JP2004050023A - 中空糸膜モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】局部的な負荷により中空糸膜が損傷しないようにした中空糸膜モジュールを提供する。
【解決手段】筒状ケース1に挿入した中空糸膜束2の両端部を樹脂20で接着固定し、該両端の接着固定部よりそれぞれ内側の筒状ケースの内壁に整流筒7a,7bとその外周を囲む環状流路8a,8bを設け、2箇所の環状流路の一方に原水供給口11を、他方に排水口10を設けた中空糸膜モジュールにおいて、前記排水口10を設けた環状流路8aの半径方向隙間を排水口10の近傍で最大にするか、及び/又は排水口を設けた側の整流筒7aの整流孔9を排水口10と対面する部分に設けないようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】筒状ケース1に挿入した中空糸膜束2の両端部を樹脂20で接着固定し、該両端の接着固定部よりそれぞれ内側の筒状ケースの内壁に整流筒7a,7bとその外周を囲む環状流路8a,8bを設け、2箇所の環状流路の一方に原水供給口11を、他方に排水口10を設けた中空糸膜モジュールにおいて、前記排水口10を設けた環状流路8aの半径方向隙間を排水口10の近傍で最大にするか、及び/又は排水口を設けた側の整流筒7aの整流孔9を排水口10と対面する部分に設けないようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は中空糸膜モジュールに関し、さらに詳しくは、運転開始時の立ち上げ時間を短縮可能にした中空糸膜モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
中空糸膜を数百本〜数万本束ねた中空糸膜束を筒状ケースに収納し、その中空糸膜束の両端部を樹脂で接着固定するようにした中空糸膜モジュールでは、原水供給口と排水口とを、例えば筒状ケースの両端部にかつ筒状ケースの軸方向に関して上記接着固定部よりも内側に設けている。この原水供給口と排水口とを設けた箇所には、筒状ケース内壁に整流筒を設け、その外周を環状流路が囲むようにした構成になっている。
【0003】
この中空糸膜モジュールに対し、原水供給口から原水を供給すると、原水は環状流路から整流筒を経て中空糸膜束の外側域に入り、ここで中空糸膜を透過して内部に浸入し、その濾過水が中空糸膜の開口した端部から取り出されるようになっている。また、クロスフロー式で原水を処理する場合には、中空糸膜を透過しなかった残りの原水が、反対側の整流筒を通過し、環状流路を経て排水口から排出される。
【0004】
このような中空糸膜モジュールでは、運転開始時に原水供給口から原水を供給し、クロスフロー式で原水を処理する時と同じように排水口から原水が流出するようにする。このように原水を供給することにより、両端の接着固定部間の濾過域に原水を充満させることができる。
【0005】
しかしながら、中空糸膜モジュール内に原水が充満したからといって、直ぐ濾過を開始すると、配管等の途中に存在していた空気が時間の経過と共に中空糸膜モジュール内に浸入するので、その空気が有効膜面積を減少させることになる。したがって、原水が濾過域に充満した後も、しばらくの間原水の供給を継続して排水口から流出させるようにする必要がある。
【0006】
上記のように濾過域に流入した原水は、整流筒の整流孔を経て整流筒周囲の環状流路へ流出し、最後に排水口から流れ出る。そのため整流筒の周囲に流れ出た原水が排水口の近傍に集中し、その排水口近傍における圧力損失が増大する。その結果、運転動力を上昇させる必要が生ずる上に、濾過開始までの時間、運転エネルギーのほか、原水も無駄にせざるを得なくなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述した従来の問題を解消し、圧力損失や運転動力を低減 すると共に、運転開始時の立ち上げ時間を短縮可能にする中空糸膜モジュールを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の中空糸膜モジュールは、原水供給口と排水口を有する筒状ケースに中空糸膜束を挿入し、該中空糸膜束の端部を前記筒状ケースの軸方向に関して前記排水口よりも外側で樹脂で接着固定すると共に、整流孔を有する整流筒を前記排水口と前記中空糸膜束との間に設けて該整流筒と前記筒状ケースとの間に環状流路を形成し、該環状流路の半径方向の幅を前記排水口の近傍で最大にしたことを特徴とするものである。
