JP2003325010A

JP2003325010A - 移植機

Info

Publication number: JP2003325010A
Application number: JP2002134668A
Authority: JP
Inventors: Takashi Kurumisawa; 隆胡桃沢; Naohiro Hori; 直弘堀; Yasushi Fukutaka; 恭史福高; Yasushi Fujii; 泰志藤井
Original assignee: Kubota Corp
Current assignee: Kubota Corp
Priority date: 2002-05-09
Filing date: 2002-05-09
Publication date: 2003-11-18

Abstract

(57)【要約】【課題】後輪を支点として移植機前部を持ち上げて旋
回する際の旋回性の向上を図った移植機を提供する。【解決手段】左右一対の前後輪３，４によって走行可
能に支持されると共に、苗を植え付ける移植装置を備え
た走行機体２を備え、左右の各前後輪３，４は、上端側
が走行機体２に左右方向の軸心廻りに回動自在に支持さ
れた車輪支持体５０，５５の下端側に設けられていて、
車輪支持体５０，５５を回動軸心回りに揺動させること
により走行機体２が昇降可能とされ、走行機体２の後端
側に設けたハンドル８を押し下げて後輪４を支点として
移植機１前部を持ち上げて旋回する際において、後輪４
を支持する車輪支持体５０を、植付作業時の前傾姿勢か
ら接地面に対して略垂直となる姿勢まで揺動可能とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、畝に沿っ
て走行しながら苗を植え付ける移植機に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】移植機として、左右一対の前後輪によっ
て走行可能に支持された走行機体を備え、この走行機体
に、エンジンと、苗を圃場に植え付ける移植装置とを支
持すると共に、走行機体の後端側にハンドルを設け、畝
に沿って走行しながら苗を植え付けるようにしたものが
ある。この移植機にあっては、前後輪は、上端側が走行
機体に左右方向の軸心廻りに回動自在に支持された車輪
支持体の下端側に設けられていて、車輪支持体を回動軸
心回りに揺動させることにより走行機体が昇降可能とさ
れている。

【０００３】また、この移植機にあっては、枕地等にお
いて旋回する場合にあっては、走行機体後端のハンドル
を押し下げて後輪を支点として移植機前部を持ち上げて
旋回させるようにしている。また、前記移植機にあって
は、苗に対して灌水するための水を溜める貯水タンクを
備えているものがあり、この貯水タンクは、移植機の前
後一側に設けられている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前記従来の移植機にあ
っては、移植機の重量が重いと、旋回時において、ハン
ドルを押し下げるのに大きな力が必要で、旋回時の取り
回し（取り扱い）に難があるという問題があった。ま
た、移植機の前後一側に、貯水タンクを備えているもの
にあっては、貯水タンクが満水の時には、貯水タンクが
配置されている側の重量が重くなり、移植機の旋回時に
おける取り扱いがしにくくなるという問題がある（移植
機前部が重くなれば、移植機の前部を持ち上げるのが困
難となり、移植機後部が重くなれば、移植機前部を持ち
上げたときに、ハンドルを引き下げる方向の荷重が大き
くなるので、その荷重を支えなければならない）。

【０００５】なお、移植機の前後一側に、貯水タンクを
備えているものにおいて、貯水タンクが満水の時の重量
を考慮して、旋回時の後輪位置を決めると、貯水タンク
内の水が大幅に減ったとき（空等）になったときに、移
植機の旋回時の取り回しがしにくくなるという問題があ
る本発明は、前記問題点に鑑みて、後輪を支点として移
植機前部を持ち上げて旋回する際の旋回性の向上を企図
した移植機を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明が技術的課題を解
決するために講じた技術的手段は、左右一対の前後輪に
よって走行可能に支持されると共に、苗を植え付ける移
植装置を備えた走行機体を備え、左右の各前後輪は、上
端側が走行機体に対して左右方向の軸心廻りに回動自在
に支持された車輪支持体の下端側に設けられていて、車
輪支持体を回動軸心回りに揺動させることにより走行機
体が昇降可能とされ、走行機体の後部に設けたハンドル
を押し下げて後輪を支点として移植機前部を持ち上げて
旋回する際に、後輪を支持する車輪支持体が、植付作業
時の前傾姿勢から接地面に対して略垂直となる姿勢まで
揺動可能とされていることを特徴とする。

【０００７】また、他の技術的手段は、左右一対の前後
輪によって走行可能に支持された走行機体の前部に苗を
植え付ける移植装置を支持し、走行機体の後部にエンジ
ンを支持し、走行機体の、移植装置とエンジンとの間に
移植作業者が着座する座席を備え、走行機体の後端側に
ハンドルを設け、左右の各前後輪は、上端側が走行機体
に左右方向の軸心廻りに回動自在に支持された車輪支持
体の下端側に設けられていて、車輪支持体を回動軸心回
りに揺動させることにより走行機体が昇降可能とされ、
ハンドルを押し下げて後輪を支点として移植機前部を持
ち上げて旋回する際に、後輪を支持する車輪支持体を、
植付作業時の前傾姿勢から後輪が座席の下方に位置する
まで揺動可能としたことを特徴とする。

【０００８】また、他の技術的手段は、左右一対の前後
輪によって走行可能に支持された走行機体の前部に苗を
植え付ける移植装置を支持し、走行機体の後部にエンジ
ンを支持し、走行機体の、移植装置とエンジンとの間に
移植作業者が着座する座席を備え、走行機体の後端側に
ハンドルを設け、左右の各前後輪は、上端側が走行機体
に左右方向の軸心廻りに回動自在に支持された車輪支持
体の下端側に設けられていて、車輪支持体を回動軸心回
りに揺動させることにより走行機体が昇降可能とされ、
ハンドルを押し下げて後輪を支点として移植機前部を持
ち上げて旋回する際に、後輪を支持する車輪支持体が、
植付作業時の前傾姿勢から、後輪が座席の下方に位置し
て接地面に対して略垂直となる姿勢まで揺動可能とされ
ていることを特徴とする。

