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JP2003536233A - 微細多孔性固体無機電解質及びその製造方法 - Google Patents

微細多孔性固体無機電解質及びその製造方法

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Publication number
JP2003536233A
JP2003536233A JP2002503968A JP2002503968A JP2003536233A JP 2003536233 A JP2003536233 A JP 2003536233A JP 2002503968 A JP2002503968 A JP 2002503968A JP 2002503968 A JP2002503968 A JP 2002503968A JP 2003536233 A JP2003536233 A JP 2003536233A
Authority
JP
Japan
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electrolyte
electrolyte membrane
solvent
polymer
solid electrolyte
Prior art date
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Pending
Application number
JP2002503968A
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English (en)
Inventor
フン ジャン、ドン
フム キム、サ
ジュン キム、ハン
Original Assignee
ファインセル カンパニー リミテッド
フン ジャン、ドン
キム サ フム
ジュン キム、ハン
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ファインセル カンパニー リミテッド, フン ジャン、ドン, キム サ フム, ジュン キム、ハン filed Critical ファインセル カンパニー リミテッド
Publication of JP2003536233A publication Critical patent/JP2003536233A/ja
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、二次電池用の微細多孔性構造(microporous structure)の電解質膜及び/または固体電解質を製造するに当たり、無機物吸収剤(absorbent)粒子を高分子マトリックス内に少なくとも70重量%以上添加して、ラミネーションやプレッシングなどの電池組み立て過程においても多孔性構造が多大に破壊されることを防ぐことにより、固体電解質膜の液体電解質に対する吸収力とイオン伝導度を維持することを目的とする。微細多孔性構造と相まって、特定含量以上に含有された上記吸収剤粒子は液体電解質が吸収できる能力を向上し、特に、電解質膜及び/または固体電解質の機械的な強度を向上する構造体としての役割を果たす。従って、電池組み立て後にも優れたイオン伝導度がそのまま維持できる特性がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二次電池(secondary cell)に用いる固体電解質膜
(solid electrolyte film)に関するもので、より詳し
くは、吸収剤を特定量以上に含み微細多孔性構造である本発明の固体電解質膜に
液体成分とリチウム塩(二つを合わせて、以下“液体電解質”と言う)を導入し
、二次電池の充放電過程において正極と負極との間を移動するイオンの移動経路
を提供するものである。
【0002】 本発明の二次電池は、正極と負極それに電解質という三つの基本的な構成要素
を有し、各々平板形である正極/電解質/負極を積層することにより電池になる
。上記負極の材料には、リチウム金属もしくはリチウムイオンが層間挿入(in
tercalation/deintercalation)できる炭素材料や
高分子材料などが用いられ、正極の材料には、リチウムイオンが層間挿入/抽出
できる遷移金属酸化物もしくは高分子材料などが用いられる。電解質には本発明
による固体電解質が使用でき、電池を組み立てた後に液体電解質を導入する。
【0003】
【従来の技術】
二次電池などの電池或いは電気化学反応システムにおける電解質とは、正極及
び負極の2つの伝導性表面の間に配置されるもので、電子伝導性のない絶縁体で
あり、イオン伝導性のみを持つ。今までの電解質は、大体液体成分のみからなっ
ていたが、様々な長所のある固体電解質に対する関心が高まりつつある。その中
でも、高分子を電解質として使用しようとする多様な研究と試みがなされている
【0004】 極性異種元素を含む純粋高分子(pure polymer)電解質は、常温
イオン伝導度が10−8S/cm程度に過ぎず常温では使用しにくい。従って、
高分子電解質の主な研究は伝導度を改善させるためのものであるが、その方法と
して高分子骨格内へ液電電解質成分を導入するものが提示されている。
【0005】 米国特許第5,219,679号等のゲル形態(gel−type)電解質は
、高分子骨格内に液体電解質が含まれたもので、高分子の特性を示しながらも、
良好な水準の伝導度を有する。しかし、高分子電解質を製造する工程からすでに
液体電解質が多量含有されているので、液体成分の気化/ダメージが避けられず
、これによる組成変化及び伝導度の減少といった問題点がある。それに、液体電
解質内のリチウム塩が水分に非常に敏感であるので、極めて厳しい除湿雰囲気に
おいて電解質を製造しなければならないとの短所がある。
【0006】 米国特許第5,296,318号、米国特許第5,418,091号等での混
成(ハイブリッド)高分子電解質システムは、液体電解質を電池組み立て後に添
加することにより、電池製造工程において水分の影響を最小化でき、液体電解質
を通じてリチウムイオン伝導がなされるゲルタイプ高分子電解質の長所が生かせ
られる。一方、液体電解質を電解質膜製造後に添加するので、電解質膜内に液体
電解質を吸入する空間を設けるため電解質膜を製造する工程において可塑剤(p
lasticizer)/工程補助剤(processing aid)などを
添加し、電池組み立てが終ってから有機溶媒でこれを抽出する方法を用いた。し
かし、このような方法のために再現性が低く電池歩留りが低下し、大量生産のた
めの自動化が困難であるとの致命的な短所があった。
【0007】 上記技術の問題点を解決すべく高分子膜を製造する際、気孔(pore)を形
成して液体電解質の吸入を円滑にしようとする試みがなされた。一般的に高分子
を溶媒に溶解し膜形態にキャスティングしてから、該膜を非溶媒(non−so
lvent)と接触させ溶媒を交換する方法が発表された例があり、他にも、加
硫(vulcanization)、硬化(curing)または延伸(elo
ngation)により多孔性を導入する方法に関しても開示されている。この
ように製作した高分子膜に液体電解質を吸入させると、イオン伝導度が常温にお
いて10−3S/cm以上になり実際の使用に適する。ところが、多孔性導入の
ための工程が複雑になるか、電池組み立てのためのラミネーション(lamin
ation)またはプレッシング(pressing)などの工程で、高分子膜
内に形成された多孔性構造が破壊されやすいのでイオン伝導度が急に低下すると
の短所があった。つまり、高分子電解質のみでは大体良好な性能を有するが実際
の電池システムへの応用は難しい。
【0008】 多孔性破壊との問題点を解決するために、正極及び/または負極の上に直接高
分子膜を塗布し非溶媒と接触させる試みがなされた。しかし、このように電極表
面を電解質膜製造のための基材(substrate)として使用する場合、か
