JP2003335548A - 無アルカリガラス及びこれを用いたディスプレイ用ガラス基板 - Google Patents
無アルカリガラス及びこれを用いたディスプレイ用ガラス基板Info
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Abstract
性を満足し、しかも、ガラス基板の軽量化のために、ア
ルカリ土類金属の含有量を低減させても、ガラスの溶融
性が低下しない無アルカリガラスを提供することであ
る。 【構成】 本発明の無アルカリガラス基板は、質量百分
率で、SiO2 53〜70%、Al2O3 10〜19
%、B2O3 8〜20%、MgO 0〜10%、CaO
0〜10%、SrO 0〜10%、BaO 0〜10
%、ZnO 0〜10%、MgO+CaO+BaO+S
rO+ZnO 0〜12%、ZrO2 0〜5%、P2O
5 0.1〜10%、SnO2 0〜5%、Sb2O3 0
〜5%、Cl 0〜3%の組成を有し、実質的にアルカ
リ金属酸化物を含有せず、密度が2.45g/cm3以
下、歪点が600℃以上であることを特徴とする。
Description
Lディスプレイ等のフラットディスプレイ基板及び、電
荷結合素子(CCD)、等倍近接型固体撮像素子(CI
S)等のイメージセンサーや太陽電池用のガラス基板と
して適した無アルカリガラス及びそれを用いたディスプ
レイ用ガラス基板に関するものである。
スプレイ等のフラットディスプレイ基板として、ガラス
基板が広く使用されている。
ックス液晶ディスプレイ(TFT−LCD)等の電子デ
バイスは、薄型で消費電力も少ないことから、カーナビ
ゲーションや、デジタルカメラのファインダー、近年で
はパソコンのモニターやTV用など、様々な用途に使用
されている。
スメーカーで成形されたガラス基板(素板)の上に複数
個分のデバイスを作製した後、デバイス毎に分割切断し
て製品とすることによって、生産性の向上、コストダウ
ンを図っている。近年、TVやパソコンのモニター等の
用途においては、デバイスそのものにも大型のものが要
求されており、これらのデバイスを多面取りするため
に、1000×1200mmといった大面積のガラス基
板が要求されている。
携帯型のデバイスにおいては、携帯時の利便性から、機
器の軽量化が要求されており、ガラス基板にも軽量化が
要求されている。ガラス基板の軽量化を図るには、基板
を薄肉化することが有効であり、現在、TFT−LCD
用ガラス基板の標準の厚みは約0.7mmと非常に薄く
なっている。
ス基板は、自重によるたわみが大きく、そのことが製造
工程において大きな問題になっている。
メーカーで成形された後、切断、徐冷、検査、洗浄等の
工程を通過する。これらの工程中、ガラス基板は、複数
段の棚が形成されたカセットに出し入れされる。このカ
セットは、左右の内側2面、あるいは左右および奥の内
側3面に形成された棚に、ガラス基板の両辺、あるいは
3辺を載置するようにして水平方向に保持できるように
なっているが、大型で、薄型のガラス基板はたわみ量が
大きいため、ガラス基板をカセットの棚に入れる際に、
ガラス基板の一部が、カセットや他のガラス基板に接触
して破損したり、カセットの棚からガラス基板を取り出
す際に、大きく揺動して不安定となりやすい。またディ
スプレイメーカーにおいても、同じ形態のカセットが使
用されているため、同様の問題が発生している。
量は、ガラスの密度に比例し、ヤング率に反比例して変
化する。従ってガラス基板のたわみ量を小さく抑えるた
めには、ヤング率/密度の比で表される比ヤング率を高
くする必要がある。比ヤング率を高めるためには、ヤン
グ率が高く、しかも密度の低いガラス材質が必要となる
が、同じ比ヤング率でも、より密度の低いガラスでは、
軽くなる分だけ同一重量のガラスの板厚を厚くできる。
ガラスのたわみ量は板厚の二乗に反比例して変化するの
で、板厚を厚くすることによるたわみ低減への効果は非
常に大きい。ガラスの密度を下げることはガラスの軽量
化を図る上でも大きな効果があるので、ガラスの密度は
できるだけ小さい方が良い。
比較的多量のアルカリ土類金属酸化物が含有されてい
る。ガラスの低密度化を図るためには、アルカリ土類金
属酸化物の含有量を低減することが有効であるが、アル
