JP2004043853A - 薄膜形成装置および薄膜形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板表面に均一な膜厚の有機薄膜を形成することが可能な薄膜形成装置および薄膜形成方法を提供する。
【解決手段】処理チャンバ11と、処理チャンバ11内に設けられた基板ホルダー13と、基板ホルダー13の基板装着面13aに向けてガスGを供給するガス供給手段15と、処理チャンバ11内の余分なガスGを排気するための排気口31とを備えた薄膜形成装置であって、排気口31が複数設けられているとともに、これらの各排気口31はガス供給手段15から供給されたガスGが基板装着面13aの各部に誘導されるように配置されていることを特徴とする薄膜形成装置およびこれを用いた薄膜形成方法である。
【選択図】 図1
【解決手段】処理チャンバ11と、処理チャンバ11内に設けられた基板ホルダー13と、基板ホルダー13の基板装着面13aに向けてガスGを供給するガス供給手段15と、処理チャンバ11内の余分なガスGを排気するための排気口31とを備えた薄膜形成装置であって、排気口31が複数設けられているとともに、これらの各排気口31はガス供給手段15から供給されたガスGが基板装着面13aの各部に誘導されるように配置されていることを特徴とする薄膜形成装置およびこれを用いた薄膜形成方法である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は薄膜形成装置および薄膜形成方法に関するものであって、特に、処理チャンバ内で基板表面に対してキャリアガスとともに原料ガスを供給することにより有機薄膜を形成する有機気相堆積法に適用される薄膜形成装置および薄膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機ELディスプレイ素子などの低分子系有機EL発光素子用の有機薄膜は、一般的に真空蒸着法で成膜されている。
真空蒸着法に用いられる真空蒸着装置は、処理チャンバと処理チャンバ内の底部に設けられた蒸着源と、蒸着源の上方にこの蒸着源に対して対向配置された基板ホルダーとを備えている。
【0003】
真空蒸着装置では、蒸着源から有機原料を蒸発させることで、基板ホルダーに装着された基板の表面に原料ガスを供給し堆積させて有機薄膜を形成する。このような真空蒸着装置を用いた成膜において成膜速度を制御するには、蒸着源の温度を変化させるなどして、有機原料の蒸発レートを変化させなければならない。
しかし、温度と蒸発レートとはリニアに対応しておらず、また、温度を変化させることで蒸発レートが不安定な挙動を示すため、正確な制御は困難である。また、温度変化に対する蒸発レートの応答性も悪いため長いプロセス時間が必要になり、生産性が悪いといった問題もある。
【0004】
そこで、近年、有機薄膜を形成する装置として、有機気相堆積法(Organic Vapor Phase Deposition(OVPD))による有機気相堆積装置が提案されている(特表2001−523768号公報)。
有機気相堆積装置は、処理チャンバと、処理チャンバ内に設けられた基板ホルダーと、基板ホルダー側に向けてガスを供給するように対向配置されたガス供給手段とを備えており、減圧雰囲気下の処理チャンバ内でキャリアガスとともに原料ガスを基板ホルダーに装着された基板表面に供給することで、有機薄膜を形成する。
このような有機気相堆積装置は、原料温度制御に加え、処理チャンバ内への原料ガスの供給速度によっても、成膜速度が調整されるため、真空蒸着装置と比較して成膜速度の制御性が良好で成膜速度も速いという利点を有している。
【0005】
上述したような有機気相堆積装置を用いて有機薄膜を形成する場合には、有機薄膜が熱に不安定であることから、基板を冷却するために基板ホルダーには温度制御機構が設けられている。
さらに、基板を固定させた状態で有機薄膜を形成すると、原料ガスを基板表面に均一に蒸着させることができず、形成される有機薄膜の膜厚が不均一となることから、基板ホルダーに回転またはスライドさせる駆動機構を設けることで、基板に形成される有機薄膜の膜厚分布を調整している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述したような有機気相堆積装置では、処理チャンバ内に気相状態で原料ガスが供給されるため、ガス供給口から供給された原料ガスは排気口に向かって最短経路で流動し易い。このため、原料ガスの流動方向を考慮に入れてガス供給口に対して基板装着面を複雑に可動させる必要があり、基板表面に原料ガスを均一に供給するのは困難であった。
【0007】
有機ELディスプレイを作製する場合、有機薄膜の膜厚分布が不均一であると、薄いところは抵抗が少ないために優先的に電流が流れてしまい、輝度むらの発生につながる。
また、上述したような構成の有機気相堆積装置は、基板ホルダーに温度制御機構や駆動機構等、複数の機構が設けられていることから、装置構成が複雑となり、装置が大型化するとともにコストが高くなるという問題もあった。
【0008】
したがって、基板ホルダーを固定させた状態であっても、基板ホルダーに装着される基板表面に均一な膜厚の有機薄膜の形成を行うことができる薄膜形成装置が望まれていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題を解決するために、本発明の薄膜形成装置は、処理チャンバと、処理チャンバ内に設けられた基板ホルダーと、基板ホルダーの基板装着面に向けてガスを供給するガス供給手段と、処理チャンバ内の余分なガスを排気するための排気口とを備えた薄膜形成装置であって、排気口が複数設けられているとともに、これらの各排気口はガス供給手段から供給されたガスが基板装着面の各部に誘導されるように配置されていることを特徴としている。
【0010】
このような薄膜形成装置によれば、排気口が複数設けられているとともに、各排気口はガス供給手段から供給されたガスが基板装着面の各部に誘導されるように配置されている。一般的に、処理チャンバ内に気相状態で供給されたガスは、排気口に向けて最短経路で流動し易いことから、本発明の薄膜形成装置においても、ガス供給手段から基板装着面に向けて供給されたガスは、開口された各排気口に誘導される。このため、基板装着面に装着される基板の表面に対してガスの偏りが抑制され、各部により均等に供給される。したがって、より均一な膜厚の薄膜の形成を行うことが可能である。
【0011】
特に、各排気口がこの排気口からの排気量を調整自在な制御手段に接続されている場合には、この制御手段により各排気口からの排気量を調整することで、基板表面の各部に供給されるガス量を調整することができるため、基板表面に供給されるガスの分布をより均一にすることができ、より確実に均一な膜厚の薄膜の形成を行うことが可能である。
また、各排気口からの排気量を調整することで、基板表面の各部に対するガスの供給方向を変えられるため、マスクを用いて成膜した場合に、ガスの供給されにくいマスクのエッジ部分にもガスが供給されるようになり、シャドー効果を抑制することができる。
【0012】
また本発明の薄膜形成方法は、複数の排気口が設けられた処理チャンバ内に基板を収納し、処理チャンバ内の基板の表面に向けて成膜成分からなるガスを供給するとともに、各排気口からの排気量を調整することで基板の表面の各部に供給されるガス量を調整して薄膜を形成することを特徴としている。
【0013】
