JP2004085726A - プロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】あおり方向を下方とした場合でも、取り付け工事が不要で誤作動のおそれがないプロジェクタを提供すること。
【解決手段】プロジェクタ1は、光源から射出された光束を、画像情報に応じて変調して光学像を形成する液晶パネルと、この液晶パネルで形成された光学像を拡大して投写する投写レンズ46と、液晶パネルおよび投写レンズ46を収容する外装ケース2とを備え、投写レンズ46は、その光軸に対して投写領域の中心軸がずれたあおり方向を有し、外装ケース2は、投写レンズ46の光軸に対してあおり方向側に上面部分210を有し、この上面部分210から突出して設けられ外装ケース2を支持する支持フット215を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】プロジェクタ1は、光源から射出された光束を、画像情報に応じて変調して光学像を形成する液晶パネルと、この液晶パネルで形成された光学像を拡大して投写する投写レンズ46と、液晶パネルおよび投写レンズ46を収容する外装ケース2とを備え、投写レンズ46は、その光軸に対して投写領域の中心軸がずれたあおり方向を有し、外装ケース2は、投写レンズ46の光軸に対してあおり方向側に上面部分210を有し、この上面部分210から突出して設けられ外装ケース2を支持する支持フット215を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源から射出された光束を変調して光学像を形成する光変調装置と、この光変調装置で形成された光学像を拡大して投写する投写光学系と、前記光変調装置および投写光学系を収容する外装ケースとを備えたプロジェクタに関する。
【0002】
【背景技術】
従来より、プレゼンテーションやホームシアター等の分野において、プロジェクタが利用されている。このようなプロジェクタとしては、例えば、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置と、この光変調装置で形成された光学像を拡大して投写する投写光学系と、前記光変調装置および投写光学系を収容する外装ケースとを備えたものがある。
【0003】
このようなプロジェクタは、例えば、観察者とスクリーンとの間にプロジェクタを配置したときに、観察者がスクリーンを観察するのにプロジェクタが邪魔にならないように、投写領域を投写光学系の光軸に対して一定方向(以降、この方向をあおり方向と呼ぶ)にずらしたいわゆる「あおり投写」を行う構成とされている。この「あおり投写」は、投写光学系の光軸に対して光変調装置の画像形成領域の中心軸をあおり方向とは反対側にずらすことにより実現される。
【0004】
ここで、プロジェクタの上面は、投写光学系の光軸に対してあおり方向側とされ、スイッチ等の操作部が設けられている。また、プロジェクタの下面は、投写光学系の光軸に対してあおり方向と反対側とされている。
【0005】
ところで、ホームシアター等のホームユースの場合、プロジェクタは、例えば次の方法で設置される。まず、プロジェクタからスクリーンまでの投写距離を十分に確保するために、室内の壁面にスクリーンを設置するとともに、このスクリーンに対向する壁面に観察者のためのスペースを確保する。次に、スクリーンと観察者との間にテーブル等の台を設置し、この台の上にプロジェクタを載置する。このプロジェクタは、台上から上方にあおり投写することによって、スクリーン上に画像を形成する。
【0006】
しかし、上述した方法を用いても、スクリーンと対向する壁面に本棚や箪笥等の家具があるため、プロジェクタからスクリーンまでの投写距離を十分に確保できない場合がある。そこで、プロジェクタを上下ひっくり返してあおり方向を下方とした姿勢で、天井から吊り下げる方法や、スクリーンと対向する位置にある家具上に載置する方法が考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、プロジェクタを天井から吊り下げる方法では、天井裏にプロジェクタ支持用の下地材を取り付ける工事が必要になるという課題がある。
一方、プロジェクタを家具上に載置する方法では、プロジェクタをひっくり返すことにより、直接、プロジェクタの上面が載置面に接することになる。よって、スイッチ等が誤作動するという課題がある。
【0008】
本発明の目的は、あおり方向を下方とした場合でも、取り付け工事が不要で誤作動のおそれがないプロジェクタを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のプロジェクタは、光源から射出された光束を、画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置と、この光変調装置で形成された光学像を拡大して投写する投写光学系と、前記光変調装置および投写光学系を収容する外装ケースとを備え、前記投写光学系は、その光軸に対して投写領域の中心軸がずれたあおり方向を有するプロジェクタであって、前記外装ケースは、前記投写光学系の光軸に対してあおり方向側に第1支持面を有し、この第1支持面から突出して設けられ前記外装ケースを支持する支持手段を備えることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、第1支持面を下側にしてあおり方向を下方とし、この状態でプロジェクタを載置しても、支持手段で外装ケースを支持できる。したがって、プロジェクタを天井から吊り下げる必要がなく、取り付け工事が不要となる。また、支持手段を第1支持面に突出して設けたので、下側となった第1支持面と載置面との間に空隙が形成されるから、スイッチ等が誤作動することがない。
【0011】
本発明では、前記支持手段は、前記投写光学系のズーム操作およびフォーカス操作を行うための操作レバーより突出して設けられていることが好ましい。
この発明によれば、第1支持面を下側にしてプロジェクタを載置しても、操作レバーを載置面に接触させずに操作できる。
【0012】
本発明では、前記第1支持面には、凹部が形成され、この凹部に前記操作レバーが配置されていることが好ましい。
この発明によれば、第1支持面に設けた凹部に操作レバーを配置したので、操作レバーの長さを短くして第1支持面からの突出寸法を支持手段より小さくしても、凹部の深さを適宜設定することにより円滑に操作できる。
【0013】
本発明では、前記支持手段は、前記外装ケースとは別部材とされ、衝撃緩衝材で形成されていることが好ましい。
この発明によれば、支持手段を衝撃緩衝材で形成したので、冷却ファン等の駆動による振動を緩和できるから、プロジェクタの静寂性を向上できる。
【0014】
本発明では、前記支持手段は、前記外装ケースに両面テープで取り付けられていることが好ましい。
この発明によれば、前記支持手段を簡単に外装ケースに取り付けることができる。
【0015】
本発明では、前記外装ケースは、前記投写光学系の光軸に対してあおり方向と反対側に第2支持面を有し、前記支持手段は、前記外装ケースに支持されて前記第1支持面および第2支持面を貫通するとともに、その軸方向に進退可能とされていることが考えられる。
この発明によれば、例えば、支持手段を軸方向一端側に前進させるだけで、支持手段を第1支持面から突出させることができるとともに、第2支持面から引っ込めることができる。これにより、第1支持面を下側にして容易に載置できるとともに、第2支持面を上側にして外観を良好にできる。逆に、支持手段を軸方向他端側に前進させることにより、第2支持面を下側にして容易に載置できるとともに、第1支持面を上側にして外観を良好にできる。
【0016】
本発明では、前記外装ケースは、前記支持手段が螺合されるナット部を備えることが好ましい。
この発明によれば、支持手段を回転させるだけで、外装ケースのナット部に対して支持手段が進退し、支持手段の外装ケースからの突出寸法を任意に設定できるから、プロジェクタの姿勢を容易に調整できる。
【0017】
本発明では、前記支持手段は、前記外装ケース内に進退可能に支持された軸部材と、前記第1支持面および第2支持面を貫通し前記軸部材の軸線上を進退可能に支持されたフット部材とを備え、前記軸部材の長さは、前記各フット部材が前記支持面から突出しない状態における前記フット部材同士の間隔以下とされていることが好ましい。
この発明によれば、相対向するフット部材を両方とも支持面から突出していない状態にできるから、運搬等の使用しない状態でのプロジェクタの外観を良好にできる。
【0018】
本発明では、光源から射出された光束を、画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置と、この光変調装置で形成された光学像を拡大して投写する投写光学系と、前記光変調装置および投写光学系を収容する外装ケースとを備え、前記投写光学系は、その光軸に対して投写領域の中心軸がずれたあおり方向を有するプロジェクタであって、前記外装ケースは、前記投写光学系の光軸に対してあおり方向側に第1支持面を有し、前記投写光学系の光軸に対してあおり方向と反対側に第2支持面を有し、前記第1支持面および第2支持面には、それぞれ、これら支持面から突出し前記外装ケースを支持する支持手段が着脱可能な取り付け孔が形成されていることを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、第1支持面および第2支持面のうち一方の取り付け孔に支持手段を取り付けるだけで、この一方の支持面を下側としてプロジェクタを載置しても、支持手段で外装ケースを支持できる。したがって、プロジェクタを天井から吊り下げる必要がなく、取り付け工事が不要となる。また、支持手段を支持面から突出して設けたので、下側となった支持面と載置面との間に空隙が形成されるから、スイッチ等が誤作動することがない。
さらに、他方の支持面の取り付け孔を塞ぐ蓋部材を設ければ、プロジェクタの外観を良好にできる。
【0020】
本発明では、前記支持手段は、前記取り付け孔に係合されて装着されることが好ましい。
この発明によれば、支持手段を外装ケースに確実に固定できる。また、取り付け孔に支持手段を螺合させれば、支持手段を回転させるだけで、支持手段の外装ケースからの突出寸法を任意に設定できるから、プロジェクタの姿勢を容易に調整できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態および変形例において、前記第1実施形態と同一もしくは同様の構成部品については、同一の符号を用い、説明を省略あるいは簡略する。
〔1.プロジェクタの主な構成〕
図1は、本発明の第1実施形態に係るプロジェクタ1を上方から見た斜視図である。図2は、プロジェクタ1を下方から見た斜視図である。
図1または図2に示すように、プロジェクタ1は、射出成形によって成形された略直方体状の外装ケース2を備える。この外装ケース2は、プロジェクタ1の本体部分を収納する合成樹脂製の筐体であり、アッパーケース21と、ロアーケース23とを備え、これらのケース21,23は、互いに着脱自在に構成されている。
