JP2004096868A - Ipmモータの磁石分割方法及びipmモータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】永久磁石を構成する各永久磁石片の各々において、弱め磁束制御時に発生する渦電流損失が均一となるように、すなわち、一点鎖線に示すように、永久磁石の幅方向Xのどの位置でも、弱め磁束制御時に発生する渦電流損失の上昇率が一定になるように、永久磁石を構成する各永久磁石片の各々の幅を決定する。
【選択図】 図6
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロータ内に永久磁石を埋め込んだタイプのモータ(以下、「IPMモータ」という)及び、ロータ内に埋め込まれる永久磁石を分割するためのIPMモータの磁石分割方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
先ず、従来のIPMモータの概要について説明する。図7に、IPMモータの平面図を示す。図7に示すように、従来のIPMモータ101は、ステータ111やロータ121などを有している。この点、ステータ111は、周設された複数のティース112と、これらのティース112にそれぞれ巻かれたコイル113などから構成される。一方、ロータ121は、図8に示すように、シャフト穴122及び複数の永久磁石挿入孔123が設けられた鉄心124を備えている。そして、それぞれの永久磁石挿入孔123には、高さ・幅・奥行きがいずれも等しい4個の永久磁石片125を一組にした、希土類の永久磁石126が嵌装されている。
【0003】
すなわち、永久磁石126は、一体化されたものではなく、4個の永久磁石片125を一組にしたものを使用している。従って、各永久磁石片125の表面積は、一体化された永久磁石126と比べて小さくなる。そのため、各永久磁石片125の電気抵抗を、一体化された永久磁石126と比べて大きくすることができる。よって、図10に示すように、高調波磁束による渦電流127が流れにくくなり、4個の永久磁石片125の総和をとっても、一体化された永久磁石126と比べ、渦電流127が小さくなるので、渦電流127による損失を低減することができる。その結果、永久磁石126における発熱を抑えることができるので、永久磁石126の減磁を抑制したり、IPMモータ101の高出力化に貢献することができる(例えば、特開平11−252833号公報、特開平6−70520号公報、特開2000−228838号公報、特開平11−4555号公報参照)。
【0004】
一方、従来のIPMモータ101においては、回転数をより高くするために、弱め磁束制御が行われることが多い。ここで、弱め磁束制御について概説すると、まず、ロータ121の回転数は、ロータ121の回転にともない発生する起電力である発電機成分(誘起電圧)とロータ121を回転させるモータ成分(電源電圧)とが互いに均衡し、これ以上、IPMモータ101を回転させるためのトルクが出せなくなったところで回転数の限界に達する。そこで、弱め磁束制御では、ロータ121から出てくる磁束をステータ111のコイル113からの磁束で抑えることにより、発電機成分の働きを弱め、この弱め磁束を加えない場合よりも高い回転数を得ている。
【0005】
もっとも、この弱め磁束制御を行った場合、ロータ121に埋め込んである永久磁石126に対して、その磁力を抑える磁束が作用するため、あまり強い磁束を加えると、永久磁石126そのものが磁力を失う減磁が発生するおそれがある。特に、ロータ121の回転方向の後側部分の永久磁石126は、上述した弱め磁束制御の悪影響を最も強く受ける。そこで、ロータ121に埋め込んである永久磁石126を、ロータ121の回転方向に対して後側の方を前側より厚くすれば、ロータ121の回転方向に対して後側へ進むにつれてパーミアンス係数が高くなるので、効率的に、永久磁石126の減磁を防止することができる(例えば、特開2000−278900号公報参照)。
【0006】
さらに、この点を詳細に説明すると、図9に示すように、ステータ111からの磁束131は、永久磁石126に対して不均一に作用する。そのため、永久磁石126を構成する4個の永久磁石片125においては、ロータ121の回転方向の前側よりも後側の方で、その磁束変動132が大きく、かかる磁束変動132による渦電流損失も大きくなることから、上述した弱め磁束制御の悪影響を最も強く受けることになる。しかも、弱め磁束制御が行われている際は、ロータ121の回転数が高いので、渦電流損失そのものの値も大きい。そこで、永久磁石126を構成する4個の永久磁石片125において、ロータ121の回転方向に対して後側の方のものを前側のものより厚くすれば、ロータ121の回転方向に対して後側へ進むにつれてパーミアンス係数が高くなるので、磁束変動132の激しい箇所の永久磁石片125の渦電流損失を低減でき、効率的に、永久磁石126の減磁を防止することができる。