このような薄膜形成方法によれば、各排気口からの排気量を調整することで、基板の表面の各部に供給されるガス量を調整することから、基板の表面に対して供給されるガスの偏りを抑制し、各部により均等にガスを供給することができるため、成膜圧力に関わらず、より均一な膜厚の薄膜を形成することができる。
【0014】
特に、各排気口からの排気を切り換えることにより、ガスの供給方向を変化させる場合には、基板装着面を駆動させた場合と同様の効果を奏し、ガスの供給方向を変化させることで、基板表面の各部において様々な方向からガスが供給されるため、マスクを用いて成膜した場合のシャドー効果を抑制することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明の薄膜形成装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
<薄膜形成装置>
図1は本発明の薄膜形成装置である有機気相堆積装置の一実施形態を説明するための概要構成図である。この図に示す薄膜形成装置は、減圧雰囲気下に維持した処理チャンバ11内で基板Wを覆うように蒸着マスク(図示せず)を配置し、この蒸着マスクを介して基板W上に所定パターンの有機薄膜の形成を行うものである。
【0017】
薄膜形成装置は有機薄膜の形成処理が施される基板Wを収納するための処理チャンバ11を備えている。
そして、この処理チャンバ11内には基板Wを支持するための基板ホルダー13が収納され、基板ホルダー13には基板装着面13aに装着された状態の基板Wの温度制御が自在な温度制御機構(図示せず)が設けられている。
【0018】
また、この処理チャンバ11には、排気システム12が備えられており、処理チャンバ11内部が所定の圧力にコントロールされる。また、ここでの図示は省略したが、排気システム12によって排気されるガスは、トラップを通り余分な材料を捕獲し、後で説明するキャリアガス(例えばN2)のみが、装置外に排出される構成となっており、この排気はスクラバーを通過後に大気開放される構成となっている。
【0019】
この排気システム12は、例えば基板装着面13aの裏面側に位置する処理チャンバ11の側壁11aに設けられた複数の排気口(図示省略)を介して処理チャンバ11内に連通されている。ここで、複数の排気口はガスGが基板装着面13aの各部に対して均等に供給されるように配置されている。
【0020】
図2に処理チャンバ11内から見た場合の側壁11aに配置された複数の排気口31の配置パターンを示す。図2に示すように、ここでは、例えば、基板装着面13aの中心Oを、基板装着面13aの裏面側の側壁11aに投射した点O’(以下、投射点O’とする)を中心とする円の円周上に、基板装着面13aを囲むように、6個の排気口31a〜31fが均等配置されていることとする。
【0021】
この排気口31a〜31fはそれぞれ例えばエア駆動バルブ(図示せず)に接続されており、手動または自動で排気口31a〜31fの開度を自在に調整できることとする。この開度を100%または0%にすることで、それぞれの排気口31a〜31fを開閉することも可能である。
このように、各排気口31a〜31fの開度を調整することで、各排気口31a〜31fからの排気量を調整し、処理チャンバ11内に導入されたガスGの供給方向を自在に調整することができる。
なお、ここでは排気口31の開度を調整することで、各排気口31からの排気量を調整することとしたが、本発明はこれに限定されず、例えば真空ポンプの出力で、排気量を調整してもよい。
【0022】
ここで、再び図1に示すように、基板ホルダー13がガス供給口21aから排気口31(図2参照)までのガスGの供給方向に対して妨げるように配置されていても、ガスGは基板装着面13aの裏面側に周りこんで、各排気口31に誘導されるため問題ない。
【0023】
また、この処理チャンバ11には、基板ホルダー13に基板Wを固定させる作業を行うためのロードロック室14が設けられている。このロードロック室14は、内部をポンプで排気でき、また不活性ガス等で自在に置換できる構成となっており、不活性ガス雰囲気内において基板ホルダー13に基板Wを固定させ、ポンプで排気し、減圧にした状態でロードロック室14−処理チャンバ11間のゲートバルブ(図示省略)を開くことにより、基板Wを固定させた基板ホルダー13を処理チャンバ11内に所定状態で配置収納することが可能である。
【0024】
次に処理チャンバ11内にガスGを供給するガス供給手段15について説明する。
ガス供給手段15は、処理チャンバ11内にガスGを供給する供給管ライン21と、供給管ライン21が接続されるガス精製装置22と、処理チャンバ11とガス精製装置22との間の供給管ライン21に設けられた原料供給機構25とを備えている。
供給管ライン21はその一端が処理チャンバ11内に挿入されており、この供給管ライン21の先端であるガス供給口21aは、処理チャンバ11内に所定状態で配置収納された基板ホルダー13の基板装着面13aに向けて、ガスGを供給するように配置されている。
【0025】
一方、供給管ライン21の他端は、高純度のキャリアガスg(例えばN2、He、Ar)が貯蔵されたガス精製装置22(またはボンベ)に接続されている。そして、ガス精製装置22から処理チャンバ11までの間の供給管ライン21には、ガス精製装置22側から順に、圧力調整機23、マスフローコントローラ(MFC)24、および原料供給機構25が設けられ、さらにベントライン26が接続されると共に、ベントライン26と処理チャンバ11との間にバルブV1が設けられた構成になっている。また、ベントライン26にもバルブV2が設けられていることとする。
【0026】
このうち、原料供給機構25は、有機薄膜の原料となる有機材料が貯蔵された原料容器25a、供給管ライン21から分岐して原料容器25aに挿入される導入管25b、この導入管25bよりも下流側の供給ライン21から分岐して原料容器25aに挿入された排出管25cを備えている。そして、供給管ライン21における導入管25bと排出管25cとの分岐の間、導入管25b、および排出管25cには、それぞれバルブV3,V4,V5が設けられている。
【0027】
なお、本実施形態では、一本の供給管ライン21を備えた薄膜形成装置の例について説明したが、処理チャンバ11とガス精製装置22(または圧力調整機23)との間に、MFC24〜バルブV1までの部分を設けた複数の供給管ライン21を設けた薄膜形成装置であってもよい。
【0028】
以上のような構成の有機気相堆積装置において、MFC24から処理チャンバ11までの配管、容器等はすべて、所定の高温に温度制御されることとする。温度制御のための加熱方式は、オーブン内などに設置する空気恒温槽方式でも、高温オイルなどを循環させる方式でも、RF(Radio Frequency)加熱方式(高周波誘導加熱方式)でも、ランプ加熱方式でもよく、特に限定されることはない。
【0029】
<薄膜形成方法>
次に、以上のような構成の有機気相堆積装置を用いた有機薄膜の形成方法を説明する。ここでは、一例として、有機EL素子に一般的に用いられるAlq3[tris(8−quinolinolato)aluminu(III)]からなる電子輸送性発光層を形成する場合について説明する。
【0030】
まず、ロードロック室14内において基板ホルダー13に基板Wを保持固定し、ロードロック室14内を減圧雰囲気にした後、それぞれ同じ圧力に保たれたロードロック室14と処理チャンバ11との間のゲートを開けて、基板ホルダー13を処理チャンバ11内の所定位置にセットする。
