JP2004059893A - アクリル系粘着剤組成物及び粘着テープ - Google Patents
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Abstract
【課題】接着力が良好で長期の実用に耐え得るアクリル系粘着剤組成物、粘着テープ、及び該粘着テープを用いてなる建築内装構造体の提供。
【解決手段】主成分であるC2〜14のアルキル(メタ)アクリレートと極性基含有ビニルモノマーとからなるアクリル系モノマー成分、及び光重合開始剤を含有してなる重合性組成物を光重合して得られるアクリル系粘着剤組成物であって、式(1)で示されるゲル分率が50〜80%であり、かつ、式(2)で示される膨潤比が20〜50であるアクリル系粘着剤組成物。ゲル分率(%)=B/A×100
(1) 膨潤比=C/B
(2) A:アクリル系粘着剤組成物の重量 B:40℃酢酸エチルに48時間浸漬後のアクリル系粘着剤組成物の不溶解分の乾燥重量 C:40℃酢酸エチルに48時間浸漬後の酢酸エチルで膨潤したアクリル系粘着剤組成物の重量。さらにそれを用いたアクリル系粘着テープおよびび建築内装構造体。
【選択図】 なし
【解決手段】主成分であるC2〜14のアルキル(メタ)アクリレートと極性基含有ビニルモノマーとからなるアクリル系モノマー成分、及び光重合開始剤を含有してなる重合性組成物を光重合して得られるアクリル系粘着剤組成物であって、式(1)で示されるゲル分率が50〜80%であり、かつ、式(2)で示される膨潤比が20〜50であるアクリル系粘着剤組成物。ゲル分率(%)=B/A×100
(1) 膨潤比=C/B
(2) A:アクリル系粘着剤組成物の重量 B:40℃酢酸エチルに48時間浸漬後のアクリル系粘着剤組成物の不溶解分の乾燥重量 C:40℃酢酸エチルに48時間浸漬後の酢酸エチルで膨潤したアクリル系粘着剤組成物の重量。さらにそれを用いたアクリル系粘着テープおよびび建築内装構造体。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた接着性と保持力を有し、特に、粗面への接着性に優れたアクリル系粘着剤組成物、該粘着組成物を用いた粘着テープ、及び該粘着テープを用いた建築内装構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
粘着剤組成物に求められる基本性能の一つは、様々な被着体に対して強く接着することであり、一方、被着体の表面性状は平滑面から粗面まで種々の場合があるので、特に、粗面に対しても強く接着することが望ましく、さらに実用面では剪断力、凝集力が高いことが望まれる。
【0003】
従来より、住宅建材や、自動車構成部材等の接着固定において、発泡体からなる基材の両面にアクリル系粘着剤を積層した両面粘着テープが使用されている。基材に発泡体を用いることによる粗面への追従性の向上、接着力の向上を意図して提案されたものであるが、このような両面粘着テープに用いられている発泡体は、一般に、ポリエチレン系発泡体、ウレタン系発泡体、クロロプレン系発泡体、アクリル系発泡体等からなるため、層間強度が弱く、耐熱性が劣る等の問題があった。
【0004】
これらの問題点に対処すべく、特公昭57−17030号公報には、比重1以下、平均粒径10〜200μmのガラスミクロバブル(中空微小球)が接着剤層中に容積比で20〜60%含有されているアクリル系感圧接着テープが、剥離力及び剪断力の両方に優れているとして提案されている。
【0005】
しかしながら、上記発明においては、ガラスミクロバブルを接着剤層に20〜60容積%含有させることにより、剥離力及び剪断力の向上が達成される旨開示されているが、微粒子を接着剤層中に20〜60容積%含有させることにより、接着剤層の柔軟性が低下し、粗面への接着性が低下する場合があった。
上述した如く、従来は、良好な粗面接着性を保持させながら、剥離力、剪断力及び凝集力等に優れた粘着テープを提供することは実際上困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の粘着テープの問題点に鑑みてなされたもので、粗面に対して接着力が良好でかつ、長期の実用に耐え得る、凝集力が高いアクリル系粘着剤組成物、該粘着剤組成物からなるアクリル系粘着テープ、及び該粘着テープを用いてなる建築内装構造体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、アルキルの炭素数が2〜14のアルキル(メタ)アクリレートと極性基含有ビニルモノマーとからなる、アクリル系モノマーを主成分とするアクリル系モノマー成分、及び光重合開始剤を含有してなる重合性組成物を光重合して得られるアクリル系共重合体からなるアクリル系粘着剤組成物であって、下記式(1)で示されるゲル分率が50〜80%でありかつ、下記式(2)で示される膨潤比が20〜50であるアクリル系粘着剤組成物である。
ゲル分率(%)=B/A×100 (1)
膨潤比=C/B (2)
A:アクリル系粘着剤組成物
B:40℃酢酸エチルに48時間浸漬後のアクリル系粘着剤組成物の不溶解分の乾燥重量
C:40℃酢酸エチルに48時間浸漬後の酢酸エチルで膨潤したアクリル系粘着剤組成物。
【0008】
また、請求項2記載の発明は、重合性組成物が、更に、末端に重合性不飽和二重結合を有するオレフィン系重合体を含有してなるのもである請求項1記載のアクリル系粘着剤組成物である。
【0009】
また、請求項3記載の発明は、前記アクリル系粘着剤組成物が、平均粒径5〜150μmの微粒子を容積比率で0.5%以上、15%未満含有してなる請求項1または2に記載のアクリル系粘着剤組成物である。
【0010】
また、請求項4記載の発明は、前記アクリル系粘着剤組成物が、粘着付与剤として、軟化点120℃以上の水添石油樹脂を含有してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアクリル系粘着剤組成物。
【0011】
また、請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れか1項記載のアクリル系粘着剤組成物からなるアクリル系粘着テープである。
【0012】
また、請求項6記載の発明は、請求項5記載のアクリル系粘着テープを用いてなる建築内装構造体である。
【0013】
以下に、本発明を更に詳細に説明する。
本発明において、重合性組成物を構成するアルキル基の炭素数が2〜14のアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(アミル)(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチ(メタ)ルアクリレート、イソオクチ(メタ)ルアクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(ドデシル(メタ))アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0014】