尚、図9では、ティース112にそれぞれ巻かれたコイル113は省略してある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、永久磁石126を構成する4個の永久磁石片125において、ロータ121の回転方向に対して後側の方のものを前側のものより厚くすることは、永久磁石126の使用量の増大となり、高コストにつながることになる。
【0008】
一方、各永久磁石片125の幅を単純に相等しく小さくして、永久磁石126を構成する永久磁石片125の数を4個から大きく増加させれば、各永久磁石片125の表面積はいずれも小さくなり、ロータ121の回転方向の後側・前側にかかわらず各永久磁石片125の電気抵抗も大きく増加するので、磁束変動132の激しい箇所の永久磁石片125の渦電流損失を低減でき、永久磁石126の減磁を防止することができる。
【0009】
しかしながら、永久磁石片の125として使用される希土類磁石は、焼結して製作されるために寸法精度に限界があり、積み重ねていくと寸法誤差が大きくなることから、永久磁石126を構成する永久磁石片125の数は少なく抑えたい要請がある。この点、各永久磁石片125の幅を単純に相等しく小さくするのは、磁束変動132の激しい箇所の永久磁石片125の渦電流損失を低減させるためであるが、そのために、磁束変動132の激しい箇所以外の永久磁石片125の幅も一律に小さくなり、永久磁石126を構成する永久磁石片125の数が大きく増加することになるので、上述した要請に反することになる。
【0010】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、永久磁石の使用量を維持しつつも、永久磁石を構成する永久磁石片の数を抑えて、弱め磁束制御の際に発生する渦電流損失の抑制を効率的に行うことにより、減磁防止対策が施されたIPMモータの磁石分割方法及びIPMモータを提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために成された請求項1に係る発明は、IPMモータのロータに埋め込まれた複数の永久磁石の各々を、同一の高さを持つ複数の永久磁石片を列設することにより構成する際に、前記永久磁石の一つを構成する前記永久磁石片の各々の幅を決定するIPMモータの磁石分割方法であって、前記ロータの反回転方向に進むにつれて短くなるように、前記永久磁石の一つを構成する前記永久磁石片の各々の幅を決定すること、を特徴としている。
【0012】
このような特徴を有する本発明のIPMモータの磁石分割方法は、IPMモータのロータに埋め込まれた複数の永久磁石の各々を、同一の高さを持つ複数の永久磁石片を列設することにより構成する際に、永久磁石の一つを構成する永久磁石片の各々の幅を決定するものであるが、このとき、ロータの反回転方向に進むにつれて短くなるように、永久磁石の一つを構成する永久磁石片の各々の幅を決定している。従って、IPMモータのロータに埋め込まれた永久磁石の各々では、ロータの回転方向に対して後側へ進むにつれて、各永久磁石片の高さ×幅の値を小さくでき、そのため、ロータの回転方向に対して後側へ進むにつれて、各永久磁石片の電気抵抗が大きくなるので、弱め磁束制御の際に発生する磁束変動の激しい箇所の永久磁石片の渦電流損失を低減でき、効率的に、永久磁石の減磁を防止することができる。
【0013】
一方、本発明のIPMモータの磁石分割方法とは異なるものであって、ロータの回転方向の前側・後側にかかわらず、永久磁石の一つを構成する永久磁石片の各々の幅を相等しく小さくすることにより、弱め磁束制御の際に発生する磁束変動の激しい箇所の永久磁石片の渦電流損失を低減させるIPMモータの磁石分割方法では、永久磁石の一つを構成する永久磁石片の全ての幅は、弱め磁束制御の際に発生する磁束変動の激しい箇所(ロータの回転方向に対して最も後側)の永久磁石片の幅に相等しい。この点、本発明のIPMモータの分割方法では、ロータの回転方向に対して後側から前側へ進むにつれて、永久磁石の一つを構成する永久磁石片の各々の幅が長くなるので、永久磁石の一つを構成する永久磁石片の各々の幅を相等しく小さくするIPMモータの磁石分割方法と比べると、永久磁石の一つを構成する永久磁石片の数を少なくすることができる。
【0014】
すなわち、本発明のIPMモータの磁石分割方法は、永久磁石の一つを構成する永久磁石片の各々の幅を、ロータの反回転方向に進むにつれて短くなるように決定することより、弱め磁束制御の際に発生する磁束変動の激しい箇所の永久磁石片の渦電流損失を低減でき、さらに、永久磁石の一つを構成する永久磁石片の数を少なくすることができる。従って、本発明のIPMモータの磁石分割方法は、永久磁石の使用量を維持しつつも、永久磁石を構成する永久磁石片の数を抑えて、弱め磁束制御の際に発生する渦電流損失の抑制を効率的に行うことにより、減磁防止対策が施されたIPMモータの磁石分割方法と言える。
【0015】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載するIPMモータの磁石分割方法であって、前記永久磁石の一つを構成する前記永久磁石片の各々で弱め磁束制御時に発生する渦電流損失が均一又は殆ど均一となるように、前記永久磁石の一つを構成する前記永久磁石片の各々の幅を決定すること、を特徴としている。