【0009】
このように環状流路の半径方向の幅を排水口の近傍で最大にすることにより、排水口近傍の原水の圧力損失を低減することができ、その結果、運転動力を低減することができ、さらには濾過開始までの時間、運転エネルギーや原水を節約することができる。
【0010】
特に半径方向の幅を最大にする手段として、環状通路の中心と整流筒の中心とをずらせるようにした場合は、複数個の整流孔を流出する原水の流速を整流孔間で均一化し、複数本の中空糸膜に対する負荷を均一化することができる。その結果、局所的に負荷がかかって損傷する中空糸膜を低減することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下,図に示す実施形態に基づいて本発明を具体的に説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施形態からなる中空糸膜モジュールを示し、図2は図1におけるX−X断面図である。
【0013】
筒状ケース1はケース本体3の両端部にソケット4a,4bを装着して構成されている。ソケット4aには原水の排水口10が設けられ、またソケット4bには原水供給口11が設けられている。この筒状ケース1に、両端を切断して一定長にした中空糸膜束2が挿入され、その両端部が樹脂20により接着固定されている。図では中空糸膜束2を単純な1本として図示したが、実際には多数本の中空糸膜が束ねられて構成されている。
【0014】
中空糸膜束2の両端部の接着固定は、ソケット4a側では中空糸膜の相互間を封止し、中空糸膜の端部は内部に樹脂を浸入させずに開口状態にしてある。他方、ソケット4b側の中空糸膜束2の端部は、中空糸膜の端部の内側に樹脂を浸入させて封止されている。中空糸膜の相互間にも樹脂を浸入させているが、この相互間部分には不図示の分散ピン等を挿入し、その抜き取り後に貫通孔が形成されるようにしている。
【0015】
筒状ケース1の両端部に設けたソケット4a,4bの端部には、それぞれキャップ5a,5bが取り付けられ、袋ナット6a,6bにより締め付け固定されている。さらに筒状ケース1の両端部の内壁には、筒状ケース1の軸方向に関して上記樹脂20の接着固定部よりも内側の位置に、それぞれ整流筒7a,7bが設けられ、その外周を囲むように環状流路8a,8bが設けられている。この環状流路8a,8bは、それぞれソケット4a,4bの内側に形成されている。また、整流筒7a,7bには、それぞれ原水の流れを分散させる多数の整流孔9が穿設されている。
【0016】
上記構成のうち、原水の排水側を構成する整流筒7aと環状流路8aとは、図2に示す関係に組み立てられている。すなわち、整流筒7aの中心に対して環状流路8a(ソケット4aの内周円)の中心がずてている。そのためソケット4aの内周面と整流筒7aの外周面との間の環状流路8aの半径方向の幅は周方向に連続的に変化し、排水口10に対応する部分で最大寸法Lmax になっている。また、整流筒7aには多数の整流孔9が設けられているが、排水口10に対面する部分には整流孔9を設けない部分を形成し、閉塞された状態になっている。
【0017】
このように環状流路8aの半径方向隙間を排水口10の近傍で最大にしたことにより、排水口10近傍の原水の流速を減速させて、圧力損失を低減することができる。そして、環状流路8aの中心と整流筒7aの中心とをずらし、環状流路8aの半径方向の幅を排水口10の近傍で最大にしているので、複数個の整流孔9を流れる原水の流速が整流孔9間で均一化され、複数本の中空糸膜に対する負荷を均一化することができる。その結果、局所的に負荷がかかって損傷する中空糸膜を低減することができる。また、整流筒7aの整流孔9を排水口10と対面する部分には設けていないため、エアバブリングを停止したときの水の逆流を防いだり、水流の安定化を図る効果も得られる。したがって、上記と同様に整流筒7a内側の中空糸膜に対する負荷を低減し、損傷を防止することができる。
【0018】
本発明において、上記のように環状流路8aの半径方向隙間を排水口10に対応する部分で最大寸法Lmax にする手段としては、上記実施形態のように偏芯構成にする場合に限定されるものでなく、例えば、図3に例示するように、整流筒7aが排水口10に対応する部分を平面形状にすることでもよい。
