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JP2004099924A - 真空処理装置 - Google Patents

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JP2004099924A
JP2004099924A JP2002259745A JP2002259745A JP2004099924A JP 2004099924 A JP2004099924 A JP 2004099924A JP 2002259745 A JP2002259745 A JP 2002259745A JP 2002259745 A JP2002259745 A JP 2002259745A JP 2004099924 A JP2004099924 A JP 2004099924A
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Japan
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vacuum processing
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chamber
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JP2002259745A
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Hidenaru Kafuku
加福 秀考
Masahiko Inoue
井上 雅彦
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

【課題】耐蝕性を向上させると同時に、大気のチャンバ内に対する侵入を完全に防止し得る真空処理装置を提供する。
【解決手段】チャンバ25を形成する壁部材22と天井板4との当接部分に同心円状に形成した外溝22a及び内溝22bに外シール部材23及び内シール部材24をそれぞれ嵌入するとともに、これら外シール部材23と内シール部材24との間に連通する通路23cを形成し、この通路23cに大気圧を超える圧力を付与したヘリュウムガスを充填した。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は真空処理装置に関し、特にプラズマCVD装置等、プラズマ処理装置のチャンバのシール部に適用して有用なものである。
【0002】
【従来の技術】
図6は従来技術に係るプラズマCVD装置の構成図である。同図に示すように、基部1上にはアルミニウム製の円筒状の容器である壁部材2が設けられており、この壁部材2の内部が成膜室3となっている。この成膜室3の上端、すなわち壁部材2の上端開口部はセラミックスで形成した電磁波透過窓である円板状の天井板4で閉塞してある。かくして前記基部1、壁部材2及び天井板4で形成する密閉空間を有するチャンバ5が形成されている。
【0003】
前記成膜室3の内部にはウェハ7の支持台であるサセプタ6が配設してある。このサセプタ6は、ウェハ7を載置するための円盤状の部材で、Al2 3 やAlNなどのセラミック材料からなり、支持軸9に支持されている。
【0004】
基部1には排気口10が設けられ、この排気口10を介して図示しない真空排気系へ成膜室3内のガスを排気することにより成膜室3内を真空雰囲気とし、この真空雰囲気下の成膜室3内にノズル(図示せず。)を介して成膜を行うための各種のガスを供給している。例えば、ウェハ7上に窒化珪素(SiN)の膜を形成する場合には、原料ガスとして例えばSiH4 を供給し、窒化ガスとして例えばNH3 又はN2 を供給する。
【0005】
天井板4の上面にはスパイラル状の給電アンテナ11が設置され、この給電アンテナ11にはインピーダンスマッチングを行うための整合器12を介してプラズマ発生用高周波電源13が接続されている。このプラズマ発生用高周波電源13から給電アンテナ11へ高周波電力を供給することにより、給電アンテナ11から天井板4を透過して成膜室3内に電磁波13を入射し、この電磁波13のエネルギー(高周波パワー)によって成膜室3内に供給する各種のガスをプラズマ状態にする。このプラズマを利用してウェハ7上に所定の金属膜を成膜する等の処理を行う。
【0006】
このようにチャンバ5の内部である成膜室3は、真空引きした状態で成膜処理を行うので、チャンバ5の壁部材2と天井板4との当接部分にはシール部材14を設けて大気との間のシールを行っている。
【0007】
