JP2004063503A - Chip resistor and its manufacturing method - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、チップ抵抗器およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のチップ抵抗器の一例としては、特開2002−57009号公報に所載のものがあり、これを本願の図14に示す。図示されたチップ抵抗器Bは、金属製のチップ状の抵抗体90の下面に、一対の電極91が空隙部93を介して離間して設けられた構成を有している。各電極91の下面には、ハンダ層92が設けられており、このチップ抵抗器Bを実装するときのハンダ付け性が良好となるように構成されている。
【0003】
このチップ抵抗器Bは、図15に示すような方法により製造される。まず、同図(a)に示すように、抵抗体90および電極91のそれぞれの材料として、2枚の金属板90’,91’を準備し、同図(b)に示すように、金属板90’の下面に金属板91’を重ね合わせて接合する。次いで、同図(c)に示すように、金属板91’の一部を機械加工によって切削し、空隙部93を形成する。その後は、同図(d)に示すように金属板91’の下面にハンダ層92’を形成してから、同図(e)に示すように金属板90’,91’を切断する。このことにより、チップ抵抗器Bが製造される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
抵抗器の製造に際しては、抵抗値の誤差をできる限り小さくすることが要請される。電流検出用途などに用いられる低抵抗のチップ抵抗器の場合には、そのような要請がとくに強い。ところが、上記した従来技術においては、次に述べるように、そのような要請に的確に応えることができず、改善すべき点があった。
【0005】
すなわち、チップ抵抗器Bにおいて、その抵抗値(電極間抵抗値)の誤差を小さくするためには、一対の電極91の間隔s5を所定の正確な寸法に仕上げる必要がある。また、抵抗体90についても所定の正確なサイズに仕上げる必要がある。
【0006】
ところが、既述したとおり、一対の電極91を離間させる空隙部93は、機械加工によって金属板91’を切削することにより形成されている。このため、一対の電極91の間隔s5は、上記機械加工の精度に左右されることとなり、その寸法誤差を小さくすることは難しいものとなっていた。また、一対の電極91の間には金属板91’の一部が残存することは適切でないため、金属板91’を切削する場合には、その切削深さを少なくとも金属板91’の厚み寸法以上にしなければならない。ところが、その切削深さが金属板91’の厚みを僅かでも超えてしまうと、金属板90’も切削される。これでは、抵抗体90の一部が凹状に削り取られたチップ抵抗器Bが製造されてしまい、その抵抗値に大きな誤差が生じる。
【0007】
このように、従来においては、抵抗値の誤差を無くし、または小さくなるようにチップ抵抗器Bを製造することは難しいものとなっていた。このため、従来においては、チップ抵抗器Bを製造した後には、その抵抗値を調整するためのトリミングを行なっていた。このトリミングは、チップ抵抗器Bの実際の抵抗値を測定しながら、その抵抗値を目標抵抗値に近づけるように、抵抗体90の一部にたとえばレーザを照射するなどして行なわれる。したがって、従来においては、このトリミング作業が非常に面倒なものとなっており、これがチップ抵抗器のコストを上昇させる大きな要因となっていた。
【0008】
また、従来において、金属板91’を切削する作業は、慎重に行なう必要があり、煩雑である。このため、従来においては、トリミング前におけるチップ抵抗器の生産性自体も良好なものではなく、このこともチップ抵抗器のコストを上昇させる要因となっていた。
【0009】
本願発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、抵抗値調整の必要を無くすことができる程度にまで抵抗値の誤差を小さくすることができ、かつ生産性にも優れたチップ抵抗器を提供することをその課題としている。また、本願発明は、そのようなチップ抵抗器を適切に製造することが可能なチップ抵抗器の製造方法を提供することを他の課題としている。
【0010】
【発明の開示】
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0011】
本願発明の第1の側面によって提供されるチップ抵抗器は、チップ状の抵抗体と、この抵抗体の片面に設けられた複数の電極と、を備えているチップ抵抗器であって、上記抵抗体の上記片面には、絶縁層が設けられており、かつ上記複数の電極は、上記絶縁層を挟んで離間していることを特徴としている。
【0012】
このような構成によれば、上記複数の電極の間隔を上記絶縁層によって規定することができる。具体的には、上記絶縁層の幅を所定の寸法にすると、この絶縁層を上記幅方向において挟む2つの電極の間隔を上記所定の寸法に正確に規定することができる。その一方、上記絶縁層については、たとえば後述する厚膜印刷などの手法を用いて形成することにより、高い寸法精度で所望のパターンに形成することができる。したがって、複数の電極の間隔を高い寸法精度で所望の寸法に設定することができる。また、上記複数の電極や絶縁層は、その形成手段として切削手段を用いる必要はなく、従来技術とは異なり、抵抗体が不当に切削されるといったこともない。このため、抵抗体のサイズを所望の正確なサイズにすることも簡単に行なえることとなる。その結果、本願発明によれば、抵抗値調整のためのトリミングを行なうことなく、電極間抵抗値の誤差を無くし、あるいは非常に小さくすることができ、チップ抵抗器の品質を非常に高いものにすることができる。
【0013】
このように、本願発明によれば、抵抗値調整のためのトリミングを行なう必要がないため、チップ抵抗器のコスト低減を図ることができる。また、上記したように、チップ抵抗器の製造過程において煩雑な切削作業を行なう必要がないため、チップ抵抗器の生産性が高まり、このことによってもコスト低減を図ることができる。
