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JP2004075616A - 4−ハロゲノ−2−(4−フルオロフェニルアミノ)−5,6−ジメチルピリミジンの製造方法 - Google Patents

4−ハロゲノ−2−(4−フルオロフェニルアミノ)−5,6−ジメチルピリミジンの製造方法 Download PDF

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JP2004075616A JP2002238809A JP2002238809A JP2004075616A JP 2004075616 A JP2004075616 A JP 2004075616A JP 2002238809 A JP2002238809 A JP 2002238809A JP 2002238809 A JP2002238809 A JP 2002238809A JP 2004075616 A JP2004075616 A JP 2004075616A
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fluorophenyl
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JP2002238809A
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Inventor
Tomoko Taniguchi
谷口 智子
Yoshiko Nakajima
中島 佳子
Yoshitomi Morisawa
森澤 義富
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

【課題】特殊な試薬や装置を必要とせず、短工程かつ簡便な操作で、医薬原体として有用な4−ヒドロキシ−2−(4−フルオロフェニルアミノ)−5,6−ジメチルピリミジンを製造する。
【解決手段】4−フルオロアニリンを2〜27質量%の塩酸水溶液を用いた酸性条件下でシアナミドと反応させ、さらにアルカリ金属炭酸塩と反応させることによって下式1で表される(4−フルオロフェニル)グアニジン炭酸塩とし、つぎに該(4−フルオロフェニル)グアニジン炭酸塩と2−メチルアセト酢酸エステルとを反応させて下式2で表される4−ヒドロキシ−2−(4−フルオロフェニルアミノ)−5,6−ジメチルピリミジンとし、つぎに該4−ヒドロキシ−2−(4−フルオロフェニルアミノ)−5,6−ジメチルピリミジンにハロゲン化剤を反応させる。Xはハロゲン原子。
【化1】
Figure 2004075616

【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬中間体として有用な4−ハロゲノ−2−(4−フルオロフェニルアミノ)−5,6−ジメチルピリミジンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
4−ハロゲノ−2−(4−フルオロフェニルアミノ)−5,6−ジメチルピリミジンの合成法としては、4−フルオロアニリンを30〜37%の塩酸酸性条件下で、50%シアナミド水溶液と75〜95℃で反応させて(4−フルオロフェニル)グアニジン炭酸塩とした後、(4−フルオロフェニル)グアニジン炭酸塩を2−メチルアセト酢酸エチルと反応させ、式2で表される4−ヒドロキシ−2−(4−フルオロフェニルアミノ−5,6−ジメチルピリミジンを合成し、次いでハロゲン化剤を作用させ、4−ハロゲノ−2−(4−フルオロフェニルアミノ)−5,6−ジメチルピリミジンを合成する方法が知られている(特許第3160297号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の方法では、(4−フルオロフェニル)グアニジン炭酸塩の製造に高濃度の塩酸水溶液を用いることから、中和熱が大きく、反応の制御が難しい問題があった。また、反応系が高濃度のスラリーになるため、撹拌が困難になったり、単離する際に反応器からの抜き出しが困難になったりする問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、より工業的に有利な温和な条件で、優れた操作性で4−ハロゲノ−2−(4−フルオロフェニルアミノ)−5,6−ジメチルピリミジンを高収率かつ高純度で製造する方法を提供する下記発明である。
【0005】