カリ土類金属酸化物はガラスの溶融性を促進させる成分
であるため、その含有量を減らすと溶融性が低下する。
ガラスの溶融性が低下すると、ガラス中に泡、異物等の
内部欠陥が発生しやすくなる。ガラス中の泡や異物は、
光の透過を妨げるため、ディスプレイ用ガラス基板とし
ては致命的な欠陥となるが、このような内部欠陥を抑え
るためには、ガラスを高温で長時間溶融しなければなら
ない。
への負担を増加させる。例えば、窯に使用されているア
ルミナやジルコニアといった耐火物は、高温になればな
るほど激しく浸食され、窯のライフサイクルも短くな
る。また、高温で使用可能な部材は限られるため、使用
される全ての部材が割高になる。更に、窯の内部を常に
高温に保つためのランニングコストは低温で溶融するガ
ラスに比べて高くなる等、高温での溶融はガラスを生産
する上で非常に不利なものであるため、低温で溶融する
ことが可能な無アルカリガラスが求められている。
衝撃性も重要な要求課題である。ガラス基板の端面には
面取りを行ったとしても微細な傷やクラックが存在して
おり、熱による引張り応力が傷やクラックに集中して働
くと、時としてガラス基板が割れることがある。ガラス
の破損はラインの稼働率を下げるだけでなく、破損の際
に生じた微細なガラス粉が別のガラス基板上に付着し、
断線不良やパターニング不良等を引き起こす恐れが大き
い。
として、大画面化、軽量化以外に、高精細化、高速応答
化、高開口率化などの高性能化が挙げられ、特に近年で
は、液晶ディスプレイの高性能化および軽量化を目的と
して、多結晶シリコンTFT−LCD(p−Si・TF
T−LCD)の開発が盛んにおこなわれている。従来の
p−Si・TFT−LCDでは、その製造工程温度が8
00℃以上と非常に高かったため、石英ガラス基板しか
用いることができなかった。しかし最近の開発により、
製造工程温度が400〜600℃まで低下しており、現
在大量に生産されているアモルファスシリコンTFT−
LCD(a−Si・TFT−LCD)と同様に、無アル
カリガラス基板が用いられるようになってきた。
a−Si・TFT−LCDの製造工程に比べ、熱処理工
程が多く、ガラス基板は急加熱と急冷が繰り返されるた
め、ガラス基板への熱衝撃はより一層大きくなる。更
に、上記したようにガラス基板は大型化しており、ガラ
ス基板に温度差がつきやすくなるだけでなく、端面に微
少なキズ、クラックが発生する確率も高くなり、熱工程
中で基板が破壊する確率が高くなる。この問題を解決す
る最も根本的かつ有効な方法は、熱膨張差から生じる熱
応力を減らすことであり、そのため熱膨張係数の低いガ
ラスが求められている。また熱膨張係数を低下させると
p−Si等の薄膜トランジスタ(TFT)材料との熱膨
張差が小さくなり、ガラス基板のそりが発生し難くなる
ため好ましい。
温度は、最近低くなったとは言っても、未だa−Si・
TFT−LCDの製造工程温度に比べてかなり高い。ガ
ラス基板の耐熱性が低いと、p−Si・TFT−LCD
の製造工程中で、ガラス基板が400〜600℃の高温
にさらされた時に、熱収縮と呼ばれる微小な寸法収縮が
起こり、これがTFTの画素ピッチのずれを引き起こし
て表示不良の原因となる恐れがある。またガラス基板の
耐熱性が更に低いと、ガラス基板の変形、そり等が起こ
る恐れがある。さらに成膜等の液晶製造工程でガラス基
板が熱収縮してパターンずれが起こる。このような問題
が生じないように、耐熱性に優れたガラスが要求されて
いる。
には、透明導電膜、絶縁膜、半導体膜、金属膜等が成膜
され、しかもフォトリソグラフィーエッチング(フォト
エッチング)によって種々の回路やパターンが形成され
る。また、これらの成膜、フォトエッチング工程におい
て、ガラス基板には、種々の熱処理や薬品処理が施され
る。
a2O、K2O、Li2O)が含有されていると、熱処理
中にアルカリイオンが成膜された半導体物質中に拡散
し、膜特性の劣化を招くため、実質的にアルカリ金属酸
化物を含有しないことや、フォトエッチング工程におい
て使用される種々の酸、アルカリ等の薬品によって劣化
しないような耐薬品性を有することが要求される。
→レジストパターン形成→エッチング工程→レジスト剥
離工程の繰り返しで構成される。エッチング液としては
Al、Mo系膜のエッチングにはリン酸系溶液、ITO
