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JP2003503493A - パロキセチンとシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体との錯体 - Google Patents

パロキセチンとシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体との錯体

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JP2003503493A
JP2003503493A JP2001507830A JP2001507830A JP2003503493A JP 2003503493 A JP2003503493 A JP 2003503493A JP 2001507830 A JP2001507830 A JP 2001507830A JP 2001507830 A JP2001507830 A JP 2001507830A JP 2003503493 A JP2003503493 A JP 2003503493A
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JP
Japan
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cyclodextrin
paroxetine
complex
water
complex according
Prior art date
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Application number
JP2001507830A
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English (en)
Inventor
マスカグニ・パオロ
ボットニ・ギウセッペ
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Italfarmaco SpA
Original Assignee
Italfarmaco SpA
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Publication date
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Priority claimed from IT1999MI002406 external-priority patent/IT1314232B1/it
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    • C07D405/00Heterocyclic compounds containing both one or more hetero rings having oxygen atoms as the only ring hetero atoms, and one or more rings having nitrogen as the only ring hetero atom
    • C07D405/02Heterocyclic compounds containing both one or more hetero rings having oxygen atoms as the only ring hetero atoms, and one or more rings having nitrogen as the only ring hetero atom containing two hetero rings
    • C07D405/12Heterocyclic compounds containing both one or more hetero rings having oxygen atoms as the only ring hetero atoms, and one or more rings having nitrogen as the only ring hetero atom containing two hetero rings linked by a chain containing hetero atoms as chain links
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    • C08B37/0012Cyclodextrin [CD], e.g. cycle with 6 units (alpha), with 7 units (beta) and with 8 units (gamma), large-ring cyclodextrin or cycloamylose with 9 units or more; Derivatives thereof
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Abstract

