JP2004047038A - Multilayered phase change information recording medium and recording and reproducing method for information using the same - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザなどの光ビームによって情報の記録あるいは再生などを行なうのに用いられる多層相変化型情報記録媒体およびそれを用いた情報の記録再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
CD−RやCD−RWなどの一種である相変化型光ディスク(相変化型情報記録媒体)は、一般的にプラスチックの基板の上に、相変化型材料からなる記録層を設け、その上に、記録層の光吸収率を向上させ、かつ熱拡散効果を有する反射層を形成したものを基本構成とするものであり、基板面側からレーザー光を入射して、情報の記録、再生を行なうものである。
相変化型材料は、レーザー光照射による加熱とその後の冷却によって、結晶状態と非晶質状態の間を相変化し、急速加熱後急冷すると非晶質となり、徐冷すると結晶化するものであり、相変化型情報記録媒体は、この性質を情報の記録と再生に応用したものである。
さらに光照射による加熱によっておこる、記録層の酸化、蒸散あるいは変形を阻止する目的で、通常、基板と記録層の間に第1保護層(第1誘電層ともいう)、および記録層と反射層の間に第2保護層(第2誘電層ともいう)が設けられている。さらに、これらの保護層は、その厚さを調節することによって、記録媒体の光学特性の調節機能を有するものであり、また該第1保護層は、記録層の熱によって基板が軟化するのを防止する機能を併せ持つものである。
近年、コンピューター等で扱う情報量が増加したことによって、DVD−RAM、DVD−RWのような、光ディスクの信号記録容量が増大し、信号情報の高密度化が進んでいる。現在のCDの記録容量は650MB程度で、またDVDは4.7GB程度であるが、今後、さらに高記録密度化の要求が高まることが予想される。
このような相変化型情報記録媒体を用いて高記録密度化するやり方として、例えば使用するレーザー波長を青色光領域まで短波長化すること、あるいは記録再生を行なうピックアップに用いられる対物レンズの開口数を大きくして、光記録媒体に照射されるレーザー光のスポットサイズを小さくすることが提案されているが、満足な結果が得られていない。
【0003】
情報記録媒体自体を改良して記録密度を高めるやり方として、基板の片面側に少なくとも記録層と反射層からなる情報層を2つ重ねて、これら情報層間を紫外線硬化樹脂等で接着して作成される2層相変化型情報記録媒体が、例えば特許第2702905号公報、特開2000−215516号公報、特開2000−222777号公報および特開2001−243655号公報等に、提案されている。
この情報層間の接着部分である分離層(本発明においては中間層という)は、2つの情報層を光学的に分離する機能を有するもので、記録再生に用いるレーザー光がなるべく奥側の情報層に到達する必要があるため、その光をなるべく吸収しないような材料から構成されている。
これらの2層相変化型情報記録媒体は、いずれも第1情報層に特徴部を有するもので、単層相変化型情報記録媒体の場合と同様に、第1保護層と第2保護層が設けられたものである。
【0004】
この2層相変化型情報記録媒体については、たとえばODS2001 Technical Digest P22にもあるように、学会などでも発表されているが、未だ多くの課題が存在している。
例えば、レーザー光照射側から見て手前側にある情報層(第1情報層)をレーザー光が透過しなければ、奥側にある情報層(第2情報層)の記録層に情報を記録しそれを再生できないために、第1情報層を構成するAgとかAlのような材料で構成される反射層をなくすか、第1情報層を構成する記録層を極薄にすることが考えられる。
相変化型情報記録媒体による記録は、記録層の相変化型材料にレーザー光を照射させて急冷することによって、結晶を非晶質に変化させてマークを形成して行なわれるため、反射層をなくすかもしくは10nm程度と非常に薄くすると、熱拡散が小さくなるために、非晶質マークを形成することが困難になってしまう。特にCD−RWなどの相変化型情報記録媒体に一般的に用いられている材料の1つであるSb−Te共晶系記録材料は、Ge−Sb−Te化合物系記録材料とは比べて、消去比が優れ、また、高感度であるために記録マークのアモルファス部の輪郭が明確であるという点で優れたものとして知られている。
しかしながら、Sb−Te共晶系記録材料は、Ge−Sb−Te化合物系記録材料に比べて材料の結晶化速度が速いので、非晶質化するには、より単時間で急冷しなければならず、すなわち急冷構造をとることが必要な材料であり、反射層の薄い構造では、マーク形成が困難になる。
比較的熱伝導率の大きく光吸収率の小さな窒化物あるいは炭化物等を用いて、反射層が担っていた熱拡散機能を補助する層(熱拡散層という)を反射層の上にさらに設けるやり方が、単層相変化型情報記録媒体に関する特開平8−50739号公報などおよび2層相変化型情報記録媒体に関する特開2000−222777号公報などに提案されており、このやり方は第1情報層を構成する反射層を薄くした場合に発生する前記のような欠点を解消するのに有効な方法であると考えられる。
【0005】
これらの公報には、熱拡散補助層の材料として、比較的熱伝導率の大きく光吸収率の小さなAl−N、Si−C、Al−N−Oなどの窒化物、炭化物または酸化物を用いる技術が開示されているが、これらの材料は応力が大きいために、形成された熱拡散層はクラックが生じやすく、その結果熱拡散層を設けた光ディスク自体充分なオーバーライト特性が得らないという問題が発生している。
また、本発明者等は、熱拡散補助層としてITO(酸化インジウム−酸化スズ)膜を用いると、オーバーライト特性が飛躍的に向上するが、ITOは500nm以下の波長では吸収率が増大するため、400nm程度のレーザー光では、奥側の情報層の記録再生が困難になるという新たな問題を認識した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、反射層が薄い場合でも、冷却効果が得られ、オーバーライト特性の優れた多層相変化型光記録媒体とそれを用いた情報の記録再生方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、本発明の(1)「光の入射によって、結晶状態と非晶質状態との相変化によって情報を記録しうる記録層を有する情報層を2層以上有する光情報記録媒体において、光が入射される側からみて、最も奥側に形成された情報層以外の、少なくとも1層の情報層が、第1保護層、記録層、第2保護層、反射層、熱拡散層の順からなり、熱拡散層が、酸化スズを主体とし、少なくとも酸化アンチモンが含まれていることを特徴とする多層相変化型情報記録媒体」、(2)「前記熱拡散層には、酸化アンチモンが1〜10重量%含有されていることを特徴とする前記第(1)項に記載の多層相変化型情報記録媒体」、(3)「前記熱拡散層の厚さが20〜200nmであることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の多層相変化型情報記録媒体」、(4)「前記記録層が、Sb、Teを主体とし、Ag、In、Ge、Se、Sn、Al、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Pd、Pt、Au、S、B、C、Pの少なくとも1種を含むことを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の多層相変化型情報記録媒体」、(5)「前記記録層の厚さが、3〜15nmであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の多層相変化型情報記録媒体」、(6)「前記反射層が、Au、Ag、Cu、W、Al、Taの少なくとも1種を主成分とする前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載の多層相変化型情報記録媒体」、(7)「前記反射層の厚さが、3〜20nmであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載の多層相変化型情報記録媒体」、(8)「第1基板上に、少なくとも第1情報層、中間層、第2情報層、第2基板をこの順に備え、第1情報層が、第1基板に近い側から順に第1保護層、記録層、第2保護層、反射層、熱拡散層の順に備えた多層膜からなり、第1基板側から光を入射させたときの第1情報層の光透過率が40〜70%であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項のいずれかに記載の2層相変化型情報記録媒体」、(9)「情報が記録されたことを特徴とする前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載の多層相変化型情報記録媒体」によって解決される。
