JP2004065617A - 芳香消臭装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】発揮される芳香消臭作用の強さを簡単に調整できる芳香消臭装置を提供すること。
【解決手段】ケース1内に、液状の芳香消臭剤を収容した容器2と、容器2から供給された芳香消臭剤を蒸発させる蒸発部3と、蒸発した芳香消臭剤をケース1外へ放出させるファン4と、を備えた、芳香消臭装置において、ファン4を、蒸発部3に向けて上方から空気を吹付けて蒸発を促進させ得るように、設け、蒸発部3に対する空気の吹付け具合を制御する調整機構7を設け、調整機構7が、蒸発部3とファン4との間を仕切る仕切り板71と、仕切り板71に形成された開口部72と、開口部72を部分的に塞ぐとともに開口部72内をスライド可能に設置されたスライド板73と、で構成されていることを特徴としている。
【選択図】 図1
【解決手段】ケース1内に、液状の芳香消臭剤を収容した容器2と、容器2から供給された芳香消臭剤を蒸発させる蒸発部3と、蒸発した芳香消臭剤をケース1外へ放出させるファン4と、を備えた、芳香消臭装置において、ファン4を、蒸発部3に向けて上方から空気を吹付けて蒸発を促進させ得るように、設け、蒸発部3に対する空気の吹付け具合を制御する調整機構7を設け、調整機構7が、蒸発部3とファン4との間を仕切る仕切り板71と、仕切り板71に形成された開口部72と、開口部72を部分的に塞ぐとともに開口部72内をスライド可能に設置されたスライド板73と、で構成されていることを特徴としている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、芳香消臭剤を蒸発させ放出して芳香消臭作用を発揮する芳香消臭装置に関するものである。
【0002】
【従来技術及びその課題】
芳香消臭剤を蒸発させ放出して芳香消臭作用を発揮する芳香消臭装置において、発揮される芳香消臭作用の強さを簡単に調整できる装置は、従来、知られていなかった。
【0003】
本発明は、発揮される芳香消臭作用の強さを簡単に調整できる芳香消臭装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、ケース内に、芳香消臭剤が蒸発し得る状態で存在している蒸発部と、蒸発した芳香消臭剤をケース外へ放出させるファンと、を備えた、芳香消臭装置であって、ファンを、蒸発部に向けて空気を吹付けて蒸発を促進させ得るように、設け、蒸発部に対する空気の吹付け具合を制御する調整機構を設けたことを特徴としている。
【0005】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、上記調整機構が、蒸発部とファンとの間を仕切る仕切り板と、該仕切り板に形成された開口部と、該開口部を部分的に塞ぐとともに開口部内をスライド可能に設置されたスライド板と、で構成されているものである。
【0006】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、上記調整機構が、ファンと同芯でファンを覆うよう設けられた円筒フードと、円筒フードの一部に形成された切欠き部と、円筒フードを円周方向に任意の角度だけ回動させて固定する回動固定機構と、で構成されているものである。
【0007】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、芳香消臭剤が液状のものであり、蒸発部が、吸湿材に当該芳香消臭剤を吸湿させることにより構成されており、蒸発部には、容器に収容された当該芳香消臭剤が供給されるようになっているものである。
【0008】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明において、芳香消臭剤がゲル状又は固体状のものであり、蒸発部が、当該芳香消臭剤を表面が晒された状態で設置することにより構成されているものである。
【0009】
なお、芳香消臭剤とは、芳香成分又は消臭成分又は芳香消臭成分を含有してなる薬剤である。
【0010】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
図1は本実施形態の芳香消臭装置の内部構造を示す斜視図、図2は該装置の縦断面部分図である。この装置は、蓋11及び本体12からなるケース1内に、芳香消臭剤を蒸散させる蒸散機構を備えている。蓋11は、その上面111の後縁にて、ヒンジ機構13により、本体12に対して開閉可能となっている。図1は蓋11を本体12から外した状態を示している。蓋11を本体12に対して閉じると、蒸散機構はケース1内に収納された状態となる。
【0011】
蒸散機構は、容器2と、蒸発部3と、ファン4と、モータ5と、電源6と、調整機構7と、で構成されている。容器2は、液状の芳香消臭剤を収容している。蒸発部3は、吸湿材であるろ紙を浅い箱板内に敷き詰めて構成されており、水平に支持されている。なお、ろ紙以外の吸湿材を用いてもよい。蒸発部3からは、容器2内に繊維束(図示せず)が垂下している。容器2内の芳香消臭剤は、繊維束により吸い上げられて蒸発部3に行き渡るようになっている。ファン4は、モータ5の水平回転軸に固定されており、水平軸回りに矢印A方向に回転して水平軸回りの空気の流れを生じさせるようになっている。ファン4の上方には上壁フード81が、後方(本体12側)にはファン4の円周に沿った円弧フード82が、連続して設けられている。モータ5は、本体12の内面に固定されている。電源6は電池である。
【0012】
そして、調整機構7は、蒸発部3とファン4との間を仕切る仕切り板71と、仕切り板71に形成された開口部72と、開口部72を部分的に塞ぐとともに開口部72内をスライド可能に設置されたスライド板73と、で構成されている。仕切り板71は、円弧フード82に連続して水平に延びている。なお、開口部72はファン4の直下に、また、蒸発部3は開口部72の直下に、それぞれ、中心が鉛直線上に揃うように、位置している。
【0013】