【０００９】また、他の技術的手段は、左右一対の前後
輪によって走行可能に支持された走行機体を備え、この
走行機体に、エンジンと、苗を植え付ける移植装置と、
苗に対して灌水するための水を溜める前後一対の貯水タ
ンクとを支持すると共に、走行機体の後端側にハンドル
を設け、左右の各前後輪は、上端側が走行機体に左右方
向の軸心廻りに回動自在に支持された車輪支持体の下端
側に設けられていて、車輪支持体を回動軸心回りに揺動
させることにより走行機体が昇降可能とされ、ハンドル
を押し下げて後輪を支点として移植機前部を持ち上げて
旋回する際の、後輪位置の前方側に、一方の貯水タンク
を配置すると共に、該後輪位置の後方側に、他方の貯水
タンクを配置し、前後の貯水タンクから同時に給水する
ようにしたことを特徴とする。

【００１０】また、後輪を支持する車輪支持体を流体圧
シリンダによって揺動可能とすると共に、該車輪支持体
を接地面に対して垂直な状態から、さらに前方に揺動で
きるように構成するのがよい。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図１及び図２において、１は、畝
に沿って走行しながら玉葱等の苗を畝に植え付ける移植
機である。移植機１は、走行機体２と、この走行機体２
を走行可能に支持する左右一対の前後輪３，４と、畝に
苗を植え付ける移植装置５と、移植作業者が座るための
座席６とを備えており、乗用型とされている。

【００１２】走行機体２は、パイプ材、みぞ形鋼、アン
グル等の枠材を組み合わせて構成されており、この走行
機体２の前部に移植装置５が搭載され、走行機体２の後
部にエンジンＥ及びミッションケースＭが搭載され、走
行機体２の、移植装置５とエンジンＥとの間に座席６が
設けられ、走行機体２の後端側には、後方に延出するハ
ンドル８が設けられている。また、エンジンＥの上方に
は燃料タンクが設けられている。左右の前後輪３，４
は、昇降機構９（図６及び図７参照）を介して走行機体
２に対して相対的に昇降自在に取り付けられており、左
右の前後輪３，４を連動させて走行機体２に対して４輪
同時に昇降させることにより、走行機体２が接地面に対
して、昇降可能（高さ調整可能）とされている。

【００１３】移植装置５は、図３及び図４にも示すよう
に、苗を畝に植え付ける植付機構１１と、この植付機構
１１に苗を供給する苗供給機構１２と、覆土輪１３とを
備えてなる植付ユニットを左右一対備えている。この左
右の植付ユニットは、本実施の形態では、走行機体２の
左右方向中央から左右一方側（左側）に片寄って配置さ
れており、畝を往復することで、４条植えができるよう
に構成されている。また、走行機体２の上部側の、各苗
供給機構１２の左右方向外側方には、植え付ける苗を収
容した苗箱１４を載置しておく苗載せ台１５が設けられ
ている。

【００１４】図３及び図４に示すように、植付機構１１
は、植付体１６と、この植付体１６を昇降自在に支持す
る平行リンク１７と、この平行リンク１７を動作させる
動作機構１８等を備えている。植付体１６は、上部に上
下開口状の筒体１９を備えると共に、下部に前後に開閉
自在な植付カップ２０を備えていて、植付カップ２０を
閉じた状態で上方から苗が供給されると、苗は筒体１９
を通過して植付カップ２０内に保持され、植付カップ２
０が開くと、苗が下方に放出されるように構成されてい
る。

【００１５】平行リンク１７は、上下一対のリンク１７
Ａ，１７Ｂから構成され、各リンク１７Ａ，１７Ｂは前
端側が、走行機体２に固定の支持体２２に枢軸を介して
左右方向の軸心回りに回動自在に支持され、この平行リ
ンク１７の他端側に植付体１６が取り付けられていて、
平行リンク１７が枢軸回りに上下に揺動することによ
り、植付体１６が昇降するようになっている。平行リン
ク１７を動作させる動作機構１８は、クランク機構によ
って構成され、走行機体２に左右方向の軸心回りに回転
自在に支持されたクランク軸２３と、このクランク軸２
３から径方向外方に延びるクランクアーム２４と、この
クランクアーム２４の突出端部側に設けられたクランク
ピン２５とを備えている。

【００１６】クランクピン２５には筒体２６が回動自在
に外嵌され、この筒体２６には、図示省略の連動アーム
の上端側が固定されており、この連動アームの下端側
は、平行リンク１７の上リンク１７Ａに枢着されてい
て、クランク軸２３を回転駆動させることにより、平行
リンク１７が上下に揺動して植付体１６が昇降するよう
に構成されている。なお、本実施の形態では、クランク
軸２３を１回転させると、植付体１６は上下に１往復す
るようになっている。

【００１７】前記植付体１６は、その移動軌跡の上端の
苗受取り位置で苗供給機構１２から苗が供給されると共
に、この苗受取り位置では植付カップ２０は閉じた状態
であって、植付カップ２０内に苗が保持される。その
後、植付体１６は下降して植付カップ２０の下部が畝に
突入し、植付カップ２０の下部が畝に突入すると、植付
カップ２０は前後に開いて、畝に植え穴を形成すると共
に、該植え穴に苗が落下放出されて畝に苗が植え付けら
れるようになっている。

【００１８】植付体１６は、その後、植付カップ２０が
開いた状態のまま、上昇して畝から脱出し、苗受取り位
置に至るまでの間に植付カップ２０が閉じるように構成
され、走行しながら前記動作を繰り返すことにより、畝
に順次苗が植え付けられるようになっている。また、植
付機構１１には、植付カップ２０の後側のカップ構成体
の外面の土落としをするスクレーパ２７が設けられてい
る。覆土輪１３は、左右各植付体１６の後方側に、それ
ぞれ左右一対配置され、畝上面を転動して植え穴に放出
された苗の根元部分を左右両側から押圧することで、該
苗の根元部分を覆土・鎮圧する。

