JP2004068900A - 無段変速機における変速アクチュエータ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】Vベルトを用いた無段変速機において、変速のための変速アクチュエータによる消費電力を低減させる。
【解決手段】変速制御部201は、インヒビタースイッチからのレンジ信号がPレンジである場合や、パーキングブレーキセンサからのパーキングブレーキ信号がONである場合に、無段変速機は変速を行う必要がないと判定し、変速制御弁30を駆動するステップモータ40への電力供給を停止する。これによりステップモータ40による不必要な電力消費がなくなり、車両の電力負荷の低減を図ることができる。
【選択図】 図2
【解決手段】変速制御部201は、インヒビタースイッチからのレンジ信号がPレンジである場合や、パーキングブレーキセンサからのパーキングブレーキ信号がONである場合に、無段変速機は変速を行う必要がないと判定し、変速制御弁30を駆動するステップモータ40への電力供給を停止する。これによりステップモータ40による不必要な電力消費がなくなり、車両の電力負荷の低減を図ることができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両等用の無段変速機に用いられる変速アクチュエータの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用に適した無段変速機としてVベルトを用いた無段変速機がある。これは、プライマリプーリとセカンダリプーリの間にVベルトを掛け渡し、プライマリプーリの溝幅を油圧により可変制御するものである。
すなわち、プライマリプーリとセカンダリプーリにはそれぞれ第1、第2シリンダ室が付設され、セカンダリプーリの第2シリンダ室へはライン圧が供給される。一方プライマリプーリの第1シリンダ室へは、ライン圧を元圧として、ステップモータによって駆動される変速制御弁で制御した油圧が供給される。そして各シリンダ室への油圧によりプライマリプーリおよびセカンダリプーリの溝幅が変更され、Vベルトと各プーリとの接触半径比に対応して変速比が連続的に変化する。この間、ライン圧は所定の範囲で変化され、Vベルトに対する推力(挟持圧力)を制御するようになっている。
このような無段変速機が、たとえば特開平11−82725号公報にも開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の無段変速機にあっては、変速制御弁を制御する変速アクチュエータとして、ステップモータが用いられている。このステップモータは、変速制御弁を駆動する必要のないとき、すなわちステップモータが作動していない状態の時にも常時電力が供給されたまま待機状態になっていた。このステップモータの待機状態における不必要な電力消費により、電力負荷が大きくなるといった問題があった。
【0004】
そこで本発明はこのような従来の問題点に鑑み、ステップモータなどの変速アクチュエータによる電力負荷の増加を防止した、無段変速機における変速アクチュエータ制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、変速を制御する変速制御弁と、該変速制御弁の電気的駆動を行う変速アクチュエータと、該変速アクチュエータの制御を行う変速制御部とを備えた無段変速機において、無段変速機の変速の要否を判定する変速要否判定手段を備え、変速制御部は、変速要否判定手段が変速不要と判定した場合、変速アクチュエータへの電力供給を停止するものとした。
【0006】
【発明の効果】
本発明によれば、無段変速機が変速を行わない場合は、変速アクチュエータは作動する必要がないので、変速要否判定手段によって無段変速機の変速が不要であると判定された場合に、変速制御部が変速アクチュエータへの電力供給を停止する。これにより不必要な消費電力がなくなり、車両の電力負荷を低減することができる。また同時に変速アクチュエータの不要な発熱を抑えることが可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を実施例により説明する。
図1は、本発明をベルトCVTに適用した概略構成を示し、図2は油圧コントロールユニットおよびCVTコントロールユニットの概略構成を示す。
