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JP2003325657A - 関節軟骨形成用部材およびその製造方法、関節軟骨の再生または形成方法および培養方法ならびに移植用人工関節軟骨 - Google Patents

関節軟骨形成用部材およびその製造方法、関節軟骨の再生または形成方法および培養方法ならびに移植用人工関節軟骨

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Publication number
JP2003325657A
JP2003325657A JP2002137202A JP2002137202A JP2003325657A JP 2003325657 A JP2003325657 A JP 2003325657A JP 2002137202 A JP2002137202 A JP 2002137202A JP 2002137202 A JP2002137202 A JP 2002137202A JP 2003325657 A JP2003325657 A JP 2003325657A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
articular cartilage
forming
cartilage
porous body
pores
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002137202A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Yoshikawa
秀樹 吉川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MMT KK
Coorstek KK
MMT Co Ltd
Original Assignee
MMT KK
MMT Co Ltd
Toshiba Ceramics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MMT KK, MMT Co Ltd, Toshiba Ceramics Co Ltd filed Critical MMT KK
Priority to JP2002137202A priority Critical patent/JP2003325657A/ja
Priority to US10/513,695 priority patent/US20050159820A1/en
Priority to AU2003235938A priority patent/AU2003235938A1/en
Priority to CNB038108860A priority patent/CN1309428C/zh
Priority to EP03723331A priority patent/EP1504776A4/en
Priority to PCT/JP2003/005887 priority patent/WO2003094987A1/ja
Publication of JP2003325657A publication Critical patent/JP2003325657A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 関節軟骨の形成および再生を可能とし、実用
レベルまでの関節軟骨の形成を可能とする関節軟骨形成
用部材およびその製造方法を提供する。また、生体内ま
たは生体外における関節軟骨の再生または形成方法およ
び培養方法を提供し、さらに、これらの方法により得ら
れる移植用人工関節軟骨を提供する。 【解決手段】 複数の隣接する気孔が、該気孔を区画す
る骨格壁部において3次元的に連通した連球状開気孔を
形成し、水銀ポロシメータにより測定した細孔径分布に
おける孔径5μm以上の気孔体積が、全気孔体積の85
%以上であるセラミックス多孔体の気孔内表面に、生体
吸収性部材および骨形成因子が担持されていることを特
徴とする関節軟骨形成用部材を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、関節軟骨形成用部
材およびその製造方法、関節軟骨の再生または形成方法
および培養方法ならびに移植用人工関節軟骨に関し、よ
り詳細には、関節部特有の軟骨を形成および再生するこ
とが可能な部材およびその製造方法、ならびに、生体内
または生体外において関節軟骨を再生または形成する方
法、関節軟骨を培養する方法、ならびに、セラミックス
多孔体を基材として用いた移植用人工関節軟骨に関す
る。
【0002】
【従来の技術】関節は、骨と骨とが可動結合している連
結部であり、この連結部におけるお互いの骨端の表面
(関節面)は、関節軟骨により覆われている。そして、
お互いの骨端の骨膜は、一体となって連結部を包むよう
に関節包を形成している。この関節包に覆われた骨と骨
との間には、関節腔と呼ばれる空間が形成されており、
その内部は、関節液により満たされている。
【0003】前記関節面に形成されている軟骨は、通
常、人間の膝関節においては厚さが約2mmであり、外
傷や疾病等により、1〜4mm2 程度損傷した場合に
は、自然治癒により再生の可能性があるが、20mm2
も損傷した場合には、自力での再生は困難である。さら
に、腫瘍、壊死等の種々の原因により、関節軟骨を完全
に失ったような場合には、関節機能を復元するため、例
えば、人工関節を当該箇所に埋め込む等の処置が施され
ている。
【0004】しかしながら、人工関節は、あくまでも関
節機能に類似して人工的に構成されたものであり、生体
にとっては異物であるため、生体適合性を維持するのは
困難である。また、人工関節は、生体内での厳しい環境
下で、複雑な動作を要求されるため、20年以上維持さ
せることは困難であり、その素材として用いられている
樹脂や金属等の劣化や磨耗粉等により、機能の低下や苦
痛を引き起こす場合もあり、耐久性においても十分であ
るとは言えなかった。
【0005】したがって、人工関節治療に替わるものと
して、関節軟骨自体を再生する技術が要望されている。
また、軟骨自体が形成されにくい軟骨形成不全の治療に
おいても、関節軟骨を人工素材によらず、生体組織とし
て形成および再生する技術が要望されている。
【0006】軟骨を形成する技術については、いくつか
の提案がされているが、これらはいずれも、通常の骨が
形成される骨化の過程において前段階にある軟骨が、骨
の隙間に点在する程度のものであった。例えば、特開平
7−88174号公報には、アテロコラーゲンを用いた
移植体により、骨膜性の連続した、骨・軟骨を含む仮骨
様の骨性隆起が形成されたことが開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記移