えって製造工程が複雑になるのみならず、一般的に非溶媒として多用される水な
どが正極及び/または負極極板に悪影響を与えるので実際には応用しにくい。
【0009】 米国特許第5,631,103号には、無機物充填材(filler)を添加
する電解質システムを開示している。しかし、実用可能な水準の伝導度にするた
めには無機物充填材の含量を増やさなければならず、このような場合、高分子膜
の機械的強度が弱化するので実際の工程に応用しがたい。まして、工程補助剤を
添加し高分子膜を成形してからこれを再び除去/抽出し多孔性を導入する方式を
選択することにより、上記米国特許第5,296,318号、米国特許第5,4
18,091号などと類似な問題が起こる恐れがある。
【0010】 一方、ポリフッ化ビニリデン系樹脂多孔体に無機物充填材を添加した高分子電
解質システムが日本特開平11−16561に開示されている。該システムは、
良好な常温イオン伝導度とフィルム形態に成形できる機械的強度を有しているが
、無機物の含量が電解質膜の全体重量に基づいてわずかに1.9ないし66重量
%(ポリフッ化ビニリデン系樹脂100重量部に対して2ないし200重量部に
相当する)、好ましくは4.8ないし33.3重量%(ポリフッ化ビニリデン系
樹脂100重量部に対して5ないし50重量部に相当する)であり、多孔性構造
を支持するに充分ではないため、電池組み立て工程において高分子電解質の多孔
性構造の破壊及び電池の短絡が生じる短所を解消することは依然として困難であ
るだけでなく、電解質のイオン伝導度が維持されないので、優れた物性の電池が
製造できない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来技術の問題は、次のように要約できる。 第一に、純粋高分子のみからなる電解質は常温イオン伝導度が低いので実際使
用に適しない。 第二に、液体電解質を含む状態で製造するゲル形態の高分子電解質は、液体電
解質によりイオンが伝導され常温イオン伝導度が向上できるので有利であるが、
製造工程雰囲気に対する制約があり性能を一定に維持しにくい。 第三に、可塑剤/工程補助剤を添加しフィルム形態に製造してからこれを抽出
することにより液体電解質が吸収されるようにする混成(hybrid)高分子
電解質は、製造工程雰囲気にあまり影響を受けず充分なイオン伝導度を有すると
のことでは有利であるものの、複雑な多段階工程と材料が必要であり、かつ工程
単価が上昇し自動化しにくく再現性が低くなる。 第四に、溶媒/非溶媒の交換、加硫、硬化、延伸など多様な方法により微細多
孔性を導入する高分子電解質は、ラミネーションやプレッシング過程を経ること
により微細多孔性構造が破壊され、液体電解質の吸収を充分にできない問題点が
ある。 第五に、多孔性構造膜を電極表面に形成する方法は、電解質と電極との界面接
着力の向上には有利であるが、電極性能が劣化する恐れがあり工程条件が単純で
はないので好ましくない。 第六に、電解質の機械的強度を向上させるために無機物を添加する試みがあっ
たが、これも電池組み立て過程における多孔性破壊との問題点の解決と、イオン
伝導度の維持との課題の解決を完全にできなかった。
【0012】 一方、本発明者らは、先に、吸収剤を含有する電解質膜マトリックスに微細多
孔性を導入することにより液体電解質の吸収を容易にし、リチウムイオンの伝導
度を向上できるシステムに関して出願した(PCT/KR99/00798)。
該システムは、水分に敏感な液体電解質を電池組み立て後に添加し、上記の吸収
剤を電池組み立て後に除去する必要がない。なお、米国特許第5,296,31
8号と第5,418,091及び第5,631,103号のような可塑剤や工程
補助剤などが要らないので製造工程が単純であり安価に製造できるとの長所があ
る。しかし、本発明者らは、上記の如く、正極及び/または負極との接合過程に
おいて固体電解質膜の微細多孔性破壊と液体電解質に対する吸収力の低下との問
題点が生じ得ることを発見した。従って、本発明者らは、上記問題点を解決する
ために、特定含量以上の吸収剤が必要であることを確認し、本発明を完成するに
至った。
【0013】
【課題を解決するための手段】
従って、本発明は、微細多孔性構造(microporous struct
ure)の電解質膜及び/または固体電解質を製造するに当たり、構造体と吸収
剤(absorbent)としての役割を同時に果たせるように、無機物粒子を
特定量以上に添加し、ラミネーションやプレッシングなどの電池組み立て過程に
おいても多孔性構造が多大に破壊されず固体電解質膜の液体電解質に対する吸収
力とリチウムイオン伝導度を維持しようとするものである。微細多孔性構造と相
まって、特定量以上に含有された上記吸収剤粒子は、液体電解質の吸収能力を向
上し、とりわけ、電解質膜及び/または固体電解質の機械的な強度を向上させる
構造体としての役割を果たす。従って、電池組み立て後にも優れたリチウムイオ
ン伝導度がそのまま維持できる特徴がある。それと共に、液体電解質吸収のため
の別途操作を必要とせず、液体電解質は電池組み立てが終わってから導入すると
の微細多孔性構造の本質的な特徴が発揮できる長所がある。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の固体電解質は、無機物吸収剤を含有しており、微細多孔性構造となっ
ている電解質膜とイオン伝導性液体電解質とを含む。つまり、無機物吸収剤と高
分子結合剤のみからなる微細多孔性電解質膜にイオン伝導性液体電解質を吸収さ
せる活性化(activation)過程を経て二次電池用固体電解質が製造さ
れる。本明細書における「電解質膜」とは、乾燥状態であり液体電解質を含まな
い状態の微細多孔性電解質膜のことであり、「固体電解質」とは、上記電解質膜
に液体電解質を含めイオン伝導性を有するようにしたものである。液体電解質を
含んでいるので完全な固体状態ではないが、固体電解質の基本骨格が、固体状態
の電解質膜を基礎とするので、液体電解質とは区別される概念で表現するため、
「固体電解質」と名づける。
【0015】 上記電解質膜は、好ましくは公知技術である相転換法(phase inve
rsion method)を利用して製造できるが、例えば、湿式法と乾式法
がある。湿式法(wet process)は、吸収剤と高分子結合剤の混合物
を高分子結合剤の溶媒(solvent)に溶解してから、これを膜形態に成形
した後、上記溶媒を高分子結合剤の非溶媒(non−solvent)に交換し
てから乾燥して製造する方法である。一方、乾式法(dry process)
は、吸収剤と高分子結合剤の混合物に高分子結合剤の溶媒と高分子結合剤の非溶
媒、気孔形成剤(pore former)、湿潤補助剤(wetting a
gent)を混合し膜形態に成形してから完全乾燥して製造する方法である。
【0016】 本発明に使用できる無機物吸収剤は、液体電解質に対する親和力が大きくて液
体電解質を吸収するか、或いは液体電解質の吸収力を向上させるものであり、か
つ電子伝導性がないものが用いられる。さらに、機械的、熱的、化学的、電気化
学的特性が優れるものが用いられる。その無機物吸収剤として、鉱物粒子、合成
酸化物粒子及びメゾポラス分子ふるい(mesoporous molecul
ar sieve)からなる群から選ばれた一つまたは二つ以上の粒子が用いら
れる。鉱物粒子の好ましい例には、粘土(clay)、パラゴナイト(para
gonite)、モンモリロナイト(montmorillonite)、雲母
(mica)等のようにフィロケイ酸塩(phyllosilicates)構
造である鉱物粒子が挙げられる。上記合成酸化物粒子の好ましい例には、ゼオラ
イト(zeolite)、多孔性シリカ(silica)、多孔性アルミナ(a
lumina)、酸化マグネシウム(Magnesium oxide)等が挙
げられる。上記メゾポラス分子ふるいの好ましい例には、シリカなどの酸化物化
合物で、2ないし30nmの気孔直径(pore diameter)を有する
ものが挙げられる。上記鉱物粒子、合成酸化物粒子及びメゾポラス分子ふるいは