図1において、図示しない前後進切り替え機構を備えた変速機構部5、およびロックアップクラッチを備えたトルクコンバータ2より構成されるベルトCVT3がエンジン1に連結される。変速機構部5は一対の可変プーリとして入力軸側のプライマリプーリ10、出力軸13に連結されたセカンダリプーリ11を備え、これら一対の可変プーリ10、11はVベルト12によって連結されている。なお、出力軸13はアイドラギア14を介してディファレンシャル6に連結される。
【0008】
変速機構部5の変速比やVベルト12の接触摩擦力は、CVTコントロールユニット20からの指令に応じて作動する油圧コントロールユニット100によって制御される。またCVTコントロールユニット20はエンジン1を制御するエンジンコントロールユニット(以下、ECU)21に接続され、互いに情報交換を行っている。CVTコントロールユニット20はECU21からの入力トルク情報やエンジン回転数、スロットル開度センサ24からのスロットル開度(TVO)などから変速比や接触摩擦力を決定する。またCVTコントロールユニット20にはパーキングブレーキのONまたはOFFの検出を行うパーキングブレーキセンサ32が接続されている。
【0009】
変速機構部5のプライマリプーリ10は、入力軸と一体となって回転する固定円錐板10bと、固定円錐板10bとの対向位置に配置されてV字状のプーリ溝を形成するとともに、プライマリプーリシリンダ室10cへ作用する油圧(以下、プライマリ圧)に応じて軸方向へ変位可能な可動円錐板10aから構成されている。
セカンダリプーリ11は、出力軸13と一体となって回転する固定円錐板11bと、固定円錐板11bとの対向位置に配置されてV字状のプーリ溝を形成するとともに、セカンダリプーリシリンダ室11cへ作用する油圧(以下、セカンダリ圧)に応じて軸方向に変位可能な可動円錐板11aから構成される。
プライマリプーリシリンダ室10cとセカンダリプーリシリンダ室11cは、等しい受圧面積に設定されている。
【0010】
エンジン1から入力された入力トルクは、トルクコンバータ2を介して変速機構部5に入力され、プライマリプーリ10からVベルト12を介してセカンダリプーリ11へ伝達される。プライマリプーリ10の可動円錐板10aおよびセカンダリプーリ11の可動円錐板11aを軸方向へ変位させて、Vベルト12と各プーリ10、11との接触半径を変化させることにより、プライマリプーリ10とセカンダリプーリ11との変速比を連続的に変化させることができる。
【0011】
図2に示すように、油圧コントロールユニット100は、ライン圧を制御する調圧弁60とプライマリプーリシリンダ室10cへのプライマリ(Pri)圧を制御する変速制御弁30と、セカンダリプーリシリンダ室11cへのセカンダリ(Sec)圧を制御する減圧弁61を主体に構成される。
変速制御弁30はメカニカルフィードバック機構を構成するサーボリンク50に連結され、サーボリンク50の一端に連結されたステップモータ40によって駆動されるとともに、サーボリンク50の他端に連結したプライマリプーリ10の可動円錐板10aから溝幅、すなわち実変速比のフィードバックを受ける。
【0012】
ライン圧制御系は、油圧ポンプ80からの圧油を調圧するソレノイド59を備えた調圧弁60で構成され、CVTコントロールユニット20からの指令(例えば、デューティ信号など)によって運転状態に応じて所定のライン圧に調圧する。ライン圧は、プライマリ圧を制御する変速制御弁30と、セカンダリ圧を制御するソレノイド62を備えた減圧弁61にそれぞれ供給される。
【0013】
プライマリプーリ10とセカンダリプーリ11の変速比は、CVTコントロールユニット20からの変速指令信号に応じて駆動されるステップモータ40によって制御され、ステップモータ40に応動するサーボリンク50の変位に応じて変速制御弁30のスプール31が駆動されて、変速制御弁30に供給されたライン圧を調圧したプライマリ圧をプライマリプーリ10へ供給し、溝幅が可変制御されて所定の変速比に設定される。
なお、変速制御弁30は、スプール31の変位によってプライマリプーリシリンダ室10cへの油圧の給排を行って、ステップモータ40の駆動位置で指令された目標変速比となるようにプライマリ圧を調整し、実際に変速が終了するとサーボリンク50からの変位を受けてスプール31を閉弁する。
【0014】
ここで、CVTコントロールユニット20は、図1において変速機構部5のプライマリプーリ10の回転数を検出するプライマリプーリ速度センサ26、セカンダリプーリ11の回転速度(または車速)を検出するセカンダリプーリ速度センサ27、セカンダリプーリのセカンダリプーリシリンダ室11cに作用するセカンダリ圧を検出するセカンダリ圧センサ28からの信号と、インヒビタースイッチ23からのレンジ信号と、運転者がアクセルペダルを操作することによって開閉するスロットルの開度を検出するスロットル開度センサ24からのスロットル開度(TVO)と、温度センサ25によって検出される変速機構部5の油温とを読み込んで変速比やVベルト12の接触摩擦力を可変制御する。
