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JP2003511056A - 5−位置メチル化変性体の識別方法 - Google Patents

5−位置メチル化変性体の識別方法

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JP2003511056A
JP2003511056A JP2001529448A JP2001529448A JP2003511056A JP 2003511056 A JP2003511056 A JP 2003511056A JP 2001529448 A JP2001529448 A JP 2001529448A JP 2001529448 A JP2001529448 A JP 2001529448A JP 2003511056 A JP2003511056 A JP 2003511056A
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sequence
dna
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genomic dna
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、シトシンからチミンへの突然変異体の5−位置メチル化変性体とシトシン塩基の識別方法およびゲノムDNAにおける単一ヌクレオチド多形性(SNPs)または点突然変異の検出方法に関する。 【解決手段】 ゲノムDNAにおいて、シトシン塩基の5-位置メチル化変性体とシトシンからチミンへの突然変異体を識別し、単一ヌクレオチド多形性(SNPs)または点突然変異体を検出する方法において、a)ゲノムDNAプローブを、塩基の5-位置においてメチル化されていないシトシン塩基がすべて変性されるように亜硫酸塩または重亜硫酸塩で処理し、その結果塩基対特性により種々の塩基が生成し、一方、5-位置メチル化シトシンはそのまま残り、b)同じゲノムDNAプローブのアリコートをa)により化学処理する前に、Ssslまたはその他のメチルトランスフェラーゼを用いて定量的にメチル化し、c)そのようにして処理された両DNAプローブについて同じ分析法でシトシンの存在を調べ、d)判明したシトシンの位置を標準DNA配列と比較対照する、5−位置メチル化変性体の識別方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、シトシンからチミンへの突然変異体の5-位置メチル化変性体とシ
トシン塩基の識別方法およびゲノムDNAにおける単一ヌクレオチド多形性(S
NPs)または点突然変異の検出方法に関する。
【0002】 近年、分子生物学的方法が発達するにともない、遺伝子それ自身、RNA内の
遺伝子の翻訳、およびそれにより生じる蛋白質などが、詳しく研究されている。
個体が発達する間に、どの遺伝子が発現されているか、特定の細胞や組織のある
遺伝子がどう活性化され、あるいは抑制されているかは、遺伝子あるいはゲノム
のメチル化の程度や特性と相関している。この意味で、病因となる状態は、個々
の遺伝子あるいはゲノムのメチル化様式の変化に反映されているという仮説は説
得力を持っている。
【0003】 本発明では、特に突然変異とシトシンのメチル化を互いに区別することができ
るゲノムDNAプローブのメチル化状態を検出する方法が記載されている。この
方法は、点突然変異および単一ヌクレオチド多形性(SNPs)の発見にも利用
することができる。
【0004】 5-メチルシトシンは有核細胞のDNAの中で、共有結合で修飾された塩基としては
最も多数存在する。例えば、転写の制御、ゲノム・インプリンティングや腫瘍発
症に関与している。それゆえ遺伝情報の現状としての5-メチルシトシンの把握に
は、多大の関心が寄せられている。しかしながら、5-メチルシトシンの位置はシ
ーケンシング(配列解析)によっては同定できず、5-メチルシトシンはハイブリ
ダイゼーションではシトシンと同じ結果をもたらす。従って、どのシトシンが5-
メチルシトシンとなっているかという発生機構的な情報はPCR増幅では完全に見
落としてしまう。
【0005】 ゲノム塩基であるシトシンを5'-メチルシトシンに修飾すると、今日まで最も
重要で且つ最もよく研究されている発生機構的パラメータが得られる。細胞と個
体の包括的な遺伝子型を究明する方法は現在でもあるが、大規模に発生機構型の
情報をつくり、且つ評価する比較可能な方法はない。
【0006】 シトシンの5-メチル体を配列コンテクストにおいて測定する方法には、原理
的に異なる3つの方法がある。
【0007】 第1の方法は"メチル化"に敏感な制限エンドヌクレアーゼ(RE)を用いる方法で
ある。REsは特定のDNA配列において、4〜8個の塩基長からなるカットをD
NAに持ち込むという特徴がある。そのようなカットの位置は、ゲル電気泳動,
膜への移動およびハイブリッド形成により検出することができる。メチル化感受
性とは、認識配列の中の特定の塩基が非メチル化により失われ、それによりカッ
トが生じ得ることを意味している。制限断片とゲル電気泳動によるバンドパター
ンは、DNAのメチル化パターンによっても変わる。ただし、REsの認識配列の
中にあるメチル化できる最小CpGは、この方法では研究することができない。
【0008】 この方法の感度は極端に低い(Bird, A.P. とSouthern, E.M.,J.Mol. Biol. 1
18, 27-47)。この方法とPCRを結びつけた一つの変形態様は、認識配列の両側に
存在する2つのプライマーを介して一つの断片のみによって行われる増幅で、認
