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JP2004082955A - 鉄道車両用の窓構造及び窓板 - Google Patents

鉄道車両用の窓構造及び窓板 Download PDF

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JP2004082955A
JP2004082955A JP2002249468A JP2002249468A JP2004082955A JP 2004082955 A JP2004082955 A JP 2004082955A JP 2002249468 A JP2002249468 A JP 2002249468A JP 2002249468 A JP2002249468 A JP 2002249468A JP 2004082955 A JP2004082955 A JP 2004082955A
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Shigeki Matsuoka
松岡 茂樹
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Tokyu Car Corp
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Tokyu Car Corp
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Abstract

【課題】強度を損なうことなく窓ガラスを軽量化することができる鉄道車両用の平滑型窓構造を提供すること。
【解決手段】本発明による窓構造10は、周縁部24の少なくとも一部分が裏面側に折り曲げられており、且つ、全面にわたり略同一の厚さを有するガラス製やプラスチック製等の窓板14と、この窓板が配置される開口18が形成されている構体やドア板のような窓板支持体16とを備えるものであり、開口に位置する窓板の中央部22の表面及び窓板支持板の表面が実質的に平滑な面を形成するよう、周縁部の折り曲げられた部分124を、前記開口を画している窓板支持板の縁部20に裏面側にて支持したことを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道車両における窓構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鉄道車両、特に新幹線のような高速鉄道車両においては、空力抵抗や空力騒音の低減、或いは、見栄えの向上等の見地から、窓ガラスの表面(車外側面)とその周囲を囲む構体の表面(車外側面)との間を平滑化、すなわち両表面を略同一面とした平滑型窓構造が採用されている。
【0003】
従来の平滑型窓構造としては、図9の(a),(b)に示すものが知られている。図9の(a),(b)に示す窓構造1a,1bはいずれも、平板状の窓ガラス2,3の縁部に段差部4,5を形成し、この段差部4,5を構体6の開口縁部7の裏面に配置したものである。図9の(a)における窓ガラス2は1枚の板ガラスからなり、その縁部に切削加工等の加工を施すことにより段差部4を設けたものである。また、図9の(b)における窓ガラス3は所謂合わせガラスであり、一方のガラス板3aの縁部を他方のガラス板3bの縁部よりも突出させることで、段差部5を形成している。なお、図9の(a),(b)に示す窓構造1a,1bは、遮音性、断熱性を向上させる等の目的で二重窓構造としたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の平滑型窓構造においては、構体の表面と窓ガラスの表面との間に凹凸がある一般的な窓構造に比して、窓ガラスの面積が同一であっても、重量が相当に大きいという問題がある。
【0005】
窓ガラスの厚さは、構体の開口縁部により支持される窓ガラスの縁部の厚さが強度上十分であるならば、その他の部分も縁部と同等の厚さを有すれば足りる。しかし、従来の平滑型窓構造1a,1bでは、窓ガラス2,3の縁部に段差部4,5を形成しているため、縁部の厚さtよりも他の部分の厚さtの方が厚くなっている。このため、窓ガラス2,3が必要以上に重いものとなっているのである。勿論、窓ガラスを軽量化すべく縁部を含めて全体を薄くすることは、強度上の問題から、採用することはできない。
【0006】
そこで、本発明は、強度を損なうことなく窓ガラスを軽量化することができる平滑型窓構造を提供することを主目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、周縁部の少なくとも一部分が裏面側に折り曲げられており、且つ、全面にわたり略同一の厚さを有するガラス製やプラスチック製等の窓板と、この窓板が配置される開口が形成されている構体やドア板のような窓板支持体とを備える鉄道車両用の窓構造であって、前記開口に位置する窓板の中央部の表面及び窓板支持板の表面が実質的に平滑な面を形成するよう、周縁部の折り曲げられた部分を、前記開口を画している窓板支持板の縁部に裏面側にて支持したことを特徴としている。
【0008】
かかる構成においては、窓板の周縁部の少なくとも一部を折り曲げた状態とすることで、窓板のその折曲げ部分を窓板支持体の裏面側で支持させて表面の平滑化を可能とすると共に、窓板の厚さを全面にわたり略同一とすることが可能となっている。
【0009】