【0019】
また、上記のように排水口10を設けた側の環状流路8aの半径方向隙間を排水口10の近傍で最大にすることと、整流筒7aの整流孔9を排水口10と対面する部分に設けないようにすることとは、図1及び図2の実施形態のように、同時に具備されていることが最も好ましい。
【0020】
例えば、図4の例では、環状流路8aの半径方向隙間を周方向の全周で同一寸法にしているが、整流筒7aの整流孔9を排水口10と対面する部分だけに設けないようにしたものである。また、図5および図6にそれぞれ示す例では、整流筒7aが排水口10と対面する部分に整流孔9を設けるようにしているが、環状流路8aの半径方向隙間を排水口10の近傍で最大にしたものである。これらの実施形態においても、排水口近傍における圧力損失を低減することができ、また図4、図5の態様においては、局部的な負荷による中空糸膜の損傷を低減するので、耐久性に優れた中空糸膜モジュールを得ることができる。
【0021】
上記構成からなる中空糸膜モジュールによる原水の処理は次のようにして行われる。原水を原水供給口11から筒状ケース1内に供給すると、原水は筒状ケース1内を経由して原水排水口10から排出される間に、一部が中空糸膜束2の各中空糸膜を透過して内部に浸入する。各中空糸膜の内部に浸入した濾過水は中空糸膜束2の端部からキャップ5aに集められ取り出される。
【0022】
なお、原水の供給は、筒状ケース1の周面に設けた原水供給口10を使用せずに、ソケット4b側の樹脂20の層に貫通孔を設け、キャップ5b、貫通孔を通して筒状ケース1内に供給するようにしてもよい。
【0023】
また、上記実施形態では、中空糸膜束をストレート状にして両端部を樹脂で接着固定した態様について説明したが、中空糸膜束をU字状に曲げた上で、端部を樹脂で接着固定するようにした中空糸膜モジュールであってもよい。
【0024】
【発明の効果】
上述したように本発明の中空糸膜モジュールによれば、環状流路の半径方向の幅を排水口の近傍で最大にすることにより、排水口近傍の原水の圧力損失を低減することができ、その結果、運転動力を低減することができ、さらには濾過開始までの時間、運転エネルギーや原水を節約することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態からなる中空糸膜モジュールの縦断面図である。
【図2】図1のX−X断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態からなる中空糸膜モジュールの図2に対応する断面図である。
【図4】本発明のさらに他の実施形態からなる中空糸膜モジュールの図2に対応する断面図である。
【図5】本発明のさらに他の実施形態からなる中空糸膜モジュールの図2に対応する断面図である。
【図6】本発明のさらに他の実施形態からなる中空糸膜モジュールの図2に対応する断面図である。
【符号の説明】
1 筒状ケース
2 中空糸膜束
3 本体ケース
4a,4b ソケット
5a,5b キャップ
6a,6b 袋ナット
7a,7b 整流筒
8a,8b 環状流路
9 整流孔
10 排水口
11 原水供給口
20 樹脂
【発明が属する技術分野】
本発明は中空糸膜モジュールに関し、さらに詳しくは、運転開始時の立ち上げ時間を短縮可能にした中空糸膜モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
中空糸膜を数百本〜数万本束ねた中空糸膜束を筒状ケースに収納し、その中空糸膜束の両端部を樹脂で接着固定するようにした中空糸膜モジュールでは、原水供給口と排水口とを、例えば筒状ケースの両端部にかつ筒状ケースの軸方向に関して上記接着固定部よりも内側に設けている。この原水供給口と排水口とを設けた箇所には、筒状ケース内壁に整流筒を設け、その外周を環状流路が囲むようにした構成になっている。
【0003】
この中空糸膜モジュールに対し、原水供給口から原水を供給すると、原水は環状流路から整流筒を経て中空糸膜束の外側域に入り、ここで中空糸膜を透過して内部に浸入し、その濾過水が中空糸膜の開口した端部から取り出されるようになっている。また、クロスフロー式で原水を処理する場合には、中空糸膜を透過しなかった残りの原水が、反対側の整流筒を通過し、環状流路を経て排水口から排出される。
