JP2003318532A - フレキシブルプリント配線用基板 - Google Patents
フレキシブルプリント配線用基板Info
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Abstract
や応力が加わっても密着強度の高い金属導体層を持つ、
2層型フレキシブルプリント配線用基板を提供する。 【解決手段】プラスチックフィルムの片面または両面
に、金属蒸着層を設け、該金属蒸着層上に電気めっき法
で0.5〜35μm厚さの導電性金属層を積層し、一体
化したフレキシブルプリント配線用基板において、金属
蒸着層がNiとCrを主成分とした層と、銅を主成分と
した層からなり、NiとCrを主成分とした層のプラス
チックフィルムと接する側の界面(界面A)付近の組成
と、NiとCrを主成分とした層の銅を主成分とした層
と接する側の界面(界面B)付近の組成が異なり、か
つ、界面A付近のCr含有率と界面B付近のCr含有率
では界面A付近のCr含有率の方が低いフレキシブルプ
リント配線用基板。
Description
性金属層積層フィルムによるフレキシブルプリント配線
用基板に関するものである。
剤層を介して導体層としての銅箔を貼り合せた3層構造
のフレキシブルプリント配線用基板が知られている。こ
の3層構造タイプのフレキシブルプリント配線用基板
は、用いられる接着剤の耐熱性がプラスチックフィルム
より劣るため、加工後の寸法精度が低下するという問題
があり、また用いられる銅箔の厚さが通常10μm以上
であるため、ピッチの狭い高密度配線用のパターニング
が難しいという欠点もあった。
用いることなく、湿式めっき法や乾式めっき法(例え
ば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティ
ング法など)により、導体層としての金属層を形成させ
た2層構造タイプのフレキシブルプリント配線用基板も
知られている。この2層構造タイプのフレキシブルプリ
ント配線用基板は、導体層を10μmよりも薄くするこ
とができるため高密度配線が可能であるが、過酷な熱負
荷試験(例えば、温度85℃、湿度85%、1000時
間)を行ったり、スズ、ニッケル、はんだ、または金な
どの無電解めっき処理を行うと、プラスチックフィルム
と導体層との間の密着力が低下してしまうという欠点が
あった。また、配線を施した2層タイプ基板にICを実
装する際にスズ、はんだ、金またはこれらの共晶体など
が導体層とプラスチックフィルムの間、特にNiとCr
を主成分とする層と銅層との間に潜り込むことがあると
いう欠点があった。このように熱負荷後や無電解めっき
処理後の2層構造のプリント配線用基板の界面の密着性
が低下する原因は明らかではないが、導体層としての銅
箔の酸化や後に行う無電解めっき工程で用いられる還元
性の処理液により界面で発生する化学反応、またはIC
実装時に基板に加わる熱および応力が原因ではないかと
考えられている。
スチックフィルムと該プラスチックフィルム上の導体
層、およびこれらの界面が、無電解めっき工程で使用さ
れる薬品の作用や熱負荷に十分に耐え得るよう形成さ
れ、熱負荷後の密着耐久性はもとより、無電解めっき後
における導体層と基板との間の界面の密着性が優れてお
り、IC実装の際に熱や応力が加わっても界面にスズ、
はんだ、金またはこれらの共晶体などが導体層とプラス
チックフィルムの間に潜り込むことのなく、高温高湿下
での絶縁信頼性を持つ、密着性と耐久性に優れたフレキ
シブルプリント配線用基板を提供することを目的とする
ものである。
本発明に係るフレキシブル配線用基板は、すなわち、プ
ラスチックフィルムの片面または両面に、金属蒸着層を
設け、該金属蒸着層上に電気めっき法で導電性金属層を
積層してなるフレキシブルプリント配線用基板におい
て、該金属蒸着層がNiとCrを主成分とする層と銅を
主成分とする層からなり、NiとCrを主成分とする層
のプラスチックフィルムと接する側の界面(界面A)付
近の組成と、NiとCrを主成分とする層の銅を主成分
とする層と接する側の界面(界面B)付近の組成が異な
り、かつ、界面A付近のCr含有率と界面B付近のCr
含有率では界面A付近のCr含有率の方が低いことを特
徴とするフレキシブルプリント配線用基板である。
プリント配線用基板について詳述する。
の好適例の構造を図1に示す。図1において、プラスチ
ックフィルム1の片側の面にNiとCrを主成分とする
金属蒸着層2が積層され、さらにその上に銅を主成分と
する金属蒸着層3が積層されている。そして、その上に
さらに導電性金属層4が積層されている。
ックフィルムを例示すると、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリエチレ
ン−α,β−ビス(2−クロルフェノキシエタン−4,