なお、アッパーケース21およびロアーケース23は、樹脂製でなくても、他の材質であってもよい。たとえば、マグネシウム、アルミニウム、あるいは、これらを含んだ合金などの金属であってもよい。
【0022】
アッパーケース21は、図1,2に示すように、プロジェクタ1の上面、側面、前面、および背面をそれぞれ構成する上面部21A、側面部21B、前面部21C、および背面部21Dを含んで構成される。
同様に、ロアーケース23も、図1,2に示すように、プロジェクタ1の下面、側面、前面、および背面をそれぞれ構成する下面部23A、側面部23B、前面部23C、および背面部23Dを含んで構成される。
【0023】
したがって、図1,2に示すように、直方体状の外装ケース2において、アッパーケース21およびロアーケース23の側面部21B,23B同士が連続的に接続されて直方体の側面部分220が構成され、同様に、前面部21C,23C同士の接続で前面部分230が、背面部21D,23D同士の接続で背面部分240が、上面部21Aにより第1支持面としての上面部分210が、下面部23Aにより第2支持面としての下面部分250がそれぞれ構成される。
【0024】
図1に示すように、上面部分210において、前方左側には矩形状の開口211が形成されている。開口211には、この開口211を覆うランプカバー212が着脱自在に設けられている。このランプカバー212を取り外すことにより、図示しない光源ランプの交換が容易に行えるようになっている。
また、上面部分210において、後方右側には複数の操作スイッチ214が配列された操作パネル24が設けられている。
【0025】
操作パネル24の前方でかつランプカバー212の側方には、上面部分210から前面部分230にかけて凹部213が形成され、対応して投写レンズ46が配置されている。
ここで、投写レンズ46は、操作レバー465,466を図1中左右方向に移動させることにより、投写レンズ46のズーム操作、フォーカス操作を手動で行えるようになっている。各操作レバー465,466は、左右方向に移動されても、その先端が上面部分210から突出しない程度の長さを有している。凹部213は、投写レンズ46の上面部分が露出する深さとされており、これにより、操作レバー465,466を円滑に操作できるようになっている。
【0026】
上面部分210において、前方側の中央位置および後方側の両隅部の3箇所には、上面部分210から突出する支持フット215が設けられている。つまり、この支持フット215は、操作レバー465,466よりも突出している。支持フット215は、プロジェクタ1を上下ひっくり返して載置する場合に外装ケース2を3点で支持するものであって、これら3つの支持フット215で支持手段としての支持機構60が構成されている。
各支持フット215は、ゴムや合成樹脂等の弾性を有する衝撃緩衝材で形成されて、外装ケース2とは別部材とされている。支持フット215は、半球形状とされ、その平面部分で両面テープを介して上面部分210に取り付けられている。
【0027】
前面部分230において、投写レンズ46(凹部213)が設けられた側の反対側には、後述する電源ユニット3の前方側に位置した排気口231が設けられている。また、この排気口231には、冷却空気を画像投写領域から外れる方向、すなわち図1中左側へ排気するとともに、遮光を兼ねた排気用ルーバ232が設けられている。
【0028】
背面部分240において、2つの背面部21D,23Dに跨る開口241が形成され、この開口241にインターフェースパネル22が取り付けられている。インターフェースパネル22の内部側には、種々のコネクタが実装された図示略のインターフェース基板が配置される。
また、開口241の左右両側には、背面部21D,23Dに跨って音声出力用のスピーカ孔242および吸気口243が設けられている。このうちの吸気口243は、内部の電源ユニット3の後方側に位置している。
また、背面部分240において、開口241とスピーカ孔242との間には、矩形状の開口244が形成され、この開口244からインレットコネクタ33が露出するようになっている。
【0029】
一方の側面部分220(図1)には、コ字形のハンドル29が回動自在に取り付けられている。他方の側面部分220(図2)には、ハンドル29を上側にしてプロジェクタ1を立てた場合の足となる4つのサイドフット221が設けられている。
【0030】
また、下面部分250において、下方から見て前方左側には、矩形上の開口251が形成されている。この開口251は、着脱自在に設けられた吸気口カバー252で覆われ、この吸気口カバー252を通して、外部から冷却空気を吸入するための吸気口253が形成されている。
下面部分250において、前方側の中央位置には、プロジェクタ1の前後方向での傾きを調整して投写画像の位置合わせを行う第1姿勢調整機構27が設けられている。また、後方側の一方の隅部には、前後方向と略直交する左右方向でのプロジェクタ1の傾きを調整する第2姿勢調整機構28が設けられ、他方の隅部には、位置を調整することはできないが、第2姿勢調整機構28に対応したリアフット254が設けられている。
つまり、プロジェクタ1は、第1姿勢調整機構27、第2姿勢調整機構28およびリアフット254により3点で支持されている。
【0031】
図3から図5は、プロジェクタ1の内部を示す斜視図である。具体的には、図3は、図1の状態からプロジェクタ1のアッパーケース21を外した図、図4は、図3の状態からシールド板80、ドライバーボード90、および上ライトガイド472を外して後方側から見た図、図5は、図4の状態から光学ユニット4を外した図である。プロジェクタを構成するこれらの部品4,80,90,472については、以下に詳説する。
【0032】
外装ケース2には、図4,5に示すように、他方の側面部分220に沿って配置された電源ユニット3と、この電源ユニット3の側方に配置された平面略U字形の光学ユニット4とが収容されている。
【0033】
電源ユニット3は、電源31と、この電源31の側方に配置されたランプ駆動回路(バラスト)32とで構成されている。
電源31は、電源ケーブルを通して供給された電力をランプ駆動回路32やドライバーボード90(図3)等に供給するものであり、前記電源ケーブルが差し込まれるインレットコネクタ33を備えている。
ランプ駆動回路32は、光学ユニット4を構成する図4,5では図示しない光源ランプに、電源31から供給された電力を供給するものである。
【0034】
これら電源ユニット3および光学ユニット4は、上下を含む周囲のアルミ製のシールド板80(図3、図5)で覆われており、これによって、電源ユニット3等から外部への電磁ノイズの漏れを防止している。
【0035】
〔2.光学系の詳細な構成〕
図6は、光学ユニット4を示す斜視図である。図7は、光学ユニット4を模式的に示す図である。
光学ユニット4は、図7に示すように、光源ランプ411から出射された光束を、光学的に処理して画像情報に対応した光学像を形成するユニットであり、インテグレータ照明光学系41、色分離光学系42、リレー光学系43、電気光学装置44、クロスダイクロイックプリズム45、および投写光学系としての投写レンズ46を備えている。
【0036】
インテグレータ照明光学系41は、3枚の液晶パネル441(赤、緑、青の色光毎にそれぞれ液晶パネル441R,441G,441Bと示す)の画像形成領域をほぼ均一に照明するための光学系であり、光源装置413と、第1レンズアレイ418と、第2レンズアレイ414と、偏光変換素子415と、第1コンデンサレンズ416と、反射ミラー424と、第2コンデンサレンズ419とを備えている。
【0037】
これらのうち、光源装置413は、放射状の光線を出射する放射光源としての光源ランプ411と、この光源ランプ411から出射された放射光を反射するリフレクタ412とを有する。光源ランプ411としては、ハロゲンランプやメタルハライドランプ、または高圧水銀ランプが用いられることが多い。リフレクタ412としては、放物面鏡を用いている。放物面鏡の他、平行化レンズ(凹レンズ)と共に楕円面鏡を用いてもよい。
【0038】
第1レンズアレイ418は、光軸方向から見てほぼ矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。各小レンズは、光源ランプ411から出射される光束を、複数の部分光束に分割している。各小レンズの輪郭形状は、液晶パネル441の画像形成領域の形状とほぼ相似形をなすように設定されている。たとえば、液晶パネル441の画像形成領域のアスペクト比(横と縦の寸法の比率)が4:3であるならば、各小レンズのアスペクト比も4:3に設定する。
【0039】
第2レンズアレイ414は、第1レンズアレイ418と略同様な構成を有しており、小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。この第2レンズアレイ414は、第1コンデンサレンズ416および第2コンデンサレンズ419とともに、第1レンズアレイ418の各小レンズの像を液晶パネル441上に結像させる機能を有している。
【0040】
偏光変換素子415は、第2レンズアレイ414と第1コンデンサレンズ416との間に配置されるとともに、第2レンズアレイ414と一体でユニット化されている。このような偏光変換素子415は、第2レンズアレイ414からの光を1種類の偏光光に変換するものであり、これにより、電気光学装置44での光の利用効率が高められている。
【0041】
具体的に、偏光変換素子415によって1種類の偏光光に変換された各部分光は、第1コンデンサレンズ416および第2コンデンサレンズ419によって最終的に電気光学装置44の液晶パネル441R,441G,441B上にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネルを用いたプロジェクタでは、1種類の偏光光しか利用できないため、ランダムな偏光光を発する光源ランプ411からの光のほぼ半分が利用されない。
そこで、本実施形態のプロジェクタ1では、偏光変換素子415を用いることにより、光源ランプ411からの出射光を全て1種類の偏光光に変換し、電気光学装置44での光の利用効率を高めている。なお、このような偏光変換素子415は、たとえば特開平8−304739号公報に紹介されている。
【0042】
色分離光学系42は、2枚のダイクロイックミラー421,422と、反射ミラー423とを備え、ダイクロイックミラー421,422によりインテグレータ照明光学系41から出射された複数の部分光束を赤、緑、青の3色の色光に分離する機能を有している。
【0043】
リレー光学系43は、入射側レンズ431、リレーレンズ433、および反射ミラー432、434を備え、色分離光学系42で分離された色光、青色光を液晶パネル441Bまで導く機能を有している。
【0044】
この際、色分離光学系42のダイクロイックミラー421では、インテグレータ照明光学系41から出射された光束の青色光成分と緑色光成分とが透過するとともに、赤色光成分が反射する。ダイクロイックミラー421によって反射した赤色光は、反射ミラー423で反射し、フィールドレンズ417を通って赤色用の液晶パネル441Rに達する。このフィールドレンズ417は、第2レンズアレイ414から出射された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の液晶パネル441G、441Bの光入射側に設けられたフィールドレンズ417も同様である。