植体においては、仮骨様の骨性隆起とあるように、その
軟骨量は十分であるとは言えず、関節として実用可能な
連続性、厚さおよび量を有するものではなかった。上記
のように、従来は、関節軟骨として、膜状または層状に
連続して軟骨が形成された例はなく、実用化を図るため
には、このような軟骨を十分な量で連続して得ることが
できる技術の開発が求められていた。
【0008】本発明は、上記技術的課題を解決するため
になされたものであり、関節軟骨の形成および再生を可
能とし、実用レベルまでの関節軟骨の形成を可能とする
関節軟骨形成用部材およびその製造方法を提供すること
を目的とするものである。また、本発明の他の目的は、
生体内または生体外における関節軟骨の再生または形成
方法および培養方法を提供し、さらに、これらの方法に
より得られる移植用人工関節軟骨を提供することであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る関節軟骨形
成用部材は、複数の隣接する気孔が、該気孔を区画する
骨格壁部において3次元的に連通した連球状開気孔を形
成し、水銀ポロシメータにより測定した細孔径分布にお
ける孔径5μm以上の気孔体積が、全気孔体積の85%
以上であるセラミックス多孔体の気孔内表面に、生体吸
収性部材および骨形成因子が担持されていることを特徴
とする。
【0010】前記骨形成因子は、骨誘導因子(BMP:
bone morphogentic protei
n)、形質転換成長因子(TGF−β:transfo
rming growth factor β)、骨形
成誘導因子(OIF:osteoinductive
factor)、インスリン様成長因子(IGF:in
sulin derived growth fact
or)、血小板由来成長因子(PDGF:platle
t derived growth factor)お
よび繊維芽細胞増殖因子(FGF:fibroblas
t growthfactor)から選ばれたいずれか
であることが好ましい。
【0011】前記関節軟骨形成用部材を人体に適用する
ためには、前記骨形成因子は、特に、ヒト骨誘導因子
(hBMP)であることが好ましく、遺伝子組換え技術
により得られた組換えヒト骨誘導因子(rhBMP)で
あることがより好ましい。さらに、前記rhBMPとし
ては、rhBMP−2またはrhBMP−7であること
が好ましく、特に、rhBMP−2であることが好まし
い。
【0012】これらの骨形成因子は、生体吸収性部材中
に均一に混在していることが好ましい。
【0013】また、前記セラミックス多孔体の気孔は、
撹拌起泡により形成されたものであり、その気孔率は5
0%以上90%以下であり、かつ、平均気孔径は100
μm以上600μm以下であることが好ましい。また、
前記セラミックス多孔体の連球状開気孔の連通部分の平
均孔径は20μm以上であることが好ましい。
【0014】さらに、前記セラミックス多孔体は、アル
ミナ、ジルコニア、シリカ、ムライト、ディオプサイ
ド、ウォラストナイト、エーライト、べライト、アーケ
ルマナイト、モンティセライト、生体用ガラスおよびリ
ン酸カルシウム系セラミックスから選ばれた少なくとも
1種からなることが好ましい。これらの中でも、リン酸
カルシウム系セラミックスが好ましく、このリン酸カル
シウム系セラミックスとしては、ハイドロキシアパタイ
ト、リン酸三カルシウム、フッ化アパタイトが挙げられ
るが、本発明においては、特に、ハイドロキシアパタイ
トからなることが好ましい。
【0015】また、前記生体吸収性部材は、骨形成因子
の徐放性を備えていることが好ましく、このような特性
を備えた材料として、有機化合物、例えば、乳酸および
/またはグリコール酸の重合体、乳酸および/またはグ
リコール酸の重合体とポリエチレングリコールとのブロ
ック共重合体、乳酸および/またはグリコール酸とp−
ジオキサノンとポリエチレングリコールとの共重合体、
アテロコラーゲンが好適に用いられる。この中でも、特
に、数平均分子量が400以上5000以下のポリ乳酸
と数平均分子量が150以上20000以下であるポリ
エチレングリコールとのブロック共重合体(PLA−P
EG)が好ましい。また、乳酸および/またはグリコー
ル酸とp−ジオキサノンとポリエチレングリコールとの
共重合体(PLA−DX−PEG)も、同様に好適に用
いることができる。
【0016】また、本発明に係る関節軟骨形成用部材の
製造方法は、生体吸収性材料を溶媒または分散媒に添加
した後、骨形成因子と混合して、混合液を調製する工程
と、複数の隣接する気孔が、該気孔を区画する骨格壁部
において3次元的に連通した連球状開気孔を形成してい
るセラミックス多孔体に、前記混合液を浸潤させる工程
と、前記セラミックス多孔体中の溶媒または分散媒を除
去し、生体吸収性部材および骨形成因子をセラミックス
多孔体の気孔内表面に担持させて、関節軟骨形成用部材
を得る工程とを具備していることを特徴とする。
【0017】上記製造方法においては、前記セラミック
ス多孔体には、気孔が撹拌起泡により形成されたものを
用い、また、前記混合液の調製工程においては、生体吸
収性部材が有機化合物である場合、溶媒または分散媒と
してアセトンを用いることが好ましい。
【0018】また、本発明に係る関節軟骨の再生または
形成方法は、骨形成因子が含まれ、その徐放性を備えた
部材を、関節面に配置し、固定することを特徴とするも
のである。ここで、骨形成因子が含まれ、その徐放性を
備えた前記部材としては、多孔質の生体吸収性部材が用
いられることが好ましい。また、前記部材は、少なくと
もその一部を関節液と接触させることが好ましい。
【0019】また、生体吸収性部材および骨形成因子を
気孔内表面に担持しているセラミックス多孔体を、関節
面に埋設させて、関節面に関節軟骨を固定することによ
り、関節軟骨を再生または形成することもできる。この
とき、前記セラミックス多孔体を関節面に埋設させた
後、該セラミックス多孔体の少なくとも一部を関節液と
接触させることが好ましい。
【0020】上記関節軟骨の再生または形成方法におい
て用いられる生体吸収性部材および骨形成因子を気孔内
表面に担持している前記セラミックス多孔体には、上記
したような本発明に係る関節軟骨形成用部材を好適に用
いることができる。また、前記関節軟骨は、400μm
以上の均等な厚さとなるように成長させることが好まし
い。
【0021】また、本発明に係る関節軟骨の培養方法
は、骨形成因子が含まれ、その徐放性を備えた部材を、
軟骨になり得る細胞に接してまたは近傍に配置し、前記
部材の少なくとも一部を関節液に接触させて、関節軟骨
を培養することを特徴とする。上記培養方法において
も、骨形成因子が含まれ、その徐放性を備えた前記部材