4′−ジカルボキシレート)などのポリエステル、ポリ
フェニレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリ
エーテルエーテルケトン、芳香族ポリアミド、ポリアリ
レート、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテル
イミド、ポリパラジン酸、ポリオキサジアゾールおよび
これらのハロゲン基あるいはメチル基置換体からなるフ
ィルム等が挙げられる。また、これらの共重合体や、他
の有機重合体を含有するものであっても良い。これらの
プラスチックに公知の添加剤、たとえば、滑剤や可塑剤
などが添加されていても良い。
式の繰返し単位を85モル%以上含むポリマーを溶融押
出しして得られる未延伸フィルムを、二軸方向に延伸配
向して機械特性を向上せしめたフィルムが特に好ましく
使用される。
下記式の繰返し単位を50モル%以上含むポリマーから
なり、湿式あるいは乾湿式製膜したフィルム、あるいは
該フィルムを二軸延伸および/または熱処理せしめたフ
ィルムも好ましく使用される。
の整数を示す)。
らなるプラスチックフィルムは、特に耐熱安定性と耐湿
安定性に優れウエットエッチング工程における寸法変化
が小さい。
は、好ましくは6〜125μm程度のものが多用され、
12〜50μmの厚さが好適である。プラスチックフィ
ルムが薄すぎると、強度が足りなくて金属蒸着や配線加
工が困難になったり補強フィルムを必要とする問題が起
こりやすく、また、厚すぎると折り曲げ性が損なわれる
ことで好ましくない。
金属層を形成するに先立って、プラスチックフィルムの
片面または両面に、真空蒸着またはスパッタ法等により
金属蒸着層を形成する。前記金属蒸着層は、NiとCr
を主成分とする層と、銅を主成分とする層からなる。こ
れによって低抵抗でしかも屈曲性に富む層を形成するこ
とができる。
は、プラスチックフィルムと接する側の界面(界面A)
付近と、銅を主成分とした層と接する側の界面(界面
B)付近とで組成が異なり、かつ、界面A付近のCr含
有率と界面B付近のCr含有率では界面A付近のCr含
有率の方が低いことが必要である。これによってプラス
チックフィルムと導体層との間の密着力の低下や、配線
を施した2層タイプ基板にICを実装する際にスズ、は
んだ、金またはこれらの共晶体などが導体層とプラスチ
ックフィルムの間、特にNiとCrを主成分とする層と
銅層との間に潜り込むことがあるという前述した記欠点
を解決することができる。
ることが好ましい。Cr含有率がこの範囲より少ないと
前述の欠点が解決されず、本発明の目的を達成すること
が困難になる。また、Cr含有率がこの範囲より多い
と、配線を施すためにCuをエッチングした後に配線間
にCrが残留することがあり、配線間の絶縁が確保でき
ないことがある。また、配線間の絶縁がエッチング直後
は保持できたとしても、高温高湿下で電圧を印加し続け
た際に絶縁が破壊されることがある。
あることが好ましい。Crは全く含まれていなくても良
いが、この範囲より多いと、界面Bにスズ、はんだ、金
またはこれらの共晶体などが潜り込む現象が起こりやす
く、本発明の目的が達成され難くなる。
厚は、11nm以上25nm以下であることが好まし
い。膜厚がこの範囲より少ないと前記欠点が解決され
ず、本発明の目的を達成することが困難になる。また、
膜厚がこの範囲より多いと、配線を施すためにCuをエ
ッチングした後に配線間にCrが残留することがあり、
配線間の絶縁が確保できないことがある。
たように界面A付近と界面B付近で組成が異なるが、こ
れを実現する方法としては、NiとCrを主成分とした
金属蒸着層が少なくとも2層からなり、それらの層のう
ち、プラスチックフィルムと接する層のCr含有率と銅
を主成分とする層と接する層のCr含有率が異なり、か
つ、プラスチックフィルムと接する層のCr含有率の方
が銅を主成分とする層と接する層のCr含有率よりも高
くなるように、少なくとも2層のNiとCrを主成分と
した層を設けることで実現することができる。
異なる組成を持つ層を中間に設けて3層以上に分割して
も良いし、さらに分割を進めたと見なして連続的に組成
を変化させて積層しても良い。製造が容易なことから、
2層構成が好ましい。この場合は、Cr含有率が0〜1
0%である層とCr含有率が15〜25%である層の2
層とすることがより好ましい。3層にする場合は、各層
間の密着力が高くなることから中間の層のCr含有率は
前後の層のCr含有率の間になっていることが好まし
く、特にCr含有率が0〜10%である層とCr含有率
が5〜15%である層とCr含有率が15〜25%であ
る層の計3層からなるようにすることがより好ましい。
として考えたとき、その膜厚をX(nm)、NiとCr
を主成分とする金属蒸着層の平均的なCr原子の含有率
をY(%)としたとき、XY/100が0.5以上2.