、上記した吸収剤から選ばれる二又はそれ以上の吸収剤を組み合わせた混合物の
形態で用いられる場合もある。
【0017】 無機物吸収剤は、形成される電解質膜の機械的強度と均一性を低下させないた
めに粒子大きさが40μm以下のものが好ましく、特に20μm以下であるもの
がより好ましい。しかし、無機物吸収剤があまりにも小さい場合、吸収性が低下
するか電解質膜が稠密な(dense)構造になりやすいので好ましくない。日
本特開平11−16561などのような従来技術では、非常に小さい粒径(例え
ば、20nm以下)の無機物を使用したが、この場合、無機物は吸収剤として役
割が果たせず充填材または高分子膜の結晶性を低下する役割のみ果たす。つまり
、本発明のように吸収剤及び構造体としての性質を同時に発揮するためには、少
なくとも50nm単位の粒径であるか数μm単位に凝集された形態(aggre
gated form)が必要である。無機物吸収剤の形状は、特に限定されず
、繊維状、針状、板状、球状などのものが使用できるが、電解質膜の機械的強度
を向上させる上では非対称形状のものが好ましい。
【0018】 本発明の第一の目的は、電池組み立て後にも微細多孔性構造が多大に破壊され
ない機械的強度を有することによって、液体電解質の吸収力とイオン伝導度を維
持する固体電解質を製造することである。本発明者らは、この目的を達成する際
に、無機物吸収剤の含量がもっとも決定的な影響を与える条件であることを見出
した。無機物吸収剤の含量は、無機物吸収剤と高分子結合剤からなる電解質膜重
量に対し、少なくとも70重量%以上のものが好ましく、70ないし95重量%
のものがより好ましい。含量が95重量%以上であれば、含量増加に応じてイオ
ン伝導度がさらに増加せず、かえって形成された電解質膜の機械的強度及び電極
との界面接着力が弱化される。その反面、含量が70重量%を基点としてそれ以
下であれば次のような問題が生じる。
【0019】 一、無機物含量が70重量%以下である場合には、電池組み立てのためのラミ
ネーションまたはプレッシング過程において固体電解質膜の多孔性構造が破壊さ
れやすいので、液体電解質の吸収力とイオン伝導度が大いに減少する。本発明者
らは、無機物吸収剤の含量を変化させて固体電解質膜を製造し、その後、実際電
池製造工程において印加される外部荷重による厚さ変化及びイオン伝導度の変化
を観察した結果、70重量%を基にして固体電解質膜の厚さ及びイオン伝導度が
著しく変化する事実を見出した。これは、従来の先行技術にはまったく提示ない
し暗示されたことのない事実であって、無機物吸収剤の最適含量条件設定すると
いうはじめて見出された事実である。実験的な事実に基づいて、無機物含量が少
なくとも70重量%以上になる場合のみ、製造工程において印加される圧力に対
しても固体電解質の多孔性構造の破壊が少なく、液体電解質の吸収能力を失わな
いのでイオン伝導度が維持でき、結果的に全体の電池性能が優れるようになる。
【0020】 二、無機物含量が70重量%以下である場合には、電解質膜または固体電解質
の全体重量に基づく高分子の嵩分率が大きいので形態変化が激しい。すなわち、
電解質膜の乾燥過程中または電池組み立て後の液体電解質含浸過程において、高
分子領域の収縮/膨張程度が大きくなるので、電解質膜/固体電解質の寸法安定
性(dimensional stability)が低下するようになる。
【0021】 三、無機物含量が70重量%以下である場合には、たとえ吸収剤が多量含有さ
れてはいるものの、一般的な高分子中心の電解質に対して指摘される数多くの短
所を完全に解消しにくい。例えば、高分子中心の電解質である場合に類似である
が、低温または高温において性能が劣化する。前述の如く、一般的な高分子電解
質は、イオンの伝導が高分子鎖の動きにより直接的に影響されるので、イオン伝
導度に及ぼす温度の影響が大きくなる。特に、低温では高分子鎖の動きが鈍化し
イオン伝導度が大幅減少するため電池性能が非常に劣る。ところが、本発明のよ
うに無機物吸収剤を用いる場合には、イオン伝導性が向上し、さらに温度にあま
り影響されない無機物吸収剤を特定量以上に使えば、一般的な高分子電解質の特
性とは違ってほぼ温度に影響されない。なお、電解質内に無機物が特定量以上含
有されるので、高分子などの有機物が多量含まれた電解質に比べて発火または爆
発などに対する抵抗力が向上されるとの長所も得られる。
【0022】 従って、無機物吸収剤が特定量以上に含有される場合であるのみ、上記問題点
が解決できるとの発見は、先行技術やその他の分野において充填材として無機物
を添加する量が通常約50重量%の前後、或いはそれより少量であることを考え
ると、多少過量と見られる範囲の無機物含量を設定し、実験と分析を繰り返した
結果から見出したものであり、既存概念を超える極めて例外的な構成でもある。
【0023】 高分子結合剤にはほとんどの通常の高分子が用いられるが、その中でも、ポリ
フッ化ビニリデン(polyvinylidene fluoride)、ビニ
リデンフッ化物とヘキサフルオロプロピレン(hexafluoropropy
lene)の共重合体、ビニリデンフッ化物と無水マレイン酸(maleic
anhydride)の共重合体、ポリ塩化ビニール(polyvinylch
loride)、ポリメチルメタクリルレート、ポリメタクリルレート(pol
ymethacrylate)、セルローストリアセテート(cellulos
e triacetate)、ポリウレタン(polyurethane)、ポ
リスルホン(polysulfone)、ポリエーテル(polyether)
、ポリエチレン或いはポリプロピレンのようなポリオレフィン(polyole
fine)、ポリエチレンオキサイド、ポリイソブチレン(polyisobu
tylene)、ポリブチルジエン(polybutyldiene)、ポリビ
ニールアルコール(polyvinyl alcohol)、ポリアクリロニト
リル(polyacrylonitrile)、ポリイミド(polyimid
e)、ポリビニールホルマール(polyvinyl formal)、アクリ
ロニトリルブチルジエンゴム(acrylonitrilebutyldien
e rubber)、エチレンプロピレンジエンモノマー(ethylene−
propylene−diene−monomer)、テトラエチレングリコー
ルジアクリレート(tetra(ethyleneglycol)diacry
late)、ポリジメチルシロキサン(polydimethylsiloxa
ne)、ポリカルボネート及びシリコーン高分子(polysilicone)
から成る群から選ばれた一つ或いは二つ以上の高分子混合物もしくはこれらの共
重合高分子や高分子混合物が特に好ましい。
【0024】 高分子結合剤としては、熱及び圧力などにより物性が大きく変化するか、架橋
、硬化反応などが生じるのは好ましくない。また、モノマー状態で少なくとも1
種を添加することにより、重合、共重合、架橋、硬化反応などを行うのも好まし
くないが、これは未反応モノマーが無機物吸収剤に含浸されていながら電解質化
合物と反応し電池の性能を低下するためであるので、これを除去する別途の工程
が必要である。従って、上記電解質膜製造工程や電池組み立て工程中において、
上記の問題点が生じる条件は避けるのが望ましい。
【0025】 高分子結合剤の溶媒は、高分子結合剤に対する溶解性のあるもので、NMP(
N−methylpyrrolidinone)、ジメチルホルムアミド(di
methylformamide)、ジメチルアセトアミド(dimethyl
acetamide)、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran
)、アセトニトリル(acetonitrile)、シクロヘキサノン(cyc
lohexanone)、クロロホルム(chloroform)、ジクロロメ
タン(dichloromethane)、ヘキサメチルホスホアミド(hex
amethylphosphoramide)、ジメチルスルホキシド(dim
