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JP2003501087A - 腫瘍の治療のための組成物と方法 - Google Patents

腫瘍の治療のための組成物と方法

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Publication number
JP2003501087A
JP2003501087A JP2001502580A JP2001502580A JP2003501087A JP 2003501087 A JP2003501087 A JP 2003501087A JP 2001502580 A JP2001502580 A JP 2001502580A JP 2001502580 A JP2001502580 A JP 2001502580A JP 2003501087 A JP2003501087 A JP 2003501087A
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JP
Japan
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seq
polypeptide
antibody
acid sequence
pro
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Pending
Application number
JP2001502580A
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English (en)
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ボッツタイン,デーヴイッド,エー
ゴッダード,オードリー
ガーニー,オースティン,エル.
スミス,ヴィクトリア
ケー. ワタナベ,コリン,
ウッド,ウイリアム,アイ.
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Genentech Inc
Original Assignee
Genentech Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ヒトを含む哺乳類における腫瘍性細胞の成長及び増殖の診断と治療についての組成物及び方法に関する。本発明は、腫瘍細胞のゲノムにおいて増幅する遺伝子の同定に基づいている。このような遺伝子増幅は、同じ組織型の正常細胞に比べて遺伝子産物の過剰発現に関連しており、腫瘍形成の一因であると予想される。従って、増幅遺伝子によってコードされているタンパク質は、ある癌の診断及び/治療(予防を含む)にとって有用な標的であると考えられ、腫瘍治療の予後の予測指標となりうる。本発明は、新規ポリペプチド及びこれらのポリペプチドをコードする核酸分子に関する。また、ここにおいて提供されているのは、これらの核酸分子、異種ポリペプチド配列へ融合している本発明のポリペプチドを含んでなるキメラポリペプチド、本発明のポリペプチドと結合する抗体を含んでなるベクター及び宿主細胞、そして本発明のポリペプチドを生産する方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、腫瘍の診断及び治療のための組成物及び方法に関する。
【0002】 (発明の背景) 悪性腫瘍(癌)は、米国特許において心臓疾患に続き第2の主要な死亡原因で
ある(Boring等, CA Cancel J. Clin., 43: 7 [1993])。 癌は、正常な組織から誘導されて腫瘍実体を形成する異常な、又は腫瘍形成性
の細胞数の増加、これらの腫瘍形成性腫瘍細胞による隣接組織の侵襲、及び最終
的に血液やリンパ系を介して局所のリンパ節及び離間部位に拡散(転移)する悪
性細胞の生成を特徴とする。癌性状態においては、正常細胞が成長しない条件下
で細胞が増殖する。癌自体は、異なる侵襲及び攻撃性の程度で特徴付けられる広
範な種々の形態で顕現する。 遺伝子発現の交互変化は制御不能な細胞成長及び脱分化に強く関連しており、
全ての癌に共通する特徴である。或る種の良く研究されたゲノムが、通常は腫瘍
抑制遺伝子と呼ばれ、正常には悪性細胞成長又は或る種の優性遺伝子、例えば悪
性成長を促進するように作用するオンコジーンの過剰発現を防止するように作用
する劣性遺伝子発現の現象を示すことが見出された。これらの遺伝子変化は、凝
集して十分な腫瘍形成性フェノタイプを示す形質の幾つかが移入される原因であ
ることが明らかとなった(Hunter, Cell 64: 1129 [1991]; Bishop, Cell 64: 2
35-248 [1991])。
【0003】 癌細胞における良く知られた遺伝子(例えばオンコジーン)の過剰発現のメカ
ニズムは遺伝子増幅である。これは、祖先細胞の染色体において特定遺伝子の多
重コピーが生成されるプロセスである。このプロセスは、遺伝子を含む染色体の
領域の計画性のない複製、次いで複製されたセグメントが染色体へ戻る再組換え
を含む(Alitalo等, Adv. Cancer Res. 47: 235-281 [1986])。遺伝子増幅に平
行する遺伝子の過剰発現は、即ち作成されるコピーの数に比例すると考えられて
いる。 成長因子及び成長因子レセプターをコードするプロトオンコジーンは、乳癌を
含む様々なヒトの悪性腫瘍の原因に重要な役割を担っていることが確認されてい
る。例えば、表皮成長因子レセプター(EGFR)に関連した185-kdの膜貫
通糖タンパク質レセプター(p185HER2、HER2)をコードするヒトE
rbB2遺伝子(erbB2、her2としても知られている、又はc-erbB
-2)は、ヒトの乳癌の約25%〜30%で過剰発現されていることが見出されて
いる(Slamon等, Science 235:177-182[1987];Slamon等, Science 244:707-712[
1989])。
【0004】 プロトオンコジーンの遺伝子増幅は、典型的には癌のより悪性の形態に含まれ
る事象であり、臨床的結果の予言者として作用しうることが報告されている(Sc
hwab等, Genes Chromosomes Cancer 1, 181-193 [1990]; Alitalo等, 上掲)。
即ち、erbB2の過剰発現は、特に腋窩のリンパ節を含む一次疾患を持つ患者
において、不完全な予後の前兆と共通して見なされており(Slamon等, [1987]及
び[1989], 上掲; Ravdin及びChamness, Gene 159: 19-27 [1995]; 及びHynes及
びStern, Biochem Biophys Acta 1198: 165-184 [1994])、ホルモン療法及びC
MF(シクロホスファミド、メトトレキセート、及びフルオロウラシル)を含む
化学治療薬に対する感受性又は耐性と関連付けられていた(Baselga等, Oncolog
y 11 (3 Suppl 1): 43-48 [1997])。しかしながら、erbB2過剰発現と不完
全な予後との関連にも関わらず、HER2-ポジティブな患者のタキサンでの処
理に臨床的に反応する可能性は、HER2-ネガティブ患者の3倍も大きかった
(上掲)。組換えヒト化抗-ErbB2(抗-HER2)モノクローナル抗体(マウ
ス抗-ErbB2抗体4D5のヒト化型、rhuMAb HER2又はHerceptin(
商品名)と呼ばれる)は、広範な従来の抗癌治療を受けたErbB2を過剰発現
する転移性乳癌を持つ患者で臨床的に活性である(Baselga等, J. Clin. Oncol.
14: 737-744[1996])。 上記に照らして、遺伝子増幅に関連する腫瘍の診断及び治療に有用な新規な方
法及び組成物を同定することに明らかな興味がある。
【0005】 (発明の概要) 1.実施態様 本発明は、ヒトを含む哺乳動物における腫瘍細胞成長及び増殖の診断及び治療
のための組成物及び方法に関する。本発明は、腫瘍細胞のゲノムにおいて増幅さ
れる遺伝子の同定に基づく。このような遺伝子増幅は、遺伝子産物の過剰発現を
伴い、腫瘍形成に寄与すると予測される。従って、増幅された遺伝子にコードさ
れるタンパク質は、或る種の癌の診断及び治療(予防を含む)に有用であると考
えられ、腫瘍治療の予後の予言者として作用する。 一実施態様では、本発明は、ここでPRポリペプチドと命名されるポリペプチ
ドに結合する単離された抗体に関する。一側面では、単離された抗体は、PRO
ポリペプチドに特異的に結合する。他の側面では、抗体はPROポリペプチドを
発現する細胞の死を誘導する。多くの場合、PROポリペプチドを発現する細胞
は、当該ポリペプチドを同じ組織型の正常細胞に比較して過剰に発現する腫瘍細
胞である。さらに他の側面では、抗体はモノクローナル抗体であり、それは好ま
しくは非ヒトの相補性決定領域(CDR)及びヒトフレームワーク領域(FR)
残基を有する。抗体はラベル化されてもよいし、固体支持体へ固定されてもよい
。さらに他の側面では、抗体は抗体断片、一本鎖抗体、又はヒト化抗体であって
、好ましくはPROポリペプチドに特異的に結合する。
【0006】 他の実施態様では、本発明は、製薬的に許容される担体と混合された、好まし
くはPROポリペプチドに特異的に結合する抗体とを含む物質の組成物に関する
。一側面では、この物質の組成物は抗体の治療的有効量を含有する。他の側面で
は、この組成物は、例えば更なる抗体又は細胞毒性又は化学治療薬であってよい
更なる活性成分を含む。好ましくは、この組成物は無菌である。 さらなる実施態様では、本発明は、抗-PRO抗体をコードする単離された核
酸分子、及びそのような核酸分子を含むベクター及び組換え宿主細胞に関する。 またさらなる実施態様では、本発明は抗-PRO187、抗-PRO533、抗
-PRO214、抗-PRO240、抗-PRO抗体の製造方法に関し、当該方法
は、その抗体をコードする核酸分子で形質転換した宿主細胞を当該抗体を発現さ
せるのに十分な条件下で培養し、細胞培地から抗体を回収することを含んでなる
。 さらに本発明は、PROポリペプチドの生物学的及び/又は免疫学的機能又は
活性の一又は複数を阻害するPROポリペプチドのアンタゴニストに関する。
【0007】 さらなる実施態様では、本発明は、PROポリペプチド、又はその補体をコー
ドする核酸配列にハイブリッド形成する単離された核酸分子に関する。単離され
た核酸分子は、好ましくはDNAであり、ハイブリッド形成は好ましくは緊縮性
ハイブリッド形成及び洗浄条件下で起こる。このような核酸分子は、ここで同定
される増幅された遺伝子のアンチセンス分子として作用でき、また翻って各増幅
遺伝子の転写及び/又は翻訳の調節において、又は増幅反応におけるアンチセン
スプライマーとしての用途が見出される。さらに、このような配列は、リボザイ
ム(ribozyme)及び/又は三重螺旋配列の一部として使用することができ、それは
翻って増幅遺伝子の調節に置いて使用してもよい。 他の実施態様では、本発明は、PROポリペプチドを含有すると推測される試
料中でPROポリペプチドの存在を測定する方法を提供し、当該方法は、当該試
料を抗-PRO抗体に暴露し、当該抗体の試料中のPROポリペプチドへの結合
を測定することを含んでなる。他の実施態様では、本発明は、細胞中でのPRO
ポリペプチドの存在を測定する方法を提供し、当該方法は、当該細胞を抗-PR
O抗体に曝露し、抗体の細胞への結合を測定することを含む。
【0008】 さらに他の実施態様では、本発明は、哺乳動物において腫瘍を診断する方法に
関し、(a)哺乳動物から得た組織細胞の試験試料中、及び(b)同じ細胞型の
知られた正常組織細胞の対照試料中におけるPROポリペプチドをコードする遺
伝子の発現レベルを検出することを含んでなり、対照試料に比較した試験試料に
おける高いレベルが、当該試験組織細胞を得た哺乳動物における腫瘍の存在を示
す。 他の実施態様では、本発明は、哺乳動物において腫瘍を診断する方法に関し、
(a)抗-PRO抗体を哺乳動物から得た組織細胞の試験試料と接触させ、そし
て(b)抗-PRO抗体と試験試料中のPROポリペプチドとの間の複合体の形
成を検出することを含んでなり、複合体の形成が前記哺乳動物における腫瘍の存
在を示す。測定は定性的でも定量的でもよく、同じ細胞型の知られた正常組織細
胞の対照試料における複合体形成の監視と比較して実施してもよい。試験試料中
の複合体形成量の増加が、試験試料を得た哺乳動物における腫瘍の存在を示す。
抗体は、好ましくは検出可能な標識を担持する。複合体形成は、例えば、光学顕
微鏡、フローサイトメトリー、蛍光定量法、又はこの分野で公知の他の技術によ
って監視できる。 試験試料は通常、腫瘍性細胞成長又は増殖(例えば癌性細胞)を有すると推測
される個体から得る。
【0009】 他の実施態様では、本発明は、抗-PRO抗体及び担体(例えば緩衝液)を適
切な包装内に含んでなる癌診断用キットに関する。このキットは、好ましくは当
該抗体が、PROポリペプチドを含有することが推測される試料中のそれらの存
在をを検出するために用いられるという説明書を具備する。 さらに他の実施態様では、本発明は腫瘍細胞の成長を阻害する方法に関し、P
ROポリペプチドを発現する腫瘍細胞を、PROポリペプチドの生物学的及び/
又は免疫学的活性及び/又は発現を阻害する薬剤の有効量に暴露することを含ん
でなり、それにより当該腫瘍細胞の成長が阻害される。この薬剤は、好ましくは
抗-PRO抗体、小さな有機及び無機分子、ペプチド、リンペプチド、アンチセ
ンス又はリボザイム分子、又は三重螺旋分子である。特別な態様では、薬剤、例
えば抗-PRO抗体は細胞死を誘発する。さらなる態様では、腫瘍細胞には、放
射線処理、細胞毒性薬又は化学治療薬がさらに施される。 さらなる実施態様では、本発明は、 容器; 当該容器上のラベル;及び 当該容器内に収容された活性剤を含有する組成物とを具備し、当該組成物が腫
瘍細胞の成長を阻害するのに有効であり、容器上のラベルが当該組成物は前記腫
瘍細胞中で同じ組織型の正常細胞に比較してPROポリペプチドの過剰発現を特
徴とする状態の治療に有効であることを表示する製造品に関する。特別な側面で
は、組成物中の活性剤は、PROポリペプチドの活性及び/又は発現を阻害する
薬剤である。好ましい側面では、活性剤は抗-PRO抗体又はアンチセンスオリ
ゴヌクレオチドである。
【0010】 また本発明は、PRO1ポリペプチドの生物学的又は免疫学的活性を阻害する
化合物を同定する方法を提供し、候補化合物をPROポリペプチドと、2つの成
分が相互作用するのに十分な条件下及び時間で接触させ、前記PROポリペプチ
ドの生物学的及び/又は免疫学的活性が阻害されるか否かを測定することを含ん
でなる。他の態様では、非固定化成分が検出可能な標識を担持している。好まし
い態様では、この方法は、(a)細胞とスクリーニングすべき候補化合物とを、
PROポリペプチドの存在下で、PROポリペプチドによって通常誘発される細
胞性反応の誘発に適した条件下で接触させ、そして(b)前記細胞性反応の誘発
を測定して試験化合物が有効なアンタゴニストか否かを決定することを含んでな
る。 他の実施態様では、本発明はPROポリペプチドを発現する細胞で前記ポリペ
プチドの発現を阻害する化合物を同定する方法を提供し、当該細胞を化合物と接
触させ、前記PROポリペプチドの発現が阻害されるか否かを測定することを含
んでなる。好ましい側面では、この方法は、(a)細胞とスクリーニングすべき
候補化合物とを、PROポリペプチドの発現に適した条件下で接触させ、(b)
前記ポリペプチド発現の阻害を測定する工程を具備する。
【0011】 B.更なる実施態様 本発明の他の実施態様では、本発明は、PROポリペプチドをコードするヌク
レオチド配列を含んでなる単離された核酸分子を提供する。 一側面では、単離された核酸分子は、(a)ここに開示された全長アミノ酸配
列、ここに開示されたシグナルペプチドを欠く全長アミノ酸配列、ここに開示し
た膜貫通タンパク質の細胞外ドメインでシグナルペプチドを共なう又は共なわな
いもの、ここに開示した全長アミノ酸配列の任意の特異的に定義された断片、又
は又は(b)(a)のDNA分子の補体に対して、少なくとも約80%の核酸配
列同一性、あるいは少なくとも約81%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも
約82%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約83%の核酸配列同一性、あ
るいは少なくとも約84%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約85%の核
酸配列同一性、更により好ましくは少なくとも約86%の核酸配列同一性、ある
いは少なくとも約87%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約88%の核酸
配列同一性、あるいは少なくとも約89%の配列同一性、あるいは少なくとも約
90%の核酸酸配列同一性、あるいは少なくとも約91%の核酸配列同一性、あ
るいは少なくとも約92%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約93%の核
酸配列同一性、あるいは少なくとも約94%の核酸配列同一性、あるいは少なく
とも約95%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約96%の核酸配列同一性
、あるいは少なくとも約97%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約98%
の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約99%の核酸配列同一性を有している
ヌクレオチド配列を含んでなる。
【0012】 他の側面では、単離された核酸分子は、(a)ここに開示された全長PROポ
リペプチドcDNAのコード配列、ここに開示されたシグナルペプチドを欠く全
長PROポリペプチドcDNAのコード配列、ここに開示した膜貫通PROポリ
ペプチドの細胞外ドメインのコード配列でシグナルペプチドを共なう又は共なわ
ないもの、又はここに開示した全長アミノ酸配列の任意の特異的に定義された断
片のコード化配列、又は(b)(a)のDNA分子の補体に対して、少なくとも
約80%の配列同一性、あるいは少なくとも約81%の配列同一性、あるいは少
なくとも約82%の配列同一性、あるいは少なくとも約83%の配列同一性、あ
るいは少なくとも約84%の配列同一性、あるいは少なくとも約85%の配列同
一性、あるいは少なくとも約86%の配列同一性、あるいは少なくとも約87%
の配列同一性、あるいは少なくとも約88%の配列同一性、あるいは少なくとも
約89%の配列同一性、あるいは少なくとも約90%の酸配列同一性、あるいは
少なくとも約91%の配列同一性、あるいは少なくとも約92%の配列同一性、
あるいは少なくとも約93%の配列同一性、あるいは少なくとも約94%の配列
同一性、あるいは少なくとも約95%の配列同一性、あるいは少なくとも約96
%の配列同一性、あるいは少なくとも約97%の配列同一性、あるいは少なくと
も約98%の配列同一性、あるいは少なくとも約99%の配列同一性を有してい
るヌクレオチド配列を含んでなる。
【0013】 さらなる側面では、本発明は、(a)ATCCへ寄託された任意のヒトタンパ
ク質cDNAにコードされる同じ成熟ポリペプチドをコードするDNA分子、又
は(b)(a)のDNA分子の補体に対して、少なくとも約80%の配列同一性
、あるいは少なくとも約81%の配列同一性、あるいは少なくとも約82%の配
列同一性、あるいは少なくとも約83%の配列同一性、あるいは少なくとも約8
4%の配列同一性、あるいは少なくとも約85%の配列同一性、あるいは少なく
とも約86%の配列同一性、あるいは少なくとも約87%の配列同一性、あるい
は少なくとも約88%の配列同一性、あるいは少なくとも約89%の配列同一性
、あるいは少なくとも約90%の酸配列同一性、あるいは少なくとも約91%の
配列同一性、あるいは少なくとも約92%の配列同一性、あるいは少なくとも約
93%の配列同一性、あるいは少なくとも約94%の配列同一性、あるいは少な
くとも約95%の配列同一性、あるいは少なくとも約96%の配列同一性、ある
いは少なくとも約97%の配列同一性、あるいは少なくとも約98%の配列同一
性、あるいは少なくとも約99%の配列同一性を有しているヌクレオチド配列を
含んでなる単離された核酸分子に関する。
【0014】 その他の側面では、本発明は、膜貫通ドメイン欠損或いは膜貫通ドメイン不活
化のどちらか、又はそのようなコード化配列へ相補的なPROポリペプチドをコ
ードするヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸分子を提供し、そのよう
なポリペプチドの膜貫通ドメインがここに開示されている。従って、ここにおい
て記載されるPROポリペプチドの可溶性細胞外ドメインが考慮されている。
【0015】 その他の実施態様では、例えば、抗-PRO抗体の結合部位を含むポリペプチ
ドを選択的にコードするPROポリペプチドのコード化断片のためのハイブリダ
イゼーションプローブ、又はアンチセンスオリゴヌクレオチドプローブとしての
使用を見出すことができるPROポリペプチドコード化配列の断片、又はその補
体について向けられている。そのような核酸断片は、通常少なくとも約20ヌク
レオチド長、あるいは少なくとも約30ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約
40ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約50ヌクレオチド長、あるいは少な
くとも約60ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約70ヌクレオチド長、ある
いは少なくとも約80ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約90ヌクレオチド
長、あるいは少なくとも約100ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約110
ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約120ヌクレオチド長、あるいは少なく
とも約130ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約140ヌクレオチド長、あ
るいは少なくとも約150ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約160ヌクレ
オチド長、あるいは少なくとも約170ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約
180ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約190ヌクレオチド長、あるいは
少なくとも約200ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約250ヌクレオチド
長、あるいは少なくとも約300ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約350
ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約400ヌクレオチド長、あるいは少なく
とも約450ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約500ヌクレオチド長、あ
るいは少なくとも約600ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約700ヌクレ
オチド長、あるいは少なくとも約800ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約
900ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約1000ヌクレオチド長であり、
この文脈において「約」という語句は、引用されているヌクレオチド配列の長さ
のプラス又はマイナス10%を意味してる。PROポリペプチドコード化ヌクレ
オチド配列の新規の断片は、任意の良く知られた配列アライメントプログラムを
使用し、PROポリペプチドコード化ヌクレオチド配列と他の既知のヌクレオチ
ド配列を整列させ、どのPROポリペプチドコード化ヌクレオチド配列断片が新
規であるのかを決定することによる日常的方法によって決定が可能であることは
注目される。全てのそのようなPROポリペプチドコード化配列はが、本出願に
おいて検討される。さらに、検討されるのは、これらヌクレオチド配列断片によ
ってコードされているPROポリペプチド、好ましくは抗-PRO抗体の結合部
位を含むこれらPROポリペプチド断片である。
【0016】 その他の実施態様では、本発明は、上文において特定された全ての単離された
核酸配列によってコードされている単離されたPROポリペプチドを提供する。 ある側面においては、本発明は、ここに開示されている全長アミノ酸配列を有
する全長PROポリペプチド、ここに開示されているシグナルペプチドを欠くア
ミノ酸配列、ここに開示されているシグナルペプチドを伴う又は伴わない膜貫通
PROポリペプチドの細胞外ドメイン、又はここに開示されている全長アミノ酸
配列の全ての特異的に定義された断片に対して少なくとも約80%配列同一性、
あるいは少なくとも約81%の配列同一性、あるいは少なくとも約82%配列同
一性、あるいは少なくとも83%の配列同一性、あるいは少なくとも84%の配
列同一性、あるいは少なくとも85%の配列同一性、あるいは少なくとも86%
の配列同一性、あるいは少なくとも87%の配列同一性、あるいは少なくとも8
8%の配列同一性、あるいは少なくとも89%の配列同一性、あるいは少なくと
も90%の配列同一性、あるいは少なくとも91%の配列同一性、あるいは少な
くとも92%の配列同一性、あるいは少なくとも93%の配列同一性、あるいは
少なくとも94%の配列同一性、あるいは少なくとも95%の配列同一性、ある
いは少なくとも96%の配列同一性、あるいは少なくとも97%の配列同一性、
あるいは少なくとも98%の配列同一性、あるいは少なくとも99%の配列同一
性を有するアミノ酸配列を含む単離されたPROポリペプチドに関する。
【0017】 さらなる側面においては、本発明は、ここに開示されたATCCへ寄託された
全てのヒトタンパク質cDNAによってコードされているアミノ酸配列に対して
少なくとも約80%配列同一性、あるいは少なくとも約81%の配列同一性、あ
るいは少なくとも約82%配列同一性、あるいは少なくとも83%の配列同一性
、あるいは少なくとも84%の配列同一性、あるいは少なくとも85%の配列同
一性、あるいは少なくとも86%の配列同一性、あるいは少なくとも87%の配
列同一性、あるいは少なくとも88%の配列同一性、あるいは少なくとも89%
の配列同一性、あるいは少なくとも90%の配列同一性、あるいは少なくとも9
1%の配列同一性、あるいは少なくとも92%の配列同一性、あるいは少なくと
も93%の配列同一性、あるいは少なくとも94%の配列同一性、あるいは少な
くとも95%の配列同一性、あるいは少なくとも96%の配列同一性、あるいは
少なくとも97%の配列同一性、あるいは少なくとも98%の配列同一性、ある
いは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む単離されたPR
Oポリペプチドに関する。
【0018】 さらなる側面においては、本発明は、ここに開示されている全長アミノ酸配列
を有するPROポリペプチドのアミノ酸配列、ここに開示されているシグナルペ
プチドを欠くアミノ酸配列、ここに開示されているシグナルペプチドを伴う又は
伴わない膜貫通PROポリペプチドの細胞外ドメイン、又はここに開示されてい
る全長アミノ酸配列の全ての特異的に定義された断片と比較して、少なくとも約
80%の陽性(ポジティブ)、あるいは少なくとも約81%の陽性(ポジティブ)
、あるいは少なくとも約82%の陽性(ポジティブ)、あるいは少なくとも83
%の陽性(ポジティブ)、あるいは少なくとも84%の陽性(ポジティブ)、ある
いは少なくとも85%の陽性(ポジティブ)、あるいは少なくとも86%の陽性(
ポジティブ)、あるいは少なくとも87%の陽性(ポジティブ)、あるいは少な
くとも88%の陽性(ポジティブ)、あるいは少なくとも89%の陽性(ポジティ
ブ)、あるいは少なくとも90%の陽性(ポジティブ)、あるいは少なくとも9
1%の陽性(ポジティブ)、あるいは少なくとも92%の陽性(ポジティブ)、あ
るいは少なくとも93%の陽性(ポジティブ)、あるいは少なくとも94%の陽
性(ポジティブ)、あるいは少なくとも95%の陽性(ポジティブ)、あるいは少
なくとも96%の陽性(ポジティブ)、あるいは少なくとも97%の陽性(ポジテ
ィブ)、あるいは少なくとも98%の陽性(ポジティブ)、あるいは少なくとも
99%の陽性(ポジティブ)のスコアのアミノ酸配列を含む単離されたPROポ
リペプチドに関する。
【0019】 特別な側面においては、本発明は、N−末端シグナル配列及び/又は開始メチ
オニンを含まず、前記に記載したようなアミノ酸配列をコードするヌクレオチド
配列によってコードされている単離されたPROポリペプチドを提供する。PR
Oポリペプチドの発現に適した条件下にある適切なコード化核酸分子を含むベク
ターを含んでなる宿主細胞の培養、及びPROポリペプチドを培養細胞から回収
することを含む工程である、単離されたPROポリペプチドを生産する工程が同
じくここに開示されている。 その他の側面においては、本発明は、膜貫通ドメイン欠損又は膜貫通ドメイン
不活性の単離されたPROポリペプチドを提供する。PROポリペプチドの発現
に適した条件下にある適切なコード化核酸分子を含むベクターを含んでなる宿主
細胞の培養、及びPROポリペプチドを培養細胞から回収することを含む工程で
ある、単離されたPROポリペプチドを生産する工程が同じくここに開示されて
いる。
【0020】 さらなるその他の実施態様においては、ここにおいて開示される天然PROポ
リペプチドのアゴニスト及びアンタゴニストに関する。特別な実施態様において
は、アゴニスト又はアンタゴニストは、抗-PRO抗体又は小分子である。 さらなる実施態様においては、PROポリペプチドを候補化合物と接触せしめ
、そして前記PROポリペプチドによって仲介される生物活性を監視することを
含むPROポリペプチドに対するアゴニスト又はアンタゴニストを同定する方法
に関する。好ましくは、PROポリペプチドは天然PROポリペプチドである。 さらにさらなる実施態様においては、本発明は、PROポリペプチド、又はこ
こに開示されるPROポリペプチドのアゴニスト又はアンタゴニスト、抗-PR
O抗体を含んでなる製造品で容器との組合せに関する。場合によっては、容器は
、製薬的に許容しうるものである。 本発明のその他の実施態様は、PROポリペプチドの使用、又はPROポリペ
プチド、そのアゴニスト又はアンタゴニスト或いは抗-PRO抗体に対して反応
性のある条件の治療に有効な薬剤の調製のための前文に記載したようなPROポ
リペプチドのアゴニスト又はアンタゴニスト、又は抗-PRO抗体を対象として
いる。 本発明のさらなる実施態様では、本発明は、ここに記載するポリペプチドの任
意のものをコードするDNAを含むベクターを提供する。そのようなベクターの
任意のものを含む宿主細胞も提供される。例として、宿主細胞はCHO細胞、大
腸菌、又はバキュウロウイルス感染昆虫細胞であってよい。ここに記載する任意
のポリペプチドの製造方法がさらに提供され、それは、宿主細胞を所望のポリペ
プチドの発現に適した条件下で培養し、細胞培地から所望のポリペプチドを回収
することを含む。
【0021】 他の実施態様では、本発明は、異種ポリペプチド又はアミノ酸配列に融合した
、ここに記載する任意のポリペプチドを含んでなるキメラ分子を提供する。その
ようなキメラ分子の例は、エピトープタグ配列又は免疫グロブリンのFc領域に
融合したここに記載の任意のポリペプチドを含む。 他の実施態様では、本発明は、上記又は下記のポリペプチドの任意のものに特
異的に結合する抗体を提供する。場合によっては、抗体はモノクローナル抗体、
ヒト化抗体、抗体断片又は一本鎖抗体である。 さらに他の実施態様では、本発明は、ゲノム及びcDNAヌクレオチド配列又
はアンチセンスプローブの単離に有用なオリゴヌクレオチドプローブを提供し、
それらのプローブは上記又は下記のヌクレオチド配列の任意のものから誘導され
うる。
【0022】 (発明の詳細な説明) I.定義 「遺伝子増幅」及び「遺伝子複製」なる語句は交換可能に用いられ、遺伝子又
は遺伝子断片の複数のコピーが特定の細胞又は細胞系で生成されるプロセスを意
味する。複製された領域(増幅されたDNAの伸展)は、しばしば「単位複製配
列」と呼ばれる。通常は、生成されるメッセンジャーRNA(mRNA)の量、
即ち遺伝子発現レベルも、発現された特定遺伝子の作成されたコピー数に比例し
て増加する。 ここで用いられる「腫瘍」は、悪性又は良性に関わらず、全ての腫瘍形成細胞
成長及び増殖、及び全ての前癌性及び癌性細胞及び組織を意味する。 「癌」及び「癌性」という用語は、典型的には調節されない細胞成長を特徴と
する、哺乳動物における生理学的状態を指すか記述する。癌の例には、これらに
限定されるものではないが、腺癌、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、及び白血病が含
まれる。このような癌のより特定の例には、乳癌、前立腺癌、結腸癌、扁平上皮
細胞癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、胃腸癌、膵臓癌、神経膠芽細胞腫、子宮頸
管癌、卵巣癌、肝臓癌、膀胱癌、肝細胞腫、結腸直腸癌、子宮体癌、唾液腺癌、
腎臓癌、肝臓癌、産卵口癌、甲状腺癌、肝癌及び様々な種類の頭部及び頸部の癌
が含まれる。
【0023】 「治療」とは、疾患の病理の進展阻止又は変更の本発明で実施される介入であ
る。従って、「治療」は治療的処置及び予防的又は保護的手段の両方を指す。治
療が必要なものは、既に疾患に罹っているもの並びに疾患が防止されるべきもの
を含む。腫瘍(例えば、癌)治療では、治療薬は直接的に腫瘍細胞の病理を低下
させてもよいし、又は腫瘍細胞を他の治療媒介物、例えば放射線及び/又は化学
治療に対してより敏感にしてもよい。 癌の「病理」は、患者の良好な生存を危うくさせる全ての現象を含む。これは
、限定されるものではないが、異常又は制御不能な細胞成長、転移、隣接細胞の
正常機能の阻害、サイトカイン又は他の分泌生成物の異常レベルでの放出、炎症
又は免疫反応の抑制又は悪化などを含む。
【0024】 治療の目的とされる「哺乳動物」は、哺乳類に分類される任意の動物を意味し
、ヒト、家畜用及び農場用動物、動物園、スポーツ、又はペット動物、例えばイ
ヌ、ウマ、ネコ、ウシ、ブタ、ヒツジなどを含む。好ましくは、哺乳動物はヒト
である。 ここで用いられる「担体」は製薬的に許容される担体、賦形剤、又は安定化剤
を含み、それらは、用いられる用量及び濃度でそれに暴露される細胞又は哺乳動
物に対して非毒性である。生理学的に許容される担体は、pH緩衝水溶液である
ことが多い。生理学的に許容される担体の例は、リン酸塩、クエン酸塩、及び他
の有機酸バッファー;アスコルビン酸を含む酸化防止剤;低分子量(約10残基
未満)のポリペプチド;タンパク質、例えば血清アルブミン、ゼラチン、または
免疫グロブリン;ポリビニルピロリドン等の親水性ポリマー、グリシン、グルタ
ミン、アスパラギン、アルギニン又はリジン等のアミノ酸;グルコース、マンノ
ース又はデキストラン等の単糖類、二糖類及び他の炭水化物;EDTA等のキレ
ート化剤;マンニトール又はソルビトール等の糖アルコール;ナトリウム等の自
己形成対イオン;及び/又はTWEEN(商品名)、ポリエチレングリコール(PEG
)、及びPLURONICS(商品名)等の非イオン性界面活性剤を含む。 一又は複数のさらなる治療薬「と組み合わせて」の投与は、同時(一時)及び
任意の順序での連続投与を含む。 ここで用いられる「細胞毒性薬」なる用語は、細胞の機能を阻害又は抑制する
及び/又は細胞破壊を生ずる物質を意味する。この用語は、放射性同位体(例え
ば、I131、I125、Y90及びRe186)、化学治療薬、及び細菌、真
菌、植物又は動物由来の酵素的活性毒素といった毒素、又はその断片を含むとさ
れる。
【0025】 「化学治療薬」は、癌の治療に有用な化合物である。化学治療薬の例は、アド
リアマイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、5-フルオロウラシル、シトシ
ンアラビノシド(「Ara−C」)、シクロホスファミド、チオテパ、ブスルフ
ァン、サイトキシン、タキソイド、例えばパクリタキセル(Taxol, Bristol-Mye
rs Squibb Oncology, Princeton, NJ)及びドキセタキセル(Taxotere, Rhone-P
oulenc Rorer, Antony, France)、トキソテール、メトトレキセート、シスプラ
チン、メルファラン、ビンブラスチン、ブレオマイシン、エトポシド、イフォス
ファミド、マイトマイシンC、マイトキサントロン、ビンクリスチン、ビノレル
ビン、カルボプラチン、テニポシド、ダウノマイシン、カルミノマイシン、アミ
ノプテリン、ダクチノマイシン、マイトマイシン、エスペラマイシン(米国特許
第4,675,187号)、5−FU、6−チオグアニン、6−メルカプトプリン、アク
チノマイシンD、VP−16、クロランブシル、メルファラン、及び他の関連す
るナイトロジェンマスタードを含む。また、この定義に含まれるのは、タモキシ
フェン及びオナプリストンなどの腫瘍へのホルモン作用を調節又は阻害するよう
に作用するホルモン様薬剤である。
【0026】 ここで用いられる際の「成長阻害剤」は、細胞、特にここで同定される任意の
遺伝子を過剰発現する癌細胞の成長を、インビトロ又はインビボで阻害する化合
物又は組成物を意味する。即ち、成長阻害剤は、S期でそのような遺伝子を過剰
発現する細胞の割合を有意に減少させるものである。成長阻害剤の例は、細胞周
期を(S期以外の位置で)阻害する薬剤、例えばG1期停止又はM期停止を誘発
する薬剤を含む。古典的なM期ブロッカーは、ビンカス(ビンクリスチン及びビ
ンブラスチン)、タキソール、及びトポII阻害剤、例えばドキソルビシン、エ
ピルビシン、ダウノルビシン、エトポシド、及びブレオマイシンを含む。G1期
停止させるこれらの薬剤は、S期停止にも溢流し、例えば、DNAアルキル化剤
、例えば、タモキシフェン、プレドニゾン、ダカルバジン、メクロレタミン、シ
スプラチン、メトトレキセート、5-フルオロウラシル、及びara-Cである。
さらなる情報は、The Molecular Basis of Cancer, Mendelsohn及びIsrael, 編,
Chapter 1, 表題「Cell cycle reguration, oncogene, and antineoplastic dr
ugs」, Murakami等, (WB Saunders: Philadelphia, 1995)、特にp13に見出すこ
とができる。 「ドキソルビシン」はアントラサイクリン抗生物質である。ドキソルビシンの
完全な化学名は、(8S-シス)-10-[(3-アミノ-2,3,6-トリデオキシ-α-
L-リキソヘキサピラノシル)オキシ]-7,8,9,10-テトラヒドロ-6,8,
11-トリヒドロキシ-8-(ヒドロキシアセチル)-1-メトキシ-5,12-ナフタ
センジオンである。
【0027】 「サイトカイン」なる用語は、1つの細胞集団から放出され、他の細胞に細胞
間メディエータとして作用するタンパク質の一般用語である。このようなサイト
カインの例は、リンホカイン、モノカイン、及び伝統的なポリペプチドホルモン
である。サイトカインに含まれるのは、成長ホルモン、例えばヒト成長ホルモン
、N-メチオニルヒト成長ホルモン、及びウシ成長ホルモン;副甲状腺ホルモン
;チロキシン;インシュリン;プロインシュリン;レラキシン;プロレラキシン
;糖タンパク質、例えば濾胞刺激ホルモン(FSH)、甲状腺刺激ホルモン(T
SH)、及び黄体化ホルモン(LH);肝臓成長因子;線維芽成長因子;プロラ
クチン;胎盤ラクトゲン;腫瘍壊死因子-α及び-β;ミューラー阻害因子;マウ
ス生殖腺刺激ホルモン関連ペプチド;インヒビン;アクチビン;血管内皮成長因
子;インテグリン;トロンボポエチン(TPO);NGF-β等の神経成長因子
;血小板成長因子;TGF-α及びTGF-β等のトランスフォーミング成長因子
(TGF);インシュリン様成長因子-I及びII;エリスロポエチン(EPO
);骨誘発因子;インターフェロン-α、-β、及び-γ等のインターフェロン;
コロニー刺激因子(CSFs)、例えばマクロファージ-CSF(M-CSF);
顆粒球-マクロファージ-CSF(GM-CSF);及び顆粒球-CSF(G-CS
F);インターロイキン(ILs)、例えばIL-1、IL-1α、IL-2、I
L-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9、IL-11、
IL-12;腫瘍壊死因子、例えばTNF-α及びTNF-β;及びLIF及びキ
ットリガンド(KL)を含む他のポリペプチド因子である。ここで用いられる際
、用語サイトカインは、天然供給源から、又は組換え細胞培養からのタンパク質
を含み、天然配列サイトカインの生物学的な活性等価物である。
【0028】 本出願で使用される「プロドラッグ」という用語は、親薬物に比べて、腫瘍細
胞に対する細胞毒性が低く、より活性な親形態に、酵素的に活性化又は転換され
得る製薬的に活性な物質の先駆体又は誘導体形態を意味する。例えば、Wilman,
「Prodrugs in Cancer Chemotherapy」, Biochemical Society Transactions, 1
4, pp.375-382, 615th Meeting Belfast(1986)及びStellaら,「Prodrugs:A Chem
ical Approach to Targeted Drug Delivery」, Directed Drug Delivery, Borch
ardtら,(編), pp.247-267, Humana Press(1985)を参照。 限定するものではない
が、本発明のプロドラッグには、ホスファート含有プロドラッグ、チオホスファ
ート含有プロドラッグ、スルファート含有プロドラッグ、ペプチド含有プロドラ
ッグ、D-アミノ酸変性プロドラッグ、グリコシル化プロドラッグ、βラクタム
含有プロドラッグ、任意に置換されたフェノキシアセトアミド含有プロドラッグ
又は任意に置換されたフェニルアセトアミド含有プロドラッグ、より活性のある
細胞毒のない薬剤に転換可能な5-フルオロシトシン及び他の5-フルオロウリジ
ンプロドラッグが含まれる。限定するものではないが、本発明で使用されるプロ
ドラッグ形態に誘導体化可能な細胞障害剤の例には、前掲の化学療法剤が含まれ
る。
【0029】 ここに開示されるポリペプチド又はそのアゴニストの「有効量」とは、腫瘍性
細胞成長、腫瘍成長に関しては、標的細胞の成長を或る程度阻害できる量である
。この用語は、標的細胞の成長阻害、細胞分裂停止及び/又は細胞毒性効果及び
/又はアポトーシスを誘起することのできる量を含む。腫瘍性細胞成長の阻害の
目的のためのPROポリペプチド又はそのアゴニストの「有効量」は、経験的に
日常的手法で決定できる。 「治療的有効量」は、腫瘍の治療に関しては、次の効果:(1)遅延化及び完
全な成長停止を含む、腫瘍成長の或る程度の阻害;(2)腫瘍細胞数の減少;(
3)腫瘍サイズの縮小;(4)腫瘍細胞の末梢器官への浸潤の阻害(即ち、減少
、遅延化又は完全な停止);(5)転移の阻害(即ち、減少、遅延化又は完全な
停止);(6)抗腫瘍免疫反応の促進、これは、腫瘍の退行又は拒絶をもたらし
てもよいが、必ずしも必要ではない;及び/又は(7)疾患に伴う徴候の1つ又
は複数の或る程度の軽減の1つ又は複数を誘起することのできる量を意味する。
腫瘍の治療の目的のためのPROポリペプチド又はそのアゴニストの「治療的有
効量」は、経験的に日常的手法で決定できる。
【0030】 PROポリペプチド又はそのアゴニストの「成長阻害量」は、細胞、特に腫瘍
、例えば癌細胞の成長をインビトロ又はインビボで阻害できる量である。腫瘍性
細胞成長の阻害の目的のためのPROポリペプチド又はそのアゴニストの「成長
阻害量」は、経験的に日常的手法で決定できる。 PROポリペプチド又はそのアゴニストの「細胞毒性量」は、細胞、特に腫瘍
、例えば癌細胞をインビトロ又はインビボで破壊できる量である。腫瘍性細胞成
長の阻害の目的のためのPROポリペプチド又はそのアゴニストの「細胞毒性量
」は、経験的に日常的手法で決定できる。 ここで使用される際の「PROポリペプチド」及び「PRO」という用語は、
直後に数値符号がある場合に種々のポリペプチドを指し、完全な符号(例えば、
PRO/数字)は、ここに記載する特定のポリペプチド配列を意味する。ここで
使用される「PRO/数字ポリペプチド」及び「PRO/数字」は、天然配列ポ
リペプチド及び変異体(ここで更に詳細に定義する)を含む。ここの記載される
PROポリペプチドは、ヒト組織型又は他の供給源といった種々の供給源から単
離してもよく、組換え又は合成方法によって調製してもよい。
【0031】 「天然配列PROポリペプチド」は、天然由来の対応するPROポリペプチド
と同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含んでいる。このような天然配列
PROポリペプチドは、自然から単離することもできるし、組換え又は合成手段
により生産することもできる。「天然配列PROポリペプチド」という用語には
、特に、特定のPROポリペプチドの自然に生じる切断又は分泌形態(例えば、
細胞外ドメイン配列)、自然に生じる変異形態(例えば、選択的にスプライシング
された形態)及びそのポリペプチドの自然に生じる対立遺伝子変異体が含まれる
。 本発明の種々の実施態様において、ここに開示されている天然配列PROポリ
ペプチドは、添付の図面に示されている全長アミノ酸配列を含んでなる成熟又は
全長天然配列ポリペプチドである。開始及び終止コドンは、図面に太字及び下線
部で示されている。添付されている図面に開示されているPROポリペプチドは
、図面のアミノ酸位置1と命名されているメチオニン残基から開始することが示
されているが、図面のアミノ酸位置1より上流又は下流のどちらかに位置する他
のメチオニン残基がPROポリペプチドの開始アミノ酸残基として用いられても
よい。
【0032】 PROポリペプチド「細胞外ドメイン」又は「ECD」は、膜貫通及び細胞質
ドメインを実質的に有しないPROポリペプチドの形態を意味する。通常、PR
OポリペプチドECDは、それらの膜貫通及び/又は細胞質ドメインを1%未満
、好ましくはそのようなドメインを0.5%未満しか持たない。本発明のPRO
ポリペプチドについて同定された任意の膜貫通ドメインは、疎水性ドメインのそ
の型を同定するために当該分野において日常的に使用される基準に従い同定され
ることが理解されるであろう。膜貫通ドメインの厳密な境界は変わり得るが、最
初に同定されたドメインのいずれかの末端から約5アミノ酸を越えない可能性が
高い。従って、PROポリペプチド細胞外ドメインは、場合によっては、実施例
又は明細書で同定されるように膜貫通ドメイン及び/又は細胞外ドメインの境界
のいずれかの側から約5を越えないアミノ酸を含んでもよく、シグナルペプチド
を伴う又は伴わない、それらのポリペプチド及びそれらをコードする核酸は、本
発明で考慮される。 ここに開示する種々のPROポリペプチドの「シグナルペプチド」のおおよそ
の位置は、添付の図面に示されている。しかし、注記するように、シグナルペプ
チドのC-末端境界は変化しうるが、ここで最初に定義したようにシグナルペプ
チドC-末端境界のいずれかの側で約5アミノ酸未満である可能性が最も高く、
シグナルペプチドのC-末端境界は、そのような型のアミノ酸配列成分を同定す
るのに日常的に使用される基準に従って同定しうる(例えば、Nielsen等, Prot.