アルキル基の炭素数が上記範囲外であると、粘着剤のガラス転移温度(Tg)が高くなったり、粘着剤としての適性が低下する等の不都合が生じるので2〜14の範囲に限定される。上記アルキル(メタ)アクリレートの内、ガラス転移温度(Tg)の調整、相溶性等の点から、炭素数が4〜10のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが好適に用いられる。上記アルキル(メタ)アクリレートは単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
尚、ここで言う「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」もしくは「メタクリレート」を意味する。
【0015】
上記重合性組成物を構成する、極性基含有ビニルモノマーは、共重合体のTgや粘着性等の調整、更には、粘着剤組成物の凝集力や粗面接着性を向上させるために用いられる。上記極性基含有ビニルモノマーの具体例としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン等のスチレン系モノマー;酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル;(メタ)アクリル酸、イタコン酸等のビニル基を含有するカルボン酸;前記ビニル基を有するカルボン酸の無水物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等の水酸基を有するビニルモノマー;(メタ)アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルラウリロラクタム、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート等の窒素含有ビニルモノマー、が挙げられる。
【0016】
上記極性基含有ビニルモノマーは単独で用いられても良いし、2種類以上併用されても良い。
上記極性基含有ビニルモノマーの量は、多過ぎると得られる粘着剤組成物の柔軟性が低下し、剥離力が低下するので、アクリル系モノマー成分中の0.1〜20重量%であるのが好ましい。即ち、上記アクリル系モノマーを主成分とするアクリル系モノマー成分中のアクリル系モノマーの割合は、99.9〜80重量%であるのが好ましい。
【0017】
上記重合性組成物を光重合してアクリル系共重合体を得る際は、光重合開始剤が用いられる。光重合開始剤としては、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシー2−プロピル)ケトン[商品名:ダロキュアー2959、メルク社製]などのケトン系;α−ヒドロキシ−α、α`−ジメチル−アセトフェノン[商品名:ダロキュア1173、メルク社製]、メトキシアセトフェン、2,2−ジメトキシー2−フェニルアセトフェン[商品名:イルガキュア651、チバガイギー社製]、2−ヒドロキシー2−シクロヘキシルアセトフェノン[商品名:イルガキュア184、チバガイギー社製]などのアセトフェノン系;ベンジルジメチルケタールなどのケタール系;その他、ハロゲン化ケトン、アシルホスフィノキシド、アシルホスフォナートなどが挙げられる。
【0018】
これら光重合開始剤の添加量は、上記アクリル系モノマーを主成分とするアクリル系モノマー成分100重量部に対して、好ましくは0.01〜5重量部であり、より好ましくは0.03〜1.0重量部である。
光開始剤の添加量が0.01重量部未満では重合転化率が低下し、得られる重合体のモノマー臭が強いものとなる。また、5重量部を超える場合には、ラジカル発生量が多くなり、アクリル系共重合体の分子量が低下してしまい、必要な凝集力が得られないこととなる。
【0019】
光重合における光照射に用いられるランプ類としては、特に限定されないが、光の波長が400nm以下に発光分布を有するものが用いられ、具体的には、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウエーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。この中でもケミカルランプは開始剤の活性波長領域の光を効率よく発光すると共に、重合性組成物中の開始剤以外の成分の光吸収が少ないため、内部まで光が透過するので効果的である。
さらに、重合性組成物中の開始剤以外の成分の光吸収が少ないため、本発明の粘着テープを得る際に、厚い粘着剤層が形成された高膜厚の製品を製造するのに好ましい。
【0020】
上記ランプによる光重合物組成物への光照射強度は得られるポリマーの重合度を左右する因子であり、目的製品の性能毎に適宜制御されるものであり、一般的に使用されるアセトフェノン基を有する開列型の開始剤を配合した場合、開始剤の光分解に有効な波長領域(開始剤によって異なるが、通常365nm〜420nmの光が用いられる)の光強度は0.1〜100mW/cm2 が好ましい。
【0021】
本発明のアクリル系粘着剤組成物は下記式(1)で示されるゲル分率が50〜80%であり、下記式(2)で示される膨潤比が20〜50である。
ゲル分率(%)=B/A×100 (1)
膨潤比=C/B (2)
A:アクリル系粘着剤組成物の重量
B:40℃酢酸エチルに48時間浸漬後のアクリル系粘着剤組成物の不溶解分の乾燥重量
C:40℃酢酸エチルに48時間浸漬後の酢酸エチルで膨潤したアクリル系粘着剤組成物の重量。
【0022】
上記ゲル分率が50%未満の場合は凝集力が不十分であり、80%を超えると粗面への接着力が低下する。好ましいゲル分率は、55〜75%であり、」より好ましくは65〜70%である。
また、膨潤比が20未満の場合は、粗面への接着性が低下し、50を超えると凝集力が不十分となる。好ましい膨潤比は25〜45であり、より好ましくは30〜40である。
【0023】
上記アクリル系粘着剤組成物のゲル分率及び膨潤比を調製するために、アクリル系モノマー成分に架橋性成分を添加するのが好ましい。架橋性成分としては、末端に重合性不飽和二重結合を有するオレフィン系重合体、多官能(メタ)アクリレート、極性基含有ビニルモノマーの極性基と反応する基を有する化合物等が挙げられる。
【0024】
上記末端に重合性不飽和二重結合を有するオレフィン系重合体としては、末端に他の重合性モノマーと共重合可能な二重結合と、ポリオレフィン主骨格からなるポリマー構造とを有するものであれば、特に限定されるものではない。
上記ポリオレフィン骨格の具体例としては、エチレン−ブチレン共重合体、エチレンープロピレン共重合体、エチレン共重合体、ブチレン共重合体等が挙げられる。エチレン−ブチレン共重合体の市販品としては、例えば、クレイトン・ポリマージャパン社製「クレイトン・リキッド・ポリマーL−1251」や「クレイトン・リキッド・ポリマーL−1253」等が挙げられる。
上記架橋性成分の量は、アクリル系モノマー成分100重量%に対して0.1〜30重量%が好ましく、特に好ましくは0.5〜20重量%である。添加量が01重量%未満の場合は、添加効果が認められず、30重量%を超えると、膨潤比の低下、ゲル分率の上昇を招いて、粗面への接着性が低下する。
【0025】
