【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイオキシン類及び重金属を含有する廃棄物の処理剤、この処理剤を用いた排ガス及び飛灰の処理方法及び飛灰の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般ごみや産業廃棄物などをごみ焼却施設で焼却する際に、不完全燃焼や塩化水素の存在を起因として発生するダイオキシン類が社会問題となっている。ごみ焼却施設におけるダイオキシンの発生を抑えるべく、特開2001−79352号公報に示すような酸化鉄粉を主とする処理剤が開発されている。この公報では、処理剤を焼却炉から集塵器までの間において排ガス中に噴霧することで、排ガス中のダイオキシンを酸化鉄で分解することが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、焼却により発生した飛灰の中には、鉛、カドミウム、水銀、クロム、ヒ素、セレンなどの有害な重金属が多く含まれており、灰を処分するにあたっては、重金属の溶出や飛散を防止するため、不溶化処理が必要である。
上記公報に開示された酸化鉄を主とする薬剤は、ダイオキシンを分解することはできるが、重金属を不溶化することはできない。よって、灰に対して、ダイオキシン用の処理剤とは別に重金属固定化用のコンクリートやキレート剤といった処理剤を投入しなければならず、そのための設備、例えば薬剤の貯留槽、送液ライン、ポンプ、混合槽などからなる付帯設備を多く設けなければならない。
【0004】
本発明の課題は、ごみ焼却施設などにおいて使用される処理剤として、大掛かりな付帯設備を要さずに、ダイオキシンを分解し、かつ、重金属を不溶化できる処理剤とこの処理剤を用いた処理方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
酸化鉄及びリン系化合物とを含むことを特徴とするダイオキシン類及び重金属を含有する廃棄物の処理剤である。
請求項1に記載の発明によれば、酸化鉄によりダイオキシン類を分解し、リン系化合物により重金属を不溶化処理することができ、1つの薬剤で両方を無害化処理することができる上に、薬剤を投入する装置などの設備が1つで済み付帯設備も小さいものでよい。
請求項1で、ダイオキシン類とは、毒性がある各種ダイオキシン及びそれらの前駆体である。
【0006】
請求項1に記載のダイオキシン類及び重金属を含有する廃棄物の処理剤において、リン系化合物は、請求項2に記載の発明のように、リン酸系の化合物であることが好ましい。
【0007】
請求項3に記載の発明は、
焼却炉と、焼却炉で発生した排ガスが通るガス流路と、排ガスに含まれる飛灰を捕集する集塵器とを備える焼却施設における、ダイオキシン類及び重金属を含有する排ガス及び飛灰の処理方法であって、
前記ガス流路内の排ガス中に、請求項1又は2に記載の処理剤を粉末状で添加し、この処理剤の添加後に前記集塵器で捕集された処理剤を含む飛灰に対して、水分を加え混練することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明によれば、排ガスに請求項1又は2に記載の処理剤を添加することで、まず排ガス中のダイオキシン類が処理剤中の酸化鉄により分解される。次いで、水分を加えて混練することで飛灰中の重金属がリン系化合物により不溶化される。すなわち、1剤化した薬剤で両方を無害化処理することができる。
その上、ダイオキシン類と重金属の処理のために1つの処理剤を投入し加湿混練といった簡単な工程や装置で済むので、それぞれの処理のために複数種類の薬剤及び薬剤用の供給装置等を必須とする工程より作業が楽で、付帯設備も少なくなる。
請求項3において、ガス流路は、いわゆる煙道だけでなく、排ガスが通過する冷却装置なども含む。
【0009】
請求項3において、前記処理剤は、請求項4に記載の発明のように、前記排ガス1Nm3に対して前記酸化鉄が100〜1000mgであって、かつ、前記集塵器で捕集された処理剤を含む飛灰中のリン系化合物の濃度が1〜5重量%になるように、添加することが好ましい。
酸化鉄が100mg未満であると、排ガス中のダイオキシンの分解が完全に行われず、リン系化合物が1重量%未満であると飛灰中の重金属の不溶化が十分に進まない。また、酸化鉄が1000mgを超えたり、リン系化合物が5重量%を超えると、最終的に処分する灰量が増えること及び処理に要する薬剤コストがかさむことから好ましくない。
【0010】
請求項5に記載の発明は、
焼却炉と焼却炉から発生する排ガスに含まれる飛灰を捕集する集塵器とを備える焼却施設における、ダイオキシン類及び重金属を含有する飛灰の処理方法であって、
前記集塵器で捕集された飛灰に請求項1又は2に記載の処理剤を添加し、この処理剤の添加後に飛灰を300〜500℃に加熱し、その後水分を加え混練することを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明によれば、集塵灰に請求項1又は2に記載の処理剤を添加した後300〜500℃に加熱することで、まず飛灰中のダイオキシン類が処理剤中の酸化鉄により分解される。次いで、水分を加えて混練されることで灰中の重金属がリン系化合物により不溶化される。すなわち、1つの薬剤で両方を無害化処理することができる。
その上、ダイオキシン類と重金属の処理のために1つの処理剤を投入し加熱や加湿混練といった簡単な工程や装置で済むので、それぞれの処理のために複数種類の薬剤及び薬剤用の供給装置等を必須とする工程より作業が楽で、付帯設備も少なくなる。
