【0001】
【発明の属する技術分野】
いわゆるインクジェット記録装置と、それによって得られる印字物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液体インクをヘッドノズルから噴射することにより印字するインクジェット記録装置のインクとしては、水系溶媒に色材として染料を溶解した水系インクと、常温で固化するワックス系溶剤に染料を溶解し、加熱溶融した状態でヘッドより噴射し印字するソリッドインクとがある。
【0003】
また、紫外線硬化型のインクジェットプリント用インクに関しては、特開平5−186725号公報に記載されている様に水溶性染料を使用したものがあり、普通紙・再生紙への印字を容易にしたものである。
【0004】
さらに、特開平07−224241号公報では、水性液溶媒中に、少なくとも顔料、水溶性樹脂、エネルギーの付与により固体化する水溶性モノマー、及び光重合開始剤を含むことを特徴とするインクと、このインクを適用することを特徴とするインクジェット記録方法が提案され、被記録材を選ばず、耐候性のある印字品位の良好な記録を可能とするインクと、これを用いたインクジェット記録方法及び記録装置が提案されている。
【0005】
インクジェット記録装置による記録方法は近年高精度・高精彩化が進みいわゆる写真画質と呼ばれる高画質な記録可能となってきた。これらの理由の一つにはもちろん被記録媒体の品質・質感・インク受容量の向上等が挙げられるが、記録装置・インク・ヘッド等の改良による効果も大きく関与している。いわゆる紙送りやキャリッジ精度の向上によるスジムラ等の低減による画質の向上。インク吐出量の減少による印字ドットの微小化やインク濃度の低減によってによる粒状感の低減による。また画像処理技術の向上によって従来画質低下の原因となっていた擬似輪郭や暗部のつぶれ等も改善がなされている。
【0006】
一方でこれらの技術的な向上による品位の向上によって、これまで一部印刷でのみ可能であった高画質の記録が、安価な記録装置で可能となり、従来は高価な印刷機器を用いて相当の工数をかけて作成されていた印字物とほとんど見分けのつかない高品質な画像が、最近の低価格な記録装置で可能になって来ている。たとえば、以前では特殊な技術や装置が必要とされていた、スキャナーなどの入力デバイスを使用し記録されている情報を読み取り、ホスト上でアプリケーションソフトによって処理して、記録装置によって出力するという一連の作業が、作業が個人の家庭で、さほど熟練を要さず可能になった。一方でこれらの高画質な記録技術の一般化は著作権の侵害や商品券等の偽造等の問題を引き起こす可能性を含んでいる。
【0007】
そのため記録装置の側で様々な偽造防止の為の手法が提案されている。インクジェット用インクとしての工夫では、特開2001−072901号公報にあるような呈色化合物・顕色化合物の組み合わせを利用したもの、特開2001−049157号公報に提案されているような消色インクを使用したもの、特開2001−064550号公報のように光消色インクを使用したものがある。また汎用の記録装置を用いて制御によって偽造等を防止する手段としては特開平11−042770号公報・特開平09−174823号公報のように処理液を印字領域外や空白部分に吐出するよう構成したもの。等が提案されている。また、電子写真の分野では特開平11−075051号公報のように、記録に用いられる色材うち単独で用いた場合、画像に影響の少ない特定の色で特定パターンを付加することで偽造が行われた出力装置を明確にする手法が提案されている。
【0008】
その他にも特開平7−52524号公報などに示されたように特殊なパターンを用いた例や、特開平10−886号公報には地紋を用いた感熱性の複写防止用紙が提案されている。特開平7−309062号公報で提案されているように印刷されたパターンで複写を不可能とするようなものも提案されている。
【0009】
このように不正防止手段として、
1)偽造防止の為の手法
2)偽造がなされた場合に本体の固体判別
の2つの手法が用いられている。
【0010】
【発明が解決しようとしている課題】
紙、プラスチックシート等の印刷物に対して事前に地紋と呼ばれる下地印刷処理を行う。印刷方法としては通常オフセット印刷が使用され印刷後に裁断・切り取り部分に処理を行い、その後の印刷に用いられる。これらの地紋処理は工程、製作日数などの面から手軽に使用できるものでなく、また複数の種類の地紋をもった記録紙を作成し、使用すると、おのずから在庫の増加を招くものであった。また上記のような1)偽造防止の為の手法と2)偽造がなされた場合に本体の固体判別を同時に出来る手段は無かった。
【0011】
【課題を解決するための手段】
UV硬化樹脂の1つ以上のヘッドに特色を用い、地紋を記録することによって真偽の判別を行う。特色(淡色、混合色、個別ユーザー向けインク)を使用したメディアへの下地処理によって記録物の正当性を保障するシステム。具体的には、印字の事前または直前に通常記録に用いられない濃度・色彩のインクを用いて記録・硬化を行い、処理した用紙にさらに実際の情報を記録する。
【0012】
またユーザー特有の特色記録機構を出荷時の本体に組み込むことによって本体/記録物の対応が1:1になる為、インク種別により真偽の認証が可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
本発明においてエネルギーの付与により固体化するモノマーとしては紫外線重合モノマーが挙げられ、ラジカル重合性のアクリルモノマー類、カチオン重合システムに適合するエポキシモノマー類が好適に使用できる。
【0014】
ラジカル重合性のアクリルモノマー類としては、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、CH2=C(CH3)−COO−CH2CH2N(CH3)2:N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、CH2=CH−COO−CH2CH2N(CH3)2:N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、CH2=C(CH3)−COO−CH2CH2CH2N(CH3)2:N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、CH2=CH−COO−CH2CH2CH2N(CH3)2:N,N−ジメチルアミノアクリルアミド、CH2=CH−CON(CH3)2:N,N−ジメチルアミノメタアクリルアミド、CH2=C(CH3)−CON(CH3)2:N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド、CH2=CH−CONHC2H4N(CH3)2:N,N−ジメチルアミノエチルメタアクリルアミド、CH2=C(CH3)−CONHC2H4N(CH3)2:N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、CH2=CH−CONH−C3H6N(CH3)2:N,N−ジメチルアミノプロピルメタアクリルアミド、CH2=C(CH3)−CONH−C3H6N(CH3)2:及び、これらの4級化された物質、などが色材染着性に優れており特に好ましい。また多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、多価アルコールのグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸エステル、ポリエチレングリコールの(メタ)アクリル酸エステル、多価アルコールのエチレンオキシド付加化合物の(メタ)アクリル酸エステル、多塩基酸無水物と水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとの反応物など、それ自体公知の紫外線硬化型モノマー、オリゴマーが用いられる。これらの物質の中でインクとの相溶性、親水性の高い物質が選択され、用いられる。
【0015】
カチオン重合システムに適合するエポキシモノマー類としては、多価アルコールのグリシジルエーテル、グリシジルエステル、脂肪族環状のエポキシド、などが用いられる。
【0016】
UV重合のモノマーの重合システムとして、ビニルエーテル類とアクリロイル類とを併用しているハイブリット重合システムのモノマーが望ましく、ついで、カチオン重合システム、フリーラジカル重合システムの順に選定していく。多官能基を有するモノマーを使用する場合は、その使用量はインク全重量に対して1〜10%の範囲が好ましい。
【0017】
光重合開始剤の使用法としては、光開始剤を一種類使用、二種類以上使用、光開始剤と増感剤とを使用しても構わない。主な光開始剤と増感剤の選定、組合わせ及び配合比に関しては、使用する紫外線硬化モノマー、使用装置によって適宜選定して行けば良い。
【0018】
光開始剤と増感剤の主なものとして、例えば、光開始剤に関しては、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、pp′−ジクロロベンゾフェン、pp′−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾインパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルフォーメート、が挙げられる。その使用量は、通常紫外線硬化性樹脂の総量に対して0.1〜10重量%である。またカチオン重合型では、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタロセン化合物等の光開始剤が用いられる。その具体例としてトリフェニルスルフォニュウムヘキサフルオロフォスフェート、ジフェニルヨードニュウムヘキサフルオロアンチモネート等が挙げられる。また、カチオン重合型の場合、硬化を更に完全にするために80〜170℃の範囲で、特に望ましくは100〜150℃の範囲で加熱することが望ましい。加熱時間は、条件により異なるが、通常5〜30分の間である。
【0019】
増感剤としては、
1アミン系:脂肪族アミン、芳香族基を含むアミン、ピペリジン