【0016】
このような特徴を有する本発明のIPMモータの磁石分割方法では、IPMモータのロータに埋め込まれた複数の永久磁石の各々を、同一の高さを持つ複数の永久磁石片を列設することにより構成する際に、永久磁石の一つを構成する永久磁石片の各々の幅を決定するものであるが、このとき、永久磁石の一つを構成する永久磁石片の各々において、弱め磁束制御時に発生する渦電流損失が均一となるように、永久磁石の一つを構成する永久磁石片の各々の幅を決定している。
【0017】
ここで、決定された永久磁石片の各々の幅の総和が設計上の永久磁石の幅と一致する場合には、決定された永久磁石片の各々の幅を変更することはないけれども、決定された永久磁石片の各々の幅の総和が設計上の永久磁石の幅と一致しない場合には、設計上のIPMモータの性能を確保する観点から、決定された永久磁石片の各々の幅を増減させて、設計上の永久磁石の幅と一致させる。従って、永久磁石の一つを構成する永久磁石片の各々においては、決定された永久磁石片の各々の幅の総和が設計上の永久磁石の幅と一致する場合には、弱め磁束制御時に発生する渦電流損失は、弱め磁束制御の際に発生する磁束変動の激しい箇所(ロータの回転方向に対して最も後側)の永久磁石片において低減された後の値で均一となり、決定された永久磁石片の各々の幅の総和が設計上の永久磁石の幅と一致しない場合には、各永久磁石片の幅を増減させて調整した結果、弱め磁束制御時に発生する渦電流損失は、弱め磁束制御の際に発生する磁束変動の激しい箇所(ロータの回転方向に対して最も後側)の永久磁石片において低減された後のも値で殆ど均一となる。
【0018】
すなわち、本発明のIPMモータの磁石分割方法では、永久磁石の一つを構成する永久磁石片の各々の幅を、ロータの反回転方向に進むにつれて短くなるように決定するに当たり、永久磁石の一つを構成する永久磁石片の各々で弱め磁束制御時に発生する渦電流損失が均一又は殆ど均一となるようにしており、弱め磁束制御の際に永久磁石に作用する磁束の変動の不均一性を考慮して、永久磁石の一つを構成する永久磁石片の各々の幅を決定しているので、弱め磁束制御の際に発生する渦電流損失の抑制を効率的に行う観点から、永久磁石の一つを構成する永久磁石片を最適な数に抑えることができる。
【0019】
また、請求項3に係る発明は、ロータと、前記ロータに埋め込まれた複数の永久磁石と、を有し、同一の高さを持つ複数の永久磁石片が列設されることにより前記永久磁石の各々が構成されたIPMモータにおいて、前記永久磁石の一つを構成する前記永久磁石片の各々の幅は、前記ロータの反回転方向に進むにつれて短くなること、を特徴としている。
【0020】
このような特徴を有する本発明のIPMモータでは、ロータに埋め込まれた複数の永久磁石の各々が、同一の高さを持つ複数の永久磁石片を列設することにより構成されており、この点、永久磁石の一つを構成する永久磁石片の各々の幅が、ロータの反回転方向に進むにつれて短くなる。従って、IPMモータのロータに埋め込まれた永久磁石の各々では、ロータの回転方向に対して後側へ進むにつれて、各永久磁石片の高さ×幅の値を小さくでき、そのため、ロータの回転方向に対して後側へ進むにつれて、各永久磁石片の電気抵抗が大きくなるので、弱め磁束制御の際に発生する磁束変動の激しい箇所の永久磁石片の渦電流損失を低減でき、効率的に、永久磁石の減磁を防止することができる。
【0021】
一方、本発明のIPMモータとは異なるものであって、ロータの回転方向の前側・後側にかかわらず、永久磁石の一つを構成する永久磁石片の各々の幅を相等しく小さくすることにより、弱め磁束制御の際に発生する磁束変動の激しい箇所の永久磁石片の渦電流損失を低減させたIPMモータでは、永久磁石の一つを構成する永久磁石片の全ての幅は、弱め磁束制御の際に発生する磁束変動の激しい箇所(ロータの回転方向に対して最も後側)の永久磁石片の幅に相等しい。この点、本発明のIPMモータでは、ロータの回転方向に対して後側から前側へ進むにつれて、永久磁石の一つを構成する永久磁石片の各々の幅が長くなるので、永久磁石の一つを構成する永久磁石片の各々の幅を相等しく小さくしたIPMモータと比べると、永久磁石の一つを構成する永久磁石片の数を少なくすることができる。
【0022】
すなわち、本発明のIPMモータは、永久磁石の一つを構成する永久磁石片の各々の幅が、ロータの反回転方向に進むにつれて短くなることにより、弱め磁束制御の際に発生する磁束変動の激しい箇所の永久磁石片の渦電流損失を低減でき、さらに、永久磁石の一つを構成する永久磁石片の数を少なくすることができる。従って、本発明のIPMモータは、永久磁石の使用量を維持しつつも、永久磁石を構成する永久磁石片の数を抑えて、弱め磁束制御の際に発生する渦電流損失の抑制を効率的に行うことにより、減磁防止対策が施されたIPMモータと言える。
【0023】