上記多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトシキ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、エトシキ化トリメチロールプロパントリアクリレート、 プロキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロキシ化グリセリルトリアクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジアクリレート、液状水素化1,2ポリブタジエンアクリレート等が挙げられる。
【0026】
上記多官能(メタ)アクリレートの分子量が小さすぎた場合には、配合量が少ないと粗面接着性は良好であるが、凝集力が不十分であり、配合量が多いと粗面接着不良となり、両者のバランスをとることが困難なため、数平均分子量が400以上の多官能(メタ)アクリレートが好適に用いられ、特に好ましくは、数平均分子量が800以上の多官能(メタ)アクリレートが用いられる。
また、多官能アクリレートの量は、上記アクリル系モノマーを主成分とするアクリル系モノマー成分100重量部に対して0.02〜5重量部が好ましく、0.1〜2重量部が更に好ましい。
【0027】
上記極性基含有ビニルモノマーの極性基と反応する基を有する化合物としては、イソシアネート基、エポキシ基、アジリジル基等の官能基を1分子中に2個以上有する化合物が挙げられる。また、有機過酸化物が添加されても良い。
【0028】
上記イソシアネート基含有化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ナフチレンー1,5−ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トリメチロールプロパン変成トリレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0029】
また、上記エポキシ基含有化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル等が挙げられ、上記アジリジン基含有化合物としては、N,N−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)等が挙げられ、有機過酸化物としては、例えばジ−t−ブチルペルオキシイソフタレート、2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブタン、t−ヘキシルペルオキシベンゾエート、t−ヘキシルペルオキシイソプロピルモノカルボナート、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシノデカノエート、ジ−n−プロピルペルオキシジカルボナート等が挙げられる。
【0030】
本発明においては、粗面接着性及び好適な凝集力を発現させるために平均粒子径が5〜150μmの微粒子が好適に用いられる。上記平均粒子径が5〜150μmの微粒子は、上記アクリル系共重合体と共に、通常は均一に分散した状態で、本発明のアクリル系粘着剤組成物を構成するものである。
微粒子としては、ガラスバルーン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン等の無機質中空粒子、ポリメタクリル酸メチル、アクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、フェノール樹脂等からなる有機質中空粒子、ガラスビーズ、シリカビーズ、合成雲母等の無機質微粒子、ポリアクリル酸エチル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の有機質微粒子が挙げられる。これらの微粒子を、アクリル系粘着剤組成物中に容積比率で0.5%以上15%未満の割合で含有されるように配合することにより、粗面接着性と共に好適な凝集力の発現を可能とする。
また、上記微粒子をアクリル系粘着剤組成物に添加する方法としては、重合性組成物を重合せしめた後に、他の添加剤と共に添加しても良いが、より均一に分散せしめて添加効果を高めるためには、予め重合性組成物に添加せしめた後に、光を照射して重合せしめるのが好ましい。
【0031】
容積比率が0.5%未満では凝集力が不足となり、15%以上配合すると粗面接着性が低下する。好ましい容積比率は1.0%以上5%未満である。
また、5〜150μmの微粒子の平均粒径が5μm未満であると、十分な凝集力が得られず、逆に150μmを越えると、最終的に得られる粘着テープの粘着剤層に空隙が生じやすくなるので好ましくない。
【0032】
本発明のアクリル系粘着剤組成物は、上記アクリル系共重合体の他、粘着付与樹脂が配合されていてもよい。上記粘着付与樹脂をアクリル系粘着剤組成物に添加する方法としては、重合性組成物を重合せしめた後に、他の添加剤と共に添加しても良いが、予め重合性組成物に添加せしめた後に、光を照射して重合せしめるのが好ましい。
粘着付与樹脂を光重合性組成物に添加して重合する場合、重合速度の低下や、分子量の低下が生じる場合があるので、水添テルペン樹脂、水添ロジン、不均化ロジン樹脂、石油樹脂等の重合阻害性の低い粘着付与樹脂が好適に用いられる。
【0033】
これらの内で汎用樹脂としてのポリオレフィンに対する接着力の高い点で石油樹脂が好適に用いられる。特に、水素化した水添石油樹脂(更に、より好ましくは完全に水添化された石油樹脂)が、重合阻害性が低い点でより好適に用いられる。水添化されていない場合は、石油樹脂が有する二重結合構造が紫外線重合等の反応において重合阻害を生じさせる原因となりやすいためである。
上記粘着付与樹脂の軟化点は特に限定されないが、120℃以上であるのが好ましい。軟化点が120℃未満の場合は、凝集力が低下し易くなってしまう。
【0034】
粘着付与樹脂の添加量はアクリル系共重合体100重量部に対して好ましくは5〜50重量部であり、更に好ましくは5〜40重量部である。5重量部以下では接着力向上が十分でなく、例えばポリオレフィンへの十分な接着力が得られず、40重量部を超えると粘着剤組成物の凝集力や柔軟性が低下する傾向がある。
【0035】
本発明において、重合組成物の粘度を上げ、微粒子の分散を保持するために、親水性シリカのようなチキソトロピー付与材を配合することが望ましい。
本発明におけるアクリル系粘着剤には必要に応じて、各種の添加剤が添加されても良い。上記添加剤としては、例えば、可塑剤、軟化剤、顔料、染料などが挙げられる。
【0036】
本発明の粘着テープは、上述の本発明アクリル系粘着剤組成物から得られ、前記のアクリル系粘着剤組成物からなる粘着剤層が形成されてなるものであり、粘着剤層は、必要により、基材の少なくとも一面に形成される。上記基材としては、特に限定されず、例えば、和紙、不織布等の紙類、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリウレタン等のプラスチックフィルム、金属博等の、粘着テープの芯材として従来公知の物が使用される。
【0037】
上記粘着テープにおける粘着剤組成物の厚さは、0.05〜3mmであることが好ましい。厚さが0.05mm未満であると、粘着剤層が薄いために、粗面への追従性が悪くなり、厚さが3mmを越えると、剪断力に対するずれが発現し易くなり好ましくない。
【0038】