図3は開口部72の拡大斜視図、図4は図3の分解図、図5は図3のV−V矢視の分解断面図である。開口部72は、平面視で長方形に形成されている。開口部72の前後方向に延びた両縁723には、段部724が縁723に沿って形成されている。スライド板73は、その両縁731を段部724上に載置することにより、開口部72内をスライド可能に設置されている。設置されたスライド板73は仕切り板71と同一面を構成している。スライド板73の前縁732からは、下方に摘み部733が延びている。両縁731の前端部の下面には、突起734が形成されている。一方、段部724の上面には、突起734が嵌合する穴725が、前後方向適当間隔置きに、複数個形成されている。スライド板73は、摘み部733を摘んで開口部72内を前後方向(図3の矢印方向)にスライドさせ、任意の位置の穴725に突起734を嵌合させることによって位置決めされて、開口部72内に設置されるようになっている。スライド板73が設置されることにより、図3に示すように、開口部72の開口721の寸法L3及び開口722の寸法L4が設定されることとなる。
【0014】
次に、上記構成の芳香消臭装置の作動を主に図2を参照しながら説明する。
モータ5を作動させると、矢印A方向にファン4が回転する。ファン4が回転すると、空気が、蓋11の上面111のスリット112からケース1内に吸い込まれ、上壁フード81及び円弧フード82を横から乗り越え、ファン4周辺にて水平軸回りの矢印Bに示すような流れとなり、前面113のスリット114からケース1外へ放出される。このとき、空気の流れの一部が、矢印C,Dに示すように、開口721,722を通って蒸発部3に上方から吹付けられる。蒸発部3には容器2内の芳香消臭剤が行き渡っており、吹付けられた空気によって蒸発部3からの芳香消臭剤の蒸発が促進される。蒸発した芳香消臭剤は、空気の流れに載ってスリット114からケース1外へ放出される。これにより、上記構成の芳香消臭装置から、蒸発した芳香消臭剤が放出されて、芳香消臭作用が発揮されることとなる。
【0015】
なお、矢印Bに示す空気の流れは、上壁フード81及び円弧フード82があるために、効率良く生成する。そのため、矢印C,Dに示す空気の流れも、効率良く生成する。
【0016】
ところで、蒸発部3における芳香消臭剤の単位時間当たりの蒸発量が多いと、発揮される芳香消臭作用は強くなる。そして、蒸発部3における芳香消臭剤の単位時間当たりの蒸発量は、蒸発部3に対する空気の吹付け具合によって異なってくる。蒸発部3に対する空気の吹付け具合は、開口721,722の寸法L3,L4(図3)の大きさによって異なってくる。開口721,722の寸法L3,L4は、スライド板73を開口部72内でスライドさせて設置することにより、変えることができる。
【0017】
従って、上記構成の芳香消臭装置においては、スライド板73を開口部72内でスライドさせて任意の位置に設置することにより、即ち、調整機構7によって調整を行うことにより、蒸発部3における芳香消臭剤の単位時間当たりの蒸発量を変えることができる。よって、上記構成の芳香消臭装置によれば、発揮される芳香消臭作用の強さを簡単に調整できる。
【0018】
[実施例1]
実施形態1の芳香消臭装置による具体的な調整例を図6〜図9を用いて示す。なお、図6〜図9では、ファン4を模式的に示した。
・装置構成の具体値
・ファン4
・直径D(図6):57mm
・幅:23mm
・羽根41の枚数:12枚
・回転数:約600回/分
・仕切り板71との距離d1(図6):0.2cm
・開口部72
・奥行きL1(図4):70mm
・幅W1(図4):25mm
・スライド板73
・長さL2(図4):25mm
・蒸発部3
・奥行き:70mm
・幅:70mm
・仕切り板71との距離d2(図6):1cm
・ケース1
・縦25cm×横9cm×奥行き9cm
・液状芳香消臭剤
・組成…・芳香消臭成分:15重量%
・溶剤:30重量%
・界面活性剤:5重量%
・水:50重量%
【0019】
・調整の具体値
図6〜図9に示すように、L3を4段階に設定した。即ち、図6はL3が1cmの場合(第1調整例)、図7はL3が2cmの場合(第2調整例)、図8はL3が3cmの場合(第3調整例)、図9はL3が4cmの場合(第4調整例)である。
【0020】
モータ5を作動させてから3.5時間後の容器2における芳香消臭剤の減少量を測定した。その結果を表1に示す。表1では、図6の場合の減少量を100として示した。なお、図6〜図9における矢印は空気の流れを示す。
【0021】
【表1】
【0022】
表1からわかるように、L3が変われば、芳香消臭剤の減少量も変わっている。即ち、L3=3cm(図8)の場合に減少量が最大となっており、L3=4cm(図9)の場合、L3=2cm(図7)の場合、L3=1cm(図6)の場合の順に、減少量が小さくなっている。従って、例えば、図8の場合を「最大」、図9の場合を「大」、図7の場合を「中」、図6の場合を「小」と定めて、スライド板73を設定すれば、それに対応して、芳香消臭作用の強さを、「最大」、「大」、「中」、「小」に調整できる。即ち、芳香消臭作用の強さを4段階に調整できる。
【0023】
なお、スライド板73のL2を、10mm、20mm、30mmとするとともに、L3を、上記と同様に、1cm、2cm、3cm、4cmとした場合についても、同様に測定した。その結果を表2〜表4に示す。なお、表2〜表4でも、表1の図6の場合の減少量を100として示した。
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】
表1〜表4からわかるように、スライド板73のL2がいずれの場合においても、4段階の調整を行うことができるが、L2=25mmの場合が、「最大」と「小」との差が大きいので、好ましいと言える。
【0028】
(実施形態2)
本実施形態は、実施形態1に比して、上壁フード81及び円弧フード82が無く、調整機構7が異なっている。なお、本実施形態のその他の構成は実施形態1と同じである。図10は、本実施形態の芳香消臭装置の縦断面部分図であり、図2に相当する図である。図11は同じく要部斜視図である。本実施形態の調整機構7は、ファン4と同芯でファン4を覆うよう設けられた円筒フード75と、円筒フード75の一部に形成された切欠き部76と、円筒フード75を円周方向に任意の角度だけ回動させて固定する回動固定機構77(図12)と、で構成されている。