ここで、「折曲げ」という語は加工方法を示す語ではなく、形状を示す語であることに注意されたい。すなわち、窓板の折曲げ部分は、窓板となる平板状の板材(ガラス板やプラスチック板等)を折曲げ加工して形成されたもの場合のみならず、射出成形等により形成された窓板の当該部分が折り曲げられて形成された如き形状となっている場合も含むものである。
【0010】
窓板における折曲げ部分としては、その全体が窓板の中央部に対して所定の角度で傾斜されたものであってもよいが、窓板の中央部に所定の傾斜角をもって連接された第1部分と、この第1部分に連接され中央部と平行に延びる第2部分とからなる形状のものであってもよい。かかる場合、第2部分が窓板支持体の表面と平行になるため、支持が容易となるという利点がある。
【0011】
更に、本発明は、二重窓構造ないしは複層窓構造にも適用可能である。すなわち、折曲げ部分を有する窓板の裏面側に所定の間隔を置いて少なくとも1枚の他の窓板を配置することができる。
【0012】
また、上述したように窓板はそれ自体に特徴があり、本発明は、鉄道車両における窓板支持体に形成された開口に配置される窓板であって、窓板の周縁部の少なくとも一部分が裏面側に折り曲げられており、且つ、全面にわたり略同一の厚さを有している窓板にも係るものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。図中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0014】
図1は、本発明による窓構造10が適用された鉄道車両12を示す側面図であり、図2は、図1のII−II線に沿っての断面図である。また、図3は、図1及び図2に示す窓構造10で用いられるガラス製の窓板(以下「窓ガラス」という)14を示す斜視図である。
【0015】
図示実施形態における窓構造10は、鉄道車両10の側構体16に設けられたものであり、開閉不能型である。側構体16は、窓ガラス14を支持する窓板支持体として機能するものであり、窓ガラス14が配置される開口18が形成されている。開口18は、側構体16の縁部(以下「開口縁部」という)20により画成された略矩形形状であり、各コーナにはアール(R)が付けられている。
【0016】
一方、窓ガラス14は、正面から見た場合、側構体16の開口18の形状と実質的に相似形となっており、面積は開口18よりも大きい。また、窓ガラス14は、図3に明示するように、平坦な中央部22と、この中央部22を囲む周縁部24とから構成されている。中央部22は開口18と相似形であり、開口18よりも僅かに小面積である。窓ガラス14の周縁部24は、中央部22に対して所定の傾斜角で折り曲げられている。更に、窓ガラス14はその全面にわたって略同一の厚さを有している。
【0017】
側構体16の開口縁部20の裏面(車内側の面)には、窓ガラス14の周縁部24を受けるための受け金26が全周にわたり配置され、スポット溶接等の手段により開口縁部20に固着されている。
【0018】
窓ガラス14は、その表面(周縁部24が折り曲げられた方向とは反対側に位置する面)を車外側に向け、中央部22を側構体16の開口18に配置した場合、周縁部24は受け金26の内側に嵌合される。この状態において、窓ガラス14の中央部22の表面は側構体16の車外側の表面と略同一面に整列される。
【0019】
窓ガラス14は、受け金26に押え金28をスポット溶接等の手段により固着することで固定される。なお、受け金26及び押え金28により形成される溝部30と窓ガラス14との間には弾性支持材32が取り付けられており、窓ガラス14のガタ付きが防止され、また側構体16と窓ガラス14との間の熱膨張差を吸収することができるように図られている。
【0020】
更に、窓ガラス14と側構体16の開口縁部20との間には、表面側に凹部が形成されており、この凹部にはシール材34が充填されている。シール材34の表面は窓ガラス14の表面と側構体16の表面とを繋ぐよう平滑化されている。
【0021】
以上述べたような構成において、窓ガラス14及び側構体16、そして両者間に配置されたシール材34の表面は連続した平滑な面とされており、空力抵抗が減じられ、空力騒音を低減するという効果を奏する。
【0022】
また、窓ガラス14の周縁部24を折り曲げることで、窓ガラス14の全体の厚さを一定に維持して、平滑型窓構造を構成することが可能となっている。従って、窓ガラス14の中央部22においても、最も強度が必要な周縁部24と同じ厚さとなるため、窓ガラス14全体の重量は、図9の(a),(b)に示す窓ガラス2,3と比較して、大幅に減じられる。窓ガラス14の軽量化は、省資源や省エネルギ、車両12の高速化という観点からも好ましい。
【0023】
更に、トンネルに侵入した際、或いは、トンネルから出る際に、鉄道車両12の側面には衝撃的な風圧が作用するが、周縁部24の折曲げ形状はリブとしての効果があるため、窓ガラス14の剛性は高いものとなっている。
【0024】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【0025】
例えば、上記実施形態では、窓ガラス14は中央部22に対して周縁部24が1回だけ折り曲げられた形状となっているが、折曲げ形状は種々考えられ、図4及び図5に示すように、2カ所で折り曲げられた如き形状とすることができる。図4及び図5に示す窓ガラス114の周縁部124が、中央部122に対して所定の傾斜角をもって連接されている第1部分124aと、この第1部分124aに続は中央部122と平行な第2部分124bとから構成されている。このような窓ガラス114を用いる窓構造110では、第2部分124bを側構体16と平行に配すことができるため、受け金を省略し、弾性支持材134等の形状を単純化することができ、製造が容易となる。