2尿素:アリル系、o−トリルチオ尿素
3イオウ化合物:ナトリウムジエチルジチオホスフェート、芳香族スルフィン酸の可溶性塩
4ニトリル系化合物:N、N、ジ置換pアミノベンゾニトリル、R1R1はメチル基、エチル基、Bシアノエチル基またはBクロロエチル基
5リン化合物:トリnブチルホスフィン、ネトリウムジエチルジチオホスフィード
6窒素化合物:ミヒラーケトン、Nニトリソヒドロキシルアミン誘導体、オキサゾリジン化合物、テトラヒドロ1、3オキサジン化合物、ホルムアルデヒドまたはアセトアルデヒドとジアミンの縮合物
7塩素化合物:四塩化炭素、ヘキサクロロエタン
8エポキシ樹脂とアミンの反応生成物の高分子化アミン、トリエタノールアミントリアクリレート
が挙げられる。
【0020】
本発明において、使用する染料としては、従来から当該技術分野において周知の各種染料を用いることができる。例えば、直接染料としてのアゾ染料、フタロシアニン染料、酸性染料としてのアゾ染料、アントラキノン系染料、等が挙げられる。
【0021】
また、本発明で顔料を使用する場合は、従来公知の有機及び無機顔料をすべて使用することができる。例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料及びキレートアゾ顔料等のアゾ顔料やフタロシアニン顔料、ペリレン及びペリレン顔料、アントセキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオイシジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料等の多環式顔料や、塩基性染料型レーキ及び酸性染料型レーキ等の染料レーキや、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料などの有機顔料、酸化チタン、酸化鉄系及びカーボンブラック系等の無機顔料が挙げられる。また、カラーインデックスに記載されていない顔料であっても水性に分散可能なら、いずれのものも使用できる。
【0022】
インク顔料を分散させるために含有される水溶性樹脂(分散樹脂)は、アミン或は塩基を溶解させた水溶液に可溶で、且つ重量平均分子量が3000から30000の範囲が好ましい。更に、好ましくは5000から15000の範囲であるものがよく、例えば、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸−マレイン酸ハーフエステル共重合体あるいは、これらの塩等を使用することができる。
【0023】
本発明において、顔料と染料とを併用するときには、一般に、顔料:染料(重量比)が8:2〜2:8の範囲であるのが望ましい。より好ましくは、7:3〜3:7(顔料:染料)の範囲とする。
【0024】
更に、本発明のインクは、好ましくは、インク全体が中性またはアルカリ性に調整されていることが、前記した水溶性樹脂の溶解性を向上させ、一層の長期保存安定性に優れたインクとすることができるので望ましい。インクのpHは、インクジェット記録装置に使われている種々の部材の腐食原因となる場合があるので、好ましくは7〜10のpHの範囲とされるのが望ましい。
pH調整剤としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種有機アミンや、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸物等の無機アルカリ剤、有機酸や、鉱酸が挙げられる。
【0025】
本発明のインクにおいて好適な水性媒体は、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒であり、水は種々のイオンを含有する一般の水ではなく、イオン交換水(脱イオン水)を使用するのが好ましい。本発明のインクは水系インクであり、水の含有量としてはインク全重量の50%以上であることが好ましい。
【0026】
水と混合して使用される水溶性有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソ−ブチルアルコール等の炭化数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール類のケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルコレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン:エチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(またはエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。
【0027】
これら多くの水溶性有機溶剤の中で有機アミンは、分散剤を中和し、インクのpHを中性〜塩基性の領域に調節するために本発明のインク中に、好ましくはインク全体の0.001〜10重量%含有させる。
【0028】
また、有機アミン以外の上記水溶性有機溶剤については、水溶性有機溶剤としては、従来公知のインクに使用されているものであれば、概ね使用することが出来る。具体的には、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ペンタノール等の炭素数1〜5のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のオキシエチレン又はオキシプロピレン付加重合体;エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、ヘキシレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;チオジグリコール;グリセリン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;トリエチレングリコールジメチル(又はエチル)エーテル、テトラエチレングリコールジメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級ジアルキルエーテル類;スルホラン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。上記の様な水溶性有機溶剤の含有量は、一般にはインクの全重量に対して重量%で1〜49%、好ましくは2〜30%の範囲である。又、上記の如き水溶性有機溶剤は、単独でも混合物としても使用出来るが、媒体を併有する場合の最も好ましい液媒体組成は、少なくとも1種の水溶性高沸点有機溶剤、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコールを含有するものである。
【0029】
更に、吐出の安定性を得るためには、脂肪族一価アルコール、例えば、エタノール或はイソプロピルアルコールを3%以上添加することが効果的であることを見い出した。即ち、これら溶剤を添加することによって、インクの薄膜の発熱抵抗体上での発泡をより安定に行うことができるからと考えられる。
【0030】
また、本発明のインクは、上記の成分のほか、必要に応じて所望の物性値を有するインクとするために、界面活性剤、消泡剤、防腐剤等を更に添加することができる。更に、市販の水溶性染料等も添加することができる。
【0031】
本発明のインクを利用したインクジェット記録方法は、被記録材に対して、インク吐出口を複数備えた記録ヘッドから少なくとも一色以上のインクを付与して記録画像を形成するインクジェット記録方法であり、前記記録ヘッドの吐出口より画像記録信号に応じてインク滴を飛翔させ前記被記録材の所定位置にインク滴を付与して記録画像を形成する工程と、前記被記録材上に付与されたインクを硬化させる工程とを含む。
【0032】
インクを硬化させる工程における手段としては、紫外線(UV)照射ランプが挙げられる。UV照射ランプにおいては、熱が発生し被記録材が変形してしまう可能性があるため、冷却機構、例えばコールドミラー、コールドフィルター、ワーク冷却などが具備されていると好ましい。
【0033】
本発明に使用したプリンターの外観を図10に示す。ここで用いた記録装置はいわゆるシリアルスキャン型の記録装置であり、記録媒体の送り方向に対して直行する方向(主操作方向)に記録ヘッドスキャンして操作画像を形成する。まず印字時の動作の概略を説明する。まず給紙モーター5によりギヤを介して駆動される給紙ローラー6によって記録媒体が搬送される。キャリッジモーター3によりキャリッジユニット2を紙送りと直行方向にスキャンさせ一定のバンド幅を印字し、紙送りを行い、さらに次のバンド幅に付いて印字を行う構成となっている。ただしこのようなシリアルスキャン印字の場合には必要に応じて1スキャンでの紙送りを行わず、複数スキャン印字を行ってから紙送りを行う場合もあるし、1スキャンごとに所定のマスクによって間引かれたデーターを印字し1/nバンド前後の紙送りを行い、再度印字を行うことによって複数回の印字スキャンと紙送りによって画像を完成させる方法も実現されている。また本実施形態ではキャリッジモーター3からキャリッジユニット2への駆動力の伝達にキャリッジベルト4を用いているがキャリッジベルトの代わりにリードスクリュー等他の駆動方法を用いてもかまわない。給紙された記録媒体は給紙ローラー6と圧力ローラーの間を通って印字部分に導かれる。印字に際しては、通常休止状態では記録ヘッドにはキャップが行われているため最初にキャップを開放しキャリッジをスキャン可動状態にしシリアルプリンターの場合、主操作方向へのスキャンができるようにする。その後1スキャン分のデーターがバッファーに蓄積されたらキャッリッジモーター3によりキャリッジユニット2をスキャンさせ印字を行う。
【0034】