ここで、加熱温度が300℃より低いとダイオキシンの分解反応が促進されず、500℃を超えると灰の金属成分などが溶けて加熱装置に悪影響を与えたりエネルギーの無駄になったりするので好ましくない。また、集塵器で捕集した飛灰に対して、集塵器内で処理剤を添加してもよいし、加熱装置などに移してから添加してもよい。
【0012】
請求項5において、前記処理剤は、請求項6に記載の発明のように、前記処理剤を含む飛灰中のリン系化合物の濃度が1〜5重量%、酸化鉄の濃度が1〜10重量%になるように添加することが好ましい。
リン系化合物が1重量%未満、あるいは酸化鉄が1重量%未満であると、それぞれ飛灰中の重金属の不溶化処理、ダイオキシン類の分解処理が完全に行われない。また、リン系化合物が5重量%、酸化鉄が10重量%を超えると、最終的に処分しなければならない灰量が多くなると共に処理費用がかさむので好ましくない。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のダイオキシン類及び重金属を含有する廃棄物の処理剤、及びこの処理剤による処理方法について詳細に説明する。
【0014】
本発明の飛灰等の処理方法では、酸化鉄とリン系化合物を含む処理剤を用いる。この処理剤は、ごみ焼却施設の焼却炉で発生した排ガス及び飛灰からなる廃棄物の処理に好適に用いることができる。図1に、本発明の処理方法を適用するごみ焼却施設の例を示した。ごみ焼却施設100は、間欠運転型、いわゆるバッチ式の焼却施設である。図1(a)は、後述の第1の方法で処理する場合の全体概要図を示し、同図(b)は、ごみ焼却施設100において第2の方法で処理する場合に(a)とは異なる箇所のみを示した図である。
【0015】
ごみ焼却施設100は、ごみホッパ1、焼却炉2、集塵器9、煙突11などを備えている。ごみはごみホッパ1から焼却炉2に投入される。焼却炉2内の燃焼室3にはごみの投入量に応じて完全燃焼に必要な理論空気量の1.5〜3.5倍程度の燃焼空気が供給される。該燃焼空気としては、押込送風機12によって吸入され、空気予熱器6によって加温された空気を用いる。押込送風機12からの新鮮な空気は、まず空気予熱器6に送られ、ここで排ガスの一部と混合され、焼却炉2に送られる。このように排ガスの一部と混合することで、燃焼用の空気の温度を高くすることができ、空気の供給で焼却炉2の温度を下げることを防ぐ。
【0016】
また、燃焼室3には、助燃バーナ口4が設けられている。燃焼室3の上方にはガス冷却室5が設けられ、ここで排ガスに水を噴霧することで急激に冷却する。燃焼室3で発生した排ガスは非常に高温でその温度のままダイオキシンが発生することはないが、集塵器9に向かう途中で徐々に温度が下がっていき200〜400℃になるとダイオキシンが発生してしまう。そこでガス冷却室5で、ダイオキシン類が発生しやすい温度域を通り越して急激に200℃以下に冷却することで、ダイオキシン類の発生をかなり防ぐことができる。
ガス冷却室5から送出された排ガスは第1の煙道13aを通って、空気予熱器6、第2の煙道13bを経て、集塵器9に送られる。ガス冷却室5、第1の煙道13a、空気予熱器6及び第2の煙道13bが本発明のガス流路である。集塵器9は、一般的に電気集塵器もしくはバグフィルタであって、ここで飛灰については集塵器9内の下部に集められ、残りのガスは第3の煙道13cに送られ、誘引送風機10によって誘導されて煙突11から排出される。
【0017】
集塵器9に集められた飛灰は、排出口9aから取り出され、後述の第1の方法及び第2の方法それぞれに応じて所定の処理を施されて外部に排出される。
以下では、本発明の飛灰等の処理方法について述べる。本発明では、次に述べる2種類の処理方法でダイオキシン類及び重金属を処理する。
【0018】
第1の方法は、ダイオキシン類及び重金属を含む排ガス及び飛灰の処理方法である。
図1(a)の施設を使用し、粉末状の本発明の処理剤を集塵器9よりも手前に設けられている供給口、例えば供給口14、15、16、17から排ガス中に噴霧することで供給する。本発明の処理剤は、酸化鉄とリン系化合物からなり、このうち酸化鉄が排ガス中のダイオキシンあるいはその前駆体と即座にあるいは集塵器9までの移動の過程中に接触することで分解される。
前述のようにガス冷却室5が設けられているので、煙道13a、13bを流れて集塵器9に向かうダイオキシンは多くはない。しかし、煙道13bは例えば300℃程度のダイオキシンが生成されやすい温度であることが多く、わずかでも前駆体などがあればここで生成されてしまうが、本発明の処理剤が存在すれば、分解が促進されダイオキシンの生成を抑制することができる。
その後、集塵器9で集められた処理剤を含む飛灰は、攪拌装置を有するミキサー20に送られる。ミキサー20内の飛灰に対して、スラリー状になる程度に水を供給し、攪拌する。この工程により、処理剤のリン系化合物は灰中の重金属と反応し不溶化する。
その後、スラリーは外部に排出される。
【0019】
第1の方法における処理剤は、排ガスに対して、酸化鉄粉が100〜1000mg/Nm3(ノルマルリューベイ)となり、リン系化合物が処理剤を含んだ飛灰に対して1〜5重量%になるように、計算で求めて配合したものを添加する。
【0020】