Eng. 10: 1-6 (1997)及びvon Heinje等, Nucl. Acids. Res. 14: 4683-4690 (1
986))。さらに、幾つかの場合には、分泌ポリペプチドからのシグナルペプチド
の切断は完全に均一ではなく、一以上の分泌種をもたらすことも認められる。シ
グナルペプチドがここに定義されるシグナルペプチドのC-末端境界の何れかの
側の約5アミノ酸未満内で切断されるこれらの成熟ポリペプチド、及びそれらを
コードするポリヌクレオチドは、本発明で考慮される。
【0033】 「PROポリペプチド変異体」とは、上記又は下記に定義されるように、ここ
に開示される全長天然配列PROポリペプチド、ここに開示されたシグナルペプ
チドを欠く全長天然配列PROポリペプチド配列、シグナルペプチド有無のここ
に開示されたPROの細胞外ドメイン又はここに開示された全長PROポリペプ
チドの他の断片と、少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性を有する活性PR
Oポリペプチドを意味する。このようなPROポリペプチド変異体には、例えば
、全長天然アミノ酸配列のN-又はC-末端において一又は複数のアミノ酸残基が
付加、もしくは欠失されたPROポリペプチドが含まれる。通常、PROポリペ
プチド変異体は、ここに開示される全長天然アミノ酸配列、ここに開示されたシ
グナルペプチドを欠く全長天然配列PROポリペプチド配列、シグナルペプチド
有無のここに開示されたPROの細胞外ドメイン又はここに開示された全長PR
Oポリペプチドの他の断片と、少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性、ある
いは少なくとも約81%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約82%の
アミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約83%のアミノ酸配列同一性、ある
いは少なくとも約84%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約85%の
アミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約86%のアミノ酸配列同一性、ある
いは少なくとも約87%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約88%の
アミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約89%のアミノ酸配列同一性、ある
いは少なくとも約90%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約91%の
アミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約92%のアミノ酸配列同一性、ある
いは少なくとも約93%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約94%の
アミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約95%のアミノ酸配列同一性、ある
いは少なくとも約96%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約97%の
アミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約98%のアミノ酸配列同一性、そし
て、あるいは少なくとも約99%のアミノ酸配列同一性を有している。通常は、
PRO変異体ポリペプチドは、少なくとも約10アミノ酸長、あるいは少なくと
も約20アミノ酸長、あるいは少なくとも約30アミノ酸長、あるいは少なくと
も約40アミノ酸長、あるいは少なくとも約50アミノ酸長、あるいは少なくと
も約60アミノ酸長、あるいは少なくとも約70アミノ酸長、あるいは少なくと
も約80アミノ酸長、あるいは少なくとも約90アミノ酸長、あるいは少なくと
も約100アミノ酸長、あるいは少なくとも約150アミノ酸長、あるいは少な
くとも約200アミノ酸長、あるいは少なくとも約300アミノ酸長、又はそれ
以上である。
【0034】 ここに定義されるPROポリペプチドに対してここで同定されている「パーセ
ント(%)アミノ酸配列同一性」は、配列を整列させ、最大のパーセント配列同一
性を得るために必要ならば間隙を導入し、如何なる保存的置換も配列同一性の一
部と考えないとした、PROポリペプチドのアミノ酸残基と同一である候補配列
中のアミノ酸残基のパーセントとして定義される。パーセントアミノ酸配列同一
性を決定する目的のためのアラインメントは、当業者の技量の範囲にある種々の
方法、例えばBLAST、BLAST-2、ALIGN又はMegalign(DNASTAR)ソフトウエアのよう
な公に入手可能なコンピュータソフトウエアを使用することにより達成可能であ
る。当業者であれば、比較される配列の全長に対して最大のアラインメントを達
成するために必要な任意のアルゴリズムを含む、アラインメントを測定するため
の適切なパラメータを決定することができる。しかし、ここでの目的のためには
、%アミノ酸配列同一性値は、配列比較コンピュータプログラムALIGN-2を用い
て発生させ、ここでALIGN-2プログラムに対する完全なソースコードは以下の表
1に提供される。ALIGN-2配列比較コンピュータプログラムはジェネンテク社に
より作成され、以下の表1に示されたソースコードは、米国著作権庁、Washingt
on D.C., 20559にユーザー資料と共に提出されており、米国著作権登録番号TX
U510087で登録されている。ALIGN-2プログラムはジェネンテク社(South
San Francisco, California)を通じて公的に利用でき、以下の表1に提供され
るソースコードからコンパイルすることができる。ALIGN-2プログラムはUNIXオ
ペレーティングシステム、好ましくはデジタルUNIX V4.0Dでの使用のためにコン
パイルされなければならない。全ての配列比較パラメータはALIGN-2プログラム
により設定され、変動しない。
【0035】 この目的において、付与されたアミノ酸配列Bに対する、Bとの、又はBに対
抗する付与されたアミノ酸配列Aの%アミノ酸配列同一性(別に、付与されたア
ミノ酸配列Aが、付与されたアミノ酸配列Bに対する、Bとの、又はBに対抗す
る所定の%アミノ酸配列を有するか、又はこれを含むものとしても呼称すること
ができる)は、次の式: 分率X/Yの100倍 により算出され、ここで、Xは、A及びBのプログラム整列において、配列整列
プログラムALIGN-2に同一符合するとスコアされたアミノ酸残基の数であり、Y
はBのアミノ酸残基の全数である。アミノ酸配列Aの長さはアミノ酸配列Bの長
さとは等しくなく、Bに対するAの%アミノ酸配列同一性は、Aに対するBの%
アミノ酸配列同一性とは等しくないと認識されるであろう。%アミノ酸配列同一
性の算出例としては、図2A-2Bには、「PRO」と称されるアミノ酸配列に
対する、「比較タンパク質」と称されるアミノ酸配列の%アミノ酸配列同一性の
算出方法を示している。 特に記載しない場合は、ここで使用される全%アミノ酸配列同一性値は、ALIG
N-2配列比較コンピュータプログラムを使用して上述したようにして得られる。
しかしながら、%アミノ酸配列同一性は、配列比較プログラムNCBI-BLAST2(Alts
chulら, Nucleic Acids Res., 25:3389-3402(1997))を使用して決定することも
できる。NCBI-BLAST2配列比較プログラムは、http://www.ncbi.nlm.nih.govから
ダウンロードすることができる。NCBI-BLAST2はいくつかのサーチプログラムを
使用しており、その全てのサーチパラメータは、例えばアンマスク=yes、スト
ランド=all、予測発生値=10、最低複雑長さ=15/5、マルチパス e値=
0.01、マルチパス定数=25、最終間隙アラインメントのドロップオフ=2
5、スコアリングマトリクス=BLOSUM62を含むデフォルト値に設定される。
【0036】 アミノ酸配列比較においてNCBI-BLAST2が使用される状況では、付与されたア
ミノ酸配列Bに対する、Bとの、又はBに対抗する付与されたアミノ酸配列Aの
%アミノ酸配列同一性(別に、付与されたアミノ酸配列Aが、付与されたアミノ
酸配列Bに対する、Bとの、又はBに対抗する所定の%アミノ酸配列を有するか
、又はこれを含むものとしても呼称することができる)は、次の式: フラクションX/Yの100倍 により算出され、ここで、Xは、A及びBのプログラム整列において、配列整列
プログラムNCBI-BLAST2に同一符合するとスコアされたアミノ酸残基の数であり
、YはBのアミノ酸残基の全数である。アミノ酸配列Aの長さはアミノ酸配列B
の長さとは等しくなく、Bに対するAの%アミノ酸配列同一性は、Aに対するB
の%アミノ酸配列同一性とは等しくないと認識されるであろう。
【0037】 さらに、%アミノ酸配列同一性はWU-BLAST-2コンピュータプログラム(Altsch
ul等, Methods in Enzymology 266: 460-480 (1996))を使用して決定すること
もできる。殆どのWU-BLAST-2サーチパラメータは初期値に設定される。初期値に
設定されない、即ち調節可能なパラメータは以下の値に設定する:オーバーラッ
プスパン=1、オーバーラップフラクション=0.125、ワード閾値(T)=
11、及びスコアリングマトリクス=BLOSUM62。ここでの目的のために、%アミ
ノ酸配列同一性値は、(a)天然PROポリペプチドから誘導された配列を有す
る関心あるPROポリペプチドのアミノ酸配列と、関心ある比較アミノ酸配列(
即ち、関心あるPROポリペプチドが比較されるPROポリペプチド変異体であ
ってもよい配列)との間の、WU-BLAST-2で決定された一致する同一アミノ酸残基
の数を、(b)関心あるPROポリペプチドの残基の総数で割ることにより決定
される。例えば、「アミノ酸配列Bに対して少なくとも80%のアミノ酸配列同
一性を有する又は有しているアミノ酸配Aを含有するポリペプチド」という表示
は、アミノ酸配列Aが関心ある比較アミノ酸配列であり、アミノ酸配列Bが関心
あるPROポリペプチドのアミノ酸配列である。
【0038】 「PRO変異体ポリヌクレオチド」又は「PRO変異体核酸配列」とは、下記
に定義されるように、活性PROポリペプチドをコードする核酸分子であり、こ
こに開示する全長天然配列PROポリペプチド配列、ここに開示するシグナルペ
プチドを欠いた全長天然配列PROポリペプチド配列、シグナルペプチド有無の
ここに開示するPROポリペプチドの細胞外ドメイン、又はここに開示する全長
PROポリペプチド配列の他の任意の断片をコードする核酸配列と少なくとも8
0%の配列同一性を有する。通常は、PRO変異体ポリペプチドヌクレオチドは
、ここに開示する全長天然配列PROポリペプチド配列、ここに開示するシグナ
ルペプチドを欠いた全長天然配列PROポリペプチド配列、シグナルペプチドを
伴う又は伴わないここに開示するPROポリペプチドの細胞外ドメイン、又はこ
こに開示する全長PROポリペプチドの他の任意の断片をコードする核酸配列と
、少なくとも約80%の核酸配列同一性、好ましくあるいは少なくとも約81%
の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約82%の核酸配列同一性、あるいは少
なくとも約83%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約84%の核酸配列同
一性、あるいは少なくとも約85%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約8
6%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約87%の核酸配列同一性、あるい
は少なくとも約88%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約89%の核酸配
列同一性、あるいは少なくとも約90%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも
約91%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約92%の核酸配列同一性、あ
るいは少なくとも約93%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約94%の核
酸配列同一性、あるいは少なくとも約95%の核酸配列同一性、あるいは少なく
とも約96%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約97%の核酸配列同一性
、あるいは少なくとも約98%の核酸配列同一性、そして、あるいは少なくとも
約99%の核酸配列同一性を有している。変異体は、天然ヌクレオチド配列を含
まない。
【0039】 通常は、PRO変異体ポリヌクレオチドは、少なくとも約30ヌクレオチド長
、あるいは少なくとも約60ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約90ヌクレ
オチド長、あるいは少なくとも約120ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約
150ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約180ヌクレオチド長、あるいは
少なくとも約210ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約240ヌクレオチド
長、あるいは少なくとも約270ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約300
ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約450ヌクレオチド長、あるいは少なく
とも約600ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約900ヌクレオチド長、又
はそれ以上である。
【0040】 ここで同定されるPROコード化核酸配列に対する「パーセント(%)核酸配列
同一性」は、配列を整列させ、最大のパーセント配列同一性を得るために必要な
らば間隙を導入し、PRO配列のヌクレオチドと同一である候補配列中のヌクレ
オチドのパーセントとして定義される。パーセント核酸配列同一性を決定する目
的のためのアラインメントは、当業者の知る範囲にある種々の方法、例えばBLAS
T、BLAST-2、ALIGN又はMegalign(DNASTAR)ソフトウエアのような公に入手可能な
コンピュータソフトウエアを使用することにより達成可能である。しかしながら
、ここにおける目的のために、パーセント(%)核酸配列同一性値は、下記に示さ
れているように配列比較コンピュータープログラムALIGN-2を使用することで得
られ、ALIGN-2プログラムのための完全なソースコードは表1に提供されている
。ALIGN-2配列比較コンピュータプログラムはジェネンテク社によって作成され
、表1に示したソースコードは米国著作権事務所, Washington D.C., 20559に使
用者用書類とともに提出され、米国著作権登録番号TXU510087の下へ登録されて
いる。ALIGN-2プログラムはジェネンテク社、South San Francisco, California
から好適に入手可能であり、また表1に与えたソースコードからコンパイルして
もよい。ALIGN-2プログラムは、UNIXオペレーティングシステム、好ましくはデ
ジタルUNIX V4.0Dでの使用のためにコンパイルされる。全ての配列比較パラメー
タは、ALIGN-2プログラムによって設定され変動しない。
【0041】 ここでの目的のためには、与えられた核酸配列Cの、与えられた核酸配列Dと
の、又はそれに対する%核酸配列同一性(あるいは、与えられた核酸配列Dと、
又はそれに対して或る程度の%核酸配列同一性を持つ又は含む与えられたアミノ
酸配列Cと言うこともできる)は次のように計算される: 分率W/Zの100倍 ここで、Wは配列アラインメントプログラムALIGN-2のC及びDのアラインメン
トによって同一であると一致したスコアのヌクレオチドの数であり、ZはDの全
ヌクレオチド数である。核酸配列Cの長さが核酸配列Dの長さと異なる場合、C
のDに対する%核酸配列同一性は、DのCに対する%核酸配列同一性とは異なる
ことは理解されるであろう。この方法を用いた%核酸配列同一性の計算の例とし
て、表2C-2Dは、「比較DNA」と称される核酸配列の「PRO-DNA」と
称される核酸配列に対する%核酸配列同一性の計算方法を示す。
【0042】 特に断らない限りは、ここでの全ての%核酸配列同一性値は上記のようにALIG
N-2配列比較コンピュータプログラムを用いて得られる。しかしながら、%核酸
配列同一性は、配列比較プログラムNCBI-BLAST2(Altschul等, Nucleic Acids R
es. 25: 3389-3402 (1997))を用いて決定してもよい。NCBI-BLAST2配列比較プ
ログラムは、http://ww.ncbi.nlm.nih.govからダウンロードできる。NCBI-BLAST
2は幾つかの検索パラメータを使用し、それら検索パラメータの全ては初期値に
設定され、例えば、unmask=可、鎖=全て、予測される発生=10、最小低複合
長=15/5、マルチパスe-値=0.01、マルチパスの定数=25、最終ギ
ャップアラインメントのドロップオフ=25、及びスコアリングマトリクス=BL
OSUM62を含む。 配列比較にNCBI-BLAST2が用いれれる状況では、与えられた核酸配列Cの、与
えられた核酸配列Dとの、又はそれに対する%核酸配列同一性(あるいは、与え
られた核酸配列Dと、又はそれに対して或る程度の%核酸配列同一性を持つ又は
含む与えられた核酸配列Cと言うこともできる)は次のように計算される: 分率W/Zの100倍 ここで、Wは配列アラインメントプログラムNCBI-BLAST2のC及びDのアライン
メントによって同一であると一致したスコアのヌクレオチドの数であり、ZはD
の全ヌクレオチド数である。核酸配列Cの長さが核酸配列Dの長さと異なる場合
、CのDに対する%核酸配列同一性は、DのCに対する%核酸配列同一性とは異
なることは理解されるであろう。
【0043】 さらに、%核酸配列同一性値は、WU-BLAST-2コンピュータプログラム(Altsch
ul等, Methods in Enzymology 266: 460-480 (1996))を用いて決定してもよい
。殆どのWU-BLAST-2検索パラメータは初期値に設定される。初期値に設定されな
い、即ち調節可能なパラメータは以下の値に設定する:オーバーラップスパン=
1、オーバーラップフラクション=0.125、ワード閾値(T)=11、及び
スコアリングマトリクス=BLOSUM62。ここでの目的のために、%核酸配列同一性
値は、(a)天然配列PROポリペプチドコード化核酸から誘導された配列を有
する対象とするPROポリペプチドコード化配列の核酸配列と、対象とする比較
核酸分子(即ち、対象とするPROポリペプチドコード化核酸分子の配列が比較
される変異体ポリヌクレオチドであってもよい配列)との間の、WU-BLAST-2によ
って決定した一致する同一ヌクレオチドの数を、(b)対象とするPROポリペ
プチドコード化核酸のヌクレオチドの総数で除した商によって決定される。例え
ば、「核酸配列Bに対して少なくとも80%の核酸配列同一性を持つ又は持って
いる核酸配列Aを含んでなる単離された核酸分子」という表現では、核酸配列A
が対象とする比較核酸配列であり、核酸配列Bが対象とするPROポリペプチド
コード化核酸分子の核酸配列である。
【0044】 他の実施態様では、PRO変異体ポリヌクレオチドは、活性PROポリペプチ
ドをコードする核酸分子であり、好ましくは緊縮性ハイブリッド形成及び洗浄条
件下で、添付している図面(figure)に示す全長PROポリペプチドをコードする
ヌクレオチド配列にハイブリッド形成できる。PRO変異体ポリペプチドは、P
RO変異体ポリヌクレオチドにコードされるものであってもよい。 「陽性(ポジティブ)」という用語は、上記のように実施された配列比較の中
で、比較された配列において同一ではないが類似の特性を有している残基を含む
。対象とするアミノ酸残基に対してポジティブ値のスコアとされるアミノ酸残基
は、対象とするアミノ酸残基と同一であるか、又は対象とするアミノ酸残基の(
下記の表3で特定するように)好ましい置換とされるものである。
【0045】 ここでの目的のために、与えられたアミノ酸配列Aの、与えられたアミノ酸配
列Bとの、又はそれに対する%ポジティブ値(あるいは、与えられたアミノ酸配
列Bと、又はそれに対して或る程度の%ポジティブを持つ又は含む与えられたア
ミノ酸配列Aと言うこともできる)は次のように計算される: 分率X/Yの100倍 ここで、Xは配列アラインメントプログラムALIGN-2のA及びBのアラインメン
トによってポジティブであるとのスコアのアミノ酸残基の数であり、YはBの全
アミノ酸残基数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと異なる
場合、AのBに対する%ポジティブは、BのAに対する%ポジティブとは異なる
ことは理解されるであろう。
【0046】 「単離された」とは、ここで開示された種々のポリペプチドを記述するために
使用するときは、その自然環境の成分から同定され分離され及び/又は回収され
たポリペプチドを意味する。その自然環境の汚染成分とは、ポリペプチドの診断
又は治療への使用を典型的には妨害する物質であり、酵素、ホルモン、及び他の
タンパク質様又は非タンパク質様溶質が含まれる。好ましい実施態様において、
ポリペプチドは、(1)スピニングカップシークエネーターを使用することにより
、少なくとも15のN末端あるいは内部アミノ酸配列の残基を得るのに充分なほ
ど、あるいは、(2)クーマシーブルーあるいは好ましくは銀染色を用いた非還元
あるいは還元条件下でのSDS-PAGEによる均一性が得られるように充分な
ほど精製される。PRORの自然環境の少なくとも1つの成分が存在しないため
、単離されたポリペプチドには、組換え細胞内のインサイツのポリペプチドが含
まれる。しかしながら、通常は、単離されたポリペプチドは少なくとも1つの精
製工程により調製される。
【0047】 PROポリペプチドをコードしている「単離された」核酸分子、又は抗PRO
抗体をコードしている「単離された」核酸分子は、同定され、ポリペプチド核酸
の天然供給源に通常付随している少なくとも1つの汚染核酸分子から分離された
核酸分子である。好ましくは、天然に付随するすべての組成物が無いものである
。単離されたPROコード化核酸分子又は抗PROコード化核酸分子は、天然に
見出される形態あるいは設定以外のものである。従って、 単離された核酸分子
は、天然の細胞中に存在するPROコード化核酸分子又は抗PROコード化核酸
分子とは区別される。しかし、PROポリペプチドをコードしている単離された
核酸分子、又は抗PRO抗体をコードしている単離された核酸分子は、通常はP
ROポリペプチド又は抗PRO抗体を発現する細胞に包含されているPRO核酸
分子又は抗PRO核酸分子を含み、その核酸分子は、例えば、核酸分子が天然の
細胞のものとは異なった染色体位置にある。
【0048】 「コントロール配列」という表現は、特定の宿主生物において作用可能に結合
されたコード配列を発現するために必要なDNA配列を指す。例えば原核生物に
好適な対照配列は、プロモーター、場合によってはオペレータ配列、及びリボソ
ーム結合部位を含む。真核生物の細胞は、プロモーター、ポリアデニル化シグナ
ル及びエンハンサーを利用することが知られている。 核酸は、他の核酸配列と機能的な関係にあるときに「作用可能に結合され」て
いる。例えば、プレ配列あるいは分泌リーダーのDNAは、ポリペプチドの分泌
に寄与するプレタンパク質として発現されているならそのポリペプチドのDNA
に作用可能に結合されている;プロモーター又はエンハンサーは、配列の転写に
影響を及ぼすならばコード配列に作用可能に結合されている;又はリボソーム結
合部位は、もしそれが翻訳を容易にするような位置にあるならコード配列と作用
可能に結合されている。一般的に、「作用可能に結合される」とは、結合された
DNA配列が近接しており、分泌リーダーの場合には近接していて読みフェーズ
にある。しかし、エンハンサーは必ずしも近接しているわけではない。結合は簡
便な制限部位でのライゲーションにより達成される。そのような部位が存在しな
い場合は、通常の手法にしたがって、合成されたオリゴヌクレオチドアダプター
あるいはリンカーが使用される。
【0049】 「抗体」という用語は最も広い意味において使用され、特に単一の抗PROモ
ノクローナル抗体(アゴニスト、アンタゴニスト、及び中和抗体を含む)、及び多
エピトープ特異性を持つ抗PRO抗体組成物を包含している。ここで使用される
「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均一な抗体の集団から得られる
抗体を称する、すなわち、集団を構成する個々の抗体が、少量存在しうる自然に
生じる可能な突然変異を除いて同一である。 ハイブリッド形成反応の「緊縮性」は、当業者によって容易に決定され、一般
的にプローブ長、洗浄温度、及び塩濃度に依存する経験的な計算である。一般に
、プローブが長くなると適切なアニーリングのための温度が高くなり、プローブ
が短くなると温度は低くなる。ハイブリッド形成は、一般的に、相補的鎖がその
融点に近いがそれより低い環境に存在する場合における変性DNAの再アニール
する能力に依存する。プローブとハイブリッド形成可能な配列との間の所望の相
同性の程度が高くなると、使用できる相対温度が高くなる。その結果、より高い
相対温度は、反応条件をより緊縮性にするが、低い温度は緊縮性を低下させる。
さらに、緊縮性は塩濃度に逆比例する。ハイブリッド形成反応の緊縮性の更なる
詳細及び説明は、Ausubelら, Current Protocols in Molecular Biology, Wiley
Interscience Publishers, (1995)を参照のこと。
【0050】 ここで定義される「緊縮性条件」は、(1)洗浄のために低イオン強度及び高
温度、例えば、50℃において0.015Mの塩化ナトリウム/0.0015M
のクエン酸ナトリウム/0.1%のドデシル硫酸ナトリウムを用いるもの;(2
)ハイブリッド形成中にホルムアミド等の変性剤、例えば、42℃において50
%(vol/vol)ホルムアミドと0.1%ウシ血清アルブミン/0.1%フィコー
ル/0.1%のポリビニルピロリドン/50mMのpH6.5のリン酸ナトリウ
ムバッファー、及び750mMの塩化ナトリウム、75mMクエン酸ナトリウム
を用いるもの;(3)42℃における50%ホルムアミド、5xSSC(0.7
5MのNaCl、0.075Mのクエン酸ナトリウム)、50mMのリン酸ナト
リウム(pH6.8)、0.1%のピロリン酸ナトリウム、5xデンハード液、
超音波処理サケ精子DNA(50μg/ml)、0.1%SDS、及び10%の
デキストラン硫酸と、42℃における0.2xSSC(塩化ナトリウム/クエン
酸ナトリウム)中の洗浄及び55℃でのホルムアミド、次いで55℃におけるE
DTAを含む0.1xSSCからなる高緊縮性洗浄を用いるものによって同定さ
れる。 「中程度の緊縮性条件」は、Sambrookら, Molecular Cloning: A Laboratory
Manual (New York: Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989)に記載されて
いるように同定され、上記の緊縮性より低い洗浄溶液及びハイブリッド形成条件
(例えば、温度、イオン強度及び%SDS)の使用を含む。中程度の緊縮性条件
は、20%ホルムアミド、5xSSC(150mMのNaCl、15mMのクエ
ン酸三ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH7.6)、5xデンハー
ド液、10%デキストラン硫酸、及び20mg/mlの変性剪断サケ精子DNA
を含む溶液中の37℃での終夜インキュベーション、次いで1xSSC中37−
50℃でのフィルターの洗浄といった条件である。当業者であれば、プローブ長
などの因子に適合させる必要に応じて、どのようにして温度、イオン強度等を調
節するかを認識するであろう。
【0051】 「エピトープタグ」なる用語は、ここで用いられるときは、「タグポリペプチ
ド」に融合したPROポリペプチド、又はそれらのドメイン配列を含んでなるキ
メラポリペプチドを指す。タグポリペプチドは、その抗体が産生され得るエピト
ープ、又は幾つかの他の試薬によって同定できるエピトープを提供するに十分な
数の残基を有しているが、その長さは対象とするPROポリペプチドの活性を阻
害しないよう充分に短い。また、タグポリペプチドは、好ましくは、抗体が他の
エピトープと実質的に交差反応をしないようにかなり独特である。適切なタグポ
リペプチドは、一般に、少なくとも6のアミノ酸残基、通常は約8〜約50のア
ミノ酸残基(好ましくは約10〜約20の残基)を有する。 ここで意図している「活性な」及び「活性」とは、天然又は天然発生PROポ
リペプチドの生物学的及び/又は免疫学的活性を保持するPROの形態を意味し
、「生物学的」活性とは、天然又は天然発生PROによって生ずる(阻害性又は
刺激性の)生物学的機能であって、天然又は天然発生PROが有する抗原性エピ
トープに対して抗体を生成する能力を除くものを意味し、「免疫学的」活性とは
、天然又は天然発生PROが有する抗原性エピトープに対して抗体を生成する能
力を意味する。
【0052】 ここに開示されるスクリーニングアッセイによって同定できる抗体又は他のア
ンタゴニスト分子(例えば、有機又は無機小分子、ペプチド等)の文脈における
「生物学的活性」は、それらの分子がここに同定される増幅された遺伝子にコー
ドされるペプチドと結合又は複合体形成する能力、又はコード化ポリペプチドと
他の細胞性タンパク質との相互作用を妨害する能力、又はPROポリペプチドの
転写又は翻訳を妨害する能力を指す。好ましい生物学的活性は、標的細胞の成長
阻害である。他の好ましい生物学的活性は、標的腫瘍細胞の死をもたらす細胞毒
性活性である。 PROポリペプチドの文脈における「生物学的活性」という用語は、PROポ
リペプチドが腫瘍形成細胞成長又は制御されない細胞成長を誘発する能力を意味
する。
【0053】 「免疫学的活性」という語は、PROポリペプチドの少なくとも1つのエピト
ープとの免疫学的交差反応性を意味する。 ここで用いられる「免疫学的交差反応性」とは、候補ポリペプチドが、この活
性を持つPROポリペプチドの定性的生物学的活性を、周知の活性PROポリペ
プチドに対して生じたポリクローナル抗血清と競合的に阻害できることを意味す
る。そのような抗血清は、例えばヤギ又はウサギに、完全フロイントアジュバン
ト中の周知の活性類似物を皮下注射し、次いで不完全フロイント中で腹膜内又は
皮下に追加免疫することにより従来の方法で調製される。免疫学的交差反応性は
好ましくは「特異的」であり、これは同定される免疫学的交差反応性分子(例え
ば抗体)の対応するPROポリペプチドに対する結合親和性が、その分子の他の
任意の知られた天然ポリペプチドに対する結合親和性より有意に高い(好ましく
は少なくとも約2倍、より好ましくは少なくとも約4倍、さらにより好ましくは
少なくとも約8倍、最も好ましくは少なくとも約10倍高い)ことを意味する。
【0054】 「アンタゴニスト」なる用語は最も広い意味で用いられ、ここに開示した天然
PROポリペプチドの生物学的活性又はその転写又は翻訳を全体的又は部分的に
阻止、阻害、又は中和する任意の分子を含む。好適なアンタゴニスト分子は特に
、アンタゴニスト抗体又は抗体断片、断片、ペプチド、有機小分子、アンチセン
ス核酸などを含む。PROポリペプチドのアンタゴニストの同定方法は、候補ア
ンタゴニスト分子と接触させ、PROポリペプチドに通常付随する一又は複数の
生物学的活性の変化を測定することを含みうる。 「小分子」は、ここで約500ダルトン未満の分子量を有すると定義される。 「抗体」(Abs)及び「免疫グロブリン」(Igs)は同じ構造的特徴を持
つ糖タンパク質である。抗体は特定の抗原に対する特異性を示すが、免疫グロブ
リンは抗体及び抗原特異性を持たない他の抗体様分子の両方を含む。後者の種類
のポリペプチドは、例えば、リンパ系によって低レベルで、ミエローマによって
向上したレベルで生産される。「抗体」という用語は最も広い意味で使用され、
限定されることなく、無傷のモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なく
とも2つの無傷の抗体から形成される多重特異的抗体(例えば二重特異的抗体)
、及びそれらが所望の生物学的活性を有している限り抗体断片を包含する。
【0055】 「天然抗体」及び「天然免疫グロブリン」は、通常、2つの同一の軽(L)鎖及
び2つの同一の重(H)鎖からなる、約150,000ダルトンの異種四量体糖タ
ンパク質である。各軽鎖は一つの共有ジスルフィド結合により重鎖に結合してお
り、ジスルフィド結合の数は、異なった免疫グロブリンアイソタイプの重鎖の中
で変化する。また各重鎖と軽鎖は、規則的に離間した鎖間ジスルフィド架橋を有
している。各重鎖は、多くの定常ドメインが続く可変ドメイン(V)を一端に有
する。各軽鎖は、一端に可変ドメイン(V)を、他端に定常ドメインを有し;軽
鎖の定常ドメインは重鎖の第一定常ドメインと整列し、軽鎖の可変ドメインは重
鎖の可変ドメインと整列している。特定のアミノ酸残基が、軽鎖及び重鎖可変ド
メイン間の界面を形成すると考えられている。
【0056】 「可変」という用語は、可変ドメインのある部位が、抗体の中で配列が広範囲
に異なっており、その特定の抗原に対する各特定の抗体の結合性及び特異性に使
用されているという事実を意味する。しかしながら、可変性は抗体の可変ドメイ
ンにわたって一様には分布していない。軽鎖及び重鎖の可変ドメインの両方の高
頻度可変領域又は相補性決定領域(CDRs)と呼ばれる3つ又は4つののセグメ
ントに濃縮される。可変ドメインのより高度に保持された部分はフレームワーク
領域(FR)と呼ばれる。天然の重鎖及び軽鎖の可変ドメインは、βシート構造を
結合し、ある場合にはその一部を形成するループ結合を形成する、CDRにより
連結されたβシート配置を主にとる4つ又5つのFR領域をそれぞれ含んでいる
。各鎖のCDRは、FRにより近接して結合せしめられ、他の鎖のCDRと共に
、抗体の抗原結合部位の形成に寄与している(Kabatら, NIH Publ. No.91-3242,
Vol.I, 647-669頁[1991]を参照のこと)。定常ドメインは、抗体の抗原への結合
に直接関連しているものではないが、種々のエフェクター機能、例えば抗体依存
性細胞毒性活性への抗体の関与を示す。
【0057】 ここで使用される場合、「高頻度可変領域」なる用語は、抗原結合性を生じる
抗体のアミノ酸残基を意味する。高頻度可変領域は「相補性決定領域」又は「C
DR」からのアミノ酸残基(すなわち、軽鎖可変ドメインの残基24−34(L1
)、50−56(L2)及び89-97(L3)及び重鎖可変ドメインの31−35(
H1)、50−65(H2)及び95−102(H3);Kabatら, Sequences of Pro
teins of Immunological Interest,5版, Public Health Service, National In
stitutes of Health, Bethesda, MD.(1991))又は「高頻度可変ループ」からの
残基(すなわち、軽鎖可変ドメインの残基26−32(L1)、50−52(L2)
及び91−96(L3)及び重鎖可変ドメインの残基26−32(H1)、53−5
5(L2)及び96−101(L3);Chothia及びLesk J.Mol.Biol. 196:901-917 (
1987))を含んでなる。「フレームワーク」又は「FR」残基はここに定義した高
頻度可変領域残基以外の可変ドメイン残基である。
【0058】 「抗体断片」は、未変性の抗体の一部、好ましくは未変性の抗体の抗原結合又
は可変領域を含む。抗体断片の例は、Fab、Fab'、F(ab')、及びFv
断片;ダイアボディ(diabody);直鎖状抗体(Zapataら, Protein Eng. 8(10): 1
057-1062 [1995]);一本鎖抗体分子;及び抗体断片から形成される多重特異的
抗体を含む。 抗体のパパイン消化は、「Fab」断片と呼ばれ、各々単一の抗原結合部位を
持つ2つの同一な抗原結合断片、及び残りの「Fc」断片、その名称は容易に結
晶化する能力を反映している、を生成する。ペプシン処理により、2つの抗原結
合部位を有するが、交差結合抗原であり得るF(ab')断片が生成される。 「Fv」は、完全な抗原認識及び結合部位を含む最小抗体断片である。この領
域は、緊密に非共有的に結合した1つの重鎖と1つの軽鎖の二量体からなる。こ
の配置では、V−V二量体の表面における抗原結合部位を決定するために各
可変領域の3つのCDRが相互作用する。正確には、6つのCDRが抗体に抗原
結合特異性を与える。しかし、単一の可変ドメイン(又は抗原特異的な3つのC
DRしか含まないFvの半分)でさえも抗原を認識し結合する能力を持つが、結
合部位全体よりは親和性が低い。
【0059】 また、Fab断片は軽鎖の定常ドメイン及び重鎖の第1の定常ドメイン(CH
1)も含む。Fab断片は、抗体ヒンジ領域から,の1つ又は複数のシステイン
を含む重鎖CH1ドメインのカルボキシル末端における数個の残基の付加により
Fab断片と相違する。Fab'-SHは、ここにおいて、定常ドメインのシステ
イン残基が遊離のチオール基を持つFab'の記号である。F(ab')抗体断片
は、元々、それら,の間にヒンジシステインを持つFab'断片の対として生成
された。抗体断片の他の化学的結合も知ら,れている。 任意の種からの抗体(免疫グロブリン)の「軽鎖」は、それらの定常ドメイン
のアミノ酸配列に基づいて、カッパ(κ)及びラムダ(λ)と呼ばれる1つ又は
2つの明らかに異なる型に分類できる。 それらの重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、免疫グロブリンは異
なるクラスに分けられる。免疫グロブリンの5つの主要なクラス:IgA、Ig
D、IgE、IgG、及びIgMがあり、これらの幾つかは、更にサブクラス(
アイソタイプ)、例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA及び
IgA2に分けられる。異なるクラスの免疫グロブリンに対応する重鎖定常ドメ
インは、各々α、δ、ε、γ、及びμと呼ばれる。異なるクラスの免疫グロブリ
ンのサブユニット構造及び三次元配置は良く知られている。
【0060】 ここで使用される「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均一な抗体
の集団から得られる抗体を意味する、すなわち、集団を構成する個々の抗体が、
少量存在しうる自然に生じる可能な突然変異を除いて同一である。モノクローナ
ル抗体は高度に特異的であり、一つの抗原部位に対応する。更に、異なる決定基
(エピトープ)に対応する異なる抗体を典型的に含む通常の(ポリクローナル)抗
体とは異なり、各モノクローナル抗体は抗原の単一の決定基に対応する。その特
異性に加えて、モノクローナル抗体は、他の免疫グロブリンによって汚染されて
いないハイブリドーマ培養から合成される点で優れている。「モノクローナル」
との形容は、実質的に均一な抗体集団から得られたという抗体の性質を示し、抗
体を何か特定の方法で生産しなければならないことを意味するものではない。例
えば、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体は、最初にKohler ほかに
よってネイチャー(256:495 (1975))に掲載されたハイブリドーマ法によって作
ることができ、あるいは組換えDNA法(例えば米国特許第4,816,567号を参照の
こと)によって作ることができる。「モノクローナル抗体」は例えばClackson ら
,(624-628 (1991))及びMarksら,(J. Mol. Biol. 222:581-597 (1991))に
記載された技術を用いてファージ抗体ライブラリから単離してもよい。
【0061】 ここで、モノクローナル抗体は、重鎖及び/又は軽鎖の一部が特定の種由来の
抗体あるいは特定の抗体クラス又はサブクラスに属する抗体の対応する配列と同
一であるか相同であり、鎖の残りの部分は他の種由来の抗体あるいは他の抗体ク
ラスあるいはサブクラスに属する抗体の対応する配列と同一であるか相同である
「キメラ」抗体(免疫グロブリン)、並びにそれが所望の生物的活性を有する限
りそれら抗体の断片を特に含む(Cabilly ら, 前掲; Morrison ほか, Proc. Nat
l. Acad. Sci. USA, 81:6851-6855 (1984))。
【0062】 非ヒト(例えばマウス)抗体の「ヒト化」形とは、キメラ免疫グロブリン、免
疫グロブリン鎖あるいは断片(例えばFv、Fab、Fab’、F(ab')ある
いは抗体の他の抗原結合配列)であって、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小
配列を含むものである。大部分においてヒト化抗体はレシピエントの相補性決定
領域(CDR)の残基が、マウス、ラット又はウサギのような所望の特異性、親
和性及び能力を有する非ヒト(ドナー抗体)のCDRの残基によって置換された
ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。ある場合には、ヒト免疫グロ
ブリンのFvフレームワーク領域(FR)残基は、対応する非ヒト残基によって置
換されている。更に、ヒト化抗体は、レシピエント抗体にも、移入されたCDR
もしくはフレームワーク配列にも見出されない残基を含んでもよい。これらの変
更は抗体の特性を更に洗練し、最適化するために行われる。一般に、ヒト化抗体
は、全てあるいはほとんど全てのCDR領域が非ヒト免疫グロブリンのものに対
応し、全てあるいはほとんど全てのFR領域がヒト免疫グロブリン配列のもので
ある、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含む。
ヒト化抗体は、最適には免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的にはヒトの免
疫グロブリンの定常領域の少なくとも一部を含んでなる。更なる詳細については
、Jones ほか, Nature, 321:522-525 (1986); Reichmann ら, Nature, 332:323-
329 (1988); 及びPresta, Curr. Op Struct. Biol., 2:593-596 (1992)を参照さ
れたい。ヒト化抗体は、抗体の抗原結合領域が対象抗体でマカクザルを免疫化す
ることにより生産された抗体から由来するプリマタイズしたPrimatized(商品名
)抗体を含む。
【0063】 「一本鎖Fv」又は「sFv」抗体断片は抗体のV及びVドメインを含み
、これらのドメインは一本鎖ポリペプチド鎖に存在する。好ましくは、Fvポリ
ペプチドはV及びVドメインの間にポリペプチドリンカーを更に含み、sF
vを結合させて抗原結合に望ましい構造を形成してもよい。sFVの概説につい
ては、The Pharmacology of Monoclonal Antibodies, vol.113, Rosenburg and
Mooreeds., Spring-Verlag, New York, pp.269-315 (1994)のPluckthunを参照さ
れたい。 「ダイアボディ」なる用語は、2つの抗原結合部位を持つ小さな抗体断片を意
味し、これらの断片は同じポリペプチド鎖中に軽鎖可変ドメイン(V)に結合
した重鎖可変領域(V)を含む(V−V)。同じ鎖における2つのドメイ
ン間に対を形成するには短すぎるリンカーを用いると、ドメインは他の鎖の相補
的ドメインと強制的に対をなし、2つの抗原結合部位を生成する。ダイアボディ
は、例えばEP404,097; WO 93/11161; 及び Hollinger等, Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA, 90: 6444-6448 (1993)により完全に記載されている。
【0064】 「単離された」抗体とは、その自然環境の成分から同定され分離され及び/又
は回収されたものを意味する。その自然環境の汚染成分とは、抗体の診断又は治
療への使用を妨害する物質であり、酵素、ホルモン、及び他の非タンパク質様溶
質が含まれる。好ましい実施態様において、抗体は、(1)ローリー(Lowry)法に
よって決定した場合95重量%以上の、最も好ましくは99重量%の抗体まで、
(2)スピニングカップシークエネーターを使用することにより、少なくとも1
5のN末端あるいは内部アミノ酸配列の残基を得るのに充分な程度まで、あるい
は(3)クーマシーブルーあるいは好ましくは銀染色を用いた還元又は非還元条件
下でのSDS-PAGEによる均一性まで精製される。単離された抗体には、組
換え細胞内のインサイツの抗体が含まれるが、これは抗体の自然環境の少なくと
も1つの成分が存在しないからである。しかしながら、通常は、単離された抗体
は少なくとも1つの精製工程により調製される。
【0065】 「標識」という語は、ここで用いられる場合、抗体に直接的又は間接的に結合
して「標識化」抗体を生成する検出可能な化合物又は組成物を意味する。標識は
それ自身によって検出可能でもよく(例えば、放射性同位体標識又は蛍光標識)
、あるいは、酵素標識の場合には、検出可能な基質化合物又は組成物の化学的変
換を触媒してもよい。検出可能な標識として機能する放射性核種は、例えば,I
−131、I−123、I−125、Y−90、Re−188、Re−186、
At−211、Cu−67、Bi−212、及びPd−109を含む。また、標
識は、毒素のような非検出可能な物質でも良い。 「固相」とは、本発明の抗体が接着できる非水性マトリクスを意味する。ここ
に包含される固相の例は、部分的又は全体的にガラス(例えば、孔の制御された
ガラス)、ポリサッカリド(例えばアガロース)、ポリアクリルアミド、ポリス
チレン、ポリビニルアルコール及びシリコーンで形成されたものを含む。或る実
施態様では、前後関係に応じて、固相はアッセイ用プレートのウェル;その他で
は精製用カラム(例えばアフィニティクロマトグラフィカラム)を含むことがで
きる。また、この用語は、米国特許第4,275,149号に記載されたような別々の粒
子の不連続な固体相も含む。
【0066】 「リポソーム」は、哺乳動物への薬物(PROポリペプチド又はそれらに対す
る抗体、場合によっては化学治療薬)の送達に有用な、脂質、リン脂質及び/又
は界面活性剤を含む種々の型の小さな小胞である。リポソームの成分は、通常は
生物学的メンバーの脂質配列に類似した2層構造に配列される。 ここで用いるように、「イムノアドヘシン」という用語は、免疫部ロブリン定
常ドメインのエフェクター機能を持つ異種タンパク質(「アドヘシン」)の結合
特異性を付与した抗体様分子を指す。構造的には、イムノアドヘシンは抗体の抗
原認識及び結合部位以外の所望の結合特異性を持つアミノ酸配列(即ち「異種」
)と免疫グロブリン定常ドメイン配列との融合物である。イムノアドヘシン分子
のアドへシン部分は、典型的には少なくともレセプター又はリガンドの結合部位
を含む近接アミノ酸配列である。イムノアドヘシンの免疫グロブリン定常ドメイ
ン配列は、IgG-1、IgG-2、IgG-3、又はIgG-4サブタイプ、Ig
A(IgA-1及びIgA-2を含む)、IgE、IgD又はIgMなどの任意の
免疫グロブリンから得ることができる。
【0067】 下記に示すように、表1はALIGN-2配列比較コンピュータープログラムのため
の完全なソースコードを提供する。このソースコードは、ALIGN-2配列比較コン
ピュータープログラムを提供するために、UNIXオペレーテイングシステムで
の利用のため日常的にコンパイルされても良い。 さらに、表2A-2Dは、ALIGN-2配列比較コンピュータプログラムを用いた%
アミノ酸配列同一性(表2A-2B)及び%核酸配列同一性(表2C-2D)を決
定するために下記の方法を使用した仮説的例示を示す図であり、「PRO」は対
象とする仮説的PROポリペプチドのアミノ酸配列を示し、「比較タンパク質」
は対象とする「PRO」ポリペプチドが比較されるポリペプチドのアミノ酸配列
を示し、「PRO-DNA」は対象とする仮説的PROXXX-又はPROXXX
-コード化核酸配列を示し、「比較DNA」は対象とする「PRO-DNA」核酸
分子が比較される核酸分子のヌクレオチド配列を示し、「X」、「Y」及び「Z
」は各々異なる仮説的アミノ酸残基を示し、「N」、「L」及び「V」は各々異
なる仮説的ヌクレオチドを示す。
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】 II. 本発明の組成物と方法 A.全長PROポリペプチド 本発明は、本出願でPROポリペプチドと呼ばれるポリペプチドをコードする
新規に同定され単離された核酸配列を提供する。特に下記の実施例でさらに詳細
に説明するように、種々のPROポリペプチドをコードするcDNAが同定され
単離された。別々の発現ラウンドで生成されたタンパク質には異なるPRO番号
が与えられるが、UNQ番号は全ての与えられたDNA及びコード化タンパク質
に独特であり、変わることはないことを記しておく。しかしながら、単純化のた
めに、本明細書において、ここに開示した全長天然核酸分子にコードされるタン
パク質並びに上記のPROポリペプチドの定義に含まれるさらなる天然相同体及
び変異体は、それらの起源又は調製形式に関わらず、「PRO」で呼称する。 下記の実施例に開示するように、種々のcDNAクローンがATCCに寄託さ
れている。これらのクローンの正確なヌクレオチド配列は、この分野で日常的な
方法を用いて寄託されたクローンを配列決定することにより容易に決定すること
ができる。予測されるアミノ酸配列は、ヌクレオチド配列から常套的技量を用い
て決定できる。ここに記載したPROポリペプチド及びコード化核酸について、
本出願人は、現時点で入手可能な配列情報と最も良く一致するリーディングフレ
ームであると考えられるものを同定した。
【0090】 B.PROポリペプチド変異体 ここに記載した全長天然配列PROポリペプチドに加えて、PRO変異体も調
製できると考えられる。PRO変異体は、PROポリペプチドDNAに適当なヌ
クレオチド変化を導入することにより、あるいは所望のPROポリペプチドを合
成することにより調製できる。当業者は、グリコシル化部位の数又は位置の変化
あるいは膜固着特性の変化などのアミノ酸変化がPROポリペプチドの翻訳後プ
ロセスを変えうることを理解するであろう。
【0091】 天然全長配列PRO又はここに記載したPROポリペプチドの種々のドメイン
における変異は、例えば、米国特許第5,364,934号に記載されている保存的及び
非保存的変異についての任意の技術及び指針を用いてなすことができる。変異は
、結果として天然配列PROと比較してPROポリペプチドのアミノ酸配列が変
化するPROポリペプチドをコードする一又は複数のコドンの置換、欠失又は挿
入であってよい。場合によっては、変異は少なくとも1つのアミノ酸のPROポ
リペプチドの一又は複数のドメインの任意の他のアミノ酸による置換である。い
ずれのアミノ酸残基が所望の活性に悪影響を与えることなく挿入、置換又は欠失
されるかの指針は、PROポリペプチドの配列を相同性の知られたタンパク質分
子の配列と比較し、相同性の高い領域内でなされるアミノ酸配列変化を最小にす
ることによって見出される。アミノ酸置換は、一のアミノ酸の類似した構造及び
/又は化学特性を持つ他のアミノ酸での置換、例えばロイシンのセリンでの置換
、即ち保存的アミノ酸置換の結果とすることができる。挿入及び欠失は、場合に
よっては1から5のアミノ酸の範囲内とすることができる。許容される変異は、
配列においてアミノ酸の挿入、欠失又は置換を系統的に作成し、得られた変異体
を下記の実施例に記載するインビトロアッセイの任意のもので活性について試験
することにより決定される。
【0092】 PROポリペプチド断片がここに提供される。このような断片は、例えば、全
長天然タンパク質と比較した際に、N-末端又はC-末端で切断されてもよく、又
は内部残基を欠いていてもよい。或る種の断片は、PROポリペプチドの所望の
生物学的活性に必須ではないアミノ酸残基を欠いている。 PRO断片は、多くの従来技術の任意のものによって調製してよい。所望のペ
プチド断片は化学合成してもよい。代替的方法は、酵素的消化、例えば特定のア
ミノ酸残基によって決定される部位のタンパク質を切断することが知られた酵素
でタンパク質を処理することにより、あるいは適当な制限酵素でDNAを消化し
て所望の断片を単離することによるPRO断片の生成を含む。さらに他の好適な
技術は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により、所望のポリペプチド断片をコ
ードするDNA断片を単離し増幅することを含む。DNA断片の所望の末端を決
定するオリゴヌクレオチドは、PCRの5’及び3’プライマーで用いられる。
好ましくは、PROポリペプチド断片は、ここに開示した天然PROポリペプチ
ドと少なくとも1つの生物学的及び/又は免疫学的活性を共有する。 特別の実施態様では、対象とする保存的置換を、好ましい置換を先頭にして表
3に示す。このような置換が生物学的活性の変化をもたらす場合、表3に例示的
置換と名前を付けた又は以下にアミノ酸分類でさらに記載するように、より置換
的な変化が導入され生成物がスクリーニングされる。
【0093】 表3 元の残基 例示的置換 好ましい置換 Ala(A) val; Leu; ile val Arg(R) lys; gln; asn lys Asn(N) gln; his; lys; arg gln Asp(D) glu glu Cys(C) ser ser Gln(Q) asn ans Gln(E) asp asp Gly(G) pro; ala ala His(H) asn; gln; lys; arg arg Ile(I) leu; val; met; ala; phe; ノルロイシン leu Leu(L) ノルロイシン; ile; val; met; ala; phe ile Lys(K) arg; gln; asn arg Met(M) leu; phe; ile leu Phe(F) leu; val; ile; ala; tyr leu Pro(P) ala ala Ser(S) thr thr Thr(T) ser ser Trp(W) tyr; phe tyr Tyr(Y) trp; phe; thr; ser phe Val(V) ile; leu; met; phe; ala; ノルロイシン leu
【0094】 ポリペプチドの機能及び免疫学的同一性の置換的修飾は、(a)置換領域のポ
リペプチド骨格の構造、例えばシート又は螺旋配置、(b)標的部位の電荷又は
疎水性、又は(c)側鎖の嵩を維持しながら、それらの効果において実質的に異
なる置換基を選択することにより達成される。天然発生残基は共通の側鎖特性に
基づいてグループに分けることができる: (1)疎水性:ノルロイシン, met, ala, val, leu, ile; (2)中性の親水性:cys, ser, thr; (3)酸性:asp, glu; (4)塩基性:asn, gln, his, lys, arg; (5)鎖配向に影響する残基:gly, pro; 及び (6)芳香族:trp, tyr, phe。
【0095】 非保存的置換は、これらの分類の一つのメンバーを他の分類に交換することを
必要とするであろう。また、そのように置換された残基は、保存的置換部位、好
ましくは残された(非保存)部位に導入されうる。 変異は、オリゴヌクレオチド媒介(部位特異的)突然変異誘発、アラニンスキ
ャンニング、及びPCR突然変異誘発[Carter等, Nucl. Acids Res., 13: 4331
(1986); Zoller等, Nucl. Acids Res., 10: 6487 (1987)]、カセット突然変異
誘発[Wells等, Gene, 34: 315 (1985)]、制限的選択突然変異誘発[Wells等,
Philos. Trans. R. Soc. London SerA, 317: 415 (1986)]等のこの分野で知ら
れた方法を用いてなすことができ、又は他の知られた技術をクローニングしたD
NAに実施してPRO変異体DNAを作成することもできる。
【0096】 また、隣接配列に沿って一又は複数のアミノ酸を同定するのにスキャンニング
アミノ酸分析を用いることができる。好ましいスキャンニングアミノ酸は比較的
小さく、中性のアミノ酸である。そのようなアミノ酸は、アラニン、グリシン、
セリン、及びシステインを含む。アラニンは、ベータ炭素を越える側鎖を排除し
変異体の主鎖構造を変化させにくいので、この群の中で典型的に好ましいスキャ
ンニングアミノ酸である[Cuningham及びWells, Science, 244: 1081-1085 (198
9)]。また、アラニンは最もありふれたアミノ酸であるため典型的には好ましい
。さらに、それは埋もれた及び露出した位置の両方に見られることが多い[Crei
ghton, The Proteins, (W.H. Freeman & Co., N.Y.); Chothia, J. Mol
. Biol., 150: 1 (1976)]。アラニン置換が十分な量の変異体を生じない場合は
、アイソテリック(isoteric)アミノ酸を用いることができる。
【0097】 C.PROの修飾 PROポリペプチドの共有結合的修飾は本発明の範囲内に含まれる。共有結合
的修飾の一型は、PROポリペプチドの標的とするアミノ酸残基を、PROポリ
ペプチドの選択された側鎖又はN又はC末端残基と反応できる有機誘導体化試薬
と反応させることである。二官能性試薬での誘導体化が、例えばPROを水不溶
性支持体マトリクスあるいは抗-PRO抗体の精製方法又はその逆で用いるため
の表面に架橋させるのに有用である。通常用いられる架橋剤は、例えば、1,1
-ビス(ジアゾアセチル)-2-フェニルエタン、グルタルアルデヒド、N-ヒドロ
キシスクシンイミドエステル、例えば4-アジドサリチル酸、3,3’-ジチオビ
ス(スクシンイミジルプロピオネート)等のジスクシンイミジルエステルを含む
ホモ二官能性イミドエステル、ビス-N-マレイミド-1,8-オクタン等の二官能
性マレイミド、及びメチル-3-[(p-アジドフェニル)-ジチオ]プロピオイミダ
ート等の試薬を含む。 他の修飾は、グルタミニル及びアスパラギニル残基の各々対応するグルタミル
及びアスパルチルへの脱アミノ化、プロリン及びリシンのヒドロキシル化、セリ
ル又はトレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化、リシン、アルギニン、及び
ヒスチジン側鎖のα-アミノ基のメチル化[T.E. Creighton, Proteins: Structur
e and Molecular Properties, W.H. Freeman & Co., San Francisc
o, pp.79-86 (1983)]、N末端アミンのアセチル化、及び任意のC末端カルボキ
シル基のアミド化を含む。
【0098】 本発明の範囲内に含まれるPROポリペプチドの共有結合的修飾の他の型は、
ポリペプチドの天然グリコシル化パターンの変更を含む。「天然グリコシル化パ
ターンの変更」とは、ここで意図されるのは、天然配列PROに見られる1又は
複数の炭水化物部分の欠失(存在するグリコシル化部位の除去又は化学的及び/
又は酵素的手段によるグリコシル化の削除のいずれかによる)、及び/又は天然
配列PROに存在しない1又は複数のグリコシル化部位の付加を意味する。さら
に、この文節は、存在する種々の炭水化物部分の性質及び特性の変化を含む、天
然タンパク質のグリコシル化における定性的変化を含む。 PROポリペプチドへのグリコシル化部位の付加はアミノ酸配列の変更を伴っ
てもよい。この変更は、例えば、1又は複数のセリン又はトレオニン残基の天然
配列PRO(O-結合グリコシル化部位)への付加、又は置換によってなされて
もよい。PROアミノ酸配列は、場合によっては、DNAレベルでの変化、特に
、PROポリペプチドをコードするDNAを予め選択された塩基において変異さ
せ、所望のアミノ酸に翻訳されるコドンを生成させることを通して変更されても
よい。
【0099】 PROポリペプチド上に炭水化物部分の数を増加させる他の手段は、グリコシ
ドのポリペプチドへの化学的又は酵素的結合による。このような方法は、この技
術分野において、例えば、1987年9月11日に発行されたWO 87/05330、及びAplin
及びWriston, CRC Crit. Rev. Biochem., pp. 259-306 (1981)に記載されている
。 PROポリペプチド上に存在する炭水化物部分の除去は、化学的又は酵素的に
、あるいはグルコシル化の標的として提示されたアミノ酸残基をコードするコド
ンの変異的置換によってなすことができる。化学的脱グリコシル化技術は、この
分野で知られており、例えば、Hakimuddin等, Arch. Biochem. Biophys., 259:5
2 (1987)により、及びEdge等, Anal. Biochem., 118: 131 (1981)により記載さ
れている。ポリペプチド上の炭水化物部分の酵素的切断は、Thotakura等, Meth.