また、請求項4に係る発明は、請求項3に記載するIPMモータであって、前記永久磁石の一つを構成する前記永久磁石片の各々では、弱め磁束制御時に発生する渦電流損失が均一又は殆ど均一であること、を特徴としている。
【0024】
すなわち、本発明のIPMモータでは、永久磁石の一つを構成する永久磁石片の各々の幅が、ロータの反回転方向に進むにつれて短くなっており、しかも、永久磁石の一つを構成する永久磁石片の各々で弱め磁束制御時に発生する渦電流損失が均一又は殆ど均一であり、永久磁石の一つを構成する永久磁石片の各々の幅は、弱め磁束制御の際に永久磁石に作用する磁束の変動の不均一性を考慮したものとなっているので、弱め磁束制御の際に発生する渦電流損失の抑制を効率的に行う観点から、永久磁石の一つを構成する永久磁石片を最適な数に抑えたものとなっている。
【0025】
尚、請求項4に係る発明において、「均一」と「殆ど均一」との差異は、請求項2に係る発明と同様である。
【0026】
また、請求項1〜請求項4の発明において、「ロータの反回転方向に進むにつれて短くなる」とは、全ての永久磁石片の幅が等しくなければ、隣接する永久磁石片の幅が等しい場合があってもよい。
【0027】
また、請求項1〜請求項4の発明において、「複数の永久磁石片が列設」とは、複数の永久磁石片が連ねて設けられることをいい、その態様としては、直線状だけでなく、例えば、曲線状などもある。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照にして説明する。先ず、第1実施の形態におけるIPMモータの磁石分割方法とIPMモータを合わせて説明する。第1実施の形態におけるIPMモータは、従来技術の欄で述べたIPMモータ101(図7及び図8参照)において、永久磁石126(4個の永久磁石片125を一組として構成されたもの)を除いて同じである。従って、同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略し、異なった点を中心に説明する。
【0029】
すなわち、第1実施の形態におけるIPMモータ101では、永久磁石126(4個の永久磁石片125を一組として構成されたもの)に代えて、図2及び図3に示すように、高さH・奥行きDがいずれも等しい4個の永久磁石片11,12,13,14を一組にした、希土類の永久磁石15が使用されている。ただし、永久磁石15の幅は、従来技術の欄で述べた永久磁石126の幅と等しいものの、第1実施の形態におけるIPMモータの磁石分割方法では、4個の永久磁石片11,12,13,14の幅を、永久磁石片11の幅W11,永久磁石片12の幅W12,永久磁石片13の幅W13,永久磁石片14の幅W14の順で短くなるように決定している。
【0030】
従って、4個の永久磁石片11,12,13,14の表面積は、永久磁石片11,永久磁石片12,永久磁石片13,永久磁石片14の順で小さくなっていく。そのため、永久磁石片11,永久磁石片12,永久磁石片13,永久磁石片14の順で、電気抵抗を大きくすることができる。よって、図3に示すように、高調波磁束による渦電流21,22,23,24については、永久磁石片11,永久磁石片12,永久磁石片13,永久磁石片14の順で流れにくくなる。
【0031】
一方、弱め磁束制御時には、図2に示すように、ステータ111からの磁束131が、永久磁石15に対して不均一に作用する。そのため、永久磁石15を構成する4個の永久磁石片11,12,13,14においては、ロータ121の回転方向の前側よりも後側の方で、その磁束変動132が大きい。もっとも、永久磁石15を構成する4個の永久磁石片11,12,13,14においては、ロータ121の回転方向に対して後側の方のものが前側のものよりもその幅が短く、永久磁石片11,永久磁石片12,永久磁石片13,永久磁石片14の順で、電気抵抗が大きいので、磁束変動132の激しい箇所の永久磁石片12,13,14の渦電流損失を低減でき、効率的に、永久磁石15の減磁を防止することができる。
尚、図2では、ティース112にそれぞれ巻かれたコイル113は省略してある。
【0032】
以上詳細に説明したように、第1実施の形態におけるIPMモータの磁石分割方法及びIPMモータ101では、IPMモータ101のロータ121に埋め込まれた複数の永久磁石15の各々を、同一の高さHを持つ複数の永久磁石片11,12,13,14を列設することにより構成するとともに、永久磁石15の一つを構成する永久磁石片11,12,13,14の各々の幅W11,W12,W13,W14を、ロータ121の反回転方向に進むにつれて短くなるように決定している。従って、IPMモータ101のロータ121に埋め込まれた永久磁石15の各々では、ロータ121の回転方向に対して後側へ進むにつれて、各永久磁石片11,12,13,14の高さH×幅W11,W12,W13,W14の値を小さくでき、そのため、ロータ121の回転方向に対して後側へ進むにつれて、各永久磁石片11,12,13,14の電気抵抗が大きくなるので、弱め磁束制御の際に発生する磁束変動132の激しい箇所の永久磁石片12,13,14の渦電流損失を低減でき、効率的に、永久磁石15の減磁を防止することができる。