【0004】
このような中空糸膜モジュールでは、運転開始時に原水供給口から原水を供給し、クロスフロー式で原水を処理する時と同じように排水口から原水が流出するようにする。このように原水を供給することにより、両端の接着固定部間の濾過域に原水を充満させることができる。
【0005】
しかしながら、中空糸膜モジュール内に原水が充満したからといって、直ぐ濾過を開始すると、配管等の途中に存在していた空気が時間の経過と共に中空糸膜モジュール内に浸入するので、その空気が有効膜面積を減少させることになる。したがって、原水が濾過域に充満した後も、しばらくの間原水の供給を継続して排水口から流出させるようにする必要がある。
【0006】
上記のように濾過域に流入した原水は、整流筒の整流孔を経て整流筒周囲の環状流路へ流出し、最後に排水口から流れ出る。そのため整流筒の周囲に流れ出た原水が排水口の近傍に集中し、その排水口近傍における圧力損失が増大する。その結果、運転動力を上昇させる必要が生ずる上に、濾過開始までの時間、運転エネルギーのほか、原水も無駄にせざるを得なくなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述した従来の問題を解消し、圧力損失や運転動力を低減 すると共に、運転開始時の立ち上げ時間を短縮可能にする中空糸膜モジュールを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の中空糸膜モジュールは、原水供給口と排水口を有する筒状ケースに中空糸膜束を挿入し、該中空糸膜束の端部を前記筒状ケースの軸方向に関して前記排水口よりも外側で樹脂で接着固定すると共に、整流孔を有する整流筒を前記排水口と前記中空糸膜束との間に設けて該整流筒と前記筒状ケースとの間に環状流路を形成し、該環状流路の半径方向の幅を前記排水口の近傍で最大にしたことを特徴とするものである。
【0009】
このように環状流路の半径方向の幅を排水口の近傍で最大にすることにより、排水口近傍の原水の圧力損失を低減することができ、その結果、運転動力を低減することができ、さらには濾過開始までの時間、運転エネルギーや原水を節約することができる。
【0010】
特に半径方向の幅を最大にする手段として、環状通路の中心と整流筒の中心とをずらせるようにした場合は、複数個の整流孔を流出する原水の流速を整流孔間で均一化し、複数本の中空糸膜に対する負荷を均一化することができる。その結果、局所的に負荷がかかって損傷する中空糸膜を低減することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下,図に示す実施形態に基づいて本発明を具体的に説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施形態からなる中空糸膜モジュールを示し、図2は図1におけるX−X断面図である。
【0013】
筒状ケース1はケース本体3の両端部にソケット4a,4bを装着して構成されている。ソケット4aには原水の排水口10が設けられ、またソケット4bには原水供給口11が設けられている。この筒状ケース1に、両端を切断して一定長にした中空糸膜束2が挿入され、その両端部が樹脂20により接着固定されている。図では中空糸膜束2を単純な1本として図示したが、実際には多数本の中空糸膜が束ねられて構成されている。
【0014】
中空糸膜束2の両端部の接着固定は、ソケット4a側では中空糸膜の相互間を封止し、中空糸膜の端部は内部に樹脂を浸入させずに開口状態にしてある。他方、ソケット4b側の中空糸膜束2の端部は、中空糸膜の端部の内側に樹脂を浸入させて封止されている。中空糸膜の相互間にも樹脂を浸入させているが、この相互間部分には不図示の分散ピン等を挿入し、その抜き取り後に貫通孔が形成されるようにしている。
【0015】
筒状ケース1の両端部に設けたソケット4a,4bの端部には、それぞれキャップ5a,5bが取り付けられ、袋ナット6a,6bにより締め付け固定されている。さらに筒状ケース1の両端部の内壁には、筒状ケース1の軸方向に関して上記樹脂20の接着固定部よりも内側の位置に、それぞれ整流筒7a,7bが設けられ、その外周を囲むように環状流路8a,8bが設けられている。この環状流路8a,8bは、それぞれソケット4a,4bの内側に形成されている。また、整流筒7a,7bには、それぞれ原水の流れを分散させる多数の整流孔9が穿設されている。
