JP2004045603A - 画像形成装置 - Google Patents

Abstract

【課題】駆動側と従動側の回転軸のセンタずれによる異常音や耐久性の低下を解消できるカップリングを有した画像形成装置を提供すること。
【解決手段】駆動側の回転軸から従動側の装置ユニットの回転軸へ駆動力を伝達するための連結部材を有する画像形成装置において、前記装置ユニットの回転軸と、前記装置ユニットの回転軸に挿着される連結部材の軸穴との間に、所定のクリアランスが設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【選択図】　　　　図２

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、従動側である給紙ユニット、感光体クリーニングユニット等の回転軸と、画像形成装置本体側である駆動側の回転軸とを連結する連結部材（以下、カップリングともいう）を有する画像形成装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、複写機、プリンタ等の画像形成装置の給紙ユニット、感光体クリーニングユニット等の回転体の回転軸と、画像形成装置本体側である駆動側の回転軸との間の動力伝達には、駆動伝達用のカップリングが使われているが、装置本体にユニットを取り付ける時の軸相互のセンタリング等の調整に時間がかかり、例えば、軸間のセンタがずれると異常音が発生し、構成要素の耐久性が低下する傾向がある。また、市販のユニバーサルジョイント等を利用する場合もあるが、材料コストがかさみ必ずしも利点ばかりではない。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
駆動側と従動側の回転軸のセンタずれによる異常音や耐久性の低下を解消できるカップリングを有した画像形成装置を提供すること。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
駆動側の回転軸から従動側の装置ユニットの回転軸へ駆動力を伝達するための連結部材を有する画像形成装置において、前記装置ユニットの回転軸と、前記装置ユニットの回転軸に挿着される連結部材の軸穴との間に、所定のクリアランスが設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【０００５】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態である画像形成装置の一例を図面に基づいて説明する。
【０００６】
なお、本発明の実施の形態における説明では、本明細書に用いる用語により発明の技術範囲が限定されることはない。
【０００７】
図１はプリンタから成る画像形成装置の全体構成の一例を示す模式図である。図において、１０は画像形成体である感光体、１１は帯電手段である帯電装置、１２は画像書込手段である露光光学系、１３は現像手段である現像器、１４は感光体１０の表面を清掃するためのクリーニング装置、１５はクリーニングブレード、１６は現像スリーブ、１７は転写手段である転写極、１８は転写材を感光体１０からの分離手段である分離極、１９は転写材の感光体１０に対する巻き付き防止の分離爪である。感光体１０、帯電装置１１、露光光学系１２、現像器１３、転写極１７，分離極１８、分離爪１９およびクリーニング装置１４等が画像形成手段１を構成している。
【０００８】
感光体１０は、例えばアルミ材によって形成される円筒状の金属基体の外周に導電層、ａ−Ｓｉ層あるいは有機感光層（ＯＰＣ）等の感光層を形成したものであり、導電層を接地した状態で図の矢印で示す時計方向に回転される。
【０００９】
２０は複数個の穴があけられた搬送ベルト、２１は駆動ローラ、２２は従動ローラ、２３は吸引箱で、前記搬送ベルト２０と接触する面に複数個の穴があけられ、不図示のダクトおよび吸引ファン等に接続され、走行する前記搬送ベルト２０上に転写材Ｐを吸引する機能を果たす。搬送ベルト２０、駆動ローラ２１、従動ローラ２２、吸引箱２３等で搬送手段２を形成する。
【００１０】
３は給紙トレイ、３１は送り出しローラ、３２、３３は搬送ローラ対、３４はタイミングローラ対、３５は手差し送り出しローラ、３６は手差し給紙皿、３８はプレレジストローラ、４は定着装置、４１は熱定着ローラ、４２は圧着ローラ、７０は画像読み取り部を示す。
【００１１】
次に、図１に基づいて画像形成プロセスを説明する。
画像形成（記録）のスタートにより不図示の駆動モータが回転を開始すると、感光体１０は矢印で示す時計方向に回転する。同時に帯電装置１１により感光体１０に対する電位の付与が開始される。
【００１２】
電位が付与された後の感光体１０上には、画像読み取り装置７０からの画像データに対応する電気信号の画像書込みが露光光学系１２を通して開始され、感光体１０の表面に原稿画像に対応する静電潜像が形成され、当該静電潜像は現像器１３の現像スリーブ１６で搬送される現像剤により反転現像され、トナー像（可視像）となる。