第2の方法は、ダイオキシン類及び重金属を含有する飛灰の処理方法である。図1(b)の施設を使用し、集塵器9の手前では本発明の処理剤を供給せず、集塵器9で集めた飛灰を、電気加熱炉などからなる加熱装置21に送る。飛灰が集められた加熱装置21の中に、本発明の処理剤を投入し、300〜500℃、好ましくはエネルギー効率の点から400℃以下で加熱する。このとき必要に応じて加熱装置21内を攪拌してもよい。この温度では、処理剤中の酸化鉄と灰中のダイオキシンあるいはその前駆体が反応し、分解される。
加熱時間は、10〜40分が好ましい。10分未満では完全に分解されないおそれがあり、40分を超える時間は不要でエネルギーの無駄である。
なお、集塵器9に処理剤を投入し、その後加熱装置21に移送してもよい。
【0021】
この後、ダイオキシンが分解された飛灰は、攪拌装置を有するミキサー20に送られる。ミキサー20内の飛灰に対して、スラリー状になる程度に水を供給し、攪拌する。この工程により、リン系化合物は灰中の重金属と反応し不溶化する。ここでは温度制御は特に必要ではない。
その後、外部に排出される。
【0022】
第2の方法における添加量は、処理剤を含む飛灰のリン系化合物濃度が1〜5重量%、酸化鉄が1〜10重量%になるように配合したものを添加する。
【0023】
第1の方法及び第2の方法いずれでも、ごみ焼却施設100に処理剤供給装置を設け、そこから、酸化鉄及びリン系化合物の粉末を混合した本発明の処理剤を供給すればよい。
なお、本発明に係る処理剤を他の薬剤と混合して、添加してもよい。
例えば、排ガス中のダイオキシンを吸着除去あるいは分解するためにごみ焼却施設100には、活性炭や、酸性ガスを中和する消石灰、生石灰、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム及びドロマイト等のアルカリ土類金属化合物、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素カリウム等のアルカリ金属化合物などを投入する薬剤投入装置が設けられていてもよい。活性炭や酸性ガスを中和する前記薬剤と共に、あるいは別に、前記薬剤投入装置から、本発明の処理剤を排ガス中に噴霧してもよい。
また、ごみ焼却施設100には、集塵器9のバグフィルタのろ過性能を向上させるためろ過助剤添加装置が設けられていてもよい。その場合、ろ過助剤である珪藻土やパーライト等と本発明の処理剤を混合して、あるいはろ過助剤とは別に前記処理剤のみを、ろ過助剤添加装置から排ガス中に噴霧してもよい。
【0024】
なお、図1では、バッチ式の焼却施設を示したが、本発明の処理方法は大型の連続運転炉を有する施設で適用してもよいことは勿論である。一般的には、連続運転炉は高温で焼却しつづけることから、ごみを完全燃焼させやすく、ダイオキシン類の発生は少ない。これに比較して、間欠的に運転するバッチ式の炉では、一定時間ごとに焼却炉を運転するため、運転を停止するとき、また再び運転を開始するときに、不完全燃焼が発生しやすく、ダイオキシン類が発生しやすい。よって、本発明の処理方法は、特にバッチ式の焼却炉に好適に用いることができる。
【0025】
次に、本発明のダイオキシン類及び重金属を含有する廃棄物の処理剤について説明する。本発明の処理剤は、酸化鉄及びリン系化合物を含むことを特徴とする。
酸化鉄は、ゲータイト、アカゲナイト、レピドクロサイト等の含水酸化鉄、ヘマタイト、マグヘマイト、マグネタイト等の酸化鉄、やこれらの混合物である。
【0026】
酸化鉄は、粉末状であることが好ましく、その平均粒径としては、1〜50μmの範囲であればよいが、使用方法によって好ましい粒径が異なる。本発明の処理剤を排ガスに直接吹き込みようにして添加する第1の方法では、酸化鉄粉が直接排ガス中のダイオキシン及びその前駆体と接触しやすいように小さい粉末がよく、1〜5μmがよい。1μm未満の大きさでは、粒子が細かすぎて集塵器9のフィルターを通り抜けてしまうことがあり集塵性能が低下するので好ましくなく、5μmを超えると落下しやすくため排ガス中のダイオキシンと接触する率が減り、また集塵器9までの移動が十分に行われないため、ダイオキシン発生を効率よく抑制することができない。
【0027】
また、前記処理剤を飛灰に混合する第2の方法では、灰と混ざる大きさであればよく、1〜50μmが好ましい。1μより小さいと飛散しやすいので取扱い上好ましくなく、50μmを超えると粒が大きすぎて、灰のダイオキシン及びその前駆体と接触する面積が少なくなり、ダイオキシン抑制効果が低い。
【0028】
本発明の処理剤の中にあって、リン系化合物は、飛灰の中にあって、水の存在下で重金属と反応し不溶化する。
リン系化合物としては、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸やこれらの塩などのリン酸系の化合物が好ましい。具体的に、リン酸としては、正リン酸、次亜リン酸、亜リン酸、次リン酸、メタリン酸、ピロリン酸、三リン酸(トリポリリン酸)、ヘキサメタリン酸、その他のポリリン酸が挙げられる。リン酸塩としては、これらのリン酸の塩、リン酸2水素塩、リン酸水素塩などが挙げられ、例えば、リン酸カルシウム、リン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、リン酸2水素ナトリウム、リン酸水素2ナトリウム等が挙げられる。この中でも、空気中でも粉末で比較的安定に存在することから、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウムが好ましい。
【0029】