識配列をメチル化した場合に存在する。感度はこの場合理論的には標的配列のた
だ一つの分子まで向上する。ただし、高い費用をかければ、個々の位置のみを研
究することができる(Shemer, R.ら,PNAS 93, 6371-6376)。さらに、認識配列
の中のメチル化できる位置は1つのREであるとも仮定されている。
【0009】 第2の変形態様は、DNA全体の化学的部分開裂と、見本によるMaxam-Gilber
t配列反応,そのようにして発生した末端へのアダプターの連結反応,種属に関
するプライマーを用いた増幅およびゲル電気泳動による分離に基づく方法である
。この方法を用いると、塩基対1000個未満のサイズの限定された領域について研
究することができる。ただし、この方法は複雑で且つ信頼性も低いので、もはや
実際には使われていない(Ward, C. ら,J. Biol. Chem. 265, 3030-3033)。
【0010】 DNAの5-メチルシトシンを調べるために、その間に最もよく使われ且つ比
較的新しい方法は、シトシンと重亜硫酸塩との特異的反応に基づく方法であり、
シトシンは塩基対特性がチミジンに対応しているウラシル中で引き続きアルカリ
性加水分解により転化される。一方、5-メチルシトシンはこの条件下では修飾
されない。したがって、本来のDNAは転化されるので、本来そのハイブリッド
化特性によりシトシンとは区別できないメチルシトシンは、今や唯一の残留シト
シンとして“普通の”分子生物学的方法により、たとえば、増幅やハイブリッド
化または配列決定により検出することができる。これらすべての方法は、今や完
全に利用できる塩基対に基づいている。感度に関する周知技術のレベルは、研究
対象のDNAをアガロース・マトリックスに閉じこめ、DNAの拡散と復元(重
亜硫酸塩は個々の鎖のDNAとのみ反応する)を阻害し、すべての沈殿および精
製ステップを迅速な透析により置き換える方法により規定できる(Olek, A.ら,
Nucl. Acids Res. 24, 5064-5066)。この方法を用いると、個々の細胞について
研究し、この方法の可能性について具体的に説明することができる。ただし、こ
れまでは塩基対長さ約3000個までの個々の領域について調べられたが、メチル化
による数千個の細胞に関する包括的な研究は不可能である。また、この方法では
試料の量が少ない非常に小さなフラグメントについては信頼できる分析はできな
い。マトリックスにより拡散の防止が計られているにもかかわらず、このフラグ
メントは失われた状態になるからである。
【0011】 5-メチルシトシンを検出する方法には、さらに、次のような文献:すなわち
、Rein, T.,DePamphilis, M.L., Zorbas, H., Nucleic. Acids Res. 26, 2255
(1998)がある。
【0012】 重亜硫酸塩法の研究には、これまではごくわずかに(たとえば、 Zeschnigk,
M. ら,Eur. J. Hum. Gen. 5, 94-98 ; Kubota, T. ら,Nat. Genet. 16, 16-17
)使われただけである。しかし、周知の遺伝子の短くて特異的な断片は重亜硫酸
塩処理により増幅され、完全な配列決定(Olek, A. と Walter, J. Nat. Genet.
17, 275-276)または“プライマー拡張反応”(Gonzalgo, M.L. と Jones, P.A
., Nucl. Acids. Res. 25, 2529-2531)または酵素断片(Xiong, Z. と Laird,
P.W., Nucl. Acids. Res. 25, 2532-2534)により個々のシトシンの位置が検出
されるようになった。さらに、ハイブリッド化による検出も知られている(Olek
ら,WO99 28498)。
【0013】 さらに、個々の遺伝子においてメチル化の検出に重亜硫酸塩法を適用する研究
に取り組んでいる文献もある:Xiong, Z. と Laird, P.W. (1997), Nucl. Acids
Res. 25, 2532;Gonzalgo, M.L. と Jones, P.A. (1997), Nucl. Acids Res. 2
5, 2529;Grigg, S. と Clark, S.(1994), Bioessays 16, 431;Zeschnik, M.
ら,(1997), Human Molecular Genetics, 6, 387;Teil, R. ら,(1994), Nucl.
Acids Res. 22, 695;Martin, V. ら,(1995), Gene 157, 261;WO 97/46705,
WO 95/15373およびWO 97/45560。
【0014】 プロモーター間の共通点は、TATAボックスまたはGCボックスの存在だけでなく
、転写ファクターについてこれらが結合部位を持ち且つ結合部位の間隔でこれが
互いに存在することにある。特定のタンパク質の存在している結合部位はそのタ
ンパク質における配列と完全には一致していないが、結果としては少なくとも4
個の塩基が保存され、これらの塩基が“ゆらぎ”の挿入により、すなわち、それ
ぞれ種々の塩基が存在する位置で延ばすことができる。さらに、これらの結合部
位は特定の間隔で存在する。
【0015】 オリゴマー配列の合成における現在の技術水準についての概観は、1999年1月
に、Nature Geneticsの別冊(Nature Genetics増補,Vol. 21,1999年1月)、
並びにこの文献の中で引用されている文献に掲載されている。