(57)【要約】 遊離塩基または塩としてのパロキセチンと、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体との錯体であり、パロキセチンとシクロデキストリンとのモル比が1:0.25から1:20の範囲にあって、液体および固体の経口および非経口投与用医薬組成物としての用途に適したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 [従来技術] パロキセチン(paroxetine)は、以下の化学式を有する有機塩基である。
【0002】
【化1】
【0003】 パロキセチンは、セロトニン(5−HT)の神経性反復(recaptation)を阻害
するその活性故に、いくつかの病理学的形態、特にうつ病とパーキンソン病で治
療薬として使用されている。
【0004】 医薬応用では、パロキセチンは通常、その半水和塩酸塩の結晶形態で使用され
る(US4,721,723)。しかしながら、この化合物の水への乏しい可溶
性は、好適な濃度の活性素を含有した液状医薬形態を調製する可能性を制限して
しまう。一方で、固形医薬形態は、制限された生体活性と、血漿レベルの目立っ
た可変性を異なる患者で示す。
【0005】 より迅速に可溶化される利点を有したアモルファス形態の塩酸パロキセチンは
、特許EP810224、WO98/31365、US5,672,612およ
びWO99/16440に開示されている。
【0006】 EP810224とWO98/31365は、1つの調製手順を開示している
が、生成物のアモルファス状態に起因した迅速な可溶化以外には、その手順の特
別な利点を指摘していない。
【0007】 US5,672,612では、アモルファス形態のパロキセチンは、最高で1
0重量%の、好ましくは1〜4重量%のエタノールを有する組成物中に存在する
場合に安定であることが主張されている。しかしながら、そのようなエタノール
の含量は、医薬組成として通常は受容可能でもなければ、望ましいものでもない
【0008】 WO99/16440では、エタノール中に含まれたパロキセチンHClの同
じ調製物から開始した、塩酸パロキセチンを含有する他の組成物が記載されてい
る。この場合は、種々の化合物、例えば酸、ヒドロキシ酸、ポリヒドロキシル化
物質等で同じ安定化効果を得ることが可能になる。この特許出願では、上記化合
物全てが同じ効果を有するべきであることが主張されている。記載されている組
成物の中で、シクロデキストリン、特にヒドロキシプロピル−β−シクロデキス
トリンを含む1つの組成物が引用され、そして主張されている。しかしながら、
錯体およびその特性は記載されていない。更には、処方中のエタノールの存在に
関連した問題点は、そのままである。実際に、前記組成物は: パロキセチン塩基を無水エタノール中に溶解し; 塩酸の無水エタノール溶液を調製し; 塩酸の無水エタノール溶液をパロキセチン塩基の溶液中に添加し; 塩酸パロキセチンのエタノール組成物を得るために攪拌し; ポリヒドロキシル化合物を必要に応じて添加し;そして 上述した組成物を乾燥する 方法によって調製される。
【0009】 前記方法は、エタノール中で操作するので、必然的にこの溶媒の有意な量を含
有した最終生成物をもたらし、このことが医薬的観点から明らかな欠点を生じる
。 エタノールの使用はまた、プロセスの観点からも便利ではない。
【0010】 パロキセチン塩は、そのイオン特性に起因して、胃腸内壁で直接吸収されない
が、先ず親油性で胃腸内粘膜を通過可能な非塩化パロキセチンに形質転換しなけ
ればならない。 形質転換プロセスは、下式によって表わされる平衡定数にリンクされ、そして
それは媒体のpHによって影響される。
【0011】
【化2】
【0012】 一方、遊離塩基としてのパロキセチンは、油性特性を有した濃い液体であるか
、ワックスのような固体であるので、そのままで医薬品形態の製造に使用される
には好適ではない。さらに、それは簡単に分解して酸化され、水への可溶性が非
常に低いものになる。
【0013】 実際に、特許出願WO99/26625では、遊離塩基としての、または医薬
的に受容可能な塩としてのパロキセチンを液体または固体キャリア中に含有した
カプセルが述べられている。
【0014】 しかしながら、いくつかの報告されている組成物(実施例1〜30)は全て塩
化パロキセチンの用途に関するものである一方で、後続の実施例(実施例31〜
44)はPharmasolve油脂中のパロキセチン液体処方(それは遊離塩
基としてなのか、塩としてなのか特定されていない)に関するものである。 固形または半固形キャリアとして、脂肪、ワックスおよびフィルモジェニック
(filmogenic)または熱可塑性ポリマーが引用されている。
【0015】 [発明の要約] 我々は、遊離塩基または塩としてのパロキセチンと、シクロデキストリンまた
はシクロデキストリン誘導体との錯体によって、従来技術の問題点が解決できる
ことを見出している。
【0016】 本発明に係る錯体は、流状粉体の形態を有し、高い化学的安定性と、水への改
良された可溶性を示し、液体または固体の医薬組成物の調製に好適である。更に
は、前記錯体中に存在するパロキセチンは、pHに依存しない溶解挙動を示す。
【0017】 前記錯体は、 遊離塩基としてのまたは塩としてのパロキセチンと、シクロデキストリンまた
はシクロデキストリン誘導体と、水とが混合される工程と、 得られた混合物が均質な溶液または分散系を得るために攪拌され、そして攪拌