【００１９】苗供給機構１２は、ロータリポット方式が
採用され、周方向に配設された複数個のポット２９（苗
受持部）を設けた回転テーブル３０を備えている。回転
テーブル３０は、走行機体２に固定された上下方向の縦
軸３１廻りに回転駆動可能に設けられ、ポット２９は、
回転テーブル３０の回転軸心を中心とする同一円周上に
適宜間隔をおいて配置されており、移植作業者によって
各ポット２９に苗が１本ずつ上方から挿入（投入）され
る。本実施の形態では、各ポット２９に上下開口状の筒
体からなるガイド筒３２が設けられている。

【００２０】各ポット２９は、上下開口状に形成されて
いて回転テーブル３０に上下方向貫通状に設けられた筒
体３３と、この筒体３３の底部（下端開口）を開閉可能
に塞ぐ底蓋３４とを備えてなり、底蓋３４は筒体３３に
横軸廻りに回動自在に取り付けられることで開閉自在と
されていると共に、バネによって下方、すなわち開き方
向に付勢されている。回転テーブル３０の下方には、円
板状の固定板（図示省略）が走行機体２に取付固定され
ており、ポット２９の底蓋３４は、筒体３３の底部を閉
じた状態で、この固定板に接当することで、その開きが
規制されるように構成されている。

【００２１】また、この固定板には、苗受取り位置にあ
る植付体１６の上方に対応する位置に切欠き部が形成さ
れ、回転テーブル３０が回転する途中において、ポット
２９が、この切欠き部に対応する位置に位置すると、底
蓋３４が開いて、ポット２９内部の苗が、下方に落下放
出されて、苗受取り位置にある植付体１６に落下供給さ
れるようになっている。なお、ポット２９が切欠き部を
通過すると底蓋３４は固定板に相対的に押圧されて再び
筒体３３の下端開口を閉じる。

【００２２】左右の各苗供給機構１２は、左右方向内方
側（左右方向対向側）において、苗を植付体１６に落下
供給するように構成されていて、左右の植付機構１１
が、左右苗供給機構１２間の左右方向中央側に寄るよう
に左右に並設配置されており、左右の植付機構１１の左
右方向外方側が比較的大きく空くような配置構成とされ
ている。移植装置５の各植付ユニットの後方に、座席６
がそれぞれ設けられており、各植付ユニット毎に移植作
業者が搭乗可能とされている。

【００２３】また、座席６は、移植装置５と前後に間隔
をおいて設けられ、走行機体２の、座席６と移植装置５
との間の下部側には、フロア板（ステップ）３６が設け
られ、このフロア板３６には、苗の植付状態を監視でき
るように、覗き窓３７が設けられている。この覗き窓３
７は、本実施の形態では、網目状に形成されているが、
開口を透明板で塞ぐようにして構成されたものであって
もよく、要するに、フロア板３６の上方側から植付部分
が覗けるようになっていればよい。

【００２４】なお、植付部分の確認は、座席６の後方か
らでも視認できるが、そうすると、ある程度、植付作業
が進まないと、植付状態がわからないので、植付状態を
みて、植付状態が悪いと、植付深さの調整等を行う場合
に、対応が遅れることとなるが、フロア板３６に覗き窓
３７が設けられていると、植付初期において、植付状態
が悪い場合に、早期に発見でき、直ちに対応できるとい
う利点がある。図４及び図５に示すように、左右の座席
６は、走行機体２に支持された支持脚４０に支持されて
いる。

【００２５】支持脚４０は、上下方向の支柱部４１と、
この支柱部４１の上端から水平方向後方側に延びるアー
ム部４２とを備えてＬ字形に形成され、支柱部４１の下
端側が走行機体２側に設けられた支持筒４３に上下方向
の軸心回りに回動自在に嵌合されて支持されている。ま
た、アーム部４２の端部には、上下方向の軸心を有する
取付筒４４が設けられ、この取付筒４４に、座席６の下
面中心側に設けられた、下方突出状の支軸４５が上下方
向の軸心回りに回動自在に嵌合されて支持されている。

【００２６】したがって、左右の各座席６は、支持脚４
０の支柱部４１の軸心回りに左右揺動自在とされている
と共に、取付筒４４（支軸４５）の軸心回りに向き変更
自在とされている。座席６は、該座席６下の、機器及び
機構を覆うカバー部材４６の上方に配置され、支持脚４
０は、カバー部材４６内に収納され、取付筒４４は、カ
バー部材４６の上面に形成した円弧状のガイド溝４７を
通して上方に突出されていて、左右の各座席６は、ガイ
ド溝４７の範囲で左右に移動可能とされている。

【００２７】本実施の形態では、左右一方の座席６が苗
供給機構１２の後方位置から左右の苗供給機構１２の間
の後方位置に移動可能となるように構成されていて、一
人作業（一人で左右の苗供給機構１２に苗を供給する作
業）が行いやすいようになっている。例えば、本実施の
形態では、図４に仮想線で示すように、左側の座席６
が、左側の苗供給機構１２の後方位置から左右の苗供給
機構１２の間の後方位置に移動可能とされており、右側
の座席６は、右側の苗供給機構１２の後方位置から左側
の座席６から離れる方向に左右移動可能とされている。

【００２８】また、本実施の形態では、座席６が左右に
移動する際に、円弧状に動くようになっているので、座
席６の前後位置も変わるようになっており、これによっ
て座席６の前後位置調整も行えるようになっている。し
たがって、移植作業者の体型に合わせて、移植作業者と
苗供給機構１２との間をつめる（調整する）ことができ
る。なお、左右両方の座席６の位置が、苗供給機構１２
の後方位置から左右の苗供給機構１２の間の後方位置に
移動可能となるように構成されていてもよく、また、一
方の座席６が左右の苗供給機構１２の間の後方位置に移
動可能とされ、他方の座席６が固定状とされたものであ
ってもよい。

