JP2004086981A - 再生装置及び再生方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電気機械変換素子を移動操作部に用いたときに、光ピックアップの移動量を制御する。
【解決手段】算出部103が、トラックジャンプによる光ピックアップの移動範囲を検出した後に、移動時間記憶部102に記憶されたデータを参照して、トラックジャンプによって光ピックアップが移動するときの光ピックアップの移動時間を算出する。そして、算出部103は、算出した移動時間に基づいて移動時間制御信号を生成してスレッド駆動信号処理部へ供給する。次に、スレッド駆動信号処理部が、供給された時間処理制御信号に基づいてスレッド駆動信号を生成し、スレッド駆動回路部へ供給する。そして、スレッド駆動回路部は、スレッド駆動信号に基づいて、電気機械変換素子に対して電圧を印加することによって、光ピックアップを光磁気ディスクの径方向に移動させる。
【選択図】 図8
【解決手段】算出部103が、トラックジャンプによる光ピックアップの移動範囲を検出した後に、移動時間記憶部102に記憶されたデータを参照して、トラックジャンプによって光ピックアップが移動するときの光ピックアップの移動時間を算出する。そして、算出部103は、算出した移動時間に基づいて移動時間制御信号を生成してスレッド駆動信号処理部へ供給する。次に、スレッド駆動信号処理部が、供給された時間処理制御信号に基づいてスレッド駆動信号を生成し、スレッド駆動回路部へ供給する。そして、スレッド駆動回路部は、スレッド駆動信号に基づいて、電気機械変換素子に対して電圧を印加することによって、光ピックアップを光磁気ディスクの径方向に移動させる。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気機械変換素子を用いて駆動軸を変位させることによって、被駆動体となる光ピックアップを駆動軸に沿って移動させる移動操作部を備える再生装置及び当該再生装置の再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
再生専用の光ディスクや記録可能な光磁気ディスク(以下、円盤状光記録媒体と総称する。)に記録されているデータの再生を行う再生装置は、円盤状光記録媒体を回転駆動するディスク回転駆動機構と、ディスク回転駆動機構により回転駆動される円盤状光記録媒体に対して、記録されているデータの読み出しを行う光ピックアップと、光ピックアップを円盤状光記録媒体の径方向に移動するピックアップ送り機構とを備え、これらが装置本体のベースに配設されている。
【0003】
ディスク回転駆動機構は、スピンドルモータの駆動軸に一体的に取り付けられたディスクテーブルを有しており、ディスクテーブルに円盤状光記録媒体が装着される。光ピックアップは、光源から出射された光ビームを対物レンズにより集光させて円盤状光記録媒体の信号記録面に照射し、円盤状光記録媒体の信号記録面から反射した戻りの光ビームを受光素子により検出することによって、円盤状光記録媒体からデータを読み出すことができるようになっている。
【0004】
光ピックアップを円盤状光記録媒体の径方向に送り操作するピックアップ送り機構は、光ピックアップを円盤状光記録媒体の径方向に移動可能に支持するガイド軸と、光ピックアップが係合され、回転されることにより光ピックアップを円盤状光記録媒体の径方向に送り操作する送りねじと、送りねじを回転させるモータとを備えている。
【0005】
当該ピックアップ送り機構では、送りねじが駆動モータに回転されることによって、光ピックアップを円盤状光記録媒体の径方向に移動させる。また、当該ピックアップ送り機構では、駆動モータが送りねじを回転させる回数を制御することにより、光ピックアップの移動量を制御することが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ディスク再生装置には、ピックアップ送り機構に電気機械変換素子を用いるものがある。図20に示すように、電気機械変換素子を用いたピックアップ送り機構200は、電圧がかけられることによって伸長する電気機械変換素子201と、電気機械変換素子201により変位され、光ピックアップ202を円盤状光記録媒体の径方向に移動可能に支持する駆動軸203とを備える。ピックアップ送り機構200は、電気機械変換素子201に電圧を印加して駆動軸203を変位させることで、光ピックアップ202を駆動軸203の軸方向に沿って移動できる。
【0007】
以下では、ピックアップ送り機構200の動作について説明する。
【0008】
光ピックアップ202を電気機械変換素子201に近接する方向、すなわち、図20中矢印X方向に移動させるときには、電気機械変換素子201に対して、図6(A)に示すような、立ち上がりにおいて緩やかに所定電圧Vaまで直線的に昇圧した後に、急峻に直線的に降圧する電圧が印加される。
【0009】
図6(A)に示す電圧が印加されると、印加される電圧が緩やかに直線的にVaまで昇圧するに従って、先ず、電気機械変換素子201は緩やかに伸長する。そして、電気機械変換素子201の伸長に連動して、駆動軸203が矢印X方向に緩やかに変位される。駆動軸203が矢印X方向に緩やかに変位されると、光ピックアップ202は、駆動軸203との間に働く摩擦力により、駆動軸203の伸長に連動して緩やかに矢印X方向に移動される。
【0010】
次に、印加される電圧が急峻に降圧するに従って、電気機械変換素子201は急速に収縮する。そして、電気機械変換素子201の収縮に連動して、駆動軸203が矢印Y方向に急速に変位される。駆動軸203が矢印Y方向に急速に変位されると、光ピックアップ202には駆動軸203との間に摩擦力に抗した滑りが生じ、駆動軸203のみが矢印Y方向に移動する。すなわち、光ピックアップ202は、駆動軸203に対して矢印X方向にスライドする。
【0011】
一方、光ピックアップ202を電気機械変換素子201から離間する方向、すなわち、図20中矢印Y方向に移動させるときには、電気機械変換素子201に対して、図6(B)に示すような、立ち上がりにおいて緩やかに所定電圧−Vbまで高圧した後に、急峻に直線的に昇圧する電圧が印加される。
【0012】
図6(B)に示す電圧が印加されると、印加される電圧が緩やかに直線的に−Vbまで降圧するに従って、先ず、電気機械変換素子201は緩やかに伸長する。そして、電気機械変換素子201の伸長に連動して、駆動軸203が矢印Y方向に緩やかに変位される。駆動軸203が矢印Y方向に緩やかに変位されると、光ピックアップ202は、駆動軸203との間に働く摩擦力により、駆動軸203の伸長に連動して緩やかに矢印Y方向に移動される。
【0013】
次に、印加される電圧が急峻に昇圧するに従って、電気機械変換素子201は急速に収縮する。そして、電気機械変換素子201の収縮に連動して、駆動軸203が矢印X方向に急速に駆動する。駆動軸203が矢印X方向に急速に変位すると、光ピックアップ202には移動軸203との間に摩擦力に抗した滑りが生じ、駆動軸203のみが矢印X方向に移動する。すなわち、光ピックアップ202は、駆動軸203に対して矢印Y方向にスライドする。
【0014】
以上説明したように、ピックアップ送り機構200は、光ピックアップ202を移動させるために送りねじなどを必要としない。したがって、ピックアップ送り機構200を使用した記録装置では部品点数を削減することが可能となり、小型化やコストの低減などが容易となる。
【0015】
また、ピックアップ送り機構200は、送りねじやモータなどを使用したピックアップ送り機構と比較して、光ピックアップ202を移動させるときに消費する電力が少なくなる。したがって、ピックアップ送り機構200を使用することにより、再生装置の消費電力を低減させることが可能となる。特に、ポータブル型再生装置にピックアップ送り機構200を使用することにより、消費電力が少ないポータブル型再生装置を提供することが可能となる。
【0016】
しかしながら、以上説明したように、ピックアップ送り機構200では、駆動軸203を緩やかに変位させたときに駆動軸203と光ピックアップ202との間に生じる摩擦力と、駆動軸203を急速に変位させたときに駆動軸203と光ピックアップ202との間に生じる摩擦力に抗した滑りとによって、光ピックアップ202を移動させている。
【0017】
駆動軸203と光ピックアップ202との間に生じる摩擦力や、摩擦力に抗した滑りなどは、駆動軸203上の光ピックアップ202の位置や、温度及び湿度など光ピックアップ202を移動させるときの環境、ピックアップ送り機構200の姿勢、駆動軸203に異物が付着することなどにより変化する。
【0018】
したがって、電気機械変換素子201に対して所定の電圧を印加したときにも、光ピックアップ202の移動量にはばらつきが生じることとなる。すなわち、ピックアップ送り機構200を使用した再生装置では、光ピックアップ202の移動量を制御することは困難となる。
【0019】
光ピックアップ202の移動量を制御することが困難となると、光ピックアップ送り機構200を使用した再生装置は、動作を正確に行うことが困難となるなどの不都合が生じる。例えば、1曲目を再生した直後に9曲目を再生するために飛越しをしたときに、9曲目の開始位置まで光ピックアップ202を移動させることが困難となる。
【0020】
本発明は、以上のような従来の実情を鑑みて提案されたものであり、電気機械変換素子を光ピックアップの移動操作部に用いたときに、光ピックアップの移動量を制御することが可能である再生装置及び再生方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る再生装置は、ベースと、上記ベースに設けられ、円盤状光記録媒体を回転する回転駆動部と、上記円盤状光記録媒体に光ビームを照射するとともに、当該円盤状光記録媒体で反射した光ビームを受光し、信号を取り出す光ピックアップと、上記円盤状光記録媒体の径方向に移動可能に上記光ピックアップを支持する駆動軸と、上記駆動軸の一端に取り付けられ、上記駆動軸の軸方向に伸縮することによって、上記駆動軸を当該駆動軸の軸方向に変位させる電気機械変換素子とを有し、上記駆動軸を上記電気機械変換素子によって変位させることによって上記光ピックアップを上記円盤状光記録媒体の径方向に移動させる移動操作部と、上記電気機械変換素子に対して電圧を印加する電圧印加手段と、上記電圧印加手段が上記電気機械変換素子に対して印加する電圧を制御する電圧制御手段と、上記光ピックアップが光ビームを円盤状光記録媒体に照射した状態で上記移動操作部によって上記円盤状光記録媒体の径方向に移動されたときに取り出した信号から、上記光ピックアップが上記移動操作部によって上記円盤状光記録媒体の径方向に移動されるときの、上記光ピックアップの所定区間当たりの移動時間を検出する移動時間検出手段と、上記移動時間検出手段が検出した上記光ピックアップの区間当たりの移動時間を記憶する記憶手段と、上記光ピックアップが移動するときの当該光ピックアップの移動範囲を検出した後に、上記記憶手段に記憶されたデータを参照して、上記移動範囲から、当該飛越し命令応じて上記光ピックアップが移動するときの当該光ピックアップの移動時間を算出する算出手段とを備え、上記光ピックアップが上記移動操作部によって上記円盤状光記録媒体の径方向に移動されるときの上記光ピックアップの所定区間当たりの移動時間を検出して上記記憶手段に対して記憶するときには、上記電圧制御手段が、上記電圧印加手段を、上記電気機械変換素子に対して所定の電圧を印加するように制御することによって、上記光ピックアップを上記円盤状光記録媒体に対して光ビームを照射した状態で移動させるとともに、上記光ピックアップが、取り出した信号を上記移動時間検出部に供給し、上記飛越し命令が発生したときには、上記電圧手段が、上記電気機械変換素子に対して所定の電圧を上記移動時間算出手段によって算出された移動時間だけ印加するように上記電圧印加手段を制御して、上記光ピックアップを移動させることを特徴とする。
【0022】
また、本発明に係る再生方法は、ベースと、上記ベースに設けられ、円盤状光記録媒体を回転する回転駆動部と、上記円盤状光記録媒体に光ビームを照射するとともに、当該円盤状光記録媒体で反射した光ビームを受光し、信号を取り出す光ピックアップと、上記円盤状光記録媒体の径方向に移動可能に上記光ピックアップを支持する駆動軸と、上記駆動軸の一端に取り付けられ、上記駆動軸の軸方向に伸縮することによって、上記駆動軸を当該駆動軸の軸方向に変位させる電気機械変換素子とを有し、上記駆動軸を上記電気機械変換素子によって変位させることによって上記光ピックアップを上記円盤状光記録媒体の径方向に移動させる移動操作部と、上記電気機械変換素子に対して電圧を印加する電圧印加手段と、上記電圧印加手段が上記電気機械変換素子に対して印加する電圧を制御する電圧制御手段とを備える再生装置において、上記光ピックアップが光ビームを円盤状光記録媒体に照射した状態で上記移動操作部によって上記円盤状光記録媒体の径方向に移動されたときに取り出した信号から、上記光ピックアップが上記移動操作部により上記円盤状光記録媒体の径方向に移動されるときの上記光ピックアップの所定の区間当たりの移動時間を検出する移動時間検出ステップと、上記移動時間検出ステップにおいて検出された上記光ピックアップの区間当たりの移動時間を記憶手段に対して記憶する記憶ステップと、外部で発生した飛越し命令に応じて、上記光ピックアップが移動するときの当該光ピックアップの移動範囲を検出した後に、上記記憶手段に記憶されたデータを参照して、上記移動範囲から、当該飛越し命令に応じて上記光ピックアップが移動するときの当該光ピックアップの移動時間を算出する算出ステップと、上記光ピックアップが上記移動操作部によって上記円盤状光記録媒体の径方向に移動されるときの上記光ピックアップの所定区間当たりの移動時間を検出して上記記憶手段に対して記憶するときに、上記電圧制御手段が、上記電圧印加手段を、上記電気機械変換素子に対して所定の電圧を印加するように制御することによって、上記光ピックアップを上記円盤状光記録媒体に対して光ビームを照射した状態で移動させるとともに、上記光ピックアップが、取り出した信号を上記移動時間検出部に供給する第1の光ピックアップ移動ステップと、上記飛越し命令が発生したときに、上記電圧手段が、上記電気機械変換素子に対して所定の電圧を上記移動時間算出手段によって算出された移動時間だけ印加するように上記電圧印加手段を制御して、上記光ピックアップを移動させる第2の光ピックアップ移動ステップとを備えることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明が適用されたディスク記録再生装置について図面を参照して説明する。このディスク記録再生装置は、例えば携帯型の装置であり、ディスクカートリッジを記録媒体に用いる。
【0024】
図1及び図2に示すように、ディスク記録再生装置1に用いられるディスクカートリッジ2は、一対の上ハーフ2aと下ハーフ2bとを突き合わせることにより構成されたカートリッジ本体2cに、光磁気ディスク3が回転可能に収納されてなる。
【0025】
光磁気ディスク3は、例えばポリカーボネートなどの基板上に、TbFeCoなどの光磁気膜を備えている。
【0026】
また、光磁気ディスク3の中心部には、図3に示すように、ディスク記録再生装置1側のディスク回転駆動機構を構成するディスクテーブルに係合されるクランピングプレート3aが設けられている。クランピングプレート3aは、金属等で形成されており、ディスクテーブル側のマグネットによって磁気吸引されるようになっている。すなわち、光磁気ディスク3は、ディスクテーブルにクランピングプレート3aが磁気吸引され係合されることによって、ディスクテーブルと一体的に回転するようになっている。
【0027】
光磁気ディスク3は、図3に示すように、最内周がリードイン領域3bとされており、最外周がリードアウト領域3cとされており、リードイン領域3bとリードアウト領域3cとの間の領域が信号記録領域3dとされている。また、信号記録領域3dのうち、リードイン領域3b側がUTOC(User Table Of Contents)領域とされており、リードアウト領域3c側がプログラム領域とされている。
【0028】
リードイン領域3bには、TOC(Table Of Contents)が記録されている。リードイン領域3bには、複数のピットが形成される。なお、リードイン領域3bに記憶されているTOCは、ピットで記録されていることから、PTOC(Premasered TOC)といわれる。PTOCは、例えばカートリッジ2に収納されているディスクが再生専用であるか録音可能であるかなどを示すディスクタイプ、UTOC領域のスタートアドレス、リードアウト領域3bのスタートアドレスなど書き換え不可能な情報である。
【0029】
信号記録領域3dには、データが記録される。UTOC領域には、ディスクの名称、トラックの名称、トラックのスタートアドレスなどの書き換え可能なUTOCが記憶される。また、プログラム領域には、例えば音楽データ、画像データなどの各種データが記録される。
【0030】
リードアウトエリア3cは、ディスク記録再生装置1がショックなどを受けることによって、後述する光ピックアップがプログラム領域の外周側に飛び出したときのマージンエリアである。
【0031】
また、信号記録領域3d及びリードアウト領域3cには、グルーブ3gが形成されている。グルーブ3gは螺旋状に形成されており、グルーブ3gのディスク1周分を1トラックという。グルーブ3gはわずかに蛇行(ウォブリング)しており、光磁気ディスク3では、ウォブリングを利用して全体にアドレスを形成している。
【0032】
以上説明した光磁気ディスク3を回転可能に収納するカートリッジ本体2cには、全面側略中央の上ハーフ2a及び下ハーフ2bの互いに対向する面に、光磁気ディスク3の信号記録領域3dの一部を径方向に亘って外部に臨ませる記録再生用の開口部4a,4bが開口されている。上ハーフ2a側の開口部4aは、光磁気ディスク3に対して磁界を印加する磁気ヘッドをカートリッジ本体2c内部に進入させるためのものであり、下ハーフ2b側の開口部4bは、光磁気ディスク3に対して光ビームを照射する光ピックアップを光磁気ディスク3に臨ませるためのものである。
【0033】
また、カートリッジ本体2cの前面側には、記録再生用の開口部4a,4bを開閉するためのシャッタ部材5がスライド可能に取り付けられている。このシャッタ部材5は、カートリッジ本体2の外形に沿って略コ字状に折り曲げられた平板部材によって形成されており、各主面部は、記録再生用の開口部4a,4bを閉塞するのに足る大きさに形成されている。このシャッタ部材5は、ディスク記録再生装置1に装着されたときに限って、開口部4a,4bを解放し、非使用時には開口部4a,4bを閉塞する。
【0034】
以上説明したディスクカートリッジ2は、カートリッジ本体2cの全面と直交する一側面を挿入端として、ディスク記録再生装置1に装填される。すると、シャッタ部材5は、ディスクカートリッジ2の挿入方向と平行な方向にカートリッジ2c本体の全面に沿ってスライドし、開口部4a,4bを解放し、光磁気ディスク3を記録再生が可能な状態とする。
【0035】
なお、カートリッジ本体2c内に収納する円盤状光記録媒体は、光磁気ディスク3に限定されない。カートリッジ2cの本体に収納する円盤状光記録媒体は、例えば、ピットパターンによってデータが予め記録された再生専用の光ディスク、記録層に有機色素材料を用いデータの追記を可能とする追記型ディスク、記録層に相変化材料を用いデータの書き換えを可能とする書き換え型ディスク、磁気ディスクなどを用いるようにしても良い。
【0036】
ディスク記録再生装置1は、ディスクカートリッジ2が装着される装着部が設けられた装置本体と、装置本体に設けられた装着部を開閉する蓋体とを備える。そして、図1に示すように、装置本体を構成する筐体内には、ディスクカートリッジ2が装着される装着部が一方の主面に構成されたベース10が配設されている。このベース10には、詳細は省略するが、ディスクカートリッジ2を保持するカートリッジホルダ35が回動可能に取り付けられており、このカートリッジホルダ35は、筐体と共に回動するようになっている。
【0037】
そして、このディスク記録再生装置1は、蓋体が装着部を解放しているときに、ディスクカートリッジ2をカートリッジホルダ35に挿入保持させ、装着部を閉塞する方向に蓋体を回動操作することによって、カートリッジホルダ35に保持されたディスクカートリッジ2を装着部に装着し、光磁気ディスク3の記録再生を行うことができる状態となる。すなわち、ディスクカートリッジ2は、装着部に装着された状態において、シャッタ部材5がカートリッジ本体2cの前面部に沿ってスライドすることにより開口部4a,4bが解放され、下ハーフ2bの略中央の開口部よりディスクテーブルが進入し、クランピングプレート3aがディスクテーブルに磁気吸引されて係合した状態となる。
【0038】
装置本体を構成する筐体内に配設されるベース10には、図1に示すように、カートリッジ本体2cに収納された光磁気ディスク3を回転駆動するディスク回転駆動機構6と、このディスク回転駆動機構6により回転駆動される光磁気ディスク3に対して情報信号の記録再生を行う記録再生機構7と、この記録再生機構7を光磁気ディスク3の径方向に移動可能に支持する移動操作機構8とが配設されている。また、移動操作機構8には、記録再生機構7を光磁気ディスク3の径方向に移動させるインパクト駆動機構9が配設されている。
【0039】
ディスク回転駆動機構6は、光磁気ディスク3を回転するための駆動源となるスピンドルモータ12を有する。このスピンドルモータ12は、ベース10の下面側略中央部に駆動軸12aを上面側に突出させるように配設されている。この駆動軸12aには、光磁気ディスク3のクランピングプレート3aに係合されるディスクテーブル11が取り付けられている。ディスクテーブル11は、クランピングプレート3aを磁気吸引するためのマグネットが内蔵されており、光磁気ディスク3を一体的に回転することができるようになっている。
【0040】
記録再生機構7は、下ハーフ2b側の開口部4bより光磁気ディスク3の信号記録領域に臨まされる光ピックアップ14と、上ハーフ2aの開口部4aより進入する磁気ヘッド15とから構成されている。
【0041】
光ピックアップ14は、光学系として、光ビームを出射する半導体レーザ、半導体レーザより出射された光ビームを収束し、光磁気ディスク3に対して光ビームを照射する対物レンズ16、光磁気ディスク3で反射された光ビームを検出する光検出器などを備える。半導体レーザから出射された光ビームは、対物レンズ16により収束されて光磁気ディスク3の信号記録面に照射される。光磁気ディスク3の信号記録面で反射された戻りの光ビームは、光検出器により電気信号に変換され、RFアンプに出力される。
【0042】
また、光ピックアップ14は、対物レンズ16を、光磁気ディスク3の径方向(以下トラッキング方向という。)及び光磁気ディスク3の主面から接離する方向(以下、フォーカシング方向という。)に変位させる対物レンズ移動機構を備えている。対物レンズ移動機構は、対物レンズ16をトラッキング方向に変位するように移動するトラッキングコイルと、フォーカシング方向に変位するように移動するフォーカシングコイルと、マグネットとを備えた2軸アクチュエータからなる。対物レンズ移動機構は、フォーカシングコイルに流れる電流とマグネットが発生する磁界とにより駆動力を発生して対物レンズ16を光磁気ディスク3に対して離接する方向に移動させるとともに、トラッキングコイルに流れる電流とマグネットが発生する磁界とにより駆動力を発生して対物レンズ16をトラッキング方向に移動させる。
【0043】
磁気ヘッド15は、光磁気ディスク3を介して光ピックアップ14の対物レンズ16と対向配置されるように、ヘッド取り付けアーム17の先端部に取り付けられている。ヘッド取り付けアーム17は、ジンバルバネなどの弾性変位可能な部材からなり、磁気ヘッド15を光磁気ディスク3の方向に付勢している。磁気ヘッド15は、記録時に限って光磁気ディスク3に磁界を印加することができるように摺接され、再生時、待機時などには、ヘッド昇降機構36により光磁気ディスク3から離間するようになっている。また、記録再生機構7を構成する光ピックアップ14と磁気ヘッド15とは、同期して光磁気ディスク3の径方向に移動するように連結部材18によって連結されている。
【0044】
また、光ピックアップ14及び磁気ヘッド15は、図4及び図5に示すように、ディスクカートリッジ2の開口部4a,4bを投影した領域S内に配置されており、ベース10には、記録再生用の開口部4aに対応した開口部10aが形成されている。
【0045】
図1及び図4に示すように、記録再生機構7を光磁気ディスク3の径方向に移動可能に支持する移動操作機構8は、光ピックアップ14を支持するとともに、連結部材18を介してヘッド取り付けアーム17の先端部に取り付けられた磁気ヘッド15を支持する支持ベース19と、支持ベース19を光磁気ディスク3の径方向に移動可能に支持するガイド軸20とを有している。