また、上記課題は、本発明の(10)「前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載の多層相変化型情報記録媒体に第1基板側から光ビームを入射させて、情報を記録する方法」、(11)「前記第(9)項に記載の情報が記録された多層相変化型情報記録媒体に第1基板側から光ビームを入射させて、情報を再生する方法」によって解決される。
【0008】
すなわち、本発明の多層相変化型情報記録媒体は、第1基板と第2基板の間に複数の情報層が設けられ、該情報層が光照射によって結晶状態と非晶質状態との間を相変化する材料からなる記録層を有し、かつ各情報層の間に中間層を設けてなる、情報の記録再生が可能な多層相変化型情報記録媒体であって、記録再生のために光が入射される側からみて、最も奥側に形成された情報層以外の、少なくとも1つの情報層が、第1基板側から順に第1保護層、記録層、第2保護層、反射層および熱拡散層で構成され、熱拡散層が酸化スズを主体とし少なくとも酸化アンチモンが含まれていることを特徴とするものである。
第1保護層、相変化型材料からなる記録層、第2保護層および反射層については、従来公知の技術が適用可能であるが、本発明の多層相変化型情報記録媒体の特徴とするところは、熱拡散層に特定な材料を用いたことによって発明の前記課題を解決できたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わる光記録媒体について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係わる2層情報記録媒体の概略断面図である。第1基板(3)の上に、第1情報層(1)、中間層(4)、第2情報層(2)、第2基板(5)を順次蓄積した構造からなるものである。
第1情報層(1)は、第1保護層(11)、記録層(12)、第2保護層(13)、反射層(14)、熱拡散層(15)からなり、第2情報層(2)は、第1保護層(21)、記録層(22)、第2保護層(23)、反射層(24)からなる。なお、本発明の第1情報層(1)および第2情報層(2)は、上記層構成になんら限定されるものではない。
また、図2に、本発明の他の実施形態に係わる2層情報記録媒体の概略断面図を示す。この場合は、光透過層(6)が図1の第1基板(3)より厚さの薄いシート状物が用いられ、製法が相違するものである。
【0010】
第1基板(3)は、記録再生のために照射する光を透過するものであることが必要であり、当該技術分野において従来知られているものが適用される。
その材料としては、通常ガラス、セラミックスあるいは樹脂等が用いられるが、特に樹脂が成形性、コストの点で好適である。
樹脂としては、例えばポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられるが、成形性、光学特性、コストの点で優れるポリカーボネート樹脂やポリメチルメタクリレート(PMMA)などのアクリル系樹脂が好ましい。
第1基板(3)の膜を形成する面には、レーザー光のトラッキング用のスパイラル状または同心円状の溝などであって、通常グルーブ部およびランド部と称される凹凸パターンが形成されたものであることが好ましく、これは通常射出成形法またはフォトポリマー法などによって成型される。また第1基板(3)の厚さは特に限定されないが、0.05〜1.2mm程度が好ましい。
【0011】
第2基板(5)、基板(7)の材料としては、第1基板(3)と同様の材料を用いても良いが、記録再生光に対して不透明な材料を用いても良く、第1基板(3)とは、材質、厚さ、溝形状が異なっても良い。
【0012】
光透過層(6)、中間層(4)の材料は、通常ガラス、セラミックスあるいは樹脂であり、樹脂基板が成形性、コストの点で好適である。樹脂の例としてはポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられるが、成形性、光学特性、コストの点で優れるポリカーボネート樹脂やポリメチルメタクリレート(PMMA)などのアクリル系樹脂が好ましく、紫外線硬化型樹脂を用いることもできる。
光透過層(6)あるいは中間層(4)には、第1基板(3)と同様な、射出成形またはフォトポリマー法などによって成形される、グルーブ、案内溝などの凹凸パターンが形成されたものでよい。
光透過層(6)の厚さは特に限定されないが、0.05〜0.4mm程度が好ましい。
また、中間層(4)は、記録再生を行なう際に、ピックアップが第1情報層と第2情報層とを識別して光学的に分離可能とするものであり、その厚さは10〜50μmが好ましい。10μmより薄いと、層間クロストークが生じ、また50μmより厚いと、第2情報記録層を記録再生する際に、球面収差が発生し、記録再生が困難になる傾向がある。
【0013】
記録層(12)と(22)の材料としては、光照射による加熱と冷却によって、結晶と非晶質の間を層変化する材料から構成され、特に限定的ではなく、当該技術分野において従来知られているものが適用される。
例えば、Ge−Te系、Ge−Te−Sb系、Ge−Sn−Te系などのカルコゲン系合金、およびSb−Te共晶系材料薄膜を挙げることができるが、記録(非晶質化)感度・速度、及び消去比の点で、Sb−Te共晶系材料が特に好ましい。
これらの記録層材料にはさらなる性能向上、信頼性向上などを目的にAg、In、Ge、Se、Sn、Al、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Pd、Pt、Au、S、B、C、Pなど他の元素や不純物を添加することができる。
これらの記録層は、各種気相成長法、たとえば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できるが、なかでも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
記録層(12)の厚さは、とくに限定されないが、3〜15nmであることが好ましい。3nm以下だと、均一な膜にするのが困難となる傾向があり、15nm以上だと、透過率が低下してしまう傾向がある。
【0014】
反射層の材料としてAg系は、たとえばISOM2001 Technical Digest P202に記載されているように、青色波長領域でも屈折率nが0.5以下と小さく光吸収を小さく抑えることができるため、多層相変化型情報記録媒体に従来から好ましい材料として知られている。
反射層(14)、(24)は、入射光を効率良く使い、冷却速度を向上させて非晶質化しやすくするなどの機能を有するものであり、そのために通常熱伝導率の高い金属が用いられ、たとえば、Au、Ag、Cu、W、Al、Taなど、またはそれらの合金などを用いることができる。また、添加元素としては、Cr、Ti、Si、Pd、Ta、Ndなどが使用される。
中でもAg系材料は、青色波長領域でも屈折率が小さくnが0.5以下で、光吸収を小さく抑えることができるので、本発明のような多層の情報記録媒体の、特に第1情報層の反射層に用いる材料として好ましいものである。
このような反射層は、各種気相成長法、たとえば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
第1情報層(1)は高い透過率が必要とされるため、反射層(15)は、屈折率の低く、熱伝導率の高いAgまたはその合金を用いることが好ましく、また厚さは、3〜20nm程度であることが好ましい。3nm未満にすると、厚さが均一で緻密な膜を作ることが困難になる。20nmより厚いと、透過率が減少し、第2情報層(2)の記録再生が困難になる。
また、第2情報層(2)を構成する反射層(24)は、50〜200nm、好適には80〜150nmとするのがよい。50nm未満になると繰り返し記録特性が低下し、200nmより厚くなると感度の低下を生じる傾向があるので、好ましくない。
【0015】
第1保護層(11)と(21)および第2保護層(13)と(23)の機能と材質は、単層相変化型情報記録媒体の場合と同様であり、記録層(12)と(22)の劣化変質を防ぎ、接着強度を高め、かつ記録特性を高めるなどの作用を有するものであり、SiO、SiO2、ZnO、SnO2、Al2O3、TiO2、In2O3、MgO、ZrO2などの金属酸化物、Si3N4、AlN、TiN、ZrNなどの窒化物、ZnS、In2S3、TaS4などの硫化物、SiC、TaC、B4C、WC、TiC、ZrCなどの炭化物やダイヤモンドライクカーボンあるいは、それらの混合物が挙げられる。
これらの材料は、単体で保護層とすることもできるが、互いの混合物としてもよい。また、必要に応じて不純物を含んでもよい。保護層の融点は記録層よりも高いことが必要である。具体的には、ZnSとSiO2との混合物が最も好ましいと考えられている。
このような保護層は、各種気相成長法、たとえば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。なかでも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
第1保護層(11)と(21)の厚さは、60〜200nmであることが好ましい。60nm未満であると、記録時の熱によって、基板または光透過層が変形してしまう恐れがある。200nmより厚いと、量産性に問題が生じてくる傾向がある。これらの範囲で、最適な反射率になるように、膜厚の設計を行なう。
また、第2保護層(13)と(23)の膜厚は、3〜40nmであることが好ましい。3nm未満になると記録感度が低下し、40nmより厚くなると放熱効果が得られなくなる傾向がある。
