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JP2004043475A - 経口用セファロスポリン製剤 - Google Patents

経口用セファロスポリン製剤 Download PDF

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JP2004043475A JP2003271276A JP2003271276A JP2004043475A JP 2004043475 A JP2004043475 A JP 2004043475A JP 2003271276 A JP2003271276 A JP 2003271276A JP 2003271276 A JP2003271276 A JP 2003271276A JP 2004043475 A JP2004043475 A JP 2004043475A
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Abstract

【課題】
 苦味の改善された経口用セファロスポリン製剤を提供する。
【解決手段】
 糖アルコール及びストロベリー香料を含有することを特徴とする経口用セファロスポリン製剤。
【選択図】なし

Description

 本発明は苦味の改善された経口用セファロスポリン製剤に関する。
 薬物の苦味を改善する方法として、糖類、人工甘味料、糖アルコール、酸味料、アミノ酸、グルタミン酸塩、香料等を配合する方法が知られている。しかし、薬物の化学構造が違えば苦味の種類も変化するため、薬物固有の苦味に対して最適の改善効果を示す配合処方を見出すことは容易ではない。
 経口用セファロスポリン化合物(特にエステルプロドラッグ型セファロスポリン)は化合物群に特有の強い苦味を有する。ドライシロップ剤等の口腔内に薬物が分散し苦味を感じ易い製剤について服用を容易にするため味の改善された製剤処方が求められている。
 発明者は経口用セファロスポリン製剤の苦味改善について長年にわたり検討を重ねた結果、糖アルコールとストロベリー香料を配合することにより、従来の処方と比べて格段に優れた苦味の改善効果を示すことを見出し本発明を完成した。
 本発明は、下記の苦味の改善された経口用セファロスポリン製剤である。
(1) 糖アルコール及びストロベリー香料を含有することを特徴とする経口用セファロスポリン製剤。
(2) (1)において、経口用セファロスポリンがエステルプロドラッグ型セファロスポリンである経口用セファロスポリン製剤。
(3) (1)において、経口用セファロスポリンがセフポドキシムプロキセチル、セフォチアムヘキセチル、セフテラムピボキシル、セフロキシムアクセチル、セフェタメトピボキシル、セフジトレンピボキシル及びセフカペンピボキシルからなる群から選択される経口用セファロスポリン製剤。
(4) (1)において、経口用セファロスポリンがセフポドキシムプロキセチルである経口用セファロスポリン製剤。
(5) (1)乃至(4)から選択されるいずれか1つにおいて、糖アルコールがエリスリトール、キシリトール、マンニトール及びソルビトールからなる群から選択される経口用セファロスポリン製剤。
(6) (1)乃至(4)から選択されるいずれか1つにおいて、糖アルコールがD−マンニトールである経口用セファロスポリン製剤。
(7) (1)乃至(6)から選択されるいずれか1つにおいて、製剤がドライシロップ剤、チュアブル錠、口腔内速崩壊錠、トローチ剤、散剤及び顆粒剤からなる群から選択される経口用セファロスポリン製剤。
(8) (1)乃至(6)から選択されるいずれか1つにおいて、製剤がドライシロップ剤である経口用セファロスポリン製剤。
(9) (1)において、D−マンニトール及びストロベリー香料を含有することを特徴とする経口用セファロスポリンのドライシロップ製剤。
(10) (1)において、D−マンニトール及びストロベリー香料を含有することを特徴とするセフポドキシムプロキセチルのドライシロップ製剤。
 本発明に使用される糖アルコールとしては、糖のカルボニル基が還元された多価アルコールであれば特に限定されるものではなく、例えばエリスリトール、キシリトール、マンニトール及びソルビトールを挙げることができる。これらのうち好適にはマンニトールであり、最適にはD−マンニトールである。
 糖アルコールの配合量としては、通常、20乃至80質量%が好ましく、好適には30乃至60質量%である。D−マンニトールを使用する場合、35乃至50質量%が好適である。
 本発明に使用されるストロベリー香料としては、例えばストロベリーミクロン、ストロベリーフレーバー、ストロベリーパウダー及びストロベリーエッセンスを挙げることができるが、好適にはストロベリーフレーバー又はストロベリーミクロンである。
 ストロベリー香料の配合量としては、経口用セファロスポリン製剤中、通常、0.01乃至5質量%が好ましく、好適に0.05乃至2質量%である。ストロベリーフレーバーを使用する場合、0.05乃至0.1質量%が好適である。
 本発明に使用される経口用セファロスポリンとしては、経口投与で有効な化合物であれば特に制限はないが、好適には4位カルボキシル基がエステルで保護されたエステルプロドラッグ型セファロスポリンである。セファロスポリンのエステルプロドラッグとしては、例えば、セフポドキシムプロキセチル、セフォチアムヘキセチル、セフテラムピボキシル、セフロキシムアクセチル、セフェタメトピボキシル、セフジトレンピボキシル及びセフカペンピボキシルを挙げることができるが、最適にはセフポドキシムプロキセチルである。
 経口用セファロスポリンの配合量としては、経口用セファロスポリン製剤中、通常、5乃至40質量%が好ましく、好適には5乃至15質量%である。セフポドキシムプロキセチルを使用する場合、5乃至10質量%が好適である。
 本発明が適応できる製剤としては、経口投与製剤であれば特に制限はないが、口腔内に薬物が分散し苦味を感じ易い製剤、例えば、ドライシロップ剤、チュアブル錠、口腔内速崩壊錠、トローチ剤、散剤又は顆粒剤等に適用するのが好ましい。特に好適にはドライシロップ剤である。
 経口用セファロスポリン製剤(特にエステルプロドラッグ型セファロスポリンを含有するドライシロップ剤)に糖アルコール(特にD−マンニトール)とストロベリー香料を配合することにより従来の処方と比べて格段に優れた苦味の改善効果が見出された。
 本発明の製剤は、経口用セファロスポリンに糖アルコール及びストロベリー香料を配合することを特徴とするが、製剤処方に通常使用される、賦形剤、崩壊剤、結合剤、矯味剤、甘味剤、着色剤、懸濁化剤、pH調節剤、消泡剤、防腐剤、着香剤・香料、流動化剤、溶剤、水等を適宜配合することにより、当業者周知の方法、例えば日本薬局方製剤総則またはそれに準ずる方法を用いて容易に製造することができる。
 賦形剤としては、乳糖、結晶セルロース、トウモロコシデンプン、白糖等が使用される。
 崩壊剤としては、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、部分アルファー化デンプン、トウモロコシデンプン等が使用される。
 結合剤としては、アルファー化デンプン、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、コポリビドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドン等が使用される。
 矯味剤としては、L−アスパラギン酸塩、イノシン酸、カンゾウ、L−グルタミン酸、L−グルタミン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、グリチルリチン酸等が使用される。
 甘味剤としては、アスパルテーム、グリチルリチン酸塩、白糖、果糖、サッカリン等が使用される。
 着色剤としては、黄色三二酸化鉄、カラメル、酸化チタン、三二酸化鉄、銅クロロフィル、リボフラビン等が使用される。
 懸濁化剤としては、カルメロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、ポリソルベート80、トラガント末、カラギーナン、キサンタンガム等が使用される。
 pH調節剤としては、炭酸ナトリウム、クエン酸、コハク酸、酒石酸、炭酸水素ナトリウム、マレイン酸、無水クエン酸等が使用される。
 消泡剤としては、エタノール、トリオレイン酸ソルビタン、ポリソルベート80、ショ糖脂肪酸エステル等が使用される。