【0014】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記絶縁層は、厚膜印刷により形成されたものである。このような構成によれば、上記絶縁層が複雑な形状を有する場合であっても、この絶縁層を寸法精度良く、かつ容易に形成することが可能である。
【0015】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記抵抗体の上記片面とは反対の面には、電気絶縁性を有するオーバコート層が設けられている。このような構成によれば、上記抵抗体を上記オーバコート層によって保護し、たとえば上記抵抗体が他の電気部品類などに直接接触してこれらの間に不当な電流が流れるといったことを生じないようにすることができる。
【0016】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記オーバコート層と上記絶縁層とは、同一の材質とされている。このような構成によれば、上記オーバコート層と上記絶縁層との材料の共通化により、生産コストの一層の低減化を図るのに好適となる。
【0017】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記各電極の厚みは、上記絶縁層の厚みよりも大きくされている。このような構成によれば、ハンダを用いてチップ抵抗器を所望箇所へ実装するときに上記電極に上記ハンダを付け易くすることができる。
【0018】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記各電極に積層して形成されたハンダ層をさらに備えている。このような構成によれば、チップ抵抗器を所望箇所へ実装するときのハンダ付け性を良くすることが可能となる。
【0019】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記ハンダ層と上記各電極とのトータルの厚みは、上記絶縁層の厚みよりも大きくされている。このような構成によれば、チップ抵抗器を実装するときのハンダ付け性を一層良くすることが可能となる。
【0020】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記複数の電極としては、二対以上の電極が設けられている。このような構成によれば、たとえば上記二対以上の電極のうち、一対の電極については電流測定に、また他の一対の電極については電圧測定に用いることによって、本願発明に係るチップ抵抗器を電流の精密測定を行なうための抵抗器とすることが可能となり、一対の電極を設けただけの場合には得られない用途または機能を具備させることができる。
【0021】
本願発明の第2の側面によって提供されるチップ抵抗器の製造方法は、抵抗体の材料となるプレートの片面に、絶縁層をパターン形成する工程と、上記プレートの上記片面のうち、上記絶縁層が形成されていない領域に、導電層を形成する工程と、上記プレートをチップ状の複数の抵抗体に分割する工程とを有し、かつ上記プレートの分割は、上記各抵抗体の片面において上記導電層の一部が上記絶縁層の一部を挟んで離間する複数の電極として形成されるように行なうことを特徴としている。
【0022】
上記プレートとしては、一定厚みを有する平板状の金属板を用いることができる。上記絶縁層のパターン形成は、厚膜印刷により行なう構成とすることができる。
【0023】
本願発明に係るチップ抵抗器の製造方法によれば、本願発明の第1の側面によって提供されるチップ抵抗器を効率良く、かつ適切に製造することができる。もちろん、上記チップ抵抗器は、上記プレートから複数個取りできるために、その生産性は一層良好となる。
【0024】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記導電層の形成は、上記プレートの片面に金属をメッキすることにより行なう。このような構成によれば、上記導電層を、上記絶縁層との間に隙間などを生じないようにして、上記絶縁層が形成されていない領域の全体にまんべんなく均一に形成することができる。
【0025】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記プレートの分割前に、上記プレートの上記片面とは反対の面に電気絶縁性を備えたオーバコート層を形成する工程をさらに有している。
【0026】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記プレートの分割は、打ち抜きにより行なう。打ち抜き(ブランキング:blanking) によれば、打ち抜かれた製品の寸法誤差を非常に小さくすることが可能である。したがって、上記構成によれば、上記抵抗体を高い寸法精度で所望のサイズに仕上げるのに好適となる。また、打ち抜きは、作業性良く行なうことが可能であり、チップ抵抗器の生産性を高めるのにも好ましい。
【0027】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記打ち抜きの作業は、複数回にわたって繰り返して行い、かつその複数回の作業においては、同一の打ち抜き用型を用いる。上記打ち抜き作業を繰り返して行なう場合に、打ち抜き作業の都度、打ち抜き用型を換えたのでは、その打ち抜きに用いられた複数の打ち抜き用型間にサイズのバラツキがあった場合に、このバラツキに起因して複数のチップ抵抗器にもサイズのバラツキが生じることとなる。これに対し、上記構成によれば、そのようなバラツキを無くすことが可能となる。
【0028】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記プレートの分割は、上記プレートを縦横に切断することにより行う。このような構成によっても、上記プレートをチップ状の複数の抵抗体に適切に分割することができる。