【0015】
CVTコントロールユニット20は、車速やスロットル開度に応じて目標変速比を決定し、ステップモータ40を駆動して実変速比を目標変速比へ向けて制御する変速制御部201と、入力トルクや変速比、油温などに応じてプライマリプーリ10とセカンダリプーリ11の推力(接触摩擦力)を算出し、算出された推力を油圧に換算するプーリ圧制御部202から構成される。また変速制御部201には、パーキングブレーキセンサ32からのパーキングブレーキON/OFF信号が入力されている。
【0016】
プーリ圧制御部202は、入力トルク情報、プライマリプーリ回転速度とセカンダリプーリ回転速度とに基づく変速比、油温からライン圧の目標値を決定し、調圧弁60のソレノイド59を駆動することでライン圧の制御を行い、またセカンダリ圧の目標値を決定して油圧センサ28の検出値と目標値に応じて減圧弁61のソレノイド62を駆動してフィードバック制御(閉ループ制御)によりセカンダリ圧を制御する。
【0017】
次に図3を用いて、CVTコントロールユニットの変速制御部で行われるステップモータの制御の流れについて説明する。
変速制御部201は、ステップモータ40が作動状態でないときに、ステップモータ40への電力供給を停止するものである。
CVTコントロールユニット20の電源がONとなると、ステップ300において変速制御部201は、インヒビタースイッチ23からのレンジ信号、車速、スロットル開度等の信号を読み込み、読み込んだ信号を基にステップ301においてステップモータ40を駆動させて、ステップモータ40の回動位置の初期化を行う。
【0018】
ステップ302では、ベルトCVT3の変速を行う必要があるかどうかの変速要否判定を行う。この変速要否判定は車速、アクセル開度、レンジ信号等を基に各種の車両状態に応じて行われ、例えばインヒビタースイッチ23からのレンジ信号がPレンジ信号である場合や、パーキングブレーキセンサ32がパーキングブレーキONを検知したときに、車両は停止しているのでベルトCVT3の変速が不要であるとの判定を行う。変速が不要と判定されると、ステップ303へ進む。一方、変速が必要と判定されるとステップ305へ進む。
【0019】
ステップ303では、ステップモータ40への電力供給を停止し、ステップモータ40を非通電状態にする。一方ステップ305においては、ステップモータ40へ電力を供給し、ステップモータ40の通常制御を行う。
ステップ304では、CVTコントロールユニット20への電力供給がOFFとなった場合に変速制御部201は上述の処理を終了する。一方電力供給がONの場合はステップ302へ戻り上述のステップモータ40の制御を繰り返す。
【0020】
以上のように、ステップ302においてベルトCVT3が変速を行う必要があるかどうかの判定を行い、変速が不要であると判定されたときに、ステップモータ40への電力供給を停止することによって、ステップモータ40による電力消費がなくなり、車両の電力負荷を小さくすることができる。
本実施例において、ステップ302が本発明における変速要否判定手段を構成し、インヒビタースイッチ23が本発明におけるレンジ位置検出手段を構成する。
【0021】
本実施例は以上のように構成され、ステップ302において、例えばインヒビタースイッチ23からのレンジ信号がPレンジ信号である場合、またはパーキングブレーキセンサ32からのパーキングブレーキ信号がONである場合に、ベルトCVT3の変速は不要であると判定し、ステップモータ40への電力供給を停止する。これによりステップモータ40の待機状態における不必要な電力消費がなくなり、車両の電力負荷を低減することができ、さらに電力負荷が低減することにより車両の燃費の向上を図ることができる。
【0022】
また変速要否判定手段としてのステップ302における変速要否判定を、レンジ位置検出手段としてのインヒビタースイッチ23からのレンジ信号を基に行うことにより、変速の要否を判定するための新たな検出装置を備える必要がなく、確実に車両の変速の要否を判定することができる。
【0023】
さらに変速要否判定手段としてのステップ302における変速要否判定を、パーキングブレーキセンサ32からのパーキングブレーキON/OFF信号を用いて判定を行うことにより、従来からあるパーキングブレーキセンサを用いて確実に変速の要否を判定することができる。また今回例示した判定方法のほかに、各種車両状態、変速機状態を示す信号を組み合わせることで、よりきめ細かく判定を実施できる。