Enzymol. 138:350 (1987)に記載されているように、種々のエンド及びエキソグ
リコシダーゼを用いることにより達成される。 本発明のPROの共有結合的修飾の他の型は、PROポリぺプチドの、種々の
非タンパク質様ポリマー、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、又はポリオキシアルキレンの一つへの、米国特許第4,640,835号;第4,4
96,689号;第4,301,144号;第4,670,417号;第4,791,192号又は第4,179,337号に
記載された方法での結合を含む。 また、本発明のPROポリペプチドは、他の異種ポリペプチド又はアミノ酸配
列に融合したPROポリペプチドを含むキメラ分子を形成する方法で修飾しても
よい。
【0100】 一実施態様では、このようなキメラ分子は、抗タグ抗体が選択的に結合できる
エピトープを提供するタグポリペプチドとPROポリペプチドとの融合を含む。
エピトープタグは、一般的にはPROポリペプチドのアミノ又はカルボキシル末
端に位置する。このようなPROポリペプチドのエピトープタグ形態の存在は、
タグポリペプチドに対する抗体を用いて検出することができる。また、エピトー
プタグの提供は、抗タグ抗体又はエピトープタグに結合する他の型の親和性マト
リクスを用いたアフィニティ精製によってPROポリペプチドを容易に精製でき
るようにする。種々のタグポリペプチド及びそれら各々の抗体はこの分野で良く
知られている。例としては、ポリ−ヒスチジン(ポリ-His)又はポリ−ヒス
チジン−グリシン(poly-his-gly)タグ;flu HAタグポリペプチド及びその抗体
12CA5[Field等, Mol. Cell. Biol., 8:2159-2165 (1988)];c-mycタグ及
びそれに対する8F9、3C7、6E10、G4、B7及び9E10抗体[Evan
等, Molecular and Cellular Biology, 5:3610-3616 (1985)];及び単純ヘルペ
スウイルス糖タンパク質D(gD)タグ及びその抗体[Paborsky等, Protein Engi
neering, 3(6):547-553 (1990)]を含む。他のタグポリペプチドは、フラッグペ
プチド[Hopp等, BioTechnology, 6:1204-1210 (1988)];KT3エピトープペ
プチド[Martin等, Science, 255:192-194 (1992)];α-チューブリンエピトー
プペプチド[Skinner等, J. Biol. Chem., 266:15163-15166 (1991)];及びT
7遺伝子10タンパク質ペプチドタグ[Lutz-Freyermuth等, Proc. Natl. Acad.
Sci. USA, 87:6393-6397 (1990)]を含む。
【0101】 それに換わる実施態様では、キメラ分子はPROの免疫グロブリン又は免疫グ
ロブリンの特定領域との融合体を含んでもよい。キメラ分子の二価形態(「イム
ノアドヘシン」とも呼ばれる)については、そのような融合体はIgG分子のF
c領域であり得る。Ig融合体は、好ましくはIg分子内の少なくとも1つの可
変領域に換えてPROポリペプチドの可溶化(膜貫通ドメイン欠失又は不活性化
)形態を含む。特に好ましい実施態様では、免疫グロブリン融合体は、IgG分
子のヒンジ、CH2及びCH3、又はヒンジ、CH1、CH2及びCH3領域を
含む。免疫グロブリン融合体の製造については、1995年6月27日発行の米国特許
第5,428,130号を参照のこと。
【0102】 D.PROの調製 以下の説明は、主として、PRO核酸を含むベクターで形質転換又は形質移入
された細胞を培養することによりPROを生産する方法に関する。もちろん、当
該分野においてよく知られている他の方法を用いてPROを調製することができ
ると考えられる。例えば、PRO配列、又はその一部は、固相技術を用いた直接
ペプチド合成によって生産してもよい[例えば、Stewart等, Solid-Phase Pepti
de Synthesis, W.H. Freeman Co., San Francisco, CA (1969);Merrifield, J.
Am. Chem. Soc., 85:2149-2154 (1963)参照]。手動技術又は自動によるインビ
トロタンパク質合成を行ってもよい。自動合成は、例えば、アプライド・バイオ
システムズ・ペプチド合成機(Foster City, CA)を用いて、製造者の指示によ
り実施してもよい。PROの種々の部分は、別々に化学的に合成され、化学的又
は酵素的方法を用いて結合させて全長PROを生産してもよい。
【0103】 a.PROをコードするDNAの単離 PROをコードするDNAは、PROmRNAを保有していてそれを検出可能
なレベルで発現すると考えられる組織から調製されたcDNAライブラリから得
ることができる。従って、ヒトPRODNAは、実施例に記載されるように、ヒ
トの組織から調製されたcDNAライブラリから簡便に得ることができる。また
PRO-コード化遺伝子は、ゲノムライブラリから又は公知の合成方法(例えば
、自動化核酸合成)により得ることもできる。 ライブラリは、対象となる遺伝子あるいはその遺伝子によりコードされるタン
パク質を同定するために設計されたプローブ(PROに対する抗体又は少なくと
も約20−80塩基のオリゴヌクレオチド等)によってスクリーニングできる。
選択されたプローブによるcDNA又はゲノムライブラリのスクリーニングは、
例えばSambrook等, Molecular Cloning: A Laboratory Manual(New York: Cold
Spring Harbor Laboratory Press, 1989)に記載されている標準的な手順を使用
して実施することができる。所望のPROポリペプチドをコードする遺伝子を単
離する他の方法はPCR法を使用するものである[Sambrook等,上掲;Dieffenba
ch等, PCR Primer:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory Pres
s, 1995)]。
【0104】 下記の実施例には、cDNAライブラリのスクリーニング技術を記載している
。プローブとして選択されたオリゴヌクレオチド配列は、充分な長さで、疑陽性
が最小化されるよう充分に明瞭でなければならない。オリゴヌクレオチドは、ス
クリーニングされるライブラリ内のDNAとのハイブリッド形成時に検出可能で
あるように標識されていることが好ましい。標識化の方法は当該分野において良
く知られており、32P標識されたATPのような放射線標識、ビオチン化ある
いは酵素標識の使用が含まれる。中程度の厳密性及び高度の厳密性を含むハイブ
リッド形成条件は、上掲のSambrook等に与えられている。 このようなライブラリースクリーニング法において同定された配列は、Genban
k等の公共データベース又は個人の配列データベースに寄託され公衆に利用可能
とされている周知の配列と比較及びアラインメントすることができる。分子の決
定された領域内又は全長に渡っての(アミノ酸又は核酸レベルのいずれかでの)
配列同一性は、この分野で知られた、そしてここに記載した方法を用いて決定す
ることができる。 タンパク質コード化配列を有する核酸は、初めてここで開示された推定アミノ
酸配列を使用し、また必要ならば、cDNAに逆転写されなかったmRNAの生
成中間体及び先駆物質を検出する上掲のSambrook等に記述されているような従来
のプライマー伸展法を使用し、選択されたcDNA又はゲノムライブラリをスク
リーニングすることにより得られる。
【0105】 b.宿主細胞の選択及び形質転換 宿主細胞を、ここに記載したPRO生産のための発現又はクローニングベクタ
ーで形質移入又は形質転換し、プロモーターを誘導し、形質転換体を選択し、又
は所望の配列をコードする遺伝子を増幅するために適当に変性された常套的栄養
培地で培養する。培養条件、例えば培地、温度、pH等々は、過度の実験をする
ことなく当業者が選ぶことができる。一般に、細胞培養の生産性を最大にするた
めの原理、プロトコール、及び実用技術は、Mammalian Cell Biotechnology: a
Practical Approach, M.Butler編 (IRL Press, 1991)及びSambrook等, 上掲に見
出すことができる。
【0106】 原核生物細胞形質移入及び真核生物細胞形質移入の方法、例えば、CaCl 、CaPO、リポソーム媒介及びエレクトロポレーションは当業者に知られて
いる。用いられる宿主細胞に応じて、その細胞に対して適した標準的な方法を用
いて形質転換はなされる。前掲のSambrook等に記載された塩化カルシウムを用い
るカルシウム処理又はエレクトロポレーションが、一般的に原核生物に対して用
いられる。アグロバクテリウム・トゥメファシエンスによる感染が、Shaw等, Ge
ne, 23:315 (1983)及び1989年6月29日公開のWO 89/05859に記載されているよう
に、或る種の植物細胞の形質転換に用いられる。このような細胞壁のない哺乳動
物の細胞に対しては、Graham及びvan der Eb, Virology, 52:456-457 (1978)の
リン酸カルシウム沈降法が好ましい。哺乳動物細胞の宿主系形質転換の一般的な
態様は米国特許第4,399,216号に記載されている。酵母菌中への形質転換は、典
型的には、Van solingen等, J. Bact., 130:946 (1977)及びHsiao等, Proc. Nat
l. Acad. Sci. USA, 76:3829 (1979)の方法に従って実施される。しかしながら
、DNAを細胞中に導入する他の方法、例えば、核マイクロインジェクション、
エレクトロポレーション、無傷の細胞、又はポリカチオン、例えばポリブレン、
ポリオルニチン等を用いる細菌プロトプラスト融合もまた用いることもできる。
哺乳動物細胞を形質転換するための種々の技術については、Keown等, Methods i
n Enzymology, 185:527-537 (1990)及び Mansour等, Nature, 336:348-352 (198
8)を参照のこと。
【0107】 ここに記載のベクターにDNAをクローニングあるいは発現するために適切な
宿主細胞は、原核生物、酵母菌、又は高等真核生物細胞である。適切な原核生物
は、限定するものではないが、真正細菌、例えばグラム陰性又はグラム陽性生物
体、例えば大腸菌のような腸内細菌科を含む。種々の大腸菌株が公衆に利用可能
であり、例えば、大腸菌K12株MM294(ATCC31,446);大腸菌X1776
(ATCC31,537);大腸菌株W3110(ATCC27,325)及びK5772(ATCC53,6
35)である。他の好ましい原核動物宿主細胞は、大腸菌、例えば、E. coli、エ
ンテロバクター、エルビニア(Erwinia)、クレブシエラ(Klebsiella)、プロテウ
ス(Proteus)、サルモネラ、例えば、ネズミチフス菌、セラチア、例えば、セラ
チアマルセサンス(Serratia marcescans) 、及び赤痢菌、並びに桿菌、例えばバ
シリスブチリス(B. subtilis)及びバシリリチェニフォルミス(B. licheniformis
)(例えば、1989年4月12日発行のDD 266,710に記載されたバシリリチェニフォル
ミス41P)、シュードモナス、例えば緑膿筋及びストレプトマイセスなどの腸
内細菌科を含む。これらの例は限定ではなく例示である。株W3110は、組換
えDNA生産発行のための共通の宿主株であるので一つの特に好ましい宿主又は
親宿主である。好ましくは、宿主細胞は最小量のタンパク質分解酵素を分泌する
。例えば、株W3110は、細胞に外来のタンパク質をコードする遺伝子におけ
る遺伝子変異をするように修飾してもよく、そのような宿主の例としては、完全
な遺伝子型tonAを有する大腸菌W3110株1A2;完全な遺伝子型ton
A ptr3を有する大腸菌W3110株9E4;完全な遺伝子型tonA p
rt3 phoA E15 (argF-lac)169 degP ompT
kanrを有する大腸菌W3110株27C7(ATCC 55,244);完全な遺伝子型
tonA ptr3 phoA E15 (algF-lac)169 degP
ompT rbs7 ilvG kanrを有する大腸菌W3110株37D
6;非カナマイシン耐性degP欠失変異を持つ37D6株である大腸菌W31
10株40B4;及び1990年8月7日発行 米国特許第4,946,783号に開示された
変異周辺質プロテアーゼを有する大腸菌株を含む。あるいは、クローニングのイ
ンビトロ法、例えばPCR又は他の核酸ポリメラーゼポリメラーゼ反応が好まし
い。
【0108】 原核生物に加えて、糸状菌又は酵母菌のような真核微生物は、PROポリペプ
チドコード化ベクターのための適切なクローニング又は発現宿主である。サッカ
ロミセス・セレヴィシアは、通常用いられる下等真核生物宿主微生物である。他
に、シゾサッカロミセスプロンブ(Schizosaccharomyces prombe)(Beach及びNur
se, Nature, 290: 140 [1981]; 1985年5月2日発行のEP 139,383);クルベロミ
セスホスツ(Kluveromyces hosts)(米国特許第4,943,529号; Fleer等, Bio/Tech
nology, 9: 968-975 (1991))、例えばケーラクチス(K. lactis)(MW98-8C, CBS
683, CBS4574; Louvencourt等, J. Bacteriol. 737 [1983])、ケーフラギリス(
K. fragilis)(ATCC 12,424)、ケーブルガリクス(K. bulgaricus)(ATCC 16,04
5)、ケーウィケラミイ(K. wickeramii)(ATCC 24,178)、ケーワルチイ(K. wal
tii)(ATCC 56,500)、ケードロソフィラルム(K. drosophilarum)(ATCC 36,906
; Van den Berg等, Bio/Technology, 8: 135 (1990))、ケーテモトレランス(K.
themotolerans)及びケーマルキシアナス(K. marxianus);ヤロウィア(yarrowia
)(EP 402,226);ピッチャパストリス(Pichia pastoris)(EP 183,070; Sheekr
ishna等, J. Basic Microbiol, 28: 265-278 [1988]);カンジダ;トリコデル
マレーシア(reesia)(EP 244,234);アカパンカビ(Case等, Proc. Natl. Acad
. Sci. USA, 76: 5259-5263 [1979]);シュワニオマイセス(schwanniomyces)、
例えばシュワニオマイセスオクシデンタリス(occidentalis)(1990年10月31日発
行のEP 394,538);及び糸状真菌、例えば、ニューロスポラ、ペニシリウム、ト
リポクラジウム(Tolypocladium)(1991年1月10日発行のWO 91/00357);及びコ
ウジ菌、例えば偽巣性コウジ菌(Ballance等, Biochem. Biophys. Res. Commun.
, 112: 284-289 [1983]; Tilburn等, Gene, 26: 205-221 [1983]; Yelton等, Pr
oc. Natl. Acad. Sci. USA, 81: 1470-1474 [1984])及びクロカビ(Kelly及びH
ynes, EMBO J., 4: 475-479 [1985])が含まれる。ここで好ましいメチロトロピ
ック(methylotropic)酵母は、これらに限られないが、ハンセヌラ(Hansenula)、
カンジダ、クロエケラ(Kloeckera)、ピチア(Pichia)、サッカロミセス、トルロ
プシス(Torulopsis)、及びロドトルラ(Rhodotorula)からなる属から選択される
メタノールで成長可能な酵母を含む。この酵母の分類の例示である特定の種のリ
ストは、C. Anthony, The Biochemistry of Methylotrophs, 269 (1982)に記載
されている。
【0109】 グリコシル化PROの発現に適切な宿主細胞は、多細胞生物から誘導される。
無脊椎動物細胞の例としては、ショウジョウバエS2及びスポドスペラSf9等
の昆虫細胞並びに植物細胞が含まれる。有用な哺乳動物宿主株化細胞の例は、チ
ャイニーズハムスター卵巣(CHO)及びCOS細胞を含む。より詳細な例は、
SV40によって形質転換されたサル腎臓CV1株 (COS-7, ATCC CRL 1651);ヒ
ト胚腎臓株(293又は懸濁培養での増殖のためにサブクローン化された293細胞、
Graham等, J. Gen Virol., 36:59 (1977));チャイニーズハムスター卵巣細胞/
-DHFR(CHO, Urlaub及びChasin, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77:4216 (19
80));マウスのセルトリ細胞(TM4, Mather, Biol. Reprod., 23:243-251 (1980)
)ヒト肺細胞 (W138, ATCC CCL 75); ヒト肝細胞 (Hep G2, HB 8065); 及びマウ
ス乳房腫瘍細胞 (MMT 060562, ATTC CCL51)を含む。適切な宿主細胞の選択は、
この分野の技術常識内にある。
【0110】 c.複製可能なベクターの選択及び使用 PROポリペプチドをコードする核酸(例えば、cDNA又はゲノムDNA)は
、クローニング(DNAの増幅)又は発現のために複製可能なベクター内に挿入さ
れる。様々なベクターが公的に入手可能である。ベクターは、例えば、プラスミ
ド、コスミド、ウイルス粒子、又はファージの形態とすることができる。適切な
核酸配列が、種々の手法によってベクターに挿入される。一般に、DNAはこの
分野で周知の技術を用いて適当な制限エンドヌクレアーゼ部位に挿入される。ベ
クター成分としては、一般に、これらに制限されるものではないが、一又は複数
のシグナル配列、複製開始点、一又は複数のマーカー遺伝子、エンハンサーエレ
メント、プロモーター、及び転写終結配列を含む。これらの成分の一又は複数を
含む適当なベクターの作成には、当業者に知られた標準的なライゲーション技術
を用いる。
【0111】 PROポリペプチドは直接的に組換え手法によって生産されるだけではなく、
シグナル配列あるいは成熟タンパク質あるいはポリペプチドのN-末端に特異的
切断部位を有する他のポリペプチドである異種性ポリペプチドとの融合ペプチド
としても生産される。一般に、シグナル配列はベクターの成分であるか、ベクタ
ーに挿入されるPRO-コード化DNAの一部である。シグナル配列は、例えば
アルカリフォスファターゼ、ペニシリナーゼ、lppあるいは熱安定性エンテロ
トキシンIIリーダーの群から選択される原核生物シグナル配列であってよい。酵
母の分泌に関しては、シグナル配列は、酵母インベルターゼリーダー、アルファ
因子リーダー(酵母菌属(Saccharomyces)及びクルイベロマイシス(Kluyveromyces
)α因子リーダーを含み、後者は米国特許第5,010,182号に記載されている)、又
は酸ホスフォターゼリーダー、白体(C.albicans)グルコアミラーゼリーダー(199
0年4月4日発行のEP362179)、又は1990年11月15日に公開されたWO 90/13646に記
載されているシグナルであり得る。哺乳動物細胞の発現においては、哺乳動物シ
グナル配列は、同一あるいは関連ある種の分泌ポリペプチド由来のシグナル配列
並びにウイルス分泌リーダーのようなタンパク質の直接分泌に使用してもよい。
【0112】 発現及びクローニングベクターは共に一又は複数の選択された宿主細胞におい
てベクターの複製を可能にする核酸配列を含む。そのような配列は多くの細菌、
酵母及びウイルスに対してよく知られている。プラスミドpBR322に由来す
る複製開始点は大部分のグラム陰性細菌に好適であり、2μプラスミド開始点は
酵母に適しており、様々なウイルス開始点(SV40、ポリオーマ、アデノウイ
ルス、VSV又はBPV)は哺乳動物細胞におけるクローニングベクターに有用
である。 発現及びクローニングベクターは、典型的には、選べるマーカーとも称される
選択遺伝子を含む。典型的な選択遺伝子は、(a)アンピシリン、ネオマイシン、
メトトレキセートあるいはテトラサイクリンのような抗生物質あるいは他の毒素
に耐性を与え、(b)栄養要求性欠陥を補い、又は(c)例えばバシリに対する遺伝子
コードD-アラニンラセマーゼのような、複合培地から得られない重要な栄養素
を供給するタンパク質をコードする。
【0113】 哺乳動物細胞に適切な選べるマーカーの例は、DHFRあるいはチミジンキナ
ーゼのように、PRO-コード化核酸を取り込むことのできる細胞成分を同定す
ることのできるものである。野生型DHFRを用いた場合の好適な宿主細胞は、
Urlaub 等により, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77:4216 (1980)に記載されて
いるようにして調製され増殖されたDHFR活性に欠陥のあるCHO株化細胞で
ある。酵母菌中での使用に好適な選択遺伝子は酵母プラスミドYRp7に存在す
るtrp1遺伝子である[Stinchcomb等, Nature, 282:39(1979);Kingman等,
Gene, 7:141(1979);Tschemper等, Gene, 10:157(1980)]。trp1遺伝子は
、例えば、ATCC番号44076あるいはPEP4-1のようなトリプトファン内で
成長する能力を欠く酵母菌の突然変異株に対する選択マーカーを提供する[Jone
s, Genetics, 85:12 (1977)]。 発現及びクローニングベクターは、通常、PRO-コード化核酸配列に作用可
能に結合し、mRNA合成を制御するプロモーターを含む。種々の可能な宿主細
胞により認識される好適なプロモーターが知られている。原核生物宿主での使用
に好適なプロモーターはβ-ラクタマーゼ及びラクトースプロモーター系[Cahng
等, Nature, 275:615 (1978); Goeddel等, Nature, 281:544 (1979)]、アルカ
リフォスファターゼ、トリプトファン(trp)プロモーター系[Goeddel, Nucleic
Acids Res., 8:4057 (1980); EP 36,776]、及びハイブリッドプロモーター、例
えばtacプロモーター[deBoer 等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 80:21-25
(1983)]を含む。細菌系で使用するプロモータもまたPROポリペプチドをコー
ドするDNAと作用可能に結合したシャイン・ダルガーノ(S.D.)配列を有する。
【0114】 酵母宿主と共に用いて好適なプロモーター配列の例としては、3-ホスホグリ
セラートキナーゼ[Hitzeman 等, J. Biol. Chem., 255:2073 (1980)]又は他の
糖分解酵素[Hess 等, J. Adv. Enzyme Reg., 7:149 (1968);Holland, Biochem
istry, 17:4900(1987)]、例えばエノラーゼ、グリセルアルデヒド-3-リン酸
デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフ
ルクトキナーゼ、グルコース-6-リン酸イソメラーゼ、3-ホスホグリセレート
ムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオセリン酸イソメラーゼ、ホスホグルコー
スイソメラーゼ、及びグルコキナーゼが含まれる。 他の酵母プロモーターとしては、成長条件によって転写が制御される付加的効
果を有する誘発的プロモーターであり、アルコールデヒドロゲナーゼ2、イソチ
トクロムC、酸フォスファターゼ、窒素代謝と関連する分解性酵素、メタロチオ
ネイン、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、及びマルトース及び
ガラクトースの利用を支配する酵素のプロモーター領域がある。酵母菌での発現
に好適に用いられるベクターとプロモータはEP 73,657に更に記載されている。
【0115】 哺乳動物の宿主細胞におけるベクターからのPROポリペプチド転写は、例え
ば、ポリオーマウィルス、伝染性上皮腫ウィルス(1989年7月5日公開のUK2,211,5
04)、アデノウィルス(例えばアデノウィルス2)、ウシ乳頭腫ウィルス、トリ肉
腫ウィルス、サイトメガロウィルス、レトロウィルス、B型肝炎ウィルス及びサ
ルウィルス40(SV40)のようなウィルスのゲノムから得られるプロモーター、異
種性哺乳動物プロモーター、例えばアクチンプロモーター又は免疫グロブリンプ
ロモーター、及び熱衝撃プロモーターから得られるプロモーターによって、この
ようなプロモーターが宿主細胞系に適合し得る限り制御される。 より高等の真核生物による所望のPROポリペプチドをコードするDNAの転
写は、ベクター中にエンハンサー配列を挿入することによって増強され得る。エ
ンハンサーは、通常は約10から300塩基対で、プロモーターに作用してその
転写を増強するDNAのシス作動要素である。哺乳動物遺伝子由来の多くのエン
ハンサー配列が現在知られている(グロビン、エラスターゼ、アルブミン、α-フ
ェトプロテイン及びインスリン)。しかしながら、典型的には、真核細胞ウィル
ス由来のエンハンサーが用いられるであろう。例としては、複製起点の後期側の
SV40エンハンサー(100−270塩基対)、サイトメガロウィルス初期プロ
モーターエンハンサー、複製起点の後期側のポリオーマエンハンサー及びアデノ
ウィルスエンハンサーが含まれる。エンハンサーは、PROコード化配列の5’
又は3’位でベクター中にスプライシングされ得るが、好ましくはプロモーター
から5’位に位置している。
【0116】 また真核生物宿主細胞(酵母、真菌、昆虫、植物、動物、ヒト、又は他の多細
胞生物由来の有核細胞)に用いられる発現ベクターは、転写の終結及びmRNA
の安定化に必要な配列も含む。このような配列は、真核生物又はウィルスのDN
A又はcDNAの通常は5’、時には3’の非翻訳領域から取得できる。これら
の領域は、PROポリペプチドをコードするmRNAの非翻訳部分にポリアデニ
ル化断片として転写されるヌクレオチドセグメントを含む。 組換え脊椎動物細胞培養でのPROポリペプチドの合成に適応化するのに適切
な他の方法、ベクター及び宿主細胞は、Gething等, Nature, 293:620-625 (1981
); Mantei等, Nature, 281:40-46 (1979); EP 117,060; 及びEP 117,058に記載
されている。
【0117】 d.遺伝子増幅/発現の検出 遺伝子の増幅及び/又は発現は、ここで提供された配列に基づき、適切に標識
されたプローブを用い、例えば、従来よりのサザンブロット法、mRNAの転写
を定量化するノーザンブロット法[Thomas, Proc. Natl. Acad. Sci. USA,77:52
01-5205 (1980)]、ドットブロット法(DNA分析)、又はインサイツハイブリッ
ド形成法によって、直接的に試料中で測定することができる。あるいは、DNA
二本鎖、RNA二本鎖及びDNA−RNAハイブリッド二本鎖又はDNA-タン
パク二本鎖を含む、特異的二本鎖を認識することができる抗体を用いることもで
きる。次いで、抗体を標識し、アッセイを実施することができ、ここで二本鎖は
表面に結合しており、その結果二本鎖の表面での形成の時点でその二本鎖に結合
した抗体の存在を検出することができる。 あるいは、遺伝子の発現は、遺伝子産物の発現を直接的に定量する免疫学的な
方法、例えば細胞又は組織切片の免疫組織化学的染色及び細胞培養又は体液のア
ッセイによって、測定することもできる。試料液の免疫組織化学的染色及び/又
はアッセイに有用な抗体は、モノクローナルでもポリクローナルでもよく、任意
の哺乳動物で調製することができる。簡便には、抗体は、天然配列PROポリペ
プチドに対して、又はここで提供されるDNA配列をベースとした合成ペプチド
に対して、又はPRODNAに融合し特異的抗体エピトープをコードする外因性
配列に対して調製され得る。
【0118】 e.ポリペプチドの精製 PROポリペプチドの形態は、培地又は宿主細胞の溶菌液から回収することが
できる。膜結合性であるならば、適切な洗浄液(例えばトリトン-X100)又は
酵素的切断を用いて膜から引き離すことができる。PROポリペプチドの発現に
用いられる細胞は、凍結融解サイクル、超音波処理、機械的破壊、又は細胞溶解
剤などの種々の化学的又は物理的手段によって破壊することができる。 PROポリペプチドを、組換え細胞タンパク又はポリペプチドから精製するこ
とが望ましい。適切な精製手順の例である次の手順により精製される:すなわち
、イオン交換カラムでの分画;エタノール沈殿;逆相HPLC;シリカ又はカチ
オン交換樹脂、例えばDEAEによるクロマトグラフィー;クロマトフォーカシ
ング;SDS-PAGE;硫酸アンモニウム沈殿;例えばセファデックスG-75
を用いるゲル濾過;IgGのような汚染物を除くプロテインAセファロースカラ
ム;及びPROポリペプチドのエピトープタグ形態を結合させる金属キレート化
カラムである。この分野で知られ、例えば、Deutcher, Methodes in Enzymology
, 182 (1990);Scopes, Protein Purification: Principles and Practice, Spr
inger-Verlag, New York (1982)に記載された多くのタンパク質精製方法を用い
ることができる。選ばれる精製過程は、例えば、用いられる生産方法及び特に生
産される特定のPROの性質に依存する。
【0119】 E.PROポリペプチドをコードする遺伝子の腫瘍組織及び細胞系での増幅 この発明は或る種の癌細胞で増幅される遺伝子の同定及び特徴付けに基づいて
いる。 原核生物及び真核生物ゲノムに2つの見掛け上は矛盾する要件を課した。一方
は、遺伝情報としてのDNAのその最初の形態での保存及び繁殖であり、複数の
世代を通して安定な遺伝を確保する。他方では、細胞又は生物が最近の環境変化
を採用しなければならない。適応メカニズムは遺伝子物質の質的又は量的改変を
含みうる。質的改変は、コード化配列が変化して構造的又は機能的に異なるタン
パク質を生ずるDNA変異を含む。遺伝子増幅は量的改変であり、それにより実
際の完全なコード化配列、即ち遺伝子の数が増加し、転写に利用できるテンプレ
ート数の増加、翻訳可能な転写物の数の増加、及び最終的には増幅された遺伝子
にコードされるタンパク質の量の増加をもたらす。
【0120】 遺伝子増幅の現象及びそこにあるメカニズムは、幾つかの原核及び真核生物細
胞培養系でインビトロ実験されている。遺伝子増幅の最も特徴づけられた例は、
種々の濃度の細胞毒性薬メトトレキセート(MTX)を含有する培地での真核生
物細胞の培養を含む。MTXは葉酸類似物であり酵素デヒドロフォレートレダク
ターゼ(DHFR)のブロックによりDNA合成を妨害する。低濃度のMTXに
最初に暴露すると殆どの細胞(99.9%)が死亡する。少量の細胞は生き残り、多
量のDHFR-RNA及びタンパク質を生産することによりMTX濃度を増加さ
せても成長できる。この過剰生産の基礎は単一のDHFR遺伝子の増幅である。
遺伝子のさらなるコピーは、小さく過剰な染色体(二重微小)の形態で染色体外
コピーとして、又は一体化染色体コピーとして見られる。
【0121】 遺伝子増幅は、細胞毒性薬(最近に対する抗生物質及び真核生物に対する化学
治療薬)への耐性の進行及び腫瘍形成性形質転換において最も普通に起こる。自
発的事象としての又はウイルス又は化学/環境侵襲による真核生物の形質転換は
典型的にその細胞の遺伝物質における変化を伴う。ヒト悪性収容で観察される最
も通常の遺伝的変化はp53タンパク質の突然変異である。p53は、定常(G
1)から複製(S)相への細胞の転移を制御し、DNA損傷の存在下でこの転移
を防止する。言い換えれば、p53変異不全の主な結果の一つは、DNA損傷の
蓄積及び成長、即ち遺伝的変化である。腫瘍形成細胞における遺伝的変化の通常
の型は、点変異に加えて、増幅及び全体、構造的改変、例えば転位置である。
【0122】 DNA配列の増幅は、DHFR実験系で例示したように特定の機能的要件を示
す。従って、悪性におけるある種のオンコジーンの増幅は悪性形質転換及び形質
転換フェノタイプの維持のプロセスにおけるこれらの遺伝子の原因となる役割を
示す。この仮説が最近の研究で支持されている。例えば、bcl-2タンパク質
はある型の非ホジキンリンパ腫において増幅されることが見いだされた。このタ
ンパク質はアポトーシスを阻害して腫瘍形成細胞の蓄積を進行させる。成長因子
レセプターの遺伝子ファミリのメンバーが種々の型の癌で増幅されることが見い
だされ、これらのレセプターの過剰発現が、腫瘍細胞の制限された量の利用可能
な成長因子に対する感受性を低下させる。例としては、アンドロゲン欠乏治療の
間の再発前立腺癌におけるアンドロゲンレセプターの増幅、及び乳癌における成
長因子レセプター相同体ERB2の増幅を含む。最近、細胞間シグナル伝達及び
細胞周期進行に含まれる遺伝子が悪性形質転換の間に増幅を受けうる。これは、
種々の上皮及びリンパ腫瘍形成におけるbcl-I及びras遺伝子の増幅によ
って例示される。 これらの初期の研究は、これらの方法が悪性形質転換に重要な遺伝子の同定が
可能であるため、腫瘍形成において増幅されたDNA配列の同定の可能性を例示
する。ERB2の場合も、形質転換タンパク質が腫瘍治療のための新規で特異的
な標的を示すので、治療的立場からの可能性を示す。
【0123】 増幅されたゲノム配列を示すのに幾つかの異なる技術を使用できる。癌細胞か
ら調製した染色体展開の古典的な細胞発生分析は、転位置、欠失及び変換といっ
た全体構造変化を同定するには十分である。増幅ゲノム領域は、それらが高いコ
ピー数を含むか染色体外物質として存在する場合にのみ可視化される。細胞発生
は特定の腫瘍形成を持つ特定の染色体変化の一貫した関係を示すための第1の技
術だが、管理可能なDNA配列の同定及び単離には不十分である。より最近に開
発された技術の競合ゲノムハイブリッド形成(CGH)は腫瘍形成におけるゲノ
ム増幅の広範な現象を例示する。腫瘍及び正常DNAは正常細胞の分裂中期に同
時にハイブリッド形成し、腫瘍に高頻度で存在するDNA配列についての画像分
析で全ゲノムをスクリーニングする(WO 93/18,186; Gray等, Radiation Res. 1
37: 275-289 [1994])。スクリーニング法として、このタイプの分析は、種々の
ヒト腫瘍における再発アンプリコン(増幅DNAの伸展)の多数を明らかにした
。CGHは古典的細胞発生分析よりDNAの増幅伸展の同定において感度が高い
が、それは標準的な遺伝子技術によりアンプリコン内のコード化配列の迅速な同
定及び単離ができない。
【0124】 遺伝子増幅の検出に最も感度の良い方法はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)
ベースのアッセイである。これらのアッセイは極めて少量の腫瘍DNAを出発材
料として用い、精巧で感度が良く、配列決定などの更なる分析に利用できるDN
Aを提供し、高容量スループット分析に適している。 上記のアッセイは相互に排他的ではなく、腫瘍形成における増幅の同定にしば
しば組み合わせて使用される。細胞発生分析及びCGHは増幅領域の全ゲノムの
概観のためのスクリーニング法を代表し、PCRベースのアッセイはコード化配
列、即ち増幅領域の遺伝子を最終的に同定するのに最も適している。 本発明により、このような遺伝子は定量的PCR(S. Gelmini等, Clin, Chem
. 43: 752 [1997])により、乳、肺、結腸、前立腺、脳、肝臓、腎臓、膵臓、脾
臓、精巣、卵巣、子宮など、腫瘍、又は腫瘍細胞系を含む種々の原発腫瘍からの
DNAを健常ドナーからのプールしたDNAと比較することにより同定される。
定量的PCRは、TaqMan(商品名)装置(ABI)を用いて実施された。遺伝子特
異的プライマー及び蛍光発生プローブは、DNAのコード化配列に基づいて設計
される。
【0125】 ヒト肺癌細胞系は、A549(SRCC768)、Calu-1(SRCC769
)、Calu-6(SRCC770)、H157(SRCC771)、H441(SR
CC772)、H460(SRCC773)、SKMES-1(SRCC774)、S
W900(SRCC775)、H522(SRCC832)、及びH810(SR
CC833)を含み、全てATCCから入手可能である。原発ヒト肺腫瘍細胞は
通常は腺癌、扁平上皮細胞癌、大細胞癌、非-小細胞癌、小細胞癌、及び気管支
肺胞癌から誘導され、例えば、SRCC724(「AdenoCa」と略記される腺癌
)(LT1)、SRCC725(「SqCCa」と略記される扁平上皮細胞癌)(LT1
a)、SRC725(「NSCCa」と略記される非-小細胞癌)(LT1a)、SR
CC726(腺癌)(LT2)、SRCC727(腺癌)(LT3)、SRCC728(
腺癌)(LT4)、SRCC729(扁平上皮細胞癌)(LT6)、SRCC730(
腺/扁平上皮細胞癌)(LT7)、SRCC825(腺癌)(LT8)、SRCC
731(腺癌)(LT9)、SRCC732(扁平上皮細胞癌)(LT10)、SRC
C733(扁平上皮細胞癌)(LT11)、SRCC734(腺癌)(LT12)、S
RCC735(腺/扁平上皮細胞癌)(LT13)、SRCC736(扁平上皮細胞
癌)(LT15)、SRCC737(扁平上皮細胞癌)(LT16)、SRCC73
8(扁平上皮細胞癌)(LT17)、SRCC739(扁平上皮細胞癌)(LT18)、
SRCC740(扁平上皮細胞癌)(LT19)、SRCC741(肺細胞癌、「LCC
a」と略記)(LT21)、SRCC811(腺癌)(LT22)、SRCC887(扁
平上皮細胞癌)(LT26)、SRCC888(腺-BAC癌)(LT27)、SRCC8
89(扁平上皮細胞癌)(LT28)、SRCC890(扁平上皮細胞癌)(LT2
9)、SRCC891(腺癌)(LT30)、SRCC892(扁平上皮細胞癌)(LT
31)、SRCC894(腺癌)(LT33)を含む。また、SRCC1125[
HF-000631]、SRCC1127[HF-000641]、SRCC1129[HF-000643
]、SRCC1133[HF-000840]、SRCC1135[HF-000842]、SRC
C1227[HF-001291]、SRCC1229[HF-001293]、SRCC1230
[HF-001294]、SRCC1231[HF-001295]、SRCC1232[HF-00129
6]、SRCC1233[HF-001297]、SRCC1235[HF-001299]、SR
CC1236[HF-001300]、SRCC1296[HF-001640]、SRCC129
9[HF-001643]、SRCC1300[HF-001644]、SRCC1301[HF-001
645]、SRCC1302[HF-001646]、SRCC1303[HF-001647]、及
びSRCC1304[HF-001648]と称されるヒト肺腫瘍も含まれる。
【0126】 結腸癌細胞系は、例えば、ATCC細胞系SW480(腺癌、SRCC776)
、SW620(結腸腺癌のリンパ節転移、SRC777)、Colo320(癌、
SRCC778)、HT29(腺癌、SRCC779)、HCC2998(癌、S
RCC830)、HM7(ATCC大腸腺癌細胞系LS174Tの高ムシン産生変
異体、SRCC780、Robert Warren博士, UCSFから得た)、CaWiDr(腺
癌、SRCC781)、HCT116(癌、SRCC782)、SKCO1(腺癌、
SRCC783)、SW403(腺癌、SRCC784)、LS174T(癌、SR
CC785)、Colo205(癌、SRCC828)、HCT15(癌、SRCC
829)、HCC2998(癌、SRCC830)、及びKM12(癌、SRCC
831)を含む。原発大腸腫瘍は、CT2(SRCC742)、CT3(SRCC7
43)、CT8(SRCC744)、CT10(SRCC745)、CT12(SRC
C746)、CT14(SRCC747)、CT15(SRCC748)、CT16(
SRCC749)、CT17(SRCC750)、CT1(SRCC751)、CT
4(SRCC752)、CT5(SRCC753)、CT6(SRCC754)、CT
7(SRCC755)、CT9(SRCC756)、CT11(SRCC757)、C
T18(SRCC758) 、CT19(腺癌、SRCC906)、CT20(腺
癌、SRCC907)、CT21(腺癌、SRCC908)、CT22(腺癌、
SRCC909)、CT23(腺癌、SRCC910)、CT24(腺癌、SR
CC911)、CT25(腺癌、SRCC912)、CT26(腺癌、SRCC9
13)、CT27(腺癌、SRCC914)、CT28(腺癌、SRCC915)
、CT29(腺癌、SRCC916)、CT30(腺癌、SRCC917)、C
T31(腺癌、SRCC918)、CT32(腺癌、SRCC919)、CT3
3(腺癌、SRCC920)、CT35(腺癌、SRCC921)及びCT36(
腺癌、SRCC922)と称される大腸腺癌を含む。また、SRCC1051[
HF-000499]、SRCC1052[HF-000539]、SRCC1053[HF-000575
]、SRCC1054[HF-000698]、SRC1059[HF-000755]、SRCC
1060[HF-000756]、SRC1142[HF-000762]、SRCC1144[HF
-000789]、SRC1146[HF-000795]及びSRCC1148[HF-000811]
と称されるヒト大腸腫瘍中心も含まれる。
【0127】 ヒト乳癌細胞系は、例えば、HBL100(SRCC759)、MB435s(
SRCC760)、T47D(SRCC761)、MB468(SRCC762)、
MB175(SRCC763)、MB361(SRCC764)、BT20(SRC
C765)、MCF7(SRCC766)、及びSKBR3(SRCC767)、
及びSRCC1057[HF-000545]と称されるヒト乳腫瘍中心を含む。また、
SRCC1094、SRCC1095、SRCC1096、SRCC1097、
SRCC1098、SRCC1099、SRCC1100、SRCC1101と
称されるヒト乳腫瘍、及びSRCC893[LT32]と称されるbreast-met-ling-
NS腫瘍が含まれる。 ヒト直腸腫瘍はSRCC981[HF-000550]及びSRCC982[HF-000551
]を含む。 ヒト腎臓腫瘍中心は、SRCC989[HF-000611]及びSRCC1014[H
F-000613]を含む。 ヒト精巣腫瘍中心はSRCC1001[HF-000733]、そして精巣腫瘍辺縁は
SRCC999[HF-000716]を含む。 ヒト上皮小体腫瘍はSRCC1002[HF-000831]及びSRCC1003[H
F-000832]を含む。 ヒトリンパ節腫瘍はSRCC1004[HF-000854]、SRCC1005[HF-
000855]、及びSRCC1006[HF-000856]を含む。
【0128】 F.組織分布 ここでの遺伝子増幅アッセイの結果は、種々のヒト組織でのmRNA発現の測
定などのさらなる実験により確認できる。 上記したように、種々の組織における遺伝子増幅又は遺伝子発現は、mRNA
の転写の定量化のための従来のサザンブロット、ノーザンブロット(Thomas, Pr
oc. Natl. Acad. Sci. USA, 77: 5201-5205 [1980])、ドットブロット(DNA
分析)、又はインサイツハイブリッド形成により、ここに提供する配列にもとづ
いて適切な標識プローブを用いて測定できる。あるいは、DNA二重鎖、RNA
二重鎖、及びDNA-RNAハイブリッド二重鎖又はDNA-タンパク質二重鎖を
含む特定の二重鎖を認識する抗体を用いてもよい。 あるいは、種々の組織における遺伝子発現は、遺伝子産物を直接定量化するた
めの、組織断片及び細胞培地又は体液の免疫組織学的染色などの免疫的方法によ
っても測定できる。免疫組織学的染色及び/又は試料液のアッセイに有用な抗体
は、モノクローナルでもポリクローナルでもよく、任意の動物から調製される。
便利には、抗体は天然配列PROポリペプチドに対して、又はここに提供するD
NA配列に基づく合成ペプチドに対して、又はPRO DNA配列に融合し特異
的抗体エピトープをコードする細胞外配列に対して調製される。抗体を生成する
一般的技術、及びノーザンブロット及びインサイツハイブリッド形成のプロトコ