これらリン系化合物は、酸化鉄粉とともに粉末で加えられ、平均粒径としては1〜50μmであればよい。詳細には、排ガス中に処理剤を吹き入れる第1の方法では、1〜5μmがよい。1μmより小さい場合酸化鉄粉同様の理由により集塵器9の能力を低下させるため好ましくない。貯蔵時の分級を避けるため酸化鉄と同じ粒径が好ましい。50μmより大きいと集塵器9まで排ガスとともに移動しにくいので好ましくない。
第2の方法では、灰と混ざる大きさであればよく、1〜50μmが好ましい。1μより小さいと飛散しやすいので取扱い上好ましくない。貯蔵時の分級を避けるため酸化鉄と同じ粒径が好ましい。
【0030】
なお、前記特開2001−79352号公報には、リンは酸化鉄粉の触媒毒として作用するので好ましくない旨が記載されているが、水分がなければ、リン系化合物は反応しないのでほとんど触媒毒としては働かない。本発明では、まず酸化鉄粉でダイオキシンを分解し、その後水を加えているので、両者が別々の段階で機能するので問題はない。
また、本発明の廃棄物の処理剤は、ごみ焼却施設以外における廃棄物の処理に使用してもよく、重金属とダイオキシンで汚染された土壌や底質などの無害化処理にも応用することもできる。
【0031】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
1日30トンの焼却能力を有する、図1(a)のごみ焼却施設100とほぼ同様のバッチ式のごみ焼却施設において、第1の方法で排ガス及び飛灰を処理した。電気式の集塵器の手前の煙道から、酸化鉄粉4重量部に対しヘキサメタリン酸1重量部を混合した本発明の処理剤Aを排ガス中に噴霧した。このときの混入量は、排ガス1Nm3につき処理剤500mgであった。このとき、酸化鉄粉は、排ガスに対して400mg/Nm3であって、ヘキサメタリン酸は集塵器で捕集した飛灰及び処理剤の混合物中、4重量%であった。
集塵器の出口の排ガスのダイオキシン類の濃度を、所定の方法により測定した。
また、集塵器内の処理剤Aを含む飛灰をミキサーに移し、水をスラリー状になるまで加えながら混練し、得られたスラリー中の鉛の溶出量を環境庁告示13号試験に基づいて測定した。
測定により得られたダイオキシン濃度及び鉛濃度の結果を表1に示した。
【0032】
<比較例1>
処理剤Aの代わりに、処理剤Aで用いた酸化鉄粉だけからなる処理剤Bを400mg/Nm3吹き入れる以外は、実施例1と全く同様の方法で処理を行い、排ガスのダイオキシン類濃度と飛灰の鉛溶出量を測定した。
【0033】
<実施例2>
1日30トンの焼却能力を有する、図1(b)のごみ焼却施設100とほぼ同様のバッチ式のごみ焼却施設において、第2の方法で飛灰を処理した。電気式の集塵器に集めた飛灰を加熱装置に移し、そこで、実施例1と同じ処理剤Aを、処理剤を含む飛灰に対して、処理剤Aの濃度が5重量%になるように添加した。
加熱装置で400℃で30分加熱した後、灰を所定量採取し、ダイオキシン類濃度を実施例1と同様の方法で測定した。さらに加熱後の飛灰と処理剤をミキサーに移し、水をスラリー状になるまで加えながら混練し、得られたスラリーの鉛の溶出量を実施例1同様に測定した。
測定により得られたダイオキシン濃度及び鉛濃度の結果を表1に示した。
なお、実施例2で、集塵器に集めた灰は、それより手前の工程で薬剤によるダイオキシン分解処理を行っていないものである。
【0034】
<比較例2>
処理剤Aの代わりに、比較例1の処理剤Bを使用する以外は、実施例2と全く同様の方法で、処理を行い、飛灰中のダイオキシン類濃度と灰からの鉛溶出量を測定した。
【0035】
【表1】
【0036】
表1の結果から、本発明の処理剤Aを用いることで、排ガス中に吹き入れる第1の方法でも、飛灰の中に投入する第2の方法でも、酸化鉄からなる処理剤Bと同程度ダイオキシン類の濃度を下げることができる。しかも、飛灰中の鉛については、処理剤Bと比較すると鉛溶出量が約20分の1となり、重金属である鉛も不溶化できたことが分かる。
従来品と同様である処理剤Bを使用した場合、重金属の処理のために別な工程や装置が必要であるが、本発明では、ダイオキシンと重金属の処理のために1つの処理剤を投入し加熱や加湿混練といった簡単な工程や装置で済むので、それぞれの処理のために複数種類の薬剤及び薬剤用の供給装置等を必須とする工程より作業が楽で、付帯設備も少なくなる。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、酸化鉄によりダイオキシン類を分解し、リン系化合物により重金属を不溶化処理することができ、1つの薬剤で両方を無害化処理することができる上に、薬剤を投入する装置などの設備が1つで済み付帯設備も小さいものでよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の飛灰等の処理方法を適用したごみ焼却施設の例を示す図で、(a)は第1の方法を適用する場合の構成図であり、(b)は第2の方法を適用する場合の構成の一部を示す図である。
【符号の説明】
1 ごみホッパ
2 焼却炉
3 燃焼室
5 冷却室
6 空気予熱器
9 集塵器
11 煙突
13a 第1の煙道
13b 第2の煙道
13c 第3の煙道
20 ミキサー
21 加熱装置[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an agent for treating waste containing dioxins and heavy metals, a method for treating exhaust gas and fly ash, and a method for treating fly ash using the agent.