として、多孔質の生体吸収性部材を用いることが好まし
い。
【0022】また、生体吸収性部材および骨形成因子を
気孔内表面に担持しているセラミックス多孔体を、軟骨
になり得る細胞に接してまたは近傍に配置し、または、
セラミックス多孔体の気孔内に、軟骨になり得る細胞を
導入し、前記セラミックス多孔体の少なくとも一部を関
節液に接触させて、関節軟骨を培養することもできる。
ここで、上記の軟骨になり得る細胞としては、間葉系幹
細胞が好ましい。
【0023】さらにまた、生体吸収性部材および骨形成
因子を気孔内表面に担持しているセラミックス多孔体の
気孔内表面の少なくとも一部に、骨を形成させた後、さ
らに前記セラミックス多孔体の表面の少なくとも一部
に、上記培養方法により関節軟骨を培養することもでき
る。
【0024】上記培養方法においては、生体吸収性部材
および骨形成因子を気孔内表面に担持している前記セラ
ミックス多孔体として、上記した本発明に係る関節軟骨
形成用部材を好適に用いることができ、また、前記関節
軟骨は、400μm以上の均等な厚さとなるように培養
されることが好ましい。
【0025】また、本発明に係る移植用人工関節軟骨
は、生体吸収性部材および骨形成因子を気孔内表面に担
持しているセラミックス多孔体の表面の少なくとも一部
に、関節軟骨が形成されていることを特徴とするもので
ある。前記移植用人工関節軟骨においては、関節軟骨は
400μm以上の均等な厚さであることが好ましい。
【0026】また、前記移植用人工関節軟骨は、前記セ
ラミックス多孔体の気孔内に、骨細胞が定着して形成さ
れた骨の表面の少なくとも一部に、軟骨細胞層が形成さ
れている、または、前記セラミックス多孔体の気孔内
に、骨細胞が定着して形成された骨の表面の少なくとも
一部に、セラミックス多孔体を含まない骨細胞層が形成
され、さらに、該骨細胞層の表面の少なくとも一部に、
軟骨細胞層が形成されていることが好ましい。ここで、
生体吸収性部材および骨形成因子を気孔内表面に担持し
ている前記セラミックス多孔体としては、上記した本発
明に係る関節軟骨形成用部材を好適に用いることができ
る。
【0027】さらにまた、本発明に係る関節軟骨の再生
もしくは形成方法または培養方法は、生体内の関節軟骨
または生体から採取した関節軟骨に接してまたは近傍
に、骨形成因子を徐放させることを特徴とする。このと
き、前記骨形成因子は、関節液の存在下に徐放されるこ
とが好ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、より詳細に説明
する。本発明に係る関節軟骨形成用部材は、複数の隣接
する気孔が、該気孔を区画する骨格壁部において3次元
的に連通した連球状開気孔を形成し、水銀ポロシメータ
により測定した細孔径分布における孔径5μm以上の気
孔体積が、全気孔体積の85%以上であるセラミックス
多孔体を基材とし、前記基材の気孔内表面に、生体吸収
性部材および骨形成因子が担持されているものである。
【0029】前記骨形成因子としては、骨組織中からの
抽出成分である各種の骨形成関連タンパク質を用いるこ
とができる。例えば、骨誘導因子(BMP:bone
morphogentic protein)、形質転
換成長因子(TGF−β:transforming
growth factor β)、骨形成誘導因子
(OIF:osteoinductive facto
r)、インスリン様成長因子(IGF:insulin
derived growth factor)、血
小板由来成長因子(PDGF:platlet der
ived growth factor)および繊維芽
細胞増殖因子(FGF:fibroblast gro
wth factor)が挙げられる。
【0030】これらの骨形成因子の中でも、前記関節軟
骨形成用部材を人体に適用するためには、ヒト由来の他
のタンパク質が実質的に含まれていないヒト骨誘導因子
(hBMP)であることが好ましい。特に、免疫性等の
臨床上の安全性および品質の安定した材料の大量入手が
可能である等の点から、遺伝子組換え技術により得られ
た組換えヒト骨誘導因子(rhBMP)であることが好
ましい。すなわち、ヒト骨誘導因子をコードする塩基配
列を含む組換えDNAを含む細胞または微生物等の形質
転換体を培養し、それら形質転換体によって産出された
rhBMPを単離、精製して調製したものである。
【0031】これらのrhBMPとしては、例えば、r
hBMP−2、rhBMP−3、rhBMP−4(rh
BMP−2Bともいう)、rhBMP−5またはrhB
MP−6、rhBMP−7rhBMP−8、rhBMP
のヘテロダイマーまたはこれらの改変体や一部損体が挙
げられ、これらを単独で、または、2種以上の混合物と
して用いることができる。この中でも、軟骨の形成また
は再生のためには、rhBMP−2またはrhBMP−
7の効果が大きいため好ましく、特に、rhBMP−2
であることが好ましい。
【0032】これらの骨形成因子は、部材全体での均等
な関節軟骨形成を担保する観点から、生体吸収性部材中
に均一に混在していることが好ましい。
【0033】前記骨形成因子が、骨形成作用を発現する
ためには、それが担持されるための基材が必要である。
この基材として、本発明においては、複数の隣接する気
孔が、該気孔を区画する骨格壁部において3次元的に連
通した連球状開気孔を形成し、水銀ポロシメータにより
測定した細孔径分布における孔径5μm以上の気孔体積
が、全気孔体積の85%以上であるセラミックス多孔体
を用いる。このような基材の構造により、骨格部が緻密
で、全体として十分な強度を有しており、生体吸収性部
材を長期間安定して支持することができる。しかも、気
孔自体が平均して大きいため、前記気孔間に形成されて
いる大きな連通部を通じて、細胞や体液が、迅速かつ効
率よく、移動および循環することができる。また、前記
基材は、個々の気孔形状は、ほぼ球状であり、気孔率が
大きいにもかかわらず、この形状が崩れることなく維持
されているため、その気孔内の表面積が大きく、生体吸
収性部材および骨形成因子を、気孔内表面に高密度で担
持することができる。
【0034】前記セラミックス多孔体は、骨の内部から
軟骨形成部分までの細胞や栄養が導入されやすく、全体
に行き届きやすい等の観点から、気孔率は50%以上9
0%以下であり、好ましくは、65%以上85%以下で
ある。また、平均気孔径は100μm以上600μm以
下であることが好ましい。なお、この平均気孔径は、樹
脂包埋による方法で測定することができる。また、前記
セラミックス多孔体の連球状開気孔の連通部分の平均孔
径は20μm以上であることが好ましく、40μm以上
であることがより好ましい。この連通部の平均孔径は、
水銀ポロシメータ(水銀圧入法)により測定することが
できる。図5に、本発明に係るセラミックス多孔体であ