【００２９】また、少なくとも左右一方の座席６が左右
方向に直線状に位置調整可能とされていてもよい。ま
た、左右の座席６が前後方向に直線状に位置調整可能と
されていてもよい。図１、図２、図６及び図７に示すよ
うに、ミッションケースＭは座席６下のカバー部材４６
内に配置されている。ミッションケースＭの左右両側に
は、左右の座席６の下方に左右方向に配置されたサポー
トアーム５１が設けられ、この左右サポートアーム５１
は、ミッションケースＭと、走行機体２側に固定の軸受
５２とによって、左右方向の軸心回りに回動自在に支持
され、左右各サポートアーム５１の左右方向外端側に伝
動ケース（車輪支持体）５０の上部が取付固定されてい
て、これにより、左右の伝動ケース５０が走行機体２に
対して左右方向の軸心廻りに回動自在に支持されてお
り、この左右各伝動ケース５０の下部に、後輪４が左右
方向の軸心回りに回転可能に取り付けられている。

【００３０】この後輪４は、エンジンＥからの動力によ
って回転駆動される駆動輪とされている。また、走行機
体２の前部側には、左右方向に配置された前輪支軸５３
が、走行機体２に固定された軸受５４等によって、左右
方向の軸心廻りに回動可能に支持されており、この前輪
支軸５３の左右両端部に前輪支持アーム（車輪支持体）
５５の上部が取付固定されていて、これにより、左右の
前輪支持アーム５５が走行機体２に対して左右方向の軸
心廻りに回動自在に支持されており、この前輪支持アー
ム５５の下部に前輪３が左右方向の軸心廻りに回転自在
に取り付けられている。

【００３１】そして、油圧シリンダ等の流体圧シリンダ
から構成される昇降シリンダ５６によって、伝動ケース
５０及び前輪支持アーム５５を、サポートアーム５１、
前輪支軸５３の軸心回りに回動させることにより、走行
機体２が接地面に対して昇降するように構成されてい
る。エンジンＥの側方には、該エンジンＥによって駆動
されて昇降シリンダ５６に圧油を供給する油圧ポンプＰ
が配置され、この油圧ポンプＰの側方に、昇降シリンダ
５６が前後方向に配置されている。

【００３２】なお、油圧ポンプＰはエンジンＥの出力
軸からベルト巻掛け伝動機構によって動力が伝達されて
駆動されるようになっており、走行を停止した状態で
も、油圧ポンプＰが駆動されるようになっている。昇降
シリンダ５６の前側で左右サポートアーム５１の後方側
には、サポートアーム５１と平行に回動軸５７が配置さ
れ、この回動軸５７は走行機体２に左右方向の軸心廻り
に回動自在に支持されている。回動軸５７には、ブラケ
ット５８が径方向外方に突設され、このブラケット５８
に昇降シリンダ５６のピストンロッド５９の先端側が枢
支連結され、昇降シリンダ５６のシリンダ本体６０の後
端側は走行機体２に枢支連結されていて、ピストンロッ
ド５９を出退させることにより、回動軸５７が軸心回り
に回動するようになっている。

【００３３】また、回動軸５７には、他に左右一対のブ
ラケット６１，６２が設けられ、左側のブラケット６１
は、左側のサポートアーム５１に設けられたブラケット
６３にリンク６４を介して連動連結され、右側のブラケ
ット６２は、右側のサポートアーム５１に設けられたブ
ラケット６５にリンク６６を介して連動連結されてい
て、回動軸５７が回動すると、リンク６４，６６が押し
引きされて左右のサポートアーム５１が回動し、これに
より、左右の伝動ケース５０が前後に揺動するようにな
っている。

【００３４】また、右側のサポートアーム５１に設けら
れたブラケット６５は、前輪支軸５３に設けられたブラ
ケット６７にリンク６８を介して連動連結されていて、
サポートアーム５１が回動すると、リンク６８が押し引
きされて前輪支軸５３が回動し、これにより、左右の前
輪支持アーム５５が前後に揺動するようになっている。
以上のようにして、昇降シリンダ５６によって、走行機
体２が接地面に対して昇降するように構成されており、
前記サポートアーム５１、伝動ケース５０、前輪支軸５
３、前輪支持アーム５５、昇降シリンダ５６、回動軸５
７、ブラケット５８，６１，６２，６３，６５，６７、
リンク６４，６６，６８等によって、左右の前後輪３，
４を走行機体２に対して相対的に昇降自在に支持する昇
降機構９が構成されている。

【００３５】前記構成の移植機１において、植付作業を
行う場合には、走行機体２を下降させて行うが、このと
き、本実施の形態のものにあっては、伝動ケース５０
は、前方に向かうに従って上方に移行する傾斜状（前傾
姿勢）とされ、前輪支持アーム５５は、後方に向かうに
従って上方に移行する傾斜状（後傾姿勢）とされる。ま
た、畝の端部側の（圃場の端部の）枕地等において移植
機１を旋回させる場合は、ハンドル８を押し下げて、後
輪４を支点として、移植機１前部を持ち上げて、旋回さ
せるが、このとき、後輪４の接地部分が移植機１の重心
下又はその近傍に位置するように、伝動ケース５０を前
方側に揺動させて、図１に実線で示すように、この伝動
ケース５０が接地面に対して略垂直状（垂直又は若干傾
斜状）となるように、伝動ケース５０を起立させる（伝
動ケース５０の揺動軸心と、後輪４の回動軸心とを結ぶ
線分が、接地面に対して略垂直となるように伝動ケース
５０を起立させる）。