【0016】
上記構成のうち、原水の排水側を構成する整流筒7aと環状流路8aとは、図2に示す関係に組み立てられている。すなわち、整流筒7aの中心に対して環状流路8a(ソケット4aの内周円)の中心がずてている。そのためソケット4aの内周面と整流筒7aの外周面との間の環状流路8aの半径方向の幅は周方向に連続的に変化し、排水口10に対応する部分で最大寸法Lmax になっている。また、整流筒7aには多数の整流孔9が設けられているが、排水口10に対面する部分には整流孔9を設けない部分を形成し、閉塞された状態になっている。
【0017】
このように環状流路8aの半径方向隙間を排水口10の近傍で最大にしたことにより、排水口10近傍の原水の流速を減速させて、圧力損失を低減することができる。そして、環状流路8aの中心と整流筒7aの中心とをずらし、環状流路8aの半径方向の幅を排水口10の近傍で最大にしているので、複数個の整流孔9を流れる原水の流速が整流孔9間で均一化され、複数本の中空糸膜に対する負荷を均一化することができる。その結果、局所的に負荷がかかって損傷する中空糸膜を低減することができる。また、整流筒7aの整流孔9を排水口10と対面する部分には設けていないため、エアバブリングを停止したときの水の逆流を防いだり、水流の安定化を図る効果も得られる。したがって、上記と同様に整流筒7a内側の中空糸膜に対する負荷を低減し、損傷を防止することができる。
【0018】
本発明において、上記のように環状流路8aの半径方向隙間を排水口10に対応する部分で最大寸法Lmax にする手段としては、上記実施形態のように偏芯構成にする場合に限定されるものでなく、例えば、図3に例示するように、整流筒7aが排水口10に対応する部分を平面形状にすることでもよい。
【0019】
また、上記のように排水口10を設けた側の環状流路8aの半径方向隙間を排水口10の近傍で最大にすることと、整流筒7aの整流孔9を排水口10と対面する部分に設けないようにすることとは、図1及び図2の実施形態のように、同時に具備されていることが最も好ましい。
【0020】
例えば、図4の例では、環状流路8aの半径方向隙間を周方向の全周で同一寸法にしているが、整流筒7aの整流孔9を排水口10と対面する部分だけに設けないようにしたものである。また、図5および図6にそれぞれ示す例では、整流筒7aが排水口10と対面する部分に整流孔9を設けるようにしているが、環状流路8aの半径方向隙間を排水口10の近傍で最大にしたものである。これらの実施形態においても、排水口近傍における圧力損失を低減することができ、また図4、図5の態様においては、局部的な負荷による中空糸膜の損傷を低減するので、耐久性に優れた中空糸膜モジュールを得ることができる。
【0021】
上記構成からなる中空糸膜モジュールによる原水の処理は次のようにして行われる。原水を原水供給口11から筒状ケース1内に供給すると、原水は筒状ケース1内を経由して原水排水口10から排出される間に、一部が中空糸膜束2の各中空糸膜を透過して内部に浸入する。各中空糸膜の内部に浸入した濾過水は中空糸膜束2の端部からキャップ5aに集められ取り出される。
【0022】
なお、原水の供給は、筒状ケース1の周面に設けた原水供給口10を使用せずに、ソケット4b側の樹脂20の層に貫通孔を設け、キャップ5b、貫通孔を通して筒状ケース1内に供給するようにしてもよい。
【0023】
また、上記実施形態では、中空糸膜束をストレート状にして両端部を樹脂で接着固定した態様について説明したが、中空糸膜束をU字状に曲げた上で、端部を樹脂で接着固定するようにした中空糸膜モジュールであってもよい。
【0024】
【発明の効果】
上述したように本発明の中空糸膜モジュールによれば、環状流路の半径方向の幅を排水口の近傍で最大にすることにより、排水口近傍の原水の圧力損失を低減することができ、その結果、運転動力を低減することができ、さらには濾過開始までの時間、運転エネルギーや原水を節約することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態からなる中空糸膜モジュールの縦断面図である。
【図2】図1のX−X断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態からなる中空糸膜モジュールの図2に対応する断面図である。