【0046】
支持ベース19は、光ピックアップ14がベース10に形成された開口部10aから外方に臨むように配置されており、一方、ガイド軸20は、光磁気ディスク3の径方向と平行に配置されており、その両端部がベース10の開口部10aの周囲に設けられた一対の支持部材21,21により固定支持されている。支持ベース19には、ガイド軸20を挿通するガイド孔22が穿設された支持部23が一体に形成されている。
【0047】
インパクト駆動機構9は、ガイド軸20と平行、すなわち、光磁気ディスク3の径方向と平行に配置された駆動軸24と、駆動軸24の一端に取り付けられた電気機械変換素子25と、電気機械変換素子25を固定する固定部26と、駆動軸24の軸方向にスライド可能に支持され支持ベース19と駆動軸24とを連結する連結部27とを有している。
【0048】
駆動軸24は、記録再生機構7を光磁気ディスク3の内外周に亘って移動させるのに充分な長さを有している。駆動軸24の一端には、電気機械変換素子25が取り付けられている。電気機械変換素子25は、ピエゾ素子や圧電素子などであり、後述するスレッド駆動回路部から印加される駆動電圧に応じて、駆動軸24の軸方向に伸びの速度と縮みの速度とが異なった伸縮変位をし、駆動軸24を軸線方向に振動させる。固定部26は、電気機械変換素子25の端部の一端が取り付けられ、振動時のバランサとしても機能する。
【0049】
インパクト駆動機構9は、ベース10のディスクカートリッジ2と対向する面とは反対側の面にねじ止め等により取り付けられたブラケット28により支持されている。具体的に、ブラケット28の一端には固定部26が取り付けられ、ブラケット28の他端には駆動軸24の他端を支持する支持孔29が設けられ、支持孔29に駆動軸24が振動可能に係合されている。すなわち、駆動軸24は、電気機械変換素子25の変位により軸方向に移動し得るようにブラケット28に支持されている。
【0050】
連結部27は、支持ベース19に一体的に設けられた第1の連結片30と第2の連結片31とから構成されている。第1の連結片30は、支持ベース19の支持部23とは反対側の端部から駆動軸24に向かって突出形成されている。第2の連結片31は、板バネ等弾性変位可能な部材からなり、支持ベース19に片持ち支持された状態でねじ止め等により取り付けられている。第1の連結片30と第2の連結片31とは互いに対向配置されており、間に駆動軸24を挟み込むことによって、駆動軸24の軸方向にスライド可能に支持されている。
【0051】
したがって、支持ベース19は、支持部23のガイド孔22にガイド軸20が挿通されると共に、連結部27が駆動軸24の軸方向にスライド可能に支持されることによって、ガイド軸20及び駆動軸24の軸方向にスライド可能に支持されている。
【0052】
なお、ベース10におけるディスク回転駆動機構6が配設された側の主面には、ベース10に載置されるディスクカートリッジ2の装着位置の位置決めをする位置決め突起40、ディスクカートリッジ2がディスク記録再生装置1に装着されたことを検出する装着検出部41等が設けられている。
【0053】
以上説明したように構成されるインパクト駆動機構9は、電気機械変換素子25を、後述するスレッド駆動回路部によって印加される電圧に応じて伸縮させながら、駆動軸24を軸方向に変位させることによって連結部27を駆動軸24の軸方向にスライドさせることで、記録再生機構7を光磁気ディスク3の径方向に直線移動させることができる。
【0054】
具体的に説明すると、記録再生機構7を電気機械変換素子25に近接する方向、すなわち、図1中矢印A方向に移動させるときには、電気機械変換素子25に対して、図6(A)に示すような、立ち上がりにおいて緩やかに所定電圧Vaまで直線的に昇圧した後に、急峻に直線的に降圧する電圧が印加される。
【0055】
図6(A)に示す電圧が印加されると、印加される電圧が緩やかに直線的にVaまで昇圧するに従って、先ず、電気機械変換素子25は緩やかに伸長する。そして、電気機械変換素子25の伸長に連動して、駆動軸24が矢印A方向に緩やかに変位する。駆動軸24が矢印A方向に緩やかに変位すると、記録再生機構7は、駆動軸24との間に働く摩擦力により、駆動軸24の伸長に連動して緩やかに矢印A方向に移動する。
【0056】
次に、印加される電圧が急峻に降圧するに従って、電気機械変換素子25は急速に収縮する。そして、電気機械変換素子25の収縮に連動して、駆動軸24が矢印B方向に急速に変位する。駆動軸24が矢印B方向に急速に変位すると、記録再生機構7には駆動軸24との間に摩擦力に抗した滑りが生じ、駆動軸24のみが矢印B方向に移動する。すなわち、記録再生機構7は、駆動軸24に対して矢印A方向にスライドする。
【0057】
一方、記録再生機構7を電気機械変換素子25から離間する方向、すなわち、図1中矢印B方向に移動させるときには、電気機械変換素子25に対して、図6(B)に示すような、立ち上がりにおいて緩やかに所定電圧−Vbまで高圧した後に、急峻に直線的に昇圧する電圧が印加される。
【0058】
図6(B)に示す電圧が印加されると、印加される電圧が緩やかに直線的に−Vbまで降圧するに従って、先ず、電気機械変換素子25は緩やかに伸長する。そして、電気機械変換素子25の伸長に連動して、駆動軸24が矢印B方向に緩やかに変位する。駆動軸24が矢印B方向に緩やかに変位すると、記録再生機構7は、駆動軸24との間に働く摩擦力により、駆動軸24の伸長に連動して緩やかに矢印B方向に駆動する。
【0059】
次に、印加される電圧が急峻に昇圧するに従って、電気機械変換素子25は急速に収縮する。そして、電気機械変換素子25の収縮に連動して、駆動軸24が矢印A方向に急速に変位する。駆動軸24が矢印A方向に急速に変位すると、記録再生機構7には駆動軸24との間に摩擦力に抗した滑りが生じ、駆動軸24のみが矢印A方向に変位する。すなわち、記録再生機構7は、駆動軸24に対して矢印B方向にスライドする。
【0060】
以上説明したインパクト駆動機構9によれば、駆動軸24と連結軸50との間に働く摩擦力や、駆動軸24に対する第2の連結片31の弾性力を調節することによって、被駆動時においても、駆動軸24と連結軸50との間に働く摩擦力によって、記録再生機構7を移動方向の任意の位置に安定した状態で保持することができる。また、インパクト駆動機構9は、従来のようにギヤ列を用いたバッククラッシュがなく、nmオーダーといった高分解能での駆動制御が可能であり、20kHz以上となる超音波領域での無音駆動が可能となる。さらに、このインパクト駆動機構9は、図3及び図5に示すように、従来のような駆動モータによる回転駆動をギヤ群及びラック部材を介して直線移動に変換する機構に比べて大幅な小型化が可能であり、上述した記録再生機構7とともに、ディスクカートリッジ2の記録再生用の開口部4a,4bを投影した領域S内に配置することができる。
【0061】
ところで、以上説明したように、ディスク記録再生装置1では、駆動軸24を緩やかに変位させたときに駆動軸24と記録再生機構7との間に生じる摩擦力と、駆動軸24を急速に変位させたときに駆動軸24と記録再生機構7との間に生じる摩擦力に抗した滑りとによって、記録再生機構7を移動させている。
【0062】
しかしながら、駆動軸24と記録再生機構7との間に生じる摩擦力や、摩擦力に抗した滑りなどは、駆動軸24上の記録再生機構7の位置や、温度及び湿度など記録再生機構7を移動させるときの環境、インパクト駆動機構9の姿勢などにより変化する。
【0063】
したがって、電気機械変換素子25に対して所定の電圧を印加したときにも、記録再生機構7の移動量にはばらつきが生じることとなる。すなわち、インパクト駆動機構9では、例えば1曲目を再生した直後に9曲目を再生するなど、データを逐次的な再生から離脱して再生する飛越し(以下、トラックジャンプという。)を行うときなどに、電気機械変換素子25に対して所定の電圧を印加することによって、記録再生機構7の移動量を制御することなどが困難となる。
【0064】
以上説明した理由から、本発明を適用したディスク記録再生装置1では、電気機械変換素子25に対して所定の電圧を印加したときの記録再生機構7の移動量を検出し、検出した結果に基づいて記録再生機構7の移動量を制御する。
【0065】
以下では、本発明を適用したディスク記録再生装置1の回路構成について説明する。
【0066】
ディスク記録再生装置1は、図7に示すように、光ピックアップ14からの反射光からの出力によりRF信号等各種信号を生成するRFアンプ61と、スピンドルモータ12を駆動するスピンドル駆動回路部62と、磁気ヘッド15を駆動するヘッド駆動回路部63と、対物レンズ16をフォーカシング方向に移動させるフォーカス駆動回路部64と、対物レンズ16をトラッキング方向に移動させるトラッキング駆動回路部65と、記録再生機構7を光磁気ディスク3の径方向に移動させるスレッド駆動回路部66とを備える。なお、以下では、記録再生機構7の光磁気ディスク3の径方向への移動をスレッド移動という。
【0067】
また、ディスク記録再生装置1は、RFアンプ61によって生成された信号をディジタル処理するディジタル信号処理部(以下、DSPという。)67と、DSP67によって処理されたディジタル信号をアナログ信号に変換するD/A変換器68と、図示しないマイクなどから取り込まれたアナログ信号をディジタル信号に変換してDSP61へ供給するA/D変換器69と、DSP67からのディジタル信号を出力するとともに外部からディジタル信号を入力してDSPへ供給するディジタルインターフェイス部70と、DRAM(Dynamic Random Access Memory)により構成されたバッファメモリ71とを備える。
【0068】
さらに、ディスク記録再生装置1は、ユーザが操作を行う操作部72と、ユーザに対するデータなどを表示する表示部73と、システム全体を制御するCPUにより構成されたシステムコントローラ74と、装着検出部41が押圧された旨を検出することで、ディスク再生装置1にディスクが装着された旨を検出するディスク装着検出回路部75とを備える。
【0069】
なお、DSP67は、記録時にスピンドルモータ12の回転を制御するクロックを生成するADIP PLL(Address In Pregroove Phase Locked Loop)81と、再生時にスピンドルモータ12の回転を制御するクロックを生成するEFM PLL(Eight FourteenModuration Phase Locked Loop)82と、スピンドルモータ12の回転を制御するためのスピンドルモータ駆動信号を生成するスピンドル駆動信号処理部83と、スピンドル駆動信号処理部83及びADIP PLL81間の接続と、スピンドル駆動信号処理部83及びEFM PLL82間の接続とを切り換える第1の切り換え部84とを備える。
【0070】
また、DSP67は、再生時にはRFアンプ61からのRF信号に対してEFM復調並びにACIRCなどのデコード処理を行い、記録時にはバッファメモリ71から供給された信号に対してEFM変調並びにACIRCなどのエンコード処理を行うEFM/ACIRC(Advanced Cross Interleaved Read−Solomon Code)エンコーダ/デコーダ85と、バッファメモリ71に対する信号の書き込み及び読み出しを行うメモリコントローラ86と、再生時にはメモリコントローラ86からの信号に対してATRACによるデコード処理を行い、記録時にはA/D変換器69からの信号に対してATRACによりエンコードを行うATRAC(Adaptive Transform Acoustic Coding)エンコーダ/デコーダ87とを備える。
【0071】
さらに、DSP67は、RFアンプ61から供給されたフォーカスエラー信号(以下、FE信号という。)に応じてフォーカス駆動信号を生成するフォーカス駆動信号処理部88と、RFアンプ61から供給されたトラッキングエラー信号(以下、TE信号)及びレンズシフト信号(以下、LS信号)に応じてトラッキング駆動信号を生成するトラッキング駆動信号処理部89と、RFアンプ61から供給されたTE信号及びLS信号に応じてスレッド駆動信号を生成するスレッド駆動信号処理部90と、記録再生機構7の光磁気ディスクの径方向への移動を制御する移動時間制御部91と、RFアンプ61及びスレッド駆動信号処理部90間の接続と、RFアンプ61及び移動時間制御部91間の接続とを切り換える第2の切り換え部92とを備える。
【0072】
RFアンプ61は、光ピックアップ14と、ADIP PLL81と、EFMPLL82と、フォーカス駆動信号処理部88と、トラッキング駆動信号処理部89と、スレッド駆動信号処理部90と、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ85と接続されている。RFアンプ61は、光ピックアップ14から供給された電流信号を電圧信号に変換し、変換して得られた電圧信号に基づいて、RF信号、フォーカスエラー信号(以下、FE信号という。)、トラッキングエラー信号(以下、TE信号という。)、レンズシフト信号(以下、LS信号という。)などを生成する。
【0073】
FE信号は、対物レンズ16と光磁気ディスク3との距離を示す信号であり、FE信号が0となったときに対物レンズ16から照射される光ビームの焦点が光磁気ディスク3と合う。FE信号は、非点収差法により生成される。また、TE信号は、対物レンズ16の光軸がトラックの中心からどの程度ずれているかを示す信号であり、TE信号が0となったときに対物レンズ1の光軸が6がトラックの中心上に位置している(以下、オントラックという。)。TE信号は、3ビーム法やプッシュプル法などにより生成される。さらに、LS信号は光ピックアップ14における対物レンズ16の可動範囲の中心(以下、メカセンターという。)からの対物レンズ16のずれを示す信号であり、LS信号が0となったときに対物レンズ16がメカセンターに存在している。
【0074】
また、RFアンプ61は、RF信号をEFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ85及びEFM PLL82に供給し、FE信号をフォーカス駆動信号処理部88へ供給し、TE信号をトラッキング駆動信号処理部89とスレッド駆動信号処理部90とに供給し、LS信号をトラッキング駆動信号処理部89とスレッド駆動信号処理部90とに供給する。また、ADIP PLL81には、プッシュプル法によって生成されたTE信号などのプッシュプル信号を供給する。
【0075】
スピンドル駆動回路部62は、スピンドルモータ12と、スピンドル駆動信号処理部84と接続されている。スピンドル駆動回路部62は、スピンドル駆動信号処理部84から供給されたスピンドル駆動信号に基づいてスピンドルモータ12に対して電圧を印加し、スピンドルモータ12を所定の回転数で駆動する。スピンドル駆動回路部62は、例えば3相駆動信号をスピンドルモータ12に印加し、スピンドルモータ12を、例えば、線速度一定又は角速度一定で回転駆動する。
【0076】
ヘッド駆動回路部63は、磁気ヘッド15と、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ85と接続されている。ヘッド駆動回路部63は、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ85から供給されたエンコード処理が行われたデータに応じて変調された外部磁界を、磁気ヘッド15に発生させる。このとき、ヘッド昇降機構35は、システムコントローラ67からの命令に基づいて、磁気ヘッド15を光磁気ディスク3の光ピックアップ14との対向面とは反対側の面に接触又は近接させる。光磁気ディスク3は、光磁気ディスク3は、光ピックアップ14により光ビームが照射されてキュリー温度以上に加熱され且つ磁気ヘッド15により磁界が印加されることによって、データが記録される。
【0077】
フォーカス駆動回路部64は、フォーカス駆動信号処理部88と、対物レンズ移動機構と接続されている。フォーカス駆動回路部64は、フォーカス駆動信号部88から供給されたフォーカス駆動信号に基づいてフォーカスコイルに対して駆動電圧を印加することで、対物レンズ16をフォーカシング方向に駆動させる。
【0078】
トラッキング駆動回路部65は、トラッキング駆動信号処理部89と、対物レンズ移動機構と接続されている。トラッキング駆動回路部65は、トラッキング駆動信号部89から供給されたトラッキング駆動信号に基づいてトラッキングコイルに対して駆動電圧を印加することで、対物レンズ16をトラッキング方向に移動させる。
【0079】
スレッド駆動回路部66は、電気機械変換素子25とスレッド駆動信号処理部91と接続されている。スレッド駆動回路部66は、スレッド駆動信号処理部91から供給されたスレッド駆動信号に基づいて電気機械変換素子25に対して駆動電圧を印加することで、記録再生機構7をスレッド移動する。
【0080】
バッファメモリ71は、メモリコントローラ86と接続されている。バッファメモリ71は、メモリコントローラ86から供給されたデータが記憶される。具体的に説明すると、バッファメモリ71には、ATRACエンコーダ/デコーダ87から供給されたディジタルオーディオ信号や、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ85から供給されたオーディオ信号などが記憶される。
【0081】
操作部72は、システムコントローラ74が接続されている。操作部72は、操作スイッチや操作釦等から構成されており、例えば、再生、録音、一時停止、停止、早送り、巻き戻し、頭出しサーチなどの記録又は再生にかかる操作情報や、通常再生、プログラム再生、シャッフル再生などのプレイモードにかかる操作情報を、システムコントローラ74に供給する。
【0082】
表示部73は、液晶表示パネルなどから構成されており、記録又は再生時における光磁気ディスク3の動作モード状態や、トラックナンバ、記録時間又は再生時間、編集動作状態などを表示する。
【0083】
ディスク装着検出回路部75は、システムコントローラ74に接続されている。ディスク装着検出回路部75は、ディスクカートリッジ2がディスク記録再生装置1に挿入され、装着検出部41が押圧されたときに、光磁気ディスク3がディスク記録再生装置1に装着された旨を検出して装着検出信号を生成し、システムコントローラ74へ供給する。なお、ディスク装着検出回路部75は、ディスクカートリッジ2がディスク記録再生装置に装着されたときに、TOCを読んだ旨を検出して、装着検出信号を生成する構成としても良い。
【0084】
システムコントローラ74は、操作部72、表示部73、DSP67、各駆動回路などと接続している。システムコントローラ74は、操作部72から供給された情報信号などに応じて各部の制御を行う。また、システムコントローラ74は、操作部73からトラックジャンプをする旨が指示されたときに、トラックジャンプ命令を発生してトラックジャンプを実行する。さらに、システムコントローラ74は、例えばディスク装着検出回路部75から装着検出信号が出力されたときなどに、データ作成命令を発生する。
【0085】
ディスク記録再生装置1では、トラッキング駆動回路72により対物レンズ16をトラッキング方向に移動させることと、スレッド駆動回路73により記録再生機構7を光磁気ディスク3の径方向に移動させることによって、対物レンズ16の光軸を光磁気ディスク3のトラックの中心に位置させる(以下、トラッキングサーボという。)。また、ディスク記録再生装置1では、トラッキング駆動回路72により対物レンズ16をフォーカシング方向に移動させることによって、対物レンズ16と光磁気ディスク3との距離を一定に保っている(以下、フォーカシングサーボという。)。
【0086】
ADIP PLL81は、RFアンプ61と、第1の切り換え部84と、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ85とに接続されている。ADIP PLL81は、RFアンプ61から例えばTE信号などのプッシュプル信号が供給され、供給されたプッシュプル信号からウォブル成分を検出して、アドレス情報を抽出するとともにクロックを生成し、第1の切り換え部84とEFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ85とに供給する。
【0087】
EFM PLL82は、RFアンプ61と、第1の切り換え部84と、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ85とに接続されている。EFM PLL82は、RFアンプ61からRF信号が供給され、供給されたRF信号に含まれるアドレス情報を抽出するとともにクロック成分を検出してクロックを生成し、第1の切り換え部84とEFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ85とに供給する。
【0088】
スピンドル駆動信号処理部83は、第1の切り換え部84と、スピンドル駆動回路部62とに接続されている。スピンドル駆動信号処理部83は、第1の切り換え部84を介して供給されたクロックに応じてスピンドルモータ12の駆動を制御するスピンドルモータ駆動信号を生成し、スピンドル駆動回路部62に供給する。
【0089】
第1の切り換え部84は、ADIP PLL81と、EFM PLL82と、スピンドル駆動信号処理部83とに接続されている。第1の切り換え部84は、システムコントローラ74により切り換えられる。第1の切り換え部84が切りかわることにより、記録時にはADIP PLL81とスピンドル駆動信号処理部83とが接続され、再生時にはEFM PLL82とスピンドル駆動信号処理部83とが接続される。
【0090】
EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ85は、RFアンプ61と、ヘッド駆動回路部63と、ADIP PLL81と、EFM PLL82と、メモリコントローラ86とに接続されている。EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ85は、再生時には、EFM PLL81から供給されるクロックに基づいて、RFアンプ61から供給されるRF信号に対してEFM復調並びにエラー訂正に関するACIRC等のデコード処理を行って圧縮された状態のデータを抽出し、メモリコントローラ86に供給する。また、記録時には、ADIP PLL82から供給されるクロックに基づいて、メモリコントローラ86から供給されるデータ信号に対してEFM変調並びにエラー訂正に関するACIRC等のエンコード処理を行い、エンコード処理した信号をヘッド駆動回路部63に供給する。
【0091】
メモリコントローラ86は、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ85と、バッファメモリ70と、ATRACエンコーダ/デコーダ87とに接続されている。メモリコントローラ86は、再生時には、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ85が抽出した圧縮された状態の信号を、一度バッファメモリ70へ書き込んだ後に所定のデータ単位毎に読み出して、ATRACエンコーダ/デコーダ87に供給する。また、記録時には、ATRACエンコーダ/デコーダ87から供給された信号をバッファメモリ70へ書き込んだ後に所定のデータ単位毎に読み出して、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ85に供給する。
【0092】
ATRACエンコーダ/デコーダ87は、メモリコントローラ86と、D/A変換器68と、A/D変換器69と、ディジタルインターフェイス70とに接続されている。ATRACエンコーダ/デコーダ92は、再生時には、メモリコントローラ86から供給された圧縮された状態の信号に対して、ATRACによるデコード処理を行う。デコード処理が行われた信号はD/A変換器68に供給され、D/A変換器68によってアナログオーディオ信号に変換された後に、オーディオ出力端子から出力される。なお、デコード処理が行われた信号は、ディジタルインターフェイス70を介してディジタル端子から直接出力することもできる。また、記録時には、オーディオ入力端子から入力された後にA/D変換器69によって変換されることで得られたディジタルオーディオ信号又はディジタルインターフェイス70から入力されたディジタルオーディオ信号に対して、ATRACによるエンコード処理を行い、エンコード処理を行った信号を、メモリコントローラ86に供給する。
【0093】