【００１３】
一方、転写材Ｐは、機械内に収納された給紙トレイ３から供給される場合、送り出しローラ３１によって送り出され、プレレジストローラ３８、搬送ローラ対３２を経て、タイミングローラ３４対へ搬送され、感光体１０上のトナー像と同期がとられ、当該タイミングローラ対３４の駆動によって送り出され、転写極１７と感光体１０との間の領域へ給送される。手差し給紙の場合でも、手差し給紙皿３６の転写材Ｐは、手差し送り出しローラ３５によって送り出され、搬送ローラ対３３を経て、タイミングローラ３４へ搬送され、感光体１０上のトナー像と同期がとられ、当該タイミングローラ３４の駆動によって送り出され、転写極１７と感光体１０との間の領域へ給送される。
【００１４】
前記トナー像は、トナーと反対極性の電圧が印加された転写極１７によって前記転写材Ｐ上に転写される。
【００１５】
その後、感光体１０は回転を続け、クリーニング装置１４によって清掃され、次の画像形成に向けられる。
【００１６】
一方、前記トナー像を載せた転写材Ｐは、分離極１８でＡＣ電圧による除電作用を受け、感光体１０との吸着力が弱められ、感光体１０から曲率分離する。なお、転写材Ｐが環境湿度等に影響され、感光体１０に巻き付いてしまう場合を懸念し分離爪１９が設けられている。
【００１７】
分離された転写材Ｐは搬送手段２へと送られ、吸引箱２３によって搬送ベルト２０に吸引されて定着装置４０へと搬送される。その後、転写材Ｐは熱定着ローラ４１と圧着ローラ４２の間のニップ部Ｔで挟持搬送されながら熱と圧力とが加えられることにより、トナー像は転写材Ｐ上に溶融定着される。定着された転写材Ｐは定着排紙ローラ４３によって排紙皿７１に排紙される。
【００１８】
以下、給紙トレイに係わる駆動部について説明する。
本発明は、駆動側の回転軸である駆動伝達軸から従動側にある装置ユニットの回転軸への駆動力を伝達するための連結部材を有する画像形成装置に関するもので、実施の形態では、一例として、給紙トレイの送り出しローラの駆動力伝達について図を基に説明する。
【００１９】
図２は、給紙トレイおよび駆動連結部を示す図である。
図は給紙トレイ３のＥＥ′矢視断面（図１参照）を示している。給紙トレイ３は、給紙駆動部５、送り出しローラ３１、送り出しローラ軸３１１、トレイ枠体３４０、転写材押し上げ板３４１等からなり、当該トレイ枠体３４０と装置本体の不図示の枠体に設けられたガイドレール３９（図１参照）に沿って矢印Ｂ、Ｆ方向にスライドする。
【００２０】
給紙駆動部５は、給紙クラッチ３１２、送り出しローラ３１に動力を伝える歯車３１３、当該歯車３１３と噛み合うユニットの回転軸３１５と一体の歯車３１４、当該回転軸３１５上で矢印Ｈ方向にスライドするカップリング３１６、バネ３１７等からなっている。当該カップリング３１６は駆動伝達軸３２０の先端部に嵌入されている駆動ピン３３０（図３参照）と係合している。歯車３１３は、送り出し（給紙）動作が行われている時以外は、給紙クラッチ３１２が作動しないので送り出しローラ軸３１１上で空転している。
【００２１】
転写材Ｐの装填、給紙ジャム処理等で給紙トレイ３をＦ方向に引き出すと、駆動伝達部６は本体側の駆動伝達軸３２０の駆動ピン３３０との係合が解除されることになる。３２１は駆動伝達軸３２０と一体のプーリ、３２２は駆動用のベルト、３２３は中段トレイの給紙駆動に係わるプーリ、３２４は駆動用のベルト、３２５は下段トレイの給紙駆動に係わるプーリ、３２６はプーリ、３２７は駆動用のベルトである。給紙駆動モータ３２８からの動力は、これら一連のプーリ、ベルトを介して上、中、下段トレイの各給紙駆動部に伝達される。
【００２２】
６は本発明に係る駆動伝達部であり、図を用いて詳細に説明をする。
図３は、駆動伝達部の構成と効果を説明するための図である。
【００２３】
図において（ａ）は従来の装置ユニットの回転軸およびカップリングを示す。（ｂ）は本発明の装置ユニットの回転軸およびカップリングを示す。（ｃ）は装置ユニットの回転軸及びカップリングと駆動伝達軸の軸芯が互いにずれて咬合した状態を示す図である。（ｄ）、（ｅ）は図（ａ）、図（ｂ）のカップリングの断面を示す図である。
【００２４】
駆動伝達部６は、図３（ａ）、（ｂ）、（ｃ）に示すように、装置ユニットの回転軸３１５にカップリング３１６が挿着されている。当該回転軸３１５の先端近傍にスライドピン３３１が嵌入されており、スライドピン３３１は挿着部で前記カップリング３１６の駆動側に設けられたガイド溝ｗと係合している。また、前記カップリング３１６の一方の端部には、回転軸３１５に持着されたコイルバネ３１７が当接し、他方の端部には掛合部ｖが設けられている。カップリング３１６は、前記回転軸３１５のスライドピン３３１が前記ガイド溝ｗから外れない位置にあり、回転軸３１５上で矢印（実線、点線）の方向にガイド溝ｗに沿って摺動できる。
【００２５】