ethylsulfoxide)、アセトン(acetone)及びジオキサン
(dioxane)からなる群から選ばれた一つ或いは二つ以上の混合物が好ま
しい。
【0026】 高分子結合剤の非溶媒は、高分子結合剤に対する溶解性がないか非常に低く、
上記高分子結合剤溶媒に対する相溶性のあるもので、水、エタノール(etha
nol)、エチレングリコール(ethylene glycol)、グリセロ
ール(glycerol)、アセトン、ジクロロメタン、エチルアセテート(e
thylacetate)、ブタノール(butanol)、ペンタノール(p
entanol)、ヘキサノール(hexanol)及びエーテル(ether
)からなる群から選ばれた一つまたは二つ以上の混合物が好ましい。
【0027】 本発明の微細多孔性構造の固体電解質は、湿式法或いは乾式法などの相転換法
により製造されるが、詳細は下記のようである。
【0028】湿式法 本発明の微細多孔性構造の固体電解質は、高分子結合剤の溶解、無機物吸収剤
の混合、膜成形、多孔化及び乾燥、および活性化の5工程からなる湿式法により
製造される。
【0029】 まず最初に、高分子結合剤を溶媒に溶解してから無機物吸収剤を添加し、均一
に分散するよう充分に混合する。上記混合溶液の固形分含量(solid co
ntent)は、全体重量に対し5ないし60重量%が好ましく、5重量%以下
である場合、乾燥の後電解質膜の機械的強度が落ち、60重量%以上である場合
、無機物吸収剤が充分に分散されないか、又は、混合溶液の粘度が非常に高くな
る恐れがある。
【0030】 無機物吸収剤の円滑な分散のため、磁石攪拌機(magnetic stir
rer)や機械式攪拌機(mechanical stirrer)、惑星攪拌
機(planetary mixer)、高速分散機(high speed
disperser)などを利用して混合することもできる。該工程において吸
収剤が互いに凝集するのを防止し、混合途中で気泡が生じるのを防止するために
、超音波攪拌機を利用することもできる。場合によっては、脱泡(defoam
ing)及びフィルター過程を経ることもできる。
【0031】 高分子結合剤と無機物吸収剤が均一に混合された後、一定厚さになるように調
整して膜形態に成形する。例えば、平たい基材上に注ぎ一定厚さになるようにキ
ャスティング(casting)することもでき、一定間隔の隙間(die)に
圧出させ基材上にコーティング(coating)することもできる。基材とし
ては、化学的、熱的、機械的に安定であり、乾燥またはラミネーション工程を経
れば電解質膜と分離しえる材料を用いる。例えば、ポリエステル、ポリテトラフ
ルオロエチレンなどの高分子フィルムや紙などが使用できる。その他、いろんな
塗布方法が選べる。
【0032】 成形された膜を、高分子結合剤の非溶媒と接触させ、高分子結合剤の溶媒を抽
出する。例えば、非溶媒が入っている非溶媒槽(non−solvent po
ol)に浸し、溶媒を抽出する方法が選べる。従って、混和性溶媒と非溶媒の組
み合わせを選択するのが好ましい。非溶媒槽に浸す時間は、溶媒と非溶媒の種類
にもよるが、1分ないし1時間程度が好ましい。時間が短ければ、充分な多孔性
が誘導されないか溶媒の置換が不完全になりえる半面、時間が長ければ、生産性
が低下するので好ましない。この槽の温度は10℃ないし90℃が好ましく、2
0℃ないし80℃がより好ましい。低温である場合は、充分な多孔性が誘導され
ず、高温である場合は、電解質膜の機械的強度が落ちるので好ましくない。溶媒
抽出の後、生成された膜を完全に乾燥して電解質膜を製造する。
【0033】乾式法 本発明の多孔性構造の固体電解質は、高分子結合剤の溶解、無機物吸収剤の混
合、添加物(非溶媒、気孔形成剤、湿潤補助剤)の添加、膜成形及び乾燥、およ
び活性化の5工程からなる乾式法により製造される。
【0034】 高分子結合剤を溶媒に溶解してから無機物吸収剤を添加し、均一に分散するよ
うに充分に混合する。分散または混合過程は上記湿式法の場合と同様である。高
分子結合剤と吸収剤が均一に混合された後、高分子結合剤を溶解しない溶媒、つ
まり非溶媒を高分子結合剤の沈殿が生じない範囲内で気孔度を考慮して添加する
。微細多孔性構造を円滑に生成すべく、気孔形成剤や湿潤補助剤などを添加する
のが好ましい。このように製造した溶液を膜形態に成形する過程は、上記した湿
式法の場合と同様である。膜形態に成形してから、20℃ないし200℃におい
て完全乾燥して電解質膜を製造する。
【0035】 乾式法は、湿式法に比べ、次のような問題点があるので、湿式法により電解質
膜を製造するのがより好ましい。
【0036】 一、乾式法は、無機物吸収剤、高分子結合剤及び添加物などを完全に分散また
は混合するのが相対的に難しい。完全に分散または混合されない場合は、気孔形
成剤または無機物吸収剤が均一に分布されにくく、電解質膜形態に成形しにくい
だけでなく、機械的強度と再現性が落ちる。すなわち、気孔形成剤または無機物
吸収剤が均一に分布されていない場合、電池の電解質として実際使用される場合
、電池反応が不均一に偏在した状態で進められ、膜形態に成形するのが困難であ
り、機械的強度が落ちるので、工程上の制約条件が多くなる。
【0037】 二、乾式法では、気孔形成のために非溶媒を添加するが、乾式法の原理上、溶
媒が非溶媒より先に蒸発(乾燥)されなければ気孔が形成されず、非溶媒がまず
蒸発されると気孔が形成されないので、一般的に非溶媒は溶媒より沸騰点が高い
か不揮発性であるとの条件が要る。従って、乾式法では非溶媒などが残る可能性
が高い。結局、沸騰点が高いか不揮発性非溶媒を用いることにより、乾燥過程に
おいて電解質膜から完全に除去しにくくなり、完全に除去すべく別途の方法(例
えば、アルコールやエーテルなどで抽出するか、乾燥温度を充分に高くする方法
など)を取らなければならない。なお、上記非溶媒が化学的、電気化学的に不安
定な場合もあるので、電解質膜内に残る場合、副反応を誘導するか、電池の充放
電過程において酸化または還元され、電池の容量減少またはガス発生など、性能
を低下しかねない。このような問題は非溶媒のみならず、その他の添加物に対し
ても同様である。従って、添加物などを完全に除去して、吸収剤と高分子結合剤
のみの電解質膜を製造する工程は、製造工程が複雑になり、再現性を確保しにく
くなり得る。
【0038】 本発明の電解質膜の厚さは、20ないし200μmに調節するのが好ましい。
膜厚さが20μm以下であれば、機械的強度が落ち、電池組み立て中に短絡が生
じる恐れがある。一方、200μm以上であれば、イオン伝導性が減少するので
好ましくない。 なお、本発明の電解質膜は、20μm以下の気孔直径を有するのが好ましく、
10μm以下であるのがより好ましく、0.01ないし5μmの場合がもっとも
好ましい。また、本発明の電解質膜は、5ないし95%の気孔度(porosi
ty)であるのが好ましく、20ないし90%場合がより好ましく、40ないし
85%の場合がもっとも好ましい。
【0039】 上記方法により製造した微細多孔性電解質膜中に吸収されるべき液体電解質は
、有機溶媒にリチウム塩を溶解させることにより製造される。
【0040】 有機溶媒は、電解質の極性を高めてイオンの解離度を向上し、イオン周辺の局
部的な粘度を低めてイオンを伝導しやすくするために、極性が高くリチウム金属
に対する反応性のないものが好ましい。そのような有機溶媒の例としては、エチ
レン炭酸塩(ethylene carbonate, EC)、プロピレン炭
酸塩(propylene carbonate, PC)、ブチレン炭酸塩(
butylenes carbonate)、ジメチル炭酸塩(dimethy
lcarbonate, DMC)、ジエチル炭酸塩(diethylcarb
onate, DEC)、エチルメチル炭酸塩(ethylmethylcar
bonate, EMC)、ガンマーブチロラクトン(γ−butyrolac
tone, GBL)、ジメチルスルホキシド(dimethylsulfox