従来技術にかかるシール部材14としてはパーフロロエラストマで形成したOリングが汎用されている。このシール部材14の近傍は、場合によっては極めて腐食性の強い高温のプラズマに晒されるため、耐プラズマ性能及び耐温度特性に優れる材質のものを使用する必要があるが、前記パーフロロエラストマは何れに対しても比較的良好な耐性を有しているからである。ちなみに、成膜時の数十倍の圧力のクリーニングガスをプラズマ化して実施するチャンバ5のクリーニングの際には、腐食性の強いフッ素系のクリーニングガスを通常用いている。したがって、このクリーニング時のプラズマに対する耐性を考慮して前記シール部材14の材質を選択する必要がある。
【0008】
この種の真空処理装置において、同様のシール構造を採用する従来技術として下記の特許文献1に開示する発明がある。この特許文献1には、下方Oリング溝136、上方Oリング溝135及び上方投射絶縁スカート137を有しており、これらの溝には、好ましくはバイトンで作られたOリングが配置されている旨の記載があるが、何れにしても一重のシール構造である。
【0009】
【特許文献1】
特許第3029380号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如き従来技術に係るプラズマCVD装置におけるチャンバのシール部材14としては、耐プラズマ性能及び耐高温性能を考慮してパーフロロエラストマ等のOリングを用いているが、このシール部材14は直接成膜室3内のプラズマに晒されるので、その分劣化が促進されてしまうという問題を有している。すなわち、シール部の耐久性の向上が望まれている。
【0011】
また、パーフロロエラストマ等のOリングでは、大気がこのOリングを浸透して成膜室3に至るのを完全に防止することはできず、この結果大気中の酸素が成膜室3内に侵入することに伴う成膜品質等への悪影響も懸念される。
【0012】
上述の如き問題は、プラズマCVD装置等のプラズマ処理装置のみならず、密閉空間を形成する真空雰囲気のチャンバ内で腐食性のガスを使用して所定の処理を行う装置に共通する問題となっている。
【0013】
本発明は、上記従来技術に鑑み、耐蝕性を向上させると同時に、大気のチャンバ内に対する侵入を完全に防止し得る真空処理装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の構成は次の点を特徴とする。
【0015】
1) 筒状の壁部材の上端開口部を天井板で閉塞して密閉空間を形成しているチャンバを有し、このチャンバ内を真空雰囲気としてプラズマ乃至腐食性ガスを用いた成膜等の所定の処理を行う真空処理装置において、
前記壁部材と天井板との当接部分に同心状に形成した外溝及び内溝に外シール部材及び内シール部材をそれぞれ嵌入するとともに、
これら外シール部材と内シール部材との間に連通する通路を形成し、この通路に大気圧を超える圧力を付与した不活性ガスを充填したこと。
【0016】
2) 上記1)に記載する真空処理装置において、
内シール部材を透過してチャンバ内に浸出した不活性ガスのガス溜まりが形成されるよう、内溝のさらに内側に他の溝を形成したこと。
【0017】
3) 上記2)に記載する真空処理装置において、
不活性ガスのガス溜まりを形成する他の溝には、チャンバ内に発生するプラズマ乃至腐食性ガスに対して耐性を有するポリテトラフルオロエチレン等の樹脂で形成した補助シール部材を嵌入したこと。
【0018】
4) 上記2)に記載する真空処理装置において、
不活性ガスのガス溜まりを形成する他の溝は、その径方向の断面形状が複数の凹部及び凸部が連続するラビリンス状のシール構造となるように構成したこと。
【0019】
5) 上記1)乃至4)の何れか一つに記載する真空処理装置において、
内シール部材は外シール部材に較べ、不活性ガスの透過率が高い材質のもので形成したこと。
【0020】
6) 上記1)乃至5)の何れか一つに記載する真空処理装置において、
チャンバ内を真空引きする際の排気中の不活性ガスの量を検出する漏洩検出手段を設け、この漏洩検出手段が検出する不活性ガスの量が設定値を超えたことをもって内シール部材の劣化を検出するようにしたこと。
【0021】
7) 上記1)乃至6)の何れか一つに記載する真空処理装置において、
不活性ガスとしてヘリュウムを用いたこと。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0023】
図1は本発明の実施の形態に係るプラズマCVD装置の構成図である。当該プラズマCVD装置は、図6に示すプラズマCVD装置と基本的な構造は同じであるが、図6におけるチャンバ5の壁部材2と天井板4との当接部分のシール構造が異なる。その他の構成は従来技術に係る図6に示すプラズマCVD装置と同様である。そこで、図6と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。また、図2は図1のA部を抽出・拡大して示す拡大図である。