【0029】
切欠き部76は、円筒フード75を例えば円周角35度分だけ切り欠いて形成されている。
【0030】
図12は円筒フード75及びモータ5を前方から見た図であるが、切欠き部76は省略している。回動固定機構77は、図12及び図12のXIII矢視図である図13に示すように、モータ5に摺動可能に外嵌した筒体771と、筒体771の内面に等間隔に形成された溝772と、モータ5の外面に形成され且つ溝772に嵌る突起773と、で構成されている。溝772と突起773とは、例えば45度置きに嵌り合うようになっている。なお、蒸発部3は、円筒フード75の直下に、それぞれの中心が鉛直線上に揃うように、位置している。
【0031】
次に、上記構成の芳香消臭装置の作動を主に図10を参照しながら説明する。モータ5を作動させると、矢印A方向にファン4が回転する。ファン4が回転すると、空気が、蓋11の上面111のスリット112からケース1内に吸い込まれ、円筒フード75を横から乗り越え、ファン4周辺にて水平軸回りの矢印Eに示すような流れとなり、切欠き部76を通り、前面113のスリット114からケース1外へ放出される。一方、蒸発部3には容器2内の芳香消臭剤が行き渡っており、蒸発部3からは芳香消臭剤が自然蒸発している。従って、蒸発した芳香消臭剤は、ファン4の回転に伴う空気の流れに引っ張られるようにしてスリット114からケース1外へ放出される。これにより、上記構成の芳香消臭装置から、蒸発した芳香消臭剤が放出されて、芳香消臭作用が発揮されることとなる。
【0032】
ところで、蒸発部3における芳香消臭剤の単位時間当たりの蒸発量が多いと、発揮される芳香消臭作用は強くなる。そして、蒸発部3における芳香消臭剤の単位時間当たりの蒸発量は、蒸発部3に対する空気の吹付け具合によって異なってくる。蒸発部3に対する空気の吹付け具合は、切欠き部76の位置によって異なってくる。切欠き部76の位置は、円筒フード75を回動させて固定することにより、変えることができる。
【0033】
従って、上記構成の芳香消臭装置においては、円筒フード75を任意の角度だけ回動させて固定することにより、即ち、調整機構7によって調整を行うことにより、蒸発部3における芳香消臭剤の単位時間当たりの蒸発量を変えることができる。よって、上記構成の芳香消臭装置によれば、発揮される芳香消臭作用の強さを簡単に調整できる。
【0034】
[実施例2]
実施形態2の芳香消臭装置による具体的な調整例を図14〜図16を用いて示す。なお、図14〜図16では、ファン4を模式的に示した。
・装置構成の具体値
・ファン4
・直径D(図14):57mm
・幅:23mm
・羽根41の枚数:12枚
・回転数:約600回/分
・円筒フード75
・直径D1(図14):77mm
・切欠き部76:円周角35度分
・蒸発部3との距離d3(図15):1cm
・蒸発部3
・奥行き:70mm
・幅:70mm
・ケース1
・縦25cm×横9cm×奥行き9cm
・液状芳香消臭剤
・組成…・芳香消臭成分:15重量%
・溶剤:30重量%
・界面活性剤:5重量%
・水:50重量%
【0035】
・調整の具体値
図14〜図16に示すように、切欠き部76の位置を3段階に設定した。即ち、図14は切欠き部76の位置が真下(即ち角度0度)である場合(第1調整例)、図15は切欠き部76の位置が真下に対して前方45度(即ち角度45度)である場合(第2調整例)、図16は切欠き部76の位置が真下に対して前方90度(即ち角度90度)である場合(第3調整例)である。
【0036】
モータ5を作動させてから3.5時間後の容器2における芳香消臭剤の減少量を測定した。その結果を表5に示す。表5では、図14の場合の減少量を100として示した。なお、図14〜図16における矢印は空気の流れを示す。
【0037】
【表5】
【0038】
表5からわかるように、切欠き部76の位置が変われば、芳香消臭剤の減少量も変わっている。減少量は、角度0度の場合(図14)が最大となっており、角度90度の場合(図16)が最小となっている。従って、例えば、図14の場合を「大」、図15の場合を「中」、図16の場合を「小」と定めて、切欠き部76の位置を設定すれば、それに対応して、芳香消臭作用の強さを、「大」、「中」、「小」に調整できる。即ち、芳香消臭作用の強さを3段階に調整できる。
【0039】
(別の実施形態)
(1)実施形態1,2では、液状の芳香消臭剤を用いているが、ゲル状又は固体状の芳香消臭剤を用いてもよい。
【0040】
[実施例3]
本実施例は、実施形態1の芳香消臭装置において、ゲル状の芳香消臭剤を用いた場合である。図17に示すように、ゲル状芳香消臭剤31は、上に開いた横断面円形の容器91内に入った状態で、実施形態1の蒸発部3及び容器2に代えて、設置されている。従って、本実施例における蒸発部3は、容器91内のゲル状芳香消臭剤31で構成されており、厳密には、ゲル状芳香消臭剤31の空気に晒されている上面部分311である。
【0041】
・装置構成の具体値
・ファン4、開口部72、スライド板73、及びケース1
・実施例1と同じ
・容器91
・上開口直径:56mm
・底面直径:50mm
・高さ:52mm
・仕切り板71と上面部分311との距離d2(図17):1cm
・ゲル状芳香消臭剤31
・組成…・芳香成分:15重量%
・溶剤:10重量%
・水:70重量%
・ゲル化剤:5重量%
【0042】
・調整の具体値
L3を、1cm、2cm、3cm、4cmの、4段階に設定した。
【0043】
モータ5を作動させてから3.5時間後の容器91におけるゲル状芳香消臭剤31の減少量を測定した。その結果を表6に示す。表6では、L3=1cmの場合の減少量を100として示した。
【0044】
【表6】
【0045】
表6からわかるように、L3が変われば、芳香消臭剤の減少量も変わっている。即ち、L3=3cmの場合に減少量が最大となっており、L3=4cmの場合、L3=2cmの場合、L3=1cmの場合の順に、減少量が小さくなっている。従って、実施例1の場合と同様に、芳香消臭作用の強さを4段階に調整できる。
【0046】
[実施例4]
