JP2004083951A - 低熱膨張合金、低熱膨張部材およびそれらの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の低熱膨張合金は、全体を100at%としたときに、Nb等のVa族元素を20〜30at%と、残部がTi等のIVa族元素と不可避不純物とからなることを特徴とする。
従来の低熱膨張合金とは全く異なる上記組成からなる合金が、低熱膨張特性を示すことが分った。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主にVa族元素とIVa族元素とからなる低熱膨張合金および低熱膨張部材とそれらの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
測定装置のような高精度が要求される製品や部材は勿論のこと、一般的な電子・電気分野、機械分野、化学分野等の製品、部材、構造体等であっても、多くの場合、温度変化によって生じる熱膨張が少ない程、好ましい。この熱膨張を低減することにより、測定精度や信頼性等の確保、作動音等の低減、疲労破壊の抑制、異種部材の接合部等での接合強度の確保、各種製品の設計自由度の拡大等が望める。このような観点から、従来から多種多様な低熱膨張合金が提案されてきた。具体的には次のようなものである。
【0003】
先ず、代表的な低熱膨張合金として、Fe−Ni系合金(一般的なインバー合金)またはFe−Pt系合金等の強磁性合金が挙げられる。また、同じ強磁性合金として、Fe−B系合金またはFe−P系合金、Fe−Zr系合金等のFe基アモルファス合金もある。また、反強磁性な低熱膨張合金として、Cr−Mn−Fe系合金、Cr−Fe−Ir系合金、Cr−Fe−4d遷移金属(Ru、Rh、Pd)系合金等のCr系合金が挙げられる。さらに、非磁性な低熱膨張合金として、Ni−Ti系合金、Cu−Zn系合金、Cu−Al系合金、Cu−Sn系合金等のマルテンサイト変態による形状記憶合金が挙げられる。
これらの低熱膨張合金に関する出願も多数されている。例えば、特開昭和50−125908号公報、特公平4−57739号公報、特公平4−65139号公報、特開平9−293305号公報、特開2002−38236号公報、特開2002−105561号公報等に、低熱膨張合金に関する開示がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のように従来から提案されているいずれの低熱膨張合金中にも、Va族元素とIVa族元素とを主成分にしたものは存在しない。
本発明は、このVa族元素とIVa族元素を主成分にした、従来とは全く異なる組成からなる低熱膨張合金を提供することを目的とする。また、その低熱膨張合金からなる低熱膨張部材と、それらの製造方法をも併せて提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明者は、低熱膨張部材について鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、上記のVa族元素とIVa族元素とを主成分とする特定の合金が低熱膨張特性を発現することを新たに見出し、この知見を発展させることにより、以下の発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の低熱膨張合金は、全体を100at%としたときに、Va族元素を20〜30at%と、残部がIVa族元素と不可避不純物とからなることを特徴とする。
【0006】
この組成からなる合金が、何故、低熱膨張特性を示すのか現状定かではない。また、上記範囲内にある合金であっても、組成の相違により、低熱膨張特性の発現する温度範囲や、熱膨張係数αの値は異なり得る。本発明者は、現在も、種々の組成からなる合金の低熱膨張特性を調査しつつ、その理由の解明を鋭意研究中である。
ここで、Va族元素が20at%未満でも、30at%を超えても、十分な低熱膨張特性が得られない。
なお、本明細書中では、特に断らない限り、「x〜y」という数値範囲は、下限値xと上限値yとを含む。