って、ハイドロキシアパタイト製のものについて、電子
顕微鏡写真を示す。図5(a)は拡大倍率150倍、
(b)は拡大倍率10,000倍のものである。また、
図6に、水銀ポロシメータ(水銀圧入法)により測定し
た上記ハイドロキシアパタイト製のセラミックス多孔体
の細孔分布を示す。
【0035】上記気孔を有するセラミックス多孔体は、
撹拌起泡により、容易に製造することができる。撹拌起
泡により形成されたセラミックス多孔体は、気孔を区画
する骨格壁部自体が緻密であり、気孔がほぼ球状とな
り、高強度を得られるため好ましい。具体的には、例え
ば、以下のような製造方法により、上記のようなセラミ
ックス多孔体を得ることができる。材質がハイドロキシ
アパタイトである場合を例として説明する。まず、ハイ
ドロキシアパタイト粉末に、架橋重合性樹脂としてポリ
エチレンイミン等を添加し、分散媒として水を用いて、
混合、解砕し、スラリーを調製する。次に、このスラリ
ーに起泡剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル
等を添加し、撹拌して起泡させる。さらに、架橋剤とし
てソルビトールグリシジルエーテル等を添加し、得られ
た泡沫状スラリーを、注型して、泡構造を固定した状態
で乾燥させた後、1100〜1300℃程度で焼結させ
ることにより、ハイドロキシアパタイト多孔体が得られ
る。
【0036】前記セラミックス多孔体は、生体為害性を
有さず、かつ、十分な機械的強度を有する材質のセラミ
ックスであることが好ましく、具体的には、アルミナ、
ジルコニア、シリカ、ムライト、ディオプサイド、ウォ
ラストナイト、エーライト、べライト、アーケルマナイ
ト、モンティセライト、生体用ガラスおよびリン酸カル
シウム系セラミックスから選ばれた少なくとも1種から
なることが好ましい。この中でも、生体適合性に優れて
いることから、リン酸カルシウム系セラミックスが好ま
しく、このリン酸カルシウム系セラミックスとしては、
ハイドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、フッ化
アパタイトが挙げられるが、本発明においては、特に、
骨との同化性、癒着性、強度等の観点から、骨の主組成
成分であるハイドロキシアパタイトからなることが好ま
しい。
【0037】前記骨形成因子を、数週間から十数週間の
関節軟骨が再生または形成されるための適当な期間内に
おいて、徐々に放出させるためには、前記骨形成因子と
複合させる生体吸収性部材が不可欠である。関節軟骨を
形成しようとする部分に、骨形成因子を直接塗布した場
合には、該骨形成因子はすぐに流出してしまい、軟骨は
形成されない。したがって、骨形成因子と複合される生
体吸収性材料としては、骨形成因子の徐放性を有してお
り、生体為害性がなく、生体内組織に徐々に吸収されな
がら、同時に骨形成因子を徐々に放出するものが好まし
い。
【0038】このような特性を有する材料としては、リ
ン酸三カルシウム等の無機材料でも可能であるが、生体
吸収される時間の制御のしやすさ等の観点から、有機化
合物が好ましい。有機化合物であれば、その分子量を調
整することにより徐放期間を調整でき、さらに、基材で
あるセラミックス多孔体の気孔内に均一かつ広範囲に、
骨形成因子を行き渡らせることができる。なお、菌等に
よる感染を排除する観点から、合成により得られる有機
化合物を用いることがより好ましい。また、必要に応じ
て、前記セラミックス多孔体の材質と同様のセラミック
ス成分等を添加してもよい。
【0039】前記生体吸収性材料としては、具体的に
は、疎水性および親水性の両性質を備えた高分子材料が
好適に用いられる。例えば、乳酸および/またはグリコ
ール酸の重合体、乳酸および/またはグリコール酸の重
合体とポリエチレングリコールとのブロック共重合体、
乳酸および/またはグリコール酸とp−ジオキサノンと
ポリエチレングリコールとの共重合体(PLA−DX−
PEG)、アテロコラーゲン等が挙げられる。この中で
も、特に、生体内組織への吸収速度および骨形成因子の
放出速度、前記セラミックス多孔体への接着性、弾力性
等の観点から、ポリ乳酸−ポリエチレングリコール共重
合体(PLA−PEG)が好ましく、さらに、ポリ乳酸
(PLA)の数平均分子量が400以上5000以下で
あり、ポリエチレングリコール(PEG)の数平均分子
量が150以上20000以下であることが好ましい。
全体としての数平均分子量は、9000以上9700以
下であることがより好ましい。
【0040】また、同様の利点を有しながら、さらに、
全体の分解時間がより好適に制御されているものとし
て、数平均分子量が5000以上20000以下、好ま
しくは、8000以上10000以下である、乳酸およ
び/またはグリコール酸とp−ジオキサノンとポリエチ
レングリコールとの共重合体(PLA−DX−PEG)
も好適に用いることができる。その数平均分子量は、8
900以上9400以下であることがより好ましい。こ
のPLA−DX−PEGは、共重合体中の乳酸および/
またはグリコール酸とp−ジオキサノンとポリエチレン
グリコールの割合が、モル比で26〜60:4〜25:
25〜70であることが好ましい。このPLA−DX−
PEGの具体的な製法については、例えば、特開200
0−237297号公報に記載されているような方法等
を用いることができる。
【0041】上記のような関節軟骨形成用部材は、生体
吸収性材料を溶媒または分散媒に添加した後、骨形成因
子と混合して、混合液を調製する工程と、複数の隣接す
る気孔が、該気孔を区画する骨格壁部において3次元的
に連通した連球状開気孔を形成しているセラミックス多
孔体に、前記混合液を浸潤させる工程と、前記セラミッ
クス多孔体中の溶媒または分散媒を除去し、生体吸収性
部材および骨形成因子をセラミックス多孔体の気孔内表
面に担持させて、関節軟骨形成用部材を得る工程とを具
備する製造方法により得ることができる。上記製造方法
においては、前記セラミックス多孔体には、上述のよう
に、気孔が撹拌起泡により形成されたものを用いること
が好ましい。
【0042】また、前記混合液の調製工程においては、
溶媒または分散媒として、アセトン、塩化メチレン、ク
ロロホルム、エタノール等を用いることが好ましく、特
に、アセトンを用いることが好ましい。これらの溶媒ま
たは分散媒は、生体吸収性部材および骨形成因子をセラ
ミックス多孔体の気孔内表面に、均等に担持させる役割
を果たすものであり、その後、揮発、凍結乾燥または減
圧乾燥等により除去可能であり、得られる関節軟骨形成
用部材中には残存しないことが好ましい。
【0043】ところで、関節軟骨を再生もしくは形成ま
たは培養する場合には、骨形成因子と関節液が接触で
きるようにすること、骨形成因子が徐々に放出され、