本発明の粘着テープの製造方法としては、例えば、以下の製法が挙げられる。先ず、上記アクリル系モノマー成分及び光重合開始剤からなる重合性組成物に必要に応じて、親水性シリカ等の添加剤を配合した後、高速攪拌機を用いて分散混合する。次に、この液状物の溶存酸素を除去するために、一般に窒素ガス等の不活性ガスを供給して酸素をパージする。
この液状物を剥離紙などの上に塗布するか、又は、プラスチックフィルム、金属箔、紙、布、不織布等の基材に塗布又は含浸させた後に、光を照射して重合せしめてアクリル系粘着剤組成物として粘着テープを得る。
上記液状物の塗布もしくは含浸から光を照射する工程までは、不活性ガス雰囲気下、又はフィルム等により酸素が遮断された状態で行われる。
【0039】
本発明に係る粘着剤材組成物は、そのまま粘着剤として用いられてよく、あるいは粘着テープの形態で用いられてもよい。粘着テープとする場合、基材を有しないいわゆるノンサポートタイプの両面テープの形態であってもよく、あるいは基材の一面もしくは両面に粘着層を形成してなる基材付き粘着テープとしてもよい。
【0040】
本発明における上記アクリル系粘着テープを用いた建築内装構造体としては、特に限定されず、一例としては、図1に例示したような、下地材に上記アクリル系粘着テープを用いて内装壁材を接合した建築内装構造体、金属部材等からなる躯体の柱や梁に、上記アクリル系粘着テープを用いて内装壁材を接合して得られる構造体等が挙げられる
【0041】
【実施例】
以下に本発明につき、実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明は実施例に何ら限定されるものではない。
なお、実施例、比較例における粘着テープの評価方法は以下の通りである。
【0042】
〔アクリル系感圧接着シートの作成〕
表1、2に記載の配合に従い、重合性組成物をディゾルバーにて均一に混合して作成した。この重合性組成物に窒素をパージして溶存酸素を除去した。ついで、離型処理した50μm厚のPETフィルム上に厚さ0.5mmのスペーサーを設置し上記重合性組成物を離型処理PET上に展開したのち、このPETフィルムを折り曲げて、離型処理面が重合性組成物に接するように被覆した。
この状態で被覆側のPETフィルムにおける紫外線照射強度が5mW/cm2となるようにケミカルランプのランプ強度を調整し、15分間紫外線を照射し、粘着剤層の厚さが0.5mmの粘着テープを得た。
【0043】
〔評価〕
上記で得られた粘着テープを用いて、下記の評価を行い結果を表1、2に示した。
(1)ゲル分率、膨潤比
先ず、ポリエチレンテレフタレート(PET)製離型フィルムを剥離した粘着テープの重量Aを測定した。この粘着テープを40℃の酢酸エチル溶液に48時間浸漬した後、200メッシュの金網で濾過し、酢酸エチルで膨潤した不溶解分の重量Cを測定した。次に、不溶解分を室温で2日間風乾し、不溶解分の乾燥重量Bを測定し、下記の式よりゲル分率及び膨潤比を算出した。
ゲル分率(%)=B/A×100 (1)
膨潤比)=C/B (2)
A:アクリル系粘着テープの重量。
B:40℃酢酸エチルに48時間浸漬後のアクリル系粘着テープの不溶解分の乾燥重量。
C:40℃酢酸エチルに48時間浸漬後の酢酸エチルで膨潤したアクリル系粘着テープの不溶解分の重量。
【0044】
(2)90度剥離力
23℃65%RH雰囲気下において、ポリエチレンテレフタレート(PET)製離型フィルムで挟持された粘着面を幅25mm、長さ100mmに裁断した。次いで、一方のPETフィルムを剥離して、粘着面を露出させ、幅50mm、長さ150mmのステンレス板(日本テストパネル社製、SUS304)、石膏ボード(粗面に対する接着性の評価)、ポリプロピレン板(日本テストパネル社製)に、接着長さ100mmとなるように粘着面を露出された粘着テープ面側から貼り付けた。
次に上記粘着テープの他方のPETフィルムを剥離し、露出された粘着テープに厚さ25μmのポリエステルフィルムをバッキング材として貼り付け、該バッキング材の背面側から重さ2kgのローラーで1往復させて圧着した後、23℃、65%RHで24時間放置した後、23℃の雰囲気下で引っ張り試験機を用いて、300mm/分の引っ張り速度で90度剥離力を測定した。
【0045】
(3)剪断接着力
粘着テープを幅25mm、長さ25mmに裁断し、23℃、65%RHの雰囲気下で幅50mm、長さ100mmの2枚のステンレス板(日本テストパネル社製)の中央部同士を両面のPETフィルムを剥離した粘着テープで貼り合わせ、5kgの荷重で15分間圧着した後、24時間後に50mm/分の引っ張り速度で剪断方向に引っ張り、剪断接着力を測定した。
【0046】
(4)対ステンレス板保持力試験
23℃、65%RHの雰囲気下において、離型フィルムで挟持された粘着テープを幅25mm、長さ25mmに裁断し、一方のPETフィルムを剥離し、粘着面を露出させ、幅50mm、長さ50mmのステンレス板(日本テストパネル社製)に粘着面を露出された粘着テープ面側から貼り付けた。
次に前記粘着テープの他方の離型紙を剥離し、露出された粘着テープ面に厚さ1.3mmのステンレス板を貼り付けた。このステンレス板の上から重さ2kgのローラーで2往復させて圧着した後、23℃、65%RHの雰囲気内に24時間放置した後、80℃ギアオーブンに1時間放置した。その後、80℃ギアオーブン内で、ステンレス板に1kgの重りを付け、落下するまでの時間を測定した。
【0047】
(5)化粧珪酸カルシウム板固定試験
軽量不燃石膏ボード(1000×2000×12mm厚さ)に幅20mmの感圧接着シートを外周部及び中央部に一本貼付し、化粧珪酸カルシウム板(910×1820×6mm厚さ)をその上から、押さえるように貼り合わせた。その後、40℃と0℃の1週間間隔のサイクル試験を4回行い、化粧珪酸カルシウム板の浮き、剥がれの状態を目視で評価した。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】
本発明のアクリル系粘着剤組成物は、アルキルの炭素数が2〜14のアルキル(メタ)アクリレートと極性基含有ビニルモノマーとからなる、アクリル系モノマーを主成分とするアクリル系モノマー成分、及び光重合開始剤を含有してなる重合性組成物を光重合して得られるアクリル系共重合体からなるアクリル粘着剤組成物であって、下記式(1)で示されるゲル分率が50〜80%であり、かつ、下記式(2)で示される膨潤比が20〜50であるので、粗面に対して接着力が良好なアクリル系粘着剤組成物である。
(ゲル分率%)=B/A×100 (1)
(膨潤比)=C/B (2)
A:アクリル系粘着剤組成物の重量。
B:40℃酢酸エチルに48時間浸漬後のアクリル系粘着剤組成物の不溶解分の乾燥重量。
C:40℃酢酸エチルに48時間浸漬後の酢酸エチルで膨潤したアクリル系粘着剤組成物の重量。
【0051】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感圧接着シートを用いた、建築内装構造体の一例
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた接着性と保持力を有し、特に、粗面への接着性に優れたアクリル系粘着剤組成物、該粘着組成物を用いた粘着テープ、及び該粘着テープを用いた建築内装構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