【0024】
なお本実施例において、本発明を変速アクチュエータとしてステップモータに適用した例を示したが、これに限定されず他の変速アクチュエータに適用してもよい。
また本実施例では、ベルト式無段変速機について説明したが、本発明はこの種の無段変速機には限定されず、他の種類の無段変速機(例えば、トロイダル式無段変速機)にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における実施例を示す図である。
【図2】油圧コントロールユニットとCVTコントロールユニットの概略構成を示す図である。
【図3】変速制御部が行うステップモータの制御の流れを示す図である。
【符号の説明】
1 エンジン
3 ベルトCVT
5 変速機構部
10 プライマリプーリ
11 セカンダリプーリ
20 CVTコントロールユニット
21 エンジンコントロールユニット
23 インヒビタースイッチ
30 変速制御弁
32 パーキングブレーキセンサ
40 ステップモータ
201 変速制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両等用の無段変速機に用いられる変速アクチュエータの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用に適した無段変速機としてVベルトを用いた無段変速機がある。これは、プライマリプーリとセカンダリプーリの間にVベルトを掛け渡し、プライマリプーリの溝幅を油圧により可変制御するものである。
すなわち、プライマリプーリとセカンダリプーリにはそれぞれ第1、第2シリンダ室が付設され、セカンダリプーリの第2シリンダ室へはライン圧が供給される。一方プライマリプーリの第1シリンダ室へは、ライン圧を元圧として、ステップモータによって駆動される変速制御弁で制御した油圧が供給される。そして各シリンダ室への油圧によりプライマリプーリおよびセカンダリプーリの溝幅が変更され、Vベルトと各プーリとの接触半径比に対応して変速比が連続的に変化する。この間、ライン圧は所定の範囲で変化され、Vベルトに対する推力(挟持圧力)を制御するようになっている。
このような無段変速機が、たとえば特開平11−82725号公報にも開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の無段変速機にあっては、変速制御弁を制御する変速アクチュエータとして、ステップモータが用いられている。このステップモータは、変速制御弁を駆動する必要のないとき、すなわちステップモータが作動していない状態の時にも常時電力が供給されたまま待機状態になっていた。このステップモータの待機状態における不必要な電力消費により、電力負荷が大きくなるといった問題があった。
【0004】
そこで本発明はこのような従来の問題点に鑑み、ステップモータなどの変速アクチュエータによる電力負荷の増加を防止した、無段変速機における変速アクチュエータ制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、変速を制御する変速制御弁と、該変速制御弁の電気的駆動を行う変速アクチュエータと、該変速アクチュエータの制御を行う変速制御部とを備えた無段変速機において、無段変速機の変速の要否を判定する変速要否判定手段を備え、変速制御部は、変速要否判定手段が変速不要と判定した場合、変速アクチュエータへの電力供給を停止するものとした。
【0006】
【発明の効果】
本発明によれば、無段変速機が変速を行わない場合は、変速アクチュエータは作動する必要がないので、変速要否判定手段によって無段変速機の変速が不要であると判定された場合に、変速制御部が変速アクチュエータへの電力供給を停止する。これにより不必要な消費電力がなくなり、車両の電力負荷を低減することができる。また同時に変速アクチュエータの不要な発熱を抑えることが可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を実施例により説明する。
図1は、本発明をベルトCVTに適用した概略構成を示し、図2は油圧コントロールユニットおよびCVTコントロールユニットの概略構成を示す。