すなわち本発明は、4−フルオロアニリンを2〜27質量%の塩酸水溶液を用いた酸性条件下でシアナミドと反応させ、さらにアルカリ金属炭酸塩と反応させることによって下式1で表される(4−フルオロフェニル)グアニジン炭酸塩とし、つぎに該(4−フルオロフェニル)グアニジン炭酸塩と2−メチルアセト酢酸エステルとを反応させて下式2で表される4−ヒドロキシ−2−(4−フルオロフェニルアミノ)−5,6−ジメチルピリミジンとし、つぎに該4−ヒドロキシ−2−(4−フルオロフェニルアミノ)−5,6−ジメチルピリミジンにハロゲン化剤を反応させることを特徴とする下式3で表される4−ハロゲノ−2−(4−フルオロフェニルアミノ)−5,6−ジメチルピリミジン(ただし式中のXは、ハロゲン原子を示す。)の製造方法を提供する。
【0006】
【化3】
Figure 2004075616
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の出発物質である4−フルオロアニリンは公知の化合物である。本発明においては、4−フルオロアニリンを、まず、2〜27質量%の塩酸水溶液を用いた酸性条件下でシアナミドと反応させ、つぎにアルカリ金属炭酸塩と反応させる(以下、該反応の工程を「a工程」とも記載する。)。
【0008】
塩酸水溶液の濃度は2〜27質量%であり、操作性の面や容積効率の観点から10〜20質量%が好ましい。該塩酸濃度の水溶液を用いて酸性条件とすることで、反応の制御が容易になる。また、反応系が低濃度のスラリーになる利点がある。また反応を撹拌条件下で実施する場合には、撹拌が容易になる等の利点がある。
【0009】
さらに、a工程の反応操作を、4−フルオロアニリンに塩酸水溶液を添加し、さらにシアナミドと反応させる方法によって行った場合には、反応の中和熱が小さくでき、より好ましい。
【0010】
シアナミドは、通常の場合、溶媒に溶解させて溶液としたものを反応させるのが好ましい。該溶媒としては、a工程の反応において不活性な溶媒であれば特に限定されないが、a工程で用いうる溶媒としては、水が好ましい。すなわち、a工程においては、塩酸水溶液の水、シアナミドを水溶液とした場合には該水、および後述するアルカリ金属炭酸塩を水溶液とした場合には該水、を溶媒として作用させるのが好ましい。
【0011】
a工程におけるシアナミドは水溶液として用いるのが好ましい。シアナミド水溶液中のシアナミド濃度は10〜50質量%が好ましく、特に30〜50質量%が好ましい。
【0012】
つぎにa工程では、アルカリ金属炭酸塩との反応を行う。アルカリ金属炭酸塩としては炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、および炭酸リチウム等が挙げられ、コストの面や溶媒に対する溶解度の面から炭酸ナトリウムが好ましい。アルカリ金属炭酸塩も、水溶液または水中への懸濁液として用いるのが好ましい。アルカリ炭酸塩の水溶液とする場合の濃度は、1.5〜50質量%が好ましく、特に10〜30質量%が好ましい。
【0013】
a工程の反応の操作は、4−フルオロアニリンに上記塩酸水溶液を加えて、撹拌しながらシアナミドを加えて、さらにアルカリ炭酸塩を加えることにより行うのが好ましい。本発明の反応は、特定濃度の塩酸水溶液を用いていることから、容易に反応系の撹拌ができる。a工程における塩酸の量は、反応系内のpHが2〜4に保たれる量を使用するのが好ましい。シアナミドの量は4−フルオロアニリンに対して1〜2倍モルが好ましい。アルカリ炭酸塩の量はまたは4−フルオロアニリンに対して0.5〜1倍モルが好ましい。反応の温度は50〜110℃が好ましく、反応時間は2〜48時間が好ましく、反応は大気圧下で実施されるのが好ましい。
【0014】
a工程の反応では、式1で表される(4−フルオロフェニル)グアニジン炭酸塩が析出しうる。式1の化合物には、HN−C(=NH)−NH−部分がHN−C(−NH)=NH−となった互換異性体が存在し、本発明のa工程で得られる式1の化合物は、互換異性体としても存在しうる。
【0015】
(4−フルオロフェニル)グアニジン炭酸塩を含む反応生成物は、ろ過程度の簡単な後処理を行ったものをつぎの反応に用いてもよいが、通常の場合には、精製処理を行って高純度の(4−フルオロフェニル)グアニジン炭酸塩を得るのが好ましい。精製処理としては、ろ過した後に溶媒で洗浄する、再結晶する等の処理方法が挙げられる。
【0016】
本発明においては、つぎに(4−フルオロフェニル)グアニジン炭酸塩と2−メチルアセト酢酸エステルとを反応させて下式2で表される4−ヒドロキシ−2−(4−フルオロフェニルアミノ)−5,6−ジメチルピリミジンを得る(以下、該反応の工程をb工程とも記す。)。
【0017】
2−メチルアセト酢酸エステルとしては、2−メチルアセト酢酸メチル、2−メチルアセト酢酸エチルおよび2−メチルアセト酢酸(n−プロピル)等が挙げられ、入手が容易であり、反応性が良好であることから2−メチルアセト酢酸エチルが好ましい。2−メチルアセト酢酸エステルの量は、(4−フルオロフェニル)グアニジン炭酸塩に対して1.01〜10倍モルであるのが好ましい。