【0033】
一方、第1実施の形態におけるIPMモータの磁石分割方法及びIPMモータ101とは異なるものであって、従来技術の欄で述べたIPMモータ101(図7及び図8参照)において、ロータ121の回転方向の前側・後側にかかわらず、永久磁石126の一つを構成する永久磁石片125の各々の幅を相等しく小さくすることにより、弱め磁束制御の際に発生する磁束変動の激しい箇所の永久磁石片125の渦電流損失を低減させるIPMモータの磁石分割方法及びIPMモータ101がある。この場合は、永久磁石126の一つを構成する永久磁石片125の全ての幅は、弱め磁束制御の際に発生する磁束変動の激しい箇所(ロータ121の回転方向に対して最も後側)の永久磁石片125の幅に相等しい。
【0034】
この点、第1実施の形態におけるIPMモータの磁石分割方法及びIPMモータ101では、ロータ121の回転方向に対して後側から前側へ進むにつれて、永久磁石15の一つを構成する永久磁石片14,13,12,11の各々の幅W14,W13,W12,W11が長くなるので、永久磁石126の一つを構成する永久磁石片125の各々の幅を相等しく小さくするIPMモータの磁石分割方法及びIPMモータ101と比べると、永久磁石15の一つを構成する永久磁石片11,12,13,14の数を少なくすることができる。
【0035】
すなわち、第1実施の形態におけるIPMモータの磁石分割方法及びIPMモータ101は、永久磁石15の一つを構成する永久磁石片11,12,13,14の各々の幅W11,W12,W13,W14を、ロータ121の反回転方向に進むにつれて短くなるようにしており、弱め磁束制御の際に発生する磁束変動132の激しい箇所の永久磁石片12,13,14の渦電流損失を低減でき、さらに、永久磁石15の一つを構成する永久磁石片11,12,13,14の数も少ない。従って、第1実施の形態におけるIPMモータの磁石分割方法及びIPMモータ101は、永久磁石15の使用量を維持しつつも、永久磁石15を構成する永久磁石片11,12,13,14の数を抑えて、弱め磁束制御の際に発生する渦電流損失の抑制を効率的に行うことにより、減磁防止対策が施されたIPMモータの磁石分割方法及びIPMモータ101と言える。
【0036】
次に、第2実施の形態におけるIPMモータの磁石分割方法とIPMモータを合わせて説明する。第2実施の形態におけるIPMモータは、従来技術の欄で述べたIPMモータ101(図7及び図8参照)において、永久磁石126(4個の永久磁石片125を一組として構成されたもの)を除いて同じである。従って、同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略し、異なった点を中心に説明する。
【0037】
すなわち、第2実施の形態におけるIPMモータ101では、永久磁石126(4個の永久磁石片125を一組として構成されたもの)に代えて、図1に示すように、6個の永久磁石片31,32,33,34,35,36を一組にした、希土類の永久磁石37が使用されている。この点、6個の永久磁石片31,32,33,34,35,36においては、第1実施の形態におけるIPMモータ101と同様にして、高さH・奥行きDがいずれも等しい。また、幅も、第1実施の形態におけるIPMモータ101と同様にして、ロータ121の反回転方向に進むにつれて短い。
【0038】
ただし、第2実施の形態におけるIPMモータの磁石分割方法では、永久磁石片31,32,33,34,35,36の各々において、弱め磁束制御時に発生する渦電流損失が均一となるように、6個の永久磁石片31,32,33,34,35,36の幅を決定している。そこで、第2実施の形態におけるIPMモータの磁石分割方法について具体的に説明する。
【0039】
すなわち、永久磁石37で発生する渦電流損失Wlossは、一般に、以下の式(1)で表すことができる。
Wloss=α×Bp−p^2×f^2 … (1)
ここで、「α」は定数であり、「Bp−p」は磁束密度変動幅であり、「f」は電気周波数である。
そして、ここでは、f=一定であるので、上述した式(1)を、以下の式(2)で表すことができる。
Wloss=β×∫B(X)^2×dx … (2)
ここで、「β」は定数である。また、「X」は、図1に示すように、永久磁石37の幅方向である。
【0040】
図5に、永久磁石37における磁束密度変動幅Bp−pの実測値を示す。また、図5では、永久磁石37の幅方向Xである横軸の左側がロータ121の回転方向にあたり、右側がロータ121の反回転方向にあたる。そして、永久磁石37における磁束密度変動幅Bp−pの実測値と、上述した式(1),(2)より、永久磁石37が一体化されたものである場合の渦電流損失Wlossを求めて、その上昇率を図5の二点差線で示した。また、従来技術の欄で述べたIPMモータ101(図7及び図8参照)のように、永久磁石126(4個の永久磁石片125を一組として構成されたもの)を永久磁石37として使用した場合の渦電流損失Wlossを、同様に求めて、その上昇率を図5の点線で示した。