そして、排気システム12によって処理チャンバ11内を、例えば133Paに保つとともに、基板ホルダー13の温度制御機構によって基板Wを20℃程度に保持する。
【0031】
ここでは基板Wの表面を覆うようにマスク(図示せず)を配置して成膜を行うこととするが、マスクを用いずに基板Wの全面に成膜する場合においても本発明は適用可能である。
また、ここでは処理チャンバ11内を減圧雰囲気下に保つこととするが、本発明はこれに限定されず、減圧から加圧までのあらゆる堆積圧力で応用することが可能である。
【0032】
そして、原料供給機構25の原料容器25aには、有機薄膜の原料となる有機原料(ここではAlq3)を貯蔵すると共に、原料容器25a内の有機原料を所定温度(Alq3の場合には280℃)に加熱する。これにより、原料容器25a内に、加熱温度に対する有機原料(Alq3)の蒸気圧分を気体として存在させておく。また、MFC24から処理チャンバ11までの配管、容器等はすべて、所定の高温に温度制御(例えば280℃程度)し、加熱しておくこととする。
【0033】
以上のような状態で、バルブV2,V3を閉じ、バルブV1,V4,V5を開く。そして、ガス精製装置22から、圧力調整機23により、例えば0.2MPaに圧力コントロールされ、MFC24により高精度に流量コントロールされたキャリアガス(例えばN2)gを、供給管ライン21に流す。流量の一例としては、1000sccm(standard cc /min:標準状態での1分あたりの流量)である。
なお、本実施形態ではキャリアガスとして例えば不活性ガスであるN2を用いることとしたが、本発明はこれに限定されず、成膜成分の有機原料と反応しないガスであればよく、例えばH2、He、Arであってもよい。
【0034】
そして、キャリアガスgを原料容器25aに供給し、原料容器25a内において気化された有機原料(Alq3)のガスを、キャリアガスgとともに排出管25cおよび供給管ライン21から処理チャンバ11内に輸送供給する。
これにより、処理チャンバ11内の基板装着面13aに装着された基板Wに向けて、ガス供給口21aから有機原料(Alq3)ガスを含むガスGが供給される。
【0035】
一方、各排気口31(図2参照)に接続されたエア駆動バルブにより、各排気口31の開度を調整してその排気量を調整することで、ガスGの供給方向を制御する。
ここで、縦軸に各排気口31の開度(ここでは、0%または100%のどちらかとする)、横軸にその開口時間をとったグラフを図3に示す。以下、図4から図6に示すグラフも同様のグラフである。
【0036】
ここでは、図3に示すように、排気口31a〜31fを例えば31aから順番に開度100%で一定時間ずつ開口して排気量を調整することとする。これにより、供給されたガスGは開口されている各排気口31へ順次誘導され、基板W表面の各部に供給される。
【0037】
また、各排気口31は前述したように投射点O’を中心とする円の円周上に均等配置されていることから、ガスGは基板W表面にその円周に沿うようにガスの供給方向を変化させながら、基板Wの表面領域に供給される。これにより、特に基板Wが円形状である場合には、効率よく基板W表面の全域に均等にガスGを供給することができるため、この場合の排気口31の配置パターンは上述したパターンが好ましい。
【0038】
なお、ここでは、排気口31a〜31fを順に1個ずつ開口させた例について説明したが、これに限定されず、図4のグラフに示すように各排気口31の開度を2個ずつ同時に切り換えてもよく、図5のグラフに示すように3個ずつ同時に切り換えてもよい。
また、ここでの図示は省略したが、排気口31a〜31fを同時に開口させてもよい。
【0039】
ここで、開度を調整する際の排気口31の組み合わせや数、また、それぞれの開口時間は、予め、基板Wに有機薄膜を形成させた場合の膜厚分布により適宜設定するのが好ましい。
その結果に基づき、膜厚の薄く形成された部分には開口時間を長く、厚いところには開口時間を短くするように調整することで、例えば図6のグラフに示すように各排気口31の開口時間を変えて順次開口させてもよい。
さらに、各排気口31の開度についてもここでは0または100%の開閉のみで調整した例を示したが、本発明はこれに限定されず、0〜100%のいずれの開度にも調整することができる。
【0040】
このようにして、20℃の温度に保たれた基板Wの表面にAlq3からなる有機薄膜が形成される。そして、所定膜厚の有機薄膜が形成されたところで、バルブV1,V4,V5を閉じ、バルブV2,V3を開き、処理チャンバ11内へのガスGの供給を停止するとともに、処理チャンバ11内を不活性ガスgで置換する。
【0041】
以上の後、基板Wおよび基板ホルダー13をロードロック室14に戻し、ロードロック室14内の圧力を常圧に戻して基板Wを取出す。このとき、有機薄膜が形成された基板Wが大気に触れないように、ロードロック室14内において基板Wを専用のN2ガス封止箱に移載し、N2ガス封止箱を薄膜形成装置の外へ持ち出すようにしてもよい。
【0042】
上述したような薄膜形成装置によれば、各排気口31はガス供給口21から供給されたガスGが基板装着面13aの各部に誘導されるように配置されていることから、ガスGが開口された各排気口31へ誘導されることで、基板装着面13aに装着された基板Wの表面に対してガスGが偏ることなく、各部に均等に供給される。これにより、均一な膜厚の薄膜を形成することができる。
また、各排気口31がその開度を調整することで排気量を調整自在なエア駆動バルブに接続されていることから、基板W表面の各部に供給されるガス量を調整することができるため、基板表面に供給されるガスGの分布をより確実に均一にすることができる。
【0043】
以上のことから、基板Wを固定させた状態であっても、均一な膜厚の薄膜を形成することができるため、この薄膜形成装置を用いてAlq3のような有機EL発光素子からなる有機薄膜を形成する場合には、基板ホルダー13に回転またはスライドさせる駆動機構が設けられていなくても、大画面でも輝度むらのない均一な膜厚の有機薄膜を形成することが可能である。
したがって、基板ホルダーの装置構成が簡略化されるため、装置を小型化することができる。また、装置内に光などを用いたリアルタイムの膜厚モニタリングシステムなど、別のシステムを導入することが可能となる。
【0044】
また、複数の供給管ライン21を備えた薄膜形成装置によれば、異なる有機原料からなる原料ガスを、順次、複数の供給ライン21から処理チャンバ11内に導入し、異なる有機薄膜を連続的に積層形成することが可能となり、均一な膜厚の薄膜を積層形成することができる。
【0045】
また、本実施形態においては、各排気口31が排気量を調整自在なエア駆動バルブに接続されていることから、その排気量を制御することで、ガスの供給方向を切り換えることができる。
さらに各排気口31は、投射点O’を中心とする円の円周上に均等配置されていることから、ガスGは基板W表面にその円周に沿うようにガスの供給方向を変えて基板Wの表面領域に供給されるため、基板Wを駆動機構により回転させた場合と同様の効果を奏し、マスクを用いて成膜した場合のシャドー効果を抑制することができる。
【0046】
また、上述したような薄膜形成方法によれば、各排気口31の開度および開口時間を調整し、排気量を調整することで、基板Wの表面の各部に供給されるガスGの分布を調整することから、基板W表面の各部に均等にガスGを供給することができ、成膜圧力に関わらず、均一な膜厚の有機薄膜(ここでは、有機EL発光素子層)を形成することができる。