ide, DMSO)、1,3−ジオキサン(1、3−dioxane, DO
)、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran, THF)、2−
メチルテトラヒドロフラン(2−methyltetrahydrofuran
)、スルホラン(sulforane)、N,N−ジメチルホルムアミド(N,
N−dimethylformamide, DMF)、ジグリム(digly
Me, DME)、トリグリム(triglyme)、テトラグリム(tetr
aglyme)等が挙げられる。特に、有機溶媒は、高粘度溶媒と低粘度溶媒か
らなる2つ以上の混合溶液の形態で用いるのが好ましい。
【0041】 リチウム塩は、格子エネルギーが小さく、解離度が大きいものが好ましい。そ
のようなリチウム塩の例には、LiClO、LiBF、LiPF、LiA
sF、LiSCN、LiCFSO、LiN(CFSO及びLiC
(CFSOなどがあり、これらの選択的な混合物も用いられる。リチウ
ム塩の濃度は0.5Mないし2Mが好ましい。
【0042】 上記液体電解質は、液体電解質を含む全体電解質総量に対して20ないし90
重量%、より好ましくは40ないし85重量%に添加され、この場合、固体電解
質の常温リチウムイオン伝導度は、1ないし3mS/cm程度になる。
【0043】 また、本発明は、上記多孔性固体電解質を電解質として用いた二次電池、とり
わけリチウム二次電池に関するものである。
【0044】 本発明の固体電解質を用いた二次電池の製造方法を下記に詳述する。
【0045】 上記過程から得た乾燥した固体状態の電解質膜をまん中に挟み、ラミネーショ
ン、プレッシングなどの方法で、正極と負極を接合して電池アセンブリを構成す
る。正極、負極及び電解質膜は、各々別途製作し、正極は正極集電体と、負極は
負極集電体とそれぞれ電気的に接続されてある。使用するに充分なイオン伝導性
のある固体電解質になるためには液体電解質を吸収する活性化工程を経るべきで
あり、該工程により電池として動作できる状態になる。
【0046】 電解質膜と電極(正極及び負極)を別途に製作する方法は、性能管理、工程設
計及び設備が単純であるので好ましい。しかし、電極と電解質膜の接合性を向上
し電解質膜を薄型にするため、製作された電極上に吸収剤、高分子結合剤、溶媒
などからなるスラリーを直接塗布して電解質膜を成形する方法も考えられるが、
電極と電解質膜の製作工程条件が一致しない場合や、工程中に電極または電解質
膜が汚染されるか、その性能にダメージしやすい場合は使用しにくいので好まし
くない。
【0047】 電解質膜を電極の間に配置しラミネーションまたはプレッシング過程を経て電
池に組み立て或いは積層する工程は、電池の性能や工程条件を考え多様に変える
ことができる。 一、正極または負極のいずれかの表面に最初に電解質膜を積層し、引き続き電解
質膜を挟んで他方の極を積層する。 二、正極及び負極表面に各々電解質膜を積層し、引き続き電解質膜を対向するよ
うに正極と負極を積層する。 三、正極と電解質及び負極を上記の順通りに同時積層する。
【0048】 上記の積層過程(ラミネーション・プロセス)において、電解質膜の嵩減少が
50%以内で最小に発生するように積層条件を設定するのが好ましい。電解質膜
の嵩減少は多孔構造の破壊を意味するが、熱及び/または圧力により積層するた
めには若干の嵩減少を余儀なくされる。従って、嵩減少を最小化できる積層条件
を見つけることが必要となる。上記の如く、本発明の特徴のひとつである、無機
物吸収剤を少なくとも70重量%以上に添加することにより、このような嵩減少
が著しく減ることが確認された。
【0049】 電解質膜の嵩減少を抑制すべく、熱及び圧力を最少に使用し、電極と電解質膜
との間の接合は接着層によりなされるようにする方法が選ばれる。例えば、PE
溶液/分散液、エチレン/エチルアクリルレート系またはエチレン/ビニールア
セテート系接着剤が用いられる。しかし、このような接着剤成分は熱的、化学的
、電気化学的安定性がなければならず、接着層が界面の多孔性構造を破壊しては
ならず、界面抵抗を増加してはならない。従って、接着層を利用するのが実際電
池製作及び性能管理において好ましいものではない。
【0050】 正極または負極の製造過程を下記に詳しく説明する。正極または負極は、各々
電流集電体(current collector)と活物質層からなる。活物
質層は、活物質(active material)、導電材(conduct
ing material)、結合剤(binding material)な
どを含む。他にも、電池性能を向上する目的で各種添加剤(additives
)を導入してもよい。正極または負極に含まれる集電体、導電材、結合剤及び添
加剤は、互いに同一なものでもあり得、目的に応じては相違なものでもあり得る
。上記の正極または負極材料各々の混合物をスラリーにしてから電流集電体上に
直接成形するか、またはキャスティング、コーティング、スクリーンプリンティ
ング(screen printing)などの方法で薄膜に成形した後、プレ
ッシング、ラミネーティングなどの方法で電流集電体と結び合わせ製作すること
もできる。
【0051】 電流集電体は、正極または負極において行われる酸化/還元反応で生じる電子
の移動経路を提供するものである。電流集電体には、グリッド(grid)、箔
(foil)、パンチングホイル(punching foil)、エッチング
ホイル(etching foil)などが使用され、電池性能や製造工程に応
じ選べる。グリッドの使用時、活物質充填率が高められるが製造工程が難しくな
り、ホイルなどの使用時は、電池性能が向上し製造工程が単純になりえるが活物
質の充填率が低下する問題があり得る。集電体には銅、アルミニウム、ニッケル
、チタニウム、ステンレススチール、炭素等が用いられる。一般的に、正極用に
はアルミニウムが、負極用には銅が用いられる。集電体は必要に応じて前処理を
することもできる。例えば、洗浄、表面処理または接着層塗布などをすることも
できる。
【0052】 活物質は、電池の充放電反応(或いは酸化/還元反応)が実際的に起こる材料
であり、電池の性能を決めるもっとも重要な要素である。又、活物質層内で含有
量が一番多い成分でもある。正極活物質としては、遷移金属(transiti
on Metal)の酸化物(oxide)、硫化物(sulfide)等や有
機化合物、高分子化合物等が用いられ、好ましくはリチウムコバルト酸化物(L
CoO)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO)、リチウムニッケ
ルコバルト酸化物(LiNiCo1−y)、スピネル形リチウムマンガ
ン酸化物(LiMn)、二酸化マンガン(MnO)等のような酸化物
或いは高分子材料が用いられる。負極活物質としては、アルカリ金属(alka
li metal)、アルカリ土類金属(alkalie earth met
al)等もしくは炭素、遷移金属酸化物/硫化物、有機化合物、高分子化合物等
が使える。好ましくは炭素材料或いは高分子材料が使える。活物質は、電池性能
又は用途に合わせて選ぶのが良い。
【0053】 導電材は、正極または負極に、導電性を向上させることを目的として添加する
材料であり、一般的に炭素が使われる。その中でも、黒鉛(graphite)
、コークス(cokes)、活性炭(activated carbon)、カ
ーボンブラック(carbon black)が望ましく、黒鉛とカーボンブラ
ックがより好ましい。上記の群から選ばれた一つ或いは二つ以上の導電材が用い
られ、合成品或いは天然物質のどちらを使っても構わない。導電材は電極材料の
総重量の3重量%ないし約15重量%で添加され、導電材の添加量が約3重量%
以下程度に少ない場合には、電気伝導性が低下するので過電圧が発生する問題点
があり得る。その反面、約15重量%以上である場合には、単位嵩当りのエネル
ギー密度が減少し導電材による副反応が深刻化する問題点がある。
【0054】 結合剤は、活物質層の結合を強化すべく添加されるもので、主に高分子化合物