【0026】
また、図6及び図7から理解される通り、窓ガラスを2枚以上用いた多重(複層)窓構造としてもよい。図6に示す窓構造210は図2に示す窓構造10に対応し,図7に示す窓構造310は図4の窓構造110に対応しており、両者とも、周縁部24,124が折り曲げられている窓ガラス14,114を車外側に配置し、平板状の窓ガラス50を車内側に配置したものである。外側の窓ガラス14,114と内側の窓ガラス50とは、周縁部間に環状のスペーサ50が配置された状態で一体化されている。両窓ガラス14,114;50の間には所定の間隔Dがあけられており、この部分が密閉空間54となり、遮音効果お断熱効果が向上されている。
【0027】
図7と、窓ガラス114の周縁部124の厚さtとtを同じ寸法で描いた図9の(a)とを比較すると、同じ容積の密閉空間(窓ガラス間の間隙D=d)を形成しようとした場合、車外側の窓ガラス114の厚さを薄くできる本発明のものの方が、窓ガラス・アセンブリの全体の厚さも小さくすることができることが分かる。これは、鉄道車両の構成要素の配置レイアウトの自由度を増す等の効果を奏するものである。
【0028】
更に、窓ガラスの形状は取り付けられる開口の形状に合わせて適宜変更される。また、折り曲げられる部分は窓ガラスの周縁部の一部、例えば図8の窓ガラス414ように周縁部のうち互いに対向する縁部424a,424bのみとしてもよい。図8の形状は、窓構造において凹凸が特に問題となるのは、車両進行方向、すなわち車両に対する風の流れ方向に直角となるものであり、車両進行方向(図8において矢印Aで示す方向)と平行となる縁部424a,424bと側構体との間に凹凸が形成されても、特に大きな支障が生じないことを考慮したものである。
【0029】
更にまた、上記実施形態では窓板はガラス製としているが、プラスチック材料等の他の材料から作られたものであってもよく、窓板を支持する窓板支持体も側構体に限られず、ドア板や鉄道車両のその他の部分であってもよい。
【0030】
更に、窓板を窓板支持体に支持させる手段も、受け金等を用いたものに限られず、接着剤を利用する等、種々の手段がある。
【0031】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、平滑型窓構造における窓板として全体が薄いものを用いることができ、鉄道車両の軽量化、高速化に寄与する。また、強度においても従来構成以上のものとなり、この点においても鉄道車両の高速化に寄与するものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による窓構造が用いられた鉄道車両を示す側面図である。
【図2】図1のII−II線に沿っての断面図である。
【図3】図1及び図2に示す窓構造に用いられる窓ガラスを示す斜視図である。
【図4】本発明による別の実施形態に係る窓構造を示す、図2と同様な断面図である。
【図5】図4に示す窓構造に用いられる窓ガラスを示す斜視図である。
【図6】本発明による更に別の実施形態に係る二重窓構造を示す、図2と同様な断面図である。
【図7】本発明による他の実施形態に係る二重窓構造を示す、図2と同様な断面図である。
【図8】本発明による窓構造における窓ガラスの別の実施形態を示す斜視図である。
【図9】(a)及び(b)は従来における平滑型窓構造を示す断面図である。
【符号の説明】
10,110,210,310…窓構造、12…鉄道車両、14,114…窓ガラス(窓板)、16…側構体(窓板支持体)、18…開口、20…開口縁部、22,122…中央部、24,124…周縁部、26…受け金、28…押え金、32…弾性支持材、34…シール材、50…内側窓ガラス(他の窓板)、52…スペーサ。

Claims (4)

  1. 周縁部の少なくとも一部分が裏面側に折り曲げられており、且つ、全面にわたり略同一の厚さを有している窓板と、
    前記窓板が配置される開口が形成されている窓板支持体と
    を備え、
    前記開口に位置する前記窓板の中央部の表面及び前記窓板支持板の表面が実質的に平滑な面を形成するよう、前記周縁部の折り曲げられた部分が、前記開口を画している前記窓板支持板の縁部に裏面側にて支持されていることを特徴とする鉄道車両用の窓構造。
  2. 前記窓板における、前記周縁部の折り曲げられた部分が、前記窓板の前記中央部に所定の傾斜角をもって連接された第1部分と、前記第1部分に連接され前記中央部と平行に延びる第2部分とを含むことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両用の窓構造。
  3. 前記窓板の裏面側に所定の間隔を置いて配置された少なくとも1枚の他の窓板を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄道車両用の窓構造。
  4. 鉄道車両における窓板支持体に形成された開口に配置される窓板であって、前記窓板の周縁部の少なくとも一部分が裏面側に折り曲げられており、且つ、全面にわたり略同一の厚さを有していることを特徴とする窓板。
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