本実施形態に用いられた記録装置のインク供給部分を図7に示した。インクはメインタンク201からチューブ207・ジョイント208を経由して記録ヘッド9に送られる。タンクの後方(チューブおよびヘッドが装着される側の逆)にはバッファー室が設けられており、温度変化によるタンク及び流路内の空気の膨張収縮や気圧変動時にインクを一時的に溜める役割を担い、インク漏れに対応可能なよう構成されている。チューブに用いられる材質ははPTFE、PVDFなど気体透過性の低いものが望ましい。またキャリッジ・モーター等にかかる負担を低減する為には柔軟な素材が良い。一方で動作中にチューブが垂れ下がらないよう適度な剛性を持つか、剛性が無い場合においてはスリーブをつける必要がある。また長時間の使用でインクに侵食されることが無い様に耐溶剤性の良い材質が望ましい。ここでは物性のバランスが比較的良い、エチレン−酢酸ビニル共重合体を押し出し成型した5連のチューブを用いた。
【0035】
本実施形態で用いたプリンターのデーターの流れを図11に、システムの概略図を図12に示す。図11において、101はプログラマブル・ベリフェラルインターフェイス(以下PPIとする)であり、図示しないホストコンピュータから送られてくる指令信号(コマンド)や記録情報信号を受信してMPU102に転送するとともに、コンソール106の制御、及びキャリッジがホーム位置にあることを検出するホーム位置センサー107よりの信号を入力している。MPU(マイクロプロセッシングユニット)102は、制御用ROM105に記憶された制御プログラムに従って、このインクジェットプリンター装置内の各部を制御する。103は受信した信号を貯え、或いはMPU102のワークエリアとして使用され、各種データーを一時的に記憶するためのRAMである。104はフォント発生用ROMで、コード情報に対応して文字や記録等のパターン情報を記憶しており、入力したコード情報に対応して各種パターン情報を出力する。又、130または121はROM104等により展開されたデーターを記憶するためのプリントバッファーであって、m行分の容量を持つ。105はMPU2が実行する処理手順が格納されている制御用ROMである。これらの各部は、アドレスバス117およびデーターバス118を介して、MPU102によりそれぞれ制御される。
【0036】
108はキャリッジモーターで、記録ヘッド112を搭載したキャリッジを移動させて往復走査している。110は、紙等の被記録材をキャリッジの移動方向に対して垂直方向に搬送するための紙送りモーター、113はキャップ部材を駆動して、後述の記録ヘッド112のインク吐出口(図示せず)に当接し、インク吐出口を外気より遮断して、ノズルの乾燥を防止するため、またワイパーを動作させヘッドフェイス面のインクをふき取る党の動作を行うパージモーターをそれぞれ示す。115はキャリッジモーター108を駆動するためのモータードライバー、116は紙送りモーター110を駆動するためのモータードライバー、114はキャッピングモーター113を駆動するためのモータードライバーである。尚、コンソール116には、キーボードスイッチ及び表示ランプなどが設けられている。また、ホーム位置センサー107は、キャリッジのホーム位置近傍に設けられ、記録ヘッド112を搭載したキャリッジがホーム位置に到達したことを検知するものである。
【0037】
109はシートセンサーで、記録用紙等の被記録材の有無、即ち、記録部に供給されたか否かを検知している。112は熱エネルギーを用いてインクに膜沸騰による状態変化を生起させてインク滴を吐出する方式のインクジェット記録ヘッドであり、この記録ヘッド112にはm個(例えば64)の吐出口(図示せず)、各吐出口に対応したm個の吐出用ヒーター(図示せず)などが設けられている。111は記録情報信号に応じて記録ヘッド112の吐出用ヒーターを駆動するためのドライバーを示している。124は上記各部へ電源を供給する電源部であり、駆動電源装置としてACアダプタと電池を有している。
【0038】
以上の構成において、MPU2は上記PPI101を介してコンピュータなどのホスト装置に接続されており、このホスト装置から送られてくるコマンドおよび記録情報信号と、制御用ROM106に格納されているプログラムの処理手順およびRAM106内に蓄えた記録情報とに基づいて、記録動作を制御する。
【0039】
本発明が使用される分野で従来用いられている通常の記録装置においては、記録データーを送信するホスト100よりパラレルポート・赤外ポートやネットワーク等を介して印字データー送信する際、通常データー中の先頭部分に記録の行われるメディアの種類(普通紙・OHP・光沢紙等のメディア、および転写フィルム・厚紙・バナー紙等の特殊なメディアの種別)、メディアサイズ(A4・A4レター・A3・B4・B5・または封筒・はがき)、印字品位(ドラフト・高品位・中品位・特定色の強調・モノクロ/カラーの種別等)、給紙カセット(ASF・手差し・ビン1・ビン2等)、オブジェクトの自動判別の有り無しを記載したコマンドを送信し、本体ではそのコマンドを受け付けることによって通常ROMと呼ばれるメモリー領域(メモリー1 122)に収納された各種のデーターに基づいてマルチパス記録の際の印字パス数・単位面積あたりのインクの打ち込み量・印字方向等を決定し記録を行う。また場合によっては処理液を塗布する・しない、等の情報をコマンドとして送信することもある。これらの情報にしたがって、記録装置側では前述したROMから記録に必要なデーターを読み込みそれらのデーターにしたがって記録を行うが、これらのROMから読み出すデーターには上記以外に、各パスを記録する際の記録に使用するマスク種類、記録ヘッドの駆動条件(たとえば印可するパルス形状・印可時間)やドロップレットのサイズ、紙送りの条件、キャリッジ速度等がある。
【0040】
インクタンクはPP、PE等の樹脂によりインジェクション・ブロー等により成型され、超音波溶着・熱溶着・接着・勘合などの技術を用いて組み立てが行われる。タンク内部は外装がそのままインクチャンバーといて機能する形式のものや内部にインクを充填した袋を持つもの、また内部に多孔質体挿入してインク保持をさせ同時に負圧を発生させるもの等がある。また負圧機構をタンクに持たせる場合は、タンク内部の袋部分を袋内部または外部に設けられたばね機構等によって拡大方向に支持することによって負圧を発生させる場合もある。
【0041】
図3に本実施形態で使用したワイパーの外観図を、図4には本実施形態で使用したヘッドの外観図を、図5に本実施形態で使用したヘッドの断面図を示した。図5の断面図は図4に示したヘッドのA−A’、B−B’面での断面図である。図3に示したBk.のノズルワイパー20の幅は図4のチップの幅Fよりも狭く作成されている。これは印字メディアとの接触を回避するために、各色のチップが図5に見られるようにTAB面よりも若干凹んでおり、この凹んだ面にワイパーが入り込み払拭するためである。同様の理由からcolor用のノズルワイパーはカラー3チップ分の幅以下とした。図3のワイパーは、図示しないワイパーホルダー27に、同じく図示しないワイパー固定金具を用いて取り付けられており、ワイパーの位置あわせはワイパー20,21,22に開けられた孔、およびワイパーホルダーに設けられたピンとの勘合によって行われる。ワイパー20,21,22は、図3および図4中に示したC方向に向け、パージモーター113によって駆動され、オリフィスおよびTAB面を払拭する。ワイピング動作が終了するとキャリッジをワイピング領域の外に退避し、ワイパーを逆方向に駆動しワイピングを開始するポジションに戻す。
【0042】
図4に見られるようにBk.では1cmあたり約245nozzleの密度で640ノズルが配列されており、colorヘッドでは各色とも1cmあたり約490nozzleの密度で1280ノズルが配列されている。図5においてインクは供給口23からDの方向に進行・供給され、ヘッド内のフィルター上のインク液室24に導かれる。その後図中の矢印Eの方向に進み、フィルター25によって混入したゴミ等をろ過したうえで、フィルター下のインク液室26に導かれ、オリフィスプレート下面に形成されたインクを吐出するノズルへと導かれる。図6および図7には本発明に用いられた図4に示したヘッドのノズル部分の拡大図を示した。インク液室はオリフィスプレート31と液室形成部材34とヒーターを搭載したヒーターボードにより形成されている。この部分に貯留されたインクはヒーター33の加熱により気泡を生成し気泡の膨張に伴ってオリフィスプレートから押し出され、空気との界面張力によって球状の液滴となり被記録部材に向かって飛翔する。
【0043】
本実施形態1で使用するインクは、下記に示すような組成(重量比)の溶剤Aと溶剤Bから作成されている。
【0044】
(溶剤A)
紫外線重合モノマー ※1 55.6%
光重合開始剤 ※2 2.8%
水溶性溶剤 ※3 41.6%
※1NKエステルA−400(新中村科学)
※2イルガキュア651(チバガイギー)
※3インプロピルアルコール(IPA)/ジオチレングリコール(DEG)
(溶剤B)
染料インク溶液(染料/水溶性樹脂/水) ※4 93.0%
界面活性剤 ※5 7.0%
※4ブラック:フードブラック(染料固形分10%)
シアン:プロジェットシアン(染料固形分10%)
マゼンタ:アシッドレッド(染料固形分10%)
イエロー:ダイレクトイエロー(染料固形分10%)
特色1:プロジェットシアン(染料固形分0.5%)
※5ノイゲンET150、10%aq(第一工業製薬(株)製)
溶剤Aと溶剤Bは別々に約10分間攪拌されており、それぞれ粘度を5cpに調整されている。最終的に溶剤Aと溶剤Bを混合してインクを作成するが、溶剤Aと溶剤Bの混合比率はブラックインクでは1:10、カラーインクでは、1:12とした。また地紋印刷のため。
【0045】
次に、上記の本発明のインクジェット記録方法に用い得る記録装置の一つの例について説明する。ここで使用された特色インクはたとえば市販品としても良いし、より厳密な真偽判定が必要な場合はユーザーの求めに応じて、各ユーザー固有の色を調合し限定し出荷しても良い。
【0046】