系膜のエッチングには王水(HCl+HNO3)系溶
液、SiNX、SiO2膜等のエッチングにはバッファー
ドフッ酸(BHF)溶液など、多種多様な薬液が使用さ
れ、それらは低コスト化を考慮して、使い捨てではな
く、循環の液系フローをもって管理されている。
グの際、薬液とガラス基板との反応生成物が、循環フロ
ー系のフィルターをつまらせたり、不均質エッチングに
よってガラス表面に白濁をおこす、あるいはエッチング
液の成分が変化することによって、エッチングレートが
不安定になる等、様々な問題を引き起こす可能性があ
る。特にBHFに代表されるフッ酸系の薬液はガラス基
板を強く浸食するため、上記のような問題が発生しやす
い。従って特に耐BHF性に優れていることが要求され
ている。
小さいだけでなく、外観変化を引き起こさないことが重
要である。薬液処理によってガラスの外観が白濁や荒れ
などの変化を起こさないことは、光の透過率が重要なデ
ィスプレイ基板として不可欠な特性である。
耐BHF性について必ずしも一致せず、例えば同じ浸食
量を示すガラスであっても、その組成によって薬品処理
後に外観変化を引き起こしたり、引き起こさなかったり
する場合がある。
してダウンドロー法やフロート法により成形される。ダ
ウンドロー法の例としては、スロットダウンドロー法や
オーバーフローダウンドロー法等が挙げられ、ダウンド
ロー法で成形したガラス基板は研磨加工が不要であるた
め、コストダウンを図りやすいという利点がある。ただ
しダウンドロー法によってガラス基板を成形する場合に
は、ガラスが失透しやすいため、耐失透性に優れたガラ
スが要求される。
用ガラス基板としては、コーニング社製の1737ガラ
スや日本電気硝子株式会社製のOA−10ガラス等が市
販されている。しかし、これらのガラスは耐熱性には優
れているが、いずれもガラスの溶融性を促進させるため
にアルカリ土類金属酸化物を多く含有しており密度が高
い。そのため、ガラス基板を製造した際、自重によるた
わみが大きく大型、薄肉化を図ることが困難であった。
基板に要求される特性を満足し、しかも、ガラス基板の
軽量化のために、アルカリ土類金属の含有量を低減させ
ても、ガラスの溶融性が低下しない無アルカリガラスを
提供することである。
験を繰り返した結果、TFT−LCDに使用されるガラ
ス基板に要求される諸特性を満足し、溶融性にも優れた
ガラス組成を見いだし、本発明として提案するものであ
る。
は、質量百分率で、SiO2 53〜70%、Al2O3
10〜19%、B2O3 8〜20%、MgO 0〜1
0%、CaO 0〜10%、SrO 0〜10%、Ba
O 0〜10%、ZnO 0〜10%、MgO+CaO
+BaO+SrO+ZnO 0〜12%、ZrO20〜
5%、P2O5 0.1〜10%、SnO2 0〜5%、
Sb2O3 0〜5%、Cl 0〜3%の組成を有し、実
質的にアルカリ金属酸化物を含有せず、密度が2.45
g/cm3以下、歪点が600℃以上であることを特徴
とする。
値は、ムライト、アノーサイト等の失透異物の析出のし
易さを示す目安となり、この値が小さくなると失透傾向
が強くなる。ところで、ガラスの密度を低下させるに
は、ガラス中のアルカリ土類金属酸化物RO(R:M
g、Ca、Sr、Ba)の含有量を低減させるのが最も
有効である。しかし、ガラス中のRO含有量を低減させ
ると、RO/Al2O3の値が小さくなり、ガラスの液相
温度が著しく上昇し、ガラスが失透しやすくなる。その
結果、ガラスの成形性を悪化させる。密度を低下させ
て、且つ、失透が起こらないように、ROと共に、Al
2O3の含有量も低減してRO/Al2O3の値を大きくな
るようにすることも考えられるが、この場合は、ガラス
の歪点が低下する。
うとすれば、RO/Al2O3の値が低い組成域となる
が、本発明の無アルカリガラスでは、P2O5を必須成分
として含有させているため、このような組成域において
も、ガラスを失透させることなく、ガラスの低密度化を
図ることができる。また、Al2O3の含有量を低減させ
なくても、失透を抑えることができるため、ガラスの歪
点の低下も抑えることができる。尚、失透を抑えるため
の効果的なP2O5の添加量としては、(MgO+CaO
+BaO+SrO)/Al2O3のモル比をxとし、P2
O5の含有量(モル百分率)をyとした際、y≧−0.