【0045】
ダイクロイックミラー421を透過した青色光と緑色光のうちで、緑色光はダイクロイックミラー422によって反射し、フィールドレンズ417を通って緑色用の液晶パネル441Gに達する。一方、青色光はダイクロイックミラー422を透過してリレー光学系43を通り、さらにフィールドレンズ417を通って青色光用の液晶パネル441Bに達する。なお、青色光にリレー光学系43が用いられているのは、青色光の光路の長さが他の色光の光路長さよりも長いため、光の拡散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ431に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ417に伝えるためである。
【0046】
電気光学装置44は、3枚の光変調装置としての液晶パネル441R,441G,441Bを備え、これらは、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として用いたものであり、色分離光学系42で分離された各色光は、これら3枚の液晶パネル441R,441G,441Bによって、画像情報に応じて変調されて光学像を形成する。
【0047】
クロスダイクロイックプリズム45は、3枚の液晶パネルによって変調された画像を合成してカラー画像を形成するものである。なお、クロスダイクロイックプリズム45には、赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿って略X字状に形成され、これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成される。
【0048】
〔3.光学装置および投写レンズの配置〕
図8は、液晶パネル441(441G)と、クロスダイクロイックプリズム45と、投写レンズ46との配置を示す模式図である。
投写レンズ46は、投写レンズ46の光軸に対して液晶パネル441の画像形成領域の中心軸が一定方向(この方向をあおり方向と呼ぶ)にずれた、いわゆる「あおり投写」に使用されるものである。
ここで、投写レンズ46のあおり方向は上方とされている。つまり、プロジェクタ1の上面部分210は、投写レンズ46の光軸に対してあおり方向側の面とされ、プロジェクタ1の下面部分250は、投写レンズ46の光軸に対してあおり方向と反対側の面とされている。
【0049】
クロスダイクロイックプリズム45の光束射出端面の中心軸Aは、投写レンズ46の光軸Bに対して、あおり方向とは反対側であるプロジェクタ1の下方側にずれて配置されている。
また、クロスダイクロイックプリズム45の光束入射端面の入射光束中心軸Aは、液晶パネル441の画像形成領域の入射光束中心軸Cに対して、あおり方向側にずれた位置に配置されている。
【0050】
投写レンズ46は、樹脂製等の鏡筒460内の光路の照明光軸上に5枚4群として構成された1群レンズ461、2群レンズ462、3群レンズ463、および4群レンズ464を備える。
1群レンズ461は、あおり方向に拡大投写するための非球面レンズとされた凹レンズである。2群レンズ462は、光束を調整する凸レンズである。3群レンズ463は、凹レンズ463Aと入射側が非球面レンズとされた凸レンズ463Bとが貼り合わされたバルサムレンズである。4群レンズ464は、画像光をのみこむ凸レンズである。
なお、以上の各レンズ461〜464は、操作レバー465,466を操作することにより、光軸方向の相互位置が変更され、これにより、投写像の倍率変換および焦点調節が行われる。
【0051】
このようなプロジェクタ1において、光源から射出された光束は、液晶パネル441で画像情報に応じて変調されて光学像として形成される。この光学像は、クロスダイクロイックプリズム45の光束入射端面からそれぞれ入射され合成される。この合成光は、クロスダイクロイックプリズム45の光束射出側端面から射出され、投写レンズ46に飲み込まれる。
次に、投写レンズ46において、クロスダイクロイックプリズム45から射出された合成光は、4群レンズ464に入射した後に、バルサムレンズである3群レンズ463で色収差の補正がなされ、第2レンズ462で光量調整されてから、非球面レンズである1群レンズ461で歪曲補正をしながら、あおり方向へ拡大投写される。
【0052】
以上説明した各光学系41〜45は、図4、図6に示すように、合成樹脂製の光学部品用筐体としてのライトガイド47内に収容されている。
このライトガイド47は、前述の各光学部品414〜419,421〜424,431〜434を上方からスライド式に嵌め込む溝部がそれぞれ設けられた下ライトガイド471と、下ライトガイド471の上部の開口側を閉塞する蓋状の上ライトガイド472とで構成されている。
また、ライトガイド47の光出射側にはヘッド部49が形成されている。ヘッド部49の前方側に投写レンズ46が固定され、後方側に液晶パネル441R,441G,441Bが取り付けられたプリズム45が固定されている。
【0053】
〔4.冷却構造〕
本実施形態のプロジェクタ1では、液晶パネル441R,441G,441Bを主に冷却するパネル冷却系Aと、光源ランプ411を主に冷却するランプ冷却系Bと、電源31を主に冷却する電源冷却系Cとを備えている。
図2、図4、図5において、パネル冷却系Aでは、投写レンズ46の両側に配置された一対のシロッコファン51,52が用いられている。シロッコファン51,52によって下面の吸気口253から吸引された冷却空気は、液晶パネル441R,441G,441Bを下方から上方に向けて冷却した後、ドライバーボード90(図3)の下面を冷却しながら前方隅部の軸流排気ファン53側に寄せられ、前面側の排気口231から排気される。
【0054】
図4から図6において、ランプ冷却系Bでは、光学ユニット4の下面に設けられたシロッコファン54が用いられている。シロッコファン54によって引き寄せられたプロジェクタ1内の冷却空気は、上ライトガイド472に設けられた図示しない開口部からライトガイド47内に入り込み、ユニット化された第2レンズアレイ414および偏光変換素子415間を通ってこれらを冷却した後、下ライトガイド471の排気側開口471Aから出て該シロッコファン54に吸引され、吐き出される。吐き出された冷却空気は、下ライトガイド471の吸気側開口471Bから再度ライトガイド47内に入り、光源装置413内に入り込んで光源ランプ411を冷却し、この後、ライトガイド47から出て、前記軸流排気ファン53によって排気口231から排気される。
【0055】
図4において、電源冷却系Cでは、電源31の後方に設けられた軸流吸気ファン55が用いられる。軸流吸気ファン55によって背面側の吸気口243から吸引された冷却空気は、電源31およびランプ駆動回路32を冷却した後、他の冷却系統A,Bと同様に、軸流排気ファン53によって排気口231から排気される。
【0056】
〔5.実施形態の効果〕
上述のような本実施形態によれば、次のような効果がある。
(1)上面部分210に支持機構60を設けたので、上面部分210を下側にしてあおり方向を下方とし、この状態でプロジェクタ1を載置しても、支持フット215で外装ケース2を支持できる。したがって、プロジェクタ1を天井から吊り下げる必要がなく、取り付け工事が不要となる。また、支持フット215を上面部分210に突出して設けたので、下側となった上面部分210と載置面との間に空隙が形成されるから、操作スイッチ214が誤作動することがない。
【0057】
(2)支持フット215を操作レバー465,466よりも突出して設けたので、上面部分210を下側にしてプロジェクタ1を載置しても、操作レバー465,466を載置面に接触させずに操作できる。
【0058】
(3)操作レバー465,466の上面部分が露出するように凹部213を設けたので、操作レバー465,466の長さを短くして上面部分210から突出しないようにしても、円滑に操作できる。
【0059】
(4)支持フット215を衝撃緩衝材で形成したので、シロッコファン51,52,54、排気ファン53等の駆動による振動を緩和できるから、プロジェクタ1の静寂性を向上できる。
【0060】
(5)支持フット215を外装ケース2に両面テープで取り付けたので、支持フット215を簡単に外装ケース2に取り付けることができる。また、外装ケース2に取り付け機構等の複雑な機構が不要なので、あおり方向を上方とした姿勢で使用しても、プロジェクタ1の外観を良好にできる。
【0061】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係るプロジェクタは、支持機構60Aの構成が第1実施形態に係るプロジェクタ1と異なるほか、第1実施形態における第1姿勢調整機構27、第2姿勢調整機構28、リアフット254および支持フット215を有していない。
【0062】
図9は、支持機構60Aの一部を模式的に示す断面図である。
支持機構60Aは、支持部材61と、この支持部材61を進退させる進退機構62とを3組備える。なお、図9には、3組の支持部材61および進退機構62のうち1組のみが示されている。
外装ケース2の上面部分210において、前方側の中央位置および後方側の両隅部(支持フット215と略同じ位置)には、それぞれ貫通孔216が形成されている。各貫通孔216の上面部分210側には、それぞれ、凹部217が形成されている。
下面部分250において、貫通孔216に相対向する位置に貫通孔256が形成されている。各貫通孔256の下面部分250側には、凹部257が形成されている。
また、相対向する貫通孔216と貫通孔256との間には、外装ケース2に固定された2つのナット部63が設けられている。
【0063】
支持部材61は、外装ケース2内に進退可能に支持された軸部材611と、上面部分210および下面部分250を貫通し軸部材611の軸線上を進退可能に支持された2つのフット部材612とを備えている。
軸部材611は、外装ケース2内の相対向する貫通孔216,256同士を結ぶ直線上に配置されている。軸部材611の中央部分は、その外周面に歯が形成されたギア部613とされ、このギア部613を介して軸部材611は回転可能とされている。軸部材611の両端部分(中央部分を除く部分)は、外周面に雄ねじが刻設された雄ねじ部614とされ、ナット部63に螺合されている。これにより、軸部材611は、外装ケース2に支持されるとともに、軸部材611の回転によってその軸方向に進退可能とされている。
【0064】
フット部材612は、相対向する貫通孔216,256を貫通して配置され、外装ケース2の内側に配置される鍔部615と、外装ケース2の外側に配置される円板状の支持部617と、貫通孔216,256を貫通し鍔部615と支持部617とを連結する首部616とを備えている。
鍔部615は、外装ケース2の内面に係止されることにより、フット部材612の外側への移動を規制するものである。支持部617は、フット部材612が軸方向に移動した場合に、凹部217,257に収納されて外装ケース2の上側部分210あるいは下側部分250と略同一平面を構成するとともに、フット部材612の内側への移動を規制するものである。