[0002]
[Prior art]
Dioxins generated by incomplete combustion and the presence of hydrogen chloride when incinerating general waste and industrial waste in a waste incineration facility have become a social problem. In order to suppress the generation of dioxin in refuse incineration facilities, treatment agents mainly containing iron oxide powder as disclosed in JP-A-2001-79352 have been developed. This publication describes that dioxin in exhaust gas is decomposed with iron oxide by spraying the treatment agent into the exhaust gas between the incinerator and the dust collector.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, fly ash generated by incineration contains a lot of harmful heavy metals such as lead, cadmium, mercury, chromium, arsenic, and selenium. Therefore, an insolubilization treatment is required.
The iron oxide-based drug disclosed in the above publication can decompose dioxin but cannot insolubilize heavy metals. Therefore, a processing agent such as concrete or a chelating agent for immobilizing heavy metals must be added to the ash in addition to the processing agent for dioxin, and equipment for this purpose, such as a chemical storage tank, a liquid sending line, and a pump. Many additional facilities, such as mixing tanks, must be provided.
[0004]
The object of the present invention is to treat dioxin as a treating agent used in refuse incineration facilities and the like without requiring large-scale incidental facilities, and to treat heavy metals insoluble, and a treating method using the treating agent. Is to provide.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, the invention described in claim 1 is
An agent for treating waste containing dioxins and heavy metals, comprising iron oxide and a phosphorus compound.
According to the first aspect of the present invention, dioxins are decomposed by iron oxide, heavy metals can be insolubilized by a phosphorus-based compound, and both can be detoxified by one agent. Only one facility such as a device for feeding the waste is required, and the accompanying facilities may be small.
In claim 1, dioxins are various toxic dioxins and their precursors.
[0006]
In the waste treating agent containing dioxins and heavy metals according to claim 1, the phosphorus compound is preferably a phosphoric acid compound as in the invention according to claim 2.
[0007]
The invention according to claim 3 is:
Treatment of exhaust gas and fly ash containing dioxins and heavy metals in an incinerator equipped with an incinerator, a gas flow path through which the exhaust gas generated in the incinerator passes, and a dust collector for collecting fly ash contained in the exhaust gas The method,
In the exhaust gas in the gas flow path, the processing agent according to claim 1 or 2 is added in powder form, and after the addition of the processing agent, the fly ash containing the processing agent collected by the dust collector is added. And kneading with addition of water.
[0008]
According to the third aspect of the invention, by adding the treatment agent according to the first or second aspect to the exhaust gas, first, dioxins in the exhaust gas are decomposed by the iron oxide in the treatment agent. Next, heavy metals in the fly ash are insolubilized by the phosphorus-based compound by adding water and kneading. In other words, both can be detoxified with a single agent.
In addition, a simple process or device such as humidifying and kneading is required for the treatment of dioxins and heavy metals with a single treatment agent, so multiple types of chemicals and a supply device for chemicals are required for each treatment. The operation is easier than the process of (1), and the number of auxiliary facilities is reduced.
In claim 3, the gas flow path includes not only a so-called flue, but also a cooling device through which exhaust gas passes.
[0009]
According to claim 3, wherein the treatment agent is preferable as defined in claim 4, wherein the iron oxide to the exhaust gas 1 Nm 3 is a 100-1000 mg, and trapped by the dust collector It is preferable to add so that the concentration of the phosphorus compound in the fly ash containing the treating agent may be 1 to 5% by weight.
If the amount of iron oxide is less than 100 mg, dioxin in the exhaust gas is not completely decomposed, and if the amount of the phosphorus-based compound is less than 1% by weight, insolubilization of heavy metals in fly ash does not proceed sufficiently. Further, if the amount of iron oxide exceeds 1000 mg or the amount of the phosphorus compound exceeds 5% by weight, it is not preferable because the amount of ash finally disposed of increases and the cost of chemicals required for treatment increases.
[0010]
The invention according to claim 5 is
In an incinerator equipped with an incinerator and a dust collector for collecting fly ash contained in exhaust gas generated from the incinerator, a method for treating fly ash containing dioxins and heavy metals,
The treatment agent according to claim 1 or 2 is added to the fly ash collected by the dust collector, and after the treatment agent is added, the fly ash is heated to 300 to 500 ° C., and then water is added and kneaded. It is characterized.
[0011]
According to the invention as set forth in claim 5, by adding the treating agent according to claim 1 or 2 to the dust collection ash and then heating to 300 to 500 ° C., first, the dioxins in the fly ash are removed from the treating agent. Decomposed by iron oxide. Next, heavy metals in the ash are insolubilized by the phosphorus-based compound by adding water and kneading. That is, both can be detoxified with one chemical.
In addition, a simple process or device such as heating or humidification and kneading is required for the treatment of dioxins and heavy metals with a single treatment agent. The work is easier and the number of auxiliary facilities is smaller than the process that requires
Here, if the heating temperature is lower than 300 ° C., the decomposition reaction of dioxin is not promoted. If the heating temperature is higher than 500 ° C., the metal component of the ash is melted, adversely affecting the heating device or wasting energy, which is not preferable. . Further, a processing agent may be added to the fly ash collected by the dust collector in the dust collector, or may be added to the fly ash after being transferred to a heating device or the like.
[0012]
According to a fifth aspect of the present invention, in the fly ash containing the treating agent, the concentration of the phosphorus compound in the fly ash containing the treating agent is 1 to 5% by weight, and the concentration of the iron oxide is 1 to 10%. It is preferable to add it so that it may be a weight%.