以上のようなインクを用いて、記録を行った例について図9を用いて説明する。図9中のランプ35aおよびbは紫外線照射ランプで、ヘッドキャリッジ2の両端に配置されている。記録に際しては、図9に示したようなシーケンスに従い被記録媒体が停止している状態で、ヘッドキャリッジ2が一定スピードで移動しながら、記録ヘッドの特色吐出口36から特色インクを吐出する。同時にヘッドキャリッジ2の両端に配置されている紫外線照射ランプ35a,bの内、主走査後方に配置された紫外線照射ランプ35aが照射され、記録媒体上に塗布された特色インクを硬化させる。さらに復路では記録ヘッド9のyellowヘッド40からイエローインクを吐出し、Magentaヘッド39よりマゼンタインクを、Cyanヘッド38よりシアンインクを、Black吐出口37よりブラックインクを、それぞれ吐出させ、重ね打ちをすることによってカラーインクの記録媒体上への塗布をおこなう。主走査前方に配置された紫外線照射ランプ35bが照射され、記録媒体上に塗布された特色インクを硬化させる。
【0047】
このように1ラインの記録が終了すると、記録紙が一定量ステップ送りされ、次ラインが印字される。こうした工程を複数回繰り返すことによって、被記録媒体上にカラー記録をおこなうことができる。以上のような記録動作によって地紋を用いた、真偽の識別が可能な記録物が作成可能となる。
【0048】
(実施形態2)
同じ記録装置を用いてまた地紋のみを記録する場合は図9−2の工程に替わって復路(B方向への印字)で図9−3のように再び地紋のみの記録を行いプレプリントを作成する。この場合小ロットのプレプリント作成が可能であり。また通常のインクジェット記録装置を用いて作成した場合と異なりプレプリント自身は十分な耐水性を持っており。屋外での使用や保存中にインクのブリード、にじみによって審議の判別が困難になることが無い。このプレプリントは再度記録のための用紙として用いられ、地紋の上にさらに必要な情報の記録が行われる。この実施形態のような記録装置のメリットは先に述べたように小ロットの生産が可能である点にあり。店舗等で販売する場合に余分な在庫を抱えておく必要が無い点にある。またこのようなプレプリントは通常の印刷工程(オフセット、凸版、凹版等)を用いて作成すると1ロットで多量のプレプリントが作成できるが、これらは使用されるまで在庫としてストックしておかなければならない。一方本実施形態のように、小ロットでの作成が可能であれば、目的によって異なるプレプリント、地紋が必要な場合にもこれらを在庫しておく必要が無く。多品目の記録に対応できる。
【0049】
(実施形態3)
また特に地紋だけを作成する装置の場合には各ヘッドに以下のような特色のみを使用した。
【0050】
(溶剤A)
紫外線重合モノマー ※1 55.6%
光重合開始剤 ※2 2.8%
水溶性溶剤 ※3 41.6%
※1NKエステルA−400(新中村科学)
※2イルガキュア651(チバガイギー)
※3インプロピルアルコール(IPA)/ジオチレングリコール(DEG)
(溶剤B)
染料インク溶液(染料/水溶性樹脂/水) ※4 93.0%
界面活性剤 ※5 7.0%
※4特色1:プロジェットシアン(染料固形分0.5%)
特色2:フードブラック(染料固形分0.2%)
特色3:プロジェットシアン(染料固形分0.3%)+アシッドレッド(染料固形分0.4%)
特色4:アシッドレッド(染料固形分 0.7%)
特色5:ダイレクトイエロー(染料固形分0.8%)
※5ノイゲンET150、10%aq(第一工業製薬(株)製)
複数の特色によってより複雑な地紋を作成することが可能である。
【0051】
このような専用機のメリットは小ロットでも複雑で色彩の鮮やかな地紋を持ったプレプリントを作成できる点にある。通常の印刷においては色数が増加するごとに工程が増加し、印刷物の価格は高価になるが、本実施形態の記録装置の場合は単色であっても複数色であっても原料費は異なるが、工程は増えないため、コストの上昇は最小限ですむ。またユーザーの希望に応じて特殊な配合のインクの組み合わせを用いることができるため、真偽判別のためにいっそう有利である。本実施形態で作成されたプレプリントも実施形態1で用いた記録装置のように情報記録を行う。
【0052】
【発明の効果】
被記録媒体に地紋処理等を行ってプレプリントを作成する場合において、UV硬化樹脂を用いた本発明の記録装置では、プレプリント処理により最終的に発行される証明書の正当性を、情報を記録する本体で保障することができ、簡単な構成で偽造防止が可能となる。また実施形態に開示された方法によれば、プレプリントを作成するメーカー側にとっては通常このような地紋処理に使用される印刷方法を使用せず、記録本体または同等の前処理装置で処理を行う為、処理模様の変更などが迅速に対応可能であり、小ロットのプレプリント作成に効果を発揮する、また安価で確実なプレプリントが可能となる。また処理を短いスパンで変更することによって、いっそう偽造が行いにくくなるというメリットもある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1で用いた記録装置の印字フロー。
【図2】実施形態2で用いた記録装置の印字フロー。
【図3】実施形態で用いたワイパーの構成例。
【図4】実施形態で用いたヘッドの外観図。
【図5】実施形態で用いたヘッドの断面図。
【図6】ノズル部拡大図。
【図7】オリフィス部拡大図。
【図8】供給系外観図。
【図9】1,2,3、実施形態1,2を用いて記録を行った場合の印字動作図。
【図10】実施形態1で用いた記録装置の外観図。
【図11】実施形態1で用いた記録装置のデーターフロー図。
【図12】実施形態1で用いた記録装置の構成図。
【符号の説明】
1 パージユニット
2 キャリッジユニット
3 キャリッジモーター
4 キャリッジベルト
5 給紙モーター
6 給紙ローラー
7 圧力ローラー
8 イジェクトローラー
9 記録ヘッド
10 シャフト
11 Blackオリフィスプレート
12 Cyanオリフィスプレート
13 Magentaオリフィスプレート
14 Yellowオリフィスプレート
15 Black吐出口
16 Cyan吐出口
17 Magenta吐出口
18 Yellow吐出口
19 供給口
20 Bk用のノズルワイパー
21 Color用のノズルワイパー
22 全面ワイパー
23 インク供給口
24 フィルター上インク液室
25 フィルター
26 フィルター下インク液室
27 ワイパーホルダー
28 ワイパー固定金具
29 スペーサー
30 TAB面
31 オリフィスプレート
32 ノズル
33 ヒーター
34 液室形成材料
35a.b ランプ
36 特色用ヘッド
37 Bkヘッド
38 Cyanヘッド
39 Magentaヘッド
40 Yellowヘッド
100 ホスト
101 PPI
102 CPU
103 RAM
104 印字データー用ROM
106 コンソール
107 ホームポジションセンサー
108 キャリッジモーター
109 シートセンサー
110 搬送モーター
111 ヘッドドライバー
112 記録ヘッド
113 パージモーター
114−6 モータードライバー
117 アドレスバス
118 データーバス
120 電源部
121 プリントバッファー
122 メモリー1
123 メモリー2
124 ゲートアレイ
130 プリントバッファー
150 データー処理部分
201 メインタンク
202 サブタンク
203 バッファー室
204 大気側ピン
205 供給側ピン
206 タンクゴム
207 供給側チューブ
208 供給ジョイント
209 導電線
201 メモリー[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a so-called ink jet recording apparatus and a printed matter obtained by the apparatus.
[0002]
[Prior art]
The ink of the ink jet recording apparatus for printing by ejecting the liquid ink from the head nozzle is an aqueous ink in which a dye is dissolved as a coloring material in an aqueous solvent, and the dye is dissolved in a wax-based solvent which solidifies at room temperature, and heated and melted. There is solid ink that is ejected from the head in the state and printed.
[0003]
Further, as for the ultraviolet-curable ink for inkjet printing, there is a type using a water-soluble dye as described in JP-A-5-186725, which facilitates printing on plain paper and recycled paper. It is.
[0004]
Further, JP-A-07-224241 discloses an ink characterized in that an aqueous liquid solvent contains at least a pigment, a water-soluble resin, a water-soluble monomer that is solidified by application of energy, and a photopolymerization initiator. An ink-jet recording method characterized by applying this ink has been proposed, an ink capable of recording with good weather quality and good print quality regardless of a recording material, and an ink-jet recording method and recording using the same. A device has been proposed.