粘着剤組成物に求められる基本性能の一つは、様々な被着体に対して強く接着することであり、一方、被着体の表面性状は平滑面から粗面まで種々の場合があるので、特に、粗面に対しても強く接着することが望ましく、さらに実用面では剪断力、凝集力が高いことが望まれる。
【0003】
従来より、住宅建材や、自動車構成部材等の接着固定において、発泡体からなる基材の両面にアクリル系粘着剤を積層した両面粘着テープが使用されている。基材に発泡体を用いることによる粗面への追従性の向上、接着力の向上を意図して提案されたものであるが、このような両面粘着テープに用いられている発泡体は、一般に、ポリエチレン系発泡体、ウレタン系発泡体、クロロプレン系発泡体、アクリル系発泡体等からなるため、層間強度が弱く、耐熱性が劣る等の問題があった。
【0004】
これらの問題点に対処すべく、特公昭57−17030号公報には、比重1以下、平均粒径10〜200μmのガラスミクロバブル(中空微小球)が接着剤層中に容積比で20〜60%含有されているアクリル系感圧接着テープが、剥離力及び剪断力の両方に優れているとして提案されている。
【0005】
しかしながら、上記発明においては、ガラスミクロバブルを接着剤層に20〜60容積%含有させることにより、剥離力及び剪断力の向上が達成される旨開示されているが、微粒子を接着剤層中に20〜60容積%含有させることにより、接着剤層の柔軟性が低下し、粗面への接着性が低下する場合があった。
上述した如く、従来は、良好な粗面接着性を保持させながら、剥離力、剪断力及び凝集力等に優れた粘着テープを提供することは実際上困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の粘着テープの問題点に鑑みてなされたもので、粗面に対して接着力が良好でかつ、長期の実用に耐え得る、凝集力が高いアクリル系粘着剤組成物、該粘着剤組成物からなるアクリル系粘着テープ、及び該粘着テープを用いてなる建築内装構造体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、アルキルの炭素数が2〜14のアルキル(メタ)アクリレートと極性基含有ビニルモノマーとからなる、アクリル系モノマーを主成分とするアクリル系モノマー成分、及び光重合開始剤を含有してなる重合性組成物を光重合して得られるアクリル系共重合体からなるアクリル系粘着剤組成物であって、下記式(1)で示されるゲル分率が50〜80%でありかつ、下記式(2)で示される膨潤比が20〜50であるアクリル系粘着剤組成物である。
ゲル分率(%)=B/A×100 (1)
膨潤比=C/B (2)
A:アクリル系粘着剤組成物
B:40℃酢酸エチルに48時間浸漬後のアクリル系粘着剤組成物の不溶解分の乾燥重量
C:40℃酢酸エチルに48時間浸漬後の酢酸エチルで膨潤したアクリル系粘着剤組成物。
【0008】
また、請求項2記載の発明は、重合性組成物が、更に、末端に重合性不飽和二重結合を有するオレフィン系重合体を含有してなるのもである請求項1記載のアクリル系粘着剤組成物である。
【0009】
また、請求項3記載の発明は、前記アクリル系粘着剤組成物が、平均粒径5〜150μmの微粒子を容積比率で0.5%以上、15%未満含有してなる請求項1または2に記載のアクリル系粘着剤組成物である。
【0010】
また、請求項4記載の発明は、前記アクリル系粘着剤組成物が、粘着付与剤として、軟化点120℃以上の水添石油樹脂を含有してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアクリル系粘着剤組成物。
【0011】
また、請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れか1項記載のアクリル系粘着剤組成物からなるアクリル系粘着テープである。
【0012】
また、請求項6記載の発明は、請求項5記載のアクリル系粘着テープを用いてなる建築内装構造体である。
【0013】
以下に、本発明を更に詳細に説明する。
本発明において、重合性組成物を構成するアルキル基の炭素数が2〜14のアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(アミル)(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチ(メタ)ルアクリレート、イソオクチ(メタ)ルアクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(ドデシル(メタ))アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0014】
アルキル基の炭素数が上記範囲外であると、粘着剤のガラス転移温度(Tg)が高くなったり、粘着剤としての適性が低下する等の不都合が生じるので2〜14の範囲に限定される。上記アルキル(メタ)アクリレートの内、ガラス転移温度(Tg)の調整、相溶性等の点から、炭素数が4〜10のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが好適に用いられる。上記アルキル(メタ)アクリレートは単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
尚、ここで言う「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」もしくは「メタクリレート」を意味する。
【0015】
上記重合性組成物を構成する、極性基含有ビニルモノマーは、共重合体のTgや粘着性等の調整、更には、粘着剤組成物の凝集力や粗面接着性を向上させるために用いられる。上記極性基含有ビニルモノマーの具体例としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン等のスチレン系モノマー;酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル;(メタ)アクリル酸、イタコン酸等のビニル基を含有するカルボン酸;前記ビニル基を有するカルボン酸の無水物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等の水酸基を有するビニルモノマー;(メタ)アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルラウリロラクタム、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート等の窒素含有ビニルモノマー、が挙げられる。
【0016】
上記極性基含有ビニルモノマーは単独で用いられても良いし、2種類以上併用されても良い。
上記極性基含有ビニルモノマーの量は、多過ぎると得られる粘着剤組成物の柔軟性が低下し、剥離力が低下するので、アクリル系モノマー成分中の0.1〜20重量%であるのが好ましい。即ち、上記アクリル系モノマーを主成分とするアクリル系モノマー成分中のアクリル系モノマーの割合は、99.9〜80重量%であるのが好ましい。
【0017】