フォーカス駆動信号処理部88は、RFアンプ61とフォーカス駆動回路部64とに接続されている。フォーカス駆動信号処理部88は、RFアンプ61から供給されたFE信号に応じて、フォーカス駆動信号を生成し、フォーカス駆動回路部64に供給する。フォーカス駆動信号は、フォーカス駆動回路部64がフォーカスコイルに対して印加する駆動電圧を制御して対物レンズ16と光磁気ディスク3との距離を制御する信号である。
【0094】
トラッキング駆動信号処理部89は、RFアンプ61とトラッキング駆動回路部65とに接続されている。トラッキング駆動信号処理部89は、RFアンプ61から供給されるTE信号及びLS信号に基づいて、トラッキング駆動信号を生成し、トラッキング駆動回路部65に供給する。トラッキング駆動信号は、トラッキング駆動回路部65がトラッキングコイルに対して印加する駆動電圧を制御して、光磁気ディスク3に対する対物レンズ16のトラッキング方向の位置を制御する信号である。
【0095】
スレッド駆動信号処理部90は、スレッド駆動回路部66と、移動時間制御部91と、第2の切り換え部92とに接続されている。第1のスレッド信号処理部90は、トラッキングサーボが行われているときに、RFアンプ61からTE信号及びLS信号が供給され、TE信号及びLS信号に応じてスレッド駆動信号を生成し、スレッド駆動回路部66へ供給する。また、スレッド信号処理部90は、トラックジャンプ命令が発生したときには移動時間制御部91から移動時間制御信号が供給され、移動時間制御信号に応じてスレッド駆動信号を生成し、スレッド駆動回路部66へ供給する。また、データ作成命令が発生されたときには移動時間制御部91から移動時間検出信号が供給され、移動時間検出信号に応じてスレッド駆動信号を生成し、スレッド駆動回路部66へ供給する。スレッド駆動信号は、スレッド駆動回路部66が電気機械変換素子25に対して印加する駆動電圧を制御することによりスレッド移動を制御する信号である。
【0096】
移動時間制御部91は、トラックジャンプのときの記録再生機構7のスレッド移動を制御する。なお、移動時間制御部91については、詳細を後述する。
【0097】
第2の切り換え部92は、RFアンプ61と、スレッド駆動信号処理部90と、移動時間制御部91と接続されている。第2の切り換え部92は、システムコントローラ74により切り換えられる。第2の切り換え部92が切り換えられることにより、トラッキングサーボが行われているときにはRFアンプ61とスレッド駆動信号処理部90とが接続され、トラックジャンプのときにはRFアンプ61と移動時間制御部91とが接続される。
【0098】
以下では、移動時間制御部91について詳細に説明する。
【0099】
移動時間制御部91は、図8に示すように、記録再生機構7がスレッド移動するときの区間当たりの移動時間を検出する移動時間検出部101と、移動時間検出部101が検出した区間当たりの移動時間を示すテーブルを記憶する移動時間記憶部102と、トラックジャンプ命令が発生したときに、当該トラックジャンプ命令によって移動するように指定されたアドレス(以下、目的アドレスという。)で示される位置に対物レンズ16が位置するように、記録再生機構7が移動するときの記録再生機構7の移動時間Tを算出する算出部103と、トラックジャンプ後の対物レンズ16のアドレスと目的アドレスとの誤差を検出し、誤差が一定以上であるときにデータ作成命令を発生する誤差検出部104とを備える。
【0100】
移動時間制御部91では、トラックジャンプのときに記録再生機構7がスレッド移動する移動時間を制御することによって記録再生機構7の移動範囲を制御するとともに、移動時間記憶部102に記憶されるデータの作成を行う。移動時間記憶部102に記憶されるデータの作成は、例えば、誤差検出部104が検出した誤差が所定の範囲外であるときや、新たに光磁気ディスク3が装着された旨が検出されたとき、ディスク記録再生装置1を出荷するときなどに、システムコントローラ74や誤差検出部104がデータ作成命令を発生することにより行われる。
【0101】
また、ディスク記録再生装置1は、データの再生を行うときに、メモリコントローラ86が、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ85から供給された信号を、バッファメモリ70に対して1.41Mbits/secで間欠的に書き込みを行った後に、0.3Mbits/secでデータの読み出しを行って、ATRACエンコーダ/デコーダ87に対して供給している。したがって、ディスク記録再生装置1では、バッファメモリ70に記憶されたデータが所定の量を下回るまでは、光ピックアップ14による光磁気ディスク3からのデータの読み出しを停止している。移動時間記憶部102に記憶されているデータの作成は、データの再生時において光ピックアップ14による光磁気ディスク3からのデータの読み出しを停止しているときに行っても良い。
【0102】
移動時間検出部101は、データ作成命令が発生したときに記録再生機構をスレッド移動させ、記録再生機構7がスレッド移動するときに要する時間を所定のトラック数毎に検出する。
【0103】
光磁気ディスク3からの反射光の強さは、グルーブ3gからの反射光とランドからの反射光とで異なる。フォーカシングサーボがかかっており且つトラッキングサーボがかかっていない状態で記録再生機構7を光磁気ディスク3の径方向に移動させたときには、記録再生機構7はグルーブ3gの上とランドの上とを交互に通過する。したがって、トラッキングサーボが行われていない状態で記録再生機構7を光磁気ディスク3の径方向に移動させたときには、TE信号は、図9(A)に示すように、記録再生機構7が1トラック通過する毎に1周期変化する信号となる。すなわち、TE信号が1周期変化した回数を数えることで、記録再生機構7が通過したトラック数を数えることが可能となる。
【0104】
移動時間検出部101が、記録再生機構7がスレッド移動するときに要する時間を、所定のトラック数毎に検出する具体的な検出方法は、以下に説明する通りとなる。
【0105】
先ず、移動時間検出部101は、光ピックアップ14に備えられた半導体レーザをオンとした状態で、スレッド駆動信号処理部90に移動時間検出信号を供給して記録再生機構7をスレッド移動させる。そして、移動時間検出部101は、RFアンプ61から、フォーカシングサーボがかかっており且つトラッキングサーボがかかっていないTE信号が供給される。次に、得られたTE信号をオントラックのときのTE信号の値aを基準として2値化することにより、図9(B)に示すようなパルス信号(以下、通過トラック数信号という。)を生成する。次に、カウンタ(図示せず。)が通過トラック信号のパルス数をカウントする。なお、通過トラック数信号のパルス数は、TE信号が1周期変化した回数を示している。すなわち、通過トラック数信号のパルス数は、記録再生機構7が通過したトラックの数を表している。したがって、移動時間検出部101は、カウンタによってパルス数をカウントすることで、記録再生機構7が通過したトラック数を検出する。また、図9(C)に示すように、(x−1)(但し、xは自然数。)個目のパルスが発生してからx個目のパルスが発生するまでの時間をモニタすることで、図10に示すように、1トラック移動する毎の記録再生機構7の移動時間を検出し、図11に示すように、記録再生機構7のn(但し、nは自然数。)トラック毎の移動時間を示すテーブルを作成する。なお、本実施の形態では、移動時間検出部101は、5トラック毎の移動時間を示すテーブルを作成する。また、記録再生機構7が0トラック目から1トラック目まで移動した時間をΔtとして、記録再生機構の移動時間を示している。
【0106】
移動時間記憶部102は、移動時間検出部101が作成したテーブルを記憶する。
【0107】
算出部103は、トラックジャンプ命令が発生したときに、先ず、TOCから得られる目的アドレスに基づいて、当該トラックジャンプ命令によって指定された位置に対物レンズ16が位置するように記録再生機構7が移動するときの記録再生機構7の移動範囲L1を、トラックで検出する。次に、算出部103は、移動時間記憶部102に記憶されたデータを参照し、移動範囲L1から記録再生機構7の移動時間Tを算出する。そして、算出部103は、移動時間Tから移動時間制御信号を生成し、スレッド駆動信号処理部90へ供給する。
【0108】
誤差検出部104は、トラックジャンプ後の対物レンズ16の位置を示すアドレスと目的アドレスとの誤差を検出し、誤差が所定の範囲外のときにデータ作成命令を発生する。トラックジャンプ後の対物レンズ16の位置を示すアドレスと目的アドレスとの誤差は、例えば、ディスク記録再生装置1の姿勢が変化したときや、ディスク記録再生装置1が使用されている環境の温度や湿度などが変化したとき、駆動軸24にごみが付着したときなどに生じる。なお、誤差検出部104は、上記算出部103により検出された移動範囲L1とトラックジャンプによる記録再生機構7の実際の移動範囲L2との誤差を算出する構成としても良い。
【0109】
以上説明した移動時間制御部100の動作について、以下に説明する。
【0110】
まず、トラックジャンプ命令が発生することにより、トラックジャンプをするときの移動時間制御部100の動作について説明する。
【0111】
トラックジャンプ命令が発生すると、図12に示すように、先ず、ステップST1において、光ピックアップ14がTOCを読み出して、目的アドレスを検出する。なお、ステップST1では、光ピックアップ14に備えられた半導体レーザはオンとされる。
【0112】
次に、ステップST2において、算出部103が、スレッド駆動信号処理部90に対して移動時間制御信号を供給する。詳述すると、先ず、算出部103が、ステップST1で検出されたアドレスから、移動範囲L1を検出する。そして、算出部103が、移動時間記憶部102に記憶されたテーブルを参照して、記録再生機構7の移動時間Tを算出し、算出した移動時間Tから移動時間制御信号を生成して、スレッド駆動信号処理部90に供給する。なお、ステップST2では、光ピックアップ14に備えられた半導体レーザはオンとされる。
【0113】
次に、ステップST3において、移動時間制御信号に基づいて、スレッド駆動回路部66が電気機械変換素子25に対して駆動電圧を印加することで、記録再生機構7をスレッド移動させ、トラックジャンプする。詳述すると、最初に、スレッド駆動信号処理部90が、移動時間制御部91から供給された移動時間制御信号に基づいて記録再生機構7の移動時間がTとなるようなスレッド駆動処理信号を生成し、スレッド駆動回路部66に供給する。そして、スレッド駆動回路部66が、供給されたスレッド駆動信号に基づいて電気機械変換素子25に対して駆動電圧を印加することで、記録再生機構7がスレッド移動し、トラックジャンプが行われる。スレッド駆動回路部66が、供給されたスレッド駆動信号に基づいて電気機械変換素子25に対して駆動電圧を印加することで、記録再生機構7の移動時間はTとなる。
【0114】
次に、ステップST4において、誤差検出部104が対物レンズ16が目的アドレスの位置にあるか否かを判断する。対物レンズ16が目的アドレスの位置にあるときにはステップST8に進み、対物レンズ16が目的アドレスの位置にないときにはステップST5に進む。
【0115】
ステップST5においては、記録再生機構7をスレッド移動させる必要があるか否かを判断する。記録再生機構7をスレッド移動させる必要があるか否かは、例えば誤差検出手段103が検出したトラックジャンプ後の記録再生機構7のアドレスと目的アドレスとの差から判断される。スレッド移動が不必要なときにはステップST6に進み、スレッド移動が必要なときにはステップST7に進む。
【0116】
ステップST6においては、トラッキング駆動信号処理部89がトラッキング駆動信号を生成してトラッキング駆動回路部65へ供給し、トラッキング駆動回路部65がトラッキングコイルに対して電圧を印加することで、対物レンズ16がトラッキング方向に移動する。対物レンズ16の移動が終了すると、ステップST4に戻る。
【0117】
また、ステップST7においては、記録再生機構7が目的アドレスまでスレッド移動する。記録再生機構7を目的アドレスまでスレッド移動させる方法の例としては、以下に説明する方法が挙げられる。先ず、光ピックアップ14に備えられた半導体レーザをオンとした状態で、スレッド駆動信号処理部90がスレッド駆動信号を生成してスレッド駆動回路部66へ供給する。次に、スレッド駆動回路部66が、供給されたスレッド駆動信号に基づいて電気機械変換素子25に対して電圧を印加することで、記録再生機構7をスレッド移動させる。次に、RFアンプ61は、光ピックアップ14から取り出した信号からTE信号を生成し、移動時間検出部101に供給する。そして、移動時間検出部101が供給されたTE信号から通過数トラック信号を生成して、カウンタが通過数トラック信号のパルス数をカウントすることによって記録再生機構7が通過したトラック数を検出しながら記録再生機構7を目的アドレスまでスレッド移動させる。記録再生機構7のスレッド移動が終了すると、光ピックアップ14に備えられた半導体レーザはオフとされる。また、記録再生機構7のスレッド移動が終了すると、ステップST4に戻る。
【0118】
そして、ステップST8において、光ピックアップ14は、光磁気ディスク3に記録されているデータの読み出しを行う。光磁気ディスク3に記録されているデータを読み出すときには、光ピックアップ14に備えられた半導体レーザはオンとなる。
【0119】
なお、本実施の形態における移動時間制御部91では、誤差検出部104によって、トラックジャンプ後の対物レンズ16の位置を示すアドレスと目的アドレスとの差が所定の範囲外であると判断されたときには、移動時間記憶部102に記憶されているテーブルの書き換えを行う。したがって、ステップST8の後に、ステップST9に進む。
【0120】
ステップST9では、光磁気ディスク3から読み出されたデータがバッファメモリ71に所定の量以上書き込まれたか否かを判断する。データがバッファメモリ71に所定の量以上書き込まれているときにはステップST11に進み、バッファメモリ71に書き込まれているデータの量が所定の量以下であるときには、ステップST8に戻る。
【0121】
次に、ステップST10においては、誤差検出部104が検出した誤差が所定の範囲外であるか否かが判断される。誤差検出部104が検出した誤差が所定の範囲外であると判断されたときにはステップST11に進み、誤差検出部104が検出した誤差が所定の範囲内であると判断されたときには、移動時間制御部100の動作は終了する。
【0122】
次に、ステップST11において、誤差検出部104がデータ作成命令を発生する。
【0123】
そして、ステップST21において、移動時間検出部102に記憶されているデータの書き換えを開始する。なお、ステップST21以降については、詳細を後述する。
【0124】
つぎに、データ作成命令が発生することにより、移動時間制御部100が移動時間記憶部102に記憶されるテーブルを作成する方法について説明する。
【0125】
データ作成命令が発生したときには、図13に示すように、先ず、ステップST21において、移動時間検出部101が、移動時間検出信号をスレッド駆動信号処理部91に供給して記録再生機構7をスレッド移動させるとともに、光ピックアップ14に備えられた半導体レーザをオンとすることにより、光磁気ディスク3に対してレーザ光を照射した状態で、記録再生機構7をスレッド移動させる。
【0126】
次に、ステップST22において、移動時間検出部101へTE信号が供給される。移動時間検出部101は、供給されたTE信号をaを基準として2値化して、通過トラック数信号を生成する。
【0127】
次に、ステップST23において、移動時間検出部101がx−1個目のパルスが発生してからx個目のパルスが発生するまでの時間をモニタすることで1トラック移動する毎の記録再生機構1の移動時間を検出し、検出した結果に基づいてnトラック毎の記録再生機構7の移動時間を示すテーブルを作成する。
【0128】
そして、ステップST24において、移動速度記憶部102がステップST23において作成されたテーブルを記憶する。
【0129】
また、以下では、移動速度記憶部102に記憶されているデータを作成するタイミングについて、ディスク再生装置1に対して光磁気ディスク3を装着して、データの再生を行うときを例に挙げて説明する。
【0130】
図14に示すように、先ず、ステップST31において、ディスク装着検出回路部75が、光磁気ディスク3が装着された旨を検出して装着検出信号を出力する。
【0131】
次に、ステップST32において、光ピックアップ14がTOCを読み出して、再生するデータの開始アドレスを検出する。なお、ステップST32では、半導体レーザはオンとされる。
【0132】
次に、ステップST33において、算出部103が、スレッド駆動信号処理部90に対して移動時間制御信号を供給する。詳述すると、先ず、算出部103が、ステップST31で検出されたアドレスから移動範囲L1を検出する。そして、算出部103が、移動時間記憶部102に記憶されたテーブルを参照して、記録再生機構7の移動時間Tを算出し、算出した移動時間Tから移動時間制御信号を生成して、スレッド駆動信号処理部90に供給する。なお、ステップST33では、半導体レーザはオフとされている。
【0133】
次に、ステップST34において、スレッド駆動回路部66が電気機械変換素子25に対して駆動電圧を印加することで、記録再生機構7をスレッド移動させ、ステップST32で検出されたアドレスの位置に対物レンズ16が位置するように、トラックジャンプする。なお、トラックジャンプの方法は、ステップST3と同じであるので、トラックジャンプの方法については、ステップST3での説明を援用する。
【0134】
次に、ステップST35において、対物レンズ16が目的アドレスの位置にあるか否かが判断される。対物レンズ16が目的アドレスの位置にあるときにはステップST38に進み、対物レンズ16が目的アドレスの位置にないときにはステップST36に進む。
【0135】
ステップST36においては、記録再生機構7をスレッド移動させる必要があるか否かを判断する。スレッド移動が不必要なときにはステップST37に進み、スレッド移動が必要なときにはステップST38に進む。
【0136】
ステップST37においては、対物レンズ16がトラッキング方向に移動する。なお、対物レンズ16がトラッキング方向に移動する方法は、ステップST6と同じであるので、対物レンズ16がトラッキング方向に移動する方法については、ステップST6での説明を援用する。対物レンズ16の移動が終了すると、ステップST35に戻る。
【0137】
また、ステップST38においては、記録再生機構7がスレッド移動する。なお、記録再生機構7をスレッド移動させる方法はステップST7と同じであるので、記録再生機構7をスレッド移動させる方法については、ステップST7での説明を援用する。
【0138】
次に、ステップST39において、光ピックアップ14は、光磁気ディスク3に記録されているデータの読み出しを行う。光磁気ディスク3に記録されているデータを読み出すときには、光ピックアップ14に備えられた半導体レーザはオンとされる。
【0139】
次に、ステップST40では、光磁気ディスク3から読み出されたデータがバッファメモリ71に所定の量以上書き込まれたか否かが判断される。バッファメモリ71に所定の量以上のデータ書き込まれているときにはステップST41に進み、バッファメモリ71に書き込まれているデータの量が所定の量以下であるときには、ステップST39に戻る。
【0140】
次に、ステップST41において、システムコントローラ74がデータ作成命令を発生する。
【0141】
そして、ステップST21において、移動時間検出部102に記憶されているデータの書き換えが開始する。
【0142】
つぎに、以上説明したディスク記録再生装置1の動作について説明する。
【0143】
ディスク記録装置1が光磁気ディスク3に対してデータを記録するときの動作は以下に説明する通りとなる。
【0144】
先ず、ユーザによって操作部72に備えられた記録開始釦が押される。記録開始釦が押されると、システムコントローラ74の制御に基づいて、スピンドル駆動信号処理部83が、スピンドル駆動信号を生成してスピンドル駆動回路部62へ供給する。次に、スピンドル駆動回路部62は、供給されたスピンドル駆動信号に基づいてスピンドルモータ12に対して駆動電圧を印加し、光磁気ディスク3を回転させるとともに光ピックアップ14に備えられた半導体レーザを駆動し、データ記録用の出力レベルで光ビームを出射するようにする。
【0145】
また、システムコントローラ74の制御に基づいて、フォーカス駆動信号処理部88がフォーカス駆動信号を生成し、フォーカス駆動回路部64へ供給する。フォーカス駆動回路部64は、供給されたフォーカス駆動信号に基づいてフォーカスコイルに対して駆動電圧を印加し、対物レンズ16のフォーカスサーボを行う。
【0146】
さらに、システムコントローラ74の制御に基づいて、スレッド駆動信号生成部90がスレッド駆動信号を生成し、スレッド駆動回路部66へ供給する。スレッド駆動回路部66は、供給されたスレッド駆動信号に基づいて電気機械変換素子25に対して駆動電圧を印加することによって、記録再生機構7を光磁気ディスク3の内周側に移動させ、記録位置を特定するためのデータの読み出しを開始する。すなわち、光ピックアップ14は、光磁気ディスク3で反射された戻りの光ビームを光検出器で検出し、これをRFアンプ61を介してEFM PLL82に出力し、EFM PLL82は、アドレス情報をデコードした後、デコードしたアドレスをシステムコントローラ74に出力し、システムコントローラ74が記録位置を特定できるようにする。
【0147】
システムコントローラ74がデータの記録位置を特定すると、スレッド駆動信号生成部90は、システムコントローラ74の制御に基づいてスレッド駆動信号を生成してスレッド駆動回路部66へ供給する。スレッド駆動回路部66は、供給されたスレッド駆動信号に基づいて電気機械変換素子25に対して駆動電圧を印加することによって、記録再生機構7を光磁気ディスク3上のデータの記録位置へ移動させる。また、システムコントローラ74は、ヘッド昇降機構35を駆動し、磁気ヘッド15を光磁気ディスク3に近接させる。そして、光磁気ディスク3は、光ピックアップ14から出射された光ビームにより照射されてキュリー温度以上に加熱されるとともに磁気ヘッド15により磁界が印加されることによってデータが記録される。
【0148】
光磁気ディスク3に記録するデータは、アナログ信号であるときにはA/D変換器69によってディジタルオーディオ信号に変換されてATRACエンコーダ/デコーダ87へ供給される。また、ディジタル信号であるときにはディジタルインターフェイス部70を介してディジタル入力端子から入力され、ATRACエンコーダ/デコーダ87へ供給される。次に、ATRACエンコーダ/デコーダ87が、供給されたディジタル信号をATRACにより圧縮する。ATRACにより圧縮されたデータは、メモリコントローラ74によって一時的にバッファメモリ71へ書き込まれた後、このバッファメモリ71より所定のデータ単位毎に読み出されて、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ85でEFM変調並びにACIRC等のエンコード処理が行われた後に、ヘッド駆動回路部63に供給される。そして、ヘッド駆動回路部63は、磁気ヘッド15に対してデータに応じて変調された外部磁界を発生させる。そして、磁気ヘッド15は、光ピックアップ14により光ビームが照射されキュリー温度以上に加熱された位置に、外部磁界を印加してデータを記録する。
【0149】
一方、ディスク記録装置1が光磁気ディスク3に記録されているデータの再生を行うときの動作は以下に説明する通りとなる。
【0150】
先ず、ユーザによって操作部72に備えられた再生開始釦が押される。再生開始釦が押されると、システムコントローラ74の制御に基づいて、スピンドル駆動信号処理部83が、スピンドル駆動信号を生成してスピンドル駆動回路部62へ供給する。次に、スピンドル駆動回路部62は、供給されたスピンドル駆動信号に基づいてスピンドルモータ12に対して駆動電圧を印加することで光磁気ディスク3を回転させるとともに、光ピックアップ14に備えられた半導体レーザを駆動し、データ再生用の出力レベルで光ビームを出射するようにする。
【0151】
また、システムコントローラ74の制御に基づいて、フォーカス駆動信号処理部88がフォーカス駆動信号を生成し、フォーカス駆動回路部64へ供給する。フォーカス駆動回路部64は、供給されたフォーカス駆動信号に基づいてフォーカシングコイルに対して駆動電圧を印加し、対物レンズ16のフォーカスサーボを行う。
【0152】