【0016】
熱拡散層(16)としては、レーザー照射された記録層を急冷させるために、熱伝導率が大きいことが望まれる。また、奥側の情報層がを記録再生できるよう、レーザー波長での吸収率が小さいことも望まれる。これらの特性を満たし、放熱層として優れた特性を持つ材料を検討した結果、酸化スズを主体とし、少なくとも酸化アンチモンが含まれている材料が最適であることを本発明者らは見出した。熱伝導率が大きく透過率も大きく、かつ内部応力の小さな材料として、ITO(酸化錫ドープ酸化インジウム)が挙げられるが、ITOは500nm以下の波長の光に対しては吸収率が大きくなるといった問題がある。
【0017】
図3に、本発明に係わる熱拡散層単膜(実線)と、ITOからなる薄膜(点線)の光吸収率の波長依存性を示す。サンプルは、Balzers社製枚葉スパッタ装置を用いて、厚さ0.6mmのガラス基板上にそれぞれ本発明に関わる熱拡散層((SnO2)95(Sb2O3)5)とITO((In2O3)90(SnO2)10)を200nmの厚さで成膜したものを用意し、SHIMADZU製分光光度計を用いて波長400〜800nmでの吸収率を測定した。
図から明らかなように、400nm程度の波長では、本発明に係わる熱拡散層の方が、吸収率が小さいことがわかる。酸化アンチモンは、1〜10重量%含まれていることが好ましい。これより少ない、若しくは多いと熱伝導率および透過率が低下してしまう。また、更なる特性の向上、信頼性の向上などを目的に他の元素を添加することができる。これらの添加元素は、0.1〜5重量%含まれているのが好ましい。これより少ないと、効果が得られなくなる。多いと吸収係数が大きくなり、透過率が減少してしまうなどの問題が生じてしまう。
ただし、光が入射される側からみて、最も奥側に形成された情報層については、反射層を厚く形成すれば熱拡散層を設ける必要はない。熱拡散層を設けた場合でも、光透過率に調整はさほど必要がないので、熱拡散層の材料として、必ずしも「酸化スズを主体とし、これに少なくとも酸化アンチモンを含む」ものである必要はなく、熱拡散層として従来から用いられている次のようなものを使用することができる。
窒化物、酸化物、硫化物、窒酸化物、炭化物、弗化物の少なくとも1種を含む、例えば、AlN、Al2O3、SiC、SiN、ITO(酸化インジウム−酸化スズ)、DLC(ダイアモンドライクカーボン)、BNなどが挙げられるが、ITOが最も好ましいと考えている。
このような熱拡散層は、各種気相成長法、たとえば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。なかでも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
熱拡散層(16)の膜厚は、20〜200nmが好ましい。20nmより薄いと、放熱効果が得られなくなる。200nmより厚いと、量産性に問題が生じる。
【0018】
また、本発明の2層相変化型情報記録媒体の第1情報層(1)は、記録・再生に用いるレーザー光波長での光透過率は40〜70%であるのが好ましい。さらには45%〜60%以下であるのが好ましい。初期化後に、記録を行なった2層相変化型情報記録媒体では、記録層がアモルファス状態である面積が結晶状態である面積よりも小さいので、アモルファスでの光透過率は結晶状態での光透過率よりも小さくても構わない。
【0019】
以下、本発明の相変化型情報記録媒体の製造方法について説明する。
本発明の2層相変化型情報記録媒体の製造方法のひとつは、成膜工程、初期化工程、密着工程からなり、基本的にはこの順に各工程を行なう。
成膜工程としては、第1基板(3)のグルーブが設けられた面に第1情報層(1)を形成したものと、第2基板(5)のグルーブが設けられた面に第2情報層(2)を形成したものを別途作成する。
第1情報層(1)、第2情報層(2)のそれぞれを構成する各層は、各種気相成長法、たとえば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成される。
中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。スパッタリング法は、一般にアルゴンなどの不活性ガスを流しながら成膜を行なうが、その際、酸素、窒素などを混入させながら、反応スパッタリングさせてもよい。
【0020】
初期化工程として、第1情報層(1)、第2情報層(2)に対して、レーザー光などのエネルギー光を出射することにより全面を初期化、すなわち記録層を結晶化させる。
初期化工程の際にレーザー光エネルギーにより膜が浮いてきてしまうおそれがある場合には、初期化工程の前に、第1情報層および第2情報層の上に、UV樹脂などをスピンコートし紫外線を照射して硬化させ、オーバーコートを施しても良い。
また、次の密着工程を先に行なった後に、第1基板側から、第1情報層、第2情報層を初期化させても構わない。
【0021】
次に、以上のようにして初期化された、第1基板(3)の面上に第1情報層(1)を形成したものと、第2基板(5)の面上に第2情報層(2)を形成したものとを、第1情報層(1)と第2情報層(2)とを向かい合わせながら、中間層(4)を介して貼り合わせる。
例えば、いずれか一方の膜面に紫外線硬化性樹脂を塗布し、膜面同士を向かい合わせて両基板を加圧、密着させた上で、紫外線を照射して樹脂を硬化させることができる。
【0022】
また、本発明の、図2に示されるような、2層相変化型情報記録媒体を製造するための、第1成膜工程、中間層形成工程、第2成膜工程、光透過層形成工程および初期化工程の順の各工程から基本的になる他の方法について、説明する。
第1成膜工程として、基板(7)上の案内溝の設けられた面に第2情報層(2)を成膜する。成膜方法は、前述の通りである。
中間層形成工程として、第2情報層(2)上に案内溝を有する中間層(4)を形成する。例えば、第2情報層(2)上に紫外線硬化性樹脂を全面に塗布し、紫外線を透過することのできる材料でつくられたスタンパを押し当てたまま紫外線を照射して硬化させて、溝を形成することができる。
第2成膜工程として、中間層(4)上に第1情報層(1)を成膜する。成膜方法は、前述の通りである。
光透過層工程として、第1情報層(1)上に、光透過層(6)を形成する。例えば、紫外線硬化性樹脂を塗布し、紫外線を照射して硬化させて光透過層とすることができるが、膜厚むらの問題があることから、光透過フィルムと基板とを、紫外線硬化性樹脂で貼り合わせて光透過層を形成してもよい。
初期化工程として、光透過層(6)側から、第1情報層(1)、第2情報層(2)に対して、レーザー光などのエネルギー光を出射することにより全面を初期化、すなわち記録層を結晶化させる。第2情報層(2)に対しては、中間層(4)形成工程直後に初期化を行なってもなんら問題はない。
【0023】
さらに、図4に示されるような、3つの情報層を有する相変化型情報記録媒体の製造は、つぎのような工程順で行なわれる。
第1成膜工程(第1基板に第1情報層、第2基板に第3情報層を成膜)→中間層形成工程(第2基板の第3情報層の上に中間層を形成する)→第2成膜工程(第2基板の中間層の上に第2情報層を成膜)→密着工程(第1基板と第2基板を第1情報層と第2情報層を向かい合わせながら、中間層を介して貼り合わせる)→初期化工程
なお初期化工程は、各情報層を成膜した直後でもよい。
【0024】
次に、図5に示されるような、3つの情報層を有する相変化型情報記録媒体の製造は、つぎのような工程順で行なわれる。
第1成膜工程(第3情報層を成膜)→第1中間層形成工程(第2中間層を形成)→第2成膜工程(第2情報層を成膜)→第2中間層形成工程(第1中間層を形成)→第3成膜工程(第1情報層を成膜)→光透過層形成工程→初期化工程
なお、初期化工程は、第3情報層は第1成膜工程後または第2中間層形成直後、第2情報層は第2成膜工程後または第1中間層形成直後、第1情報層は第3成膜工程後でもよい。
【0025】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例になんら限定されるものではない。
[実施例1、比較例1]
予備実験として、ガラス基板上に実施例1で熱拡散層に用いられる(SnO2)95(Sb2O3)5)のターゲットと比較例1で熱拡散層に用いられるITOターゲットをそれぞれスパッタし、200nm程度の膜を設けた。その際、ArとO2の混合ガスをスパッタガスとして、Arガス流量を一定にしたままO2ガス流量を変えながらスパッタを行ない、薄膜の電気抵抗率が最も低くなるO2ガス流量を求めた。
直径12cm、厚さ0.6mmで表面に連続溝によるトラッキングガイドの凹凸を持つポリカーボネート樹脂からなる第1基板上にZnS・SiO2からなる第1保護層130nm、Ge4Ag1In3Sb70Te22からなる記録層6nm、ZnS・SiO2からなる第2保護層15nm、Ag−Pd−Cuからなる反射層10nm、熱拡散層120nmの順にArガス雰囲気中のスパッタ法で製膜した。熱拡散層は、実施例1に関しては(SnO2)95(Sb2O3)5)、比較例1に関してはITOを材料とした。
また、熱拡散層の成膜は、予備実験で求めた流量のArとO2の混合ガスを用いた。また、同様の基板を第2基板として、第2基板上にAl−Tiからなる反射層を120nm、ZnS・SiO2からなる第2保護層20nm、Ge4Ag1In3Sb70Te22からなる記録層12nm、ZnS・SiO2からなる第1保護膜130nmの順にArガス雰囲気中のスパッタ法で製膜した。ここで、第1情報層の波長405nmにおける光透過率を第1基板側から測定した。
