operate, and the displacement means 7 such as the adjusting
[0079]
Further, an electric motor for rotating the adjusting
[0080]
In addition, a bag that expands and contracts with a fluid is provided as the displacement means 7, and this bag is connected to the
[0081]
Further, instead of the back plate, the bending angle of the seat plate may be adjusted. That is, a seat frame, a seat plate having a front portion or a rear portion fixed to the seat frame, and a rear portion or a front portion capable of bending vertically, and a bending angle adjusting mechanism for changing a bending angle of the seat plate and fixing the bending angle. It may be a seat structure of a chair provided with.
[0082]
Further, a chair seat structure including a seat plate having a front portion fixed to a seat frame and a rear portion capable of bending vertically, and a bending angle adjusting mechanism for changing a bending angle of the seat plate and fixing the bending angle, Alternatively, when the lower portion of the
[0083]
Further, in the above description, the
[0084]
【The invention's effect】
As described above, in the backrest structure of the chair according to claim 1, a back frame, a back plate having an upper or lower portion fixed to the back frame, and a lower or upper portion capable of bending in the front-rear direction, and a bending angle of the back plate Is provided and a bending angle adjusting mechanism for fixing the bending angle is provided, so that the back plate can be used with the bending angle adjusted to a desired angle. For this reason, the sitting comfort and usability of the chair can be improved.
[0085]
Further, in the backrest structure according to the second aspect, the lower portion of the back plate is fixed to the back frame, and the upper portion of the back plate is bendable in the front-rear direction. A control link whose upper end can be tilted in the front-rear direction about the connection point; a connecting means for connecting the upper end of the control link to the upper part of the back plate while absorbing these relative displacements; Since it is provided with a displacement means provided at a position away from the connection point and changing the distance between the back frame and the control link, the bending angle of the back plate can be adjusted by operating the displacement means. The bending angle of the backboard can be adjusted to a desired angle by a simple adjustment operation. In addition, since the relative displacement generated between the upper end of the control link and the control link connecting portion of the back plate can be absorbed by the connecting means, the mechanism can be established, and the tilt of the control link and the bending of the back plate can be achieved. Can be smoothed.
[0086]
Further, in the backrest structure of the chair according to the third aspect, the connecting means includes a circumferential portion provided at an upper end of the control link, a connecting portion rotatable relative to the circumferential portion and slidable in the axial direction, and The connecting portion has a length that does not drop off from the circumferential portion, so that the control link has a relative displacement in the axial direction and the control link. The vertical angle change of the back plate and the horizontal angle change of the control link and the back plate can be respectively well absorbed.
[0087]
Furthermore, in the backrest structure of the chair according to
[0088]
In the backrest structure of the chair according to the fifth aspect, the lower or upper portion can be bent in the front-rear direction by forming a slit in the back plate, so that the back plate can be bent in the front-rear direction with a simple configuration. it can. In this case, if the shape of the slit is U-shaped, the support portion can be formed by projecting a part of the back plate. Further, by making the shape of the slit linear, it is possible to prevent a part of the back plate from projecting.
[0089]
In the backrest structure for a chair according to the sixth aspect, the connecting means is provided on the upper end of the control link and extends in the axial direction, and the insertion means is provided on the back surface of the back plate and the projection is inserted from below. Since there is a convex receiving part with a mouth formed and a space provided above the convex receiving part and allowing the movement of the tip of the convex part, the degree of freedom of movement of the connecting part between the control link and the back plate is provided. Can be improved. In addition, the number of components is reduced, and the number of manufacturing steps is accordingly reduced, so that manufacturing costs can be reduced.
[0090]
Further, in the chair backrest structure according to
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a view showing an example of an embodiment of a backrest structure of a chair to which the present invention is applied, and showing a positional relationship of constituent members.
FIG. 2 is a view showing a backrest structure of the chair, and showing a positional relationship of constituent members in a state where a back plate is largely bent.
FIG. 3 is a rear view showing a back plate having a backrest structure of the chair.
FIG. 4 is a cross-sectional view showing the connecting means of the backrest structure of the chair, as viewed from above.
FIG. 5 is a cross-sectional view showing the connecting means and viewed from a side thereof.
FIG. 6 is a view showing a first example of a displacement means having a backrest structure of the chair, and showing a positional relationship of constituent members.
FIG. 7 is a view showing the displacement means and showing a positional relationship of constituent members in a state where a back plate is largely bent.
FIG. 8 is a perspective view showing an angle changing means of the displacement means.
FIG. 9 is a plan view showing a gas spring attached to the chair to which the backrest structure of the chair is applied.