また、システムコントローラ74の制御に基づいて、スレッド駆動信号処理部90がスレッド駆動信号を生成し、スレッド駆動回路部66へ供給する。スレッド駆動回路部66は、供給されたスレッド駆動信号に基づいて電気機械変換素子25に対して駆動電圧を印加することによって、記録再生機構7を光磁気ディスク3の内周側に移動させ、再生位置を特定するためのデータの読み出しを開始する。すなわち、光ピックアップ14は、光磁気ディスク3で反射された戻りの光ビームを光検出器で検出し、これをRFアンプ61を介してEFM PLL82に出力する。EFM PLL82は、アドレス情報をデコードした後、デコードしたアドレスをシステムコントローラ74に出力し、システムコントローラ74が再生位置を特定できるようにする。
【0153】
システムコントローラ74がデータの再生位置を特定すると、スレッド駆動信号生成部90は、システムコントローラ74の制御に基づいてスレッド駆動信号を生成してスレッド駆動回路部66へ供給する。スレッド駆動回路部66は、供給されたスレッド駆動信号に基づいて電気機械変換素子25に対して駆動電圧を印加することによって、記録再生機構7を光磁気ディスク3上のデータの再生位置へ移動させる。そして、光ピックアップ14が光磁気ディスク3に対して光ビームを照射して再生が開始する。
【0154】
光ピックアップ14は、光磁気ディスク3に対して光ビームを照射し、反射された戻りの光ビームを電流信号としてRFアンプ61へ供給する。RFアンプ61は、光ピックアップ14から供給された電流信号を電圧信号に変換し、変換して得られた電圧信号に基づいてRF信号を生成し、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ85へ供給する。RF信号は、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ85でEFM復調及びACIRCなどのエンコード処理が行われた後に、メモリコントローラ86によってバッファメモリ71に書き込まれる。バッファメモリ71に一旦書き込まれたデータは、所定のデータ単位毎に読み出され、ATRACエンコーダ/デコーダ87へ供給され、ATRACによりデコード処理が行われ伸長される。伸長されたディジタルオーディオ信号は、D/A変換器68によってアナログオーディオ信号に変換された後に、オーディオ出力端子に接続されたスピーカ、イヤフォン、ヘッドフォンなどから出力される。また、ATRACエンコーダ/デコーダ87から出力されたディジタルデータは、ディジタルインターフェイス部70を介してディジタル端子から直接出力される。
【0155】
以上説明したディスク記録再生装置1では、移動時間記憶部102に区間毎の移動時間が示されたテーブルが記憶されており、トラックジャンプ命令が発生したときに、算出部103が、TOCから得られるトラックジャンプ先のアドレスに基づいて移動範囲L1を検出した後に、移動時間記憶部102に記憶されたデータを参照し、移動範囲L1から記録再生機構7の移動時間Tを算出する。そして、算出部103は、移動時間Tから移動時間制御信号を生成し、スレッド駆動信号処理部90へ供給する。スレッド駆動信号処理部90では、供給された移動時間制御信号に基づいて、記録再生機構7の移動時間がTとなるようなスレッド駆動処理信号を生成してスレッド駆動回路部66へ供給し、スレッド駆動回路部66は、供給されたスレッド駆動信号に基づいて電気機械変換素子25に対して電圧を印加することで、記録再生機構7をスレッド移動させる。
【0156】
また、ディスク記録再生装置1では、誤差検出部104によって検出されたトラックジャンプ後の対物レンズ16のアドレスと、目的アドレスとの誤差が所定の範囲外であったときには誤差検出部104がデータの作成命令を発生し、光磁気ディスク3がディスク記録再生機構1に装着された旨が検出されたときには、システムコントローラ74がデータ作成命令を発生する。そして、ディスク再生装置1では、データ作成命令が発生すると、移動時間検出部101が動作し、移動時間記憶部102に記憶されているテーブルの作成を行う。
【0157】
したがって、本発明を適用したディスク記録再生装置1は、記録再生機構7の駆動機構としてインパクト駆動機構9を採用したときにも、トラックジャンプするときなど、記録再生機構7を光磁気ディスク3の径方向へ移動させるときに、所定の位置まで移動させることが容易となる。
【0158】
また、本発明を適用したディスク記録再生装置1は、駆動軸24上の記録再生機構7の位置や、インパクト駆動機構9の姿勢の違い、温度及び湿度の違いなどの使用環境の違いなどにより、記録再生機構7の区間当たりの移動速度に変化が生じているときにも、記録再生機構7を光磁気ディスク3の径方向へ移動させるときに、所定の位置まで移動させることが容易となる。
【0159】
さらに、本発明を適用したディスク記録再生装置1によれば、トラックジャンプをするときに、光ピックアップ14に備えられた半導体レーザをオンとする必要性がなくなる。すなわち、本発明を適用したディスク記録再生装置1は、トラックジャンプのときに消費する電力が低減するために、消費電力が少ないものとなる。また、ディスク記録再生装置1は、光ピックアップ14の寿命が長くなる。
【0160】
なお、光磁気ディスク3の代わりに光ディスクが収納されたディスクカートリッジ2がディスク記憶再生装置1に装着されたときには移動時間検出部101は、RF信号から生成されるオフトラック信号(以下、OFTK信号という。)に基づいて、記録再生機構7が1トラック通過する毎に1パルス発生する通過トラック数信号を生成する。
【0161】
OFTK信号は、図15(A)に示すように、RF信号の極小値の包絡線を2値化した信号である。光ディスクのRF信号は、ピットが形成されているトラック領域からの反射光量がピットが形成されていない領域からの反射光量と比較して小さくなる。このため、RF信号は、図15(B)に示すように、トラック領域では振幅が小さくなり、オフトラック領域では振幅が大きくなる。したがって、記録再生機構7を光磁気ディスク3の径方向に移動させたときには、OFTK信号は、記録再生機構7が1トラック通過する毎に1パルス発生する。すなわち、カウンタがOFTK信号のパルス数を数えることで、記録再生機構7が通過したトラック数を数えることが可能となる。また、(y−1)個目(但し、yは自然数。)の個目のパルスが発生してからy個目のパルスが発生するまでの時間をモニタすることで、1トラック移動する毎の記録再生機構7の移動時間を検出し、記録再生機構7のnトラック毎の移動時間を算出することが可能となる。
【0162】
ところで、本発明を適用した記録再生装置1は、移動時間制御部91の代わりに、図16に示すように、誤差検出手段104によって検出された誤差が所定の範囲外であったときに、トラックジャンプによる記録再生機構7の実際の移動範囲L2と算出部103が算出した移動時間Tとに基づいて、移動時間検出部101を動作させることなく、移動時間記憶部102に記憶されているテーブルを補正することが可能な移動時間制御部120を備えても良い。
【0163】
以下では、図16に示す移動時間制御部120について説明する。なお、以下の説明では、移動時間制御部91との同一要素には同一の符号を付し、詳細な説明については移動時間制御部91での説明を援用する。
【0164】
移動時間制御部120は、記録再生機構7がスレッド移動するときの区間当たりの移動時間を検出する移動時間検出部101と、移動時間検出部101が検出した区間当たりの移動時間を示すテーブルを記憶する移動時間記憶部102と、トラックジャンプ命令が発生したときに移動範囲L1を検出した後に、上記移動時間記憶部102に記憶されているテーブルを参照して、移動範囲L1から記録再生機構7が移動するときの当該記録再生機構7の移動時間Tを算出し、移動時間制御信号を生成する算出部103と、トラックジャンプ後の対物レンズ16のアドレスと目的アドレスとの誤差を検出し、誤差が所定の範囲外であるときにデータ作成命令を発生する誤差検出部104と、誤差検出手段104が検出した誤差が所定の範囲外であるときに、移動時間記憶部102に記憶されているテーブルを補正する補正部121とを備える。
【0165】
補正部121は、誤差検出手段104が検出した誤差が所定の範囲外であるときに、トラックジャンプによる記録再生機構7の実際の移動範囲L2と算出部103が算出した移動時間Tとに基づいて、移動時間記憶部102に記憶されているテーブルを補正する。
【0166】
補正部121は、トラックジャンプによる記録再生機構7の実際の移動範囲L2と移動時間Tとから、電気機械変換素子25に所定の駆動電圧が印加されたときに記録再生機構7が所定の位置まで移動するときの移動時間の変化を求め、変化した値をテーブルに示されている駆動電圧印加時間に加算する。
【0167】
例えば、移動時間記録部102には図11に示すテーブルが記憶されており、記録再生機構7が6トラック目から15トラック目まで移動させるために、スレッド駆動回路部66が電気機械変換素子25に対して駆動電圧を印加する時間を9Δtとしたにも拘わらず、記録再生機構7が6トラック目から11トラック目までしか移動しなかったときには、6トラック目から10トラック目まで移動するための駆動電圧の印加時間を、以下の式1に示すように算出する。
【0168】
9Δt×(10−5)/(11−5)=7.5Δt・・・式1
すなわち、5トラック目から10トラック目まで移動するために、スレッド駆動回路部66が電気機械変換素子25に対しての駆動電圧の印加時間は、4Δtから7.5Δtに変化しており、記録再生機構7が5トラック移動するために、スレッド駆動回路部66が電気機械変換素子25に対して駆動電圧の印加時間は、3.5Δt変化したと考えられる。したがって、図11に示すテーブルにおける駆動電圧印加時間に、全て3.5Δtを加算して、図17に示すようにテーブルを補正する。
【0169】
なお、補正部121は、誤差検出部104が検出した誤差に基づいて、移動時間記憶部102に記憶されているテーブルの補正を行う構成としても良い。
【0170】
なお、インパクト駆動機構9では、例えば駆動軸24の一部にごみが付着することによって、ごみが付着した一部分のみ移動時間が遅くなることなどが多く、駆動軸24の全領域に亘って一様に区間あたりの移動時間が変化することは少ない。したがって、補正部121によって移動時間記憶部102が補正された後でトラックジャンプを行ったときに、誤差検出部104によって検出された誤差が所定の範囲外であったときには、誤差検出部104がデータ作成命令を発生して、移動時間記憶部102に記憶されているテーブルを書き換える構成とすることが好ましい。
【0171】
以上説明した移動時間制御部120を備えたディスク記録再生装置1では、補正部121が備えられていることにより、区間毎の移動時間の修正を簡便に行うことが可能となる。すなわち、記録再生機構7の制御を簡便に行うことが可能となる。
【0172】
ところで、光磁気ディスク3では、トラックピッチが1.6±0.1μmと定められている。光磁気ディスク3には、トラックピッチを1.5μmとしてトラック数を増やしたいわゆる長時間ディスクと呼ばれるものがある。長時間ディスクでは、他の光磁気ディスクと比較してトラックピッチがわずかに狭いために、同じトラックを通過したときの移動距離が他の光磁気ディスクと比較して短くなる。
【0173】
以上説明した理由により、移動時間記憶部102に記憶されるテーブルでは、図18に示すように、区間をトラックではなく光磁気ディスク3の中心からの距離で示した方が好ましい。
【0174】
以下では、図19に示すように、光磁気ディスク3の中心からの所定の距離毎の記録再生機構7の移動時間を示したテーブルが、移動時間記憶部102に記憶されている移動時間制御部140について説明する。なお、以下では、移動時間制御部91との同一要素には同一の符号を付し、詳細な説明については移動時間制御部91での説明を援用する。
【0175】
移動時間制御部140は、記録再生機構7がスレッド移動するときの光磁気ディスク3の中心からの所定の距離毎の移動時間を検出する移動時間検出部141と、移動時間検出部141が検出した区間当たりの移動時間を示すテーブルを記憶する移動時間記憶部102と、トラックジャンプ命令が発生したときに、記録再生機構7の移動範囲をトラックで検出した後に、移動時間記憶部102に記憶されているテーブルを参照して、検出した移動範囲のトラックから記録再生機構7の移動時間Tを算出し、移動時間制御信号を生成する算出部142と、トラックジャンプ後の対物レンズ16のアドレスと目的アドレスとの誤差を検出し、一定以上であるときにデータ作成命令を発生する誤差検出部104とを備える。
【0176】
なお、光磁気ディスク3のトラックピッチは、光磁気ディスク3が装着された時点で、システムコントローラ74により認識される。
【0177】
移動時間検出部141は、データ作成命令が発生したときに記録再生機構をスレッド移動させ、記録再生機構7がスレッド移動するときに要する時間を、中心からの所定の距離毎に検出する。移動時間検出部141が、記録再生機構7がスレッド移動するときに要する時間を、光磁気ディスク3の中心からの所定の距離毎に検出する具体的な検出方法は、以下に説明する通りとなる。
【0178】
先ず、移動時間検出部141はスレッド駆動信号処理部90に移動時間検出信号を供給し、記録再生機構7をスレッド移動させる。また、記録再生機構7がスレッド移動しているときに光ピックアップ14の半導体レーザをオンとして、フォーカシングサーボがかかっており且つトラッキングサーボがかかっていないTE信号を得る。次に、得られたTE信号をオントラックのときのTE信号の値aを基準として2値化することにより、通過トラック数信号を生成する。次に、カウンタ(図示せず。)が通過トラック信号のパルス数をカウントする。また、(x−1)個目のパルスが発生してからx個目のパルスが発生するまでの時間をモニタすることで、1トラック移動する毎の記録再生機構7の移動時間を検出し、記録再生機構7のnトラック毎の移動時間を算出する。次に、移動時間検出部141は、システムコントローラ74が認識したトラックピッチに基づいて区間を光磁気ディスク3の中心からの距離に換算し、光磁気ディスク3の中心からの所定の距離毎の記録再生機構7の移動時間を示したテーブルを作成する。なお、本実施の形態では、8μm毎の移動時間を示している。また、記録再生機構7が32μmから33.6μmまで移動した時間をΔtとして、記録再生機構7の移動時間を示している。
【0179】
算出部142は、トラックジャンプ命令が発生したときに、先ず、TOCから得られる目的アドレスに基づいて、当該トラックジャンプ命令によって指定された位置に対物レンズ16が位置するように記録再生機構7が移動するときの記録再生機構7の移動範囲L3を、トラックで検出する。次に、算出部142は、区間がトラックによって示されている移動範囲L3を区間が中心からの距離によって示される移動範囲L4に換算する。次に、算出部142は、移動時間記憶部102に記憶されたデータを参照し、記録再生機構7の移動範囲L4から記録再生機構7の移動時間Tを算出する。そして、算出部142は、移動時間Tから移動時間制御信号を生成し、スレッド駆動信号処理部90へ供給する。
【0180】
以上説明した移動時間制御部140を備えることにより、ディスク記録再生装置1は、光磁気ディスク3のトラックピッチに関係なく、記録再生機構7の移動を制御することが可能となる。
【0181】
【発明の効果】
本発明に係る再生装置は、算出手段が、飛越し命令によって飛越しを行うように指定された位置まで光ピックアップが移動するときの光ピックアップの移動範囲を検出した後に、記憶手段に記憶されたデータを参照して、飛越し命令によって飛越しを行うように指定された位置まで光ピックアップが移動するときの光ピックアップの移動時間を算出する。そして、電圧制御手段が、電圧印加手段が電気機械変換素子に対して電圧を印加する時間を、移動時間算出手段によって算出された移動時間に基づいて制御することによって、上記光ピックアップを上記円盤状光記録媒体の径方向に移動させている。
【0182】
したがって、本発明に係る再生装置は、光ピックアップの移動操作部が、電気機械変換素子を駆動源に用い、この電気機械変換素子に取り付けられた駆動軸を伸縮させることによって、駆動軸に取り付けられた光ピックアップを移動操作させるものであり、且つ飛越しを行うときなど、光ピックアップを円盤状光記録媒体の径方向へ移動させるときに、所定の位置まで移動させることが容易となる。
【0183】
また、本発明に係る再生装置は、光ピックアップに備えられた半導体レーザをオンすることなく飛越しを行うことが可能なものとなる。すなわち、本発明に係る再生装置は、光ピックアップの消費電力が少ないために、消費電力が少ないものとなり、また、光ピックアップの寿命が長いものとなる。
【0184】
また、本発明に係る再生方法は、算出ステップにおいて、飛越し命令によって飛越しを行うように指定された位置まで光ピックアップが移動するときの光ピックアップの移動範囲を検出した後に、記憶手段に記憶されたデータを参照して、飛越し命令によって飛越しを行うように指定された位置まで光ピックアップが移動するときの光ピックアップの移動時間を算出する。そして、電圧制御手段が、電圧印加手段が電気機械変換素子に対して駆動電圧を印加する時間を、算出ステップにおいて算出された移動時間に基づいて制御することによって、上記光ピックアップを上記円盤状光記録媒体の径方向に移動させている。
【0185】
したがって、本発明に係る再生方法によれば、光ピックアップの移動操作部が、電気機械変換素子を駆動源に用い、この電気機械変換素子に取り付けられた駆動軸を伸縮させることによって、駆動軸に取り付けられた光ピックアップを移動操作させる再生装置において、飛越しを行うときなど、光ピックアップを円盤状光記録媒体の径方向へ移動させるときに、所定の位置まで移動させることが容易となる。
【0186】
また、本発明に係る再生方法は、光ピックアップに備えられた半導体レーザをオンすることなく飛越しを行うことが可能となる。すなわち、本発明に係る再生方法によれば、光ピックアップの消費電力が少ないために、消費電力が少なくなり、また、光ピックアップの寿命が長いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したディスク記録再生装置と当該ディスク再生装置に装着されれるディスクカートリッジのと斜視図である。
【図2】ベースにディスクカートリッジが装着された状態を示す斜視図である。
【図3】上記ディスク記録再生装置に装着されるカートリッジに収納された光磁気ディスクの平面図である。
【図4】上記ディスク記録再生装置の平面図である。
【図5】上記ディスク記録再生装置の断面図である。
【図6】電気機械変換素子に印加される駆動電圧の波形図である。
【図7】上記ディスク記録再生装置の回路構成を示すブロック図である。
【図8】上記ディスク記録再生装置に備えられた移動時間制御部を示すブロック図である。
【図9】(A)はフォーカシングサーボをかけ且つトラッキングサーボをかけない状態のトラッキングエラー信号の波形図であり、(B)は上記トラッキングエラー信号を2値化したパルス信号の波形図であり、(C)は(x−1)個目のパルスが発生してからx個目のパルスが発生するまでの時間をモニタした状態を示す模式図である。
【図10】1トラック毎の記録再生機構の移動時間を示す模式図である。
【図11】上記移動時間制御部に備えられた移動時間記録部に記録されるテーブルを示す図である。
【図12】トラックジャンプが実行されるときのディスク記録再生装置の動作を示すフローチャートである。
【図13】テーブルが作成されるときのディスク記録再生装置の動作を示すフローチャートである。
【図14】光磁気ディスクがディスク記録再生装置に装着されたときに、テーブルを作成するときのディスク記録再生装置の動作を示すフローチャートである。
【図15】(A)はオフトラック信号の波形図であり、(B)は上記オフトラック信号を2値化したパルス信号の波形図である。
【図16】上記ディスク記録再生装置に備えられた他の移動時間制御部を示すブロック図である。
【図17】上記他の移動時間制御部によって補正されたテーブルを示す図である。
【図18】ディスクの中心からの所定距離毎の移動時間を示したテーブルを示す図である。
【図19】上記ディスク記録再生装置に備えられたさらに他の移動時間制御部を示すブロック図である。
【図20】電気機械変換素子を有するピックアップ送り機構を示す模式図である。
【符号の説明】
91 移動時間制御部、101 移動時間検出部、102 移動時間記憶部、103 算出部、104 誤差検出部
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気機械変換素子を用いて駆動軸を変位させることによって、被駆動体となる光ピックアップを駆動軸に沿って移動させる移動操作部を備える再生装置及び当該再生装置の再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
再生専用の光ディスクや記録可能な光磁気ディスク(以下、円盤状光記録媒体と総称する。)に記録されているデータの再生を行う再生装置は、円盤状光記録媒体を回転駆動するディスク回転駆動機構と、ディスク回転駆動機構により回転駆動される円盤状光記録媒体に対して、記録されているデータの読み出しを行う光ピックアップと、光ピックアップを円盤状光記録媒体の径方向に移動するピックアップ送り機構とを備え、これらが装置本体のベースに配設されている。
【0003】
ディスク回転駆動機構は、スピンドルモータの駆動軸に一体的に取り付けられたディスクテーブルを有しており、ディスクテーブルに円盤状光記録媒体が装着される。光ピックアップは、光源から出射された光ビームを対物レンズにより集光させて円盤状光記録媒体の信号記録面に照射し、円盤状光記録媒体の信号記録面から反射した戻りの光ビームを受光素子により検出することによって、円盤状光記録媒体からデータを読み出すことができるようになっている。
【0004】
光ピックアップを円盤状光記録媒体の径方向に送り操作するピックアップ送り機構は、光ピックアップを円盤状光記録媒体の径方向に移動可能に支持するガイド軸と、光ピックアップが係合され、回転されることにより光ピックアップを円盤状光記録媒体の径方向に送り操作する送りねじと、送りねじを回転させるモータとを備えている。
【0005】
当該ピックアップ送り機構では、送りねじが駆動モータに回転されることによって、光ピックアップを円盤状光記録媒体の径方向に移動させる。また、当該ピックアップ送り機構では、駆動モータが送りねじを回転させる回数を制御することにより、光ピックアップの移動量を制御することが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ディスク再生装置には、ピックアップ送り機構に電気機械変換素子を用いるものがある。図20に示すように、電気機械変換素子を用いたピックアップ送り機構200は、電圧がかけられることによって伸長する電気機械変換素子201と、電気機械変換素子201により変位され、光ピックアップ202を円盤状光記録媒体の径方向に移動可能に支持する駆動軸203とを備える。ピックアップ送り機構200は、電気機械変換素子201に電圧を印加して駆動軸203を変位させることで、光ピックアップ202を駆動軸203の軸方向に沿って移動できる。
【0007】
以下では、ピックアップ送り機構200の動作について説明する。
【0008】
光ピックアップ202を電気機械変換素子201に近接する方向、すなわち、図20中矢印X方向に移動させるときには、電気機械変換素子201に対して、図6(A)に示すような、立ち上がりにおいて緩やかに所定電圧Vaまで直線的に昇圧した後に、急峻に直線的に降圧する電圧が印加される。
【0009】
図6(A)に示す電圧が印加されると、印加される電圧が緩やかに直線的にVaまで昇圧するに従って、先ず、電気機械変換素子201は緩やかに伸長する。そして、電気機械変換素子201の伸長に連動して、駆動軸203が矢印X方向に緩やかに変位される。駆動軸203が矢印X方向に緩やかに変位されると、光ピックアップ202は、駆動軸203との間に働く摩擦力により、駆動軸203の伸長に連動して緩やかに矢印X方向に移動される。
【0010】
次に、印加される電圧が急峻に降圧するに従って、電気機械変換素子201は急速に収縮する。そして、電気機械変換素子201の収縮に連動して、駆動軸203が矢印Y方向に急速に変位される。駆動軸203が矢印Y方向に急速に変位されると、光ピックアップ202には駆動軸203との間に摩擦力に抗した滑りが生じ、駆動軸203のみが矢印Y方向に移動する。すなわち、光ピックアップ202は、駆動軸203に対して矢印X方向にスライドする。
【0011】
一方、光ピックアップ202を電気機械変換素子201から離間する方向、すなわち、図20中矢印Y方向に移動させるときには、電気機械変換素子201に対して、図6(B)に示すような、立ち上がりにおいて緩やかに所定電圧−Vbまで高圧した後に、急峻に直線的に昇圧する電圧が印加される。