【0029】
本願発明のその他の特徴および利点については、以下に行う発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0031】
図1〜図3は、本願発明に係るチップ抵抗器の一例を示している。図1および図2によく表われているように、本実施形態のチップ抵抗器Aは、抵抗体1、オーバコート層2、一対の電極3、および絶縁層4を具備している。
【0032】
抵抗体1は、各部の厚みが一定の矩形チップ状であり、金属製である。その具体的な材質としては、Cu−Mn系合金、Ni−Cu系合金、Ni−Cr系合金などが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、チップ抵抗器Aのサイズと目標抵抗値に見合った抵抗率をもつものを適宜選択すればよい。現実的ではないが、抵抗体1を非金属製とすることも可能である。
【0033】
オーバコート層2は、抵抗体1の表面10aの全体を覆うように設けられており、電気絶縁性を有している。このオーバコート層2は、厚膜印刷により形成されたものであり、たとえばエポキシ樹脂系の樹脂膜である。
【0034】
絶縁層4は、抵抗体1の裏面10bのうち、抵抗体1の幅方向(図1および図2の左右の幅方向)の中間部に設けられている。この絶縁層4の幅s1は、上記幅方向と直交する方向(図2の紙面と直交する方向)において一様である。この絶縁層4は、オーバコート層2と同一の材質であり、またオーバコート層2と同様に厚膜印刷により形成された樹脂製の膜である。
【0035】
一対の電極3は、抵抗体1の裏面10bに設けられており、絶縁層4を挟んで離間している。これら一対の電極3は、後述するように、たとえば抵抗体1に銅メッキを施すことにより形成されたものである。各電極3は、絶縁層4の幅方向の端面40との間に隙間が生じないように端面40に接している。このことにより、一対の電極3の間隔は、絶縁層4によって規定されており、絶縁層4の幅s1と同一の寸法となっている。各電極3の下面には、ハンダ付け性を良好にするためのハンダ層39が積層して形成されている。
【0036】
図1および図2においては、電極3やハンダ層39の端部を概略的に示しているが、これら電極3やハンダ層39はメッキにより形成されているために、実際には、図3の符号n1で示すように、それらの一部分は絶縁層4上にオーバラップしている。ただし、このオーバラップしている部分自体は、抵抗体1の裏面10bに直接接触している訳ではないため、抵抗体1の電極間抵抗値に誤差を生じさせる要因にはならない。したがって、上記オーバラップの量が比較的大きくなっていてもかまわない。
【0037】
各電極3と各ハンダ層39とをトータルした厚みt1は、絶縁層4の厚みt2よりも大きくされており、各ハンダ層39は、絶縁層4の下面よりも下方に突出した構造となっている。本実施形態においては、各電極3の単独の厚みt3についても、絶縁層4の厚みt2よりも大きくされている。
【0038】
上記各部の厚みの一例を挙げると、オーバコート層2および絶縁層4がそれぞれ20μm程度、各電極3が30μm程度、各ハンダ層39が5μm程度である。抵抗体1については、その厚みが0.1mm〜1mm程度、縦および横の寸法はそれぞれ2mm〜7mm程度である。ただし、この抵抗体1のサイズについては、目標抵抗値の大きさに応じて種々に変更されることは言うまでもない。また、このチップ抵抗器Aは、0.5mΩ〜50mΩ程度の低抵抗のものとして構成されている。チップ抵抗器Aの電極間抵抗は、抵抗体1の抵抗率、電極3間の距離、および抵抗体1の厚みにより決定される。
【0039】
次に、上記したチップ抵抗器Aの製造方法の一例について、図4〜図6を参照して説明する。
【0040】
まず、図4(a)に示すように、抵抗体1の材料となる金属製のプレート1Aを準備する。このプレート1Aは、抵抗体1を複数個取り可能な縦横のサイズを有するものであり、全体にわたって厚みの均一化が図られたものである。同図(b)に示すように、このプレート1Aの上向きの片面10aの全体または略全体には、オーバコート層2Aを形成する。このオーバコート層2Aは、このオーバコート層2Aの材料となる樹脂をベタ塗り状に厚膜印刷することによって形成する。このオーバコート層2Aの形成後には、このオーバコート層2Aに標印を施す工程を行なってもかまわない。
【0041】
次いで、同図(c)に示すように、プレート1Aを表裏反転させてから、プレート1Aの上向きとなった面10bに、複数の絶縁層4Aがストライプ状に並ぶように形成する。これら複数の絶縁層4Aの形成は、オーバコート層2の形成に用いたのと同一の樹脂および装置を用いて厚膜印刷により行なう。このようにすれば、複数種類の材料や装置を用いる場合と比較すると、チップ抵抗器Aの製造コストを削減するのに好ましい。上記厚膜印刷の手法によれば、各絶縁層4Aの幅などを所定の寸法に正確に仕上げることができる。
【0042】
プレート1Aの面10bのうち、複数の絶縁層4Aどうしの間の領域には、図5(d)に示すように、導電層3Aおよびハンダ層39Aを順次形成する。導電層3Aの形成は、たとえば銅をメッキすることにより行なう。このメッキ処理によれば、導電層3Aと絶縁層4Aとの間に隙間を生じさせないようにして、隣り合う絶縁層4A間の領域に導電層3Aを均一に形成することが可能である。ハンダ層39の形成もメッキ処理によって行なう。
【0043】
その後は、図5(e)に示すように、プレート1Aに打ち抜き加工(ブランキング)を繰り返して施し、プレート1Aを複数のチップ状の抵抗体1に分割していく。このような打ち抜き作業を繰り返して行なう場合、1つの打ち抜き用型(図示略)を繰り返して使用する。
【0044】