FIG. 10 is a side view showing the gas spring.
FIG. 11 is a rear view showing a cover having a backrest structure of the chair.
FIG. 12 is a rear view showing a state where the cover is attached to a back plate.
FIG. 13 is a side view showing another embodiment of the connecting means constituting the backrest structure of the chair to which the present invention is applied.
FIG. 14 is a view showing a second example of the displacement means of the backrest structure of the chair, and showing the positional relationship of the constituent members.
FIG. 15 is a view showing a second example of the displacement means, and showing a positional relationship of constituent members in a state where the back plate is largely bent.
FIG. 16 is a view showing a third example of the displacement means of the backrest structure of the chair, and showing the positional relationship of the constituent members.
FIG. 17 is a view showing a third example of the displacement means, and showing a positional relationship of constituent members in a state where the back plate is largely bent.
FIG. 18 is a view showing a fourth example of the displacement means of the backrest structure of the chair, and showing the positional relationship of the constituent members.
FIG. 19 is a view showing a fourth example of the displacement means, and showing a positional relationship of constituent members in a state where the back plate is largely bent.
FIG. 20 is a schematic configuration diagram showing a first modification of the backrest structure of the chair to which the present invention is applied.
FIG. 21 is a schematic configuration diagram showing a first modified example of the backrest structure of the chair to which the present invention is applied, and showing a state where the lower portion of the back plate is tilted forward.
22 is a schematic configuration diagram showing a use state of a chair to which the backrest structure of FIG. 20 is applied.
FIG. 23 is a schematic configuration diagram showing a use state of the chair to which the backrest structure is applied, and showing a state in which a lower portion of the back plate is tilted forward.
FIG. 24 is a schematic configuration diagram showing a second modification of the backrest structure of the chair to which the present invention is applied.
FIG. 25 is a schematic configuration diagram showing a second modification of the backrest structure of the chair to which the present invention is applied, and showing a state where the lower portion of the back plate is tilted forward.
FIG. 26 is a schematic configuration diagram showing a third modification of the backrest structure of the chair to which the present invention is applied.
27 is a schematic configuration diagram showing a use state of the chair to which the backrest structure of FIG. 26 is applied, and showing how the chair is used by a child.
28 is a schematic configuration diagram showing a use state of the chair to which the backrest structure of FIG. 26 is applied, and showing a state of use by an adult.
FIG. 29 is a view showing a fourth modification of the backrest structure of the chair to which the present invention is applied, and is a diagram showing a positional relationship of components in a state where the headrest is moved backward.
FIG. 30 is a view showing a fourth modification of the backrest structure of the chair, and showing the positional relationship of the constituent members in a state where the headrest is moved forward.
31 is a schematic configuration diagram showing a use state of the chair to which the backrest structure of FIG. 29 is applied, in which the headrest is moved rearward.
FIG. 32 is a schematic configuration diagram showing a use state of the chair to which the backrest structure is applied, in which a headrest is moved forward and the entire backrest is reclined.
FIG. 33 is a rear view showing a state where a step is provided in a slit of the back plate.
FIG. 34 is a rear view showing a state in which two slits are provided in the back plate.
FIG. 35 is a rear view showing a state in which one slit is provided in the back plate.
FIG. 36 is a side view showing another embodiment of the connecting means constituting the backrest structure of the chair to which the present invention is applied.
FIG. 37 is a conceptual diagram for explaining the shape of the insertion port and the movement of the projection.
FIG. 38 is a side view showing still another embodiment of the connecting means constituting the backrest structure of the chair to which the present invention is applied.
FIG. 39 shows a fifth modification of the backrest structure of the chair to which the present invention is applied, including a support member that supports from the scapula portion of the seated person to the head as a support member, and puts this support member backward. It is a schematic block diagram of the state which is moving.
FIG. 40 is a schematic configuration diagram showing a fifth modification of the backrest structure of the chair, in which the support body is moved forward and the entire backrest is reclined.
FIG. 41 is a side view showing a backrest structure of a conventional chair.
[Explanation of symbols]
1 back frame
2 backboard
2a Upper part of backboard
2b Lower part of backboard
3 Bending angle adjustment mechanism
4 shaft (connection point)
5 Control link
6 Connecting means
7 Displacement means
13 circumference
14 cap (connection part)
15 Support means
17 Adjusting screw
18 Screw hole
19 Angle changing means
44 Headrest (support member)
45 links
51 convex
52 insertion slot
53 Convex part receiving part
54 space
57 Support body (support member)
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