【0016】 レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析法(MALDI-TOF)が開発され、生体分
子の分析効率が非常に高い(Karas, M. と Hillenkamp, F. 1988, 分子量が10.0
00ドルトンを超えているタンパク質のレーザー脱着イオン化,Anal. Chem. 60:
2299-2301)。分析対象が脱離を起こすマトリックスの中に混和される。短いレ
ーザー・パルスによってマトリックスは気化し、分析対象分子は気体相へと蒸散
する。マトリックス分子の衝突によって分析対象物がイオン化する。加えられた
電圧によってイオンは加速され、無電場の管へと送りこまれる。異なる質量に基
づいて、イオンは異なった加速度を受ける。より小さなイオンは、より大きなイ
オンよりも早く検出部に到達する。
【0017】 固定されたDNA配列を走査する場合、種々の蛍光マーキングゾンデが使われ
る。蛍光マーキングに特に適しているのは、それぞれのゾンデの5'OHに単にCy3
およびCy5の両染料を取り付ける方法である。ハイブリッド化されたゾンデの蛍
光の検出は、たとえば、共焦点顕微鏡により行われる。Cy3およびCy5両染料は商
業的に入手できる。
【0018】 特定の配列コンテクストにおいてシトシン塩基をメチル化しているメチラーゼ
は、一般に知られており、且つ一部は商業的に入手できる。たとえば、Sss1メチ
ラーゼは、配列コンテクストCpGにおいてシトシンをメチル化する(たとえば、R
enbaum, P.ら,(1990),Nucleic Acids Res.18, 1145参照)。New England Biol
absでは、Alul,BamH1およびHaeIIIなどの他のメチラーゼと同様に入手できる。
【0019】 周知の技術の場合と同様に、重亜硫酸塩処理,増幅およびそれに続く配列決定
またはハイブリッド化だけでは、メチル化されたシトシンの位置を確実に検出す
ることはできない。当該位置でシトシンの代わりにチミンが検出された場合は、
引き合いに出された比較配列に対する突然変異およびゲノムプローブDNAにお
いてメチル化されないシトシンが問題であり、このシトシンはまずウラシル中で
重亜硫酸塩処理、そして増幅の際に配列コンテクストにおいてチミンに転化され
る。本発明の課題はこの問題を解決することである。
【0020】 この課題は、シトシン塩基の5-位置メチル化変性体とシトシンからチミンへ
の突然変異体とを識別し、且つ単一ヌクレオチド多形性(SNPs)またはゲノム
DNA中の点突然変異体を検出する方法を創り出すことにより解決され、この方
法では a)ゲノムDNAプローブを亜硫酸塩または重亜硫酸塩またはこの種のその他の
化学物質で処理し、塩基の5-位置がメチル化されていないすべてのシトシン塩
基を変性して、塩基対特性に従って種々の塩基を形成し、一方、5-位置にメチ
ル化されたシトシンはそのまま残り、 b)同じゲノムDNAプローブのアリコートはa)による化学処理の前にSss1ま
たはその他のメチルトランスフェラーゼを用いて定量的にメチル化し、 c)そのようにして処理した2つのDNAプローブをシトシンが存在する場合と
同じ分析方法により調べ、 d)得られたシトシン位置を標準DNA配列と比較対照する。
【0021】 本発明は、同じプローブのメチル化したアリコートを同じように処理し、得ら
れた配列情報を標準DNAの配列と比較対照し、突然変異とシトシンメチル化の
間の識別を可能にすることによってもこの課題を解決することができる。その上
、この方法の枠内で新しい突然変異と多形性、特にC-T突然変異を見つけること
もできる。
【0022】 本発明で好適な方法は、2つの異なる方法で処理したプローブからの個々のシ
トシンの位置を標準配列と比較対照し;特定の位置でシトシンを検出できないか
どうか;およびこの結果はゲノムDNAのシトシンがメチル化されずに存在して
いるか、または突然変異または多形性により変性されて存在し、したがってゲノ
ムDNAには存在しないことに基づいているかどうかを究明する方法である。
【0023】 さらに、発明に適った方法には、塩基を検出する前に両DNAプローブまたは
これらのDNAプローブの一部を、循環プロセス、すなわち、ポリメラーゼ連鎖
反応またはこれに匹敵するプロセスを用いてシトシンを増幅することを特徴とす
る方法がある。
【0024】 その際、増幅プロセスでは、処理されたゲノムDNAの10種類以上のフラグ
メントをつくるのが好ましい。
【0025】 さらに、ゲノムDNAプローブの増幅には、遺伝子規制にとって重要ないわゆ
る共通配列またはそのような配列を含むプライマーを用い、そしてこのような配
列を主として規制的または符号的配列に結合するのが好ましい。
【0026】 特に本発明では、特異的コンテクスト5'-CpG-3' にあるシトシンを検出するこ
とが好ましい。
【0027】 さらに、検出可能なマーキングを備えたヌクレオチド構成単位,オリゴヌクレ
オチドの組み込みによりDNAを増幅する場合、全部で一つか複数の検出可能な
マーキングを備えていることが好ましい。
【0028】 マーキングの検出を蛍光または化学発光により行うことが特に好ましい。
【0029】 さらに、本発明の方法では、“配列コンテクスト-シトシン-配列コンテクスト
”にとって特異的なオリゴマーを用いてハイブリッド化したシトシンを検出する
ことが好ましい。なお、このオリゴマーは限定された配列において一つ以上の表
面に固定されている。
【0030】 この場合、その配列特異的コンテクストにおいて検出され得る各シトシンにつ
いて少なくとも一つの配列コンテクストに相補的なオリゴマーを表面に固定し、
このオリゴマーには検出され得るシトシンに対して相補的なグアニンが含まれて