上記打ち抜き作業においては、図6に示すように、互いに隣り合う2つの帯状の導電層3Aおよびハンダ層39Aのそれぞれの一部分と、これらの間に挟まれた1つの絶縁層4Aの一部分とが、チップ状に打ち抜かれた抵抗体1の片面上に残存するように、それらをプレート1Aとともに打ち抜く(図6のクロスハッチングが入れられた部分は、絶縁層4,4Aである。以降の図面についても同様である)。上記打ち抜きにより、2つの導電層3Aのそれぞれの一部分は、図1および図2に示したチップ抵抗器Aの一対の電極3となり、絶縁層4Aの一部分は、絶縁層4となる。このようなことにより、プレート1Aから複数のチップ抵抗器Aを適切に複数個取りすることができる。プレート1Aの打ち抜きは、図6に仮想線で示すように、複数の打ち抜き領域が微小な間隔s2を隔ててマトリクス状に並んでいくように進めればよい。
【0045】
上記したように、プレート1Aを複数の抵抗体1に分割する手段として打ち抜き手段を採用すれば、抵抗体1の縦横の寸法を殆ど誤差の無い正確な寸法に仕上げることができる。また、上記打ち抜き作業は1つの打ち抜き用型を繰り返して用いて行なっているために、複数の打ち抜き用型を交互に用いる場合とは異なり、複数の打ち抜き用型の寸法のバラツキに起因して複数のチップ抵抗器間に寸法のバラツキが生じるといった不具合も無くすことができる。
【0046】
本実施形態のチップ抵抗器Aは、所望の実装対象物に対し、たとえばハンダリフローの手法を用いて面実装される。ハンダ層39は、絶縁層4の下面よりも下方に突出しているために、面実装時のハンダ付け性を良くすることができる。とくに、各電極3の厚みt3が絶縁層4の厚みよりも大きくされているために、各電極3へのハンダ付け性をより良くすることができる。抵抗体1の上面全体はオーバコート層2によって覆われているために、この抵抗体1と他の部材や機器との間に不当な電気導通が生じることも防止することができる。
【0047】
このチップ抵抗器Aにおいては、既述したとおり、抵抗体1の縦横の寸法は、打ち抜き加工によって所望の寸法に高い精度に仕上げることが可能である。抵抗体1の厚みについては、プレート1Aの段階から正確に仕上げることができる。また、一対の電極3間の寸法s1は、絶縁層4の幅と一致しているが、この絶縁層4は厚膜印刷によってかなり高い寸法精度で形成することが可能であるから、上記寸法s1も高い精度で所望の寸法に仕上げることができる。このように、抵抗体1のサイズおよび一対の電極3間の寸法s1が高い精度に仕上げられていれば、このチップ抵抗器Aの電極間抵抗値の誤差が無くなり、あるいは誤差があったとしても非常に小さくなる。したがって、このチップ抵抗器Aにおいては、従来技術とは異なり、その後抵抗値調整を行なうためのトリミングを行なう必要がなく、その作業を省略することができる分だけチップ抵抗器Aのコストを下げることができる。
【0048】
図7(a),(b)は、本願発明品と従来技術品とのそれぞれの抵抗値の誤差に関するデータを示している。このデータは、本願発明品と従来技術品とのいずれについても、50個のチップ抵抗器をサンプル対象とし、これらの実際の抵抗値を測定することによって50個のチップ抵抗器の平均抵抗値に対する個々のチップ抵抗器のズレ量を算出し、このズレ量とそれに対応するチップ抵抗器の個数との関係を表わしている。
【0049】
本願発明品としては、本実施形態のチップ抵抗器Aと同一構造を有するものであって、本願発明者が上述した製造方法によって製造したものを用いた。この本願発明品は、目標抵抗値が3mΩであり、抵抗値を調整するためのトリミングは施されていない。これに対し、従来技術品としては、図14を参照して説明したのと同一の構造を有する市販のチップ抵抗器を用いた。この従来技術品は、目標抵抗値が2mΩであり、抵抗値調整のためのトリミングが施されたものである。
【0050】
図7(a),(b)のデータを比較すると、本願発明品と従来技術品とは、抵抗値のバラツキの程度が略同等となっている。したがって、このデータからしても、本願発明によれば、抵抗値の誤差を少なくし、製造後のトリミングを不要にし得ることが理解できるであろう。
【0051】
また、本実施形態のチップ抵抗器Aの製造に際しては、従来技術とは異なり、金属板の一部に切削加工を施すことによって一対の電極を形成するといった必要はないため、製造作業の効率も良い。したがって、チップ抵抗器Aのコストをより低減することができる。
【0052】
図8〜図13は、本願発明の他の実施形態を示している。これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。
【0053】
図8は、プレート1Aを複数に分割する場合に、このプレート1Aを同図の仮想線で示す複数ずつの縦横の切断線L1,L2に沿って切断する工程を示している。この場合の具体的な切断方法としては、たとえばプレート1Aをシャー(せん断機)を用いて切断する方法を適用可能である。このように、上記切断線L1,L2に沿って切断する方法を用いれば、図6に示した間隔s2を設ける必要がなくなるため、チップ抵抗器Aを効率良く複数個取りするのにより好適となる。プレート1Aの切断手段としては、ロータリ式カッターを用いた切断方法やその他の種々の方法を適用することが可能であるが、作業の容易化ならびに抵抗体1の寸法精度を高める観点からすれば、図6に示した場合のようにプレート1Aを打ち抜くことによってチップ化を図る手法が好ましい。
【0054】
図9(a),(b)に示すチップ抵抗器Aaは、抵抗体1の裏面に3つの絶縁層4a〜4cが間隔を隔てて設けられた構成を有している。絶縁層4a,4b間と絶縁層4b,4c間には、一対の電極3とハンダ層39とが設けられている。このチップ抵抗器Aaを製造する場合には、同図(c)に示すように、プレート1Aの片面上に絶縁層4a〜4cの原型となる複数の絶縁層4Aをストライプ状に並べるように形成した後に、それらの間の領域に導電層3Aおよびハンダ層39Aを形成する。次いで、同図仮想線で示す位置でそれらを切断し、チップ化を図る。もちろん、切断に代えて、打ち抜きによるチップ化を行なってもよい。この点については、後述の他の実施形態においても同様である。
【0055】