5以下とすることが好ましい。XY/100がこの範囲
より少ないと前記欠点が解決されず、本発明の目的を達
成することが困難になる。また、XY/100がこの範
囲より多いと、配線を施すためにCuをエッチングした
後に配線間にCrが残留することがあり、配線間の絶縁
が確保できないことがある。
iとCr含有率は、オージェ電子分光法で構成元素を調
べることで判定することができる。この場合、本発明の
フレキシブルプリント配線用基板のプラスチックフィル
ムを何らかの方法で除去し、界面Aを露出させ、さらに
イオンビームでエッチングしながらオージェ電子分光法
を適用することで界面A付近の構成元素を調べる。ま
た、エッチングを継続して界面Bを越えて銅層まで構成
元素を調べることで、界面B付近の構成元素を調べる。
この結果得られるNiとCrのピーク強度比を調べるこ
とで、Crの含有率を推定できる。界面A付近ではNi
/Crのピーク強度比が8以上、界面B付近ではNi/
Crのピーク強度比が2〜3のときが好ましい。また、
界面B付近でのピーク強度比と界面A付近でのピーク強
度比の比が2.5以上のときが好ましい。
の次に、銅を主成分とした金属蒸着層を設ける。該金属
蒸着層の厚みは、好ましくは10〜300nm、より好
ましくは30〜120nm、さらに好ましくは40〜1
00nmである。膜厚が10nmよりも薄い場合は、金
属メッキ工程で銅膜が溶出しやすく、300nmよりも
厚い場合は、金属メッキ工程後に膜がはがれやすく、生
産効率も良くないので好ましくない。
っきによってより厚膜の導電性金属層(金属めっき層)
を形成する。電解金属めっき工程は、密着性を向上させ
るための脱脂および酸活性処理、金属ストライク、金属
めっきの各工程からなる。金属薄膜を蒸着した直後に電
気めっき工程に入る場合には、脱脂および酸活性処理、
金属ストライクを省略してもよい。金属薄層に給電する
電流密度は0.2〜10A/dm2が好適で、0.5〜
5A/dm2がより好適である。また、電解めっきの代
わりに無電解めっきを施すこともできる。
の厚さは、0.5〜35μmとすることが好ましく、
1.0〜20μmがより好適である。厚さが0.5μm
未満では金属めっき層の信頼性が十分とはいえない。ま
た、厚さが35μmを超えると膜形成に時間がかかり経
済性が劣るほか、エッチング加工時に回路パターンの端
部エッチングが進行しやすく、また、折り曲げによる断
線の恐れがあるなど品質面でも好ましくない。目的とす
る回路の電流密度によっても異なるが、加工作業性、品
質の面から厚さは1.0〜20μm程度がより好適であ
る。
度、浴温、撹拌条件などにより異なるが、特に制限はな
い。めっき浴は、硫酸銅浴、ピロりん酸銅浴、シアン化
銅浴、スルファミン酸ニッケル浴、スズ−ニッケル合金
めっき浴、銅−スズ−亜鉛合金めっき浴、スズ−ニッケ
ル−銅合金めっき浴などが好ましいが、これらに限られ
るものではない。エッチング後、端子部にシアン化金め
っき、シアン化銀めっき、ロジウムめっき、パラジュウ
ムめっきなどの貴金属メッキを補足形成させても良い。
線用基板には、エッチングによってパターンがを形成さ
れるが、具体的には金属の不要部分を化学反応で溶解除
去し、所定の電気回路図形を形成する。エッチング液と
しては、塩化第二銅、塩化第二鉄、過硫酸塩類、過酸化
水素/硫酸、アルカリエンチャントなどの水溶液などが
使用できる。また、パターンとして残すべき金属の必要