ールは以下に提供する。
【0129】 G.染色体マッピング 与えられた遺伝子の増幅が機能的に関連する場合は、その遺伝子は、腫瘍生存
に重要でない隣接ゲノム領域より多く増幅すべきである。これを試験するために
、例えば放射性ハイブリッド分析により、遺伝子を特定染色体にマッピングでき
る。次いで、増幅レベルを特定した位置及び隣接ゲノム領域において測定する。
遺伝子がマッピングされたゲノム領域での選択的又は優先的増幅は、観察された
遺伝子増幅が腫瘍成長又は生存を促進する可能性と一致する。染色体マッピング
はフレームワーク及びエピセンターマッピングの両方を含む。さらなる詳細は、
例えば、Stewart等, Genome Research 7, 422-433 (1997)を参照。
【0130】 H.抗体結合実験 遺伝子増幅実験の結果は、腫瘍(癌)細胞上でのPROポリペプチドの発現を
阻害する抗-PRO抗体の能力が試験される抗体結合実験によって更に確認でき
る。例示的な抗体は、ポリクローナル、モノクローナル、ヒト化、二重特異性、
及びへテロ抱合体抗体を含み、その調製は以下に記載する。 抗体結合実験は、競合的結合アッセイ、直接及び間接サンドウィッチアッセイ
、及び免疫沈降アッセイなどの既知のアッセイ法で実施してよい。Zola, Monocl
onal Antibodies: A Manual of Techniques, pp.147-158 (CRC Press, Inc., 19
87)。 競合的結合アッセイは、標識標準物の、限られた量の抗体との結合について試
験分析物と競合する能力による。試験試料中の(腫瘍細胞で増幅された遺伝子に
コードされる)標的タンパク質の量は、抗体に結合し始める標準物の量に逆比例
する。結合し始める標準物の量の測定を促進するために、抗体は好ましくは競合
の前又は後に固定化し、抗体に結合した標準品及び分析物が未結合で残っている
標準物及び分析物から容易に分離できるようにする。 サンドウィッチアッセイは2つの抗体の使用を含み、各々が検出すべきタンパ
ク質の異なる免疫原部分、又はエピトープに結合できる。サンドウィッチアッセ
イにおいて試験試料分析物は固体支持体上に固定化された第1の抗体に結合し、
その後第2の抗体が分析物に結合し、よって不溶性の3成分複合体が形成される
。例えば米国特許第4,376,110号参照。第2の抗体は検出可能部分で標識され(
直接サンドウィッチアッセイ)、あるいは検出可能部分で標識された抗-免疫グ
ロブリン抗体を用いて測定してもよい(間接サンドウィッチアッセイ)。例えば
、サンドウィッチアッセイの一形態はELISAアッセイであり、この場合の検
出可能部分は酵素である。 免疫組織学のために、腫瘍試料は新鮮でも凍結したものでもよく、パラフィン
に包埋して、例えばホルマリン等の保存剤で固定してもよい。
【0131】 I.細胞ベースの腫瘍アッセイ 細胞ベースアッセイ及び腫瘍(例えば、癌)の動物モデルを用いて、遺伝子増
幅アッセイに発見を確認し、ここでの遺伝子増幅と腫瘍形成細胞成長の進行及び
病理との関係をさらに理解することができる。ここで同定する遺伝子産物の腫瘍
又は癌の進行及び病理における役割は、ここで遺伝子を増幅すると同定された原
発腫瘍細胞又は細胞系を用いて試験することができる。このような細胞は、例え
ば、上記した乳、大腸及び肺癌細胞及び細胞系を含む。 異なる方法では、特定の腫瘍に含まれることが知られた細胞型の細胞をここの
cDNAで形質移入し、これらのcDNAの過剰成長誘発能力を分析する。適当
な細胞は、例えば、B104-1-1(neuプロトオンコジーンで形質移入され
た安定なNIH-3T3細胞液)及びras-形質移入NIH-3T3細胞等の安
定な腫瘍細胞系を含み、これらは所望の遺伝子で形質移入し、そして腫瘍形成的
成長を監視できる。このような形質移入細胞系は、次いで、形質転換細胞の成長
に対する細胞分裂停止又は細胞毒性活性の発揮により、又は抗体依存性細胞性細
胞毒性(ADCC)の媒介により、ポリ−又はモノクローナル抗体又は抗体組成
物の腫瘍形成細胞成長を阻害する能力を試験するのに使用できる。ここに同定し
た遺伝子のコード化配列で形質移入した細胞は、さらに、癌治療用の候補薬の同
定に使用できる。 さらに、(下記のような)トランスジェニック動物の腫瘍から誘導された一次
培地は、ここでの細胞ベースアッセイに使用できるが、安定な細胞系が好ましい
。トランスジェニック動物から連続細胞系を誘導する技術はこの分野で良く知ら
れている(Small等, Mol. Cell. Biol. 5, 642-648 [1985]参照)。
【0132】 J.動物モデル 腫瘍の進行及び原因におけるここに同定される遺伝子の役割を更に理解するた
めに、そして抗体、及び小分子アゴニストを含む天然ポリペプチドの他のアゴニ
ストを含む候補治療薬の有効性を試験するために、種々の良く知られた動物モデ
ルが使用できる。これらのモデルのインビボ性質により、特にヒト患者における
反応を予測できる。腫瘍及び癌(例えば、乳癌、結腸癌、前立腺癌、肺癌など)
の動物モデルは、非組換え及び組換え(トランスジェニック)動物の両方を含む
。非組換え動物モデルは、例えば、齧歯類、例えばマウスモデルを含む。このよ
うなモデルは、標準的な技術、例えば、皮下注射、尾部静脈注射、脾臓移植、腹
膜内移植、腎被膜下移植、又はオルトピン(orthopin)移植、例えば大腸組織に移
植された結腸癌細胞により、腫瘍細胞を同系マウスに導入することにより作成さ
れる。(1997年9月18日に発行されたPCT公報WO 97/33551参照。)
【0133】 癌遺伝子の研究におそらく最もしばしば用いられる動物種は、免疫不全マウス
、特にヌードマウスである。ハイポ/形成不全を持つヌードマウスがヒト腫瘍異
種移植の宿主として行動するという観察は、この目的のための広い用途を導いた
。常染色体劣性nu遺伝子が、例えば、ASW、A/He、AKR、BALB/
c、B10.LP、C17、C3H、C57BL、C57、CBA、DBA、D
DD、I/st、NC、NFR、NFS、NFS/N、NZB、NZC、NZW
、P、RIII及びSJLを含むヌードマウスの極めて多数の異なる共通遺伝子系
統に導入された。さらに、遺伝的な免疫不全を持つヌードマウス以外の広範な他
の動物が生育され、腫瘍異種移植のレシピエントとして用いられた。さらなる詳
細については、The Nude Mouse in Oncology Research, E. Boven 及び B. Wino
grad 編, CRC Press, Inc., 1991を参照。
【0134】 これらの動物に導入される細胞は、周知の腫瘍/癌細胞系、例えば上記列挙し
た腫瘍細胞系、及び、例えばB104-1-1細胞系(neuプロトオンコジーン
で形質移入された安定NIH-3T3細胞系);ras-形質移入NIH-3T3
細胞:Caco-2(ATCC HTB-37)、中程度に良く分化したグレードIIヒト大腸
腺癌細胞系、HT-29(ATCC HTB-38)から、あるいは腫瘍及び癌から誘導する
ことができる。腫瘍又は癌細胞の試料は、手術を受けている患者から、液体窒素
中での凍結及び保存を含む標準的な条件を用いて得ることができる(Karmali等,
Br. J. Cancer 48, 689-696 [1983])。 腫瘍細胞は、ヌードマウスなどの動物に、種々の手法によって導入できる。マ
ウスの皮下(s.c.)空間は、腫瘍移植に非常に好ましい。腫瘍は、固体ブロック
として、トロチャー(trochar)を用いてニードル生検として、細胞懸濁物としてs
.c.移植できる。固体ブロック又はトロチャー移植のために、適切な大きさの腫
瘍組織断片がs.c.空間に導入される。細胞懸濁物は、原発腫瘍又は安定な腫瘍細
胞系から新たに調製され、皮下注射される。また腫瘍細胞は、皮下植え込みとし
て注射することもできる。この位置において、種菌が皮膚結合組織の下層とs.c.
組織との間に析出される。Boven及びWinograd (1991), 上掲。
【0135】 乳癌の動物モデルは、例えば、神経芽腫細胞(それからneu癌遺伝子が最初
に単離される)、又はneu形質移入NIH-3T3細胞をヌードマウスに移植
することにより、基本的にはDrebin等, PNAS USA 83, 9129-9133 (1986)に記載
されているように生成される。 同様に、結腸癌の動物モデルは、結腸癌細胞を動物、例えばヌードマウスに継
代し、これらの動物における腫瘍の発現を導くことにより生成される。ヌードマ
ウスにおけるヒト結腸癌の同所性移植モデルは、例えば、Wang等, Cancer Resea
rch 54, 4726-4728 (1994)及びToo等, Cancer Research 55, 681-684 (1995)に
記載されている。このモデルは、いわゆるAntiCancer, Inc. (SanDiego, Califo
rnia)から市販の「METAMOUSE」に基づく。 動物に生じた腫瘍は、取り出してインビトロで培養することができる。インビ
トロ培地からの細胞は、次いで動物に継代することができる。これらの腫瘍は、
さらなる試験及び薬物スクリーニングの標的として提供され得る。あるいは、継
代から得られる腫瘍は単離でき、継代前細胞及び1又はそれ以上の継代後に単離
した細胞のRNAを、対象とする遺伝子の識別可能な発現について分析する。こ
のような継代技術は、周知の腫瘍又は癌細胞系で実施することができる。
【0136】 例えば、Meth A、CMS4、CMS5、CMS21、及びWEHI-16
4がBALB/c雌マウスの線維肉腫に導入され(DeLeo等, J. Exp. Med. 146,
720 [1977])、それは、種々の抗原の抗-腫瘍活性の研究のための高度に制御可
能なモデル系を提供する(Palladino等, J. Immunol. 138, 4023-4032 [1987])
。簡便には、腫瘍細胞は細胞培地中でインビトロで成長させる。動物に注射する
前に、細胞系は洗浄してバッファー中に約10x10から10x10細胞/
mlの細胞密度で懸濁する。次いで動物を10から100μlの細胞懸濁物で皮
下感染し、腫瘍が現れるまで1から3週間放置する。 さらに、最も完全に研究された実験的腫瘍の一つであるマウスのルイス肺(3
LL)癌腫は、研究用腫瘍モデルとして用いることができる。この腫瘍モデルに
おける有効性は、肺の小細胞癌腫(SCCL)と診断されたヒト患者の治療にお
ける有利な効果と相関していた。この腫瘍は、影響を受けたマウスからの腫瘍断
片又は培地に残った細胞の注射に際して正常マウスに導入でき(Zupi等, Br. J.
Cancer 41, suppl. 4, 309 [1980])、証拠は、腫瘍がたった一つの細胞の注射
から開始され、感染した腫瘍細胞の極めて高い集団が生存することを示している
。この腫瘍モデルに関する更なる情報については、Zacharski, Haemostasis 16,
300-320 [1986]を参照のこと。
【0137】 移植された腫瘍の動物モデルにおける試験化合物の有効性を評価する一つの方
法は、治療前後での腫瘍の大きさを測定することである。伝統的に、移植した腫
瘍の大きさは、二又は三次元のスライドキャリパーで測定される。二次元に制限
された測定は、腫瘍の大きさを正確に反映せず、従って、通常は数式を用いて対
応する容積に換算される。しかしながら、腫瘍の大きさの測定は極めて不正確で
ある。候補薬の治療効果は、治療-誘発性の成長遅延及び特異的な成長遅延とし
てより良く記述できる。腫瘍成長の記述における他の重要な変数は、腫瘍容積倍
加時間である。Rygaard及びSpang-Thomsen, Proc. 6th Int. Workshop on Immun
e-Deficient Animals, Wu及びSheng編, Basel, 1989, 301によって報告されたプ
ログラムなどの、腫瘍成長の計算及び記述のためのコンピュータプログラムも利
用可能である。しかし、腫瘍に続く壊死及び炎症反応が実際には少なくとも初期
に腫瘍の大きさを増大させ得ることを注記しておく。従って、これらの変化は、
形態学的方法及びフローサイトメトリー分析を組み合わせて、注意深く監視する
必要がある。
【0138】 組換え(トランスジェニック)動物モデルは、ここに同定された遺伝子のコー
ド部分を、トランスジェニック動物作成のための標準的技術を用いて、対象とす
る動物のゲノムに導入することにより加工できる。トランスジェニック操作の標
的として提供できる動物は、限定されないが、マウス、ラット、ウサギ、モルモ
ット、ヒツジ、ヤギ、ブタ、及び非-ヒト霊長類、例えばヒヒ、チンパンジー及
びサルを含む。これらの動物に導入遺伝子を導入するのにこの分野で知られた技
術は、全核マイクロインジェクション(Hoppe及びWanger, 米国特許第4,873,191
号);胚系列へのレトロウイルス媒介遺伝子転移(例えば、Van der Putten等,
Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82, 6148-615 [1985]);胚性肝細胞での遺伝子標
的化(Thompsonら, Cell 56, 313-321 [1989]);胚のエレクトロポレーション
(Lo, Mol. Cel. Biol. 3, 1803-1814 [1983]);精子媒介遺伝子転移(Lavitra
noら, Cell 57, 717-73 [1989])を含む。概説のためには、例えば、米国特許第
4,736,866号を参照のこと。
【0139】 本発明の目的のために、トランスジェニック動物は、その一部にのみ導入遺伝
子を有するもの(「モザイク動物」)を含む。導入遺伝子は、単一の導入遺伝子
として、又はコンカテマー、例えば頭部と頭部又は頭部と尾部の直列型として組
み込まれる。特定の細胞型への導入遺伝子の選択的導入も、例えば、Lasko等, P
roc. Natl. Acad. Sci. USA 89, 6232-636 (1992)の技術に従って可能である。 トランスジェニック動物における導入遺伝子の発現は、標準的技術によって監
視できる。例えば、導入遺伝子の組み込みの確認にサザンブロット分析又はPC
R増幅が用いられる。次いで、mRNA発現のレベルは、インサイツハイブリッ
ド形成、ノーザンブロット分析、PCR、又は免疫組織化学などの技術を用いて
分析できる。動物は、腫瘍又は癌発生の徴候についてさらに試験される。
【0140】 あるいは、動物の胚性細胞に導入されたPROポリペプチドをコードする変更
ゲノムDNAと、そのポリペプチドをコードする内在性遺伝子との間の相同的組
換えによって、ここに同定するPROポリペプチドをコードする欠陥又は変更遺
伝子を有する「ノックアウト」動物を作成することができる。例えば、PROポ
リペプチドをコードするcDNAは、確立された技術に従い、PROポリペプチ
ドをコードするゲノムDNAのクローニングに使用できる。特にPROポリペプ
チドをコードするゲノムDNAの一部を欠失したり、組み込みを監視するために
使用する選択可能なマーカーをコードする遺伝子等の他の遺伝子で置換すること
ができる。典型的には、ベクターは無変化のフランキングDNA(5'と3'末端
の両方)を数キロベース含む[例えば、相同的組換えベクターについてはThomas
and Capecchi, Cell, 51: 503 (1987)を参照のこと]。ベクターは胚性幹細胞に
(例えばエレクトロポレーションによって)導入し、導入されたDNAが内在性D
NAと相同的に組換えられた細胞を選択する[例えば、Li等, Cell,69:915 (199
2)参照]。選択された細胞は次に動物(例えばマウス又はラット)の胚盤胞内に注
入され、集合キメラを形成する[例えば、Bradley, Teratocarcinomas and Embr
yonic Stem Cells: A Practical Approach, E. J. Robertson, ed. (IRL, Oxfor
d, 1987), pp. 113-152参照]。その後、キメラ性胚を適切な偽妊娠の雌性乳母
に移植し、「ノックアウト」動物を作ると言われる。胚細胞に相同的に組換えら
れたDNAを有する子孫は標準的な技術により同定され、それらを利用して動物
の全細胞が相同的に組換えられたDNAを含む動物を繁殖させることができる。
ノックアウト動物は、PROポリペプチドが不在であることによるある種の病理
的状態及び病理的状態の進行に対して防御する能力によって特徴付けられる。
【0141】 自発的な動物腫瘍の治療におけるここに同定されるポリペプチドに特異的に結
合する抗体、及び他の候補薬の有効性も試験できる。このような研究のための適
切な標的は、ネコ口腔扁平上皮癌(SCC)である。ネコ口腔SCCは高度に侵
襲的な悪性腫瘍で、ネコに最も通常の口腔悪性腫瘍であり、この種に報告される
口腔腫瘍の60%以上を占める。それは、離れた部位には殆ど転移しないが、こ
の転移の低い発生率は単にこの腫瘍を持つネコの短い生存期間を反映しているに
すぎない。これらの腫瘍は通常手術できないが、主にネコの口腔の解剖学的形状
による。現在では、この腫瘍の有効な治療法は存在しない。研究に入る前に、各
々のネコに完全な臨床検査、生体組織検査を施し、コンピュータ断層撮影(CT
)によりスキャンした。舌下口腔扁平上皮細胞腫瘍を持つと診断されたネコは研
究から排除した。舌はこの腫瘍のために麻痺し始め、治療がこの腫瘍を殺した後
でも、動物は自分で餌を取ることができないであろう。各々のネコを長期に渡っ
て繰り返し治療する。腫瘍の写真を治療期間中の毎日及び引き続く再チェックの
時点で撮影した。治療の後、各ねこに再度CTスキャンを施した。CTスキャン
及びラジオグラフは、その後8週間ごとに評価した。データは、対照群と比較し
た生存数、反応性及び毒性における相違について評価した。ポジティブ反応は、
腫瘍の縮小、好ましくは生存の質の向上又は生存期間の延長を必要とする。 さらに、他の自発的動物腫瘍、例えばイヌ、ネコ、及びヒヒの線維肉腫、腺癌
、リンパ腫、クロンドローマ(chrondroma)、平滑筋肉腫も試験できる。これらの
イヌ及びネコでの乳腺癌は、その発現及び挙動がヒトのものに極めて類似してい
るので、好ましいモデルである。しかし、このモデルの使用は動物におけるこの
型の腫瘍の発生比率によって制限される。
【0142】 K.候補薬についてのスクリーニングアッセイ 候補薬のスクリーニングアッセイは、ここで同定される遺伝子にコードされる
ポリペプチドと結合又は抱合する化合物、あるいはコード化ポリペプチドと他の
細胞性タンパク質との相互作用を阻害する化合物を同定するために設計される。
このようなスクリーニングアッセイは、特に小分子候補薬の同定に適したものに
する、化学的ライブラリの高スループットスクリーニングに従うアッセイを含む
。小分子とは、抗体合成有機又は無機化合物を含むと考え、それらは、ペプチド
、好ましくは可溶性ペプチド、(ポリ)ペプチド-免疫グロブリン融合体、特に
、限定されないが、ポリ-及びモノクローナル抗体及び抗体断片、一本鎖抗体、
抗-イディオタイプ抗体、及びそれらの抗体又は断片のキメラ又はヒト化形、並
びにヒト抗体及び抗体断片を含む抗体を含んでいる。アッセイは、種々の形式で
実施でき、この分野で良く特徴付けられたタンパク質-タンパク質結合アッセイ
、生化学的スクリーニングアッセイ、イムノアッセイ及び細胞ベースのアッセイ
を含む。 全てのアッセイは、それらが候補薬をここで同定される核酸にコードされるポ
リペプチドと、それら2成分が相互作用するのに十分な時間接触させることで共
通している。
【0143】 結合アッセイにおいて、相互作用は結合であり、形成された複合体は単離され
るか、又は反応混合物中で検出される。特別な実施態様では、ここに同定された
遺伝子にコードされるポリペプチドのレセプター即ち候補薬が、共有又は非共有
結合により固相、例えばマイクロタイタープレートに固定化される。非共有結合
は、一般的に固体表面をポリペプチドの溶液で被覆し乾燥させることにより達成
される。あるいは、固定化すべきペプチドに特異的な固定化抗体、例えばモノク
ローナル抗体を、そのペプチドを固体表面に固着させるために用いることができ
る。アッセイは、固定化成分、例えば固着成分を含む被覆表面に、検出可能な標
識で標識されていてもよい非固定化成分を添加することにより実施される。反応
が完了したとき、未反応成分を例えば洗浄により除去し、固体表面に固着した複
合体を検出する。最初の非固定化成分が検出可能な標識を有している場合、表面
に固定化された標識の検出は複合体形成が起こったことを示す。最初の非固定化
成分が標識を持たない場合は、複合体形成は、例えば、固定化された複合体に特
異的に結合する標識抗体によって検出できる。
【0144】 候補化合物がここで同定される遺伝子にコードされる特定のPROポリペプチ
ドと相互作用するが結合しない場合、その相互作用は、タンパク質−タンパク質
相互作用を検出するために良く知られた方法によってアッセイすることができる
。そのようなアッセイは、架橋、同時免疫沈降、及び勾配又はクロマトグラフィ
カラムを通す同時精製などの伝統的な手法を含む。さらに、タンパク質−タンパ
ク質相互作用は、Fields及び共同研究者等[Fiels及びSong, Nature(London) 34
0, 245-246 (1989); Chienら, Proc.Natl. Acad. Sci. USA 88, 9578-9582 (199
1)]に記載された酵母菌ベースの遺伝子系を用いることにより、Chevray及びNat
hans[Proc.Natl. Acad. Sci. USA 89, 5789-5793 (1991)]に開示されているよ
うに監視することができる。酵母菌GAL4などの多くの転写活性化剤は、2つ
の物理的に別個のモジュラードメインからなり、一方はDNA結合ドメインとし
て作用し、他方は転写活性化ドメインとして機能する。以前の文献に記載された
酵母菌発現系(一般に「2-ハイブリッド系」と呼ばれる)は、この特性の長所
を利用して、2つのハイブリッドタンパク質を用い、一方では標的タンパク質が
GAL4のDNA結合ドメインに融合し、他方では、候補となる活性化タンパク
質が活性化ドメインに融合している。GAL1-lacZリポーター遺伝子のG
AL4活性化プロモーターの制御下での発現は、タンパク質-タンパク質相互作
用を介したGAL4活性の再構成に依存する。相互作用するポリペプチドを含む
コロニーは、β-ガラクトシダーゼに対する色素生産性物質で検出される。2-ハ
イブリッド技術を用いた2つの特定なタンパク質間のタンパク質-タンパク質相
互作用を同定するための完全なキット(MATCHMAKER(商品名))は、Clontechから
商業的に入手可能である。この系は、特定のタンパク質相互作用に含まれるタン
パク質ドメインのマッピング、並びにこれら相互作用にとって重要なアミノ酸残
基の特定にも拡張することができる。
【0145】 ここで同定されるPROのコード化配列と他の細胞外成分との相互作用を阻害
する化合物は、次のように試験することができる:通常は、増幅された遺伝子の
生成物及び細胞内又は外成分を含む反応混合物を、条件下で2つの生成物が相互
作用及び結合する時間に渡って調製する。試験化合物が結合を阻害する能力を試
験するために、反応は試験化合物有り又は無しで実施する。さらに、第3の反応
混合物にプラシーボを添加してポジティブ対照としてもよい。混合物中に存在す
る試験化合物と細胞内又は外成分との結合(複合体形成)は上記のように監視す
る。対照反応において複合体が形成され、試験化合物を含む反応混合物ではしな
いことは、試験化合物が試験化合物とその反応パートナーとの相互作用を妨害す
ることを示す。
【0146】 アンタゴニストを検定するために、PROポリペプチドを、特定の活性につい
てスクリーニングする化合物とともに細胞に添加してもよく、PROポリペプチ
ド存在下で対象とする活性を阻害する当該化合物の能力が、当該化合物がPRO
ポリペプチドのアンタゴニストであることを示す。あるいは、アンタゴニストは
、PROポリペプチド及び潜在的アンタゴニストを、膜結合PROポリペプチド
レセプター又は組換えレセプターと、競合的阻害アッセイに適した条件下で結合
させることにより検出してもよい。PROポリペプチドは、放射活性等で標識で
き、レセプターに結合したPROポリペプチド分子の数を潜在的アンタゴニスト
の有効性を決定するのに使用できる。レセプターをコードする遺伝子は、当業者
に知られた多くの方法、例えばリガンドパンニング及びFACSソーティングに
より同定できる。Coliganら, Current Protocols in Immun., 1(2): Chapter 5
(1991)。好ましくは発現クローニングが用いられ、そこではポリアデニル化RN
AがPROポリペプチドに反応性の細胞から調製され、このRNAから生成され
たcDNAライブラリがプールに分配され、COS細胞又は他のPROポリペプ
チドに反応性でない細胞の形質移入に使用される。スライドガラスで成長させた
形質移入細胞を、標識したPROポリペプチドへ曝露する。PROポリペプチド
は、ヨウ素化又は部位特異的タンパク質キナーゼの認識部位の包含を含む種々の
手段で標識できる。固定及びインキュベーションの後、スライドにオートラジオ
グラフ分析を施す。ポジティブプールを同定し、相互作用サブプール化及び再ス
クリーニング工程を用いてサブプールを調製して再形質移入し、結果的に推定レ
セプターをコードする単一のクローンを生成する。
【0147】 レセプター同定の代替的方法として、標識したPROポリペプチドをレセプタ
ー分子を発現する細胞膜又は抽出調製物に光親和性結合させることができる。架
橋材料はPAGEに溶解させ、X線フィルムに暴露する。レセプターを含む標識
複合体を励起し、ペプチド断片に分離し、タンパク質マイクロ配列決定を施すこ
とができる。マイクロ配列決定から得たアミノ酸配列は、推定レセプターをコー
ドする遺伝子を同定するcDNAライブラリをスクリーニングする分解性オリゴ
ヌクレオチドプローブの組の設計に用いられる。 アンタゴニストの他の検定では、レセプターを発現する哺乳動物細胞又は膜調
製物を、候補化合物の存在下で標識PROポリペプチドとともにインキュベート
する。次いで、この相互作用を促進又は阻止する化合物の能力を測定する。 潜在的なアンタゴニストのより特別な例は、免疫グロブリンとPROポリペプ
チドとの融合体に結合するオリゴヌクレオチド、特に、限られないが、ポリペプ
チド-及びモノクローナル抗体及び抗体断片、一本鎖抗体、抗-イディオタイプ抗
体、及びこれらの抗体又は断片のキメラ又はヒト化形態、並びにヒト抗体及び抗
体断片を含む抗体を含んでいる。あるいは、潜在的アンタゴニストは、密接に関
連したタンパク質、例えば、レセプターを認識するが効果を与えず、よってPR
Oポリペプチドの作用を競合的に阻害するPROポリペプチドの変異形態であっ
てもよい。
【0148】 他の潜在的なPROポリペプチドアンタゴニストは、アンチセンス技術を用い
て調製されたアンチセンスRNA又はDNA作成物であり、例えば、アンチセン
スRNA又はDNAは、標的mRNAにハイブリッド形成してタンパク質翻訳を
妨害することによりmRNAの翻訳を直接阻止するように作用する。アンチセン
ス技術は、トリプルへリックス形成又はアンチセンスDNA又はRNAを通して
遺伝子発現を制御するのに使用でき、それらの方法はともに、ポリペプチドヌク
レオチドのDNA又はRNAへの結合に基づく。例えば、ここでの成熟PROポ
リペプチドをコードするポリヌクレオチド配列の5'コード化部分は、約10か
ら40塩基対長のアンチセンスRNAオリゴヌクレオチドの設計に使用される。
DNAオリゴヌクレオチドは、転写に含まれる遺伝子の領域に相補的であるよう
に設計され(三重螺旋−Leeら, Nucl, Acid Res., 6: 3073 (1979); Cooneyら,
Science, 241: 456 (1988); Dervanら, Science, 251: 1360 (1991)参照)、そ
れによりPROポリペプチドの転写及び生成を防止する。アンチセンスRNAオ
リゴヌクレオチドはインビボでmRNAにハイブリッド形成してmRNA分子の
PROポリペプチドへの翻訳を阻止する(アンチセンス−Okano, Neurochem., 5
6: 560 (1991); Oligodeoxynucleotides as Antisense Inhibitors of Gene Exp
ression (SRS Press: Boca Raton, FL, 1988))。また上記のオリゴヌクレオチ
ドは、細胞に輸送され、アンチセンスRNA又はDNAをインビボで発現させて
、PROポリペプチドの産生を阻害することもできる。アンチセンスDNAが用
いられる場合、翻訳開始部位、例えば標的遺伝子ヌクレオチド配列の−10から
+10位置の間から誘導されるオリゴデオキシリボヌクレオチドが好ましい。
【0149】 アンチセンスRNA又はDNAは、一般的に少なくとも約5塩基長、約10塩
基長、約15塩基長、約20塩基長、約25塩基長、約30塩基長、約35塩基
長、約40塩基長、約45塩基長、約50塩基長、約55塩基長、約60塩基長
、約65塩基長、約70塩基長、約75塩基長、約80塩基長、約85塩基長、
約90塩基長、約95塩基長、約100塩基長、又はそれ以上である。 潜在的アンタゴニストは、PROポリペプチドの活性部位、レセプター結合部
位、又は成長因子又は他の関連結合部位に結合し、それによりPROポリペプチ
ドの正常な生物学的活性を阻止する小分子を含む。小分子の例は、これらに限ら
れないが、小型ペプチド又はペプチド様分子、好ましくは可溶性ペプチド、及び
合成非ペプチド有機又は無機化合物を含む。
【0150】 リボザイムは、RNAの特異的切断を触媒できる酵素的RNA分子である。リ
ボザイムは、相補的標的RNAへの配列特異的ハイブリッド形成、次いでヌクレ
オチド鎖切断的切断により作用する。潜在的RNA標的内の特異的リボザイム切
断部位は、既知の技術で同定できる。更なる詳細は、例えば、Rossi, Current B
iology 4: 469-471 (1994)及びPCT公報、番号WO 97/33551(1997年9月18日発
行)を参照。 転写阻害に用いられる三重螺旋形成における核酸分子は一本鎖でデオキシヌク
レオチドからなる。これらのオリゴヌクレオチドの基本組成は、フーグスチン塩
基対則を介するトリプルヘリックス形成を促進するように設計され、それは一般
に二重鎖の一方の鎖上のプリン又はピリミジンのサイズ変更可能な伸展を必要と
する。さらなる詳細は、例えば、PCT公報、番号WO 97/33551, 上掲を参照。 これらの小分子は、上記で議論したスクリーニングアッセイの一又は複数の任
意のものにより及び/又は当業者に良く知られた他の任意のスクリーニング技術
により同定できる。
【0151】 L.腫瘍治療のための組成物及び方法 ここで同定した遺伝子の増幅を伴う腫瘍の治療に有用な組成物は、限定されな
いが、抗体、小有機及び無機分子、ペプチド、ホスホペプチド、アンチセンス及
びリボザイム分子、三重螺旋分子などを含み、標的遺伝子産物の発現又は活性を
阻害するものである。 例えば、アンチセンスRNA及びRNA分子は、標的mRNAにハイブリッド
形成してタンパク質翻訳を防止することによりmRNAの翻訳を直接阻止する。
アンチセンスDNAが用いられる場合、翻訳開始部位、例えば標的遺伝子ヌクレ
オチド配列の−10から+10位置の間から誘導されるオリゴデオキシリボヌク
レオチドが好ましい。 リボザイムは、RNAの特異的切断を触媒できる酵素的RNA分子である。リ
ボザイムは、相補的標的RNAへの配列特異的ハイブリッド形成、次いでヌクレ
オチド鎖切断的切断により作用する。潜在的RNA標的内の特異的リボザイム切
断部位は、既知の技術で同定できる。更なる詳細は、例えば、Rossi, Current B
iology 4: 469-471 (1994)及びPCT公報、番号WO 97/33551(1997年9月18日発
行)を参照。 転写阻害に用いられる三重螺旋形成における核酸分子は一本鎖でデオキシヌク
レオチドからなる。これらのオリゴヌクレオチドの基本組成は、フーグスチン塩
基対則を介する三重螺旋形成を促進するように設計され、それは一般に二重鎖の
一方の鎖上のプリン又はピリミジンのサイズ変更可能な伸展を必要とする。さら
なる詳細は、例えば、PCT公報、番号WO 97/33551, 上掲を参照。 これらの分子は上記のスクリーニングアッセイの任意のもの又は任意の組み合
わせにより、又は当業者に知られた他のスクリーニング技術により同定できる。
【0152】 M.抗体 本発明で最も有望な候補薬剤の幾つかは、ここで同定される増幅遺伝子の生成
又は遺伝子産物を阻害する及び/又は遺伝子産物の活性を低下させる抗体及び抗
体断片である。
【0153】 1.ポリクローナル抗体 ポリクローナル抗体の調製方法は当業者に知られている。哺乳動物においてポ
リクローナル抗体は、例えば免疫化剤、及び所望するのであればアジュバントを
、一又は複数回注射することで発生させることができる。典型的には、免疫化剤
又はアジュバントを複数回皮下又は腹腔内注射により、哺乳動物に注射する。免
疫化剤は、PROポリペプチド又はその融合タンパク質を含みうる。免疫化剤を
免疫化された哺乳動物において免疫原性が知られているタンパク質に抱合させる
のが有用である。このような免疫原タンパク質の例は、これらに限られないが、
キーホールリンペットヘモシアニン、血清アルブミン、ウシサイログロブリン及
び大豆トリプシンインヒビターが含まれる。使用され得るアジュバントの例には
、フロイント完全アジュバント及びMPL-TDMアジュバント(モノホスホリル
脂質A、合成トレハロースジコリノミコラート)が含まれる。免疫化プロトコー
ルは、過度の実験なく当業者により選択されるであろう。
【0154】 2.モノクローナル抗体 あるいは、抗-PRO抗体はモノクローナル抗体であってもよい。モノクロー
ナル抗体は、Kohler及びMilstein, Nature, 256:495 (1975)に記載されているよ
うなハイブリドーマ法を使用することで調製することができる。ハイブリドーマ
法では、マウス、ハムスター又は他の適切な宿主動物を典型的には免疫化剤によ
り免疫化することで、免疫化剤に特異的に結合する抗体を生成するかあるいは生
成可能なリンパ球を誘発する。また、リンパ球をインビトロで免疫化することも
できる。 免疫化剤は、典型的には断片を含むPROポリペプチド、又はそのタンパク質
又はその断片の融合タンパク質を含む。一般にヒト由来の細胞が望まれる場合に
は末梢血リンパ球(「PBL」)が使用されるか、あるいは非ヒト哺乳動物源が望
まれている場合は、脾臓細胞又はリンパ節細胞が使用される。次いで、ポリエチ
レングリコール等の適当な融合剤を用いてリンパ球を不死化細胞系と融合させ、
ハイブリドーマ細胞を形成する[Goding, Monoclonal Antibodies: Principles
and Practice, Academic Press, (1986) pp. 59-103]。不死化細胞系は、通常
は、形質転換した哺乳動物細胞、特に齧歯動物、ウシ、及びヒト由来の骨髄腫細
胞である。通常、ラット又はマウスの骨髄腫細胞系が使用される。ハイブリドー
マ細胞は、好ましくは、未融合の不死化細胞の生存又は成長を阻害する一又は複
数の物質を含有する適切な培地で培養される。例えば、親細胞が、酵素のヒポキ
サンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT又はHPRT)を欠いて
いると、ハイブリドーマの培地は、典型的には、ヒポキサチン、アミノプチリン
及びチミジンを含み(「HAT培地」)、この物質がHGPRT欠乏性細胞の増殖
を阻止する。
【0155】 好ましい不死化細胞系は、効率的に融合し、選択された抗体生成細胞による安
定した高レベルの抗体発現を支援し、HAT培地のような培地に対して感受性の
ものである。より好ましい不死化細胞系はマウス骨髄腫系であり、これは例えば
カリフォルニア州サンディエゴのソーク研究所(Salk Institute)Cell Distrib
ution Centerやヴァージニア州マナッサスのアメリカン・タイプ・カルチャー・
コレクション(ATCC)より入手可能である。ヒトモノクローナル抗体を生成
するためのヒト骨髄腫及びマウス-ヒト異種骨髄腫細胞系も開示されている[Koz
bor, J. Immunol., 133:3001 (1984)、Brodeurら, Monoclonal Antibody Produc
tion Techniques and Applications, Marcel Dekker, Inc., New York, (1987)
pp. 51-63]。 次いでハイブリドーマ細胞が培養される培養培地を、PROポリペプチドに対
するモノクローナル抗体の存在について検定する。好ましくは、ハイブリドーマ
細胞によって生成されたモノクローナル抗体の結合特異性は免疫沈降又はラジオ
イムノアッセイ(RIA)や酵素結合免疫測定法(ELISA)等のインビトロ結合
検定法によって測定する。このような技術及びアッセイは、当該分野において公
知である。モノクローナル抗体の結合親和性は、例えばMunson及びPollard, Ana
l. Biochem., 107:220 (1980)によるスキャッチャード分析法によって測定する
ことができる。
【0156】 所望のハイブリドーマ細胞が同定された後、クローンを制限希釈工程によりサ
ブクローニングし、標準的な方法で成長させることができる[Goding, 上掲]。
この目的のための適当な培地には、例えば、ダルベッコの改変イーグル培地及び
RPMI-1640倍地が含まれる。あるいは、ハイブリドーマ細胞は哺乳動物
においてインビボで腹水として成長させることもできる。 サブクローンによって分泌されたモノクローナル抗体は、例えばプロテインA
−セファロース法、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー法、ゲル電気泳
動法、透析法又はアフィニティークロマトグラフィー等の従来の免疫グロブリン
精製方法によって培養培地又は腹水液から単離又は精製される。
【0157】 また、モノクローナル抗体は、組換えDNA法、例えば米国特許第4,816,567
号に記載された方法により作成することができる。本発明のモノクローナル抗体
をコードするDNAは、常套的な方法を用いて(例えば、マウス抗体の重鎖及び
軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合可能なオリゴヌクレオチドプローブを使
用して)、容易に単離し配列決定することができる。本発明のハイブリドーマ細
胞はそのようなDNAの好ましい供給源となる。ひとたび単離されたら、DNA
は発現ベクター内に配することができ、これが宿主細胞、例えばサルCOS細胞
、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、あるいは免疫グロブリンタンパク
質を生成などしない骨髄腫細胞内に形質移入され、組換え宿主細胞内でモノクロ
ーナル抗体の合成をすることができる。また、DNAは、例えば相同マウス配列
に換えてヒト重鎖及び軽鎖定常ドメインのコード配列を置換することにより[US
. Patent No.4,816,567;Morrisonら, 上掲]、又は免疫グロブリンコード配列
に非免疫グロブリンポリペプチドのコード配列の一部又は全部を共有結合するこ
とにより修飾することができる。このような非免疫グロブリンポリペプチドは、
本発明の抗体の定常ドメインの代わりに置換するか、本発明の抗体の一つの抗原
結合部位の可変ドメインの代わりに置換し、キメラ性二価抗体を産生することが
できる。このような非免疫グロブリンポリペプチドは、本発明の抗体の定常ドメ
インに置換でき、あるいは本発明の抗体の1つの抗原結合部位の可変ドメインに
置換でき、キメラ性二価抗体を生成する。
【0158】 抗体は一価抗体であってもよい。一価抗体の調製方法は当該分野においてよく
知られてる。例えば、一つの方法は免疫グロブリン軽鎖と修飾重鎖の組換え発現
を含む。重鎖は一般的に、重鎖の架橋を防止するようにFc領域の任意のポイン
トで切断される。あるいは、関連するシステイン残基を他のアミノ酸残基で置換
するか欠失させて架橋を防止する。 一価抗体の調製にはインビトロ法がまた適している。抗体の消化による、その
断片、特にFab断片の生成は、当該分野において知られている慣用的技術を使
用して達成できる。
【0159】 3.ヒト及びヒト化抗体 抗-PRO抗体は、さらにヒト化抗体又はヒト抗体を含む。非ヒト(例えばマウ
ス)抗体のヒト化形とは、キメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖あるいはそ
の断片(例えばFv、Fab、Fab'、F(ab')あるいは抗体の他の抗原結
合サブ配列)であって、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含むもので
ある。ヒト化抗体はレシピエントの相補性決定領域(CDR)の残基が、マウス、
ラット又はウサギのような所望の特異性、親和性及び能力を有する非ヒト種(ド
ナー抗体)のCDRの残基によって置換されたヒト免疫グロブリン(レシピエント
抗体)を含む。幾つかの例では、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク残基
は、対応する非ヒト残基によって置換されている。また、ヒト化抗体は、レシピ
エント抗体にも、移入されたCDRもしくはフレームワーク配列にも見出されな
い残基を含んでいてもよい。一般に、ヒト化抗体は、全てあるいはほとんど全て
のCDR領域が非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、全てあるいはほとんど全
てのFR領域がヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のものである、少なくとも
1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含む。ヒト化抗体は、最
適には免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的にはヒトの免疫グロブリンの定常
領域の少なくとも一部を含んでなる[Jonesら, Nature, 321:522-525 (1986); R
iechmannら, Nature, 332:323-329 (1988); 及びPresta, Curr. Op Struct. Bio
l., 2:593-596 (1992)]。
【0160】 非ヒト抗体をヒト化する方法はこの分野でよく知られている。一般的に、ヒト
化抗体には非ヒト由来の一又は複数のアミノ酸残基が導入される。これら非ヒト
アミノ酸残基は、しばしば、典型的には「移入」可変ドメインから得られる「移
入」残基と称される。ヒト化は基本的に齧歯動物のCDR又はCDR配列でヒト
抗体の該当する配列を置換することによりウィンター(winter)及び共同研究者[
Jonesら, Nature, 321:522-525 (1986);Riechmannら, Nature, 332:323-327 (1
988);Verhoeyenら, Science, 239:1534-1536 (1988)]の方法に従って、齧歯類
CDR又はCDR配列をヒト抗体の対応する配列に置換することにより実施され
る。よって、このような「ヒト化」抗体は、無傷のヒト可変ドメインより実質的
に少ない分が非ヒト種由来の対応する配列で置換されたキメラ抗体(米国特許第4
,816,567号)である。実際には、ヒト化抗体は典型的には幾つかのCDR残基及
び場合によっては幾つかのFR残基が齧歯類抗体の類似する部位からの残基によ
って置換されたヒト抗体である。
【0161】 また、ヒト抗体は、ファージ表示ライブラリ[Hoogenboom及びWinter, J. Mol
. Biol., 227:381 (1992);Marksら, J. Mol. Biol., 222:581 (1991)]を含む
この分野で知られた種々の方法を用いて作成することもできる。また、Coleら及
びBoernerらの技術も、ヒトモノクローナル抗体の調製に利用することができる
[Coleら, Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss. p.77(1
985)及びBoernerら, J. Immunol., 147(1):86-95(1991) ]。同様に、ヒト抗体
はヒト免疫グロブリン座位をトランスジェニック動物、例えば内在性免疫グロブ
リン遺伝子は部分的又は完全に不活性化されたマウスに導入することにより産生
することができる。投与の際に、遺伝子再配列、組立、及び抗体レパートリーを
含むあらゆる観点においてヒトに見られるものに非常に類似しているヒト抗体の
生産が観察される。このアプローチは、例えば米国特許第5,545,807号;同第5,5
45,806号;同第5,569,825号;同第5,625,126号;同第5,633,425号;同第5,661,0