このチップ抵抗器Aaは、先に説明したチップ抵抗器Aと比べて、一対の電極3の配置、サイズ、および絶縁層の数などの点で相違しているが、一対の電極3の間隔を絶縁層4aによって正確に規定することが可能である。したがって、このチップ抵抗器Aaにおいても、チップ抵抗器Aについて述べたのと同様な利点が得られる。
【0056】
図10(a),(b)に示すチップ抵抗器Abは、絶縁層4が略十字状に形成されていることにより、抵抗体1の裏面には4つの電極3および4つのハンダ層39が設けられている。このチップ抵抗器Abを製造するには、プレート1Aの片面に形成する絶縁層4Aを、たとえば同図(c)に示すような形状とし、同図の仮想線で示す箇所においてプレート1Aを切断すればよい。
【0057】
このチップ抵抗器Abにおいては、4つの電極3を有しているために、たとえば次のような使用が可能となる。すなわち、4つの電極3のうち、2つの電極3を一対の電流用電極として用いるとともに、残りの2つの電極3を一対の電圧用電極として用いる。電気回路の電流検出を行なう場合、一対の電流用電極3については上記電気回路の電流が流れるように上記電気回路との電気接続を図る。一対の電圧用電極3には電圧計を接続する。チップ抵抗器Aの抵抗値は既知であるため、このチップ抵抗器Aの抵抗体1における電圧降下を上記電圧計を利用して測定すると、この測定値をオームの式にあてはめることにより、抵抗体1に流れる電流の値を正確に知ることが可能となる。また、上記した4つの電極3の配置は対称であるから、チップ抵抗器Abを上下反転させて実装しても不具合を生じないようにすることができる。
【0058】
上記実施形態のように、本願発明においては、二対(4つ)の電極3を設けた構成とすることもできる。もちろん、二対以上の対をなすようにそれ以上の数の電極3を設けた構成としてもかまわない。電極の総数を多くした場合、たとえばそれらのうちの一部の電極のみを使用するといった使用法も可能である。
【0059】
図11〜図13に示すチップ抵抗器Ac〜Aeは、4つの電極を設ける場合の他の例を示している。これらの図においては、ハンダ層を省略している。これらのチップ抵抗器Ac〜Aeは、いずれも2つの電極3aどうし、および2つの電極3bどうしがそれぞれ対をなしており、かつ電極3aと電極3bとは、互いに形状、サイズ、およびそれらの電極間寸法s3,s4が相違したものとなっている。これらのチップ抵抗器Ac〜Aeを製造するには、プレート1A上に形成する絶縁層4Aを、たとえば図11(c),図12(c)および図13(c)に示したような形状とし、かつこれらの図の仮想線で示す箇所においてプレート1Aを切断すればよい。これらのチップ抵抗器Ac〜Aeから理解されるように、本願発明においては複数の電極の形状やサイズなどを不揃いにしてもかまわず、複数の電極のそれぞれの具体的な形状、サイズ、および配置などは種々に変更することができる。
【0060】
本願発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本願発明に係るチップ抵抗器の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0061】
抵抗体の片面に絶縁層を形成する手段としては、転写などの手段を採用することもできる。導電層については、メッキ処理によって形成することが簡易であるが、やはり本願発明はこれに限定されず、他の方法を用いてもかまわない。本願発明に係るチップ抵抗器は、低抵抗のものとして製造するのに好適であるが、その抵抗値の具体的な値も限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係るチップ抵抗器の一例を示す斜視図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図2の要部拡大断面図である。
【図4】(a)〜(c)は、図1に示すチップ抵抗器の製造工程の一部を示す斜視図である。
【図5】(d),(e)は、図1に示すチップ抵抗器の製造工程の一部を示す斜視図である。
【図6】図1に示すチップ抵抗器の製造工程の一部を示す要部平面図である。
【図7】(a),(b)は、本願発明品と従来技術品との抵抗値の誤差に関するデータの比較例を示す図である。
【図8】本願発明に係るチップ抵抗器の製造方法の他の例を示す概略平面図である。
【図9】(a)は、本願発明に係るチップ抵抗器の他の例を示す断面図であり、(b)は、(a)の底面図であり、(c)は、(a)に示すチップ抵抗器を製造する際の工程例を示す要部平面図である。
【図10】(a)は、本願発明に係るチップ抵抗器の他の例を示す正面図であり、(b)は、(a)の底面図であり、(c)は、(a)に示すチップ抵抗器を製造する際の工程例を示す要部平面図である。
【図11】(a)は、本願発明に係るチップ抵抗器の他の例を示す正面図であり、(b)は、(a)の底面図であり、(c)は、(a)に示すチップ抵抗器を製造する際の工程例を示す要部平面図である。
【図12】(a)は、本願発明に係るチップ抵抗器の他の例を示す正面図であり、(b)は、(a)の底面図であり、(c)は、(a)に示すチップ抵抗器を製造する際の工程例を示す要部平面図である。
【図13】(a)は、本願発明に係るチップ抵抗器の他の例を示す正面図であり、(b)は、(a)の底面図であり、(c)は、(a)に示すチップ抵抗器を製造する際の工程例を示す要部平面図である。
【図14】従来のチップ抵抗器の一例を示す斜視図である。
【図15】(a)〜(e)は、従来のチップ抵抗器の製造方法の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
A チップ抵抗器
1 抵抗体
1A プレート
2,2A オーバコート層
3 電極
3A 導電層
4,4A 絶縁層
10a,10b 面(プレートの)
39 ハンダ層[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a chip resistor and a method for manufacturing the same.