If the phosphorus-based compound is less than 1% by weight or the iron oxide is less than 1% by weight, the insolubilization treatment of heavy metals and the decomposition treatment of dioxins in fly ash are not completely performed. On the other hand, if the content of the phosphorus compound exceeds 5% by weight and the content of iron oxide exceeds 10% by weight, the amount of ash that must be finally disposed of increases, and the processing cost increases.
[0013]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the treatment agent for waste containing dioxins and heavy metals and the treatment method using the treatment agent of the present invention will be described in detail.
[0014]
In the method for treating fly ash and the like of the present invention, a treating agent containing iron oxide and a phosphorus compound is used. This treating agent can be suitably used for the treatment of waste consisting of exhaust gas and fly ash generated in an incinerator of a refuse incineration facility. FIG. 1 shows an example of a waste incineration facility to which the treatment method of the present invention is applied. The refuse incineration facility 100 is an intermittent operation type, so-called batch type incineration facility. FIG. 1A shows an overall schematic diagram in the case of processing by the first method described later, and FIG. 1B shows the case of processing by the second method in the refuse incineration facility 100. It is the figure which showed only a different part.
[0015]
The refuse incineration facility 100 includes a refuse hopper 1, an incinerator 2, a dust collector 9, a chimney 11, and the like. Garbage is put into the incinerator 2 from the garbage hopper 1. The combustion chamber 3 in the incinerator 2 is supplied with combustion air of about 1.5 to 3.5 times the theoretical amount of air required for complete combustion according to the amount of waste. As the combustion air, air sucked by the push-in blower 12 and heated by the air preheater 6 is used. Fresh air from the forced air blower 12 is first sent to the air preheater 6, where it is mixed with a part of exhaust gas and sent to the incinerator 2. By mixing with a part of the exhaust gas in this way, the temperature of the combustion air can be increased, and the temperature of the incinerator 2 is prevented from being reduced by the supply of the air.
[0016]
The combustion chamber 3 is provided with an auxiliary burner port 4. Above the combustion chamber 3, a gas cooling chamber 5 is provided, where exhaust gas is sprayed with water to rapidly cool it. The exhaust gas generated in the combustion chamber 3 is very high temperature and does not generate dioxin at that temperature, but dioxin is generated when the temperature gradually decreases on the way to the dust collector 9 and reaches 200 to 400 ° C. Would. Therefore, the generation of dioxins can be considerably prevented by rapidly cooling the gas to a temperature of 200 ° C. or lower in a gas cooling chamber 5 over a temperature range in which dioxins are easily generated.
The exhaust gas sent from the gas cooling chamber 5 passes through the first flue 13a, passes through the air preheater 6, and the second flue 13b, and is sent to the dust collector 9. The gas cooling chamber 5, the first flue 13a, the air preheater 6, and the second flue 13b are the gas passages of the present invention. The dust collector 9 is generally an electric dust collector or a bag filter, in which fly ash is collected at a lower portion in the dust collector 9, and the remaining gas is sent to a third flue 13c. , And is discharged from the chimney 11 by the induction blower 10.
[0017]
Fly ash collected in the dust collector 9 is taken out from the discharge port 9a, subjected to a predetermined process according to each of a first method and a second method described later, and discharged to the outside.
Hereinafter, the method for treating fly ash and the like of the present invention will be described. In the present invention, dioxins and heavy metals are treated by the following two treatment methods.
[0018]
The first method is a method for treating exhaust gas and fly ash containing dioxins and heavy metals.
Using the facility shown in FIG. 1 (a), a powdery treatment agent of the present invention is sprayed into exhaust gas from supply ports provided before the dust collector 9, for example, supply ports 14, 15, 16, and 17. Supply by doing. The treating agent of the present invention is composed of iron oxide and a phosphorus compound. Of these, iron oxide is decomposed by contact with dioxin or its precursor in exhaust gas immediately or during the process of moving to dust collector 9. You.
Since the gas cooling chamber 5 is provided as described above, there is not much dioxin flowing to the dust collector 9 through the flue 13a, 13b. However, the flue 13b is often at a temperature at which dioxin is likely to be generated, for example, at about 300 ° C., and even if there is a slight amount of a precursor or the like, the dioxin is generated here. Is promoted and generation of dioxin can be suppressed.
Thereafter, the fly ash containing the treating agent collected by the dust collector 9 is sent to a mixer 20 having a stirring device. Water is supplied to the fly ash in the mixer 20 to such an extent that the fly ash becomes a slurry, and the mixture is stirred. By this step, the phosphorus compound of the treating agent reacts with the heavy metal in the ash and is insolubilized.
Thereafter, the slurry is discharged to the outside.
[0019]
In the treatment agent in the first method, the amount of iron oxide powder is 100 to 1000 mg / Nm 3 (Normal Lewis) based on the exhaust gas, and the phosphorus compound is 1 to 5% by weight based on fly ash containing the treatment agent. Is added by calculation and blending.
[0020]
The second method is a method for treating fly ash containing dioxins and heavy metals. Using the facility shown in FIG. 1B, the processing agent of the present invention is not supplied before the dust collector 9, and the fly ash collected by the dust collector 9 is sent to a heating device 21 such as an electric heating furnace. . The treatment agent of the present invention is put into the heating device 21 in which fly ash is collected, and heated at 300 to 500 ° C, preferably 400 ° C or less from the viewpoint of energy efficiency. At this time, the inside of the heating device 21 may be agitated as needed. At this temperature, iron oxide in the treating agent and dioxin or its precursor in the ash react and decompose.