が用いられる。固体電解質膜を製造する時に用られる上記高分子化合物を結合剤
としても使用することもでき、電解質膜の高分子と同一なものであるか相溶性(
miscibility)のあるものを用いるのが好ましい。結合剤は、電極材
料の総重量の約15重量%以下に添加される。結合剤の添加量が少い場合は、電
極の結合力が落ちる問題点があり得、約15重量%以上である場合には電極の加
工性と多孔性が落ちる問題点がある。
【0055】 添加剤は、電池又は電極の性能を向上する目的で添加する材料であって、目的
とする性能や用途に合わせて多様に選べる。極板内部或いは集電体との結合力を
向上させるか、極板の多孔性或いは非結晶性を誘導するか、極板構成材料の分散
度もしくは電極製造工程の効率を向上させるか、活物質の過充電/過放電を抑制
するか、副反応生成物を再結合(recombination)或いは除去する
か、もしくは液体電解質の吸収力を向上させる等、性能向上を目的として添加す
る。一般的に、添加剤としては、塩(salt)、有機/無機化合物、鉱物、高
分子化合物が用いられ、また、液体電解質に対する吸収力を向上し電解質との連
続相を形成すべく上記電解質膜に添加された吸収剤が添加されるのが好ましい。
【0056】 まとめると、本発明の固体電解質及びこれを用いた二次電池は、従来技術に比
べて下記のような特徴がある。
【0057】 一、製造工程及び材料条件が単純である。膜成形が容易であり、湿式法などの
簡単な方法により優れた多孔性を有するので、多孔性導入のための従来技術、つ
まり、加硫、硬化、延伸による製造法、特に、可塑剤/工程補助剤を利用する製
造法に比べて非常に簡単である。それと共に、本発明の電解質膜は、多量の無機
物吸収剤と少量の高分子結合剤のみからなる単純な構成であり、可塑剤/工程補
助剤、硬化性高分子、架橋結合高分子または繊維状構造体などを必要としない。
【0058】 二、電解質としての性能及び安定性が優れる。多孔構造に含浸された液体相で
イオンが伝導されるのでイオン伝導度が高い。高分子の含量が低く無機物吸収剤
の含量が高いのでイオン伝導度が温度の影響をあまり受けず、機械的、熱的、電
気化学的安定性が大きく、嵩変化が小さいため寸法安定性を有する。なお、広い
電位窓を有し発火または爆発に対する抵抗力が大きい。特に、特定量以上含有さ
れた無機物吸収剤は構造体として作用し、ラミネーションまたはプレッシングな
どに対する抵抗力を向上させ、電池組み立て以降にも電解質性能の減少が少ない
【0059】 三、電池組み立て工程が単純である。電解質膜製造及び電池組み立て工程中に
は特別な除湿環境が要らず、電池組み立て後に、液体電解質を含浸する活性化過
程前までは水分や温度などの影響を受けないので、製造工程が単純でありかつ自
動化が容易である。
【0060】
【実施例】
本実施例では、本発明による固体電解質、及び該固体電解質を用いた電池の製
造方法を詳細に説明する。固体電解質の製造及び性能試験を行った。さらに、固
体電解質と共に正極、負極を組み立てて電池を製作しその性能を検査する方法に
関しても記述する。しかし、これらの実施例が本発明の内容を限るわけではなく
、本発明の基本趣旨を外ずれない範囲内で多様な応用及び変形が可能である。
【0061】実施例1(湿式法:無機物吸収剤の種類及び含量と液体電解質の種類による実験 14gのPVdFを86gのNMPに溶解し高分子結合剤溶液を製造した。こ
こに吸収剤を添加して吸収剤粒子が完全に分散するまで混合した。吸収剤粒子が
互いに凝集するのを防ぐため、30分間超音波攪拌した。上記方法で製造した混
合液をガラス板上に100μm程度の厚さになるようにコーティングした。コー
ティングしたフィルムを直ちに非溶媒槽に10分程度浸してからフィルムを出し
、70℃において1時間程度乾燥した。この方法により製造された多孔性電解質
膜を液体電解質溶液に10分程度浸し、液体電解質が完全に吸収されてから前後
の重さ変化を測定し、交流インピーダンス法を利用してイオン伝導度を測定した
【0062】 無機物吸収剤と結合剤の種類、含量比による多孔性固体電解質の特性と伝導度
を下記表1にまとめた。多孔性電解質膜が液体電解質を吸収する能力を比べるべ
く、次のように吸収度(absorption capacity、Δab)を
定義した。
【0063】 Δab=[吸収された液体電解質の量(mg)]/[電解質膜の重さ(mg)]
【0064】 なお、下記で液体電解質を構成する溶媒容積比を特定しない場合は、同じ容積
で混合したことを意味する。
【0065】
【表1】
【0066】 上記の表1及び下記表2における「機械的強度」とは、電解質膜の形態または
液体電解質が含浸された状態で評価したものであるので、電池組み立て過程にお
いてラミネーションまたはプレッシングに対し強い抵抗力を有するとの意味では
ない。つまり、表中では機械的強度が優秀であっても、実際電池組み立て過程で
は吸収剤の含量などによって性質が異なる可能性もある。
【0067】実施例2(湿式法:結合剤の種類による実験) 結合剤の種類を別にして実施例1と同じ方法で実験し、その結果を下記表2に
まとめた。
【0068】
【表2】
【0069】実施例3(乾式法) 20ml用のガラス瓶(vial)中で、0.5gのP(VdF−HFP)を
8gのアセトンに溶解させて高分子結合材溶液を製造した。ここにパラゴナイト
1.17gを添加し粒子が完全に溶解するまで続けて攪拌した。無機物吸収剤粒
子が互いに凝集するのを防止すべく30分間超音波攪拌した。この混合液に非溶
媒であるエチレングリコール0.9g、吸収補助剤であるTritonX−10
0 0.1g、気孔形成剤であるイソプロパノール1.8gを添加して、これが
均一に混合されるまで10分程度超音波攪拌した。上記方法により製造された混
合液をガラス板上に100μm程度の厚さになるようコーティングしてから、4
0℃において2時間程度乾燥した後、50℃で調節された真空乾燥機において6
時間程度さらに乾燥した。上記方法で製造した電解質膜をEC/DEC 1M
LiPF溶液に10分程度浸し、液体電解質が完全に吸収された後に、前後の
重さ変化を測定し、計算したΔab値は7.5であり、交流インピーダンス法を
利用し測定した常温イオン伝導度は、2.0mS/cmであった。
【0070】実施例4(比較実施例:非多孔性構造の固体電解質製造実験) 14gのPVdFを86gのNMPに溶解して高分子結合剤溶液を製造した。
高分子結合剤溶液1.85gにパラゴナイト粉末2gを添加し粒子が完全に混合
されるまで攪拌した。吸収剤粒子が互いに凝集するのを防止すべく30分間超音
波攪拌した。上記方法で製造した混合液をガラス板上に100μm程度の厚さに
なるようコーティングした後に常温において2時間程度乾燥し、50℃程度に調
節された真空乾燥機で6時間さらに乾燥した。上記方法で製造した電解質膜をE
C/DMC 1M LiPF溶液に10分程度浸し、液体電解質が完全に吸収
された後に前後の重さ変化を測定し、交流インピーダンス法を利用して伝導度を
測定した。リチウムイオン伝導度は常温において0.72 mS/cmであった
。該イオン伝導度は電池に実際使用するに多少不足した程度である。本実施例は
上記実施例1ないし3とは違って多孔性構造にするための工程を経なかったもの
であり、この結果により、電池性能向上のために湿式法或いは乾式法のような多
孔性導入過程がさらに必要であることがわかる。
【0071】実施例5(電気化学的安定性実験) 多孔性固体電解質の電気化学的な安定性を測定すべく、ステンレススチール(
#304)を作動電極にし、リチウム金属を反対電極と基準電極に使い、線形電
位走査法(linear sweep voltammetry)を行った。電
位走査範囲は開回路電圧から5.5Vまでであり、電位走査速度は10mV/s
ecである。実施例1−(h)、1−(l)、1−(n)及び2−(s)の方法
により製造した多孔性固体電解質の線形電位走査法の分析結果を図1に各々A、
B、C、Dに表した。図1のように、本発明により製造される固体電解質は4.