16号、及び次の科学文献:Marksら, Bio/Technology 10, 779-783 (1992); Lonb
ergら, Nature 368 856-859 (1994); Morrison, Nature 368, 812-13 (1994); F
ishwildら, Nature Biotechnology 14, 845-51 (1996); Neuberger, Nature Bio
technology 14, 826 (1996); Lonberg及びHuszar, Intern. Rev. Immunol. 13 6
5-93 (1995)に記載されている。
【0162】 4.抗体依存性酵素媒介性プロドラッグ治療法(ADEPT) また、本発明の抗体は、プロドラッグ(例えばペプチジル化学療法剤、WO81/01
145を参照のこと)を活性な抗癌剤に転化させるプロドラッグ活性化酵素に抗体を
コンジュゲートさせることにより、ADEPTにおいて使用することができる。
例えばWO88/07378及び米国特許第4,975,278号を参照されたい。 ADEPTに有用な免疫コンジュゲートの酵素成分には、より活性な細胞毒形
態に転化するように、プロドラッグに作用し得る任意の酵素が含まれる。
【0163】 限定するものではないが、この発明の方法に有用な酵素には、グリコシダーゼ
、グルコース置きシダーゼ、ヒトリソザイム、ヒトグルコロニダーゼ、ホスファ
ート含有プロドラッグを遊離の薬剤に転化するのに有用なアルカリ性ホスファタ
ーゼ;スルファート含有プロドラッグを遊離の薬剤に転化するのに有用なアリー
ルスルファターゼ;非毒性5-フルオロシトシンを抗癌剤5-フルオロウラシルに
転化するのに有用なシトシンデアミナーゼ;プロテアーゼ、例えばセラチアプロ
テアーゼ、サーモリシン、サブチリシン、カルボキシペプチダーゼ(例えば、カ
ルボキシペプチダーゼG2及びカルボキシペプチダーゼA)及びカテプシン(例
えば、カテプシンB及びL)で、ペプチド含有プロドラッグを遊離の薬剤に転化
するのに有用なもの;D-アミノ酸置換基を含有するプロドラッグの転化に有用
なD-アラニルカルボキシペプチダーゼ;炭水化物切断酵素、例えばグリコシル
化プロドラッグを遊離の薬剤に転化するのに有用なノイラミニダーゼ及びβガラ
クトシダーゼ;βラクタムで誘導体化された薬剤を遊離の薬剤に転化させるのに
有用なβラクタマーゼ;及びペニシリンアミダーゼ、例えばそれぞれフェノキシ
アセチル又はフェニルアセチル基で、それらのアミン性窒素において誘導体化さ
れた薬剤を遊離の薬剤に転化するのに有用なペニシリンVアミダーゼ又はペニシ
リンGアミダーゼが含まれる。あるいは、「アブザイム」としてもまた公知の酵
素活性を有する抗体を、遊離の活性薬剤に本発明のプロドラッグを転化させるた
めに使用することもできる(例えば、Massey, Nature 328:457-458[1987]を参照
のこと)。抗体-アブザイムコンジュゲートは、ここで記載されているようにして
、腫瘍細胞個体群にアブザイムを送達するために調製することができる。
【0164】 この発明の酵素は、当該分野においてよく知られている技術、例えば上で検討
したヘテロ二官能性架橋試薬を使用することにより、抗-PRO抗体に共有的に
結合させることができる。あるいは、本発明の抗体の少なくとも結合領域を本発
明の酵素の少なくとも機能的に活性な部位に結合せしめてなる融合タンパク質を
、当該技術においてよく知られている組換えDNA技術を使用して作成すること
ができる(Neubergerら, Nature 312:604-608[1984])。
【0165】 5.二重特異性抗体 二重特異性抗体は、少なくとも2つの異なる抗原に対して結合特異性を有する
モノクローナル抗体、好ましくはヒトもしくはヒト化抗体である。本発明の場合
において、結合特異性の一方はPROポリペプチドに対してであり、他方は任意
の他の抗原、好ましくは細胞表面タンパク質又はレセプター又はレセプターサブ
ユニットに対してである。 二重特異性抗体を作成する方法は当該技術分野において周知である。伝統的に
は、二重特異性抗体の組換え生産は、二つの重鎖が異なる特異性を持つ二つの免
疫グロブリン重鎖/軽鎖対の同時発現に基づく[Milstein及びCuello, Nature,
305:537-539 (1983)]。免疫グロブリンの重鎖と軽鎖を無作為に取り揃えるため
、これらハイブリドーマ(クアドローマ)は10種の異なる抗体分子の潜在的混合
物を生成し、その内一種のみが正しい二重特異性構造を有する。正しい分子の精
製は、アフィニティークロマトグラフィー工程によって通常達成される。同様の
手順が1993年5月13日公開のWO93/08829、及びTrauneckerら, EMBO J.,10:3655-3
656 (1991)に開示されている。
【0166】 所望の結合特異性(抗体-抗原結合部位)を有する抗体可変ドメインを免疫グロ
ブリン定常ドメイン配列に融合できる。融合は、好ましくは少なくともヒンジ部
、CH2及びCH3領域の一部を含む免疫グロブリン重鎖定常ドメインとのもの
である。少なくとも一つの融合には軽鎖結合に必要な部位を含む第一の重鎖定常
領域(CH1)が存在することが望ましい。免疫グロブリン重鎖融合体をコードす
るDNA、及び望むのであれば免疫グロブリン軽鎖を、別々の発現ベクターに挿
入し、適当な宿主生物に同時形質移入する。二重特異性抗体を作成するための更
なる詳細については、例えばSureshら, Methods in Enzymology, 121:210(1986)
を参照されたい。 WO96/27011に記載された他のアプローチ法によれば、一対の抗体分子間の界面
を操作して組換え細胞培養から回収されるヘテロ二量体のパーセントを最大にす
ることができる。好適な界面は抗体定常ドメインのCH3ドメインの少なくとも
一部を含む。この方法では、第1抗体分子の界面からの一又は複数の小さいアミ
ノ酸側鎖がより大きな側鎖(例えばチロシン又はトリプトファン)と置換される。
大きな側鎖と同じ又はより小さいサイズの相補的「キャビティ」を、大きなアミ
ノ酸側鎖を小さいもの(アラニン又はスレオニン)と置き換えることにより第2の
抗体分子の界面に作り出す。これにより、ホモ二量体のような不要の他の最終産
物に対してヘテロダイマーの収量を増大させるメカニズムが提供される。
【0167】 二重特異性抗体は、全長抗体又は抗体断片(例えば、F(ab')二重特異性
抗体)として調製できる。抗体断片から二重特異性抗体を産生する技術もまた文
献に記載されている。例えば、化学結合を使用して二重特異性抗体を調製するこ
とができる。Brennanら, Science, 229:81 (1985) は無傷の抗体をタンパク分解
性に切断してF(ab')断片を産生する手順を記述している。これらの断片は
、ジチオール錯体形成剤亜砒酸ナトリウムの存在下で還元して近接ジチオールを
安定化させ、分子間ジスルフィド形成を防止する。産生されたFab'断片はつ
いでチオニトロベンゾアート(TNB)誘導体に転換される。Fab'-TNB誘導
体の一つをついでメルカプトエチルアミンでの還元によりFab'-チオールに再
転換し、他のFab'-TNB誘導体の等モル量と混合して二重特異性抗体を形成
する。作られた二重特異性抗体は酵素の選択的固定化用の薬剤として使用するこ
とができる。 大腸菌からFab'フラグメントを直接回収でき、これは化学的に結合して二
重特異性抗体を形成することができる。Shalabyら, J. Exp. Med., 175:217-225
(1992)は完全にヒト化された二重特異性抗体F(ab')分子の製造を記述して
いる。各Fab'フラグメントは大腸菌から別個に分泌され、インビトロで定方
向化学共役を受けて二重特異性抗体を形成する。このようにして形成された二重
特異性抗体は、正常なヒトT細胞及びErbB2レセプターを過剰発現する細胞
に結合可能で、ヒト乳房腫瘍標的に対するヒト細胞障害性リンパ球の細胞溶解活
性の誘因となる。
【0168】 組換え細胞培養から直接的に二重特異性抗体フラグメントを作成し分離する様
々な方法もまた記述されている。例えば、二重特異性抗体はロイシンジッパーを
使用して生産されている。Kostelnyら, J. Immunol. 148(5):1547-1553 (1992)
。Fos及びJunタンパク質からのロイシンジッパーペプチドを遺伝子融合に
より二つの異なった抗体のFab'部分に結合させる。抗体ホモダイマーをヒン
ジ領域で還元してモノマーを形成し、ついで再酸化して抗体ヘテロダイマーを形
成する。この方法はまた抗体ホモダイマーの生産に対して使用することができる
。Hollingerら, Proc.Natl.Acad.Sci. USA, 90:6444-6448 (1993)により記述さ
れた「ダイアボディ」技術は二重特異性抗体フラグメントを作成する別のメカニ
ズムを提供した。フラグメントは、同一鎖上の2つのドメイン間の対形成を可能
にするには十分に短いリンカーにより軽鎖可変ドメイン(V)に重鎖可変ドメイ
ン(V)を結合してなる。従って、一つのフラグメントのV及びVドメイン
は他のフラグメントの相補的V及びVドメインと強制的に対形成させられ、
2つの抗原結合部位を形成する。単鎖Fv(sFv)ダイマーの使用により二重特
異性抗体フラグメントを製造する他の方策もまた報告されている。Gruberら, J.
Immunol. 152:5368 (1994)を参照されたい。
【0169】 二価より多い抗体も考えられる。例えば、三重特異性抗体を調製することがで
きる。Tuttら,J. Immunol. 147:60(1991)。 例示的二重特異性抗体は、ここで与えられるタンパク質上の2つの異なるエピ
トープに結合しうる。あるいは、抗-ポリペプチドアームは、T細胞レセプター
分子(例えばCD2、CD3、CD28又はB7)等の白血球上のトリガー分子
、又はFcγRI(CD64)、FcγRII(CD32)及びFcγRIII(CD16
)等のIgGのFcレセプター(FcγR)に結合するアームに結合し、細胞防
御メカニズムを特定のタンパク質発現細胞に集中するようにしてもよい。二重特
異性抗体は、特定のポリペプチドを発現する細胞に対する局所的細胞毒性薬とし
て使用してもよい。これらの抗体は、ポリペプチド結合アーム及び細胞毒性薬又
はキレート化剤、例えばEOTUBE、DPTA、DOTA、又はTETAに結
合するアームを有する。他の対象とする二重特異性抗体は、ポリペプチドに結合
し、さらに組織因子(TF)に結合する。
【0170】 6.ヘテロ抱合体抗体 ヘテロ抱合抗体もまた本発明の範囲に入る。ヘテロ抱合抗体は、2つの共有結
合した抗体からなる。このような抗体は、例えば、免疫系細胞を不要な細胞に対
してターゲティングさせるため[米国特許第4,676,980号]及びHIV感染の治
療のために[WO 91/00360; WO 92/200373; EP 03089]提案されている。この抗
体は、架橋剤に関連したものを含む合成タンパク化学における既知の方法を使用
して、インビトロで調製することができると考えられる。例えば、ジスルフィド
交換反応を使用するか又はチオエーテル結合を形成することにより、免疫毒素を
作成することができる。この目的に対して好適な試薬の例には、イミノチオレー
ト及びメチル-4-メルカプトブチリミデート、及び例えば米国特許第4,6767,980
号に開示されているものが含まれる。
【0171】 7.エフェクター機能の設計 本発明の抗体をエフェクター機能について改変し、例えばガンの治療における
抗体の効能を増強することが望ましい。例えば、システイン残基をFc領域に導
入して、この領域における鎖間ジスルイド結合を形成させる。このようにして産
生されたホモダイマー抗体は改善されたインターナリゼーション能力及び/又は
増加した補体媒介細胞死滅及び抗体依存性細胞障害活性(ADCC)を有しうる。
Caronら, J. Exp. Med. 176:1191-1195 (1992)及びShopes, B. J. Immunol. 148
:2918-2922 (1992)を参照されたい。抗腫瘍活性が高められたホモダイマー抗体
は、Wolffら, Cancer Research 53:2560-2565(1993)に記載されているようなヘ
テロ二官能性架橋剤を使用して調製することもできる。あるいは二重Fc領域を
有し、よって増強された補体溶解及びADCC能を有しうる抗体を設計すること
ができる。Stevensonら, Anti-cancer Drug Design 3:219-230 (1989)を参照。
【0172】 8.免疫複合体 本発明はまた、化学治療薬、毒素(例えば、細菌、真菌、植物又は動物由来の
酵素活性毒素、又はその断片)などの細胞毒性薬、あるいは放射性同位体(即ち
、放射性抱合)に抱合された抗体を含む免疫複合体にも関する。 このような免疫複合体の生成に有用な化学治療薬は上記した。用いることので
きる酵素活性毒素及びその断片は、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活
性断片、コレラ毒素、ボツリヌス毒素、(緑膿菌からの)外毒素A鎖、リシンA
鎖、アブリンA鎖、モデクシン(modeccin)A鎖、アルファ-サルシン、アレウリ
テス・フォーディ(Aleurites fordii)タンパク質、ジアンチン(dianthin)タンパ
ク質、フィトラカ・アメリカーナ(Phytolaca americana)タンパク質(PAPI
、PAPII、及びPAP-S)、モモルディカ・チャランチア(momordica charan
tia)インヒビター、クルシン(curcin)、クロチン(crotin)、サパオナリア・オフ
ィシナリス(sapaonaria oficinalis)インヒビター、ゲロニン(gelonin)、ミトゲ
リン(mitogellin)、レストリクトシン(restrictocin)、フェノマイシン(phenomy
cin)、エノマイシン(enomycin)及びトリコテセン(tricothecene)を含む。小分子
毒素は、例えばカリケアマイシン(calicheamicins)、マイタンシノイド(mayta
nsinoids)、パリトキシン(palytoxin)及びCC1065を含む。様々な放射性
ヌクレオチドが放射性抱合抗体の生成に利用可能である。例として、212Bi
131I、131In、90Y及び186Reを含む。
【0173】 抗体及び細胞毒性薬の複合体は、種々の二官能性タンパク質カップリング剤、
例えば、N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオール)プロピオネート(S
PDP)、イミノチオラン(IT)、イミドエステルの二官能性誘導体(ジメチ
ルアジピミデートHCL等)、活性エステル(ジスクシンイミジルスベレート等
)、アルデヒド(グルタルアルデヒド等)、ビス-アジド化合物(ビス(p-アジ
ドベンゾイル)ヘキサンジアミン等)、ビス-ジアゾニウム誘導体(ビス-(p-ジ
アゾニウムベンゾイル)-エチレンジアミン等)、ジイソシアネート(トリエン2
,6-ジイソシアネート等)、及びビス-活性フッ素化合物(1,5-ジフルオロ-
2,4-ジニトロベンゼン等)を用いて作成できる。例えば、リシン免疫毒素は
、Vitettaら, Science 238: 1098 (1987)に記載されたように調製することがで
きる。カーボン-14-標識1-イソチオシアナトベンジル-3-メチルジエチレン
トリアミン五酢酸(MX-DTPA)は、放射性ヌクレオチドの抗体への抱合の
ためのキレート剤の例である。WO 94/11026を参照のこと。 他の実施態様では、腫瘍の予備標的化で使用するために、抗体は「レセプター
」(ストレプトアビジン等)に抱合されてもよく、抗体-レセプター複合体は患
者に投与され、次いで清澄化剤を用いて未結合複合体を循環から除去し、次に細
胞毒性薬(例えば、放射性ヌクレオチド等)に抱合された「リガンド」(例えば
アビジン)を投与する。
【0174】 9.免疫リポソーム また、ここに開示する抗体は、免疫リポソームとして調製してもよい。抗体を
含むリポソームは、Epsteinら, Proc. Natl. acad. Sci. USA, 82: 3688 (1985)
; Hwangら, Proc. natl. Acad. Sci. USA, 77: 4030 (1980); 及び米国特許第4,
485,045号及び第4,544,545号に記載されたような、この分野で知られた方法で調
製される。向上した循環時間を持つリポソームは、米国特許第5,013,556号に開
示されている。 特に有用なリポソームは、ホスファチジルコリン、コレステロール及びPEG
-誘導ホスファチジルエタノールアミン(PEG-PE)を含む脂質組成物での逆
相蒸発法によって生成される。リポソームは、所定サイズのフィルターを通して
押し出され、所望の径を有するリポソームが生成される。本発明の抗体のFab
’断片は、Martinら, J. Biol. Chem. 257: 286-288 (1982)に記載されているよ
うに、ジスルフィド交換反応を介してリポソームに抱合され得る。化学治療薬(
ドキソルビシン等)は、場合によってはリポソーム内に包含される。Gabizonら,
J. National Cancer Inst. 81(19) 1484 (1989)を参照のこと。
【0175】 N.製薬組成物 ここで同定される増幅遺伝子の産物に特異的に結合するアゴニスト抗体、並び
に上記に開示したスクリーニングアッセイで同定された他の分子は、癌を含む腫
瘍、ウイルス性疾患などの上記で議論した種々の病理学的状態の治療のために、
免疫調節剤として、製薬組成物の形態で投与することができる。 増幅された遺伝子にコードされるタンパク質が細胞内であり、全抗体が阻害剤
として用いられる場合、内在化抗体が好ましい。しかし、リポフェクション又は
リポソームも抗体、又は抗体断片を細胞に導入するのに使用できる。 抗体断片
が用いられる場合、標的タンパク質の結合ドメインに特異的に結合する最小阻害
断片が通常は好ましい。例えば、抗体の可変領域配列に基づいて、標的タンパク
質配列に結合する能力を保持したペプチド分子が設計できる。このようなペプチ
ドは、化学的に合成でき、又は組換えDNA技術によって生成できる(例えば、
Marascoら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90, 7889-7893 [1993])。
【0176】 抗体の治療用製剤は、所望される程度の純度を持つ抗体を、親油性製剤又は水
性溶液の形態で、任意の製薬上許容される担体、賦形剤又は安定化剤と混合する
ことにより調製され保存される(Remington's Pharmaceutical Science 16th ed
ition, Osol, A. Ed. [1980])。許容される担体、賦形剤、又は安定化剤は、用
いられる用量及び濃度で受容者に非毒性であり、リン酸、クエン酸、及び他の有
機酸などのバッファー;アスコルビン酸及びメチオニンを含む酸化防止剤;防腐
剤(オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド;ヘキサメトニウム
クロライド;ベンズアルコニウムクロライド;ベンズエトニウムクロライド;フ
ェノール;ブチル又はベンジルアルコール;メチル又はプロピルパラベン等のア
ルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペン
タノール;及びm-クレゾールなど);低分子量(約10残基未満)ポリペプチ
ド;血清アルブミン、ゼラチン、又は免疫グロブリン等のタンパク質;ポリビニ
ルピロリドン等の親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒス
チジン、アルギニン、又はリシン等のアミノ酸;グルコース、マンノース、又は
デキストリンを含む単糖類、二糖類、及び他の炭水化物EDTA等のキレート剤
、スクロース、マンニトール、トレハロース又はソルビトールなどの糖;ナトリ
ウムなどの塩形成対イオン;金属錯体(例えば、Zn-タンパク質錯体)又はト
ゥイーン(TWEEN)(商品名)、プルロニクス(PLURONICS)(商品名)、及びポリエ
チレングリコール(PEG)等の非イオン性界面活性剤を含む。
【0177】 本発明のスクリーニングアッセイで同定された非-抗体化合物は、同様の方式
で、この分野で知られた標準技術を用いて製剤される。 ここでの製剤は、治療すべき特定の徴候に必要な場合に1以上の活性化合物、
好ましくは互いに悪影響を及ぼさない相補的仮性を持つものも含んでよい。ある
いは、又はそれに加えて、組成物は、細胞毒性薬、サイトカイン又は成長阻害剤
を含んでもよい。これらの分子は、適切には、意図する目的に有効な量の組み合
わせで存在する。 また、活性成分は、例えばコアセルベーション技術により又は界面重合により
調製されたマイクロカプセル、例えば、各々ヒドロキシメチルセルロース又はゼ
ラチン-マイクロカプセル及びポリ(メタクリル酸メチル)マイクロカプセル中
、コロイド状薬物送達系<BR(例えば、リポソーム、アルブミン小球、マイク
ロエマルション、ナノ粒子及びナノカプセル)中、又はマイクロエマルション中
に包括されていてもよい。これらの技術は、Remington's Pharmaceutical Scien
ce 16th edition, Osol, A. Ed. [1980]に開示されている。 インビボ投与に使用される製剤は無菌でなけらばならない。これは、滅菌濾過
膜を通した濾過により容易に達成される。
【0178】 徐放性製剤を調製してもよい。徐放性製剤の好適な例は、抗体を含有する固体
疎水性ポリマーの半透性マトリクスを含み、このマトリクスは成形された物品、
例えばフィルム、又はマイクロカプセルの形状である。除放性マトリクスの例は
、ポリエステルヒドロゲル(例えば、ポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリレー
ト)又はポリ(ビニルアルコール))、ポリアクチド(米国特許第3,773,919号)
、L-グルタミン酸及びγ-エチル-L-グルタメート、非分解性エチレン-酢酸ビ
ニル、LUPRON DEPOT(商品名)(乳酸-グリコール酸コポリマーと酢酸リュープロ
リドの注射可能な小球)などの分解性乳酸-グリコール酸コポリマー、ポリ-(D)
-3-ヒドロキシブチル酸を含む。エチレン-酢酸ビニル及び乳酸-グリコール酸な
どのポリマーは分子を100日に渡って放出することができるが、ある種のヒド
ロゲルはより短時間でタンパク質を放出してしまう。カプセル化された抗体が身
体内に長時間残ると、それらは37℃の水分に露出されることにより変性又は凝
集し、その結果、生物学的活性の低下及び起こりうる免疫原性の変化をもたらす
。合理的な方法は、含まれる機構に依存する安定化について工夫することができ
る。例えば、凝集機構がチオ−ジスルフィド交換を通した分子間S-S結合形成
であると発見された場合、安定化はスルフヒドリル残基の修飾、酸性溶液からの
凍結乾燥、水分含有量の制御、適切な添加剤の付加、及び特異的ポリマーマトリ
クス組成物の開発によって達成されうる。
【0179】 O.治療方法 本発明の抗体及び他の抗腫瘍化合物は、ここで同定される増幅遺伝子の過剰発
現及び/又は活性化を特徴とするものを含む種々の状態の治療に用いてもよいと
考えられる。このような抗体及び、これらに限られないが有機及び無機小分子、
ペプチド、アンチセンス分子等を含む他の化合物で治療される状態又は疾患の例
としては、良性又は悪性腫瘍(例えば、腎臓(renal)、肝臓、腎臓(kidney)、膀
胱、乳房、胃、卵巣、大腸直腸、前立腺、膵臓、肺、外陰部、甲状、肝臓の癌;
肉腫;膠芽細胞腫;及び種々の頭部及び頸部の腫瘍);白血病及びリンパ悪性疾
患;ニューロン、グリア、星状細胞、視床下部及び他の腺、マクロファージ、上
皮、間質及び胞胚腔の疾患;及び炎症、脈管形成及び免疫学的な疾患が含まれる
。 本発明の抗腫瘍剤、例えば抗体は、哺乳動物、好ましくはヒトに、周知の方法
、例えば、ボーラスとして又は所定時間に渡る連続注入による静脈内投与、筋肉
内、腹膜内、脳脊髄内、皮下、関節間、滑膜内、鞘内、経口、局所、又は吸入経
路などにより投与される。抗体の静脈内投与が好ましい。
【0180】 他の治療的養生法を抗癌剤、例えば本発明の抗体の投与と組み合わせてもよい
。例えば、このような抗癌剤で治療される患者は放射線治療を受けてもよい。あ
るいは、又はそれに加えて、患者に化学治療薬を投与してもよい。このような化
学治療薬の調製法及び用量スケジュールは、製造者の指示に従って使用されるか
、熟練した実務者により経験的に決定される。そのような化学治療に対する調製
法及び用量スケジュールはまたChemotherapy Service M.C. Perry編, Williams
& Wilkins, Baltimore, MD (1992)にも記載されている。化学治療薬は、本発明
の抗腫瘍剤、例えば抗体の投与に先立って、又は続いて投与してもよく、あるい
はそれらと同時に投与してもよい。本発明の抗体は、タモキシフェン等の抗エス
トロゲン化合物又はオナプリストンなどの抗プロゲステロン(EP 616812参照)
の、それらの分子について知られた用量と組み合わせてもよい。 また、腫瘍関連抗原に対する抗体、例えばErbB2、EGFR、ErbB3
、ErbB4、又は血管内皮因子(VEGF)に結合する抗体を投与することも
好ましい。ときどきは、患者にサイトカインを投与することも有利である。好ま
しい実施態様では、ここの抗癌剤は、成長阻害剤と同時投与される。例えば、ま
ず成長阻害剤を投与し、続いて本発明の抗癌剤を投与する。しかしながら、同時
投与、又は本発明の抗癌剤を最初に投与することも考えられる。成長阻害剤につ
いての適切な用量は現在用いられている量であるが、成長阻害剤とこの抗体との
組み合わせ(相乗)効果により減少させ得る。
【0181】 疾患の防止又は治療のための、ここでの抗腫瘍剤の適切な用量は、上記で定義
したような治療される疾患の型、疾患の重篤さ及び経過、防止又は治療目的で薬
剤が投与されるか否か、従前の治療、患者の臨床履歴及び薬剤に対する反応、及
び主治医の裁量に依存する。薬剤は、適切には患者に一回又は一連の治療に渡っ
て適切に投与される。 例えば、疾患の型及び重篤さに応じて、約1μg/kgから15mg/kg(
例えば、0.1−20mg/kg)の抗体が、例えば、1又はそれ以上の別々の
投与あるいは連続注入のいずれにしても、患者に投与するための最初の候補用量
である。典型的な1日の用量は、上記の要因に応じて、約1μg/kgから10
0mg/kg又はそれ以上であろう。数日以上に渡る繰り返し投与のためには、
状態に応じて、疾患の徴候に所望の抑制が現れるまで治療が続けられる。しかし
ながら、他の用量計画が有用であることもある。この治療の進行は、従来の技術
及びアッセイによって容易に監視される。
【0182】 P.製造品 本発明の他の実施態様では、上記の疾患の診断又は治療に有用な物質を含む製
造品が提供される。この製造品は容器とラベルとを含んでなる。好適な容器は、
例えば、ビン、バイアル、シリンジ、及び試験管を含む。容器は、ガラス又はプ
ラスチックなどの材料から形成されてよい。容器は、状態を診断し治療するのに
有効な組成物を収容し、無菌のアクセスポートを有し得る(例えば、容器は皮下
注射針で貫通可能なストッパーを有する静脈内溶液バッグ又はバイアルであって
よい)。組成物中の活性剤は通常、ここで同定される遺伝子産物の活性を妨害す
ることのできる抗腫瘍剤、例えば抗体である。容器上又は添付されるラベルは、
組成物が選択した状態の診断又は治療のために使用されることを示す。製造品は
さらに、リン酸緩衝塩水、リンガー液及びデキストロース溶液などの製薬的に許
容されるバッファーを含む第2の容器を具備してもよい。さらに、他のバッファ
ー、希釈剤、フィルター、針、シリンジ、及び使用上の指示を付けたパッケージ
挿入物を含む商業的及び使用者の見地から望ましい他の材料を含んでもよい。
【0183】 Q.腫瘍の診断及び予知 或る種の腫瘍で過剰発現される成長レセプター等の細胞表面タンパク質は候補
薬剤又は腫瘍(例えば、癌)治療の優れた標的であるが、同じタンパク質は腫瘍
細胞で増幅された遺伝子にコードされる分泌タンパク質とともに腫瘍の診断及び
予知に用途が見出される。例えば、腫瘍細胞で増幅された遺伝子のタンパク質産
物に対する抗体は腫瘍診断又は予知として使用できる。 例えば、抗体断片を含む抗体は、増幅された遺伝子にコードされるタンパク質
(「マーカー遺伝子産物」)の発現の定性的又は定量的検出に用いることができ
る。抗体は、好ましくは検出可能な、例えば蛍光標識を備え、結合は光学顕微鏡
、フローサイトメトリー、フルオロメトリー、又はこの分野で知られた他の技術
によって監視できる。これらの技術は、増幅された遺伝子が細胞表面タンパク質
、例えば成長因子をコードする場合に特に好ましい。このような結合アッセイは
、上記5節に実質的に記載されたように実施される。
【0184】 マーカー遺伝子産物に結合する抗体のインサイツ検出は、例えば、免疫蛍光又
は免疫電子顕微鏡によって実施できる。この目的のために、組織学的試料を患者
から取り出し、好ましくは生物学的試料に抗体を被せることにより、標識抗体を
それに適用する。この手法はまた、試験される組織におけるマーカー遺伝子産物
の分布も決定できるようにする。当業者には、インサイツ検出のために広範な組
織学的方法が容易に利用できることは明らかであろう。
【0185】 以下の実施例は例示するためにのみ提供されるものであって、本発明の範囲を
決して限定することを意図するものではない。 本明細書で引用した全ての特許及び文献の全体を、出典明示によりここに取り
込む。
【0186】 (実施例) 実施例で言及されている全ての他の市販試薬は、特に示さない限りは製造者の
使用説明に従い使用した。ATCC登録番号により以下の実施例及び明細書全体
を通して特定されている細胞の供給源はアメリカン・タイプ・カルチャー・コレ
クション、10801ユニヴァーシティー・ビルディング、マナッサス、VA2
0110−2209である。本出願で言及される全ての元の寄託は、特許手続き
上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約及びその規則(ブダペス
ト条約)の規定の下でなされた。これは、寄託の日付から30年間、寄託の生存
可能な培養が維持されることを保証するものである。寄託物はブダペスト条約の
条項に従い、またジェネンテク社とATCCとの間の合意に従い、ATCCから
入手することができ、これは、どれが最初であろうとも、関連した米国特許の発
行時又は任意の米国又は外国特許出願の公開時に、寄託培養物の後代を永久かつ
非制限的に入手可能とすることを保証し、35米国特許法第122条及びそれに
従う特許庁長官規則(特に参照番号886OG638の37CFR第1.14条
を含む)に従って権利を有すると米国特許庁長官が決定した者に子孫を入手可能
とすることを保証するものである。
【0187】 特に記さない限り、本発明は上記及び以下の教科書に記載されたもののような
組換えDNA技術の標準的な手法を用いた:Sambrookら, Molecular Cloning: A
Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Press N.Y., 1989; Ausubelら, Curr
ent Protocols in Molecular Biology, Green Publishing Associates and Wile
y Interscience, N.Y., 1989; Innisら, PCR Protocols: A Guide to Methods a
nd Applications, Academic Press, Inc., N.Y.., 1990; Harlowら, Antibodies
: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, 198
8; Gait, Oligonucleotide synthesis, IRL Press, Oxford, 1984; R.I. Freshn
ey, Animal Cell Culture, 1987; Coliganら, Current Protocols in Immunolog
y, 1991。
【0188】 実施例1:ヒトPRO5800をコードするcDNAクローンの単離 Swiss-Prot公的データベースからの約950の公知の分泌タンパク質からの細
胞外ドメイン(ECD)配列(必要ならば、分泌シグナル配列を含む)を、ES
Tデータベースの検索に使用した。ESTデータベースは、公的データベース(
例えば、GenBank)を含んだ。検索は、コンピュータプログラムBLAST又はBLAST2
(Altschul及びGish, Methods in Enzymology 266: 460-480 (1996))を用いて
、ECDタンパク質配列のEST配列の6フレーム翻訳との比較として実施した
。公知のタンパク質をコードせず、Blastスコア70(90の場合もある)又は
それ以上を持つ比較は、プログラム「phrap」(Phil Green, University of Was
hington, Seattle, WA)でクラスター形成してコンセンサスDNA配列に構築し
た。 コンセンサスDNA配列は他のEST配列に対してphrapを用いて上記のよう
に構築した。このコンセンサス配列を、ここでDNA102836と命名した。
幾つかの場合には、コンセンサス配列は中間コンセンサスDNA配列から誘導さ
れ、それはBLAST及びphrapの繰り返しサイクルを用いて伸長させ、その中間コン
センサス配列は上記のEST配列の供給源を用いて可能な限り伸長させた。
【0189】 DNA102836コンセンサス配列に基づいて、1)PCRにより対象とす
る配列を含むcDNAライブラリを同定するため、及び2)PRO5800の全
長コード化配列のクローンを単離するプローブとして使用するために、オリゴヌ
クレオチドを合成した。正方向及び逆方向PCRプライマーは一般的に20〜3
0ヌクレオチドの範囲であり、しばしば約100−1000bp長のPCR産物
を与えるように設計される。プローブ配列は典型的には40-55bp長である
。幾つかの場合には、コンセンサス配列が約1−1.5kbpより大きな場合に
は更なるオリゴヌクレオチドを合成した。全長クローンについて幾つかのライブ
ラリをスクリーニングするために、ライブラリからのDNAを上掲のAusubelら,
Current Protocols in Molecular Biologyのように、PCRプライマー対での
PCR増幅によりスクリーニングした。次いでポジティブライブラリを、プロー
ブオリゴヌクレオチド及びプライマー対の一方を用いた興味ある遺伝子をコード
するクローンの単離に使用した。
【0190】 PCRプライマーの対(正方向及び逆方向)を合成した: 正方向PCRプライマー1: 5'-CAGCGAACCGGGTGCCGGGTC-3'(配列番号:21) 正方向PCRプライマー2: 5'-GAGCGACGAGCGCGCAGCGAAC-3'(配列番号:22) 正方向PCRプライマー3: 5'-ATACTGCGATCGCTAAACCACCATGCGCCGCCGCCTGTGGCTG-3' (配列番号:23) 逆方向PCRプライマー1: 5'-GCCGGCCTCTCAGGGCCTCAG-3'(配列番号:24) 逆方向PCRプライマー2: 5'-CCCACGTGTACAGAGCGGATCTC-3'(配列番号:25) 逆方向PCRプライマー3: 5'-GAGACCAGGACGGGCAGGAAGTG-3'(配列番号:26) 逆方向PCRプライマー4: 5'-CAGGCACCTTGGGGAGCCGCC -3'(配列番号:27) 逆方向PCRプライマー5: 5'-CCCACGTGTACAGAGCGGATCTC-3'(配列番号:28) 逆方向PCRプライマー6: 5'-GAGACCAGGACGGGCAGGAAGTG-3'(配列番号:29) さらに、次のヌクレオチド配列を持つ合成オリゴヌクレオチドハイブリッド形成
プローブをコンセンサスDNA102836配列から構築した: ハイブリッド形成プローブ: 5'-CTCTACGGGTACTGCAGGTTCCGGGAGCGCATCGAAGAGAACGG-3' (配列番号:30)
【0191】 cDNAライブラリーの構築のためのRNAをヒト胎児肺組織から単離した。
cDNAクローンを単離するために用いたcDNAライブラリーは、Invitrogen
, San Diego, CA からのもの等の市販試薬を用いて標準的方法によって形成した
。cDNAは、NotI部位を含むオリゴdTでプライムし、SalIヘミキナ
ーゼアダプターの平滑末端で結合させ、NotIで切断し、ゲル電気泳動でおよ
そのサイズ分割をし、決められた方向で適当なクローニングベクター(pRKB
又はpRKD等;pRK5Bは、SfiI部位を持たないpRK5Dの前駆体で
ある;Holmesら, Science, 253:1278-1280 (1991))に独特のXhol及びNo
tI部位においてクローン化した。 上記のように単離されたクローンのDNA配列は、全長PRO5800ポリペ
プチドについての全長DNA配列(DNA108912-2680と命名する[
Fig1、配列番号:1])及び当該PRO5800ポリペプチドの誘導タンパ
ク質配列を与えた。
【0192】 上記で同定された全長クローンは、単一のオープンリーディングフレームリー
ディングフレームを含み、ヌクレオチド位置7−9に見かけの翻訳開始部位及び
ヌクレオチド位置517−519の停止シグナルを有していた(Fig1;配列
番号:1)。予測されるポリペプチド前駆体は170アミノ酸長であり、約19
,663ダルトンの計算上の分子量及び約11.81の見積もられたpIを有す
る。Fig2(配列番号:2)に示した全長PRO5800の分析は、Fig2
に示したような種々の重要なポリペプチドドメインの存在を明らかにし、ここで
重要なポリペプチドドメインに与えた位置は上記のようにおよそのものである。
クローンDNA108912−2680は1999年5月25日にATCCに寄
託され、ATCC寄託番号PTA−124が付与されている。 Fig2(配列番号:2)に示した全長配列のALIGN-2配列アラインメント分
析を用いたDayhoffデータベース(version 35.45 SwissProt 35)の分析は、P
RO5800アミノ酸配列と以下のDayhoff配列、P_W52595, P_W57313, FGFA_HU
MAN, P_W57264, FGFA_RAT, P_W52597, MMU94517_1, FGFA_MOUSE, P_W57306 及び
D86333_1との間の配列同一性を明らかにした。
【0193】 実施例2:ヒトPRO6000をコードするcDNAクローンの単離 天然ヒトPRO6000ポリペプチドをコードするcDNAクローン(DNA
102880−2689)を、一次cDNAクローンの5’末端を優先的に示す
ヒト子宮cDNAライブラリにおいて、酵母スクリーニングを使用して同定した
。 クローンDNA102880−2689は、単一のオープンリーディングフレ
ームを含み、ヌクレオチド位置28−30に見かけの翻訳開始部位、そしてヌク
レオチド位置580−582に見かけの停止コドンを含む(Figure3;配列番号
:3)。予測されるポリペプチド前駆体は184アミノ酸長である(Figure4;
配列番号:4)。Fig4に示された全長PRO6000配列は、約21,05
2ダルトンの見積上の分子量及び約5.01の見積もられたpIを有する。Fi
g4(配列番号:4)に示した全長PRO6000の分析は、Fig4に示した
ような種々の重要なポリペプチドドメインの存在を明らかにし、ここで重要なポ
リペプチドドメインに与えた位置は上記のようにおよそのものである。クローン
DNA102880−2689は1999年7月20日にATCCに寄託され、
ATCC寄託番号PTA−383が付与されている。 Fig4(配列番号:4)に示した全長配列のALIGN-2配列アラインメント分
析を用いたDayhoffデータベース(version 35.45 SwissProt 35)の分析は、P
RO6000アミノ酸配列と以下のDayhoff配列、SPS_VICFA, ADU85448_1, G646
35, AE001516_3, P_W20328, P_W20747, 及びSPS_SPIOLとの間の配列同一性を明
らかにした。
【0194】 実施例3:ヒトPRO6016をコードするcDNAクローンの単離 DNA96881−2699は、ジェネンテク,インク(South San Francisc
o, CA)によって開発された独自の配列発見アルゴリズムを、公的(例えば、Gen
Bank)及び/又は個人的(LIFESEQ(登録商標), Incyte Pharmaceuticals, Inc.,
Palo Alto, CA)データベースからのESTs並びに集団化及び組み立てられた
EST断片に適用することにより同定した。シグナル配列アルゴリズムは、考慮
している配列又は配列断片の5'-末端の第1の、場合によっては第2のメチオニ
ンコドン(ATG)を取り囲むDNAヌクレオチドの文字に基づく分泌シグナル
スコアを計算する。第1のATGに続くヌクレオチドは、停止コドンを持たない
少なくとも35の不明瞭でないアミノ酸をコードしなければならない。第1のA
TGが必要なアミノ酸を有する場合、第2のものは試験しない。何れも要件を満
たさない場合、候補配列にスコアをつけない。EST配列が真正のシグナル配列
を含むか否かを決定するために、ATGコドンを取り囲むDNA及び対応するア
ミノ酸配列を、分泌シグナルに関連することが知られた7つのセンサー(評価パ
ラメータ)の組を用いてスコアをつけた。
【0195】 上記に記載したシグナル配列アルゴリズムの使用は、ここで3035248H
1と命名されたLIFESEQ(商品名)データーベース、Incyte Pharmaceuticals、Pal
o Alto, CAからのEST配列の同定を可能にした。次いでこのESTクラスター
配列を、公的データベース(例えば、GenBank)及び独自に開発したESTDN
Aデータベース(LIFESEQ(商品名)、Incyte Pharmaceuticals、Palo Alto, CA)
を含む種々の発現配列タグ(EST)データベースと比較して、存在する相同性
を同定した。相同体検索は、コンピュータプログラムBLAST又はBLAST2(Altschu
l及びGish, Methods in Enzymology 266: 460-480 (1996))を用いて実施した。
公知のタンパク質をコードせず、BLASTスコア70(90の場合もある)又はそ
れ以上を持つ比較物は、プログラム「phrap」(Phil Green, University of Was
hington, Seattle, Washington)で集団化してコンセンサスDNA配列を構築し
た。そこから得られたコンセンサス配列を、ここでDNA82389と命名する
。 DNA82389コンセンサス配列とLIFESEQ(商品名)データーベースIncyte
Pharmaceuticals、Palo Alto, CAのESTクローン番号3035248H1に含
まれるEST配列との間の観察された配列相同性に鑑みて、クローン番号303
5248H1を購入し、cDNA挿入物を得て配列決定した。この挿入物は全長
タンパク質をコードすることがわかった。このcDNA挿入物の配列をFigure5
に示し、ここでDNA96881−2699と命名する。
【0196】 クローンDNA96881−2699は単一のオープンリーディングフレーム
リーディングフレームを含み、ヌクレオチド位置60−62に見かけの翻訳開始
部位を持ち、そしてヌクレオチド位置1005−1007の停止コドンで終端す
る(Figure5;配列番号:5)。予測されるポリペプチド前駆体は315アミノ
酸長である(Figure6;配列番号:6)。Figure6に示す全長PRO6016タ
ンパク質は、約35,963ダルトンの見積もられた分子量及び約5.38のp
Iを有する。Figure6(配列番号:6)に示した全長PRO6016配列の分析
は、Figure6に示した種々の重要なポリペプチドドメインのの存在を明らかにし
、これら重要なポリペプチドドメインに与えられた位置は上記のようにおよその
ものである。クローンDNA96881−2699は1999年8月17日にA
TCCに寄託され、ATCC寄託番号PTA−553が付与されている。 Figure6(配列番号:6)に示した全長配列のALIGN-2配列アラインメント分
析を用いたDayhoffデータベース(version 35.45 SwissProt 35)の分析は、P
RO6016アミノ酸配列と以下のDayhoff配列、P_W88499; HGS_RE347; P_W886
47; YO87_CAEEL; S44095; P_W03626; P_W03627; IE68_HSVSA; PN0009; RNU51583
_1との間の配列同一性を明らかにした。