が錯体の形成まで継続される工程と、 固体が濾過されて乾燥されるか、溶液または分散系が乾燥されて固体が回収さ
れる工程と を備える方法によって調製される。
【0018】 [発明の詳細な説明] 本発明は、遊離塩基としてのまたは塩としてのパロキセチンの含有物と、シク
ロデキストリンまたはその誘導体との錯体に関する。
【0019】 前記錯体は、 (a)遊離塩基としてのまたは塩としてのパロキセチンと、シクロデキストリ
ンまたはシクロデキストリン誘導体と、水とが混合される工程と、 (b)得られた混合物が均質な溶液または分散系を得るために攪拌され、そし
て攪拌が錯体が形成するまで継続される工程と、 (c)所望の水分を有する固形錯体を得るために前記水が部分的に除去される
工程とによって特徴付けられる方法によって調整されることが好ましい。 本発明の錯体は、1〜20重量%、好ましくは2〜15重量%の水分を有する
ことが好ましい。
【0020】 パロキセチンは、遊離塩基として、あるいは有機または無機酸との塩として、
使用される。 好ましくは、前記有機または無機酸は、酢酸、マレイン酸、塩酸およびメタン
スルホン酸からなる群から選択されたものである。これらの中で、塩酸が特に好
ましい。 パロキセチン塩基は、ワックス状固体としても、油性液体としても使用できる
【0021】 前記シクロデキストリンは、無水または水和形態のα、βまたはγ−シクロデ
キストリンであることが好ましい。 好ましくは、前記シクロデキストリン誘導体は、エプタキス(2,6−ジ−O
−メチル)−β−シクロデキストリン、エプタキス(2,3,6−トリ−O−メ
チル)−β−シクロデキストリン、モノスクシニル−エプタキス(2,6−ジ−
O−メチル)−β−シクロデキストリン、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロ
デキストリン、硫酸化シクロデキストリンおよびアミノアルキル基含有シクロデ
キストリンからなる群から選択されたものである。
【0022】 好ましくは、本発明では、β−シクロデキストリンと2−ヒドロキシプロピル
−β−シクロデキストリンとが使用される。 好ましくは、工程a)において、水1リットル当たり1〜100gのシクロデ
キストリンまたはシクロデキストリン誘導体が使用される。
【0023】 遊離塩基としてまたは塩としてのパロキセチンは、パロキセチンとシクロデキ
ストリンとの間のモル比が、1:0.25から1:20、好ましくは1:0.5
から1:2の範囲にある錯体を得るための量で使用される。
【0024】 パロキセチン塩基の錯体と、パロキセチン塩の錯体を調製するときは、僅かに
異なる操作パターンが使用できる。
【0025】 詳細には、パロキセチン塩基との錯体を調製するときに、工程a)は、好まし
くは、 a1)シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体が水に添加される
工程と、 a2)工程a1)の溶液または分散系が25℃〜50℃の間の温度で30〜18
0分間攪拌され続ける工程と、 a3)工程a2)の溶液または分散系中にパロキセチン塩基が分散される工程と
によって遂行される。
【0026】 パロキセチン塩との錯体を調製するときに、工程a)は、好ましくは、 a1)パロキセチン塩基が有機または無機酸で塩化される工程と、 a2)シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体が、攪拌されなが
ら、塩化されたパロキセチンに添加される工程と によって遂行される。
【0027】 パロキセチン塩基の塩化は、異なる手順を使用して行うことができる。例えば
、パロキセチン塩基は、攪拌されながら水に分散され、そして、その分散系に対
して、溶液が形成されるまで、選択された酸の水溶液が添加される。この代わり
に、パロキセチン塩基は、選択された酸の水溶液に添加されてもよい。
【0028】 両タイプの錯体を調製するときに、工程b)は、好ましくは機械的攪拌によっ
て、または超音波によって遂行される。好ましくは、錯体の形成を可能にするた
めに、攪拌は、25℃〜50℃の温度で、48時間まで、好ましくは3〜24時
間、行われる。
【0029】 工程c)は、通常、凍結乾燥、真空乾燥または不活性気体流束下での乾燥によ
って遂行される。好ましくは、真空乾燥は、20〜40℃の温度で行われ、また
不活性気体流束下での乾燥は、5〜40℃の温度で行われる。
【0030】 好ましくは、パロキセチン塩基との錯体を調製するときに、工程c)はまた、 c1)工程c)の分散系が冷却され、4℃〜20℃の間の温度で1〜20時間
維持される工程と、 c2)工程c1)で得られた沈殿物が濾過によって回収される工程と、 c3)工程c2)で回収された生成物が、真空下または不活性気体下で、所望の
水分になるまで乾燥される工程と によっても遂行される。
【0031】 以下の実施例で詳細に説明されるように、異なる乾燥手順が、異なる特徴を有
する錯体へと導く。即ち、アモルファス状態の錯体は、凍結乾燥によって得られ
るのに対し、結晶性の錯体は、真空乾燥によって得られる。
【0032】 上記に開示した方法に対する1つの変形例として、パロキセチン塩基含有錯体
は、油性液状形態のパロキセチンを、粉体用ミキサ中で、シクロデキストリンま