8Vまで電気化学的に安定した。天然鉱物吸収剤より合成酸化物吸収剤(ゼオラ
イトなど)がより安定であることがわかる。
【0072】実施例6(電池性能実験) 固体電解質を用いる電池性能を試すべく、次のように電池を構成した。正極は
、リチウム遷移金属酸化物活物質、導電材炭素粉末、高分子結合剤及び添加剤を
82:7:8:3重量比でスラリー状混合し、アルミグリッドに塗布及び乾燥し
て製作した。負極は、人造黒鉛、導電材炭素粉末、高分子結合剤及び添加剤を8
5:3:10:2重量比でスラリー状混合し、銅グリッドに塗布及び乾燥して製
作した。正極、電解質膜及び負極3列を同時にラミネーティングして積層形態の
電池を構成し、液体電解質を吸収させた後、電極端子のみを残してフィルム包装
材で密閉した。上記過程により製作した電池の充放電テストを行った。可逆容量
を2時間に充電する速度(C/2 rate)の定電流を電池電圧が4.2Vに
なるまで印加し、再び4.2V定電位を印加し電流がC/10 mAに減少する
まで充電した。その後、2.5V或いは2.75Vまで2時間放電速度の電流で
放電した(C/2 rate)。上記の充電と放電を操り返して各充放電回数に
よる放電容量の変化を観察した。電池構成及びテスト結果を下記表3にまとめ、
図2に示した。表3のように、各固体電解質は、電解質膜に該当液体電解質を吸
収させた状態を表す。また、実施例4により製造した固体電解質は、電池テスト
に適用しなかった。
【0073】
【表3】
【0074】 図2は、各々の実施例に対し、電池の充放電テストの操り返しによって得られ
る各放電容量を1回目の放電容量に対比し示したものである。上記電池テスト結
果から、湿式法(実施例1,2)から得た固体電解質を使う場合(実施例6−u
、v、x)が、乾式法(実施例3)から得た固体電解質を使用した場合(実施例
6−w)より性能が優れることが分かる。つまり、電解質膜或いは固体電解質自
体のみでは性能(イオン伝導度、機械的強度など)差が大したものではないが、
実際電池適用の結果では無機物吸収剤を使い湿式法により製造されたものが全体
電池性能(充放電性能等)にもっと望ましい影響を及ぼすとの事実がわかる。
【0075】実施例7(無機物吸収剤として使用したパラゴナイトの含量変化による物性実験 実施例1のような方法で、無機物吸収剤であるパラゴナイト粉末の含量を変化
して製造した約10cm大きさの多孔性固体電解質膜を、実験室用プレス機を
用いて130℃において15秒間1メトリックトン(metric ton)の
圧力でプレッシングした。プレッシング前後の厚さ変化を観察し、また交流イン
ピーダンス法を利用し、プレッシング前後のイオン伝導度の変化を測定して下記
表4に示し、プレッシング前のフィルム厚さ及びイオン伝導度を基にし、プレッ
シング後の各値をパーセントに図3に示した。イオン伝導度を測定する際に使用
した液体電解質は、EC/DMC/DEC 1M LiPFである。
【0076】
【表4】
【0077】 測定結果から、無機物吸収剤の含量が70重量%以上である場合(実施例7−
cc以降)に、プレッシング後の膜厚さとイオン伝導度がプレッシング前に比べ
て大きく変わらないことがわかる。すなわち、電解質膜または固体電解質そのも
のだけのイオン伝導度の差異は、無機物吸収剤の含量に大きく依存しないが、プ
レッシング過程を経ればその含量の影響が大きくなることがわかる。
【0078】実施例8(無機物吸収剤としてのゼオライトの含量変化による物性実験) ゼオライトを無機物吸収剤として使用し、実施例7と同じく実験した。プレッ
シング前後の電解質膜とイオン伝導度の変化を測定して下記表5に示した。
【0079】
【表5】
【0080】 上記実施例7の結果と同様に、無機物吸収剤の含量が70%以上になった時(
実施例8−ll以降)、プレッシング前後の厚さとイオン伝導度の減少が大きく
ないことがわかる。実施例7の結果とをまとめてみると、このような特徴的な現
象が無機物の種類に大きく関わらないことがわかり、なお、該電解質を利用して
ラミネーションまたはプレッシングにより電池を組み立てて性能を測定すれば、
無機物含量によって電池性能が著しく異なることが予想できる。
【0081】実施例9(無機物吸収剤の種類と含量変化による電池性能実験) 実施例6のような方法で電池を構成して、無機物吸収剤の種類及び含量変化に
よる影響を調査した。製作した電池の充放電方法は、実施例6と同じである。電
池構成及びテスト結果を下記表6にまとめ、図4または図5に示した。表6に開
示した如く、各固体電解質は、電解質膜に該当液体電解質を吸収させた状態であ
る。
【0082】
【表6】
【0083】 上記電池テスト結果から、無機物吸収剤の含量が70重量%以上である固体電
解質を使用した場合(実施例9−tt、uuまたは実施例9−xx、yy)が、
そうではない場合より優れた性能であることがわかる。実施例7、実施例8及び
本実施例の結果をまとめると、電解質膜または固体電解質そのものだけでは吸収
剤含量によるイオン伝導度、機械的強度などの性能差異が大きくないが、実際電
池に製作する場合は、ラミネーションまたはプレッシング過程を経るので吸収剤
含量による影響が大きくなることがわかる。無機物吸収剤の含量が少なくとも7
0重量%以上である場合、電池組み立て以降にも液体電解質を吸収する能力を失
わないので電池性能に優れた影響を与えることがわかる。さらに、その現象は、
無機物吸収剤の種類に関わらない共通的なものであることが確認できる。
【0084】
【発明の効果】
本発明によれば、吸収剤を添加し多孔性を与えた電解質膜に、液体電解質が円
滑に吸入されるようにすることによって、優れたイオン伝導性を有する固体電解
質、その固体電解質を製造する方法、さらには、そのような固体電解質を電解質
として用いるリチウム二次電池が提供される。本発明の固体電解質は、製造工程
及び材料条件が単純でありかつ電解質としての性能及び安定性が優れており、こ
れを用いた電池の組み立てが容易であるとの長所がある。とりわけ、無機物吸収
剤が特定量以上に添加されているという特徴により、ラミネーションまたはプレ
ッシング工程において、電解質膜の多孔性と液体電解質吸収力を維持するので、
固体電解質そのものの性能のみならず電池に組み立てた以降にも優れた性能が維
持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の固体電解質の電気化学的な安定性を測定すべく、線形電位走
査法による実験結果を示したものである。
【図2】 図2は、本発明の固体電解質を使った電池の、充放電実験による放電容量の変
化を示したものである。
【図3】 図3は、無機物電解質の含量を別にして製造したフィルムの、厚さ及びイオン
伝導度の変化を初期値に対して相対値で表した図面である。
【図4】 図4は、本発明の固体電解質を使った電池の、充放電実験による放電容量の変
化を示したものである。
【図5】 図5は、本発明の固体電解質を使った電池の、充放電実験による放電容量の変