【0007】
また、侵入型元素であるO、NまたはCを所定量含有した合金も、低熱膨張特性を発現し得る。すなわち、本発明の低熱膨張合金は、O、NまたはCのいずれか一種以上を合計で6at%以下含んでいても良い。本発明の低熱膨張合金の使用部材によっては強度の確保等が必要となるところ、O等の添加により、安定した強度等が維持されるので好ましい。
ここで、O等は少しでも含まれているとそれなりに強度が向上するため、O等の下限値を定めるのは困難であるが、敢ていうなら0.001at%以上となる。もっとも、使用原料や製造方法によって、O等が不可避不純物として含有されることも多い。それを考慮すると、O等の下限値は0.1at%程度となる。
【0008】
ところで、Va族元素はバナジウム(V)、Nb、Taであり、IVa族元素はTi、Zrおよびハフニウム(Hf)である。本発明では、それらの組合わせが限定される訳ではないが、現状、Va族元素としてNbおよび/またはTa、IVa族元素としてTiおよび/またはZrが好ましいと思われる。
優れた低熱膨張特性を得るために、前述したVa族元素の組成範囲を前提として、Va族元素であるNbが0〜30at%、より望ましくは15〜30at%、Taが0〜30at%、より望ましくは0〜15at%程度であると好ましい。また、IVa族元素は、Zrが0〜50at%、より望ましくは0〜10at%、Hfが0〜10at%で、残部がTiであると好ましい。
【0009】
本発明の低熱膨張合金は、低熱膨張特性の向上の他、所望する強度、剛性、弾性変形能、磁性等を併せて得る為に、適宜、Al、Sn、Cr、Mo、Mn、Fe、Co、Ni、W等の元素を適宜含有しても良い。
【0010】
また、本発明でいう「低熱膨張」とは、Va族元素とIVa族元素とを主成分とする従来の合金よりも熱膨張係数αが小さいことを意味し、その具体的な数値が限定されるものではない。もっとも、低熱膨張合金としての用途を考えて、熱膨張係数αは、|α|が5x10−6/K以下、さらには、4x10−6/K以下、3x10−6/K以下であると好ましい。
本発明の低熱膨張合金はその形態を問わない。素材(鋳塊、スラブ、ビレット、焼結体、圧延品、鍛造品、線材、棒材、角材、板材、箔材、繊維、織物等)であっても、それを加工した部材(例えば、中間加工品、最終製品等)であっても良い。その結果、後述の低熱膨張部材は、この低熱膨張合金の一形態といえる。
【0011】
(低熱膨張部材)
本発明は、上記低熱膨張合金に限らず、同組成の合金素材に適宜加工を施して、所望形状とした低熱膨張部材としても把握できる。
すなわち、本発明は、全体を100at%としたときに、Va族元素を20〜30at%と残部がIVa族元素と不可避不純物とからなる低熱膨張合金を少なくとも一部に含むことを特徴とする低熱膨張部材とも考えられる。
この場合も、その低熱膨張合金がO、NまたはCのいずれか一種以上を合計で6at%以下含んでいても良い。
【0012】
低熱膨張部材の形態、形状は、その用途に応じて決定される。本発明では、その具体的な形態等までは問わない。例えば、その低熱膨張部材は、製品全体または部品全体が上記低熱膨張合金で鋳造、成形等されたものであっても良いし、製品や部品の一部にその低熱膨張合金が塊状、板状、膜状、線状、繊維状等として併設、混在等されていても良い。
【0013】
(製造方法)
さらに、本発明は、上記低熱膨張合金や低熱膨張部材の製造方法としても把握できる。
先ず、本発明は、全体を100at%としたときに、Va族元素を20〜30at%と残部がIVa族元素と不可避不純物とからなる合金素材を製造する素材製造工程と、得られた合金素材に冷間加工を施す冷間加工工程と、を備える低熱膨張合金の製造方法と把握しても良い。
【0014】
次に、本発明は、全体を100at%としたときに、Va族元素を20〜30at%と残部がIVa族元素と不可避不純物とからなる合金素材に、少なくとも冷間加工を施して所望形状の低熱膨張部材とする加工工程を備える低熱膨張部材の製造方法と把握しても良い。
【0015】
