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JP2004048797A - 送信機および電力増幅器 - Google Patents

送信機および電力増幅器 Download PDF

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片岸 誠
Shiro Machida
町田 史郎
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Abstract

 【課題】
CDMA方式携帯電話における送信機の消費電流を低減する。
 【解決手段】
電力増幅手段のバイアス設定条件を送信電力に応じてn個(n>2)記憶し、所望の送信電力を送出するときに、記憶した利得およびバイアス条件の組合わせの中から最適なものを1つ選択し、選択した条件に基づいて可変増幅手段1および電力増幅手段2を制御する。
 【選択図】 図1

Description

 本発明は、出力電力制御が可能な送信機とそれに適用可能な電力増幅器の構成
、およびその制御方法に関する。特に制御幅が大きいCDMA方式携帯電話に適した送信機に関する。
 従来の技術の一例としてCDMA(符号分割多元接続)方式携帯電話を挙げて説明する。 ここではCDMA方式の代表的な規格として米国のTIA IS−
95を考える。送信機の構成の一例を図7に示す。変調信号は送信周波数帯に周波数変換された後、可変増幅手段1、電力増幅手段2、アンテナ共用器3を介してアンテナ4より送出される。ここで、可変増幅手段1はアンテナ4における所望の送信電力値となるよう制御手段6によって利得を調節される。IS−95では基地局の受信電力を一定にするため開ループおよび閉と呼ばれる電力制御を行う。開ループ制御は受信手段5によって検出された受信電界強度情報によって一義的に送信電力値を決定するもので精度はあまり要求されない(±9.5dB)
。一方、閉ループ制御は基地局より送られてくる利得の増減情報に基づきより細かい制御を行う(1dBステップ)。送信機は始めに開ループ制御を行った後に
閉ループ制御に移行し、基地局が要求する所望の送信電力値に収束する。
 上記のように送信機の送信電力値を可変増幅手段1を制御することによって行っているが、消費電流低減を目的として電力増幅手段2のバイアス条件を送信電力値に応じて制御する方法が一般に考えられている(例えば、特許文献1参照)。
この場合の制御を図8を用いて説明する。
 電力増幅手段2に例えばディプレッション型GaAsFETを用いた場合、ゲートに印加するバイアスを変化させると出力電力と消費電流の関係が変化する(図8の破線)。ゲート電圧を下げれば(バイアス設定値=B1)、消費電流が
減るが最大出力電力は低下する。逆にゲート電圧を上げれば(バイアス設定値=B2)、最大出力電力は向上するが消費電流が増加する。この特性を利用して電
力増幅手段2のバイアス条件を任意の出力電力の設定値で切換えると、低い出力電力においての消費電流低減が可能となる(図8の実線)。具体的には可変増幅
手段1に対する制御信号をレベル判定手段9によって判別し、任意のしきい値を境に電力増幅手段2のバイアスを切換える。
特開平9−46152号公報
 従来の技術は、例えば20dB程度の可変幅で4dBステップの制御を行うPDC方式(RCR STD−27)で有効である。一方、IS−95では70dB以上の可変幅で1dBステップの制御を行うため、消費電流を低減するためにはより細やかなバイアス制御が必要になる。