その効果を一定期間保持すること、骨の内部から軟骨
形成部まで細胞や体液等が十分供給され続けられるよう
にすることが必要であると考えられる。このような観点
から、本発明おいては、関節軟骨の再生または形成方法
としては、骨形成因子が含まれ、骨形成因子の徐放性を
備えた部材を、関節面に配置し、固定することを要す
る。例えば、患者自身の骨を足場として、その表面に、
関節軟骨を形成させることができる。
【0044】骨形成因子が含まれ、その徐放性を備えた
前記部材としては、多孔質の生体吸収性部材が用いられ
ることが好ましい。生体吸収性部材が多孔質である場
合、その多孔体自体が、連通する開気孔を多数有してい
ることから、体液や細胞の導入が容易であるため、該生
体吸収性部材を足場として、その表面等に関節軟骨を再
生または形成させることが好ましい。この生体吸収性部
材には、具体的には、上記したような材料を適用するこ
とができる。また、骨形成因子が含まれ、その徐放性を
備えた前記部材は、その少なくとも一部を関節液と接触
させることが好ましい。
【0045】また、生体吸収性部材および骨形成因子を
気孔内表面に担持しているセラミックス多孔体を、関節
面に埋設させて、関節面に関節軟骨を固定することによ
り、関節軟骨を再生または形成することもできる。この
ような方法によれば、関節軟骨の固定は容易となる。こ
のとき、前記セラミックス多孔体は、隣接する関節軟骨
表面よりもわずかに深い位置、すなわち、くぼんだ状態
となるように埋設することが好ましい。このように配置
させることにより、関節軟骨が再生または形成されるス
ペースを確保し、かつ、再生または形成される関節軟骨
と、これに隣接する関節軟骨とを、隙間なく同化させる
ことが可能となる。
【0046】関節液は、それ自体またはそれに含まれる
特定成分が、骨形成因子とともに関節軟骨の再生または
形成を促進させるものであると考えられる。すなわち、
関節液には、関節軟骨修復維持物質が含まれている。し
たがって、上記のような骨形成因子が含まれ、その徐放
性を備えた部材、または、生体吸収性部材および骨形成
因子を気孔内表面に担持しているセラミックス多孔体を
用いた場合であっても、これらを関節液またはそれに含
まれる特定成分と接触することがない部分に埋設して
も、関節軟骨は形成されない。このため、前記セラミッ
クス多孔体は、関節面に埋設させた後、該セラミックス
多孔体の少なくとも一部を関節液と接触させることが好
ましい。
【0047】上記のようにして再生または形成された関
節軟骨は、関節の機能を十分に担保するためには、40
0μm以上、より好ましくは、500μm以上の均等な
厚さに成長させることが好ましい。このように、連続し
た十分な量の関節軟骨を得るためには、上記した本発明
に係る関節軟骨形成用部材を、上記再生または形成方法
における生体吸収性部材および骨形成因子を気孔内表面
に担持しているセラミックス多孔体として、好適に用い
ることができる。
【0048】また、本発明に係る関節軟骨の培養方法
は、骨形成因子が含まれ、その徐放性を備えた部材を、
軟骨になり得る細胞に接してまたは近傍に配置し、前記
部材の少なくとも一部を関節液に接触させて、関節軟骨
を培養することを特徴とする。このような方法により、
自己の関節液を用いて、体外で関節軟骨を培養すること
も可能である。体外で培養した関節軟骨自体の移植は困
難であるとされているが、同様に体外で培養した骨と一
体化された状態で、または、体外培養した関節軟骨周辺
に未分化細胞を配置する等の方法により、体外培養した
関節軟骨を移植することも可能である。上記培養方法に
おいて、骨形成因子が含まれ、その徐放性を備えた前記
部材としては、上記関節軟骨の再生または形成方法の場
合と同様に、多孔質の生体吸収性部材を用いることが好
ましい。
【0049】また、生体吸収性部材および骨形成因子を
気孔内表面に担持しているセラミックス多孔体を、軟骨
になり得る細胞に接してまたは近傍に配置し、または、
セラミックス多孔体の気孔内に、軟骨になり得る細胞を
導入し、前記セラミックス多孔体の少なくとも一部を関
節液に接触させて、関節軟骨を培養することもできる。
このように、培養する関節軟骨周辺に、軟骨になり得る
細胞、すなわち、未分化細胞を配置することにより、体
外培養した関節軟骨を移植することが可能となる。ここ
で、上記の軟骨になり得る細胞としては、間葉系幹細
胞、軟骨細胞、遺伝子組換えにより軟骨細胞を形成する
細胞等であれば、特に限定されないが、間葉系幹細胞が
より好ましい。なお、上記培養方法においては、前記部
材の少なくとも一部を関節液に接触させる際、関節腔内
の環境に近づけるために、関節液を加圧してもよい。
【0050】さらにまた、生体吸収性部材および骨形成
因子を気孔内表面に担持しているセラミックス多孔体の
気孔内表面の少なくとも一部に、骨を形成させた後、さ
らにその表面の少なくとも一部に、上記培養方法により
関節軟骨を培養することもできる。このようにして、培
養される関節軟骨の直下には、同様に培養された骨が一
体化された状態で形成されていることにより、体外培養
した関節軟骨を移植することも可能となる。
【0051】上記のようにして培養された関節軟骨は、
関節の機能を十分に担保するためには、400μm以
上、より好ましくは、500μm以上の均等な厚さであ
ることが好ましい。このように、連続した十分な量の関
節軟骨を得るためには、上記した本発明に係る関節軟骨
形成用部材を、上記培養方法における生体吸収性部材お
よび骨形成因子を気孔内表面に担持しているセラミック
ス多孔体として、好適に用いることができる。
【0052】また、本発明に係る移植用人工関節軟骨
は、生体吸収性部材および骨形成因子を気孔内表面に担
持しているセラミックス多孔体の表面の少なくとも一部
に、関節軟骨が形成されていることを特徴とするもので
ある。このような移植用人工関節軟骨は、上述したよう
な関節軟骨の培養方法により得ることができる。
【0053】また、前記移植用人工関節軟骨は、前記セ
ラミックス多孔体の気孔内に、骨細胞が定着して形成さ
れた骨の表面の少なくとも一部に、軟骨細胞層が形成さ
れている、または、前記セラミックス多孔体の気孔内
に、骨細胞が定着して形成された骨の表面の少なくとも
一部に、セラミックス多孔体を含まない骨細胞層が形成
され、さらに、該骨細胞層の表面の少なくとも一部に、
軟骨細胞層が形成されていることが好ましい。上述した
ように、関節軟骨のみを体内に移植することは、骨との
付着性等の観点から困難であることから、移植用人工関
節軟骨においては、上記のように、軟骨細胞層が、その
下面の骨または骨細胞と一体化されていることが好まし
い。このとき、生体吸収性部材および骨形成因子を気孔
内表面に担持している前記セラミックス多孔体として、
上記した本発明に係る関節軟骨形成用部材を好適に用い
ることができる。