The heating time is preferably from 10 to 40 minutes. If it is less than 10 minutes, it may not be completely decomposed, and the time exceeding 40 minutes is unnecessary and wastes energy.
The treatment agent may be charged into the dust collector 9 and then transferred to the heating device 21.
[0021]
Thereafter, the fly ash from which the dioxin has been decomposed is sent to a mixer 20 having a stirrer. Water is supplied to the fly ash in the mixer 20 to such an extent that the fly ash becomes a slurry, and the mixture is stirred. By this step, the phosphorus compound reacts with the heavy metal in the ash and is insolubilized. Here, temperature control is not particularly necessary.
Then, it is discharged outside.
[0022]
In the second method, the amount added is such that the phosphorus-based compound concentration of the fly ash containing the treating agent is 1 to 5% by weight and the iron oxide is 1 to 10% by weight.
[0023]
In any of the first method and the second method, a treatment agent supply device may be provided in the refuse incineration plant 100, and the treatment agent of the present invention in which iron oxide and a phosphorus-based compound powder are mixed may be supplied therefrom.
In addition, you may mix and add the processing agent which concerns on this invention with another chemical | medical agent.
For example, activated carbon or alkaline earth metals such as slaked lime, quicklime, calcium carbonate, magnesium oxide, magnesium carbonate, dolomite, and the like are used in the refuse incineration facility 100 to adsorb and remove dioxins in exhaust gas. A drug introduction device for introducing a compound, an alkali metal compound such as sodium carbonate, sodium hydrogencarbonate and potassium hydrogencarbonate may be provided. The treatment agent of the present invention may be sprayed into exhaust gas together with the agent for neutralizing activated carbon or acidic gas, or separately from the agent introduction device.
Further, the refuse incineration facility 100 may be provided with a filter aid adding device in order to improve the filtration performance of the bag filter of the dust collector 9. In that case, the treatment agent of the present invention may be mixed with the treatment agent of the present invention, such as diatomaceous earth or perlite, which is a filter aid, or only the treatment agent separately from the filter aid may be sprayed into the exhaust gas from the filter aid addition device. .
[0024]
Although FIG. 1 shows a batch-type incineration facility, it is a matter of course that the treatment method of the present invention may be applied to a facility having a large continuous operation furnace. In general, continuous operation furnaces are continuously incinerated at high temperatures, so that it is easy to completely burn refuse and the generation of dioxins is small. In comparison, batch furnaces that operate intermittently operate incinerators at regular intervals, so incomplete combustion is more likely to occur when the operation is stopped or restarted. And dioxins are easily generated. Therefore, the treatment method of the present invention can be suitably used particularly for a batch incinerator.
[0025]
Next, the waste treating agent containing dioxins and heavy metals of the present invention will be described. The treatment agent of the present invention is characterized by containing iron oxide and a phosphorus compound.
Examples of the iron oxide include hydrous iron oxides such as goethite, akagenite, and lepidocrocite, iron oxides such as hematite, maghemite, and magnetite, and mixtures thereof.
[0026]
The iron oxide is preferably in the form of powder, and the average particle size may be in the range of 1 to 50 μm, but the preferred particle size varies depending on the method of use. In the first method in which the treating agent of the present invention is added by directly blowing into the exhaust gas, a small powder is preferable so that the iron oxide powder easily comes into direct contact with dioxin and its precursor in the exhaust gas, and 1 to 5 μm is preferable. . If the size is less than 1 μm, the particles are too fine and may pass through the filter of the dust collector 9 and the dust collection performance is reduced. If the size is more than 5 μm, the particles easily fall and come into contact with dioxin in the exhaust gas. Since the rate decreases and the movement to the dust collector 9 is not sufficiently performed, dioxin generation cannot be suppressed efficiently.
[0027]
Further, in the second method of mixing the treatment agent with fly ash, it is sufficient that the size is such that it can mix with fly ash, and preferably 1 to 50 μm. If it is smaller than 1 μm, it is liable to be scattered, which is not preferable in handling.
[0028]
In the treating agent of the present invention, the phosphorus compound is present in fly ash and reacts with heavy metals in the presence of water to become insoluble.
As the phosphorus compound, a phosphoric acid compound such as phosphoric acid, phosphorous acid, hypophosphorous acid, or a salt thereof is preferable. Specifically, examples of the phosphoric acid include orthophosphoric acid, hypophosphorous acid, phosphorous acid, hypophosphoric acid, metaphosphoric acid, pyrophosphoric acid, triphosphoric acid (tripolyphosphoric acid), hexametaphosphoric acid, and other polyphosphoric acids. . Examples of the phosphate include salts of these phosphoric acids, dihydrogen phosphate, hydrogen phosphate, and the like. For example, calcium phosphate, sodium phosphate, sodium pyrophosphate, sodium hexametaphosphate, sodium dihydrogen phosphate, Disodium hydrogen phosphate and the like can be mentioned. Of these, sodium hexametaphosphate and sodium pyrophosphate are preferred because they are relatively stable in powder form even in air.