[0005]
In recent years, a recording method using an ink jet recording apparatus has been improved in precision and definition, and high-quality recording called so-called photographic quality has become possible. One of these reasons is, of course, improvement of the quality, texture, and ink receiving capacity of the recording medium, but the effects of improvements in the recording apparatus, ink, head, etc. are also significantly involved. Improvement of image quality by reduction of uneven streaks due to so-called paper feeding and carriage accuracy improvement. This is due to a reduction in the size of print dots due to a decrease in the ink ejection amount and a reduction in granularity due to a decrease in the ink density. Also, with the improvement of the image processing technology, the false contour and the crushing of the dark portion, which have conventionally caused the deterioration of the image quality, have been improved.
[0006]
On the other hand, due to the improvement in quality due to these technical improvements, high-quality recording, which was possible only in partial printing until now, is now possible with inexpensive recording devices. High-quality images, which are almost indistinguishable from printed materials that have been created with a lot of man-hours, have become possible with recent low-cost recording devices. For example, a series of reading information that was recorded using an input device such as a scanner, which was previously required for special technology and equipment, processed by application software on the host, and output by a recording device The work is now possible in a private home without much skill. On the other hand, the generalization of these high-quality recording techniques has the potential to cause problems such as copyright infringement and counterfeiting of gift certificates.
[0007]
Therefore, various methods for preventing forgery have been proposed on the recording device side. Ingenuity as an ink for ink-jet printing uses a combination of a coloring compound and a developing compound as described in JP-A-2001-072901, and a decoloring ink as proposed in JP-A-2001-49157. And those using a photo-decolorable ink as in JP-A-2001-064550. Means for preventing forgery or the like by control using a general-purpose recording apparatus include a method in which a processing liquid is discharged outside a print area or a blank portion as disclosed in JP-A-11-042770 and JP-A-09-174823. What you did. Etc. have been proposed. Further, in the field of electrophotography, as described in Japanese Patent Application Laid-Open No. H11-075551, when one of the coloring materials used for recording is used alone, forgery is performed by adding a specific pattern with a specific color having little effect on an image. A method has been proposed to clarify the output device.
[0008]
In addition, examples using a special pattern as shown in JP-A-7-52524 and the like, and JP-A-10-886 proposes a heat-sensitive copy prevention sheet using a ground tint. . As disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-309062, there has been proposed a printed pattern which makes copying impossible.
[0009]
Thus, as a means of preventing fraud,
1) Techniques for preventing forgery
2) If the counterfeit is forged, individual identification of the main body
Are used.
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
A base printing process called a copy-forgery-inhibited pattern is performed in advance on a printed material such as paper or a plastic sheet. Usually, offset printing is used as a printing method. After printing, the cut / cut portion is processed and used for subsequent printing. These copy-forgery-inhibited pattern processing cannot be easily used in view of the process, the number of days for production, and the like, and when a recording paper having a plurality of types of copy-forgery-inhibited patterns is created and used, the inventory naturally increases. Further, there is no means for simultaneously performing 1) a method for preventing forgery as described above and 2) discriminating the individual body of the main body when forgery is performed.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
The authenticity is determined by recording a copy-forgery-inhibited pattern using one or more heads of a UV-curable resin. A system that guarantees the legitimacy of recorded materials by undercoating media using special colors (light colors, mixed colors, and inks for individual users). Specifically, before or immediately before printing, recording and curing are performed using inks of density and color that are not used for normal recording, and actual information is further recorded on the processed paper.
[0012]
In addition, by incorporating a special color recording mechanism unique to the user into the main body at the time of shipment, the correspondence between the main body and the recorded matter becomes 1: 1. Therefore, authenticity authentication can be performed depending on the ink type.
[0013]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
(Embodiment 1)
In the present invention, examples of the monomer that is solidified by application of energy include an ultraviolet polymerization monomer, and a radically polymerizable acrylic monomer and an epoxy monomer suitable for a cationic polymerization system can be suitably used.
[0014]
Radical polymerizable acrylic monomers include N, N-dimethylaminoethyl methacrylate, CH2 = C (CH3) -COO-CH2CH2N (CH3) 2: N, N-dimethylaminoethyl acrylate, CH2 = CH-COO-CH2CH2N (CH3) 2: N, N-dimethylaminopropyl methacrylate, CH2 = C (CH3) -COO-CH2CH2CH2N (CH3) 2: N, N-dimethylaminopropyl acrylate, CH2 = CH-COO-CH2CH2CH2N (CH3) 2: N, N-dimethylaminoacrylamide, CH2 = CH-CON (CH3) 2: N, N-dimethylaminomethacrylamide, CH2 = C (CH3) -CON (CH3) 2: N, N-dimethylaminoethylacrylamide, CH2 = CH-CO HC2H4N (CH3) 2: N, N-dimethylaminoethyl methacrylamide, CH2 = C (CH3) -CONHC2H4N (CH3) 2: N, N-dimethylaminopropylacrylamide, CH2 = CH-CONH-C3H6N (CH3) 2: N, N-dimethylaminopropyl methacrylamide, CH 2 CC (CH 3) —CONH—C 3 H 6 N (CH 3) 2 and quaternized substances thereof are particularly preferable because of excellent coloring material dyeing properties. (Meth) acrylic acid ester of polyhydric alcohol, (meth) acrylic acid ester of glycidyl ether of polyhydric alcohol, (meth) acrylic acid ester of polyethylene glycol, (meth) acrylic acid ester of ethylene oxide adduct of polyhydric alcohol UV-curable monomers and oligomers known per se, such as a reaction product of a polybasic acid anhydride and a hydroxyl group-containing (meth) acrylic acid ester, are used. Among these substances, substances having high compatibility with the ink and high hydrophilicity are selected and used.
[0015]
Epoxy monomers suitable for the cationic polymerization system include glycidyl ethers of polyhydric alcohols, glycidyl esters, and aliphatic cyclic epoxides.
[0016]
As a polymerization system of a monomer for UV polymerization, a monomer of a hybrid polymerization system using a vinyl ether and an acryloyl in combination is desirable, and then a cationic polymerization system and a free radical polymerization system are selected in this order. When a monomer having a polyfunctional group is used, its amount is preferably in the range of 1 to 10% based on the total weight of the ink.
[0017]
As a method of using the photopolymerization initiator, one type of photoinitiator, two or more types of photoinitiators may be used, and a photoinitiator and a sensitizer may be used. The selection, combination, and compounding ratio of the main photoinitiator and sensitizer may be appropriately selected depending on the ultraviolet-curing monomer to be used and the equipment to be used.
[0018]
As main photoinitiators and sensitizers, for example, for photoinitiators, acetophenone, 2,2-diethoxyacetophenone, p-dimethylaminoacetophene, p-dimethylaminopropiophenone, benzophenone, Chlorobenzophenone, pp'-dichlorobenzophene, pp'-bisdiethylaminobenzophenone, Michler's ketone, benzyl, benzoin, benzoin methyl ether, benzoin ethyl ether, benzoin isopropyl ether, benzoin n-propyl ether, benzoin isobutyl ether, benzoin n-butyl ether, Benzyldimethylketal, tetramethylthiuram monosulfide, thioxanthone, 2-chlorothioxanthone, 2-methylthioxanthone, azobisisobutyronitrile Benzoin peroxide, di-tert-butyl peroxide, 1-hydroxycyclohexyl phenyl ketone, 2-hydroxy-2-methyl-1-phenyl-1-one, 1- (4-isopropylphenyl) -2-hydroxy-2- Methylpropan-1-one and methylbenzoylformate. The used amount is usually 0.1 to 10% by weight based on the total amount of the ultraviolet curable resin. In the cationic polymerization type, a photoinitiator such as an aromatic diazonium salt, an aromatic halonium salt, an aromatic sulfonium salt, or a metallocene compound is used. Specific examples thereof include triphenylsulfonium hexafluorophosphate, diphenyliodonium hexafluoroantimonate, and the like. Further, in the case of the cationic polymerization type, it is desirable to heat at a temperature in the range of 80 to 170 ° C, particularly preferably in the range of 100 to 150 ° C, in order to further complete the curing. The heating time varies depending on the conditions, but is usually between 5 and 30 minutes.