【００３６】このとき、後輪４は座席６の下方（略真
下）に位置し、また、前輪支持アーム５５も伝動ケース
５０と同様に接地面に対して略垂直となる。旋回時、伝
動ケース５０を接地面に対して略垂直となる姿勢（略垂
直姿勢）として、旋回の中心となる後輪４をできるだけ
前へもっていくことにより、ハンドル８を押し下げる力
が軽くてすみ（移植機１前部を持ち上げる力が軽くな
り）、移植機１の前部が容易に持ち上がると共に旋回性
が向上する。また、旋回時、伝動ケース５０を略垂直姿
勢として、旋回の中心となる後輪４をできるだけ前へも
っていくことにより、移植機１の旋回半径（旋回中心か
ら移植機１前端位置までの水平距離）が小さくなる等の
利点を有し、また、旋回時、伝動ケース５０を略垂直状
とすることにより、旋回時の地上高が高く採れ、移植機
１の前部側の移植装置５を高く持ち上げることができる
等の利点を有する。

【００３７】また、伝動ケース５０を略垂直状とするこ
とにより、上方側（座席６側）から荷重が作用した場合
に、該荷重を伝動ケース５０で良好に支えることができ
る。また、図７の仮想線で示すように、伝動ケース５０
を接地面に対して垂直な状態からさらに前方側に揺動
し、昇降シリンダ５６のピストンロッド５９を最も伸ば
したときに、後輪４の回転軸心が伝動ケース５０の揺動
軸心よりも前側に位置するように構成してもよい。移植
機１の格納時等において、エンジンＥを切って、移植機
１を置いておくと、昇降シリンダ５６内の圧油（圧力媒
体）がリークするが、このとき、伝動ケース５０が前傾
状になっていると、走行機体２が下降して接地してしま
う惧れがある。

【００３８】そこで、格納時等において、後輪４の回転
軸心が伝動ケース５０の揺動軸心よりも前側に位置する
ようにしておくことにより、エンジンＥを切って、移植
機１を置いておいた場合に、昇降シリンダ５６内の圧油
がリークしても、走行機体２が下降することがないとい
う利点を有する。前記昇降シリンダ５６は、単動シリン
ダ又は複動シリンダのいずれで構成しても良いが、単動
シリンダの方が安価であるので、コスト低減が可能であ
る。なお、昇降シリンダ５６を単動シリンダで構成した
場合は、走行機体２は、圧油の力によって上昇し、自重
及び搭載機器等の重量で下降する。

【００３９】したがって、伝動ケース５０が垂直姿勢か
らさらに前方側に揺動できるように構成する場合、複動
シリンダの方が、伝動ケース５０を後傾状態から垂直状
態を越えて前傾状態とするのに、単動シリンダよりも有
利である。また、前記構成において、昇降シリンダ５６
のピストンロッド５９を縮めることにより、伝動ケース
５０が前方に揺動するように構成してもよい。また、前
輪支持アーム５５の揺動支点を前方側にもっていき、移
植作業時において、前輪支持アーム５５が、伝動ケース
５０と同様に、前傾姿勢となるように構成してもよい。

【００４０】また、走行機体２前部の、植付体１６の前
方側には、畝上面に接地して転動し、走行機体２に対す
る相対的な畝の高さ変化を検知するローラ等からなる検
知部材７０が設けられている。検知部材７０は、図１及
び図８に示すように、支持部材７１の下端側に所定範囲
上下揺動自在に支持された揺動アーム７２に回転自在に
取り付けられていて、所定範囲上下動自在とされている
と共に、揺動アーム７２は、昇降シリンダ５６を制御す
る制御弁に連動連結されており、検知部材７０が上動す
ると、その分、走行機体２が上昇し、検知部材７０が下
動すると、その分、走行機体２が下降するように制御さ
れ、これによって植付深さが一定となるように構成され
ている。

【００４１】また、支持部材７１は、その上部が走行機
体２に前後揺動自在に支持されていると共に、支持部材
７１と一体的に揺動する操作レバー７３が走行機体２の
係止板７４に係止されることにより、支持部材７１の揺
動規制がなされている。また、係止板７４には、操作レ
バー７３を係止する係止溝７５が多数形成されており、
操作レバー７３の係止溝７５に対する係止位置を変更す
ることにより、支持部材７１が揺動して、検知部材７０
の上下位置が変更可能とされており、検知部材７０の上
下位置を変更することにより、走行機体２の畝に対する
相対高さが変化し、これにより、植付深さが変更できる
ように構成されている。

【００４２】前記後輪４及び移植装置５は、エンジンＥ
からの動力によって駆動されるようになっており、エン
ジンＥから出力される動力は、図９に示すように、主ク
ラッチ７７を経た後、高速クラッチ７８又は低速クラッ
チ７９を介してミッションケースＭに入力される。主ク
ラッチ７７、高速クラッチ７８及び低速クラッチ７９
は、テンションクラッチによって構成され、それぞれ駆
動側プーリＰ１〜３と、従動側プーリＰ４〜６と、これ
らプーリＰ１〜６に亘って巻き掛けられる無端ベルトＢ
１〜３と、テンションプーリＴ１〜３等とから構成さ
れ、テンションプーリＴ１〜３を、ベルトＢ１〜３に押
し付けることにより、動力伝達がなされ、テンションク
ラッチＴ１〜３の、ベルトＢ１〜３に対する押付け力を
解除することにより、動力切断がなされる主クラッチ７
７の駆動側プーリＰ１はエンジンＥの出力軸８２に設け
られ、主クラッチ７７の従動側プーリＰ４と高速クラッ
チ７８及び低速クラッチ７９の駆動側プーリＰ２，Ｐ３
は伝動軸８３に設けられ、高速クラッチ７８及び低速ク
ラッチ７９の従動側プーリＰ５，Ｐ６はミッションケー
スＭの入力軸８４に設けられている。

【００４３】ミッションケースＭ内に入力された動力
は、変速機構（前進２段及び後進）を介して左右のサポ
ートアーム５１内の伝動軸、左右伝動ケース５０内の動
力伝動機構を経て左右の後輪４に動力伝達される。ま
た、変速機構を経た動力は、ミッションケースＭ内の左
右の操向クラッチを介して左右の後輪４に動力伝達され
るように構成されており、左右一方の操向クラッチを切
断すると、その切断した側に移植機１の向きが変更（旋
回）されるようになっている。