上記重合性組成物を光重合してアクリル系共重合体を得る際は、光重合開始剤が用いられる。光重合開始剤としては、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシー2−プロピル)ケトン[商品名:ダロキュアー2959、メルク社製]などのケトン系;α−ヒドロキシ−α、α`−ジメチル−アセトフェノン[商品名:ダロキュア1173、メルク社製]、メトキシアセトフェン、2,2−ジメトキシー2−フェニルアセトフェン[商品名:イルガキュア651、チバガイギー社製]、2−ヒドロキシー2−シクロヘキシルアセトフェノン[商品名:イルガキュア184、チバガイギー社製]などのアセトフェノン系;ベンジルジメチルケタールなどのケタール系;その他、ハロゲン化ケトン、アシルホスフィノキシド、アシルホスフォナートなどが挙げられる。
【0018】
これら光重合開始剤の添加量は、上記アクリル系モノマーを主成分とするアクリル系モノマー成分100重量部に対して、好ましくは0.01〜5重量部であり、より好ましくは0.03〜1.0重量部である。
光開始剤の添加量が0.01重量部未満では重合転化率が低下し、得られる重合体のモノマー臭が強いものとなる。また、5重量部を超える場合には、ラジカル発生量が多くなり、アクリル系共重合体の分子量が低下してしまい、必要な凝集力が得られないこととなる。
【0019】
光重合における光照射に用いられるランプ類としては、特に限定されないが、光の波長が400nm以下に発光分布を有するものが用いられ、具体的には、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウエーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。この中でもケミカルランプは開始剤の活性波長領域の光を効率よく発光すると共に、重合性組成物中の開始剤以外の成分の光吸収が少ないため、内部まで光が透過するので効果的である。
さらに、重合性組成物中の開始剤以外の成分の光吸収が少ないため、本発明の粘着テープを得る際に、厚い粘着剤層が形成された高膜厚の製品を製造するのに好ましい。
【0020】
上記ランプによる光重合物組成物への光照射強度は得られるポリマーの重合度を左右する因子であり、目的製品の性能毎に適宜制御されるものであり、一般的に使用されるアセトフェノン基を有する開列型の開始剤を配合した場合、開始剤の光分解に有効な波長領域(開始剤によって異なるが、通常365nm〜420nmの光が用いられる)の光強度は0.1〜100mW/cm2 が好ましい。
【0021】
本発明のアクリル系粘着剤組成物は下記式(1)で示されるゲル分率が50〜80%であり、下記式(2)で示される膨潤比が20〜50である。
ゲル分率(%)=B/A×100 (1)
膨潤比=C/B (2)
A:アクリル系粘着剤組成物の重量
B:40℃酢酸エチルに48時間浸漬後のアクリル系粘着剤組成物の不溶解分の乾燥重量
C:40℃酢酸エチルに48時間浸漬後の酢酸エチルで膨潤したアクリル系粘着剤組成物の重量。
【0022】
上記ゲル分率が50%未満の場合は凝集力が不十分であり、80%を超えると粗面への接着力が低下する。好ましいゲル分率は、55〜75%であり、」より好ましくは65〜70%である。
また、膨潤比が20未満の場合は、粗面への接着性が低下し、50を超えると凝集力が不十分となる。好ましい膨潤比は25〜45であり、より好ましくは30〜40である。
【0023】
上記アクリル系粘着剤組成物のゲル分率及び膨潤比を調製するために、アクリル系モノマー成分に架橋性成分を添加するのが好ましい。架橋性成分としては、末端に重合性不飽和二重結合を有するオレフィン系重合体、多官能(メタ)アクリレート、極性基含有ビニルモノマーの極性基と反応する基を有する化合物等が挙げられる。
【0024】
上記末端に重合性不飽和二重結合を有するオレフィン系重合体としては、末端に他の重合性モノマーと共重合可能な二重結合と、ポリオレフィン主骨格からなるポリマー構造とを有するものであれば、特に限定されるものではない。
上記ポリオレフィン骨格の具体例としては、エチレン−ブチレン共重合体、エチレンープロピレン共重合体、エチレン共重合体、ブチレン共重合体等が挙げられる。エチレン−ブチレン共重合体の市販品としては、例えば、クレイトン・ポリマージャパン社製「クレイトン・リキッド・ポリマーL−1251」や「クレイトン・リキッド・ポリマーL−1253」等が挙げられる。
上記架橋性成分の量は、アクリル系モノマー成分100重量%に対して0.1〜30重量%が好ましく、特に好ましくは0.5〜20重量%である。添加量が01重量%未満の場合は、添加効果が認められず、30重量%を超えると、膨潤比の低下、ゲル分率の上昇を招いて、粗面への接着性が低下する。
【0025】
上記多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトシキ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、エトシキ化トリメチロールプロパントリアクリレート、 プロキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロキシ化グリセリルトリアクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジアクリレート、液状水素化1,2ポリブタジエンアクリレート等が挙げられる。
【0026】
上記多官能(メタ)アクリレートの分子量が小さすぎた場合には、配合量が少ないと粗面接着性は良好であるが、凝集力が不十分であり、配合量が多いと粗面接着不良となり、両者のバランスをとることが困難なため、数平均分子量が400以上の多官能(メタ)アクリレートが好適に用いられ、特に好ましくは、数平均分子量が800以上の多官能(メタ)アクリレートが用いられる。
また、多官能アクリレートの量は、上記アクリル系モノマーを主成分とするアクリル系モノマー成分100重量部に対して0.02〜5重量部が好ましく、0.1〜2重量部が更に好ましい。
【0027】
上記極性基含有ビニルモノマーの極性基と反応する基を有する化合物としては、イソシアネート基、エポキシ基、アジリジル基等の官能基を1分子中に2個以上有する化合物が挙げられる。また、有機過酸化物が添加されても良い。
【0028】
上記イソシアネート基含有化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ナフチレンー1,5−ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トリメチロールプロパン変成トリレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0029】