5x+0.55の関係になるように調整することが望ま
しい。
度、溶融性、成形性以外にも、TFT−LCDに使用さ
れるガラス基板に要求される諸特性、即ち、熱膨張係
数、耐薬品性、比ヤング率等を考慮して組成を規定した
ものである。
の成分を限定した理由を説明する。
70%である。53%より少ないと、耐薬品性、特に耐
酸性が悪化し、また低密度化を図ることが困難となる。
また70%より多いと、高温粘度が高くなり、溶融性が
悪くなると共に、ガラス中にクリストバライトが生じ易
くなる。SiO2の好ましい範囲は55〜68%、より
好ましくは55〜65%である。
10%より少ないと、歪点が低下する。またAl2O3に
はガラスのヤング率を向上させ、比ヤング率を高める働
きがあるが、10%より少ないとヤング率が低下する。
また19%より多いと液相温度が高くなり、耐失透性が
低下する。Al2O3の好ましい範囲は10〜18%、よ
り好ましくは10〜16.9%である。
性を改善する成分である。B2O3の含有量は8〜20%
である。8%より少ないと、融剤としての働きが不十分
となると共に、耐バッファードフッ酸性が悪化する。ま
た20%より多いと、ガラスの歪点が低下し、耐熱性が
低下すると共に耐酸性が悪化する。さらにヤング率が低
下するため、比ヤング率が低下する。B2O3の好ましい
範囲は10〜20%、より好ましくは10〜16%であ
る。
温粘性を下げ、ガラスの溶融性を改善する。またアルカ
リ土類金属酸化物の中では最も密度を下げる効果があ
る。しかしながら多量に含有すると液相温度が上昇し、
耐失透性が低下する。またMgOはバッファードフッ酸
と反応して生成物を形成し、ガラス基板表面の素子上に
固着したり、ガラス基板に付着してこれを白濁させる恐
れがあるため、その含有量には制限がある。従ってMg
Oの含有量は0〜10%、好ましい範囲は0〜8%、よ
り好ましくは0〜6%、さらには0〜0.5%である。
ることなく、高温粘性を下げ、ガラスの溶融性を著しく
改善する成分であり、その含有量は0〜10%である。
10%より多いと、バッファードフッ酸と反応して生成
物を形成し、ガラス基板表面の素子上に固着したり、ガ
ラス基板に付着してこれを白濁させる恐れがある。Ca
Oの好ましい範囲は2〜10%、より好ましくは2〜8
%である。
向上させる成分であり、その含有量は0〜10%であ
る。10%より多いと、ガラスの密度や熱膨張係数が上
昇する。SrOの好ましい範囲は0〜6%、より好まし
くは0〜1.5%である。
性、耐失透性を向上させる成分であり、その含有量は0
〜10%である。10%より多いと、ガラスの密度や熱
膨張係数が上昇する。BaOの好ましい範囲は0〜6
%、より好ましくは0〜2.2%である。
ッ酸性を改善すると共に溶融性を改善する成分であり、
その含有量は0〜10%である。10%より多いと、ガ
ラスが失透しやすくなり、歪点も低下する上、密度が上
昇するため好ましくない。ZnOの好ましい範囲は0〜
3%、より好ましくは0〜0.9%である。
の各成分は混合して含有させることによりガラスの液相
温度を著しく下げ、ガラス中に結晶異物を生じさせ難く
するため、ガラスの溶融性、成形性を改善する効果があ
る。しかしながら、これらの合量が12%より多くなる
と、密度が上昇し、ガラス基板の軽量化が図れなくなる
上、比ヤング率が低下するため好ましくない。これら成
分の合量の好ましい範囲は0〜10%、より好ましい範
囲は0〜8.5%、さらには4〜8.5%である。
性を改善し、ヤング率を向上させる成分であるが、5%
より多くなると、液相温度が上昇し、ジルコンの失透異
物が出易くなるため好ましくない。ZrO2の好ましい
範囲は0〜3%、より好ましくは0〜1%である。
低密度のガラスを得るための必須成分である。つまり、
ガラスの歪点を維持した状態でガラスの密度を低下させ
るために、RO/Al2O3の値を小さくしても、P2O5
を含有することによりガラスの失透を抑えることができ
る。P2O5の含有量は0.1〜10%である。0.1%
より少ないと、ガラスに失透が生じる。また10%より
多いと、ガラスが分相、乳白すると共に、耐酸性が著し
く悪化するため好ましくない。P2O5の好ましい範囲は
0.1〜8%、より好ましくは0.1〜6%である。
耐薬品性及び溶融性向上させるために、TiO2を5%
まで含有することができる。しかし、5%より多くなる