以上のフット部材612は、軸部材611の軸線上を進退可能に支持されるとともに、外装ケース2から脱落しないようになっている。
【0065】
なお、上述した軸部材611の長さは、各フット部材612が上面部分210および下面部分250から突出しない状態、つまり、支持部617が凹部217,257に収納された状態における、フット部材612同士の間隔に等しい寸法とされている。
【0066】
進退機構62は、高さ調整車621と、この高さ調整車621の回転を軸部材611のギア部613に伝達する輪列622とを備えている。高さ調整車621は、外装ケース2の側面部分220に設けられた切欠き222から露出しており、指で回転可能とされている。
【0067】
以上の支持機構60Aによれば、高さ調整車621を指で回転させると、輪列622およびギア部613を介して、支持部材61の軸部材611が回転し、軸部材611はその軸方向に進退する。
例えば、上面部分210側に軸部材611を前進させると、この軸部材611に押圧されて図9中下側のフット部材612は、鍔部615によって移動が規制されるまで上面部分210から突出する。このとき、図9中上側のフット部材612の支持部617は、凹部257に収納可能となる。
逆に、下面部分250側に軸部材611を前進させると、同様に、図9中上側のフット部材612の支持部617は、下面部分250から突出する。このとき、図9中下側のフット部材612の支持部617は、凹部217に収納可能となる。
さらに、軸部材611の位置を調整することによって、上下のフット部材612の支持部617を、凹部217,257に収納することができる。
【0068】
したがって、本実施形態によれば、第1実施形態で述べた(1)〜(3)の効果に加え、以下の効果がある。
(6)支持機構60Aを設けたので、例えば、軸部材611を軸方向一端側(図9中下側)に前進させるだけで、この一端側のフット部材612を上面部分210から突出させることができるとともに、他端側のフット部材612を下面部分250から引っ込めることができる。これにより、上面部分210を下側にして容易に載置できるとともに、下面部分250を上側にして外観を良好にできる。逆に、支持部材61を軸方向他端側に前進させることにより、下面部分250を下側にして容易に載置できるとともに、上面部分210を上側にして外観を良好にできる。
【0069】
(7)外装ケース2にナット部63を設けたので、軸部材611を進退機構62で回転させるだけで、外装ケース2のナット部63に対して軸部材611が進退し、フット部材611の外装ケース2からの突出寸法を任意に設定できるから、プロジェクタ1の姿勢を容易に調整できる。
【0070】
(8)支持機構60Aを軸部材611とフット部材612とを含んで構成し、軸部材611の長さを、各フット部材612が上面部分210および下面部分250から突出しない状態におけるフット部材612同士の間隔と等しくしたので、相対向するフット部材612を両方とも上面部分210および下面部分250から突出しない状態にできるから、運搬等の使用しない状態でのプロジェクタ1の外観を良好にできる。
【0071】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態に係るプロジェクタは、支持機構60Bの構成が第1実施形態に係るプロジェクタ1と異なるほか、第1実施形態における第1姿勢調整機構27、第2姿勢調整機構28、リアフット254および支持フット215を有していない。
図10は、支持機構60Bの一部を模式的に示す断面図である。
支持機構60Bは、支持部材65と、この支持部材に対応した蓋部材66とを3組備える。なお、図10には、3組の支持部材65および蓋部材66のうち1組のみが示されている。
【0072】
外装ケース2の上面部分210において、前方側の中央位置および後方側の両隅部(支持フット215と略同じ位置)には、それぞれ内周面に雌ねじが刻設された取り付け孔としての貫通孔218が形成されている。各貫通孔218の上面部分210側には、それぞれ、凹部219が形成されている。
下面部分250において、貫通孔218に相対向する位置に、内周面に雌ねじが刻設された取り付け孔としての貫通孔258が形成されている。各貫通孔258の下面部分250側には、凹部259が形成されている。
【0073】
支持部材65は、円板状の支持部651と、この支持部651に垂直に延びて外周面には雄ねじが刻設された軸部652とを備える。各支持部材65は、軸部652で貫通孔218,258に係合、ここでは螺合することにより、上面部分210および下面部分250から突出するとともに、着脱可能とされている。ここでは、貫通孔218に支持部材65が取り付けられている。
蓋部材66は、支持部材65と略同一形状、つまり、円板状の蓋部661と、この蓋部661から垂直に延びる軸部662とを備え、ゴムや合成樹脂等の弾性を有する材料で一体に形成されている。蓋部材66は、貫通孔218,258を塞ぐものであって、軸部662が貫通孔218,258に、蓋部661が凹部219,259に、それぞれ嵌合可能とされている。ここでは、貫通孔258に蓋部材66が取り付けられている。
【0074】
したがって、本実施形態によれば、第1実施形態で述べた(1)〜(3)の効果に加え、以下の効果がある。
(9)上面部分210および下面部分250のうち一方、ここでは上面部分210の貫通孔218に支持部材65を取り付けたので、上面部分210を下側としてプロジェクタ1を載置しても、支持部材65で外装ケース2を支持できる。したがって、プロジェクタ1を天井から吊り下げる必要がなく、取り付け工事が不要となる。また、支持部材65を上面部分210から突出して設けたので、下側となった上面部分210と載置面との間に空隙が形成されるから、操作スイッチ214が誤作動することがない。さらに、下面部分250の貫通孔258に蓋部材66を取り付けたので、プロジェクタ1の外観を良好にできる。
【0075】
(10)外装ケース2の貫通孔218に支持部材65を螺合させたので、支持部材65を外装ケース2に確実に固定できる。また、支持部材65を回転させるだけで、支持部材65の外装ケース2からの突出寸法を任意に設定できるから、プロジェクタ1の姿勢を容易に調整できる。
【0076】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記第1実施形態では、支持フット215を半球形状としたが、これに限らず、略円錐形状から先端部分を切除した形状としてもよい。
【0077】
また、前記第3実施形態では、支持部材65を貫通孔218,258に螺合可能としたが、これに限らず、図11に示すような構成としてもよい。すなわち、外装ケース2には、貫通孔261が形成され、この貫通孔261には、内周面に沿って例えば合成ゴム製のソケット263が嵌め込まれている。支持部材65Aは、支持部材65と同様の構成であるが、軸部652Aに複数の突起264が設けられている。支持部材65Aの軸部652Aをソケット263に挿入することにより、突起264がソケット263の内周面に係合し、支持部材65Aで外装ケース2を支持できる。
また、図12に示すような構成としてもよい。すなわち、外装ケース2には、貫通孔265が形成され、外装ケース2の内側には、ばね266で付勢された2つの挟持部材267が配置されている。支持部材65Bは、支持部材65と同様の構成であるが、軸部652Bには、軸方向に所定間隔おきにステップ溝268が形成されている。支持部材65Bの軸部652Bは貫通孔265に挿入されており、ステップ溝268に挟持部材267が係合されている。これにより、支持部材65Bで外装ケース2を支持できるとともに、この挟持部材267が係合されるステップ溝268を適宜変更して、支持部材65Bの外装ケース2にからの突出寸法を調整できる。
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような効果が得られる。
第1支持面を下側にしてあおり方向を下方とし、この状態でプロジェクタを載置しても、支持手段で外装ケースを支持できる。したがって、プロジェクタを天井から吊り下げる必要がなく、取り付け工事が不要となる。また、支持手段を第1支持面に突出して設けたので、下側となった第1支持面と載置面との間に空隙が形成されるから、スイッチ等が誤作動することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るプロジェクタを上方から見た全体斜視図。
【図2】前記実施形態におけるプロジェクタを下方から見た全体斜視図。
【図3】図1の状態からアッパーケースを外した状態を示す斜視図。
【図4】図3の状態からシールド板、ドライバーボード、および上ライトガイドを外して後方側から見た斜視図。
【図5】図4の状態から光学ユニットを外した状態を示す斜視図。
【図6】前記実施形態における光学ユニットを下方から見た斜視図。
【図7】前記実施形態における光学ユニットを模式的に示す平面図。
【図8】前記実施形態における光学装置および投写レンズの配置を模式的に示す側面図。
【図9】本発明の第2実施形態に係るプロジェクタの支持手段を模式的に示す断面図。
【図10】本発明の第3実施形態に係るプロジェクタの支持手段を模式的に示す断面図。
【図11】本発明の変形例に係る支持手段を模式的に示す断面図。
【図12】本発明の別の変形例に係る支持手段を模式的に示す断面図。
【符号の説明】
1…プロジェクタ、2…外装ケース、46…投写レンズ(投写光学系)、60,60A,60B…支持機構(支持手段)、63…ナット部、66…蓋部材、210…上面部分(第1支持面)、213…凹部、218,258…貫通孔(取り付け孔)、250…下面部分(第2支持面)、441,441R,441G,441B…液晶パネル(光変調装置)、465,466…操作レバー。
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源から射出された光束を変調して光学像を形成する光変調装置と、この光変調装置で形成された光学像を拡大して投写する投写光学系と、前記光変調装置および投写光学系を収容する外装ケースとを備えたプロジェクタに関する。
【0002】
【背景技術】
従来より、プレゼンテーションやホームシアター等の分野において、プロジェクタが利用されている。このようなプロジェクタとしては、例えば、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置と、この光変調装置で形成された光学像を拡大して投写する投写光学系と、前記光変調装置および投写光学系を収容する外装ケースとを備えたものがある。
【0003】
このようなプロジェクタは、例えば、観察者とスクリーンとの間にプロジェクタを配置したときに、観察者がスクリーンを観察するのにプロジェクタが邪魔にならないように、投写領域を投写光学系の光軸に対して一定方向(以降、この方向をあおり方向と呼ぶ)にずらしたいわゆる「あおり投写」を行う構成とされている。この「あおり投写」は、投写光学系の光軸に対して光変調装置の画像形成領域の中心軸をあおり方向とは反対側にずらすことにより実現される。