 上記課題は以下の制御を行うことにより解決される。即ち、制御手段6が電力増幅手段2における任意の出力電力を得る可変増幅手段1の利得および電力増幅手段2のバイアス条件の組合わせをn個(n>2)の電力増幅手段2の出力電力に対応付けて記憶する。さらに、電力増幅手段2における所望の出力電力を発生するときに、記憶した利得およびバイアス条件の組合わせの中から最適なものを1つ選択し、選択した条件に基づいて可変増幅手段1および電力増幅手段2を制御する。または、電力増幅手段2のバイアス条件を電力増幅手段2の出力電力あるいは可変増幅手段1における利得設定値の関数として記憶し、電力増幅手段2における所望の出力電力を発生するときに記憶した関数を用いて算出されたバイアス制御信号と利得制御信号に基づいて可変増幅手段1および電力増幅手段2を制御する。
 電力増幅手段のバイアス条件を送信電力に応じて細かく制御することにより、消費電流の低減が実現できる。
 以下、本発明の実施例を図面を用いて詳細に説明する。従来技術と同様に C
DMA(符号分割多元接続)方式携帯電話に適用した場合を例に挙げて説明する
 図1は本発明の第1の実施例を示すシステム構成図である。前述の従来技術と同様の構成であるがその制御方法が異なる。制御方法を図2を用いて説明する。
 可変増幅手段1はアンテナ4における所望の送信電力値となるよう制御手段6によって利得を調節され、このときの設定値を制御手段6が記憶している(図2中G1、G2、…、Gnのn個、n>2)。さらに制御手段6は可変増幅手段1
の各設定に対応した電力増幅手段2のバイアス条件を記憶している(図2中B1
、B2、…、Bn のn個、n>2)。電力増幅手段2のバイアス条件が一定の
ときは図2の破線に示すように、バイアス条件によって最大出力電力と消費電流の関係が異なる。この関係を利用し、可変増幅手段1の利得に応じてバイアス条件を変えた場合図2の実線のような特性を得ることができる。したがって、同一の出力電力が得られ且つ消費電流の少ないバイアス条件を選択して記憶し、所望の送信電力を送出するときに記憶した条件に基づいて可変増幅手段1および電力増幅手段2を制御することにより送信機の消費電流を低減することができる。実際には送信電力以外の性能(隣接チャネル電力漏洩など)を満たす範囲内でバイアス条件を選ぶことになるが、前述の従来技術と比較し、消費電流を削減できる送信電力範囲が著しく広くすることができる。
 また、本実施例においてn個のバイアス条件を用いる代わりに、電力増幅手段2のバイアス条件を電力増幅手段2の出力電力あるいは可変増幅手段1における利得設定値の関数として記憶しても良い。この場合、所望の電力増幅手段2の出力電力を発生するときに記憶した関数を用いて算出された電力増幅手段2のバイアス制御信号および可変増幅手段1の利得設定値に基づいて可変増幅手段1および電力増幅手段2を制御する。その結果、送信機の消費電流低減が可能となる。
 図3は本発明の第2の実施例を示すシステム構成図である。本実施例は第1の実施例において電力増幅手段2のバイアスを制御するバイアス制御信号にパルス幅変調(PWM)を用いた場合である。一般に、バイアスを制御する場合は制御手段内に具備されたD/A(ディジタル・アナログ変換器)によって発生する直流電圧をバイアス制御信号に用いることがある。しかし、出力電圧の分解能を上げると高価なD/Aが必要となるとういう問題が発生する。PWMを用いた場合
、D/Aが不要となりコスト低減が可能になる。また、第1の実施例に示したようなバイアス条件を関数で算出する場合の実装に都合がよい。バイアス制御信号にPWMを用いた場合に適した電力増幅手段2の構成は図3に示すように内部に平滑回路を設け、電力増幅手段2の内部でバイアスに変換する。この場合、平滑手段が電力増幅手段2の内部に設けられたことにより外来雑音による影響を軽減することができる。