【0197】 実施例4:ヒトPRO6018をコードするcDNAクローンの単離 DNA96565−2701は、ジェネンテク,インク(South San Francisc
o, CA)によって開発された独自の配列発見アルゴリズムを、公的(例えば、Gen
Bank)及び/又は個人的(LIFESEQ(登録商標), Incyte Pharmaceuticals, Inc.,
Palo Alto, CA)データベースからのESTs並びに集団化及び組み立てられた
EST断片に適用することにより同定した。シグナル配列アルゴリズムは、考慮
している配列又は配列断片の5'-末端の第1の、場合によっては第2のメチオニ
ンコドン(ATG)を取り囲むDNAヌクレオチドの文字に基づく分泌シグナル
スコアを計算する。第1のATGに続くヌクレオチドは、停止コドンを持たない
少なくとも35の不明瞭でないアミノ酸をコードしなければならない。第1のA
TGが必要なアミノ酸を有する場合、第2のものは試験しない。何れも要件を満
たさない場合、候補配列にスコアをつけない。EST配列が真正のシグナル配列
を含むか否かを決定するために、ATGコドンを取り囲むDNA及び対応するア
ミノ酸配列を、分泌シグナルに関連することが知られた7つのセンサー(評価パ
ラメータ)の組を用いてスコアをつけた。
【0198】 上記に記載したシグナル配列アルゴリズムの使用は、ここで745575H1
と命名されたLIFESEQ(商品名)(Incyte Pharmaceuticals、Palo Alto, CA)デー
ターベースからのEST配列の同定を可能にした。次いでこのESTクラスター
配列を、公的データベース(例えば、GenBank)及び独自に開発したESTDN
Aデータベース(LIFESEQ(商品名)、Incyte Pharmaceuticals、Palo Alto, CA)
を含む種々の発現配列タグ(EST)データベースと比較して、存在する相同性
を同定した。相同体検索は、コンピュータプログラムBLAST又はBLAST2(Altschu
l及びGish, Methods in Enzymology 266: 460-480 (1996))を用いて実施した。
公知のタンパク質をコードせず、BLASTスコア70(90の場合もある)又はそ
れ以上を持つ比較物は、プログラム「phrap」(Phil Green, University of Was
hington, Seattle, Washington)で集団化してコンセンサスDNA配列を構築し
た。そこから得られたコンセンサス配列を、ここでDNA82411と命名する
。 DNA82411コンセンサス配列とLIFESEQ(商品名)データーベースIncyte
Pharmaceuticals、Palo Alto, CAのESTクローン番号745575H1に含ま
れるEST配列との間の観察された配列相同性に鑑みて、クローン番号7455
75H1を購入し、cDNA挿入物を得て配列決定した。この挿入物は全長タン
パク質をコードすることがわかった。このcDNA挿入物の配列をFigure7に示
し、ここでDNA98565−2701と命名する。
【0199】 クローンDNA96565−2701は単一のオープンリーディングフレーム
リーディングフレームを含み、ヌクレオチド位置352−357に見かけの翻訳
開始部位を持ち、そしてヌクレオチド位置3085−3087の停止コドンで終
端する(Figure7;配列番号:7)。予測されるポリペプチド前駆体は911ア
ミノ酸長である(Figure8;配列番号:8)。Figure8に示す全長PRO601
8タンパク質は、約99,117ダルトンの見積もられた分子量及び約4.62
のpIを有する。Figure8(配列番号:8)に示した全長PRO6018配列の
分析は、Figure8に示した種々の重要なポリペプチドドメインのの存在を明らか
にし、これら重要なポリペプチドドメインに与えられた位置は上記のようにおよ
そのものである。クローンDNA98565−2701は1999年8月3日に
ATCCに寄託され、ATCC寄託番号PTA−481が付与されている。 Figure8(配列番号:8)に示した全長配列のALIGN-2配列アラインメント分
析を用いたDayhoffデータベース(version 35.45 SwissProt 35)の分析は、P
RO6018アミノ酸配列と以下のDayhoff配列、PGCB_BOVIN; P_R85442; P_R77
034; P_R12609; AC003110_2; PGCV_HUMAN; AF116856_1; P_W75099; HGS_A176; A
098460_1との間の配列同一性を明らかにした。
【0200】 実施例5:ヒトPRO6496をコードするcDNAクローンの単離 Swiss-Prot公的データベースからの約950の公知の分泌タンパク質からの細
胞外ドメイン(ECD)配列(必要ならな、分泌シグナル配列を含む)を、ES
Tデータベースの検索に使用した。ESTデータベースは、自社のEST DN
Aデーターベース(LIFESEQ(商品名)、Incyte Pharmaceuticals、Palo Alto、CA
)を含んだ。検索は、コンピュータプログラムBLAST又はBLAST2(Altschul及びG
ish, Methods in Enzymology 266: 460-480 (1996))を用いて、ECDタンパク
質配列のEST配列の6フレーム翻訳との比較として実施した。公知のタンパク
質をコードせず、Blastスコア70(90の場合もある)又はそれ以上を持つ比
較は、プログラム「phrap」(Phil Green, University of Washington, Seattle
, WA)でクラスター形成してコンセンサスDNA配列に構築した。 コンセンサスDNA配列は他のEST配列に対してphrapを用いて上記のよう
に構築した。このコンセンサス配列を、ここでDNA43048と命名した。幾
つかの場合には、DNA43048コンセンサス配列は中間コンセンサスDNA
配列から誘導され、それはBLAST及びphrapの繰り返しサイクルを用いて伸長させ
、その中間コンセンサス配列は上記のEST配列の供給源を用いて可能な限り伸
長させた。
【0201】 DNA43048コンセンサス配列に基づいて、そしてDNA43048コン
センサス配列とLIFESEQ(商品名)データーベースIncyte Pharmaceuticals、Palo
Alto, CAのESTクローン番号1636952に含まれるEST配列との間の観
察された配列相同性に鑑みて、クローン番号1636952を購入し、cDNA
挿入物を得て配列決定した。この挿入物は全長タンパク質をコードすることがわ
かった。このcDNA挿入物の配列をFigure9に示し、ここでDNA11930
2−2737と命名する。 上記にて同定された全長クローンは、単一のオープンリーディングフレームリ
ーディングフレームを含み、ヌクレオチド位置63−65に見かけの翻訳開始部
位を持ち、そしてヌクレオチド位置2328−2330の停止コドンで終端する
(Figure9;配列番号:9)。予測されるポリペプチド前駆体は755アミノ酸
長であり、約82,785ダルトンの見積もられた分子量及び約8.71のpI
を有する。Figure10(配列番号:10)に示した全長PRO6496配列の分
析は、Figure10に示した種々の重要なポリペプチドドメインのの存在を明らか
にし、これら重要なポリペプチドドメインに与えられた位置は上記のようにおよ
そのものである。クローンDNA119302−2737は1999年8月10
日にATCCに寄託され、ATCC寄託番号PTA−520が付与されている。 Figure10(配列番号:10)に示した全長配列のALIGN-2配列アラインメン
ト分析を用いたDayhoffデータベース(version 35.45 SwissProt 35)の分析は
、PRO6496アミノ酸配列と以下のDayhoff配列、P_W81365; NEC3_MOUSE; M
USPRCON14_1; FURI_HUMAN; P_R77540; S71340; P_W73932; DROFUR1ISO_1; GEN12
660; 及びP_R59784との間の配列同一性を明らかにした。
【0202】 実施例6:ヒトPRO7154をコードするcDNAクローンの単離 Swiss-Prot公的データベースからの約950の公知の分泌タンパク質からの細
胞外ドメイン(ECD)配列(必要ならな、分泌シグナル配列を含む)を、ES
Tデータベースの検索に使用した。ESTデータベースは、(1)公的ESTデ
ーターベース(例えば、Merck/Washington University)、及び(2)自社のES
T DNAデーターベース(LIFESEQ(商品名)、Incyte Pharmaceuticals、Palo A
lto、CA)を含んだ。検索は、コンピュータプログラムBLAST又はBLAST2(Altsch
ul及びGish, Methods in Enzymology 266: 460-480 (1996))を用いて、ECD
タンパク質配列のEST配列の6フレーム翻訳との比較として実施した。公知の
タンパク質をコードせず、Blastスコア70(90の場合もある)又はそれ以上
を持つ比較は、プログラム「phrap」(Phil Green, University of Washington,
Seattle, WA)でクラスター形成してコンセンサスDNA配列に構築した。 コンセンサスDNA配列は他のEST配列に対してphrapを用いて上記のよう
に構築した。このコンセンサス配列を、ここでDNA38237と命名した。幾
つかの場合には、DNA38237コンセンサス配列は中間コンセンサスDNA
配列から誘導され、それはBLAST及びphrapの繰り返しサイクルを用いて伸長させ
、その中間コンセンサス配列は上記のEST配列の供給源を用いて可能な限り伸
長させた。
【0203】 DNA38237コンセンサス配列に基づいて、そしてDNA38237コン
センサス配列とLIFESEQ(商品名)データーベースIncyte Pharmaceuticals、Palo
Alto, CAのESTクローン番号1855755に含まれるEST配列との間の観
察された配列相同性に鑑みて、クローン番号1855755を購入し、cDNA
挿入物を得て配列決定した。この挿入物は全長タンパク質をコードすることがわ
かった。このcDNA挿入物の配列をFigure11に示し、ここでDNA1087
60−2740と命名する。 上記にて同定された全長クローンは、単一のオープンリーディングフレームリ
ーディングフレームを含み、ヌクレオチド位置102−104に見かけの翻訳開
始部位を持ち、そしてヌクレオチド位置1083−1085の停止コドンで終端
する(Figure11;配列番号:11)。予測されるポリペプチド前駆体は327
アミノ酸長であり、約34,348ダルトンの見積もられた分子量及び約7.8
8のpIを有する。Figure12(配列番号:12)に示した全長PRO7154
配列の分析は、Figure12に示した種々の重要なポリペプチドドメインのの存在
を明らかにし、これら重要なポリペプチドドメインに与えられた位置は上記のよ
うにおよそのものである。クローンDNA108760−2740は1999年
8月17日にATCCに寄託され、ATCC寄託番号PTA−548が付与され
ている。 Figure12(配列番号:12)に示した全長配列のALIGN-2配列アラインメン
ト分析を用いたDayhoffデータベース(version 35.45 SwissProt 35)の分析は
、PRO7154アミノ酸配列と以下のDayhoff配列、AF061022_1; AF061024_1;
HS889N15_1; GGY14064_1; GGY14063_1; AF061023_1; XLU43330_1; GEN14531; M
MCARH_1; 及びMMU90715_1との間の配列同一性を明らかにした。
【0204】 実施例7:ヒトPRO7170をコードするcDNAクローンの単離 DNA108722−2743は、ジェネンテク,インク(South San Franci
sco, CA)によって開発された独自の配列発見アルゴリズムを、公的(例えば、G
enBank)及び/又は個人的(LIFESEQ(登録商標), Incyte Pharmaceuticals, Inc
., Palo Alto, CA)データベースからのESTs並びに集団化及び組み立てられ
たEST断片に適用することにより同定した。シグナル配列アルゴリズムは、考
慮している配列又は配列断片の5'-末端の第1の、場合によっては第2のメチオ
ニンコドン(ATG)を取り囲むDNAヌクレオチドの文字に基づく分泌シグナ
ルスコアを計算する。第1のATGに続くヌクレオチドは、停止コドンを持たな
い少なくとも35の不明瞭でないアミノ酸をコードしなければならない。第1の
ATGが必要なアミノ酸を有する場合、第2のものは試験しない。何れも要件を
満たさない場合、候補配列にスコアをつけない。EST配列が真正のシグナル配
列を含むか否かを決定するために、ATGコドンを取り囲むDNA及び対応する
アミノ酸配列を、分泌シグナルに関連することが知られた7つのセンサー(評価
パラメータ)の組を用いてスコアをつけた。
【0205】 上記に記載したシグナル配列アルゴリズムの使用は、ここでCLU57836
と命名されたLIFESEQ(商品名)データーベース、Incyte Pharmaceuticals、Palo
Alto, CAからのESTクラスター配列の同定を可能にした。次いでこのESTク
ラスター配列を、公的データベース(例えば、GenBank)及び独自に開発したE
STDNAデータベース(LIFESEQ(商品名)、Incyte Pharmaceuticals、Palo Al
to, CA)を含む種々の発現配列タグ(EST)データベースと比較して、存在す
る相同性を同定した。相同体検索は、コンピュータプログラムBLAST又はBLAST2
(Altschul及びGish, Methods in Enzymology 266: 460-480 (1996))を用いて
実施した。公知のタンパク質をコードせず、BLASTスコア70(90の場合もあ
る)又はそれ以上を持つ比較物は、プログラム「phrap」(Phil Green, Univers
ity of Washington, Seattle, Washington)で集団化してコンセンサスDNA配
列を構築した。そこから得られたコンセンサス配列を、ここでDNA58756
と命名する。 DNA58756コンセンサス配列とLIFESEQ(商品名)データーベースIncyte
Pharmaceuticals、Palo Alto, CAのESTクローン番号2251462に含まれ
るEST配列との間の観察された配列相同性に鑑みて、クローン番号22514
62を購入し、cDNA挿入物を得て配列決定した。この挿入物は全長タンパク
質をコードすることがわかった。このcDNA挿入物の配列をFigure13に示し
、ここでDNA108722−2743と命名する。
【0206】 クローンDNA108722−2743は単一のオープンリーディングフレー
ムリーディングフレームを含み、ヌクレオチド位置60−62に見かけの翻訳開
始部位を持ち、そしてヌクレオチド位置1506−1508の停止コドンで終端
する(Figure13;配列番号:13)。予測されるポリペプチド前駆体は482
アミノ酸長である(Figure14;配列番号:14)。Figure14に示す全長PR
O7170タンパク質は、約49,060ダルトンの見積もられた分子量及び約
4.74のpIを有する。Figure14(配列番号:14)に示した全長PRO7
170配列の分析は、Figure14に示した種々の重要なポリペプチドドメインの
の存在を明らかにし、これら重要なポリペプチドドメインに与えられた位置は上
記のようにおよそのものである。クローンDNA108722−2743は19
99年8月17日にATCCに寄託され、ATCC寄託番号PTA−552が付
与されている。 Figure14(配列番号:14)に示した全長配列のALIGN-2配列アラインメン
ト分析を用いたDayhoffデータベース(version 35.45 SwissProt 35)の分析は
、PRO7170アミノ酸配列と以下のDayhoff配列、P_Y12291, I47141, D8873
3_1, DMC56G7_1, P_Y11606, HWP1_CANAL, HSMUC5BEX_1, HSU78550_1, HSU70136_
1, HSU70136_1, 及びSGS3_DROMEとの間の配列同一性を明らかにした。
【0207】 実施例8:ヒトPRO7422をコードするcDNAクローンの単離 DNA119536−2752は、ジェネンテク,インク(South San Franci
sco, CA)によって開発された独自の配列発見アルゴリズムを、公的(例えば、G
enBank)及び/又は個人的(LIFESEQ(登録商標), Incyte Pharmaceuticals, Inc
., Palo Alto, CA)データベースからのESTs並びに集団化及び組み立てられ
たEST断片に適用することにより同定した。シグナル配列アルゴリズムは、考
慮している配列又は配列断片の5'-末端の第1の、場合によっては第2のメチオ
ニンコドン(ATG)を取り囲むDNAヌクレオチドの文字に基づく分泌シグナ
ルスコアを計算する。第1のATGに続くヌクレオチドは、停止コドンを持たな
い少なくとも35の不明瞭でないアミノ酸をコードしなければならない。第1の
ATGが必要なアミノ酸を有する場合、第2のものは試験しない。何れも要件を
満たさない場合、候補配列にスコアをつけない。EST配列が真正のシグナル配
列を含むか否かを決定するために、ATGコドンを取り囲むDNA及び対応する
アミノ酸配列を、分泌シグナルに関連することが知られた7つのセンサー(評価
パラメータ)の組を用いてスコアをつけた。
【0208】 上記に記載したシグナル配列アルゴリズムの使用は、ここで81575と命名
されたIncyte データーベースからのESTクラスター配列の同定を可能にした
。次いでこのESTクラスター配列を、公的データベース(例えば、GenBank)
及び独自に開発したESTDNAデータベース(LIFESEQ(商品名)、Incyte Phar
maceuticals、Palo Alto, CA)を含む種々の発現配列タグ(EST)データベー
スと比較して、存在する相同性を同定した。相同体検索は、コンピュータプログ
ラムBLAST又はBLAST2(Altschul及びGish, Methods in Enzymology 266: 460-48
0 (1996))を用いて実施した。公知のタンパク質をコードせず、BLASTスコア7
0(90の場合もある)又はそれ以上を持つ比較物は、プログラム「phrap」(P
hil Green, University of Washington, Seattle, Washington)で集団化してコ
ンセンサスDNA配列を構築した。そこから得られたコンセンサス配列を、ここ
でDNA104391と命名する。
【0209】 DNA104391コンセンサス配列とIncyteデーターベースのクローン番号
1922888に含まれるEST配列との間の観察された配列相同性に鑑みて、
クローン番号1922888を購入し、cDNA挿入物を得て配列決定した。こ
の挿入物は全長タンパク質をコードすることがわかった。このcDNA挿入物の
配列をFigure15に示し、ここでDNA119536−2752と命名する。 クローンDNA119536−2752は単一のオープンリーディングフレー
ムリーディングフレームを含み、ヌクレオチド位置47−49に見かけの翻訳開
始部位を持ち、そしてヌクレオチド位置311−313の停止コドンで終端する
(Figure15;配列番号:15)。予測されるポリペプチド前駆体は88アミノ
酸長である(Figure16)。Figure16に示す全長PRO7422タンパク質は
、約9,645ダルトンの見積もられた分子量及び約5.45のpIを有する。
Figure16(配列番号:16)に示した全長PRO7422配列の分析は、Figu
re16に示した種々の重要なポリペプチドドメインのの存在を明らかにし、これ
ら重要なポリペプチドドメインに与えられた位置は上記のようにおよそのもので
ある。クローンDNA119536−2752は1999年8月17日にATC
Cに寄託され、ATCC寄託番号PTA−551が付与されている。
【0210】 実施例9:ヒトPRO7431をコードするcDNAクローンの単離 DNA119542−2754は、ジェネンテク,インク(South San Franci
sco, CA)によって開発された独自の配列発見アルゴリズムを、公的(例えば、G
enBank)及び/又は個人的(LIFESEQ(登録商標), Incyte Pharmaceuticals, Inc
., Palo Alto, CA)データベースからのESTs並びに集団化及び組み立てられ
たEST断片に適用することにより同定した。シグナル配列アルゴリズムは、考
慮している配列又は配列断片の5'-末端の第1の、場合によっては第2のメチオ
ニンコドン(ATG)を取り囲むDNAヌクレオチドの文字に基づく分泌シグナ
ルスコアを計算する。第1のATGに続くヌクレオチドは、停止コドンを持たな
い少なくとも35の不明瞭でないアミノ酸をコードしなければならない。第1の
ATGが必要なアミノ酸を有する場合、第2のものは試験しない。何れも要件を
満たさない場合、候補配列にスコアをつけない。EST配列が真正のシグナル配
列を含むか否かを決定するために、ATGコドンを取り囲むDNA及び対応する
アミノ酸配列を、分泌シグナルに関連することが知られた7つのセンサー(評価
パラメータ)の組を用いてスコアをつけた。
【0211】 上記に記載したシグナル配列アルゴリズムの使用は、ここでクローン番号22
01182と命名されたLIFESEQ(商品名)、Incyte Pharmaceuticals、Palo Alto
, CAデーターベースからのESTクラスター配列の同定を可能にした。次いでこ
のESTクラスター配列を、公的データベース(例えば、GenBank)及び独自に
開発したESTDNAデータベース(LIFESEQ(商品名)、Incyte Pharmaceutical
s、Palo Alto, CA)を含む種々の発現配列タグ(EST)データベースと比較し
て、存在する相同性を同定した。相同体検索は、コンピュータプログラムBLAST
又はBLAST2(Altschul及びGish, Methods in Enzymology 266: 460-480 (1996)
)を用いて実施した。公知のタンパク質をコードせず、BLASTスコア70(90
の場合もある)又はそれ以上を持つ比較物は、プログラム「phrap」(Phil Gree
n, University of Washington, Seattle, Washington)で集団化してコンセンサ
スDNA配列を構築した。そこから得られたコンセンサス配列を、ここでDNA
104392と命名する。 DNA104392コンセンサス配列とIncyteデーターベースのクローン番号
2201182に含まれるEST配列との間の観察された配列相同性に鑑みて、
クローン番号2201182を購入し、cDNA挿入物を得て配列決定した。こ
の挿入物は全長タンパク質をコードすることがわかった。このcDNA挿入物の
配列をFigure15に示し、ここでDNA119542−2754と命名する。
【0212】 クローンDNA119542−2754は単一のオープンリーディングフレー
ムリーディングフレームを含み、ヌクレオチド位置247−249に見かけの翻
訳開始部位を持ち、そしてヌクレオチド位置838−840の停止コドンで終端
する(Figure17;配列番号:17)。予測されるポリペプチド前駆体は197
アミノ酸長である(Figure18)。Figure18に示す全長PRO7431タンパ
ク質は、約21,992ダルトンの見積もられた分子量及び約12.18のpI
を有する。Figure18(配列番号:18)に示した全長PRO7431配列の分
析は、Figure18に示した種々の重要なポリペプチドドメインのの存在を明らか
にし、これら重要なポリペプチドドメインに与えられた位置は上記のようにおよ
そのものである。クローンDNA119542−2754は1999年8月31
日にATCCに寄託され、ATCC寄託番号PTA−619が付与されている。 Figure18(配列番号:18)に示した全長配列のALIGN-2配列アラインメ
ント分析を用いたDayhoffデータベース(version 35.45 SwissProt 35)の分析
は、PRO7431アミノ酸配列と以下のDayhoff配列AF061943_1; RNU08136_1;
MAV011838_1; HXAA_HUMAN; Y653_HUMAN; P_R51263; P_R74041; AF101057_1; AF
101058; AF101059_1との間の配列同一性を明らかにした。
【0213】 実施例10:ヒトPRO7476をコードするcDNAクローンの単離 サイトカイン/成長因子相同体のために、相同体検索をコンピュータプログラ
ムBLAST又はBLAST2(Altschul及びGish, Methods in Enzymology 266: 460-480
(1996))を用いて実施した。94.5KB断片が成長因子をコードするエクソン
を含むことが見出されたが、この断片は大きなイントロンによって分割されてい
た。イントロンは、コンピューターアルゴリズムによって除かれた。DNA10
2863コンセンサス配列に基づいて、1)対象となる配列を含んだcDNAラ
イブラリがPCRによって同定されるように、そして2)PRO7476の全長
コード化配列のクローンを単離するプローブとして利用するために、オリゴヌク
レオチドを合成した。正方向及び逆方向PCRプライマーは、一般的に20〜3
0ヌクレオチドの範囲であり、しばしば約100−1000bp長のPCR産物
を与えるように設計される。プローブ配列は典型的には40−55bp長である
。或る場合には、コンセンサス配列が約1−1.5kbpより大きいとき付加的
オリゴヌクレオチドが合成される。全長クローンについて幾つかのライブラリを
スクリーニングするために、ライブラリからのDNAをAusubelら, Current Pro
tocols i Molecular Biology, のように、PCRプライマー対でのPCR増幅に
よりスクリーニングした。ポジティブライブラリを、プローブオリゴヌクレオチ
ド及びプライマー対の一方を用いた対象とする遺伝子クローンの単離に使用した
【0214】 PCRプライマー(正方向及び逆方向)を合成した: 正方向PCRプライマー: 5'-ATGCAGCTCCCACTGGCCCTG-3' (配列番号:31) 逆方向PCRプライマー: 5'-CTAGTAGGCGTTCTCCAGCTCGGCCTG-3' (配列番号:32) さらに、合成オリゴヌクレオチドハイブリッド形成プローブは、以下の核酸配列
を持つDNA102863配列から作成した: ハイブリダイゼーションプローブ: 5'-CTTCCGCTGCATCCCCGACCGCTACCGCGCGCAGCGCGTG-3' (配列番号:33) 上
記のような単離されたクローンのDNA配列は、全長PRO7476ポリペプチ
ド(ここでDNA115253−2757[Figure19,配列番号:19]と命
名された)の全長DNA配列、及びそのPRO7476ポリペプチドの誘導タン
パク質配列を与える。
【0215】 上記の同定された全長クローンは、単一のオープンリーディングフレームリー
ディングフレームを含み、ヌクレオチド位置62−64に見かけの翻訳開始部位
を持ち、そしてヌクレオチド位置701−703の停止コドンで終端する(Figu
re19;配列番号:19)。予測されるポリペプチド前駆体は213アミノ酸長
であり、約24,031ダルトンの計算上の分子量及び約9.59のpIを有す
る。Figure20(配列番号:20)に示した全長PRO7476配列の分析は、
Figure20に示した種々の重要なポリペプチドドメインのの存在を明らかにし、
これら重要なポリペプチドドメインに与えられた位置は上記のようにおよそのも
のである。クローンDNA115253−2757は1999年8月31日にA
TCCに寄託され、ATCC寄託番号PTA−612が付与されている。 Figure20(配列番号:20)に示した全長配列のALIGN-2配列アラインメ
ント分析を用いたDayhoffデータベース(version 35.45 SwissProt 35)の分析
は、PRO7476アミノ酸配列と以下のDayhoff配列、P_W58704; P_W95711; P
_W09408; P_Y12009; T08710; P_W44090; P_W27654; P_Y03225; LSHB_MELGA; AB0
11030_1との間の配列同一性を明らかにした。
【0216】 実施例11:遺伝子増幅 この実施例は、PRO5800−,PRO6000−,PRO6016−,P
RO6018−,PRO6496−,PRO7154−,PRO7170−,P
RO7422、PRO7431又はPRO7476コード化遺伝子が或る種のヒ
ト肺、結腸及び/又は乳癌及び/又は細胞系のゲノムで増幅されることを示す。
増幅は遺伝子産物の過剰発現を伴い、ポリペプチドが結腸、肺、乳及び他の癌等
の或る種の癌において治療的処置の有用な標的であることを示している。治療薬
は、PRO5800,PRO6000,PRO6016,PRO6018,PR
O6496,PRO7154,PRO7170,PRO7422,PRO743
1又はPRO7476ポリペプチドのアンタゴニストの形態をとりうることがで
き、例えばPRO5800,PRO6000,PRO6016,PRO6018
,PRO6496,PRO7154,PRO7170,PRO7422,PRO
7431又はPRO7476ポリペプチドに対するマウス−ヒトキメラ、ヒト化
又はヒト抗体である。 スクリーニングの出発物質は種々の癌から単離したゲノムDNAである。DN
Aは、定量的、例えば蛍光的に正確である。ネガティブコントロールとして、D
NAを10の正常健常個体からDNAを単離し、それをプールして健常個体にお
ける遺伝子コピーのアッセイ対照として使用した(示さず)。5’ヌクレアーゼ
アッセイ(例えばTaqMan(商品名))及び実時間定量的PCR(例えば、ABI Priz
m 7700 Sequence Detection System(商品名)(Perkin Elmer, applied Biosystem
s Division, Foster City, CA))を、或る種の癌で潜在的に増幅される遺伝子の
発見に使用した。結果は、PRO5800,PRO6000,PRO6016,
PRO6018,PRO6496,PRO7154,PRO7170,PRO7
422,PRO7431又はPRO7476をコードするDNAがスクリーニン
グされた原発性肺又は結腸癌又は癌細胞系又は乳癌細胞系の何れかで過剰表現さ
れるか否かを決定するために用いた。原発性肺癌は、表4に示した型及び段階の
腫瘍を持つ個体から得た。表4に列挙した原発腫瘍及びこの実施例を通して参照
される原発腫瘍及び細胞系の表示に使用した略語の説明は、上文に示されている
【0217】 TaqMan(商品名)の結果はデルタ(Δ)Ct単位で報告した。1単位は1PCRサ
イクル又は正常に対して約2倍の増幅に相当し、2単位は4倍、3単位は8倍増
幅等々に相当する。定量化はプライマー及びPRO5800−,PRO6000
−,PRO6016−,PRO6018−,PRO6496−,PRO7154
−,PRO7170−,PRO7422、PRO7431又はPRO7476コ
ード化遺伝子から誘導したTaqMan(商品名)蛍光プローブを用いて得た。独特の核
酸配列を含む可能性が高く、イントロンをスプライシングしている可能性が少な
いと思われるPRO5800,PRO6000,PRO6016,PRO601
8,PRO6496,PRO7154,PRO7170,PRO7422,PR
O7431又はPRO7476の領域がプライマー及びプローブ誘導に好適であ
り、例えば3-非翻訳領域である。PRO5800,PRO6000,PRO6
016,PRO6018,PRO6496,PRO7154,PRO7170,
PRO7422,PRO7431又はPRO7476遺伝子増幅分析に使用した
プライマー及びプローブ(正、逆及びプローブ)の配列は次の通りである: PRO5800(DNA108912−2680): 108912.tm.f1: 5'-GCGTCGTGGTCATCAAAG-3' (配列番号:34) 108912.tm.r1: 5'-TGCAGTCCACGGTGTAGAG-3' (配列番号:35) 108912.tm.p1: 5'-CTTCTACGTGGCCATGAACCGC-3' (配列番号:36) 108912.tm.f2: 5'-CCTGGAGATCCGCTCTGTA-3' (配列番号:37) 108912.tm.p2: 5'-CTTTGATGACCACGACGCCCA-3' (配列番号:38) 108912.tm.r2: 5'-ACGTAGAAGCCTGAGGACAC-3' (配列番号:39) PRO6000(DNA102880−2689): 102880.tm.f1: 5'-GATGCTCCAGCTGAAATCC-3' (配列番号:40) 102880.tm.r1: 5'-CACATGGCTGGAAATGATG-3' (配列番号:41) 102880.tm.p1: 5'-AAGCTAAGCTCCCAACTGACAGCCA-3' (配列番号:42) PRO6016(DNA96881−2699): 96881.tm.f1: 5'-TGGCCTACATGTGTCTTCATC-3' (配列番号:43) 96881.tm.r1: 5'-CACAACTTTCTGGTCATAT CCAT-3' (配列番号:44) 96881.tm.p1: 5'-CCTGCCCCAAGACGGCATTAG-3' (配列番号:45) PRO6018(DNA98565−2701) 98565.tm.f1: 5'-CCTGGGCACCAGATCTTC-3' (配列番号:46) 98565.tm.r1: 5'-AGGGCAGTTGAGGCACTT-3' (配列番号:47) 98565.tm.p1: 5'-CATCAGGGCCGGAGTAAATCCCT -3' (配列番号:48) PRO6496(DNA119302−2737): 119302.tm.f1: 5'-TCCATGGACCTCCCACTATAC-3' (配列番号:49) 119302.tm.r1: 5'-GCTGACAACTTCAGGTTCCA-3' (配列番号:50) 119302.tm.p1: 5'-ACCCCCACCAAACCCCAGGT-3' (配列番号:51) PRO7154(DNA108760−2740): 108760.tm.f1: 5'-GATCTCTGAGCACACTTGTATGAG-3' (配列番号:52) 108760.tm.r1: 5'-GGCAGACGAGGGTCTTTC-3' (配列番号:53) 108760.tm.p1: 5'-CAGGAACCCCTTGCTAGAATCAGCC-3' (配列番号:54) PRO7170(DNA108722−2743): 108722.tm.f1: 5'-CCCAGAAGGTTCCCATGA-3' (配列番号:55) 108722.tm.r1: 5'-GGGTCCTGTTGCCACATC-3' (配列番号:56) 108722.tm.p1: 5'-CAGCATGTCC AAGCCCCTAACCC-3' (配列番号:57) PRO7422(DNA119536−2752): 119536.tm.f1: 5'-TCTCCCCGATTCTCATCTG-3' (配列番号:58) 119536.tm.r1: 5'-CCCTGAGAGTCCTGCACAT-3' (配列番号:59) 119536.tm.p1: 5'-CCCATAATCATGGACACAGCCCC-3' (配列番号:60) PRO7431(DNA119542−2754): 119542.tm.f1: 5'-AGTGAAGTTTCTCCAGTCCCTAGT-3' (配列番号:61) 119542.tm.r1: 5'-CCTGGGGTAAGTGAGCAAA-3' (配列番号:62) 119542.tm.p1: 5'-CCTCTCTTTTCACCCACCTTCCTCAG-3' (配列番号:63) PRO7476(DNA115253−2757): 115253.tm.f1: 5'-GGGACTGGTTAAGAAAGTTGGAT-3' (配列番号:64) 115253.tm.r1: 5'-CGCCTCAGGCTTTCTGAT-3' (配列番号:65) 115253.tm.p1: 5'-AGATTCCCCCTTGCACCTCGC-3' (配列番号:66)
【0218】 5’ヌクレアーゼアッセイ反応は蛍光PCRベースの技術であり、実時間での
増幅監視のためのTaqDNAポリメラーゼ酵素の5’エキソヌクレアーゼ活性
を使用する。PCR反応に典型的な単位複製配列の生成に2つのオリゴヌクレオ
チドプライマーを使用する。第3のオリゴヌクレオチド、又はプローブは、2つ
のPCRプライマーの間に位置するヌクレオチド配列を検出するために設計され
た。プローブはTaqDNAポリメラーゼ酵素により非伸展性であり、レポータ
ー蛍光染料及びクエンチャー蛍光染料で標識される。2つの染料がプローブ上に
接近して位置する場合、レポーター染料からのレーザー誘導発光は消光染料によ
って消光される。増幅反応の間、プローブはTAQ DNAポリメラーゼ酵素に
よりテンプレートに依存する形で切断される。得られたプローブ断片は溶液中に
解離し、放出されたレポーター染料からのシグナルは第2のフルオロホアからの
消光効果を受けない。レポーター染料の一分子は、新たに合成された各分子に対
して遊離せしめられ、非消光レポーター染料の検出がデータの定量的解釈の基礎
を提供する。
【0219】 5’ヌクレアーゼ法は、ABI Prism 7700TM配列検出などの実時間定量的PCR
装置で実施される。系は温度サイクル器、レーザー、電荷結合素子(CCD)カ
メラ及びコンピュータからなる。系は温度サイクル器上で96-ウェルでの試料を
増幅させる。増幅中に、レーザー誘導蛍光シグナルは、実時間で、光ファイバー
ケーブルで96ウェルに集められ、CCDで検出される。系は装置の実行及びデ
ータの分析のためのソフトウェアを含む。 5’ヌクレアーゼアッセイデータは、最初はCt又は境界サイクルで表される
。これは、レポーターシグナルが蛍光のバックグラウンドを越えて蓄積されるサ
イクルとして定義される。正常なヒトDNAの結果を癌DNAの結果と比較する
場合に、△Ct値を核酸試料における特定の標的配列の出発コピー相対数の定量
的尺度として使用した。
【0220】 表4は、本発明のPRO5800,PRO6000,PRO6016,PRO
6018,PRO6496,PRO7154,PRO7170,PRO7422
,PRO7431又はPRO7476化合物のスクリーニングに用いた種々の原
発腫瘍の段階、T段階及びN段階を記載する。
【0221】
【0222】 DNA調製: DNAは培養した細胞系、原発腫瘍、正常ヒト血液から調製した。単離は、全
てQuiagenからの、精製キット、バッファーセット及びプロテアーゼを用い、製
造者の指示と下記に従って実施した。
【0223】 細胞培養溶解: 細胞を洗浄し、チップ当たり7.5x10の濃度でトリプシン化し、4℃で
5分間1000rpmで遠心分離してペレット化し、次いで1/2容量のPBS再遠心
で洗浄した。ペレットを3回洗浄し、懸濁細胞を回収して2xPBSで洗浄した
。次いで細胞を10mLのPBSに懸濁させた。バッファーC1を4℃で平衡化させ
た。Quiagenプロテアーゼ#19155を6.25mlの冷ddHOで最終濃度20mg/ml
まで希釈して4℃で平衡化させた。10mLのG2バッファーを、QuiagenRNAs
eAストック(100mg/ml)を200μg/mlの最終濃度まで希釈して調製した
。 バッファーC1(10mL、4℃)及びddHO(40mL、4℃)を、次いで1
0mlの細胞懸濁物に添加し、反転させて混合し、氷上で10分間インキュベート
した。細胞核をBeckmanスイングバケットロータで4℃において2500rpmで1
5分間遠心分離することによりペレット化した。上清を捨て、核をボルテックス
しながら2mlのバッファーC1(4℃)及び6mlのddHOに懸濁し、4℃にお
いて2500rpmで15分間2回目の遠心分離をした。次いで核を残りのバッフ
ァー中にチップ当たり200μlを用いて再懸濁した。G2バッファー(10ml
)を懸濁した核に添加しながら緩いボルテックスを適用した。バッファー添加が
完了したら、強いボルテックスを30秒間適用した。Quiagenプロテアーゼ(2
00μl、上記のように調製)を添加し、50℃で60分間インキュベートした
。インキュベーション及び遠心分離を、溶解物が透明になるまで繰り返した(例
えば、さらに30−60分間インキュベートし、4℃で10分間3000xgで
ペレット化する)。
【0224】 固体ヒト腫瘍試料の調製及び溶解: 腫瘍試料を秤量し50mlのコニカル管に配して氷上に保持した。加工は調製当
たり250mgの組織未満に制限した(1チップ/調製)。プロテアーゼ溶液を6
.25mlの冷ddHO中に最終濃度20mg/mlまで希釈することにより新たに
調製して4℃で貯蔵した。DNAseAを最終濃度200mg/mlまで希釈するこ
とによりG2バッファー(20ml)を調製した(100mg/mlのストックから)。
エアロゾルの吸入を避けるために層流TCフード内でポリトロンの大きなチップ
を用いて、腫瘍組織を19mlのG2バッファー中で60秒間均一化し、室温に保
持した。試料間で、各々2LのddHOで2x30秒間、次いでG2バッファ
ー(50ml)でスピンさせることによりポリトロンを清浄化した。組織がジェネ
レータチップ上に存在する場合は、装置を分解して清浄化した。 Quiagenプロテアーゼ(上記のように調製、1.0ml)を添加し、次いでボル
テックスして50℃で3時間インキュベートした。インキュベーション及び遠心
分離を、溶解物が透明になるまで繰り返した(例えば、さらに30−60分間イ
ンキュベートし、4℃で10分間3000xgでペレット化する)。
【0225】 ヒト血液調製及び溶解: 健常なボランティアから標準的な感染薬プロトコールを用いて血液を採りだし
、チップ当たり10mlの試料にクエン酸化した。Quiagenプロテアーゼを6.2
5mlの冷ddHO中に最終濃度20mg/mlまで希釈することにより新たに調製
して4℃で貯蔵した。DNAseAを100mg/mlのストックから最終濃度20
0mg/mlまで希釈することによりG2バッファー(20ml)を調製した。血液(
10ml)を50mlのコニカル管に配し、10mlのC1バッファー及び30mlのd
dHO(ともに4℃で平衡化したもの)を添加し、反転させて混合して氷上に
10分間保持した。Beckmanスイングバケットローターで、4℃において250
0rpmで15分間核をペレット化し、上清を捨てた。ボルテックスしながら、核
を2mlのC1バッファー(4℃)及び6mlのddHO(4℃)中に懸濁させた
。ボルテックスはペレットが白くなるまで繰り返した。次いで核を残りのバッフ
ァー中に200μlチップを用いて懸濁させた。G2バッファー(10ml)を懸
濁核に添加しながら緩くボルテックスし、次いで30秒間強くボルテックスした
。Quiagenプロテアーゼを添加(200μl)し、50℃で60分間インキュベー
トした。インキュベーション及び遠心分離を、溶解物が透明になるまで繰り返し
た(例えば、さらに30−60分間インキュベートし、4℃で10分間3000
xgでペレット化する)。
【0226】 透明化溶解物の精製: (1)ゲノムDNAの単離: ゲノムDNAを10mlのQBTバッファーで平衡化した(最大チップ調製当た
り1試料)。QF溶離バッファーを50℃で平衡化した。試料を30秒間ボルテ
ックスし、次いで平衡化チップに負荷して重力により排液した。チップを2x1
5mlのQCバッファーで洗浄した。DNAを、30mlのシラン化したオートクレ
ーブ30mlCortex管に15mlのQFバッファー(50℃)で溶離した。イソプロ
パノール(10.5ml)を各試料に添加し、管をパラフィンで被覆し、DNAが
沈殿するまで繰り返し反転させて混合した。試料を、SS-34ロータで4℃に
おいて15,000rpmで10分間遠心分離してペレット化した。ペレット位置
をマークして上清を捨て、10mlの70%エタノール(4℃)を添加した。試料を
、SS-34ロータで4℃において10,000rpmで10分間遠心分離して再度
ペレット化した。ペレット位置をマークして上清を捨てた。次いで管を乾燥棚の
各面に置き、37℃で10分間乾燥させたが、使用の過剰乾燥には注意した。 乾燥後、ペレットを1.0mlのTE(pH8.5)に溶解し、50℃に1−2時
間置いた。試料を4℃に終夜保持して溶解を続けた。次いでDNA溶液を、ツベ