いずれの場合も、その合金素材がO、NまたはCのいずれか一種以上を合計で6at%以下含んでいても良い。
ここでいう加工工程は、単に冷間加工を施す場合に限らず、熱間加工後に冷間加工を行ったり、切削加工と冷間加工とを組合わせたもの等でも良い。また、低熱膨張合金および低熱膨張部材の両製造方法では、冷間加工を行っているが、これは、本発明の低熱膨張合金等を得る上で冷間加工が必須であることを意味するものではない。
なお、上記低熱膨張部材および各製造方法についても、低熱膨張合金について説明した内容が適宜該当する。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。なお以下では、低熱膨張合金について主に説明するが、その内容は低熱膨張部材およびそれらの製造方法についても適宜該当することを断っておく。
(1)合金組成
▲1▼任意元素
本発明に係る低熱膨張合金の必須元素は、前述したIVa族元素とVa族元素であるが、前述したO等の侵入型元素の他、Al、Sn、Cr、Mo、Mn、Fe、Co、Ni、W等の元素をさらに含有しても良い。これにより、低熱膨張特性の向上、強度、剛性等の機械的特性の改善が図られる。
【0017】
CrとMoは、合金の強度と熱間鍛造性とを向上させる元素である。熱間鍛造性の向上により、低熱膨張部材の生産性や歩留まりが向上する。但し、これらの元素が多くなると(例えば、10at%を超えると)、材料偏析が生じ易くなり、少ないと上記効果が発揮されない。固溶強化による強度等の向上を図る上で、合計含有量が0.5〜5at%であると良い。
【0018】
Mn、Fe、Co、Niは、Mo等と同様、強度と熱間鍛造性を向上させる上で有効な元素である。従って、Mo、Cr等の代わりにまたはそれらと共に、Mn等を含有させても良い。但し、それらの元素が多くなると、主成分(残部)である金属と金属間化合物を形成して延性の低下を招き、少ないと上記効果が発揮されない。強度等の向上を図る上で、合計含有量が0.3〜10at%であると良い。
【0019】
Snも、低熱膨張合金の強度向上に有効な元素である。Snが多くなると、延性の低下を招き、少ないと上記効果が発揮されない。強度等の向上を図る上で、含有量が1〜10at%であると良い。
【0020】
Alも、低熱膨張合金の強度向上に有効な元素である。Alが多くなると、延性の低下を招き、少ないと上記効果が発揮されない。強度等の向上を図る上で、含有量が0.5〜12at%であると良い。なお、AlとSnとを共に添加すると、低熱膨張合金の靱性低下を抑制しつつ、強度向上を図れる。
【0021】
これらの含有元素は、1種でも2種以上でも良いが、全合計で12at%以下であることが好ましい。
また、各含有元素の合金中での存在形態は問わない。固溶状態にあっても良いし、化合物を形成して析出状態にあっても良い。さらには、強化粒子として合金中に混在した状態にあっても良い。特に、セラミックス粒子等と複合材料(MMC)を構成していると、一層の低熱膨張化、高強度化が図られる。例えば、本発明の低熱膨張合金がTiを主成分とし、ホウ素(B)を含有している場合を考える。Bは、チタン合金中に殆ど固溶せず、そのほぼ全量がチタン化合物粒子(TiB粒子等)として析出する。この析出粒子はチタン合金の結晶粒成長を著しく抑制して、チタン合金の組織を微細に維持する。その結果、低熱膨張合金(チタン合金)の機械的特性および熱間加工性とが向上し得る。この場合、Bが0.2〜6.0at%であると好ましい。Bが少ないと上記効果が得られず、多いとTiBが多量に晶出して延性を低下させるからである。
【0022】
▲2▼パラメータによる組成の特定
本発明の低熱膨張合金等または合金素材に係る組成は、原子比(またはmol比)でいうと前述した通りである。これに加えて、その合金組成を、次のようなパラメータを導入して特定することも可能である。これらのパラメータにより、低熱膨張合金の組成をより明確化できる。