いることが好ましく;および検出され得るシトシンの部位に塩基が含まれており
、この塩基に対して相補的である別のオリゴマーでは、化学的処理により非メチ
ル化シトシンが転化されることが好ましい。
【0031】 さらにこの場合、検出され得るシトシン位置にそのようなオリゴマーが固定さ
れ、オリゴマーはそれぞれメチル化された位置とメチル化されていない位置にお
いてプラスとマイナスの両鎖に特異的に結合するか、および/またはそれぞれ増
幅により生成した相補的な鎖において特異的にハイブリッド化されることが好ま
しい。
【0032】 さらにこの場合、別のオリゴマーが表面に固定され、オリゴマーそれぞれが“
配列コンテクスト-チミン-配列コンテクスト”配列に特異的に結合しているか、
および/またはオリゴマーのシトシン、および化学的処理によりプラスとマイナ
スの両鎖において生成した塩基、および生成した相補的鎖を増幅してできたそれ
ぞれの鎖を検出することが好ましい。
【0033】 さらに、本発明では、表面の点におけるオリゴマーからの信号を検出すること
が好ましい。この信号はオリジナルなゲノムプローブにおいてメチル化,または
非メチル化または突然変異化されたプローブに対して特異的である。
【0034】 その際、検出された信号を比較することにより、メチル化の絶対度および/ま
たはホモもしくはヘテロ両接合体を求めることが望ましい。
【0035】 さらに、本発明に好適な方法は、両プローブの増幅されたフラグメントをそれ
ぞれ表面に固定し、検出可能なマーキングを備えた配列特異的オリゴマーをこの
表面でハイブリッド化する方法である。
【0036】 ハイブリッド化された配列特異的オリゴマーの分析を、質量分析法、好適には
MALDI質量分光計により行うのが好ましい。
【0037】 さらに、ハイブリッド化された配列特異的オリゴマーの分析を蛍光または化学
発光により行うのが好ましい。
【0038】 本発明の方法の特に好適な変形態様では、配列コンテクストのシトシンの検出
が、鋳型にシトシン塩基が到達した際に特異的に停止されるポリメラーゼ反応、
および生成したフラグメントの長さ測定により行われる。
【0039】 この場合、プライマー依存性のポリメラーゼ反応の開始に使われるオリゴマー
が、それぞれ表面上の様々な場所に様々な配列を固定し、この表面でポリメラー
ゼ反応が行われることは特に好ましい。
【0040】 その際さらに、プライマー依存性のポリメラーゼ反応の開始に使われるオリゴ
マーが、化学反応か光りにより表面から剥離されることは好ましい。
【0041】 さらに本発明では、ポリメラーゼ反応を終結するためにシトシンまたは向かい
側の鎖のグアニンの位置にあるヌクレオチド構成単位を用いることが好ましい。
なお、ヌクレオチド構成単位は、化学的修飾を経て、たとえば、蛍光,化学発光
または抗体の結合による検出を可能にする。
【0042】 その他、シトシンまたは向かい側の鎖のグアニンの位置における終結の検出は
、ゲル電気泳動、特に毛細管電気泳動による生成フラグメントの長さ測定を介し
て行うことが好ましい。
【0043】 その際さらに、生成フラグメントの長さ測定を質量分光分析法,好適にはMALD
I質量分光計で行うことが好ましい。
【0044】 さらに、本発明の方法は、標準DNA配列がデータバンク、すなわち、ヒトゲ
ノム・プロジェクトに由来しているという特徴がある。
【0045】 本発明のもう一つの主題は、標準DNA,および/または重亜硫酸塩反応およ
び/または増幅を行うための化学物質と助剤および/またはメチルトランスフェラ
ーゼ、および/または本発明の方法を実施するための説明書を含むキットである
【0046】 ここに記載されたゲノムDNAの5-メチルシトシンの位置と点突然変異およ
び/または多形性の識別に用いる方法は、点突然変異および/または多形性の発見
や検出にも使える。図1には、任意の配列1を例にしてこの方法の概要を示して
いる。
【0047】 本発明の方法を実施するために次のようなステップが行われる。すなわち、ゲ
ノムDNAプローブは、5-位置をメチル化されていないシトシン塩基がすべて
変えられ、塩基対特性に従って種々の塩基が生成し、一方、5-位置をメチル化
されているシトシンはそのまま変わらないように、化学的に処理される。このス
テップでは、重亜硫酸塩(=亜硫酸水素塩,ジ亜硫酸塩)による処理と引き続い
てアルカリ性加水分解が行われるのが好ましい。これらの処理によりウラシル中
の非メチル化シトシン塩基が転化し、その塩基対特性は、当該位置が増幅によっ
ても失われるチミンに対応している。
【0048】 第2のステップでは、同じゲノムDNAプローブのアリコートは、上述の化学
処理の前に、Sss1またはその他のメチルトランスフェラーゼを用いてメチル化さ
れる。このメチル化により、DNAプローブの配列コンテクストCGのすべてのシ
トシン塩基またはその他のメチルトランスフェラーゼによりDNAプローブのす
べてのシトシン塩基が5-メチルシトシンに転化され、したがって、化学処理で
はもはやチミンへの転化は起きない。この方法の特に好ましい変形態様では、両
DNAプローブは前述の前処理ステップの後に増幅され、この増幅はPCRにより
行われるのが好ましい。
【0049】 この方法の第3ステップでは、処理済みの両DNAプローブについて、同じ分
析方法によりシトシンの存在を調べる。得られたシトシンの位置は標準DNA配
列と比較対照される。この標準DNA配列は任意に選択することができるが、調
べるプローブと同一であってはならない。標準配列は、たとえば、現在ヒトゲノ
ム・プロジェクトの枠内でできているものや既に存在するものなど、データバン