次に、第1情報層、第2情報層に対して、それぞれ第1基板側、第2情報層膜面側からレーザー光を照射させ、初期化処理を行なった。ここでまた、第1情報層の波長405nmにおける光透過率を測定した。
次に、第1情報層の膜面上に紫外線硬化樹脂を塗布し、第2基板の第2情報層面側を貼り合わせてスピンコートし、第1基板側から紫外線光を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させて中間層とし、2つの情報層を有する2層相変化型情報記録媒体を作成した。
実施例1の第1情報層と、比較例1の第1情報層の光透過率を比較したところ、結晶状態ではそれぞれ54%、43%となり、本発明による熱拡散層は透過率が高く、第1情報層に適していることがわかった。
また、作成された各ディスクについて下記条件で記録した。
レーザー波長:405nm
NA=0.65
線速:6.0m/s
トラックピッチ:0.40μm
線密度0.18μm/bitでの第1情報層、第2情報層のジッター、および1000回オーバーライト後の第1情報層、第2情報層のジッターを測定した。
実施例1の光ディスクは、第1情報層の透過率が比較例1の光ディスクよりも高いため、第2情報層の記録感度が優れ、ジッター値も低く、記録特性が良好であることがわかった。
【0026】
[実施例2〜4、比較例2]
熱拡散層に、表1に示した組成の材料を用いた以外は実施例1と同様にして、2層相変化型情報記録媒体を作成した。
作成された各ディスクについて下記条件で記録した。
レーザー波長:405nm
NA=0.65
線速:6.0m/s
トラックピッチ:0.40μm
線密度0.18μm/bitでの第1情報層、第2情報層のジッター、および1000回オーバーライト後の第1情報層、第2情報層のジッターを測定した。各メディアの結果を表1に示す。表より、熱拡散層に酸化スズを主体とし、酸化アンチモンが含まれている材料を用いた光ディスクは、透過率が大きいために第2情報層の記録特性が良好であることがわかった。また、第1情報層の記録特性も良好であるが、これは、酸化スズを主体とし、酸化アンチモンが含まれている材料が、熱伝導率が大きいためだと思われる。熱拡散層に酸化アンチモンが含まれていない場合(比較例2)、第1情報層の透過率は熱拡散層にITOを用いた場合(比較例1)に比べて高いものの、第1情報層のオーバーライト後のジッターが高く、光ディスクの特性としてはよくない。これは、酸化アンチモンが含まれていないと、含まれている場合と比べて熱伝導率が低いことに寄与していると考えられる。一方、酸化アンチモンの含量が20%の場合(実施例4)も、第1情報層のオーバーライト後のジッターが大きくなっていて、光ディスクの特性としてはよくない。また、透過率も50%以下と小さくなっている。酸化アンチモンの含量が多すぎると、透過率、熱伝導率ともに小さくなる傾向にあるようである。以上のことから、熱拡散層には、酸化アンチモンが1〜10重量%含まれていることが好ましいことがわかった。
また、その他の試作実験からも、第1情報層の記録層膜厚が3〜15nm、反射層が3〜20nm、熱拡散層が20〜200nmの範囲であると、第1情報層、第2情報層ともに良好な記録再生ができ、また、第2情報層を良好に記録再生するためには、第1情報層の透過率が40%以上必要であることが確認された。
【0027】
[実施例5]
実施例5として、直径12cm、厚さ1.1mmで表面に連続溝によるトラッキングガイドの凹凸を持つポリカーボネート樹脂からなる基板上にAl−Tiからなる反射層を120nm、ZnS・SiO2からなる第2保護層20nm、Ge4Ag1In3Sb70Te22からなる記録層12nm、ZnS・SiO2からなる第1保護膜130nmの順にArガス雰囲気中のスパッタ法で製膜し、第2情報層を形成した。
このようにして形成した第2情報層上に、2P(photo polymerization)法によって、連続溝によるトラッキングガイドの凹凸を持つ透明層を形成した。透明層の厚さは30μmである。
さらにその上に実施例1と同様のターゲットを用いて熱拡散層120nmを設け、Ag−Pd−Cuからなる反射層10nm、ZnS・SiO2からなる第2保護層15nm、Ge4Ag1In3Sb70Te22からなる記録層6nm、ZnS・SiO2からなる第1保護層130nm、の順にArガス雰囲気中のスパッタ法で製膜し、第1情報層を形成した。熱拡散層に関しては、ArとO2の混合ガスをスパッタガスとし、熱伝導率、透過率が大きくなるArガスとO2ガスの比で成膜を行なった。
さらに第1情報層膜面上に直径12cm、厚さ50μmのポリカーボネートフィルムを、45μmの厚さの両面粘着シートを介して貼り合わせて光透過層とし、2層相変化型情報記録媒体を作成した。ついで、大口径の半導体レーザーを有する初期化装置によって、ディスクの記録層の初期化処理を行なった。
また、これとは別に、厚さ1.1mmの基板に第1情報層と光透過層を同様に設け、初期化前後の光透過層を測定した。
本実施例の第1情報層の初期化前の透過率は49%、初期化後は54%であった。
作成されたそれぞれのメディアについて下記条件で記録した。
レーザー波長:405nm
NA=0.85
線速:6.5m/s
トラックピッチ:0.32μm
線密度0.16μm/bitでの第1情報層、第2情報層のジッター、および1000回オーバーライト後の第1情報層、第2情報層のジッターを測定したところ、第1情報層、第2情報層ともに良好に記録再生を行なうことができた。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】
以上、詳細且つ具体多岐な説明より明らかなように、本発明の請求項1によれば、熱拡散層に酸化スズを主体とし、少なくとも酸化アンチモンが含まれている材料を用いることで、熱伝導率が高く、かつ400nm波長での透過率が高いので、記録特性の良好な多層相変化型情報記録媒体を提供することができる。また、本発明の請求項2〜3によれば、オーバーライト特性の優れた多層相変化型情報記録媒体を提供することができる。また、本発明の請求項4〜7によれば、レーザー入射側の情報層の透過率を高くできるため、全情報層の記録再生特性の優れた多層相変化型情報記録媒体を提供することができる。また、本発明の請求項8によれば、第1情報層、第2情報層ともに感度がよく、記録再生特性の優れた2層相変化型情報記録媒体を提供することができる。また、本発明の請求項9〜11によれば、オーバーライト特性が優れた多層相変化型情報記録媒体を用いた大容量の記録再生を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の2層情報記録媒体の一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の2層情報記録媒体の他の例を示す概略断面図である。
【図3】本発明に係わる熱拡散層単膜と、ITOからなる薄膜の光吸収率の波長依存性を示した図である。
【図4】本発明の一実施形態に係わる3層情報記録媒体の概略断面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係わる他の例の3層情報記録媒体の概略断面図である。
【符号の説明】
1 第1情報層
2 第2情報層
3 第1基板
4 中間層
5 第2基板
6 光透過層
7 基板
11 第1保護層
12 記録層
13 第2保護層
14 反射層
15 熱拡散層
21 第1保護層
22 記録層
23 第2保護層
24 反射層[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a multilayer phase change information recording medium used for recording or reproducing information by a light beam such as a laser, and an information recording / reproducing method using the same.
[0002]
[Prior art]
A phase change type optical disc (phase change type information recording medium) which is a kind of CD-R or CD-RW is generally provided with a recording layer made of a phase change type material on a plastic substrate, on which a recording layer is formed. The recording layer has a light absorption rate improved and a reflective layer having a thermal diffusion effect is formed as a basic structure, and laser light is incident from the substrate surface side to record and reproduce information. Is.