[0002]
[Prior art]
An example of a conventional chip resistor is disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 2002-57009, which is shown in FIG. 14 of the present application. The illustrated chip resistor B has a configuration in which a pair of
[0003]
This chip resistor B is manufactured by a method as shown in FIG. First, as shown in FIG. 2A, two metal plates 90 'and 91' are prepared as respective materials of the
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
When manufacturing a resistor, it is required to minimize the error in the resistance value. Such requirements are particularly strong in the case of low-resistance chip resistors used for current detection and the like. However, in the above-described prior art, as described below, such a request could not be properly met, and there was a point to be improved.
[0005]
That is, in the chip resistor B, in order to reduce the error in the resistance value (resistance value between electrodes), it is necessary to finish the interval s5 between the pair of
[0006]
However, as described above, the
[0007]
As described above, conventionally, it has been difficult to manufacture the chip resistor B so as to eliminate or reduce the error of the resistance value. For this reason, conventionally, after manufacturing the chip resistor B, trimming for adjusting the resistance value has been performed. This trimming is performed by measuring the actual resistance value of the chip resistor B and irradiating a part of the
[0008]
Further, in the related art, the operation of cutting the
[0009]
The present invention has been conceived under such circumstances, and it is possible to reduce the error of the resistance value to the extent that it is not necessary to adjust the resistance value, and to improve the productivity. It is an object to provide an excellent chip resistor. Another object of the present invention is to provide a method for manufacturing a chip resistor capable of appropriately manufacturing such a chip resistor.
[0010]
DISCLOSURE OF THE INVENTION
In order to solve the above problems, the present invention employs the following technical means.
[0011]
The chip resistor provided by the first aspect of the present invention is a chip resistor including a chip-shaped resistor and a plurality of electrodes provided on one surface of the resistor, wherein the resistor is a chip resistor. An insulating layer is provided on one surface of the body, and the plurality of electrodes are spaced apart with the insulating layer interposed therebetween.
[0012]
According to such a configuration, the interval between the plurality of electrodes can be defined by the insulating layer. Specifically, when the width of the insulating layer is set to a predetermined size, the distance between two electrodes sandwiching the insulating layer in the width direction can be accurately defined to the predetermined size. On the other hand, the insulating layer can be formed in a desired pattern with high dimensional accuracy by forming the insulating layer using a method such as thick film printing described later. Therefore, the interval between the plurality of electrodes can be set to a desired size with high dimensional accuracy. Further, it is not necessary to use a cutting means as a means for forming the plurality of electrodes and the insulating layers, and unlike the related art, the resistor is not unduly cut. For this reason, the size of the resistor can be easily adjusted to a desired and accurate size. As a result, according to the present invention, without performing trimming for adjusting the resistance value, the error in the resistance value between the electrodes can be eliminated or extremely reduced, and the quality of the chip resistor can be extremely high. can do.
[0013]
As described above, according to the present invention, since it is not necessary to perform trimming for adjusting the resistance value, the cost of the chip resistor can be reduced. Further, as described above, since there is no need to perform a complicated cutting operation in the manufacturing process of the chip resistor, the productivity of the chip resistor is increased, and the cost can be reduced.
[0014]
In a preferred embodiment of the present invention, the insulating layer is formed by thick-film printing. According to such a configuration, even when the insulating layer has a complicated shape, the insulating layer can be easily formed with high dimensional accuracy.
[0015]
In a preferred embodiment of the present invention, an overcoat layer having electrical insulation is provided on a surface of the resistor opposite to the one surface. According to such a configuration, the resistor is protected by the overcoat layer, and, for example, the resistor does not directly contact other electrical components or the like, and an unreasonable current flows between them. You can do so.
[0016]
In a preferred embodiment of the present invention, the overcoat layer and the insulating layer are made of the same material. According to such a configuration, the use of the same material for the overcoat layer and the insulating layer is suitable for further reducing the production cost.
[0017]
In a preferred embodiment of the present invention, the thickness of each of the electrodes is greater than the thickness of the insulating layer. According to such a configuration, it is possible to easily attach the solder to the electrode when mounting the chip resistor at a desired location using the solder.
[0018]
In a preferred embodiment of the present invention, the semiconductor device further includes a solder layer laminated on each of the electrodes. According to such a configuration, it is possible to improve the solderability when mounting the chip resistor at a desired location.