部分は、写真法やスクリーン印刷法で有機化合物系レジ
ストを被覆させるか、または異種金属系レジストをめっ
きし保護して、金属の溶解を防止する。本発明の特徴
は、よりファインなパターンを形成でき、しかも製品の
繰返し屈曲、各種環境試験に十耐えるものを形成でき
る。
は、電子計算機、端末機器、電話機、通信機器、計測制
御機器、カメラ、時計、自動車、事務機器、家電製品、
航空機計器、医療機器などのあらゆるエレクトロニクス
の分野に活用できる。またコネクター、フラット電極な
どへの適用も可能である。
プリント配線用基板について詳述する。実施例中の各特
性値の測定は次の測定法に従って行なった。 (a) 引きはがし強度:JIS・C6481(180度ピ
ール)に準じて評価を行なった。 (b) 常態密着力:上記評価を、パターン形成後100℃
で15分乾燥させ、常温常湿下で測定した。 (c) 耐熱引き剥がし密着力:上記評価を、パターン形成
後150℃で10日間放置し、取り出した後、常温常湿
下で測定した。 (d) 高温高湿引き剥がし密着力:上記評価を、パターン
形成後121℃100%RHで4日間放置し、取り出し
た後、常温常湿下で測定した。
ィルム“カプトン”(米国デュポン社の登録商標)の片
面に、プラズマ処理を実施した。プラズマ処理は、5m
Pa以下の真空度にした真空チャンバー中で、窒素ガス
を1.6Paまで導入し、1.1kWのRF電力で行っ
た。次いで、クロム5%ニッケル95%のターゲットを
用いて、ポリイミドフィルムのプラズマ処理面上にスパ
ッタ蒸着し厚さ10nmのニッケルクロム蒸着層を形成
し、さらにクロム20%ニッケル80%のターゲットを
用いて該ニッケルクロム蒸着層の上にスパッタ蒸着し、
厚さ4.5nmのニッケルクロム蒸着層を形成し、合わ
せてNiとCrを主成分とする金属蒸着層とした。さら
に純度99.99%の銅をNiとCrを主成分とする金
属蒸着層の上にスパッタ蒸着し厚さ80nmの銅蒸着層
を形成した。その後、厚さ9μmの電解銅めっきを行
い、金属蒸着層上に導電性金属層を形成した。
の引き剥がし密着力の測定結果を表1に示した。常態密
着力、耐熱引き剥がし密着力、高温高湿引き剥がし密着
力において、良好な結果を示した。 また、このフレキ
シブルプリント配線用基板の金属層をエッチングし、幅
1mmの配線パターンを作製した。この配線パターンに
対して、折り曲げ+420℃加熱+ハンダ付けを行った
ところ、ポリイミドフィルムと金属層の間へのハンダの
潜り込みは観察されなかった。
板の金属層をエッチングし、幅30μm、スペース40
μmの配線パターンを作製した。この配線パターンに対
して、無電解Snめっきを施し、厚さ0.2μmのSn
めっき層を形成した。この配線パターンと金バンプを持
ったICを(株)新川製のボンディング装置ILT−1
10を用いてIC実装したところ、銅層とポリイミドフ
ィルムの間にSnやAuは見られず、正常に実装でき
た。この時の実装条件は、ツール温度370℃、ステー
ジ温度445℃、実装時間1秒、フォーミング量50μ
mであった。
板の金属層をエッチングし、幅30μm、スペース40
μmの絶縁試験用櫛形配線パターンを作製した。この配
線パターンの端子間に60Vの電圧を掛けたところ、1
0^12Ω(網岡註:べき乗です)の抵抗値を示した。
この配線パターンを85℃85%RHの高温高湿下で6
0Vの電圧をかけ続けたが、500時間経過後も抵抗値
が変動せず、良好な結果を示した。