図1において、図示しない前後進切り替え機構を備えた変速機構部5、およびロックアップクラッチを備えたトルクコンバータ2より構成されるベルトCVT3がエンジン1に連結される。変速機構部5は一対の可変プーリとして入力軸側のプライマリプーリ10、出力軸13に連結されたセカンダリプーリ11を備え、これら一対の可変プーリ10、11はVベルト12によって連結されている。なお、出力軸13はアイドラギア14を介してディファレンシャル6に連結される。
【0008】
変速機構部5の変速比やVベルト12の接触摩擦力は、CVTコントロールユニット20からの指令に応じて作動する油圧コントロールユニット100によって制御される。またCVTコントロールユニット20はエンジン1を制御するエンジンコントロールユニット(以下、ECU)21に接続され、互いに情報交換を行っている。CVTコントロールユニット20はECU21からの入力トルク情報やエンジン回転数、スロットル開度センサ24からのスロットル開度(TVO)などから変速比や接触摩擦力を決定する。またCVTコントロールユニット20にはパーキングブレーキのONまたはOFFの検出を行うパーキングブレーキセンサ32が接続されている。
【0009】
変速機構部5のプライマリプーリ10は、入力軸と一体となって回転する固定円錐板10bと、固定円錐板10bとの対向位置に配置されてV字状のプーリ溝を形成するとともに、プライマリプーリシリンダ室10cへ作用する油圧(以下、プライマリ圧)に応じて軸方向へ変位可能な可動円錐板10aから構成されている。
セカンダリプーリ11は、出力軸13と一体となって回転する固定円錐板11bと、固定円錐板11bとの対向位置に配置されてV字状のプーリ溝を形成するとともに、セカンダリプーリシリンダ室11cへ作用する油圧(以下、セカンダリ圧)に応じて軸方向に変位可能な可動円錐板11aから構成される。
プライマリプーリシリンダ室10cとセカンダリプーリシリンダ室11cは、等しい受圧面積に設定されている。
【0010】
エンジン1から入力された入力トルクは、トルクコンバータ2を介して変速機構部5に入力され、プライマリプーリ10からVベルト12を介してセカンダリプーリ11へ伝達される。プライマリプーリ10の可動円錐板10aおよびセカンダリプーリ11の可動円錐板11aを軸方向へ変位させて、Vベルト12と各プーリ10、11との接触半径を変化させることにより、プライマリプーリ10とセカンダリプーリ11との変速比を連続的に変化させることができる。
【0011】
図2に示すように、油圧コントロールユニット100は、ライン圧を制御する調圧弁60とプライマリプーリシリンダ室10cへのプライマリ(Pri)圧を制御する変速制御弁30と、セカンダリプーリシリンダ室11cへのセカンダリ(Sec)圧を制御する減圧弁61を主体に構成される。
変速制御弁30はメカニカルフィードバック機構を構成するサーボリンク50に連結され、サーボリンク50の一端に連結されたステップモータ40によって駆動されるとともに、サーボリンク50の他端に連結したプライマリプーリ10の可動円錐板10aから溝幅、すなわち実変速比のフィードバックを受ける。
【0012】
ライン圧制御系は、油圧ポンプ80からの圧油を調圧するソレノイド59を備えた調圧弁60で構成され、CVTコントロールユニット20からの指令(例えば、デューティ信号など)によって運転状態に応じて所定のライン圧に調圧する。ライン圧は、プライマリ圧を制御する変速制御弁30と、セカンダリ圧を制御するソレノイド62を備えた減圧弁61にそれぞれ供給される。
【0013】
プライマリプーリ10とセカンダリプーリ11の変速比は、CVTコントロールユニット20からの変速指令信号に応じて駆動されるステップモータ40によって制御され、ステップモータ40に応動するサーボリンク50の変位に応じて変速制御弁30のスプール31が駆動されて、変速制御弁30に供給されたライン圧を調圧したプライマリ圧をプライマリプーリ10へ供給し、溝幅が可変制御されて所定の変速比に設定される。
なお、変速制御弁30は、スプール31の変位によってプライマリプーリシリンダ室10cへの油圧の給排を行って、ステップモータ40の駆動位置で指令された目標変速比となるようにプライマリ圧を調整し、実際に変速が終了するとサーボリンク50からの変位を受けてスプール31を閉弁する。
【0014】
ここで、CVTコントロールユニット20は、図1において変速機構部5のプライマリプーリ10の回転数を検出するプライマリプーリ速度センサ26、セカンダリプーリ11の回転速度(または車速)を検出するセカンダリプーリ速度センサ27、セカンダリプーリのセカンダリプーリシリンダ室11cに作用するセカンダリ圧を検出するセカンダリ圧センサ28からの信号と、インヒビタースイッチ23からのレンジ信号と、運転者がアクセルペダルを操作することによって開閉するスロットルの開度を検出するスロットル開度センサ24からのスロットル開度(TVO)と、温度センサ25によって検出される変速機構部5の油温とを読み込んで変速比やVベルト12の接触摩擦力を可変制御する。