[0019]
As a sensitizer,
1-amine system: aliphatic amine, amine containing aromatic group, piperidine
2 urea: allyl, o-tolyl thiourea
3-sulfur compound: Sodium diethyldithiophosphate, soluble salt of aromatic sulfinic acid
4-nitrile compounds: N, N, disubstituted p-aminobenzonitrile, R1R1 is a methyl group, an ethyl group, a B cyanoethyl group or a B chloroethyl group
5-phosphorus compound: tri-n-butylphosphine, netorium-diethyldithiophosphide
6 Nitrogen compound: Michler's ketone, N nitrisohydroxylamine derivative, oxazolidine compound, tetrahydro 1,3 oxazine compound, formaldehyde or condensate of acetaldehyde and diamine
7 chlorine compounds: carbon tetrachloride, hexachloroethane
8 Polymerized amine of reaction product of epoxy resin and amine, triethanolamine triacrylate
Is mentioned.
[0020]
In the present invention, various dyes conventionally known in the art can be used as the dye to be used. Examples include azo dyes and phthalocyanine dyes as direct dyes, azo dyes as acid dyes, and anthraquinone dyes.
[0021]
When a pigment is used in the present invention, all conventionally known organic and inorganic pigments can be used. For example, azo pigments such as azo lakes, insoluble azo pigments, condensed azo pigments and chelated azo pigments, phthalocyanine pigments, perylene and perylene pigments, anthosequinone pigments, quinacridone pigments, dioxazine pigments, thioisidigo pigments, isoindolinone pigments, quinophthaloni pigments, and other polycyclic rings. Formula pigments, dye lakes such as basic dye lakes and acid dye lakes, organic pigments such as nitro pigments, nitroso pigments, aniline black, daylight fluorescent pigments, titanium oxides, iron oxides and carbon blacks. And inorganic pigments. In addition, any pigment that is not described in the color index can be used as long as it can be dispersed in water.
[0022]
The water-soluble resin (dispersion resin) contained for dispersing the ink pigment is preferably soluble in an aqueous solution in which an amine or a base is dissolved, and has a weight average molecular weight in the range of 3,000 to 30,000. Furthermore, those having a range of preferably 5000 to 15000 are preferable. For example, styrene-acrylic acid copolymer, styrene-acrylic acid-alkyl acrylate copolymer, styrene-maleic acid copolymer, styrene-maleic acid -Alkyl acrylate copolymer, styrene-methacrylic acid copolymer, styrene-methacrylic acid-alkyl acrylate copolymer, styrene-maleic acid half ester copolymer, vinyl naphthalene-acrylic acid copolymer, vinyl A naphthalene-maleic acid copolymer, a styrene-maleic anhydride-maleic acid half ester copolymer, a salt thereof or the like can be used.
[0023]
In the present invention, when a pigment and a dye are used in combination, it is generally desirable that the pigment: dye (weight ratio) is in the range of 8: 2 to 2: 8. More preferably, it is in the range of 7: 3 to 3: 7 (pigment: dye).
[0024]
Furthermore, the ink of the present invention is preferably that the whole ink is adjusted to be neutral or alkaline, thereby improving the solubility of the water-soluble resin described above and making the ink more excellent in long-term storage stability. It is desirable because it can be. Since the pH of the ink may cause corrosion of various members used in the ink jet recording apparatus, the pH is preferably in the range of 7 to 10.
Examples of the pH adjuster include various organic amines such as diethanolamine and triethanolamine; inorganic alkali agents such as hydroxides of alkali metals such as sodium hydroxide, lithium hydroxide and potassium hydroxide; organic acids; Acids.
[0025]
A suitable aqueous medium in the ink of the present invention is a mixed solvent of water and a water-soluble organic solvent. The water is not general water containing various ions, but ion-exchanged water (deionized water) is used. preferable. The ink of the present invention is a water-based ink, and the content of water is preferably 50% or more of the total weight of the ink.
[0026]
Examples of the water-soluble organic solvent used by mixing with water include methyl alcohol, ethyl alcohol, n-propyl alcohol, isopropyl alcohol, n-butyl alcohol, sec-butyl alcohol, tert-butyl alcohol, and iso-butyl alcohol. Alkyl alcohols having 1 to 4 carbon atoms, such as amides such as dimethylformamide and dimethylacetamide; keto alcohols such as acetone and diacetone alcohol; ethers such as tetrahydrofuran and dioxane; polyalcohols such as polyethylene glycol and polypropylene glycol. Len glycols; ethylene glycol, propylene glycol, butylene glycol, triethylene glycol, 1,2,6-hexanetriol, thiodiglycol, hexylene glycol Alkylene glycols in which the alkylene group contains 2 to 6 carbon atoms, such as diethylene glycol; glycerin: such as ethylene glycol monomethyl (or ethyl) ether, diethylene glycol methyl (or ethyl) ether, and triethylene glycol monomethyl (or ethyl) ether; Lower alkyl ethers of polyhydric alcohols; N-methyl-2-pyrrolidone, 1,3-dimethyl-2-imidazolidinone and the like.
[0027]
Among these many water-soluble organic solvents, the organic amine neutralizes the dispersant and adjusts the pH of the ink to a neutral to basic range in the ink of the present invention, preferably in the entire ink. 0.0001 to 10% by weight.
[0028]
As for the water-soluble organic solvent other than the organic amine, any water-soluble organic solvent can be used as long as it has been used in conventionally known inks. Specifically, alkyl having 1 to 5 carbon atoms such as methyl alcohol, ethyl alcohol, n-propyl alcohol, isopropyl alcohol, n-butyl alcohol, sec-butyl alcohol, tert-butyl alcohol, isobutyl alcohol, and n-pentanol. Alcohols; Amides such as dimethylformamide and dimethylacetamide; Ketones or ketoalcohols such as acetone and diacetone alcohol; Ethers such as tetrahydrofuran and dioxane; Diethylene glycol, triethylene glycol, tetraethylene glycol, dipropylene glycol, tripropylene Oxyethylene or oxypropylene addition polymers such as glycol, polyethylene glycol and polypropylene glycol; ethylene glycol and propylene glycol Alkylene glycols having an alkylene group containing 2 to 6 carbon atoms, such as coal, trimethylene glycol, butylene glycol, 1,2,6-hexanetriol, hexylene glycol; thiodiglycol; glycerin; ethylene glycol monomethyl (or Lower alkyl ethers of polyhydric alcohols such as ethyl) ether, diethylene glycol monomethyl (or ethyl) ether, and triethylene glycol monomethyl (or ethyl) ether; triethylene glycol dimethyl (or ethyl) ether, tetraethylene glycol dimethyl (or ethyl) Lower dialkyl ethers of polyhydric alcohols such as ether; sulfolane, N-methyl-2-pyrrolidone, 1,3-dimethyl-2-imidazolidinone and the like. The content of the water-soluble organic solvent as described above is generally in the range of 1 to 49%, preferably 2 to 30% by weight based on the total weight of the ink. The water-soluble organic solvents as described above can be used alone or as a mixture. However, the most preferable liquid medium composition having a medium is at least one water-soluble high-boiling organic solvent such as diethylene glycol and triethylene. It contains polyhydric alcohols such as glycol and glycerin.
[0029]
Further, it has been found that it is effective to add 3% or more of an aliphatic monohydric alcohol, for example, ethanol or isopropyl alcohol, in order to obtain ejection stability. That is, it is considered that by adding these solvents, the thin film of the ink can be more stably foamed on the heating resistor.
[0030]
Further, in addition to the above components, a surfactant, an antifoaming agent, a preservative, and the like can be further added to the ink of the present invention, if necessary, in order to obtain an ink having desired physical property values. Further, commercially available water-soluble dyes and the like can also be added.
[0031]
The ink jet recording method using the ink of the present invention is an ink jet recording method for forming a recorded image by applying at least one color or more ink from a recording head having a plurality of ink ejection ports to a recording material. A step of ejecting ink droplets from discharge ports of a recording head in accordance with an image recording signal and applying ink droplets to predetermined positions of the recording material to form a recording image; and forming an ink droplet on the recording material. Curing.
[0032]
Means in the step of curing the ink include an ultraviolet (UV) irradiation lamp. The UV irradiation lamp is preferably provided with a cooling mechanism, for example, a cold mirror, a cold filter, a work cooling, or the like, since heat may be generated to deform the recording material.
