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JP2003331859A - 燃料電池用セパレータ、その製造方法、およびその燃料電池用セパレータを用いた燃料電池 - Google Patents

燃料電池用セパレータ、その製造方法、およびその燃料電池用セパレータを用いた燃料電池

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Publication number
JP2003331859A
JP2003331859A JP2002137972A JP2002137972A JP2003331859A JP 2003331859 A JP2003331859 A JP 2003331859A JP 2002137972 A JP2002137972 A JP 2002137972A JP 2002137972 A JP2002137972 A JP 2002137972A JP 2003331859 A JP2003331859 A JP 2003331859A
Authority
JP
Japan
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fuel cell
plate
metal plate
metal
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002137972A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiko Ishihara
和彦 石原
Nobuyuki Shinohara
信幸 篠原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Kohan Co Ltd
Original Assignee
Toyo Kohan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Kohan Co Ltd filed Critical Toyo Kohan Co Ltd
Priority to JP2002137972A priority Critical patent/JP2003331859A/ja
Publication of JP2003331859A publication Critical patent/JP2003331859A/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐食性に優れ、かつ低コストで製造可能な燃
料電池用セパレータ、その製造方法、およびその燃料電
池用セパレータを用いた燃料電池を提供する。 【解決手段】 金属板11、または表層がMoであるク
ラッド金属板、もしくは表面にNi−Sn拡散層12a
を有する金属板をプレス成形してガス流路を設けた後、
表面にポリアミドイミド樹脂と炭素粉末を混合してなる
皮膜を形成させてセパレータ10を作成し、これを固体
高分子膜と触媒担持電極からなる電極膜接合体20に組
み込み燃料電池とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池用セパレ
ータ、特に固体高分子型燃料電池に用いる燃料電池用セ
パレータその製造方法、およびその燃料電池用セパレー
タを用いた燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、固体高分子型燃料電池に用いるセ
パレータとしては、熱硬化性樹脂とカーボン粉末を混合
して焼成した後、水素ガスおよび酸素ガスの通路を形成
するための微細加工を施した炭素材料からなるカーボン
製のセパレータが主に使用されていた。しかし、カーボ
ン製のセパレータは、熱硬化性樹脂とカーボン粉末を焼
成する際に生じるセパレータの反り、ガス漏れ、製造コ
ストが高いなど、種々の問題を抱えていた。一方、厚さ
が薄くても優れた強度が得られること、プレス加工のよ
うな簡単な方法で製造可能であり、製造工程の簡略化、
生産性の向上、製造コストの削減などを図ることができ
るために、セパレータとして金属板を用いる試みが行わ
れ、ステンレス鋼板に金めっき処理を施したもの(特開
平10−228914号公報、特開2000−2942
57号公報)や、ステンレス鋼板の表面に化学的気相蒸
着法を用いてTaやTiとともにカーボン系微粒子を分
散させたもの(特開平11−126622号公報)など
が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ステンレス鋼
板に金めっき処理を施したセパレータにおいては、めっ