 防腐剤としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル等が使用される。
 着香剤・香料としては、オレンジエキス、オレンジ油、チェリーフレーバー、パインオイル、フルーツフレーバー、レモンパウダー等が使用される。
 流動化剤としては、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク等が使用される。
 溶剤としては、エタノール、精製水、注射用水等が使用される。
 本発明のドライシロップ剤は、セファロスポリン化合物、糖アルコール及びストロベリー香料に上記賦形剤、崩壊剤、結合剤、矯味剤、着色剤、消泡剤、pH調節剤、甘味剤等を加え、混合後、結合剤溶液を噴霧しながら流動層造粒を行い乾燥後、分級、整粒を行う。得られた顆粒に必要に応じて、顆粒外成分を加え、混合することによって製造することができる。
 D−マンニトールとストロベリーフレーバーを配合したドライシロップ剤処方
                1服用量当たりの重量(mg)
セフポドキシムプロキセチル       50mg力価
乳糖                  27.18
カルメロースカルシウム         30
ヒドロキシプロピルセルロース      10
塩化ナトリウム              5
グルタミン酸ナトリウム         25
アスパルテーム             20
三二酸化鉄                0.2
カルメロースナトリウム         20
クエン酸(無水)             5
D-マンニトール             380
白糖                  392.4
トリオレイン酸ソルビタン         5
安息香酸ナトリウム           10
ストロベリーフレーバー          1
タルク                  1
軽質無水ケイ酸              3
─────────────────────────
合計                 1000 mg
 D−マンニトールとストロベリーミクロンを配合したドライシロップ剤処方(1)
                1服用量当たりの重量(mg)
セフポドキシムプロキセチル       50mg力価
乳糖                  13.15
カルメロースカルシウム         30
ヒドロキシプロピルセルロース      10
塩化ナトリウム              5
グルタミン酸ナトリウム         25
アスパルテーム             20
三二酸化鉄                0.2
カルメロースナトリウム         20
クエン酸(無水)             5
D-マンニトール             380
白糖                  392.4
トリオレイン酸ソルビタン         5
安息香酸ナトリウム           10
ストロベリーミクロン          15
タルク                  1
軽質無水ケイ酸              3
─────────────────────────
合計                 1000 mg
 D−マンニトールとストロベリーミクロンを配合したドライシロップ剤処方(2)
                 1服用量当たりの重量(mg)
セフポドキシムプロキセチル       50mg力価
乳糖                  13.15
カルメロースカルシウム         30
ヒドロキシプロピルセルロース      10
塩化ナトリウム              5
グルタミン酸ナトリウム         25
アスパルテーム             20
三二酸化鉄                0.2
カルメロースナトリウム         20
クエン酸(無水)             5
D-マンニトール             500
白糖                  272.4
トリオレイン酸ソルビタン         5
安息香酸ナトリウム           10
ストロベリーミクロン          15
タルク                  1
軽質無水ケイ酸              3
─────────────────────────
合計                 1000 mg
(参考例1)
 オレンジミクロン配合のドライシロップ剤処方
                1服用量当たりの重量(mg)
セフポドキシムプロキセチル       50 mg力価
乳糖                  13.17
カルメロースカルシウム         30
ヒドロキシプロピルセルロース       7.5
塩化ナトリウム              5
グルタミン酸ナトリウム         25
アスパルテーム             25
三二酸化鉄                0.1
カルメロースナトリウム         20
クエン酸(無水)             5
白糖                 765.0
トリオレイン酸ソルビタン         5
安息香酸ナトリウム           10
オレンジミクロン            20
タルク                  1
軽質無水ケイ酸              3
─────────────────────────
合計                 1000 mg
(参考例2)
 D−マンニトールとオレンジミクロンを配合したドライシロップ剤処方
                 1服用量当たりの重量(mg)
セフポドキシムプロキセチル       50mg力価
乳糖                  13.15
カルメロースカルシウム         30
ヒドロキシプロピルセルロース      10
塩化ナトリウム              5
グルタミン酸ナトリウム         25
アスパルテーム             20
三二酸化鉄                0.2
カルメロースナトリウム         20
クエン酸(無水)             5
D-マンニトール             380
白糖                  392.4
トリオレイン酸ソルビタン         5
安息香酸ナトリウム           10
オレンジミクロン            20
タルク                  1
軽質無水ケイ酸              3
─────────────────────────
合計                 1005 mg
(試験例1)
 苦味の比較試験
 実施例1、実施例2、参考例1及び参考例2の製剤について、38名の健常人(男21名、女17名)を対象として試験1乃至3の味評価試験を行った。セフポドキシムプロキセチル50mg力値を含む製剤を口に含み崩壊するのを待って苦味の改善度を評価した。
 試験1:実施例1と実施例2の比較(ストロベリー香料同士の比較)
 試験2:参考例1と参考例2の比較(オレンジ香料同士の比較)
 試験3:試験1の勝者と試験2の勝者の比較(ストロベリー香料とオレンジ香料の比較)。
 (試験1の結果)
実施例1が良いまたはやや良い    18名
実施例2が良いまたはやや良い    17名
どちらとも言えない          3名。
 (試験2の結果)
参考例1が良いまたはやや良い     1名
参考例2が良いまたはやや良い    35名
どちらとも言えない          2名。
 (試験3の結果)
ストロベリー味が良い        21名
オレンジ味が良い          14名
どちらとも言えない          3名。
 試験1の結果から、D−マンニトールを配合した製剤同士についてストロベリーフレーバー製剤とストロベリーミクロン製剤で味は同等であることが判る。試験2の結果から、オレンジミクロン製剤においてD−マンニトールを配合した製剤の方がD−マンニトールを配合しない製剤より味が良いことが判る。試験3の結果から、D−マンニトールを配合した製剤同士でもストロベリー味の方がオレンジ味よりも味が良いことが判る。結論として、D−マンニトールとストロベリー香料を配合することによりセフポドキシムプロキセチル製剤の苦味が格段に改善されることが判る。