[0033]
FIG. 10 shows the appearance of the printer used in the present invention. The printing apparatus used here is a so-called serial scan type printing apparatus, and forms an operation image by scanning the print head in a direction (main operation direction) orthogonal to the feed direction of the print medium. First, an outline of the operation at the time of printing will be described. First, a recording medium is conveyed by a paper feed roller 6 driven by a paper feed motor 5 via a gear. The carriage motor 3 scans the carriage unit 2 in the direction perpendicular to the paper feed to print a fixed band width, feeds the paper, and prints the next band width. However, in the case of such serial scan printing, there is a case where the paper is not fed in one scan and the paper is fed after a plurality of scans are printed as necessary. A method has also been realized in which the drawn data is printed, the paper is fed around 1 / n band, and the printing is performed again to complete the image by a plurality of print scans and paper feed. Further, in this embodiment, the carriage belt 4 is used for transmitting the driving force from the carriage motor 3 to the carriage unit 2, but another driving method such as a lead screw may be used instead of the carriage belt. The fed recording medium passes through the space between the paper feed roller 6 and the pressure roller and is guided to a printing portion. At the time of printing, since the recording head is normally capped in the pause state, the cap is first opened and the carriage is set in a scan movable state so that in the case of a serial printer, scanning in the main operation direction can be performed. Thereafter, when data for one scan is accumulated in the buffer, the carriage unit 2 is scanned by the carriage motor 3 to perform printing.
[0034]
FIG. 7 shows an ink supply portion of the recording apparatus used in the present embodiment. The ink is sent from the main tank 201 to the recording head 9 via the tube 207 and the joint 208. A buffer chamber is provided at the back of the tank (reverse of the side where the tube and head are mounted), and serves to temporarily store ink when the air in the tank and the flow path expands and contracts due to temperature changes and when air pressure changes. It is configured to be able to handle ink leakage. The material used for the tube is preferably a material having low gas permeability such as PTFE and PVDF. In addition, a flexible material is preferable in order to reduce the load on the carriage, motor and the like. On the other hand, it is necessary to have appropriate rigidity so that the tube does not sag during operation, or to attach a sleeve when there is no rigidity. Further, a material having good solvent resistance is desirable so that the ink will not be eroded by use for a long time. Here, a five-tube extruded ethylene-vinyl acetate copolymer having a relatively good balance of physical properties was used.
[0035]
FIG. 11 shows a data flow of the printer used in this embodiment, and FIG. 12 shows a schematic diagram of the system. In FIG. 11, reference numeral 101 denotes a programmable peripheral interface (hereinafter referred to as PPI), which receives a command signal (command) and a recording information signal sent from a host computer (not shown), transfers the signal to the MPU 102, And a signal from the home position sensor 107 for detecting that the carriage is at the home position. An MPU (microprocessing unit) 102 controls each unit in the inkjet printer according to a control program stored in a control ROM 105. Reference numeral 103 denotes a RAM that stores received signals or is used as a work area of the MPU 102 and temporarily stores various data. A font generation ROM 104 stores pattern information such as characters and recordings corresponding to the code information, and outputs various types of pattern information corresponding to the input code information. Reference numeral 130 or 121 is a print buffer for storing data developed by the ROM 104 or the like, and has a capacity of m rows. Reference numeral 105 denotes a control ROM in which processing procedures executed by the MPU 2 are stored. These units are controlled by the MPU 102 via the address bus 117 and the data bus 118, respectively.
[0036]
A carriage motor 108 performs a reciprocating scan by moving a carriage on which the recording head 112 is mounted. Reference numeral 110 denotes a paper feed motor for transporting a recording material such as paper in a direction perpendicular to the direction of movement of the carriage. 3) shows a purge motor that contacts the ink discharge port from outside air to prevent drying of the nozzles, and that operates a wiper to operate a party to wipe off ink on the head face. 115, a motor driver for driving the carriage motor 108; 116, a motor driver for driving the paper feed motor 110; 114, a motor driver for driving the capping motor 113; Note that the console 116 is provided with a keyboard switch, a display lamp, and the like. The home position sensor 107 is provided near the home position of the carriage, and detects that the carriage on which the recording head 112 is mounted has reached the home position.
[0037]
A sheet sensor 109 detects the presence or absence of a recording material such as recording paper, that is, whether or not the recording material has been supplied to the recording unit. Reference numeral 112 denotes an ink jet recording head which ejects ink droplets by causing a state change due to film boiling in the ink using thermal energy. The recording head 112 has m (for example, 64) ejection ports (not shown). ), And m discharge heaters (not shown) corresponding to each discharge port are provided. Reference numeral 111 denotes a driver for driving the ejection heater of the recording head 112 according to the recording information signal. Reference numeral 124 denotes a power supply unit that supplies power to the above-described units, and includes an AC adapter and a battery as a driving power supply device.
[0038]
In the above configuration, the MPU 2 is connected to a host device such as a computer via the PPI 101, and processes commands and recording information signals transmitted from the host device and a program stored in the control ROM 106. The recording operation is controlled based on the recording information stored in the RAM 106.
[0039]
In a normal printing apparatus conventionally used in the field where the present invention is used, when print data is transmitted from a host 100 that transmits print data via a parallel port, an infrared port, a network, or the like, the normal data in the normal data is used. Media type (media such as plain paper, OHP, glossy paper, and special media such as transfer film, cardboard, banner paper, etc.) and media size (A4 / A4 letter / A3 / B4) • B5 or envelopes and postcards), print quality (draft, high quality, medium quality, specific color enhancement, monochrome / color type, etc.), paper cassettes (ASF, manual feed, bin 1, bin 2, etc.), objects A command describing whether or not there is automatic discrimination is transmitted, and the main unit accepts the command, and the Determine the area (memory 1 122) implantation amount, the printing direction of the ink per print pass number and unit area at the time of multi-pass printing based on the data of the store of various in such perform recording. In some cases, information such as whether or not to apply the processing liquid may be transmitted as a command. In accordance with these information, the recording apparatus reads data necessary for recording from the ROM described above and performs recording in accordance with the data. There are a mask type used for recording, a driving condition of the recording head (for example, a pulse shape to be applied and an application time), a droplet size, a paper feeding condition, a carriage speed, and the like.
[0040]
The ink tank is formed by injection, blow, or the like using a resin such as PP or PE, and is assembled using techniques such as ultrasonic welding, heat welding, bonding, and fitting. The inside of the tank can be of the type where the exterior functions as an ink chamber as it is, the one that has a bag filled with ink inside, or the one that inserts a porous body inside to hold ink and simultaneously generate negative pressure . When the tank is provided with a negative pressure mechanism, a negative pressure may be generated by supporting the bag portion in the tank in the expanding direction by a spring mechanism or the like provided inside or outside the bag.
[0041]
FIG. 3 is an external view of a wiper used in the present embodiment, FIG. 4 is an external view of a head used in the present embodiment, and FIG. 5 is a cross-sectional view of the head used in the present embodiment. The cross-sectional view of FIG. 5 is a cross-sectional view of the head shown in FIG. 4 taken along the planes AA ′ and BB ′. Bk. Shown in FIG. The width of the nozzle wiper 20 is made smaller than the width F of the chip in FIG. This is because, in order to avoid contact with the print medium, the chips of each color are slightly recessed from the TAB surface as shown in FIG. 5, and the wiper enters the recessed surface and wipes it. For the same reason, the width of the color nozzle wiper is set to be equal to or less than the width of three chips of the color. The wiper shown in FIG. 3 is attached to a wiper holder 27 (not shown) using a wiper fixing bracket (not shown), and the alignment of the wiper is provided in the holes formed in the wipers 20, 21, 22 and the wiper holder. It is performed by fitting with a pin. The wipers 20, 21, 22 are driven by the purge motor 113 in the direction C shown in FIGS. 3 and 4, and wipe the orifices and the TAB surface. When the wiping operation is completed, the carriage is retracted out of the wiping area, and the wiper is driven in the reverse direction to return to the position where wiping starts.
[0042]
As can be seen in FIG. In this example, 640 nozzles are arranged at a density of about 245 nozzles per cm, and in the color head, 1280 nozzles are arranged at a density of about 490 nozzles per cm for each color. In FIG. 5, the ink advances and is supplied in the direction D from the supply port 23, and is guided to the ink liquid chamber 24 on the filter in the head. Thereafter, the flow proceeds in the direction of arrow E in the figure, and after the dust and the like mixed in by the filter 25 are filtered, the dust is guided to the ink liquid chamber 26 below the filter, and is guided to the nozzle formed on the lower surface of the orifice plate for discharging ink. I will 6 and 7 are enlarged views of the nozzle portion of the head shown in FIG. 4 used in the present invention. The ink liquid chamber is formed by an orifice plate 31, a liquid chamber forming member 34, and a heater board on which a heater is mounted. The ink stored in this portion generates bubbles by the heating of the heater 33 and is pushed out of the orifice plate with the expansion of the bubbles, and becomes a spherical droplet due to the interfacial tension with air and flies toward the recording member.
[0043]
The ink used in the first embodiment is prepared from a solvent A and a solvent B having the following composition (weight ratio).