【0004】
ここで、プロジェクタの上面は、投写光学系の光軸に対してあおり方向側とされ、スイッチ等の操作部が設けられている。また、プロジェクタの下面は、投写光学系の光軸に対してあおり方向と反対側とされている。
【0005】
ところで、ホームシアター等のホームユースの場合、プロジェクタは、例えば次の方法で設置される。まず、プロジェクタからスクリーンまでの投写距離を十分に確保するために、室内の壁面にスクリーンを設置するとともに、このスクリーンに対向する壁面に観察者のためのスペースを確保する。次に、スクリーンと観察者との間にテーブル等の台を設置し、この台の上にプロジェクタを載置する。このプロジェクタは、台上から上方にあおり投写することによって、スクリーン上に画像を形成する。
【0006】
しかし、上述した方法を用いても、スクリーンと対向する壁面に本棚や箪笥等の家具があるため、プロジェクタからスクリーンまでの投写距離を十分に確保できない場合がある。そこで、プロジェクタを上下ひっくり返してあおり方向を下方とした姿勢で、天井から吊り下げる方法や、スクリーンと対向する位置にある家具上に載置する方法が考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、プロジェクタを天井から吊り下げる方法では、天井裏にプロジェクタ支持用の下地材を取り付ける工事が必要になるという課題がある。
一方、プロジェクタを家具上に載置する方法では、プロジェクタをひっくり返すことにより、直接、プロジェクタの上面が載置面に接することになる。よって、スイッチ等が誤作動するという課題がある。
【0008】
本発明の目的は、あおり方向を下方とした場合でも、取り付け工事が不要で誤作動のおそれがないプロジェクタを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のプロジェクタは、光源から射出された光束を、画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置と、この光変調装置で形成された光学像を拡大して投写する投写光学系と、前記光変調装置および投写光学系を収容する外装ケースとを備え、前記投写光学系は、その光軸に対して投写領域の中心軸がずれたあおり方向を有するプロジェクタであって、前記外装ケースは、前記投写光学系の光軸に対してあおり方向側に第1支持面を有し、この第1支持面から突出して設けられ前記外装ケースを支持する支持手段を備えることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、第1支持面を下側にしてあおり方向を下方とし、この状態でプロジェクタを載置しても、支持手段で外装ケースを支持できる。したがって、プロジェクタを天井から吊り下げる必要がなく、取り付け工事が不要となる。また、支持手段を第1支持面に突出して設けたので、下側となった第1支持面と載置面との間に空隙が形成されるから、スイッチ等が誤作動することがない。
【0011】
本発明では、前記支持手段は、前記投写光学系のズーム操作およびフォーカス操作を行うための操作レバーより突出して設けられていることが好ましい。
この発明によれば、第1支持面を下側にしてプロジェクタを載置しても、操作レバーを載置面に接触させずに操作できる。
【0012】
本発明では、前記第1支持面には、凹部が形成され、この凹部に前記操作レバーが配置されていることが好ましい。
この発明によれば、第1支持面に設けた凹部に操作レバーを配置したので、操作レバーの長さを短くして第1支持面からの突出寸法を支持手段より小さくしても、凹部の深さを適宜設定することにより円滑に操作できる。
【0013】
本発明では、前記支持手段は、前記外装ケースとは別部材とされ、衝撃緩衝材で形成されていることが好ましい。
この発明によれば、支持手段を衝撃緩衝材で形成したので、冷却ファン等の駆動による振動を緩和できるから、プロジェクタの静寂性を向上できる。
【0014】
本発明では、前記支持手段は、前記外装ケースに両面テープで取り付けられていることが好ましい。
この発明によれば、前記支持手段を簡単に外装ケースに取り付けることができる。
【0015】
本発明では、前記外装ケースは、前記投写光学系の光軸に対してあおり方向と反対側に第2支持面を有し、前記支持手段は、前記外装ケースに支持されて前記第1支持面および第2支持面を貫通するとともに、その軸方向に進退可能とされていることが考えられる。
この発明によれば、例えば、支持手段を軸方向一端側に前進させるだけで、支持手段を第1支持面から突出させることができるとともに、第2支持面から引っ込めることができる。これにより、第1支持面を下側にして容易に載置できるとともに、第2支持面を上側にして外観を良好にできる。逆に、支持手段を軸方向他端側に前進させることにより、第2支持面を下側にして容易に載置できるとともに、第1支持面を上側にして外観を良好にできる。
【0016】
本発明では、前記外装ケースは、前記支持手段が螺合されるナット部を備えることが好ましい。
この発明によれば、支持手段を回転させるだけで、外装ケースのナット部に対して支持手段が進退し、支持手段の外装ケースからの突出寸法を任意に設定できるから、プロジェクタの姿勢を容易に調整できる。
【0017】
本発明では、前記支持手段は、前記外装ケース内に進退可能に支持された軸部材と、前記第1支持面および第2支持面を貫通し前記軸部材の軸線上を進退可能に支持されたフット部材とを備え、前記軸部材の長さは、前記各フット部材が前記支持面から突出しない状態における前記フット部材同士の間隔以下とされていることが好ましい。
この発明によれば、相対向するフット部材を両方とも支持面から突出していない状態にできるから、運搬等の使用しない状態でのプロジェクタの外観を良好にできる。
【0018】
本発明では、光源から射出された光束を、画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置と、この光変調装置で形成された光学像を拡大して投写する投写光学系と、前記光変調装置および投写光学系を収容する外装ケースとを備え、前記投写光学系は、その光軸に対して投写領域の中心軸がずれたあおり方向を有するプロジェクタであって、前記外装ケースは、前記投写光学系の光軸に対してあおり方向側に第1支持面を有し、前記投写光学系の光軸に対してあおり方向と反対側に第2支持面を有し、前記第1支持面および第2支持面には、それぞれ、これら支持面から突出し前記外装ケースを支持する支持手段が着脱可能な取り付け孔が形成されていることを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、第1支持面および第2支持面のうち一方の取り付け孔に支持手段を取り付けるだけで、この一方の支持面を下側としてプロジェクタを載置しても、支持手段で外装ケースを支持できる。したがって、プロジェクタを天井から吊り下げる必要がなく、取り付け工事が不要となる。また、支持手段を支持面から突出して設けたので、下側となった支持面と載置面との間に空隙が形成されるから、スイッチ等が誤作動することがない。
さらに、他方の支持面の取り付け孔を塞ぐ蓋部材を設ければ、プロジェクタの外観を良好にできる。
【0020】
本発明では、前記支持手段は、前記取り付け孔に係合されて装着されることが好ましい。
この発明によれば、支持手段を外装ケースに確実に固定できる。また、取り付け孔に支持手段を螺合させれば、支持手段を回転させるだけで、支持手段の外装ケースからの突出寸法を任意に設定できるから、プロジェクタの姿勢を容易に調整できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態および変形例において、前記第1実施形態と同一もしくは同様の構成部品については、同一の符号を用い、説明を省略あるいは簡略する。
〔1.プロジェクタの主な構成〕
図1は、本発明の第1実施形態に係るプロジェクタ1を上方から見た斜視図である。図2は、プロジェクタ1を下方から見た斜視図である。
図1または図2に示すように、プロジェクタ1は、射出成形によって成形された略直方体状の外装ケース2を備える。この外装ケース2は、プロジェクタ1の本体部分を収納する合成樹脂製の筐体であり、アッパーケース21と、ロアーケース23とを備え、これらのケース21,23は、互いに着脱自在に構成されている。
なお、アッパーケース21およびロアーケース23は、樹脂製でなくても、他の材質であってもよい。たとえば、マグネシウム、アルミニウム、あるいは、これらを含んだ合金などの金属であってもよい。
【0022】
アッパーケース21は、図1,2に示すように、プロジェクタ1の上面、側面、前面、および背面をそれぞれ構成する上面部21A、側面部21B、前面部21C、および背面部21Dを含んで構成される。
同様に、ロアーケース23も、図1,2に示すように、プロジェクタ1の下面、側面、前面、および背面をそれぞれ構成する下面部23A、側面部23B、前面部23C、および背面部23Dを含んで構成される。
【0023】
したがって、図1,2に示すように、直方体状の外装ケース2において、アッパーケース21およびロアーケース23の側面部21B,23B同士が連続的に接続されて直方体の側面部分220が構成され、同様に、前面部21C,23C同士の接続で前面部分230が、背面部21D,23D同士の接続で背面部分240が、上面部21Aにより第1支持面としての上面部分210が、下面部23Aにより第2支持面としての下面部分250がそれぞれ構成される。
【0024】
図1に示すように、上面部分210において、前方左側には矩形状の開口211が形成されている。開口211には、この開口211を覆うランプカバー212が着脱自在に設けられている。このランプカバー212を取り外すことにより、図示しない光源ランプの交換が容易に行えるようになっている。
また、上面部分210において、後方右側には複数の操作スイッチ214が配列された操作パネル24が設けられている。
【0025】
操作パネル24の前方でかつランプカバー212の側方には、上面部分210から前面部分230にかけて凹部213が形成され、対応して投写レンズ46が配置されている。
ここで、投写レンズ46は、操作レバー465,466を図1中左右方向に移動させることにより、投写レンズ46のズーム操作、フォーカス操作を手動で行えるようになっている。各操作レバー465,466は、左右方向に移動されても、その先端が上面部分210から突出しない程度の長さを有している。凹部213は、投写レンズ46の上面部分が露出する深さとされており、これにより、操作レバー465,466を円滑に操作できるようになっている。
【0026】
上面部分210において、前方側の中央位置および後方側の両隅部の3箇所には、上面部分210から突出する支持フット215が設けられている。つまり、この支持フット215は、操作レバー465,466よりも突出している。支持フット215は、プロジェクタ1を上下ひっくり返して載置する場合に外装ケース2を3点で支持するものであって、これら3つの支持フット215で支持手段としての支持機構60が構成されている。