また、上記エポキシ基含有化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル等が挙げられ、上記アジリジン基含有化合物としては、N,N−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)等が挙げられ、有機過酸化物としては、例えばジ−t−ブチルペルオキシイソフタレート、2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブタン、t−ヘキシルペルオキシベンゾエート、t−ヘキシルペルオキシイソプロピルモノカルボナート、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシノデカノエート、ジ−n−プロピルペルオキシジカルボナート等が挙げられる。
【0030】
本発明においては、粗面接着性及び好適な凝集力を発現させるために平均粒子径が5〜150μmの微粒子が好適に用いられる。上記平均粒子径が5〜150μmの微粒子は、上記アクリル系共重合体と共に、通常は均一に分散した状態で、本発明のアクリル系粘着剤組成物を構成するものである。
微粒子としては、ガラスバルーン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン等の無機質中空粒子、ポリメタクリル酸メチル、アクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、フェノール樹脂等からなる有機質中空粒子、ガラスビーズ、シリカビーズ、合成雲母等の無機質微粒子、ポリアクリル酸エチル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の有機質微粒子が挙げられる。これらの微粒子を、アクリル系粘着剤組成物中に容積比率で0.5%以上15%未満の割合で含有されるように配合することにより、粗面接着性と共に好適な凝集力の発現を可能とする。
また、上記微粒子をアクリル系粘着剤組成物に添加する方法としては、重合性組成物を重合せしめた後に、他の添加剤と共に添加しても良いが、より均一に分散せしめて添加効果を高めるためには、予め重合性組成物に添加せしめた後に、光を照射して重合せしめるのが好ましい。
【0031】
容積比率が0.5%未満では凝集力が不足となり、15%以上配合すると粗面接着性が低下する。好ましい容積比率は1.0%以上5%未満である。
また、5〜150μmの微粒子の平均粒径が5μm未満であると、十分な凝集力が得られず、逆に150μmを越えると、最終的に得られる粘着テープの粘着剤層に空隙が生じやすくなるので好ましくない。
【0032】
本発明のアクリル系粘着剤組成物は、上記アクリル系共重合体の他、粘着付与樹脂が配合されていてもよい。上記粘着付与樹脂をアクリル系粘着剤組成物に添加する方法としては、重合性組成物を重合せしめた後に、他の添加剤と共に添加しても良いが、予め重合性組成物に添加せしめた後に、光を照射して重合せしめるのが好ましい。
粘着付与樹脂を光重合性組成物に添加して重合する場合、重合速度の低下や、分子量の低下が生じる場合があるので、水添テルペン樹脂、水添ロジン、不均化ロジン樹脂、石油樹脂等の重合阻害性の低い粘着付与樹脂が好適に用いられる。
【0033】
これらの内で汎用樹脂としてのポリオレフィンに対する接着力の高い点で石油樹脂が好適に用いられる。特に、水素化した水添石油樹脂(更に、より好ましくは完全に水添化された石油樹脂)が、重合阻害性が低い点でより好適に用いられる。水添化されていない場合は、石油樹脂が有する二重結合構造が紫外線重合等の反応において重合阻害を生じさせる原因となりやすいためである。
上記粘着付与樹脂の軟化点は特に限定されないが、120℃以上であるのが好ましい。軟化点が120℃未満の場合は、凝集力が低下し易くなってしまう。
【0034】
粘着付与樹脂の添加量はアクリル系共重合体100重量部に対して好ましくは5〜50重量部であり、更に好ましくは5〜40重量部である。5重量部以下では接着力向上が十分でなく、例えばポリオレフィンへの十分な接着力が得られず、40重量部を超えると粘着剤組成物の凝集力や柔軟性が低下する傾向がある。
【0035】
本発明において、重合組成物の粘度を上げ、微粒子の分散を保持するために、親水性シリカのようなチキソトロピー付与材を配合することが望ましい。
本発明におけるアクリル系粘着剤には必要に応じて、各種の添加剤が添加されても良い。上記添加剤としては、例えば、可塑剤、軟化剤、顔料、染料などが挙げられる。
【0036】
本発明の粘着テープは、上述の本発明アクリル系粘着剤組成物から得られ、前記のアクリル系粘着剤組成物からなる粘着剤層が形成されてなるものであり、粘着剤層は、必要により、基材の少なくとも一面に形成される。上記基材としては、特に限定されず、例えば、和紙、不織布等の紙類、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリウレタン等のプラスチックフィルム、金属博等の、粘着テープの芯材として従来公知の物が使用される。
【0037】
上記粘着テープにおける粘着剤組成物の厚さは、0.05〜3mmであることが好ましい。厚さが0.05mm未満であると、粘着剤層が薄いために、粗面への追従性が悪くなり、厚さが3mmを越えると、剪断力に対するずれが発現し易くなり好ましくない。
【0038】
本発明の粘着テープの製造方法としては、例えば、以下の製法が挙げられる。先ず、上記アクリル系モノマー成分及び光重合開始剤からなる重合性組成物に必要に応じて、親水性シリカ等の添加剤を配合した後、高速攪拌機を用いて分散混合する。次に、この液状物の溶存酸素を除去するために、一般に窒素ガス等の不活性ガスを供給して酸素をパージする。
この液状物を剥離紙などの上に塗布するか、又は、プラスチックフィルム、金属箔、紙、布、不織布等の基材に塗布又は含浸させた後に、光を照射して重合せしめてアクリル系粘着剤組成物として粘着テープを得る。
上記液状物の塗布もしくは含浸から光を照射する工程までは、不活性ガス雰囲気下、又はフィルム等により酸素が遮断された状態で行われる。
【0039】
本発明に係る粘着剤材組成物は、そのまま粘着剤として用いられてよく、あるいは粘着テープの形態で用いられてもよい。粘着テープとする場合、基材を有しないいわゆるノンサポートタイプの両面テープの形態であってもよく、あるいは基材の一面もしくは両面に粘着層を形成してなる基材付き粘着テープとしてもよい。
【0040】
本発明における上記アクリル系粘着テープを用いた建築内装構造体としては、特に限定されず、一例としては、図1に例示したような、下地材に上記アクリル系粘着テープを用いて内装壁材を接合した建築内装構造体、金属部材等からなる躯体の柱や梁に、上記アクリル系粘着テープを用いて内装壁材を接合して得られる構造体等が挙げられる
【0041】
【実施例】
以下に本発明につき、実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明は実施例に何ら限定されるものではない。
なお、実施例、比較例における粘着テープの評価方法は以下の通りである。
【0042】
〔アクリル系感圧接着シートの作成〕
表1、2に記載の配合に従い、重合性組成物をディゾルバーにて均一に混合して作成した。この重合性組成物に窒素をパージして溶存酸素を除去した。ついで、離型処理した50μm厚のPETフィルム上に厚さ0.5mmのスペーサーを設置し上記重合性組成物を離型処理PET上に展開したのち、このPETフィルムを折り曲げて、離型処理面が重合性組成物に接するように被覆した。