したがって、大画面でも輝度むらのない有機EL発光素子層を形成することが可能である。
【0047】
さらに、各排気口31に接続されたエア駆動バルブにより、複数設けられた排気口31a〜31fからの排気を切り換えて順次開口させることで、ガスGの供給方向を変化させることから、基板W表面の各部において様々な方向からガスGが供給されるためマスクを用いて成膜した場合のシャドー効果を抑制することも可能である。
【0048】
また、本実施形態では、排気口31a〜31fが排気口31aから順次開口される例について説明したが、排気口31a〜31fが同時に開口されてもよい。この場合においても基板装着面13aに装着された基板Wに向けて、ガスGが基板Wの周縁部側に広がるように供給されるため、基板W表面に供給されるガスGの偏りが抑制され、基板Wの各部に均等にガスを供給することができる。
【0049】
また、本実施形態では、排気口31a〜31fが基板装着面13aの中心Oの投射点O’を中心とする円の円周上に均等配置された薄膜形成装置の例について説明したが、本発明はこれに限定されず、図7に示すように、処理チャンバ11内から見た場合の側壁11aに、例えば10個の排気口31g〜31pが基板装着面13aを囲むように上下に各5個ずつ並列された配置パターンであってもよい。
【0050】
このような薄膜形成装置を用いた場合の有機薄膜の形成方法は次のようになる。
ここで、縦軸に各排気口31の開度(ここでは、0%または100%のどちらかとする)、横軸にその開口時間をとったグラフを図8に示す。以下、図9、図10に示すグラフも同様のグラフである。
【0051】
ここでは、図8のグラフに示すように、例えば上下2個(例えば31gと31l)の排気口31の組み合わせを1セットとし、エア駆動バルブにより図1における奥行き方向から手前方向に向けて各排気口31を一定時間ずつ開口させてもよく、図9のグラフに示すように図1における奥行き方向と手前方向とに往復させてもよい。
さらに、図10のグラフに示すように、予め基板Wに有機薄膜を堆積させた場合の膜厚分布に基づき、膜厚の薄い部分に対する開口時間は長く、膜厚の厚い部分に対する開口時間は短くなるように、各排気口31の開口時間を調整してもよい。
【0052】
このような薄膜形成装置および薄膜形成方法によれば、上下2個の排気口31の組み合わせを1セットとしてガスGを供給することで、基板W表面に対して、図1における上下方向に渡る帯状にガスGを供給することができ、図面上奥行き方向から手前方向に向けて一定時間ずつ開口させることで、基板Wの幅にわたって供給することができる。これにより、基板Wを図面上奥行方向にスライドさせた場合と同様の効果を奏し、基板W表面の各部において様々な方向からガスGが供給されるため、マスクを用いて成膜した場合のシャドー効果を抑制することができる。
特に基板Wが矩形状である場合には、効率よく基板W表面の全域に均等にガスGを供給することができるため、排気口31の配置パターンはこのパターンが好ましい。
【0053】
以上説明したような実施形態の薄膜形成装置においては、基板ホルダー13を固定させた状態で用いた例について説明したが、基板ホルダー13に回転またはスライドさせる駆動機構が設けられていれば、より均一な膜厚の薄膜の形成を行うことが可能であるとともに、より高いシャドー防止効果も奏することができる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の薄膜形成装置によれば、ガス供給手段から基板装着面に向けて供給されたガスが複数の排気口に誘導されることにより、基板装着面に装着される基板の表面に対するガスの偏りを抑制し、各部により均等に供給される。したがって、より均一な膜厚の薄膜の形成を行うことが可能である。
【0055】
これにより、基板を固定させた状態であっても、均一な膜厚の薄膜を形成することができるため、この薄膜形成装置を用いて有機EL素子のような有機薄膜を形成する場合には、基板ホルダーに回転またはスライドさせる駆動機構が設けられていなくても、大画面でも輝度むらのない均一な膜厚の有機EL素子層を形成することが可能である。
これにより、基板ホルダーの装置構成が簡略化されるため、装置の小型化が可能となる。また、装置内に光などを用いたリアルタイムの膜厚モニタリングシステムなど、別のシステムを導入することが可能となる。
【0056】
このような薄膜形成装置において、特に、各排気口がこの排気口からの排気量を調整自在な制御手段に接続されている場合には、この制御手段により各排気口からの排気量を調整することで、基板表面の各部に供給されるガス量を調整することができるため、基板表面に供給されるガスの分布をより均一にすることができ、より確実に均一な膜厚の薄膜の形成を行うことが可能である。
また、各排気口からの排気量を調整することで、基板表面の各部に対するガスの供給方向を変えられるため、蒸着マスクを用いて成膜した場合のシャドー効果を抑制することができる。
【0057】
また、本発明の薄膜形成方法によれば、複数の排気口からの排気量を調整することで、基板の表面の各部に供給されるガス量を調整することから、基板表面に供給されるガスの偏りを抑制し、基板表面の各部により均等にガスを供給することができるため、成膜圧力に関わらず、より均一な膜厚の薄膜を形成することができる。
したがって、このような薄膜形成方法を適用して有機EL素子のような有機薄膜を形成する場合には、大画面でも輝度むらのない有機EL素子層を形成することが可能である。
【0058】
特に、各排気口からの排気を切り換えて、ガスの供給方向を変化させる場合には、基板装着面を駆動させた場合と同様の効果を奏し、基板表面の各部において様々な方向からガスが供給されるため、マスクを用いて成膜した場合のシャドー効果を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態における薄膜形成装置の概略構成図である。
【図2】実施形態における薄膜形成装置の排気口の配置パターンを示す要部拡大図である(その1)。
【図3】実施形態における薄膜形成装置の各排気口の開度と開口時間を示すグラフである(その1)。
【図4】実施形態における薄膜形成装置の各排気口の開度と開口時間を示すグラフである(その2)。
【図5】実施形態における薄膜形成装置の各排気口の開度と開口時間を示すグラフである(その3)。
【図6】実施形態における薄膜形成装置の各排気口の開度と開口時間を示すグラフである(その4)。
【図7】実施形態における薄膜形成装置の排気口の配置パターンを示す要部拡大図である(その2)。
【図8】実施形態における薄膜形成装置の各排気口の開度と開口時間を示すグラフである(その5)。
【図9】実施形態における薄膜形成装置の各排気口の開度と開口時間を示すグラフである(その6)。
【図10】実施形態における薄膜形成装置の各排気口の開度と開口時間を示すグラフである(その7)。
【符号の説明】
11…処理チャンバ、11a…側壁、13…基板ホルダー、13a…基板装着面、15…ガス供給手段、31…排気口、W…基板、G…ガス
【発明の属する技術分野】
本発明は薄膜形成装置および薄膜形成方法に関するものであって、特に、処理チャンバ内で基板表面に対してキャリアガスとともに原料ガスを供給することにより有機薄膜を形成する有機気相堆積法に適用される薄膜形成装置および薄膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機ELディスプレイ素子などの低分子系有機EL発光素子用の有機薄膜は、一般的に真空蒸着法で成膜されている。