前記駆動伝達軸３２０からの駆動力は、駆動ピン３３０が、前記カップリング３１６の掛合部ｖに係合することによって伝達される。
【００２６】
いま、給紙トレイ３（図２参照）が引き出されている（カップリング３１６が駆動伝達軸３２０との係合から外れた）状態からＢ方向（図２参照）にスライドさせ、カップリング３１６と駆動伝達軸３２０とを係合させる場合、たまたま、前記駆動ピン３３０と前記掛合部ｖとの位相が合わない場合は、当該駆動ピン３３０がカップリング３１６の端面ｒを押し、カップリング３１６は前記スライドピン３３１にガイドされ、コイルバネ３１７に抗して矢印方向（実線）にスライドすることになり、端面ｒを駆動ピン３３０が押した状態で駆動伝達軸３２０は回転をはじめるが、回転が進んで前記掛合部ｖと駆動ピン３３０とが一致した時点でカップリング３１６がコイルバネ３１７に押され矢印方向（点線）にスライドし、カップリング３１６が前記掛合部ｖと係合して駆動伝達が可能になる（図（ａ）、（ｂ））。
【００２７】
ここで、図３（ｂ）、（ｃ）を基に本発明について説明する。
図３（ｂ）において、前記カップリング挿着部３１９と回転軸３１５との間には所定のクリアランスｑが設けられており、回転軸３１５と駆動伝達軸３２０の軸芯が精度良く合わなくとも、図３（ｃ）に示すように、カップリング３１６が傾き加減になって駆動伝達軸３２０と連結でき、動力を伝達することができる。前記所定のクリアランスｑは０．５〜２ｍｍが好ましい。仮に、クリアランスｑが０．５ｍｍより小さい場合は、カップリングの首振り量が少なくなり、センタずれによる不具合を吸収できなくなる。逆に、２ｍｍより大きい場合は、首振り量が大きくなって、スライドピン３３１との擦れ量も増し、ガイド溝ｗの摩耗が増大する。
【００２８】
すなわち、本発明は、駆動側の駆動伝達軸３２０と従動側の回転軸３１５とのセンタがズレていても、カップリング挿着部３１９（カップリング３１６の軸穴部）の穴径と装置ユニットの回転軸径の間にクリアランスを設けることにより、カップリング３１６が傾斜して首振り作用を受け、動力の伝達が可能となり、駆動側と給紙トレイ側との厳密な位置合わせ（センタ調整）も不要となる。従って、給紙ユニットを本体側に取り付ける際に組み立て用の工具も不要となり、従来のようなセンタずれによる異常音も発生せず、低コスト、コンパクトな利点が得られることを特徴としている。
【００２９】
図４は確認実験における駆動伝達部の寸法を示す図である。
図において、（ａ）は装置ユニットの回転軸にカップリングが挿着されている図である。（ｂ）は側面図である。（ｃ）は装置ユニットの回転軸及びカップリングと駆動伝達軸の軸芯が互いにずれて咬合した状態を示す図である。
【００３０】
いま、図４（ａ）に示すように、カップリング３１６の軸穴径Ｄは６ｍｍ、回転軸３１５の軸径ｄは５ｍｍで１ｍｍのクリアランスとして、図４（ｃ）に示すように、回転軸３１５と駆動伝達軸３２０とのセンタずれ量ｍを３ｍｍ、駆動ピン３３０とスライドピン３３１の間隔ｎを１２とし、カップリングの傾きθを５°とした場合の駆動伝達状況をチェックした結果、センタずれによる異常音も異常振動も確認されなかった。
【００３１】
なお、実施の形態では、カップリングを装置ユニットの回転軸側に挿着したが、逆に、駆動伝達軸側に挿着しても同様な効果が得られる。
【００３２】
以上、実施の形態として、給紙トレイの送り出しローラの駆動力伝達部を例として説明したが、クリーニング部、転写材搬送部等の比較的軽トルクの小さい駆動部に適用も可能である。
【００３３】
【発明の効果】
カップリングが挿着される装置ユニットの回転軸の軸径とカップリング軸穴径との間に所定のクリアランスを設けることにより、センタずれによる異常音を解消でき、低コスト、コンパクトな構成で厳密なセンタ調整の不要なカップリングを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】プリンタから成る画像形成装置の全体構成の一例を示す模式図である。
【図２】給紙トレイおよび駆動連結部を示す図である。
【図３】駆動伝達部の構成と効果を説明するための図である。
【図４】確認実験における駆動伝達部の寸法を示す図である。
【符号の説明】
１　画像形成手段
３　給紙トレイ
５　給紙駆動部
６　駆動伝達部
３１　送り出しローラ
３１２　給紙クラッチ
３１６　カップリング
３１９　カップリング挿着部
３２１，３２３，３２５　プーリ
３２２，３２４，３２７　ベルト

Claims (2)

1. 駆動側の回転軸から従動側の装置ユニットの回転軸へ駆動力を伝達するための連結部材を有する画像形成装置において、前記装置ユニットの回転軸と、前記装置ユニットの回転軸に挿着される連結部材の軸穴との間に、所定のクリアランスが設けられていることを特徴とする画像形成装置。
2. 前記所定のクリアランスは０．５〜２ｍｍであることを特徴とする請求項１に記載の画像形成装置。

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