すなわち、本発明の低熱膨張合金等が、DV−Xαクラスタ法により求まるパラメータであるd電子軌道のエネルギーレベルMdに関し置換型元素の組成平均値が2.430≦Md≦2.490、結合次数Boに関し置換型元素の組成平均値が2.860≦Bo≦2.900かつ価電子数e/aに関し置換型元素の組成平均値が4.22≦e/a≦4.26である特定組成からなると好ましい。
【0023】
上記のうち、d電子軌道のエネルギーレベルMd、結合次数Boは、DV−Xαクラスタ法により求められる置換型(合金)元素固有のパラメータである。この置換型元素は、例えば、本発明でいう「残部」に相当する元素以外のIVa族元素およびVa族元素である。
【0024】
ここでDV−Xαクラスタ法とは、分子軌道法の一種であり、合金元素の回りの局所的な電子状態を巧みにシミュレートできる方法である(参考文献;量子材料化学入門、足立裕彦著、三共出版(1991年))。
具体的には、各結晶格子に対応したクラスター(結晶中の仮想分子)を用いて模型を作成し、中心の置換型合金元素Mを変えて、Mと母合金X(本件の場合、XはTi等の上記「残部」を構成するIVa族元素となる。)との化学結合の様子を調べる。そして、DV−Xαクラスタ法は、合金成分としてのMが母合金中で示す個性を表す合金パラメータを求める手法である。遷移金属を主体とする材料に限れば、d電子軌道のエネルギーレベルMd(の組成平均値)、結合次数Bo(の組成平均値)のパラメータが、実用上有効であると言われている。
【0025】
なお、d電子軌道のエネルギーレベルMdは、置換型合金元素Mのd軌道のエネルギーレベルを示し、原子の電気陰性度や原子半径と相関をもっているパラメータである。結合次数Boは、母合金元素Xと置換型合金元素Mの間の電子雲の重なり度合を表すパラメータである。
【0026】
一方、価電子数e/aは、合金中の1原子あたりの荷電数を示す価電子濃度である。これは、rigit bandモデルに基づき、フェルミ面とブリルアン・ゾーンとの接触によるエネルギーの安定性を示すパラメータである。
前述したように、詳細な理由は定かではないが、2.430≦Md≦2.490、2.860≦Bo≦2.900、4.22≦e/a≦4.26となる、複数の元素から本発明の低熱膨張合金等が構成されるとき、優れた低熱膨張特性が得られた。
そして、2.440≦Md≦2.470、2.865≦Bo≦2.885さらには2.870≦Bo≦2.880であるとより好ましい。
【0027】
(2)製造方法
▲1▼溶製法と焼結法
本発明に係る低熱膨張合金や合金素材は、溶解、鋳造を経る溶製法、金属粉末(原料粉末)を焼結させる焼結法等、いずれの方法で製造されても良い。溶製法には、アーク溶解法、プラズマ溶解法、インダクションスカル法、浮遊溶解法等がある。焼結法には、CIP法(冷間静水圧成形法)またはRIP法(ゴム型静水圧成形法)により成形した粉末成形体を加熱焼結させたり、HIP法(熱間静水圧成形法)により金属粉末を成形焼結させたりする方法がある。勿論、原料粉末を成形用金型に充填し(充填工程)、それを加圧成形して得た粉末成形体を(成形工程)、加熱、焼結させても良い(加熱工程)。このとき使用する原料粉末は、素粉末を混合して所望の組成に調製した混合粉末でも、合金粉末を所望の組成に調製したものでも良い。焼結材を使用する場合、その密度に応じて適宜、組織を緻密化させるために、熱間鍛造等の熱間加工を施しても良い。
【0028】
なお、低熱膨張合金がTiを主成分とする場合、溶解法を用いると、特殊な装置を必要としたり、ときには多重溶解等を行う必要もある。また、溶解中の組成コントロールも難しく、Va族元素等を比較的多く含有する本発明の低熱膨張合金の場合、溶解・鋳造時にマクロ的な成分の偏析等が生じ易い。この点、焼結法を用いると、均質な低熱膨張合金が比較的容易に得られる。
但し、組織が均質的であるか偏析的であるかということと、低熱膨張特性の発現との因果関係は現状明らかではない。
【0029】
▲2▼冷間加工
本発明者の研究によると、現状、特定組成からなる合金素材に、適当な冷間加工を施すと、低熱膨張特性がより発現され易いことが確認されている。この冷間加工の程度は、次の冷間加工率を指標とすることができる。