化を示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 キム、ハン ジュン 大韓民国、ソウル 122−012、ユンピョン −グ、ユンガム−ドン、231−25 (72)発明者 ジャン、ドン フン 大韓民国、ソウル 132−033、ドボン− グ、サンムン−ドン、388−33、ハンヤン アパート、8−403 (72)発明者 キム、サ フム 大韓民国、キョンギ−ドウ、クンポ−シテ ィ 435−050、クムジョン−ドン、880、 ハンサン モクワ アパート、138−1202 (72)発明者 キム、ハン ジュン 大韓民国、ソウル 122−012、ユンピョン −グ、ユンガム−ドン、231−25 Fターム(参考) 5H029 AJ06 AK03 AL07 AL08 AM03 AM04 AM05 AM07 AM12 AM16 CJ02 CJ03 CJ05 CJ12 DJ09 EJ05 EJ12 HJ01 HJ04 HJ05 HJ09 HJ10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚さが20〜200μmでかつ微細多孔性構造を有する電解
    質膜とイオン伝導性液体電解質とを含む二次電池用固体電解質であって、 上記電解質膜は、液体電解質を含まない乾燥状態下における電解質膜の総重量
    に対して少なくとも70重量%以上の40μm以下の粒径を有する無機物吸収剤
    と、高分子結合剤とを含み、さらに、上記イオン伝導性液体電解質の含量は、液
    体電解質を含む電解質の総重量に対して20〜90重量%であることを特徴とす
    る二次電池用固体電解質。
  2. 【請求項2】 上記無機物吸収剤の含量は、70〜95重量%であることを
    特徴とする請求項1に記載の二次電池用固体電解質。
  3. 【請求項3】 上記無機物吸収剤は、粘土、パラゴナイト、モンモリロナイ
    ト、雲母等のフィロケイ酸塩構造である鉱物粒子;ゼオライト、多孔性シリカ、
    多孔性アルミナ、酸化マグネシウム等の合性酸化物粒子;酸化物或いは高分子材
    質で2ないし30nmの気孔直径であるメゾポラス分子ふるい;及び市販の吸収
    剤からなる群から選ばれた一つ或いは二つ以上の混合物であり、また、 上記高分子結合剤は、ポリフッ化ビニリデン、ビニリデンフッ化物とヘキサフ
    ルオロプロピレンの共重合体、ビニリデンフッ化物と無水マレイン酸の共重合体
    、ポリ塩化ビニール、ポリメチルメタクリルレート、ポリメタクリルレート、セ
    ルローストリアセテート、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリエーテル、ポリエ
    チレン、ポリプロピレン、ポリエチレンオキサイド、ポリイソブチレン、ポリブ
    チルジエン、ポリビニールアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポ
    リビニールホルマール、アクリロニトリルブチルジエンゴム、エチレンプロピレ
    ンジエンモノマー、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリジメチルシ
    ロキサン、ポリ炭酸塩及びシリコーン高分子からなる群から選ばれた一つ或いは
    二つ以上の高分子混合物又はこれらの共重合高分子あるいは高分子混合物である
    ことを特徴とする請求項1に記載の二次電池用固体電解質。
  4. 【請求項4】 上記電解質膜は、高分子結合剤とそれの溶媒からなる溶液に
    無機物吸収剤を分散し、これを膜形態に成形した後、上記溶媒を高分子結合剤の
    非溶媒に交換し、乾燥する湿式法により製造されることを特徴とする請求項1に
    記載の二次電池用固体電解質。
  5. 【請求項5】 上記高分子結合剤の溶媒は、NMP(N−methyl p
    yrrolidinone)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、
    テトラヒドロフラン、アセトニトリル、シクロヘキサノン、クロロホルム、ジク
    ロロメタン、ヘキサメチルホスホアミド、ジメチルスルホキシド、アセトン及び
    ジオキサンからなる群から選ばれた一つ或いは二つ以上の混合物であり;また、 上記高分子結合剤の非溶媒は、水、エタノール、エチレングリコール、グリセ
    ロール、アセトン、ジクロロメタン、エチルアセテート、ブタノ―ル、ペンタノ
    ール、ヘキサノ−ル及びエーテルからなる群から選ばれた一つ或いは二つ以上の
    混合物であることを特徴とする請求項4に記載の二次電池用固体電解質。
  6. 【請求項6】 上記固体電解質は、イオン伝導性液体電解質が電解質膜に吸
    収される活性化過程により製造され、また、 上記イオン伝導性液体電解質は、エチレン炭酸塩、プロピレン炭酸塩、ブチレ
    ン炭酸塩、ジメチル炭酸塩、ジエチル炭酸塩、エチルメチル炭酸塩、ガンマ−ブ
    チロラクトン、1、3−ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒ
    ドロフラン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、N、N−ジメチルホルムアミ
    ド、ジグリム、トリグリム及びテトラグリムからなる群から選ばれた一つ或いは
    二つ以上の混合物からなる有機溶媒に、LiClO、LiBF、LiPF 、LiAsF、LiSCN、LiCFSO、LiN(CFSO
    びLiC(CFSOからなる群から選ばれた一つ或いは二つ以上のリチ
    ウム塩を0.5〜2M濃度で溶解させることにより得られることを特徴とする請
    求項1ないし4のいずれかに記載された二次電池用固体電解質。
  7. 【請求項7】 高分子結合剤と溶媒からなる溶液に40μm以下の粒径を有
    する無機物吸収剤を高分子結合剤に対して70/30〜95/5の重量比で分散
    させた後、得られた混合物を膜形態に成形し、 次いで上記溶媒を高分子結合剤の非溶媒に交換した後、これを乾燥して、微細
    気孔の直径が20μm以下、気孔率が5〜95%、厚さが20〜200μmの微
    細多孔性電解質膜を形成させ、 次いで得られた電解質膜を正極と負極との間に配置し、ラミネーションまたは
    プレス法で積層及び接合して電池形態に組み立ててから、イオン伝導性液体電解
    質を吸収させることにより製造されることを特徴とするリチウム二次電池。
  8. 【請求項8】 上記正極及び負極は、電解質膜と別途製作され、正極及び/
    または負極に使用する高分子結合剤は、電解質膜の高分子結合剤と同じであるか
    相溶性があり、正極及び/または負極に用いる添加剤は、電解質膜に使用される
    吸収剤の中から選ばれた一つまたは二つ以上の混合物であることを特徴とする請
    求項7に記載のリチウム二次電池。
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