真空蒸着法に用いられる真空蒸着装置は、処理チャンバと処理チャンバ内の底部に設けられた蒸着源と、蒸着源の上方にこの蒸着源に対して対向配置された基板ホルダーとを備えている。
【0003】
真空蒸着装置では、蒸着源から有機原料を蒸発させることで、基板ホルダーに装着された基板の表面に原料ガスを供給し堆積させて有機薄膜を形成する。このような真空蒸着装置を用いた成膜において成膜速度を制御するには、蒸着源の温度を変化させるなどして、有機原料の蒸発レートを変化させなければならない。
しかし、温度と蒸発レートとはリニアに対応しておらず、また、温度を変化させることで蒸発レートが不安定な挙動を示すため、正確な制御は困難である。また、温度変化に対する蒸発レートの応答性も悪いため長いプロセス時間が必要になり、生産性が悪いといった問題もある。
【0004】
そこで、近年、有機薄膜を形成する装置として、有機気相堆積法(Organic Vapor Phase Deposition(OVPD))による有機気相堆積装置が提案されている(特表2001−523768号公報)。
有機気相堆積装置は、処理チャンバと、処理チャンバ内に設けられた基板ホルダーと、基板ホルダー側に向けてガスを供給するように対向配置されたガス供給手段とを備えており、減圧雰囲気下の処理チャンバ内でキャリアガスとともに原料ガスを基板ホルダーに装着された基板表面に供給することで、有機薄膜を形成する。
このような有機気相堆積装置は、原料温度制御に加え、処理チャンバ内への原料ガスの供給速度によっても、成膜速度が調整されるため、真空蒸着装置と比較して成膜速度の制御性が良好で成膜速度も速いという利点を有している。
【0005】
上述したような有機気相堆積装置を用いて有機薄膜を形成する場合には、有機薄膜が熱に不安定であることから、基板を冷却するために基板ホルダーには温度制御機構が設けられている。
さらに、基板を固定させた状態で有機薄膜を形成すると、原料ガスを基板表面に均一に蒸着させることができず、形成される有機薄膜の膜厚が不均一となることから、基板ホルダーに回転またはスライドさせる駆動機構を設けることで、基板に形成される有機薄膜の膜厚分布を調整している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述したような有機気相堆積装置では、処理チャンバ内に気相状態で原料ガスが供給されるため、ガス供給口から供給された原料ガスは排気口に向かって最短経路で流動し易い。このため、原料ガスの流動方向を考慮に入れてガス供給口に対して基板装着面を複雑に可動させる必要があり、基板表面に原料ガスを均一に供給するのは困難であった。
【0007】
有機ELディスプレイを作製する場合、有機薄膜の膜厚分布が不均一であると、薄いところは抵抗が少ないために優先的に電流が流れてしまい、輝度むらの発生につながる。
また、上述したような構成の有機気相堆積装置は、基板ホルダーに温度制御機構や駆動機構等、複数の機構が設けられていることから、装置構成が複雑となり、装置が大型化するとともにコストが高くなるという問題もあった。
【0008】
したがって、基板ホルダーを固定させた状態であっても、基板ホルダーに装着される基板表面に均一な膜厚の有機薄膜の形成を行うことができる薄膜形成装置が望まれていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題を解決するために、本発明の薄膜形成装置は、処理チャンバと、処理チャンバ内に設けられた基板ホルダーと、基板ホルダーの基板装着面に向けてガスを供給するガス供給手段と、処理チャンバ内の余分なガスを排気するための排気口とを備えた薄膜形成装置であって、排気口が複数設けられているとともに、これらの各排気口はガス供給手段から供給されたガスが基板装着面の各部に誘導されるように配置されていることを特徴としている。
【0010】
このような薄膜形成装置によれば、排気口が複数設けられているとともに、各排気口はガス供給手段から供給されたガスが基板装着面の各部に誘導されるように配置されている。一般的に、処理チャンバ内に気相状態で供給されたガスは、排気口に向けて最短経路で流動し易いことから、本発明の薄膜形成装置においても、ガス供給手段から基板装着面に向けて供給されたガスは、開口された各排気口に誘導される。このため、基板装着面に装着される基板の表面に対してガスの偏りが抑制され、各部により均等に供給される。したがって、より均一な膜厚の薄膜の形成を行うことが可能である。
【0011】
特に、各排気口がこの排気口からの排気量を調整自在な制御手段に接続されている場合には、この制御手段により各排気口からの排気量を調整することで、基板表面の各部に供給されるガス量を調整することができるため、基板表面に供給されるガスの分布をより均一にすることができ、より確実に均一な膜厚の薄膜の形成を行うことが可能である。
また、各排気口からの排気量を調整することで、基板表面の各部に対するガスの供給方向を変えられるため、マスクを用いて成膜した場合に、ガスの供給されにくいマスクのエッジ部分にもガスが供給されるようになり、シャドー効果を抑制することができる。
【0012】
また本発明の薄膜形成方法は、複数の排気口が設けられた処理チャンバ内に基板を収納し、処理チャンバ内の基板の表面に向けて成膜成分からなるガスを供給するとともに、各排気口からの排気量を調整することで基板の表面の各部に供給されるガス量を調整して薄膜を形成することを特徴としている。
【0013】
このような薄膜形成方法によれば、各排気口からの排気量を調整することで、基板の表面の各部に供給されるガス量を調整することから、基板の表面に対して供給されるガスの偏りを抑制し、各部により均等にガスを供給することができるため、成膜圧力に関わらず、より均一な膜厚の薄膜を形成することができる。
【0014】
特に、各排気口からの排気を切り換えることにより、ガスの供給方向を変化させる場合には、基板装着面を駆動させた場合と同様の効果を奏し、ガスの供給方向を変化させることで、基板表面の各部において様々な方向からガスが供給されるため、マスクを用いて成膜した場合のシャドー効果を抑制することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明の薄膜形成装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
<薄膜形成装置>
図1は本発明の薄膜形成装置である有機気相堆積装置の一実施形態を説明するための概要構成図である。この図に示す薄膜形成装置は、減圧雰囲気下に維持した処理チャンバ11内で基板Wを覆うように蒸着マスク(図示せず)を配置し、この蒸着マスクを介して基板W上に所定パターンの有機薄膜の形成を行うものである。
【0017】
薄膜形成装置は有機薄膜の形成処理が施される基板Wを収納するための処理チャンバ11を備えている。
そして、この処理チャンバ11内には基板Wを支持するための基板ホルダー13が収納され、基板ホルダー13には基板装着面13aに装着された状態の基板Wの温度制御が自在な温度制御機構(図示せず)が設けられている。
【0018】
また、この処理チャンバ11には、排気システム12が備えられており、処理チャンバ11内部が所定の圧力にコントロールされる。また、ここでの図示は省略したが、排気システム12によって排気されるガスは、トラップを通り余分な材料を捕獲し、後で説明するキャリアガス(例えばN2)のみが、装置外に排出される構成となっており、この排気はスクラバーを通過後に大気開放される構成となっている。