冷間加工率 = (S0−S)/S0 x100(%)、
(S0:冷間加工前の断面積、S:冷間加工後の断面積)
この冷間加工率が10%以上であることが低熱膨張特性を得る上で好ましいと思われる。
【0030】
但し、現状、冷間加工を施すことが低熱膨張合金を得る上で必須とは断言できない。前述の組成範囲にある低熱膨張合金には、冷間加工を施さなくても低熱膨張特性を示すものが存在する可能性もあり得る。なお、「冷間」とは、合金の再結晶温度(再結晶を起す最低の温度)以下を意味する。
また、冷間加工は、低熱膨張特性を付与するために特別に行うものでなくても良い。つまり、上記組成の合金素材を各種部材形状に成形等する際に、併せて行っても良い。いずれにしても、冷間加工率の合計が上記10%以上となる冷間加工が施されていれば十分である。そして、この範囲内で、冷間加工率を調整することにより、得られる合金の熱膨張係数αを調整することも可能である。
さらに、少なくともIVa族元素であるTiを主成分とする低熱膨張合金の場合、冷間加工性に非常に優れるため、各種部材の歩留りが高く、生産性の向上をも併せて図れる。
【0031】
▲3▼熱処理
溶製材、焼結材を問わず、組織の均質化、各種特性改善のために、適切な熱処理を施しても良い。このような熱処理に、例えば、溶体化処理、時効処理等がある。溶体化処理は、組織の均質化の点で好ましい。また、時効処理は、高強度化の点で好ましい。ここで前述した冷間加工を施す場合、時効処理はその冷間加工後でも良いが、溶体化処理は冷間加工前に行うのが良い。冷間加工後に溶体化処理を行うと、冷間加工により合金内に付与された加工歪が喪失され、低熱膨張の発現に影響すると思われるからである。
【0032】
(3)特性
本発明の低熱膨張合金中には、低熱膨張特性と併せて、いくつか別の特性をもつものが存在する。組成の相違により、複数の異なる特性をもつ低熱膨張合金もあれば、そうでない合金もある。勿論、本発明の組成範囲に含まれる全ての低熱膨張合金が、別の際だった特性をもつ必要はない。
▲1▼低熱膨張特性
本発明の低熱膨張合金であっても、あらゆる温度範囲において熱膨張係数αが小さいとは限らない。選択する組成や製法等により、通常、熱膨張係数αが小さくなる温度範囲(低熱膨温度範囲)は特定されてくる。このときの温度範囲(温度幅)やその中心温度等が本発明では特に限定される訳ではない。
もっとも、その温度範囲が広く、また、その中心温度が室温付近である程、その低熱膨張合金の利用範囲は拡大される。そこで、例えば、|α|が5x10−6/K以下となるような低熱膨温度範囲が、例えば、273〜323Kであると好適である。
【0033】
温度変動の大きな環境下で使用される製品、部品等に本発明の低熱膨張合金を使用する場合、必ずしも、低熱膨温度範囲内でだけの使用になるとは限らない。しかし、その低熱膨温度範囲を含む範囲で使用される限り、全体的な熱膨張は他の合金等を使用した場合に比べて低減される。つまり、熱膨張係数の平均値αmは小さくなる。従って、上記低熱膨温度範囲を超えて使用される部材等であっても、本発明の低熱膨張合金等を使用するメリットは十分にある。
温度変動には、温度上昇過程と温度降下過程とが考えられる。本発明の低熱膨張合金は、少なくとも一方で熱膨張係数αが小さければ足る。温度が変動する環境下で本発明の合金を使用する場合を考えると、両過程で熱膨張係数αが小さい方が好ましい。つまり、熱膨張係数αの変化が可逆的である方が好ましい。但し、この可逆的な範囲は、熱膨張係数αの安定領域であれば十分である。
【0034】
▲2▼恒弾性特性(エリンバー特性)
これまで、温度変化に伴う伸び変化が少ない(熱膨張係数αの小さい)低熱膨張特性(インバー特性)について説明してきた。これと共に語られる特性として恒弾性特性(エリンバー特性)がある。これは、温度が変化しても縦弾性係数(ヤング率)Eの変化が少ないという特性である。勿論、横弾性係数Gについても同様である。
もっとも、上記両特性の発生メカニズムは必ずしも共通せず、現に、Fe−B系アモルファス合金、Cr基反強磁性合金等を除いて、両特性を比較的広い温度範囲で満足するものは少ない。