【0018】
b工程の反応は、溶媒存在下で行っても、溶媒の不存在下に行ってもよい。溶媒を用いる場合には、b工程の反応において不活性な溶媒を用いうる。該溶媒としては、トルエン、キシレン、およびベンゼン等の芳香族炭化水素類、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、およびN−メチルピロリジノン等のアミド類、ジメチルスルホキシド、およびエチレングリコールジメチルエーテル等のグライム類が挙げられる。さらに溶媒としては、後述する沸点の高い溶媒、または水やアルコール類と共沸する溶媒を用いるのが好ましい。溶媒を用いる場合の量は、(4−フルオロフェニル)グアニジン炭酸塩の量に対して2〜10倍容量であるのが好ましい。
【0019】
b工程の反応では、水および2−メチルアセト酢酸エステルのエステル部分に由来するアルコール類(ROH)が副生する。これらの副生物は、反応系外に取り出すことが好ましい。なぜなら、該反応は平衡反応であることから、副生する生成物を反応系外へ取り出すことによって、反応を完結させることができる。しかし、従来の方法にしたがって反応系を加熱して水とエタノール等のアルコール類を除去するだけでは、原料が残って収率が低下する傾向が認められるため、本発明の製造方法においては、副生する生成物を反応系外に取り出す方法として、b工程の反応を蒸留塔がついた反応器を用いて行い、反応をしながら蒸留を行うことにより(いわゆる反応蒸留と呼ばれる方法により反応を行うことにより)、これらの副生物を効率的に反応系外に除去する方法によるのが好ましい。
【0020】
反応蒸留により副生物を除去する場合には、b工程の反応を溶媒の存在下に行い、該溶媒は、水や副生するアルコール類(ROH)よりも沸点の高い溶媒、または水やアルコール類と共沸する溶媒を選択するのが好ましい。特に水やアルコール類と共沸する溶媒を選択する場合は、反応蒸留を行うことによって、溶媒および水が容易に反応系外へ留去されるのが好ましい。さらに、該反応蒸留を行う場合には、適宜溶媒を追加しながら反応蒸留を行うのが好ましい。
【0021】
b工程の反応温度は60〜200℃が好ましく、反応時間は2〜24時間が好ましい。反応は大気圧下で行っても減圧下で行ってもよく、減圧下で行う場合は圧力を2500〜40000Pa(絶対圧)にするのが好ましい。
【0022】
b工程の反応では、4−ヒドロキシ−2−(4−フルオロフェニルアミノ)−5,6−ジメチルピリミジン含む反応生成物が生成する。b工程の反応生成物は、通常の後処理方法や目的に応じた精製を行って次の反応工程に用いてもよく、または、そのままの反応生成物を次の反応工程に用いてもよい。そのままの反応生成物を次の反応工程に用いる場合には、b工程に用いた反応器と同一の反応容器を用いてもよい。
【0023】
b工程の反応生成物において、後処理および精製を行う場合には、4−ヒドロキシ−2−(4−フルオロフェニルアミノ−5,6−ジメチルピリミジンは常温で固体であるので、以下の方法1〜方法3のいずれかの方法により後処理および精製を行うのが好ましい。
【0024】
(方法1):反応終了後の状態が油状でかつ均一である場合、冷却後に貧溶媒を滴下し、該有機層から晶出させる方法。(方法2):反応終了後が懸濁状態である場合、濾過し、有機溶媒で洗浄し単離する方法。(方法3):反応終了後が懸濁状態である場合、良溶媒へ置換することにより、均一な状態にしたのち、貧溶媒を滴下し、該有機層から晶出させる方法、が挙げられる。
【0025】
工程bの反応により得た4−ヒドロキシ−2−(4−フルオロフェニルアミノ)−5,6−ジメチルピリミジンは、つぎにハロゲン化剤と反応させる(以下、該反応をc工程とも記す。)。
【0026】
ハロゲン化剤は、目的とする4−ハロゲノ−2−(4−フルオロフェニルアミノ)−5,6−ジメチルピリミジン中のX(Xはハロゲン原子を示す。)に応じて適宜変更される。たとえば、Xが塩素原子である場合には、オキシ塩化リン、五塩化リン、三塩化リン、塩化チオニル、塩化オキザリル等が好ましく、Xがフッ素原子である場合にはXを塩素原子とした後にフッ化カリウム等によって塩素原子をフッ素原子に置換する方法によるのが好ましく、Xが臭素原子である場合には、三臭化リン、臭化水素酸水溶液、オキシ臭化リン等が好ましく、Xがヨウ素原子である場合にはオキシ塩化リンとヨウ化水素酸との組み合わせ、オキシ臭化リンとヨウ化ナトリウムとの組み合わせ等が好ましい。
【0027】
ハロゲン化剤の量は4−ヒドロキシ−2−(4−フルオロフェニルアミノ)−5,6−ジメチルピリミジンに対して1.02〜20倍モルが好ましい。
【0028】