【0012】
図6(B)に示す電圧が印加されると、印加される電圧が緩やかに直線的に−Vbまで降圧するに従って、先ず、電気機械変換素子201は緩やかに伸長する。そして、電気機械変換素子201の伸長に連動して、駆動軸203が矢印Y方向に緩やかに変位される。駆動軸203が矢印Y方向に緩やかに変位されると、光ピックアップ202は、駆動軸203との間に働く摩擦力により、駆動軸203の伸長に連動して緩やかに矢印Y方向に移動される。
【0013】
次に、印加される電圧が急峻に昇圧するに従って、電気機械変換素子201は急速に収縮する。そして、電気機械変換素子201の収縮に連動して、駆動軸203が矢印X方向に急速に駆動する。駆動軸203が矢印X方向に急速に変位すると、光ピックアップ202には移動軸203との間に摩擦力に抗した滑りが生じ、駆動軸203のみが矢印X方向に移動する。すなわち、光ピックアップ202は、駆動軸203に対して矢印Y方向にスライドする。
【0014】
以上説明したように、ピックアップ送り機構200は、光ピックアップ202を移動させるために送りねじなどを必要としない。したがって、ピックアップ送り機構200を使用した記録装置では部品点数を削減することが可能となり、小型化やコストの低減などが容易となる。
【0015】
また、ピックアップ送り機構200は、送りねじやモータなどを使用したピックアップ送り機構と比較して、光ピックアップ202を移動させるときに消費する電力が少なくなる。したがって、ピックアップ送り機構200を使用することにより、再生装置の消費電力を低減させることが可能となる。特に、ポータブル型再生装置にピックアップ送り機構200を使用することにより、消費電力が少ないポータブル型再生装置を提供することが可能となる。
【0016】
しかしながら、以上説明したように、ピックアップ送り機構200では、駆動軸203を緩やかに変位させたときに駆動軸203と光ピックアップ202との間に生じる摩擦力と、駆動軸203を急速に変位させたときに駆動軸203と光ピックアップ202との間に生じる摩擦力に抗した滑りとによって、光ピックアップ202を移動させている。
【0017】
駆動軸203と光ピックアップ202との間に生じる摩擦力や、摩擦力に抗した滑りなどは、駆動軸203上の光ピックアップ202の位置や、温度及び湿度など光ピックアップ202を移動させるときの環境、ピックアップ送り機構200の姿勢、駆動軸203に異物が付着することなどにより変化する。
【0018】
したがって、電気機械変換素子201に対して所定の電圧を印加したときにも、光ピックアップ202の移動量にはばらつきが生じることとなる。すなわち、ピックアップ送り機構200を使用した再生装置では、光ピックアップ202の移動量を制御することは困難となる。
【0019】
光ピックアップ202の移動量を制御することが困難となると、光ピックアップ送り機構200を使用した再生装置は、動作を正確に行うことが困難となるなどの不都合が生じる。例えば、1曲目を再生した直後に9曲目を再生するために飛越しをしたときに、9曲目の開始位置まで光ピックアップ202を移動させることが困難となる。
【0020】
本発明は、以上のような従来の実情を鑑みて提案されたものであり、電気機械変換素子を光ピックアップの移動操作部に用いたときに、光ピックアップの移動量を制御することが可能である再生装置及び再生方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る再生装置は、ベースと、上記ベースに設けられ、円盤状光記録媒体を回転する回転駆動部と、上記円盤状光記録媒体に光ビームを照射するとともに、当該円盤状光記録媒体で反射した光ビームを受光し、信号を取り出す光ピックアップと、上記円盤状光記録媒体の径方向に移動可能に上記光ピックアップを支持する駆動軸と、上記駆動軸の一端に取り付けられ、上記駆動軸の軸方向に伸縮することによって、上記駆動軸を当該駆動軸の軸方向に変位させる電気機械変換素子とを有し、上記駆動軸を上記電気機械変換素子によって変位させることによって上記光ピックアップを上記円盤状光記録媒体の径方向に移動させる移動操作部と、上記電気機械変換素子に対して電圧を印加する電圧印加手段と、上記電圧印加手段が上記電気機械変換素子に対して印加する電圧を制御する電圧制御手段と、上記光ピックアップが光ビームを円盤状光記録媒体に照射した状態で上記移動操作部によって上記円盤状光記録媒体の径方向に移動されたときに取り出した信号から、上記光ピックアップが上記移動操作部によって上記円盤状光記録媒体の径方向に移動されるときの、上記光ピックアップの所定区間当たりの移動時間を検出する移動時間検出手段と、上記移動時間検出手段が検出した上記光ピックアップの区間当たりの移動時間を記憶する記憶手段と、上記光ピックアップが移動するときの当該光ピックアップの移動範囲を検出した後に、上記記憶手段に記憶されたデータを参照して、上記移動範囲から、当該飛越し命令応じて上記光ピックアップが移動するときの当該光ピックアップの移動時間を算出する算出手段とを備え、上記光ピックアップが上記移動操作部によって上記円盤状光記録媒体の径方向に移動されるときの上記光ピックアップの所定区間当たりの移動時間を検出して上記記憶手段に対して記憶するときには、上記電圧制御手段が、上記電圧印加手段を、上記電気機械変換素子に対して所定の電圧を印加するように制御することによって、上記光ピックアップを上記円盤状光記録媒体に対して光ビームを照射した状態で移動させるとともに、上記光ピックアップが、取り出した信号を上記移動時間検出部に供給し、上記飛越し命令が発生したときには、上記電圧手段が、上記電気機械変換素子に対して所定の電圧を上記移動時間算出手段によって算出された移動時間だけ印加するように上記電圧印加手段を制御して、上記光ピックアップを移動させることを特徴とする。
【0022】
また、本発明に係る再生方法は、ベースと、上記ベースに設けられ、円盤状光記録媒体を回転する回転駆動部と、上記円盤状光記録媒体に光ビームを照射するとともに、当該円盤状光記録媒体で反射した光ビームを受光し、信号を取り出す光ピックアップと、上記円盤状光記録媒体の径方向に移動可能に上記光ピックアップを支持する駆動軸と、上記駆動軸の一端に取り付けられ、上記駆動軸の軸方向に伸縮することによって、上記駆動軸を当該駆動軸の軸方向に変位させる電気機械変換素子とを有し、上記駆動軸を上記電気機械変換素子によって変位させることによって上記光ピックアップを上記円盤状光記録媒体の径方向に移動させる移動操作部と、上記電気機械変換素子に対して電圧を印加する電圧印加手段と、上記電圧印加手段が上記電気機械変換素子に対して印加する電圧を制御する電圧制御手段とを備える再生装置において、上記光ピックアップが光ビームを円盤状光記録媒体に照射した状態で上記移動操作部によって上記円盤状光記録媒体の径方向に移動されたときに取り出した信号から、上記光ピックアップが上記移動操作部により上記円盤状光記録媒体の径方向に移動されるときの上記光ピックアップの所定の区間当たりの移動時間を検出する移動時間検出ステップと、上記移動時間検出ステップにおいて検出された上記光ピックアップの区間当たりの移動時間を記憶手段に対して記憶する記憶ステップと、外部で発生した飛越し命令に応じて、上記光ピックアップが移動するときの当該光ピックアップの移動範囲を検出した後に、上記記憶手段に記憶されたデータを参照して、上記移動範囲から、当該飛越し命令に応じて上記光ピックアップが移動するときの当該光ピックアップの移動時間を算出する算出ステップと、上記光ピックアップが上記移動操作部によって上記円盤状光記録媒体の径方向に移動されるときの上記光ピックアップの所定区間当たりの移動時間を検出して上記記憶手段に対して記憶するときに、上記電圧制御手段が、上記電圧印加手段を、上記電気機械変換素子に対して所定の電圧を印加するように制御することによって、上記光ピックアップを上記円盤状光記録媒体に対して光ビームを照射した状態で移動させるとともに、上記光ピックアップが、取り出した信号を上記移動時間検出部に供給する第1の光ピックアップ移動ステップと、上記飛越し命令が発生したときに、上記電圧手段が、上記電気機械変換素子に対して所定の電圧を上記移動時間算出手段によって算出された移動時間だけ印加するように上記電圧印加手段を制御して、上記光ピックアップを移動させる第2の光ピックアップ移動ステップとを備えることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明が適用されたディスク記録再生装置について図面を参照して説明する。このディスク記録再生装置は、例えば携帯型の装置であり、ディスクカートリッジを記録媒体に用いる。
【0024】
図1及び図2に示すように、ディスク記録再生装置1に用いられるディスクカートリッジ2は、一対の上ハーフ2aと下ハーフ2bとを突き合わせることにより構成されたカートリッジ本体2cに、光磁気ディスク3が回転可能に収納されてなる。
【0025】
光磁気ディスク3は、例えばポリカーボネートなどの基板上に、TbFeCoなどの光磁気膜を備えている。
【0026】
また、光磁気ディスク3の中心部には、図3に示すように、ディスク記録再生装置1側のディスク回転駆動機構を構成するディスクテーブルに係合されるクランピングプレート3aが設けられている。クランピングプレート3aは、金属等で形成されており、ディスクテーブル側のマグネットによって磁気吸引されるようになっている。すなわち、光磁気ディスク3は、ディスクテーブルにクランピングプレート3aが磁気吸引され係合されることによって、ディスクテーブルと一体的に回転するようになっている。
【0027】
光磁気ディスク3は、図3に示すように、最内周がリードイン領域3bとされており、最外周がリードアウト領域3cとされており、リードイン領域3bとリードアウト領域3cとの間の領域が信号記録領域3dとされている。また、信号記録領域3dのうち、リードイン領域3b側がUTOC(User Table Of Contents)領域とされており、リードアウト領域3c側がプログラム領域とされている。
【0028】
リードイン領域3bには、TOC(Table Of Contents)が記録されている。リードイン領域3bには、複数のピットが形成される。なお、リードイン領域3bに記憶されているTOCは、ピットで記録されていることから、PTOC(Premasered TOC)といわれる。PTOCは、例えばカートリッジ2に収納されているディスクが再生専用であるか録音可能であるかなどを示すディスクタイプ、UTOC領域のスタートアドレス、リードアウト領域3bのスタートアドレスなど書き換え不可能な情報である。
【0029】
信号記録領域3dには、データが記録される。UTOC領域には、ディスクの名称、トラックの名称、トラックのスタートアドレスなどの書き換え可能なUTOCが記憶される。また、プログラム領域には、例えば音楽データ、画像データなどの各種データが記録される。
【0030】
リードアウトエリア3cは、ディスク記録再生装置1がショックなどを受けることによって、後述する光ピックアップがプログラム領域の外周側に飛び出したときのマージンエリアである。
【0031】
また、信号記録領域3d及びリードアウト領域3cには、グルーブ3gが形成されている。グルーブ3gは螺旋状に形成されており、グルーブ3gのディスク1周分を1トラックという。グルーブ3gはわずかに蛇行(ウォブリング)しており、光磁気ディスク3では、ウォブリングを利用して全体にアドレスを形成している。
【0032】
以上説明した光磁気ディスク3を回転可能に収納するカートリッジ本体2cには、全面側略中央の上ハーフ2a及び下ハーフ2bの互いに対向する面に、光磁気ディスク3の信号記録領域3dの一部を径方向に亘って外部に臨ませる記録再生用の開口部4a,4bが開口されている。上ハーフ2a側の開口部4aは、光磁気ディスク3に対して磁界を印加する磁気ヘッドをカートリッジ本体2c内部に進入させるためのものであり、下ハーフ2b側の開口部4bは、光磁気ディスク3に対して光ビームを照射する光ピックアップを光磁気ディスク3に臨ませるためのものである。
【0033】
また、カートリッジ本体2cの前面側には、記録再生用の開口部4a,4bを開閉するためのシャッタ部材5がスライド可能に取り付けられている。このシャッタ部材5は、カートリッジ本体2の外形に沿って略コ字状に折り曲げられた平板部材によって形成されており、各主面部は、記録再生用の開口部4a,4bを閉塞するのに足る大きさに形成されている。このシャッタ部材5は、ディスク記録再生装置1に装着されたときに限って、開口部4a,4bを解放し、非使用時には開口部4a,4bを閉塞する。
【0034】
以上説明したディスクカートリッジ2は、カートリッジ本体2cの全面と直交する一側面を挿入端として、ディスク記録再生装置1に装填される。すると、シャッタ部材5は、ディスクカートリッジ2の挿入方向と平行な方向にカートリッジ2c本体の全面に沿ってスライドし、開口部4a,4bを解放し、光磁気ディスク3を記録再生が可能な状態とする。
【0035】
なお、カートリッジ本体2c内に収納する円盤状光記録媒体は、光磁気ディスク3に限定されない。カートリッジ2cの本体に収納する円盤状光記録媒体は、例えば、ピットパターンによってデータが予め記録された再生専用の光ディスク、記録層に有機色素材料を用いデータの追記を可能とする追記型ディスク、記録層に相変化材料を用いデータの書き換えを可能とする書き換え型ディスク、磁気ディスクなどを用いるようにしても良い。
【0036】
ディスク記録再生装置1は、ディスクカートリッジ2が装着される装着部が設けられた装置本体と、装置本体に設けられた装着部を開閉する蓋体とを備える。そして、図1に示すように、装置本体を構成する筐体内には、ディスクカートリッジ2が装着される装着部が一方の主面に構成されたベース10が配設されている。このベース10には、詳細は省略するが、ディスクカートリッジ2を保持するカートリッジホルダ35が回動可能に取り付けられており、このカートリッジホルダ35は、筐体と共に回動するようになっている。
【0037】
そして、このディスク記録再生装置1は、蓋体が装着部を解放しているときに、ディスクカートリッジ2をカートリッジホルダ35に挿入保持させ、装着部を閉塞する方向に蓋体を回動操作することによって、カートリッジホルダ35に保持されたディスクカートリッジ2を装着部に装着し、光磁気ディスク3の記録再生を行うことができる状態となる。すなわち、ディスクカートリッジ2は、装着部に装着された状態において、シャッタ部材5がカートリッジ本体2cの前面部に沿ってスライドすることにより開口部4a,4bが解放され、下ハーフ2bの略中央の開口部よりディスクテーブルが進入し、クランピングプレート3aがディスクテーブルに磁気吸引されて係合した状態となる。
【0038】
装置本体を構成する筐体内に配設されるベース10には、図1に示すように、カートリッジ本体2cに収納された光磁気ディスク3を回転駆動するディスク回転駆動機構6と、このディスク回転駆動機構6により回転駆動される光磁気ディスク3に対して情報信号の記録再生を行う記録再生機構7と、この記録再生機構7を光磁気ディスク3の径方向に移動可能に支持する移動操作機構8とが配設されている。また、移動操作機構8には、記録再生機構7を光磁気ディスク3の径方向に移動させるインパクト駆動機構9が配設されている。
【0039】
ディスク回転駆動機構6は、光磁気ディスク3を回転するための駆動源となるスピンドルモータ12を有する。このスピンドルモータ12は、ベース10の下面側略中央部に駆動軸12aを上面側に突出させるように配設されている。この駆動軸12aには、光磁気ディスク3のクランピングプレート3aに係合されるディスクテーブル11が取り付けられている。ディスクテーブル11は、クランピングプレート3aを磁気吸引するためのマグネットが内蔵されており、光磁気ディスク3を一体的に回転することができるようになっている。
【0040】
記録再生機構7は、下ハーフ2b側の開口部4bより光磁気ディスク3の信号記録領域に臨まされる光ピックアップ14と、上ハーフ2aの開口部4aより進入する磁気ヘッド15とから構成されている。
【0041】
光ピックアップ14は、光学系として、光ビームを出射する半導体レーザ、半導体レーザより出射された光ビームを収束し、光磁気ディスク3に対して光ビームを照射する対物レンズ16、光磁気ディスク3で反射された光ビームを検出する光検出器などを備える。半導体レーザから出射された光ビームは、対物レンズ16により収束されて光磁気ディスク3の信号記録面に照射される。光磁気ディスク3の信号記録面で反射された戻りの光ビームは、光検出器により電気信号に変換され、RFアンプに出力される。
【0042】
また、光ピックアップ14は、対物レンズ16を、光磁気ディスク3の径方向(以下トラッキング方向という。)及び光磁気ディスク3の主面から接離する方向(以下、フォーカシング方向という。)に変位させる対物レンズ移動機構を備えている。対物レンズ移動機構は、対物レンズ16をトラッキング方向に変位するように移動するトラッキングコイルと、フォーカシング方向に変位するように移動するフォーカシングコイルと、マグネットとを備えた2軸アクチュエータからなる。対物レンズ移動機構は、フォーカシングコイルに流れる電流とマグネットが発生する磁界とにより駆動力を発生して対物レンズ16を光磁気ディスク3に対して離接する方向に移動させるとともに、トラッキングコイルに流れる電流とマグネットが発生する磁界とにより駆動力を発生して対物レンズ16をトラッキング方向に移動させる。
【0043】
磁気ヘッド15は、光磁気ディスク3を介して光ピックアップ14の対物レンズ16と対向配置されるように、ヘッド取り付けアーム17の先端部に取り付けられている。ヘッド取り付けアーム17は、ジンバルバネなどの弾性変位可能な部材からなり、磁気ヘッド15を光磁気ディスク3の方向に付勢している。磁気ヘッド15は、記録時に限って光磁気ディスク3に磁界を印加することができるように摺接され、再生時、待機時などには、ヘッド昇降機構36により光磁気ディスク3から離間するようになっている。また、記録再生機構7を構成する光ピックアップ14と磁気ヘッド15とは、同期して光磁気ディスク3の径方向に移動するように連結部材18によって連結されている。
【0044】
また、光ピックアップ14及び磁気ヘッド15は、図4及び図5に示すように、ディスクカートリッジ2の開口部4a,4bを投影した領域S内に配置されており、ベース10には、記録再生用の開口部4aに対応した開口部10aが形成されている。
【0045】
図1及び図4に示すように、記録再生機構7を光磁気ディスク3の径方向に移動可能に支持する移動操作機構8は、光ピックアップ14を支持するとともに、連結部材18を介してヘッド取り付けアーム17の先端部に取り付けられた磁気ヘッド15を支持する支持ベース19と、支持ベース19を光磁気ディスク3の径方向に移動可能に支持するガイド軸20とを有している。
【0046】
支持ベース19は、光ピックアップ14がベース10に形成された開口部10aから外方に臨むように配置されており、一方、ガイド軸20は、光磁気ディスク3の径方向と平行に配置されており、その両端部がベース10の開口部10aの周囲に設けられた一対の支持部材21,21により固定支持されている。支持ベース19には、ガイド軸20を挿通するガイド孔22が穿設された支持部23が一体に形成されている。
【0047】
インパクト駆動機構9は、ガイド軸20と平行、すなわち、光磁気ディスク3の径方向と平行に配置された駆動軸24と、駆動軸24の一端に取り付けられた電気機械変換素子25と、電気機械変換素子25を固定する固定部26と、駆動軸24の軸方向にスライド可能に支持され支持ベース19と駆動軸24とを連結する連結部27とを有している。
【0048】
駆動軸24は、記録再生機構7を光磁気ディスク3の内外周に亘って移動させるのに充分な長さを有している。駆動軸24の一端には、電気機械変換素子25が取り付けられている。電気機械変換素子25は、ピエゾ素子や圧電素子などであり、後述するスレッド駆動回路部から印加される駆動電圧に応じて、駆動軸24の軸方向に伸びの速度と縮みの速度とが異なった伸縮変位をし、駆動軸24を軸線方向に振動させる。固定部26は、電気機械変換素子25の端部の一端が取り付けられ、振動時のバランサとしても機能する。
【0049】
インパクト駆動機構9は、ベース10のディスクカートリッジ2と対向する面とは反対側の面にねじ止め等により取り付けられたブラケット28により支持されている。具体的に、ブラケット28の一端には固定部26が取り付けられ、ブラケット28の他端には駆動軸24の他端を支持する支持孔29が設けられ、支持孔29に駆動軸24が振動可能に係合されている。すなわち、駆動軸24は、電気機械変換素子25の変位により軸方向に移動し得るようにブラケット28に支持されている。
【0050】
連結部27は、支持ベース19に一体的に設けられた第1の連結片30と第2の連結片31とから構成されている。第1の連結片30は、支持ベース19の支持部23とは反対側の端部から駆動軸24に向かって突出形成されている。第2の連結片31は、板バネ等弾性変位可能な部材からなり、支持ベース19に片持ち支持された状態でねじ止め等により取り付けられている。第1の連結片30と第2の連結片31とは互いに対向配置されており、間に駆動軸24を挟み込むことによって、駆動軸24の軸方向にスライド可能に支持されている。
【0051】
したがって、支持ベース19は、支持部23のガイド孔22にガイド軸20が挿通されると共に、連結部27が駆動軸24の軸方向にスライド可能に支持されることによって、ガイド軸20及び駆動軸24の軸方向にスライド可能に支持されている。
【0052】
なお、ベース10におけるディスク回転駆動機構6が配設された側の主面には、ベース10に載置されるディスクカートリッジ2の装着位置の位置決めをする位置決め突起40、ディスクカートリッジ2がディスク記録再生装置1に装着されたことを検出する装着検出部41等が設けられている。
【0053】
以上説明したように構成されるインパクト駆動機構9は、電気機械変換素子25を、後述するスレッド駆動回路部によって印加される電圧に応じて伸縮させながら、駆動軸24を軸方向に変位させることによって連結部27を駆動軸24の軸方向にスライドさせることで、記録再生機構7を光磁気ディスク3の径方向に直線移動させることができる。
【0054】
具体的に説明すると、記録再生機構7を電気機械変換素子25に近接する方向、すなわち、図1中矢印A方向に移動させるときには、電気機械変換素子25に対して、図6(A)に示すような、立ち上がりにおいて緩やかに所定電圧Vaまで直線的に昇圧した後に、急峻に直線的に降圧する電圧が印加される。
【0055】
図6(A)に示す電圧が印加されると、印加される電圧が緩やかに直線的にVaまで昇圧するに従って、先ず、電気機械変換素子25は緩やかに伸長する。そして、電気機械変換素子25の伸長に連動して、駆動軸24が矢印A方向に緩やかに変位する。駆動軸24が矢印A方向に緩やかに変位すると、記録再生機構7は、駆動軸24との間に働く摩擦力により、駆動軸24の伸長に連動して緩やかに矢印A方向に移動する。
【0056】
次に、印加される電圧が急峻に降圧するに従って、電気機械変換素子25は急速に収縮する。そして、電気機械変換素子25の収縮に連動して、駆動軸24が矢印B方向に急速に変位する。駆動軸24が矢印B方向に急速に変位すると、記録再生機構7には駆動軸24との間に摩擦力に抗した滑りが生じ、駆動軸24のみが矢印B方向に移動する。すなわち、記録再生機構7は、駆動軸24に対して矢印A方向にスライドする。
【0057】
一方、記録再生機構7を電気機械変換素子25から離間する方向、すなわち、図1中矢印B方向に移動させるときには、電気機械変換素子25に対して、図6(B)に示すような、立ち上がりにおいて緩やかに所定電圧−Vbまで高圧した後に、急峻に直線的に昇圧する電圧が印加される。
【0058】
図6(B)に示す電圧が印加されると、印加される電圧が緩やかに直線的に−Vbまで降圧するに従って、先ず、電気機械変換素子25は緩やかに伸長する。そして、電気機械変換素子25の伸長に連動して、駆動軸24が矢印B方向に緩やかに変位する。駆動軸24が矢印B方向に緩やかに変位すると、記録再生機構7は、駆動軸24との間に働く摩擦力により、駆動軸24の伸長に連動して緩やかに矢印B方向に駆動する。
【0059】
次に、印加される電圧が急峻に昇圧するに従って、電気機械変換素子25は急速に収縮する。そして、電気機械変換素子25の収縮に連動して、駆動軸24が矢印A方向に急速に変位する。駆動軸24が矢印A方向に急速に変位すると、記録再生機構7には駆動軸24との間に摩擦力に抗した滑りが生じ、駆動軸24のみが矢印A方向に変位する。すなわち、記録再生機構7は、駆動軸24に対して矢印B方向にスライドする。
【0060】