[0029]
These phosphorus compounds are added in powder form together with iron oxide powder, and may have an average particle size of 1 to 50 μm. Specifically, in the first method of blowing the treating agent into the exhaust gas, the thickness is preferably 1 to 5 μm. If the diameter is smaller than 1 μm, the performance of the dust collector 9 is lowered for the same reason as the iron oxide powder, which is not preferable. To avoid classification during storage, the same particle size as iron oxide is preferred. If it is larger than 50 μm, it is not preferable because it is difficult to move together with the exhaust gas to the dust collector 9.
In the second method, it is sufficient that the size is such that it can be mixed with the ash, and preferably 1 to 50 μm. If it is smaller than 1 μm, it is easy to fly, which is not preferable in handling. To avoid classification during storage, the same particle size as iron oxide is preferred.
[0030]
JP-A-2001-79352 describes that phosphorus acts as a catalyst poison for iron oxide powder, which is not preferable. However, if there is no water, the phosphorus-based compound does not react, so that almost no catalyst poison is present. Does not work. In the present invention, since dioxin is first decomposed with iron oxide powder, and then water is added, there is no problem since both functions at different stages.
Further, the waste treating agent of the present invention may be used for treating waste in facilities other than refuse incineration facilities, and may also be applied to detoxification of soil and sediment contaminated with heavy metals and dioxins. it can.
[0031]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described specifically with reference to Examples, but the present invention is not limited to these Examples.
<Example 1>
Exhaust gas and fly ash were treated by the first method in a batch-type waste incineration facility having substantially the same incineration capacity of 30 tons per day as the waste incineration facility 100 shown in FIG. 1A. The treating agent A of the present invention, in which 4 parts by weight of iron oxide powder and 1 part by weight of hexametaphosphoric acid were mixed, was sprayed from the flue in front of the electric dust collector into the exhaust gas. At this time, the mixing amount was 500 mg of the treating agent per 1 Nm 3 of exhaust gas. At this time, the amount of iron oxide powder was 400 mg / Nm 3 with respect to the exhaust gas, and the amount of hexametaphosphoric acid was 4% by weight in the mixture of fly ash and the treating agent collected by the dust collector.
The concentration of dioxins in the exhaust gas at the outlet of the dust collector was measured by a predetermined method.
The fly ash containing the treating agent A in the dust collector was transferred to a mixer, and kneaded while adding water to a slurry, and the amount of lead eluted in the obtained slurry was determined based on the Environment Agency Notification No. 13 test. Measured.
Table 1 shows the results of the dioxin concentration and the lead concentration obtained by the measurement.
[0032]
<Comparative Example 1>
Instead of treating agent A, treating agent B consisting of only iron oxide powder used in treating agent A was blown at 400 mg / Nm 3 in the same manner as in Example 1, and the concentration of dioxins in exhaust gas was measured. And the amount of lead leached from fly ash were measured.
[0033]
<Example 2>
Fly ash was treated by the second method in a batch type waste incineration facility substantially similar to the waste incineration facility 100 of FIG. 1B having an incineration capacity of 30 tons per day. The fly ash collected in the electric dust collector is transferred to a heating device, where the same treating agent A as in Example 1 is used, and the concentration of the treating agent A becomes 5% by weight with respect to the fly ash containing the treating agent. Was added as follows.
After heating at 400 ° C. for 30 minutes with a heating device, a predetermined amount of ash was sampled, and the concentration of dioxins was measured in the same manner as in Example 1. Further, the fly ash and the treating agent after heating were transferred to a mixer, kneaded while adding water until a slurry was formed, and the amount of lead eluted from the obtained slurry was measured as in Example 1.
Table 1 shows the results of the dioxin concentration and the lead concentration obtained by the measurement.
Note that the ash collected in the dust collector in Example 2 had not been subjected to dioxin decomposition treatment with a chemical in a process before that.
[0034]
<Comparative Example 2>
Except for using the treating agent B of Comparative Example 1 in place of the treating agent A, the treatment was performed in exactly the same manner as in Example 2, and the concentration of dioxins in fly ash and the amount of lead eluted from the ash were measured. did.
[0035]
[Table 1]
[0036]
From the results shown in Table 1, the use of the treating agent A of the present invention is the same as that of the treating agent B composed of iron oxide in both the first method of blowing into exhaust gas and the second method of introducing into fly ash. The concentration of dioxins can be reduced to a certain extent. Moreover, as for lead in fly ash, the amount of lead eluted was about 1/20 compared to that of the treating agent B, indicating that lead as a heavy metal could be insolubilized.
When the treating agent B which is the same as the conventional product is used, another process and apparatus are required for treating the heavy metal, but in the present invention, one treating agent is introduced for treating the dioxin and the heavy metal. Since simple processes and devices such as heating and humidifying and kneading are sufficient, the work is easier and the number of auxiliary facilities is smaller than that of a process that requires a plurality of types of drugs and drug supply devices for each treatment.
[0037]
【The invention's effect】
According to the present invention, dioxins can be decomposed by iron oxide, heavy metals can be insolubilized by a phosphorus compound, and both can be rendered harmless by a single agent. And only one auxiliary equipment is required.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing an example of a refuse incineration facility to which a method for treating fly ash or the like of the present invention is applied, wherein FIG. 1A is a configuration diagram in the case of applying a first method, and FIG. FIG. 9 is a diagram illustrating a part of a configuration in a case where the method of FIG.
[Explanation of symbols]
REFERENCE SIGNS LIST 1 refuse hopper 2 incinerator 3 combustion chamber 5 cooling chamber 6 air preheater 9 dust collector 11 chimney 13a first flue 13b second flue 13c third flue 20 mixer 21 heating device