Phase change materials change between a crystalline state and an amorphous state by heating with laser light irradiation and subsequent cooling, become amorphous when rapidly cooled after rapid heating, and crystallize when cooled slowly. The phase change type information recording medium applies this property to information recording and reproduction.
Further, for the purpose of preventing oxidation, transpiration or deformation of the recording layer caused by heating by light irradiation, a first protective layer (also referred to as a first dielectric layer), and a recording layer and a reflective layer are usually provided between the substrate and the recording layer. A second protective layer (also referred to as a second dielectric layer) is provided therebetween. Further, these protective layers have a function of adjusting the optical characteristics of the recording medium by adjusting the thickness thereof, and the first protective layer prevents the substrate from being softened by the heat of the recording layer. It also has a function to prevent.
In recent years, as the amount of information handled by computers and the like has increased, the signal recording capacity of optical discs such as DVD-RAM and DVD-RW has increased, and the density of signal information has been increasing. The current CD recording capacity is about 650 MB, and the DVD is about 4.7 GB. However, it is expected that the demand for higher recording density will increase in the future.
As a method of increasing the recording density using such a phase change information recording medium, for example, the laser wavelength used is shortened to the blue light region, or the numerical aperture of an objective lens used for a pickup for recording / reproducing is used. Has been proposed to reduce the spot size of the laser light irradiated to the optical recording medium, but satisfactory results have not been obtained.
[0003]
As a method of improving the recording density by improving the information recording medium itself, it is created by stacking at least two information layers consisting of a recording layer and a reflective layer on one side of the substrate and bonding these information layers with an ultraviolet curable resin or the like. For example, Japanese Patent No. 2702905, Japanese Patent Application Laid-Open No. 2000-215516, Japanese Patent Application Laid-Open No. 2000-222777, and Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-243655 have been proposed.
The separation layer (referred to as an intermediate layer in the present invention), which is an adhesive portion between the information layers, has a function of optically separating the two information layers, and the laser beam used for recording and reproduction is as far as possible from the information layer. Therefore, it is made of a material that absorbs as little light as possible.
Each of these two-layer phase change information recording media has a characteristic portion in the first information layer. As in the case of the single-layer phase change information recording medium, the first protective layer and the second protective layer include It is provided.
[0004]
This two-layer phase change type information recording medium has been announced at academic conferences as described in, for example, ODS2001 Technical Digest P22, but still has many problems.
For example, if the laser light does not pass through the information layer (first information layer) on the front side when viewed from the laser light irradiation side, information is recorded on the recording layer of the information layer (second information layer) on the back side. Since it cannot be reproduced, it is conceivable to eliminate the reflective layer made of a material such as Ag or Al constituting the first information layer, or to make the recording layer constituting the first information layer extremely thin.
Recording with the phase change information recording medium is performed by irradiating the phase change material of the recording layer with laser light and rapidly cooling it to change the crystal to amorphous to form a mark. If it is eliminated or very thin, such as about 10 nm, thermal diffusion becomes small, and it becomes difficult to form an amorphous mark. In particular, an Sb—Te eutectic recording material, which is one of materials generally used for phase change information recording media such as CD-RW, is different from a Ge—Sb—Te compound recording material. It is known to be excellent in that the erasure ratio is excellent and the contour of the amorphous part of the recording mark is clear because of its high sensitivity.
However, since the Sb—Te eutectic recording material has a higher crystallization speed than the Ge—Sb—Te compound recording material, it needs to be rapidly cooled in a single hour to become amorphous. In other words, it is a material that needs to have a rapid cooling structure, and a mark having a thin reflective layer is difficult to form.
A method of further providing a layer (referred to as a thermal diffusion layer) that assists the thermal diffusion function that the reflective layer has performed on the reflective layer using nitride or carbide having a relatively high thermal conductivity and a small light absorption rate. JP-A-8-50739 related to a single-layer phase change information recording medium and JP-A-2000-222777 related to a two-layer phase change information recording medium have been proposed. It is considered that this is an effective method for solving the above-described drawbacks that occur when the reflective layer to be formed is thinned.
[0005]
In these publications, nitrides, carbides, or oxides such as Al—N, Si—C, and Al—N—O having a relatively high thermal conductivity and a small light absorption rate are used as the material for the thermal diffusion auxiliary layer. Although the technology is disclosed, since these materials have a large stress, the formed thermal diffusion layer is likely to crack, and as a result, the optical disk provided with the thermal diffusion layer itself does not have sufficient overwrite characteristics. There is a problem.
In addition, when the present inventors use an ITO (indium oxide-tin oxide) film as a thermal diffusion auxiliary layer, the overwrite characteristics are dramatically improved. However, ITO has an increased absorption rate at a wavelength of 500 nm or less. The laser beam of about 400 nm recognized a new problem that recording and reproduction of the information layer on the back side became difficult.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
SUMMARY OF THE INVENTION An object of the present invention is to provide a multilayer phase change optical recording medium having a cooling effect and excellent overwrite characteristics even when the reflective layer is thin, and an information recording / reproducing method using the same.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The above-described problem is (1) in an optical information recording medium having two or more information layers having a recording layer capable of recording information by phase change between a crystalline state and an amorphous state by the incidence of light. When viewed from the light incident side, at least one information layer other than the information layer formed on the innermost side is in the order of the first protective layer, the recording layer, the second protective layer, the reflective layer, and the thermal diffusion layer. And a thermal diffusion layer comprising tin oxide as a main component and containing at least antimony oxide ”, (2)“ antimony oxide is contained in the thermal diffusion layer ” The multilayer phase change information recording medium as described in (1) above, wherein the thickness of the thermal diffusion layer is from 20 to 200 nm. The multilayer phase according to item (1) or (2), characterized in that (4) “The recording layer is mainly composed of Sb and Te, Ag, In, Ge, Se, Sn, Al, Ti, V, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn , Ga, Pd, Pt, Au, S, B, C, and P. The multilayer phase change information according to any one of (1) to (3), Recording medium ", (5)" Multilayer phase change information recording according to any one of items (1) to (4), wherein the recording layer has a thickness of 3 to 15 nm " Medium ”, (6)“ The reflective layer according to any one of the items (1) to (5), wherein the reflective layer is mainly composed of at least one of Au, Ag, Cu, W, Al, and Ta. Multilayer phase change information recording medium ”, (7)“ Thickness of the reflective layer is 3 to 20 nm. (1) To the multilayer phase change information recording medium according to any one of items (6) to (8), “at least a first information layer, an intermediate layer, a second information layer, and a second substrate are formed on the first substrate. The first information layer is formed of a multilayer film including a first protective layer, a recording layer, a second protective layer, a reflective layer, and a heat diffusion layer in order from the side closer to the first substrate. The two-layer phase change type according to any one of (1) to (7), wherein the light transmittance of the first information layer when light is incident is 40 to 70% Information recording medium ”, (9)“ Multilayer phase change information recording medium according to any one of items (1) to (8), wherein information is recorded ”is solved.
In addition, the above-described problem is solved by causing a light beam to be incident from the first substrate side on the multilayer phase change information recording medium according to any one of (10) and “(1) to (8)” of the present invention. , Method of recording information ”, (11)“ Reproducing information by injecting a light beam from the first substrate side into the multilayer phase change information recording medium on which the information described in item (9) is recorded ”. Solved by "method".
[0008]
That is, in the multilayer phase change information recording medium of the present invention, a plurality of information layers are provided between the first substrate and the second substrate, and the information layer is exposed between the crystalline state and the amorphous state by light irradiation. A multilayer phase change information recording medium capable of recording / reproducing information, having a recording layer made of a phase-change material and having an intermediate layer between each information layer. At least one information layer other than the information layer formed on the farthest side as viewed from the side on which the light enters, in order from the first substrate side, the first protective layer, the recording layer, the second protective layer, the reflective layer, and the heat The heat diffusion layer is mainly composed of tin oxide and contains at least antimony oxide.
Conventionally known techniques can be applied to the first protective layer, the recording layer made of the phase change material, the second protective layer, and the reflective layer. However, this is a feature of the multilayer phase change information recording medium of the present invention. Has solved the above-mentioned problems of the invention by using a specific material for the thermal diffusion layer.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The optical recording medium according to the present invention will be described in detail below.