クに由来するものが好ましい。標準DNAとの比較対照により、プローブ中の所
定の位置についてそれぞれ検出されたシトシン塩基は次のような結果に導かれる
。すなわち、メチル化されたプローブでも、また非メチル化されたプローブでも
、シトシンが検出されれば、これらのシトシンはメチル化されたゲノムDNAに
存在する。メチル化されたプローブでのみシトシンが検出され、非メチル化プロ
ーブではチミンが検出されれば、ゲノムDNAには非メチル化シトシンが存在す
る。一方、両プローブでチミンが検出されるが、標準配列の同じ位置にシトシン
が存在すれば、C-T点突然変異か“単一ヌクレオチド多形性”(SNP)が存在する。
【0050】 この方法の好適な変形態様では、第2のステップで増幅が行われるので、増幅
プロセスでは10個以上の様々なフラグメントが生じる。この増幅は好適にはプラ
イマーを用いて行うことができる。なお、プライマーは遺伝子制御に重要ないわ
ゆる共通配列またはそのような配列を含み、且つ主として規制的または符号的配
列に結合している。この増幅では、生成物は検出可能なマーキングを備えたヌク
レオチド構成単位またはオリゴヌクレオチド(たとえば、プライマー)を組み込み
、全体として一つ以上の検出可能なマーキングを備えるのが好ましく、その場合
、マーキングの検出は蛍光または化学発光により行うのが特に好ましい。
【0051】 シトシンの位置の調査は、この方法の特に好適な変形態様では、シトシンはも
っぱら特異的コンテクストである5'-CpG-3' において検出されるように行われる
。これは、“配列コンテクスト-シトシン-配列コンテクスト”に特異的なオリゴ
マーを用いたハイブリッド化を介したシトシンの検出により好適に行うことがで
きる。なお、このオリゴマーは限定された配列において一つ以上の表面に固定さ
れている。この方法の特に好適な変形態様では、その配列特異的コンテクストに
おいて検出し得るシトシンの各々について、配列コンテクストに相補的な少なく
とも一つのオリゴマーが表面に固定され、そのオリゴマーには検出し得るシトシ
ンに対して相補的なグアニンおよび別のオリゴマーが含まれ、別のオリゴマーは
検出し得るシトシンの部位に塩基が含まれ、このシトシンはこの塩基に相補的で
、ここでは非メチル化シトシンが化学処理により転化されている。この方法の特
に好適な変形態様では、重亜硫酸塩処理が行われた場合チミンに相補的な塩基で
あるアデニンが重要である。
【0052】 この方法の特に好適な別の変形態様では、検出され得るシトシンの位置につい
て下記のようなオリゴマーが表面に固定される。すなわち、このオリゴマーは、
メチル化および非メチル化の両シトシンの位置それぞれに、プラスとマイナスの
両鎖に特異的に結合するか、および/または増幅によりそれぞれ生成する相補的
な鎖に特異的にハイブリッド化するオリゴマーである。
【0053】 この方法の特に好適な別の変形態様では、下記のようなオリゴマーが表面に固
定される。すなわち、このオリゴマーは、“配列コンテクスト-チミン-配列コン
テクスト”配列にそれぞれ特異的に結合するか、および/またはオリゴマーのシ
トシンおよび化学処理により生成したプラスとマイナスの両鎖の塩基および増幅
により生成した相補的な鎖を生成する鎖を検出するオリゴマーである。
【0054】 この方法の特に好適な別の変形態様では、オリゴマーが固定されている表面の
点において信号が検出される。この信号は最初のゲノムプローブにおいてメチル
化または非メチル化または突然変異化プローブに特異的である。この方法の好適
な変形態様では、検出された信号は定量的であるから、メチル化の絶対的度合い
および/またはホモもしくはヘテロ両接合体を求めることができる。
【0055】 この方法の別の好適な変形態様では、メチル化および非メチル化両プローブの
増幅されたフラグメントは、それぞれ表面に固定され、そして検出可能なマーキ
ングを備えた配列特異的オリゴマーがこの表面で両プローブにおいてハイブリッ
ド化される。この方法の特に好適な変形態様では、ハイブリッド化された配列特
異的オリゴマーは、質量分析法,好適にはMALDI質量分光法により検出される。
この方法の別の特に好適な変形態様では、ハイブリッド化された配列特異的オリ
ゴマーの分析は、その蛍光または化学発光により行われる。
【0056】 この方法の別の好適な変形態様では、配列コンテクストのシトシンの検出は、
シトシン塩基が鋳型に到達すると特異的に停止されるポリメラーゼ反応および、
生成したフラグメントの長さ測定により行われる。その際、プライマー依存性ポ
リメラーゼ反応の開始に利用されるオリゴマーは、好適にはそれぞれ様々な配列
を表面の様々な場所に固定し、そしてポリメラーゼ反応は好適にはこの表面で行
うことができる。この方法の特に好適な変形態様では、プライマー依存性ポリメ
ラーゼ反応の開始に利用されるオリゴマーは、化学反応または光により表面から
剥離させることができる。シトシンまたは向かいの鎖のグアニンの位置における
ポリメラーゼ反応を終結させるために、好適にはヌクレオチド構成単位が使われ
る。この構成単位は、化学的修飾を経て、たとえば、蛍光,化学発光または抗体
の結合により検出することも可能である。シトシンまたは向かいの鎖のグアニン
の位置における終結の検出は、ゲル電気泳動,特に毛細管電気泳動による生成フ
ラグメントの長さ測定により行うこともできる。この方法の別の好適な変形態様
では、生成フラグメントの長さ測定は、質量分光分析により,および好適にはMA
LDI質量分光計で行われる。
【0057】 この方法を実施する場合はキットを使用することができる。キットには、標準
DNA,重亜硫酸塩反応および/または増幅および/またはメチルトランスフェラ