【図4】本発明のさらに他の実施形態からなる中空糸膜モジュールの図2に対応する断面図である。
【図5】本発明のさらに他の実施形態からなる中空糸膜モジュールの図2に対応する断面図である。
【図6】本発明のさらに他の実施形態からなる中空糸膜モジュールの図2に対応する断面図である。
【符号の説明】
1 筒状ケース
2 中空糸膜束
3 本体ケース
4a,4b ソケット
5a,5b キャップ
6a,6b 袋ナット
7a,7b 整流筒
8a,8b 環状流路
9 整流孔
10 排水口
11 原水供給口
20 樹脂
Claims (4)
- 原水供給口と排水口を有する筒状ケースに中空糸膜束を挿入し、該中空糸膜束の端部を前記筒状ケースの軸方向に関して前記排水口よりも外側で樹脂で接着固定すると共に、整流孔を有する整流筒を前記排水口と前記中空糸膜束との間に設けて該整流筒と前記筒状ケースとの間に環状流路を形成し、該環状流路の半径方向の幅を前記排水口の近傍で最大にした中空糸膜モジュール。
- 前記環状流路の中心を前記整流筒の中心とがずれている請求項1に記載の中空糸膜モジュール。
- 前記整流筒の前記排水口と対面する部分が平面状に形成されている請求項1に記載の中空糸膜モジュール。
- 前記整流筒の前記排水口と対面する部分に整流孔を設けない部分を形成した請求項1〜3のいずれかに記載の中空糸膜モジュール。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002210079A JP2004050023A (ja) | 2002-07-18 | 2002-07-18 | 中空糸膜モジュール |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2004050023A true JP2004050023A (ja) | 2004-02-19 |
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ID=31933732
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JP2002210079A Withdrawn JP2004050023A (ja) | 2002-07-18 | 2002-07-18 | 中空糸膜モジュール |
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---|---|
JP (1) | JP2004050023A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007144349A (ja) * | 2005-11-29 | 2007-06-14 | Ebara Corp | 中空糸膜モジュール |
WO2008035593A1 (fr) | 2006-09-19 | 2008-03-27 | Toray Industries, Inc. | Module de membranes à fibres creuses |
JP2008221107A (ja) * | 2007-03-12 | 2008-09-25 | Toyobo Co Ltd | 液体分離膜モジュール |
CN102895882A (zh) * | 2011-07-28 | 2013-01-30 | 海南立昇净水科技实业有限公司 | 浸入式中空纤维膜组件及包含其的过滤设备 |
KR101376168B1 (ko) | 2012-04-03 | 2014-03-19 | 블루그린링크(주) | 유량 분배부를 구비한 정수필터 |
WO2016084933A1 (ja) * | 2014-11-28 | 2016-06-02 | Dic株式会社 | 中空糸脱気モジュール及びインクジェットプリンタ |
-
2002
- 2002-07-18 JP JP2002210079A patent/JP2004050023A/ja not_active Withdrawn
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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