【0015】
CVTコントロールユニット20は、車速やスロットル開度に応じて目標変速比を決定し、ステップモータ40を駆動して実変速比を目標変速比へ向けて制御する変速制御部201と、入力トルクや変速比、油温などに応じてプライマリプーリ10とセカンダリプーリ11の推力(接触摩擦力)を算出し、算出された推力を油圧に換算するプーリ圧制御部202から構成される。また変速制御部201には、パーキングブレーキセンサ32からのパーキングブレーキON/OFF信号が入力されている。
【0016】
プーリ圧制御部202は、入力トルク情報、プライマリプーリ回転速度とセカンダリプーリ回転速度とに基づく変速比、油温からライン圧の目標値を決定し、調圧弁60のソレノイド59を駆動することでライン圧の制御を行い、またセカンダリ圧の目標値を決定して油圧センサ28の検出値と目標値に応じて減圧弁61のソレノイド62を駆動してフィードバック制御(閉ループ制御)によりセカンダリ圧を制御する。
【0017】
次に図3を用いて、CVTコントロールユニットの変速制御部で行われるステップモータの制御の流れについて説明する。
変速制御部201は、ステップモータ40が作動状態でないときに、ステップモータ40への電力供給を停止するものである。
CVTコントロールユニット20の電源がONとなると、ステップ300において変速制御部201は、インヒビタースイッチ23からのレンジ信号、車速、スロットル開度等の信号を読み込み、読み込んだ信号を基にステップ301においてステップモータ40を駆動させて、ステップモータ40の回動位置の初期化を行う。
【0018】
ステップ302では、ベルトCVT3の変速を行う必要があるかどうかの変速要否判定を行う。この変速要否判定は車速、アクセル開度、レンジ信号等を基に各種の車両状態に応じて行われ、例えばインヒビタースイッチ23からのレンジ信号がPレンジ信号である場合や、パーキングブレーキセンサ32がパーキングブレーキONを検知したときに、車両は停止しているのでベルトCVT3の変速が不要であるとの判定を行う。変速が不要と判定されると、ステップ303へ進む。一方、変速が必要と判定されるとステップ305へ進む。
【0019】
ステップ303では、ステップモータ40への電力供給を停止し、ステップモータ40を非通電状態にする。一方ステップ305においては、ステップモータ40へ電力を供給し、ステップモータ40の通常制御を行う。
ステップ304では、CVTコントロールユニット20への電力供給がOFFとなった場合に変速制御部201は上述の処理を終了する。一方電力供給がONの場合はステップ302へ戻り上述のステップモータ40の制御を繰り返す。
【0020】
以上のように、ステップ302においてベルトCVT3が変速を行う必要があるかどうかの判定を行い、変速が不要であると判定されたときに、ステップモータ40への電力供給を停止することによって、ステップモータ40による電力消費がなくなり、車両の電力負荷を小さくすることができる。
本実施例において、ステップ302が本発明における変速要否判定手段を構成し、インヒビタースイッチ23が本発明におけるレンジ位置検出手段を構成する。
【0021】
本実施例は以上のように構成され、ステップ302において、例えばインヒビタースイッチ23からのレンジ信号がPレンジ信号である場合、またはパーキングブレーキセンサ32からのパーキングブレーキ信号がONである場合に、ベルトCVT3の変速は不要であると判定し、ステップモータ40への電力供給を停止する。これによりステップモータ40の待機状態における不必要な電力消費がなくなり、車両の電力負荷を低減することができ、さらに電力負荷が低減することにより車両の燃費の向上を図ることができる。
【0022】
また変速要否判定手段としてのステップ302における変速要否判定を、レンジ位置検出手段としてのインヒビタースイッチ23からのレンジ信号を基に行うことにより、変速の要否を判定するための新たな検出装置を備える必要がなく、確実に車両の変速の要否を判定することができる。
【0023】