【００４４】なお、この移植機１にあっては、左右一方
の後輪４への動力伝達を切断することにより、左右一方
の後輪４を支点として旋回するピボットターンが可能と
されている。一方、主クラッチ７７を経た動力は、伝動
軸８３から巻掛け伝動機構８０を介して伝動ケース８１
に入力され、伝動ケース８１内の植付クラッチを介して
移植装置５（植付機構１１及び苗供給機構１２）に動力
伝達されるようになっており、主クラッチ７７を切断す
ると、走行系及び移植系の動力伝達が切断されるように
なっている。

【００４５】図１、図２、図１０及び図１１に示すよう
に、座席６前側のフロア板３６の前端側には、主クラッ
チ７７を断続操作する左右一対の主クラッチペダル８６
と、左右の操向クラッチを左右独立して操作する左右一
対の操向クラッチペダル８７Ｌ，８７Ｒが設けられてい
る。主クラッチペダル８６は、それぞれ植付機構１１の
左右方向外側方に配置され、左右の座席６上の各植付作
業者が主クラッチ７７の断続操作を可能としている。

【００４６】また、主クラッチペダル８６を踏み込み操
作すると主クラッチ７７が切断され、この踏み込み力を
解除するとバネ力により、主クラッチペダル８６が復帰
すると共に主クラッチ７７が接続されるようになってお
り、移植作業者が前向き姿勢で、走行及び移植装置５の
停止が可能とされている。操向クラッチペダル８７Ｌ，
８７Ｒは、右側の主クラッチペダル８６の左右方向内方
側に配置されており、右側の座席６上の移植作業者、及
び、左右苗供給装置１２の中央側に位置する左側の座席
６上の移植作業者が、操向クラッチの断続操作を可能と
している。

【００４７】また、操向クラッチペダル８７Ｌ，８７Ｒ
は左右同側にある操向クラッチを操作するものであり、
踏み込み操作すると、操向クラッチが切断され、踏み込
み力を解除すると、バネ力により操向クラッチペダル８
７Ｌ，８７Ｒが復帰すると共に操向クラッチが接続され
るようになっていて、座席６に着座した移植作業者が前
向き姿勢で、操向（舵取り）を行い得るように構成され
ている。また、走行機体２の後部には、主クラッチ７７
を断続操作する主クラッチレバー８８、植付クラッチを
断続操作する植付クラッチレバー８９、高速クラッチ７
８又は低速クラッチ７９を選択的に断続操作する高低速
切換レバー９０、ミッションケースＭ内の変速機構を操
作する変速レバー９１、昇降シリンダ５６を操作する昇
降レバー９２、左右の操向クラッチを左右独立して操作
する左右一対の操向クラッチレバー９３が設けられてい
る。

【００４８】主クラッチレバー８８と植付クラッチレバ
ー８９とは、座席６後方の、該座席６上から操作可能な
位置に設けられており、植付クラッチレバー８９を前側
（図１０の矢示Ａ方向）に倒すと植付クラッチが接続さ
れ、植付クラッチレバー８９を後側に倒すと植付クラッ
チが切断され、主クラッチレバー８８を前側に倒すと主
クラッチ７７が接続され、主クラッチレバー８８を後側
に倒すと主クラッチ７７が切断されるようになってい
る。また、高低速切換レバー９０、変速レバー９１、昇
降レバー９２、左右操向クラッチレバー９３は、ハンド
ル８側に設けられていて、これらレバー９０，９１，９
２，９３は、路上走行時等の移植機移動時等において、
ハンドル８後方に位置する作業者が操作可能とされてい
る。

【００４９】高低速切換レバー９０は、後端側で接続さ
れた左右のガイド溝９４，９５に沿って操作され、該高
低速切換レバー９０を左側のガイド溝９４に沿って前側
に倒すと低速クラッチ７９が接続され、高低速切換レバ
ー９０を左側のガイド溝９４に沿って後側に倒すと低速
クラッチ７９が切断され、高低速切換レバー９０を右側
のガイド溝９５に沿って前側に倒すと高速クラッチ７８
が接続され、高低速切換レバー９０を右側のガイド溝９
５に沿って後側に倒すと高速クラッチ７８が切断される
ようになっている。

【００５０】また、この高低速切換レバー９０は、前記
主クラッチレバー８８と連動連結されており、高低速切
換レバー９０又は主クラッチレバー８８の、一方を動か
すと他方も動かされるように構成されている。また、主
クラッチレバー８８を動かすときには、高低速切換レバ
ー９０は、常に左側のガイド溝９４に沿って動かされる
ように（低速クラッチ７９が入り・切り操作されるよう
に）、高低速切換レバー９０は、バネによって、左側に
倒れるように付勢されている。

【００５１】変速レバー９１は、前側に倒すと後進側に
変速され、そこから後側に倒すと中立位置を経て前進１
段側に変速され、そこからさらに後側に倒すと中立位置
を経て前進２段側に変速されるようになっている。昇降
レバー９２は、前側に倒すと走行機体２が下降し、後側
に倒すと走行機体２が上昇し、前後中間位置にすると、
走行機体２の昇降が停止するようになっていると共に、
前後中間位置に保持可能とされている。操向クラッチレ
バー９３は、ハンドル８の左右両側に設けられ、左右同
側にある操向クラッチを操作するものであり、操向クラ
ッチレバー９３を握ると、操向クラッチが切断され、操
向クラッチレバー９３に対する把持力を解除すると、バ
ネ力により操向クラッチレバー９３が復帰すると共に操
向クラッチが接続されるようになっていて、ハンドル８
後方で作業者が操向（舵取り）を行い得るように構成さ
れている。