たはシクロデキストリン誘導体へ緩やかに添加し、そして25〜50℃の温度で
3〜24時間攪拌し続けることによって調製される。 この場合、粉体用ミキサ中での処置は、超音波処置で置き換えることもできる
【0033】 異なる変形例として、パロキセチン塩基含有錯体は、シクロデキストリンまた
はその誘導体と、パロキセチン塩基と、水とからなるスラリーの形成によって調
製することができる。この場合、後者の化合物の量は、固形物質の20〜100
重量%の範囲である。このスラリーは、それから上述したように混合され、乾燥
される。
【0034】 上記方法のいずれかによって得られた生成物は、さらなる処理に適した粒子サ
イズ分布の生成物を得るために、通常はそれから250μmのふるい上でふるい
分けされる。
【0035】 本発明の錯体は、以下で報告される特徴付けの結果によって証明されるように
、新規な生成物である。
【0036】 特に、これらの生成物は、以下の特徴を有する: ・医薬形態の製造に適した物理的状態である流状粉体の形態; ・血漿レベルで低い可変性を与える非錯化生成物に対する、より高い水への可溶
性; ・非錯化生成物と比較して、より大きな安定性; ・NMR特徴付けによって、パロキセチンの多くのプロトンの化学的シフトの陽
性変化と、そのキャビティ内に存在するシクロデキストリンのプロトンの陰性変
化とを示す; ・示差熱分析(DSC)によって、パロキセチン塩基との錯体は、260℃と3
00℃の間のパロキセチン塩基の分解ピークの不存在を示すのに対し、パロキセ
チン塩との錯体は、相対的な非錯化塩の融解のピークに対応する温度で熱イベン
トの不存在を示す。
【0037】 更には、本発明の生成物には、使用された方法のお陰で、既知の技術の多くの
調製物には存在するエタノールのような有機溶媒が無い。
【0038】 本発明の生成物は、それらの特徴のお陰で、うつ病およびパーキンソン病並び
にパロキセチンの投与によって治癒可能な他の病状の処置に改善された効果を有
する、固体および液体の経口および非経口投与用医薬組成物の調製に使用できる
。前記組成物は、医薬的に有効な投与量の本発明による錯体を、医薬的に受容可
能な希釈剤または付形剤と共に含有する。
【0039】 本発明はまた、うつ病またはパーキンソン病、およびパロキセチンによって治
癒可能な他の病状のある主体を処置するための治療方法であって、前記錯体の、
5〜40mg/日のパロキセチンに対応する量を経口により、または1〜20m
g/日のパロキセチンに対応する量を非経口により、投与する方法に関する。 本発明は、以下の実施例を参照しながら、更に理解される。
【0040】 (実施例1) 1gのパロキセチン塩基が、150gの脱イオン化水に攪拌されながら分散さ
れた。0.11gのHClを28gの水に含んだ溶液が攪拌されながら前記分散
系に添加され、パロキセチンが完全に可溶化されるまで攪拌が継続された。 この溶液のpHは、約6である。
【0041】 3.5gのβ−シクロデキストリン粉体が、前記溶液に添加され、そして得ら
れた分散系は、3時間活発に攪拌されながら、窒素流通下で40℃まで加熱され
た。 少量の未溶解残留物を含有するオパール様光彩の溶液が得られ、前記残留物は
、0.45μmの多孔性を有する酢酸セルロース製フィルタを通して濾過される
ことにより除去された。
【0042】 得られた溶液は、凍結乾燥され、そして4.3gの生成物が得られた。この生
成物は、パロキセチンHClとβ−シクロデキストリンとの間のモル比が1:1
であり、また水分が5.4重量%であった。 この生成物は、以下に記述するように特徴付けされた。
【0043】 (実施例2〜5) これらの実施例は、実施例1で記載された方法により、β−シクロデキストリ
ンとパロキセチンHClとの間の下記のモル比を有する最終生成物を得ることが
できるように反応する物質の量を使用して実行された。
【0044】
【表1】
【0045】 これらの実施例および実施例1で得られた生成物は全て、以下で説明されるよ
うに、水溶性について、非錯化パロキセチンHClと比較して特徴付けされた。
【0046】 (実施例6) 1gのパロキセチン塩基が、25gの脱イオン化水と2.8mlの1NのHC
lとからなる溶液中に懸濁され、そして活発に攪拌されながら、3.5gのβ−
シクロデキストリン粉末が添加された。 この混合物は、窒素流通下で攪拌されながら25℃で24時間維持された。
【0047】 得られた混合物は、部分的に濃縮され、最終的に25℃で48時間真空乾燥さ
れた。 4.4gの生成物が得られた。この生成物は、パロキセチンHClとβ−シク
ロデキストリンとの間のモル比が1:1であり、また水分が5.4%であった。
【0048】 (実施例7) 塩酸の代わりに酢酸(110mg)が使用される点を異ならせて、実施例1が
繰り返された。4.3gの相対錯体(relative complex)が得られた。
【0049】 (実施例8) β−シクロデキストリンの代わりに2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキ
ストリンが使用される点を異ならせて、実施例1が繰り返された。 4.7gの相対錯体が得られた。 実施例7および8の生成物は、実施例1の生成物について説明されたように、
同じ結果で特徴付けされた。