[0044]
(Solvent A)
UV polymerization monomer * 1 55.6%
Photopolymerization initiator * 2 2.8%
Water-soluble solvent * 3 41.6%
* 1 NK Ester A-400 (Shin Nakamura Science)
* 2 Irgacure 651 (Ciba Geigy)
* 3 In-propyl alcohol (IPA) / Diothylene glycol (DEG)
(Solvent B)
Dye ink solution (dye / water-soluble resin / water) * 4 93.0%
Surfactant * 5 7.0%
* 4 Black: Food black (10% solid dye)
Cyan: Projet Cyan (Dye solid content 10%)
Magenta: Acid Red (Dye solid content 10%)
Yellow: direct yellow (solid content of dye 10%)
Feature 1: Projet cyan (dye solid content 0.5%)
* 5 Neugen ET150, 10% aq (Daiichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd.)
The solvent A and the solvent B are separately stirred for about 10 minutes, and each has a viscosity adjusted to 5 cp. Finally, the ink is prepared by mixing the solvent A and the solvent B. The mixing ratio of the solvent A and the solvent B is 1:10 for the black ink and 1:12 for the color ink. Also for tint block printing.
[0045]
Next, one example of a recording apparatus that can be used in the above-described inkjet recording method of the present invention will be described. The special color ink used here may be, for example, a commercially available product, or if more strict determination of authenticity is required, a color unique to each user may be prepared, limited, and shipped according to a user's request.
[0046]
An example in which recording is performed using the above-described ink will be described with reference to FIG. Lamps 35a and 35b in FIG. 9 are ultraviolet irradiation lamps, which are arranged at both ends of the head carriage 2. During recording, the special color ink is discharged from the special color discharge port 36 of the recording head while the recording medium is stopped in accordance with the sequence shown in FIG. 9 and the head carriage 2 moves at a constant speed. At the same time, among the ultraviolet irradiation lamps 35a and 35b arranged at both ends of the head carriage 2, the ultraviolet irradiation lamp 35a arranged behind the main scanning is irradiated to cure the special color ink applied on the recording medium. Further, in the return path, yellow ink is ejected from the yellow head 40 of the recording head 9, magenta ink is ejected from the magenta head 39, cyan ink is ejected from the cyan head 38, and black ink is ejected from the black ejection port 37, and overprinting is performed. Thus, the color ink is applied on the recording medium. The ultraviolet irradiation lamp 35b disposed in front of the main scanning is irradiated to cure the special color ink applied on the recording medium.
[0047]
When recording of one line is completed in this manner, the recording paper is stepped by a fixed amount, and the next line is printed. By repeating these steps a plurality of times, color recording can be performed on the recording medium. By the recording operation as described above, it is possible to create a recorded matter using the copy-forgery-inhibited pattern, which can be identified as true or false.
[0048]
(Embodiment 2)
If only the copy-forgery-inhibited pattern is to be recorded using the same recording apparatus, instead of the process of FIG. 9-2, only the copy-forgery-inhibited pattern is recorded again on the return path (printing in the direction B) as shown in FIG. I do. In this case, it is possible to create a preprint for a small lot. Also, unlike the case of using a normal inkjet recording device, the preprint itself has sufficient water resistance. The bleeding or bleeding of the ink during use or storage outdoors does not make it difficult to determine the deliberation. This preprint is used again as a sheet for recording, and further necessary information is recorded on the copy-forgery-inhibited pattern. An advantage of the recording apparatus of this embodiment is that a small lot can be produced as described above. There is no need to keep extra inventory when selling at stores. Also, if such preprints are made using a normal printing process (offset, letterpress, intaglio, etc.), a large amount of preprints can be made in one lot. No. On the other hand, if it is possible to create a small lot, as in the present embodiment, there is no need to stock these even when different preprints and copy-forgery-inhibited patterns are required for different purposes. It can handle records of many items.
[0049]
(Embodiment 3)
In particular, in the case of an apparatus that creates only a copy-forgery-inhibited pattern, only the following special colors are used for each head.
[0050]
(Solvent A)
UV polymerization monomer * 1 55.6%
Photopolymerization initiator * 2 2.8%
Water-soluble solvent * 3 41.6%
* 1 NK Ester A-400 (Shin Nakamura Science)
* 2 Irgacure 651 (Ciba Geigy)
* 3 In-propyl alcohol (IPA) / Diothylene glycol (DEG)
(Solvent B)
Dye ink solution (dye / water-soluble resin / water) * 4 93.0%
Surfactant * 5 7.0%
* 4 Feature 1: Projet Cyan (Dye solid content 0.5%)
Feature 2: Food black (dye solid content 0.2%)
Feature 3: Projet cyan (dye solid content 0.3%) + acid red (dye solid content 0.4%)
Feature 4: Acid Red (Dye solid content 0.7%)
Feature 5: Direct Yellow (Dye solid content 0.8%)
* 5 Neugen ET150, 10% aq (Daiichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd.)
More complex tint blocks can be created with multiple features.
[0051]
The advantage of such a dedicated machine is that it is possible to create a preprint having a complex, colorful tint block even in a small lot. In normal printing, the number of steps increases each time the number of colors increases, and the price of the printed material becomes expensive. However, in the case of the recording apparatus of the present embodiment, the material cost is different regardless of whether it is a single color or a plurality of colors. However, since the number of processes does not increase, the increase in cost is minimal. Further, a combination of inks having a special combination can be used as desired by the user, which is more advantageous for authenticity determination. The preprint created in the present embodiment also performs information recording like the recording device used in the first embodiment.
[0052]
【The invention's effect】
In the case where a preprint is created by performing a tint block process or the like on a recording medium, the recording apparatus of the present invention using a UV curable resin determines whether the certificate finally issued by the preprint process is valid or not. The security can be ensured by the recording body, and forgery can be prevented with a simple configuration. Further, according to the method disclosed in the embodiment, the maker that creates the preprint does not use the printing method that is usually used for such copy-forgery-inhibited pattern processing, and performs processing in the recording body or an equivalent preprocessing device. Therefore, it is possible to promptly respond to a change in the processing pattern and the like, which is effective for producing a small lot of preprints, and also enables inexpensive and reliable preprints. Further, by changing the processing in a short span, there is an advantage that forgery is more difficult to perform.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a printing flow of a recording apparatus used in a first embodiment.
FIG. 2 is a printing flow of a recording apparatus used in a second embodiment.
FIG. 3 is a configuration example of a wiper used in the embodiment.
FIG. 4 is an external view of a head used in the embodiment.
FIG. 5 is a sectional view of a head used in the embodiment.
FIG. 6 is an enlarged view of a nozzle portion.
FIG. 7 is an enlarged view of an orifice portion.
FIG. 8 is an external view of a supply system.
FIG. 9 is a printing operation diagram when recording is performed using the first, second, third, and first and second embodiments.
FIG. 10 is an external view of the recording apparatus used in the first embodiment.
FIG. 11 is a data flow diagram of the recording apparatus used in the first embodiment.
FIG. 12 is a configuration diagram of a recording apparatus used in the first embodiment.
[Explanation of symbols]
1 Purge unit
2 Carriage unit
3 Carriage motor
4 Carriage belt
5 Paper feed motor
6 Paper feed roller
7 Pressure roller
8 Eject roller
9 Recording head
10 shaft
11 Black orifice plate
12 Cyan orifice plate
13 Magenta orifice plate
14 Yellow orifice plate
15 Black outlet
16 Cyan outlet
17 Magenta outlet
18 Yellow outlet
19 Supply port
Nozzle wiper for 20 Bk
Nozzle wiper for 21 Color
22 Full wiper
23 Ink supply port
24 Ink liquid chamber on filter
25 Filter
26 Ink liquid chamber under filter
27 Wiper holder
28 Wiper fixing bracket
29 Spacer
30 TAB side
31 orifice plate
32 nozzles
33 heater
34 Liquid chamber forming material
35a. b lamp
36 Special Color Head
37 Bk head
38 Cyan head
39 Magenta head
40 Yellow Head
100 hosts
101 PPI
102 CPU
103 RAM
104 ROM for print data
106 console
107 Home position sensor
108 Carriage motor
109 sheet sensor
110 Transport motor
111 head driver
112 recording head
113 Purge motor
114-6 motor driver
117 Address Bus
118 Data Bus
120 Power supply
121 print buffer
122 Memory 1
123 Memory 2
124 gate array
130 print buffer
150 Data processing part
201 Main tank
202 Sub tank
203 buffer room
204 Atmospheric pin
205 Supply side pin
206 tank rubber
207 Supply side tube
208 Supply Joint
209 conductive wire
201 memory