【００５２】なお、主クラッチ７７が切断されると駐車
ブレーキ９６が作動して後輪４が制動され、主クラッチ
７７を接続すると駐車ブレーキ９６が解除されるように
構成されている。図３に示すように、前記植付体１６に
は、植え付ける苗に灌水すると共に水によって植付カッ
プ２０内面の土落としをするための給水ホース９７が取
り付けられている。この給水ホース９７は、走行機体２
の前部に設けた、図１２に示す給水ポンプ９８に接続さ
れており、給水ポンプ９８は給水ホースを介して走行機
体２に搭載された、図１２及び図１３に示す貯水タンク
９９に接続されており、植付体１６からの苗の放出時
に、貯水タンク９９からの水を植付体１６内に給水（苗
に対して灌水）できるようになっている。

【００５３】なお、苗を放出する前から給水を開始する
ことにより、水の落下によって苗の姿勢を安定させるこ
とができるという効果を奏する。貯水タンク９９は前後
一対設けられ、前後の貯水タンク９９は略同じ容量のタ
ンクとされ、走行機体２の側方（右側方）で且つ走行機
体２の前部と後部とに分けて設けられている（換言する
と、貯水タンク９９は走行機体２に前後に振り分け状に
設けられていて、旋回時の後輪４位置の前方側に、一方
の貯水タンク９９が配置されると共に、該後輪４位置の
後方側に、他方の貯水タンク９９が配置されている）。

【００５４】また、給水ポンプ９８は前後の貯水タンク
９９から水を同時に吸い込んで、植付体１６に給水する
ように構成されていて、前後の貯水タンク９９内の水が
略均等に減水するようになっている。もし、貯水タンク
９９が走行機体２の前後一側に配置されていると、貯水
タンク９９内の水の残量によって、移植機１の前後部の
重量比率が変化し、旋回時等において、後輪４を支点と
して移植機１の前部を持ち上げた際の、移植機１の取り
回し（取り扱い）が困難になる場合があるが、本実施の
形態のように、一対の貯水タンク９９を走行機体２に前
後に振り分けて配置すると共に、前後の貯水タンク９９
内の水が略均等に減水するように構成することにより、
前後の貯水タンク９９が満水又は空の状態等であっても
（貯水タンク９９内の水の量にかかわらず）、移植機１
の前後の重量バランスは崩れない（又は大きく崩れな
い）ので、旋回時等における移植機１の取り回しが容易
となり、旋回性を向上させることができる。

【００５５】したがって、前後の貯水タンク９９は、移
植機１の重心位置又は旋回時の後輪４の接地部分を境と
して、前後に均等に振り分けられるのがよいが、多少前
後に位置ずれしていても、貯水タンク９９が移植機１の
前後一側に設けられる場合に比べて効果は大である。な
お、前後の貯水タンク９９は、走行機体２の左右両側に
設けてもよい。

【００５６】

【発明の効果】本発明によれば、左右一対の前後輪によ
って走行可能に支持されると共に、苗を植え付ける移植
装置を備えた走行機体を備え、左右の各前後輪は、上端
側が走行機体に対して左右方向の軸心廻りに回動自在に
支持された車輪支持体の下端側に設けられていて、車輪
支持体を回動軸心回りに揺動させることにより走行機体
が昇降可能とされ、走行機体の後部に設けたハンドルを
押し下げて後輪を支点として移植機前部を持ち上げて旋
回する際に、後輪を支持する車輪支持体が、植付作業時
の前傾姿勢から接地面に対して略垂直となる姿勢まで揺
動可能として、旋回中心となる後輪をできるだけ前方に
持っていくことにより、旋回時において、ハンドルの押
し下げ力が軽くなり、移植機の旋回時の取り回しが容易
になる（旋回性の向上が図れる）という効果を奏する。

【００５７】また、旋回時に、後輪を支持する車輪支持
体を略垂直姿勢とすることにより、移植機の旋回時の地
上高を高く採ることができるという効果を奏する。ま
た、左右一対の前後輪によって走行可能に支持された走
行機体の前部に苗を植え付ける移植装置を支持し、走行
機体の後部にエンジンを支持し、走行機体の、移植装置
とエンジンとの間に移植作業者が着座する座席を備える
ことにより重心を座席下に持っていくことで、移植作業
時の安定化が図れ、また、走行機体の後端側にハンドル
を設け、前後輪は、上端側が走行機体に左右方向の軸心
廻りに回動自在に支持された車輪支持体の下端側に設け
られていて、車輪支持体を回動軸心回りに揺動させるこ
とにより走行機体が昇降可能とされ、ハンドルを押し下
げて後輪を支点として移植機前部を持ち上げて旋回する
際に、後輪を支持する車輪支持体を、植付作業時の前傾
姿勢から後輪が座席の下方に位置するまで揺動可能とし
て、旋回時に、旋回中心となる後輪を座席の下方に持っ
ていくことにより、移植機の旋回時の取り回しが容易に
なる（旋回性の向上が図れる）という効果を奏する。

【００５８】また、左右一対の前後輪によって走行可能
に支持された走行機体の前部に苗を植え付ける移植装置
を支持し、走行機体の後部にエンジンを支持し、走行機
体の、移植装置とエンジンとの間に移植作業者が着座す
る座席を備え、走行機体の後端側にハンドルを設け、前
後輪は、上端側が走行機体に左右方向の軸心廻りに回動
自在に支持された車輪支持体の下端側に設けられてい
て、車輪支持体を回動軸心回りに揺動させることにより
走行機体が昇降可能とされ、ハンドルを押し下げて後輪
を支点として移植機前部を持ち上げて旋回する際に、後
輪を支持する車輪支持体が、植付作業時の前傾姿勢か
ら、後輪が座席の下方に位置して接地面に対して略垂直
となる姿勢まで揺動可能とされていることにより、前述
した効果と同様の効果を奏すると共に、略垂直状とされ
た、後輪を支持する車輪支持体によって、座席側からの
荷重を良好に支えることができる。