本実施例は、実施形態1の芳香消臭装置において、固体状の芳香消臭剤を用いた場合である。図18に示すように、固体状の芳香消臭剤32は、円板状のものであり、実施形態1の蒸発部3及び容器2に代えて、載置台92上に設置されている。従って、本実施例における蒸発部3は、円板状の固体状芳香消臭剤32で構成されており、厳密には、固体状芳香消臭剤32の空気に晒されている上面部分321及び側面部分322である。
【0047】
・装置構成の具体値
・ファン4、開口部72、スライド板73、及びケース1
・実施例1と同じ
・固体状芳香消臭剤32
・直径:45mm
・厚さ:7mm
・仕切り板71との距離d2(図18):1cm
・組成…・芳香成分:60重量%
・ケイ酸カルシウム:40重量%
【0048】
・調整の具体値
L3を、1cm、2cm、3cm、4cmの、4段階に設定した。
【0049】
モータ5を作動させてから3.5時間後の固体状芳香消臭剤32の減少量を測定した。その結果を表7に示す。表7では、L3=1cmの場合の減少量を100として示した。
【0050】
【表7】
【0051】
表7からわかるように、L3が変われば、芳香消臭剤の減少量も変わっている。即ち、L3=3cmの場合に減少量が最大となっており、L3=2cmの場合、L3=4cmの場合、L3=1cmの場合の順に、減少量が小さくなっている。従って、実施例1の場合と同様に、芳香消臭作用の強さを4段階に調整できる。
【0052】
(2)ゲル状芳香消臭剤31や固体状芳香消臭剤32は、実施形態2の芳香消臭装置においても、実施例3,4の場合と同様に蒸発部3及び容器2に代えて、用いてもよい。
【0053】
(3)実施形態1,2の蒸発部3として、図19に示すような、容器2から露出した芯材33の部分331を用いてもよい。芯材33は、容器2内の液状芳香消臭剤に浸漬されており、液状芳香消臭剤を吸い上げるようになっている。
【0054】
(4)実施形態1の実施例1においては、スライド板73の位置を4段階に設定しているが、その他の複数段階に設定してもよい。また、L3やL4が0となる設定を含めてもよい。
【0055】
(5)実施形態2の実施例2においては、切欠き部76の位置を3段階に設定しているが、その他の複数段階に設定してもよい。例えば、角度10度毎に10段階に設定してもよい。また、角度0度〜90度の範囲だけでなく、0度〜360度までの範囲で設定してもよい。
【0056】
(6)実施形態1,2の構成においては、蒸発部3を、ファン4の直下に、それぞれの中心が鉛直線上に揃うように、位置させているが、蒸発部3を、その中心をずらして、ファン4の直下より前側又は後側に位置させてもよい。
【0057】
(7)実施形態1の構成において、上壁フード81及び円弧フード82の一方又は両方を無くしてもよい。
【0058】
(8)実施形態1の構成においては、穴725に突起734を嵌合させることにより、スライド板73を位置決めしているが、その他の構成により位置決めしてもよい。
【0059】
(9)実施形態1の構成において、スライド板73を位置決めせず、発揮される芳香消臭作用の強さとの兼ね合いを適宜観察しながら、スライド板73を適当な位置に設置するようにしてもよい。
【0060】
(10)実施形態2の構成において、回動固定機構77を、例えば、筒体771と、筒体771を貫通してモータ5の表面に圧接する止めねじ775と、で構成してもよい。
【0061】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、調整機構により、蒸発部に対するファンからの空気の吹付け具合を制御できるので、蒸発部からの芳香消臭剤の単位時間当たりの蒸発量を制御でき、従って、発揮される芳香消臭作用の強さを調整できる。
【0062】
請求項2記載の発明によれば、スライド板をスライドさせて開口部内の任意の位置を部分的に塞ぐことにより、開口部を通過する空気の流れ具合を制御できるので、蒸発部に対する空気の吹付け具合を制御できる。従って、蒸発部からの芳香消臭剤の単位時間当たりの蒸発量を制御でき、それ故、発揮される芳香消臭作用の強さを調整できる。
【0063】
請求項3記載の発明によれば、円筒フードを回動させて固定することにより切欠き部の位置を任意に設定できるので、切欠き部を通過して蒸発部に至る空気の流れ具合を制御でき、それ故、蒸発部に対する空気の吹付け具合を制御できる。従って、蒸発部からの芳香消臭剤の単位時間当たりの蒸発量を制御でき、それ故、発揮される芳香消臭作用の強さを調整できる。
【0064】
請求項4又は5に記載の発明によれば、液状又はゲル状又は固体状の芳香消臭剤を用いた場合でも、発揮される芳香消臭作用の強さを調整できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の芳香消臭装置の内部構造を示す斜視図である。
【図2】実施形態1の芳香消臭装置の縦断面部分図である。
【図3】実施形態1における開口部の拡大斜視図である。
【図4】図3の分解図である。
【図5】図3のV−V矢視の分解断面図である。
【図6】実施例1における第1調整例を示す縦断面部分図である。
【図7】実施例1における第2調整例を示す縦断面部分図である。
【図8】実施例1における第3調整例を示す縦断面部分図である。
【図9】実施例1における第4調整例を示す縦断面部分図である。
【図10】実施形態2の芳香消臭装置の縦断面部分図である。
【図11】実施形態2の芳香消臭装置の要部斜視図である。
【図12】実施形態2における円筒フード及びモータを前方から見た図である。
【図13】図12のXIII矢視図である。
【図14】実施例2における第1調整例を示す縦断面部分図である。
【図15】実施例2における第2調整例を示す縦断面部分図である。
【図16】実施例2における第3調整例を示す縦断面部分図である。
【図17】実施例3の芳香消臭装置の縦断面部分図である。
【図18】実施例4の芳香消臭装置の縦断面部分図である。
【図19】更に別の例の蒸発部を備えた芳香消臭装置の縦断面部分図である。
【符号の説明】
1 ケース
2 容器
3 蒸発部
31 ゲル状芳香消臭剤
32 固体状芳香消臭剤
4 ファン
7 調整機構