各支持フット215は、ゴムや合成樹脂等の弾性を有する衝撃緩衝材で形成されて、外装ケース2とは別部材とされている。支持フット215は、半球形状とされ、その平面部分で両面テープを介して上面部分210に取り付けられている。
【0027】
前面部分230において、投写レンズ46(凹部213)が設けられた側の反対側には、後述する電源ユニット3の前方側に位置した排気口231が設けられている。また、この排気口231には、冷却空気を画像投写領域から外れる方向、すなわち図1中左側へ排気するとともに、遮光を兼ねた排気用ルーバ232が設けられている。
【0028】
背面部分240において、2つの背面部21D,23Dに跨る開口241が形成され、この開口241にインターフェースパネル22が取り付けられている。インターフェースパネル22の内部側には、種々のコネクタが実装された図示略のインターフェース基板が配置される。
また、開口241の左右両側には、背面部21D,23Dに跨って音声出力用のスピーカ孔242および吸気口243が設けられている。このうちの吸気口243は、内部の電源ユニット3の後方側に位置している。
また、背面部分240において、開口241とスピーカ孔242との間には、矩形状の開口244が形成され、この開口244からインレットコネクタ33が露出するようになっている。
【0029】
一方の側面部分220(図1)には、コ字形のハンドル29が回動自在に取り付けられている。他方の側面部分220(図2)には、ハンドル29を上側にしてプロジェクタ1を立てた場合の足となる4つのサイドフット221が設けられている。
【0030】
また、下面部分250において、下方から見て前方左側には、矩形上の開口251が形成されている。この開口251は、着脱自在に設けられた吸気口カバー252で覆われ、この吸気口カバー252を通して、外部から冷却空気を吸入するための吸気口253が形成されている。
下面部分250において、前方側の中央位置には、プロジェクタ1の前後方向での傾きを調整して投写画像の位置合わせを行う第1姿勢調整機構27が設けられている。また、後方側の一方の隅部には、前後方向と略直交する左右方向でのプロジェクタ1の傾きを調整する第2姿勢調整機構28が設けられ、他方の隅部には、位置を調整することはできないが、第2姿勢調整機構28に対応したリアフット254が設けられている。
つまり、プロジェクタ1は、第1姿勢調整機構27、第2姿勢調整機構28およびリアフット254により3点で支持されている。
【0031】
図3から図5は、プロジェクタ1の内部を示す斜視図である。具体的には、図3は、図1の状態からプロジェクタ1のアッパーケース21を外した図、図4は、図3の状態からシールド板80、ドライバーボード90、および上ライトガイド472を外して後方側から見た図、図5は、図4の状態から光学ユニット4を外した図である。プロジェクタを構成するこれらの部品4,80,90,472については、以下に詳説する。
【0032】
外装ケース2には、図4,5に示すように、他方の側面部分220に沿って配置された電源ユニット3と、この電源ユニット3の側方に配置された平面略U字形の光学ユニット4とが収容されている。
【0033】
電源ユニット3は、電源31と、この電源31の側方に配置されたランプ駆動回路(バラスト)32とで構成されている。
電源31は、電源ケーブルを通して供給された電力をランプ駆動回路32やドライバーボード90(図3)等に供給するものであり、前記電源ケーブルが差し込まれるインレットコネクタ33を備えている。
ランプ駆動回路32は、光学ユニット4を構成する図4,5では図示しない光源ランプに、電源31から供給された電力を供給するものである。
【0034】
これら電源ユニット3および光学ユニット4は、上下を含む周囲のアルミ製のシールド板80(図3、図5)で覆われており、これによって、電源ユニット3等から外部への電磁ノイズの漏れを防止している。
【0035】
〔2.光学系の詳細な構成〕
図6は、光学ユニット4を示す斜視図である。図7は、光学ユニット4を模式的に示す図である。
光学ユニット4は、図7に示すように、光源ランプ411から出射された光束を、光学的に処理して画像情報に対応した光学像を形成するユニットであり、インテグレータ照明光学系41、色分離光学系42、リレー光学系43、電気光学装置44、クロスダイクロイックプリズム45、および投写光学系としての投写レンズ46を備えている。
【0036】
インテグレータ照明光学系41は、3枚の液晶パネル441(赤、緑、青の色光毎にそれぞれ液晶パネル441R,441G,441Bと示す)の画像形成領域をほぼ均一に照明するための光学系であり、光源装置413と、第1レンズアレイ418と、第2レンズアレイ414と、偏光変換素子415と、第1コンデンサレンズ416と、反射ミラー424と、第2コンデンサレンズ419とを備えている。
【0037】
これらのうち、光源装置413は、放射状の光線を出射する放射光源としての光源ランプ411と、この光源ランプ411から出射された放射光を反射するリフレクタ412とを有する。光源ランプ411としては、ハロゲンランプやメタルハライドランプ、または高圧水銀ランプが用いられることが多い。リフレクタ412としては、放物面鏡を用いている。放物面鏡の他、平行化レンズ(凹レンズ)と共に楕円面鏡を用いてもよい。
【0038】
第1レンズアレイ418は、光軸方向から見てほぼ矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。各小レンズは、光源ランプ411から出射される光束を、複数の部分光束に分割している。各小レンズの輪郭形状は、液晶パネル441の画像形成領域の形状とほぼ相似形をなすように設定されている。たとえば、液晶パネル441の画像形成領域のアスペクト比(横と縦の寸法の比率)が4:3であるならば、各小レンズのアスペクト比も4:3に設定する。
【0039】
第2レンズアレイ414は、第1レンズアレイ418と略同様な構成を有しており、小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。この第2レンズアレイ414は、第1コンデンサレンズ416および第2コンデンサレンズ419とともに、第1レンズアレイ418の各小レンズの像を液晶パネル441上に結像させる機能を有している。
【0040】
偏光変換素子415は、第2レンズアレイ414と第1コンデンサレンズ416との間に配置されるとともに、第2レンズアレイ414と一体でユニット化されている。このような偏光変換素子415は、第2レンズアレイ414からの光を1種類の偏光光に変換するものであり、これにより、電気光学装置44での光の利用効率が高められている。
【0041】
具体的に、偏光変換素子415によって1種類の偏光光に変換された各部分光は、第1コンデンサレンズ416および第2コンデンサレンズ419によって最終的に電気光学装置44の液晶パネル441R,441G,441B上にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネルを用いたプロジェクタでは、1種類の偏光光しか利用できないため、ランダムな偏光光を発する光源ランプ411からの光のほぼ半分が利用されない。
そこで、本実施形態のプロジェクタ1では、偏光変換素子415を用いることにより、光源ランプ411からの出射光を全て1種類の偏光光に変換し、電気光学装置44での光の利用効率を高めている。なお、このような偏光変換素子415は、たとえば特開平8−304739号公報に紹介されている。
【0042】
色分離光学系42は、2枚のダイクロイックミラー421,422と、反射ミラー423とを備え、ダイクロイックミラー421,422によりインテグレータ照明光学系41から出射された複数の部分光束を赤、緑、青の3色の色光に分離する機能を有している。
【0043】
リレー光学系43は、入射側レンズ431、リレーレンズ433、および反射ミラー432、434を備え、色分離光学系42で分離された色光、青色光を液晶パネル441Bまで導く機能を有している。
【0044】
この際、色分離光学系42のダイクロイックミラー421では、インテグレータ照明光学系41から出射された光束の青色光成分と緑色光成分とが透過するとともに、赤色光成分が反射する。ダイクロイックミラー421によって反射した赤色光は、反射ミラー423で反射し、フィールドレンズ417を通って赤色用の液晶パネル441Rに達する。このフィールドレンズ417は、第2レンズアレイ414から出射された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の液晶パネル441G、441Bの光入射側に設けられたフィールドレンズ417も同様である。
【0045】
ダイクロイックミラー421を透過した青色光と緑色光のうちで、緑色光はダイクロイックミラー422によって反射し、フィールドレンズ417を通って緑色用の液晶パネル441Gに達する。一方、青色光はダイクロイックミラー422を透過してリレー光学系43を通り、さらにフィールドレンズ417を通って青色光用の液晶パネル441Bに達する。なお、青色光にリレー光学系43が用いられているのは、青色光の光路の長さが他の色光の光路長さよりも長いため、光の拡散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ431に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ417に伝えるためである。
【0046】
電気光学装置44は、3枚の光変調装置としての液晶パネル441R,441G,441Bを備え、これらは、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として用いたものであり、色分離光学系42で分離された各色光は、これら3枚の液晶パネル441R,441G,441Bによって、画像情報に応じて変調されて光学像を形成する。
【0047】
クロスダイクロイックプリズム45は、3枚の液晶パネルによって変調された画像を合成してカラー画像を形成するものである。なお、クロスダイクロイックプリズム45には、赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿って略X字状に形成され、これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成される。
【0048】
〔3.光学装置および投写レンズの配置〕
図8は、液晶パネル441(441G)と、クロスダイクロイックプリズム45と、投写レンズ46との配置を示す模式図である。
投写レンズ46は、投写レンズ46の光軸に対して液晶パネル441の画像形成領域の中心軸が一定方向(この方向をあおり方向と呼ぶ)にずれた、いわゆる「あおり投写」に使用されるものである。
ここで、投写レンズ46のあおり方向は上方とされている。つまり、プロジェクタ1の上面部分210は、投写レンズ46の光軸に対してあおり方向側の面とされ、プロジェクタ1の下面部分250は、投写レンズ46の光軸に対してあおり方向と反対側の面とされている。
【0049】
クロスダイクロイックプリズム45の光束射出端面の中心軸Aは、投写レンズ46の光軸Bに対して、あおり方向とは反対側であるプロジェクタ1の下方側にずれて配置されている。