FIG. 1 is a schematic cross-sectional view of a two-layer information recording medium according to an embodiment of the present invention. The first information layer (1), the intermediate layer (4), the second information layer (2), and the second substrate (5) are sequentially accumulated on the first substrate (3).
The first information layer (1) includes a first protective layer (11), a recording layer (12), a second protective layer (13), a reflective layer (14), and a thermal diffusion layer (15). (2) includes a first protective layer (21), a recording layer (22), a second protective layer (23), and a reflective layer (24). The first information layer (1) and the second information layer (2) of the present invention are not limited to the above layer configuration.
FIG. 2 is a schematic sectional view of a two-layer information recording medium according to another embodiment of the present invention. In this case, a sheet-like material having a light transmission layer (6) thinner than the first substrate (3) in FIG. 1 is used, and the manufacturing method is different.
[0010]
The first substrate (3) is required to transmit light irradiated for recording and reproduction, and those conventionally known in the technical field are applied.
As the material, glass, ceramics, resin or the like is usually used, and resin is particularly preferable in terms of moldability and cost.
Examples of the resin include polycarbonate resin, acrylic resin, epoxy resin, polystyrene resin, acrylonitrile-styrene copolymer resin, polyethylene resin, polypropylene resin, silicone resin, fluorine resin, ABS resin, and urethane resin. Acrylic resins such as polycarbonate resin and polymethyl methacrylate (PMMA), which are excellent in terms of moldability, optical characteristics, and cost, are preferable.
The surface on which the film of the first substrate (3) is formed is a spiral or concentric groove for tracking laser light, and is provided with a concavo-convex pattern usually referred to as a groove portion and a land portion This is preferably molded by an injection molding method or a photopolymer method. The thickness of the first substrate (3) is not particularly limited, but is preferably about 0.05 to 1.2 mm.
[0011]
As the material of the second substrate (5) and the substrate (7), the same material as that of the first substrate (3) may be used, but a material opaque to the recording / reproducing light may be used. The material, thickness, and groove shape may be different from those of the substrate (3).
[0012]
The material of the light transmission layer (6) and the intermediate layer (4) is usually glass, ceramics or resin, and a resin substrate is preferable in terms of moldability and cost. Examples of the resin include polycarbonate resin, acrylic resin, epoxy resin, polystyrene resin, acrylonitrile-styrene copolymer resin, polyethylene resin, polypropylene resin, silicone resin, fluorine resin, ABS resin, urethane resin, etc. Acrylic resins such as polycarbonate resin and polymethyl methacrylate (PMMA), which are excellent in terms of moldability, optical characteristics, and cost, are preferable, and ultraviolet curable resins can also be used.
The light transmission layer (6) or the intermediate layer (4) is provided with an uneven pattern such as a groove and a guide groove formed by injection molding or a photopolymer method similar to the first substrate (3). It's okay.
Although the thickness of a light transmissive layer (6) is not specifically limited, About 0.05-0.4 mm is preferable.
Further, the intermediate layer (4) is used for the pickup to discriminate between the first information layer and the second information layer and optically separate them during recording and reproduction, and has a thickness of 10 to 50 μm. Is preferred. If the thickness is less than 10 μm, interlayer crosstalk occurs. If the thickness is more than 50 μm, spherical aberration occurs when recording / reproducing the second information recording layer, and recording / reproduction tends to be difficult.
[0013]
The material of the recording layers (12) and (22) is composed of a material that changes its layer between crystal and amorphous by heating and cooling by light irradiation, and is not particularly limited. What is being applied applies.
For example, chalcogen alloys such as Ge—Te, Ge—Te—Sb, Ge—Sn—Te, and Sb—Te eutectic material thin films may be mentioned. -An Sb-Te eutectic material is particularly preferable in terms of speed and erase ratio.
These recording layer materials include Ag, In, Ge, Se, Sn, Al, Ti, V, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Ga, Pd, and the like for the purpose of further improving performance and reliability. Other elements and impurities such as Pt, Au, S, B, C, and P can be added.
These recording layers can be formed by various vapor phase growth methods such as vacuum deposition method, sputtering method, plasma CVD method, photo CVD method, ion plating method, electron beam evaporation method, etc. Excellent in mass productivity and film quality.
The thickness of the recording layer (12) is not particularly limited, but is preferably 3 to 15 nm. If it is 3 nm or less, it tends to be difficult to form a uniform film, and if it is 15 nm or more, the transmittance tends to decrease.
[0014]
As the material of the reflective layer, Ag-based, for example, as described in ISOM 2001 Technical Digest P202, the refractive index n is as small as 0.5 or less even in the blue wavelength region, so that the light absorption can be kept small. It has been conventionally known as a preferable material for information recording media.
The reflective layers (14) and (24) have functions such as efficiently using incident light and improving the cooling rate to make them amorphous easily. For this reason, a metal having high thermal conductivity is usually used. For example, Au, Ag, Cu, W, Al, Ta, etc., or alloys thereof can be used. Further, Cr, Ti, Si, Pd, Ta, Nd or the like is used as an additive element.
In particular, Ag-based materials have a low refractive index even in the blue wavelength region and n is 0.5 or less, so that light absorption can be suppressed to a low level. Therefore, in the multilayer information recording medium as in the present invention, particularly in the first information layer. It is preferable as a material used for the reflective layer.
Such a reflective layer can be formed by various vapor deposition methods such as vacuum deposition, sputtering, plasma CVD, photo CVD, ion plating, and electron beam deposition. Among these, the sputtering method is excellent in mass productivity and film quality.
Since the first information layer (1) requires high transmittance, it is preferable to use Ag or an alloy thereof having a low refractive index and a high thermal conductivity for the reflective layer (15). It is preferable that it is about 3-20 nm. If the thickness is less than 3 nm, it becomes difficult to form a dense film having a uniform thickness. If it is thicker than 20 nm, the transmittance is reduced, and recording / reproduction of the second information layer (2) becomes difficult.
The reflective layer (24) constituting the second information layer (2) is 50 to 200 nm, preferably 80 to 150 nm. If it is less than 50 nm, the repetitive recording characteristics are deteriorated, and if it is more than 200 nm, the sensitivity tends to be lowered.
[0015]
The functions and materials of the first protective layers (11) and (21) and the second protective layers (13) and (23) are the same as those of the single-layer phase change information recording medium, and the recording layers (12) and (22) has the effects of preventing deterioration and alteration, increasing the adhesive strength, and improving the recording characteristics. 2 ZnO, SnO 2 , Al 2 O 3 TiO 2 , In 2 O 3 , MgO, ZrO 2 Metal oxide such as Si 3 N 4 , Nitrides such as AlN, TiN, ZrN, ZnS, In 2 S 3 , TaS 4 Such as sulfide, SiC, TaC, B 4 Examples thereof include carbides such as C, WC, TiC, and ZrC, diamond-like carbon, and mixtures thereof.
These materials can be used alone as a protective layer, but may also be a mixture of each other. Moreover, you may contain an impurity as needed. The melting point of the protective layer needs to be higher than that of the recording layer. Specifically, ZnS and SiO 2 It is believed that the mixture with is most preferred.
Such a protective layer can be formed by various vapor phase growth methods such as vacuum deposition, sputtering, plasma CVD, photo CVD, ion plating, and electron beam deposition. Among these, the sputtering method is excellent in mass productivity and film quality.
The thickness of the first protective layers (11) and (21) is preferably 60 to 200 nm. If it is less than 60 nm, the substrate or the light transmission layer may be deformed by heat during recording. When it is thicker than 200 nm, there is a tendency that a problem arises in mass productivity. In these ranges, the film thickness is designed so as to obtain an optimum reflectance.
The film thicknesses of the second protective layers (13) and (23) are preferably 3 to 40 nm. When the thickness is less than 3 nm, the recording sensitivity is lowered.