【0035】
ところが、本発明の低熱膨張合金中には、低熱膨張特性のみならず、この恒弾性特性をも併せもつものが存在する。例えば、Ti−Nb−Ta−Zr合金である(後述の実施例中で詳述する)。このヤング率Eの温度係数は、−20x10−5〜20x10−5(1/K)と小さい。また、この恒弾性特性が、例えば、73〜573Kという広い温度範囲で生じる。特に、Ti−23Nb−0.7Ta−2.0Zr合金(単位:at%)の場合、73〜373Kという温度範囲で、低熱膨張特性および恒弾性特性を発現するため、その利用用途は一層拡大したものとなる。
【0036】
▲3▼機械的特性
組成、製法、熱処理等を適切に選択することにより、本発明の低熱膨張合金の機械的特性(強度、剛性、伸び等)を改善できる。例えば、Tiを主成分(残部)とした低熱膨張合金の場合、高強度な合金を得ることも、低剛性な合金を得ることも、高弾性変形能な合金を得ることも可能である。このため、合金の設計自由度は相当広いものとなる。また、そのTi系合金は、伸びが大きく、冷間加工性に優れるものも多いことから、生産性の向上も図れる。なお、弾性変形能とは、引張弾性限内における伸びを意味する。
【0037】
▲4▼耐蝕性
Tiを主成分(残部)とした低熱膨張合金の場合、さらに、耐蝕性にも非常に優れたものとなる。このため、耐蝕性の点から従来適用することが難しかった部材等に、Ti系の低熱膨張合金を適用すると好適である。
【0038】
▲5▼磁性
本発明の低熱膨張合金は、非磁性か不感磁性かは必ずしも定かではないが、強磁性でないことは確かである。このため、製品の性質上、強磁性であることが好ましくない製品や部品に、本発明の低熱膨張合金を適用すると好適である。
この他、Ti系低熱膨張合金等は、熱伝導性が低いことから、断熱材等にも有効である。
【0039】
(4)用途
本発明の低熱膨張合金(低熱膨張部材を含む)は、温度変化の生じる環境下で使用される部品、製品、装置、構造物等に使用されると好ましい。これにより、その製品等の特性に応じて求められる精度の確保、熱応力の繰返しによる疲労破壊の防止、冷間時または温間時に生じるクリアランス変動の低減、温度変化による熱膨張を前提として確保されるクリアランス量の縮小、それらのクリアランスの適正化による作動音の減少等を達成できる。さらに、恒弾性特性、機械的特性、耐蝕性等を兼ね備える低熱膨張合金等を利用すると、その用途は一層拡大したものとなる。
【0040】
より具体的には、次に挙げるようなものに本発明の低熱膨張合金が利用されると好ましい。なお、本発明の低熱膨張合金は、部品等の全体に使用されても良いし、その一部に使用されても良い。また、他の材料と複合材を形成していても良い。例えば、低熱膨張合金を繊維状にして、それを他の金属粉末や樹脂等に混合し、低熱膨張合金を複合強化料として使用しても良い。
【0041】
▲1▼測定機器、計測機器
定規、標準尺、マイクロメータ、測距儀板、ブロックゲージ、測量尺、検潮儀、時計の天府輪、時計や重力測定用振子桿、指示器、記録機器、テーブル、レーザなどの光学関連の精密機器やその他の光学関連機器等
▲2▼電気機器、電子機器、磁気機器
ブラウン管のシャドーマスク、架空送電線、半導体のリードフレーム、ヒートスプレッダ、配線基板、ヒートシンク、印刷機器、スキャナー等
▲3▼制御機器、
バイメタル素子、各種ノズル、周波数安定化空洞、時計部品(バネ等)等
【0042】
▲4▼加工機器、成形機器
絞りダイス、スピンドルケース、精密工作機械の各種部材(バイト、ドリル、テーブル、ベース等)、鋳型、金型、打抜き型、成形型、高速プレス機のプランジャ、丸刃鋸、レーザ加工機等
▲5▼構造用部材
液体ガスタンカーの内張、大型ガスタンクの筐体等
▲6▼化学機器、化学プラント
食品加工機等
【0043】
▲7▼車両関係
ガスケット、メタルシール、エンジンバルブ、バルブスプリング、ダイアフラム、レール、燃料タンク等の容器、タイヤの内張り、タイヤの補強材、トーションバー、動力伝動ベルト(CVTのフープ等)、自動車エンジンの燃料噴射部品、点火制御部品、気体(ガス)や液体の流量制御部品等