【0041】
図5に示すように、永久磁石37における渦電流損失Wlossの上昇率は、ロータ121の反回転方向にあたる図5の横軸の右側に進むにつれて大きくなるが、一体化された永久磁石37よりも、4個に等分割された永久磁石37を使用すれば、ロータ121の反回転方向にあたる図5の横軸の右側に進むにつれて小さくなることがわかる。
【0042】
そこで、永久磁石37を等分割した数nと、その永久磁石37における渦電流損失の低減量Wgとの関係を実験で求めたところ、以下の式(3)の近似式で表すことができた。
Wg=100×(1−γ^(θ×n)) … 式(3)
ここで、「γ」,「θ」は定数である。
【0043】
また、上述した式(3)より、永久磁石37を等分割した数nと、その永久磁石37における渦電流損失の低減率との関係を求め、図4に示した。図4によれば、例えば、永久磁石37を2個に等分割した際の1個の永久磁石片の渦電流損失Wlossは、一体化された永久磁石37での渦電流損失Wlossの約40%であることがわかる。また、永久磁石37を3個に等分割した際の1個の永久磁石片の渦電流損失Wlossは、一体化された永久磁石37での渦電流損失Wlossの約60%であることがわかる。
【0044】
また、永久磁石37を10個に等分割した際の1個の永久磁石片の渦電流損失Wlossは、一体化された永久磁石37での渦電流損失Wlossの約90%であることがわかる。また、永久磁石37を11個に等分割した際の1個の永久磁石片の渦電流損失Wlossも、一体化された永久磁石37での渦電流損失Wlossの約90%であることがわかる。従って、ここでは、永久磁石37を11個以上に等分割しても、その1個の永久磁石片の渦電流損失Wlossは、永久磁石37を10個に等分割した際の1個の永久磁石片の渦電流損失Wlossと変わらない。
【0045】
そして、第2実施の形態におけるIPMモータの磁石分割方法では、永久磁石37を構成する各永久磁石片の各々において、弱め磁束制御時に発生する渦電流損失が均一となるように、すなわち、図6の一点鎖線に示すように、永久磁石37の幅方向Xのどの位置でも、弱め磁束制御時に発生する渦電流損失の上昇率が一定になるように、永久磁石37を構成する各永久磁石片の各々の幅を決定している。
【0046】
従って、永久磁石37の幅方向Xの位置aでは、一体化された永久磁石37の渦電流損失Wloss(二点差線)の約40%にあたり、一体化された永久磁石37の渦電流損失Wloss(二点差線)の約60%を低減させる必要があるので、図4により、永久磁石37を3個の等分割したものにあたる永久磁石31を使用する。
また、永久磁石37の幅方向Xの位置bでは、一体化された永久磁石37の渦電流損失Wloss(二点差線)の約20%にあたり、一体化された永久磁石37の渦電流損失Wloss(二点差線)の約80%を低減させる必要があるので、図4により、永久磁石37を6個の等分割したものにあたる永久磁石32を使用する。
【0047】
また、永久磁石37の幅方向Xの位置cでは、一体化された永久磁石37の渦電流損失Wloss(二点差線)の約15%にあたり、一体化された永久磁石37の渦電流損失Wloss(二点差線)の約85%を低減させる必要があるので、図4により、永久磁石37を8個の等分割したものにあたる永久磁石33を使用する。また、永久磁石37の幅方向Xの位置dでは、一体化された永久磁石37の渦電流損失Wloss(二点差線)の約10%にあたり、一体化された永久磁石37の渦電流損失Wloss(二点差線)の約90%を低減させる必要があるので、図4により、永久磁石37を10個の等分割したものにあたる永久磁石34を使用する。
【0048】
また、永久磁石37の幅方向Xの位置eでは、一体化された永久磁石37の渦電流損失Wloss(二点差線)の約10%にあたり、一体化された永久磁石37の渦電流損失Wloss(二点差線)の約90%を低減させる必要があるので、図4により、永久磁石37を10個の等分割したものにあたる永久磁石35を使用する。
また、永久磁石37の幅方向Xの位置fでは、一体化された永久磁石37の渦電流損失Wloss(二点差線)の約10%にあたり、一体化された永久磁石37の渦電流損失Wloss(二点差線)の約90%を低減させる必要があるので、図4により、永久磁石37を10個の等分割したものにあたる永久磁石36を使用する。
【0049】
但し、このとき、6個の永久磁石片31,32,33,34,35,36の幅の合計値が、従来技術の欄で述べたIPMモータ101の永久磁石126の幅と一致しない場合には、6個の永久磁石片31,32,33,34,35,36を一組にした永久磁石37をロータ121の永久磁石挿入孔123に嵌装できなくなるので(図8参照)、6個の永久磁石片31,32,33,34,35,36の各幅を増減させて、従来技術の欄で述べたIPMモータ101の永久磁石126の幅と一致させる。もっとも、6個の永久磁石片31,32,33,34,35,36の各幅は、ロータ121の反回転方向に進むにつれて、すなわち、永久磁石片31,32,33,34,35,36の順で短くする。