【0054】さらにまた、本発明に係る関節軟骨の再生
もしくは形成方法または培養方法は、生体内の関節軟骨
または生体から採取した関節軟骨に接してまたは近傍
に、骨形成因子を徐放させることを特徴とする。既存の
生体関節軟骨と一体的に関節軟骨層を形成することが好
ましく、また、生体の軟骨細胞の活性化を図ることによ
り、関節軟骨の再生もしくは形成または培養を促すこと
ができる。このとき、前記骨形成因子は、関節液の存在
下に徐放されることが好ましい。
【0055】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的
に説明するが、本発明は下記の実施例により制限される
ものではない。 [実施例1]DL−ラクチドとp−ジオキサノンとポリ
エチレングリコールとからなる数平均分子量9300の
共重合体からなるPLA−DX−PEG(PLA:D
X:PEG=45:17:38(モル比))100mg
と、rhBMP−2を20μgとを混合し、アセトンで
希釈して、ゲル状混合物を作製した。このゲル状混合物
を、撹拌起泡により製造したハイドロキシアパタイト製
多孔体(直径4mm、長さ4mm、気孔率75%、気孔
径200μm)に浸潤させた後、しばらく放置し、アセ
トンを揮発させて、アパタイト多孔体の気孔内表面に、
生体吸収性部材と骨形成因子との均一な混合層を形成さ
せ、関節軟骨形成用部材を得た。得られた関節軟骨形成
用部材を、その大きさに穿孔したウサギの大腿骨関節面
に埋設した後、関節を元に戻し、さらに、切開部を縫合
した。
【0056】3、6、12週間後、前記部材の埋設部分
を表面から観察した。3週間後には、関節軟骨の再生は
わずかであったが、6週間後には、外見上、ほぼ元どお
りに再生されていた。さらに、12週間後には、完全に
再生されていた。
【0057】6週間後の埋設部分の顕微鏡写真を図で表
したものを図1、図2(a)および(b)に示す。図1
において、A−A’間が、関節軟骨形成用部材を埋設し
た部分である。関節表面1の下層には、再生された間接
軟骨2の層Xが形成されている。また、前記再生関節軟
骨層Xと、セラミックス多孔体層Zとの間には、セラミ
ックス多孔体を含まない、骨のみからなる層Yが存在し
ている。なお、セラミックス多孔体の気孔内には、骨細
胞入り込み、骨が再生されていることが確認された。図
2(a)は、図1のA−A’間の一部の拡大写真を図示
したものであり、図2(b)は、さらに、その上層部分
の拡大写真を図示したものである。
【0058】図1に示したように、6週間後には、再生
関節軟骨層Xが、厚さ約500μm(ウサギの正常な関
節軟骨の約2/3)で形成されていることが確認され
た。また、図1、図2(a)のAおよびA’部分におい
て、前記再生関節軟骨2は、本来の関節軟骨との境界が
分からない程度に連続して形成されており、この付近の
再生関節軟骨層X(Q部分)は、特に厚く形成されてい
ることが認められた。なお、図2(b)に示したよう
に、再生関節軟骨層2には、多数の軟骨細胞3が認めら
れた。さらに、12週間後には、埋設部分(A−A’
間)の区別がつかないほど回復していた。
【0059】[比較例1]骨形成因子を含有しないで、
それ以外については、実施例1と同様にして、関節軟骨
形成用部材を作製した。得られた関節軟骨形成用部材
を、実施例1と同様にして、ウサギの大腿骨関節面に埋
設し、3、6、12週間後、埋設部分を表面から観察し
た。3、6、12週間後において、骨は形成されている
ものの、関節軟骨の再生は認められなかった。
【0060】6週間後の埋設部分の顕微鏡写真を図で表
したものを図3、図4(a)および(b)に示す。図3
において、C−C’間が、関節軟骨形成用部材を埋設し
た部分である。図4(a)は、図3のC−C’間の一部
の拡大写真を図示したものであり、図4(b)は、さら
に、その上層部分の拡大写真を図示したものである。
【0061】図3に示したように、6週間後でも、埋設
部分(C−C’間)と本来の関節軟骨の境界部分が、特
にC’部分において、明らかに認められた。また、図4
(b)に示したように、前記部材の埋設部分(C−C’
間)には、繊維性軟骨4が確認されたが、関節軟骨の形
成は認められなかった。なお、繊維性軟骨4は、2型コ
ラーゲンの発現が認められなかったことにより、関節軟
骨ではないことを確認した。さらに、12週間後におい
ても、関節軟骨は形成されていなかった。
【0062】[比較例2]実施例1と同様にして作製し
た関節軟骨形成用部材を、ウサギの大腿骨側面に埋設
し、3、6、12週間後、埋設部分を観察した。その結
果、6週間後、骨の再生は認められたが、その表面に、
軟骨は形成されていなかった。
【0063】上記のように、本発明に係る骨形成因子が
担持された関節軟骨形成用部材を用いた場合(実施例
1)、骨形成因子が担持されていない場合(比較例1)
と異なり、十分な量で連続して関節軟骨が形成されるこ
とが認められた。また、骨形成因子が担持された関節軟
骨形成用部材を、関節液と接触させた場合(実施例1)
には、関節軟骨が形成されたが、関節液と接触しない場
合(比較例2)には、関節軟骨は形成されないことが認
められた。
【0064】
【発明の効果】本発明に係る関節軟骨形成用部材を用い
ることにより、関節軟骨の形成および再生を自然に近い
状態で行うことができ、実用レベルの関節軟骨の形成が
可能となる。また、本発明に係る関節軟骨の再生または
形成方法および培養方法を用いれば、生体内または生体
外においても、周辺の既存の関節軟骨との同化および骨
との一体化も良好であり、連続した十分な量の関節軟骨
を得ることができる。さらに、これらの方法により得ら
れる本発明に係る移植用人工関節軟骨を用いれば、生体
適合性および定着性に優れているため、従来の人工関節
治療に替わって、人工関節軟骨を移植することが可能と
なり、患者の苦痛や負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における6週間後の関節軟骨形成用部
材の埋設部分の顕微鏡写真を図示したものである。
【図2】(a)は、図1のA−A’間の一部の拡大写真
を図示したものであり、(b)は、(a)の上層部分の
拡大写真を図示したものである。
【図3】比較例1における6週間後の関節軟骨形成用部
材の埋設部分の顕微鏡写真を図示したものである。
【図4】(a)は、図3のC’部分付近の拡大写真を図
示したものであり、(b)は、(a)の上層部分の拡大
写真を図示したものである。
【図5】本発明に係るハイドロキシアパタイト製セラミ
ックス多孔体の電子顕微鏡写真を示したものであり、
(a)は拡大倍率150倍、(b)は拡大倍率10,0
00倍である。
【図6】図5に示したセラミックス多孔体の水銀ポロシ
メータ(水銀圧入法)による細孔分布を示したものであ
る。
【符号の説明】