▲8▼その他
航空機器、宇宙船および人工衛星等の各種部材、衛生発射用バネ等、異種部材の接合面間に介在する熱応力緩和部材、封着用材料、ガラス封着合金、歯車等の相手方のある機械部品、ゼンマイ、消防服、ベローズ、ホース、締結具(ホースバンド、ボルト、FDDやCDのねじ、書類等クリップ等)、各種ワイヤ類、ロボット関連(関節部品等)、医療関連(カテーテル、ガイドワイヤ等)、装飾品、スポーツ用品、燃料電池部品、原子炉の配管などの原子炉用部品、核融合炉用部品等の各種分野の各種製品に利用することができる。
【0044】
【実施例】
次に、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
(供試材の製造)
供試材として、試験片No.1〜20およびC1〜C4を次のように製造した。
(1)試験片No.1〜14
平均粒径が45μm以下のTi粉末、Nb粉末、Ta粉末およびZr粉末などを用意し、これらの原料粉末を秤量して表1に示す合金組成となるように配合した。これらの粉末をボールミルで2時間混合して混合粉末とした(混合工程)。この混合粉末を圧力400MPa(4ton/cm2 )の静水圧下でCIP成形して、φ40x80mmの円柱形状の粉末成形体を得た(成形工程)。
これを1x10−5torr(1.3x10−3Pa)の真空中で1300℃x16時間加熱して焼結させ、焼結体とした(焼結工程)。さらに、この焼結体を1050℃の大気中で熱間鍛造して(熱間加工工程)、φ18mmの丸棒(合金素材)に鍛伸した。
【0045】
この丸棒をArガス雰囲気で900℃x30分間保持した後、水冷して溶体化処理を行った(溶体化処理工程)。そして、この丸棒(溶体化合金)から切出した一部に冷間スウェージ加工を施してφ8.5とした(冷間加工工程)。これに機械加工を加えて、φ8x30mmの試験片を製造した。なお、このときの冷間加工率は約78%である。
なお、上記混合工程から熱間加工工程までの一連の工程が、本発明でいう素材製造工程に相当し、上記冷間加工工程は本発明でいう加工工程にも相当する。
【0046】
(2)試験片No.15〜20
試験片No.15、16はインダクションスカル溶解により製造した。試験片No.17、18はプラズマ溶解により製造した。試験片No.19、20は電子ビーム溶解により製造した
いずれの場合も、用意した原料は高純度のブリケットである。この原料を表1の組成となるように1kg配合した(配合工程)。これを上記の各溶解法で溶解し(溶解工程)、金型に鋳造後(鋳造工程)、φ60x60mmの溶解材を得た。
なお、溶解は均質化を図るために、5回の再溶解処理を行った。この溶解材を1050℃の大気中で熱間鍛造して(熱間鍛造工程)、φ18mmの丸棒(合金素材)に鍛伸した。
以降の工程は上記試験片No.1〜14の場合と同様である。
【0047】
(3)試験片No.C1〜C4
Va族元素が20〜30at%の範囲外となる試験片も製造した。これらも表1に併せて示した。製造方法は、試験片No.1〜14の場合と同様である。
【0048】
(供試材の測定)
(1)熱膨張率(Δl/l0)
各試験片の熱膨張率を次のようにして求めた。
室温〜1073K(800℃)まで5K/minの昇温速度で温度を上げ、次いで、1073K〜室温まで5K/minの降温速度で速度を下げて、各試験片の長さ(測定開始前の長さ:l0)の変化(Δl)を連続的に測定し、その変化割合である熱膨張率(Δl/l0)を求めた。一例として試験片No.1の熱膨張率を図1に示めす。図1の横軸は温度(℃)で、縦軸は熱膨張率(x10−3)である。いうまでもないが、熱膨張係数α(1/K)は図1に示したグラフ等の傾きとして求まる。
その他の試験片については、表1に、室温付近の温度である273〜323K(低熱膨温度範囲)における熱膨張係数α(1/K)を示した。
【0049】
(2)熱膨張係数αのサイクル特性
各試験片の熱膨張係数αのサイクル特性を次のようにして求めた。