71 仕切り板
72 開口部
73 スライド板
75 円筒フード
76 切欠き部
77 回動固定機構
【発明の属する技術分野】
本発明は、芳香消臭剤を蒸発させ放出して芳香消臭作用を発揮する芳香消臭装置に関するものである。
【0002】
【従来技術及びその課題】
芳香消臭剤を蒸発させ放出して芳香消臭作用を発揮する芳香消臭装置において、発揮される芳香消臭作用の強さを簡単に調整できる装置は、従来、知られていなかった。
【0003】
本発明は、発揮される芳香消臭作用の強さを簡単に調整できる芳香消臭装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、ケース内に、芳香消臭剤が蒸発し得る状態で存在している蒸発部と、蒸発した芳香消臭剤をケース外へ放出させるファンと、を備えた、芳香消臭装置であって、ファンを、蒸発部に向けて空気を吹付けて蒸発を促進させ得るように、設け、蒸発部に対する空気の吹付け具合を制御する調整機構を設けたことを特徴としている。
【0005】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、上記調整機構が、蒸発部とファンとの間を仕切る仕切り板と、該仕切り板に形成された開口部と、該開口部を部分的に塞ぐとともに開口部内をスライド可能に設置されたスライド板と、で構成されているものである。
【0006】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、上記調整機構が、ファンと同芯でファンを覆うよう設けられた円筒フードと、円筒フードの一部に形成された切欠き部と、円筒フードを円周方向に任意の角度だけ回動させて固定する回動固定機構と、で構成されているものである。
【0007】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、芳香消臭剤が液状のものであり、蒸発部が、吸湿材に当該芳香消臭剤を吸湿させることにより構成されており、蒸発部には、容器に収容された当該芳香消臭剤が供給されるようになっているものである。
【0008】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明において、芳香消臭剤がゲル状又は固体状のものであり、蒸発部が、当該芳香消臭剤を表面が晒された状態で設置することにより構成されているものである。
【0009】
なお、芳香消臭剤とは、芳香成分又は消臭成分又は芳香消臭成分を含有してなる薬剤である。
【0010】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
図1は本実施形態の芳香消臭装置の内部構造を示す斜視図、図2は該装置の縦断面部分図である。この装置は、蓋11及び本体12からなるケース1内に、芳香消臭剤を蒸散させる蒸散機構を備えている。蓋11は、その上面111の後縁にて、ヒンジ機構13により、本体12に対して開閉可能となっている。図1は蓋11を本体12から外した状態を示している。蓋11を本体12に対して閉じると、蒸散機構はケース1内に収納された状態となる。
【0011】
蒸散機構は、容器2と、蒸発部3と、ファン4と、モータ5と、電源6と、調整機構7と、で構成されている。容器2は、液状の芳香消臭剤を収容している。蒸発部3は、吸湿材であるろ紙を浅い箱板内に敷き詰めて構成されており、水平に支持されている。なお、ろ紙以外の吸湿材を用いてもよい。蒸発部3からは、容器2内に繊維束(図示せず)が垂下している。容器2内の芳香消臭剤は、繊維束により吸い上げられて蒸発部3に行き渡るようになっている。ファン4は、モータ5の水平回転軸に固定されており、水平軸回りに矢印A方向に回転して水平軸回りの空気の流れを生じさせるようになっている。ファン4の上方には上壁フード81が、後方(本体12側)にはファン4の円周に沿った円弧フード82が、連続して設けられている。モータ5は、本体12の内面に固定されている。電源6は電池である。
【0012】
そして、調整機構7は、蒸発部3とファン4との間を仕切る仕切り板71と、仕切り板71に形成された開口部72と、開口部72を部分的に塞ぐとともに開口部72内をスライド可能に設置されたスライド板73と、で構成されている。仕切り板71は、円弧フード82に連続して水平に延びている。なお、開口部72はファン4の直下に、また、蒸発部3は開口部72の直下に、それぞれ、中心が鉛直線上に揃うように、位置している。
【0013】
図3は開口部72の拡大斜視図、図4は図3の分解図、図5は図3のV−V矢視の分解断面図である。開口部72は、平面視で長方形に形成されている。開口部72の前後方向に延びた両縁723には、段部724が縁723に沿って形成されている。スライド板73は、その両縁731を段部724上に載置することにより、開口部72内をスライド可能に設置されている。設置されたスライド板73は仕切り板71と同一面を構成している。スライド板73の前縁732からは、下方に摘み部733が延びている。両縁731の前端部の下面には、突起734が形成されている。一方、段部724の上面には、突起734が嵌合する穴725が、前後方向適当間隔置きに、複数個形成されている。スライド板73は、摘み部733を摘んで開口部72内を前後方向(図3の矢印方向)にスライドさせ、任意の位置の穴725に突起734を嵌合させることによって位置決めされて、開口部72内に設置されるようになっている。スライド板73が設置されることにより、図3に示すように、開口部72の開口721の寸法L3及び開口722の寸法L4が設定されることとなる。
【0014】
次に、上記構成の芳香消臭装置の作動を主に図2を参照しながら説明する。
モータ5を作動させると、矢印A方向にファン4が回転する。ファン4が回転すると、空気が、蓋11の上面111のスリット112からケース1内に吸い込まれ、上壁フード81及び円弧フード82を横から乗り越え、ファン4周辺にて水平軸回りの矢印Bに示すような流れとなり、前面113のスリット114からケース1外へ放出される。このとき、空気の流れの一部が、矢印C,Dに示すように、開口721,722を通って蒸発部3に上方から吹付けられる。蒸発部3には容器2内の芳香消臭剤が行き渡っており、吹付けられた空気によって蒸発部3からの芳香消臭剤の蒸発が促進される。蒸発した芳香消臭剤は、空気の流れに載ってスリット114からケース1外へ放出される。これにより、上記構成の芳香消臭装置から、蒸発した芳香消臭剤が放出されて、芳香消臭作用が発揮されることとなる。