【0024】
これら図1及び図2に示すように、本形態でも壁部材22と天井板4とでチャンバ25を形成している。本形態における壁部材22の天井板4と当接する部分であるその上端面には、同心円状の2本の溝である外溝22a及び内溝22bが形成してある。これら外溝22a及び内溝22bには、外シール部材23及び内シール部材24がそれぞれ嵌入してあり、外シール部材23と内シール部材24との間の壁部材22には通路22cが形成してある。この通路22cは、当該チャンバ25の外部に連通している。かくして、外シール部材23と内シール部材24との間には外部からガスを充填し得るようになっている。
【0025】
本形態においては外シール部材23と内シール部材24との間に充填するガスとしてヘリュウムガスを用いており、例えば外部に設置するボンベ等(図示せず。)から通路22cに供給してこれを充填する。この際、ヘリュウムガスには大気圧を超える圧力を付与しておく。したがって、外シール部材23の内側には、ヘリュウムガスの圧力が作用し、この圧力はその外側に作用する大気圧よりも大きいので、このシール部を介して大気(酸素)がチャンバ25内に侵入することはない。
【0026】
一方、ヘリュウムは透過性が強いガスであるので、内シール部材24の外側に充填されているへリュウムが内シール部材24を透過してその内側へ浸出する。この結果、図3に示すように、内シール部材24の内周面には浸出したヘリュウムの膜26が形成される。この膜26はチャンバ25の内部である真空側から侵入する活性のプラズマ等、強力な活性を有するプラズマ乃至腐食性ガスの攻撃に対し内シール部材24を保護する保護膜として機能する。
【0027】
このように、本形態のシール部は2重シール構造として外シール部材23には通路22cに充填するヘリュウムガスの漏洩防止機能を持たせ、内シール部材24には真空側に対するシールと同時に保護膜形成機能も持たせているので、外シール部材23はヘリュウムガスの透過性が可及的に小さい材質のもの、内シール部材24はある程度ヘリュウムガスの透過性を有する材質のもので構成するのが適当である。例えば、外シール部材23はヘリュウムガスに対する透過性が比較的小さいフッ素ゴムのOリング、内シール部材24はヘリュウムガスに対する透過性が比較的大きいパーフロロエラストマのOリングで好適に形成し得る。内シール部材24をパーフロロエラストマのOリングで形成した場合、このパーフロロエラストマ自体が耐プラズマ性能に優れ、高温環境での耐久性にも優れるので、この点でも好適な材質であるといい得る。ちなみに、フッ素ゴムは耐プラズマ性能及び耐温度性能の何れにおいてもパーフロロエラストマよりも劣る。
【0028】
上述の如き本形態に係るプラズマCVD装置においては、チャンバ15の内部に発生するプラズマ等の活性種の攻撃に介しては内シール部材14の内周面に浸出して形成された膜26が保護膜として内シール部材24を保護する。一方、外シール部材23にはその内側から大気圧を超える圧力が作用しているので、大気がこの外シール部材23を介して当該チャンバ25内に侵入することはない。
【0029】
さらに、図4に示すように、内シール部材24を透過して真空側に浸出したヘリュウムガスのガス溜まりが形成されるよう、内溝22bのさらに内側に他の溝27を形成しても良い。この場合は、ヘリュウムガスが溜まった領域をバッファ領域としてヘリュウムガスに内シール部材24の保護機能をさらに顕著なものとすることができる。図4に示す場合は、溝27にポリテトラフルオロエチレン等の樹脂で形成した補助シール部材28を嵌入したものである。
【0030】
このように補助シール28を設けることによりプラズマ等の活性種が内シール部材24に接触するのをさらに確実に防止し得る。ちなみに、補助シール28はプラズマ雰囲気に晒されることになるが、この補助シール28を形成しているポリテトラフルオロエチレン等の樹脂は、弾性を有するものではないので、シール性能は劣るが、本来的に耐プラズマ特性及び高温特性に優れるものであるので、かかる使用に対しても十分長期に亘り内シール部材24の保護部材として機能し得る。また、例え劣化してもパーティクルの発生等、有害な現象を生起する心配はない。
【0031】
図5は図4に示す他の溝27の形状を工夫したものである。同図に示すように、この溝29は壁部材22の径方向の断面形状が複数の凹部及び凸部が連続するラビリンス状のシール構造となるように構成したものである。
【0032】
溝29をかかる構造とすることで、凹凸部がラビリンスシールとして機能することにより、前記内シール部材24のヘリュウムガスによる保護機能をさらに顕著なものとすることができる。