とガラスに着色を生じ、その透過率を減ずるためディス
プレイ用のガラス基板としては好ましくない。
程度まで含有することができる。これらの成分は歪点、
ヤング率等を高める働きがあるが、多く含有すると密度
が増大してしまうので好ましくない。
なわれない限り、As2O3、Sb2O3、Sb2O5、
F2、Cl2、SO3、C、あるいはAl、Siなどの金
属粉末等の清澄剤を5%まで含有させることができる。
また、CeO2、SnO2、Fe2O3なども清澄剤として
5%まで含有させることができる。
を溶融する場合、高温で働くAs2O3が従来より清澄剤
として用いられてきた。しかし、近年、環境に配慮する
意味からAs2O3のような環境負荷化学物質は使用しに
くくなってきた。SnO2は、As2O3と同様に高温で
清澄力があり、本発明の無アルカリガラスを溶融するた
めの清澄剤として非常に効果的である。しかし、多く含
有させると失透を生じるため、その含有量は5%以下、
望ましくは2%以下に規制される。
進する効果があり、これの添加により、ガラスを低温で
溶融し、清澄剤の働きを促進する、あるいはガラス溶融
コストを下げ、製造設備の長寿命化を図ることができ
る。しかし多く含有しすぎるとガラスの歪点を下げるた
め、望ましくは3%以下に規制される。Cl成分の原料
としては塩化バリウムなどアルカリ土類金属酸化物の塩
化物か、塩化アルミニウムのような原料などを用いるこ
とができる。
としては、Sb2O3やSb2O5も有効であるが、無アル
カリガラスは溶融温度が高いため、これらの清澄剤とし
ての効果はAs2O3に比較すると小さい。よってSb2
O3やSb2O5を使用する場合には、量を増やすか、あ
るいはClなどの溶融性を促進する成分との組み合わせ
により溶融温度を低下させることが望ましい。ただしS
b2O3やSb2O5を5%以上含有すると密度の上昇を招
くため、好ましくは2%以下、より好ましくは1.5%
以下に限定される。
用いない場合には、Sb2O3、Sb 2O5、SnO2およ
びClの群から選択された1種又は2種以上を0.00
5〜3.0%含有させることが好ましく、特にSb2O3
+Sb2O5 0.05〜2.0%、SnO2 0.01
〜1.0%、Cl 0.005〜1.0%の割合で含有
させるのが最も好ましい。
カセットの棚へ出し入れする際の破損等を防止するため
に、ガラスの密度は2.45g/cm3以下(好ましく
は、2.40g/cm3以下)にする必要がある。
えるために、ガラスの歪点は600℃以上であることが
必要である。
とが望まれている。
の熱膨張係数を近似させることが望ましく、30〜38
0℃の温度範囲におけるガラスの平均熱膨張係数が36
×10-7/℃以下(好ましくは、26〜33×10-7/
℃)であること。
発生しないように、液相温度が1200℃以下(望まし
くは1180℃以下)、液相温度における粘度が10
5.0dPa・s以上であること。
に、比ヤング率が、27.5GPa/g・cm-3以上
(好ましくは29.0GPa/g・cm-3以上)である
こと。
2.5dPa・sの粘度におけるガラス融液の温度が16
50℃以下であること。
にガラス基板を浸漬しても、目視による表面観察で白
濁、荒れがなく、優れた耐薬品性を有すること。
する。
No.1〜23)と、比較例ガラス(試料No.24)
を示している。
した。
合したバッチを白金坩堝に入れ、1600℃で24時間
溶融した後、カーボン板上に流し出して板状に成形し
た。こうして得られたガラス試料について、密度、熱膨
張係数、粘度、ヤング率、比ヤング率、耐BHF性、耐
HCl性、液相温度、液相粘度の各種特性を測定して表
に示した。
1〜23の各ガラス試料は、アルカリ金属酸化物を含有
せず、密度が2.368g/cm3以下、熱膨張係数が
28〜33×10-7/℃であり、歪点が618℃以上で
あった。また比ヤング率が29.0GPa/g・cm-3
以上であり、耐BHF性の評価において浸食量が0.9
μm以下、耐HCl性の評価において浸食量が8.1μ
m以下と優れており、外観評価においても変化が確認さ
れなかった。このことから実施例の各試料は、TFT−
LCD用ガラス基板として好適であることが理解でき
る。
2.5dPa・sに相当する温度が1650℃以下である
ため溶融し易く、液相温度が1172℃以下、液相粘度
が10 5.0dPa・s以上であるため耐失透性に優れて
いた。このことから実施例の各試料は、生産性にも優れ