【0019】
この排気システム12は、例えば基板装着面13aの裏面側に位置する処理チャンバ11の側壁11aに設けられた複数の排気口(図示省略)を介して処理チャンバ11内に連通されている。ここで、複数の排気口はガスGが基板装着面13aの各部に対して均等に供給されるように配置されている。
【0020】
図2に処理チャンバ11内から見た場合の側壁11aに配置された複数の排気口31の配置パターンを示す。図2に示すように、ここでは、例えば、基板装着面13aの中心Oを、基板装着面13aの裏面側の側壁11aに投射した点O’(以下、投射点O’とする)を中心とする円の円周上に、基板装着面13aを囲むように、6個の排気口31a〜31fが均等配置されていることとする。
【0021】
この排気口31a〜31fはそれぞれ例えばエア駆動バルブ(図示せず)に接続されており、手動または自動で排気口31a〜31fの開度を自在に調整できることとする。この開度を100%または0%にすることで、それぞれの排気口31a〜31fを開閉することも可能である。
このように、各排気口31a〜31fの開度を調整することで、各排気口31a〜31fからの排気量を調整し、処理チャンバ11内に導入されたガスGの供給方向を自在に調整することができる。
なお、ここでは排気口31の開度を調整することで、各排気口31からの排気量を調整することとしたが、本発明はこれに限定されず、例えば真空ポンプの出力で、排気量を調整してもよい。
【0022】
ここで、再び図1に示すように、基板ホルダー13がガス供給口21aから排気口31(図2参照)までのガスGの供給方向に対して妨げるように配置されていても、ガスGは基板装着面13aの裏面側に周りこんで、各排気口31に誘導されるため問題ない。
【0023】
また、この処理チャンバ11には、基板ホルダー13に基板Wを固定させる作業を行うためのロードロック室14が設けられている。このロードロック室14は、内部をポンプで排気でき、また不活性ガス等で自在に置換できる構成となっており、不活性ガス雰囲気内において基板ホルダー13に基板Wを固定させ、ポンプで排気し、減圧にした状態でロードロック室14−処理チャンバ11間のゲートバルブ(図示省略)を開くことにより、基板Wを固定させた基板ホルダー13を処理チャンバ11内に所定状態で配置収納することが可能である。
【0024】
次に処理チャンバ11内にガスGを供給するガス供給手段15について説明する。
ガス供給手段15は、処理チャンバ11内にガスGを供給する供給管ライン21と、供給管ライン21が接続されるガス精製装置22と、処理チャンバ11とガス精製装置22との間の供給管ライン21に設けられた原料供給機構25とを備えている。
供給管ライン21はその一端が処理チャンバ11内に挿入されており、この供給管ライン21の先端であるガス供給口21aは、処理チャンバ11内に所定状態で配置収納された基板ホルダー13の基板装着面13aに向けて、ガスGを供給するように配置されている。
【0025】
一方、供給管ライン21の他端は、高純度のキャリアガスg(例えばN2、He、Ar)が貯蔵されたガス精製装置22(またはボンベ)に接続されている。そして、ガス精製装置22から処理チャンバ11までの間の供給管ライン21には、ガス精製装置22側から順に、圧力調整機23、マスフローコントローラ(MFC)24、および原料供給機構25が設けられ、さらにベントライン26が接続されると共に、ベントライン26と処理チャンバ11との間にバルブV1が設けられた構成になっている。また、ベントライン26にもバルブV2が設けられていることとする。
【0026】
このうち、原料供給機構25は、有機薄膜の原料となる有機材料が貯蔵された原料容器25a、供給管ライン21から分岐して原料容器25aに挿入される導入管25b、この導入管25bよりも下流側の供給ライン21から分岐して原料容器25aに挿入された排出管25cを備えている。そして、供給管ライン21における導入管25bと排出管25cとの分岐の間、導入管25b、および排出管25cには、それぞれバルブV3,V4,V5が設けられている。
【0027】
なお、本実施形態では、一本の供給管ライン21を備えた薄膜形成装置の例について説明したが、処理チャンバ11とガス精製装置22(または圧力調整機23)との間に、MFC24〜バルブV1までの部分を設けた複数の供給管ライン21を設けた薄膜形成装置であってもよい。
【0028】
以上のような構成の有機気相堆積装置において、MFC24から処理チャンバ11までの配管、容器等はすべて、所定の高温に温度制御されることとする。温度制御のための加熱方式は、オーブン内などに設置する空気恒温槽方式でも、高温オイルなどを循環させる方式でも、RF(Radio Frequency)加熱方式(高周波誘導加熱方式)でも、ランプ加熱方式でもよく、特に限定されることはない。
【0029】
<薄膜形成方法>
次に、以上のような構成の有機気相堆積装置を用いた有機薄膜の形成方法を説明する。ここでは、一例として、有機EL素子に一般的に用いられるAlq3[tris(8−quinolinolato)aluminu(III)]からなる電子輸送性発光層を形成する場合について説明する。
【0030】
まず、ロードロック室14内において基板ホルダー13に基板Wを保持固定し、ロードロック室14内を減圧雰囲気にした後、それぞれ同じ圧力に保たれたロードロック室14と処理チャンバ11との間のゲートを開けて、基板ホルダー13を処理チャンバ11内の所定位置にセットする。
そして、排気システム12によって処理チャンバ11内を、例えば133Paに保つとともに、基板ホルダー13の温度制御機構によって基板Wを20℃程度に保持する。
【0031】
ここでは基板Wの表面を覆うようにマスク(図示せず)を配置して成膜を行うこととするが、マスクを用いずに基板Wの全面に成膜する場合においても本発明は適用可能である。
また、ここでは処理チャンバ11内を減圧雰囲気下に保つこととするが、本発明はこれに限定されず、減圧から加圧までのあらゆる堆積圧力で応用することが可能である。
【0032】
そして、原料供給機構25の原料容器25aには、有機薄膜の原料となる有機原料(ここではAlq3)を貯蔵すると共に、原料容器25a内の有機原料を所定温度(Alq3の場合には280℃)に加熱する。これにより、原料容器25a内に、加熱温度に対する有機原料(Alq3)の蒸気圧分を気体として存在させておく。また、MFC24から処理チャンバ11までの配管、容器等はすべて、所定の高温に温度制御(例えば280℃程度)し、加熱しておくこととする。
【0033】
以上のような状態で、バルブV2,V3を閉じ、バルブV1,V4,V5を開く。そして、ガス精製装置22から、圧力調整機23により、例えば0.2MPaに圧力コントロールされ、MFC24により高精度に流量コントロールされたキャリアガス(例えばN2)gを、供給管ライン21に流す。流量の一例としては、1000sccm(standard cc /min:標準状態での1分あたりの流量)である。
なお、本実施形態ではキャリアガスとして例えば不活性ガスであるN2を用いることとしたが、本発明はこれに限定されず、成膜成分の有機原料と反応しないガスであればよく、例えばH2、He、Arであってもよい。
【0034】
そして、キャリアガスgを原料容器25aに供給し、原料容器25a内において気化された有機原料(Alq3)のガスを、キャリアガスgとともに排出管25cおよび供給管ライン21から処理チャンバ11内に輸送供給する。