以上説明したインパクト駆動機構9によれば、駆動軸24と連結軸50との間に働く摩擦力や、駆動軸24に対する第2の連結片31の弾性力を調節することによって、被駆動時においても、駆動軸24と連結軸50との間に働く摩擦力によって、記録再生機構7を移動方向の任意の位置に安定した状態で保持することができる。また、インパクト駆動機構9は、従来のようにギヤ列を用いたバッククラッシュがなく、nmオーダーといった高分解能での駆動制御が可能であり、20kHz以上となる超音波領域での無音駆動が可能となる。さらに、このインパクト駆動機構9は、図3及び図5に示すように、従来のような駆動モータによる回転駆動をギヤ群及びラック部材を介して直線移動に変換する機構に比べて大幅な小型化が可能であり、上述した記録再生機構7とともに、ディスクカートリッジ2の記録再生用の開口部4a,4bを投影した領域S内に配置することができる。
【0061】
ところで、以上説明したように、ディスク記録再生装置1では、駆動軸24を緩やかに変位させたときに駆動軸24と記録再生機構7との間に生じる摩擦力と、駆動軸24を急速に変位させたときに駆動軸24と記録再生機構7との間に生じる摩擦力に抗した滑りとによって、記録再生機構7を移動させている。
【0062】
しかしながら、駆動軸24と記録再生機構7との間に生じる摩擦力や、摩擦力に抗した滑りなどは、駆動軸24上の記録再生機構7の位置や、温度及び湿度など記録再生機構7を移動させるときの環境、インパクト駆動機構9の姿勢などにより変化する。
【0063】
したがって、電気機械変換素子25に対して所定の電圧を印加したときにも、記録再生機構7の移動量にはばらつきが生じることとなる。すなわち、インパクト駆動機構9では、例えば1曲目を再生した直後に9曲目を再生するなど、データを逐次的な再生から離脱して再生する飛越し(以下、トラックジャンプという。)を行うときなどに、電気機械変換素子25に対して所定の電圧を印加することによって、記録再生機構7の移動量を制御することなどが困難となる。
【0064】
以上説明した理由から、本発明を適用したディスク記録再生装置1では、電気機械変換素子25に対して所定の電圧を印加したときの記録再生機構7の移動量を検出し、検出した結果に基づいて記録再生機構7の移動量を制御する。
【0065】
以下では、本発明を適用したディスク記録再生装置1の回路構成について説明する。
【0066】
ディスク記録再生装置1は、図7に示すように、光ピックアップ14からの反射光からの出力によりRF信号等各種信号を生成するRFアンプ61と、スピンドルモータ12を駆動するスピンドル駆動回路部62と、磁気ヘッド15を駆動するヘッド駆動回路部63と、対物レンズ16をフォーカシング方向に移動させるフォーカス駆動回路部64と、対物レンズ16をトラッキング方向に移動させるトラッキング駆動回路部65と、記録再生機構7を光磁気ディスク3の径方向に移動させるスレッド駆動回路部66とを備える。なお、以下では、記録再生機構7の光磁気ディスク3の径方向への移動をスレッド移動という。
【0067】
また、ディスク記録再生装置1は、RFアンプ61によって生成された信号をディジタル処理するディジタル信号処理部(以下、DSPという。)67と、DSP67によって処理されたディジタル信号をアナログ信号に変換するD/A変換器68と、図示しないマイクなどから取り込まれたアナログ信号をディジタル信号に変換してDSP61へ供給するA/D変換器69と、DSP67からのディジタル信号を出力するとともに外部からディジタル信号を入力してDSPへ供給するディジタルインターフェイス部70と、DRAM(Dynamic Random Access Memory)により構成されたバッファメモリ71とを備える。
【0068】
さらに、ディスク記録再生装置1は、ユーザが操作を行う操作部72と、ユーザに対するデータなどを表示する表示部73と、システム全体を制御するCPUにより構成されたシステムコントローラ74と、装着検出部41が押圧された旨を検出することで、ディスク再生装置1にディスクが装着された旨を検出するディスク装着検出回路部75とを備える。
【0069】
なお、DSP67は、記録時にスピンドルモータ12の回転を制御するクロックを生成するADIP PLL(Address In Pregroove Phase Locked Loop)81と、再生時にスピンドルモータ12の回転を制御するクロックを生成するEFM PLL(Eight FourteenModuration Phase Locked Loop)82と、スピンドルモータ12の回転を制御するためのスピンドルモータ駆動信号を生成するスピンドル駆動信号処理部83と、スピンドル駆動信号処理部83及びADIP PLL81間の接続と、スピンドル駆動信号処理部83及びEFM PLL82間の接続とを切り換える第1の切り換え部84とを備える。
【0070】
また、DSP67は、再生時にはRFアンプ61からのRF信号に対してEFM復調並びにACIRCなどのデコード処理を行い、記録時にはバッファメモリ71から供給された信号に対してEFM変調並びにACIRCなどのエンコード処理を行うEFM/ACIRC(Advanced Cross Interleaved Read−Solomon Code)エンコーダ/デコーダ85と、バッファメモリ71に対する信号の書き込み及び読み出しを行うメモリコントローラ86と、再生時にはメモリコントローラ86からの信号に対してATRACによるデコード処理を行い、記録時にはA/D変換器69からの信号に対してATRACによりエンコードを行うATRAC(Adaptive Transform Acoustic Coding)エンコーダ/デコーダ87とを備える。
【0071】
さらに、DSP67は、RFアンプ61から供給されたフォーカスエラー信号(以下、FE信号という。)に応じてフォーカス駆動信号を生成するフォーカス駆動信号処理部88と、RFアンプ61から供給されたトラッキングエラー信号(以下、TE信号)及びレンズシフト信号(以下、LS信号)に応じてトラッキング駆動信号を生成するトラッキング駆動信号処理部89と、RFアンプ61から供給されたTE信号及びLS信号に応じてスレッド駆動信号を生成するスレッド駆動信号処理部90と、記録再生機構7の光磁気ディスクの径方向への移動を制御する移動時間制御部91と、RFアンプ61及びスレッド駆動信号処理部90間の接続と、RFアンプ61及び移動時間制御部91間の接続とを切り換える第2の切り換え部92とを備える。
【0072】
RFアンプ61は、光ピックアップ14と、ADIP PLL81と、EFMPLL82と、フォーカス駆動信号処理部88と、トラッキング駆動信号処理部89と、スレッド駆動信号処理部90と、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ85と接続されている。RFアンプ61は、光ピックアップ14から供給された電流信号を電圧信号に変換し、変換して得られた電圧信号に基づいて、RF信号、フォーカスエラー信号(以下、FE信号という。)、トラッキングエラー信号(以下、TE信号という。)、レンズシフト信号(以下、LS信号という。)などを生成する。
【0073】
FE信号は、対物レンズ16と光磁気ディスク3との距離を示す信号であり、FE信号が0となったときに対物レンズ16から照射される光ビームの焦点が光磁気ディスク3と合う。FE信号は、非点収差法により生成される。また、TE信号は、対物レンズ16の光軸がトラックの中心からどの程度ずれているかを示す信号であり、TE信号が0となったときに対物レンズ1の光軸が6がトラックの中心上に位置している(以下、オントラックという。)。TE信号は、3ビーム法やプッシュプル法などにより生成される。さらに、LS信号は光ピックアップ14における対物レンズ16の可動範囲の中心(以下、メカセンターという。)からの対物レンズ16のずれを示す信号であり、LS信号が0となったときに対物レンズ16がメカセンターに存在している。
【0074】
また、RFアンプ61は、RF信号をEFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ85及びEFM PLL82に供給し、FE信号をフォーカス駆動信号処理部88へ供給し、TE信号をトラッキング駆動信号処理部89とスレッド駆動信号処理部90とに供給し、LS信号をトラッキング駆動信号処理部89とスレッド駆動信号処理部90とに供給する。また、ADIP PLL81には、プッシュプル法によって生成されたTE信号などのプッシュプル信号を供給する。
【0075】
スピンドル駆動回路部62は、スピンドルモータ12と、スピンドル駆動信号処理部84と接続されている。スピンドル駆動回路部62は、スピンドル駆動信号処理部84から供給されたスピンドル駆動信号に基づいてスピンドルモータ12に対して電圧を印加し、スピンドルモータ12を所定の回転数で駆動する。スピンドル駆動回路部62は、例えば3相駆動信号をスピンドルモータ12に印加し、スピンドルモータ12を、例えば、線速度一定又は角速度一定で回転駆動する。
【0076】
ヘッド駆動回路部63は、磁気ヘッド15と、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ85と接続されている。ヘッド駆動回路部63は、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ85から供給されたエンコード処理が行われたデータに応じて変調された外部磁界を、磁気ヘッド15に発生させる。このとき、ヘッド昇降機構35は、システムコントローラ67からの命令に基づいて、磁気ヘッド15を光磁気ディスク3の光ピックアップ14との対向面とは反対側の面に接触又は近接させる。光磁気ディスク3は、光磁気ディスク3は、光ピックアップ14により光ビームが照射されてキュリー温度以上に加熱され且つ磁気ヘッド15により磁界が印加されることによって、データが記録される。
【0077】
フォーカス駆動回路部64は、フォーカス駆動信号処理部88と、対物レンズ移動機構と接続されている。フォーカス駆動回路部64は、フォーカス駆動信号部88から供給されたフォーカス駆動信号に基づいてフォーカスコイルに対して駆動電圧を印加することで、対物レンズ16をフォーカシング方向に駆動させる。
【0078】
トラッキング駆動回路部65は、トラッキング駆動信号処理部89と、対物レンズ移動機構と接続されている。トラッキング駆動回路部65は、トラッキング駆動信号部89から供給されたトラッキング駆動信号に基づいてトラッキングコイルに対して駆動電圧を印加することで、対物レンズ16をトラッキング方向に移動させる。
【0079】
スレッド駆動回路部66は、電気機械変換素子25とスレッド駆動信号処理部91と接続されている。スレッド駆動回路部66は、スレッド駆動信号処理部91から供給されたスレッド駆動信号に基づいて電気機械変換素子25に対して駆動電圧を印加することで、記録再生機構7をスレッド移動する。
【0080】
バッファメモリ71は、メモリコントローラ86と接続されている。バッファメモリ71は、メモリコントローラ86から供給されたデータが記憶される。具体的に説明すると、バッファメモリ71には、ATRACエンコーダ/デコーダ87から供給されたディジタルオーディオ信号や、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ85から供給されたオーディオ信号などが記憶される。
【0081】
操作部72は、システムコントローラ74が接続されている。操作部72は、操作スイッチや操作釦等から構成されており、例えば、再生、録音、一時停止、停止、早送り、巻き戻し、頭出しサーチなどの記録又は再生にかかる操作情報や、通常再生、プログラム再生、シャッフル再生などのプレイモードにかかる操作情報を、システムコントローラ74に供給する。
【0082】
表示部73は、液晶表示パネルなどから構成されており、記録又は再生時における光磁気ディスク3の動作モード状態や、トラックナンバ、記録時間又は再生時間、編集動作状態などを表示する。
【0083】
ディスク装着検出回路部75は、システムコントローラ74に接続されている。ディスク装着検出回路部75は、ディスクカートリッジ2がディスク記録再生装置1に挿入され、装着検出部41が押圧されたときに、光磁気ディスク3がディスク記録再生装置1に装着された旨を検出して装着検出信号を生成し、システムコントローラ74へ供給する。なお、ディスク装着検出回路部75は、ディスクカートリッジ2がディスク記録再生装置に装着されたときに、TOCを読んだ旨を検出して、装着検出信号を生成する構成としても良い。
【0084】
システムコントローラ74は、操作部72、表示部73、DSP67、各駆動回路などと接続している。システムコントローラ74は、操作部72から供給された情報信号などに応じて各部の制御を行う。また、システムコントローラ74は、操作部73からトラックジャンプをする旨が指示されたときに、トラックジャンプ命令を発生してトラックジャンプを実行する。さらに、システムコントローラ74は、例えばディスク装着検出回路部75から装着検出信号が出力されたときなどに、データ作成命令を発生する。
【0085】
ディスク記録再生装置1では、トラッキング駆動回路72により対物レンズ16をトラッキング方向に移動させることと、スレッド駆動回路73により記録再生機構7を光磁気ディスク3の径方向に移動させることによって、対物レンズ16の光軸を光磁気ディスク3のトラックの中心に位置させる(以下、トラッキングサーボという。)。また、ディスク記録再生装置1では、トラッキング駆動回路72により対物レンズ16をフォーカシング方向に移動させることによって、対物レンズ16と光磁気ディスク3との距離を一定に保っている(以下、フォーカシングサーボという。)。
【0086】
ADIP PLL81は、RFアンプ61と、第1の切り換え部84と、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ85とに接続されている。ADIP PLL81は、RFアンプ61から例えばTE信号などのプッシュプル信号が供給され、供給されたプッシュプル信号からウォブル成分を検出して、アドレス情報を抽出するとともにクロックを生成し、第1の切り換え部84とEFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ85とに供給する。
【0087】
EFM PLL82は、RFアンプ61と、第1の切り換え部84と、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ85とに接続されている。EFM PLL82は、RFアンプ61からRF信号が供給され、供給されたRF信号に含まれるアドレス情報を抽出するとともにクロック成分を検出してクロックを生成し、第1の切り換え部84とEFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ85とに供給する。
【0088】
スピンドル駆動信号処理部83は、第1の切り換え部84と、スピンドル駆動回路部62とに接続されている。スピンドル駆動信号処理部83は、第1の切り換え部84を介して供給されたクロックに応じてスピンドルモータ12の駆動を制御するスピンドルモータ駆動信号を生成し、スピンドル駆動回路部62に供給する。
【0089】
第1の切り換え部84は、ADIP PLL81と、EFM PLL82と、スピンドル駆動信号処理部83とに接続されている。第1の切り換え部84は、システムコントローラ74により切り換えられる。第1の切り換え部84が切りかわることにより、記録時にはADIP PLL81とスピンドル駆動信号処理部83とが接続され、再生時にはEFM PLL82とスピンドル駆動信号処理部83とが接続される。
【0090】
EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ85は、RFアンプ61と、ヘッド駆動回路部63と、ADIP PLL81と、EFM PLL82と、メモリコントローラ86とに接続されている。EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ85は、再生時には、EFM PLL81から供給されるクロックに基づいて、RFアンプ61から供給されるRF信号に対してEFM復調並びにエラー訂正に関するACIRC等のデコード処理を行って圧縮された状態のデータを抽出し、メモリコントローラ86に供給する。また、記録時には、ADIP PLL82から供給されるクロックに基づいて、メモリコントローラ86から供給されるデータ信号に対してEFM変調並びにエラー訂正に関するACIRC等のエンコード処理を行い、エンコード処理した信号をヘッド駆動回路部63に供給する。
【0091】
メモリコントローラ86は、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ85と、バッファメモリ70と、ATRACエンコーダ/デコーダ87とに接続されている。メモリコントローラ86は、再生時には、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ85が抽出した圧縮された状態の信号を、一度バッファメモリ70へ書き込んだ後に所定のデータ単位毎に読み出して、ATRACエンコーダ/デコーダ87に供給する。また、記録時には、ATRACエンコーダ/デコーダ87から供給された信号をバッファメモリ70へ書き込んだ後に所定のデータ単位毎に読み出して、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ85に供給する。
【0092】
ATRACエンコーダ/デコーダ87は、メモリコントローラ86と、D/A変換器68と、A/D変換器69と、ディジタルインターフェイス70とに接続されている。ATRACエンコーダ/デコーダ92は、再生時には、メモリコントローラ86から供給された圧縮された状態の信号に対して、ATRACによるデコード処理を行う。デコード処理が行われた信号はD/A変換器68に供給され、D/A変換器68によってアナログオーディオ信号に変換された後に、オーディオ出力端子から出力される。なお、デコード処理が行われた信号は、ディジタルインターフェイス70を介してディジタル端子から直接出力することもできる。また、記録時には、オーディオ入力端子から入力された後にA/D変換器69によって変換されることで得られたディジタルオーディオ信号又はディジタルインターフェイス70から入力されたディジタルオーディオ信号に対して、ATRACによるエンコード処理を行い、エンコード処理を行った信号を、メモリコントローラ86に供給する。
【0093】
フォーカス駆動信号処理部88は、RFアンプ61とフォーカス駆動回路部64とに接続されている。フォーカス駆動信号処理部88は、RFアンプ61から供給されたFE信号に応じて、フォーカス駆動信号を生成し、フォーカス駆動回路部64に供給する。フォーカス駆動信号は、フォーカス駆動回路部64がフォーカスコイルに対して印加する駆動電圧を制御して対物レンズ16と光磁気ディスク3との距離を制御する信号である。
【0094】
トラッキング駆動信号処理部89は、RFアンプ61とトラッキング駆動回路部65とに接続されている。トラッキング駆動信号処理部89は、RFアンプ61から供給されるTE信号及びLS信号に基づいて、トラッキング駆動信号を生成し、トラッキング駆動回路部65に供給する。トラッキング駆動信号は、トラッキング駆動回路部65がトラッキングコイルに対して印加する駆動電圧を制御して、光磁気ディスク3に対する対物レンズ16のトラッキング方向の位置を制御する信号である。
【0095】
スレッド駆動信号処理部90は、スレッド駆動回路部66と、移動時間制御部91と、第2の切り換え部92とに接続されている。第1のスレッド信号処理部90は、トラッキングサーボが行われているときに、RFアンプ61からTE信号及びLS信号が供給され、TE信号及びLS信号に応じてスレッド駆動信号を生成し、スレッド駆動回路部66へ供給する。また、スレッド信号処理部90は、トラックジャンプ命令が発生したときには移動時間制御部91から移動時間制御信号が供給され、移動時間制御信号に応じてスレッド駆動信号を生成し、スレッド駆動回路部66へ供給する。また、データ作成命令が発生されたときには移動時間制御部91から移動時間検出信号が供給され、移動時間検出信号に応じてスレッド駆動信号を生成し、スレッド駆動回路部66へ供給する。スレッド駆動信号は、スレッド駆動回路部66が電気機械変換素子25に対して印加する駆動電圧を制御することによりスレッド移動を制御する信号である。
【0096】
移動時間制御部91は、トラックジャンプのときの記録再生機構7のスレッド移動を制御する。なお、移動時間制御部91については、詳細を後述する。
【0097】
第2の切り換え部92は、RFアンプ61と、スレッド駆動信号処理部90と、移動時間制御部91と接続されている。第2の切り換え部92は、システムコントローラ74により切り換えられる。第2の切り換え部92が切り換えられることにより、トラッキングサーボが行われているときにはRFアンプ61とスレッド駆動信号処理部90とが接続され、トラックジャンプのときにはRFアンプ61と移動時間制御部91とが接続される。
【0098】
以下では、移動時間制御部91について詳細に説明する。
【0099】
移動時間制御部91は、図8に示すように、記録再生機構7がスレッド移動するときの区間当たりの移動時間を検出する移動時間検出部101と、移動時間検出部101が検出した区間当たりの移動時間を示すテーブルを記憶する移動時間記憶部102と、トラックジャンプ命令が発生したときに、当該トラックジャンプ命令によって移動するように指定されたアドレス(以下、目的アドレスという。)で示される位置に対物レンズ16が位置するように、記録再生機構7が移動するときの記録再生機構7の移動時間Tを算出する算出部103と、トラックジャンプ後の対物レンズ16のアドレスと目的アドレスとの誤差を検出し、誤差が一定以上であるときにデータ作成命令を発生する誤差検出部104とを備える。
【0100】
移動時間制御部91では、トラックジャンプのときに記録再生機構7がスレッド移動する移動時間を制御することによって記録再生機構7の移動範囲を制御するとともに、移動時間記憶部102に記憶されるデータの作成を行う。移動時間記憶部102に記憶されるデータの作成は、例えば、誤差検出部104が検出した誤差が所定の範囲外であるときや、新たに光磁気ディスク3が装着された旨が検出されたとき、ディスク記録再生装置1を出荷するときなどに、システムコントローラ74や誤差検出部104がデータ作成命令を発生することにより行われる。
【0101】
また、ディスク記録再生装置1は、データの再生を行うときに、メモリコントローラ86が、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ85から供給された信号を、バッファメモリ70に対して1.41Mbits/secで間欠的に書き込みを行った後に、0.3Mbits/secでデータの読み出しを行って、ATRACエンコーダ/デコーダ87に対して供給している。したがって、ディスク記録再生装置1では、バッファメモリ70に記憶されたデータが所定の量を下回るまでは、光ピックアップ14による光磁気ディスク3からのデータの読み出しを停止している。移動時間記憶部102に記憶されているデータの作成は、データの再生時において光ピックアップ14による光磁気ディスク3からのデータの読み出しを停止しているときに行っても良い。
【0102】
移動時間検出部101は、データ作成命令が発生したときに記録再生機構をスレッド移動させ、記録再生機構7がスレッド移動するときに要する時間を所定のトラック数毎に検出する。
【0103】
光磁気ディスク3からの反射光の強さは、グルーブ3gからの反射光とランドからの反射光とで異なる。フォーカシングサーボがかかっており且つトラッキングサーボがかかっていない状態で記録再生機構7を光磁気ディスク3の径方向に移動させたときには、記録再生機構7はグルーブ3gの上とランドの上とを交互に通過する。したがって、トラッキングサーボが行われていない状態で記録再生機構7を光磁気ディスク3の径方向に移動させたときには、TE信号は、図9(A)に示すように、記録再生機構7が1トラック通過する毎に1周期変化する信号となる。すなわち、TE信号が1周期変化した回数を数えることで、記録再生機構7が通過したトラック数を数えることが可能となる。
【0104】
移動時間検出部101が、記録再生機構7がスレッド移動するときに要する時間を、所定のトラック数毎に検出する具体的な検出方法は、以下に説明する通りとなる。
【0105】