[0016]
The thermal diffusion layer (16) is desired to have a high thermal conductivity in order to quench the recording layer irradiated with the laser. It is also desirable that the absorption rate at the laser wavelength is small so that the information layer on the back side can record and reproduce. As a result of studying a material that satisfies these characteristics and has excellent characteristics as a heat dissipation layer, the present inventors have found that a material mainly composed of tin oxide and containing at least antimony oxide is optimal. ITO (tin oxide doped indium oxide) is an example of a material having high thermal conductivity, high transmittance, and low internal stress. However, ITO has a problem that its absorption rate increases with respect to light having a wavelength of 500 nm or less. There is.
[0017]
FIG. 3 shows the wavelength dependence of the optical absorptance of the single thermal diffusion layer film (solid line) and the thin film (dotted line) made of ITO according to the present invention. The samples were each formed on a glass substrate having a thickness of 0.6 mm on a thermal diffusion layer ((SnO) using a Balzers single wafer sputtering apparatus. 2 ) 95 (Sb 2 O 3 ) 5 ) And ITO ((In 2 O 3 ) 90 (SnO 2 ) 10 ) With a thickness of 200 nm was prepared, and the absorbance at a wavelength of 400 to 800 nm was measured using a spectrophotometer manufactured by SHIMADZU.
As is apparent from the figure, at the wavelength of about 400 nm, the heat diffusion layer according to the present invention has a smaller absorptance. It is preferable that 1 to 10% by weight of antimony oxide is contained. If it is less or more than this, the thermal conductivity and the transmittance will decrease. Further, other elements can be added for the purpose of further improving characteristics and improving reliability. These additive elements are preferably contained in an amount of 0.1 to 5% by weight. If it is less than this, the effect cannot be obtained. If the amount is too large, the absorption coefficient becomes large, causing problems such as a decrease in transmittance.
However, regarding the information layer formed on the innermost side when viewed from the light incident side, it is not necessary to provide a thermal diffusion layer if the reflective layer is formed thick. Even when a thermal diffusion layer is provided, it is not necessary to adjust the light transmittance so much, so the material of the thermal diffusion layer does not necessarily need to be “consisting mainly of tin oxide and containing at least antimony oxide”. The following materials conventionally used as the thermal diffusion layer can be used.
Including at least one of nitride, oxide, sulfide, nitride oxide, carbide, fluoride, for example, AlN, Al 2 O 3 SiC, SiN, ITO (indium oxide-tin oxide), DLC (diamond-like carbon), BN, etc. are mentioned, but ITO is considered most preferable.
Such a thermal diffusion layer can be formed by various vapor phase growth methods such as vacuum deposition, sputtering, plasma CVD, photo CVD, ion plating, and electron beam deposition. Among these, the sputtering method is excellent in mass productivity and film quality.
The thickness of the thermal diffusion layer (16) is preferably 20 to 200 nm. If it is thinner than 20 nm, the heat dissipation effect cannot be obtained. If it is thicker than 200 nm, a problem arises in mass productivity.
[0018]
The first information layer (1) of the two-layer phase change information recording medium of the present invention preferably has a light transmittance of 40 to 70% at the wavelength of the laser beam used for recording / reproduction. Furthermore, it is preferably 45% to 60% or less. In a two-layer phase change information recording medium on which recording is performed after initialization, the area where the recording layer is in an amorphous state is smaller than the area where it is in a crystalline state. It may be smaller than the rate.
[0019]
Hereinafter, the method for producing the phase change information recording medium of the present invention will be described.
One of the methods for producing a two-layer phase change information recording medium of the present invention includes a film forming process, an initialization process, and an adhesion process, and each process is basically performed in this order.
In the film forming process, the first information layer (1) is formed on the surface of the first substrate (3) provided with the groove, and the second information is provided on the surface of the second substrate (5) provided with the groove. A layer having the layer (2) is separately prepared.
Each layer constituting each of the first information layer (1) and the second information layer (2) is formed by various vapor deposition methods such as a vacuum deposition method, a sputtering method, a plasma CVD method, a photo CVD method, an ion plating method, It is formed by an electron beam evaporation method or the like.
Among these, the sputtering method is excellent in mass productivity and film quality. In the sputtering method, film formation is generally performed while flowing an inert gas such as argon. At this time, reactive sputtering may be performed while oxygen, nitrogen, or the like is mixed.
[0020]
As an initialization step, the entire surface is initialized, that is, the recording layer is crystallized by emitting energy light such as laser light to the first information layer (1) and the second information layer (2).
If there is a possibility that the film may float due to laser light energy during the initialization process, a UV resin or the like is spin-coated on the first information layer and the second information layer before the initialization process. It may be cured by irradiating with ultraviolet rays, and an overcoat may be applied.
Moreover, after performing the next contact | adherence process previously, you may initialize a 1st information layer and a 2nd information layer from the 1st board | substrate side.
[0021]
Next, the first information layer (1) formed on the surface of the first substrate (3) initialized as described above, and the second information layer on the surface of the second substrate (5) are initialized. The layer formed with (2) is bonded via the intermediate layer (4) while the first information layer (1) and the second information layer (2) face each other.
For example, an ultraviolet curable resin is applied to any one of the film surfaces, the film surfaces face each other, both substrates are pressed and adhered, and then the resin can be cured by irradiation with ultraviolet rays.
[0022]
In addition, the first film forming step, the intermediate layer forming step, the second film forming step, and the light transmitting layer forming step for manufacturing the two-layer phase change information recording medium as shown in FIG. Another method that is basically composed of the steps in the order of the initialization step will be described.
As the first film formation step, the second information layer (2) is formed on the surface of the substrate (7) where the guide groove is provided. The film forming method is as described above.
As an intermediate layer forming step, an intermediate layer (4) having guide grooves is formed on the second information layer (2). For example, an ultraviolet curable resin is applied on the entire surface of the second information layer (2), and a groove made by irradiating ultraviolet rays while pressing a stamper made of a material capable of transmitting ultraviolet rays. Can be formed.
As the second film forming step, the first information layer (1) is formed on the intermediate layer (4). The film forming method is as described above.
As a light transmission layer process, a light transmission layer (6) is formed on the first information layer (1). For example, an ultraviolet curable resin can be applied and cured by irradiating with ultraviolet rays to form a light transmissive layer. However, since there is a problem of uneven film thickness, the light transmissive film and the substrate are bonded to the ultraviolet curable resin. The light transmission layer may be formed by bonding together.
As an initialization step, the entire surface is initialized by emitting energy light such as laser light from the light transmission layer (6) side to the first information layer (1) and the second information layer (2), that is, Crystallize the recording layer. For the second information layer (2), there is no problem even if initialization is performed immediately after the intermediate layer (4) formation step.
[0023]
Further, the manufacture of the phase change information recording medium having three information layers as shown in FIG. 4 is performed in the following process sequence.
First film forming step (forming the first information layer on the first substrate and forming the third information layer on the second substrate) → intermediate layer forming step (forming the intermediate layer on the third information layer of the second substrate) → Second film formation step (deposition of the second information layer on the intermediate layer of the second substrate) → Adhesion step (While the first information layer and the second information layer face each other while the first substrate and the second substrate face each other) Bonding via an intermediate layer) → Initialization process
The initialization process may be performed immediately after each information layer is formed.
[0024]
Next, the manufacture of a phase change information recording medium having three information layers as shown in FIG. 5 is performed in the following process sequence.
First film formation step (deposition of third information layer) → first intermediate layer formation step (formation of second intermediate layer) → second film formation step (deposition of second information layer) → second intermediate layer formation Step (formation of first intermediate layer) → Third film formation step (deposition of first information layer) → Light transmission layer formation step → Initialization step
In the initialization process, the third information layer is formed after the first film formation process or immediately after the formation of the second intermediate layer, the second information layer is formed after the second film formation process or immediately after the formation of the first intermediate layer, and the first information layer is formed It may be after the third film formation step.
[0025]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example is given and this invention is demonstrated in detail, this invention is not limited to these Examples at all.
[Example 1, Comparative Example 1]
As a preliminary experiment, it is used as a thermal diffusion layer in Example 1 on a glass substrate (SnO 2 ) 95 (Sb 2 O 3 ) 5 ) And the ITO target used for the thermal diffusion layer in Comparative Example 1 were sputtered to provide a film of about 200 nm. At that time, Ar and O 2 As a sputter gas, the Ar gas flow rate is kept constant while O gas is mixed. 2 Sputtering while changing the gas flow rate, the thin film has the lowest electrical resistivity. 2 The gas flow rate was determined.