Claims (8)

  1.  糖アルコール及びストロベリー香料を含有することを特徴とする経口用セファロスポリン製剤。
  2.  請求項1において、経口用セファロスポリンがエステルプロドラッグ型セファロスポリンである経口用セファロスポリン製剤。
  3.  請求項1において、経口用セファロスポリンがセフポドキシムプロキセチル、セフォチアムヘキセチル、セフテラムピボキシル、セフロキシムアクセチル、セフェタメトピボキシル、セフジトレンピボキシル及びセフカペンピボキシルからなる群から選択される経口用セファロスポリン製剤。
  4.  請求項1において、経口用セファロスポリンがセフポドキシムプロキセチルである経口用セファロスポリン製剤。
  5.  請求項1乃至4から選択されるいずれか1項において、糖アルコールがエリスリトール、キシリトール、マンニトール及びソルビトールからなる群から選択される経口用セファロスポリン製剤。
  6.  請求項1乃至4から選択されるいずれか1項において、糖アルコールがD−マンニトールである経口用セファロスポリン製剤。
  7.  請求項1乃至6から選択されるいずれか1項において、製剤がドライシロップ剤、チュアブル錠、口腔内速崩壊錠、トローチ剤、散剤及び顆粒剤からなる群から選択される経口用セファロスポリン製剤。
  8.  請求項1乃至6から選択されるいずれか1項において、製剤がドライシロップ剤である経口用セファロスポリン製剤。
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