1、1’ 関節表面 2 再生関節軟骨 3 軟骨細胞 4 繊維状軟骨 X 再生関節軟骨層 Y 骨の層 Z セラミックス多孔体層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉川 秀樹 大阪府豊中市少路2−111−1−605 Fターム(参考) 4C081 AB05 BA12 BA16 CA161 CC02 CD131 CE02 CF021 CF031 CF111 CF121 CF131 CF151 DA11 DA12 DB03 DC14 EA01 EA06

Claims (44)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の隣接する気孔が、該気孔を区画す
    る骨格壁部において3次元的に連通した連球状開気孔を
    形成し、水銀ポロシメータにより測定した細孔径分布に
    おける孔径5μm以上の気孔体積が、全気孔体積の85
    %以上であるセラミックス多孔体の気孔内表面に、生体
    吸収性部材および骨形成因子が担持されていることを特
    徴とする関節軟骨形成用部材。
  2. 【請求項2】 前記骨形成因子は、骨誘導因子(BM
    P)、形質転換成長因子(TGF−β)、骨形成誘導因
    子(OIF)、インスリン様成長因子(IGF)、血小
    板由来成長因子(PDGF)および繊維芽細胞増殖因子
    (FGF)から選ばれたいずれかであることを特徴とす
    る請求項1記載の関節軟骨形成用部材。
  3. 【請求項3】 前記骨形成因子は、ヒト骨誘導因子(h
    BMP)であることを特徴とする請求項1記載の関節軟
    骨形成用部材。
  4. 【請求項4】 前記ヒト骨誘導因子は、組換えヒト骨誘
    導因子(rhBMP)であることを特徴とする請求項3
    記載の関節軟骨形成用部材。
  5. 【請求項5】 前記rhBMPは、rhBMP−2また
    はrhBMP−7であることを特徴とする請求項4記載
    の関節軟骨形成用部材。
  6. 【請求項6】 前記rhBMPは、rhBMP−2であ
    ることを特徴とする請求項4記載の関節軟骨形成用部
    材。
  7. 【請求項7】 前記骨形成因子は、生体吸収性部材中に
    均一に混在していることを特徴とする請求項1から請求
    項6までのいずれかに記載の関節軟骨形成用部材。
  8. 【請求項8】 前記セラミックス多孔体の気孔は、撹拌
    起泡により形成されたものであることを特徴とする請求
    項1から請求項7までのいずれかに記載の関節軟骨形成
    用部材。
  9. 【請求項9】 前記セラミックス多孔体は、気孔率が5
    0%以上90%以下であり、かつ、平均気孔径が100
    μm以上600μm以下であることを特徴とする請求項
    1から請求項8までのいずれかに記載の関節軟骨形成用
    部材。
  10. 【請求項10】 前記セラミックス多孔体は、前記連球
    状開気孔の連通部分の平均孔径が20μm以上であるこ
    とを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれかに
    記載の関節軟骨形成用部材。
  11. 【請求項11】 前記セラミックス多孔体は、アルミ
    ナ、ジルコニア、シリカ、ムライト、ディオプサイド、
    ウォラストナイト、エーライト、べライト、アーケルマ
    ナイト、モンティセライト、生体用ガラスおよびリン酸
    カルシウム系セラミックスから選ばれた少なくとも1種
    からなることを特徴とする請求項1から請求項10まで
    のいずれかに記載の関節軟骨形成用部材。
  12. 【請求項12】 前記リン酸カルシウム系セラミックス
    は、ハイドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、フ
    ッ化アパタイトから選ばれた少なくとも1種からなるこ
    とを特徴とする請求項11記載の関節軟骨形成用部材。
  13. 【請求項13】 前記リン酸カルシウム系セラミックス
    は、ハイドロキシアパタイトからなることを特徴とする
    請求項12記載の関節軟骨形成用部材。
  14. 【請求項14】 前記生体吸収性部材は、骨形成因子の
    徐放性を備えていることを特徴とする請求項1から請求
    項13までのいずれかに記載の関節軟骨形成用部材。
  15. 【請求項15】 前記生体吸収性部材は、有機化合物か
    らなることを特徴とする請求項1から請求項14までの
    いずれかに記載の関節軟骨形成用部材。
  16. 【請求項16】 前記生体吸収性部材は、乳酸および/
    またはグリコール酸の重合体、乳酸および/またはグリ
    コール酸の重合体とポリエチレングリコールとのブロッ
    ク共重合体、乳酸および/またはグリコール酸とp−ジ
    オキサノンとポリエチレングリコールとの共重合体、ア
    テロコラーゲンから選ばれた少なくとも1種からなるこ
    とを特徴とする請求項1から請求項15までのいずれか
    に記載の関節軟骨形成用部材。
  17. 【請求項17】 前記生体吸収性部材は、ポリ乳酸とポ
    リエチレングリコールとのブロック共重合体であること
    を特徴とする請求項1から請求項15までのいずれかに
    記載の関節軟骨形成用部材。
  18. 【請求項18】 前記ポリ乳酸とポリエチレングリコー
    ルとのブロック共重合体は、ポリ乳酸の数平均分子量が
    400以上5000以下であり、ポリエチレングリコー
    ルの数平均分子量が150以上20000以下であるこ
    とを特徴とする請求項17記載の関節軟骨形成用部材。
  19. 【請求項19】 前記生体吸収性部材は、乳酸および/
    またはグリコール酸とp−ジオキサノンとポリエチレン
    グリコールとの共重合体であることを特徴とする請求項
    1から請求項15までのいずれかに記載の関節軟骨形成
    用部材。
  20. 【請求項20】 生体吸収性材料を溶媒または分散媒に
    添加した後、骨形成因子と混合して、混合液を調製する
    工程と、 複数の隣接する気孔が、該気孔を区画する骨格壁部にお
    いて3次元的に連通した連球状開気孔を形成しているセ
    ラミックス多孔体に、前記混合液を浸潤させる工程と、 前記セラミックス多孔体中の溶媒または分散媒を除去
    し、生体吸収性部材および骨形成因子をセラミックス多
    孔体の気孔内表面に担持させて、関節軟骨形成用部材を
    得る工程とを具備していることを特徴とする関節軟骨形