ルクリンシリンジ上に26ゲージの針を具備する1.5ml管に移した。DNAを
剪断するために移行を5x繰り返した。次いで試料を50℃に1−2時間置いた
【0227】 (2)ゲノムDNAの定量及び遺伝子増幅アッセイのための調製: 各管のDNAレベルを1:20希釈(5μlDNA+95μlddHO)での
標準的なA260、A280スペクトルにより、Beckman DU640分光光度計
の0.1ml石英キュベットを用いて定量した。A260/A280比率は1.8
−1.9の範囲であった。次いで各DNA試料をTE(pH8.5)中に約200
ng/mlまで希釈した。最初の材料が高濃度(約700ng/μl)である場合、材料
を50℃に再懸濁するまで数時間置いた。 次いで、希釈した材料(20−600ng/ml)に対して、製造者の指示を以下
のように改変して蛍光DNA定量を実施した。これは、Hoeffer DyNA Quant 200
蛍光計を約15分間暖めて実施した。Hoechst染料作業溶液(#H33258、
10μl、使用の12時間以内に調製)を100mlの1xTNEバッファーに希釈
した。2mlキュベットを蛍光計溶液で満たし、機械に配し、機械をゼロ調節した
。pGEM3Zf(+)(2μl、ロット#360851026)を2mlの蛍光計
溶液に添加して200単位で校正した。次いで、さらに2μlのpGEM3Zf(
+)DNAを試験し、400+/−10単位で読みを確認した。次いで各試料を
少なくとも3回読んだ。3試料が互いに10%以内であることが見られたとき、
それらの平均をとり、この値を定量化値として用いた。 次いで、蛍光測定で決定した濃度を、各試料をddHO中に10ng/μlμま
で希釈するのに用いた。これは、1回のTaqManプレートアッセイについて全ての
テンプレート試料について同時に行い、500−1000アッセイを実施するの
に十分な材料で行った。試料は、Taqman(商品名)プライマー及びプローブで3回
試験し、B-アクチン及びGAPDHともに正常なヒトDNAを持ちテンプレー
ト対照を持たない単一のプレート上にある。希釈した試料を用いたが、試験DN
Aから減算した正常ヒトDNAのCT値は+/-1CTであった。希釈した、ロッ
ト定性化したゲノムDNAを、1.0mlアリコートで−80℃において保存した
。続いて遺伝し増幅アッセイに使用するアリコートは、4℃で保存した。各1ml
のアリコートは、8−9プレート又は64試験に十分である。
【0228】 遺伝子増幅アッセイ: 本発明のPRO5800,PRO6000,PRO6016,PRO6018
,PRO6496,PRO7154,PRO7170,PRO7422,PRO
7431又はPRO7476化合物を以下の原発腫瘍でスクリーニングし、得ら
れたΔCt値を表5に報告する。
【0229】
【0230】 議論と結論: PRO5800(DNA108912−2680): 種々の腫瘍におけるDNA27864-1155についてのΔCt値を表5に
報告する。ΔCt>1は典型的に増幅評点化の閾値として用い、これは2倍の遺
伝子コピーを表す。表5は、原発肺腫瘍:HF−001644及びHF−001
647で生じたPRO5800をコードする核酸DNA108912−2680
の有意な増幅を示す。 DNA108912−2680の増幅が種々の肺腫瘍で生じるので、それは腫
瘍形成又は成長において有意な役割を果たす可能性が高い。結果として、DNA
108912−2680にコードされるタンパク質(PRO5800)に対する
アンタゴニスト(例えば抗体)は、癌治療における有用性を持つと予測される。 PRO6000(DNA102880−2689): 種々の腫瘍におけるDNA102880−2689についてのΔCt値を表5
に報告する。ΔCt>1は典型的に増幅評点化の閾値として用い、これは2倍の
遺伝子コピーを表す。表5は、原発肺腫瘍:HF−001295で生じたPRO
6000をコードする核酸DNA102880−2689の有意な増幅を示す。 DNA102880−2689の増幅が種々の肺腫瘍で生じるので、それは腫
瘍形成又は成長において有意な役割を果たす可能性が高い。結果として、DNA
102880−2689にコードされるタンパク質(PRO6000)に対する
アンタゴニスト(例えば抗体)は、癌治療における有用性を持つと予測される。
【0231】 PRO6016(DNA96881−2699): 種々の腫瘍におけるDNA27864-1155についてのΔCt値を表5に
報告する。ΔCt>1は典型的に増幅評点化の閾値として用い、これは2倍の遺
伝子コピーを表す。表5は(1)原発肺腫瘍HF−000641;及び(2)原
発大腸腫瘍中心:HF−000641、HF−000789、及びHF−000
811で生じたPRO6016をコードする核酸DNA96881−2699の
有意な増幅を示す。 DNA96881−2699の増幅が種々の腫瘍で生じるので、それは腫瘍形
成又は成長において有意な役割を果たす可能性が高い。結果として、DNA96
881−2699にコードされるタンパク質(PRO6016)に対するアンタ
ゴニスト(例えば抗体)は、癌治療における有用性を持つと予測される。 PRO6018(DNA98565−2701): 種々の腫瘍におけるDNA98565−2701についてのΔCt値を表5に
報告する。ΔCt>1は典型的に増幅評点化の閾値として用い、これは2倍の遺
伝子コピーを表す。表5は(1)原発肺腫瘍HF−000840;及び(2)原
発大腸腫瘍中心HF−000811で生じたPRO6018をコードする核酸D
NA98565−2701の有意な増幅を示す。 DNA98565−2701の増幅が種々の腫瘍で生じるので、それは腫瘍形
成又は成長において有意な役割を果たす可能性が高い。結果として、DNA98
565−2701にコードされるタンパク質(PRO6018)に対するアンタ
ゴニスト(例えば抗体)は、癌治療における有用性を持つと予測される。
【0232】 PRO6496(DNA119302−2737): 種々の腫瘍におけるDNA119302−2737についてのΔCt値を表5
に報告する。ΔCt>1は典型的に増幅評点化の閾値として用い、これは2倍の
遺伝子コピーを表す。表5は、原発肺腫瘍:HF−000842、HF−001
294及びHF−001296で生じたPRO6496をコードする核酸DNA
119302−2737の有意な増幅を示す。 DNA119302−2737の増幅が種々の肺腫瘍で生じるので、それは腫
瘍形成又は成長において有意な役割を果たす可能性が高い。結果として、DNA
119302−2737にコードされるタンパク質(PRO6496)に対する
アンタゴニスト(例えば抗体)は、癌治療における有用性を持つと予測される。
PRO7154(DNA108760−2740): 種々の腫瘍におけるDNA108760−2740についてのΔCt値を表5
に報告する。ΔCt>1は典型的に増幅評点化の閾値として用い、これは2倍の
遺伝子コピーを表す。表5は、原発肺腫瘍:HF−001296及HF−001
299で生じたPRO7154をコードする核酸DNA108760−2740
の有意な増幅を示す。 DNA108760−2740の増幅が種々の肺腫瘍で生じるので、それは腫
瘍形成又は成長において有意な役割を果たす可能性が高い。結果として、DNA
108760−2740にコードされるタンパク質(PRO7154)に対する
アンタゴニスト(例えば抗体)は、癌治療における有用性を持つと予測される。
【0233】 PRO7170(DNA108722−2743): 種々の腫瘍におけるDNA108722−2743についてのΔCt値を表5
に報告する。ΔCt>1は典型的に増幅評点化の閾値として用い、これは2倍の
遺伝子コピーを表す。表5は、原発肺腫瘍HF−001296で生じたPRO7
170をコードする核酸DNA108722−2743の有意な増幅を示す。 DNA108722−2743の増幅が肺腫瘍で生じるので、それは腫瘍形成
又は成長において有意な役割を果たす可能性が高い。結果として、DNA108
722−2743にコードされるタンパク質(PRO7170)に対するアンタ
ゴニスト(例えば抗体)は、癌治療における有用性を持つと予測される。 PRO7422(DNA119536−2752): 種々の腫瘍におけるDNA119536−2752についてのΔCt値を表5
に報告する。ΔCt>1は典型的に増幅評点化の閾値として用い、これは2倍の
遺伝子コピーを表す。表5は、原発肺腫瘍:HF−001647で生じたPRO
7422をコードする核酸DNA119536−2752の有意な増幅を示す。 DNA119536−2752の増幅が肺腫瘍で生じるので、それは腫瘍形成
又は成長において有意な役割を果たす可能性が高い。結果として、DNA119
536−2752にコードされるタンパク質(PRO7422)に対するアンタ
ゴニスト(例えば抗体)は、癌治療における有用性を持つと予測される。
【0234】 PRO7431(DNA119524−2754): 種々の腫瘍におけるDNA119524−2754についてのΔCt値を表5
に報告する。ΔCt>1は典型的に増幅評点化の閾値として用い、これは2倍の
遺伝子コピーを表す。表5は(1)精巣腫瘍中心HF−000733;及び(2
)原発大腸腫瘍中心:HF−000539;及び(3)原発肺腫瘍:HF−00
0842、及びHF−001296で生じたPRO7431をコードする核酸D
NA119524−2754の有意な増幅を示す。 DNA119524−2754の増幅が種々の腫瘍で生じるので、それは腫瘍
形成又は成長において有意な役割を果たす可能性が高い。結果として、DNA1
19524−2754にコードされるタンパク質(PRO7431)に対するア
ンタゴニスト(例えば抗体)は、癌治療における有用性を持つと予測される。 PRO7476(DNA115253−2757): 種々の腫瘍におけるDNA115253−2757についてのΔCt値を表5
に報告する。ΔCt>1は典型的に増幅評点化の閾値として用い、これは2倍の
遺伝子コピーを表す。表5は(1)精巣腫瘍中心HF−000733;及び(2
)原発大腸腫瘍中心HF−000539及びHF−000575;及び(3)原
発肺癌HF−001294及びHF−001296で生じたPRO7476をコ
ードする核酸DNA115253−2757の有意な増幅を示す。 DNA115253−2757の増幅が種々の腫瘍で生じたので、それは腫瘍
形成又は成長において有意な役割を果たす可能性が高い。結果として、DNA1
15253−2757にコードされるタンパク質(PRO7476)に対するア
ンタゴニスト(例えば抗体)は、癌治療における有用性を持つと予測される。
【0235】 実施例12:ハイブリダイゼーションプローブとしてのPRO5800,PRO
6000,PRO6016,PRO6018,PRO6496,PRO7154
,PRO7170,PRO7422,PRO7431又はPRO7476の利用 以下の方法は、PRO5800,PRO6000,PRO6016,PRO6
018,PRO6496,PRO7154,PRO7170,PRO7422,
PRO7431又はPRO7476をコードする核酸配列のハイブリダイゼーシ
ョンプローブとしての使用を記載する。 ここに開示した全長又は成熟「PRO5800」,「PRO6000」,「P
RO6016」,「PRO6018」,「PRO6496」,「PRO7154
」,「PRO7170」,「PRO7422」、「PRO7431」又は「PR
O7476」ポリペプチドのコード化配列を含んでなるDNA及び/又はその断片
は、ヒト組織cDNAライブラリー又はヒト組織ゲノムライブラリーにおける相同的
なDNA(例えば、PRO7170、PRO7422、PRO7431又はPRO
7476)のスクリーニングのためのプローブとして用いられる。 いずれかのライブラリーDNAを含むフィルターのハイブリダイゼーション及び
洗浄は、以下の高い緊縮条件で実施した。放射標識PRO誘導プローブのフィル
ターへのハイブリダイゼーションは、50%ホルムアルデヒド、5xSSC、0.
1%SDS、0.1%ピロリン酸ナトリウム、50mMリン酸ナトリウム、pH6.
8、2xデンハード溶液、及び10%デキストラン硫酸の溶液中で、42℃にお
いて20時間行った。フィルターの洗浄は、0.1xSSC及び0.1%SDSの水溶
液中、42℃で行った。 次いで、全長天然配列PRO5800,PRO6000,PRO6016,P
RO6018,PRO6496,PRO7154,PRO7170,PRO74
22,PRO7431又はPRO7476をコードするDNAと所望の配列同一性
を有するDNAは、この分野で知られた標準的な方法を用いて同定できる。
【0236】 実施例13:大腸菌におけるのPRO5800,PRO6000,PRO601
6,PRO6018,PRO6496,PRO7154,PRO7170,PR
O7422,PRO7431又はPRO7476発現 この実施例は、大腸菌における組み換え発現による所望のPRO5800,P
RO6000,PRO6016,PRO6018,PRO6496,PRO71
54,PRO7170,PRO7422,PRO7431又はPRO7476の
非グリコシル化形態の調製を例示する。 PROポリペプチドをコードするDNA配列は、選択されたPCRプライマー
を用いて最初に増幅した。プライマーは、選択された発現ベクターの制限酵素部
位に対応する制限酵素部位を持たなければならない。種々の発現ベクターが用い
られる。好適なベクターの例は、pBR322(大腸菌由来のもの;Bolivarら,
Gene, 2:95 (1977)参照)であり、アンピシリン及びテトラサイクリン耐性につ
いての遺伝子を含む。ベクターは、制限酵素で消化され、脱リン酸される。PC
R増幅した配列は、次いで、ベクターに結合させる。ベクターは、好ましくは抗
生物質耐性遺伝子、trpプロモーター、ポリ-Hisリーダー(最初の6つの
STIIコドン、ポリ-His配列、及びエンテロキナーゼ切断部位を含む)、P
RO5800,PRO6000,PRO6016,PRO6018,PRO64
96,PRO7154,PRO7170,PRO7422,PRO7431又は
PRO7476コードする領域、ラムダ転写ターミネーター、及びargU遺伝
子を含む。
【0237】 ライゲーション混合物は、次いで、Sambrookら, 上掲に記載された方法を用い
た選択した大腸菌の形質転換に使用される。形質転換体は、それらのLBプレー
トで成長する能力により同定され、次いで抗生物質耐性クローンが選択される。
プラスミドDNAが単離され、制限分析及びDNA配列分析で確認される。 選択されたクローンは、抗生物質を添加したLBブロスなどの液体培地で終夜
成長させることができる。終夜培地は、続いて大規模培地の播種に用いられる。
次に細胞を最適光学密度まで成長させ、その間に発現プロモーターが作動する。 数時間の培養の後、遠心分離による集菌が可能である。遠心分離で得られた細
胞ペレットは、この分野で知られた種々の試薬を用いて可溶化され、次いで可溶
化PRO5800,PRO6000,PRO6016,PRO6018,PRO
6496,PRO7154,PRO7170,PRO7422,PRO7431
又はPRO7476タンパク質を、タンパク質が堅く結合する条件下で金属キレ
ート化カラムを用いて精製した。
【0238】 以下の手法を用いて、ポリ-His(ポリ-ヒス)タグ形態でPRO5800,
PRO6000,PRO6016,PRO6018,PRO6496,PRO7
154,PRO7170,PRO7422,PRO7431又はPRO7476
を大腸菌で発現させてもよい。PRO5800,PRO6000,PRO601
6,PRO6018,PRO6496,PRO7154,PRO7170,PR
O7422,PRO7431又はPRO7476をコードするDNAを選択した
PCRプライマーを用いて最初に増幅した。プライマーは、選択された発現ベク
ターの制限酵素部位に対応する制限酵素部位、及び効率的で信頼性のある翻訳開
始、金属キレートカラムでの迅速な精製、及びエンテロキナーゼでのタンパク質
分解的除去を与える他の有用な配列を含む。次いでPCR増幅された、ポリ-H
isタグ配列を発現ベクターに結合させ、それを株52(W3110 fuhA(tonA) lon
galE rpoHts(htpRts) cllpP(lacIq))に基づく大腸菌宿主の形質転換に使用し
た。形質転換体は、最初に50mg/mlのカルベニシリンを含有するLB中、30
℃で振盪しながら3−5のO.D.600に達するまで成長させた。ついで培地
をCRAP培地(3.57gの(NHSO、0.71gのクエン酸ナトリウム
・2HO、1.07gのKCl、5.36gのDifco酵母抽出物、500mL
水中の5.36gのShefield hycase SF、並びに110mMのMPOS、pH7.3
、0.55%(w/v)のグルコース及び7mMのMgSOの混合で調製)中に5
0−100倍希釈し、30℃で振盪させながら約20−30時間成長させた。試
料を取り出してSDS-PAGEにより発現を確認し、バルク培地を遠心分離し
て細胞のペレットとした。細胞ペレットを精製及び再折りたたみまで凍結させた
【0239】 0.5から1Lの発酵(6−10gペレット)からの大腸菌ペーストを、7Mのグ
アニジン、20mMのトリス、pH8バッファー中で10容量(w/v)で再懸濁さ
せた。固体硫酸ナトリウム及びテトラチオン酸ナトリウムを添加して最終濃度を
各々0.1M及び0.02Mとし、溶液を4℃で終夜撹拌した。この工程により
、すべてのシステイン残基が亜硫酸によりブロックされた変性タンパク質がもた
らされた。溶液をBeckman Ultracentrifuge中で40,000rpmで30分間濃縮
した。上清を金属キレートカラムバッファー(6Mのグアニジン、20mMのトリス、
pH7.4)の3−5容量で希釈し、0.22ミクロンフィルターを通して濾過して
透明化した。透明化抽出物を、金属キレートカラムバッファーで平衡化させた5
mlのQiagen Ni+2-NTA金属キレートカラムに負荷した。カラムを50mMのイミダ
ゾール(Calbiochem, Utrol grade)を含む添加バッファー、pH7.4で洗浄した。
タンパク質を250mMのイミダゾールを含有するバッファーで溶離した。所望の
タンパク質を含有する画分をプールし、4℃で保存した。タンパク質濃度は、そ
のアミノ酸配列に基づいて計算した吸光係数を用いて280nmにおけるその吸収
により見積もった。
【0240】 試料を、20mMのトリス、pH8.6、0.3MのNaCl、2.5Mの尿素、
5mMのシステイン、20mMのグリシン及び1mMのEDTAからなる新たに調製
した再生バッファー中に徐々に希釈することによりタンパク質を再生させた。リ
フォールディング容量は、最終的なタンパク質濃度が50〜100マイクログラ
ム/mlとなるように選択した。リフォールディング溶液を4℃で12−36時
間ゆっくり撹拌した。リフォールディング反応はTFAを採取濃度0.4%(約
3のpH)で添加することにより停止させた。タンパク質をさらに精製する前に
、溶液を0.2ンフィルターを通して濾過し、アセトニトリルを最終濃度2−1
0%で添加した。再生したタンパク質を、Poros R1/H逆相カラムで、0.1%T
FAの移動バッファーと10〜80%のアセトニトリル勾配での溶離を用いてク
ロマトグラフにかけた。A280吸収を持つ画分のアリコートをSDSポリアク
リルアミドゲルで分析し、相同な再生タンパク質を含有する画分をプールした。
一般的に、殆どの正しく再生したタンパク質種は、これらの種が最もコンパクト
であり、その疎水性内面が逆相樹脂との相互作用から遮蔽されているので、アセ
トニトリルの最低濃度で溶離される。凝集した種は通常、より高いアセトニトリ
ル濃度で溶離される。誤って再生したタンパク質を所望の形態から除くのに加え
て、逆相工程は試料からエンドトキシンも除去する。 所望の再生したPRO5800,PRO6000,PRO6016,PRO6
018,PRO6496,PRO7154,PRO7170,PRO7422,
PRO7431又はPRO7476ポリペプチドを含有する画分をプールし、溶
液に向けた窒素の弱い気流を用いてアセトニトリルを除去した。タンパク質を、
透析又は調製バッファーで平衡化したG25Superfine(Pharmacia)樹脂でのゲ
ル濾過及び滅菌濾過により、0.14Mの塩化ナトリウム及び4%のマンニトー
ルを含む20mMのHepes、pH6.8に調製した。
【0241】 実施例14:哺乳動物細胞におけるPRO5800,PRO6000,PRO6
016,PRO6018,PRO6496,PRO7154,PRO7170,
PRO7422,PRO7431又はPRO7476の発現 この実施例は、哺乳動物細胞における組み換え発現によるPRO5800,P
RO6000,PRO6016,PRO6018,PRO6496,PRO71
54,PRO7170,PRO7422,PRO7431又はPRO7476の
グリコシル化形態の調製を例示する。 発現ベクターとしてpRK5(1989年3月15日発行のEP307,247参照
のこと)を用いた。場合によっては、PRO5800,PRO6000,PRO
6016,PRO6018,PRO6496,PRO7154,PRO7170
,PRO7422,PRO7431又はPRO7476DNAを選択した制限酵
素を持つpRK5に結合させ、Sambrookら, 上掲に記載されたようなライゲーシ
ョン方法を用いてPRO5800,PRO6000,PRO6016,PRO6
018,PRO6496,PRO7154,PRO7170,PRO7422,
PRO7431又はPRO7476DNAを挿入させる。得られたベクターは、
各々pRK5−[PRO5800,PRO6000,PRO6016,PRO6
018,PRO6496,PRO7154,PRO7170,PRO7422,
PRO7431又はPRO7476]と呼ばれる。
【0242】 一実施態様では、選択された宿主細胞は293細胞とすることができる。ヒト
293細胞(ATCC CCL 1573)は、ウシ胎児血清及び場合によっては滋養成分及
び/又は抗生物質を添加したDMEMなどの媒質中で組織培養プレートにおいて
成長させて集密化した。約10μgのpRK5−[PRO5800,PRO60
00,PRO6016,PRO6018,PRO6496,PRO7154,P
RO7170,PRO7422,PRO7431又はPRO7476]DNAを
約1μgのVA RNA遺伝子コード化DNA[Thimmappayaら, Cell, 31:543
(1982))]と混合し、500μlの1mMトリス−HCl、0.1mMEDTA
、0.227MCaClに溶解させた。この混合物に、滴状の、500μlの
50mM HEPES(pH7.35)、280mMのNaCl、1.5mMの
NaPOを添加し、25℃で10分間析出物を形成させた。析出物を懸濁し、
293細胞に加えて37℃で約4時間定着させた。培養培地を吸引し、2mlの
PBS中20%グリセロールを30秒間添加した。293細胞は、次いで無血清
培地で洗浄し、新鮮な培地を添加し、細胞を約5日間インキュベートした。 形質移入の約24時間後、培養培地を除去し、培養培地(のみ)又は200μ
Ci/ml35S−システイン及び200μCi/ml35S−メチオニンを含む培
養培地で置換した。12時間のインキュベーションの後、条件培地を回収し、ス
ピンフィルターで濃縮し、15%SDSゲルに添加した。処理したゲルを乾燥さ
せ、PRO5800,PRO6000,PRO6016,PRO6018,PR
O6496,PRO7154,PRO7170,PRO7422,PRO743
1又はPRO7476ポリペプチドの存在を現すとして選択された時間にわたっ
てフィルムにさらした。形質転換した細胞を含む培地は、更なるインキュベーシ
ョンを施し(無血清培地で)、培地を選択されたバイオアッセイで試験した。
【0243】 これに換わる技術において、PRO5800,PRO6000,PRO601
6,PRO6018,PRO6496,PRO7154,PRO7170,PR
O7422,PRO7431又はPRO7476 DNAは、Somparyacら, Proc
. Natl. Acad. Sci., 12:7575 (1981)に記載されたデキストラン硫酸法を用いて
293細胞に一過的に導入される。293細胞は、スピナーフラスコ内で最大密
度まで成長させ、700μgのpRK5−[PRO5800,PRO6000,
PRO6016,PRO6018,PRO6496,PRO7154,PRO7
170,PRO7422,PRO7431又はPRO7476]DNAを添加す
る。細胞は、まずスピナーフラスコから遠心分離によって濃縮し、PBSで洗浄
した。DNA−デキストラン沈殿物を細胞ペレット上で4時間インキュベートし
た。細胞を20%グリセロールで90秒間処理し、組織培養培地で洗浄し、組織
培養培地、5μg/mlウシインシュリン及び0.1μg/mlウシトランスフェリン
を含むスピナーフラスコに再度導入した。約4日後に、条件培地を遠心分離して
濾過し、細胞及び細胞片を除去した。次いで発現されたPROを含む試料を濃縮
し、透析及び/又はカラムクロマトグラフィー等の選択した方法によって精製し
た。 他の実施態様では、PRO5800,PRO6000,PRO6016,PR
O6018,PRO6496,PRO7154,PRO7170,PRO742
2,PRO7431又はPRO7476をCHO細胞で発現させることができる
。pRK5−[PRO5800,PRO6000,PRO6016,PRO60
18,PRO6496,PRO7154,PRO7170,PRO7422,P
RO7431又はPRO7476]ベクターは、CaPO又はDEAE−デキ
ストランなどの公知の試薬を用いてCHO細胞に形質移入することができる。上
記したように、細胞培地をインキュベートし、培地を培養培地(のみ)又は35 S-メチオニン等の放射性標識を含む培地に置換することができる。PRO58
00,PRO6000,PRO6016,PRO6018,PRO6496,P
RO7154,PRO7170,PRO7422,PRO7431又はPRO7
476ポリペプチドの存在を同定した後、培養培地を無血清培地に置換してもよ
い。好ましくは、培地を約6日間インキュベートし、次いで条件培地を収集する
。次いで、発現されたPRO5800,PRO6000,PRO6016,PR
O6018,PRO6496,PRO7154,PRO7170,PRO742
2,PRO7431又はPRO7476を含む培地を濃縮して、選択した方法に
とって精製することができる。
【0244】 また、エピトープタグPRO5800,PRO6000,PRO6016,P
RO6018,PRO6496,PRO7154,PRO7170,PRO74
22,PRO7431又はPRO7476は、宿主CHO細胞において発現させ
てもよい。PRO5800,PRO6000,PRO6016,PRO6018
,PRO6496,PRO7154,PRO7170,PRO7422,PRO
7431又はPRO7476は、pRK5ベクターからサブクローニングした。
サブクローン挿入物は、次いで、PCRを施してバキュロウイルス発現ベクター
中のポリ-Hisタグ等の選択されたエピトープタグを持つ枠に融合できる。ポ
リ-HisタグPRO5800,PRO6000,PRO6016,PRO60
18,PRO6496,PRO7154,PRO7170,PRO7422,P
RO7431又はPRO7476挿入物は、次いで、安定なクローンの選択のた
めのDHFR等の選択マーカーを含むSV40誘導ベクターにサブクローニング
できる。最後に、CHO細胞をSV40誘導ベクターで(上記のように)形質移
入した。発現を確認するために、上記のように標識化を行ってもよい。発現され
たポリ-HisタグPROを含む培養培地は、次いで濃縮し、Ni2+−キレー
トアフィニティクロマトグラフィー等の選択された方法により精製できる。 ま
た,一過性発現法によって、CHO及び/又はCOS細胞の発現を完遂させても
よい。 PRO5800,PRO6000,PRO6016,PRO6018,PRO
6496,PRO7154,PRO7170,PRO7422,PRO7431
又はPRO7476は、一過性発現法によってCHO細胞において発現させても
よい。CHO細胞における安定な発現は,以下の方法を用いて実施することが可
能である。タンパク質を、各タンパク質の可溶形態のコード化配列(例えば、細
胞外ドメイン)がIgG1のヒンジ、CH2及びCH2ドメインを含む定常領域
配列に融合したIgG作成物(イムノアドヘシン)及び/又はポリ-Hisタグ
形態として発現する。
【0245】 PCR増幅に続いて、対応するDNAを、Ausubelら, Current Protocols of
Molecular Biology, Unit 3.26, John Wiley and Sons (1997)に記載されたよう
な標準的技術を用いてCHO発現ベクターにサブクローニングした。CHO発現
ベクターは、対象とするDNAの5’及び3’に適合する制限部位を有し、cD
NAの便利なシャトル化ができるように作成される。ベクターは、Lucasら, Nuc
l. Acids res. 24: 9, 1774-1779 (1996)に記載されたようにCHO細胞での発
現を用い、対象とするcDNA及びジヒドロフォレートレダクターゼ(DHFR
)の発現の制御にSV40初期プロモーター/エンハンサーを用いる。DHFR
発現は、形質移入に続くプラスミドの安定な維持のための選択を可能にする。 所望のプラスミドDNAの12マイクログラムを、市販の形質移入試薬Superf
ect(登録商標)(Quiagen), Dosper(登録商標)及びFugene(登録商標)(Boehringer
Mannheim)約一千万のCHO細胞に導入した。細胞は、上掲のLucasらに記載さ
れているように成長させた。約3x10細胞を、下記のような更なる成長及び
生産のためにアンプル中で凍結させた。
【0246】 プラスミドDNAを含むアンプルを水槽に配して解凍し、ボルテックスにより
混合した。内容物を10mLの媒質を含む遠心管にピペットして、1000rpmで
5分間遠心分離した。上清を吸引して細胞を10mLの選択培地(0.2μm濾過
PS20、5%の0.2μm透析濾過ウシ胎児血清を添加)中に懸濁させた。次
いで細胞を90mLの選択培地を含む100mlスピナーに分けた1−2日後、細胞
を150mLの選択培地を満たした250mLスピナーに移し、37℃でインキュベ
ートした。さらに2−3日後、250mL、500mL及び2000mLのスピナーを
3x10細胞/mLで播種した。細胞培地を遠心分離により新鮮培地に交換し、
生産培地に再懸濁させた。任意の適切なCHO培地を用いてもよいが、実際には
1992年6月16日に発行された米国特許第5,122,469号に記載された生産培
地を使用した。3Lの生産スピナーを1.2x10細胞/mLで播種した。0日
目に、細胞数とpHを測定した。1日目に、スピナーをサンプルし、濾過空気で
の散布を実施した。2日目に、スピナーをサンプルし、温度を33℃に変え、5
00g/Lのグルコース及び0.6mLの10%消泡剤(例えば35%ポリジメチル
シロキサンエマルション、Dow Corning 365 Medical Grade Emulsion)の30mL
とした。生産を通して、pHは7.2近傍に調節し維持した。10日後、又は生
存率が70%を下回るまで、細胞培地を遠心分離で回収して0.22μmフィルタ
ーを通して濾過した。濾過物は、4℃で貯蔵するか、即座に精製用カラムに負荷
した。
【0247】 ポリ-Hisタグ作成物について、タンパク質はNi+2-NTAカラム(Qiagen)を
用いて精製した。精製の前に、イミダゾールを条件培地に5mMの濃度まで添加
した。条件培地を、0.3MのNaCl及び5mMイミダゾールを含む20mM
のHepes、pH7.4バッファーで平衡化した6mlのNi−NTAカラムに4
−5ml/分の流速で4℃においてポンプ供給した。負荷後、カラムをさらに平
衡バッファーで洗浄し、タンパク質を0.25Mイミダゾールを含む平衡バッフ
ァーで溶離した。高度に精製されたタンパク質は、続いて10mMのHepes、0
.14MのNaCl及び4%のマンニトールを含む貯蔵バッファー中で25ml
のG25Superfine(Pharmacia)を用いて脱塩し、−80℃で貯蔵した。 イムノアドヘシン(Fc含有)作成物を以下のようにして条件培地から精製し
た。条件培地を、20mMのリン酸ナトリウムバッファー, pH6.8で平衡
化した5mlのプロテインAカラム(Pharmacia)に負荷した。負荷後、カラム
を平衡バッファーで強く洗浄した後、100mMのクエン酸, pH3.5で溶
離した。溶離したタンパク質は、1mlの画分を275μlの1Mトリスバッフ
ァー, pH9を含む管に回収することにより即座に中性化した。高度に精製さ
れたタンパク質は、続いてポリ-Hisタグタンパク質について上記した貯蔵バ
ッファー中で脱塩した。均一性はSDSポリアクリルアミドゲルで試験し、エド
マン(Edman)分解によりN−末端アミノ酸配列決定した。
【0248】 実施例15:酵母菌でのPRO5800,PRO6000,PRO6016,P
RO6018,PRO6496,PRO7154,PRO7170,PRO74
22,PRO7431又はPRO7476の発現 以下の方法は、酵母菌中でのPRO5800,PRO6000,PRO601
6,PRO6018,PRO6496,PRO7154,PRO7170,PR
O7422,PRO7431又はPRO7476の組換え発現を記載する。 第1に、ADH2/GAPDHプロモーターからの PRO5800,PRO
6000,PRO6016,PRO6018,PRO6496,PRO7154
,PRO7170,PRO7422,PRO7431又はPRO7476の細胞
内生産又は分泌のための酵母菌発現ベクターを作成する。 PRO5800,P
RO6000,PRO6016,PRO6018,PRO6496,PRO71
54,PRO7170,PRO7422,PRO7431又はPRO7476を
コードするDNA及びプロモーターを選択したプラスミドの適当な制限酵素部位
に挿入して PRO5800,PRO6000,PRO6016,PRO601
8,PRO6496,PRO7154,PRO7170,PRO7422,PR
O7431又はPRO7476の細胞内発現を指示する。分泌のために、 PR
O5800,PRO6000,PRO6016,PRO6018,PRO649
6,PRO7154,PRO7170,PRO7422,PRO7431又はP
RO7476をコードするDNAを選択したプラスミドに、ADH2/GAPD
HプロモーターをコードするDNA、天然PRO5800,PRO6000,P
RO6016,PRO6018,PRO6496,PRO7154,PRO71
70,PRO7422,PRO7431又はPRO7476シグナルペプチド又
は他の哺乳動物シグナルペプチド、又は、例えば酵母菌アルファ因子分泌シグナ
ル/リーダー配列、及び(必要ならば) PRO5800,PRO6000,P
RO6016,PRO6018,PRO6496,PRO7154,PRO71
70,PRO7422,PRO7431又はPRO7476の発現のためのリン
カー配列とともにクローニングすることができる。
【0249】 酵母菌株AB110等の酵母菌は、次いで上記の発現プラスミドで形質転換し
、選択された発酵培地中で培養できる。形質転換した酵母菌上清は、10%トリ
クロロ酢酸での沈降及びSDS−PAGEによる分離で分析し、次いでクマシー
ブルー染色でゲルの染色をすることができる。 続いて組換えPRO5800,PRO6000,PRO6016,PRO60
18,PRO6496,PRO7154,PRO7170,PRO7422,P
RO7431又はPRO7476は、発酵培地から遠心分離により酵母菌細胞を
除去し、次いで選択されたカートリッジフィルターを用いて培地を濃縮すること
によって単離及び精製できる。PRO5800,PRO6000,PRO601
6,PRO6018,PRO6496,PRO7154,PRO7170,PR
O7422,PRO7431又はPRO7476を含む濃縮物は、選択されたカ
ラムクロマトグラフィー樹脂を用いてさらに精製してもよい。
【0250】 実施例16:バキュロウイルス感染昆虫細胞でのPRO5800,PRO600
0,PRO6016,PRO6018,PRO6496,PRO7154,PR
O7170,PRO7422,PRO7431又はPRO7476の発現 以下の方法は、バキュロウイルス感染昆虫細胞中におけるPROの組換え発現
を示す。 PRO5800,PRO6000,PRO6016,PRO6018
,PRO6496,PRO7154,PRO7170,PRO7422,PRO
7431又はPRO7476コードする配列を、バキュロウイルス発現ベクター
に含まれるエピトープタグの上流に融合させた。このようなエピトープタグは、
ポリ-Hisタグ及び免疫グロブリンタグ(IgGのFc領域など)を含む。p
VL1393(Navogen)などの市販されているプラスミドから誘導されるプラ
スミドを含む種々のプラスミドを用いることができる。簡単には、PRO580
0,PRO6000,PRO6016,PRO6018,PRO6496,PR
O7154,PRO7170,PRO7422,PRO7431又はPRO74
76コード化配列,又はPRO5800,PRO6000,PRO6016,P
RO6018,PRO6496,PRO7154,PRO7170,PRO74
22,PRO7431又はPRO7476のコード化配列の所望する部分[例え
ば膜貫通タンパク質の細胞外ドメインをコードする配列又はタンパク質が細胞外
である場合の成熟タンパク質をコードする配列]が、5’及び3’領域に相補的
なプライマーでのPCRにより増幅される。5’プライマーは、隣接する(選択
された)制限酵素部位を包含していてもよい。生産物は、次いで、選択された制
限酵素で消化され、発現ベクターにサブクローニングされる。
【0251】 組換えバキュロウイルスは、上記のプラスミド及びBaculoGold(商品名)ウイル
スDNA(Pharmingen)を、Spodoptera frugiperda(「Sf9」)細胞(ATCC
CRL 1711)中にリポフェクチン(GIBCO-BRLから市販)を用いて同時形質移入す
ることにより作成される。28℃で4−5日インキュベートした後、放出された
ウイルスを回収し、更なる増幅に用いた。ウイルス感染及びタンパク質発現は、
O'Reilleyら, Baculovirus expression vectors: A laboratory Manual, Oxford
: Oxford University Press (1994)に記載されているように実施した。 次に、発現されたポリ-HisタグPRO5800,PRO6000,PRO
6016,PRO6018,PRO6496,PRO7154,PRO7170
,PRO7422,PRO7431又はPRO7476は、例えばNi2+−キ
レートアフィニティクロマトグラフィーにより次のように精製される。抽出は、
Rupertら, Nature, 362:175-179 (1993)に記載されているように、ウイルス感染
した組み換えSf9細胞から調製した。簡単には、Sf9細胞を洗浄し、超音波
処理用バッファー(25mMのHepes、pH7.9;12.5mMのMgCl
;0.1mM EDTA;10%グリセロール;0.1%のNP-40;0.4MのKC
l)中に再懸濁し、氷上で2回20秒間超音波処理した。超音波処理物を遠心分
離で透明化し、上清を負荷バッファー(50mMリン酸塩、300mMのNaCl、
10%グリセロール、pH7.8)で50倍希釈し、0.45μmフィルターで
濾過した。Ni2+−NTAアガロースカラム(Qiagenから市販)を5mLの総容
積で調製し、25mLの水で洗浄し、25mLの負荷バッファーで平衡させた。濾過
した細胞抽出物は、毎分0.5mLでカラムに負荷した。カラムを、分画回収が始
まる点であるA280のベースラインまで負荷バッファーで洗浄した。次に、カ
ラムを、結合タンパク質を非特異的に溶離する二次洗浄バッファー(50mMリン酸
塩;300mMのNaCl、10%グリセロール、pH6.0)で洗浄した。A280のベー
スラインに再度到達した後、カラムを二次洗浄バッファー中で0から500mMイ
ミダゾール勾配で展開した。1mLの分画を回収し、SDS−PAGE及び銀染色
又はアルカリホスファターゼ(Qiagen)に複合したNi2+−NTAでのウェス
タンブロットで分析した。溶離したHis10−タグPRO5800,PRO6
000,PRO6016,PRO6018,PRO6496,PRO7154,
PRO7170,PRO7422,PRO7431又はPRO7476を含む画
分をプールして負荷バッファーで透析した。
【0252】 あるいは、IgGタグ(又はFcタグ)PRO5800,PRO6000,P
RO6016,PRO6018,PRO6496,PRO7154,PRO71
70,PRO7422,PRO7431又はPRO7476の精製は、例えば、
プロテインA又はプロテインGカラムクロマトグラフィーを含む公知のクロマト
グラフィー技術を用いて実施できる。 PCR増幅に続いて、各コード化配列をバキュロウィルス発現ベクター(Ig
G融合のためのpb.PH.IgG及びポリ-Hisタグタンパク質のためのpb.PH.His
.c)中にサブクローニングし、ベクターとBaculogold(商品名)バキュロウィル
スDNA(Pharmingen)を105のSpodoptera frugiperda(「Sf9」)細胞
(ATCC CRL 1711)中にリポフェクチン(Gibco-BRL)を用いて同時形質移入した
。pb.PH.IgG及びpb.PH.Hisは商業的に利用できるバキュロウィルス発現ベク
ターpVL1393(Pharmingen)の改変物で、His又はFcタグ配列を含む
修飾ポリリンカー領域を持つ。10%FBSを補填したHinkのTNM−FH
培地(Hyclone)で細胞を増殖させた。細胞を28℃で5日間インキュベートし
た。上清を収集し、続いて10%FBSを補填したHinkのTNM−FH培地中の
Sf9細胞を10のおよその感染効率(MOI)で感染させることにより最初のウ
ィルス増幅に使用した。細胞を28℃で3日間インキュベートした。上清を収集
し、バキュロウィルス発現ベクター中における作成物の発現を、ヒスチジンタグ
タンパク質に対して25mLのNi+2−NTAビード(QIAGEN)へ、又はIgG
タグタンパク質に対してプロテイン−AセファロースCL−4Bビード(Pharma
cia)へ1mlの上清をバッチ結合させ、続いてSDS−PAGE分析を行って
、クーマシーブルー染色により既知の濃度のタンパク質標準と比較することによ
り決定した。
【0253】 最初のウィルス増幅上清は、0.1のおよそのMOIでESF−921培地(
Expression Systems LLC)中で増殖したSf9細胞の撹拌培養(500ml)を
感染させるために使用した。細胞を28℃で3日間インキュベートした。上清を
収集し、濾過した。撹拌培養の発現が確認されるまでバッチ結合とSDS−PA
GE分析を必要に応じて繰り返した。
【0254】 形質移入細胞からの条件培地(0.5から3L)を遠心分離により収集して細
胞を除去し、0.22ミクロンフィルターで濾過した。ポリ-Hisタグ作成物
に対しては、Ni+2−NTAカラム(Qiagen)を使用してタンパク質作成物を精
製した。精製前に、5mMの濃度まで条件培地にイミダゾールを添加した。条件
培地を、4℃で4−5ml/minの流量で20mM Hepes、pH7.4、0.3M
のNaClと5mMのイミダゾールを含むバッファーで平衡化した6mlのNi +2 −NTAカラムに汲み上げた。充填後、カラムを更なる平衡化バッファーで洗
浄し、タンパク質を0.25Mのイミダゾールを含む平衡化バッファーで溶出さ
せた。高度に精製されたタンパク質は続いて25mlのG25 Superfine(Pha
rmacia)カラムで10mM Hepes、0.14MのNaCl及び4%のマンニト
ール、pH6.8を含む貯蔵バッファー中で脱塩し、−80℃で貯蔵した。 タンパク質のイムノアドヘシン(Fc含有)作成物を次のようにして条件培地
から精製した。20mMのリン酸ナトリウムバッファー、pH6.8で平衡化さ
れた5mlのプロテインAカラム(Pharmacia)に条件培地を汲み上げた。充填
後、100mMのクエン酸、pH3.5での溶出前にカラムを平衡化バッファー
で十分に平衡化した。溶出したタンパク質を、275mLの1M Trisバッ
ファー、pH9を含むチューブ中に1mlのフラクションを収集することにより
即座に中和させた。高度に精製したタンパク質を上述のようにポリ-Hisタグ
タンパク質の貯蔵バッファー中に脱塩した。タンパク質の一様性はSDSポリア
クリルアミドゲル(PEG)電気泳動法とエドマン分解によるN末端アミノ酸配
列決定により証明した。
【0255】 あるいは、修飾バキュロウイルス法をhigh5細胞取り込みに使用してもよい。
この方法では、所望の配列をコードするDNAは、Pfu(Stratagene)等の適
当な系で増幅されても、又はバキュロウイルス発現ベクターの含まれるエピトー
プタグの上流(5’−)に融合させてもよい。このようなエピトープタグは、ポ