板のポリイミドを加熱したエチレンジアミン/ヒドラジ
ン混合溶液中で溶解除去し、NiとCrを主成分とする
金属蒸着層のポリイミド側界面を露出させ、オージェ電
子分光法により構成元素比を測定した。測定装置はPE
RKIN ELMER製PHI−670で行った。測定
条件は、加速電圧10kV、試料電流20nA、ビーム
径80nmφ、試料傾斜角度30度で行った。また、深
さ方向の分析を行うためのイオンエッチング条件は、イ
オン種Ar+、加速電圧2kV、試料傾斜角30度、エ
ッチングレート6nm/min(SiO2換算値)で行
った。その結果、Crピークが現れた時点でのNi/C
rの比Pは9.9、さらにエッチングが進んだ後のNi
/Crの比Qが2.5で、P/Q=3.96であった。
理したポリイミドフィルム上に、クロム5%ニッケル9
5%のターゲットを用いてスパッタ蒸着し、厚さ5nm
のニッケルクロム蒸着層を形成し、さらにクロム10%
ニッケル90%のターゲットを用いて該ニッケルクロム
蒸着層の上にスパッタ蒸着し、厚さ5nmのニッケルク
ロム蒸着層を形成し、さらにクロム20%ニッケル80
%のターゲットを用いて該ニッケルクロム蒸着層の上に
スパッタ蒸着し、厚さ4.5nmのニッケルクロム蒸着
層を形成し、合わせてNiとCrを主成分とする金属蒸
着層とした。さらに純度99.99%の銅をNiとCr
を主成分とする金属蒸着層の上にスパッタ蒸着し厚さ8
0nmの銅蒸着層を形成し、金属蒸着層とした。その
後、厚さ9μmの電解銅めっきを行い、金属蒸着層上に
導電性金属層を形成し、フレキシブルプリント配線用基
板を作製した。実施例1と同様に、引き剥がし密着力の
測定を行ったところ、表1の結果を得た。実施例1と比
較してほぼ同じ結果となった。
板の金属層をエッチングし、幅1mmの配線パターンを
作製した。この配線パターンに対して、折り曲げ+42
0℃加熱+ハンダ付けを行ったところ、ポリイミドフィ
ルムと金属層の間へのハンダの潜り込みが観察されず、
実施例1と同様の結果であることが確認された。
ったところ、配線パターンの銅層とポリイミドフィルム
の間のAuとSnの潜り込みは確認されなかった。
ったところ、エッチング後および85℃85%RHの高
温高湿下で60Vの電圧を印加して500時間経過後も
いずれも10^12Ω台を示し、良好な結果となった。
板について実施例1と同様にオージェ電子分光を行った
ところ、Ni/Crの比は順に10、5.9、2.6で
あり、P/Q=10/2.6=3.85であった。 (比較例1)実施例1と同様にプラズマ処理したポリイ
ミドフィルム上に、クロム20%ニッケル80%のター
ゲットを用いてスパッタ蒸着し、厚さ4.5nmのニッ
ケルクロム蒸着層を形成し、さらに純度99.99%の
銅をニッケルクロム蒸着層の上にスパッタ蒸着し厚さ8
0nmの銅蒸着層を形成し、金属蒸着層とした。その
後、厚さ9μmの電解銅めっきを行い、金属蒸着層上に
導電性金属層を形成し、フレキシブルプリント配線用基
板を作製した。実施例1と同様に引き剥がし密着力の測
定を行ったところ、表1の結果を得た。実施例1と比較
して、耐熱引き剥がし密着および高温高湿引き剥がし密
着力力において若干劣っている結果となった。また、こ
のフレキシブルプリント配線用基板の金属層をエッチン
グし、幅1mmの配線パターンを作製した。この配線パ
ターンに対して、折り曲げ+420℃加熱+ハンダ付け