これにより、処理チャンバ11内の基板装着面13aに装着された基板Wに向けて、ガス供給口21aから有機原料(Alq3)ガスを含むガスGが供給される。
【0035】
一方、各排気口31(図2参照)に接続されたエア駆動バルブにより、各排気口31の開度を調整してその排気量を調整することで、ガスGの供給方向を制御する。
ここで、縦軸に各排気口31の開度(ここでは、0%または100%のどちらかとする)、横軸にその開口時間をとったグラフを図3に示す。以下、図4から図6に示すグラフも同様のグラフである。
【0036】
ここでは、図3に示すように、排気口31a〜31fを例えば31aから順番に開度100%で一定時間ずつ開口して排気量を調整することとする。これにより、供給されたガスGは開口されている各排気口31へ順次誘導され、基板W表面の各部に供給される。
【0037】
また、各排気口31は前述したように投射点O’を中心とする円の円周上に均等配置されていることから、ガスGは基板W表面にその円周に沿うようにガスの供給方向を変化させながら、基板Wの表面領域に供給される。これにより、特に基板Wが円形状である場合には、効率よく基板W表面の全域に均等にガスGを供給することができるため、この場合の排気口31の配置パターンは上述したパターンが好ましい。
【0038】
なお、ここでは、排気口31a〜31fを順に1個ずつ開口させた例について説明したが、これに限定されず、図4のグラフに示すように各排気口31の開度を2個ずつ同時に切り換えてもよく、図5のグラフに示すように3個ずつ同時に切り換えてもよい。
また、ここでの図示は省略したが、排気口31a〜31fを同時に開口させてもよい。
【0039】
ここで、開度を調整する際の排気口31の組み合わせや数、また、それぞれの開口時間は、予め、基板Wに有機薄膜を形成させた場合の膜厚分布により適宜設定するのが好ましい。
その結果に基づき、膜厚の薄く形成された部分には開口時間を長く、厚いところには開口時間を短くするように調整することで、例えば図6のグラフに示すように各排気口31の開口時間を変えて順次開口させてもよい。
さらに、各排気口31の開度についてもここでは0または100%の開閉のみで調整した例を示したが、本発明はこれに限定されず、0〜100%のいずれの開度にも調整することができる。
【0040】
このようにして、20℃の温度に保たれた基板Wの表面にAlq3からなる有機薄膜が形成される。そして、所定膜厚の有機薄膜が形成されたところで、バルブV1,V4,V5を閉じ、バルブV2,V3を開き、処理チャンバ11内へのガスGの供給を停止するとともに、処理チャンバ11内を不活性ガスgで置換する。
【0041】
以上の後、基板Wおよび基板ホルダー13をロードロック室14に戻し、ロードロック室14内の圧力を常圧に戻して基板Wを取出す。このとき、有機薄膜が形成された基板Wが大気に触れないように、ロードロック室14内において基板Wを専用のN2ガス封止箱に移載し、N2ガス封止箱を薄膜形成装置の外へ持ち出すようにしてもよい。
【0042】
上述したような薄膜形成装置によれば、各排気口31はガス供給口21から供給されたガスGが基板装着面13aの各部に誘導されるように配置されていることから、ガスGが開口された各排気口31へ誘導されることで、基板装着面13aに装着された基板Wの表面に対してガスGが偏ることなく、各部に均等に供給される。これにより、均一な膜厚の薄膜を形成することができる。
また、各排気口31がその開度を調整することで排気量を調整自在なエア駆動バルブに接続されていることから、基板W表面の各部に供給されるガス量を調整することができるため、基板表面に供給されるガスGの分布をより確実に均一にすることができる。
【0043】
以上のことから、基板Wを固定させた状態であっても、均一な膜厚の薄膜を形成することができるため、この薄膜形成装置を用いてAlq3のような有機EL発光素子からなる有機薄膜を形成する場合には、基板ホルダー13に回転またはスライドさせる駆動機構が設けられていなくても、大画面でも輝度むらのない均一な膜厚の有機薄膜を形成することが可能である。
したがって、基板ホルダーの装置構成が簡略化されるため、装置を小型化することができる。また、装置内に光などを用いたリアルタイムの膜厚モニタリングシステムなど、別のシステムを導入することが可能となる。
【0044】
また、複数の供給管ライン21を備えた薄膜形成装置によれば、異なる有機原料からなる原料ガスを、順次、複数の供給ライン21から処理チャンバ11内に導入し、異なる有機薄膜を連続的に積層形成することが可能となり、均一な膜厚の薄膜を積層形成することができる。
【0045】
また、本実施形態においては、各排気口31が排気量を調整自在なエア駆動バルブに接続されていることから、その排気量を制御することで、ガスの供給方向を切り換えることができる。
さらに各排気口31は、投射点O’を中心とする円の円周上に均等配置されていることから、ガスGは基板W表面にその円周に沿うようにガスの供給方向を変えて基板Wの表面領域に供給されるため、基板Wを駆動機構により回転させた場合と同様の効果を奏し、マスクを用いて成膜した場合のシャドー効果を抑制することができる。
【0046】
また、上述したような薄膜形成方法によれば、各排気口31の開度および開口時間を調整し、排気量を調整することで、基板Wの表面の各部に供給されるガスGの分布を調整することから、基板W表面の各部に均等にガスGを供給することができ、成膜圧力に関わらず、均一な膜厚の有機薄膜(ここでは、有機EL発光素子層)を形成することができる。
したがって、大画面でも輝度むらのない有機EL発光素子層を形成することが可能である。
【0047】
さらに、各排気口31に接続されたエア駆動バルブにより、複数設けられた排気口31a〜31fからの排気を切り換えて順次開口させることで、ガスGの供給方向を変化させることから、基板W表面の各部において様々な方向からガスGが供給されるためマスクを用いて成膜した場合のシャドー効果を抑制することも可能である。
【0048】
また、本実施形態では、排気口31a〜31fが排気口31aから順次開口される例について説明したが、排気口31a〜31fが同時に開口されてもよい。この場合においても基板装着面13aに装着された基板Wに向けて、ガスGが基板Wの周縁部側に広がるように供給されるため、基板W表面に供給されるガスGの偏りが抑制され、基板Wの各部に均等にガスを供給することができる。
【0049】
また、本実施形態では、排気口31a〜31fが基板装着面13aの中心Oの投射点O’を中心とする円の円周上に均等配置された薄膜形成装置の例について説明したが、本発明はこれに限定されず、図7に示すように、処理チャンバ11内から見た場合の側壁11aに、例えば10個の排気口31g〜31pが基板装着面13aを囲むように上下に各5個ずつ並列された配置パターンであってもよい。
【0050】
このような薄膜形成装置を用いた場合の有機薄膜の形成方法は次のようになる。
ここで、縦軸に各排気口31の開度(ここでは、0%または100%のどちらかとする)、横軸にその開口時間をとったグラフを図8に示す。以下、図9、図10に示すグラフも同様のグラフである。
【0051】
ここでは、図8のグラフに示すように、例えば上下2個(例えば31gと31l)の排気口31の組み合わせを1セットとし、エア駆動バルブにより図1における奥行き方向から手前方向に向けて各排気口31を一定時間ずつ開口させてもよく、図9のグラフに示すように図1における奥行き方向と手前方向とに往復させてもよい。