c工程の反応は溶媒存在下であっても溶媒の不存在下であっても実施できる。溶媒存在下で実施する場合には、c工程の反応条件において不活性な溶媒から選択されうる。該溶媒としては、塩化メチレンやクロロホルム等の塩素系脂肪族炭化水素類、ジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類や、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、およびN−メチルピロリジノン等アミド類、1,4−ジオキサン等のエーテル類が挙げられる。
【0029】
溶媒は、ハロゲン化剤との組み合わせにおいても、適宜変更するのが好ましい。これはハロゲン化剤の種類によっては、溶媒と該ハロゲン化剤が反応する問題があったり、または目的とする4−ハロゲノ−2−(4−フルオロフェニルアミノ)−5,6−ジメチルピリミジンと溶媒とハロゲン化剤から生成する副生物を分離できない場合がありうる。
【0030】
また、c工程の反応はハロゲン化剤とともに塩基を共存させる条件下でも実施することができ、このような塩基の例としては、N,N−ジメチルアニリンやトリエチルアミン等が挙げられる。
【0031】
c工程の反応温度は50〜150℃が好ましく、反応時間は1〜8時間が好ましく、反応圧力は大気圧下で実施するのが好ましい。
【0032】
本発明において使用する4−フルオロアニリン、2−メチルアセト酢酸エステル、ハロゲン化剤は公知の化合物として容易に入手できる。また市販品を用いた場合には、精製する必要なく、用いうる。
【0033】
本発明の製造方法における目的化合物は式3で表される4−ハロゲノ−2−(4−フルオロフェニルアミノ)−5,6−ジメチルピリミジンである。式3中のXはハロゲン原子であり、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、またはヨウ素原子であり、塩素原子が好ましい。
【0034】
4−ハロゲノ−2−(4−フルオロフェニルアミノ)−5,6−ジメチルピリミジンは、医薬の中間体として有用な化合物である。該化合物は特表平11−509237に記載される方法にしたがって、5,6−ジメチル−2−フルオロフェニルアミノ)−4−(1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−イル)ピリミジンに導くことができる。該化合物は、プロトンポンプ阻害作用を有し、かつ、胃酸分泌を抑制薬および抗潰瘍薬として有用な化合物である。
【0035】
【実施例】
以下に実施例を示して、本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0036】
[実施例1](4−フルオロフェニル)グアニジン炭酸塩の製造例
撹拌器、内温計、ジムロートを備えた100mLのフラスコに、4−フルオロアニリン(15g)をはかり取り、氷冷下、撹拌しながら18質量%の塩酸水溶液(19.34ml)を滴下した。滴下終了後、90℃に加温し、50質量%シアナミド水溶液(12.48g)を滴下した。反応液に18質量%の塩酸水溶液を加えてpHを3に調整したのち、同温度で3時間撹拌した。反応液を60℃に冷却し、26質量%炭酸ナトリウム水溶液(33.27g)を加え、40分撹拌を続けた。析出した結晶を濾別し、水、次いで酢酸エチルで洗浄し、乾燥させることにより(4−フルオロフェニル)グアニジン炭酸塩(22.70g)を得た。4−フルオロアニリンからの収率は78.9%であった。
【0037】
[実施例2]4−ヒドロキシ−2−(4−フルオロフェニルアミノ)−5,6−ジメチルピリミジンの製造例
撹拌器、内温計、ジムロートを備えた1Lのフラスコに、(4−フルオロフェニル)グアニジン炭酸塩(70g)、2−メチルアセト酢酸エチル(48.82g)、トルエン(280ml)をはかり取り、3時間加熱還流させた後、ジムロートを単蒸留用の実験器具に変え、生成した水とエタノールをトルエンとともに系外へ留去した。途中、トルエンを追加しながら還流を続けた。原料の残量が高速液体クロマトグラフィーで10%以下になったところで、N,N−ジメチルホルムアミド(204ml)を加え、溶媒をトルエンからN,N−ジメチルホルムアミドに置換した(反応混合物をN−メチルピロリジノンに溶解した試料をガスクロマトグラフィーで分析し、トルエン含量が3%以下であることを確認したところで溶媒置換を停止した。)。反応粗液を80℃まで冷却した後に、イソプロパノール(207ml)を滴下し、30分撹拌し、室温で熟成した。析出した固体を濾別し、アセトン(194ml)で洗浄したのち、水(306ml)で洗浄し、乾燥させた後4−ヒドロキシ−2−(4−フルオロフェニルアミノ)−5,6−ジメチルピリミジン(47.30g)を得た。(4−フルオロフェニル)グアニジン炭酸塩からの収率61.8%であった。