【0015】
なお、矢印Bに示す空気の流れは、上壁フード81及び円弧フード82があるために、効率良く生成する。そのため、矢印C,Dに示す空気の流れも、効率良く生成する。
【0016】
ところで、蒸発部3における芳香消臭剤の単位時間当たりの蒸発量が多いと、発揮される芳香消臭作用は強くなる。そして、蒸発部3における芳香消臭剤の単位時間当たりの蒸発量は、蒸発部3に対する空気の吹付け具合によって異なってくる。蒸発部3に対する空気の吹付け具合は、開口721,722の寸法L3,L4(図3)の大きさによって異なってくる。開口721,722の寸法L3,L4は、スライド板73を開口部72内でスライドさせて設置することにより、変えることができる。
【0017】
従って、上記構成の芳香消臭装置においては、スライド板73を開口部72内でスライドさせて任意の位置に設置することにより、即ち、調整機構7によって調整を行うことにより、蒸発部3における芳香消臭剤の単位時間当たりの蒸発量を変えることができる。よって、上記構成の芳香消臭装置によれば、発揮される芳香消臭作用の強さを簡単に調整できる。
【0018】
[実施例1]
実施形態1の芳香消臭装置による具体的な調整例を図6〜図9を用いて示す。なお、図6〜図9では、ファン4を模式的に示した。
・装置構成の具体値
・ファン4
・直径D(図6):57mm
・幅:23mm
・羽根41の枚数:12枚
・回転数:約600回/分
・仕切り板71との距離d1(図6):0.2cm
・開口部72
・奥行きL1(図4):70mm
・幅W1(図4):25mm
・スライド板73
・長さL2(図4):25mm
・蒸発部3
・奥行き:70mm
・幅:70mm
・仕切り板71との距離d2(図6):1cm
・ケース1
・縦25cm×横9cm×奥行き9cm
・液状芳香消臭剤
・組成…・芳香消臭成分:15重量%
・溶剤:30重量%
・界面活性剤:5重量%
・水:50重量%
【0019】
・調整の具体値
図6〜図9に示すように、L3を4段階に設定した。即ち、図6はL3が1cmの場合(第1調整例)、図7はL3が2cmの場合(第2調整例)、図8はL3が3cmの場合(第3調整例)、図9はL3が4cmの場合(第4調整例)である。
【0020】
モータ5を作動させてから3.5時間後の容器2における芳香消臭剤の減少量を測定した。その結果を表1に示す。表1では、図6の場合の減少量を100として示した。なお、図6〜図9における矢印は空気の流れを示す。
【0021】
【表1】
【0022】
表1からわかるように、L3が変われば、芳香消臭剤の減少量も変わっている。即ち、L3=3cm(図8)の場合に減少量が最大となっており、L3=4cm(図9)の場合、L3=2cm(図7)の場合、L3=1cm(図6)の場合の順に、減少量が小さくなっている。従って、例えば、図8の場合を「最大」、図9の場合を「大」、図7の場合を「中」、図6の場合を「小」と定めて、スライド板73を設定すれば、それに対応して、芳香消臭作用の強さを、「最大」、「大」、「中」、「小」に調整できる。即ち、芳香消臭作用の強さを4段階に調整できる。
【0023】
なお、スライド板73のL2を、10mm、20mm、30mmとするとともに、L3を、上記と同様に、1cm、2cm、3cm、4cmとした場合についても、同様に測定した。その結果を表2〜表4に示す。なお、表2〜表4でも、表1の図6の場合の減少量を100として示した。
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】
表1〜表4からわかるように、スライド板73のL2がいずれの場合においても、4段階の調整を行うことができるが、L2=25mmの場合が、「最大」と「小」との差が大きいので、好ましいと言える。
【0028】
(実施形態2)
本実施形態は、実施形態1に比して、上壁フード81及び円弧フード82が無く、調整機構7が異なっている。なお、本実施形態のその他の構成は実施形態1と同じである。図10は、本実施形態の芳香消臭装置の縦断面部分図であり、図2に相当する図である。図11は同じく要部斜視図である。本実施形態の調整機構7は、ファン4と同芯でファン4を覆うよう設けられた円筒フード75と、円筒フード75の一部に形成された切欠き部76と、円筒フード75を円周方向に任意の角度だけ回動させて固定する回動固定機構77(図12)と、で構成されている。
【0029】
切欠き部76は、円筒フード75を例えば円周角35度分だけ切り欠いて形成されている。
【0030】
図12は円筒フード75及びモータ5を前方から見た図であるが、切欠き部76は省略している。回動固定機構77は、図12及び図12のXIII矢視図である図13に示すように、モータ5に摺動可能に外嵌した筒体771と、筒体771の内面に等間隔に形成された溝772と、モータ5の外面に形成され且つ溝772に嵌る突起773と、で構成されている。溝772と突起773とは、例えば45度置きに嵌り合うようになっている。なお、蒸発部3は、円筒フード75の直下に、それぞれの中心が鉛直線上に揃うように、位置している。
【0031】
次に、上記構成の芳香消臭装置の作動を主に図10を参照しながら説明する。モータ5を作動させると、矢印A方向にファン4が回転する。ファン4が回転すると、空気が、蓋11の上面111のスリット112からケース1内に吸い込まれ、円筒フード75を横から乗り越え、ファン4周辺にて水平軸回りの矢印Eに示すような流れとなり、切欠き部76を通り、前面113のスリット114からケース1外へ放出される。一方、蒸発部3には容器2内の芳香消臭剤が行き渡っており、蒸発部3からは芳香消臭剤が自然蒸発している。従って、蒸発した芳香消臭剤は、ファン4の回転に伴う空気の流れに引っ張られるようにしてスリット114からケース1外へ放出される。これにより、上記構成の芳香消臭装置から、蒸発した芳香消臭剤が放出されて、芳香消臭作用が発揮されることとなる。