さらに変速要否判定手段としてのステップ302における変速要否判定を、パーキングブレーキセンサ32からのパーキングブレーキON/OFF信号を用いて判定を行うことにより、従来からあるパーキングブレーキセンサを用いて確実に変速の要否を判定することができる。また今回例示した判定方法のほかに、各種車両状態、変速機状態を示す信号を組み合わせることで、よりきめ細かく判定を実施できる。
【0024】
なお本実施例において、本発明を変速アクチュエータとしてステップモータに適用した例を示したが、これに限定されず他の変速アクチュエータに適用してもよい。
また本実施例では、ベルト式無段変速機について説明したが、本発明はこの種の無段変速機には限定されず、他の種類の無段変速機(例えば、トロイダル式無段変速機)にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における実施例を示す図である。
【図2】油圧コントロールユニットとCVTコントロールユニットの概略構成を示す図である。
【図3】変速制御部が行うステップモータの制御の流れを示す図である。
【符号の説明】
1 エンジン
3 ベルトCVT
5 変速機構部
10 プライマリプーリ
11 セカンダリプーリ
20 CVTコントロールユニット
21 エンジンコントロールユニット
23 インヒビタースイッチ
30 変速制御弁
32 パーキングブレーキセンサ
40 ステップモータ
201 変速制御部
Claims (5)
- 変速を制御する変速制御弁と、
該変速制御弁の電気的駆動を行う変速アクチュエータと、
該変速アクチュエータの制御を行う変速制御部とを備えた無段変速機において、前記無段変速機の変速の要否を判定する変速要否判定手段を備え、
前記変速制御部は、前記変速要否判定手段が変速不要と判定した場合、前記変速アクチュエータへの電力供給を停止することを特徴とする無段変速機における変速アクチュエータ制御装置。 - Vベルトを挟持する一対の可変プーリと、
該可変プーリに作用させる油圧の制御を行い、前記Vベルトと前記可変プーリとの接触半径を変化させる変速制御弁と、
該変速制御弁の電気的駆動を行う変速アクチュエータと、
該変速アクチュエータの制御を行う変速制御部とを備えた無段変速機において、前記無段変速機の変速の要否を判定する変速要否判定手段を備え、
前記変速制御部は、前記変速要否判定手段が変速不要と判定した場合、前記変速アクチュエータへの電力供給を停止することを特徴とする無段変速機における変速アクチュエータ制御装置。 - 前記変速アクチュエータが、ステップモータであることを特徴とする請求項1または2記載の無段変速機における変速アクチュエータ制御装置。
- 操作者が選択するレンジ位置の検出を行うレンジ位置検出手段を備え、
該レンジ位置検出手段がPレンジを検出した際に、前記変速要否判定手段は、変速不要と判定することを特徴とする請求項1、2または3記載の無段変速機における変速アクチュエータ制御装置。 - パーキングブレーキのONまたはOFFの検出を行うパーキングブレーキセンサを備え、
該パーキングブレーキセンサが、パーキングブレーキONを検出した際に、前記変速要否判定手段は、変速不要と判定することを特徴とする請求項1、2、3または4記載の無段変速機における変速アクチュエータ制御装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002228001A JP2004068900A (ja) | 2002-08-05 | 2002-08-05 | 無段変速機における変速アクチュエータ制御装置 |
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JP2002228001A JP2004068900A (ja) | 2002-08-05 | 2002-08-05 | 無段変速機における変速アクチュエータ制御装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012087448A1 (en) * | 2010-12-21 | 2012-06-28 | Caterpillar Inc. | Clutch calibration for continuously variable transmission |
JP2018162766A (ja) * | 2017-03-27 | 2018-10-18 | 株式会社デンソー | 電子制御装置 |
-
2002
- 2002-08-05 JP JP2002228001A patent/JP2004068900A/ja active Pending
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