を行ったところ、ポリイミドフィルムと金属層の間への
ハンダの潜り込みが観察され、実施例1よりも劣ってい
ることが確認された。
ったところ、配線パターンの銅層とポリイミドフィルム
の間にAuとSnが潜り込んでいることが確認された。
また、このフレキシブルプリント配線用基板について実
施例1と同様にオージェ電子分光を行ったところ、Ni
/Crの比は2.7であった。
ミドフィルム上に、クロム20%ニッケル80%のター
ゲットを用いてスパッタ蒸着し、厚さ14.5nmのニ
ッケルクロム蒸着層を形成し、さらに純度99.99%
の銅をニッケルクロム蒸着層の上にスパッタ蒸着し厚さ
80nmの銅蒸着層を形成し、金属蒸着層とした。その
後、厚さ9μmの電解銅めっきを行い、金属蒸着層上に
導電性金属層を形成し、フレキシブルプリント配線用基
板を作製した。このフレキシブルプリント配線用基板の
金属層をエッチングし、幅1mmの配線パターンを作製
したところ、配線間にニッケルクロム蒸着層が残留し、
配線パターン間の絶縁が取れず、フレキシブルプリント
配線板として不適であった。
理したポリイミドフィルム上に、クロム10%ニッケル
90%のターゲットを用いてスパッタ蒸着し、厚さ1
4.5nmのニッケルクロム蒸着層を形成し、さらに純
度99.99%の銅をニッケルクロム蒸着層の上にスパ
ッタ蒸着し厚さ80nmの銅蒸着層を形成し、金属蒸着
層とした。その後、厚さ9μmの電解銅めっきを行い、
金属蒸着層上に導電性金属層を形成し、フレキシブルプ
リント配線用基板を作製した。実施例1と同様に引き剥
がし密着力の測定を行ったところ、表1の結果を得た。
実施例1と比較して、常態引き剥がし密着力および高温
高湿引き剥がし密着力においては若干優れている結果と
なった。
板の金属層をエッチングし、幅1mmの配線パターンを
作製した。この配線パターンに対して、折り曲げ+42
0℃加熱+ハンダ付けを行ったところ、ポリイミドフィ
ルムと金属層の間へのハンダの潜り込みは観察されなか
った。
板の金属層をエッチングし、幅30μm、スペース40
μmの配線パターンを作製した。この配線パターンに対
して、無電解Snめっきを施し、厚さ0.2μmのSn
めっき層を形成した。この配線パターンと金バンプを持
ったICを(株)新川製のボンディング装置ILT−1
10を用いてIC実装したところ、銅層とポリイミドフ
ィルムの間にSnやAuは見られず、正常に実装でき
た。この時の実装条件は、ツール温度370℃、ステー
ジ温度445℃、実装時間1秒、フォーミング量50μ
mであった。
板の金属層をエッチングし、幅30μm、スペース40
μmの絶縁試験用櫛形配線パターンを作製した。この配
線パターンの端子間に60Vの電圧を掛けたところ、1
0^12Ωの抵抗値を示した。この配線パターンを85
℃85%RHの高温高湿下で60Vの電圧をかけ続けた
が、300時間経過後に配線間の短絡が起こり、実施例
1と比較して劣っていた。
板について実施例1と同様にオージェ電子分光を行った
ところ、Ni/Crの比は6.0であった。
の上に金属層を約0.5〜35μmの厚みに形成するこ
とができ、パターン形成、エッチング、配線、IC実装
などの工程を経ても、さらに厳しい環境試験を経ても、
はくり、はがれのない密着性に優れたFPC基板、CO
F基板等のフレキシブルプリント配線用基板が得られ
る。しかも、従来は、たとえば、銅箔の厚さの限界によ
り12μm未満のものは生産されていなかったが、0.