き欠陥であるピンホールの発生を原因とする基板のステ
ンレス鋼板の腐食が懸念される。このピンホールの発生
を抑制するためには金めっき厚さを増加させねばなら
ず、高価な貴金属の使用量が増えることから製造コスト
が上昇する欠点を有している。一方、ステンレス鋼板の
表面にTaやTiとともにカーボン系微粒子を化学的気
相蒸着法を用いて分散させる方法においても、ステンレ
ス鋼板の表面を完全に覆うことは困難であり、欠陥発生
を完全に回避することはできない。また、Tiは水素ガ
スを吸収して脆化するため、好ましい材料ではない。
【0004】そこで、上記のカーボン製のセパレータや
金属板製のセパレータの欠点を克服することを目的とし
て、ステンレス鋼板のような金属基板の表面に、フェノ
ール樹脂などの熱硬化性樹脂と黒鉛を混合して塗布して
なる皮膜を形成させた燃料電池用セパレータが試みられ
ている。しかし、この皮膜は金属基板に対する密着性が
十分ではなく、長時間の使用中に皮膜が剥離し、金属基
板が腐食することがある。
【0005】以上のように、優れた機械的強度および優
れた耐食性を有し、かつ優れた導電性を有する低コスト
で製造可能な燃料電池用メタルセパレータは未だ得られ
ていない。
【0006】本発明はこれらの点に鑑みてなされたもの
であり、耐食性特に耐硫酸性に優れ、かつ低コストで製
造可能な燃料電池用セパレータ、その製造方法、および
その燃料電池用セパレータを用いた燃料電池を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の燃料電池用セパ
レータは、最表層にポリアミドイミド樹脂と炭素粉末の
混合物からなる層を有する金属板からなり、また、前記
炭素粉末が黒鉛または、黒鉛とカーボンブラックの混合
物であることを特徴とし、さらに、前記金属板が、鋼
板、ステンレス鋼板、Ti板、Mo板、またはAl板の
いずれかであること、さらにまた、前記金属板が、鋼
板、ステンレス鋼板、Ti板、Al板のいずれかの表面
に、上層のNi−Sn拡散層と下層のNi層からなる2
層を有する金属板若しくはNi−Sn拡散層からなる1
層を有する金属板であり、さらにまた、前記Ni−Sn
拡散層がNi3Sn からなることを特徴とする。
【0008】さらに、本発明の燃料電池用セパレータ
は、前記金属板が金属基板にMo箔をクラッドしてなる
金属板であり、前記金属基板が鋼板、ステンレス鋼板、
Ti板、またはAl板のいずれかであることを特徴とす
る。
【0009】また、本発明の燃料電池用セパレータの製
造方法は、金属板の表面にポリアミドイミド樹脂と炭素
粉末を混合して塗布することを特徴とする燃料電池用セ
パレータの製造方法であり、前記金属板が鋼板、ステン
レス鋼板、Ti板、またはAl板のいずれかであり、該
金属板の表面にNi層およびSn層を順に形成させた
後、熱処理して該金属板の最表面にNi−Sn拡散層を
形成させること、前記金属板にプレス加工法を用いて所
定形状の凹凸を形成させ、次いで前記のようにして該金
属板の最表面にNi−Sn拡散層を形成させ、その後該
金属板のNi−Sn拡散層上にポリアミドイミド樹脂と
炭素粉末を混合して塗布することを特徴とし、また、前
記金属板がMo板または金属基板にMo箔をクラッドし
てなる金属板であり、該金属板にプレス加工法を用いて
所定形状の凹凸を形成させ、次いで該金属板の表面にポ
リアミドイミド樹脂と炭素粉末を混合して塗布すること
を特徴とし、さらに、前記炭素粉末が黒鉛または、黒鉛
とカーボンブラックの混合物であることを特徴とする。
【0010】そして、本発明の燃料電池は、上記のいず
れかの燃料電池用セパレータを用いた燃料電池であるこ
とを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】従来、燃料電池のセパレータとし
ては、炭素材料、または金属材料が用いられている。こ
のセパレータに必要な特性として、耐食性、酸化還元雰
囲気における安定性、電気伝導性、気密性、機械的強
度、低コストであることなどが挙げられる。これらの必
要とされる特性のうち、耐食性については、固体高分子
電解質膜に用いられるパーフルオロアルキルスルフォン
酸膜に含まれるスルフォン酸基に起因する硫酸に対する
耐硫酸性を有していることが求められる。金属材料のセ
パレータを用いる場合、耐硫酸性を確保するため、M
o、Ti、Zr、Ta、Cr、Nb、V、Wなどの金属
板や、これらの金属をステンレス鋼板などの金属基板に
クラッドしてなるセパレータが用いられている。これら
の金属のうちMoは耐硫酸性に優れているが、これは表
面に緻密な酸化皮膜が形成されていることによる。しか
し、この酸化皮膜は絶縁性であり、耐硫酸性を十分に確
保するために酸化皮膜を厚くすると金属板としての導電