【0050】 (実施例9) ガラス製反応器内で、3.5gのβ−シクロデキストリン粉体が、50mlの
脱イオン化水中に45℃で可溶化された。 得られた溶液中に、1gのパロキセチン塩基が分散され、この懸濁が45℃で
5時間攪拌され続けた。
【0051】 得られた懸濁は、15℃に冷却され、酢酸セルロース製フィルタ上での濾過に
よって沈殿が回収された。 得られた生成物は、カールフィシャー法で決定される残留水分9%となるまで
、40℃の乾燥室中で真空下12時間乾燥された。
【0052】 流状粉体の形態の生成物が4.3g得られた。この場合、パロキセチン塩基の
標準液と比較する293nmでの分光分析法によって決定されるように、塩基性
パロキセチンとβ−シクロデキストリンとの間のモル比は、約1:1.3であっ
た。 この生成物は、250μmのふるい上でふるい分けされ、そして以下で説明さ
れるように特徴付けされた。
【0053】 (実施例10) 粉体用のミキサー中で、油形態の20gのパロキセチン塩基が、攪拌されなが
ら緩やかに70gのβ−シクロデキストリンに添加された。 攪拌は、均質な混合物を得るまで、12時間継続された。 流状粉体形態の生成物86gが得られた。この生成物は、250μmのふるい
を通してふるい分けされた。
【0054】 この生成物の、塩基性パロキセチンとβ−シクロデキストリンとの間のモル比
は、約1:1であった。 この生成物は、実施例9の生成物について後に説明されるように、同じ結果で
特徴付けされた。
【0055】 (実施例11) β−シクロデキストリンの代わりに2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキ
ストリン(4.0g)が使用される点を異ならせて、実施例9が繰り返された。 4.7gの流状粉体の形態の生成物が得られた。 この生成物も、実施例9の生成物について後に説明されるように、同じ結果で
特徴付けされた。
【0056】 (実施例12) 本発明の錯体の特徴付け A)可溶性 実施例1〜5および9で得られた生成物の可溶性が、非錯化パロキセチン塩基
またはパロキセチンHClのそれと比較して評価された。
【0057】 i)実施例1〜5の錯体 500mgのパロキセチンHClに対応する量の実施例1〜5の錯体と、比較
としての500mgの非錯化パロキセチンHClとについて、可溶性試験が行わ
れた。 各サンプルは、5mlの脱イオン化水を含んだ容器内に導入された。この容器
は、栓で閉鎖され、それから25℃の恒温槽内にセットされて24時間攪拌され
た。
【0058】 得られた懸濁は、それから酢酸セルロース製フィルタを通して濾過され、そし
てパロキセチンの標準液と比較しながら、295nmでの分光分析法によって分
析された。 得られた結果は、図1に報告されている。ここで、パロキセチンHClの可溶
性(mg/ml)は、β−シクロデキストリンとパロキセチンHClとの間のモ
ル比の関数として表されている。
【0059】 そのプロットから、文献で報告されているように、非錯化パロキセチンHCl
の可溶性が5mg/mlであるのに対し、この錯体の可溶性はより高いものであ
り、しかもβ−シクロデキストリンとパロキセチンHClとの間のモル比の増加
に伴って増加し、1:1の比で45mg/mlの可溶性まで達していることが判
る。
【0060】 ii)実施例9の錯体 実施例9の生成物5gが10mlの脱イオン化水に添加され、それから室温で
4時間攪拌された。 この懸濁は、それから未溶解の生成物を除去するために、酢酸セルロース製フ
ィルタを通して濾過された。
【0061】 この溶液は、295nmでの分光分析法によって、パロキセチン塩基の標準液
に対して分析された。 この溶液中のパロキセチン塩基の含量は、2.3mg/mlであった。比較と
して、非錯化パロキセチン塩基もまた測定された。可溶性は、0.3mg/ml
であった。
【0062】 B)NMR特徴付け この特徴付けは、実施例1および9の生成物について、パロキセチンおよびパ
ロキセチンHClと比較して、D2O中で1HNMR200MHzによって行わ
れた。
【0063】 結果は、表2および3に報告されている。ここで、パロキセチンの多数プロト
ンの化学的シフト陽性変化と、そのキャビティ内のβ−シクロデキストリンのプ
ロトンの化学的シフト陰性変化とがあることが判る。 このことは、生成物が、パロキセチン塩基または塩と、β−シクロデキストリ
ンとの錯体であることを証明している。
【0064】
【化3】 パロキセチンHCl塩
【0065】
【化4】 β−シクロデキストリン
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】 C)示差熱分析(DSC) DSC試験は、以下の条件を使用して、実施例1,7,8および9の生成物に
ついて行われた。 装置: Perkin Elmer DSC7 温度範囲: 50〜300℃(実施例1および9) 50〜200℃(実施例7および8) 加熱速度: 10℃/分
【0069】 i)実施例1の錯体 DSC試験は、先ず実施例1で調製された生成物について、調製1時間後に行
われた。得られたサーモグラム(自動温度記録図)は、図2に報告されており、
それは100〜200℃範囲内の熱事象の不存在によって特徴付けされる一方で
、230〜250℃間でピークを示している。