さらに、図10のグラフに示すように、予め基板Wに有機薄膜を堆積させた場合の膜厚分布に基づき、膜厚の薄い部分に対する開口時間は長く、膜厚の厚い部分に対する開口時間は短くなるように、各排気口31の開口時間を調整してもよい。
【0052】
このような薄膜形成装置および薄膜形成方法によれば、上下2個の排気口31の組み合わせを1セットとしてガスGを供給することで、基板W表面に対して、図1における上下方向に渡る帯状にガスGを供給することができ、図面上奥行き方向から手前方向に向けて一定時間ずつ開口させることで、基板Wの幅にわたって供給することができる。これにより、基板Wを図面上奥行方向にスライドさせた場合と同様の効果を奏し、基板W表面の各部において様々な方向からガスGが供給されるため、マスクを用いて成膜した場合のシャドー効果を抑制することができる。
特に基板Wが矩形状である場合には、効率よく基板W表面の全域に均等にガスGを供給することができるため、排気口31の配置パターンはこのパターンが好ましい。
【0053】
以上説明したような実施形態の薄膜形成装置においては、基板ホルダー13を固定させた状態で用いた例について説明したが、基板ホルダー13に回転またはスライドさせる駆動機構が設けられていれば、より均一な膜厚の薄膜の形成を行うことが可能であるとともに、より高いシャドー防止効果も奏することができる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の薄膜形成装置によれば、ガス供給手段から基板装着面に向けて供給されたガスが複数の排気口に誘導されることにより、基板装着面に装着される基板の表面に対するガスの偏りを抑制し、各部により均等に供給される。したがって、より均一な膜厚の薄膜の形成を行うことが可能である。
【0055】
これにより、基板を固定させた状態であっても、均一な膜厚の薄膜を形成することができるため、この薄膜形成装置を用いて有機EL素子のような有機薄膜を形成する場合には、基板ホルダーに回転またはスライドさせる駆動機構が設けられていなくても、大画面でも輝度むらのない均一な膜厚の有機EL素子層を形成することが可能である。
これにより、基板ホルダーの装置構成が簡略化されるため、装置の小型化が可能となる。また、装置内に光などを用いたリアルタイムの膜厚モニタリングシステムなど、別のシステムを導入することが可能となる。
【0056】
このような薄膜形成装置において、特に、各排気口がこの排気口からの排気量を調整自在な制御手段に接続されている場合には、この制御手段により各排気口からの排気量を調整することで、基板表面の各部に供給されるガス量を調整することができるため、基板表面に供給されるガスの分布をより均一にすることができ、より確実に均一な膜厚の薄膜の形成を行うことが可能である。
また、各排気口からの排気量を調整することで、基板表面の各部に対するガスの供給方向を変えられるため、蒸着マスクを用いて成膜した場合のシャドー効果を抑制することができる。
【0057】
また、本発明の薄膜形成方法によれば、複数の排気口からの排気量を調整することで、基板の表面の各部に供給されるガス量を調整することから、基板表面に供給されるガスの偏りを抑制し、基板表面の各部により均等にガスを供給することができるため、成膜圧力に関わらず、より均一な膜厚の薄膜を形成することができる。
したがって、このような薄膜形成方法を適用して有機EL素子のような有機薄膜を形成する場合には、大画面でも輝度むらのない有機EL素子層を形成することが可能である。
【0058】
特に、各排気口からの排気を切り換えて、ガスの供給方向を変化させる場合には、基板装着面を駆動させた場合と同様の効果を奏し、基板表面の各部において様々な方向からガスが供給されるため、マスクを用いて成膜した場合のシャドー効果を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態における薄膜形成装置の概略構成図である。
【図2】実施形態における薄膜形成装置の排気口の配置パターンを示す要部拡大図である(その1)。
【図3】実施形態における薄膜形成装置の各排気口の開度と開口時間を示すグラフである(その1)。
【図4】実施形態における薄膜形成装置の各排気口の開度と開口時間を示すグラフである(その2)。
【図5】実施形態における薄膜形成装置の各排気口の開度と開口時間を示すグラフである(その3)。
【図6】実施形態における薄膜形成装置の各排気口の開度と開口時間を示すグラフである(その4)。
【図7】実施形態における薄膜形成装置の排気口の配置パターンを示す要部拡大図である(その2)。
【図8】実施形態における薄膜形成装置の各排気口の開度と開口時間を示すグラフである(その5)。
【図9】実施形態における薄膜形成装置の各排気口の開度と開口時間を示すグラフである(その6)。
【図10】実施形態における薄膜形成装置の各排気口の開度と開口時間を示すグラフである(その7)。
【符号の説明】
11…処理チャンバ、11a…側壁、13…基板ホルダー、13a…基板装着面、15…ガス供給手段、31…排気口、W…基板、G…ガス
Claims (5)
- 処理チャンバと、前記処理チャンバ内に設けられた基板ホルダーと、前記基板ホルダーの基板装着面に向けてガスを供給するガス供給手段と、前記処理チャンバ内の余分なガスを排気するための排気口とを備えた薄膜形成装置であって、
前記排気口が複数設けられているとともに、これらの各排気口は前記ガス供給手段から供給されたガスが前記基板装着面の各部に誘導されるように配置されている
ことを特徴とする薄膜形成装置。 - 前記各排気口はこの排気口からの排気量を調整自在な制御手段に接続されている
ことを特徴とする請求項1記載の薄膜形成装置。 - 前記各排気口は前記基板装着面の裏面側における前記処理チャンバの側壁に設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の薄膜形成装置。 - 複数の排気口が設けられた処理チャンバ内に基板を収納し、
前記処理チャンバ内の前記基板の表面に向けて成膜成分からなるガスを供給するとともに、前記各排気口からの排気量を調整することで前記基板の表面の各部に供給されるガス量を調整して薄膜を形成する
ことを特徴とする薄膜形成方法。 - 前記各排気口からの排気を切り換えることにより、前記ガスの供給方向を変化させる
ことを特徴とする請求項4記載の薄膜形成方法。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP1584705A1 (en) * | 2004-03-30 | 2005-10-12 | Tohoku Pioneer Corporation | Vapor source for film formation apparatus |
KR20140041794A (ko) * | 2011-06-22 | 2014-04-04 | 아익스트론 에스이 | 기상 증착 방법 및 장치 |
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2002
- 2002-07-10 JP JP2002200778A patent/JP2004043853A/ja active Pending
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