【0050】
以上詳細に説明したように、第2実施の形態におけるIPMモータの磁石分割方法及びIPMモータ101では、IPMモータ101のロータ121に埋め込まれた複数の永久磁石37の各々を、同一の高さHを持つ複数の永久磁石片31,32,33,34,35,36を列設することにより構成するとともに、永久磁石37の一つを構成する永久磁石片31,32,33,34,35,36の各々の幅を、ロータ121の反回転方向に進むにつれて短くなるように決定するが、このとき、永久磁石37の一つを構成する永久磁石片31,32,33,34,35,36の各々において、弱め磁束制御時に発生する渦電流損失Wlossが均一となるように、図4及び図6を用いて、永久磁石37の一つを構成する永久磁石片31,32,33,34,35,36の各々の幅を決定している。
【0051】
ここで、決定された永久磁石片31,32,33,34,35,36の各々の幅の総和が、従来技術の欄で述べたIPMモータ101の永久磁石126の幅と一致する場合には、決定された永久磁石片31,32,33,34,35,36の各々の幅を変更することはない。しかし、決定された永久磁石片31,32,33,34,35,36の各々の幅の総和が、従来技術の欄で述べたIPMモータ101の永久磁石126の幅と一致しない場合には、従来技術の欄で述べたIPMモータ101と同様の性能を確保する観点から、決定された永久磁石片31,32,33,34,35,36の各々の幅を増減させて、従来技術の欄で述べたIPMモータ101の永久磁石126の幅と一致させる。
【0052】
従って、永久磁石37の一つを構成する永久磁石片31,32,33,34,35,36の各々においては、決定された永久磁石片31,32,33,34,35,36の各々の幅の総和が、従来技術の欄で述べたIPMモータ101の永久磁石126の幅と一致する場合には、弱め磁束制御時に発生する渦電流損失Wlossは、弱め磁束制御の際に発生する磁束変動132の激しい箇所(ロータ121の回転方向に対して最も後側)の永久磁石片36において低減された後の値で均一となり(図6の一点鎖線)、決定された永久磁石片31,32,33,34,35,36の各々の幅の総和が、従来技術の欄で述べたIPMモータ101の永久磁石126の幅と一致しない場合には、各永久磁石片31,32,33,34,35,36の幅を増減させて調整した結果、弱め磁束制御時に発生する渦電流損失Wlossは、弱め磁束制御の際に発生する磁束変動132の激しい箇所(ロータの回転方向に対して最も後側)の永久磁石片36において低減された後の値で殆ど均一となる(図6の一点鎖線の前後)。
【0053】
すなわち、第2実施の形態におけるIPMモータの磁石分割方法及びIPMモータ101では、永久磁石37の一つを構成する永久磁石片31,32,33,34,35,36の各々の幅を、ロータ121の反回転方向に進むにつれて短くなるように決定するに当たり、永久磁石37の一つを構成する永久磁石片31,32,33,34,35,36の各々で弱め磁束制御時に発生する渦電流損失Wlossが均一又は殆ど均一となるようにしており(図6参照)、弱め磁束制御の際に永久磁石37に作用する磁束131の変動の不均一性を考慮して(図2及び図9参照)、永久磁石37の一つを構成する永久磁石片31,32,33,34,35,36の各々の幅を決定しているので、弱め磁束制御の際に発生する渦電流損失Wlossの抑制を効率的に行う観点から、永久磁石37の一つを構成する永久磁石片31,32,33,34,35,36を最適な数に抑えることができる。
【0054】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、本実施の形態では、永久磁石15の一つを構成する永久磁石片11,12,13,14が直線状に列設されており(図2参照)、また、永久磁石37の一つを構成する永久磁石片31,32,33,34,35,36が直線状に列設されているが(図1参照)、曲線状に列設されているものであっても、本発明を適用することは可能である。
【0055】
【発明の効果】
本発明のIPMモータの磁石分割方法は、永久磁石の一つを構成する永久磁石片の各々の幅を、ロータの反回転方向に進むにつれて短くなるように決定することより、弱め磁束制御の際に発生する磁束変動の激しい箇所の永久磁石片の渦電流損失を低減でき、さらに、永久磁石の一つを構成する永久磁石片の数を少なくすることができる。従って、本発明のIPMモータの磁石分割方法は、永久磁石の使用量を維持しつつも、永久磁石を構成する永久磁石片の数を抑えて、弱め磁束制御の際に発生する渦電流損失の抑制を効率的に行うことにより、減磁防止対策が施されたIPMモータの磁石分割方法と言える。
【0056】