【0070】 通常使用されているパロキセチンHCl(半水和形態)が143.5℃の融点
を有していること、そしてパロキセチンHClの他の既知の形態が117〜16
4℃の範囲の融点を有していることを考慮すると、実施例1の生成物が新規な生
成物であると結論付けることができる。
【0071】 このDSC試験は、それから同じ生成物について、25℃、相対湿度60%で
の貯蔵7日後(図3)および3カ月後(図4)にそれぞれ繰り返された。 サーモグラムは、この生成物が時間的に安定で、しかもパロキセチンHClの
既知の結晶形態には形質転換されなかったことを示している。
【0072】 ii)実施例7の錯体 DSC試験は、実施例7の錯体について、調製2週間後に行われた。サーモグ
ラム(図5)は、200℃以下の熱事象の不存在を示している。
【0073】 iii)実施例8の錯体 DSC試験は、実施例8の錯体について、調製2週間後に行われた。サーモグ
ラム(図6)は、200℃以下の熱事象の不存在を示している。
【0074】 iv)実施例9の錯体 DSC試験は、実施例9の錯体について、調製2週間後に行われた。 サーモグラムは、図7に報告されている。錯化が起こったことを例証するもの
として、パロキセチン塩基の特徴である260℃〜300℃間の分解ピークが不
存在であることが判る。
【0075】 D)X線回折 実施例1と実施例6で得られた生成物200mgの各サンプルが、PW371
0型回折計(Philips Analytical X-ray B.V.)を使用したX線回折によって分
析された。 得られたスペクトルは、異なる乾燥点純が異なる特徴を有する錯体へと導くこ
とを示している。事実、パロキセチンHClを有するアモルファス錯体が凍結乾
燥による実施例1で得られ(図8)、パロキセチンHClを有する結晶性錯体が
真空乾燥による実施例6で得られた(図9)。
【0076】 E)安定性評価 i)圧縮挙動 実施例1で説明したようにして得られた約50mgの生成物が、赤外線プレス
で5分間、10Tの圧力で圧縮された。 図10は、圧縮直後に行われたサーモグラム(DSC)を示し、また図11は
、圧縮後室温で3日間貯蔵した後に行われたサーモグラムを示している。 この試験はまた、圧力によってパロキセチンHClの既知の形態に形質転換さ
れなかった生成物の安定性を確認している。
【0077】 ii)化学的安定性 実施例1の生成物が、加速安定性試験を使用してテストされた。 生成物のサンプルは、固体としてまたは溶液(4mg/mlのパロキセチンH
Cl濃度で)中で1カ月間、40℃で貯蔵された。対照として、等価なサンプル
が同じ時間、4℃で貯蔵された。
【0078】 パロキセチンHClの量的決定がHPLCによって行われた。 得られた結果は、上記で報告された条件では、薬品投与量が何の変更も受けて
いないことを示している。
【0079】 iii)60℃での安定性 約200mgのパロキセチン塩基と、実施例9の錯体1g(約180mgのパ
ロキセチン塩基に対応する)とが、それぞれ中性の白色ガラス容器内に導入され
、貯蔵され、そして60℃のオーブン内で開放された。 2つの容器内の生成物は、貯蔵48時間後に可視的に検査された。 その結果が以下の表に報告されている。
【0080】
【表4】
【0081】 得られた結果は、β−シクロデキストリン中へのパロキセチン塩基の組込は、
活性素を安定化することを示している。
【0082】 F)IGROSCOPICITY 以下で説明する処置前後の実施例1の生成物の水分は、カールフィッシャー法
を使用して決定された。 実施例1の生成物は、均質な粉体を得るために、600μmのふるいを通して
ふるい分けされ、そしてガラス製開口るつぼ内で確実に計量された。
【0083】 このるつぼは、25℃、相対湿度60%の気候チャンバ内に2または7日間配
置され、それから再計量された。吸収された水のパーセントは、初期重量に対す
る重量差によって評価された。得られた結果は、表5に報告されている。
【0084】
【表5】
【0085】 (実施例13) 実施例6の生成物 98mg リン酸カルシウム 259mg グリコール酸スターチナトリウム 2mg ステアリン酸マグネシウム 3mg なる組成を有する錠剤が、9mmパンチを有する回転式プレスを使用した直接圧
縮によって調製された。
【0086】 味覚不顕性被覆および胃腸被覆が、メタクリル酸コポリマー/カルボキシメチ
ルセルロースナトリウムの混合物2mg/cm2と、メタクリル酸コポリマー1
.5mg/cm2とをそれぞれ加えることにより行われた。 溶解試験が、上述した錠剤と、市販の非錯化パロキセチンHCl半水和物の錠
剤について行われた。全ての錠剤は、等量の活性素を含有している。
【0087】 試験は、欧州薬局方第3版、1997年、2.9.3、128頁に従い、以下
の条件を使用して行われた。 装置: Paddle 媒体: 0.1NのHClまたはpH6.8のリン酸塩緩衝液 攪拌速度: 60rpm 温度: 37℃
【0088】 パロキセチンHClのパーセントは、パロキセチンHClを標準として使用し
て、5,15,30および60分目に294nmのUV検出によって評価された
。 0.1NのHCl中で得られた結果は、表6で報告されている。一方、リン酸
塩緩衝液中で得られた結果は、表7で報告されている。示されている値は、3回
の決定から得られた平均値である。