【0032】
ところで、蒸発部3における芳香消臭剤の単位時間当たりの蒸発量が多いと、発揮される芳香消臭作用は強くなる。そして、蒸発部3における芳香消臭剤の単位時間当たりの蒸発量は、蒸発部3に対する空気の吹付け具合によって異なってくる。蒸発部3に対する空気の吹付け具合は、切欠き部76の位置によって異なってくる。切欠き部76の位置は、円筒フード75を回動させて固定することにより、変えることができる。
【0033】
従って、上記構成の芳香消臭装置においては、円筒フード75を任意の角度だけ回動させて固定することにより、即ち、調整機構7によって調整を行うことにより、蒸発部3における芳香消臭剤の単位時間当たりの蒸発量を変えることができる。よって、上記構成の芳香消臭装置によれば、発揮される芳香消臭作用の強さを簡単に調整できる。
【0034】
[実施例2]
実施形態2の芳香消臭装置による具体的な調整例を図14〜図16を用いて示す。なお、図14〜図16では、ファン4を模式的に示した。
・装置構成の具体値
・ファン4
・直径D(図14):57mm
・幅:23mm
・羽根41の枚数:12枚
・回転数:約600回/分
・円筒フード75
・直径D1(図14):77mm
・切欠き部76:円周角35度分
・蒸発部3との距離d3(図15):1cm
・蒸発部3
・奥行き:70mm
・幅:70mm
・ケース1
・縦25cm×横9cm×奥行き9cm
・液状芳香消臭剤
・組成…・芳香消臭成分:15重量%
・溶剤:30重量%
・界面活性剤:5重量%
・水:50重量%
【0035】
・調整の具体値
図14〜図16に示すように、切欠き部76の位置を3段階に設定した。即ち、図14は切欠き部76の位置が真下(即ち角度0度)である場合(第1調整例)、図15は切欠き部76の位置が真下に対して前方45度(即ち角度45度)である場合(第2調整例)、図16は切欠き部76の位置が真下に対して前方90度(即ち角度90度)である場合(第3調整例)である。
【0036】
モータ5を作動させてから3.5時間後の容器2における芳香消臭剤の減少量を測定した。その結果を表5に示す。表5では、図14の場合の減少量を100として示した。なお、図14〜図16における矢印は空気の流れを示す。
【0037】
【表5】
【0038】
表5からわかるように、切欠き部76の位置が変われば、芳香消臭剤の減少量も変わっている。減少量は、角度0度の場合(図14)が最大となっており、角度90度の場合(図16)が最小となっている。従って、例えば、図14の場合を「大」、図15の場合を「中」、図16の場合を「小」と定めて、切欠き部76の位置を設定すれば、それに対応して、芳香消臭作用の強さを、「大」、「中」、「小」に調整できる。即ち、芳香消臭作用の強さを3段階に調整できる。
【0039】
(別の実施形態)
(1)実施形態1,2では、液状の芳香消臭剤を用いているが、ゲル状又は固体状の芳香消臭剤を用いてもよい。
【0040】
[実施例3]
本実施例は、実施形態1の芳香消臭装置において、ゲル状の芳香消臭剤を用いた場合である。図17に示すように、ゲル状芳香消臭剤31は、上に開いた横断面円形の容器91内に入った状態で、実施形態1の蒸発部3及び容器2に代えて、設置されている。従って、本実施例における蒸発部3は、容器91内のゲル状芳香消臭剤31で構成されており、厳密には、ゲル状芳香消臭剤31の空気に晒されている上面部分311である。
【0041】
・装置構成の具体値
・ファン4、開口部72、スライド板73、及びケース1
・実施例1と同じ
・容器91
・上開口直径:56mm
・底面直径:50mm
・高さ:52mm
・仕切り板71と上面部分311との距離d2(図17):1cm
・ゲル状芳香消臭剤31
・組成…・芳香成分:15重量%
・溶剤:10重量%
・水:70重量%
・ゲル化剤:5重量%
【0042】
・調整の具体値
L3を、1cm、2cm、3cm、4cmの、4段階に設定した。
【0043】
モータ5を作動させてから3.5時間後の容器91におけるゲル状芳香消臭剤31の減少量を測定した。その結果を表6に示す。表6では、L3=1cmの場合の減少量を100として示した。
【0044】
【表6】
【0045】
表6からわかるように、L3が変われば、芳香消臭剤の減少量も変わっている。即ち、L3=3cmの場合に減少量が最大となっており、L3=4cmの場合、L3=2cmの場合、L3=1cmの場合の順に、減少量が小さくなっている。従って、実施例1の場合と同様に、芳香消臭作用の強さを4段階に調整できる。
【0046】
[実施例4]
本実施例は、実施形態1の芳香消臭装置において、固体状の芳香消臭剤を用いた場合である。図18に示すように、固体状の芳香消臭剤32は、円板状のものであり、実施形態1の蒸発部3及び容器2に代えて、載置台92上に設置されている。従って、本実施例における蒸発部3は、円板状の固体状芳香消臭剤32で構成されており、厳密には、固体状芳香消臭剤32の空気に晒されている上面部分321及び側面部分322である。
【0047】
・装置構成の具体値
・ファン4、開口部72、スライド板73、及びケース1
・実施例1と同じ
・固体状芳香消臭剤32
・直径:45mm
・厚さ:7mm
・仕切り板71との距離d2(図18):1cm
・組成…・芳香成分:60重量%
・ケイ酸カルシウム:40重量%
【0048】
・調整の具体値
L3を、1cm、2cm、3cm、4cmの、4段階に設定した。
【0049】
モータ5を作動させてから3.5時間後の固体状芳香消臭剤32の減少量を測定した。その結果を表7に示す。表7では、L3=1cmの場合の減少量を100として示した。
【0050】
【表7】
【0051】
表7からわかるように、L3が変われば、芳香消臭剤の減少量も変わっている。即ち、L3=3cmの場合に減少量が最大となっており、L3=2cmの場合、L3=4cmの場合、L3=1cmの場合の順に、減少量が小さくなっている。従って、実施例1の場合と同様に、芳香消臭作用の強さを4段階に調整できる。
【0052】
(2)ゲル状芳香消臭剤31や固体状芳香消臭剤32は、実施形態2の芳香消臭装置においても、実施例3,4の場合と同様に蒸発部3及び容器2に代えて、用いてもよい。