【0033】
上述の如く、外シール部材23及び内シール部材24を用いるとともにこれら外シール部材23及び内シール部材24の間に、大気圧を超えるヘリュウガスを充填した場合、内シール部材24の内周側に浸出したヘリュウムガスによる膜27等による内シール部材24の保護手段を構築できるが、この場合でも長期の使用に際しては内シール部材24が徐々に劣化する。そして、内シール部材24が劣化した場合には通路22cに充填されているヘリュウムガスがチャンバ25内に漏洩し、このチャンバ25内を真空に引いているときには排気中に混入する。
【0034】
そこで、チャンバ25内を真空引きする際の排気中のヘリュウムガスの量を検出する漏洩検出手段を設け、この漏洩検出手段が検出する不活性ガスの量が設定値を超えたことをもって、内シール部材24の劣化を検出するように構成することもできる。かかる漏洩検出手段は、排気中からヘリュウムガス成分を抽出するガス分離手段とこのガス分離手段で分離したヘリュウムガスの量を検出するガス量検出部とからなる。
【0035】
かかる漏洩検出段を設けることで、当該プラズマCVD装置の分解等を伴うことなく排気ガスを監視して内シール部材24の劣化を検出することができる。
【0036】
なお、上記実施の形態では、外シール部材13と内シール部材14との間に充填するガスとしてヘリュウムを用いたが、これに限るものではない。不活性ガスであれば同様に充填ガスとして用いることができる。ただ、ヘリュウムガスは最も透過性があるため、内シール部材14を透過してその真空側に良好に保護膜を形成することができる。
【0037】
また、上記実施の形態ではプラズマCVD装置について説明したが、これに限るものではない。密閉空間を形成する真空雰囲気のチャンバ内でプラズマ乃至腐食性のガスを使用して所定の処理を行う真空処理装置であれば同様の問題を有するので、かかる問題を解消すべき真空処理装置に一般に適用でき、同様作用・効果を期待し得る。
【0038】
【発明の効果】
以上実施の形態とともに具体的に説明した通り、〔請求項1〕に記載する発明は、筒状の壁部材の上端開口部を天井板で閉塞して密閉空間を形成しているチャンバを有し、このチャンバ内を真空雰囲気としてプラズマ乃至腐食性ガスを用いた成膜等の所定の処理を行う真空処理装置において、前記壁部材と天井板との当接部分に同心状に形成した外溝及び内溝に外シール部材及び内シール部材をそれぞれ嵌入するとともに、これら外シール部材と内シール部材との間に連通する通路を形成し、この通路に大気圧を超える圧力を付与した不活性ガスを充填したので、
内シール部材の内周面はこれを透過した不活性ガスにより膜が形成され、この膜がチャンバ内に発生するプラズマ等の攻撃から内シール部材を保護する保護膜として機能する。また、外シール部材を介して大気がチャンバ内に侵入するのを完全に防止し得る。
この結果、本発明によれば、内シール部材の耐久性をさらに向上させることができるばかりでなく、チャンバ内に大気(酸素)が侵入するのを完全に防止してチャンバで実施する成膜等の処理に対する有害な作用を未然に防止し得る。すなわち、大気中の酸素の侵入が問題となるような処理を行う場合の対策として十分なものとなる。
【0039】
〔請求項2〕に記載する発明は、〔請求項1〕に記載する真空処理装置において、内側のシール部材を透過してチャンバ内に浸出した不活性ガスのガス溜まりが形成されるよう、内溝のさらに内側に他の溝を形成したので、
〔請求項1〕に記載する発明の内シール部材の不活性ガスによる保護機能をさらに顕著なものとして、この内シール部材の更なる耐久性の向上を保証し得る。
【0040】
〔請求項3〕に記載する発明は、〔請求項2〕に記載する真空処理装置において、不活性ガスのガス溜まりを形成する他の溝には、チャンバ内に発生するプラズマ乃至腐食性ガスに対して耐性を有するポリテトラフルオロエチレン等の樹脂で形成した補助シール部材を嵌入したので、
〔請求項2〕に記載する発明の内シール部材の不活性ガスによる保護機能をさらに顕著なものとして、この内シール部材の更なる耐久性の向上を保証し得る。このときポリテトラフルオロエチレン等の樹脂は、プラズマ等に対する耐蝕性に優れ、且つ劣化しても有害なパーティクル等を発生するものではないので、直接プラズマ雰囲気に晒される部材として使用しても長期に亘る安定なシール機能を発揮し得る。
【0041】
〔請求項4〕に記載する発明は、〔請求項2〕に記載する真空処理装置において、不活性ガスのガス溜まりを形成する他の溝は、その径方向の断面形状が複数の凹部及び凸部が連続するラビリンス状のシール構造となるように構成したので、