ーゼを実施する化学薬品および助剤,および/またはこの方法を実施するための
説明書が含まれている。
【0058】 本発明の方法を添付図面を用いて説明する。 図1では、シトシンのチミンへの点突然変異が、重亜硫酸塩処理と増幅したD
NAでも、メチル化する前に重亜硫酸塩処理と増幅したDNAでも、チミンとし
て検出される。メチル化されたシトシンは両方の場合にシトシンとして検出され
、一方、非メチル化シトシンはメチル化されていないプローブでのみTとして、
メチル化されたプローブではCとして検出される。
【0059】 次の例により本発明の内容を説明する:実施例: 実施例として次のDNA配列を用いる。この配列には、潜在的にメチル化され
たCGジヌクレオチドまたはTG(C-SNP)の後に点突然変異CGが含まれている: 部分I)はデータバンクにおける遺伝子バンクから得られた、位置117606から
位置118388までのアクセッション番号AL031228を有するゲノム配列である。
【0060】
【化1】
【0061】 この配列にあるC/Tは、アクセッション番号AL031228を有する配列において位
置117606に存在するC-SNPの特徴を明らかにしている。
【0062】 メチル化され、且つ重亜硫酸塩処理されたDNAの配列A)を下に示す。
【0063】
【化2】
【0064】 非メチル化され、且つ重亜硫酸塩処理されたDNAの配列B)を下に示す。
【0065】
【化3】
【0066】 832 bp(位置1から832まで)の長さを有する増幅されたフラグメント1には、55
7の位置にC-SNPがあり、783 bp(位置303から1085まで)の長さを有する増幅され
たフラグメント2には、255の位置にC-SNPがある。フラグメント1では太字印刷
したプライマーがあり、フラグメント2ではプライマーは太字印刷され、且つ下
線が引かれている。
【0067】 ゲノムDNAは制限酵素Mss1(Fermentas)を用いて切断され、続いて酵素Sss
1(CpGメチラーゼ,BioLabs)を用いてメチル化される。重亜硫酸塩反応は本来
周知の方法で行われる。引き続き行われるポリメラーゼ反応では、遺伝子COL11A
2が染色体6p21において増幅される。この増幅は、普通のPCRプロトコルによりプ
ライマー対
【0068】
【化4】
【0069】 またはプライマー対
【0070】
【化5】
【0071】 を用いて行われる。この場合、それぞれのプライマー対の両方またはただ一つの
プライマーがCy5を用いてマーキングされる。
【0072】 PCR配合物(20μL): 1μLのDNA(10 ng),それぞれ2μL(4x25mM)のdNTPs,0.2μL(1ユニ
ット)のTaq(Hot Star Taq[登録商標], Qiagen),2μLのPCRバッファー(10x, Q
iagen),それぞれ1μLのCy5マーキング・プライマー(6.25 pmoL/μL)。それ
によりA)に示す2つのDNAフラグメントが増幅された。
【0073】 ゲノムDNAは制限酵素Mss1(Fermentas)を用いて切断される。重亜硫酸塩
反応は本来周知の方法で行われる。引き続き行われるポリメターゼ反応では、遺
伝子COL11A2が染色体6p21において増幅される。この増幅は、普通のPCRプロトコ
ルによりプライマー対
【0074】
【化6】
【0075】 またはプライマー対
【0076】
【化7】
【0077】 を用いて行われる。この場合、それぞれのプライマー対の両方またはただ一つの
プライマーがCy5を用いてマーキングされる。
【0078】 PCR配合物(20μL): 1μLのDNA(10 ng),それぞれ2μL(4x25mM)のdNTPs,0.2μL(1ユニッ
ト)のTaq(Hot Star Taq[登録商標], Qiagen),2μLのPCRバッファー(10x, Qia
gen),それぞれ1μLのCy5マーキング・プライマー(6.25 pmoL/μL)。それに
よりB)に示す2つのDNAフラグメントが増幅された。
【0079】 I)に示すCGまたはTGジヌクレオチドの分析では、配列TTTAAGGGCGTGTGGTATお
よびTTTAAGGGTGTGTGGTATを含むオリゴヌクレオチドがガラス表面に固定された。
別の実験では、非メチル化重亜硫酸塩処理DNAから増幅されたDNAフラグメ
ント1およびメチル化重亜硫酸塩処理DNAから増幅されたDNAフラグメント
1および/または非メチル化重亜硫酸塩処理DNAから増幅されたDNAフラグ
メント2およびメチル化重亜硫酸塩処理DNAから増幅されたDNAフラグメン
ト2を有するガラスキャリアが本来周知の方法でハイブリッド化された。この方
法は完全に自動化されている。
【0080】 ゲノム配列CTGGTGGGTTTAAGGGC/TGTGTGGTATCTCから出発して、CGジヌクレオチ
ドにおいてメチル化状態または点突然変異を検出できるハイブリッド化の結果に
ついて次のようなことが考えられる: 非メチル化DNA(重亜硫酸塩処理) ケース 1)CTGGTGGGTTTAAGGGCGTGTGGTATCTC メチル化C ケース 2)TTGGTGGGTTTAAGGGTGTGTGGTATTTT 非メチル化C ケース 3)TTGGTGGGTTTAAGGGTGTGTGGTATTTT 点突然変異/SNP メチル化DNA(重亜硫酸塩処理) ケース 1)CTGGTGGGTTTAAGGGCGTGTGGTATCTC メチル化C ケース 2)TTGGTGGGTTTAAGGGCGTGTGGTATTTT 非メチル化C ケース 3)TTGGTGGGTTTAAGGGTGTGTGGTATTTT 点突然変異/SNP
【0081】 ケース1:ゲノム配列にはメチル化されたシトシンが存在し、非メチル化重亜硫