ていることが理解できる。
ラス試料は、液相温度が1224℃であり、液相粘度は
104.7dPa・sと低く、耐失透性及び成形性に劣る
と予想される。
によって測定した。
て、30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数
を測定した。
1の方法に基づいて測定した。これらの値が高いほど、
ガラスの耐熱性が高いということになる。軟化点は、A
STM 338−93の方法に基づいて測定した。また
粘度104.0、103.0、10 2.5の各温度は、白金球引
き上げ法で測定した。高温粘度である102.5dPa・
sに相当する温度は、溶融温度を示しており、この温度
が低いほど、溶融性に優れていることになる。
グ率は、ヤング率と密度の値から求めた。
方法で評価した。まず各ガラス試料の両面を光学研磨し
た後、一部をマスキングしてから所定の濃度に調合した
薬液中で、定めた温度で定めた時間浸漬した。薬液処理
後、マスクをはずし、マスク部分と浸食部分の段差を表
面粗さ計で測定し、その値を浸食量とした。また各ガラ
ス試料の両面を光学研磨した後、所定の濃度に調合した
薬液中で、定めた温度で定めた時間浸漬してから、ガラ
ス表面を目視で観察し、ガラス表面が白濁したり、荒れ
たり、クラックが入っているものを×、全く変化の無い
ものを○とした。
は、130BHF溶液(NH4HF:4.6質量%,N
H4F:36質量%)を用いて20℃、30分間の処理
条件で測定した。外観評価は、63BHF溶液(HF:
6質量%,NH4F:30質量%)を用いて、20℃、
30分間の処理条件で行った。また耐HCl性の浸食量
は、10質量%塩酸水溶液を用いて80℃、24時間の
処理条件で測定した。外観評価は、10質量%塩酸水溶
液を用いて80℃、3時間の処理条件で行った。
篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ
(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れ、
温度勾配炉中に24時間保持して、結晶の析出する温度
を測定したものである。
度を示す。液相温度が低く、液相粘度が高いほど、耐失
透性に優れ、成形性に優れることになる。ダウンドロー
法によって良好にディスプレイ用ガラス基板を成形する
ためには、液相温度を1200℃以下、液相粘度を10
5.0dPa・s以上にすることが望まれる。
試験溶融炉で溶融し、オーバーフローダウンドロー法で
成形することによって、厚み0.5mmのディスプレイ
用ガラス基板を作製した。このガラス基板の反りは0.
075%以下、うねり(WCA)は0.15μm以下
(カットオフfh:0.8mm、fl:8mm)、表面
粗さ(Ry)は100Å以下(カットオフλc:9μ
m)であり、表面精度に優れ、液晶ディスプレイ用ガラ
ス基板として適したものであった。
は、P2O5を必須成分として含有しているため、失透が
起こりやすい組成域においても、失透しにくく、溶融性
及び歪点を維持しながら、低密度化を達成することがで
きる。
Claims (4)
- 【請求項1】 質量百分率で、SiO2 53〜70
%、Al2O3 10〜19%、B2O3 8〜20%、M
gO 0〜10%、CaO 0〜10%、SrO 0〜
10%、BaO 0〜10%、ZnO 0〜10%、M
gO+CaO+BaO+SrO+ZnO 0〜12%、
ZrO2 0〜5%、P2O5 0.1〜10%、SnO2
0〜5%、Sb2O3 0〜5%、Cl 0〜3%の組
成を有し、実質的にアルカリ金属酸化物を含有せず、密
度が2.45g/cm3以下、歪点が600℃以上であ
ることを特徴とする無アルカリガラス。 - 【請求項2】 (MgO+CaO+BaO+SrO)/
Al2O3のモル比をx、P2O5のモル百分率をyとした
際、y≧−0.5x+0.55の関係になることを特徴
とする請求項1記載の無アルカリガラス。 - 【請求項3】 ディスプレイ用途に用いられることを特
徴とする請求項1記載の無アルカリガラス。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のガラス
からなることを特徴とするディスプレイ用ガラス基板。
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