【００５９】また、左右一対の前後輪によって走行可能
に支持された走行機体を備え、この走行機体に、エンジ
ンと、苗を圃場に植え付ける移植装置と、苗に対して灌
水するための水を溜める前後一対の貯水タンクとを支持
すると共に、走行機体の後端側にハンドルを設け、前後
輪は、上端側が走行機体に左右方向の軸心廻りに回動自
在に支持された車輪支持体の下端側に設けられていて、
車輪支持体を回動軸心回りに揺動させることにより走行
機体が昇降可能とされ、ハンドルを押し下げて後輪を支
点として移植機前部を持ち上げて旋回する際の、後輪位
置の前方側に、前後一方の貯水タンクを配置すると共
に、該後輪位置の後方側に、前後他方の貯水タンクを配
置し、前後の貯水タンクから同時に給水するようにした
ことにより、貯水タンクが満水であっても、空であって
も、旋回時における、後輪を中心とした前後の重量バラ
ンスが大きく崩れるということはなく、旋回性の向上が
図れる。

【００６０】また、後輪を支持する車輪支持体を流体圧
シリンダによって揺動可能とすると共に、該車輪支持体
を接地面に対して垂直な状態から、さらに前方に揺動で
きるように構成することにより、格納時等において、走
行機体を上昇させたままおいておく場合に、流体圧シリ
ンダの圧力媒体がリークしても、走行機体が下降するの
を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】移植機の全体側面図である。

【図２】移植機の全体平面図である。

【図３】移植装置の側面図である。

【図４】移植装置と座席との関係を示す平面図である。

【図５】座席の側面図である。

【図６】前後輪及び昇降装置の平面図である。

【図７】前後輪及び昇降装置の側面図である。

【図８】畝高さ検知装置の側面図である。

【図９】動力伝達系の構成図である。

【図１０】各種操作レバーの斜視図である。

【図１１】クラッチ操作系の構成図である。

【図１２】貯水タンク及び給水ポンプの配置を示す移植
機の平面図である。

【図１３】貯水タンクの配置を示す移植機の側面図であ
る。

【符号の説明】

２走行機体３前輪４後輪５移植装置６座席８ハンドル５０伝動ケース（車輪支持体）５５前輪支持アーム（車輪支持体）５６昇降シリンダ（流体圧シリンダ）９９貯水タンクＥエンジンＭミッションケース

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者福高恭史大阪府堺市石津北町64番地株式会社クボタ堺製造所内 (72)発明者藤井泰志大阪府堺市石津北町64番地株式会社クボタ堺製造所内Ｆターム(参考） 2B060 AA01 AC02 AD04 AE01 BA04 BA09 BB05 BB07 CA01 CA03 CA09 CB05 CC05 2B063 AA02 AB01 AB03 AB08 BA02 BA07 BA11 BA21

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】左右一対の前後輪によって走行可能に支
持されると共に、苗を植え付ける移植装置を備えた走行
機体を備え、左右の各前後輪は、上端側が走行機体に対
して左右方向の軸心廻りに回動自在に支持された車輪支
持体の下端側に設けられていて、車輪支持体を回動軸心
回りに揺動させることにより走行機体が昇降可能とさ
れ、走行機体の後部に設けたハンドルを押し下げて後輪
を支点として移植機前部を持ち上げて旋回する際に、後
輪を支持する車輪支持体が、植付作業時の前傾姿勢から
接地面に対して略垂直となる姿勢まで揺動可能とされて
いることを特徴とする移植機。
【請求項２】左右一対の前後輪によって走行可能に支
持された走行機体の前部に苗を植え付ける移植装置を支
持し、走行機体の後部にエンジンを支持し、走行機体
の、移植装置とエンジンとの間に移植作業者が着座する
座席を備え、走行機体の後端側にハンドルを設け、左右
の各前後輪は、上端側が走行機体に左右方向の軸心廻り
に回動自在に支持された車輪支持体の下端側に設けられ
ていて、車輪支持体を回動軸心回りに揺動させることに
より走行機体が昇降可能とされ、ハンドルを押し下げて
後輪を支点として移植機前部を持ち上げて旋回する際
に、後輪を支持する車輪支持体を、植付作業時の前傾姿
勢から後輪が座席の下方に位置するまで揺動可能とした
ことを特徴とする移植機。
【請求項３】左右一対の前後輪によって走行可能に支
持された走行機体の前部に苗を植え付ける移植装置を支
持し、走行機体の後部にエンジンを支持し、走行機体
の、移植装置とエンジンとの間に移植作業者が着座する
座席を備え、走行機体の後端側にハンドルを設け、左右
の各前後輪は、上端側が走行機体に左右方向の軸心廻り
に回動自在に支持された車輪支持体の下端側に設けられ
ていて、車輪支持体を回動軸心回りに揺動させることに
より走行機体が昇降可能とされ、ハンドルを押し下げて
後輪を支点として移植機前部を持ち上げて旋回する際
に、後輪を支持する車輪支持体が、植付作業時の前傾姿
勢から、後輪が座席の下方に位置して接地面に対して略
垂直となる姿勢まで揺動可能とされていることを特徴と
する移植機。
【請求項４】左右一対の前後輪によって走行可能に支
持された走行機体を備え、この走行機体に、エンジン
と、苗を植え付ける移植装置と、苗に対して灌水するた
めの水を溜める前後一対の貯水タンクとを支持すると共
に、走行機体の後端側にハンドルを設け、左右の各前後
輪は、上端側が走行機体に左右方向の軸心廻りに回動自
在に支持された車輪支持体の下端側に設けられていて、
車輪支持体を回動軸心回りに揺動させることにより走行
機体が昇降可能とされ、ハンドルを押し下げて後輪を支
点として移植機前部を持ち上げて旋回する際の、後輪位
置の前方側に、一方の貯水タンクを配置すると共に、該
後輪位置の後方側に、他方の貯水タンクを配置し、前後
の貯水タンクから同時に給水するようにしたことを特徴
とする移植機。
【請求項５】後輪を支持する車輪支持体を流体圧シリ
ンダによって揺動可能とすると共に、該車輪支持体を接
地面に対して垂直な状態から、さらに前方に揺動できる
ように構成したことを特徴とする請求項１〜４のいずれ
かに記載の移植機。