凹凸部がラビリンスシールとして機能することにより、〔請求項1〕に記載する発明の内シール部材の不活性ガスによる保護機能をさらに顕著なものとして、この内シール部材の更なる耐久性の向上を保証し得る。
【0042】
〔請求項5〕に記載する発明は、〔請求項1〕乃至〔請求項4〕の何れか一つに記載する真空処理装置において、内シール部材は外シール部材に較べ、不活性ガスの透過率が高い材質のもので形成したので、
内シール部材に対しては不活性ガスの適切な浸出機能を確保すると同時に、外シール部材を介しての不活性ガスの大気中への透過はこれを可及的に低減して、〔請求項1〕乃至〔請求項4〕に記載する発明と同様の作用・効果を奏する。
【0043】
〔請求項6〕に記載する発明は、〔請求項1〕乃至〔請求項5〕の何れか一つに記載する真空処理装置において、チャンバ内を真空引きする際の排気中の不活性ガスの量を検出する漏洩検出手段を設け、この漏洩検出手段が検出する不活性ガスの量が設定値を超えたことをもって内シール部材の劣化を検出するようにしたので、
検出された不活性ガスは内シール部材を介して漏洩したものであるので、その増加と内シール部材の劣化の程度とを対応させ、当該真空処理装置を分解等することなくその劣化を容易に検出することができる。
【0044】
〔請求項7〕に記載する発明は、〔請求項1〕乃至〔請求項6〕の何れか一つに記載する真空処理装置において、不活性ガスとしてヘリュウムを用いたので、不活性ガスの中でも最も透過性が顕著に内シール部材を透過して所定の保護膜を良好に形成して、内シール部材の保護機能を十分に発揮し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るプラズマCVD装置を示す構成図である。
【図2】図1のA部分を抽出・拡大して示す拡大図である。
【図3】図1に示す内シール部材におけるヘリュウムガスの浸出による保護膜の形成態様を概念的に示す説明図である。
【図4】図1に示す内シール部材の近傍の構造が異なる他の実施の形態の一部を抽出・拡大して示す拡大図である。
【図5】図4の変形例を示す拡大図である。
【図6】従来技術に係るプラズマCVD装置を示す構成図である。
【符号の説明】
4    天井板
22    壁部材
22a    外溝
22b    内溝
22c    通路
23    外シール部材
24    内シール部材
25    チャンバ
26    膜
27    他の溝
28    補助シール
29    (凹凸)溝

Claims (7)

  1. 筒状の壁部材の上端開口部を天井板で閉塞して密閉空間を形成しているチャンバを有し、このチャンバ内を真空雰囲気としてプラズマ乃至腐食性ガスを用いた成膜等の所定の処理を行う真空処理装置において、
    前記壁部材と天井板との当接部分に同心状に形成した外溝及び内溝に外シール部材及び内シール部材をそれぞれ嵌入するとともに、
    これら外シール部材と内シール部材との間に連通する通路を形成し、この通路に大気圧を超える圧力を付与した不活性ガスを充填したことを特徴とする真空装置。
  2. 〔請求項1〕に記載する真空処理装置において、
    内シール部材を透過してチャンバ内に浸出した不活性ガスのガス溜まりが形成されるよう、内溝のさらに内側に他の溝を形成したことを特徴とする真空処理装置。
  3. 〔請求項2〕に記載する真空処理装置において、
    不活性ガスのガス溜まりを形成する他の溝には、チャンバ内に発生するプラズマ乃至腐食性ガスに対して耐性を有するポリテトラフルオロエチレン等の樹脂で形成した補助シール部材を嵌入したことを特徴とする真空処理装置。
  4. 〔請求項2〕に記載する真空処理装置において、
    不活性ガスのガス溜まりを形成する他の溝は、その径方向の断面形状が複数の凹部及び凸部が連続するラビリンス状のシール構造となるように構成したことを特徴とする真空処理装置。
  5. 〔請求項1〕乃至〔請求項4〕の何れか一つに記載する真空処理装置において、
    内シール部材は外シール部材に較べ、不活性ガスの透過率が高い材質のもので形成したことを特徴とする真空処理装置。
  6. 〔請求項1〕乃至〔請求項5〕の何れか一つに記載する真空処理装置において、
    チャンバ内を真空引きする際の排気中の不活性ガスの量を検出する漏洩検出手段を設け、この漏洩検出手段が検出する不活性ガスの量が設定値を超えたことをもって内シール部材の劣化を検出するようにしたことを特徴とする真空処理装置。
  7. 〔請求項1〕乃至〔請求項6〕の何れか一つに記載する真空処理装置において、
    不活性ガスとしてヘリュウムを用いたことを特徴とする真空処理装置。
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