【0089】
【表6】
【0090】
【表7】
【0091】 得られた結果は、味覚不顕性錠剤として処方されたときは、パロキセチンHC
L−β−シクロデキストリンの錯体の可溶性が、媒体のpHとは関係ないことを
実証している。さらには、錯体が胃腸被覆錠剤として処方されたときは、それが
腸内環境で好適な溶解挙動を示している。
【0092】 (実施例14) 実施例6の生成物 98mg スクロース 100mg フレーバ 50mg 浄化された水 1ml なる組成を有した、実施例6の生成物を含むドロップ処方が調製された。 この処方は、20mg/mlの濃度のパロキセチンHCL−β−シクロデキス
トリンを有し、40℃で1ヶ月まで安定して貯蔵できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 β−シクロデキストリン(β−cyclodextrin)とパロキセチンHC
l塩(paroxetine HCl)との間の異なるモル比で錯化されたパロキセチンHC
l塩の可溶性を示す。
【図2】 パロキセチンHCl塩とβ−シクロデキストリンとの錯体につい
て調製1時間後に行われたDSC試験で得られたサーモグラムを示す。
【図3】 パロキセチンHCl塩とβ−シクロデキストリンとの錯体につい
て調製7日後に行われたDSC試験で得られたサーモグラムを示す。
【図4】 パロキセチンHCl塩とβ−シクロデキストリンとの錯体につい
て調製3ケ月後に行われたDSC試験で得られたサーモグラムを示す。
【図5】 酢酸パロキセチンとβ−シクロデキストリンとの錯体について調
製2週間後に行われたDSC試験で得られたサーモグラムを示す。
【図6】 パロキセチンHClと2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキ
ストリンとの錯体について調製2週間後に行われたDSC試験で得られたサーモ
グラムを示す。
【図7】 パロキセチン塩基とβ−シクロデキストリンとの錯体について調
製2週間後に行われたDSC試験で得られたサーモグラムを示す。
【図8】 パロキセチンHCl塩とβ−シクロデキストリンとの錯体であっ
て、実施例1によって調整された錯体のX線スペクトルを示す。
【図9】 パロキセチンHCl塩とβ−シクロデキストリンとの錯体であっ
て、実施例6によって調整された錯体のX線スペクトルを示す。
【図10】 パロキセチンHCl塩とβ−シクロデキストリンとの錯体につ
いて赤外線プレスでの圧縮直後に行われたDSC試験で得られたサーモグラムを
示す。
【図11】 パロキセチンHCl塩とβ−シクロデキストリンとの錯体につ
いて赤外線プレスでの圧縮から3日後に行われたDSC試験で得られたサーモグ
ラムを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08B 37/16 C08B 37/16 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4C063 AA01 BB08 CC81 DD10 EE01 4C076 BB01 BB11 BB21 CC01 CC47 EE39 FF15 FF23 FF68 GG50 4C086 AA01 AA02 AA03 BC21 GA20 MA01 MA02 MA04 MA05 MA52 MA55 NA02 NA03 NA10 NA11 ZA02 ZA12 4C090 AA02 AA05 AA09 BA09 BB04 BB12 BB52 BD50 CA46 DA23

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遊離塩基または塩としてのパロキセチンと、シクロデキスト
    リンまたはシクロデキストリン誘導体との錯体。
  2. 【請求項2】 対応する非錯化パロキセチンまたはパロキセチン塩とは異な
    る流動粉体の形態、化学的安定性、有機溶媒の不存在、高い水溶性およびDSC
    プロフィールによって特徴付けられる請求項1に記載の錯体。
  3. 【請求項3】 エタノールの不存在によって特徴付けられる請求項2に記載
    の錯体。
  4. 【請求項4】 前記錯体中の水の含量が1〜20重量%であることを特徴と
    する請求項1に記載の錯体。
  5. 【請求項5】 前記水の含量は2〜15重量%であることを特徴とする請求
    項4に記載の錯体。
  6. 【請求項6】 前記シクロデキストリンは、α、βおよびγ−シクロデキス
    トリンからなる群から選択されたものであることを特徴とする請求項1に記載の
    錯体。
  7. 【請求項7】 前記シクロデキストリンは、β−シクロデキストリンである
    ことを特徴とする請求項6に記載の錯体。
  8. 【請求項8】 前記シクロデキストリン誘導体は、エプタキス(2,6−ジ
    −O−メチル)−β−シクロデキストリン、エプタキス(2,3,6−トリ−O
    −メチル)−β−シクロデキストリン、モノスクシニル−エプタキス(2,6−
    ジ−O−メチル)−β−シクロデキストリン、2−ヒドロキシプロピル−β−シ
    クロデキストリン、硫酸化シクロデキストリンおよびアミノアルキル基含有シク
    ロデキストリンからなる群から選択されたものであることを特徴とする請求項1