また、クロスダイクロイックプリズム45の光束入射端面の入射光束中心軸Aは、液晶パネル441の画像形成領域の入射光束中心軸Cに対して、あおり方向側にずれた位置に配置されている。
【0050】
投写レンズ46は、樹脂製等の鏡筒460内の光路の照明光軸上に5枚4群として構成された1群レンズ461、2群レンズ462、3群レンズ463、および4群レンズ464を備える。
1群レンズ461は、あおり方向に拡大投写するための非球面レンズとされた凹レンズである。2群レンズ462は、光束を調整する凸レンズである。3群レンズ463は、凹レンズ463Aと入射側が非球面レンズとされた凸レンズ463Bとが貼り合わされたバルサムレンズである。4群レンズ464は、画像光をのみこむ凸レンズである。
なお、以上の各レンズ461〜464は、操作レバー465,466を操作することにより、光軸方向の相互位置が変更され、これにより、投写像の倍率変換および焦点調節が行われる。
【0051】
このようなプロジェクタ1において、光源から射出された光束は、液晶パネル441で画像情報に応じて変調されて光学像として形成される。この光学像は、クロスダイクロイックプリズム45の光束入射端面からそれぞれ入射され合成される。この合成光は、クロスダイクロイックプリズム45の光束射出側端面から射出され、投写レンズ46に飲み込まれる。
次に、投写レンズ46において、クロスダイクロイックプリズム45から射出された合成光は、4群レンズ464に入射した後に、バルサムレンズである3群レンズ463で色収差の補正がなされ、第2レンズ462で光量調整されてから、非球面レンズである1群レンズ461で歪曲補正をしながら、あおり方向へ拡大投写される。
【0052】
以上説明した各光学系41〜45は、図4、図6に示すように、合成樹脂製の光学部品用筐体としてのライトガイド47内に収容されている。
このライトガイド47は、前述の各光学部品414〜419,421〜424,431〜434を上方からスライド式に嵌め込む溝部がそれぞれ設けられた下ライトガイド471と、下ライトガイド471の上部の開口側を閉塞する蓋状の上ライトガイド472とで構成されている。
また、ライトガイド47の光出射側にはヘッド部49が形成されている。ヘッド部49の前方側に投写レンズ46が固定され、後方側に液晶パネル441R,441G,441Bが取り付けられたプリズム45が固定されている。
【0053】
〔4.冷却構造〕
本実施形態のプロジェクタ1では、液晶パネル441R,441G,441Bを主に冷却するパネル冷却系Aと、光源ランプ411を主に冷却するランプ冷却系Bと、電源31を主に冷却する電源冷却系Cとを備えている。
図2、図4、図5において、パネル冷却系Aでは、投写レンズ46の両側に配置された一対のシロッコファン51,52が用いられている。シロッコファン51,52によって下面の吸気口253から吸引された冷却空気は、液晶パネル441R,441G,441Bを下方から上方に向けて冷却した後、ドライバーボード90(図3)の下面を冷却しながら前方隅部の軸流排気ファン53側に寄せられ、前面側の排気口231から排気される。
【0054】
図4から図6において、ランプ冷却系Bでは、光学ユニット4の下面に設けられたシロッコファン54が用いられている。シロッコファン54によって引き寄せられたプロジェクタ1内の冷却空気は、上ライトガイド472に設けられた図示しない開口部からライトガイド47内に入り込み、ユニット化された第2レンズアレイ414および偏光変換素子415間を通ってこれらを冷却した後、下ライトガイド471の排気側開口471Aから出て該シロッコファン54に吸引され、吐き出される。吐き出された冷却空気は、下ライトガイド471の吸気側開口471Bから再度ライトガイド47内に入り、光源装置413内に入り込んで光源ランプ411を冷却し、この後、ライトガイド47から出て、前記軸流排気ファン53によって排気口231から排気される。
【0055】
図4において、電源冷却系Cでは、電源31の後方に設けられた軸流吸気ファン55が用いられる。軸流吸気ファン55によって背面側の吸気口243から吸引された冷却空気は、電源31およびランプ駆動回路32を冷却した後、他の冷却系統A,Bと同様に、軸流排気ファン53によって排気口231から排気される。
【0056】
〔5.実施形態の効果〕
上述のような本実施形態によれば、次のような効果がある。
(1)上面部分210に支持機構60を設けたので、上面部分210を下側にしてあおり方向を下方とし、この状態でプロジェクタ1を載置しても、支持フット215で外装ケース2を支持できる。したがって、プロジェクタ1を天井から吊り下げる必要がなく、取り付け工事が不要となる。また、支持フット215を上面部分210に突出して設けたので、下側となった上面部分210と載置面との間に空隙が形成されるから、操作スイッチ214が誤作動することがない。
【0057】
(2)支持フット215を操作レバー465,466よりも突出して設けたので、上面部分210を下側にしてプロジェクタ1を載置しても、操作レバー465,466を載置面に接触させずに操作できる。
【0058】
(3)操作レバー465,466の上面部分が露出するように凹部213を設けたので、操作レバー465,466の長さを短くして上面部分210から突出しないようにしても、円滑に操作できる。
【0059】
(4)支持フット215を衝撃緩衝材で形成したので、シロッコファン51,52,54、排気ファン53等の駆動による振動を緩和できるから、プロジェクタ1の静寂性を向上できる。
【0060】
(5)支持フット215を外装ケース2に両面テープで取り付けたので、支持フット215を簡単に外装ケース2に取り付けることができる。また、外装ケース2に取り付け機構等の複雑な機構が不要なので、あおり方向を上方とした姿勢で使用しても、プロジェクタ1の外観を良好にできる。
【0061】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係るプロジェクタは、支持機構60Aの構成が第1実施形態に係るプロジェクタ1と異なるほか、第1実施形態における第1姿勢調整機構27、第2姿勢調整機構28、リアフット254および支持フット215を有していない。
【0062】
図9は、支持機構60Aの一部を模式的に示す断面図である。
支持機構60Aは、支持部材61と、この支持部材61を進退させる進退機構62とを3組備える。なお、図9には、3組の支持部材61および進退機構62のうち1組のみが示されている。
外装ケース2の上面部分210において、前方側の中央位置および後方側の両隅部(支持フット215と略同じ位置)には、それぞれ貫通孔216が形成されている。各貫通孔216の上面部分210側には、それぞれ、凹部217が形成されている。
下面部分250において、貫通孔216に相対向する位置に貫通孔256が形成されている。各貫通孔256の下面部分250側には、凹部257が形成されている。
また、相対向する貫通孔216と貫通孔256との間には、外装ケース2に固定された2つのナット部63が設けられている。
【0063】
支持部材61は、外装ケース2内に進退可能に支持された軸部材611と、上面部分210および下面部分250を貫通し軸部材611の軸線上を進退可能に支持された2つのフット部材612とを備えている。
軸部材611は、外装ケース2内の相対向する貫通孔216,256同士を結ぶ直線上に配置されている。軸部材611の中央部分は、その外周面に歯が形成されたギア部613とされ、このギア部613を介して軸部材611は回転可能とされている。軸部材611の両端部分(中央部分を除く部分)は、外周面に雄ねじが刻設された雄ねじ部614とされ、ナット部63に螺合されている。これにより、軸部材611は、外装ケース2に支持されるとともに、軸部材611の回転によってその軸方向に進退可能とされている。
【0064】
フット部材612は、相対向する貫通孔216,256を貫通して配置され、外装ケース2の内側に配置される鍔部615と、外装ケース2の外側に配置される円板状の支持部617と、貫通孔216,256を貫通し鍔部615と支持部617とを連結する首部616とを備えている。
鍔部615は、外装ケース2の内面に係止されることにより、フット部材612の外側への移動を規制するものである。支持部617は、フット部材612が軸方向に移動した場合に、凹部217,257に収納されて外装ケース2の上側部分210あるいは下側部分250と略同一平面を構成するとともに、フット部材612の内側への移動を規制するものである。
以上のフット部材612は、軸部材611の軸線上を進退可能に支持されるとともに、外装ケース2から脱落しないようになっている。
【0065】
なお、上述した軸部材611の長さは、各フット部材612が上面部分210および下面部分250から突出しない状態、つまり、支持部617が凹部217,257に収納された状態における、フット部材612同士の間隔に等しい寸法とされている。
【0066】
進退機構62は、高さ調整車621と、この高さ調整車621の回転を軸部材611のギア部613に伝達する輪列622とを備えている。高さ調整車621は、外装ケース2の側面部分220に設けられた切欠き222から露出しており、指で回転可能とされている。
【0067】
以上の支持機構60Aによれば、高さ調整車621を指で回転させると、輪列622およびギア部613を介して、支持部材61の軸部材611が回転し、軸部材611はその軸方向に進退する。
例えば、上面部分210側に軸部材611を前進させると、この軸部材611に押圧されて図9中下側のフット部材612は、鍔部615によって移動が規制されるまで上面部分210から突出する。このとき、図9中上側のフット部材612の支持部617は、凹部257に収納可能となる。
逆に、下面部分250側に軸部材611を前進させると、同様に、図9中上側のフット部材612の支持部617は、下面部分250から突出する。このとき、図9中下側のフット部材612の支持部617は、凹部217に収納可能となる。
さらに、軸部材611の位置を調整することによって、上下のフット部材612の支持部617を、凹部217,257に収納することができる。
【0068】
したがって、本実施形態によれば、第1実施形態で述べた(1)〜(3)の効果に加え、以下の効果がある。
(6)支持機構60Aを設けたので、例えば、軸部材611を軸方向一端側(図9中下側)に前進させるだけで、この一端側のフット部材612を上面部分210から突出させることができるとともに、他端側のフット部材612を下面部分250から引っ込めることができる。これにより、上面部分210を下側にして容易に載置できるとともに、下面部分250を上側にして外観を良好にできる。逆に、支持部材61を軸方向他端側に前進させることにより、下面部分250を下側にして容易に載置できるとともに、上面部分210を上側にして外観を良好にできる。
【0069】
(7)外装ケース2にナット部63を設けたので、軸部材611を進退機構62で回転させるだけで、外装ケース2のナット部63に対して軸部材611が進退し、フット部材611の外装ケース2からの突出寸法を任意に設定できるから、プロジェクタ1の姿勢を容易に調整できる。
【0070】