性が低下するため、セパレータとして用いることが困難
になる。
【0012】本発明の発明者等は、上記問題を解決する
ため鋭意研究した結果、金属板、特にMo板、表層がM
oであるクラッド金属板、または表面にNi−Sn拡散
層を有する金属板に、ポリアミドイミド樹脂と炭素粉末
を混合してなる皮膜を形成させることにより、耐硫酸性
のみならず、導電性にも極めて優れており、固体高分子
型燃料電池に用いる金属板をセパレータとして適用可能
であることを見出し、本発明を完成させたものである。
【0013】以下、本発明の実施の形態を図1から図8
について説明する。
【0014】図1は本発明の実施形態に係る燃料電池用
セパレータを用いた固体高分子型燃料電池30の概略断
面図を示している。固体高分子型燃料電池30は、固体
高分子電解質膜(イオン交換膜)5と触媒担持電極6か
らなる電極膜接合体20、燃料電池用セパレータ10、
エンドプレート7から構成される。燃料電池用セパレー
タ10は、図2に示すように、金属板11の表面に結合
材であるポリアミドイミド樹脂と導電材である炭素粉末
を溶媒に溶解分散させた混合物を塗布し乾燥してなる層
14を形成して構成される。金属板11としては、鋼
板、ステンレス鋼板、Ti板、Ti合金板、Al板、A
l合金板、Mo板、またはMo板以外のこれらの金属板
11aを基板として、図3に示すように、その表面に上
層のNi−Sn拡散層12bと下層のNi層12aから
なる2層12を形成させてなる金属板、もしくは図4に
示すように、これらの金属基板11aにMo箔13をク
ラッドしてなる金属板11を用いることができる。この
2層12は、鋼板、ステンレス鋼板、Ti板、Ti合金
板、Al板の表面に電気めっきや無電改めっきなどの公
知の湿式めっき法、または蒸着、CVD、PVD、スッ
パッタリングなどの公知の乾式めっき法を用いて、10
〜200μmの厚さのNi層、およびその上に1〜20
μmの厚さのSn層を形成させた後、非酸化性雰囲気中
または還元性雰囲気中で、500℃以上でかつNiの融
点未満の温度で加熱することにより、NiとSnを相互
拡散させ、全てのSnをNi−Sn拡散層に変換させる
ことにより形成させることができる。導電性の観点か
ら、Ni−Sn拡散層はNi3Snであることが好まし
い。
【0015】また、NiとSnを相互拡散させる熱処理
により、金属基板を構成する金属とNiも相互拡散して
金属基板と2層の密着性が向上するが、拡散熱処理後に
Ni層の全NiがNi−Sn拡散層およびNiと金属基
板を構成する金属からなる拡散層に消費されることな
く、Ni層として残存するように、めっき時にNi層の
厚さおよびSn層の厚さを選択することが、良好な導電
性および耐食性を得る上で好ましい。
【0016】燃料電池用セパレータ10に用いる金属板
11として、Mo板は上記のMo以外の金属板とは異な
り、その表面に必ずしもNi−Sn拡散層を設ける必要
はないが、高価な金属であるために単体の金属板として
用いず、鋼板、ステンレス鋼板、Ti板、Ti合金板、
Al板、Al合金板などの金属板11aを基板とし、こ
れらの金属基板11aにMo箔13をクラッドしたクラ
ッド材(金属板11)として用いることがコスト的に有
利である。Mo箔とこれらの金属基板は、例えば特開平
1−224184号公報に記載のクラッド方法を用いて
接合することができる。すなわち、金属基板およびMo
箔のそれぞれ接合される面を、10〜1×10-3Paの
極低圧不活性ガス雰囲気、好ましくはArガス中におい
て、1〜50MHzの交流を印加してグロー放電を行わ
せてスパッタエッチングして活性化処理し、活性化処理
を施した面同士が対向するように当接させて重ね合わせ
て圧接する。
【0017】このクラッド法の特徴は、活性化処理を施
した面同士を当接させて重ね合わせて圧接するため、例
えば冷間圧延法を用いて圧接する場合、1%未満の軽度
の圧延率で極めて優れた接着強度が得られることであ
る。また、圧延率が軽度であるため、特に薄いMo箔を
用いた場合でも、ピンホールなどの欠陥を生じることは
殆どない。ちなみに、極低圧不活性ガス雰囲気中におけ
るスパッタエッチングによる活性化処理を施さず、通常
の冷間圧延法で圧接する場合は、50%以上の重度の圧
延率で圧接しないと十分な接着強度が得られず、また、
このような重度の圧延率で圧延した場合、Mo箔にピン
ホールなどの欠陥を生じやすく、耐食性に優れた金属板
セパレータが得られにくい。
【0018】上記のようにしてクラッドするMo箔13
の厚さは20〜200μmであることが好ましい。厚さ
が20μm未満の場合は、Mo層に欠陥が生じた場合に
耐食性を確保することが困難になる。一方、200μm