【0053】
(3)実施形態1,2の蒸発部3として、図19に示すような、容器2から露出した芯材33の部分331を用いてもよい。芯材33は、容器2内の液状芳香消臭剤に浸漬されており、液状芳香消臭剤を吸い上げるようになっている。
【0054】
(4)実施形態1の実施例1においては、スライド板73の位置を4段階に設定しているが、その他の複数段階に設定してもよい。また、L3やL4が0となる設定を含めてもよい。
【0055】
(5)実施形態2の実施例2においては、切欠き部76の位置を3段階に設定しているが、その他の複数段階に設定してもよい。例えば、角度10度毎に10段階に設定してもよい。また、角度0度〜90度の範囲だけでなく、0度〜360度までの範囲で設定してもよい。
【0056】
(6)実施形態1,2の構成においては、蒸発部3を、ファン4の直下に、それぞれの中心が鉛直線上に揃うように、位置させているが、蒸発部3を、その中心をずらして、ファン4の直下より前側又は後側に位置させてもよい。
【0057】
(7)実施形態1の構成において、上壁フード81及び円弧フード82の一方又は両方を無くしてもよい。
【0058】
(8)実施形態1の構成においては、穴725に突起734を嵌合させることにより、スライド板73を位置決めしているが、その他の構成により位置決めしてもよい。
【0059】
(9)実施形態1の構成において、スライド板73を位置決めせず、発揮される芳香消臭作用の強さとの兼ね合いを適宜観察しながら、スライド板73を適当な位置に設置するようにしてもよい。
【0060】
(10)実施形態2の構成において、回動固定機構77を、例えば、筒体771と、筒体771を貫通してモータ5の表面に圧接する止めねじ775と、で構成してもよい。
【0061】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、調整機構により、蒸発部に対するファンからの空気の吹付け具合を制御できるので、蒸発部からの芳香消臭剤の単位時間当たりの蒸発量を制御でき、従って、発揮される芳香消臭作用の強さを調整できる。
【0062】
請求項2記載の発明によれば、スライド板をスライドさせて開口部内の任意の位置を部分的に塞ぐことにより、開口部を通過する空気の流れ具合を制御できるので、蒸発部に対する空気の吹付け具合を制御できる。従って、蒸発部からの芳香消臭剤の単位時間当たりの蒸発量を制御でき、それ故、発揮される芳香消臭作用の強さを調整できる。
【0063】
請求項3記載の発明によれば、円筒フードを回動させて固定することにより切欠き部の位置を任意に設定できるので、切欠き部を通過して蒸発部に至る空気の流れ具合を制御でき、それ故、蒸発部に対する空気の吹付け具合を制御できる。従って、蒸発部からの芳香消臭剤の単位時間当たりの蒸発量を制御でき、それ故、発揮される芳香消臭作用の強さを調整できる。
【0064】
請求項4又は5に記載の発明によれば、液状又はゲル状又は固体状の芳香消臭剤を用いた場合でも、発揮される芳香消臭作用の強さを調整できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の芳香消臭装置の内部構造を示す斜視図である。
【図2】実施形態1の芳香消臭装置の縦断面部分図である。
【図3】実施形態1における開口部の拡大斜視図である。
【図4】図3の分解図である。
【図5】図3のV−V矢視の分解断面図である。
【図6】実施例1における第1調整例を示す縦断面部分図である。
【図7】実施例1における第2調整例を示す縦断面部分図である。
【図8】実施例1における第3調整例を示す縦断面部分図である。
【図9】実施例1における第4調整例を示す縦断面部分図である。
【図10】実施形態2の芳香消臭装置の縦断面部分図である。
【図11】実施形態2の芳香消臭装置の要部斜視図である。
【図12】実施形態2における円筒フード及びモータを前方から見た図である。
【図13】図12のXIII矢視図である。
【図14】実施例2における第1調整例を示す縦断面部分図である。
【図15】実施例2における第2調整例を示す縦断面部分図である。
【図16】実施例2における第3調整例を示す縦断面部分図である。
【図17】実施例3の芳香消臭装置の縦断面部分図である。
【図18】実施例4の芳香消臭装置の縦断面部分図である。
【図19】更に別の例の蒸発部を備えた芳香消臭装置の縦断面部分図である。
【符号の説明】
1 ケース
2 容器
3 蒸発部
31 ゲル状芳香消臭剤
32 固体状芳香消臭剤
4 ファン
7 調整機構
71 仕切り板
72 開口部
73 スライド板
75 円筒フード
76 切欠き部
77 回動固定機構
Claims (5)
- ケース内に、芳香消臭剤が蒸発し得る状態で存在している蒸発部と、蒸発した芳香消臭剤をケース外へ放出させるファンと、を備えた、芳香消臭装置であって、
ファンを、蒸発部に向けて空気を吹付けて蒸発を促進させ得るように、設け、蒸発部に対する空気の吹付け具合を制御する調整機構を設けたことを特徴とする芳香消臭装置。 - 上記調整機構が、蒸発部とファンとの間を仕切る仕切り板と、該仕切り板に形成された開口部と、該開口部を部分的に塞ぐとともに開口部内をスライド可能に設置されたスライド板と、で構成されている、請求項1記載の芳香消臭装置。
- 上記調整機構が、ファンと同芯でファンを覆うよう設けられた円筒フードと、円筒フードの一部に形成された切欠き部と、円筒フードを円周方向に任意の角度だけ回動させて固定する回動固定機構と、で構成されている、請求項1記載の芳香消臭装置。
- 芳香消臭剤が液状のものであり、
蒸発部が、吸湿材に当該芳香消臭剤を吸湿させることにより構成されており、蒸発部には、容器に収容された当該芳香消臭剤が供給されるようになっている、請求項1記載の芳香消臭装置。 - 芳香消臭剤がゲル状又は固体状のものであり、
蒸発部が、当該芳香消臭剤を表面が晒された状態で設置することにより構成されている、請求項1記載の芳香消臭装置。
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