また、本発明のIPMモータの磁石分割方法では、永久磁石の一つを構成する永久磁石片の各々の幅を、ロータの反回転方向に進むにつれて短くなるように決定するに当たり、永久磁石の一つを構成する永久磁石片の各々で弱め磁束制御時に発生する渦電流損失が均一又は殆ど均一となるようにしており、弱め磁束制御の際に永久磁石に作用する磁束の変動の不均一性を考慮して、永久磁石の一つを構成する永久磁石片の各々の幅を決定しているので、弱め磁束制御の際に発生する渦電流損失の抑制を効率的に行う観点から、永久磁石の一つを構成する永久磁石片を最適な数に抑えることができる。
【0057】
また、本発明のIPMモータは、永久磁石の一つを構成する永久磁石片の各々の幅が、ロータの反回転方向に進むにつれて短くなることにより、弱め磁束制御の際に発生する磁束変動の激しい箇所の永久磁石片の渦電流損失を低減でき、さらに、永久磁石の一つを構成する永久磁石片の数を少なくすることができる。従って、本発明のIPMモータは、永久磁石の使用量を維持しつつも、永久磁石を構成する永久磁石片の数を抑えて、弱め磁束制御の際に発生する渦電流損失の抑制を効率的に行うことにより、減磁防止対策が施されたIPMモータと言える。
【0058】
また、本発明のIPMモータでは、永久磁石の一つを構成する永久磁石片の各々の幅が、ロータの反回転方向に進むにつれて短くなっており、しかも、永久磁石の一つを構成する永久磁石片の各々で弱め磁束制御時に発生する渦電流損失が均一又は殆ど均一であり、永久磁石の一つを構成する永久磁石片の各々の幅は、弱め磁束制御の際に永久磁石に作用する磁束の変動の不均一性を考慮したものとなっているので、弱め磁束制御の際に発生する渦電流損失の抑制を効率的に行う観点から、永久磁石の一つを構成する永久磁石片を最適な数に抑えたものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第2実施形態によるIPMモータにおいて、6個の永久磁石片を一組にした永久磁石を示した概念図である。
【図2】本発明の第1実施形態によるIPMモータにおいて、4個の永久磁石片を一組にした永久磁石に対し、弱め磁束制御の際に発生するステータからの磁束が不均一に作用することを示した概念図である。
【図3】本発明の第1実施形態によるIPMモータにおいて、4個の永久磁石片を一組にした永久磁石に流れる渦電流を示した概念図である。
【図4】本発明の第2実施形態によるIPMモータの磁石分割方法において、永久磁石を等分割した数と、その永久磁石における渦電流損失の低減率との関係を示した図である。
【図5】本発明の第2実施形態によるIPMモータの磁石分割方法において、永久磁石における磁束密度変動幅の実測値と、永久磁石が一体化されたものである場合の渦電流損失、永久磁石が等分割されたものである場合の渦電流損失を示した図である。
【図6】本発明の第2実施形態によるIPMモータの磁石分割方法において、永久磁石における磁束密度変動幅の実測値と、永久磁石が一体化されたものである場合の渦電流損失、永久磁石が最適分割されたものである場合の渦電流損失を示した図である。
【図7】従来技術のIPMモータの平面図である。
【図8】従来技術のIPMモータにおいて、ロータの斜視図である。
【図9】従来技術のIPMモータにおいて、4個の永久磁石片を一組にした永久磁石に対し、弱め磁束制御の際に発生するステータからの磁束が不均一に作用することを示した概念図である。
【図10】
従来技術のIPMモータにおいて、4個の永久磁石片を一組にした永久磁石に流れる渦電流を示した概念図である。
【符号の説明】
15,37 永久磁石
11〜14,31〜36 永久磁石片
21〜24 渦電流損失
101 IPMモータ
121 ロータ
H 永久磁石片の高さ
W11〜W14 永久磁石片の幅
Claims (4)
- IPMモータのロータに埋め込まれた複数の永久磁石の各々を、同一の高さを持つ複数の永久磁石片を列設することにより構成する際に、前記永久磁石の一つを構成する前記永久磁石片の各々の幅を決定するIPMモータの磁石分割方法であって、
前記ロータの反回転方向に進むにつれて短くなるように、前記永久磁石の一つを構成する前記永久磁石片の各々の幅を決定すること、を特徴とするIPMモータの磁石分割方法。 - 請求項1に記載するIPMモータの磁石分割方法であって、前記永久磁石の一つを構成する前記永久磁石片の各々で弱め磁束制御時に発生する渦電流損失が均一又は殆ど均一となるように、前記永久磁石の一つを構成する前記永久磁石片の各々の幅を決定すること、を特徴とするIPMモータの磁石分割方法。
- ロータと、前記ロータに埋め込まれた複数の永久磁石と、を有し、同一の高さを持つ複数の永久磁石片が列設されることにより前記永久磁石の各々が構成されたIPMモータにおいて、
前記永久磁石の一つを構成する前記永久磁石片の各々の幅は、前記ロータの反回転方向に進むにつれて短くなること、を特徴とするIPMモータ。 - 請求項3に記載するIPMモータであって、
前記永久磁石の一つを構成する前記永久磁石片の各々では、弱め磁束制御時に発生する渦電流損失が均一又は殆ど均一であること、を特徴とするIPMモータ。
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