リ-Hisタグ及び免疫グロブリンタグ(IgGのFc領域等)を含む。種々の
プラスミドを用いることができ、pIE−1(Novagen)等の市販のプラスミド
から誘導されたプラスミドを含む。pIE−1及びpIE−2ベクターは、安定
に形質転換された昆虫細胞におけるバキュロウイルスie1プロモーターからの
組換えタンパク質の構成的発現のために設計される。このプラスミドは複数のク
ローニング部位の方向においてのみ相違し、未感染昆虫細胞におけるie1媒介
遺伝子発現に重要であることが知られた全てのプロモーター配列並びにhr5エ
ンハンサー成分を含む。pIE−1及びpIE−2はie翻訳開始部位を含み、
融合タンパク質の製造に使用できる。簡単には、PROポリペプチドの所望の部
分(膜貫通タンパク質の細胞外ドメインをコードする配列など)を、5’及び3
’領域に相補的なプライマーでのPCRにより増幅する。5’プライマーは隣接
する(選択された)制限酵素部位を導入してもよい。生成物は、次いで、選択さ
れた制限酵素で消化して発現ベクターにサブクローニングされる。例えば、pI
E1−1の誘導体はヒトIgG(pb.PH.IgG)のFc領域又はNAME配列の8
ヒスチジン(pb.PH.His)タグ下流(3’−)を含むことができる。好ましくは
、確認のために、構築ベクターの配列の確認する。
【0256】 High-5細胞は、27℃、CO無し、ペン/ストレプトト無しの条件下で50
%の集密度まで成長させた。150mmプレート各々について、30μgのPR
Oポリペプチドを含むpIEベースベクターを1mlのEx−細胞培地(媒質:
Ex−細胞401+1/100のL−Glu JRH Biosciences #144
01−78P(注:この媒質は軽感受性))と混合し、別の管において、100
μlのセルフェクチン(CellFECTIN(Gibco BRL #10362-010)(ボルテックスで
混合))を1mlのEx−細胞培地と混合した。2つの溶液を混合し、室温で1
5分間インキュベーションした。8mlのEx−細胞培地を2mlのDNA/セ
ルフェクチン混合物に添加し、Ex−細胞培地で1回洗浄したHi5細胞上に層
形成させた。次いでプレートを暗中室温でインキュベートした。次いでDNA/
セルフェクチン混合物を吸引し、細胞をEx−細胞で1回戦乗して過剰のセルフ
ェクチンを除去した。30mlの新鮮なEx−細胞培地を添加し、細胞を28℃
で3日間インキュベートした。上清を回収して、バキュロウイルス感染ベクター
でのPROポリペプチドの発現を、1mlの上清の25mLのヒスチジンタグタ
ンパク質用のNi−NTAビーズ(QIAGEN)又はIgGタグタンパク質用
のプロテインAセファロースCL−4Bビーズ(Pharmacia)へのバッチ結合、
次いでクマシーブルー染色により周知の濃度のタンパク質標準と比較するSDS
−PAGE分析により測定した。
【0257】 形質移入細胞からの条件培地(0.5〜3L)を、遠心分離により細胞を除去
し0.22ミクロンフィルターを通して濾過することにより回収した。ポリ−H
isタグ作成物については、タンパク質作成物をNi−NTAカラム(Qiagen)
を用いて精製した。精製前に、イミダゾールを条件培地に5mMの濃度まで添加
した。条件培地を、0.3MのNaCl及び5mMイミダゾールを含む20mM
のHepes,pH7.4バッファーで平衡化した6mlのNi−NTAカラムに4
−5ml/分の流速で4℃においてポンプ供給した。負荷後、カラムをさらに平
衡バッファーで洗浄し、タンパク質を0.25Mイミダゾールを含む平衡バッフ
ァーで溶離した。高度に精製されたタンパク質は、続いて10mMのHepes、0
.14MのNaCl及び4%のマンニトールを含む貯蔵バッファー、pH6.8
中で25mlのG25Superfine(Pharmacia)を用いて脱塩し、−80℃で貯蔵
した。 タンパク質のイムノアドヘシン(Fc含有)作成物を以下のようにして条件培
地から精製した。条件培地を、20mMのリン酸ナトリウムバッファー, pH
6.8で平衡化した5mlのプロテインAカラム(Pharmacia)に負荷した。負
荷後、カラムを平衡バッファーで強く洗浄した後、100mMのクエン酸,pH
3.5で溶離した。溶離したタンパク質は、1mlの画分を275mLの1Mト
リスバッファー,pH9を含む管に回収することにより即座に中性化した。高度
に精製されたタンパク質は、続いてポリ-Hisタグタンパク質について上記し
た貯蔵バッファー中で脱塩した。PROポリペプチドの均一性はSDSポリアク
リルアミドゲル及びエドマン(Edman)分解によるN−末端アミノ酸配列決定及
び所望又は必要に応じて他の分析手法により評価できる。 PRO6018,PRO7154、PRO7170、及びPRO7476は、
上記のhigh-5細胞を用いたバキュウロウイルスの方法によって発現された。
【0258】 実施例17:PRO5800,PRO6000,PRO6016,PRO601
8,PRO6496,PRO7154,PRO7170,PRO7422,PR
O7431又はPRO7476に結合する抗体の調製 この実施例は、PRO5800,PRO6000,PRO6016,PRO6
018,PRO6496,PRO7154,PRO7170,PRO7422,
PRO7431又はPRO7476に特異的に結合できるモノクローナル抗体の
調製を例示する。 モノクローナル抗体の生産のための技術は、この分野で知られており、例えば
、上掲のGodingに記載されている。用いられ得る免疫原は、精製PRO5800
,PRO6000,PRO6016,PRO6018,PRO6496,PRO
7154,PRO7170,PRO7422,PRO7431又はPRO747
6を含むPRO5800,PRO6000,PRO6016,PRO6018,
PRO6496,PRO7154,PRO7170,PRO7422,PRO7
431又はPRO7476融合タンパク質、細胞表面に組換えPRO5800,
PRO6000,PRO6016,PRO6018,PRO6496,PRO7
154,PRO7170,PRO7422,PRO7431又はPRO7476
を発現する細胞を含む。免疫原の選択は、当業者が過度の実験をすることなくな
すことができる。
【0259】 Balb/c等のマウスを、完全フロイントアジュバントに乳化して皮下又は
腹腔内に1−100マイクログラムで注入したPRO免疫原で免疫化する。ある
いは、免疫原をMPL−TDMアジュバント(Ribi Immunochemical Researh, H
amilton, MT)に乳化し、動物の後足蹠に注入してもよい。免疫化したマウスは
、次いで10から12日後に、選択したアジュバント中に乳化した付加的免疫源
で追加免疫する。その後、数週間、マウスをさらなる免疫化注射で追加免疫する
。抗PRO5800,抗PRO6000,抗PRO6016,抗PRO6018
,抗PRO6496,抗PRO7154,抗PRO7170,抗PRO7422
,抗PRO7431,又は抗PRO7476抗体の検出のためのELISAアッ
セイで試験するために、レトロオービタル出血からの血清試料をマウスから周期
的に採取してもよい。
【0260】 適当な抗体力価が検出された後、抗体に「ポジティブ(陽性)」な動物に、P
RO5800、PRO6000、PRO6016、PRO6018、PRO64
96、PRO7154、PRO7170、PRO7422、PRO7431又は
PRO7476の静脈内注射の最後の注入をすることができる。3から4日後、
マウスを屠殺し、脾臓細胞を取り出した。次いで脾臓細胞を(35%ポリエチレ
ングリコールを用いて)、ATCCから番号CRL1597で入手可能なP3X
63AgU.1等の選択されたマウス骨髄腫株化細胞に融合させた。融合により
ハイブリドーマ細胞が生成され、次いで、HAT(ヒポキサンチン、アミノプテ
リン、及びチミジン)培地を含む96ウェル組織培養プレートに蒔き、非融合細
胞、骨髄腫ハイブリッド、及び脾臓細胞ハイブリッドの増殖を阻害した。 ハイブリドーマ細胞は、PRO5800,PRO6000,PRO6016,
PRO6018,PRO6496,PRO7154,PRO7170,PRO7
422,PRO7431又はPRO7476に対する反応性についてのELIS
Aでスクリーニングされる。に対する所望のモノクローナル抗体を分泌する「ポ
ジティブ(陽性)」ハイブリドーマ細胞の決定は、技術常識の範囲内である。
【0261】 陽性ハイブリドーマ細胞を同系のBalb/cマウスに腹腔内注入し、抗PR
O5800,抗PRO6000,抗PRO6016,抗PRO6018,抗PR
O6496,抗PRO7154,抗PRO7170,抗PRO7422,抗PR
O7431,又は抗PRO7476モノクローナル抗体を含む腹水を生成させる
。あるいは、ハイブリドーマ細胞を、組織培養フラスコ又はローラーボトルで成
長させることもできる。腹水中に生成されたモノクローナル抗体の精製は、硫酸
アンモニウム沈降、それに続くゲル排除クロマトグラフィ−を用いて行うことが
できる。あるいは、抗体のプロテインA又はプロテインGへの親和性に基づくア
フィニティクロマトグラフィーを用いることもできる。
【0262】 材料の寄託: 次の材料をアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション, 10801 ユ
ニバーシティ・ブルバード、マナッサス、バージニア20110−2209米国
(ATCC)に寄託した: 材料 ATCC寄託番号 寄託日 DNA108912-2680 PTA-124 1999年5月25日 DNA102880-2689 PTA-383 1999年7月20日 DNA96881-2699 PTA-553 1999年8月17日 DNA98565-2701 PTA-481 1999年8月3日 DNA119302-2737 PTA-520 1999年8月10日 DNA108760-2740 PTA-548 1999年8月17日 DNA108722-2743 PTA-552 1999年8月17日 DNA119536-2752 PTA-551 1999年8年17日 DNA119542-2754 PTA-619 1998年8月31日 DNA115253-2757 PTA-612 1998年8月31日
【0263】 これらの寄託は、特許手続き上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペス
ト条約及びその規則(ブダペスト条約)の規定に従って行われた。これは、寄託の
日付から30年間、寄託の生存培養物が維持されることを保証するものである。
寄託物はブダペスト条約の条項に従い、またジェネンテク社とATCCとの間の
合意に従い、ATCCから入手することができ、これは、何れが最初に来ようと
も、関連した米国特許の発行時又は任意の米国又は外国特許出願の公開時に、寄
託培養物の後代を永久かつ非制限的に入手可能とすることを保証し、米国特許法
第122条及びそれに従う特許庁長官規則(特に参照番号886OG638の3
7CFR第1.14条を含む)に従って権利を有すると米国特許庁長官が決定し
た者に子孫を入手可能とすることを保証するものである。
【0264】 本出願の譲受人は、寄託した材料の培養物が、適切な条件下で培養されていた
場合に死亡もしくは損失又は破壊されたならば、材料は通知時に同一の他のもの
と速やかに取り替えることに同意する。寄託物質の入手可能性は、特許法に従い
あらゆる政府の権限下で認められた権利に違反して、本発明を実施するライセン
スであるとみなされるものではない。 上記の文書による明細書は、当業者に本発明を実施できるようにするために十
分であると考えられる。寄託した態様は、本発明のある側面の一つの説明として
意図されており、機能的に等価なあらゆる作成物がこの発明の範囲内にあるため
、寄託された作成物により、本発明の範囲が限定されるものではない。ここでの
材料の寄託は、ここに含まれる文書による説明が、そのベストモードを含む、本
発明の任意の側面の実施を可能にするために不十分であることを認めるものでは
ないし、それが表す特定の例証に対して請求の範囲を制限するものと解釈される
ものでもない。実際、ここに示し記載したものに加えて、本発明を様々に変形す
ることは、前記の記載から当業者にとっては明らかなものであり、添付の請求の
範囲内に入るものである。
【図面の簡単な説明】
【Fig1】 ヌクレオチド配列(配列番号:1)が、ここにおいてDNA1
08912−2680と命名されたクローンである、天然配列PRO5800を
コードするヌクレオチド配列を含むcDNAのヌクレオチド配列(配列番号:1
)。また、太字及び下線部は、それぞれ開始及び終止コドンである。
【Fig2】Fig1に示された配列番号:1のコード化配列より誘導された
、天然配列PRO5800ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号:2)。
【Fig3】ヌクレオチド配列(配列番号:3)が、ここにおいてDNA10
2880−2689と命名されたクローンである、天然配列PRO6000をコ
ードするヌクレオチド配列を含むcDNAのヌクレオチド配列(配列番号:3)
。また、太字及び下線部は、それぞれ開始及び終止コドンである。
【Fig4】 Fig3に示された配列番号:3のコード化配列より誘導され
た、天然配列PRO6000ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号:4)。
【Fig5】 ヌクレオチド配列(配列番号:5)が、ここにおいてDNA9
6881−2699と命名されたクローンである、天然配列PRO6016をコ
ードするヌクレオチド配列を含むcDNAのヌクレオチド配列(配列番号:5)
。また、太字及び下線部は、それぞれ開始及び終止コドンである。
【Fig6】 Fig5に示された配列番号:5のコード化配列より誘導され
た、天然配列PRO6016ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号:6)。
【Fig7】 ヌクレオチド配列(配列番号:7)が、ここにおいてDNA9
6565−2701と命名されたクローンである、天然配列PRO6018をコ
ードするヌクレオチド配列を含むcDNAのヌクレオチド配列(配列番号:7)
。また、太字及び下線部は、それぞれ開始及び終止コドンである。
【Fig8】 Fig7に示された配列番号:7のコード化配列より誘導され
た、天然配列PRO6018ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号:8)。
【Fig9】 ヌクレオチド配列(配列番号:9)が、ここにおいてDNA1
19302−2737と命名されたクローンである、天然配列PRO6496を
コードするヌクレオチド配列を含むcDNAのヌクレオチド配列(配列番号:9
)。また、太字及び下線部は、それぞれ開始及び終止コドンである。
【Fig10】 Fig9に示された配列番号:9のコード化配列より誘導さ
れた、天然配列PRO6496ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号:10)
【Fig11】 ヌクレオチド配列(配列番号:11)が、ここにおいてDN
A108760−2740と命名されたクローンである、天然配列PRO715
4をコードするヌクレオチド配列を含むcDNAのヌクレオチド配列(配列番号
:11)。また、太字及び下線部は、それぞれ開始及び終止コドンである。
【Fig12】 Fig11に示された配列番号:11のコード化配列より誘
導された、天然配列PRO7154ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号:1
2)。
【Fig13】 ヌクレオチド配列(配列番号:13)が、ここにおいてDN
A108722−2743と命名されたクローンである、天然配列PRO717
0をコードするヌクレオチド配列を含むcDNAのヌクレオチド配列(配列番号
:13)。また、太字及び下線部は、それぞれ開始及び終止コドンである。
【Fig14】 Fig13に示された配列番号:13のコード化配列より誘
導された、天然配列PRO7170ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号:1
4)。
【Fig15】 ヌクレオチド配列(配列番号:15)が、ここにおいてDN
A119536−2752と命名されたクローンである、天然配列PRO742
2をコードするヌクレオチド配列を含むcDNAのヌクレオチド配列(配列番号
:15)。また、太字及び下線部は、それぞれ開始及び終止コドンである。
【Fig16】 Fig15に示された配列番号:15のコード化配列より誘
導された、天然配列PRO7422ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号:1
6)。
【Fig17】 ヌクレオチド配列(配列番号:17)が、ここにおいてDN
A119542−2754と命名されたクローンである、天然配列PRO743
1をコードするヌクレオチド配列を含むcDNAのヌクレオチド配列(配列番号
:17)。また、太字及び下線部は、それぞれ開始及び終止コドンである。
【Fig18】 Fig17に示された配列番号:17のコード化配列より誘
導された、天然配列PRO7431ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号:1
8)。
【Fig19】 ヌクレオチド配列(配列番号:19)が、ここにおいてDN
A115253−2757と命名されたクローンである、天然配列PRO747
6をコードするヌクレオチド配列を含むcDNAのヌクレオチド配列(配列番号
:19)。また、太字及び下線部は、それぞれ開始及び終止コドンである。
【Fig20】 Fig19に示された配列番号:19のコード化配列より誘
導された、天然配列PRO7476ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号:2
0)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 35/00 C07K 14/47 4C084 C07K 14/47 16/18 4C085 16/18 19/00 4C086 19/00 C12N 1/15 4H045 C12N 1/15 1/19 1/19 1/21 1/21 C12P 21/02 C 5/10 21/08 C12P 21/02 C12Q 1/02 21/08 1/68 A C12Q 1/02 G01N 33/15 Z 1/68 33/50 Z G01N 33/15 33/53 M 33/50 33/566 33/53 C12N 15/00 ZNAA 33/566 5/00 A B (31)優先権主張番号 60/146,843 (32)優先日 平成11年8月3日(1999.8.3) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/148,188 (32)優先日 平成11年8月10日(1999.8.10) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/149,320 (32)優先日 平成11年8月17日(1999.8.17) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/149,327 (32)優先日 平成11年8月17日(1999.8.17) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/149,396 (32)優先日 平成11年8月17日(1999.8.17) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/150,114 (32)優先日 平成11年8月20日(1999.8.20) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/151,700 (32)優先日 平成11年8月31日(1999.8.31) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/151,734 (32)優先日 平成11年8月31日(1999.8.31) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ゴッダード,オードリー アメリカ合衆国 カリフォルニア 94131, サン フランシスコ,コンゴ ストリート 110 (72)発明者 ガーニー,オースティン,エル. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94002, ベルモント,デビー レーン 1 (72)発明者 スミス,ヴィクトリア アメリカ合衆国 カリフォルニア 94010, バーリンゲーム,ドゥワイト ロード 19 (72)発明者 ワタナベ,コリン, ケー. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94556, モラガ,コーリス ドライブ 128 (72)発明者 ウッド,ウイリアム,アイ. アメリカ合衆国 カルフォニア 94010, ヒルズバラ,サウスダウン コート 35 Fターム(参考) 2G045 AA26 AA40 BB50 DA13 DA36 FB02 4B024 AA01 AA12 BA44 BA80 CA04 CA07 CA11 DA01 DA02 DA05 DA06 DA11 DA12 EA01 EA02 EA03 EA04 FA02 GA01 GA11 HA01 HA03 HA12 HA15 4B063 QA01 QA18 QA19 QQ01 QQ13 QQ20 QQ42 QQ52 QQ79 QR08 QR33 QR42 QR48 QR55 QR59 QR62 QR77 QR80 QS05 QS12 QS25 QS33 QS34 QS36 QX02 4B064 AG01 AG27 CA01 CA02 CA06 CA10 CA19 CA20 CC24 DA01 DA14 4B065 AA01X AA26X AA57X AA79X AA87X AA93Y AB01 AB02 BA01 BA08 CA24 CA25 CA44 CA46 4C084 AA17 MA01 NA14 ZB262 4C085 AA13 AA14 AA16 BB42 CC32 DD62 EE01 GG01 4C086 AA01 AA02 AA03 EA16 MA01 MA03 NA14 ZB26 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 BA41 CA41 DA76 EA22 EA51 FA72 FA74 GA26

Claims (70)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 PRO5800,PRO6000,PRO6016,PRO
    6018,PRO6496,PRO7154,PRO7170,PRO7422
    ,PRO7431又はPRO7476ポリペプチドに結合する単離された抗体。
  2. 【請求項2】 前記ポリペプチドへ特異的に結合する請求項1の抗体。
  3. 【請求項3】 前記ポリペプチドを発現する細胞の死を誘導する請求項1の
    抗体。
  4. 【請求項4】 前記細胞が、同じ組織型の正常細胞と比較して前記ポリペプ
    チドを過剰発現する癌細胞である、請求項3の抗体。
  5. 【請求項5】 モノクローナル抗体である請求項1の抗体。
  6. 【請求項6】 非ヒト相補性決定部位(CDR)又は枠組み構造領域(FR
    )を含む請求項5の抗体。
  7. 【請求項7】 標識された請求項1の抗体。
  8. 【請求項8】 抗体断片又は一本鎖抗体である、請求項1の抗体。
  9. 【請求項9】 製薬的に許容可能な担体との混合である請求項1の抗体を含
    む製造品。
  10. 【請求項10】 前記抗体の治療的有効量を含む請求項9の製品。
  11. 【請求項11】 細胞毒性又は化学療法薬剤を更に含む請求項9の製造品。
  12. 【請求項12】 請求項1の抗体をコードする単離された核酸分子。
  13. 【請求項13】 請求項12の核酸分子を含んでなるベクター。
  14. 【請求項14】 請求項13のベクターを含んでなる宿主細胞。
  15. 【請求項15】 PRO5800,PRO6000,PRO6016,PR
    O6018,PRO6496,PRO7154,PRO7170,PRO742
    2,PRO7431又はPRO7476ポリペプチドに結合する抗体を生産する
    方法であって、前記抗体の発現を可能にならしめるのに十分な条件下で請求項1
    4の宿主細胞を培養すること、及び細胞培養からの前記抗体を回収することを含
    んでなる前記の方法。
  16. 【請求項16】 PRO5800,PRO6000,PRO6016,PR
    O6018,PRO6496,PRO7154,PRO7170,PRO742
    2,PRO7431又はPRO7476ポリペプチドのアンタゴニスト。
  17. 【請求項17】 腫瘍細胞の成長を阻害する請求項16のアンタゴニスト。
  18. 【請求項18】 PRO5800,PRO6000,PRO6016,PR
    O6018,PRO6496,PRO7154,PRO7170,PRO742
    2,PRO7431又はPRO7476ポリペプチド、又はその補体をコードす
    る核酸配列とハイブリッドダイゼーションする単離された核酸分子。
  19. 【請求項19】 前記ハイブリダイゼーションが緊縮ハイブリッドダイゼー
    ション及び洗浄条件下で生じる請求項18の単離された核酸分子。
  20. 【請求項20】 PRO5800,PRO6000,PRO6016,PR
    O6018,PRO6496,PRO7154,PRO7170,PRO742
    2,PRO7431又はPRO7476ポリペプチドが含まれると思われる試料
    より、前記ポリペプチドの存在を確定する方法であって、この試料を抗-PRO
    5800,抗-PRO6000,抗-PRO6016,抗-PRO6018,抗-P
    RO6496,抗-PRO7154,抗-PRO7170,抗-PRO7422,
    抗-PRO7431,又は抗-PRO7476抗体へ曝露し、前記試料における前
    記抗体の前記ポリペプチドへの結合を確定することを含んでなる方法。
  21. 【請求項21】 前記試料がPRO5800,PRO6000,PRO60
    16,PRO6018,PRO6496,PRO7154,PRO7170,P
    RO7422,PRO7431又はPRO7476ポリペプチドを含むと思われ
    る細胞を含む、請求項20の方法。
  22. 【請求項22】 前記細胞が癌細胞である、請求項21の方法。
  23. 【請求項23】 (a)哺乳類から得た組織細胞の試験試料、及び(b)同
    細胞型の既知の正常組織細胞のコントロール試料から、PRO5800,PRO
    6000,PRO6016,PRO6018,PRO6496,PRO7154
    ,PRO7170,PRO7422,PRO7431又はPRO7476ポリペ
    プチドをコードする遺伝子の発現のレベルを検出することを含んでなり、コント
    ロール試料と比較して試験試料でのより高い発現レベルが試験組織細胞が得られ
    た哺乳類における腫瘍の存在を示す、哺乳類における腫瘍を診断する方法。
  24. 【請求項24】(a)抗-PRO5800,抗-PRO6000,抗-PRO
    6016,抗-PRO6018,抗-PRO6496,抗-PRO7154,抗-P
    RO7170,抗-PRO7422,抗-PRO7431,又は抗-PRO747
    6抗体を哺乳類から得られた組織細胞の試験試料と接触せしめること、及び(b
    )試験試料において、前記抗体とPRO5800,PRO6000,PRO60
    16,PRO6018,PRO6496,PRO7154,PRO7170,P
    RO7422,PRO7431又はPRO7476ポリペプチドの間で形成され
    る複合体を検出することを含んでなり、複合体の形成が前記哺乳類における腫瘍
    の存在を示す、哺乳類における腫瘍を診断する方法。
  25. 【請求項25】 前記抗体が検出可能に標識されている、請求項24の方法
  26. 【請求項26】 前記試験試料が腫瘍細胞の成長又は増殖があると疑われる
    個人から得られた、請求項24の方法。
  27. 【請求項27】 抗-PRO5800,抗-PRO6000,抗-PRO60
    16,抗-PRO6018,抗-PRO6496,抗-PRO7154,抗-PRO
    7170,抗-PRO7422,抗-PRO7431,又は抗-PRO7476抗
    体及び適切な包装体中の担体を含んでなる癌診断用キット。
  28. 【請求項28】 PRO5800,PRO6000,PRO6016,PR
    O6018,PRO6496,PRO7154,PRO7170,PRO742
    2,PRO7431又はPRO7476ポリペプチドが含まれると思われる試料
    における、これらポリペプチドの存在を検出するための前記抗体の使用に関する
    指示書をさらに含んでなる請求項27の癌診断用キット。
  29. 【請求項29】 PRO5800,PRO6000,PRO6016,PR
    O6018,PRO6496,PRO7154,PRO7170,PRO742
    2,PRO7431又はPRO7476ポリペプチドを発現する腫瘍細胞を、こ
    れらポリペプチドの生物学的活性を阻害する薬剤の有効量へ曝露することを含ん
    でなり、それによって前記腫瘍細胞の成長が阻害される、腫瘍細胞の成長を阻害
    する方法。
  30. 【請求項30】 同じ組織型の正常細胞と比較して、前記腫瘍細胞が前記ポ
    リペプチドを過剰発現する、請求項29の方法。
  31. 【請求項31】 前記薬剤が抗-PRO5800,抗-PRO6000,抗-
    PRO6016,抗-PRO6018,抗-PRO6496,抗-PRO7154
    ,抗-PRO7170,抗-PRO7422,抗-PRO7431,又は抗-PRO
    7476抗体である、請求項29の方法。
  32. 【請求項32】 前記抗-PRO5800,抗-PRO6000,抗-PRO
    6016,抗-PRO6018,抗-PRO6496,抗-PRO7154,抗-P
    RO7170,抗-PRO7422,抗-PRO7431,又は抗-PRO747
    6抗体が細胞死を誘導する、請求項31の方法。
  33. 【請求項33】 前記腫瘍細胞が更に放射線治療、細胞毒性薬剤又は化学療
    法剤へ曝露される、請求項29の方法。
  34. 【請求項34】 PRO5800,PRO6000,PRO6016,PR
    O6018,PRO6496,PRO7154,PRO7170,PRO742
    2,PRO7431又はPRO7476ポリペプチドを発現する腫瘍細胞を、こ
    れらポリペプチドの発現を阻害する薬剤の有効量へ曝露することを含んでなり、
    それによって前記腫瘍細胞の成長が阻害される、腫瘍細胞の成長を阻害する方法
  35. 【請求項35】 同じ組織型の正常細胞と比較して、前記腫瘍細胞が前記ポ
    リペプチドを過剰発現する、請求項34の方法。
  36. 【請求項36】 前記薬剤が、PRO5800,PRO6000,PRO6
    016,PRO6018,PRO6496,PRO7154,PRO7170,
    PRO7422,PRO7431又はPRO7476ポリペプチド又はその補体
    をコードする核酸とハイブリダイゼーションするアンチセンスオリゴヌクレオチ
    ドである、請求項34の方法。
  37. 【請求項37】 前記腫瘍細胞が更に放射線治療、細胞毒性薬剤又は化学療
    法剤へ曝露される、請求項36の方法。
  38. 【請求項38】 組成物は腫瘍細胞の成長の阻害に有効であり、容器上のラ
    ベルは組成物が、同じ組織型の正常細胞に比較して前記腫瘍細胞において、PR
    O5800,PRO6000,PRO6016,PRO6018,PRO649
    6,PRO7154,PRO7170,PRO7422,PRO7431又はP
    RO7476ポリペプチドの過剰発現で特徴付けられる症状に対して効果的であ
    ることを示す、容器; 前記容器上のラベル;及び 前記容器内に収容された活性薬剤を含む組成物を含んでなる製造物品。
  39. 【請求項39】 前記活性薬剤が、PRO5800,PRO6000,PR
    O6016,PRO6018,PRO6496,PRO7154,PRO717
    0,PRO7422,PRO7431又はPRO7476ポリペプチドの生物学
    的活性及び/又は発現を阻害する、請求項38の製造物品。
  40. 【請求項40】 前記活性薬剤が、抗-PRO5800,抗-PRO6000
    ,抗-PRO6016,抗-PRO6018,抗-PRO6496,抗-PRO71
    54,抗-PRO7170,抗-PRO7422,抗-PRO7431,又は抗-P
    RO7476抗体である、請求項39の製造物品。
  41. 【請求項41】 前記活性薬剤がアンチセンスオリゴヌクレオチドである、
    請求項39の製造物品。
  42. 【請求項42】 候補化合物とPRO5800,PRO6000,PRO6
    016,PRO6018,PRO6496,PRO7154,PRO7170,
    PRO7422,PRO7431又はPRO7476ポリペプチドを、両構成物
    が相互作用できる、及び前記ポリペプチドの生物学的又は免疫学的活性が阻害さ
    れるか否かを確定するための条件下及び十分な時間に渡って、候補化合物と前記
    ポリペプチドを接触せしめることを含んでなる、前記ポリペプチドの生物学的又
    は免疫学的活性を阻害する化合物を同定する方法。
  43. 【請求項43】 前記候補化合物が抗-PRO5800,抗-PRO6000
    ,抗-PRO6016,抗-PRO6018,抗-PRO6496,抗-PRO71
    54,抗-PRO7170,抗-PRO7422,抗-PRO7431,又は抗-P
    RO7476抗体である、請求項42の方法。
  44. 【請求項44】 前記候補化合物又はPRO5800,PRO6000,P
    RO6016,PRO6018,PRO6496,PRO7154,PRO71
    70,PRO7422,PRO7431又はPRO7476ポリペプチドが固体
    支持体へ固定された、請求項42の方法。
  45. 【請求項45】 非固定化構成物が検出可能に標識された、請求項44の方
    法。
  46. 【請求項46】 (a)PRO5800,PRO6000,PRO6016
    ,PRO6018,PRO6496,PRO7154,PRO7170,PRO
    7422,PRO7431又はPRO7476ポリペプチドによって誘導される
    細胞応答の誘導に適した条件下で、細胞とスクリーニングされるべき候補化合物
    を前記ポリペプチドの存在下で接触せしめること、及び(b)試験化合物が有効
    なアンタゴニストであるか否かを確定するために前記細胞応答の誘導を確定する
    ことの段階を含んでなり、前記細胞応答の誘導の欠如が前記化合物が有効なアン
    タゴニストであることを示す、前記ポリペプチドの活性を阻害する化合物を同定
    する方法。
  47. 【請求項47】 PRO5800,PRO6000,PRO6016,PR
    O6018,PRO6496,PRO7154,PRO7170,PRO742
    2,PRO7431又はPRO7476ポリペプチドを発現する細胞を、前記ポ
    リペプチドの発現を阻害する候補化合物と接触させ、前記ポリペプチドの発現が
    阻害されるか否かを確定することを含む、前記ポリペプチドを発現する細胞内に
    おいて前記ポリペプチドの発現を阻害する化合物を同定する方法。
  48. 【請求項48】 前記候補化合物がアンチセンスオリゴヌクレオチドである
    、請求項47の方法。
  49. 【請求項49】 Fig2(配列番号:2),Fig4(配列番号:4),Fig6
    (配列番号:6),Fig8(配列番号:8),Fig10(配列番号:10),Fig
    12(配列番号:12),Fig14(配列番号:14),Fig16(配列番号:1
    6),Fig18(配列番号:18),及びFig20(配列番号:20)に示された
    アミノ酸配列によって構成される群より選択されたアミノ酸配列をコードするヌ
    クレオチド配列と、少なくとも80%の核酸配列同一性を有する単離された核酸
  50. 【請求項50】 Fig1(配列番号:1),Fig3(配列番号:3),Fig5
    (配列番号:5),Fig7(配列番号:7),Fig9(配列番号:9),Fig11
    (配列番号:11),Fig13(配列番号:13),Fig15(配列番号:15)
    ,Fig17(配列番号:17),及びFig19(配列番号:19)に示されたヌク
    レオチド配列によって構成される群から選択されたヌクレオチド配列と、少なく
    とも80%の核酸配列同一性を有する単離された核酸。
  51. 【請求項51】 Fig1(配列番号:1),Fig3(配列番号:3),Fig5
    (配列番号:5),Fig7(配列番号:7),Fig9(配列番号:9),Fig11
    (配列番号:11),Fig13(配列番号:13),Fig15(配列番号:15)
    ,Fig17(配列番号:17),及びFig19(配列番号:19)に示されたヌク
    レオチド配列の全長コード化配列から構成される群から選択されたヌクレオチド
    配列と、少なくとも80%の核酸配列同一性を有する単離された核酸。
  52. 【請求項52】 ATCC受入番号PTA−124,PTA−383,PT
    A−553,PTA−481,PTA−520,PTA−548,PTA−55
    2,PTA−551,PTA−619,又はPTA−612の下へ寄託されたD
    NAの全長コード化配列と、少なくとも80%の核酸配列同一性を有する単離さ
    れた核酸。
  53. 【請求項53】 請求項49ないし52のうちの何れかの1項の核酸を含ん
    でなるベクター。
  54. 【請求項54】 ベクターで形質転換された宿主細胞によって認識されるコ
    ントロール配列へ作用可能に結合している請求項53のベクター。
  55. 【請求項55】 請求項53のベクターを含んでなる宿主細胞。
  56. 【請求項56】 宿主細胞がCHO細胞である、請求項55の宿主細胞。
  57. 【請求項57】 宿主細胞が大腸菌であるである、請求項55の宿主細胞。
  58. 【請求項58】 宿主細胞が酵母細胞である、請求項55の宿主細胞。
  59. 【請求項59】 宿主細胞がバキュロウイルス感染昆虫細胞である、請求項
    55の宿主細胞。
  60. 【請求項60】 PRO5800,PRO6000,PRO6016,PR
    O6018,PRO6496,PRO7154,PRO7170,PRO742
    2,PRO7431又はPRO7476ポリペプチドの発現に適した条件下で請
    求項55の宿主細胞を培養し、前記ポリペプチドを細胞培養から回収することを
    含んでなる前記ポリペプチドを生産する工程。
  61. 【請求項61】 Fig2(配列番号:2),Fig4(配列番号:4),Fig6
    (配列番号:6),Fig8(配列番号:8),Fig10(配列番号:10),Fig
    12(配列番号:12),Fig14(配列番号:14),Fig16(配列番号:1
    6),Fig18(配列番号:18),及びFig20(配列番号:20)に示された
    アミノ酸配列によって構成される群より選択されたアミノ酸配列と、少なくとも
    80%の核酸配列同一性を有する単離されたポリペプチド。
  62. 【請求項62】 Fig2(配列番号:2),Fig4(配列番号:4),Fig6
    (配列番号:6),Fig8(配列番号:8),Fig10(配列番号:10),Fig
    12(配列番号:12),Fig14(配列番号:14),Fig16(配列番号:1
    6),Fig18(配列番号:18),及びFig20(配列番号:20)に示された
    アミノ酸配列によって構成される群より選択されたアミノ酸配列と比較し、少な
    くとも80%のポジテイブをスコアする単離されたポリペプチド。
  63. 【請求項63】 ATCC受入番号PTA−124,PTA−383,PT
    A−553,PTA−481,PTA−520,PTA−548,PTA−55
    2,PTA−551,PTA−619,又はPTA−612の下へ寄託されたD
    NAの全長コード化配列によってコードされるアミノ酸配列と、少なくとも80
    %のアミノ酸配列同一性を有する単離されたポリペプチド。
  64. 【請求項64】 異種アミノ酸配列に融合した請求項61ないし63のいず
    れか1項に記載のポリペプチドを含んでなるキメラ分子。
  65. 【請求項65】 前記異種アミノ酸配列がエピトープタグ配列である、請求
    項64のキメラ分子。
  66. 【請求項66】 前記異種アミノ酸配列が免疫グロブリンのFc領域である
    、請求項64のキメラ分子。
  67. 【請求項67】 請求項61ないし63のいずれか1項に記載のポリペプチ
    ドへ特異的に結合する抗体。
  68. 【請求項68】 前記抗体がモノクローナル抗体、ヒト化抗体又は一本鎖抗
    体である、請求項67の抗体。
  69. 【請求項69】 (a)Fig2(配列番号:2),Fig4(配列番号:4),
    Fig6(配列番号:6),Fig8(配列番号:8),Fig10(配列番号:10)
    ,Fig12(配列番号:12),Fig14(配列番号:14),Fig16(配列番
    号:16),Fig18(配列番号:18),及びFig20(配列番号:20)に示
    されたポリペプチドをコードし、その結合シグナルペプチドを欠くヌクレオチド
    配列; (b)Fig2(配列番号:2),Fig4(配列番号:4),Fig6(配列番号:6
    ),Fig8(配列番号:8),Fig10(配列番号:10),Fig12(配列番号
    :12),Fig14(配列番号:14),Fig16(配列番号:16),Fig18
    (配列番号:18),及びFig20(配列番号:20)に示されたポリペプチド
    の細胞外ドメインをコードし、その結合シグナルペプチドをともなうヌクレオチ
    ド配列;又は (c)Fig2(配列番号:2),Fig4(配列番号:4),Fig6(配列番号:6
    ),Fig8(配列番号:8),Fig10(配列番号:10),Fig12(配列番号
    :12),Fig14(配列番号:14),Fig16(配列番号:16),Fig18
    (配列番号:18),及びFig20(配列番号:20)に示されたポリペプチド
    の細胞外ドメインをコードし、その結合シグナルペプチドを欠くヌクレオチド配
    列、と少なくとも80%の核酸配列同一性を有する単離された核酸。
  70. 【請求項70】 (a)Fig2(配列番号:2),Fig4(配列番号:4),
    Fig6(配列番号:6),Fig8(配列番号:8),Fig10(配列番号:10)
    ,Fig12(配列番号:12),Fig14(配列番号:14),Fig16(配列番
    号:16),Fig18(配列番号:18),及びFig20(配列番号:20)に示
    されたポリペプチドで、その結合シグナルペプチドを欠くもの; (b)Fig2(配列番号:2),Fig4(配列番号:4),Fig6(配列番号:6
    ),Fig8(配列番号:8),Fig10(配列番号:10),Fig12(配列番号
    :12),Fig14(配列番号:14),Fig16(配列番号:16),Fig18
    (配列番号:18),及びFig20(配列番号:20)に示されたポリペプチド
    の細胞外ドメインで、その結合シグナルペプチドをともなうポリペプチド;又は
    (c)Fig2(配列番号:2),Fig4(配列番号:4),Fig6(配列番号:6
    ),Fig8(配列番号:8),Fig10(配列番号:10),Fig12(配列番号
    :12),Fig14(配列番号:14),Fig16(配列番号:16),Fig18
    (配列番号:18),及びFig20(配列番号:20)に示されたポリペプチド
    の細胞外ドメインで、その結合シグナルペプチドを欠くポリペプチド、と少なく
    とも80%のアミノ酸配列同一性を有する単離されたポリペプチド。
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