酸塩処理されたDNAおよびメチル化重亜硫酸塩処理されたDNAではシトシン
が検出される。
【0082】 ケース2:ゲノム配列には非メチル化されたシトシンが存在し、非メチル化重亜
硫酸塩処理されたDNAではチミンが検出され、そしてメチル化重亜硫酸塩処理
されたDNAではシトシンが検出される。
【0083】 ケース3:ゲノム配列には点突然変異(C-SNP)が存在し、非メチル化重亜硫酸
塩処理されたDNAおよびメチル化重亜硫酸塩処理されたDNAではチミンが検
出される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1では、シトシンのチミンへの点突然変異が、重亜硫酸塩処理
と増幅したDNAでも、メチル化する前に重亜硫酸塩処理と増幅したDNAでも
、チミンとして検出される。メチル化されたシトシンは両方の場合にシトシンと
して検出され、一方、非メチル化シトシンはメチル化されていないプローブでの
みTとして、メチル化されたプローブではCとして検出される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 27/447 G01N 33/483 E 27/62 F 33/483 33/53 M 33/566 33/58 A 33/53 C12N 15/00 ZNAA 33/566 A 33/58 G01N 27/26 315K (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW Fターム(参考) 2G045 AA35 DA13 FA40 FB02 FB05 FB12 FB13 2G054 CA22 CE02 EA03 4B024 AA11 AA20 CA01 CA09 FA10 GA30 HA14 4B063 QA01 QA12 QQ12 QQ42 QR06 QR32 QR50 QR56 QR62 QR66 QR82 QS16 QS25 QS34

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゲノムDNAにおいて、シトシン塩基の5-位置メチル化変
    性体とシトシンからチミンへの突然変異体を識別し、単一ヌクレオチド多形性(
    SNPs)または点突然変異体を検出する方法において、 a)ゲノムDNAプローブを、塩基の5-位置においてメチル化されていないシ
    トシン塩基がすべて変性されるように亜硫酸塩または重亜硫酸塩で処理し、その
    結果塩基対特性により種々の塩基が生成し、一方、5-位置メチル化シトシンは
    そのまま残り、 b)同じゲノムDNAプローブのアリコートをa)により化学処理する前に、SS
    S1またはその他のメチルトランスフェラーゼを用いて定量的にメチル化し、 c)そのようにして処理された両DNAプローブについて同じ分析法でシトシン
    の存在を調べ、 d)判明したシトシンの位置を標準DNA配列と比較対照する、 ことを特徴とする前記方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法において、処理方法の異なる2つのプ
    ローブから得られた個々のシトシンの位置を標準配列と比較して、特定の位置に
    シトシンを検出できないかどうか、およびこれがゲノムDNAのシトシンがメチ
    ル化されずに存在していることに起因しているかどうか、または突然変異または
    多形性により変性されて存在しており、したがって、ゲノムDNAには存在しな
    いことを、それぞれ究明することを特徴とする前記方法。
  3. 【請求項3】 前項までの請求項のいずれか1項に記載の方法において、塩
    基シトシンを検出する前に、前記2つのDNAプローブまたはこれらのDNAプ
    ローブの一部を循環処理、すなわち、ポリメラーゼ連鎖反応またはこれと比肩で
    きるプロセスを用いて増幅することを特徴とする前記方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の方法において、増幅プロセスにおいて、処
    理されたゲノムDNAから10種類以上のフラグメントが生じることを特徴とす
    る前記方法。
  5. 【請求項5】 前項までの請求項のいずれか1項に記載の方法において、ゲ
    ノムDNAプローブの増幅に際して、遺伝子規制に重要ないわゆる共通配列また
    はその種の配列を含むプライマーを用い、したがって、前記配列が主として規制
    的または符号的配列に結合することを特徴とする前記方法。
  6. 【請求項6】 前項までの請求項のいずれか1項に記載の方法において、シ
    トシンが特異的コンテクストである5'-CpG-3'において検出されることを特徴と
    する前記方法。
  7. 【請求項7】 前項までの請求項のいずれか1項に記載の方法において、検
    出可能なマーキングを備えたヌクレオチド構成単位またはオリゴヌクレオチドを
    組み込んで増幅する際にDNAが全体として一つ以上の検出可能なマーキングを
    備えていることを特徴とする前記方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の方法において、前記マーキングの検出を蛍
    光または化学発光により行うことを特徴とする前記方法。
  9. 【請求項9】 前項までの請求項のいずれか1項に記載の方法において、“
    配列コンテクスト-シトシン-配列コンテクスト”に特異的で、且つ限定された配
    列において一つ以上の表面に固定されているオリゴマーを用いたハイブリッド化