 図4は本発明の第3の実施例を示すシステム構成図であり、可変増幅手段1と電力増幅手段2を統合した電力増幅器8の構成を示している。一般に可変増幅手段1と電力増幅手段2を統合した場合図9に示すように可変増幅手段1と電力増幅手段2に対する各制御信号は別々の端子を介して入力されていた。所望の送信電力を得るこれら制御信号の組合わせが1つの送信電力値に対して1組にも関わらずである。本実施例では所望の出力電力を得るための制御信号は唯一とし、電力増幅器8の内部に可変増幅手段1の利得制御信号および電力増幅手段2のバイアス制御信号を発生する信号発生手段7を設けている。信号発生手段7は制御手段6からの制御信号に応じて利得制御信号およびバイアス制御信号を発生する。以上の構成により制御手段6の処理を軽減できる使い勝手の良い電力増幅器8が得られる。
 図5は本発明の第4の実施例を示すシステム構成図であり、最大電力検出機能を有する電力増幅器8とそれを具備する送信機の構成を示している。IS−95では前述のように基地局から送られてくる送信電力増減信号によって送信電力を制御する(前述の閉ループ制御)。したがって、基地局が自局の送信電力を検出
するので、基本的には自局内での電力検出は不要である。しかし実際には特表平8−510614に示されているように、基地局より送られてくる送信電力増減信号が送信機の(歪み等の特性保証範囲内での)最大出力を超えてしまう場合があり、これを検出して送信出力を制限するために図10に示すような電力検出の構成が必要である。すなわち、電力増幅手段2の出力の一部を結合器203を介して電力検出手段204に導き、制御手段が電力検出手段204の出力を任意のしきい値と比較することにより最大電力の検出・判別を行う。これに対し本実施例では、結合器203、電力検出手段204および最大電力の判別を行う判別手段205を電力増幅器8に具備している。判別手段205は最大電力を検出した場合に任意の信号を制御手段6に出力するとともに増幅器202の出力電飾を制限するよう制御する。この構成により送信機の部品数削減が可能になるとともに
、制御手段6の処理を軽減できる使い勝手の良い電力増幅器8が得られる。
 図6は本発明の第5の実施例を示すシステム構成図であり、最大電力検出あるいは過電流検出機能を有する電力増幅器8とそれを具備する送信機の構成を示している。電力増幅器8の出力電力と消費電流の間には相関があるので、第4の実施例で述べた最大電力検出を電流値で検出することが可能である。電流値の検出は電流検出手段206で行いこの出力値が任意のしきい値を超えた場合に任意の信号を制御手段6に出力するとともに増幅器202の出力電飾を制限するよう制御する。この構成により送信機の部品数削減が可能になるとともに、制御手段6の処理を軽減できる使い勝手の良い電力増幅手段2が得られる。さらに第4の実施例に対し信号経路に結合器203を有していないため低損失となり、電力増幅器8の省電流化を図ることができる。
 本実施例において、しきい値を増幅器202の異常を示す値として別に設け、電流検出手段206の出力値がこのしきい値を超えた場合に任意の信号を制御手段6に出力するとともに増幅器202の動作を停止するよう制御することにより電力増幅器8の故障検出および破壊防止が可能となる。
 なお、上記実施例の構成において、可変増幅手段1および電力増幅手段2の間にフィルタ等が挿入されても同様の効果が得られることは自明である。
本発明の第1の実施例を示す構成図。 本発明の第1の実施例の制御を説明する図。 本発明の第2の実施例を示す構成図。 本発明の第3の実施例を示す構成図。 本発明の第4の実施例の制御を説明する図。 本発明の第5の実施例を示す構成図。 従来の技術の一例を説明する構成図。 従来の技術における制御の一例を説明する図。 従来の技術の一例を説明する構成図。 従来の技術の一例を説明する構成図。
符号の説明
1…可変増幅手段、2…電力増幅手段、3…アンテナ共用器、4…アンテナ、
5…受信手段、6…制御手段、7…信号発生手段、8…電力増幅器、9…レベル判定手段、201…平滑手段、202…増幅器、203…結合器、204…電力検出手段、205…判別手段、206…電流検出手段。