【0038】
[実施例3]4−クロロ−2−(4−フルオロフェニルアミノ)−5,6−ジメチルピリミジンの製造例
撹拌器、内温計、ジムロートを備えた300mLのフラスコに、4−ヒドロキシ−2−(4−フルオロフェニルアミノ)−5,6−ジメチルピリミジン(45g)、オキシ塩化リン(180ml)をはかり取り、60℃で3時間加熱した。過剰のオキシ塩化リンを留去したのち、反応粗液に氷冷下で水を滴下し、さらに25質量%水酸化ナトリウム水溶液を粗液のpHが11になるまで加えた。析出した結晶を濾別し、水で十分洗浄した後、50%メタノール−水(170ml)で洗浄、乾燥させることによって4−クロロ−2−(4−フルオロフェニルアミノ)−5,6−ジメチルピリミジン(47.07g)を得た。4−ヒドロキシ−2−(4−フルオロフェニルアミノ)−5,6−ジメチルピリミジンからの収率96.9%であった。
【0039】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、4−フルオロアニリンから短工程で、簡便に、かつ経済的に有利な方法で、医薬中間体として有用な4−ハロゲノ−2−(4−フルオロフェニルアミノ)−5,6−ジメチルピリミジン5−メチル−1−フェニル−2(1H)ピリジノンを得ることができる。
【0040】
本発明の製造方法は、特別な反応条件や反応装置を用いることなしに実施でき、操作性にも優れており、反応の収率も高いことから、工業的な大容量の製造方法として有用な方法である。
【0041】
また各反応で用いる化合物を種々選択することによって、不純物のコンタミネーションを防止しながら、高収率で目的とする化合物を製造できる。

Claims (7)

  1. 4−フルオロアニリンを2〜27質量%の塩酸水溶液を用いた酸性条件下でシアナミドと反応させ、さらにアルカリ金属炭酸塩と反応させることによって下式1で表される(4−フルオロフェニル)グアニジン炭酸塩とし、つぎに該(4−フルオロフェニル)グアニジン炭酸塩と2−メチルアセト酢酸エステルとを反応させて下式2で表される4−ヒドロキシ−2−(4−フルオロフェニルアミノ)−5,6−ジメチルピリミジンとし、つぎに該4−ヒドロキシ−2−(4−フルオロフェニルアミノ)−5,6−ジメチルピリミジンにハロゲン化剤を反応させることを特徴とする下式3で表される4−ハロゲノ−2−(4−フルオロフェニルアミノ)−5,6−ジメチルピリミジン(ただし式中のXは、ハロゲン原子を示す。)の製造方法。
    Figure 2004075616
  2. ハロゲン化剤が塩素化剤であって、式3中のXが塩素原子である請求項1に記載の製造方法。
  3. (4−フルオロフェニル)グアニジン炭酸塩と2−メチルアセト酢酸エステルとの反応を蒸留塔のついた反応器を用いて行い、かつ、副生する水とエステル由来のアルコール化合物を反応系外へ留去しながら反応を行う請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 2−メチルアセト酢酸エステルが2−メチルアセト酢酸エチルであり、アルコール化合物がエタノールである請求項3に記載の製造方法。
  5. (4−フルオロフェニル)グアニジン炭酸塩と2−メチルアセト酢酸エステルとの反応を水と共沸する溶媒の存在下に行い、かつ、副生する水とエステル由来のアルコール化合物を溶媒とともに反応系外へ留去しながら反応を行う請求項3または4に記載の製造方法。
  6. ハロゲン化剤がオキシ塩化リンであって、かつ、溶媒の不存在下で該ハロゲン化剤を反応させて、Xが塩素原子である式3で表される4−ハロゲノ−2−(4−フルオロフェニルアミノ)−5,6−ジメチルピリミジンを製造する請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 4−フルオロアニリンを2〜27質量%の塩酸水溶液を用いた酸性条件下でシアナミドと反応させ、さらにアルカリ金属炭酸塩と反応させることによる下式1で表される(4−フルオロフェニル)グアニジン炭酸塩の製造方法。
    Figure 2004075616
JP2002238809A 2002-08-20 2002-08-20 4−ハロゲノ−2−(4−フルオロフェニルアミノ)−5,6−ジメチルピリミジンの製造方法 Pending JP2004075616A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7511026B2 (en) 2003-03-25 2009-03-31 Seikagaku Corporation Therapeutic agent for nerve damage

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