各試験片に、77K(−196℃)〜573K(300℃)の範囲の昇降温試験を500サイクル繰返して、サイクル毎の熱膨張係数αの変動を求めた。なお、このときの昇降温速度は5K/minとし、その熱膨張係数αは昇温過程における273〜323Kの範囲のものである。一例として、試験片No.1のサイクル特性を図2に示めす。
【0050】
(評価)
(1)例えば試験片No.1の合金の場合、表1および図1から明らかなように、室温〜573K(300℃)の広い温度範囲で2x10−6/Kという低い熱膨張係数αを示した。また、他の試験片等についても表1から分るように、室温付近の広い温度範囲で4x10−6/Kという低い熱膨張係数αを示した。
なお、図1や表1には、実用的な温度領域についてしか示していないが、本発明者はそれ以外の温度領域についても、各試験片について測定している。例えば、試験片No.1の場合、図1に示した温度よりも十分に低い温度まで測定している。それによると、例えば、試験片No.1の合金の場合、77K(−196℃)から安定した低熱膨張率(α≦4x10−6/K)が得られることが確認されている。
【0051】
(2)例えば試験片No.1の合金の場合、図2から明らかなように、熱膨張係数αの小さい温度範囲(低熱膨温度範囲)で昇降温を繰返しても、その変動は非常に小さかった。つまり、その範囲で熱膨張係数αは十分に安定していた。従って、上記合金を熱膨張係数αの小さい安定領域で使用した場合でも、十分に可逆性のあることが確認された。
【0052】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る試験片No.1の熱膨張率を示すグラフである。
【図2】本発明の実施例に係る試験片No.1の熱膨張係数のサイクル特性を示すグラフである。
Claims (12)
- 全体を100原子%(at%)としたときに、Va族元素を20〜30at%と、残部がIVa族元素と不可避不純物とからなることを特徴とする低熱膨張合金。
- さらに、酸素(O)、窒素(N)または炭素(C)のいずれか一種以上を合計で6at%以下含む請求項1に記載の低熱膨張合金。
- さらに、アルミニウム(Al)、錫(Sn)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)のいずれか1種以上含む請求項1または2に記載の低熱膨張合金。
- DV−Xαクラスタ法により求まるパラメータであるd電子軌道のエネルギーレベルMdに関し置換型元素の組成平均値が2.430≦Md≦2.490、結合次数Boに関し置換型元素の組成平均値が2.860≦Bo≦2.900、および価電子数e/aに関し置換型元素の組成平均値が4.22≦e/a≦4.26である特定組成からなる請求項1〜3のいずれかに記載の低熱膨張合金。
- 熱膨張係数αの絶対値|α|が5x10−6/K以下となる低熱膨温度範囲を有する請求項1に記載の低熱膨張合金。
- 前記低熱膨温度範囲は、少なくとも273〜323Kを含む請求項5に記載の低熱膨張合金。
- 冷間加工後に得られる請求項1に記載の低熱膨張合金。
- さらに、恒弾性、高強度、低剛性または高弾性変形能のいずれか1つ以上を併せて発現する請求項1に記載の低熱膨張合金。
- 全体を100at%としたときに、Va族元素を20〜30at%と残部がIVa族元素と不可避不純物とからなる低熱膨張合金を少なくとも一部に含むことを特徴とする低熱膨張部材。
- 冷間加工率の合計が10%以上となる冷間加工が施された請求項9に記載の低熱膨張部材。
- 全体を100at%としたときに、Va族元素を20〜30at%と残部がIVa族元素と不可避不純物とからなる合金素材を製造する素材製造工程と、
得られた合金素材に冷間加工を施す冷間加工工程と、
を備える低熱膨張合金の製造方法。 - 全体を100at%としたときに、Va族元素を20〜30at%と残部がIVa族元素と不可避不純物とからなる合金素材に、少なくとも冷間加工を施して所望形状の低熱膨張部材とする加工工程を備える低熱膨張部材の製造方法。
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