    成用部材の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記セラミックス多孔体には、気孔が
    撹拌起泡により形成されたものを用いることを特徴とす
    る請求項20記載の関節軟骨形成用部材の製造方法。
  22. 【請求項22】 前記混合液の調製工程においては、生
    体吸収性部材が有機化合物であって、溶媒または分散媒
    としてアセトンを用いることを特徴とする請求項20ま
    たは請求項21記載の関節軟骨形成用部材の製造方法。
  23. 【請求項23】 骨形成因子が含まれ、その徐放性を備
    えた部材を、関節面に配置し、固定することを特徴とす
    る関節軟骨の再生または形成方法。
  24. 【請求項24】 骨形成因子が含まれ、その徐放性を備
    えた前記部材として、多孔質の生体吸収性部材を用いる
    ことを特徴とする請求項23記載の関節軟骨の再生また
    は形成方法。
  25. 【請求項25】 骨形成因子が含まれ、その徐放性を備
    えた前記部材の少なくとも一部を関節液と接触させるこ
    とを特徴とする請求項23または請求項24記載の関節
    軟骨の再生または形成方法。
  26. 【請求項26】 生体吸収性部材および骨形成因子を気
    孔内表面に担持しているセラミックス多孔体を、関節面
    に埋設させて、関節面に関節軟骨を再生または形成させ
    ることを特徴とする関節軟骨の再生または形成方法。
  27. 【請求項27】 前記セラミックス多孔体を関節面に埋
    設させた後、該セラミックス多孔体の少なくとも一部を
    関節液と接触させて、関節軟骨を再生または形成させる
    ことを特徴とする請求項26記載の関節軟骨の再生また
    は形成方法。
  28. 【請求項28】 生体吸収性部材および骨形成因子を気
    孔内表面に担持している前記セラミックス多孔体には、
    請求項1から請求項19までのいずれかに記載の関節軟
    骨形成用部材を用いることを特徴とする請求項26また
    は請求項27記載の関節軟骨の再生または形成方法。
  29. 【請求項29】 前記関節軟骨は、400μm以上の均
    等な厚さとなるように成長させることを特徴とする請求
    項23から請求項28までのいずれかに記載の関節軟骨
    の再生または形成方法。
  30. 【請求項30】 骨形成因子が含まれ、その徐放性を備
    えた部材を、軟骨になり得る細胞に接してまたは近傍に
    配置し、前記部材の少なくとも一部を関節液に接触させ
    て、関節軟骨を培養することを特徴とする関節軟骨の培
    養方法。
  31. 【請求項31】 骨形成因子が含まれ、その徐放性を備
    えた前記部材として、多孔質の生体吸収性部材を用いる
    ことを特徴とする請求項30記載の関節軟骨の培養方
    法。
  32. 【請求項32】 生体吸収性部材および骨形成因子を気
    孔内表面に担持しているセラミックス多孔体を、軟骨に
    なり得る細胞に接してまたは近傍に配置し、前記セラミ
    ックス多孔体の少なくとも一部を関節液に接触させて、
    関節軟骨を培養することを特徴とする関節軟骨の培養方
    法。
  33. 【請求項33】 生体吸収性部材および骨形成因子を気
    孔内表面に担持しているセラミックス多孔体の気孔内
    に、軟骨になり得る細胞を導入し、前記セラミックス多
    孔体の少なくとも一部を関節液に接触させて、関節軟骨
    を培養することを特徴とする関節軟骨の培養方法。
  34. 【請求項34】 前記軟骨になり得る細胞は、間葉系幹
    細胞であることを特徴とする請求項30から請求項33
    までのいずれかに記載の関節軟骨の培養方法。
  35. 【請求項35】 生体吸収性部材および骨形成因子を気
    孔内表面に担持しているセラミックス多孔体の気孔内表
    面の少なくとも一部に、骨を形成させた後、さらに、前
    記セラミックス多孔体の表面の少なくとも一部に、請求
    項32から請求項34までのいずれかに記載された方法
    により関節軟骨を培養することを特徴とする関節軟骨の
    培養方法。
  36. 【請求項36】 生体吸収性部材および骨形成因子を気
    孔内表面に担持している前記セラミックス多孔体には、
    請求項1から請求項19までのいずれかに記載の関節軟
    骨形成用部材を用いることを特徴とする請求項32から
    請求項35までのいずれかに記載の関節軟骨の培養方
    法。
  37. 【請求項37】 前記関節軟骨は、400μm以上の均
    等な厚さとなるように培養されることを特徴とする請求
    項30から請求項36までのいずれかに記載の関節軟骨
    の培養方法。
  38. 【請求項38】 生体吸収性部材および骨形成因子を気
    孔内表面に担持しているセラミックス多孔体の表面の少
    なくとも一部に、関節軟骨が形成されていることを特徴
    とする移植用人工関節軟骨。
  39. 【請求項39】 前記関節軟骨は、400μm以上の均
    等な厚さであることを特徴とする請求項38記載の移植
    用人工関節軟骨。
  40. 【請求項40】 前記セラミックス多孔体の気孔内に、
    骨細胞が定着して形成された骨の表面の少なくとも一部
    に、軟骨細胞層が形成されていることを特徴とする請求
    項38または請求項39記載の移植用人工関節軟骨。
  41. 【請求項41】 前記セラミックス多孔体の気孔内に、
    骨細胞が定着して形成された骨の表面の少なくとも一部
    に、セラミックス多孔体を含まない骨細胞層が形成さ
    れ、さらに、該骨細胞層の表面の少なくとも一部に、軟
    骨細胞層が形成されていることを特徴とする請求項38
    から請求項40までのいずれかに記載の移植用人工関節
    軟骨。
  42. 【請求項42】 生体吸収性部材および骨形成因子を気
    孔内表面に担持している前記セラミックス多孔体は、請
    求項1から請求項19までのいずれかに記載の関節軟骨
    形成用部材であることを特徴とする請求項38から請求
    項41までのいずれかに記載の移植用人工関節軟骨。
  43. 【請求項43】 生体内の関節軟骨または生体から採取
    した関節軟骨に接してまたは近傍に、骨形成因子を徐放
    させることを特徴とする関節軟骨の再生もしくは形成方
    法または培養方法。
  44. 【請求項44】 前記骨形成因子は、関節液の存在下に
    徐放されることを特徴とする請求項43記載の関節軟骨
    の再生もしくは形成方法または培養方法。
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