を超えるとコスト的に不利になる。また、金属基板上に
厚さの薄いMo層を形成させる方法として、CVD法、
PVD法、スパッタリング法などを用いることができる
が、上記のクラッド法が生産性の点から適しているが、
ピンホールなどの欠陥のないMo層を得るためには厚さ
を20μm以上とする必要がある。
【0019】さらに、上記のこれら以外の金属板も、燃
料電池の性能に悪影響を与えない限り用いることができ
る。燃料電池用セパレータ10に用いるこれらの金属板
11や金属基板11aの厚さは0.1〜2mmであるこ
とが好ましい。
【0020】燃料電池用セパレータ10は、図2に示す
ように、上記のようにして得られる金属板11の表面に
ポリアミドイミド樹脂と炭素粉末の混合物からなる層1
4を形成して構成されるが、予め金属板11に図5およ
び図6に示すような円錐台状の凸部をプレス成形した後
に、ポリアミドイミド樹脂と炭素粉末の混合物からなる
層14を形成させる。炭素粉末としては平均粒径が1〜
100μmの黒鉛、またはこの黒鉛と平均粒径が25〜
75nmのカーボンブラック、アセチレンブラック、ケ
ッチェンブラックなどを混合したものを用いることがで
きる。ポリアミドイミド樹脂と炭素粉末の混合物からな
る層14は、次のようにして金属板上に形成させる。す
なわち、ポリアミドイミド樹脂と炭素粉末を20:80
〜50:50の重量比で混合し、N−メチルピロリドン
に溶解分散させ、金属板11に塗布し乾燥させる。混合
物層の厚さは乾燥後の厚さで5〜200μmであること
が好ましい。
【0021】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。
【0022】(実施例1)燃料電池用セパレータに用い
る金属板として表1に示す鋼板(炭素量:0.05%の
冷延鋼板)、ステンレス鋼板(SUS316L)、Ti
板、Al板、これら各種の金属板を基板としてその上に
Ni層およびSn層を形成させ、次いで熱処理を施して
上層のNi−Sn拡散層と下層のNi層からなる2層を
形成させた金属板若しくはNi−Sn拡散層からなる1
層を有する金属板、Mo板、および上記の各種の金属板
を基板としてその上にMo箔をクラッドしてなる金属板
を準備した。
【0023】上記のNi−Sn拡散層とNi層からなる
2層を形成させる金属板若しくはNi−Sn拡散層から
なる1層を有する金属板のうち、鋼板およびステンレス
鋼板については、公知の電気めっき法を用いてNi層お
よびSn層を形成させ、Ti板およびAl板については
公知のCVD法を用いてNi層およびSn層を形成させ
た。また、Mo箔をクラッドする金属板については以下
のようにして作成した。すなわち、金属基板とMo箔を
クラッド製造装置の真空槽内に設けた活性化処理ユニッ
トにセットし、それぞれの接合される面を10-3〜10
-2PaのArガス雰囲気中において30MHzの交流を
印加してグロー放電を行わせてスパッタエッチングして
活性化処理し、次いで活性化処理を施した面同士が対向
するように当接させて重ね合わせ、圧延率:0.8%で
冷間圧延して圧接し、金属板とした。
【0024】次いで、上記のようにして作成した金属板
の表面に、ポリアミドイミド樹脂と炭素粉末からなる混
合物層を以下のようにして形成させた。すなわち、粉末
状のポリアミドイミド樹脂と平均粒径が5μmの黒鉛ま
たはこの黒鉛と平均粒径が25nmのカーボンブラック
を表1に示す重量比で混合し、N−メチルピロリドンに
溶解分散させた溶液を、ロールコート法を用いて金属板
に塗布し、乾燥させた。表1に示す乾燥後の厚さは、N
−メチルピロリドンの量を加減して調整した。このよう
にして燃料電池用セパレータ用の金属板試料を作成し
た。なお、比較用として、金属板の表面にフェノール樹
脂と黒鉛からなる混合物層を形成させた金属板試料も作
成した。
【0025】
【表1】
【0026】次に上記のようにして得られた金属板試料
の耐硫酸性、導電性、および混合物層の密着性を、下記
のようにして評価した。
【0027】(耐硫酸性の評価)試料番号1〜18に用
いた試料を、50mm×50mmの大きさに切り出し、
切断面をシリコンゴムで被覆した後、80℃に加熱した
pH2.0の硫酸中に1週間浸漬した後の金属溶出量を
測定し、下記の基準で耐硫酸性を評価した。
【0028】 ◎:金属溶出量≦1ppm ○:金属溶出量>1ppmでかつ≦10ppm △:金属溶出量>10ppmでかつ≦100ppm ×:金属溶出量>100ppm (導電性の評価)試料番号1〜18の試料の接触抵抗を
測定(荷重:200N)し、下記の基準で導電性を評価し
た。また比較品として、白金の導電性を同一条件で評価
した。