Claims (11)

  1.  送信電力を可変制御可能な送信機において、利得制御信号に応じて出力電力を制御する可変増幅手段と、該可変増幅手段の出力信号を増幅する電力増幅手段と
    、該電力増幅手段のバイアス条件および上記可変増幅手段の利得を制御する制御手段を具備し、
     該制御手段は、上記電力増幅手段における任意の出力電力を得る上記可変増幅手段の利得および上記電力増幅手段のバイアス条件の組合わせをn個(n>2)の上記電力増幅手段の出力電力に対応付けて記憶し、上記電力増幅手段における所望の出力電力を発生するときに記憶した上記利得制御信号および上記バイアス制御信号の組合わせの中から最適なものを1つ選択し、該選択した組合わせに基づいて上記可変増幅手段および上記電力増幅手段を制御することを特徴とする送信機。
  2.  送信電力を可変制御可能な送信機において、利得制御信号に応じて出力電力を制御する可変増幅手段と、該可変増幅手段の出力信号を増幅する電力増幅手段と
    、該電力増幅手段のバイアス条件および上記可変増幅手段の利得を制御する制御手段を具備し、
     該制御手段は、上記電力増幅手段のバイアス条件を上記電力増幅手段の出力電力あるいは上記可変増幅手段における利得設定値の関数として記憶し、上記電力増幅手段における所望の出力電力を発生するときに記憶した関数を用いて算出されたバイアス制御信号と上記利得制御信号に基づいて上記可変増幅手段および上記電力増幅手段を制御することを特徴とする送信機。
  3.  請求項1乃至2に記載の送信機において、前記制御手段が前記電力増幅手段のバイアス条件を制御する信号としてパルス幅変調(PWM)を用いることを特徴とする送信機。
  4.  請求項3に記載の送信機に適用可能な電力増幅手段において、前記制御手段が出力するパルス幅変調(PWM)信号を平滑する手段を設けたことを特徴とする電力増幅器。
  5.  請求項1乃至3に記載の送信機において、送信電力の制御を自局に設けた受信手段によって検出した受信電界強度に応じて制御することを特徴とした送信機。
  6.  利得制御信号に応じて出力電力を制御する可変増幅手段と、該可変増幅手段の出力信号を増幅する電力増幅手段と、該電力増幅手段のバイアス条件および上記可変増幅手段の利得を制御する信号を発生する信号発生手段を具備した電力増幅器であって、
     上記信号発生器は該電力増幅器外部から印加されるただ1つの制御信号を入力し、該制御信号に応じて上記電力増幅手段のバイアス条件および上記可変増幅手段の利得を制御することを特徴とする電力増幅器。
  7.  請求項6に記載の送信機において、送信電力の制御を自局に設けた受信手段によって検出した受信電界強度に応じて制御することを特徴とした送信機。
  8.  増幅器と該増幅器の出力電力の一部を分離出力する結合器と、該結合器の出力電力値を検出する電力検出手段と、該電力検出手段の出力と任意のしきい値との大小関係を判別する判別手段とを具備する電力増幅器あって、
     上記電力検出手段の出力値が任意のしきい値を超えている場合に上記増幅器の動作を停止あるいは利得を低減するよう制御することを特徴とする電力増幅器。
  9.  請求項8に記載の電力増幅器において、前記電力検出手段の出力値が任意のしきい値を超えている場合に前記増幅器の動作を停止あるいは利得を低減するよう制御するとともに、上記に具備された任意の端子にしきい値を超えたことを示す信号を出力することを特徴とする電力増幅器。
  10.  増幅器と該増幅器の消費電流を検出する電流検出手段と、該電流検出手段の出力と任意のしきい値との大小関係を判別する判別手段とを具備する電力増幅器であって、
     上記電力検出手段の出力値が任意のしきい値を超えている場合に上記増幅器の動作を停止あるいは利得を低減するよう制御することを特徴とする電力増幅器。
  11.  請求項10に記載の電力増幅器において、前記電流検出手段の出力値が任意のしきい値を超えている場合に前記増幅器の動作を停止あるいは利得を低減するよう制御するとともに、上記に具備された任意の端子にしきい値を超えたことを示す信号を出力することを特徴とする電力増幅器。
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