(8)支持機構60Aを軸部材611とフット部材612とを含んで構成し、軸部材611の長さを、各フット部材612が上面部分210および下面部分250から突出しない状態におけるフット部材612同士の間隔と等しくしたので、相対向するフット部材612を両方とも上面部分210および下面部分250から突出しない状態にできるから、運搬等の使用しない状態でのプロジェクタ1の外観を良好にできる。
【0071】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態に係るプロジェクタは、支持機構60Bの構成が第1実施形態に係るプロジェクタ1と異なるほか、第1実施形態における第1姿勢調整機構27、第2姿勢調整機構28、リアフット254および支持フット215を有していない。
図10は、支持機構60Bの一部を模式的に示す断面図である。
支持機構60Bは、支持部材65と、この支持部材に対応した蓋部材66とを3組備える。なお、図10には、3組の支持部材65および蓋部材66のうち1組のみが示されている。
【0072】
外装ケース2の上面部分210において、前方側の中央位置および後方側の両隅部(支持フット215と略同じ位置)には、それぞれ内周面に雌ねじが刻設された取り付け孔としての貫通孔218が形成されている。各貫通孔218の上面部分210側には、それぞれ、凹部219が形成されている。
下面部分250において、貫通孔218に相対向する位置に、内周面に雌ねじが刻設された取り付け孔としての貫通孔258が形成されている。各貫通孔258の下面部分250側には、凹部259が形成されている。
【0073】
支持部材65は、円板状の支持部651と、この支持部651に垂直に延びて外周面には雄ねじが刻設された軸部652とを備える。各支持部材65は、軸部652で貫通孔218,258に係合、ここでは螺合することにより、上面部分210および下面部分250から突出するとともに、着脱可能とされている。ここでは、貫通孔218に支持部材65が取り付けられている。
蓋部材66は、支持部材65と略同一形状、つまり、円板状の蓋部661と、この蓋部661から垂直に延びる軸部662とを備え、ゴムや合成樹脂等の弾性を有する材料で一体に形成されている。蓋部材66は、貫通孔218,258を塞ぐものであって、軸部662が貫通孔218,258に、蓋部661が凹部219,259に、それぞれ嵌合可能とされている。ここでは、貫通孔258に蓋部材66が取り付けられている。
【0074】
したがって、本実施形態によれば、第1実施形態で述べた(1)〜(3)の効果に加え、以下の効果がある。
(9)上面部分210および下面部分250のうち一方、ここでは上面部分210の貫通孔218に支持部材65を取り付けたので、上面部分210を下側としてプロジェクタ1を載置しても、支持部材65で外装ケース2を支持できる。したがって、プロジェクタ1を天井から吊り下げる必要がなく、取り付け工事が不要となる。また、支持部材65を上面部分210から突出して設けたので、下側となった上面部分210と載置面との間に空隙が形成されるから、操作スイッチ214が誤作動することがない。さらに、下面部分250の貫通孔258に蓋部材66を取り付けたので、プロジェクタ1の外観を良好にできる。
【0075】
(10)外装ケース2の貫通孔218に支持部材65を螺合させたので、支持部材65を外装ケース2に確実に固定できる。また、支持部材65を回転させるだけで、支持部材65の外装ケース2からの突出寸法を任意に設定できるから、プロジェクタ1の姿勢を容易に調整できる。
【0076】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記第1実施形態では、支持フット215を半球形状としたが、これに限らず、略円錐形状から先端部分を切除した形状としてもよい。
【0077】
また、前記第3実施形態では、支持部材65を貫通孔218,258に螺合可能としたが、これに限らず、図11に示すような構成としてもよい。すなわち、外装ケース2には、貫通孔261が形成され、この貫通孔261には、内周面に沿って例えば合成ゴム製のソケット263が嵌め込まれている。支持部材65Aは、支持部材65と同様の構成であるが、軸部652Aに複数の突起264が設けられている。支持部材65Aの軸部652Aをソケット263に挿入することにより、突起264がソケット263の内周面に係合し、支持部材65Aで外装ケース2を支持できる。
また、図12に示すような構成としてもよい。すなわち、外装ケース2には、貫通孔265が形成され、外装ケース2の内側には、ばね266で付勢された2つの挟持部材267が配置されている。支持部材65Bは、支持部材65と同様の構成であるが、軸部652Bには、軸方向に所定間隔おきにステップ溝268が形成されている。支持部材65Bの軸部652Bは貫通孔265に挿入されており、ステップ溝268に挟持部材267が係合されている。これにより、支持部材65Bで外装ケース2を支持できるとともに、この挟持部材267が係合されるステップ溝268を適宜変更して、支持部材65Bの外装ケース2にからの突出寸法を調整できる。
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような効果が得られる。
第1支持面を下側にしてあおり方向を下方とし、この状態でプロジェクタを載置しても、支持手段で外装ケースを支持できる。したがって、プロジェクタを天井から吊り下げる必要がなく、取り付け工事が不要となる。また、支持手段を第1支持面に突出して設けたので、下側となった第1支持面と載置面との間に空隙が形成されるから、スイッチ等が誤作動することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るプロジェクタを上方から見た全体斜視図。
【図2】前記実施形態におけるプロジェクタを下方から見た全体斜視図。
【図3】図1の状態からアッパーケースを外した状態を示す斜視図。
【図4】図3の状態からシールド板、ドライバーボード、および上ライトガイドを外して後方側から見た斜視図。
【図5】図4の状態から光学ユニットを外した状態を示す斜視図。
【図6】前記実施形態における光学ユニットを下方から見た斜視図。
【図7】前記実施形態における光学ユニットを模式的に示す平面図。
【図8】前記実施形態における光学装置および投写レンズの配置を模式的に示す側面図。
【図9】本発明の第2実施形態に係るプロジェクタの支持手段を模式的に示す断面図。
【図10】本発明の第3実施形態に係るプロジェクタの支持手段を模式的に示す断面図。
【図11】本発明の変形例に係る支持手段を模式的に示す断面図。
【図12】本発明の別の変形例に係る支持手段を模式的に示す断面図。
【符号の説明】
1…プロジェクタ、2…外装ケース、46…投写レンズ(投写光学系)、60,60A,60B…支持機構(支持手段)、63…ナット部、66…蓋部材、210…上面部分(第1支持面)、213…凹部、218,258…貫通孔(取り付け孔)、250…下面部分(第2支持面)、441,441R,441G,441B…液晶パネル(光変調装置)、465,466…操作レバー。
Claims (10)
- 光源から射出された光束を、画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置と、この光変調装置で形成された光学像を拡大して投写する投写光学系と、前記光変調装置および投写光学系を収容する外装ケースとを備え、
前記投写光学系は、その光軸に対して投写領域の中心軸がずれたあおり方向を有するプロジェクタであって、
前記外装ケースは、前記投写光学系の光軸に対してあおり方向側に第1支持面を有し、
この第1支持面から突出して設けられ前記外装ケースを支持する支持手段を備えることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
前記支持手段は、前記投写光学系のズーム操作およびフォーカス操作を行うための操作レバーより突出して設けられていることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項2に記載のプロジェクタにおいて、
前記第1支持面には、凹部が形成され、
この凹部に前記操作レバーが配置されていることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1から3のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
前記支持手段は、前記外装ケースとは別部材とされ、衝撃緩衝材で形成されていることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項4に記載のプロジェクタにおいて、
前記支持手段は、前記外装ケースに両面テープで取り付けられることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1から3のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
前記外装ケースは、前記投写光学系の光軸に対してあおり方向と反対側に第2支持面を有し、
前記支持手段は、前記外装ケースに支持されて前記第1支持面および第2支持面を貫通するとともに、その軸方向に進退可能とされていることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項6に記載のプロジェクタにおいて、
前記外装ケースは、前記支持手段が螺合されるナット部を備えることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項6または7に記載のプロジェクタにおいて、
前記支持手段は、前記外装ケース内に進退可能に支持された軸部材と、前記第1支持面および第2支持面を貫通し前記軸部材の軸線上を進退可能に支持されたフット部材とを備え、前記軸部材の長さは、前記各フット部材が前記支持面から突出しない状態における前記フット部材同士の間隔以下とされていることを特徴とするプロジェクタ。 - 光源から射出された光束を、画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置と、この光変調装置で形成された光学像を拡大して投写する投写光学系と、前記光変調装置および投写光学系を収容する外装ケースとを備え、
前記投写光学系は、その光軸に対して投写領域の中心軸がずれたあおり方向を有するプロジェクタであって、
前記外装ケースは、前記投写光学系の光軸に対してあおり方向側に第1支持面を有し、前記投写光学系の光軸に対してあおり方向と反対側に第2支持面を有し、
前記第1支持面および第2支持面には、それぞれ、これら支持面から突出し前記外装ケースを支持する支持手段が着脱可能な取り付け孔が形成されていることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項9に記載のプロジェクタにおいて、
前記支持手段は、前記取り付け孔に係合されて装着されることを特徴とするプロジェクタ。
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