この状態で被覆側のPETフィルムにおける紫外線照射強度が5mW/cm2となるようにケミカルランプのランプ強度を調整し、15分間紫外線を照射し、粘着剤層の厚さが0.5mmの粘着テープを得た。
【0043】
〔評価〕
上記で得られた粘着テープを用いて、下記の評価を行い結果を表1、2に示した。
(1)ゲル分率、膨潤比
先ず、ポリエチレンテレフタレート(PET)製離型フィルムを剥離した粘着テープの重量Aを測定した。この粘着テープを40℃の酢酸エチル溶液に48時間浸漬した後、200メッシュの金網で濾過し、酢酸エチルで膨潤した不溶解分の重量Cを測定した。次に、不溶解分を室温で2日間風乾し、不溶解分の乾燥重量Bを測定し、下記の式よりゲル分率及び膨潤比を算出した。
ゲル分率(%)=B/A×100 (1)
膨潤比)=C/B (2)
A:アクリル系粘着テープの重量。
B:40℃酢酸エチルに48時間浸漬後のアクリル系粘着テープの不溶解分の乾燥重量。
C:40℃酢酸エチルに48時間浸漬後の酢酸エチルで膨潤したアクリル系粘着テープの不溶解分の重量。
【0044】
(2)90度剥離力
23℃65%RH雰囲気下において、ポリエチレンテレフタレート(PET)製離型フィルムで挟持された粘着面を幅25mm、長さ100mmに裁断した。次いで、一方のPETフィルムを剥離して、粘着面を露出させ、幅50mm、長さ150mmのステンレス板(日本テストパネル社製、SUS304)、石膏ボード(粗面に対する接着性の評価)、ポリプロピレン板(日本テストパネル社製)に、接着長さ100mmとなるように粘着面を露出された粘着テープ面側から貼り付けた。
次に上記粘着テープの他方のPETフィルムを剥離し、露出された粘着テープに厚さ25μmのポリエステルフィルムをバッキング材として貼り付け、該バッキング材の背面側から重さ2kgのローラーで1往復させて圧着した後、23℃、65%RHで24時間放置した後、23℃の雰囲気下で引っ張り試験機を用いて、300mm/分の引っ張り速度で90度剥離力を測定した。
【0045】
(3)剪断接着力
粘着テープを幅25mm、長さ25mmに裁断し、23℃、65%RHの雰囲気下で幅50mm、長さ100mmの2枚のステンレス板(日本テストパネル社製)の中央部同士を両面のPETフィルムを剥離した粘着テープで貼り合わせ、5kgの荷重で15分間圧着した後、24時間後に50mm/分の引っ張り速度で剪断方向に引っ張り、剪断接着力を測定した。
【0046】
(4)対ステンレス板保持力試験
23℃、65%RHの雰囲気下において、離型フィルムで挟持された粘着テープを幅25mm、長さ25mmに裁断し、一方のPETフィルムを剥離し、粘着面を露出させ、幅50mm、長さ50mmのステンレス板(日本テストパネル社製)に粘着面を露出された粘着テープ面側から貼り付けた。
次に前記粘着テープの他方の離型紙を剥離し、露出された粘着テープ面に厚さ1.3mmのステンレス板を貼り付けた。このステンレス板の上から重さ2kgのローラーで2往復させて圧着した後、23℃、65%RHの雰囲気内に24時間放置した後、80℃ギアオーブンに1時間放置した。その後、80℃ギアオーブン内で、ステンレス板に1kgの重りを付け、落下するまでの時間を測定した。
【0047】
(5)化粧珪酸カルシウム板固定試験
軽量不燃石膏ボード(1000×2000×12mm厚さ)に幅20mmの感圧接着シートを外周部及び中央部に一本貼付し、化粧珪酸カルシウム板(910×1820×6mm厚さ)をその上から、押さえるように貼り合わせた。その後、40℃と0℃の1週間間隔のサイクル試験を4回行い、化粧珪酸カルシウム板の浮き、剥がれの状態を目視で評価した。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】
本発明のアクリル系粘着剤組成物は、アルキルの炭素数が2〜14のアルキル(メタ)アクリレートと極性基含有ビニルモノマーとからなる、アクリル系モノマーを主成分とするアクリル系モノマー成分、及び光重合開始剤を含有してなる重合性組成物を光重合して得られるアクリル系共重合体からなるアクリル粘着剤組成物であって、下記式(1)で示されるゲル分率が50〜80%であり、かつ、下記式(2)で示される膨潤比が20〜50であるので、粗面に対して接着力が良好なアクリル系粘着剤組成物である。
(ゲル分率%)=B/A×100 (1)
(膨潤比)=C/B (2)
A:アクリル系粘着剤組成物の重量。
B:40℃酢酸エチルに48時間浸漬後のアクリル系粘着剤組成物の不溶解分の乾燥重量。
C:40℃酢酸エチルに48時間浸漬後の酢酸エチルで膨潤したアクリル系粘着剤組成物の重量。
【0051】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感圧接着シートを用いた、建築内装構造体の一例
Claims (6)
- アルキルの炭素数が2〜14のアルキル(メタ)アクリレートと極性基含有ビニルモノマーとからなる、アクリル系モノマーを主成分とするアクリル系モノマー成分、及び光重合開始剤を含有してなる重合性組成物を光重合して得られるアクリル系共重合体からなるアクリル系粘着剤組成物であって、下記式(1)で示されるゲル分率が50〜80%でありかつ、下記式(2)で示される膨潤比が20〜50であることを特徴とするアクリル系粘着剤組成物。
ゲル分率(%)=B/A×100 (1)
膨潤比=C/B (2)
A:アクリル系粘着剤組成物の重量
B:40℃酢酸エチルに48時間浸漬後のアクリル系粘着剤組成物の不溶解分の乾燥重量
C:40℃酢酸エチルに48時間浸漬後の酢酸エチルで膨潤したアクリル系粘着剤組成物の重量。 - 前記重合性組成物が、更に、末端に重合性不飽和二重結合を有するオレフィン系重合体を含有してなるのもであることを特徴とする請求項1に記載のアクリル系粘着剤組成物。
- 前記アクリル系粘着剤組成物が、平均粒径5〜150μmの微粒子を容積比率で0.5%以上、15%未満含有してなることを特徴とする請求項1または2に記載のアクリル系粘着剤組成物。
- 前記アクリル系粘着剤組成物が、軟化点120℃以上の水添石油樹脂を含有してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアクリル系粘着剤組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のアクリル系粘着剤組成物からなることを特徴とするアクリル系粘着テープ。
- 請求項5項記載のアクリル系粘着テープを用いることを特徴とする建築内装構造体。
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2005080522A1 (ja) * | 2004-02-25 | 2005-09-01 | Sekisui Chemical Co. Ltd. | アクリル系粘着剤組成物及びアクリル系粘着テープ |
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- 2002-10-25 JP JP2002311513A patent/JP2004059893A/ja active Pending
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