ZnS / SiO2 on a first substrate made of polycarbonate resin having a diameter of 12 cm and a thickness of 0.6 mm, and having a tracking guide irregularity formed by continuous grooves on the surface. 2 A first protective layer 130 nm comprising Ge, 4 Ag 1 In 3 Sb 70 Te 22 Recording layer 6 nm, ZnS · SiO 2 A second protective layer made of 15 nm, a reflective layer made of Ag—Pd—Cu of 10 nm, and a thermal diffusion layer of 120 nm were formed in this order by sputtering in an Ar gas atmosphere. The thermal diffusion layer is (SnO) for Example 1. 2 ) 95 (Sb 2 O 3 ) 5 For Comparative Example 1, ITO was used as the material.
In addition, the thermal diffusion layer is formed by the flow rate of Ar and O determined in the preliminary experiment. 2 The mixed gas was used. Further, a similar substrate is used as the second substrate, and a reflective layer made of Al—Ti is formed on the second substrate at 120 nm, ZnS · SiO 2 2 A second protective layer 20 nm comprising Ge, 4 Ag 1 In 3 Sb 70 Te 22 Recording layer 12 nm, ZnS.SiO 2 The first protective film consisting of 130 nm was formed by sputtering in an Ar gas atmosphere. Here, the light transmittance of the first information layer at a wavelength of 405 nm was measured from the first substrate side.
Next, the first information layer and the second information layer were irradiated with laser light from the first substrate side and the second information layer film surface side, respectively, and an initialization process was performed. Here, the light transmittance of the first information layer at a wavelength of 405 nm was also measured.
Next, an ultraviolet curable resin is applied on the film surface of the first information layer, the second information layer surface side of the second substrate is bonded and spin-coated, and the ultraviolet curable resin is irradiated with ultraviolet light from the first substrate side. Was cured as an intermediate layer to prepare a two-layer phase change type information recording medium having two information layers.
When the light transmittances of the first information layer of Example 1 and the first information layer of Comparative Example 1 were compared, they were 54% and 43%, respectively, in the crystalline state, and the heat diffusion layer according to the present invention had high transmittance, It was found to be suitable for the first information layer.
In addition, each of the discs produced was recorded under the following conditions.
Laser wavelength: 405 nm
NA = 0.65
Line speed: 6.0 m / s
Track pitch: 0.40 μm
The jitter of the first information layer and the second information layer at a linear density of 0.18 μm / bit, and the jitter of the first information layer and the second information layer after overwriting 1000 times were measured.
Since the optical disc of Example 1 has a higher transmittance of the first information layer than the optical disc of Comparative Example 1, it was found that the recording sensitivity of the second information layer was excellent, the jitter value was low, and the recording characteristics were good. .
[0026]
[Examples 2 to 4, Comparative Example 2]
A two-layer phase change information recording medium was prepared in the same manner as in Example 1 except that the material having the composition shown in Table 1 was used for the thermal diffusion layer.
Each produced disc was recorded under the following conditions.
Laser wavelength: 405 nm
NA = 0.65
Line speed: 6.0 m / s
Track pitch: 0.40 μm
The jitter of the first information layer and the second information layer at a linear density of 0.18 μm / bit, and the jitter of the first information layer and the second information layer after overwriting 1000 times were measured. Table 1 shows the results for each media. From the table, it was found that an optical disk using a material mainly composed of tin oxide and containing antimony oxide in the heat diffusion layer has a high transmittance, and thus the recording characteristics of the second information layer are good. In addition, the recording characteristics of the first information layer are also good. This is probably because a material mainly composed of tin oxide and containing antimony oxide has a high thermal conductivity. When the heat diffusion layer does not contain antimony oxide (Comparative Example 2), the transmittance of the first information layer is higher than that when ITO is used for the heat diffusion layer (Comparative Example 1), but the first information layer The jitter after overwriting is high, and the characteristics of the optical disk are not good. This is thought to contribute to the lower thermal conductivity when antimony oxide is not included than when it is included. On the other hand, when the content of antimony oxide is 20% (Example 4), the jitter after overwriting of the first information layer is large, which is not good as the characteristics of the optical disk. Further, the transmittance is as small as 50% or less. When the content of antimony oxide is too large, both the transmittance and the thermal conductivity seem to tend to decrease. From the above, it has been found that the thermal diffusion layer preferably contains 1 to 10% by weight of antimony oxide.
Also, from other prototype experiments, the first information layer, the second information layer, the second information layer, and the thermal diffusion layer are in the range of 3 to 15 nm, the reflective layer is 3 to 20 nm, and the thermal diffusion layer is 20 to 200 nm. It was confirmed that the information layer can be recorded and reproduced satisfactorily, and the transmittance of the first information layer is required to be 40% or more in order to record and reproduce the second information layer satisfactorily.
[0027]
[Example 5]
As Example 5, a reflective layer made of Al—Ti is formed on a substrate made of a polycarbonate resin having a diameter of 12 cm, a thickness of 1.1 mm, and having a tracking guide unevenness by a continuous groove on its surface, 120 nm, ZnS · SiO 2 A second protective layer 20 nm comprising Ge, 4 Ag 1 In 3 Sb 70 Te 22 Recording layer 12 nm, ZnS.SiO 2 The first protective film made of 130 nm was formed in this order by sputtering in an Ar gas atmosphere to form a second information layer.
On the second information layer formed in this manner, a transparent layer having the unevenness of the tracking guide by the continuous groove was formed by 2P (photopolymerization) method. The thickness of the transparent layer is 30 μm.
Further thereon, a thermal diffusion layer 120 nm is provided using the same target as in Example 1, a
Further, a polycarbonate film having a diameter of 12 cm and a thickness of 50 μm was bonded on the first information layer film surface through a double-sided adhesive sheet having a thickness of 45 μm to form a light transmission layer, and a two-layer phase change information recording medium was prepared. . Next, the initialization process of the recording layer of the disc was performed by an initialization apparatus having a large-diameter semiconductor laser.
Separately from this, the first information layer and the light transmission layer were similarly provided on a substrate having a thickness of 1.1 mm, and the light transmission layer before and after initialization was measured.
The transmittance of the first information layer in this example before initialization was 49%, and after initialization, it was 54%.
Each created media was recorded under the following conditions.
Laser wavelength: 405 nm
NA = 0.85
Line speed: 6.5m / s
Track pitch: 0.32 μm
The jitter of the first information layer and the second information layer at a linear density of 0.16 μm / bit, and the jitter of the first information layer and the second information layer after overwriting 1000 times were measured. Both the two information layers could be recorded and reproduced satisfactorily.
[0028]
[Table 1]
[0029]
【The invention's effect】
As described above, as is clear from the detailed and detailed description, according to claim 1 of the present invention, by using a material mainly composed of tin oxide and containing at least antimony oxide in the heat diffusion layer, heat conduction is achieved. Since the transmittance is high and the transmittance at a wavelength of 400 nm is high, it is possible to provide a multilayer phase change information recording medium having good recording characteristics. According to the second to third aspects of the present invention, it is possible to provide a multilayer phase change information recording medium having excellent overwrite characteristics. According to the fourth to seventh aspects of the present invention, since the transmittance of the information layer on the laser incident side can be increased, it is possible to provide a multilayer phase change information recording medium having excellent recording / reproducing characteristics of all information layers. it can. According to
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic sectional view showing an example of a two-layer information recording medium of the present invention.
FIG. 2 is a schematic sectional view showing another example of the two-layer information recording medium of the present invention.
FIG. 3 is a diagram showing the wavelength dependence of the light absorption rate of a single thermal diffusion layer film according to the present invention and a thin film made of ITO.
FIG. 4 is a schematic cross-sectional view of a three-layer information recording medium according to an embodiment of the present invention.
FIG. 5 is a schematic cross-sectional view of another example of a three-layer information recording medium according to an embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
1 First information layer
2 Second information layer
3 First board
4 middle class
5 Second substrate
6 Light transmission layer
7 Substrate
11 First protective layer
12 Recording layer
13 Second protective layer
14 Reflective layer
15 Thermal diffusion layer
21 First protective layer
22 Recording layer
23 Second protective layer
24 Reflective layer
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