    を経てシトシンを検出することを特徴とする前記方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の方法において、配列特異的コンテクスト
    において検出され得るシトシンの各々について、前記配列コンテクストに対して
    相補的な、検出され得るシトシンに対して相補的なグアニンを含む少なくとも一
    つのオリゴマーが表面に固定され、そして検出され得るシトシンの部位に塩基を
    含み且つ前記塩基に対して相補的な別のオリゴマーで非メチル化シトシンが化学
    処理により転化されることを特徴とする前記方法。
  11. 【請求項11】 請求項9または10に記載の方法において、検出され得る
    シトシンの位置について、オリゴマーがそれぞれメチル化および非メチル化位置
    においてプラスおよびマイナスの両鎖に特異的に結合するか、および/またはそ
    れぞれ増幅により生成する相補的な鎖において特異的にハイブリッド化するよう
    なオリゴマーを固定することを特徴とする前記方法。
  12. 【請求項12】 請求項9から11までのいずれか1項に記載の方法におい
    て、それぞれ前記“配列コンテクスト-チミン-配列コンテクスト”配列に特異的
    に結合するか、および/またはシトシンおよび化学処理により生成した塩基をプ
    ラス,マイナスの両鎖において検出し、およびそれぞれ増幅により生成した相補
    的な鎖により生成する鎖を検出する、別のオリゴマーを表面に固定することを特
    徴とする前記方法。
  13. 【請求項13】 請求項9から12までのいずれか1項に記載の方法におい
    て、表面の点におけるオリゴマーから信号を検出し、前記信号はオリジナルなゲ
    ノムプローブにおいてメチル化されたか,非メチル化または突然変異化されたプ
    ローブについて特異的であることを特徴とする前記方法。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の方法において、検出された信号の比較
    により、メチル化の絶対度および/またはホモもしくはヘテロ接合体を求めるこ
    とを特徴とする前記方法。
  15. 【請求項15】 請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法において
    、前記両プローブの増幅されたフラグメントがそれぞれ表面に固定され、且つ検
    出可能なマーキングを備えた、配列特異的オリゴマーをこの表面でハイブリッド
    化することを特徴とする前記方法。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載の方法において、ハイブリッド化された
    配列特異的オリゴマーの分析を質量分析,好適にはMALDI質量分光計で行う前記
    方法。
  17. 【請求項17】 請求項15に記載の方法において、ハイブリッド化された
    配列特異的オリゴマーの分析を蛍光または化学発光により行うことを特徴とする
    前記方法。
  18. 【請求項18】 請求項1から8までのいずれか1項または請求項15に記
    載の方法において、配列コンテクストにおけるシトシンの検出が、シトシン塩基
    が鋳型に到達した際に特異的に停止されるポリメラーゼ反応により、および生成
    したフラグメントの長さ測定により行われることを特徴とする前記方法。
  19. 【請求項19】 請求項18に記載の方法において、前記プライマー依存性
    のポリメラーゼ反応の開始に利用されるオリゴマーが、それぞれ表面の種々の位
    置に種々の配列を固定し、そしてこの表面でポリメラーゼ反応が行われることを
    特徴とする前記方法。
  20. 【請求項20】 請求項18または19に記載の方法において、前記プライ
    マー依存性のポリメラーゼ反応の開始に利用されるオリゴマーが、化学反応また
    は光により表面から剥離されることを特徴とする前記方法。
  21. 【請求項21】 請求項18から20までのいずれか1項に記載の方法にお
    いて、ポリメラーゼ反応を終結させるために、シトシンの位置または向かい側の
    鎖のグアニンの位置において、化学的修飾を経て、たとえば、蛍光,化学発光ま
    たは抗体の結合による検出も可能になる、ヌクレオチド構成単位を用いることを
    特徴とする前記方法。
  22. 【請求項22】 請求項18から21までのいずれか1項に記載の方法にお
    いて、シトシンの位置または向かい側の鎖のグアニンの位置における終結の検出
    を、ゲル電気泳動、特に毛細管電気泳動による生成したフラグメントの長さ測定
    により行うことを特徴とする前記方法。
  23. 【請求項23】 請求項18から20までのいずれか1項に記載の方法にお
    いて、前記生成したフラグメントの長さ測定を質量分光分析,好適にはMALDI質
    量分光計により行うことを特徴とする前記方法。
  24. 【請求項24】 前項までの請求項のいずれか1項に記載の方法において、
    前記標準DNA配列がデータバンク、すなわち、ヒトゲノム・プロジェクトに由
    来することを特徴とする前記方法。
  25. 【請求項25】 キットであつて、標準DNA,および/または重亜硫酸塩
    反応および/または増幅および/またはメチルトランスフェラーゼを行うための化
    学薬品と助剤,および/またはこの方法を実施するための説明書を含む前記キッ
    ト。
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