先ず、移動時間検出部101は、光ピックアップ14に備えられた半導体レーザをオンとした状態で、スレッド駆動信号処理部90に移動時間検出信号を供給して記録再生機構7をスレッド移動させる。そして、移動時間検出部101は、RFアンプ61から、フォーカシングサーボがかかっており且つトラッキングサーボがかかっていないTE信号が供給される。次に、得られたTE信号をオントラックのときのTE信号の値aを基準として2値化することにより、図9(B)に示すようなパルス信号(以下、通過トラック数信号という。)を生成する。次に、カウンタ(図示せず。)が通過トラック信号のパルス数をカウントする。なお、通過トラック数信号のパルス数は、TE信号が1周期変化した回数を示している。すなわち、通過トラック数信号のパルス数は、記録再生機構7が通過したトラックの数を表している。したがって、移動時間検出部101は、カウンタによってパルス数をカウントすることで、記録再生機構7が通過したトラック数を検出する。また、図9(C)に示すように、(x−1)(但し、xは自然数。)個目のパルスが発生してからx個目のパルスが発生するまでの時間をモニタすることで、図10に示すように、1トラック移動する毎の記録再生機構7の移動時間を検出し、図11に示すように、記録再生機構7のn(但し、nは自然数。)トラック毎の移動時間を示すテーブルを作成する。なお、本実施の形態では、移動時間検出部101は、5トラック毎の移動時間を示すテーブルを作成する。また、記録再生機構7が0トラック目から1トラック目まで移動した時間をΔtとして、記録再生機構の移動時間を示している。
【0106】
移動時間記憶部102は、移動時間検出部101が作成したテーブルを記憶する。
【0107】
算出部103は、トラックジャンプ命令が発生したときに、先ず、TOCから得られる目的アドレスに基づいて、当該トラックジャンプ命令によって指定された位置に対物レンズ16が位置するように記録再生機構7が移動するときの記録再生機構7の移動範囲L1を、トラックで検出する。次に、算出部103は、移動時間記憶部102に記憶されたデータを参照し、移動範囲L1から記録再生機構7の移動時間Tを算出する。そして、算出部103は、移動時間Tから移動時間制御信号を生成し、スレッド駆動信号処理部90へ供給する。
【0108】
誤差検出部104は、トラックジャンプ後の対物レンズ16の位置を示すアドレスと目的アドレスとの誤差を検出し、誤差が所定の範囲外のときにデータ作成命令を発生する。トラックジャンプ後の対物レンズ16の位置を示すアドレスと目的アドレスとの誤差は、例えば、ディスク記録再生装置1の姿勢が変化したときや、ディスク記録再生装置1が使用されている環境の温度や湿度などが変化したとき、駆動軸24にごみが付着したときなどに生じる。なお、誤差検出部104は、上記算出部103により検出された移動範囲L1とトラックジャンプによる記録再生機構7の実際の移動範囲L2との誤差を算出する構成としても良い。
【0109】
以上説明した移動時間制御部100の動作について、以下に説明する。
【0110】
まず、トラックジャンプ命令が発生することにより、トラックジャンプをするときの移動時間制御部100の動作について説明する。
【0111】
トラックジャンプ命令が発生すると、図12に示すように、先ず、ステップST1において、光ピックアップ14がTOCを読み出して、目的アドレスを検出する。なお、ステップST1では、光ピックアップ14に備えられた半導体レーザはオンとされる。
【0112】
次に、ステップST2において、算出部103が、スレッド駆動信号処理部90に対して移動時間制御信号を供給する。詳述すると、先ず、算出部103が、ステップST1で検出されたアドレスから、移動範囲L1を検出する。そして、算出部103が、移動時間記憶部102に記憶されたテーブルを参照して、記録再生機構7の移動時間Tを算出し、算出した移動時間Tから移動時間制御信号を生成して、スレッド駆動信号処理部90に供給する。なお、ステップST2では、光ピックアップ14に備えられた半導体レーザはオンとされる。
【0113】
次に、ステップST3において、移動時間制御信号に基づいて、スレッド駆動回路部66が電気機械変換素子25に対して駆動電圧を印加することで、記録再生機構7をスレッド移動させ、トラックジャンプする。詳述すると、最初に、スレッド駆動信号処理部90が、移動時間制御部91から供給された移動時間制御信号に基づいて記録再生機構7の移動時間がTとなるようなスレッド駆動処理信号を生成し、スレッド駆動回路部66に供給する。そして、スレッド駆動回路部66が、供給されたスレッド駆動信号に基づいて電気機械変換素子25に対して駆動電圧を印加することで、記録再生機構7がスレッド移動し、トラックジャンプが行われる。スレッド駆動回路部66が、供給されたスレッド駆動信号に基づいて電気機械変換素子25に対して駆動電圧を印加することで、記録再生機構7の移動時間はTとなる。
【0114】
次に、ステップST4において、誤差検出部104が対物レンズ16が目的アドレスの位置にあるか否かを判断する。対物レンズ16が目的アドレスの位置にあるときにはステップST8に進み、対物レンズ16が目的アドレスの位置にないときにはステップST5に進む。
【0115】
ステップST5においては、記録再生機構7をスレッド移動させる必要があるか否かを判断する。記録再生機構7をスレッド移動させる必要があるか否かは、例えば誤差検出手段103が検出したトラックジャンプ後の記録再生機構7のアドレスと目的アドレスとの差から判断される。スレッド移動が不必要なときにはステップST6に進み、スレッド移動が必要なときにはステップST7に進む。
【0116】
ステップST6においては、トラッキング駆動信号処理部89がトラッキング駆動信号を生成してトラッキング駆動回路部65へ供給し、トラッキング駆動回路部65がトラッキングコイルに対して電圧を印加することで、対物レンズ16がトラッキング方向に移動する。対物レンズ16の移動が終了すると、ステップST4に戻る。
【0117】
また、ステップST7においては、記録再生機構7が目的アドレスまでスレッド移動する。記録再生機構7を目的アドレスまでスレッド移動させる方法の例としては、以下に説明する方法が挙げられる。先ず、光ピックアップ14に備えられた半導体レーザをオンとした状態で、スレッド駆動信号処理部90がスレッド駆動信号を生成してスレッド駆動回路部66へ供給する。次に、スレッド駆動回路部66が、供給されたスレッド駆動信号に基づいて電気機械変換素子25に対して電圧を印加することで、記録再生機構7をスレッド移動させる。次に、RFアンプ61は、光ピックアップ14から取り出した信号からTE信号を生成し、移動時間検出部101に供給する。そして、移動時間検出部101が供給されたTE信号から通過数トラック信号を生成して、カウンタが通過数トラック信号のパルス数をカウントすることによって記録再生機構7が通過したトラック数を検出しながら記録再生機構7を目的アドレスまでスレッド移動させる。記録再生機構7のスレッド移動が終了すると、光ピックアップ14に備えられた半導体レーザはオフとされる。また、記録再生機構7のスレッド移動が終了すると、ステップST4に戻る。
【0118】
そして、ステップST8において、光ピックアップ14は、光磁気ディスク3に記録されているデータの読み出しを行う。光磁気ディスク3に記録されているデータを読み出すときには、光ピックアップ14に備えられた半導体レーザはオンとなる。
【0119】
なお、本実施の形態における移動時間制御部91では、誤差検出部104によって、トラックジャンプ後の対物レンズ16の位置を示すアドレスと目的アドレスとの差が所定の範囲外であると判断されたときには、移動時間記憶部102に記憶されているテーブルの書き換えを行う。したがって、ステップST8の後に、ステップST9に進む。
【0120】
ステップST9では、光磁気ディスク3から読み出されたデータがバッファメモリ71に所定の量以上書き込まれたか否かを判断する。データがバッファメモリ71に所定の量以上書き込まれているときにはステップST11に進み、バッファメモリ71に書き込まれているデータの量が所定の量以下であるときには、ステップST8に戻る。
【0121】
次に、ステップST10においては、誤差検出部104が検出した誤差が所定の範囲外であるか否かが判断される。誤差検出部104が検出した誤差が所定の範囲外であると判断されたときにはステップST11に進み、誤差検出部104が検出した誤差が所定の範囲内であると判断されたときには、移動時間制御部100の動作は終了する。
【0122】
次に、ステップST11において、誤差検出部104がデータ作成命令を発生する。
【0123】
そして、ステップST21において、移動時間検出部102に記憶されているデータの書き換えを開始する。なお、ステップST21以降については、詳細を後述する。
【0124】
つぎに、データ作成命令が発生することにより、移動時間制御部100が移動時間記憶部102に記憶されるテーブルを作成する方法について説明する。
【0125】
データ作成命令が発生したときには、図13に示すように、先ず、ステップST21において、移動時間検出部101が、移動時間検出信号をスレッド駆動信号処理部91に供給して記録再生機構7をスレッド移動させるとともに、光ピックアップ14に備えられた半導体レーザをオンとすることにより、光磁気ディスク3に対してレーザ光を照射した状態で、記録再生機構7をスレッド移動させる。
【0126】
次に、ステップST22において、移動時間検出部101へTE信号が供給される。移動時間検出部101は、供給されたTE信号をaを基準として2値化して、通過トラック数信号を生成する。
【0127】
次に、ステップST23において、移動時間検出部101がx−1個目のパルスが発生してからx個目のパルスが発生するまでの時間をモニタすることで1トラック移動する毎の記録再生機構1の移動時間を検出し、検出した結果に基づいてnトラック毎の記録再生機構7の移動時間を示すテーブルを作成する。
【0128】
そして、ステップST24において、移動速度記憶部102がステップST23において作成されたテーブルを記憶する。
【0129】
また、以下では、移動速度記憶部102に記憶されているデータを作成するタイミングについて、ディスク再生装置1に対して光磁気ディスク3を装着して、データの再生を行うときを例に挙げて説明する。
【0130】
図14に示すように、先ず、ステップST31において、ディスク装着検出回路部75が、光磁気ディスク3が装着された旨を検出して装着検出信号を出力する。
【0131】
次に、ステップST32において、光ピックアップ14がTOCを読み出して、再生するデータの開始アドレスを検出する。なお、ステップST32では、半導体レーザはオンとされる。
【0132】
次に、ステップST33において、算出部103が、スレッド駆動信号処理部90に対して移動時間制御信号を供給する。詳述すると、先ず、算出部103が、ステップST31で検出されたアドレスから移動範囲L1を検出する。そして、算出部103が、移動時間記憶部102に記憶されたテーブルを参照して、記録再生機構7の移動時間Tを算出し、算出した移動時間Tから移動時間制御信号を生成して、スレッド駆動信号処理部90に供給する。なお、ステップST33では、半導体レーザはオフとされている。
【0133】
次に、ステップST34において、スレッド駆動回路部66が電気機械変換素子25に対して駆動電圧を印加することで、記録再生機構7をスレッド移動させ、ステップST32で検出されたアドレスの位置に対物レンズ16が位置するように、トラックジャンプする。なお、トラックジャンプの方法は、ステップST3と同じであるので、トラックジャンプの方法については、ステップST3での説明を援用する。
【0134】
次に、ステップST35において、対物レンズ16が目的アドレスの位置にあるか否かが判断される。対物レンズ16が目的アドレスの位置にあるときにはステップST38に進み、対物レンズ16が目的アドレスの位置にないときにはステップST36に進む。
【0135】
ステップST36においては、記録再生機構7をスレッド移動させる必要があるか否かを判断する。スレッド移動が不必要なときにはステップST37に進み、スレッド移動が必要なときにはステップST38に進む。
【0136】
ステップST37においては、対物レンズ16がトラッキング方向に移動する。なお、対物レンズ16がトラッキング方向に移動する方法は、ステップST6と同じであるので、対物レンズ16がトラッキング方向に移動する方法については、ステップST6での説明を援用する。対物レンズ16の移動が終了すると、ステップST35に戻る。
【0137】
また、ステップST38においては、記録再生機構7がスレッド移動する。なお、記録再生機構7をスレッド移動させる方法はステップST7と同じであるので、記録再生機構7をスレッド移動させる方法については、ステップST7での説明を援用する。
【0138】
次に、ステップST39において、光ピックアップ14は、光磁気ディスク3に記録されているデータの読み出しを行う。光磁気ディスク3に記録されているデータを読み出すときには、光ピックアップ14に備えられた半導体レーザはオンとされる。
【0139】
次に、ステップST40では、光磁気ディスク3から読み出されたデータがバッファメモリ71に所定の量以上書き込まれたか否かが判断される。バッファメモリ71に所定の量以上のデータ書き込まれているときにはステップST41に進み、バッファメモリ71に書き込まれているデータの量が所定の量以下であるときには、ステップST39に戻る。
【0140】
次に、ステップST41において、システムコントローラ74がデータ作成命令を発生する。
【0141】
そして、ステップST21において、移動時間検出部102に記憶されているデータの書き換えが開始する。
【0142】
つぎに、以上説明したディスク記録再生装置1の動作について説明する。
【0143】
ディスク記録装置1が光磁気ディスク3に対してデータを記録するときの動作は以下に説明する通りとなる。
【0144】
先ず、ユーザによって操作部72に備えられた記録開始釦が押される。記録開始釦が押されると、システムコントローラ74の制御に基づいて、スピンドル駆動信号処理部83が、スピンドル駆動信号を生成してスピンドル駆動回路部62へ供給する。次に、スピンドル駆動回路部62は、供給されたスピンドル駆動信号に基づいてスピンドルモータ12に対して駆動電圧を印加し、光磁気ディスク3を回転させるとともに光ピックアップ14に備えられた半導体レーザを駆動し、データ記録用の出力レベルで光ビームを出射するようにする。
【0145】
また、システムコントローラ74の制御に基づいて、フォーカス駆動信号処理部88がフォーカス駆動信号を生成し、フォーカス駆動回路部64へ供給する。フォーカス駆動回路部64は、供給されたフォーカス駆動信号に基づいてフォーカスコイルに対して駆動電圧を印加し、対物レンズ16のフォーカスサーボを行う。
【0146】
さらに、システムコントローラ74の制御に基づいて、スレッド駆動信号生成部90がスレッド駆動信号を生成し、スレッド駆動回路部66へ供給する。スレッド駆動回路部66は、供給されたスレッド駆動信号に基づいて電気機械変換素子25に対して駆動電圧を印加することによって、記録再生機構7を光磁気ディスク3の内周側に移動させ、記録位置を特定するためのデータの読み出しを開始する。すなわち、光ピックアップ14は、光磁気ディスク3で反射された戻りの光ビームを光検出器で検出し、これをRFアンプ61を介してEFM PLL82に出力し、EFM PLL82は、アドレス情報をデコードした後、デコードしたアドレスをシステムコントローラ74に出力し、システムコントローラ74が記録位置を特定できるようにする。
【0147】
システムコントローラ74がデータの記録位置を特定すると、スレッド駆動信号生成部90は、システムコントローラ74の制御に基づいてスレッド駆動信号を生成してスレッド駆動回路部66へ供給する。スレッド駆動回路部66は、供給されたスレッド駆動信号に基づいて電気機械変換素子25に対して駆動電圧を印加することによって、記録再生機構7を光磁気ディスク3上のデータの記録位置へ移動させる。また、システムコントローラ74は、ヘッド昇降機構35を駆動し、磁気ヘッド15を光磁気ディスク3に近接させる。そして、光磁気ディスク3は、光ピックアップ14から出射された光ビームにより照射されてキュリー温度以上に加熱されるとともに磁気ヘッド15により磁界が印加されることによってデータが記録される。
【0148】
光磁気ディスク3に記録するデータは、アナログ信号であるときにはA/D変換器69によってディジタルオーディオ信号に変換されてATRACエンコーダ/デコーダ87へ供給される。また、ディジタル信号であるときにはディジタルインターフェイス部70を介してディジタル入力端子から入力され、ATRACエンコーダ/デコーダ87へ供給される。次に、ATRACエンコーダ/デコーダ87が、供給されたディジタル信号をATRACにより圧縮する。ATRACにより圧縮されたデータは、メモリコントローラ74によって一時的にバッファメモリ71へ書き込まれた後、このバッファメモリ71より所定のデータ単位毎に読み出されて、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ85でEFM変調並びにACIRC等のエンコード処理が行われた後に、ヘッド駆動回路部63に供給される。そして、ヘッド駆動回路部63は、磁気ヘッド15に対してデータに応じて変調された外部磁界を発生させる。そして、磁気ヘッド15は、光ピックアップ14により光ビームが照射されキュリー温度以上に加熱された位置に、外部磁界を印加してデータを記録する。
【0149】
一方、ディスク記録装置1が光磁気ディスク3に記録されているデータの再生を行うときの動作は以下に説明する通りとなる。
【0150】
先ず、ユーザによって操作部72に備えられた再生開始釦が押される。再生開始釦が押されると、システムコントローラ74の制御に基づいて、スピンドル駆動信号処理部83が、スピンドル駆動信号を生成してスピンドル駆動回路部62へ供給する。次に、スピンドル駆動回路部62は、供給されたスピンドル駆動信号に基づいてスピンドルモータ12に対して駆動電圧を印加することで光磁気ディスク3を回転させるとともに、光ピックアップ14に備えられた半導体レーザを駆動し、データ再生用の出力レベルで光ビームを出射するようにする。
【0151】
また、システムコントローラ74の制御に基づいて、フォーカス駆動信号処理部88がフォーカス駆動信号を生成し、フォーカス駆動回路部64へ供給する。フォーカス駆動回路部64は、供給されたフォーカス駆動信号に基づいてフォーカシングコイルに対して駆動電圧を印加し、対物レンズ16のフォーカスサーボを行う。
【0152】
また、システムコントローラ74の制御に基づいて、スレッド駆動信号処理部90がスレッド駆動信号を生成し、スレッド駆動回路部66へ供給する。スレッド駆動回路部66は、供給されたスレッド駆動信号に基づいて電気機械変換素子25に対して駆動電圧を印加することによって、記録再生機構7を光磁気ディスク3の内周側に移動させ、再生位置を特定するためのデータの読み出しを開始する。すなわち、光ピックアップ14は、光磁気ディスク3で反射された戻りの光ビームを光検出器で検出し、これをRFアンプ61を介してEFM PLL82に出力する。EFM PLL82は、アドレス情報をデコードした後、デコードしたアドレスをシステムコントローラ74に出力し、システムコントローラ74が再生位置を特定できるようにする。
【0153】
システムコントローラ74がデータの再生位置を特定すると、スレッド駆動信号生成部90は、システムコントローラ74の制御に基づいてスレッド駆動信号を生成してスレッド駆動回路部66へ供給する。スレッド駆動回路部66は、供給されたスレッド駆動信号に基づいて電気機械変換素子25に対して駆動電圧を印加することによって、記録再生機構7を光磁気ディスク3上のデータの再生位置へ移動させる。そして、光ピックアップ14が光磁気ディスク3に対して光ビームを照射して再生が開始する。
【0154】
光ピックアップ14は、光磁気ディスク3に対して光ビームを照射し、反射された戻りの光ビームを電流信号としてRFアンプ61へ供給する。RFアンプ61は、光ピックアップ14から供給された電流信号を電圧信号に変換し、変換して得られた電圧信号に基づいてRF信号を生成し、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ85へ供給する。RF信号は、EFM/ACIRCエンコーダ/デコーダ85でEFM復調及びACIRCなどのエンコード処理が行われた後に、メモリコントローラ86によってバッファメモリ71に書き込まれる。バッファメモリ71に一旦書き込まれたデータは、所定のデータ単位毎に読み出され、ATRACエンコーダ/デコーダ87へ供給され、ATRACによりデコード処理が行われ伸長される。伸長されたディジタルオーディオ信号は、D/A変換器68によってアナログオーディオ信号に変換された後に、オーディオ出力端子に接続されたスピーカ、イヤフォン、ヘッドフォンなどから出力される。また、ATRACエンコーダ/デコーダ87から出力されたディジタルデータは、ディジタルインターフェイス部70を介してディジタル端子から直接出力される。
【0155】
以上説明したディスク記録再生装置1では、移動時間記憶部102に区間毎の移動時間が示されたテーブルが記憶されており、トラックジャンプ命令が発生したときに、算出部103が、TOCから得られるトラックジャンプ先のアドレスに基づいて移動範囲L1を検出した後に、移動時間記憶部102に記憶されたデータを参照し、移動範囲L1から記録再生機構7の移動時間Tを算出する。そして、算出部103は、移動時間Tから移動時間制御信号を生成し、スレッド駆動信号処理部90へ供給する。スレッド駆動信号処理部90では、供給された移動時間制御信号に基づいて、記録再生機構7の移動時間がTとなるようなスレッド駆動処理信号を生成してスレッド駆動回路部66へ供給し、スレッド駆動回路部66は、供給されたスレッド駆動信号に基づいて電気機械変換素子25に対して電圧を印加することで、記録再生機構7をスレッド移動させる。
【0156】
また、ディスク記録再生装置1では、誤差検出部104によって検出されたトラックジャンプ後の対物レンズ16のアドレスと、目的アドレスとの誤差が所定の範囲外であったときには誤差検出部104がデータの作成命令を発生し、光磁気ディスク3がディスク記録再生機構1に装着された旨が検出されたときには、システムコントローラ74がデータ作成命令を発生する。そして、ディスク再生装置1では、データ作成命令が発生すると、移動時間検出部101が動作し、移動時間記憶部102に記憶されているテーブルの作成を行う。
【0157】
したがって、本発明を適用したディスク記録再生装置1は、記録再生機構7の駆動機構としてインパクト駆動機構9を採用したときにも、トラックジャンプするときなど、記録再生機構7を光磁気ディスク3の径方向へ移動させるときに、所定の位置まで移動させることが容易となる。
【0158】
また、本発明を適用したディスク記録再生装置1は、駆動軸24上の記録再生機構7の位置や、インパクト駆動機構9の姿勢の違い、温度及び湿度の違いなどの使用環境の違いなどにより、記録再生機構7の区間当たりの移動速度に変化が生じているときにも、記録再生機構7を光磁気ディスク3の径方向へ移動させるときに、所定の位置まで移動させることが容易となる。
【0159】
さらに、本発明を適用したディスク記録再生装置1によれば、トラックジャンプをするときに、光ピックアップ14に備えられた半導体レーザをオンとする必要性がなくなる。すなわち、本発明を適用したディスク記録再生装置1は、トラックジャンプのときに消費する電力が低減するために、消費電力が少ないものとなる。また、ディスク記録再生装置1は、光ピックアップ14の寿命が長くなる。
【0160】
なお、光磁気ディスク3の代わりに光ディスクが収納されたディスクカートリッジ2がディスク記憶再生装置1に装着されたときには移動時間検出部101は、RF信号から生成されるオフトラック信号(以下、OFTK信号という。)に基づいて、記録再生機構7が1トラック通過する毎に1パルス発生する通過トラック数信号を生成する。
【0161】
OFTK信号は、図15(A)に示すように、RF信号の極小値の包絡線を2値化した信号である。光ディスクのRF信号は、ピットが形成されているトラック領域からの反射光量がピットが形成されていない領域からの反射光量と比較して小さくなる。このため、RF信号は、図15(B)に示すように、トラック領域では振幅が小さくなり、オフトラック領域では振幅が大きくなる。したがって、記録再生機構7を光磁気ディスク3の径方向に移動させたときには、OFTK信号は、記録再生機構7が1トラック通過する毎に1パルス発生する。すなわち、カウンタがOFTK信号のパルス数を数えることで、記録再生機構7が通過したトラック数を数えることが可能となる。また、(y−1)個目(但し、yは自然数。)の個目のパルスが発生してからy個目のパルスが発生するまでの時間をモニタすることで、1トラック移動する毎の記録再生機構7の移動時間を検出し、記録再生機構7のnトラック毎の移動時間を算出することが可能となる。