[0019]
In a preferred embodiment of the present invention, the total thickness of the solder layer and each of the electrodes is larger than the thickness of the insulating layer. According to such a configuration, it is possible to further improve the solderability when mounting the chip resistor.
[0020]
In a preferred embodiment of the present invention, two or more pairs of electrodes are provided as the plurality of electrodes. According to such a configuration, for example, of the two or more pairs of electrodes, one pair of electrodes is used for current measurement, and the other pair of electrodes is used for voltage measurement, so that the chip resistor according to the present invention is used. It is possible to provide a resistor for performing precise measurement of current, and it is possible to provide a use or a function that cannot be obtained only by providing a pair of electrodes.
[0021]
A method for manufacturing a chip resistor provided by a second aspect of the present invention includes a step of patterning an insulating layer on one surface of a plate serving as a material of a resistor, and the step of forming the insulating layer on the one surface of the plate. Forming a conductive layer in a region where is not formed, and a step of dividing the plate into a plurality of chip-shaped resistors, and dividing the plate is performed on one surface of each of the resistors. It is characterized in that the conductive layer is formed so that a part of the conductive layer is formed as a plurality of electrodes spaced apart with a part of the insulating layer interposed therebetween.
[0022]
As the plate, a flat metal plate having a certain thickness can be used. The patterning of the insulating layer may be performed by thick film printing.
[0023]
According to the method for manufacturing a chip resistor according to the present invention, the chip resistor provided by the first aspect of the present invention can be efficiently and appropriately manufactured. Of course, since the chip resistor can be obtained in plurality from the plate, the productivity is further improved.
[0024]
In a preferred embodiment of the present invention, the formation of the conductive layer is performed by plating a metal on one surface of the plate. According to such a configuration, the conductive layer can be uniformly formed over the entire area where the insulating layer is not formed, without forming a gap or the like between the conductive layer and the insulating layer.
[0025]
In a preferred embodiment of the present invention, the method further comprises, before dividing the plate, forming an overcoat layer having electrical insulation on a surface of the plate opposite to the one surface.
[0026]
In a preferred embodiment of the present invention, the division of the plate is performed by punching. According to blanking, the dimensional error of a punched product can be made very small. Therefore, the above configuration is suitable for finishing the resistor to a desired size with high dimensional accuracy. In addition, punching can be performed with good workability, which is preferable for increasing the productivity of chip resistors.
[0027]
In a preferred embodiment of the present invention, the punching operation is repeated a plurality of times, and the same punching die is used in the plurality of operations. In the case where the above-mentioned punching operation is repeatedly performed, if the punching die is changed every time the punching operation is performed, if there is a variation in the size among the plurality of punching dies used for the punching, this variation is caused. As a result, the size of the plurality of chip resistors also varies. On the other hand, according to the above configuration, it is possible to eliminate such variations.
[0028]
In a preferred embodiment of the present invention, the plate is divided by cutting the plate vertically and horizontally. Even with such a configuration, the plate can be appropriately divided into a plurality of chip-shaped resistors.
[0029]
Other features and advantages of the present invention will become more apparent from the following description of embodiments of the present invention.
[0030]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, preferred embodiments of the present invention will be specifically described with reference to the drawings.
[0031]
1 to 3 show an example of a chip resistor according to the present invention. 1 and 2, the chip resistor A of the present embodiment includes a
[0032]
The
[0033]
The
[0034]
The insulating
[0035]
The pair of
[0036]
1 and 2, the ends of the
[0037]
The total thickness t1 of each
[0038]
As an example of the thickness of each part, the
[0039]
Next, an example of a method of manufacturing the above-described chip resistor A will be described with reference to FIGS.
[0040]
First, as shown in FIG. 4A, a
[0041]
Next, as shown in FIG. 3C, the
[0042]
In a region between the plurality of insulating
[0043]
Thereafter, as shown in FIG. 5E, the
[0044]
In the punching operation, as shown in FIG. 6, a part of each of two strip-shaped
[0045]
As described above, if the punching means is adopted as a means for dividing the
[0046]
The chip resistor A of the present embodiment is surface-mounted on a desired mounting object by using, for example, a solder reflow technique. Since the
[0047]
In the chip resistor A, as described above, the vertical and horizontal dimensions of the
[0048]
FIGS. 7A and 7B show data relating to errors in resistance values of the product of the present invention and the prior art product. This data is obtained by measuring the actual resistance value of 50 chip resistors for both the present invention product and the prior art product, and obtaining the average resistance value of the 50 chip resistors. The shift amount of each chip resistor is calculated, and the relationship between the shift amount and the number of chip resistors corresponding to the shift amount is shown.
[0049]
As the product of the present invention, a product having the same structure as the chip resistor A of the present embodiment and manufactured by the above-described manufacturing method by the present inventors was used. This product of the present invention has a target resistance value of 3 mΩ, and is not trimmed for adjusting the resistance value. On the other hand, a commercially available chip resistor having the same structure as that described with reference to FIG. 14 was used as the prior art product. This prior art product has a target resistance value of 2 mΩ and is trimmed for resistance value adjustment.
[0050]
Comparing the data of FIGS. 7 (a) and 7 (b), the product of the present invention and the prior art product have substantially the same degree of variation in resistance value. Therefore, it can be understood from this data that according to the present invention, the error in the resistance value can be reduced and trimming after manufacturing can be omitted.