    に記載の錯体。
  9. 【請求項9】 前記シクロデキストリン誘導体は、2−ヒドロキシプロピル
    −β−シクロデキストリンであることを特徴とする請求項8に記載の錯体。
  10. 【請求項10】 前記パロキセチンの塩は、有機酸または無機酸との塩であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の錯体。
  11. 【請求項11】 前記有機酸または無機酸は、酢酸、マレイン酸、塩酸およ
    びメタンスルホン酸からなる群から選択されたものであることを特徴とする請求
    項10に記載の錯体。
  12. 【請求項12】 前記酸は、塩酸であることを特徴とする請求項11に記載
    の錯体。
  13. 【請求項13】 前記パロキセチンと前記シクロデキストリンまたはシクロ
    デキストリン誘導体とのモル比は、1:0.25から1:20の範囲にあること
    を特徴とする請求項1に記載の錯体。
  14. 【請求項14】 前記パロキセチンと前記シクロデキストリンまたはシクロ
    デキストリン誘導体とのモル比は、1:0.5から1:2の範囲にあることを特
    徴とする請求項13に記載の錯体。
  15. 【請求項15】 請求項1で規定された錯体を調製するための方法であって
    、 (a)前記遊離塩基または塩としてのパロキセチンと、前記シクロデキストリ
    ンまたはシクロデキストリン誘導体と、水とが混合される工程と、 (b)得られた混合物が均質な溶液または分散系を得るために攪拌され、そし
    て攪拌が前記錯体が形成するまで継続される工程と、 (c)水の含量が所望の量である固形錯体を得るために前記水が部分的に除去
    される工程と を備えることを特徴とする方法。
  16. 【請求項16】 前記パロキセチンが遊離塩基として使用されることを特徴
    とする請求項15の方法。
  17. 【請求項17】 前記パロキセチンが塩として使用されることを特徴とする
    請求項15の方法。
  18. 【請求項18】 前記工程b)は、機械的攪拌によって、または超音波によ
    って遂行されることを特徴とする請求項15の方法。
  19. 【請求項19】 前記工程c)は、凍結乾燥、真空乾燥または不活性気体流
    動下での乾燥によって遂行されることを特徴とする請求項15の方法。
  20. 【請求項20】 前記工程c)において、水の含量が1〜20重量%である
    固形錯体が得られることを特徴とする請求項15の方法。
  21. 【請求項21】 前記水の含量は2〜15重量%であることを特徴とする請
    求項20の方法。
  22. 【請求項22】 前記工程a)は、 a1)前記シクロデキストリンまたは前記シクロデキストリン誘導体が水に添
    加される工程と、 a2)前記工程a1)の溶液または分散系が25℃〜50℃の間の温度で30〜
    180分間攪拌され続ける工程と、 a3)前記工程a2)の溶液または分散系中に前記パロキセチン塩基が分散され
    る工程と によって遂行されることを特徴とする請求項16の方法。
  23. 【請求項23】 前記工程a)は、 a1)前記パロキセチン塩基が有機酸または無機酸で塩化される工程と、 a2)シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体が、前記塩化され
    たパロキセチンに、攪拌されながら添加される工程と によって遂行されることを特徴とする請求項17の方法。
  24. 【請求項24】 前記工程c)は、 c1)前記工程b)の前記分散系が冷却され、4℃〜20℃の間の温度で1〜
    20時間維持される工程と、 c2)前記工程c1)で得られた沈殿物が濾過によって回収される工程と、 c3)前記工程c2)で回収された固形生成物が、真空下または不活性気体流動
    下で、所望の水含量になるまで乾燥される工程と によって遂行されることを特徴とする請求項16の方法。
  25. 【請求項25】 請求項1で請求された錯体を調製するための方法であって
    、油性液の形態のパロキセチン塩基を、粉体用ミキサ中で、または超音波ミキサ
    中で、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体へ緩やかに添加し、
    そして25〜50℃の温度で3〜24時間攪拌し続けることを特徴とする方法。
  26. 【請求項26】 医薬的に有効な投与量の請求項1で規定された錯体を、活
    性物質として、医薬的に受容可能な希釈剤または付形剤と共に、含有する医薬組
    成物。
  27. 【請求項27】 固形または液状形態の経口または非経口投与用の、請求項
    26で請求された医薬組成物。
  28. 【請求項28】 うつ病またはパーキンソン病、またはパロキセチンによっ
    て治癒可能な他の病状のある患者を処置するための治療方法であって、請求項1
    で規定された錯体の、5〜40mg/日のパロキセチンに対応する量を経口によ
    り、または1〜20mg/日のパロキセチンに対応する量を非経口により、投与
    することを特徴とする方法。
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