【0029】 ◎:接触抵抗≦8mΩ・cm2 ○:接触抵抗>8mΩ・cm2でかつ≦15mΩ・cm2 △:接触抵抗>15mΩ・cm2でかつ≦100mΩ・cm2 ×:接触抵抗>100mΩ・cm2 (密着性の評価)試料番号1〜18の試料の樹脂(試料
番号1〜13(本発明試料)はポリアミドイミド樹脂、
試料番号14〜18(比較例試料)はフェノール樹脂)
と炭素粉末からなる混合物層の密着性をクロスカット法
を用いて評価した。すなわち、試料を105℃の水蒸気
中に8時間放置した後、カッターナイフを用いて混合物
層に金属基板に達するまで2mm幅の碁盤目状の疵を入
れ、スコッチテープを貼り付けた後、強制剥離した際の
混合物層の剥離程度を下記の基準で評価した。
【0030】 ◎:剥離は全く認められない。
【0031】○:実用上問題とならない程度のわずかな
剥離が認められる。
【0032】 △:実用上問題となる程度の剥離が認められる。
【0033】 ×:疵を入れた部分の10%以上の面積部分で剥離が認
められる。
【0034】これらの結果を表2に示す。試料番号Pt
は白金箔での評価結果を示す。表2より、表面にポリア
ミドイミド樹脂と炭素粉末からなる混合物層を形成させ
た金属板は、化学的に安定な白金と同等の優れた耐硫酸
性と導電性を有し、かつ混合物層の密着性にも優れてい
ることが分かる。
【0035】
【表2】
【0036】(実施例2)表1の試料番号5(本発明)
および試料番号17(比較例)の金属板を50mm×5
0mmの大きさに切り出し、プレス成形により、図1お
よび図6に示すようなガス流路を形成させた後、表1に
示した条件と同一条件で、試料番号5の金属板について
はポリアミドイミド樹脂と黒鉛およびカーボンブラック
の混合粉からなる混合物層を形成させ(試料A)、試料
番号17の金属板についてはフェノール樹脂と黒鉛から
なる混合物層を形成させ(試料B)て金属セパレータと
した。これらの金属セパレータの接触抵抗を測定したと
ころ、それぞれ6.5mΩ・cm2、9.8mΩ・cm2
あった。
【0037】次いで、固体高分子電解質膜としてDu−
Pont社製のナフィオン膜と電極としてE−TEK社
製のPt触媒担持カーボン電極をホットプレスして電極
膜接合体を2対作成した。それぞれの電極膜接合体を試
料Aおよび試料Bの金属セパレータ2枚で挟み、さらに
その両外側からステンレス鋼板(SUS304)のエン
ドプレートで抑え付け、単セルの固体高分子型燃料電池
を作成した。これらの固体高分子型燃料電池の電池電圧
−電流密度特性、および一定出力(1.2A)で稼働さ
せた場合の電池電圧の稼働時間に対する変化を測定し
た。結果を図7に示す。なお、負極側には、水素ガスを
200cc/min、正極側には酸素ガスを200cc
/min流した。すなわち、図7に示すように、本発明
の表面にポリアミドイミド樹脂と炭素粉末からなる混合
物層を形成させた試料Aの金属セパレータを用いた固体
高分子型燃料電池は、試料Bの金属セパレータを用いた
固体高分子型燃料電池よりも電圧と電流が大きく、優れ
た電池電圧−電流密度特性を示す。また、図8に示すよ
うに、試料Aの金属セパレータを用いた固体高分子型燃
料電池を1.2Aの一定出力で稼働させた場合、1時間
連続運転しても初期電圧が低下しない(図示しないが4
時間連続運転しても初期電圧が低下せず)。以上のこと
から、本発明の金属板表面にポリアミドイミド樹脂と炭
素粉末からなる混合物層を形成させた金属セパレータ
は、耐硫酸性および導電性の両方に優れているので、高
出力が得られ、それを長時間持続することが可能である
ことが判明した。
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明の燃料電池用セパ
レータは、耐硫酸性や導電性に優れているのみならず、
金属板の表面に形成させるポリアミドイミド樹脂と炭素
粉末からなる混合物層の密着性にも優れており、かつ低
コストで作成することができる。そのため、本発明の燃
料電池用セパレータを組み込んだ固体高分子型燃料電池
は初期電圧が高く、長時間運転しても初期電圧が低下す
ることがない。したがって、本発明の燃料電池用セパレ
ータを組み込むことにより、出力が安定した固体高分子
型燃料電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の燃料電池用セパレータを用いた固体
高分子型燃料電池の概略断面図
【図2】 本発明の燃料電池用セパレータの概略断面図
【図3】 本発明の燃料電池用セパレータに用いる金属
板の概略断面図
【図4】 本発明の燃料電池用セパレータに用いる他の
金属板の概略断面図
【図5】 本発明の燃料電池用セパレータの一概略斜視
【図6】 本発明の燃料電池用セパレータの一概略断面
【図7】 本発明および比較例の固体高分子型燃料電池