5〜11μmのより薄い銅層を形成できることにより、
パターン精度が向上し、より高密度、高精度の配線が可
能となる。しかも、銅箔ラミネート時に発生していた折
れきずやピンホールが少なく、経済性と高い品質を兼ね
備えたフレキシブルプリント配線用基板が得られる。
用基板の好適例を示す断面図である。
Claims (11)
- 【請求項1】 プラスチックフィルムの片面または両面
に、金属蒸着層を設け、該金属蒸着層上に電気めっき法
で導電性金属層を積層してなるフレキシブルプリント配
線用基板において、該金属蒸着層がNiとCrを主成分
とする層と銅を主成分とする層からなり、NiとCrを
主成分とする層のプラスチックフィルムと接する側の界
面(界面A)付近の組成と、NiとCrを主成分とする
層の銅を主成分とする層と接する側の界面(界面B)付
近の組成が異なり、かつ、界面A付近のCr含有率と界
面B付近のCr含有率では界面A付近のCr含有率の方
が低いことを特徴とするフレキシブルプリント配線用基
板。 - 【請求項2】 NiとCrを主成分とする金属蒸着層が
少なくとも2層からなり、それらの層のうち、プラスチ
ックフィルムと接する層のCr含有率と銅を主成分とす
る層と接する層のCr含有率が異なり、かつ、プラスチ
ックフィルムと接する層のCr含有率の方が銅を主成分
とする層と接する層のCr含有率よりも低いことを特徴
とする請求項1記載のフレキシブルプリント配線用基
板。 - 【請求項3】 プラスチックフィルムが、ポリエステル
フィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリ
イミドフィルム、ポリパラジン酸フィルム、ポリエーテ
ルスルホンフィルム、ポリエーテル・エーテルケトンフ
ィルム、芳香族ポリアミドフィルム、ポリオキサゾール
フィルム、液晶ポリマーからなるフィルムおよびこれら
のハロゲン基あるいはメチル基置換体からなるフィルム
から選ばれたものである請求項1または2記載のフレキ
シブルプリント配線用基板。 - 【請求項4】 界面B付近のCr含有率が15〜25%
であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
のフレキシブルプリント配線用基板。 - 【請求項5】 界面A付近のCr含有率が0〜10%で
あることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
フレキシブルプリント配線用基板。 - 【請求項6】 NiとCrを主成分とする金属蒸着層の
膜厚が11nm以上20nm以下であることを特徴とす
る請求項1〜5のいずれかに記載のフレキシブルプリン
ト配線用基板。 - 【請求項7】 NiとCrを主成分とする金属蒸着層
が、プラスチックフィルム側からCr含有率が0〜10
%である層とCr含有率が15〜25%である層の2層
からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記
載のフレキシブルプリント配線用基板。 - 【請求項8】 NiとCrを主成分とする金属蒸着層
が、プラスチックフィルム側からCr含有率が0〜10
%である層とCr含有率が5〜15%である層とCr含
有率が15〜25%である層の計3層からなることを特
徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のフレキシブル
プリント配線用基板。 - 【請求項9】 NiとCrを主成分とする金属蒸着層を
オージェ電子分光法深さ方向分析で構成元素比を調べた
場合、プラスチックフィルムに接する部分のNi/Cr
のピーク強度比が8以上であり、銅を主成分とする層と
接する部分のNi/Crのピーク強度比が2〜3である
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のフレ
キシブルプリント配線用基板。 - 【請求項10】 NiとCrを主成分とする金属蒸着層
をオージェ電子分光法深さ方向分析で構成元素比を調べ
た場合、プラスチックフィルムに接する部分のNi/C
rのピーク強度比をP、銅を主成分とする層と接する部
分のNi/Crのピーク強度比をQとしたとき、P/Q
が2.5以上であることを特徴とする請求項1〜8のい
ずれかに記載のフレキシブルプリント配線用基板。 - 【請求項11】 NiとCrを主成分とする金属蒸着層
の膜厚をX(nm)、NiとCrを主成分とする金属蒸
着層の平均的なCr含有率をY(%)としたとき、XY
/100が0.5以上2.5以下であることを特徴とす
る請求項1〜10のいずれかに記載のフレキシブルプリ
ント配線用基板。
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---|---|---|---|
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002122411A JP2003318532A (ja) | 2002-04-24 | 2002-04-24 | フレキシブルプリント配線用基板 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009283872A (ja) * | 2008-05-26 | 2009-12-03 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | プリント配線基板およびプリント配線基板の製造方法 |
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JP2015118044A (ja) * | 2013-12-19 | 2015-06-25 | 住友金属鉱山株式会社 | 金属薄膜/ポリイミド積層体の密着強度判定方法、及び、それを用いた金属化ポリイミドフィルム基板 |
-
2002
- 2002-04-24 JP JP2002122411A patent/JP2003318532A/ja active Pending
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