[0051]
Further, in manufacturing the chip resistor A of the present embodiment, unlike the related art, it is not necessary to form a pair of electrodes by performing a cutting process on a part of a metal plate, so that the efficiency of the manufacturing operation is also reduced. good. Therefore, the cost of the chip resistor A can be further reduced.
[0052]
8 to 13 show another embodiment of the present invention. In these drawings, the same or similar elements as those in the above embodiment are denoted by the same reference numerals.
[0053]
FIG. 8 shows a step of cutting the
[0054]
The chip resistor Aa shown in FIGS. 9A and 9B has a configuration in which three insulating
[0055]
This chip resistor Aa is different from the chip resistor A described above in the arrangement and size of the pair of
[0056]
In the chip resistor Ab shown in FIGS. 10A and 10B, since the insulating
[0057]
Since this chip resistor Ab has four
[0058]
As in the above embodiment, in the present invention, a configuration in which two pairs (four) of the
[0059]
The chip resistors Ac to Ae shown in FIGS. 11 to 13 show another example in which four electrodes are provided. In these figures, the solder layer is omitted. In each of these chip resistors Ac to Ae, two
[0060]
The present invention is not limited to the contents of the above-described embodiment. The specific configuration of each part of the chip resistor according to the present invention can be variously changed in design.
[0061]
As a means for forming the insulating layer on one side of the resistor, a means such as transfer can be adopted. The conductive layer can be easily formed by plating, but the present invention is not limited to this, and another method may be used. The chip resistor according to the present invention is suitable for manufacturing as a low-resistance one, but the specific value of the resistance is not limited.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view showing an example of a chip resistor according to the present invention.
FIG. 2 is a sectional view taken along line II-II of FIG.
FIG. 3 is an enlarged sectional view of a main part of FIG. 2;
FIGS. 4A to 4C are perspective views showing a part of a manufacturing process of the chip resistor shown in FIG. 1;
FIGS. 5D and 5E are perspective views showing a part of a manufacturing process of the chip resistor shown in FIG. 1;
6 is a fragmentary plan view showing a part of the manufacturing process of the chip resistor shown in FIG. 1;
FIGS. 7A and 7B are diagrams showing a comparative example of data relating to an error in resistance value between a product of the present invention and a conventional product.
FIG. 8 is a schematic plan view showing another example of the method of manufacturing the chip resistor according to the present invention.
9A is a sectional view showing another example of the chip resistor according to the present invention, FIG. 9B is a bottom view of FIG. 9A, and FIG. 9C is a sectional view of FIG. It is a principal part top view which shows the example of a process at the time of manufacturing the shown chip resistor.
10A is a front view showing another example of the chip resistor according to the present invention, FIG. 10B is a bottom view of FIG. 10A, and FIG. It is a principal part top view which shows the example of a process at the time of manufacturing the shown chip resistor.
11A is a front view showing another example of the chip resistor according to the present invention, FIG. 11B is a bottom view of FIG. 11A, and FIG. 11C is a bottom view of FIG. It is a principal part top view which shows the example of a process at the time of manufacturing the shown chip resistor.
12A is a front view showing another example of the chip resistor according to the present invention, FIG. 12B is a bottom view of FIG. 12A, and FIG. 12C is a bottom view of FIG. It is a principal part top view which shows the example of a process at the time of manufacturing the shown chip resistor.
13A is a front view showing another example of the chip resistor according to the present invention, FIG. 13B is a bottom view of FIG. 13A, and FIG. 13C is a bottom view of FIG. It is a principal part top view which shows the example of a process at the time of manufacturing the shown chip resistor.
FIG. 14 is a perspective view showing an example of a conventional chip resistor.
FIGS. 15A to 15E are explanatory diagrams illustrating an example of a conventional method for manufacturing a chip resistor.
[Explanation of symbols]
A chip resistor
1 resistor
1A plate
2,2A overcoat layer
3 electrodes
3A conductive layer
4,4A insulation layer
10a, 10b surface (of plate)
39 Solder layer
Claims (16)
上記抵抗体の上記片面には、絶縁層が設けられており、かつ、
上記複数の電極は、上記絶縁層を挟んで離間していることを特徴とする、チップ抵抗器。A chip resistor including a chip-shaped resistor and a plurality of electrodes provided on one surface of the resistor,
An insulating layer is provided on one surface of the resistor, and
A chip resistor, wherein the plurality of electrodes are separated with the insulating layer interposed therebetween.
上記プレートの上記片面のうち、上記絶縁層が形成されていない領域に、導電層を形成する工程と、
上記プレートをチップ状の複数の抵抗体に分割する工程とを有し、かつ、
上記プレートの分割は、上記各抵抗体の片面において上記導電層の一部が上記絶縁層の一部を挟んで離間する複数の電極として形成されるように行なうことを特徴とする、チップ抵抗器の製造方法。A step of patterning an insulating layer on one side of a plate serving as a material of the resistor,
A step of forming a conductive layer in a region of the one surface of the plate where the insulating layer is not formed,
Dividing the plate into a plurality of chip-shaped resistors, and
A chip resistor, wherein the division of the plate is performed such that a part of the conductive layer is formed as a plurality of electrodes separated on one surface of each of the resistors with a part of the insulating layer interposed therebetween. Manufacturing method.
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