【0162】
ところで、本発明を適用した記録再生装置1は、移動時間制御部91の代わりに、図16に示すように、誤差検出手段104によって検出された誤差が所定の範囲外であったときに、トラックジャンプによる記録再生機構7の実際の移動範囲L2と算出部103が算出した移動時間Tとに基づいて、移動時間検出部101を動作させることなく、移動時間記憶部102に記憶されているテーブルを補正することが可能な移動時間制御部120を備えても良い。
【0163】
以下では、図16に示す移動時間制御部120について説明する。なお、以下の説明では、移動時間制御部91との同一要素には同一の符号を付し、詳細な説明については移動時間制御部91での説明を援用する。
【0164】
移動時間制御部120は、記録再生機構7がスレッド移動するときの区間当たりの移動時間を検出する移動時間検出部101と、移動時間検出部101が検出した区間当たりの移動時間を示すテーブルを記憶する移動時間記憶部102と、トラックジャンプ命令が発生したときに移動範囲L1を検出した後に、上記移動時間記憶部102に記憶されているテーブルを参照して、移動範囲L1から記録再生機構7が移動するときの当該記録再生機構7の移動時間Tを算出し、移動時間制御信号を生成する算出部103と、トラックジャンプ後の対物レンズ16のアドレスと目的アドレスとの誤差を検出し、誤差が所定の範囲外であるときにデータ作成命令を発生する誤差検出部104と、誤差検出手段104が検出した誤差が所定の範囲外であるときに、移動時間記憶部102に記憶されているテーブルを補正する補正部121とを備える。
【0165】
補正部121は、誤差検出手段104が検出した誤差が所定の範囲外であるときに、トラックジャンプによる記録再生機構7の実際の移動範囲L2と算出部103が算出した移動時間Tとに基づいて、移動時間記憶部102に記憶されているテーブルを補正する。
【0166】
補正部121は、トラックジャンプによる記録再生機構7の実際の移動範囲L2と移動時間Tとから、電気機械変換素子25に所定の駆動電圧が印加されたときに記録再生機構7が所定の位置まで移動するときの移動時間の変化を求め、変化した値をテーブルに示されている駆動電圧印加時間に加算する。
【0167】
例えば、移動時間記録部102には図11に示すテーブルが記憶されており、記録再生機構7が6トラック目から15トラック目まで移動させるために、スレッド駆動回路部66が電気機械変換素子25に対して駆動電圧を印加する時間を9Δtとしたにも拘わらず、記録再生機構7が6トラック目から11トラック目までしか移動しなかったときには、6トラック目から10トラック目まで移動するための駆動電圧の印加時間を、以下の式1に示すように算出する。
【0168】
9Δt×(10−5)/(11−5)=7.5Δt・・・式1
すなわち、5トラック目から10トラック目まで移動するために、スレッド駆動回路部66が電気機械変換素子25に対しての駆動電圧の印加時間は、4Δtから7.5Δtに変化しており、記録再生機構7が5トラック移動するために、スレッド駆動回路部66が電気機械変換素子25に対して駆動電圧の印加時間は、3.5Δt変化したと考えられる。したがって、図11に示すテーブルにおける駆動電圧印加時間に、全て3.5Δtを加算して、図17に示すようにテーブルを補正する。
【0169】
なお、補正部121は、誤差検出部104が検出した誤差に基づいて、移動時間記憶部102に記憶されているテーブルの補正を行う構成としても良い。
【0170】
なお、インパクト駆動機構9では、例えば駆動軸24の一部にごみが付着することによって、ごみが付着した一部分のみ移動時間が遅くなることなどが多く、駆動軸24の全領域に亘って一様に区間あたりの移動時間が変化することは少ない。したがって、補正部121によって移動時間記憶部102が補正された後でトラックジャンプを行ったときに、誤差検出部104によって検出された誤差が所定の範囲外であったときには、誤差検出部104がデータ作成命令を発生して、移動時間記憶部102に記憶されているテーブルを書き換える構成とすることが好ましい。
【0171】
以上説明した移動時間制御部120を備えたディスク記録再生装置1では、補正部121が備えられていることにより、区間毎の移動時間の修正を簡便に行うことが可能となる。すなわち、記録再生機構7の制御を簡便に行うことが可能となる。
【0172】
ところで、光磁気ディスク3では、トラックピッチが1.6±0.1μmと定められている。光磁気ディスク3には、トラックピッチを1.5μmとしてトラック数を増やしたいわゆる長時間ディスクと呼ばれるものがある。長時間ディスクでは、他の光磁気ディスクと比較してトラックピッチがわずかに狭いために、同じトラックを通過したときの移動距離が他の光磁気ディスクと比較して短くなる。
【0173】
以上説明した理由により、移動時間記憶部102に記憶されるテーブルでは、図18に示すように、区間をトラックではなく光磁気ディスク3の中心からの距離で示した方が好ましい。
【0174】
以下では、図19に示すように、光磁気ディスク3の中心からの所定の距離毎の記録再生機構7の移動時間を示したテーブルが、移動時間記憶部102に記憶されている移動時間制御部140について説明する。なお、以下では、移動時間制御部91との同一要素には同一の符号を付し、詳細な説明については移動時間制御部91での説明を援用する。
【0175】
移動時間制御部140は、記録再生機構7がスレッド移動するときの光磁気ディスク3の中心からの所定の距離毎の移動時間を検出する移動時間検出部141と、移動時間検出部141が検出した区間当たりの移動時間を示すテーブルを記憶する移動時間記憶部102と、トラックジャンプ命令が発生したときに、記録再生機構7の移動範囲をトラックで検出した後に、移動時間記憶部102に記憶されているテーブルを参照して、検出した移動範囲のトラックから記録再生機構7の移動時間Tを算出し、移動時間制御信号を生成する算出部142と、トラックジャンプ後の対物レンズ16のアドレスと目的アドレスとの誤差を検出し、一定以上であるときにデータ作成命令を発生する誤差検出部104とを備える。
【0176】
なお、光磁気ディスク3のトラックピッチは、光磁気ディスク3が装着された時点で、システムコントローラ74により認識される。
【0177】
移動時間検出部141は、データ作成命令が発生したときに記録再生機構をスレッド移動させ、記録再生機構7がスレッド移動するときに要する時間を、中心からの所定の距離毎に検出する。移動時間検出部141が、記録再生機構7がスレッド移動するときに要する時間を、光磁気ディスク3の中心からの所定の距離毎に検出する具体的な検出方法は、以下に説明する通りとなる。
【0178】
先ず、移動時間検出部141はスレッド駆動信号処理部90に移動時間検出信号を供給し、記録再生機構7をスレッド移動させる。また、記録再生機構7がスレッド移動しているときに光ピックアップ14の半導体レーザをオンとして、フォーカシングサーボがかかっており且つトラッキングサーボがかかっていないTE信号を得る。次に、得られたTE信号をオントラックのときのTE信号の値aを基準として2値化することにより、通過トラック数信号を生成する。次に、カウンタ(図示せず。)が通過トラック信号のパルス数をカウントする。また、(x−1)個目のパルスが発生してからx個目のパルスが発生するまでの時間をモニタすることで、1トラック移動する毎の記録再生機構7の移動時間を検出し、記録再生機構7のnトラック毎の移動時間を算出する。次に、移動時間検出部141は、システムコントローラ74が認識したトラックピッチに基づいて区間を光磁気ディスク3の中心からの距離に換算し、光磁気ディスク3の中心からの所定の距離毎の記録再生機構7の移動時間を示したテーブルを作成する。なお、本実施の形態では、8μm毎の移動時間を示している。また、記録再生機構7が32μmから33.6μmまで移動した時間をΔtとして、記録再生機構7の移動時間を示している。
【0179】
算出部142は、トラックジャンプ命令が発生したときに、先ず、TOCから得られる目的アドレスに基づいて、当該トラックジャンプ命令によって指定された位置に対物レンズ16が位置するように記録再生機構7が移動するときの記録再生機構7の移動範囲L3を、トラックで検出する。次に、算出部142は、区間がトラックによって示されている移動範囲L3を区間が中心からの距離によって示される移動範囲L4に換算する。次に、算出部142は、移動時間記憶部102に記憶されたデータを参照し、記録再生機構7の移動範囲L4から記録再生機構7の移動時間Tを算出する。そして、算出部142は、移動時間Tから移動時間制御信号を生成し、スレッド駆動信号処理部90へ供給する。
【0180】
以上説明した移動時間制御部140を備えることにより、ディスク記録再生装置1は、光磁気ディスク3のトラックピッチに関係なく、記録再生機構7の移動を制御することが可能となる。
【0181】
【発明の効果】
本発明に係る再生装置は、算出手段が、飛越し命令によって飛越しを行うように指定された位置まで光ピックアップが移動するときの光ピックアップの移動範囲を検出した後に、記憶手段に記憶されたデータを参照して、飛越し命令によって飛越しを行うように指定された位置まで光ピックアップが移動するときの光ピックアップの移動時間を算出する。そして、電圧制御手段が、電圧印加手段が電気機械変換素子に対して電圧を印加する時間を、移動時間算出手段によって算出された移動時間に基づいて制御することによって、上記光ピックアップを上記円盤状光記録媒体の径方向に移動させている。
【0182】
したがって、本発明に係る再生装置は、光ピックアップの移動操作部が、電気機械変換素子を駆動源に用い、この電気機械変換素子に取り付けられた駆動軸を伸縮させることによって、駆動軸に取り付けられた光ピックアップを移動操作させるものであり、且つ飛越しを行うときなど、光ピックアップを円盤状光記録媒体の径方向へ移動させるときに、所定の位置まで移動させることが容易となる。
【0183】
また、本発明に係る再生装置は、光ピックアップに備えられた半導体レーザをオンすることなく飛越しを行うことが可能なものとなる。すなわち、本発明に係る再生装置は、光ピックアップの消費電力が少ないために、消費電力が少ないものとなり、また、光ピックアップの寿命が長いものとなる。
【0184】
また、本発明に係る再生方法は、算出ステップにおいて、飛越し命令によって飛越しを行うように指定された位置まで光ピックアップが移動するときの光ピックアップの移動範囲を検出した後に、記憶手段に記憶されたデータを参照して、飛越し命令によって飛越しを行うように指定された位置まで光ピックアップが移動するときの光ピックアップの移動時間を算出する。そして、電圧制御手段が、電圧印加手段が電気機械変換素子に対して駆動電圧を印加する時間を、算出ステップにおいて算出された移動時間に基づいて制御することによって、上記光ピックアップを上記円盤状光記録媒体の径方向に移動させている。
【0185】
したがって、本発明に係る再生方法によれば、光ピックアップの移動操作部が、電気機械変換素子を駆動源に用い、この電気機械変換素子に取り付けられた駆動軸を伸縮させることによって、駆動軸に取り付けられた光ピックアップを移動操作させる再生装置において、飛越しを行うときなど、光ピックアップを円盤状光記録媒体の径方向へ移動させるときに、所定の位置まで移動させることが容易となる。
【0186】
また、本発明に係る再生方法は、光ピックアップに備えられた半導体レーザをオンすることなく飛越しを行うことが可能となる。すなわち、本発明に係る再生方法によれば、光ピックアップの消費電力が少ないために、消費電力が少なくなり、また、光ピックアップの寿命が長いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したディスク記録再生装置と当該ディスク再生装置に装着されれるディスクカートリッジのと斜視図である。
【図2】ベースにディスクカートリッジが装着された状態を示す斜視図である。
【図3】上記ディスク記録再生装置に装着されるカートリッジに収納された光磁気ディスクの平面図である。
【図4】上記ディスク記録再生装置の平面図である。
【図5】上記ディスク記録再生装置の断面図である。
【図6】電気機械変換素子に印加される駆動電圧の波形図である。
【図7】上記ディスク記録再生装置の回路構成を示すブロック図である。
【図8】上記ディスク記録再生装置に備えられた移動時間制御部を示すブロック図である。
【図9】(A)はフォーカシングサーボをかけ且つトラッキングサーボをかけない状態のトラッキングエラー信号の波形図であり、(B)は上記トラッキングエラー信号を2値化したパルス信号の波形図であり、(C)は(x−1)個目のパルスが発生してからx個目のパルスが発生するまでの時間をモニタした状態を示す模式図である。
【図10】1トラック毎の記録再生機構の移動時間を示す模式図である。
【図11】上記移動時間制御部に備えられた移動時間記録部に記録されるテーブルを示す図である。
【図12】トラックジャンプが実行されるときのディスク記録再生装置の動作を示すフローチャートである。
【図13】テーブルが作成されるときのディスク記録再生装置の動作を示すフローチャートである。
【図14】光磁気ディスクがディスク記録再生装置に装着されたときに、テーブルを作成するときのディスク記録再生装置の動作を示すフローチャートである。
【図15】(A)はオフトラック信号の波形図であり、(B)は上記オフトラック信号を2値化したパルス信号の波形図である。
【図16】上記ディスク記録再生装置に備えられた他の移動時間制御部を示すブロック図である。
【図17】上記他の移動時間制御部によって補正されたテーブルを示す図である。
【図18】ディスクの中心からの所定距離毎の移動時間を示したテーブルを示す図である。
【図19】上記ディスク記録再生装置に備えられたさらに他の移動時間制御部を示すブロック図である。
【図20】電気機械変換素子を有するピックアップ送り機構を示す模式図である。
【符号の説明】
91 移動時間制御部、101 移動時間検出部、102 移動時間記憶部、103 算出部、104 誤差検出部
Claims (21)
- ベースと、
上記ベースに設けられ、円盤状光記録媒体を回転する回転駆動部と、
上記円盤状光記録媒体に光ビームを照射するとともに、当該円盤状光記録媒体で反射した光ビームを受光し、信号を取り出す光ピックアップと、
上記円盤状光記録媒体の径方向に移動可能に上記光ピックアップを支持する駆動軸と、上記駆動軸の一端に取り付けられ、上記駆動軸の軸方向に伸縮することによって、上記駆動軸を当該駆動軸の軸方向に変位させる電気機械変換素子とを有し、上記駆動軸を上記電気機械変換素子によって変位させることによって上記光ピックアップを上記円盤状光記録媒体の径方向に移動させる移動操作部と、
上記電気機械変換素子に対して電圧を印加する電圧印加手段と、
上記電圧印加手段が上記電気機械変換素子に対して印加する電圧を制御する電圧制御手段と、
上記光ピックアップが光ビームを円盤状光記録媒体に照射した状態で上記移動操作部によって上記円盤状光記録媒体の径方向に移動されたときに取り出した信号から、上記光ピックアップが上記移動操作部によって上記円盤状光記録媒体の径方向に移動されるときの、上記光ピックアップの所定区間当たりの移動時間を検出する移動時間検出手段と、
上記移動時間検出手段が検出した上記光ピックアップの区間当たりの移動時間を記憶する記憶手段と、
上記光ピックアップが移動するときの当該光ピックアップの移動範囲を検出した後に、上記記憶手段に記憶されたデータを参照して、上記移動範囲から、当該飛越し命令応じて上記光ピックアップが移動するときの当該光ピックアップの移動時間を算出する算出手段とを備え、
上記光ピックアップが上記移動操作部によって上記円盤状光記録媒体の径方向に移動されるときの上記光ピックアップの所定区間当たりの移動時間を検出して上記記憶手段に対して記憶するときには、上記電圧制御手段が、上記電圧印加手段を、上記電気機械変換素子に対して所定の電圧を印加するように制御することによって、上記光ピックアップを上記円盤状光記録媒体に対して光ビームを照射した状態で移動させるとともに、上記光ピックアップが、取り出した信号を上記移動時間検出部に供給し、
上記飛越し命令が発生したときには、上記電圧手段が、上記電気機械変換素子に対して所定の電圧を上記移動時間算出手段によって算出された移動時間だけ印加するように上記電圧印加手段を制御して、上記光ピックアップを移動させること
を特徴とする再生装置。 - 飛越しによる上記光ピックアップの移動範囲と、上記算出手段によって求められた移動範囲との間の誤差を検出する誤差検出手段を備え、
上記誤差検出手段は、誤差が所定の値以上であるときに上記データ作成命令を発生すること
を特徴とする請求項1記載の再生装置。 - 円盤状光記録媒体が装着された旨を検出する装着検出手段を備え、
上記装着検出手段は、円盤状光記録媒体が装着された旨が検出されたときに、上記データ作成命令を発生すること
を特徴とする請求項1記載の再生装置。 - 上記移動時間検出手段は、トラッキングエラー信号の光量が変化した周期をカウントするとともにトラッキングエラー信号の光量が一周期変化するときに要する時間を検出することで、上記光ピックアップが上記移動操作部によって上記円盤状光記録媒体の径方向に移動されるときの、上記光ピックアップの区間当たりの移動時間を検出すること
を特徴とする請求項1記載の再生装置。 - 上記移動時間検出手段は、トラッキングエラー信号を2値化してパルス信号を作成し、当該パルス信号のパルス数をカウントするとともに、当該パルス信号においてx−1個目(但し、xは自然数。)のパルスが発生してからx個目のパルスが発生するまでの時間を検出することで、上記光ピックアップが上記移動操作部によって上記円盤状光記録媒体の径方向に移動されるときの、上記光ピックアップの区間当たりの移動時間を検出すること
を特徴とする請求項4記載の再生装置。 - 上記移動時間検出手段は、オフトラック信号のパルス数をカウントするとともに、当該オフトラック信号においてy−1個目(但し、yは自然数。)のパルスが発生してからy個目のパルスが発生するまでの時間を検出することで、上記光ピックアップが上記移動操作部によって上記円盤状光記録媒体の径方向に移動されるときの、上記光ピックアップの区間当たりの移動時間を検出すること
を特徴とする請求項1記載の再生装置。 - 飛越しによる光ピックアップの移動範囲及び移動時間に基づいて、上記記憶手段に記憶されている光ピックアップの区間当たりの移動時間を補正する補正手段を備えること
を特徴とする請求項1記載の再生装置。 - 上記記憶手段に記憶されたデータにおいて、上記光ピックアップの移動区間はトラック数で表されること
を特徴とする請求項1記載の再生装置。 - 上記記憶手段に記憶されたデータにおいて、上記光ピックアップの移動区間は上記円盤状光記録媒体の径方向における中心からの距離で示されていること
を特徴とする請求項1記載の再生装置。 - 飛越しを行っているときには、上記光ピックアップは、上記円盤状光記録媒体に光ビームを照射しないこと
を特徴とする請求項1記載の再生装置。 - ベースと、上記ベースに設けられ、円盤状光記録媒体を回転する回転駆動部と、上記円盤状光記録媒体に光ビームを照射するとともに、当該円盤状光記録媒体で反射した光ビームを受光し、信号を取り出す光ピックアップと、上記円盤状光記録媒体の径方向に移動可能に上記光ピックアップを支持する駆動軸と、上記駆動軸の一端に取り付けられ、上記駆動軸の軸方向に伸縮することによって、上記駆動軸を当該駆動軸の軸方向に変位させる電気機械変換素子とを有し、上記駆動軸を上記電気機械変換素子によって変位させることによって上記光ピックアップを上記円盤状光記録媒体の径方向に移動させる移動操作部と、上記電気機械変換素子に対して電圧を印加する電圧印加手段と、上記電圧印加手段が上記電気機械変換素子に対して印加する電圧を制御する電圧制御手段とを備える再生装置において、
上記光ピックアップが光ビームを円盤状光記録媒体に照射した状態で上記移動操作部によって上記円盤状光記録媒体の径方向に移動されたときに取り出した信号から、上記光ピックアップが上記移動操作部により上記円盤状光記録媒体の径方向に移動されるときの上記光ピックアップの所定の区間当たりの移動時間を検出する移動時間検出ステップと、
上記移動時間検出ステップにおいて検出された上記光ピックアップの区間当たりの移動時間を記憶手段に対して記憶する記憶ステップと、
外部で発生した飛越し命令に応じて、上記光ピックアップが移動するときの当該光ピックアップの移動範囲を検出した後に、上記記憶手段に記憶されたデータを参照して、上記移動範囲から、当該飛越し命令に応じて上記光ピックアップが移動するときの当該光ピックアップの移動時間を算出する算出ステップと、
上記光ピックアップが上記移動操作部によって上記円盤状光記録媒体の径方向に移動されるときの上記光ピックアップの所定区間当たりの移動時間を検出して上記記憶手段に対して記憶するときに、上記電圧制御手段が、上記電圧印加手段を、上記電気機械変換素子に対して所定の電圧を印加するように制御することによって、上記光ピックアップを上記円盤状光記録媒体に対して光ビームを照射した状態で移動させるとともに、上記光ピックアップが、取り出した信号を上記移動時間検出部に供給する第1の光ピックアップ移動ステップと、
上記飛越し命令が発生したときに、上記電圧手段が、上記電気機械変換素子に対して所定の電圧を上記移動時間算出手段によって算出された移動時間だけ印加するように上記電圧印加手段を制御して、上記光ピックアップを移動させる第2の光ピックアップ移動ステップとを備えること
を特徴とする再生方法。 - 上記第2のピックアップ移動ステップにおける光ピックアップの移動範囲と、上記算出ステップにおいて検出された光ピックアップの移動範囲との間の誤差を検出する誤差検出ステップを備え、
上記誤差検出ステップでは、誤差が所定の値以上であるときにデータ作成命令を発生すること
を特徴とする請求項11記載の再生方法。 - 上記円盤状光記録媒体が上記再生装置に装着された旨を検出する装着検出ステップを備え、
上記装着検出ステップでは、上記再生装置に上記円盤状光記録媒体が装着された旨が検出されたときに、上記データ作成命令を発生すること
を特徴とする請求項11記載の再生方法。 - 上記移動時間検出ステップにおいては、トラッキングエラー信号の光量が変化した周期をカウントするとともにトラッキングエラー信号の光量が一周期変化するときに要する時間を検出することで、上記光ピックアップが上記移動操作部によって上記円盤状光記録媒体の径方向に移動されるときの、上記光ピックアップの区間当たりの移動時間を検出すること
を特徴とする請求項11記載の再生方法。 - 上記移動時間検出ステップにおいては、トラッキングエラー信号を2値化してパルス信号を作成し、当該パルス信号のパルス数をカウントするとともに、当該パルス信号においてx−1個目のパルスが発生してからx個目のパルスが発生するまでの時間を検出することで、上記光ピックアップが上記移動操作部によって上記円盤状光記録媒体の径方向に移動されるときの、上記光ピックアップの区間当たりの移動時間を検出すること
を特徴とする請求項14記載の再生方法。 - 上記移動時間検出ステップにおいては、オフトラック信号のパルス数をカウントするとともに、当該オフトラック信号においてy−1個目のパルスが発生してからy個目のパルスが発生するまでの時間を検出することで、上記光ピックアップが上記移動操作部によって上記円盤状光記録媒体の径方向に移動されるときの、上記光ピックアップの区間当たりの移動時間を検出することを特徴とする請求項11記載の再生方法。
- 飛越しによる光ピックアップの移動範囲及び移動時間に基づいて、上記記憶手段に記憶されている光ピックアップの区間当たりの移動時間を補正する補正ステップを備えること
を特徴とする請求項11記載の再生方法。 - 上記補正ステップの後段に、上記誤差検出ステップを備えること
を特徴とする請求項17記載の再生方法。 - 上記記憶ステップで記憶されたデータでは、光ピックアップの移動区間がトラック数で表されること
を特徴とする請求項11記載の再生方法。 - 上記記憶ステップで記憶されたデータでは、光ピックアップの移動区間が上記円盤状光記録媒体の径方向における中心からの距離で示されていること
を特徴とする請求項11記載の再生方法。 - 上記第2の光ピックアップ移動ステップでは、上記光ピックアップは、円盤状光記録媒体に対して光ビームを照射しないこと
を特徴とする請求項11記載の再生方法。
Priority Applications (1)
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