の電圧−電流密度特性を示す関係図
【図8】 本発明の固体高分子型燃料電池の電圧−稼働
時間特性を示す関係図
【符号の説明】
4 : ガス流路 5 : 固体高分子膜 6 : 触媒担持電極 7 : エンドプレート 10 : 燃料電池用セパレータ 11 : 金属板 11a: 金属基板 12a: Ni−Sn拡散層 12b: N層 13 : Mo箔 14 : 混合物層 20 : 電極膜接合体 30 : 固体高分子型燃料電池
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K044 AA02 AA03 AA06 AB02 BA06 BA10 BB03 BC02 CA13 CA14 CA15 CA18 CA31 CA62 5H026 AA06 BB01 BB02 BB04 BB08 CC04 CC05 CX04 EE02 EE05 EE06 EE08 EE18

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最表層にポリアミドイミド樹脂と炭素粉
    末の混合物からなる層を有する金属板からなることを特
    徴とする燃料電池用セパレータ。
  2. 【請求項2】 前記炭素粉末が黒鉛または、黒鉛とカー
    ボンブラックの混合物であることを特徴とする請求項1
    に記載の燃料電池用セパレータ。
  3. 【請求項3】 前記金属板が、鋼板、ステンレス鋼板、
    Ti板、Mo板、またはAl板のいずれかであることを
    特徴とする請求項1に記載の燃料電池用セパレータ。
  4. 【請求項4】 前記金属板が、鋼板、ステンレス鋼板、
    Ti板、Al板のいずれかの表面に、上層のNi−Sn
    拡散層と下層のNi層からなる2層を有する金属板若し
    くはNi−Sn拡散層からなる1層を有する金属板であ
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに
    記載の燃料電池用セパレータ。
  5. 【請求項5】 前記Ni−Sn拡散層がNi3Sn から
    なることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池用セパ
    レータ。
  6. 【請求項6】 前記金属板が、金属基板にMo箔をクラ
    ッドしてなる金属板であることを特徴とする請求項1に
    記載の燃料電池用セパレータ。
  7. 【請求項7】 前記金属基板が鋼板、ステンレス鋼板、
    Ti板、またはAl板のいずれかであることを特徴とす
    る請求項6に記載の燃料電池用セパレータ。
  8. 【請求項8】 金属板の表面にポリアミドイミド樹脂と
    炭素粉末を混合して塗布することを特徴とする燃料電池
    用セパレータの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記金属板が鋼板、ステンレス鋼板、T
    i板、またはAl板のいずれかであり、該金属板の表面
    にNi層およびSn層を順に形成させた後、熱処理して
    該金属板の最表面にNi−Sn拡散層を形成させること
    を特徴とする請求項8に記載の燃料電池用セパレータの
    製造方法。
  10. 【請求項10】 前記金属板にプレス加工法を用いて所
    定形状の凹凸を形成させ、次いで前記のようにして該金
    属板の最表面にNi−Sn拡散層を形成させ、その後該
    金属板のNi−Sn拡散層上にポリアミドイミド樹脂と
    炭素粉末を混合して塗布することを特徴とする請求項8
    または請求項9に記載の燃料電池用セパレータの製造方
    法。
  11. 【請求項11】 前記金属板がMo板または金属基板に
    Mo箔をクラッドしてなる金属板であり、該金属板にプ
    レス加工法を用いて所定形状の凹凸を形成させ、次いで
    該金属板の表面にポリアミドイミド樹脂と炭素粉末を混
    合して塗布することを特徴とする請求項8に記載の燃料
    電池用セパレータの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記炭素粉末が黒鉛または、黒鉛とカ
    ーボンブラックの混合物であることを特徴とする請求項
    8乃至請求項11のいずれかに記載の燃料電池用セパレ
    ータの製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至請求項7のいずれかに記
    載の燃料電池用セパレータを用いた燃料電池。
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